以下に添付図面を参照して、この発明にかかる遊技媒体貸出装置、情報処理方法、および情報処理プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(遊技システム100のシステム構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる遊技システム100のシステム構成について説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかる遊技システム100のシステム構成図である。図1において、遊技システム100は、複数の遊技機M−1〜M−nと、複数の遊技媒体貸出装置110−1〜110−nと、ホストコンピュータ120と、がインターネット、LANおよびWANなどのネットワークを介して接続されている。
遊技機M−1〜M−nは、遊技場に設置されるパチンコ遊技機やスロット遊技機などの電子機器である。また、遊技の進行にともなって発生する遊技情報を外部のコンピュータ装置(たとえば、遊技媒体貸出装置110−1〜110−n)に配信する機能を有している。遊技情報とは、図柄の変動開始、リーチ演出の発生、大当たりの発生、確率変動状態の発生などを示す情報である。
遊技媒体貸出装置110−1〜110−nは、それぞれ隣接する遊技機M−1〜M−nと一対一で設置/接続されており、その遊技機M−1〜M−nにおける遊技に使用される遊技球や遊技メダルなどの遊技媒体を貸し出すコンピュータ装置である。また、遊技機M−1〜M−nからの遊技情報に基づいて、個々の遊技者に対応した遊技履歴を表示画面に表示する機能を有している。
さらに、隣接する遊技機M−1〜M−nに対して不正行為がおこなわれた場合、該遊技機M−1〜M−nの異常を検知して、その旨を報知する機能を有している。不正行為とは、遊技機M−1〜M−nの制御を司る主基板や該主基板に実装されているROMを不正改造したり、不正なもの(いわゆる、「裏ロム」)に交換して、不当に遊技媒体を獲得する行為などである。
ホストコンピュータ120は、遊技履歴情報DB(データベース)121を備え、各遊技機M−1〜M−nの遊技情報を保持するコンピュータ装置である。また、各遊技媒体貸出装置110−1〜110−nからの取得要求に応じて、遊技履歴情報DB121内の遊技履歴情報を要求元に送信する機能を有している。
(遊技履歴情報DB121のデータ構造)
つぎに、遊技履歴情報DB121のデータ構造について説明する。図2−1および図2−2は、遊技履歴情報DB121のデータ構造を示す説明図である。図2−1において、遊技履歴情報DB121には、遊技場の会員ごとの遊技履歴を営業日単位で集計した遊技履歴情報が格納されている(図2−1では、ある営業日における遊技履歴情報を示す)。
具体的には、会員IDごとに、該会員IDから特定される遊技者が遊技した遊技機M−1〜M−nの台番号、製造業者名/機種名、大当たり回数、確変回数、総回転数、リーチ回数、使用金額に関する情報が格納されている。また、図示を省略するが、会員ごとの各遊技機M−1〜M−nにおける遊技媒体の供給数および打込数を示す情報(いわゆる、「差玉情報」)が格納されている。
ここで、会員ID「P−0001」から特定される遊技者の遊技履歴を例に挙げると、台番号「007」および「039」の遊技機における遊技者固有の遊技履歴情報が格納されている。なお、遊技履歴情報DB121の記憶容量を考慮して、所定の期間ごとに記憶内容を更新することとしてもよい。たとえば、数日分(1週間分)の遊技履歴情報が蓄積されると、古い遊技履歴情報(1週間前)から順に消去することとしてもよい。
また、図2−2において、遊技履歴情報DB121には、遊技場の会員ごとの過去の遊技履歴を累積して示す遊技履歴情報(図2−1に示したような営業日単位の遊技履歴情報を累積したもの)が格納されている。具体的には、複数の種別に区分けして、各会員の遊技履歴情報を保持している。
ここでは、遊技場内における過去の遊技履歴を統合して示す「ALL」、製造業者ごとの遊技履歴を示す「製造業者名」(たとえば、メーカA)、機種ごとの遊技履歴を示す「機種名」(たとえば、機種a−1)、および遊技機M−1〜M−nごとの遊技履歴を示す「台番号」(たとえば、007番台)に区分されている。
ここで、会員ID「P−0001」から特定される遊技者の「ALL」を例に挙げると、遊技場内における過去に発生した大当たり回数が782回、確変回数が429回、総回転数が83700回、リーチ回数が4258回、使用金額が1257500円であることを示す遊技履歴情報が保持されている。また、図示は省略するが、大当たり間の回転数を示す大当たり間情報や、確率変動状態の最高継続回数を示す情報(いわゆる、「最高連チャン回数」)などが格納されている。
(遊技媒体貸出装置110の外観)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる遊技媒体貸出装置110−1〜110−n(以下、単に「遊技媒体貸出装置110」と表記する)の外観について説明する。図3は、遊技媒体貸出装置110の一例を示す外観図である。図3において、遊技媒体貸出装置110は、紙幣投入口301と、ディスプレイ302と、操作ボタン303と、会員カード挿入口304と、精算コイン投入口305と、精算コイン返却口306と、第1のアンテナ307と、第2のアンテナ308と、を備えている。
紙幣投入口301は、遊技媒体の借り入れに使用される紙幣の投入を受け付ける。ディスプレイ302は、紙幣投入口301に投入された紙幣の投入金額や後述する遊技情報や異常情報などを表示する。操作ボタン303は、機能設定に関する各種の入力や遊技者による暗証番号の入力などを受け付ける。
