以下、図面を参照して、本発明を適用した好適な実施形態の一例について説明する。但し、本発明を適用可能な実施形態が以下説明する実施形態に限定されるわけではない。
[1.第1実施形態]
[1−1.遊技用システム]
図1は、第1実施形態における第1遊技用システム1Aのシステム構成の一例を表す図である。
第1遊技用システム1Aは、不図示の遊技島に設置される遊技機の一種である複数のパチンコ機2と、各パチンコ機2に対応して設けられる遊技用装置、情報表示装置、記録媒体処理装置、計数装置及び貸出装置の一種であるカードユニット3と、各パチンコ機2に対応して設けられる遊技用装置及び情報表示装置の一種である呼出ランプ装置7と、管理装置及び配信装置の一種であるホールコンピュータ6と、管理装置及び配信装置の一種である玉管理コンピュータ8とを備えて構成される。
本実施形態におけるパチンコ機2は、遊技媒体の一種である遊技球(パチンコ玉)を用いて遊技可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)を可変表示して表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば特別図柄表示器)を備え、可変表示手段に導出表示された表示結果が特定表示結果(例えば大当り図柄)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御される遊技機である。
各パチンコ機2は、台番号によって個々に識別可能に構成されており、各パチンコ機2、カードユニット3及び呼出ランプ装置7は、台端末10を介してホールコンピュータ6や玉管理コンピュータ8に接続されている。なお、同図では、簡明化のために、遊技島に設置されるパチンコ機2を4台として図示している。
カードユニット3は、パチンコ機2の所定側の側方位置に該パチンコ機2に対して1対1に対応設置され、遊技場に会員登録をしていないビジター遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるビジターカードや、遊技場に会員登録をした会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受け付けて、該ビジターカード又は会員カードに記録された遊技用価値特定情報(プリペイド残額データ)から特定される有価価値の大きさ(プリペイド残額)に基づき、該パチンコ機2での遊技に使用される遊技媒体である遊技球を貸し出すための処理や、該パチンコ機2における遊技において獲得された遊技球を計数して、該計数済みの遊技球数の範囲内の遊技球を払い出す処理を行う。
ホールコンピュータ6は、店舗に設置された各パチンコ機2の遊技情報を統括的に管理するとともに、各パチンコ機2に対応して設けられたカードユニット3を管理し、各カードユニット3の表示部の表示に係る設定や出力に係る設定用情報を生成し、生成した設定用情報を各カードユニット3に配信する。従って、ホールコンピュータ6は、配信装置と言うこともできる。
玉管理コンピュータ8は、カードユニット3において計数された計数済玉の管理や、遊技者が再度の遊技に使用可能に所有する会員カードに対応付けられた貯玉の管理、ビジターカードに記録された持玉の管理等を行う。
各パチンコ機2は、台番号によって個々に識別可能に構成されており、パチンコ機2、カードユニット3及び呼出ランプ装置7は、台端末10を介してホールコンピュータ6や玉管理コンピュータ8に接続されている。なお、この図では、簡明化のために、遊技島に設置されるパチンコ機2を4台として図示している。
[1−2.信号及び情報の流れ]
図2は、第1遊技用システム1Aの各装置間における信号及び情報の流れの一例を示す図である。なお、この図では、説明の簡明化のために、台端末10については図示を省略している。
パチンコ機2からは、大当り信号、確変中信号、時短中信号、打込信号、賞球信号、始動信号、パチンコ機不正信号及びパチンコ機異常信号を含むパチンコ機信号が、カードユニット3、呼出ランプ装置7及びホールコンピュータ6に出力される。
大当り信号は、大当り遊技状態に制御された場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。
確変中信号は、高確率状態である確変状態に制御された場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。
時短中信号は、高ベース状態である時短状態に制御された場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。
打込信号は、所定玉数(例えば10玉)がアウト玉計数器により計数される毎に出力状態(ON状態)とされる所定幅のパルス信号である。
始動信号は、特図可変表示部の表示結果が導出表示されたときに出力状態(ON状態)とされる所定幅のパルス信号である。
賞球信号は、所定玉数(例えば10玉)が払い出される毎に出力状態(ON状態)とされる所定幅のパルス信号である。
パチンコ機不正信号は、パチンコ機2におけるエラー信号の一種であり、パチンコ機2に何らかの不正が生じた場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。
パチンコ機異常信号は、パチンコ機2におけるエラー信号の一種であり、パチンコ機2に何らかの異常が生じた場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。
これらの信号については後述する。
カードユニット3からは、カード挿入/排出信号、入金信号、消費信号、所持球数信号、玉払出信号、ユニット不正信号及びユニット異常信号を含むユニット信号が、ホールコンピュータ6及び呼出ランプ装置7に出力される。
カード挿入信号は、遊技用カードを受け付けた場合に出力状態(ON状態)とされる信号であり、受け付けた遊技用カードに記録されたカードIDや会員ID等の受付IDを含む信号が出力される。
カード排出信号は、受け付けた遊技用カードが排出された場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。
入金信号は、遊技者により入金がなされた場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。入金信号は、特定金額(例えば100円)単位で出力される信号とすることができる。
消費信号は、残額が消費された場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。消費信号も、特定金額(例えば100円)単位で出力される信号とすることができる。
所持球数信号は、遊技者の所持球数を示す信号である。所持球数には、計数払出ユニット380により計数された計数玉数や、会員カードに対応付けられた貯玉数、ビジターカードに対応付けられた持玉数が含まれる。
玉払出信号は、パチンコ機2に遊技球を払い出した場合に出力状態(ON状態)とされる信号であり、遊技球を払い出した旨及び払い出した遊技球の玉数を含む信号が出力される。
ユニット不正信号は、カードユニット3におけるエラー信号の一種であり、カードユニット3に何らかの不正が生じた場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。
ユニット異常信号は、カードユニット3におけるエラー信号の一種であり、カードユニット3に何らかの異常が生じた場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。
これらの信号については後述する。
また、カードユニット3からは、受け付けた遊技用カードに記録されたカード情報が玉管理コンピュータ8に出力される。カード情報には、カードIDや会員ID、持玉数等の情報が含まれる。
ホールコンピュータ6からは、データ表示装置4の表示部(第1表示部430及び第2表示部440)からの表示出力及び音出力部450からの音出力に関する設定用データがデータ表示装置4に出力される。また、ホールコンピュータ6からは、データ表示装置4に一斉演出を実行させるための一斉演出信号及び定期告知を行わせるための定期告知信号を含む管理装置信号がデータ表示装置4に出力される。
ホールコンピュータ6からは、カードユニット3が各種の設定を行うための設定用データが、該カードユニット3に出力される。カードユニット3は、ホールコンピュータ6から出力される設定用データに基づいて、各種の設定を行う。
[1−3.パチンコ機及びカードユニットの構成]
図3は、パチンコ機2及びカードユニット3の外観構成を示す正面図である。
パチンコ機2は、額縁状に形成されたガラス扉枠22を備え、該ガラス扉枠22の下部表面には打球供給皿23を備えて構成される。打球供給皿23の上面所定箇所には、操作部14が設けられており、打球供給皿(上皿)23の下部には、打球供給皿23から溢れた遊技球を貯留する下皿24と、打球を発射する打球操作ハンドル(以下打球操作ノブと称する)25とが設けられている。
ガラス扉枠22の後方には、遊技盤26が着脱可能に取付けられている。また、遊技盤26の前面には遊技領域27が設けられている。この遊技領域27に向かって右側の下方領域に「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される特図可変表示部28が設けられている。
また、遊技領域27の中央部には、「演出図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示されるとともに演出映像が表示される演出可変表示部29と、「普通図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される可変表示装置30とが設けられている。また、遊技盤26には、複数の入賞口44や通過ゲート31、始動入賞口34、可変入賞球装置36が設けられているとともに、遊技領域27の下部には、入賞しなかった打込玉を回収するアウト口46が形成されている。
これら各入賞口に打玉が入賞した(すなわち付与条件が成立した)場合には、各入賞口に応じた賞球が不図示の玉切り払い出し装置により払い出されるとともに、該玉切り払い出し装置により払い出された賞球数(付与玉数)に応じた賞球信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、賞球数が外部に通知される。
また各入賞口に入賞した打玉及びアウト口46に回収された打玉の数は、該パチンコ機2に対応して設けられるアウト玉計数器(不図示)により計数され、該計数された打込玉数に応じた打込信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、打込玉数が外部に通知される。
打球操作ノブ25の操作によって揺動されるハンマー(図示略)によって発射された打玉は、打球レールを通って遊技領域27に入り、その後、遊技領域27を流下していく。この際、発射勢いが弱すぎて遊技領域27に達しなかった遊技球は、環流経路(図示略)を通じて下皿24に環流される。
また、遊技領域27に打ち込まれた打込玉が通過ゲート31を通過すると、可変表示装置30に停止表示されている普通図柄が可変開始する。
可変表示装置30の可変表示動作後の表示結果が予め定められた特別表示結果(例えば○)となった場合、始動入賞口34に設けられた可動片35が所定時間開成して、始動入賞口34が開放され(開放状態となり)、始動入賞口34への遊技球の入賞が可能となる。すなわち、通過ゲート31の通過という普通始動条件が成立した後に、普通図柄の可変表示の開始を許容する普通開始条件(例えば普通図柄の可変表示が実行されておらず且つ可動片35が開放制御されていないこと)が成立したことに基づいて普通図柄の可変表示が実行され、表示結果として予め定められた特別表示結果が導出表示されたときに、始動入賞口34への遊技球の入賞が可能となる(特別図柄の可変表示に係る始動条件が成立可能となる)。
また、始動入賞口34に遊技球が入賞すると、特図可変表示部28において特別図柄が可変表示(変動表示)を開始するとともに、演出可変表示部29において演出表示が開始される。そして、その後、特図可変表示部28における特別図柄が停止し、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様(例えば大当り図柄)となった場合には、演出可変表示部29における左、中、右の演出図柄の可変表示も停止する。そして、その演出図柄の表示態様も予め定められた特定の表示態様(例えば777)とされることで、特定遊技状態(大当り遊技状態)が発生するとともに、大当り信号が出力状態とされることで、該大当りの発生が外部に通知される。
また、特図可変表示部28における特別図柄が停止したときに、所定パルス幅の始動信号が出力され、特図可変表示部28における特別図柄の可変表示(変動表示)が実施されたことが外部に通知される。すなわち、始動入賞口34への遊技球の入賞という始動条件が成立した後に、特別図柄の可変表示の開始を許容する開始条件(例えば特別図柄の可変表示が実行されておらず、且つ、大当り遊技状態にも制御されていないこと)が成立したことに基づいて特別図柄の可変表示が実行され、表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される。
このように大当り遊技状態が発生した場合には、可変入賞球装置36に設けられた開閉板40が開成して大入賞口が開放され(開放状態となり)、大入賞口への遊技球の入賞が可能となる。大入賞口に遊技球が入賞すると、他の入賞口に遊技球が入賞した場合よりも多くの賞球が付与される。そして、可変入賞球装置36に設けられた開閉板40が開成して大入賞口が開放されてから(開放状態となってから)、所定期間(例えば30秒間)の経過又は遊技球の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立すると、開閉板40が閉成して大入賞口が閉鎖され(閉鎖状態)、大入賞口への遊技球の入賞が不可能となる。
そして開放状態となっている可変入賞球装置36の大入賞口内に進入した打玉が特定入賞領域(Vポケット)に入賞して不図示のVカウントスイッチにより検出されれば、その回の開放状態の終了を待って閉鎖状態から開放状態に制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数は例えば15回と定められている。
なお、特定入賞領域(Vポケット)が設けられていない可変入賞球装置36を定められた回数(例えば15回)だけ閉鎖状態(大入賞口が閉鎖されている状態)から開放状態(大入賞口が開放されている状態)に制御する繰返し継続制御を実行するようにしてもよい。この開放状態は、所定期間(例えば30秒間)の経過又は遊技球の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了する。可変入賞球装置36を閉鎖状態から開放状態に制御する繰返し継続制御の実行回数は、例えば、複数存在する特定遊技状態(大当り遊技状態)の種別に応じて異なるように設定されており、該繰返し継続制御の実行回数が15回の大当りを15ラウンド大当り、該繰返し継続制御の実行回数が2回の大当りを2ラウンド大当りと称する場合がある。すなわち、大当り遊技状態では、大当り遊技状態の種別に応じた回数の繰返し継続制御が実行されることにより、大入賞口への遊技球の入賞が可能な状態となるため、遊技者にとって有利な有利期間となる。
この大入賞口に打玉が入賞した(即ち付与条件が成立した)場合にも、該入賞に応じた賞球が不図示の玉切り払い出し装置により払い出されるとともに、該玉切り払い出し装置により払い出された賞球数(付与玉数)に応じた賞球信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、賞球数が外部に通知される。
特図可変表示部の表示結果並びに演出可変表示部の演出図柄の表示結果が予め定められた大当り図柄の組合せで停止表示されたときには上記のように、大当り遊技状態が発生するが、これら大当り図柄に停止表示される以前の状態において、リーチ状態が発生する場合がある。
特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄の種類に一致した図柄の組合せで停止表示されたときには、上記の繰返し継続制御による「大当り遊技状態」の終了後に、再度大当りとなる確率が通常遊技状態(低確率状態)よりも高い確率状態となる確率変動状態となるようになっており、これら確率変動図柄での大当りを通常の大当りと区別して「確変大当り」と呼称し、これら確変大当り終了後における確率変動状態中において、確変中信号が出力状態とされることで、該確率変動状態の発生が外部に通知される。
すなわち、確率変動状態においては、大当り遊技状態に制御される割合が通常遊技状態よりも高いため遊技者にとって有利な有利期間となる。例えば、確変大当りに係る大当り遊技状態終了後から次の大当りに係る大当り遊技状態に制御されるまでの期間は、確率変動状態に制御される。なお、確変大当りに係る大当り遊技状態終了後から次の大当りに係る大当り遊技状態に制御されるよりも前に、予め定められた所定回数(例えば100回)の特定表示結果とならない可変表示が実行されたことに基づいて確率変動状態が終了するようにしてもよい(所謂ST機であってもよい)。
また、特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄以外の図柄の組合せで停止表示されたときには、上記の繰返し継続制御による「大当り」の終了後に、特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示が所定回数に達するか、又は、次の大当りが発生するまでの間、特図可変表示部28における特別図柄及び演出可変表示部29における演出図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態(非時短状態)よりも短縮される(特別図柄時短制御が実行される)時短状態となるようになっており、これら時短状態中において、時短中信号が出力状態とされることで、該時短状態の発生が外部に通知される。
特別図柄時短制御が実行されると、開始条件が成立し易くなり、特別図柄の可変表示が実行される頻度が高められて大当り遊技状態に制御され易くなるため、遊技者にとって有利な有利期間となる。また、時短状態において、普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態(非時短状態)よりも短縮される普通図柄時短制御が実行されるようにしてもよい。普通図柄時短制御が実行されると、普通開始条件が成立し易くなり普通図柄が可変表示される頻度が高められることに伴い(特別表示結果が導出表示される頻度も高まり)可動片35が開放制御される頻度も高くなるため、遊技者にとって有利な有利期間となる。また、時短状態において、普通図柄の表示結果が特別表示結果となる割合を通常遊技状態(非時短状態)よりも高める普通図柄確変制御が実行されるようにしてもよい。
普通図柄確変制御が実行されると、特別表示結果が導出表示される頻度が高まり可動片35が開放制御される頻度も高くなるため、遊技者にとって有利な有利期間となる。また、時短状態において、可動片35が開放制御される期間を延長したり、開放回数を増加させる開放延長制御が実行されるようにしてもよい。開放延長制御が実行されると、始動入賞口34への入賞頻度が高められるため、遊技者にとって有利な有利期間となる。時短状態では、上記の特別図柄時短制御、普通図柄時短制御、普通図柄確変制御、及び開放延長制御のうちの1以上の制御が実行されるようにするとよい。
時短状態は、例えば、通常大当り(確変大当りではない大当り)に係る大当り遊技状態終了後から次の大当りに係る大当り遊技状態に制御されるよりも前に、予め定められた所定回数(例えば50回)の特定表示結果とならない可変表示が実行されたことに基づいて終了する。なお、この実施の形態では、後述する潜伏確変状態に制御される場合を除き、確変変動状態は時短状態を伴うものとする。このように、この実施の形態では、大当り遊技状態、確率変動状態、及び時短状態のうち少なくとも1以上の状態に制御されている期間は有利期間であるものとする。
本実施形態のパチンコ機2には、これら各信号を外部出力するための不図示の情報出力基板が搭載されており、該情報出力基板とデータ表示装置4及びホールコンピュータ6とが、不図示の信号ケーブルを介して接続されており、情報出力基板からは、大当り信号、確変中信号、時短中信号、始動信号、賞球信号からなる外部出力信号が、信号ケーブルを介してデータ表示装置4及びホールコンピュータ6に出力される。また、これらの信号の他に、不図示のアウト玉計数器によりアウト玉が計数され、このアウト玉の計数値が所定玉数(例えば10玉)に達する毎に、所定のパルス幅の打込信号がアウト玉計数器からデータ表示装置4及びホールコンピュータ6に出力される。
大当り信号は、大当りが発生したことを示す信号であるとともに、大当り遊技状態に制御されていることを示す信号でもある。大当り遊技状態に制御されている期間は、大当り信号をON状態とし、大当り遊技状態に制御されていない期間は大当り信号をOFF状態とする制御を行う。これにより、データ表示装置4やホールコンピュータ6等、パチンコ機2に接続される遊技用装置において大当りが発生したこと及び大当り遊技状態に制御されていることを特定可能となる。
確変中信号は、大当りが発生する割合が通常状態(低確率状態)よりも高められた確変状態(高確率状態)に制御されていることを示す信号である。確変状態に制御されている期間は、確変中信号をON状態とし、確変状態に制御されていない期間は確変中信号をOFF状態とする制御を行う。これにより、データ表示装置4やホールコンピュータ6等、パチンコ機2に接続される遊技用装置において確変状態に制御されていることを特定可能となる。また、大当り遊技状態の終了に伴い確変状態に制御された場合には、確変大当りが発生したことを、これらの遊技用装置で特定可能となる。また、大当り遊技状態の終了に伴い確変状態に制御されなかった場合には、通常大当りが発生したことを、これらの遊技用装置で特定可能となる。これにより、遊技用装置側では、大当りの発生回数及び確変大当りと通常大当りの内訳を集計可能となる。
時短中信号は、可変表示装置の可変表示時間を短縮する時短状態(高ベース状態)に制御されていることを示す信号である。時短状態に制御されている期間は、時短中信号をON状態とし、時短状態に制御されていない期間は時短中信号をOFF状態とする制御を行う。これにより、データ表示装置4やホールコンピュータ6等、パチンコ機2に接続される遊技用装置において時短状態に制御されていることを特定可能となる。
また、大当り遊技状態の終了に伴い確変状態に制御されたものの時短状態には制御されなかった場合には、潜伏確変大当りが発生したことを、これらの遊技用装置で特定可能となる。ここで、潜伏確変大当りとは、大入賞口の開放パターンが小当りと共通の大当りであって、大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に制御される大当りである。なお、小当りとは、大入賞口が特定の開放パターン(例えば0.5秒の開放が2回)で開放するものの、大入賞口の開放制御終了後に遊技状態が変化していない制御態様をいう。従って、遊技者は、大入賞口が特定の開放パターンで開放されただけでは、小当りが発生したのか潜伏確変大当りが発生したのかを特定することは困難である。一方、パチンコ機2に接続される遊技用装置においては、確変状態であるにもかかわらず時短状態ではないことに基づいて、遊技者が把握困難な潜伏確変状態であることを特定可能である。
また、パチンコ機2からは、パチンコ機不正信号が出力される。パチンコ機2の遊技制御基板(主制御基板ともいう)は、遊技者の不正を検出する機能として、例えば、高周波信号検出機能、磁気検出機能、振動検出機能を有する。高周波信号検出機能については、例えば、特開2002−239169号公報に示されるような技術を適用することができる。
より詳細には、第1始動入賞口及び第2始動入賞口、並びに大入賞口に設けられているスイッチが高周波発振型の貫通型近接スイッチである場合、各々のスイッチに接続された信号監視回路が設けられ、いずれかの信号監視回路で異常な高周波信号が検出された場合に、外部出力基板を介して不正の可能性を示唆するパチンコ機不正信号が外部出力される。同様に、磁気検出機能により異常磁気が検出された場合、振動検出機能により異常振動が検出された場合にも、外部出力基板を介してパチンコ機不正信号が外部出力される。
また、所定期間内における各入賞口への入賞回数が基準値を超えた場合(例えば第1始動入賞口への入賞回数が10秒以内に10回以上となった場合)や、大当り遊技状態であるにも関わらず、大入賞口への入賞が所定期間(例えば1ラウンドにおける最長の開放時間である29秒間)検出されない場合には、外部出力基板を介して誤作動や玉詰まり等の異常の可能性を示唆するパチンコ機異常信号が外部出力される。
本実施形態のパチンコ機2には、該パチンコ機2における遊技を制御する遊技制御基板から、入賞に基づいて出力される賞球信号に基づいて所定数の賞球を計数して払出す制御を行うとともに、台間計数ユニット5で計数される遊技者の所持球数に基づいて、払出単位である125玉の遊技球を計数して貸出す制御を行う賞球制御基板(不図示)を備えており、該払出単位である125玉の倍数の遊技球の貸出を実施できるようになっている。
本実施形態に例示するパチンコ機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や演出図柄)の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば特図可変表示部28や演出可変表示部29)を備え、可変表示手段に予め定められた特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御し、特定遊技状態終了後に、遊技状態を、通常状態又は通常状態よりも可変表示手段の表示結果が特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御する遊技機の一例である。
また、本実施形態に例示するパチンコ機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や演出図柄)の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば特図可変表示部28や演出可変表示部29)における識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な第1遊技状態(開放状態)と遊技者にとって不利な第2遊技状態(閉鎖状態)とのいずれかの状態に変化可能な可変入賞手段(大入賞口を開放状態又は閉鎖状態に切り替える特別可変入賞球装置)を第1状態に変化させる遊技機であって、
前記可変入賞手段を所定期間第1状態に変化させることを所定回数行う第1遊技状態(例えば最長30秒の開放を15回実行する大当り遊技状態)に制御する第1遊技状態制御手段と、
前記可変入賞手段を前記所定期間よりも短い期間及び前記所定回数より少ない回数の少なくともいずれかで第1状態に変化させる第2遊技状態(例えば最長0.5秒の開放を2回実行する大当り遊技状態(潜伏確変大当りに伴う大当り遊技状態))を実行した後、遊技状態を、通常状態よりも前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御する第2遊技状態制御手段と、
前記可変入賞手段を前記第2遊技状態と同様に変化させる第3遊技状態(例えば最長0.5秒の開放を2回実行する小当り遊技状態)を実行した後、前記可変入賞手段を第1状態に変化させる前の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、
前記第1遊技状態に制御するか否かと、前記第2遊技状態に制御するか否かと、前記第3遊技状態に制御するか否かとを、前記可変表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段と、
前記第2遊技状態に制御された後と前記第3遊技状態に制御された後とで、同じ演出態様となる特定演出状態に制御する演出状態制御手段と、を備える遊技機の一例である。
このような遊技機では、潜伏確変大当りが発生した場合と小当りが発生した場合とで、大入賞口の開放パターンが共通であり且つ演出態様も共通となるため、遊技者は潜伏確変大当りが発生したのか又は小当りが発生したのかを把握し難い構成となっている。
また、本実施形態に例示するパチンコ機は、
遊技媒体を遊技領域に発射することにより遊技者が遊技を行い、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技媒体が入賞しにくい又は入賞できない不利状態(閉状態)と、前記遊技媒体が入賞し易い有利状態(開放状態)とに変化可能な可変入賞装置(可動片35(いわゆる電動チューリップ))と、
前記遊技領域に設けられた普通始動領域(通過ゲート31)を前記遊技媒体が通過したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の普通識別情報(普通図柄)を可変表示して、該可変表示の表示結果を普通識別情報可変表示装置(可変表示装置30)に導出表示する制御を行う普通識別情報可変表示制御手段と、
前記普通識別情報可変表示装置に導出表示された表示結果が所定の表示結果(当りを示すLEDの点灯状態)となったことに基づいて、前記可変入賞装置を有利状態に変化させる制御を行う可変入賞装置制御手段と、
所定の条件(例えば高ベース状態を伴う大当り種別(例えば潜伏確変大当り以外の大当り種別)の大当り遊技状態の終了)が成立したことに基づいて、前記可変入賞装置を有利状態とする割合の低い低ベース状態(通常状態:低ベース状態)から、前記可変入賞装置を有利状態とする割合の高い高ベース状態に制御する高ベース状態制御手段と、を備える遊技機の一例である。
このような遊技機では、例えば、低ベース状態で潜伏確変大当りが発生した場合には、大当り遊技状態終了後に高確率低ベース状態となり、小当りが発生した場合には小当り遊技状態終了後に低確率低ベース状態となるため、遊技者は大入賞口の開放制御終了後に低ベース状態に制御された場合に、潜伏確変大当りが発生したのか(高確率低ベース状態に制御されているのか)又は小当りが発生したのか(低確率低ベース状態に制御されているのか)を把握し難い構成となっている。
なお、図柄確定信号、大当り信号、時短中信号及び確変中信号の出力経路は、本実施形態に示すものに限定されるわけではない。これらの信号は、いずれも主制御基板から出力されるようにしてもよい。例えば、主制御基板に、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば特別図柄表示器)が接続される構成とし、この可変表示手段に予め定められた特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する。そして、特定遊技状態終了後に、遊技状態を、通常状態又は通常状態よりも可変表示手段の表示結果が特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御する。そして、主制御基板は、可変表示手段により可変表示が実行される毎に図柄確定信号を出力し、特定遊技状態に制御されている場合には大当り信号を出力し、高確率状態に制御されている場合には確変中信号を出力し、高ベース状態に制御されている場合には時短中信号を出力するようにする。
このような遊技機において、例えば低確率低ベース状態で潜伏確変大当りが発生した場合には、大当り遊技状態終了後(大入賞口が最長0.5秒で2回開放後)に確変中信号はON、時短中信号はOFFとなり、同じく低確率低ベース状態で小当りが発生した場合には、小当り遊技状態終了後(大入賞口が最長0.5秒で2回開放後)に確変中信号はOFF、時短中信号はOFFとなる。そのため信号が入力されるデータ表示装置等の外部装置では、潜伏確変状態(確変中信号ON、時短中信号OFF)であるか否かを確変中信号と時短中信号とに基づいて判定可能となっている。
カードユニット3の前面には、フルカラーLEDにより構成されて複数の色に点灯することでカードユニット3の状態等を報知可能とされた多機能ランプ301と、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302と、計数済玉数を払出すための計数払出操作を受付けるための払出ボタン311と、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309と、装置前面より装置前方側に突出するように形成された表示部355とが設けられている。
表示部355は、タッチパネル314が一体的に構成された液晶表示器313を有し、液晶表示器313に表示された各表示項目をタッチパネル314に対する指触により入力可能に構成されている。また、表示部355には、遊技場の係員が所持する設定用リモコンからの赤外線信号を受信して電気信号に変換して出力するIR受光ユニット315が設けられている。
カードユニット3の前面に設けられたカード挿入口309は、該カード挿入口309に対応する位置に内蔵されるカードリーダライタ327のカードスロット392に連設されており、このカード挿入口309を介してビジターカードや会員カードをカードスロット392に挿入可能とされている。
ここで、ビジターカード及び会員カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用しており、これらビジターカード並びに会員カードには、個々のカードを識別可能なカードIDが予め書き換え不能に記憶されている。そして、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データや、振分けの有無を特定可能な振分けフラグ等の各種データが記憶されている。
なお、会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員IDが書き換え不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、後述するように、一度獲得して計数した遊技球を、その翌日以降においても再度遊技に使用したり、景品交換に使用できる貯玉を行うことができるようになっているが、該会員カードには、該貯玉が行われた遊技球数である貯玉数は直接記録されておらず、該貯玉数は、後述するように、玉管理コンピュータ8において、会員カードIDと会員IDとに対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっている。
また、会員カードには、該会員カードを所有する遊技者が計数した計数済玉数に基づく持玉数も直接記録されておらず、該持玉数も、後述するように、会員カードIDと会員IDとに対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっており、該持玉数をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット3において遊技に使用でき、また、景品交換POS端末(不図示)において景品交換に使用できるようになっている。
また、ビジターカードは、遊技場内に設置された不図示のカード発行・入金機において、購入、発行されるとともに、カードユニット3においても発行される。なお、ビジターカードには、該ビジターカードを所有する遊技者が計数した計数済玉数に基づく持玉数と日付とが記憶されており、該持玉数をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット3において遊技に使用でき、また景品交換POS端末において景品交換に使用できるようになっている。
なお、本実施形態では、タッチパネル314に対する操作により遊技者がカードユニット3に対する各種の操作を行うこととして説明するが、例えば表示部355に、メニュー選択を行うためのメニューボタンや台データを表示させるための台データボタン、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID並びに会員IDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン等の操作ボタンを設けることとしてもよい。
また、表示部355の内部には、後述する液晶表示器313や操作ボタンに対応するスイッチが設けられており、これらが表示部355に対応する装置内位置に設けられた表示制御基板329に接続されることで、液晶表示器313の表示制御や、タッチパネル314による入力位置検出等が該表示制御基板329によって実施される。
カードユニット3内の上部位置には、紙幣挿入口302に連設され、該紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている後述する制御ユニット300に出力する紙幣識別ユニット302aが設けられており、該紙幣識別ユニット302aにおいて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
また、カードユニット3の略中央部位置には、該カードユニット3を構成する各部と接続しやすいように該カードユニット3の動作を制御する制御ユニット300が設けられており、後述するように、該制御ユニット300によって該カードユニット3の各種の動作が制御されている。
また、カードユニット3の最下方位置には、遊技球を計数して取り込み、該計数した遊技球を最大端数分、つまり、対応するパチンコ機2における払出単位である125個未満の単位未満端数の最大値である124個だけ貯留するとともに、該単位未満端数の遊技球を計数する計数払出ユニット380が設けられている。以下、「単位未満端数」を「端数」と称する。
計数払出ユニット380には、パチンコ機2の下皿24と、遊技島の繕板との間に配置される横長の箱状とされた連結ボックス340が連結されるようになっている。
この連結ボックス340は、連結ボックス340の終端側に形成された、高さ方向の厚みが比較的大きな終端ボックス(不図示)と、高さ方向の厚みが比較的小さく、終端ボックスと計数払出ユニットとの連結部とを繋ぐように形成された経路ボックス(不図示)とから構成されている。
連結ボックス340は、計数払出ユニット380に連結することで、終端ボックスが下皿24の下方に位置するようになっており、該終端ボックスの上面には、下皿24から排出される遊技球が投入されるホッパ形状とされた投入部345が形成されている。また、終端ボックスの前面下部位置には、遊技者が開閉自在とされ、通常において閉状態となるように付勢されている開閉シャッタを有し、計数払出ユニット380から払い戻し(返却)される端数の遊技球が排出される返却口342が設けられている。
また、経路ボックス内の上部位置には、計数払出ユニット380に向けて傾斜するように設けられ、該投入部345に投入された遊技球を自然流下において計数払出ユニット380に導く2条の流路から成る計数通路343が設けられている。また、該計数通路343の下方位置に返却口342に向けて傾斜するように設けられ、計数払出ユニット380から払出された遊技球を自然流下において返却口342に導く返却通路344が設けられている。
なお、終端ボックス340aの前面上部位置には、遊技者がスライド操作可能とされた計数レバー341が設けられており、該計数レバー341を、付勢に抗してスライドさせることで、投入部345から計数通路343への侵入口に設けられた開閉シャッタ346が開放されるようになっている。
連結ボックス340が連結される計数払出ユニット380の内部には、計数通路343と連結され、カードユニット3の前面側からカードユニット3の内方側に向けて傾斜するように設けられた流入路を有し、該流入路の終端位置には、該流入路を流下する遊技球を検出して計数する計数センサ(不図示)が各条の流路毎に設けられており、計数通路343を通じて計数払出ユニット380に流入した遊技球が、該計数センサにより検出されて計数されるようになっている。計数センサによって計数された場合には、1球の遊技球の検出に応じて所定パルスの検出信号が計数払出ユニット380から制御ユニット500に対して出力される。制御ユニット500は、その検出信号が入力される毎に、記憶している所持球数を1加算する。
なお、遊技者の所持球数が増加する場合には、遊技者が計数レバー341を引いた状態としておくことでパチンコ機2から排出された遊技球が下皿24から計数通路343に随時に流入し、計数払出ユニット380により計数されることで随時に増加する場合と、遊技者が計数レバー341を引かずにパチンコ機2から排出された遊技球を下皿に溜めた状態としておき、ある程度遊技球が溜まった段階で計数レバー341を引くことで、溜められた遊技球が一気に計数通路343に流入し、計数払出ユニット380により計数されることで一気に増加する場合との2つのケースがある。
また、遊技者の所持球数が減少する場合は、遊技者の払い戻し操作により遊技球が遊技者に払い戻される場合であり、前述したように1回の払い戻し操作による払い戻し数は125発であるため、1回の払い戻し操作により所持球数は125発減少する。制御ユニット500は、1回の払い戻し操作が行われる毎に、記憶している所持球数を125減算し、所持球数データ497を更新する。ただし、所持球数が125未満であるときに払い戻し操作が行われた場合には、所持球数を0とする。すなわち、記憶している所持球数に相当する球数を減算する。
また、カードユニット3とパチンコ機2とは、払出単位として予め定められた複数個の遊技球の貸出に伴う貸出関連信号を送受可能に構成されている。貸出関連信号には、カードユニット3からパチンコ機2に遊技球の貸出しを行わせるための貸出要求信号や、パチンコ機2から出力される台端末貸出完了信号や台READY信号、台間計数ユニットREADY信号、台端末貸出要求完了確認信号等の信号が含まれる。また、パチンコ機2からは、大当り信号、確変中信号、時短中信号、賞球信号、始動信号等の遊技信号や、該パチンコ機2に対応して設けられる打込玉カウンタ(不図示)から出力される打込玉信号を受信可能に構成されている。
カードユニット3からは、ユニット不正信号が出力される。カードユニット3は、遊技者の不正を検出する機能として、例えば、不正電波検知機能や振動検出機能、偽造カードや偽造紙幣の判別機能を有し、これらの機能により不正電波、振動を検出した場合や、偽造カードや偽造紙幣が使用されたと判別した場合に、外部出力基板を介してユニット不正信号が外部出力されるように構成されている。
また、カードユニット3からは、ユニット異常信号が出力される。カードユニット3は、異常を検出する機能として、遊技用カードの挿入/排出不全検出機能や計数払出ユニット380による計数払出不全検出機能を有し、これらの機能により遊技用カードの挿入/排出不全が検出された場合や、計数払出ユニット380による計数払出不全が検出されたような場合に、外部出力基板を介してユニット異常信号が外部出力されるように構成されている。
本明細書では、遊技者が所持する記録媒体であるビジターカード及び会員カードを包括的に「遊技用カード」と称する。ビジターカード及び会員カードは、プリペイド残額やカード残額を記録したプリペイド機能を有する遊技用カードである。
プリペイド残額は、「カード残額÷単位額」の式で演算される商の整数部分であり、カード残額は、遊技用カードに記録される円単位の残額である。例えば、単位額は100円とすることができ、カード残額が10000円である場合は、プリペイド残額は100となる。以下では、プリペイド残額とカード残額とを包括的に「残額」と称する。
上記の残額は、遊技用カードに直接記録することとしてもよいし、遊技用カードには記録せずに、玉管理コンピュータ8等の管理装置で管理するようにしてもよい。遊技用カードに残額を記録する場合には、台間計数ユニット5や後述するカードユニット3等の記録媒体処理装置が、受け付けた遊技用カードから残額を読み取ることで、遊技者が所有する残額を特定するようにすればよい。また、遊技用カードに残額を記録しない場合には、記録媒体処理装置が、受け付けた遊技用カードのカードIDや会員IDを管理装置に出力し、管理装置から該カードIDや会員IDに対応付けられた残額データを取得することで、遊技者が所有する残額を特定するようにすればよい。
本実施形態では、残額と言った場合、遊技用カードに対応付けられている残額のことを意味することとして説明する。つまり、入金によって遊技用カードに直接的に記録される残額や、入金によって遊技用カードのカードIDや会員IDと対応付けて上位の管理装置で管理される残額を意味するものとする。
また、本明細書では、遊技者がパチンコ機での遊技で獲得した玉であって、ホールに預けている玉のことを「貯玉」と称する。また、ホールに預けている貯玉の数を「貯玉数」と称する。貯玉数は、管理装置で管理される。原則的に、貯玉数は会員カードに記録させることはできず、記録媒体処理装置が会員カードを受け付けたことに応じて、管理装置で管理されている貯玉数が記録媒体処理装置に送信される。
当日に遊技者が獲得した貯玉数は、所定条件の成立に応じて、管理装置によって移行管理されて記憶される。所定条件は、例えば、当日の店舗の営業終了後、締め処理が行われることとして定めておくことができる。締め処理は、時刻が所定の締め時刻(例えば深夜10時や深夜0時、深夜2時)となったことや、店舗の管理者によって締め処理の実行操作がなされたこと、店舗の営業終了により管理装置の電源が一旦切断され、次の営業日の営業のために管理装置の電源が立ち上げられたこと、等の条件の成立に応じて実行される。この締め処理が実行されることにより、当日貯玉数は過去貯玉数に加算されてリセットされ、次の営業日以降の過去貯玉として管理されることになる。つまり、所定条件の成立により、当日貯玉数はその当日に遊技者が貯蓄した貯玉数として確定される。
また、本明細書では、遊技者がパチンコ機で遊技を行った結果、遊技者の所有となった遊技玉数のことを「持玉」と称する。また、会員カードに対応付けられる当日貯玉と区別するために、ビジターカードに記録されている玉数のことを「持玉数」と称する。
また、本明細書では、記録媒体処理装置が備える計数払出ユニットに380よって計数され、該記録媒体処理装置が内部的に記憶している計数玉数であって、管理装置が直接把握することのできないローカルな計数玉数のことを「ローカル計数玉数」と称する。
また、本明細書では、パチンコ機2で発射可能なパチンコ玉であり、残額や持玉、貯玉を引き落とすことと引き換えにして生成されるパチンコ玉のことを「遊技球」と称する。
また、本明細書では、カードユニット3に対応して設けられるパチンコ機2のことを「対応パチンコ機」と称する。
図4は、カードユニット3の機能構成の一例を示すブロック図である。
カードユニット3は、紙幣識別ユニット302aと、カードリーダライタ327と、表示制御基板329と、カードユニット3の各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット3の各種の機能を提供する制御ユニット300とから構成されており、紙幣識別ユニット302a、カードリーダライタ327及び表示制御基板329は制御ユニット300と接続されて各種データの送受が可能とされている。
カードリーダライタ327は、カード挿入口309から挿入される会員カード並びにビジターカードに記録されている(会員)カードIDや、会員ID(会員カードのみ)、プリペイド残額データ等の記録情報の読み出し及び書き込みを行う。
制御ユニット300は、処理部310と、記憶部320と、時計部335とを備えて構成される。
処理部310は、カードユニット3を統括的に制御するCPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される制御装置及び演算装置である。本実施形態において、処理部310は、主要な機能部として、イベント発生判定部310aと、表示処理部310bと、表示調整部310cと、表示中断再開部310dと、操作無効化部310eとを有する。これらの機能部の機能については、処理の流れで後述する。
記憶部320は、ROMやフラッシュROM、EEPROM、RAM等のメモリを有して構成される記憶装置である。本実施形態において、記憶部320には、処理部310により読み出され、カードユニット処理として実行されるカードユニット処理プログラム321と、ホールコンピュータ6から出力される設定用データ691とが記憶される。
また、カードユニット処理プログラム321は、イベント発生判定処理として実行されるイベント発生判定プログラム321aと、表示処理として実行される表示処理プログラム321bと、表示調整処理として実行される表示調整プログラム321cと、表示中断再開処理として実行される表示中断再開プログラム321dとをサブルーチンとして含む。これらの処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
また、記憶部320には、カードリーダライタ327が受付中の遊技用カード(ビジターカードや会員カード)のカードID並びにプリペイド残額や、持玉数、貯蓄数、来店ポイント数、対応パチンコ機2の台データ、遊技中の会員の遊技情報等の各種のデータが記憶される。
制御ユニット300は、遊技球の貸出に伴う各種の信号の授受を、対応パチンコ機2に設けられている不図示の賞球制御基板との間において実施可能に接続されているとともに、前述のように、信号ケーブルを介して、パチンコ機2の情報出力基板と接続されることで、大当り信号等の各種のパチンコ機信号が入力可能とされている。
また、制御ユニット300は、対応パチンコ機2の下方位置に設けられているアウト玉計数器16に接続されて該アウト玉計数器16による打込信号が入力可能とされており、これらアウト玉計数器16からの打込信号の入力に応じて、後述する遊技情報テーブルの総打込玉数の値に該打込信号に応じた所定数を加算更新する。
また、制御ユニット300は、計数払出ユニット380と接続されており、該計数払出ユニット380において遊技球の計数が行われたことにより出力される計数センサ信号を入力し、該計数センサ信号に基づいて所持球数を更新する。例えば、前述したように計数払出ユニット380に流入した遊技球が、計数センサにより検出され、1球の遊技球の検出に応じて所定パルスの検出信号が計数払出ユニット380から制御ユニット300に対して出力されて、制御ユニット300において記憶される所持球数(持玉数)が1ずつ増加する。
また、制御ユニット300は、タッチパネル314に対する操作の有無を把握できるようになっている。タッチパネル314に対する操作を検知すると、制御ユニット300は、当該操作に応じた処理を実行する。
具体的には、後述する玉貸アイコンがタップされたことを検知すると、所定の単位金額分の遊技球を遊技者に貸し出す制御を行う。また、後述する玉払出アイコンがタップされたことを検知すると、遊技者が所持する所持球数のうちの所定の単位球数を遊技者に払い戻す制御を行う。
遊技者の所持球数が増加する場合には、遊技者が計数レバー341を引いた状態としておくことでパチンコ機2から排出された遊技球が下皿24から計数通路343に随時に流入し、計数払出ユニット380により計数されることで随時に増加する場合と、遊技者が計数レバー341を引かずにパチンコ機2から排出された遊技球を下皿に溜めた状態としておき、ある程度遊技球が溜まった段階で計数レバー341を引くことで、溜められた遊技球が一気に計数通路343に流入し、計数払出ユニット380により計数されることで一気に増加する場合との2つのケースがある。また、遊技者の所持球数が減少する場合は、遊技者の払い戻し操作により遊技球が遊技者に払い戻される場合であり、前述したように1回の払い戻し操作による払い戻し数は125発であるため、1回の払い戻し操作により所持球数は125発減少する。