会員カード挿入口304は、遊技場の会員に対して発行される会員カード(図5に示す可搬型ICタグ520に相当)の挿入を受け付け、また、挿入された会員カードの返却をおこなう。精算コイン投入口305は、たとえば、会員以外の遊技者、いわゆるビジターである遊技者が使用する精算コインの投入を受け付ける。精算コイン返却口306は、遊技終了時などに、残額のある精算コインを返却する。
第1のアンテナ307は、装置内部における、会員カード挿入口304と精算コイン投入口305との間に配設されており、読取部501(図5参照)に接続されている。この第1のアンテナ307は、会員カード挿入口304に挿入された会員カード、および精算コイン投入口305に投入された精算コインからの電波を受信する機能を有している。
第2のアンテナ308は、装置本体に配線されており、読取部501(図5参照)に接続されている。この第2のアンテナ308は、遊技機内部の部品に貼付された非接触ICタグ530(図5参照)の近傍に配設され、その非接触ICタグ530からの電波を受信する機能を有している。
(コンピュータ装置のハードウェア構成)
つぎに、図1に示したコンピュータ装置(遊技媒体貸出装置110−1〜110−nおよびホストコンピュータ120)のハードウェア構成について説明する。図4は、コンピュータ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図4において、コンピュータ装置は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、音声I/F(インターフェース)404と、スピーカ405と、入力デバイス406と、映像I/F407と、ディスプレイ408と、通信I/F(インターフェース)409と、を備えている。また、各構成部401〜409はバス420によってそれぞれ接続されている。
まず、CPU401は、コンピュータ装置の全体の制御を司る。ROM402は、ブートプログラム、通信プログラム、データ解析プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。
音声I/F404は、音声出力用のスピーカ405に接続される。スピーカ405からは音声が出力される。また、入力デバイス406は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。
映像I/F407は、ディスプレイ408と接続される。映像I/F407は、具体的には、たとえば、ディスプレイ408全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ408を表示制御する制御ICなどによって構成される。
ディスプレイ408には、アイコン、カーソル、メニュー、ウィンドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。このディスプレイ408は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。通信I/F409は、ネットワークに接続され、CPU401とのインターフェースとして機能する。
(遊技媒体貸出装置110の機能的構成)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる遊技媒体貸出装置110の機能的構成について説明する。図5は、この発明の実施の形態にかかる遊技媒体貸出装置110の機能的構成を示すブロック図である。図5において、遊技媒体貸出装置110は、第1のアンテナ307と、第2のアンテナ308と、読取部501と、取得部502と、検知部503と、保持部504と、受信部505と、算出部506と、出力部507と、表示部508と、書込部509と、抽出部510と、判断部511と、非接触ICタグ530と、から構成されている。これら各機能501〜511は、ROM401やRAM402などのメモリに格納された当該機能に関するプログラムをCPU401に実行させることにより、当該機能を実現することができる。
読取部501は、遊技者を特定するための遊技者情報が記録された可搬型ICタグ520から該遊技者情報を読み取る機能を有する。可搬型ICタグ520は、任意に持ち運び可能な記録媒体であり、たとえば、上述した会員カードに相当する。可搬型ICタグ520には、遊技者情報や有価価値が付与された有価情報などが記録されたICタグが埋め込まれている。
遊技者情報には、可搬型ICタグ520を識別するためのタグIDや遊技場の会員を識別するための会員IDなどが含まれている。また、有価情報には、会員に付与される特典ポイントを示すポイント情報、遊技媒体の借り入れに使用可能な残額を示す残額情報、および獲得された遊技媒体数を示す獲得情報(いわゆる、「貯玉情報」)などが含まれていてもよい。
この可搬型ICタグ520は、内部に埋設されている送受信アンテナ(不図示)を介して遊技媒体貸出装置110と非接触型の無線通信をおこなう。たとえば、図3に示した会員カード挿入口304に可搬型ICタグ520(会員カード)が挿入されると、可搬型ICタグ520と遊技媒体貸出装置110との間で無線通信がおこなわれ、可搬型ICタグ520に対する各種情報の読み取り/書き込みがおこなわれる。具体的には、会員カード挿入口304に可搬型ICタグ520が挿入されると、読取部501によって可搬型ICタグ520から遊技者情報が読み取られてメモリに記憶される。
取得部502は、遊技機M(図1に示した遊技機M−1〜M−nに相当)における遊技の進行にともなって発生する遊技情報を取得する機能を有する。遊技情報とは、遊技機Mにおける、図柄の変動開始、リーチ演出(たとえば、プレミアムリーチ演出)の発生、大当たりの発生、小当りの発生(いわゆる、「子役」の発生)、確率変動状態の発生、大当たり回数、小当り回数、確変回数、図柄の変動回数(総回転数、大当たり間の回転数)などを示す情報である。
検知部503は、読取部501によって読み取られた遊技者情報から特定される遊技者の遊技機Mにおける遊技の開始および終了を検知する機能を有する。具体的には、会員カード挿入口304に対する可搬型ICタグ520の挿抜に応じて、遊技の開始および終了を検知することとしてもよい。たとえば、可搬型ICタグ520の挿入に応じて遊技の開始を検知し、可搬型ICタグ520の抜き出し(排出)に応じて遊技の終了を検知する。
また、可搬型ICタグ520が会員カード挿入口304に挿入され、読取部501によって遊技者情報が読み取られた場合に、遊技の開始を検知することとしてもよい。そして、遊技の終了を指示する操作入力(たとえば、可搬型ICタグ520の排出指示)がおこなわれた場合に、遊技の終了を検知することとしてもよい。
そして、取得部502は、検知部503によって検知された検知結果に基づいて、遊技情報を取得することとしてもよい。具体的には、検知部503によって遊技の開始が検知された場合に、遊技情報の取得を開始し、このあと、検知部503によって遊技の終了が検知された場合に、遊技情報の取得を終了することとしてもよい。
受信部505は、遊技機Mにおける遊技の進行にともなって遊技機Mから送信される遊技信号を受信する機能を有する。具体的には、遊技機Mの外部出力制御部C2と受信部505とを接続する配線ケーブルを介して、外部出力制御部C2から出力される遊技信号を受信することとしてもよい。
ここで、遊技機Mの制御部Cについて説明する。制御部Cは、複数の制御部から構成されており、図示の例では、主制御部C1および外部出力制御部C2を有する。主制御部C1は、遊技機Mの遊技にかかる基本動作を制御する。この主制御部C1は、たとえば、主基板によってその機能を実現する。外部出力制御部C2は、主制御部C1からの出力信号に応じて、各種の遊技信号の出力を制御する(接点出力)。
各種の遊技信号は、遊技機Mにおける、図柄の変動開始、リーチ演出の発生、大当たりの発生、小当りの発生、確率変動状態の発生、大当たり回数、小当り回数、図柄の変動回数(総回転数、大当たり間の回転数)などを示す信号である。たとえば、始動入賞口(不図示)に遊技球が入賞したことを示す出力信号が主制御部C1から外部出力制御部C2に出力されると、図柄の変動開始を示す遊技信号が外部出力制御部C2から受信部505に出力(送信)される。
算出部506は、遊技機Mに送信される遊技媒体の貸し出しに関する貸出信号に基づいて、遊技者情報から特定される遊技者の遊技機Mにおける使用金額を示す使用金額情報を算出する機能を有する。貸出信号とは、遊技媒体の借り入れ時に遊技者がおこなう操作入力に応じて、遊技媒体貸出装置110から遊技機Mに送信される信号である。具体的には、遊技の開始から終了までの間に、遊技機Mに設けられた玉貸しボタン(不図示)や入力デバイス406を遊技者が操作することによって遊技媒体貸出装置110から遊技機Mに送信される貸出信号から特定される使用金額を順次加算していくことにより使用金額情報を算出することとしてもよい。
また、読取部501は、遊技機Mに設けられた非接触ICタグ530の所定範囲内に配設された第2のアンテナ308を用いて、非接触ICタグ530から遊技機Mを特定するための遊技機情報を読み取る機能を有する。非接触ICタグ530は、電磁誘導または電波を利用して非接触通信をおこなうICタグであり、たとえば、遊技機Mの制御を司る主基板、該主基板に実装されているROM、該主基板を被覆する基板ケースなどに貼付される。遊技機情報は、遊技機Mを特定するための情報であり、遊技機Mの台番号、機種名および製造業者名などを示す情報が含まれている。さらに、遊技機情報には、遊技機M固有の識別情報が含まれていてもよい。なお、識別情報についての詳細な説明は後述する。
また、取得部502は、受信部505によって受信された遊技信号、算出部506によって算出された使用金額情報、および読取部501によって読み取られた遊技機情報を含む遊技情報を取得する機能を有する。すなわち、本実施の形態では、遊技の進行にともなって遊技機Mから送信される遊技信号、遊技機Mにおける使用金額を示す使用金額情報、および遊技機Mを特定するための遊技機情報を遊技情報として取得することができる。
保持部504は、読取部501によって読み取られた遊技者情報と取得部502によって取得された遊技情報とを関連付けて保持する機能を有する。具体的には、読取部501によって読み取られた遊技者情報をメモリから読み出して、その遊技者情報と取得部502によって取得された遊技情報とを関連付けて遊技情報DB540に保持する。
このとき、保持部504は、取得部502によって取得される遊技情報を集計し、その集計結果を遊技者情報と関連付けて遊技情報DB540に保持する。すなわち、遊技情報DB540に保持されている遊技情報に対して、取得部502によって取得される遊技情報を順次加算(カウント)していくこととなる。たとえば、図柄の変動を示す遊技情報を取得すると、その都度、総回転数に「1」を加算していく。