また、制御ユニット300には、前述したように、対応パチンコ機2の操作部に設けられた残額表示器や、貸出ボタンの操作を検知する貸出ボタンスイッチや、受付中の会員カードやビジターカードを返却させる際に操作される返却ボタンの操作を検知する返却ボタンスイッチが接続されており、貸出ボタンの操作や返却ボタンの操作を検知できるとともに、これら残額表示器の表示制御を実施する。
制御ユニット300は、リモコンからの送信に応じたIR受光ユニット315からの出力や表示部355に設けられている各種ボタンの操作やタッチパネルの操作に応じて表示制御基板329から入力される各種情報や、紙幣識別ユニット302aによる貨幣識別情報、並びにカードリーダライタ327からのカード挿入情報やビジターカードの貯留状態情報等を受けて、制御ユニット300に接続されている前記多機能ランプ内に設けられたフルカラーLED301a等の各LEDの点灯制御、カードリーダライタ327、表示制御基板329の制御、残額表示器の表示制御等、全体の動作制御を行う。
また、制御ユニット300は、カード挿入口309に挿入された会員カードやビジターカードの利用の可/不可を判別するカード受付け処理や、受付中の会員カード或いはビジターカードから読み出したプリペイド残額データに基づくプリペイド残額を使用した玉貸を行う貸与処理や、貨幣の受付けに応じて、受付中の会員カードやビジターカードに残存するプリペイド残額への入金、或いは新たなビジターカードにプリペイド残額を書き込んで発行する発行・入金処理や、返却ボタンによる返却操作により受付中の会員カードやビジターカードの返却する返却処理や貯玉数を用いた再プレイ処理や、払出ボタン311の操作の受付けによって計数済玉数(挿入されたビジターカード並びに会員カードにより特定される持玉数を含む)からの払い出し(返却)を行って該払出した玉数を計数済玉数から減算更新する払出処理等の処理を実行する。
また、制御ユニット300は、HUBを介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているホールコンピュータ6や玉管理コンピュータ8等の外部装置とデータ通信可能に接続されており、これらの各コンピュータと各種データの送受が可能とされている。
また、制御ユニット300に接続された表示制御基板329は、表示部355を構成する液晶表示器313やタッチパネル314、各種の操作ボタン316に対応するスイッチ、IR受光ユニット315、前述した再プレイ表示部内に設けられたLED320a等の電子部品が接続されており、これらタッチパネル314の操作情報や、各種スイッチ類の操作情報、IR受光ユニット315から出力された出力信号に基づく情報が、表示制御基板329を介して制御ユニット300に出力される。
本実施形態の表示制御基板329には、液晶表示器313の表示駆動を行う表示駆動回路(図示略)や、タッチパネル314からの出力信号に基づいて押圧操作された位置を特定して該特定した入力位置情報を出力する入力位置検出回路(図示略)や、表示部355に表示する表示映像に関する処理を行うVDP(図示略)や、メニュー表示等に使用する画像データ等を記憶するVROM(図示略)や、表示部355に表示する表示データを一時記憶するVRAM(図示略)や、制御ユニット300から独立して、各種スイッチ類やタッチパネル等の入力に伴う判断や処理を処理プログラムに基づいて実施する表示制御マイコン等が実装されており、制御ユニット300から出力される表示データ(ページデータ)等に基づいて、各種の表示画面を、表示部355を構成する液晶表示器313に表示可能とされている。
カードユニット3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたカードユニット3は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(例えばカード残額、持玉数、あるいは貯玉数等)を遊技玉に変換する機能を有する。
カードユニット3の前面には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口が設けられている。このカード挿入/排出口に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタに受け付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。紙幣挿入口に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
本実施形態において、貯玉データは会員カードに直接記録させず、店舗に設置された玉管理コンピュータ8に会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともに玉管理コンピュータ8にカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉を玉管理コンピュータ8にカード番号と対応させて記憶させてもよい。
なお、持玉をカード(会員カード、ビジターカード)又は玉管理コンピュータ8に記憶させるタイミングは、計数ボタンが操作されて計数処理が行われる毎のタイミングとしてもよいし、一定時間毎のタイミングとしてもよいし、カードを返却するタイミングとしてもよい。
また、遊技者が遊技を終えてカードユニット3からカードの返却を受けたときには、カードユニット3に記憶していた持玉が一旦貯玉として玉管理コンピュータ8に記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じ又は別のカードユニット3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのカードユニット3に記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
また、制御ユニット300には、音出力制御基板319が接続されている。音出力制御基板319は、音出力部350に接続され、制御ユニット300の制御に従って、音出力部350から各種の音を出力させるように制御する。
[1−4.ホールコンピュータの機能構成]
図5は、ホールコンピュータ6の機能構成の一例を示す図である。
ホールコンピュータ6は、処理部610と、入力部620と、表示部625と、音出力部630と、時計部635と、第1通信部640と、第2通信部650と、ROM670と、ハードディスク680と、RAM690とを備えて構成され、各部がバスを介して接続されるコンピューターシステムである。
処理部610は、ROM670に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、ホールコンピュータ6の各部を統括的に制御するCPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される制御装置及び演算装置である。本実施形態において、処理部610は、主要な機能部として、設定部611と、遊技集計部613と、売上集計部615とを有する。
入力部620は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部610に出力する。この入力部620からの操作入力により、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの編集等の指示操作がなされる。
表示部625は、処理部610から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部625には、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの内容等が表示される。
音出力部630は、処理部610から出力される音出力制御信号に基づく各種の音出力を行うスピーカなどの音出力装置である。音出力部630からは、例えば、注意を促す場合や、異常が発生した場合に、それを管理者に報知する警告音等が音出力される。
時計部635は、ホールコンピュータ6が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部635の計時時刻(日付を含む。)は処理部610に出力される。
第1通信部640は、パチンコ機2との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第1通信部640は、各パチンコ機2から出力されるパチンコ機信号を受信する。
第2通信部650は、カードユニット3との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第2通信部650は、各カードユニット3から出力されるユニット信号を受信する。また、第2通信部650は、処理部610の制御に従って、設定用データ691を各カードユニット3に送信する。
ROM670は、読み出し専用の不揮発性の記憶装置であり、ホールコンピュータ6のシステムプログラム等の各種のプログラムを記憶している。本実施形態において、ROM670には、処理部610によって読み出され、管理処理として実行される管理プログラム671が記憶されている。管理プログラム671は、設定用データ生成処理として実行される設定用データ生成プログラム671aをサブルーチンとして含む。これらの処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
なお、ホールコンピュータ6が記憶装置としてROM670を備えないような構成とすることも可能であり、この場合は、上記の各種プログラムを、例えばハードディスク680に記憶させるようにすればよい。
ハードディスク680は、読み書き可能な不揮発性の外部記憶装置であり、カードユニット3の表示設定に係る各種のデータや、パチンコ機2での遊技に係る各種のデータベースを記憶する。具体的には、第1表示内容設定用テーブル681−1と、第1表示態様設定用テーブル682−1と、ユニット設定テーブル683と、遊技集計データベース688と、売上集計データベース689とが記憶される。
第1表示内容設定用テーブル681−1は、カードユニット3の表示内容の設定に係るテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図6に示す。
第1表示内容設定用テーブル681−1には、パチンコ機IDと、機種名と、表示画面とが対応付けて定められている。
パチンコ機IDは、各パチンコ機2をユニークに識別するための番号(ID)であり、各パチンコ機2に個別に割り当てられている。
機種名は、該パチンコ機IDのパチンコ機2の機種名である。
表示種別は、該パチンコ機IDのパチンコ機2に対応して設けられるカードユニット3に表示させる表示画面である。
具体的には、パチンコ機IDがP1〜P20のパチンコ機2は、その機種名が「パチンコXXX」である。そして、カードユニット3に表示させる表示画面として、(1)メニュー画面、(2)台データ画面、(3)スランプグラフ画面、(4)離席画面、(5)玉合算画面、(6)玉分割画面、(7)サービス画面、(8)フロアガイド画面、(9)CM画面、(10)玉貸中画面、(11)玉払出中画面、(12)玉変換画面、(13)カード返却画面、(14)計数中画面、が定められている。
メニュー画面は、遊技者がメニュー選択を行うための画面であり、デフォルトとして設定されているデフォルト画面である。
台データ画面は、対応パチンコ機2の台データを遊技者が閲覧するための画面であり、台データアイコンがタップされることで表示される画面である。
スランプグラフ画面は、対応パチンコ機2のスランプグラフを遊技者が閲覧するための画面であり、スランプグラフアイコンがタップされることで表示される画面である。
離席画面は、遊技者が離席する場合に台ロックを行うための画面であり、離席アイコンがタップされることで表示される画面である。
台ロックは、遊技用カードを受け付けている状態で台ロックアイコンがタップされた場合に、遊技用カードの返却を規制する制御を行い、カード挿入/排出口から遊技用カードが排出されないようにすることによって実現することができる。
なお、後述するように、遊技に使用するための記録媒体を遊技用カードではなく、遊技者が所持するスマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末、PDA等の遊技者端末とすることも可能である。この場合は、カードユニット3にICリーダを設けておき、例えばIC対応のスマートフォンがICリーダに翳されたことを記録媒体の受付とすればよい。そして、台ロックアイコンをタップして台ロックの待機状態とした後に、受け付けたスマートフォンと同一のスマートフォンをICリーダに翳すことで、カードユニット3をロック状態とし、他の遊技者による遊技を規制するようにすればよい。
玉合算画面は、遊技者が玉の合算を行うための画面であり、玉合算アイコンがタップされることで表示される画面である。
玉分割画面は、遊技者が玉の分割を行うための画面であり、玉分割アイコンがタップされることで表示される画面である。
サービス画面は、遊技者がサービス選択を行うための画面であり、サービスアイコンがタップされることで表示される画面である。
フロアガイド画面は、遊技者が店舗のフロアガイドを確認するための画面であり、フロアガイドアイコンがタップされることで表示される画面である。
CM画面は、遊技機や遊技機の製造メーカ、店舗等のCMが表示される画面であり、CMアイコンがタップされることで表示される画面である。
玉貸中画面は、遊技者に玉貸しが行われた場合に表示される玉貸の実行中であることを遊技者に報知するための画面であり、玉貸アイコンがタップされて玉貸しが実行されることで表示される画面である。
玉払出中画面は、遊技者に玉の払出しが行われた場合に表示される玉払出の実行中であることを遊技者に報知するための画面であり、玉払出アイコンがタップされて玉払出しが実行されることで表示される画面である。
玉変換画面は、遊技者が玉の変換を行うための画面であり、玉変換アイコンがタップされて玉変換が実行されることで表示される画面である。
カード返却画面は、遊技用カードを返却したことを遊技者に報知するための画面であり、カード返却アイコンがタップされて受付中の遊技用カードが返却されることで表示される画面である。
計数中画面は、遊技球の計数中であることを遊技者に報知するための画面であり、計数払出ユニット380によって計数が実行された場合に表示される画面である。
第1表示態様設定用テーブル682−1には、上記の第1表示内容設定用テーブル681−1に定められた各表示画面に表示させる表示項目をどのような位置や色、大きさで表示させるかの表示態様が定められている。
ユニット設定テーブル683には、各パチンコ機2に対してどのユニットIDのカードユニット3が対応して設けられているかのパチンコ機2とカードユニット3との対応関係が定められている。
遊技集計データベース688は、パチンコ機2における遊技に関連する集計データが記憶されたデータベースである。
売上集計データベース689は、店舗に設置されるパチンコ機2における売上に関連する集計データが記憶されたデータベースである。売上集計データベース689には、店舗の売り上げに関する情報を集計した売上集計データが記憶され、例えば、割数(機械割数や景品割数)や出玉率、客滞率、売上玉、景品玉、景品金額、玉粗利といったデータが、売上集計部615によって集計されて記憶される。
RAM690は、読み書き可能な揮発性のメモリであり、本実施形態では、処理部610によって生成される各カードユニット3の設定用のデータである設定用データ691が記憶される。RAM690は不図示の電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。
図7は、設定用データ691のデータ構成の一例を示す図である。
設定用データ691には、カードユニット3のIDであるユニットID6911と、対応パチンコ機2のIDである対応パチンコ機ID6912と、当該カードユニット3の表示部355に表示させる表示内容の設定データである表示内容設定データ6913と、表示内容に対応する表示態様の設定データである表示態様設定データ6914と、イベント発生判定用データ6915とが記憶される。
表示内容設定データ6913は、第1表示内容設定用テーブル691−1に定められた表示内容と、ユニット設定テーブル686に定められたパチンコ機2及びカードユニット3の対応関係とに基づいて生成されるデータである。
表示態様設定データ6914は、第1表示態様設定用テーブル692−1に定められた表示態様と、ユニット設定テーブル686に定められたパチンコ機2及びカードユニット3の対応関係とに基づいて生成されるデータである。
図8は、表示態様設定データ6914のデータ構成の一例を示す図である。
第1表示態様設定データ6914には、表示画面の種別である表示種別毎の表示態様の設定データが記憶されている。
図8において、最上位のデータは、表示種別「メニュー画面」についてのデータであり、番号(No)と、当該表示画面において表示させる項目である表示項目と、各表示項目を表示させる表示領域とを対応付けた表示態様設定データが記憶されている。
具体的に説明する。
No1の表示項目は、遊技者が玉貸情報を確認するための玉貸情報枠である。玉貸情報は、貸与レートに応じた遊技球の貸し出しの価格に関する情報である。
No2の表示項目は、遊技者がスペック情報を確認するためのスペック情報枠である。スペック情報は、対応パチンコ機2の大当り確率(通常確率、確変確率)や確変突入率、継続率等のスペックに関する情報である。
No3の表示項目は、遊技者が対応パチンコ機2の台データを閲覧するための台データアイコンである。台データは、パチンコ機2の当日の大当り回数(通常大当り回数、確変大当り回数)や前日の大当り回数、初当り回数、スタート回数等のデータに関する情報である。
No4の表示項目は、遊技者が対応パチンコ機2のスランプグラフを閲覧するためのスランプグラフアイコンである。スランプグラフは、対応パチンコ機2における差玉の時系列変化を示すグラフである。
No5の表示項目は、遊技者が離席する場合に台ロックを行うための離席アイコンである。
No6の表示項目は、遊技者が玉の合算を行うための玉合算アイコンである。玉の合算とは、複数枚の遊技用カードに対応付けられた玉数を合算して1枚の遊技用カードに対応付けることを言う。
No7の表示項目は、遊技者が玉の分割を行うための玉分割アイコンである。玉の分割とは、1枚の遊技用カード(分割元カード)の玉数を分割して複数の遊技用カードに対応付けることを言う。
No8の表示項目は、遊技者がサービス選択を行うためのサービスアイコンである。サービスには、ワゴンサービスやおしぼり、食事休憩、各種の使用品の貸出し等のサービスが含まれる。
No9の表示項目は、遊技者がフロアガイドを閲覧するためのフロアガイドアイコンである。フロアガイドには、店舗内の遊技島及び各遊技島に設置された遊技機の種類やサービスカウンタやトイレの位置等のレイアウトである。
No10の表示項目は、遊技者がCMを閲覧するためのCMアイコンである。CMには、遊技機や遊技機の製造メーカ、店舗に関するCMの他、遊技や店舗とは直接的に関係のないCMも含まれる。
No11の表示項目は、遊技者が玉貸しを行うための玉貸アイコンである。
No12の表示項目は、遊技者が玉の払出しを行うための玉払出アイコンである。
No13の表示項目は、遊技者が玉の変換を行うための玉変換アイコンである。玉の変換とは、遊技者がパチンコ機2で遊技する際の一の貸与レート(例えば4円/1円)の玉数を、他レート(例えば1円/4円)の玉数に変換することを言う。
No14の表示項目は、遊技者が遊技用カードの返却を行うためのカード返却アイコンである。
本実施形態では、カードユニット3において、遊技者がタッチパネル314に対する表示調整操作として、ピンチ操作、パン操作及びフリック操作を行うことが可能に構成され、遊技者の表示調整操作に応じて、液晶表示器313の表示調整を実行することが可能に構成されている。
ピンチ操作は、タッチパネル314が構成された表示部355に2本の指を当接させ、指を当接させたまま、つまむように2本の指の間隔を変化させる操作である。ピンチ操作は、当接させた2本の指を摺動させて当接位置の間隔を変化させる操作であるため、間隔変化摺動操作と言うこともできる。ピンチ操作には、2本の指の間隔を広げるように操作するピンチアウト操作と、2本の指の間隔を狭めるように操作するピンチイン操作とが含まれる。
パン操作とは、タッチパネル314が構成された表示部355に指を当接させ、指を当接させたまま、指をゆっくりと移動させる操作である。パン操作は、当接させた指を低速で摺動させる操作であるため、低速摺動操作と言うこともできる。
フリック操作とは、タッチパネル314が構成された表示部355に指を当接させ、指を当接させたまま、指を素早く滑らせる(はじく)ように移動させる操作である。フリック操作は、当接させた指を高速で摺動させる操作であるため、高速摺動操作と言うこともできる。
No1の玉貸情報枠及びNo2のスペック情報枠には、その表示領域として第1領域が定められている。第1領域は、例えば画面中央部の左側の領域として定められており、この第1領域は、遊技者による表示調整操作として、ピンチ操作及びパン操作が可能な領域として定められている。
No3の台データアイコン〜No10のCMアイコンには、その表示領域として第2領域が定められている。第2領域は、例えば画面中央部の右側の領域として定められており、この第2領域は、遊技者による表示調整操作として、パン操作及びフリック操作が可能な領域として定められている。
No11の玉貸アイコン〜No14のカード返却アイコンには、その表示領域として第3領域が定められている。第3領域は、例えば画面下部の領域として定められており、この第3領域は、遊技者による表示調整操作が不可能な領域として定められている。
イベント発生判定用データ6915は、カードユニット3において発生したイベントを当該カードユニット3の処理部310が判定するために用いられるデータである。
図9は、イベント発生判定用データ6915のうち、第1実施形態に適用される第1イベント発生判定用データ6915−1のデータ構成の一例を示す図である。
第1イベント発生判定用データ6915−1には、イベントの番号(No)と、当該イベントの名称と、当該イベントの発生の判定条件とが対応付けて定められている。判定条件には、当該イベントの発生の起因と、当該イベントの発生の契機とが含まれる。
No1のイベントは、名称が「玉貸」であり、その判定条件として、起因に「遊技者操作」、契機として「玉貸操作」が定められている。つまり、遊技者による玉貸操作に応じて、玉貸のイベントが発生したと判定することが定められている。。
No2のイベントは、名称が「玉払出」であり、その判定条件として、起因に「遊技者操作」、契機として「玉払出操作」が定められている。つまり、遊技者による玉払出操作に応じて、玉払出のイベントが発生したと判定することが定められている。。
No3のイベントは、名称が「玉変換」であり、その判定条件として、起因に「遊技者操作」、契機として「玉変換操作」が定められている。つまり、遊技者による玉変換操作に応じて、玉変換のイベントが発生したと判定することが定められている。。
No4のイベントは、名称が「カード返却」であり、その判定条件として、起因に「遊技者操作」、契機として「カード返却操作」が定められている。つまり、遊技者によるカード返却操作に応じて、カード返却のイベントが発生したと判定することが定められている。。
[1−5.玉管理コンピュータの機能構成]
図10は、玉管理コンピュータ8の機能構成の一例を示す図である。
玉管理コンピュータ8は、処理部810と、入力部820と、表示部830と、通信部840と、時計部850と、記憶部860とを備えて構成される。
処理部810は、記憶部860に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、玉管理コンピュータ8の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される。
入力部820は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部810に出力する。
表示部830は、処理部810から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部830には、記憶部860に記憶された各種データベースのデータの内容等が表示される。
通信部840は、カードユニット3との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。通信部840は、カードユニット3からカード情報を受信する。
時計部850は、玉管理コンピュータ8が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部850の計時時刻(日付を含む。)は処理部810に随時出力される。
記憶部860には、処理部810により玉管理処理として実行される玉管理プログラム861と、会員管理データ863と、カード管理データ865と、ユニット管理データ867とが記憶される。
図11は、会員管理データ863のデータ構成の一例を示す図である。