ここで、遊技情報DB540のデータ構造について説明する。図6は、遊技情報DB540のデータ構造を示す説明図である。図6において、遊技情報DB540には、遊技機Mを遊技中の遊技者に関する遊技情報が格納されている。具体的には、会員ID「P−0001」から特定される遊技者の遊技機Mにおける遊技の進行にともなって発生する遊技情報(台番号、製造業者名/機種名、大当たり回数、確変回数、総回転数、リーチ回数、使用金額)が格納されている。また、それぞれの大当たりが発生するまでの回転数(大当たり間の回転数)をあらわす大当たり間情報を有している。
出力部507は、保持部504によって保持された遊技者情報および遊技情報を出力する機能を有する。具体的には、たとえば、出力部507は、読取部501によって読み取られた遊技者情報と関連付けて保持されている遊技情報を遊技情報DB540から読み出して、その遊技情報を遊技者情報と関連付けて出力する。ここでは、図4に示した音声I/F404、映像I/F407および通信I/F409などを介して上記遊技情報を出力する。
ここで、出力部507による出力形式は、ディスプレイ408(たとえば、図3に示したディスプレイ302)での画面表示、外部のプリンタでの印刷出力、メモリへのデータ出力(保存)、外部のコンピュータ装置への送信のいずれであってもよい。具体的には、出力部507は、表示画面を有する表示部508を制御して、保持部504によって遊技者情報と関連付けて保持された遊技情報を表示画面に表示することとしてもよい。また、表示部508は、音声出力用のスピーカ405(図4参照)を有していてもよい。なお、ディスプレイ302に表示される画面例については図7〜図9を用いて後述する。
また、出力部507は、不図示の通信部を制御して、保持部504によって保持された遊技者情報および遊技情報をホストコンピュータ120に送信することとしてもよい。さらに、通信部を制御して、遊技者情報および遊技情報を他の遊技媒体貸出装置110に送信することとしてもよい。
これにより、遊技者固有の遊技情報をホストコンピュータ120、あるいは、各遊技媒体貸出装置110において管理(集計/保持)することができる。すなわち、ホストコンピュータ120において遊技者固有の遊技情報を一括管理(図2−1および図2−2に示した遊技履歴情報DB121に相当)することとしてもよく、また、各遊技媒体貸出装置110において管理することとしてもよい。
書込部509は、保持部504によって遊技者情報と関連付けて保持された遊技情報を可搬型ICタグ520に書き込む機能を有する。具体的には、たとえば、検知部503によって遊技の終了が検知された場合、遊技者情報と関連付けて保持されている遊技情報を遊技情報DB540から読み出して、その遊技情報を可搬型ICタグ520に書き込む。
これにより、次回の遊技時に、可搬型ICタグ520に記録されている遊技情報を読み取り、その遊技情報を遊技履歴情報として出力することができる。具体的には、次回の遊技時に、可搬型ICタグ520が会員カード挿入口304に挿入されると、読取部501によって可搬型ICタグ520から遊技情報が読み取られ、その遊技情報が遊技履歴情報としてディスプレイ302に表示される。
抽出部510は、保持部504によって保持された遊技者情報および遊技情報を格納する遊技情報DB540の中から、可搬型ICタグ520から読み取られた遊技者情報と関連付けて保持されている遊技情報を抽出する機能を有する。具体的には、遊技の開始に先立って、可搬型ICタグ520から読み取られた遊技者情報と関連付けて保持されている遊技情報を抽出する。
また、出力部507は、抽出部510によって抽出された遊技情報を可搬型ICタグ520から読み取られた遊技者情報と関連付けて出力する機能を有する。具体的には、表示部508を制御して、遊技者情報から特定される遊技者の過去の遊技履歴を示す遊技履歴情報として、抽出部510によって抽出された遊技情報を表示画面に表示する。
また、遊技の開始に先立って、不図示の通信部により、可搬型ICタグ520から読み取られた遊技者情報と関連付けられている遊技履歴情報の取得要求をホストコンピュータ120に送信することとしてもよい。この結果、通信部により、取得要求に応じた遊技履歴情報をホストコンピュータ120から受信し、出力部507により、表示部508を制御して、通信部によって受信された遊技履歴情報を表示画面に表示する。
ここで、出力部507によって表示画面(ディスプレイ302)に表示される画面例について説明する。図7〜図9は、ディスプレイ302に表示される画面例を示す説明図である。まず、図7において、ディスプレイ302には、会員ID「P−0001」から特定される遊技者の遊技履歴情報700が表示されている。
この遊技履歴情報700は、遊技を開始する前に、ディスプレイ302に表示される遊技者の遊技機M(台番号:007番台、機種名:a−1)における過去の遊技履歴を示す情報である。具体的には、遊技機M(台番号:007番台、機種名:a−1)における大当たり回数、確変回数、総回転数、リーチ回数および使用金額が表示されている。
これにより、遊技者は、実際の遊技に先立って、遊技機M(台番号:007番台、機種名:a−1)における過去の遊技履歴を閲覧することができる。そして、過去の遊技履歴から勝率や相性などを判断して、実際に遊技をおこなうか、あるいは、別の遊技機Mに移動するか選択することができる。なお、遊技履歴として、大当たり間情報、該大当たり間情報に基づくスランプグラフおよびプレミアムリーチの発生回数などを示す情報を表示することとしてもよい。
また、表示切替ボタンB1〜B3を選択することにより、ディスプレイ302に表示する表示対象を切り替えることができる。具体的には、図3に示した操作ボタン303を操作して、カーソルCを任意の表示切替ボタンに合わせて(反転表示)、表示対象(遊技履歴情報、本日の遊技情報、累積遊技履歴情報)を選択/決定する。