会員管理データ863には、会員情報データと、会員遊技履歴データとが記憶される。会員情報データには、会員の個人情報が記憶される。具体的には、例えば、会員をユニークに識別するための会員IDと、該会員が自身で設定する暗証番号と、店舗に来店する度に該会員に付与される来店ポイントと、来店ポイントに応じて該会員に設定されるランクと、該会員の名字と、該会員の名前とが記憶される。
会員遊技履歴データには、会員IDと、来店日と、台番号と、機種名と、開始時刻と、終了時刻とが対応付けて記憶される。開始時刻は、該会員が該台番号のパチンコ機2で遊技を開始した時刻である。終了時刻は、該会員が該台番号のパチンコ機2で遊技を終了した時刻である。
図12は、カード管理データ865のデータ構成の一例を示す図である。
カード管理データ865には、会員カード管理データと、ビジターカード管理データとが記憶される。
会員カード管理データは、会員カードを管理するためのデータであり、例えば、会員カードをユニークに識別するためのカードIDと、会員IDと、持玉数と、貯玉数と、大当り回数とが対応付けて記憶される。
ビジターカード管理データは、ビジターカードを管理するためのデータであり、例えば、ビジターカードをユニークにするためのカードIDと、該ビジターカードの最新の発行日時である最新発行日時と、持玉数と、大当り回数とが対応付けて記憶される。
[1−6.処理の流れ]
[1−6−1.ホールコンピュータの処理]
図13は、ホールコンピュータ6の処理部610がROM670に記憶されている管理プログラム671に従って実行する管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
処理部610は、各カードユニット3についてループAの処理を行う(A1〜A7)。ループAは、各カードユニット3に対して順番に又は並列的にループA内の各ステップを実行することを意味する。
ループAでは、設定部611が、ROM670に記憶されている設定用データ生成プログラム671aに従って、該データ表示装置4について設定用データ691を生成する設定用データ生成処理を行う(A3)。具体的には、ハードディスク680に記憶されている第1表示内容設定用テーブル681、第1表示態様設定用テーブル683、ユニット設定テーブル686を用いて、当該カードユニット3の設定用データ691を生成し、RAM690に記憶させる(A3a)。
次いで、処理部610は、生成した設定用データ691を、当該カードユニット3に送信する(A5)。そして、処理部610は、次のカードユニット3へと処理を移す。
全てのカードユニット3に対するループAの処理を終了したならば(A7)、遊技集計部613は、各パチンコ機2から出力されるパチンコ機信号に基づいて、各パチンコ機2の遊技集計データを更新し、ハードディスク680の遊技集計データベース688に記憶させる(A9)。
次いで、処理部610は、処理を終了するか否かを判定し(A11)、処理を継続すると判定したならば(A11;No)、A9に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(A11;Yes)、処理部610は、管理処理を終了する。
[1−6−2.データ表示装置の処理]
図14は、カードユニット3の処理部310が、記憶部320に記憶されているカードユニット処理プログラム321に従って実行するカードユニット処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部310は、ホールコンピュータ6から通信部を介して設定用データ691を受信し、記憶部320に記憶させる(C1)。次いで、処理部310は、設定用データ691に従って、自装置の表示部355に表示させる表示内容及び表示態様を初期設定する初期表示設定処理を実行する(C3)。
次いで、処理部310は、記憶部320に記憶されているイベント発生判定プログラム321aに従って、イベント発生判定処理の実行を開始する(C5)。具体的には、イベント発生判定部310aが、設定用データ691に含まれる第1イベント発生判定用データ6915−1に従って、自装置でイベントが発生したか否かを判定する。
その後、処理部310は、記憶部320に記憶されている表示処理プログラム321bに従って、表示処理の実行を開始する(C7)。
次いで、処理部310は、処理を終了するか否かを判定し(C9)、処理を継続すると判定したならば(C9;No)、そのまま待機する。また、処理を終了すると判定したならば(C9;Yes)、カードユニット処理を終了する。
図15は、表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、表示処理部310bは、初期メニュー画面を液晶表示器313に表示させる(E1)。次いで、表示調整部310cが、記憶部320に記憶されている表示調整プログラム321cに従って、表示調整処理の実行を開始する(E3)。また、表示中断再開部310dが、記憶部320に記憶されている表示中断再開プログラム321dに従って、表示中断再開処理の実行を開始する(E5)。
図16は、表示調整処理の流れの一例を示すフローチャートである。
表示調整部310cは、遊技者によりピンチ操作がなされたか否かを判定する(G1)。なお、ピンチ操作は、タッチパネル313に2本の指が当接されたことを検知した場合に、その2本の指の当接位置の変化(当接位置の間隔の変化及び当接位置の方向の変化を含む。)に基づいて検出することができる。
ピンチ操作がなされたと判定したならば(G1;Yes)、表示調整部310cは、液晶表示器313にメニュー画面の表示中であるか否かを判定する(G3)。そして、表示中であると判定したならば(G3;Yes)、ピンチ操作がなされた領域を判定する(G5)。
領域が「第1領域」であると判定したならば(G5;第1領域)、表示調整部310cは、ピンチ操作の種別を判定する(G7)。ピンチ操作の種別がピンチアウト操作であったならば(G7;ピンチアウト)、表示調整部310cは、表示調整として、遊技者の2本の指のタッチ位置の中心位置を基準として表示項目を拡大する表示拡大処理の実行を開始する(G9)。
一方、ピンチ操作の種別がピンチイン操作であったならば(G7;ピンチイン)、表示調整部310cは、表示調整として、遊技者の2本の指のタッチ位置の中心位置に向けて表示項目を縮小する表示縮小処理の実行を開始する(G11)。
G9又はG11の後、表示調整部310cは、遊技者による操作を無効化する操作無効化処理を実行し、操作を無効化したことを示すフラグである操作無効化フラグを「ON」に設定する(G13)。そして、表示調整部310cは、G35へと処理を移す。
G1においてピンチ操作がなされなかったと判定した場合(G1;No)、G3においてメニュー画面を表示中ではないと判定した場合(G3;No)、G5において領域が第2領域又は第3領域であると判定した場合(G5;第2領域又は第3領域)には、表示調整部310cは、遊技者によりパン操作がなされたか否かを判定する(G15)。なお、パン操作は、タッチパネル313に指が当接された場合に、その指の当接位置及び当接位置の変化の速度に基づいて検出することができる。
パン操作がなされたと判定したならば(G15;Yes)、表示調整部310cは、液晶表示器313にメニュー画面の表示中であるか否かを判定する(G17)。そして、表示中であると判定したならば(G17;Yes)、パン操作がなされた領域を判定する(G19)。
領域が「第1領域又は第2領域」であると判定したならば(G5;第1領域又は第2領域)、表示調整部310cは、表示調整として、パン操作がなされた領域の表示をパン操作がなされた方向に変位させる変位表示処理を開始する(G19)。そして、操作無効化部310eが、遊技者による操作を無効化する操作無効化処理を実行し、操作を無効化したことを示すフラグである操作無効化フラグを「ON」に設定する(G23)。そして、表示調整部310cは、G35へと処理を移す。
G15においてパン操作がなされなかったと判定した場合(G15;No)、G17においてメニュー画面の表示中ではないと判定した場合(G17;No)、G19において領域が第3領域であると判定した場合(G19;第3領域)、表示調整部310cは、遊技者によりフリック操作がなされたか否かを判定する(G25)。なお、フリック操作は、タッチパネル313に指が当接された場合に、その指の当接位置及び当接位置の変化の速度に基づいて検出することができる。
フリック操作がなされたと判定したならば(G25;Yes)、表示調整部310cは、液晶表示器313にメニュー画面の表示中であるか否かを判定する(G27)。そして、表示中であると判定したならば(G27;Yes)、フリック操作がなされた領域を判定する(G29)。
領域が「第2領域」であると判定したならば(G29;第2領域)、表示調整部310cは、表示調整として、遊技者のフリック操作に応じて、表示項目をスクロール表示させるスクロール表示処理を開始する(G31)。そして、表示調整部310cは、遊技者による操作を無効化する操作無効化処理を実行し、操作を無効化したことを示すフラグである操作無効化フラグを「ON」に設定する(G33)。
G13、G23又はG33の後、表示調整部310cは、遊技者による表示調整操作の終了に応じて実行中の表示調整を終了したか否かを判定する(G35)。そして、終了したと判定したならば(G35;Yes)、操作無効化部310eが、無効化していた遊技者による操作を有効化する操作有効化処理を実行し、操作無効化フラグを「OFF」に設定する(G37)。そして、表示調整部310cは、表示調整を実行したことを示す表示調整フラグを「ON」に設定し、タイマをスタートさせた後(G39)、G1に処理を戻す。
G25においてフリック操作がなされなかったと判定した場合(G25;No)、G27においてメニュー画面の表示中ではないと判定した場合(G27;No)、G29において領域が第1領域又は第3領域であると判定した場合(G19;第1領域又は第3領域)、表示調整部310cは、G1に処理を戻す。
図18は、表示中断再開処理の流れの一例を示すフローチャートである。
表示中断再開部310dは、イベント発生判定処理でイベント発生と判定されたか否かを判定し(J1)、発生したと判定したならば(J1;Yes)、表示調整フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(J3)。
表示調整フラグが「ON」に設定されていると判定したならば(J3;Yes)、表示中断再開部310dは、表示調整の処理状況である表示調整処理状況を記憶部320に一時保存する(J5)。そして、液晶表示器313に表示中の表示調整画面の表示を中断させる(J7)。
次いで、処理部310は、発生したイベントに対応したイベント処理を実行する(J9)。このイベント処理には、イベントに対応する画面を表示させるステップと、イベントに対応する処理を実行するステップとが含まれる。具体的には、玉貸のイベントが発生した場合には、玉貸中画面を液晶表示器313に表示させ、玉貸処理を実行する。玉払出のイベントが発生した場合には、玉払出中画面を液晶表示器313に表示させ、玉払出処理を実行する。玉変換のイベントが発生した場合には、玉変換画面を液晶表示器313に表示させ、玉変換処理を実行する。また、カード返却のイベントが発生した場合には、カード返却画面を液晶表示器313に表示させ、カード返却処理を実行する。
その後、表示中断再開部310dは、実行中のイベントが終了したか否かを判定し(J11)、終了したと判定したならば(J11;Yes)、液晶表示器313に表示中の実行中のイベントに対応する表示画面の表示を終了させる(J13)。
次いで、表示中断再開部310dは、J5で一時保存した表示調整処理状況を記憶部320から読み出し(J15)、読み出した表示調整処理状況に基づいて、液晶表示器313に表示調整画面の表示を再開させる(J17)。そして、表示中断再開部310dは、J1に処理を戻す。
図15の表示処理に戻り、E5の後、表示処理部310bは、遊技者によりアイコンをタップするタップ操作がなされたか否かを判定する(E7)。そして、タップ操作がなされたと判定したならば(E7;Yes)、表示処理部310bは、操作無効化フラグを判定する(E9)。
操作無効化フラグが「ON」であるならば(E9;Yes)、表示処理部310bは、遊技者によりタップされたアイコンに対応する画面を液晶表示器313に表示させる(E11)。そして、処理部310は、タップされたアイコンに対応する処理を実行する(E13)。
次いで、表示処理部310bは、画面調整フラグが「ON」であるか否かを判定し(E15)、「ON」であると判定したならば(E15;Yes)、カウント中のタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(E17)。
タイマがタイムアウトしたと判定したならば(E17;Yes)、表示処理部310bは、初期メニュー画面(メニュー画面の初期状態)に表示を復帰させる表示復帰処理を実行する(E19)。そして、表示処理部310bは、表示調整フラグを「OFF」に設定し、カウント中のタイマをリセットした後(E21)、E1に処理を戻す。
ここで、上記のタイマのタイムアウトの時間は、適宜設定変更することが可能であるが、遊技者が調整表示を確認する時間を考慮して、それほど長くない時間、例えば「1分〜3分」程度の時間を設定しておくことができる。
E17においてタイマがタイムアウトしなかったと判定したならば(E17;No)、表示処理部310bは、遊技用カードが挿入された、又は、遊技用カードが排出されたか否かを判定する(E23)。そして、この条件が成立したと判定したならば(E23;Yes)、E19へと処理を移し、初期メニュー画面に表示を復帰させる。これは、調整表示中に受付手段による記録媒体の受付及び記録媒体の受付の解除のいずれかがなされた場合に、基本設定の画面に表示を復帰させることに相当する。一方、条件が成立しなかったと判定したならば(E23;No)、表示処理部310bは、E1に処理を戻す。
[1−7.表示画面]
次に、カードユニット3の液晶表示器313に表示される表示画面について説明する。
図19は、メニュー画面の一例を示す図である。
液晶表示器313には、デフォルトとして設定された表示画面であるメニュー画面が表示されている。このメニュー画面は、画面上部に「メニュー画面」と表示され、その下に、第1領域R1、第2領域R2及び第3領域R3の3つの区分けされた領域が設けられている。
第1領域R1には、上部に「基本情報」の文字が表示され、その下に、玉貸情報を示す玉貸情報枠と、スペック情報を示すスペック情報枠とが表示されている。第1領域R1は、前述したように、画面調整操作として、ピンチ操作及びパン操作を受付可能に構成された領域である。
第2領域R2には、上部に詳細情報の文字が表示され、その下に、台データアイコン、スランプグラフアイコン、離席アイコン、玉合算アイコン、玉分割アイコン、サービスアイコン、フロアガイドアイコン及びCMアイコンを含む複数のアイコンが、スクロールによって上下に移動可能なスクロール区画内に表示されている。
スクロール区画には、第2領域R2内に表示することとして定められたアイコンのうち所定数分(例えば4個分)のアイコンが視認可能に表示され、遊技者のフリック操作(スクロール操作)に応じて、現在表示されていない隠されたアイコンがスクロールされて、視認可能な状態となる。第2領域R2は、前述したように、画面調整操作として、パン操作及びフリック操作を受付可能に構成された領域である。
第3領域R3には、玉貸アイコンと、玉払出アイコン、玉変換アイコンと、カード返却アイコンとが表示されている。第3領域R3は、前述したように、画面調整操作を受付不可能に構成された領域である。
図20は、第1領域R1に対するピンチ操作による表示調整の一例を示す図である。
図20(1)は、遊技者が親指と人差し指の2本の指で第1領域R1のスペック情報枠の部分を2本の指でタッチし、タッチした2本の指を広げるピンチアウト操作を行った状態を示している。この場合、図20(2)に示すように、ピンチアウト操作に応じて拡大表示処理が実行され(図16のG9)、スペック情報枠を基準として第1領域R1内の表示内容が拡大表示される。
図21は、第1領域R1に対するパン操作による表示調整の一例を示す図である。
図21(1)は、遊技者が人差し指で第1領域R1のスペック情報枠の左部分をタッチし、タッチした状態を保ちながら人差し指を右方向に移動させるパン操作を行った状態を示している。この場合、図21(2)に示すように、パン操作に応じて変位表示処理が実行され(図16のG21)、第1領域R1の表示項目全体が右方向にシフトするように変位表示される。
図22は、第2領域R2に対するフリック操作による表示調整の一例を示す図である。
図22(1)は、遊技者が人差し指で第1領域R2のスクロール区画内に表示された離席アイコンを人差し指でタッチし、タッチした状態を保ちながら人差し指を上方向にシフトさせるフリック操作を行った状態を示している。この場合、図22(2)に示すように、フリック操作に応じてスクロール表示処理が実行され(図17のG31)初期状態では離席アイコンの下に隠されていた玉合算アイコン、玉分割アイコン、サービスアイコン、フロアガイドアイコンが表示可能な状態となる。
図23〜図25は、画面調整時のイベント発生に基づく表示中断再開の流れの一例を示す図である。
図23には、図20に示したように、第1領域R1に対する遊技者のピンチアウト操作によって拡大表示処理が実行された状態を示している。ピンチアウト操作中は、遊技者によるタップ操作が無効化される(図16のG13)。遊技者によるピンチアウト操作が終了すると、拡大表示処理により、表示画面は第1領域R1内の表示項目が拡大された拡大表示画面となる。この状態で、例えば遊技者が第3領域R3内の玉貸アイコンをタッチする玉貸操作が実行したとする。この場合、拡大表示画面の表示が中断され(図18のJ7)、イベント処理として玉貸処理が実行されて、玉貸中画面が表示される(図18のJ9)。
玉貸中画面には、画面上部に玉貸中画面と表示され、その下に、「玉貸中」のメッセージや、玉貸中であることを示す画像や映像が表示される。玉貸が終了すると(図18のJ11;Yes)、玉貸中画面の表示が終了し(図18のJ13)、拡大表示画面の表示が再開される(図18のJ17)。
図25には、図21に示したように、第1領域R1に対する遊技者のパン操作によって変位表示処理が実行された状態を示している。パン操作中は、遊技者によるタップ操作が無効化される(図16のG13)。遊技者によるパン操作が終了すると、変位表示処理により、表示画面は第1領域R1内の表示項目が変位された変位表示画面となる。この状態で、例えば遊技者が第3領域R3内の玉変換アイコンをタッチする玉変換操作が実行したとする。この場合、変位表示画面の表示が中断され(図18のJ7)、イベント処理として玉変換処理が実行されて、玉変換画面が表示される(図18のJ9)。
玉変換画面には、画面上部に玉変換画面と表示され、その下に、遊技者が4円のレートの貯玉数を1円のレートの貯玉数に変換するための画面が表示されており、遊技者は、この玉変換画面において、貯玉数や持玉数の変換を行う。玉変換が終了すると(図18のJ11;Yes)、玉変換画面の表示が終了し(図18のJ13)、変位表示画面の表示が再開される(図18のJ17)。
図24には、図22に示したように、第2領域R2に対する遊技者のフリック操作によってスクロール表示処理が実行された状態を示している。フリック操作中は、遊技者によるタップ操作が無効化される(図16のG13)。遊技者によるフリック操作が終了すると、スクロール表示処理により、スクロール区画内のアイコンの表示が切り替わったスクロール表示画面となる。この状態で、例えば遊技者が第3領域R3内のカード返却アイコンをタッチするカード返却操作が実行したとする。この場合、スクロール表示画面の表示が中断され(図18のJ7)、イベント処理としてカード返却処理が実行されて、カード返却画面が表示される(図18のJ9)。
カード返却画面には、画面上部にカード返却画面と表示され、その下に、「カードをお取りください。」といったメッセージや、カード返却を示す画像や映像が表示される。カード返却が終了すると(図18のJ11;Yes)、カード返却画面の表示が終了し(図18のJ13)、スクロール表示画面の表示が再開される(図18のJ17)。
なお、上記では、イベントとして玉貸、玉変換及びカード返却が発生した場合を例に挙げて説明したが、イベントとして玉払出が実行される場合も同様である。
[1−8.作用効果]
第1遊技用システム1Aでは、遊技機の一種であるパチンコ機2に対応して、遊技用装置の一種であるカードユニット3が設けられる。カードユニット3は、タッチパネル314が一体的に構成された液晶表示器313を備える。また、カードユニット3は、液晶表示器313の表示制御を行う処理部310を備える。処理部310は、タッチパネルに対する操作に応じて、液晶表示器313の表示調整を実行可能な表示調整部310cを有し、表示調整に基づく調整表示中にイベントが発生した場合に、当該調整表示を中断する。
これによれば、調整表示中であっても、カードユニット3で発生したイベントに関する情報を適切に表示させることができる。
[1−9.変形例]
[1−9−1.調整表示の終了]
上記の実施形態では、表示調整操作に基づく調整表示中に遊技者の操作に基づくイベントが発生した場合に、当該調整表示を中断し、発生したイベントに対応する処理を実行した後に、イベント発生時における調整表示を再開させることとして説明した。しかし、上記のようにするのではなく、表示調整操作に基づく調整表示中に遊技者の操作に基づくイベントが発生した場合に、当該調整表示を終了し、発生したイベントに対応する処理を実行した後に、基本設定の画面に表示を復帰させるようにしてもよい。
図26は、図23と同様に、イベントとして玉貸しが発生した場合の表示画面の遷移の一例を示す図である。
拡大表示処理が実行されて拡大表示が停止し、遊技者によって玉貸操作が実行されると、表示処理部310bは、拡大表示されたメニュー画面の表示を終了し、玉貸中画面を表示する。そして、玉貸が終了すると、表示処理部310bは、玉貸中画面の表示を終了し、基本設定の画面である初期メニュー画面に表示を復帰させる。
図27は、図24と同様に、イベントとして玉変換が発生した場合の表示画面の遷移の一例を示す図である。
変位表示処理が実行されて変位表示が停止し、遊技者によって玉変換操作が実行されると、表示処理部310bは、変位表示されたメニュー画面の表示を終了し、玉変換画面を表示する。そして、玉変換が終了すると、表示処理部310bは、玉変換画面の表示を終了し、基本設定の画面である初期メニュー画面に表示を復帰させる。
図28は、図25と同様に、イベントとしてカード返却が発生した場合の表示画面の遷移の一例を示す図である。
スクロール表示処理が実行されてスクロール表示が停止し、遊技者によってカード返却操作が実行されると、表示処理部310bは、スクロール表示されたメニュー画面の表示を終了し、カード返却画面を表示する。そして、カード返却が終了すると、表示処理部310bは、カード返却画面の表示を終了し、基本設定の画面である初期メニュー画面に表示を復帰させる。
[1−9−2.表示復帰]
上記の実施形態では、ピンチ操作に基づく拡縮表示やパン操作に基づく変位表示、フリック操作に基づくスクロール表示等の調整表示を行ってから規定時間が経過した場合、つまり、表示調整が終了してタイマをスタートさせてから規定時間が経過してタイムアウトした場合に、初期メニュー画面に表示を復帰させることとして説明した。また、調整表示中に遊技用カードを受け付けた場合、又は、遊技用カードを返却した場合に、初期メニュー画面に表示を復帰させることとして説明した。
しかし、上記の場合において、初期メニュー画面に表示を復帰させるのではなく、表示調整を実行する前の状態に表示を復帰させるようにしてもよい。つまり、調整表示を行ってから規定時間が経過した場合や、調整表示中に受付手段による記録媒体の受付及び記録媒体の受付の解除のいずれかがなされた場合に、表示調整を実行する前の状態に表示を復帰させるようにしてもよい。具体的には、ピンチ操作によって拡縮表示を実行した場合には、拡縮した表示の大きさを標準の大きさに戻し、パン操作によって変位表示を実行した場合には、変位表示させた画面を標準の位置に戻し、フリック操作によってスクロール表示を実行した場合には、スクロール表示させたアイコンを標準の並びに戻すようにすればよい。
また、調整表示を行った後、遊技者により調整表示の終了操作(例えば、終了アイコンや戻るアイコンをタップする操作)がなされた場合に、調整表示を終了して、初期メニュー画面(基本設定の画面)に表示を復帰させるようにしてもよい。また、このように調整表示を終了した場合に、基本設定の画面に表示を復帰させるのではなく、表示調整を実行する前の状態に表示を復帰させるようにしてもよい。
[1−9−3.表示中断/表示終了の設定]
上記に関連して、(1)調整表示を中断させ、発生したイベントに対応する処理を実行した後に、調整表示を再開させる制御、(2)調整表示を終了させ、発生したイベントに対応する処理を実行した後に、基本設定の画面に表示を復帰させる制御/表示調整を実行する前の状態に表示を復帰させる制御、のいずれの制御を行うかを、ホールコンピュータ6等の管理装置においてカードユニット3毎に設定することを可能としてもよい。
[2.第2実施形態]
[2−1.システム構成]
図29は、第2実施形態における第2遊技用システム1Bにおける信号及び情報の流れの一例を示す図である。なお、第2遊技用システム1Bが備える構成要素は、第1遊技用システム1Aと同様であるため、再度の説明を省略する。
第2遊技用システム1Bでは、ホールコンピュータ6から設定用データ691の他に、一斉演出信号及び定期告知信号を含む管理装置信号が、カードユニット3に出力される。カードユニット3の処理部310は、ホールコンピュータ6から出力される管理装置信号に従って、一斉演出及び定期告知を実行する。
[2−2.ホールコンピュータの機能構成]
図30は、第2実施形態におけるホールコンピュータ6の機能構成の一例を示す図である。なお、ホールコンピュータ6が備える機能部は、第1実施形態で説明したホールコンピュータ6の機能部と同様であるため、再度の説明を省略する。
第2実施形態において、第2通信部650は、カードユニット3からユニット信号を受信する。また、第2通信部650は、処理部610の制御に従って、設定用データ及び管理装置信号をカードユニット3に出力する。
ハードディスク680には、第2表示内容設定用テーブル681−2と、第2表示態様設定用テーブル682−2と、演出告知設定用テーブル683と、ユニット設定テーブル686と、遊技集計データベース688と、売上集計データベース689とが記憶される。
第2表示内容設定用テーブル681−2は、第2遊技用システム1Bにおいてカードユニット3の表示内容の設定に係るテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図31に示す。
第2表示内容設定用テーブル681−2には、パチンコ機IDと、機種名と、表示タイミングと、表示画面とが対応付けて定められている。
パチンコ機IDは、各パチンコ機2をユニークに識別するための番号(ID)であり、各パチンコ機2に個別に割り当てられている。
機種名は、該パチンコ機IDのパチンコ機2の機種名である。
表示タイミングは、対応する表示画面を表示するタイミングであり、通常のタイミングである「通常」と、一斉演出のタイミングである「一斉演出」と、定期告知のタイミングである「定期告知」とが定められている。
表示画面は、該パチンコ機IDのパチンコ機2に対応して設けられるカードユニット3に表示させる表示画面である。
例を挙げて説明する。
パチンコ機IDがP1〜P20のパチンコ機2は、その機種名が「パチンコXXX」である。そして、カードユニット3に通常時に表示させる表示画面として、(1)メニュー画面、(2)台データ画面、(3)スランプグラフ画面、(4)離席画面、(5)玉合算画面、(6)玉分割画面、(7)サービス画面、(8)フロアガイド画面、(9)CM画面、(10)玉貸中画面、(11)玉払出中画面、(12)玉変換画面、(13)カード返却画面、(14)計数中画面、(15)カード取り忘れ報知画面、(16)のめり込み防止報知画面、(17)大当り演出画面、(18)エラー画面、が定められている。
(1)メニュー画面〜(14)計数中画面は、第1実施形態と同様である。
カード取り忘れ報知画面は、遊技用カードの取り忘れを遊技者に注意喚起するための画面である。
のめり込み防止報知画面とは、遊技者に過度な遊技を注意喚起するための画面である。
大当り演出画面とは、対応パチンコ機2で大当りが発生した場合に、それを祝福する演出の画面である。
エラー画面は、対応パチンコ機2又は自装置に不正又は異常が発生した場合に、その旨を店舗の管理者や従業員に報知するための画面である。
また、一斉演出時に表示させる表示画面として、(1)大当り一斉演出画面、(2)特別キャラクタ演出画面、が定められている。
また、定期告知時に表示させる表示画面として、(1)新台入替情報画面、(2)店舗情報画面、が定められている。
第2表示態様設定用テーブル682−2には、上記の第2表示内容設定用テーブル681−2に定められた各表示画面に表示させる表示項目をどのような位置や色、大きさで表示させるかの表示態様が定められている。
演出告知設定用テーブル683には、一斉演出信号及び定期告知信号をカードユニット3に送信することで当該カードユニット3に実行させる一斉演出や定期告知の内容が定められている。
図32は、設定用データ691に記憶されるイベント発生判定用データ6915のうち、第2実施形態に適用される第2イベント発生判定用データ6915−2のデータ構成の一例を示す図である。
第2イベント発生判定用データ6915−2には、イベントの番号(No)と、当該イベントの名称と、当該イベントの発生の判定条件とが対応付けて定められている。
判定条件の起因には、遊技者操作と、外部信号とが定められている。遊技者操作に関するNo1〜No4のイベントに関する判定条件は、第1実施形態で説明した第1イベント発生判定用データ6915−1と同様である。
No5のイベントは、名称が「カード取り忘れ報知」であり、起因として「外部信号」、契機として「(1)対応パチンコ機の打込信号ON→OFF&規定時間経過」、「(2)対応パチンコ機の確変中信号ON→OFF&所持球数が規定球数に達している」、が定められている。
(1)対応パチンコ機の打込信号ON→OFF&規定時間経過となる場合とは、遊技者による遊技球の打ち込みが停止してから一定時間が経過した場合である。この場合、遊技者は、トイレ休憩等により遊技を一時的に休止している可能性がある。そこで、遊技者が遊技用カードを取り忘れて離席したことによって遊技用カードが盗難されることを防止するため、カード取り忘れ報知を実行する。規定時間には、例えば1分といった時間を設定しておくことができる。
(2)対応パチンコ機の確変中信号ON→OFF&所持球数が規定球数に達している場合とは、確変状態が終了した状態で所持球数が一定以上の球数となっている場合である。確変状態によって遊技者が多くの出玉を獲得し、確変状態が終了した場合に、遊技用カードが盗難されて遊技者が損失を被ることを防止するため、カード取り忘れ報知を実行する。規定球数には、例えば10000発といった球数を設定しておくことができる。
No6のイベントは、名称が「のめり込み防止報知」であり、起因として「外部信号」、契機として「(1)対応パチンコ機の大当り信号ON→OFF」、「(2)対応パチンコ機の大当り信号OFF&変動回数が規定回数に達した」、「(3)対応パチンコ機の確変中信号ON→OFF」、が定められている。
(1)大当り信号がON→OFFとなる場合とは、大当り遊技状態が終了するタイミングであり、賞球によって遊技者が出玉を獲得したタイミングである。遊技者が出玉を獲得すると、より多くの出玉を獲得しようとして自制心を失うおそれがあるため、のめり込み防止報知を実行する。
(2)大当り信号OFF&変動回数が規定回数に達した場合とは、いわゆるハマリが生じたタイミングである。規定回数は、例えば1000回といった回数を定めておくことができる。ハマリが生ずると遊技者はむきになって遊技を継続して過度の投資を行うおそれがあるため、のめり込み防止報知を実行する。
(3)確変中信号ON→OFFとなる場合とは、確変状態が終了したタイミングである。確変状態が終了すると通常状態に戻り、そのまま遊技を継続すると、せっかく獲得した出玉を消費して遊技者が損をしてしまうおそれがあるため、のめり込み防止報知を実行する。
No7のイベントは、名称が「大当り演出」であり、発生種別として「外部信号」、判定条件として「対応パチンコ機の大当り信号OFF→ON」が定められている。これは、対応パチンコ機2から大当り信号を受信した場合に、大当り演出を実行することを意味する。
No8のイベントは、名称が「一斉演出」であり、発生種別として「外部信号」、判定条件として「ホールコンピュータの一斉演出信号OFF→ON」が定められている。これは、ホールコンピュータ6から一斉演出信号を受信した場合に、一斉演出を実行することを意味する。
No9のイベントは、名称が「定期告知」であり、発生種別として「外部信号」、判定条件として「ホールコンピュータの定期告知信号OFF→ON」が定められている。これは、ホールコンピュータ6から定期告知信号を受信した場合に、定期告知を実行することを意味する。
[2−3.処理の流れ]
第2遊技用システム1Bにおける各装置の処理は、第1実施形態の第1遊技用システム1Aにおける各装置の処理を同様に適用することが可能である。ただし、第2実施形態では、カードユニット3のイベント発生判定部310aが、第2イベント発生判定用データ6915−2を参照して、遊技者操作の他に、対応パチンコ機2から出力されるパチンコ機信号及びホールコンピュータ6から出力される管理装置信号に従って、外部信号に基づくイベントの発生を判定するように構成されている。
具体的には、第2遊技用システム1Bでは、第1実施形態で説明した拡大表示や変位表示、スクロール表示といった表示調整に基づく調整表示中に、カードユニット3に対して遊技者による特定の操作がなされた場合の他、外部装置であるパチンコ機2やホールコンピュータ6から特定信号を受信した場合に、当該調整表示を中断又は終了する。
[2−4.表示画面]
図33〜図35は、画面調整時のイベント発生に基づく表示中断再開の流れの一例を示す図である。
図33には、第1領域R1に対する遊技者のピンチアウト操作によって拡大表示処理が実行された状態を示している。ピンチアウト操作中は、遊技者によるタップ操作が無効化される(図16のG13)。遊技者によるピンチアウト操作が終了すると、拡大表示処理により、表示画面は第1領域R1内の表示項目が拡大された拡大表示画面となる。この状態で、例えば、対応パチンコ機2から出力される打込信号がON→OFFとなり、規定時間が経過したとすると、カード取り忘れ報知のイベントが発生したと判定される。この場合、拡大表示画面の表示が中断され(図18のJ7)、イベント処理としてカード取り忘れ報知処理が実行されて、カード取り忘れ報知画面が表示される(図18のJ9)。
カード取り忘れ報知画面には、画面上部にカード取り忘れ報知画面と表示され、その下に、「カードの取り忘れに注意してください。」のメッセージが表示される。カード取り忘れ報知が終了すると(図18のJ11;Yes)、カード取り忘れ報知画面の表示が終了し(図18のJ13)、拡大表示画面の表示が再開される(図18のJ17)。
図34には、第1領域R1に対する遊技者のパン操作によって変位表示処理が実行された状態を示している。パン操作中は、遊技者によるタップ操作が無効化される(図16のG13)。遊技者によるパン操作が終了すると、変位表示処理により、表示画面は第1領域R1内の表示項目が変位した変位表示画面となる。この状態で、例えば、対応パチンコ機2から出力される確変中信号がON→OFFとなったとすると、のめり込み防止報知のイベントが発生したと判定される。この場合、変位表示画面の表示が中断され(図18のJ7)、イベント処理としてのめり込み防止報知処理が実行されて、のめり込み防止報知画面が表示される(図18のJ9)。
のめり込み防止報知画面には、画面上部にのめり込み防止報知画面と表示され、その下に、「のめり込みに注意してください。」といったメッセージや、のめり込みを遊技者に注意喚起する画像や映像が表示される。のめり込み防止報知が終了すると(図18のJ11;Yes)、のめり込み防止報知画面の表示が終了し(図18のJ13)、変位表示画面の表示が再開される(図18のJ17)。
図35には、第2領域R2に対する遊技者のフリック操作によってスクロール表示処理が実行された状態を示している。フリック操作中は、遊技者によるタップ操作が無効化される(図16のG13)。遊技者によるフリック操作が終了すると、スクロール表示処理により、表示画面は第2領域R2内のアイコンがスクロール表示されたスクロール表示画面となる。この状態で、例えば、対応パチンコ機2から出力される大当り信号がOFF→ONになったとすると、大当り演出のイベントが発生したと判定される。この場合、スクロール表示画面の表示が中断され(図18のJ7)、イベント処理として大当り演出処理が実行されて、大当り演出画面が表示される(図18のJ9)。
大当り演出画面には、画面上部に大当り演出画面と表示され、その下に、「大当り♪♪」のメッセージや、大当りの発生を祝福する画像や映像が表示される。大当り演出が終了すると(図18のJ11;Yes)、大当り演出画面の表示が終了し(図18のJ13)、スクロール表示画面の表示が再開される(図18のJ17)。
[2−5.作用効果]
第2遊技用システム1Bでは、遊技機の一種であるパチンコ機2に対応して、遊技用装置の一種であるカードユニット3が設けられる。カードユニット3は、パチンコ機2を含む外部装置から信号を受信する制御ユニット300と、タッチパネル314が一体的に構成された液晶表示器313と、液晶表示器313の表示制御を行う処理部310とを備える。処理部310は、タッチパネル314に対する操作に応じて、液晶表示器313の表示調整を実行可能な表示調整部310cを有し、表示調整に基づく調整表示中に外部装置から特定信号を受信した場合に、当該調整表示を中断する。
これによれば、調整表示中であっても、外部装置から受信した特定信号に基づく情報を適切に表示させることができる。
[3.第3実施形態]
[3−1.システム構成]
図36は、第3実施形態における第3遊技用システム1Cのシステム構成の一例を示す図である。
第3遊技用システム1Cは、不図示の遊技島に設置される遊技機の一種である複数のパチンコ機2と、各パチンコ機2に対応して設けられる遊技用装置及び情報表示装置の一種であるデータ表示装置4と、各パチンコ機2に対応して設けられる遊技用装置、記録媒体処理装置、計数装置及び貸出装置の一種である台間計数ユニット5と、管理装置及び配信装置の一種であるホールコンピュータ6と、管理装置及び配信装置の一種である玉管理コンピュータ8とを備えて構成される。
遊技島に設置される各パチンコ機2の上方所定位置には、カラーの液晶画面によってパチンコ機2での遊技に係る遊技情報や店舗の営業に係る店舗情報等の各種の情報を表示するデータ表示装置4が設置されている。データ表示装置4は、後述するように第1表示部430と第2表示部440との2つの表示部を有し、第1表示部430と第2表示部440とでそれぞれ異なるデータを表示する。データ表示装置4は、遊技者や遊技客に対して情報を公開する端末であるため、情報公開端末と言い換えることもできる。
また、本実施形態において、データ表示装置4の第1表示部430はタッチパネル421が一体的に構成されており、第1表示部430に表示された呼出アイコンやメニューアイコン、バージョン情報アイコンを遊技者がタップすることにより、店員の呼出やメニュー選択(ワゴンサービスやおしぼり、食事休憩等)、パチンコ機2のバージョン情報の表示指示を行うことができるように構成されている。従って、データ表示装置4は、呼出ランプ装置と言い換えることもできる。
台間計数ユニット5は、各パチンコ機の左方(或いは右方)に併設して設けられ、パチンコ機2の下皿に払い出された遊技球の数を計数する。台間計数ユニット5の最下方位置には、詳細後述する計数払出ユニット380が設けられている。計数払出ユニット380は、遊技球を計数して取り込み、該計数した遊技球を貯留するとともに、遊技者による遊技球の払い戻し操作に応じて、貯留した遊技球を所定数ずつ遊技者に払い戻す機能を有する。
[3−2.信号及び情報の流れ]
図37は、第3遊技用システム1Cにおける信号及び情報の流れの一例を示す図である。なお、この図では、説明の簡明化のために、台端末10については図示を省略している。
パチンコ機2からは、大当り信号、確変中信号、時短中信号、打込信号、賞球信号、始動信号、パチンコ機不正信号及びパチンコ機異常信号を含むパチンコ機信号が、データ表示装置4、台間計数ユニット5及びホールコンピュータ6に出力される。
データ表示装置4に接続される台間計数ユニット5からは、カード挿入/排出信号、入金信号、消費信号、所持球数信号、玉貸信号、玉払出信号、玉変換信号、カード返却信号、ユニット不正信号及びユニット異常信号を含むユニット信号が、データ表示装置4及びホールコンピュータ6に出力される。
玉貸信号は、玉貸を実行した場合に出力状態(ON状態)とされる信号であり、玉貸を実行した旨及び貸し出した遊技球の玉数を含む信号が出力される。
玉払出信号は、玉払出を実行した場合に出力状態(ON状態)とされる信号であり、遊技球を払い出した旨及び払い出した遊技球の玉数を含む信号が出力される。
玉変換信号は、玉変換を実行した場合に出力状態(ON状態)とされる信号であり、玉変換を実行した旨及び玉変換の結果を含む信号が出力される。
カード返却信号は、受付中の遊技用カードを返却した場合に出力状態(ON状態)とされる信号である。
他の信号については、前述した実施形態と同様である。
また、台間計数ユニット5からは、受け付けた遊技用カードに記録されたカード情報が玉管理コンピュータ8に出力される。カード情報には、カードIDや会員ID、持玉数等の情報が含まれる。
ホールコンピュータ6からは、データ表示装置4の表示部(第1表示部430及び第2表示部440)の表示に関する設定用データ693がデータ表示装置4に出力される。また、ホールコンピュータ6からは、データ表示装置4に一斉演出を実行させるための一斉演出信号及び定期告知を行わせるための定期告知信号を含む管理装置信号がデータ表示装置4に出力される。
[3−3.台間計数ユニットの構成]
図38は、台間計数ユニット5の機能構成の一例を示すブロック図である。
台間計数ユニット5は、発券ボタン551及び払戻ボタン552を含む操作ボタン550と、遊技者が持玉カードを挿入/取り出すためのカード挿入口560とが設けられている。
遊技者が発券ボタン551を押下すると、その時点における遊技者の所持球数(持玉数)を記録した遊技用カードがカード挿入口560から発券される。また、遊技者が払戻ボタン552を押下すると、所持球数のうちの所定の単位球数がパチンコ機2に払い戻され、払い戻された遊技球を用いて遊技者は遊技を行うことが可能となる。本実施形態では、1回の払い戻し操作で遊技者に払い戻される単位球数を「125発」として説明する。
カード挿入口560は、該カード挿入口560に対応する位置に内蔵される持玉カードリーダライタ(R/W)570に連接しており、持玉カードR/W570により、カード挿入口560から挿入される持玉カードに記録されているカードIDや所持球数(持玉数)の記録情報の読み出し及び書き込みが行われる。
また、台間計数ユニット5の略中央部位置には、該台間計数ユニット5を構成する各部と接続しやすいように該台間計数ユニット5の動作を制御する制御ユニット500が設けられており、該制御ユニット500によって該台間計数ユニット5の各種の動作が制御される。
台間計数ユニット5は、制御ユニット500と、操作ボタン550と、音出力部560と、持玉カード挿入/排出部565と、持玉カードR/W570と、計数払出ユニット380と、第1通信部570と、第2通信部580とを備えて構成される。
制御ユニット500は、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される制御装置及び演算装置の一種である処理部510と、不揮発性の記憶装置の一種であるROM520と、受付中の持玉カードに記録された持玉数等のカード情報533を記憶可能な揮発性の記憶装置の一種であるRAM530と、時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なRTC等を有して構成される時計部540とを備えて構成される。RAM530は不図示の電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。
ROM520には、処理部510により読み出され、台間計数ユニット処理として実行される台間計数ユニット処理プログラム521が記憶されている。台間計数ユニット処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
RAM530には、遊技者の所持している遊技球の数である所持球数を示す所持球数データ531と、受け付けた遊技用カードに記録されたID(カードIDや会員ID)や遊技者の所持球数(持玉数)、残額等の情報を含むカード情報533が記憶される。
音出力部560は、制御ユニット500の制御に基づいて、自装置に関する情報を音出力する音出力装置であり、スピーカ等を有して構成される。
第1通信部570は、データ表示装置4との間でデータの授受や信号の送受を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第1通信部570は、処理部510の制御に従って、遊技者の所持球を示す所持球数信号をデータ表示装置4に送信する。また、第1通信部570は、遊技者による持玉カードの挿入/排出の操作が行われることにより、処理部510の制御に従って、カード挿入/排出信号をデータ表示装置4に送信する。
第2通信部580は、玉管理コンピュータ8との間でデータの授受や信号の送受を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第2通信部580は、処理部510の制御に従って、遊技者の持玉数を含む持玉カード情報を玉管理コンピュータ8に送信する。
[3−4.ホールコンピュータの機能構成]
図39は、第3遊技用システム1Cにおけるホールコンピュータ6の機能構成の一例を示す図である。なお、上記の実施形態で説明した遊技用システムと同様の構成要素については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
ホールコンピュータ6のハードディスク680には、第3表示内容設定用テーブル681−3と、第3表示態様設定用テーブル682−3と、一斉演出設定用テーブル685と、定期告知設定用テーブル686とlデータ表示装置設定テーブル687と、遊技集計データベース688と、売上集計データベース689とが記憶される。
図40は、第3表示内容設定用テーブル681−3のテーブル構成の一例を示す図である。
第3表示内容設定用テーブル681−3には、パチンコ機IDと、機種名と、表示タイミングと、表示内容とが対応付けて定められている。
具体的に説明する。
パチンコ機IDがP1〜P20のパチンコ機2について、通常時における第1表示部430の表示内容として、(1)遊技履歴画面、(2)メニュー画面、(3)大当り演出画面、(4)定期告知画面、(5)カード取り忘れ報知画面、(6)のめり込み防止報知画面、(7)玉貸中画面、(8)玉払出中画面、(9)玉変換画面、(10)エラー画面、が定められている。
遊技履歴画面は、データ表示装置4に対応して設けられたパチンコ機2(以下、「対応パチンコ機」という。)で遊技した遊技者の遊技履歴を表示する画面であり、その表示内容として、スタート回数、大当り回数、確変大当り回数、通常大当り回数、前日大当り回数、前々日大当り回数、が定められている。
また、一斉演出時には、第1表示部430に一斉演出画面を表示させることが定められており、一斉演出の種別として、(1)大当りランニング演出、(2)パチンコ機特別映像、(3)特別キャラクタ映像、が定められている。
(1)大当りランニング演出は、同機種のパチンコ機2の中に大当りしたパチンコ機2が存在する場合に、同機種の全てのパチンコ機2に対応して設けられたデータ表示装置4の第1表示部430に大当りを祝う特別映像を表示させる演出である。ランニング演出は、遊技島の端から端までデータ表示装置4に一定の時間差で大当り映像を表示させることにより実現する。この場合、大当り映像に係る音声や音楽を特定音として音出力部450から出力する。
なお、大当りランニング演出とは異なり、個別のデータ表示装置4において、該データ表示装置4に対応して設けられるパチンコ機2において大当りが発生した場合に、大当りを祝福するファンファーレ音を、該データ表示装置4の音出力部450から特定音として出力させてもよい。
また、大当りの発生に伴い、遊技者の所持球数が1000発、2000発、3000発、・・・、と増加していく場合に、1000発突破、2000発突破、3000発突破、といった、所持球数の突破表示を第1表示部430に表示させたり、所持球数の突破報知音を音出力部450から特定音として出力するようにしてもよい。なお、突破報知を行う所持球数は、1000発単位や5000発単位、10000発単位としてもよい。
(2)パチンコ機特別映像は、該機種のパチンコ機2のプロモーション映像であり、同機種の全てのパチンコ機2に対応して設けられたデータ表示装置4の第1表示部430に一斉演出表示させる。
(3)特別キャラクタ映像は、該機種のパチンコ機2の隠れキャラクタやマスコットキャラクタの映像であり、同機種の全てのパチンコ機2に対応して設けられたデータ表示装置4の第1表示部430に一斉演出表示させる。
また、通常時の第2表示部440の表示内容としては、(1)空き台情報、(2)大当り情報、(3)潜伏確変情報、(4)時短情報、が定められている。
(1)空き台情報は、該パチンコ機2が現在空き台であることを示す情報である。
パチンコ機2が空き台であるか否かは、後述するデータ表示装置4の処理部410が実行する稼働判定処理によって判定することができる。
稼働判定処理では、例えば、パチンコ機2から一定時間以上遊技信号の受信がない場合(例えば、アウト信号やセーフ信号の受信がない場合)に、該パチンコ機2は稼働状態ではない(非稼働状態)と判定し、空き台であると判定することができる。
また、本実施形態において、パチンコ機2には台間計数ユニット5が併設されるため、この台間計数ユニット5からのカード挿入/排出信号や、遊技用カードに記録されている持玉数等の情報に基づいて稼働判定処理を行って、該パチンコ機2が空き台であるか否かを判定することも可能である。また、パチンコ機2からの信号と台間計数ユニット5からの信号とを併用し、これらの信号に基づいて稼働判定処理を行って、該パチンコ機2が空き台であるか否かを判定するようにしてもよい。この場合は、稼働判定及び空き台判定をより確実に行うことができる。
なお、本実施形態とは異なり、パチンコ機2に対応して、カードユニット3を併設する実施形態も考えられる。この場合は、カードユニット3から出力されるカード挿入/排出信号や、遊技用カードに記録されている残額、持玉数等の情報に基づいて、該パチンコ機2が稼働状態であるか否か(空き台であるか否か)を判定することも可能である。また、パチンコ機2からの信号とカードユニット3からの信号とを併用して、該パチンコ機2が稼働状態であるか否か(空き台であるか否か)を判定するようにしてもよい。この場合も、稼働判定及び空き台判定をより確実に行うことができる。