つぎに、図8において、ディスプレイ302には、会員ID「P−0001」から特定される遊技者の本日の遊技情報810,820が表示されている。これら本日の遊技情報810,820は、表示切替ボタンB2を選択した場合に表示される情報である。具体的には、本日の遊技情報810は、実際に遊技をおこなう前の遊技履歴(すべての値が初期値)を示す情報である。
また、本日の遊技情報820は、実際に遊技を開始してから所定時間経過後の遊技履歴を示す情報である。このように、実際の遊技の進行にともなって変化する遊技者固有の遊技履歴がディスプレイ302に表示される。これにより、遊技者は、遊技の進行にともなって発生する遊技者固有の遊技情報を簡単かつリアルタイムに把握することができる。
たとえば、大当たり回数に対する確変回数の割合から当日の遊技者自身の好不調を判断することができる。また、リーチ回数に対する大当たり回数の割合から個々のリーチ演出の信頼度を求めることができる。さらに、当日の使用金額が遊技中に表示されるため、使用金額に対する遊技者の意識を高め、限度を超えた遊技者の使いすぎを抑制することができる。
つぎに、図9において、ディスプレイ302には、会員ID「P−0001」から特定される遊技者の遊技場内での過去の遊技履歴を累積して示す累積遊技履歴情報910,920が表示されている。累積遊技履歴情報910は、表示切替ボタンB3を選択した場合に表示される情報である。
累積遊技履歴情報910において、複数の種別ボタンB4〜B6の中から任意の種別ボタンを選択すると表示内容が切り替わる。たとえば、種別ボタンB4を選択すると、遊技場内でのトータルの遊技履歴を示す累積遊技履歴情報920がディスプレイ302に表示される。これにより、遊技者は、遊技者固有の過去のトータルの遊技履歴を閲覧することができる。
なお、累積遊技履歴情報910において、種別ボタンB5を選択すると、製造業者/機種ごとの遊技履歴を累積して示す情報がディスプレイ302に表示され、種別ボタンB6を選択すると、遊技機M(台番号)ごとの遊技履歴を累積して示す情報がディスプレイ302に表示される。また、戻るボタンB7,B8を選択すると一つ前の画面に戻る。
図5の説明に戻り、判断部511は、読取部501によって読み取られた遊技機情報に含まれる識別情報、および予め設定されている設定情報に基づいて、識別情報の正当性を判断する機能を有する。識別情報は、非接触ICタグ530に一意的に割り当てられた情報であり、たとえば、遊技機Mを識別するための遊技機ID、遊技場を識別するための遊技場ID、および遊技機Mの製造業者を特定するための業者IDなどを含んでいる。
遊技機情報の読み取りに用いられる第2のアンテナ308は、読取部501に配線されており、その配線の長さに応じて任意の位置に配設可能な構成となっている。この第2のアンテナ308は、遊技機Mに設けられた非接触ICタグ530の通信範囲内に配設され、その非接触ICタグ530からの電波(遊技機情報)を受信することとなる。
たとえば、遊技機Mを遊技場内に設置する際(いわゆる、新台入替時)に、遊技場の管理者などにより、不正行為がおこなわれる恐れのある遊技機Mの部品に非接触ICタグ530を貼付し、さらに、その非接触ICタグ530の通信範囲内に第2のアンテナ308を配設する。これにより、読取部501は、第2のアンテナ308を用いて、非接触ICタグ530から遊技機情報を読み取ることができる。
また、設定情報は、遊技機Mに設けられた非接触ICタグ530に記録されている遊技機情報に含まれる識別情報と関連付けて、予め設定されている情報であり、ROM402やRAM403などのメモリに記憶されている。具体的には、読取部501によって読み取られた遊技機情報に含まれる識別情報の正当性を判断可能な情報であればよく、たとえば、正当な識別情報(正規の非接触ICタグ530に記録されている識別情報)を含む情報である。より具体的には、たとえば、識別情報に含まれている遊技機ID、遊技場IDおよび業者IDと同一の遊技機ID、遊技場IDおよび業者IDなどを含む情報である。
判断部511は、この設定情報をメモリから読み出して、読取部501によって読み取られた遊技機情報に含まれる識別情報と設定情報との同一性を照合することにより、該識別情報の正当性を判断する。遊技機Mの制御を司る主基板や該主基板に実装されているROMを不正改造したり、裏ロムに交換する不正行為がおこなわれる際に、非接触ICタグ530に不当な識別情報が書き込まれたり、別のICタグに取り替えられてしまう場合がある。そこで、読み取られた識別情報の正当性を判断することにより、遊技機Mに対して何らかの不正行為がおこなわれていないかを監視する。
ここで、識別情報および設定情報に、遊技機Mを識別するための遊技機IDがそれぞれ含まれているとする。この場合、判断部511は、それぞれの遊技機IDを照合することにより、識別情報の正当性を判断する。より具体的には、読取部501によって読み取られた識別情報に含まれる遊技機IDと、予め設定されている設定情報に含まれる遊技機IDとを比較し、一致した場合に、識別情報が正当であると判断する。一方、非接触ICタグ530が不正に取り替えられるなどして、識別情報に含まれる遊技機IDと設定情報に含まれる遊技機IDとが一致しなかった場合に、識別情報が不当であると判断する。
なお、設定情報は、非接触ICタグ530に記録される識別情報と関連付けて、上位のコンピュータ装置から一意的に割り当てられることとしてもよい。この場合、遊技媒体貸出装置110は、上位のコンピュータ装置から送信されてくる設定情報を、遊技機Mと関連付けて、自装置固有の設定情報として設定する。このように、遊技媒体貸出装置110に対する設定情報の割り当ておよび設定を自動化することにより、設定情報の設定にかかる作業負担を軽減することができる。