また、パチンコ機2から一定時間以上遊技信号を受信しない場合であっても、遊技者が席を確保した上で、トイレ休憩等の理由で離席している可能性がある。そこで、遊技者が着座していないパチンコ機2については店員が見回りをし、その台が稼働状態であるか否か(空き台であるか否か)を確認するようにしてもよい。空き台であると判断した場合には、店員が手元の設定用リモコンを用いてデータ表示装置4に空き台であることを表示させるように設定を行うなどすればよい。
(2)大当り情報は、該パチンコ機2が大当り中であることを示す情報である。パチンコ機2から大当り信号を受信している間は、該パチンコ機2が大当り中であると判断することができる。
(3)潜伏確変情報は、該パチンコ機2が現在潜伏確変状態であることを示す情報である。潜伏確変中は、確変状態が潜伏しており、抽選が確変確率で行われるため、遊技者はそのまま遊技を継続することで、大当りする可能性が高い。
(4)時短情報は、該パチンコ機2が現在時短状態であることを示す情報である。時短中は、遊技者は予め定められた回転数(例えば30回転)だけ電サポ(電動チューリップによるサポート)状態で回転させることができるが、抽選は通常確率で行われるため、大当りする可能性は通常時と変わらない。
また、一斉演出時の第2表示部440の表示内容としては、(1)店舗宣伝情報、(2)新台入替情報、(3)店舗イベント情報、が定められている。
(1)店舗宣伝情報は、該店舗の営業時間や設置しているパチンコ機2の機種名、サービス内容等を示す情報である。
(2)新台入替情報は、新台として導入したパチンコ機2を示す情報や、次回の新台入替の日時を告知するための情報である。
(3)店舗イベント情報は、該店舗で実施されるイベントに関する情報である。例えば、レディースデーやシルバーデーといった情報がこれに含まれる。
本実施形態では、パチンコ機2の機種に応じて、パチンコ機2に対応して設けられるデータ表示装置4の第1表示部430や第2表示部440に表示させる表示内容をホールコンピュータ6側で自由に設定できる点が特徴である。
第3表示内容設定用テーブル681−3では、第2表示部440の表示内容として、パチンコ機2から出力される情報に基づく遊技情報が定められている。具体的には、通常時における第2表示部440の表示内容として定められた(1)空き台情報、(2)大当り情報、(3)潜伏確変情報、(4)時短情報は、パチンコ機2から出力されるパチンコ機信号に基づいて特定可能な情報である。従って、ホールコンピュータ6の表示内容設定部は、パチンコ機2から出力される情報に基づく遊技情報を第2表示部440の表示内容として設定することができる。
これにより、遊技者以外の遊技客に対して遊技情報を視認可能とすることができる。例えば、遊技情報が潜伏確変状態の識別である場合は、遊技者に潜伏確変中であることを知られることなく、遊技者以外の遊技客に対して潜伏確変中であることを報知することが可能となる。
また、第3表示内容設定用テーブル681−3では、第2表示部440に表示させる情報として、第1表示部430に表示させる情報よりも少ない情報が定められている。これにより、ホールコンピュータ6の表示内容設定部は、第1表示部430に表示させる情報よりも少ない情報を第2表示部440に表示させるように表示内容を設定することになる。これによれば、遊技者以外の遊技客に対して適切な情報量で情報を視認させることができる。第2表示部440に表示させるのは、遊技者以外の遊技客向けの情報であるため、遊技者が遊技中に確認する第1表示部430に表示させる情報と比べて、少ない情報でよい。遊技客が遊技島全体を見て回る場合には、それほど細かい内容を通常見ないので、それで十分なケースが多いと考えられる。
上記の第3表示内容設定用テーブル681−3には、データ表示装置4の表示部(第1表示部430、第2表示部440)に表示させる表示内容が定められており、処理部610は、この第3表示内容設定用テーブル681−3を用いて設定用データ691を生成することで、データ表示装置4の表示部の表示内容を設定する。従って、ホールコンピュータ6は、データ表示装置4の表示内容を設定する表示内容設定手段を有する。
第3表示態様設定用テーブル682−3には、データ表示装置4の第1表示部430及び第2表示部440に表示させる情報をどのような位置や色、大きさで表示させるかの表示態様が定められている。
一斉演出設定用テーブル685は、一斉演出時におけるデータ表示装置4の表示設定に係るテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図41に示す。
一斉演出設定用テーブル685には、機種名と、一斉演出種別と、一斉演出表示条件と、一斉演出映像データとが対応付けて定められている。
一斉演出種別は、第3表示内容設定用テーブル681−3の表示種別「一斉演出」に定められている各種の表示内容である。
一斉演出表示条件は、一斉演出を第1表示部430に表示させるための条件である。
一斉演出映像データ493は、一斉演出表示条件が成立した場合に、第1表示部430に表示させる映像のデータである。
例えば、機種名「パチンコXXX」に対しては、一斉演出種別として「大当りランニング演出」と、「パチンコ機特別映像」と、「特別キャラクタ映像」とが定められている。「大当りランニング演出」の一斉演出表示条件は、「同機種のパチンコ機の中に大当りしたパチンコ機があること」であり、この場合に第1表示部430に表示させる一斉演出映像は「Movie_XXX1」である。
「パチンコ機特別映像」の一斉演出表示条件は、「第1の規定時間が経過する毎」であり、この場合に第1表示部430に表示させる一斉演出映像は「Movie_XXX2」である。第1の規定時間は適宜設定可能であり、例えば3時間とすることができる。
「特別キャラクタ映像」の一斉演出表示条件は、「第2の規定時間が経過する毎」であり、この場合に第1表示部430に表示させる一斉演出映像は「Movie_XXX3」である。第2の規定時間は適宜設定可能であり、例えば2時間とすることができる。
データ表示装置設定テーブル687には、各パチンコ機2に対してどのデータ表示装置IDのデータ表示装置4が対応して設けられているかのパチンコ機2とデータ表示装置4との対応関係が定められている。
RAM690には、処理部610によって生成されるデータ表示装置4の設定用のデータである設定用データ693が記憶される。
図42は、設定用データ693のデータ構成の一例を示す図である。
設定用データ693には、データ表示装置ID6931と、対応パチンコ機ID6932と、表示内容設定データ6933と、表示態様設定データ6934と、イベント発生判定用データ6915とが含まれる。
ここで、イベント発生判定用データ6915は、例えば、第1実施形態で説明した第1イベント発生判定用データ6915−1や、第2実施形態で説明した第2イベント発生判定用データ6915−2と同様にデータを規定しておくことが可能である。具体例については後述する。
[3−5.データ表示装置の構成]
図43及び図44は、データ表示装置4の外観構成の一例を示す図である。
データ表示装置4は、該パチンコ機2で遊技する遊技者向けに少なくとも該パチンコ機2から出力される情報に基づく遊技情報を表示する第1表示部430と、該パチンコ機2で遊技する遊技者以外の遊技客、つまり周囲の遊技客向けの情報を表示する第2表示部440との2つのディスプレイを有して構成される。
また、データ表示装置4は、音出力部450としてのスピーカが、筐体上面の中央部に、その音出力口が前面を向くように設置されている。なお、スピーカの設置位置は適宜設計変更可能であり、例えば、筐体上面の左右いずれかの位置や、データ表示装置4の筐体の側部の所定位置に設置することとしてもよい。
以下の説明では、パチンコ機2で遊技する遊技者を基準として、遊技者に対する手前方向及び奥方向を前後方向、遊技者を基準とする右方向及び左方向を左右方向、遊技者を基準とする上方向及び下方向を上下方向とそれぞれ定義する。
図43(1)及び図43(2)は、データ表示装置4の斜視図である。データ表示装置4の筐体は、正面視で左右方向に横長の矩形形状を有する基体部4Aと、基体部4Aの右端部及び左端部から、それぞれ手前方向に突出するように構成された扉部4Bとを有して構成される。左右の扉部4Bは、その幅が基体部4Aの幅の半分となるようにそれぞれ設計されている。
図43(3)は、データ表示装置4の正面図である。基体部4Aの前面には、正面視で左右方向に横長の矩形形状を有する第1表示部430が形成されている。第1表示部430は、遊技者に対向する向きに形成されており、パチンコ機2で遊技する遊技者は、遊技位置から第1表示部430を視認することができる。つまり、第1表示部430は、遊技者が遊技する遊技位置から該遊技者が視認可能な方向に向けて形成されている。
図43(4)は、データ表示装置4の右側面図である。扉部4Bの左右の面のうちの片面には、パチンコ機2で遊技する遊技者以外の遊技客向けの情報を表示する第2表示部440が形成されている。第2表示部440は、遊技者から見て右側の扉部4Bについては右面に、遊技者から見て左側の扉部4Bについては左面に形成されている。つまり、第2表示部440は、それぞれの扉部4Bのうちの外側の面に形成されており、遊技者は第2表示部440を遊技位置から視認することはできない。一方で、パチンコ機2を正面視しない遊技者以外の遊技客、例えば、遊技島の端からその遊技島のパチンコ機2を見渡して遊技を開始するパチンコ機2を選んでいるような遊技客は、第2表示部440を視認することができる。
図43(2)に示すように、左右の扉部4Bは、内側に向けて折り畳み収納可能に構成されている。具体的には、左右の扉部4Bは、それぞれヒンジ部4Cによって内側に向けて折り畳むことが可能である。左右の扉部4Bの幅はいずれもヒンジ部4Cを除いた基体部4Aの幅の半分となるように設計されているため、左右の扉部4Bを閉じると基体部4Aとちょうど重なり合った状態となり、このとき左右の扉部4Bは基体部4Aと平行になり、第1表示部430は左右の扉部4Bで覆われる。このように、左右の扉部4Bを内側に折り畳むことが可能となっているため、データ表示装置4を遊技島に設置する際や遊技島から取り外す際は、左右の扉部4Bを折り畳んだ状態で設置作業や取り外し作業を容易に行うことができる。
また、第2表示部440は、扉部4Bを開いた状態では遊技者が視認できない外側の面に形成されているが、扉部4Bを閉じた状態では、遊技者が第2表示部440を正面から視認可能な状態となる。このように、データ表示装置4は、第1表示部430を遊技者が視認可能であるが第2表示部440を遊技者が視認不能(一方で遊技者以外の遊技客は視認可能)な第1状態(第2表示部440が第1表示部430と垂直になった状態)とすることが可能であるとともに、第1表示部430を遊技者が視認不能であるが第2表示部440を遊技者が視認可能な第2状態(第2表示部440が第1表示部430と平行になった状態)にすることも可能である。
図44は、第2表示部440の詳細構成を示す図である。本実施形態において、第2表示部440は、該第2表示部440の全体を覆う透明なプラスチック蓋447を着脱可能に構成されている。第2表示部440の表示面は、扉部4Bを開いた状態でその筐体面よりも突出する(右側の扉部4Bであれば右側に突出し、左側の扉部4Bであれば左側に突出する)ように設けられており、第2表示部440の筐体面と第2表示部440の表示面との間の段差を形成する外向き嵌合段部441が設けられている。
図44に示すプラスチック蓋447は、底板442の外周端縁に周壁443を突設した蓋部材であり、透光性を有するプラスチック材料によって底板442と周壁443とが一体に成形されたトレイ形状を有している。この底板442の周壁443が突設された側の表面と周壁443の端面(トレイ形状の縁面)との間の段差を形成する内向き嵌合段部444が設けられており、内向き嵌合段部444が外向き嵌合段部441と嵌合されることによって、内向き嵌合段部444の内面が外向き嵌合段部441の外面に係合した状態となり、プラスチック蓋447と第2表示部440とが一体化される構成となっている。
また、プラスチック蓋447の底板442と周壁443によって形成される凹部には、各種の情報を遊技客に報知するためのPOP広告445を入れ込むことが可能に構成されている。POP広告445には、例えば、パチンコ機2が設置された店舗の営業に関する情報や、店舗で行われるイベントに関する情報を掲載することができる。
図44では、POP広告445の一例として、当日がイベントデーの1つであるレディースデーであることを示すPOP広告445を示している。プラスチック蓋447の凹部にこのPOP広告445を入れ込んだ状態で、その内向き嵌合段部444を扉部4Bの外向き嵌合段部441と嵌合させると、POP広告445は底板442と第2表示部440の表示面との間に挟まれることにより支持され、第2表示部440の表示画面を覆い隠すようになる。
また、プラスチック蓋447は透光性を有するため、入れ込まれたPOP広告445は、底板442を介して外部から遊技客が視認可能である。対応するデータ表示装置4にレディースデーのPOP広告445が掲げられたパチンコ機2は女性専用台となり、女性のみが遊技をすることができる。
なお、POP広告は上記のイベントデーを告知するものに限らず、例えば、データ表示装置4が対応して設置されたパチンコ機2が新台であることを示す新台情報や、該パチンコ機2が4円パチンコや2円パチンコ、1円パチンコであることを示す情報、該パチンコ機2の機種名を示す情報といった各種の情報を掲載することが可能である。
このように第2表示部440にプラスチック蓋447を取り付け可能とすることで、遊技者以外の遊技客向けの情報を遊技者が視認してしまうことを防止することができる。また、POP広告を介在させてプラスチック蓋447を取り付けることで、周囲の遊技客は、店舗やパチンコ機2に関する情報を確認することができる。また、このようにPOP広告等によって第2表示部440を覆うことにより、第2表示部440に潜伏確変状態であることが表示されるような場合など、その表示を遊技者にも遊技者以外の遊技客にも見せたくないような場合に、第2表示部440の表示自体を視認できないようにすることができる。
ここで、仮に第2表示部440に潜伏確変状態であることを表示させないように設定するためには、ホールコンピュータ6あるいは各データ表示装置4側で、第2表示部440に潜伏確変状態であることを表示させないようにするための設定処理を行うことが必要となる。これに対して、第2表示部440をPOP広告等の覆体により覆うことにより、このような設定処理を要せず、仮に第2表示部440に潜伏確変状態であることが表示される場合であっても、これを遊技者及び遊技者以外の遊技客に視認させないようにすることができる。
また、例えばレディースデー等のイベント日において、イベントの対象となる遊技者(例えば女性客)に対してのみ、POP広告等を外して第2表示部440を視認可能とする運用を行うようにしてもよい。さらに、このようなイベントの対象となる遊技者(例えば女性客)が遊技を行う場合には、POP広告等を外した上で扉部4Bを内側に折り畳んだ状態(前述した第2状態)として第2表示部440を遊技者から視認可能とした上で、その第2表示部には、潜伏確変状態の表示を行うようにしてもよい。これによれば、イベント対象者等の特定の遊技者のみが、第2表示部440の表示内容を視認することができるようになる。
なお、図44ではデータ表示装置4の第2表示部440を覆う覆体としてプラスチック蓋447を例示したが、覆体はこれに限られるわけではない。覆体を蓋とするのであれば、プラスチック蓋447に限らず、ガラスの蓋や木製の蓋としてもよい。また、蓋以外の覆体として、第2表示部440を囲う庇体を本発明に係る覆体としてもよい。庇体は、例えば、付色されたプラスチック製やビニール製、木製の庇体とすることができる。
図45は、この場合における庇体の一例を示す図である。
第2表示部440が形成された扉部4Bには、その全体を囲うように庇体448が着脱可能に構成されている。具体的には、扉部4Bのうちヒンジ部4Cの接着面以外の面を囲うように正面視コの字型に成形された庇体448が扉部4Bに取り付け可能に構成されている。このような庇体448を扉部4Bに取り付けることで、遊技機で遊技している遊技者から第2表示部440がより一層視認できない状態を作り出すことができる。
なお、庇体448は、扉部4Bの内側の面を囲う底部を備えた底有り構造としてもよいし、底部を備えない底無し構造としてもよい。底有り構造を採用した場合は、庇体448によって扉部4Bの内側の面も囲われた状態となるため、遊技者からは扉部4Bの内側の面さえも視認できない状態となり、あたかも遊技者が隔離されたかのような状態を作り出すことができる。
また、上記の覆体は、必ずしも第2表示部440の全体を覆う覆体である必要はなく、第2表示部440の一部を覆う覆体してもよい。例えば、第2表示部440のうちの中央部のみが覆われるような覆体としてもよいし、第2表示部440の右半分や左半分、上半分、下半分を覆う覆体としてもよい。また、第2表示部440の周囲を覆う覆体としてもよい。
図46は、データ表示装置4の機能構成の一例を示す図である。なお、ホールコンピュータ6に記憶されているデータと同一のデータについては同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
データ表示装置4は、処理部410と、操作部420と、第1表示部430と、第2表示部440と、音出力部450と、発光部455と、時計部465と、近距離無線通信部475と、第1通信部470と、第2通信部480と、第3通信部485と、記憶部490とを備えて構成される。
処理部410は、記憶部490に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、データ表示装置4の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサやASIC等の集積回路を有して構成される。
本実施形態において、処理部410は、主要な機能部として、第1表示制御部411と、第2表示制御部412と、イベント発生判定部413と、表示処理部414と、表示調整部415と、表示中断再開部416とを含む。
操作部420は、第1表示部430と一体的に構成されたタッチパネル421を有する入力手段であり、タッチパネル421に対する操作入力信号を処理部410に出力する。タッチパネル421に対するタップ操作により、遊技者や他の遊技客は、店員の呼出やメニュー選択、サービス選択、表示画面選択等の各種指示操作を行うことができる。
なお、操作部420にタッチパネル421の他に、十字キーや決定ボタンを含む操作ボタンを構成し、この操作ボタンの押下操作により、遊技者や他の遊技客が音量/光量変更等の指示操作を行うことができるようにしてもよいことは勿論である。本実施形態では、各種の指示操作を全てタッチパネル421に対するタップ操作によって行うこととして説明する。
第1表示部430は、前述したように基体部4Aに形成されたディスプレイであり、LCD等を有して構成され、第1表示制御部411から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置である。
第2表示部440は、前述したように扉部4Bに形成されたディスプレイであり、LCD等を有して構成され、第2表示制御部412から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置である。
音出力部450は、処理部410から出力される音出力制御信号に基づく各種の音出力を行う音出力装置であり、スピーカ等を有して構成される。音出力部450は、処理部410の制御に従って、特定音や確認音を出力可能に構成されている。
発光部455は、効果ランプや装飾用LED等を有して構成される発光装置であり、処理部410の制御に従って、種々の発光色で効果ランプや装飾用LEDを点灯/点滅させることが可能に構成されている。
時計部465は、データ表示装置4の内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部465の計時時刻(日付を含む。)は処理部410に出力される。また、時計部465はタイマ機能を有しており、後述する確認音出力中タイマ等として機能する。つまり、時計部465は、計時手段として機能する。
近距離無線通信部475は、店員が所持する設定用リモコン等の通信装置と無線通信を行う通信装置である。近距離無線通信部475が無線通信を行う方式としては、代表的には赤外線通信を適用することができる。なお、赤外線通信に限らず、例えば、ZigBee(登録商標)やBluetooth(登録商標)といった通信規格に則った近距離無線通信を実現する近距離無線通信モジュールを内蔵させ、これらの通信方式に従って無線通信を行うようにすることも可能である。
第1通信部470は、対応パチンコ機との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第1通信部470は、パラレル通信端子を有し、パラレル通信方式に従って対応パチンコ機から各種のパチンコ機信号を受信する。
第2通信部480は、カードユニット3との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第2通信部480は、パラレル通信端子を有し、パラレル通信方式に従ってカードユニット3から各種のユニット信号を受信する。
第3通信部485は、ホールコンピュータ6との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第3通信部485は、パラレル通信端子を有し、パラレル通信方式に従ってホールコンピュータ6から設定用データ691や各種の管理装置信号を受信する。
記憶部490は、ROMやフラッシュROM、RAM等の揮発性又は不揮発性のメモリを有して構成される記憶装置である。
記憶部490には、処理部410により読み出され、データ表示装置処理として実行されるデータ表示装置処理プログラム491が記憶されている。データ表示装置処理プログラム491は、イベント発生判定処理として実行されるイベント発生判定プログラム491aと、表示処理として実行される表示処理プログラム491bと、表示調整処理として実行される表示調整プログラム491cと、表示中断再開処理として実行される表示中断再開プログラム491dとをサブルーチンとして含む。
また、記憶部490には、演出報知用データ493と、遊技者の所持球数を示す所持球数データ497と、ホールコンピュータ6から送信される設定用データ693とが記憶される。
演出報知用データ493は、前述した各種の演出や報知を実現するために、第1表示部430や第2表示部440に表示させる画像や映像、音出力部450に音出力させる音声や音楽等のデータである。
図47は、本実施形態において設定用データ693に含まれるイベント発生判定用データ691である第3イベント発生判定用データ6915−3のデータ構成の一例を示す図である。この第3イベント発生判定用データ6915−3のデータ構成は、図32で説明した第2イベント発生判定用データ6915−2と略同一である。しかし、判定条件が、第2イベント発生判定用データ6915−2とは異なっている。
具体的に説明する。
No1の「玉貸」のイベントについて、判定条件の契機には、「対応ユニットの玉貸信号ON」が定められている。つまり、対応ユニットから玉貸信号を受信した場合に、玉貸のイベントが発生したと判定することが定められている。
No2の「玉払出」のイベントについて、判定条件の契機には、「対応ユニットの玉払出信号ON」が定められている。つまり、対応ユニットから玉払出信号を受信した場合に、玉払出のイベントが発生したと判定することが定められている。
No3の「玉変換」のイベントについて、判定条件の契機には、「対応ユニットの玉変換信号ON」が定められている。つまり、対応ユニットから玉変換信号を受信した場合に、玉変換のイベントが発生したと判定することが定められている。
No4の「カード返却」のイベントについて、判定条件の契機には、「対応ユニットのカード返却信号ON」が定められている。つまり、対応ユニットからカード返却信号を受信した場合に、カード返却のイベントが発生したと判定することが定められている。
No5の「カード取り忘れ報知」のイベントについて、判定条件の契機には、(1)の他に、(2)として、「対応パチンコ機の確変中信号ON→OFF&対応ユニットの所持球数信号から特定される所持球数が規定球数に達している」が定められている。つまり、対応パチンコ機から出力される確変中信号がOFFとなり、対応ユニットから出力される所持球数信号から特定される所持球数が規定球数に達している場合に、カード取り忘れ報知のイベントが発生したと判定することが定められている。
No6の「のめり込み防止報知」のイベントについて、判定条件の契機には、(1)〜(3)の他に、(4)として、「対応パチンコ機の大当り信号OFF&対応ユニットの所持球数信号から特定される所持球数が規定球数を下回った」が定められている。つまり、大当りが発生することなく遊技者が所持球数を消費して遊技を継続し、所持球数がある程度減少した場合に、のめり込み防止報知のイベントが発生したと判定することが定められている。
本実施形態において、データ表示装置4のイベント発生判定部413は、上記の第3イベント発生判定用データ6915−3に定められた内容に基づいて、イベントが発生したか否かを判定する。
[3−6.処理の流れ]
[3−6−1.ホールコンピュータの処理]
図48及び図49は、ホールコンピュータ6の処理部610がROM670に記憶されている管理プログラム671に従って実行する第2管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
処理部610は、各データ表示装置4についてループBの処理を行う(S1〜S7)。ループBは、各データ表示装置4に対して順番に又は並列的にループA内の各ステップを実行することを意味する。
ループBでは、設定部611が、ROM670に記憶されている設定用データ生成プログラム671aに従って、該データ表示装置4について設定用データ691を生成する設定用データ生成処理を行う(S3)。具体的には、ハードディスク680に記憶されている第3表示内容設定用テーブル681−3、第3表示態様設定用テーブル682−3、一斉演出設定用テーブル685、定期告知設定用テーブル686及びデータ表示装置設定テーブル687を用いて、該データ表示装置4の設定用データ693を生成し、RAM690に記憶させる(S3a)。
次いで、処理部610は、生成した設定用データ693を、該データ表示装置4に送信する(S5)。そして、次のデータ表示装置4へと処理を移す。全てのデータ表示装置4に対するループAの処理を終了したならば(S7)、遊技集計部613は、各パチンコ機2から出力されるパチンコ機信号に基づいて、各パチンコ機2の遊技集計データを更新し、ハードディスク680の遊技集計データベース688に記憶させる(S9)。
次いで、処理部610は、大当りランニング演出の表示条件が成立したか否かを判定し(S21)、成立したと判定したならば(S21;Yes)、大当りランニング演出表示指示信号を各データ表示装置4に送信する(S23)。この際、所定の時間差をもってデータ表示装置4に大当りランニング演出を行わせるように、各データ表示装置4に対して上記の時間差に相当する遅延時間分の遅延をかけた大当りランニング演出表示指示信号を送信する。そして、処理部610は、S29へと処理を移す。
大当りランニング演出の表示条件が成立しなかったと判定したならば(S21;No)、処理部610は、その他の一斉演出表示条件が成立したか否かを判定し(S25)、成立したと判定したならば(S25;Yes)、成立した一斉演出表示条件に対応する一斉演出映像の表示指示信号を各データ表示装置4に送信する(S27)。そして、処理部610は、S29へと処理を移す。また、その他の一斉演出表示条件が成立しなかったと判定したならば(S25;No)、処理部610は、S29へと処理を移す。
S29では、処理部610は、一斉演出の終了タイミングであるか否かを判定する(S29)。そして、終了タイミングであると判定したならば(S29;Yes)、処理部610は、一斉演出表示終了指示信号を各データ表示装置4に送信する(S31)。一斉演出の終了タイミングではないと判定したならば(S29;No)、処理部610は、S29へと処理を移す。
次いで、処理部610は、定期告知タイミングであるか否かを判定する(S33)。ここで、定期告知タイミングは、全てのデータ表示装置4に対して同一のタイミングとしてもよいし、データ表示装置4毎に異なるタイミングとしてもよい。定期告知タイミングであると判定したならば(S33;Yes)、処理部610は、定期告知信号を対応するデータ表示装置4に送信する(S35)。
その後、処理部610は、処理を終了するか否かを判定する(S37)。例えば、店舗の営業終了時にホールコンピュータ6の電源を切断する場合に、処理を終了すると判定する。処理を継続すると判定したならば(S37;No)、処理部610は、S9に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(S37;Yes)、処理部610は、第2管理処理を終了する。
[3−6−2.データ表示装置の処理]
図50は、データ表示装置4の処理部410が、記憶部490に記憶されているデータ表示装置処理プログラム491に従って実行するデータ表示装置処理の流れの一例を示すフローチャートである。
最初に、処理部310は、ホールコンピュータ6から第3通信部485を介して設定用データ693を受信し、記憶部490に記憶させる(T1)。次いで、処理部410は、設定用データ693に従って、自装置の第1表示部430及び第2表示部440に表示させる表示内容及び表示態様を初期設定する初期表示設定処理を実行する(T3)。
次いで、処理部410は、記憶部490に記憶されているイベント発生判定プログラム491aに従って、イベント発生判定処理の実行を開始する(T5)。具体的には、イベント発生判定部413が、設定用データ693に含まれる第3イベント発生判定用データ6935に従って、イベントの発生の有無及び発生したイベントを判定する。
その後、処理部410は、記憶部320に記憶されている表示処理プログラム491bに従って、表示処理の実行を開始する(T7)。
次いで、処理部410は、処理を終了するか否かを判定し(T9)、処理を継続すると判定したならば(T9;No)、そのまま待機する。また、処理を終了すると判定したならば(T9;Yes)、処理部410は、データ表示装置処理を終了する。
なお、表示処理については、第1実施形態及び第2実施形態で説明したカードユニット3における表示処理を、データ表示装置4の表示部(第1表示部430及び第2表示部440)に表示する処理として同様に規定することが可能であるため、詳細な説明を省略する。例えば、第1表示部430に表示される表示画面のうちの特定画面(メニュー画面等)を対象として、上記の実施形態と同様の表示処理を実行するようにすることができる。
[3−7.表示画面]
[3−7−1.第1表示部の表示画面例]
図51(1)は、データ表示装置4の第1表示部430に表示される遊技履歴画面の一例を示す図である。
遊技履歴画面の上部には、該データ表示装置4に対応して設けられたパチンコ機2の機種名が表示されている。その下には、大当り回数と、スタート回数と、確変大当り回数と、通常大当り回数と、前日大当り回数と、前々日大当り回数とが、それぞれ個別に設けられた表示窓内に表示されている。
また、第1表示部430の下部には、呼出アイコンと、音量/光量変更アイコンと、メニューアイコンとが表示されている。遊技者は、呼出アイコンを指でタップすることにより、店員を呼び出すことができる。また、遊技者は、音量/光量変更アイコンをタップすることで、音出力部450から音出力させる音量や第1表示部430の表示における光量を変更することができる。また、遊技者は、メニューアイコンをタップすることで、メニュー画面を表示させることができる。
図51(2)は、メニュー画面の一例を示す図である。
メニュー画面は、前述した実施形態で説明したカードユニット3におけるメニュー画面と同様に、第1領域R1と、第2領域R2と、第3領域R3との3つの領域で構成されている。
第1領域R1には、上部に基本情報の文字が表示され、その下に、玉貸情報を示す玉貸情報枠と、スペック情報を示すスペック情報枠とが表示されている。第1領域R1は、画面調整操作として、ピンチ操作及びパン操作を受付可能に構成された領域である。
第2領域R2には、上部に詳細情報の文字が表示され、その下に、遊技履歴アイコン、大当り履歴アイコン、スランプグラフアイコン、サービスアイコン、フロアガイドアイコン、CMアイコン等を含む複数のアイコンが、スクロールによって上下に移動可能なスクロール区画内に表示されている。第2領域R2は、画面調整操作として、パン操作及びフリック操作を受付可能に構成された領域である。
第3領域R3には、呼出アイコンと、戻るアイコンとが表示されている。第3領域R3は、前述したように、画面調整操作を受付不可能に構成された領域である。
本実施形態では、データ表示装置4の処理部410が、上記のメニュー画面を対象として、上記の実施形態と同様の表示処理を実行する。つまり、第1表示部430に一体的に構成されたタッチパネル421に対する操作に応じて、第1表示部430に表示中のメニュー画面を対象として表示調整を実行し、表示調整に基づく調整表示中にイベントが発生した場合に、当該調整表示を中断又は終了する。
図51(3)は、大当り演出画面の一例を示す図である。
この大当り演出画面には、画面中央部に「大当り♪♪」及び「CONGRATULATIONS!」の文字が表示されている。大当り演出では、大当りを演出する画像や映像が第1表示部430に表示されるとともに、大当り演出に係る音声や音楽が音出力部450から音出力される。
図52(1)は、カード取り忘れ報知画面の一例を示す図である。
このカード取り忘れ報知画面には、画面中央部に「カードを忘れずにお取りください。」の文字が表示されている。カード取り忘れ報知では、カードの取り忘れを遊技者に注意喚起するメッセージが第1表示部430に表示される。なお、この表示と併せて、同様の音声を音出力部450から音出力させるようにしてもよい。
図52(2)は、のめり込み防止報知画面の一例を示す図である。
こののめり込み防止報知画面には、画面中央部に「遊技に熱中し過ぎないように注意してください。」の文字が表示されている。のめり込み防止報知では、遊技へののめり込みを遊技者に注意喚起するメッセージが第1表示部430に表示される。なお、この表示と併せて、同様の音声を音出力部450から音出力させるようにしてもよい。
図52(3)は、パチンコ機不正報知画面の一例を示す図である。
このパチンコ機不正報知画面には、画面中央部に「パチンコ機で不正が行われている可能性があります。」の文字が表示されている。パチンコ機不正報知では、対応パチンコ機で不正が行われている可能性があることを注意喚起するメッセージが第1表示部430に表示される。なお、この表示と併せて、同様の音声を音出力部450から音出力させるようにしてもよい。
図53(1)は、パチンコ機異常報知画面の一例を示す図である。
このパチンコ機異常報知画面は、対応パチンコ機で玉詰まりが発生した場合に表示される表示画面であり、画面中央部に「パチンコ玉が詰まっています。」のメッセージが表示されている。パチンコ機異常報知では、対応パチンコ機に異常が生じていることを注意喚起するメッセージが第1表示部430に表示される。なお、この表示と併せて、同様の音声を音出力部450から音出力させるようにしてもよい。
図53(2)は、ユニット不正報知画面の一例を示す図である。
このユニット不正報知画面には、画面中央部に「ユニットが正常に動作していません。」のの文字が表示されている。ユニット不正報知では、対応ユニットで不正が行われている可能性があることを注意喚起するメッセージが第1表示部430に表示される。なお、この表示と併せて、同様の音声を音出力部450から音出力させるようにしてもよい。
図53(3)は、ユニット異常報知画面の一例を示す図である。
このユニット異常報知画面は、対応ユニットからカードが排出できなくなった場合に表示される表示画面であり、画面中央部に「ユニットからカードが排出できません。」のメッセージが表示されている。ユニット異常報知では、対応ユニットに異常が生じていることを注意喚起するメッセージが第1表示部430に表示される。なお、この表示と併せて、同様の音声を音出力部450から音出力させるようにしてもよい。
[3−7−2.第2表示部の表示画面例]
図54は、第2表示部440の表示画面の一例を示す図である。
図54(1)は、空き台情報画面の一例を示す図である。
この空き台情報画面には、該パチンコ機2が空き台であることを示す空き台情報が表示されている。具体的には、画面中央部に「空き台」というメッセージとともに、「今なら遊技できます」というメッセージが表示されている。このメッセージにより、遊技客は、該パチンコ機2が現在空き台であり、遊技可能であることを知ることができる。
図54(2)は、大当り中画面の一例を示す図である。
この大当り中画面には、該パチンコ機2が大当り中であることを示す大当り情報が表示されている。具体的には、画面中央部に炎が表示されており、その中に該パチンコ機2が大当り中であることを示す「大当り中」のメッセージが表示されている。このメッセージにより、遊技客は、該パチンコ機2が現在大当り中であることを知ることができる。
図54(3)は、潜伏確変中画面の一例を示す図である。
この潜伏確変中画面には、画面中央部に該パチンコ機2が潜伏確変中であることを示す潜伏確変情報が表示されている。具体的には、画面中央部にギザギザ形状の吹き出しが表示されており、その中に「潜伏確変中」のメッセージが表示されている。また、画面下部には「今がチャンス!!」のメッセージが表示されている。
第2表示部440は遊技者の遊技位置からは視認できないため、遊技者は潜伏確変中であることを知ることはできない。一方、遊技客は、第2表示部440に目を向けることで、該パチンコ機2が潜伏確変中であることを知ることができる。つまり、観覧している遊技客はその台がチャンス状態であることを知っているが、遊技者はチャンス状態であることを知らずに遊技を続けことになる。また、仮に潜伏確変中であることを知らずに遊技者が遊技をやめて離席した場合、周囲の遊技客は、その台がチャンス状態であることを知っているため、その台に座って遊技を行うことで大当りを期待することができる。これにより、従来の呼出ランプ装置では実現することのできない新たな興趣を生み出すことができる。
図54(4)は、時短中画面の一例を示す図である。
この時短中画面には、画面中央部に該パチンコ機2が時短中であることを示す時短情報が表示されている。具体的には、画面中央部に雲状の吹き出しが表示されており、その中に「時短中」のメッセージが表示されている。また、画面下部には「残念。次に期待を」のメッセージが表示されている。
第2表示部440は遊技者の遊技位置からは視認できないため、遊技者は時短中であることを知ることはできない。一方、観覧している遊技客は、第2表示部440に目を向けることで、該パチンコ機2が時短中であり、大当りする可能性が低いことを知ることができる。
[4.他の実施形態]
本発明を適用可能な実施形態は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、他の実施形態について説明する。なお、上記の各実施形態と同一の構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
[4−1.遊技機]
上記の実施形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ機として説明したが、遊技機はこれに限られるわけではない。
(1)スロットマシン
本発明に係る遊技機を、遊技者が遊技メダルを用いて遊技するスロットマシン1000としてもよい。
図55は、遊技機をスロットマシン1000とした場合の遊技用システムである第4遊技用システム1Dにおける信号及び情報の流れの一例を示す図である。
第4遊技用システム1Dには、第1遊技用システム1Aと同様に、スロットマシン1000に対応して、カードユニット3及び呼出ランプ装置7が設けられる。
スロットマシン1000からは、メダルIN信号、メダルOUT信号、ボーナス信号、ART信号、スロット不正信号及びスロット異常信号を含むスロット信号が、カードユニット3、呼出ランプ装置7及びホールコンピュータ6に出力される。
メダルIN信号は、スロットマシン1000のメダル投入口にメダルが投入されてBET操作がなされた場合に出力状態とされる信号であり、メダルIN信号の出力命令により指定されたメダル数分のパルス信号が所定の時間間隔を空けて出力される。
メダルOUT信号は、スロットマシン1000からメダルが払い出された場合に出力状態とされる信号であり、メダルOUT信号の出力命令により指定されたメダル数分のパルス信号が所定の時間間隔を空けて出力される。
ボーナス信号は、遊技者にとって有利な有利状態の一種であるボーナス状態に制御された場合に出力状態とされる信号である。ボーナスには、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)が含まれる。
ART信号は、遊技者にとって有利な有利状態の一種であるアシストリプレイタイム(状態(ART状態)に制御された場合に出力状態とされる信号である。ARTは、チャンスタイムの一種であり、チャンスタイムには、ARTの他に、アシストタイム(AT)やリプレイタイム(RT)が含まれる。
スロット不正信号は、エラー信号の一種であり、スロットマシン1000において不正が発生した場合に、その旨を報知するための信号である。
スロット異常信号は、エラー信号の一種であり、スロットマシン1000において異常が発生した場合に、その旨を報知するための信号である。
カードユニット3からは、カード挿入/排出信号、入金信号、消費信号、所持メダル数信号、ユニット不正信号及びユニット異常信号を含むユニット信号が、データ表示装置4に出力される。また、カードユニット3からは、カード情報がメダル管理コンピュータ9に出力される。
第4遊技用システム1Dでは、第1実施形態で説明した遊技者操作に基づくイベントとして、メダル貸操作に基づくメダル貸や、メダル払出操作に基づくメダル払出、メダル変換操作に基づくメダル変換、カード返却操作に基づくカード返却等のイベントを定めておくことができる。
また、第2実施形態で説明した外部信号に基づくイベントとして、スロットマシン1000から出力されるスロット信号に基づくカード取り忘れ報知やのめり込み防止報知、ボーナス演出、ART演出、ホールコンピュータ6から出力される管理装置信号に基づく一斉演出や定期告知等のイベントを定めておくことができる。
(2)封入方式パチンコ機及び遊技点方式スロットマシン
上記の実施形態では、パチンコ機を、遊技球を打球供給皿3から投入して、遊技領域に発射された遊技球が入力領域に入賞すると、打球供給皿又は余剰球受皿に賞球が払い出される従来型のパチンコ機2として説明したが、遊技機外部からの遊技球の投入や遊技機外部への遊技球の払出しを要することなく遊技を行うことが可能な封入方式のパチンコ機2´(以下、「封入方式パチンコ機」という。)としてもよい。
また、遊技機は、メダルをメダル投入部から投入して、役が成立したとき又は精算スイッチが操作されてクレジットが返却されるときに、メダル払出口からメダルが払出される従来型のスロットマシンに限らず、遊技機外部からのメダルの投入や遊技機外部へのメダルの払出しを要することなく遊技を行うことが可能な遊技点方式のスロットマシン1000´(以下、「遊技点方式スロットマシン」という。)としてもよい。
図56及び図57は、遊技機として封入方式パチンコ機2´及び遊技点方式スロットマシン1000´を適用した第5遊技用システム1Eのシステム構成の一例を示す図である。
第5遊技用システム1Eでは、遊技機として、封入方式パチンコ機2´及び遊技点方式スロットマシン1000’が設けられている。
封入方式パチンコ機2´は、内部に遊技球を封入しており、遊技者が打球操作ハンドルを操作することにより、発射モータを駆動させて遊技球を1発ずつ遊技領域に打ち込んで遊技ができるように構成されている。
ここで、遊技球の発射は、マイクロコンピュータ(CPU、RAM、及びROM等)を備える払出制御基板2Bに電気的に接続される玉上げスイッチにより検出される。また、遊技領域に打込まれた遊技球のうち、アウト口に侵入したアウト玉は、アウト玉流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト玉検出スイッチによって検出される。また、発射された遊技球が遊技領域に跳出せずに戻ってきたファール玉は、ファール玉戻り経路を通って流下し、その途中に設けられたファール玉検出スイッチによって検出される。これらアウト玉検出スイッチ及びファール玉検出スイッチは、いずれも払出制御基板2Bに電気的に接続されている。
また、各入賞口(例えば、第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、普通入賞装置の入賞口)に入賞したすべての入賞玉は、遊技機背面で集められて回収玉通過経路に誘導される。同様に、アウト玉及びファール玉も回収玉通過経路に誘導される。回収玉通過経路には、払出制御基板2Bに電気的に接続される発射玉検出スイッチが設けられている。このため、入賞玉、アウト玉及びファール玉のすべてが発射玉検出スイッチによって検出される。回収玉通過経路を通過した遊技球は、打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドルを操作することにより、再びその打球発射位置の遊技球が遊技領域に打込まれる。この発射玉スイッチの検出数と、発射モータにより弾発された遊技球の弾発数とが等しくなったときに、打込まれた遊技球がすべて回収されたと判定できる。
このように、玉上げスイッチ、アウト玉検出スイッチ、及びファール玉検出スイッチ、並びに発射玉検出スイッチは、いずれも払出制御基板2Bに電気的に接続されており、払出制御基板2Bにおいて各スイッチの動作、即ち遊技球の通過を検出可能である。また、各入賞口に入賞した遊技球は各入賞口に対応して設けられる入賞センサによって検出される。入賞センサはマイクロコンピュータ(CPU、RAM、及びROM等)を備える主制御基板2Aに電気的に接続され、入賞センサによる入賞を検出した主制御部は、遊技球が入賞した入賞口を特定可能な入賞信号を払出制御基板2Bに送信する。なお、払出制御基板2Bは、封入方式パチンコ機2´の電源投入時に主制御基板2Aから入賞口の種類(例えば、第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、普通入賞装置の入賞口)と、各入賞口に対応する賞球数(各入賞口に遊技球が入賞したときの払出玉数)とを含む入賞口情報を受信しているため、主制御基板2Aから受信した入賞信号に基づいて、遊技球が入賞した入賞口に対応する賞球数を特定可能である。
封入方式パチンコ機2´や後述する遊技点方式スロットマシン1000’の隣には、当該遊技機に対応する遊技用装置としてカードユニット1100が設けられる。カードユニット1100の前面(遊技者側)には、紙幣挿入口1103、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部に設けられる表示器1102、及び、プリペイドカード(会員登録を行っていない非会員遊技者が使用可能なビジターカード及び会員登録を行った会員遊技者が使用可能な会員カードを含む)を挿入可能なカード挿入口1101等が設けられている。遊技者は、カード挿入口1101にプリペイドカードを挿入し、カードリーダライタ(以下、カードR/Wという)により読み取られたカードIDに関連付けて残額管理装置(図示せず)で管理されているプリペイド残額を使用して、当該カードユニット1100と通信可能に接続される遊技機での遊技を行うことができる。また、紙幣挿入口1103から挿入した紙幣は貨幣識別器(図示せず)により真贋及び種別が識別され、識別された種別に相当する金額が、カードR/Wが受け付けているプリペイドカードのカードIDに関連付けて残額管理装置で管理されているプリペイド残額に加算される。
カードユニット1100には、マイクロコンピュータ等から構成されたカードユニット制御部(以下、「CU制御部」という。)1120が設けられている。このCU制御部1120は、カードユニット1100の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。前述した貨幣識別器及びカードR/Wは、CU制御部1120と電気的に接続されている。また、表示器1102は、CU制御部1120に電気的に接続された表示制御部1110で変換された表示用データが出力される。
CU制御部1120には、セキュリティ上の管理を行うホールサーバ1230と通信を行うための外部通信部(図示せず)が設けられている。ホールサーバ1230は、ホールコンピュータ1200と通信可能に接続されている。CU制御部1120には、パチンコ機2´の払出制御基板2Bとセキュリティを確保しながら通信を行うためのセキュリティ基板(図示せず)が接続される。このセキュリティ基板は、カードユニット1100のセキュリティ監視機能部である。カードユニット1100には、封入方式パチンコ機2´への接続部が設けられている。これら接続部は、例えばコネクタ等で構成されている。払出制御基板2BとCU制御部1120との間ではシリアル通信が行われ、CU制御部1120とホールサーバ1230とは図示しない台端末を介してシリアル通信が行われる。
遊技者が封入方式パチンコ機2´で遊技を行うときには、封入方式パチンコ機2´又はカードユニット1100に設けられている玉貸ボタンを操作して、使用するプリペイドカードのカードIDに関連付けて残額管理装置で管理されているプリペイド残額の一部又は全部を、「遊技玉数」に変換して遊技を開始する。即ち、遊技者所有の有価価値を遊技に使用可能な遊技価値に変換する。例えば500円分のプリペイド価値を125の遊技玉数に変換可能である。この遊技玉数はCU制御部1120に記憶されると共に、パチンコ機2´の払出制御基板2Bにも送信され、払出制御基板2BのRAMに記憶される。
払出制御基板2Bは、玉上げスイッチにより遊技球の発射が検出されたときには、RAMで記憶する遊技中玉数(発射後に発射玉検出スイッチにより検出されていない玉数であり、遊技領域に浮遊している浮遊玉の玉数)に1を加算し、減算カウンタ(遊技玉数から減算すべき玉数の記憶領域)の値に1を加算する。また、払出制御基板2Bは、主制御基板2Aから入賞信号を受信したときには、入賞信号が示す入賞口に応じた賞球数を加算カウンタ(遊技玉数に加算すべき玉数の記憶領域)の値に加算する。また、払出制御基板2Bは、ファール玉検出スイッチによりファール玉が検出されたときには、加算カウンタの値に1を加算し、遊技中玉数から1を減算する。また、払出制御基板2Bは、発射玉検出スイッチにより打込まれた遊技球の回収が検出されたときには、遊技中玉数から1を減算する。