出力部507は、判断部511によって識別情報が不当であると判断された場合、遊技機Mの異常を示す異常情報を出力する機能を有する。遊技機Mの異常を示す異常情報とは、遊技機Mに対して何らかの不正行為がおこなわれた恐れがあることを外部に報知するための情報である。異常情報は、ROM402やRAM403などのメモリに予めテンプレートとして記憶されていてもよい。
また、異常情報には、遊技場内における遊技機Mと他の遊技機Mとを区別(遊技場内での位置など)するための遊技台番号をあらわす情報や、判断部511によって識別情報が不当であると判断された時期(日時)を特定するための情報などが含まれていてもよい。
具体的には、出力部507は、識別情報が不当であると判断された場合、異常情報をメモリから読み出して、その異常情報を出力する。このとき、遊技台番号をあらわす情報(ROM402やRAM403などのメモリに記憶されている)を異常情報に付加することとしてもよく、また、識別情報が不当であると判断された日時情報をタイムスタンプとして異常情報に付加することとしてもよい。
また、判断部511は、読取部501による遊技機情報の読み取りが不能となったか否かを判断する機能を有する。具体的には、たとえば、不正行為がおこなわれる際に、第2のアンテナ308が取り外されたり、遊技機Mに設けられている非接触ICタグ530が剥がされたり、第2のアンテナ308の配線が切断された場合などに、読み取り不能と判断する。
このとき、判断部511は、読取部501による遊技機情報の読み取りが所定期間継続(たとえば、数秒間)して不能となった場合に、遊技機情報の読み取り不能を判断することとしてもよい。たとえば、可搬型ICタグ520からの遊技者情報の読取処理が発生した場合などに、一時的に遊技機情報の読み取りが不能となる状況が発生する。
このような状況を考慮して、遊技機情報の読み取りが所定期間継続して不能となった場合に、遊技機情報の読み取り不能を判断することとしてもよい。また、遊技機情報の読み取りが不能となったか否かを所定期間(たとえば、数秒)ごとに判断し、所定回数(たとえば、3回)連続して読み取り不能と判断された場合に、遊技機情報の読み取り不能を判断することとしてもよい。
出力部507は、判断部511によって読み取り不能と判断された場合、遊技機Mの異常を示す異常情報を出力することとしてもよい。すなわち、遊技機Mに対して何らかの不正行為がおこなわれた結果、読取部501による遊技機情報の読み取りが不能となった場合に、遊技機Mの異常を示す異常情報を出力することとなる。このとき、出力部507は、判断部511によって遊技機情報が読み取り不能であると判断された時期を特定するための情報を含む異常情報を出力することとしてもよい。
また、出力部507は、表示画面を有する表示部508を制御して、遊技機Mの異常を示す異常情報を表示画面に表示することとしてもよい。この結果、遊技場の従業員や周りの遊技者が遊技機Mの異常に気付くこととなり、不正行為の早期発見および不正行為の抑制を図ることができる。
さらに、異常情報に含まれる日時情報から、遊技機Mに対して不正行為がおこなわれた恐れがある日時を特定することができる。これにより、不正行為が営業中におこなわれたのか、あるいは、営業終了後におこなわれたのかを判断することができ、不正行為をおこなった人物の特定などに役立てることができる。
なお、出力部507による異常情報の出力形式は、ランプ(不図示)による点灯または点滅、ディスプレイ302での画面表示、外部のプリンタでの印刷出力、メモリへのデータ出力(保存)、外部のコンピュータ装置への送信のいずれであってもよい。
より具体的には、たとえば、遊技機Mの異常を示す異常情報を遊技場の管理者の携帯電話端末に送信してもよく、また、警備会社の端末装置に送信することとしてもよい。さらに、遊技機Mに付設されたテレビ画面に異常情報を表示することとしてもよく、また、遊技機M上部などに設置され、遊技機Mの大当たり回数や回転数などを表示するデータカウンターに異常情報を表示することとしてもよい。
また、遊技場内に設置されている遊技機Mの売上情報などを管理するコンピュータ装置に異常情報を通知することとしてもよい。この結果、コンピュータ装置の表示画面に異常情報が表示され、遊技場の管理者などに遊技機Mの異常を報知することができる。これにより、遊技場の管理者は、遊技機Mに対して何らかの不正行為がおこなわれた恐れがあることを迅速に把握することができる。
また、第三者機関のコンピュータ装置に異常情報を通知することとしてもよい。この結果、第三者機関のコンピュータ装置の表示画面に異常情報が表示され、第三者機関のユーザに遊技機Mの異常を報知することができる。これにより、第三者機関のユーザは、遊技機Mに対して何らかの不正行為がおこなわれた恐れがあることを迅速に把握することができる。このように、第三者機関によって遊技場に関する不正を監視することにより、遊技場の管理者や従業員などによる不正行為を考慮した包括的な不正対策を実現することができる。
なお、判断部511による判断処理は、所定の時間間隔でおこなわれてもよく、また、予め設定された時刻(たとえば、営業開始時刻、営業終了時刻など)におこなわれることとしてもよい。さらに、遊技場の管理者などの操作入力により、任意のタイミングでおこなうこととしてもよい。
また、判断部511による判断処理がおこなわれる時間間隔が短ければ短いほど、不正行為の迅速な発見につながる。このため、非接触ICタグ530による識別情報を含む遊技機情報の発信、読取部501による遊技機情報の読み取り、および判断部511による正当性の判断を繰り返し連続的におこなうことにより、不正行為の監視を常時おこなうこととしてもよい。
また、識別情報および設定情報の内容は、任意に更新可能としてもよい。具体的には、たとえば、新台入替時などに、識別情報および設定情報の内容を最新のものに更新することができる。これらの内容は、たとえば、遊技場の管理者によって任意に更新可能とすることとしてもよく、また、遊技場の従業員による不正行為を考慮して、遊技機Mの製造業者などによる更新のみを可能とすることとしてもよい。
また、判断部511によって識別情報が不当であると判断された場合、あるいは、識別情報の読み取りが不能であると判断された場合、遊技機Mでの遊技を不能とすることとしてもよい。具体的には、たとえば、遊技媒体貸出装置110と遊技機Mとが正常に接続されていない場合に遊技機Mにおける遊技媒体(遊技球)の発射を強制的に不能とする機能を利用して、遊技機Mでの遊技を禁止することとしてもよい。
このように、遊技機Mに対して何らかの不正行為がおこなわれた恐れがある場合に、その遊技機Mでの遊技を不能とすることにより、不正な遊技者による不当な遊技媒体の獲得を未然に防ぐことができ、不正行為による被害の拡大を抑えることができる。
(遊技媒体貸出装置110の各種処理手順)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる遊技媒体貸出装置110の各種処理手順について説明する。まず、遊技機Mにおける遊技の進行にともなって発生する遊技情報を出力する情報処理手順について説明する。図10は、この発明の実施の形態にかかる遊技媒体貸出装置110の情報処理手順を示すフローチャートである。
図10のフローチャートにおいて、まず、会員カード挿入口304に可搬型ICタグ520が挿入されたか否かを判断する(ステップS1001)。具体的には、会員カード挿入口304に対する可搬型ICタグ520の挿抜を検出するセンサからの出力値を用いて可搬型ICタグ520の挿入を判断する。
ここで、会員カード挿入口304に可搬型ICタグ520が挿入されるのを待って(ステップS1001:No)、挿入された場合(ステップS1001:Yes)、読取部501により、可搬型ICタグ520から遊技者を特定するための遊技者情報を読み取る(ステップS1002)。
つぎに、読取部501によって読み取られた遊技者情報から特定される遊技者の遊技履歴情報の存否を判断する(ステップS1003)。具体的には、抽出部510により、ステップS1002において読み取られた遊技者情報と関連付けて保持されている遊技情報を遊技情報DB540から抽出したか否かを判断する。また、ステップS1002において遊技履歴情報が読み取られたか否か、あるいは、不図示の通信部によってホストコンピュータ120から遊技履歴情報を受信したか否かを判断することにより、遊技履歴情報の存否を判断することとしてもよい。
ステップS1003において、遊技者の遊技履歴情報が存在する場合(ステップS1003:Yes)、出力部507により、表示部508を制御して、遊技者情報から特定される遊技者の遊技履歴情報(たとえば、抽出部510によって抽出された遊技情報)を表示画面に表示する(ステップS1004)。
このあと、取得部502により、遊技者の遊技機Mにおける遊技の進行にともなって発生する遊技情報を取得したか否かを判断する(ステップS1005)。ここで、遊技情報が取得された場合(ステップS1005:Yes)、保持部504により、その遊技情報をステップS1002において読み取られた遊技者情報と関連付けて保持する(ステップS1006)。
そして、出力部507により、保持部504によって保持された遊技者情報および遊技情報を出力する(ステップS1007)。具体的には、表示部508を制御して、保持部504によって遊技者情報と関連付けて保持された遊技情報をディスプレイ302に表示する(図7〜図9参照)。また、ステップS1003において、遊技履歴情報が存在しなかった場合は(ステップS1003:No)、ステップS1005に移行する。
つぎに、検知部503により、遊技の終了が検知されたか否かを判断する(ステップS1008)。ここで、遊技の終了が検知されなかった場合(ステップS1008:No)、ステップS1005に戻り一連の処理を繰り返す。一方、遊技の終了が検知された場合(ステップS1008:Yes)、終了処理を実行して(ステップS1009)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
終了処理とは、たとえば、書込部509によるステップS1006において遊技者情報と関連付けて保持された遊技情報を可搬型ICタグ520に書き込む書込処理、出力部507によるステップS1006において保持された遊技情報をホストコンピュータ120に送信する送信処理、および会員カード挿入口304からの可搬型ICタグ520の排出処理などである。
これにより、個々の遊技者の遊技にともなう遊技情報を、該遊技者を特定するための遊技者情報と関連付けて出力することができる。また、遊技の開始に先立って、個々の遊技者の過去の遊技履歴をディスプレイ302に表示することができる。
つぎに、遊技機Mの異常を検知する異常検知処理について説明する。図11は、遊技媒体貸出装置110の異常検知処理手順を示すシーケンス図である。図11において、まず、遊技機Mに設けられた非接触ICタグ530により、遊技機M固有の識別情報を含む遊技機情報を外部に発信する(ステップS1101)。
このあと、読取部501により、非接触ICタグ530の所定範囲内に配設されたアンテナ308を用いて、非接触ICタグ530から遊技機M固有の識別情報を含む遊技機情報を読み取る(ステップS1102)。つぎに、判断部511により、読取部501による遊技機情報の読み取りが不能となったか否かを判断する(ステップS1103)。
ここで、遊技機情報が読み取り可能であった場合(ステップS1103:No)、判断部511により、読取部501によって読み取られた遊技機情報に含まれる識別情報、および予め設定されている設定情報に基づいて、識別情報が正当であるか否かを判断する(ステップS1104)。
このとき、識別情報が不当であると判断された場合は(ステップS1104:No)、出力部507により、遊技機Mの異常を示す異常情報を出力する(ステップS1105)。一方、ステップS1104において、識別情報が正当であると判断された場合は(ステップS1104:Yes)、ステップS1102に戻り、一連の処理を繰り返す。
また、ステップS1103において、遊技機情報が読み取り不能であった場合には(ステップS1103:Yes)、出力部507により、遊技機Mの異常を示す異常情報を出力する(ステップS1105)。これにより、遊技機Mに対して何らかの不正行為がおこなわれた恐れがある場合に、その遊技機Mの異常を示す異常情報を自動的に報知することができる。
以上説明した、この発明の実施の形態にかかる遊技媒体貸出装置110によれば、個々の遊技者の遊技にともなう遊技情報を、該遊技者を特定するための遊技者情報と関連付けて出力することができる。また、個々の遊技者に対応する遊技情報をディスプレイ302に表示することができる。遊技者は、ディスプレイ302に表示された遊技情報から該遊技者固有の遊技履歴を把握することができる。
また、遊技者が実際に遊技をおこなう前に、該遊技者固有の過去の遊技情報をディスプレイ302に表示することができる。遊技者は、ディスプレイ302に表示された過去の遊技情報から該遊技者固有の過去の遊技履歴を確認することができる。さらに、この遊技履歴を用いて、遊技者自身の好不調の判断および個々のリーチ演出の信頼度の判断など各種の遊技分析をおこなうことができる。
また、ディスプレイ302には当日の使用金額が表示されるため、実際に使用した金額を確実に把握して遊技をおこなうことができる。これにより、遊技に夢中になるなどして使用金額を把握できなくなってしまう状態を防ぐとともに、使用金額に対する意識を高め、限度を超えた遊技者の使いすぎを抑制することができる。
また、非接触ICタグ530から遊技機情報を読み取って、その遊技機情報に含まれる識別情報の正当性を判断することにより、遊技機Mに対する不正行為を監視することができる。具体的には、遊技機情報に含まれる識別情報が不当であった場合、あるいは、遊技機情報が読み取り不能となった場合に、遊技機Mに対して何らかの不正行為がおこなわれた恐れがあると判断して、遊技機Mの異常を示す異常情報を出力することができる。
このように、遊技機Mに対して何らかの不正行為がおこなわれた恐れがあることを自動的に判断して、その遊技機Mの異常を報知することにより、不正行為の迅速な発見を実現することができる。さらに、不正行為がおこなわれたか否かの目視チェックをおこなう際に、遊技機Mのフロントドアを開放して各種部品に貼付された封印紙を確認するなどの面倒な作業が不要となるため、従業員の作業負担を軽減させることができる。
また、遊技者の遊技を中断させて不正行為がおこなわれたか否かの確認をおこなう必要がないため、遊技者に不快感を与えることがなく、さらには、不正行為が発生したその時点で異常情報の報知がおこなわれるため、不正な遊技者による不当な遊技媒体の獲得を未然に防ぐことができ、不正行為による被害の拡大を抑えることができる。
また、上述した機能を、遊技場内に既設されている遊技媒体貸出装置110に備える構成となっているため、遊技情報を提供するための装置および不正行為を監視するための装置を新設する必要がない。これにより、遊技場にかかる設備投資を抑えることができるとともに、遊技場内の省スペース化を図ることができる。
なお、本実施の形態とは異なる他の形態として、遊技機Mと直接接続されたコンピュータ装置(中継装置)を利用して、個々の遊技者の遊技にともなう遊技情報を収集し、該中継装置から上位の管理コンピュータ装置に遊技情報を送信することにより、該管理コンピュータ装置において遊技者ごとの遊技情報を管理することも考えられる。
このような中継装置は、1台あるいは複数台の遊技機Mごとに設けることになるため、中継装置の台数が増え遊技場にかかる設備投資が増大してしまう。さらに、中継装置を設置する際に、中継装置を遊技機Mとの間を接続する配線作業が必要となる。
本実施の形態では、遊技場内に既設されている遊技媒体貸出装置110を利用するため、中継装置を不要とし特別な配線作業も不要にできる。そして、遊技島内の配線数が増大することなく簡素化した配線を用いて遊技情報を収集することができるため、従業員の作業負担を軽減できるとともに遊技場にかかる設備投資を抑えることができるようになる。
以上説明したように、この発明にかかる遊技媒体貸出装置、情報処理方法、および情報処理プログラムによれば、個々の遊技者による実際の遊技に応じて、該遊技者固有の遊技履歴を示す遊技情報を提供することにより、遊技者に対するサービスの品質を高め、結果的に遊技機の稼働率の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態で説明した情報処理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。