払出制御基板2Bでは、このようにして遊技中玉数を管理しており、遊技中玉数が異常値となった場合には、玉詰まりや不正等の可能性があるため、ブザー等により異常を報知する。また、払出制御基板2Bでは、減算カウンタの値や加算カウンタの値が更新されると、CU制御部1120に対して、更新後の減算カウンタの値(減算玉数)や更新後の加算カウンタの値(加算玉数)を送信する。そして、払出制御基板2Bでは、記憶する「遊技玉数」から更新後の減算カウンタの値を減算し、減算カウンタの値を0にクリアする。また、記憶する「遊技玉数」に更新後の加算カウンタの値を加算し、加算カウンタの値を0にクリアする。一方、CU制御部1120では、減算カウンタの値(減算玉数)を受信したときには、RAMに記憶する総減算玉数に受信した減算玉数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技玉数」から受信した減算玉数を減算する。また、加算カウンタの値(加算玉数)を受信したときには、RAMに記憶する総加算玉数に受信した加算玉数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技玉数」に受信した加算玉数を加算する。
このようにしてCU制御部1120では「遊技玉数」が更新され、この「遊技玉数」は表示器1102に表示され、遊技者が確認可能である。なお、CU制御部1120は、CU制御部1120で記憶される更新後の「遊技玉数」と、払出制御基板2Bから受信した当該払出制御基板2Bで記憶される更新後の「遊技玉数」との照合を行い、両者が一致しなければ、エラー状態に移行する制御を行う。なお、封入方式パチンコ機2´が遊技玉数等の遊技情報表示用の表示器を備えており、封入方式パチンコ機2´において、払出制御基板2Bが記憶する「遊技玉数」が表示されるようにしてもよい。また、封入方式パチンコ機2´の表示器が表示制御部1120に接続されており、その表示器にCU制御部1120が記憶する「遊技玉数」が表示されるようにしてもよい。
「遊技玉数」は、遊技者の操作に応じて(例えば図示しない精算ボタンの操作や、プリペイドカードの返却操作に応じて)、「持玉数」に変換可能である。「持玉数」は、プリペイドカードのカードIDに関連付けて持玉サーバで管理され、遊技者の操作に応じて(例えば図示しない持玉プレイボタンの操作)に応じて、「遊技玉数」に変換可能である。また、会員遊技者の「持玉数」は、当日の営業終了後又は当日の遊技場店員の貯玉操作によって「貯玉数」に変換される。
封入方式パチンコ機2´の払出制御基板2BがCU制御部1120と電気的に接続されたときには、主制御基板2Aのメインチップに記録されているメインチップIDが、払出制御基板2B、及びCU制御部1120を介してホールサーバ1230及びホールコンピュータ1200に送信される。送信されたメインチップIDは、封入方式パチンコ機2´の台番号に関連付けてホールコンピュータ1200で管理される。これによって、封入方式パチンコ機2´の筐体単位ではなく主制御基板単位(遊技盤単位)での遊技情報の管理が可能となる。なお、メインチップIDに当該封入方式パチンコ機2´の機種を特定可能な情報が含まれている場合には、ホールコンピュータ1200において台番号と当該封入方式パチンコ機2の機種を関連付けることも可能となる。
また、CU制御部1120は、所定のタイミングで(例えば所定の時間間隔毎に)、ホールサーバ1230と通信して、総加算玉数及び総減算玉数を送信する。ホールコンピュータ1200はホールサーバ1230と通信して、ホールサーバ1230から受信した総加算玉数に基づいて遊技データテーブルの「セーフ数」を更新し、ホールサーバ1230から受信した総減算玉数に基づいて遊技データテーブルの「アウト数」を更新する。
ここで、遊技機メーカによって、遊技機(封入方式パチンコ機2´、遊技点方式スロットマシン1000’)から出力される出力データのフォーマットが異なるため、CU制御部1120では、その種々のフォーマットの出力データを、所定のフォーマットに演算(変換)して台端末経由でホールサーバ1230に出力する。その演算(変換)のための設定データは、CU制御部1120に入力されて記憶されるようになっている。「所定のフォーマット」とは、例えば、送信情報の出力ピンの割当てや信号の出力長さである。
また、ホールコンピュータ1200の仕様や設定によっては、データ受信フォーマットが異なっているため、ホールサーバ1230では、カードユニット1100から出力される出力データのフォーマットを、ホールコンピュータ1200のデータ受信フォーマットにマッチするフォーマットに変換してホールコンピュータ1200に送信するようにしている。
ここで、カードユニット1100におけるデータ出力フォーマットが、ホールコンピュータ1200のデータ受信フォーマットにマッチする場合には、ホールサーバ1230によるフォーマット変換を不要とすることができる。この場合には、ホールサーバ1230を介さずにカードユニット1100とホールコンピュータ1200とを通信可能に接続してもよい。
また、仮に、カードユニット1100におけるデータ出力フォーマットが、ホールコンピュータ1200のデータ受信フォーマットにマッチしない場合であっても、カードユニット1100とホールコンピュータ1200との間に介在する台端末が、カードユニット1100から出力される出力データのフォーマットをホールコンピュータ1200のデータ受信フォーマットにマッチするフォーマットに変換してホールコンピュータ1200に送信するフォーマット変換機能を有する場合には、ホールサーバ1230によるフォーマット変換を不要とすることもできる。この場合には、ホールサーバ1230を介さずにカードユニット1100とホールコンピュータ1200とを台端末を介して通信可能に接続してもよい。
封入方式パチンコ機2´には、第1始動入賞口と第2始動入賞口とが設けられており、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて第1可変表示部において第1特別図柄が可変表示され、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて第2可変表示部において第2特別図柄が可変表示される。そして、第1可変表示部において実行される可変表示の表示結果として特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、又は、第2可変表示部において実行される可変表示の表示結果として特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときは特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
第5遊技用システム1Eでは、封入方式パチンコ機2´から、大当り信号、確変中信号、時短中信号、打込信号、始動信号、加算玉数信号、減算玉数信号、先読み信号、発射強度検出信号、特定入賞口入賞信号、役物動作信号、パチンコ機不正信号及びパチンコ機異常信号が、パチンコ機信号としてデータ表示装置4に出力される。このうち、大当り信号、確変中信号、時短中信号、打込信号、始動信号、パチンコ機不正信号及びパチンコ機異常信号は、前述した実施形態で説明した信号と略同一である。
加算玉数信号は、払出制御基板2Bにおいて更新される加算カウントの値が示す加算玉数を示す信号である。
減算玉数信号は、払出制御基板2Bにおいて更新される減算カウントの値が示す減算玉数を示す信号である。
先読み信号は、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて大当り抽選が行われ、大当りに当選した場合において、可変表示部に特別図柄が可変表示される前に、先読み的に大当りの発生を示唆する信号である。データ表示装置4は、封入方式パチンコ機2´から出力される先読み信号に基づいて、該封入方式パチンコ機2´で大当りが発生することを、可変表示部において特別図柄が可変表示される前に特定することができる。
発射強度検出信号は、遊技者が遊技状態に応じて遊技球を左右に打ち分ける場合に、遊技球の発射領域を特定可能とする信号である。封入方式パチンコ機2´において、第1始動入賞口は、遊技者から見て左側の遊技領域(以下、「左遊技領域」という。)に遊技球を発射する左打ちを行ったときに、遊技者から見て右側の遊技領域(以下、「右遊技領域」という。)に遊技球を発射する右打ちを行ったときよりも高い割合で遊技球が入賞するか、又は、左遊技領域に遊技球を発射した場合にのみ遊技球が入賞可能となっている。また、第2始動入賞口を形成する可変入賞球装置が設けられており、該可変入賞球装置は可動翼片の傾動制御によって閉鎖状態又は開放状態となり、開放状態において第2始動入賞口への遊技球の入賞が可能となるか、又は、開放状態において閉鎖状態よりも第2始動入賞口への遊技球の入賞が容易となる。
また、左遊技領域及び右遊技領域には、それぞれ遊技球が通過可能な通過領域としての左ゲート及び右ゲートが設けられている。遊技者が左打ちを行っているときには、遊技球が左ゲートを通過することにより、普通図柄の可変表示が開始され、当り図柄が導出表示された場合には、可変入賞球装置が開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が入賞することを期待できる。また、遊技者が右打ちを行っているときには、遊技球が右ゲートを通過することにより、普通図柄の可変表示が開始され、当り図柄が導出表示された場合には、可変入賞球装置が開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が入賞することを期待できる。すなわち、左打ちを行っている場合及び右打ちを行っている場合のいずれにおいても、可変入賞球装置が開放状態となる場合があり、第2始動入賞口に遊技球が入賞することを期待できる。
また、大当り遊技状態においては、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置(所謂アタッカー)が開放制御され、大入賞口への遊技球の入賞が可能となる。特別可変入賞球装置の開放制御回数又は開放制御期間は大当り種別によって異なる。この特別可変入賞球装置は、左打ちよりも右打ちを行っているときに、誘導部材や遊技釘の配置により、誘導された遊技球が入賞しやすい位置にある。
ここで、高確率状態においては、低確率状態よりも大当り遊技状態となる確率(第1可変表示部及び第2可変表示部の可変表示結果が特定表示結果となる確率)が高められ、高ベース状態においては、低ベース状態よりも普通図柄の可変表示結果として当り図柄が導出表示される確率が高められる(さらに普通図柄の可変表示時間が短縮され、可変入賞球装置の開放時間が延長されてもよい)ものとする。
遊技者は、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)のときは、特別可変入賞球装置が開放されず、右ゲートに遊技球を通過させても可変入賞球装置が高頻度では開放されないため、左遊技領域を狙って遊技球を打ち込む左打ちを行い、該遊技球を第1始動入賞口に入賞させる。遊技状態が高ベース状態(高確率/高ベース状態又は低確率/高ベース状態)のときには、右ゲートに遊技球を通過させると可変入賞球装置が高頻度で開放されるため、右遊技領域を狙って遊技球を打ち込む右打ちを行い、該遊技球を第2始動入賞口に入賞させる。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置が開放されるため、右遊技領域を狙って遊技球を打ち込む右打ちを行い、該遊技球を特別可変入賞球装置に入賞させる。
ここで、遊技者が打球操作ハンドルを操作することに応じて打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域に入り、その後、遊技領域を下りてくる。この場合に、打球操作ハンドルの回転角度(回転量)を検出し、検出した回転角度の情報を信号レベルにより発射強度を示す発射強度検出信号に変換して出力する発射強度センサを設け、当該発射強度センサからの発射強度検出信号を出力する。このような発射強度センサは、例えば、打球操作ハンドルの回転角度を検出し当該検出角度に応じて定められたレベルのアナログ信号を出力するロータリーエンコーダ及び信号変換出力器により構成される。
データ表示装置4は、封入方式パチンコ機2´から出力される発射強度信号に基づいて、遊技球が発射された発射領域を特定する。具体的には、発射強度が所定の閾値強度未満である場合には、左打ちによって左遊技領域に遊技球が発射されたと特定し、発射強度が所定の閾値強度以上である場合には、右打ちによって右遊技領域に遊技球が発射されたと特定する。
本実施形態では、データ表示装置4が上記の発射領域の特定に用いる閾値強度を、ホールコンピュータ1200がデータ表示装置4毎に設定することを可能とし、ホールコンピュータ1200からデータ表示装置4それぞれに対して、閾値強度の設定データである閾値強度設定データを配信する。つまり、ホールコンピュータ1200は、発射領域の特定に用いられる情報であって、発射領域を特定可能な信号と関連付けられた設定用情報を配信可能な配信装置に相当する。データ表示装置4は、ホールコンピュータ1200から配信される閾値強度設定データを利用して、発射領域を特定する。
特定入賞口入賞信号は、遊技球が特定入賞口に入賞したことを示す信号である。具体的には、遊技球が第1始動入賞口に入賞した時刻や個数を示す信号と、遊技球が第2始動入賞口に入賞した時刻や個数を示す信号とが、それぞれ特定入賞口信号として出力される。特定入賞口毎に、入賞した遊技球の数や時刻を特定することができる点が特徴である。
役物動作信号は、封入方式パチンコ機2´が備える役物の動作を示す信号である。役物には、前述した可変入賞球装置が備える可動翼片等が含まれ、可動翼片が閉鎖状態であることを示す信号と、可動翼片が開放状態であることを示す信号とが、それぞれ役物動作信号として出力される。
遊技点方式スロットマシン1000´は、封入方式パチンコ機2´と同様に、対応するカードユニット1100によってプリペイド価値を「遊技点」に変換して遊技に使用する。「遊技点」は、封入方式パチンコ機2´における「遊技玉数」に該当する。即ち、遊技者所有の有価価値を遊技に使用可能な遊技価値に変換する。例えば1000円分のプリペイド価値を50の遊技点(遊技点1は1枚のメダルに相当する)に変換可能である。この遊技点はCU制御部1120に記憶される。
このような遊技点方式スロットマシン1000’では、遊技点を用いて賭数を設定する。メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際には、1枚BETスイッチを操作し、遊技状態に応じて定められた最大の賭数を設定する際には、MAXBETスイッチを操作する。スタートスイッチの操作に応じた各リールの回転開始及び各ストップボタンの操作に応じた各リールの回転停止に関しては、メダル投入方式のスロットマシン1000と同様である。
ここで、スタートスイッチが操作されたときには、設定された賭数に相当する遊技点が減算点数となり、遊技制御基板1000AのRAMに記憶される減算カウンタの値に減算点数が加算される。そして、全てのリールが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せが各リールの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が加算点数となり、遊技制御基板1000AのRAMに記憶される加算カウンタの値に加算点数が加算される。
また、遊技制御基板1000Aでは、減算カウンタの値や加算カウンタの値が更新されると、CU制御部1120に対して、更新後の減算カウンタの値(減算点数)や更新後の加算カウンタの値(加算点数)を送信する。そして、遊技制御基板1000Aでは、記憶する「遊技点」から更新後の減算カウンタの値を減算し、減算カウンタの値を0にクリアする。また、記憶する「遊技点」に更新後の加算カウンタの値を加算し、加算カウンタの値を0にクリアする。一方、CU制御部1120では、減算カウンタの値(減算点数)を受信したときには、RAMに記憶する総減算点数に受信した減算点数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技点」から受信した減算点数を減算する。また、加算カウンタの値(加算点数)を受信したときには、RAMに記憶する総加算点数に受信した加算点数の値を累計加算すると共に、記憶する「遊技点」に受信した加算玉数を加算する。
また、CU制御部1120は、所定のタイミングで(例えば総加算点数、総減算点数が更新される毎に)、ホールサーバ1230と通信して、総加算点数及び総減算点数を送信する。ホールコンピュータ1200は、ホールサーバ1230を介してCU制御部1120から受信した総加算点数に基づいて遊技データテーブルの「セーフ数」を更新し、ホールサーバ1230を介してCU制御部1120から受信した総減算点数に基づいて遊技データテーブルの「アウト数」を更新する。
このように、遊技用装置であるカードユニット110は、遊技機及びホールコンピュータ1200と通信可能であり、遊技機により生成された情報をホールコンピュータ1200に送信する送信手段(CU制御部1120)を備え、送信手段は遊技機により生成された情報をホールコンピュータ1200向けに変換して送信する又は変換する装置(ホールサーバ、台端末)に中継するための情報変換手段(外部通信部)を備える。
第5遊技用システム1Eでは、遊技点方式スロットマシン1000´から、BET信号、ボーナス信号、ART信号、ART準備信号、加算点数信号、減算点数信号、スロット不正信号及びスロット異常信号が、スロット信号としてデータ表示装置4に出力される。このうち、ボーナス信号、ART信号、スロット不正信号及びスロット異常信号は、前述したのと同様の信号である。
BET信号は、遊技点を用いて賭数が設定された場合に出力状態とされる信号である。
ART準備信号は、入賞によってART状態に制御されることが決定した場合に出力状態とされる信号である。
通常のスロットマシンは、メイン制御部とサブ制御部との2つの制御部を備え、サブ制御部がART状態の制御を行うのが一般的である。また、メイン制御部からサブ制御へは信号を出力することが可能であるが、サブ制御部からメイン制御部へは信号を出力することができず、信号の流れはメイン制御部からサブ制御部への一方通行であるのが一般的である。このため、通常のスロットマシンでは、メイン制御部はサブ制御部がART状態に制御したことを特定するために、例えば、遊技者のスイッチの押し順に規則性があるか否かを判定し、規則性があると判定した場合に、ART状態に制御されたと特定する必要があった。つまり、メイン制御部は、サブ制御部によりART状態に制御された後でなければ、ART状態に制御されたことを特定することができなかった。
また、通常のスロットマシン1000では、メイン制御部に外部出力基板が接続されており、メイン制御部の制御に従って、ART状態に制御されたことを示すART信号を外部出力するのが一般的である。上記のように、メイン制御部は、サブ制御部によりART状態に制御された後でなければART状態に制御されたことを特定することができないため、先読み的にART状態に制御されることを特定可能な信号を外部出力基板から出力させることはできなかった。
しかし、第5遊技用システム1Eにおける遊技点方式スロットマシン1000´は、設計の自由度が高く、サブ制御部に代えて、メイン制御部がART状態に制御するように設計することが可能である。この場合、通常のスロットマシンとは異なり、メイン制御部は、入賞によってARTに制御することを決定した場合に、先読み的にART状態に制御されることを特定可能な信号を外部出力基板から出力させることができる。この信号が、本実施形態におけるART準備信号である。
加算点数信号は、前述した遊技制御基板1000Aにおいて更新される加算カウントの値が示す加算点数を示す信号である。
減算玉数信号は、前述した遊技制御基板1000Aにおいて更新される減算カウントの値が示す減算点数を示す信号である。
第5遊技用システム1Eでは、カードユニット1200やデータ表示装置4を本発明に係る遊技用装置として、表示調整及び調整表示の中断、終了を実行するようにすることができる。
この場合、第1実施形態で説明した遊技者操作に基づくイベントとして、封入方式パチンコ機2´については、玉貸操作に基づく玉貸や、玉払出操作に基づく玉払出、玉変換操作に基づく玉変換、カード返却操作に基づくカード返却等のイベントを定めておくことができる。また、遊技点方式スロットマシン1000´については、メダル貸操作に基づくメダル貸や、メダル払出操作に基づくメダル払出、メダル変換操作に基づくメダル変換、カード返却操作に基づくカード返却等のイベントを定めておくことができる。
また、第2実施形態で説明した外部信号に基づくイベントとして、封入方式パチンコ機2´から出力されるパチンコ機信号や、遊技点方式スロットマシン1000´から出力されるスロット信号に基づくイベントとして、カード取り忘れ報知やのめり込み防止報知、大当り演出、大当り示唆演出、ボーナス演出、ボーナス示唆演出、ART演出、ART示唆演出等のイベントを定めておくことができる。また、ホールコンピュータ1200から出力される管理装置信号に基づくイベントとして、一斉演出や定期告知等のイベントを定めておくことができる。
なお、第5遊技用システム1Eでは、台データについて、店舗外に設置された外部装置、例えばカード会社に設置されるサーバが各店舗の遊技機の台データを管理することが可能である。このため、データ表示装置4やカードユニット1200では、他店舗に設置された遊技機の台データをカード会社のサーバから受信することで、自店舗に設置された遊技機の台データに限らず、他店舗に設置された遊技機の台データも表示することが可能である。
また、データ表示装置4やカードユニット1200において表示させるCMは、遊技機や遊技機の製造メーカ、店舗のCMの他に、これらとは直接的に関係のない商品やサービスのCMとすることが可能である。この場合、例えば上記のカード会社に設置されるサーバが、各店舗それぞれについて、当該店舗に設置された遊技用装置において遊技者の操作によってCMが再生された回数をカウントし、これらを集計して管理することで、それぞれの商品やサービスに対する遊技者の関心度を把握することができる。
なお、上記の第5遊技用システム1Eでは、有利状態に制御されることを特定可能な信号を、パチンコ機では大当り遊技状態に制御されることを通知する先読み信号、スロットマシンではART状態に制御されることを通知するART準備信号としたが、有利状態に制御されることを特定可能な信号はこれらに限られるわけではない。例えば、パチンコ機では、確変状態や時短状態、潜伏確変状態に制御されることを通知する信号を、有利状態に制御されることを特定可能な信号としてもよいし、スロットマシンでは、ボーナス状態(BB状態、RB状態)やART以外のチャンスタイム状態(AT状態、RT状態)に制御されることを通知する信号を、有利状態に制御されることを特定可能な信号としてもよい。
[4−2.遊技用装置]
上記の実施形態では、本発明に係る遊技用装置を、カードユニット3やデータ表示装置4として説明したが、遊技用装置はこれらに限られるわけではない。タッチパネルが一体的に構成された表示部を備える遊技用装置であれば、本発明を同様に適用することが可能であり、例えば、前述した台間計数ユニット5や呼出ランプ装置7を、本発明に係る遊技用装置とすることも可能である。
また、遊技機に対応して設けられる遊技用装置に限らず、店舗に設けられ、店内のレイアウトやイベント情報を遊技客が確認することが可能に構成された情報端末の一種であるキオスク装置や、遊技者に来店ポイントを付与するポイント付与装置等の装置を、本発明に係る遊技用装置としてもよい。
また、上記の実施形態では、本発明に係る遊技用装置が、遊技機を含む外部装置として、遊技機、管理装置、他の遊技用装置等の外部装置から信号を受信して処理を実行することとして説明したが、これらの外部装置のうちのいずれの外部装置から受信した信号に基づいて本発明に係る処理を実行するかは、適宜設定変更することが可能である。例えば、遊技機から受信した信号は本発明に係る処理を実行する対象とするが、管理装置から受信した信号は対象から除外することとしてもよい。また、これとは逆に、管理装置から受信した信号は本発明に係る処理を実行する対象とするが、遊技機から受信した信号は対象から除外することとしてもよい。
また、本発明に係る遊技用装置は、必ずしも上記の各種の外部装置から信号を受信する受信部を備えていなければならないわけではなく、上記の各種の外部装置のうちの一部の外部装置から信号を受信する受信部を備えることとしてもよい。例えば、遊技機から信号を受信する受信部は備えるが、管理装置から信号を受信する受信部は備えないこととしてもよい。また、これとは逆に、管理装置から信号を受信する受信部は備えるが、遊技機から信号を受信する受信部は備えないこととしてもよい。つまり、本発明に係る外部装置に遊技機を含めない構成としてもよい。
[4−3.管理装置/配信装置]
上記の実施形態では、本発明に係る管理装置/配信装置をホールコンピュータとして説明したが、ホールコンピュータに代えて、玉管理コンピュータやメダル管理コンピュータを、本発明に係る管理装置/配信装置としてもよい。また、会員情報を管理する会員管理コンピュータや、カード情報を管理するカード管理コンピュータを、本発明に係る管理装置/配信装置としてもよい。また、これらの管理コンピュータのうちの2以上の機能を有するコンピュータを、本発明に係る管理装置/配信装置としてもよい。
[4−4.遊技用システム]
上記の実施形態では、遊技機から出力される信号が遊技用装置に直接的に入力される遊技用システムを構成したが、これに限らず、遊技機から出力される信号が管理装置に入力され、この信号が管理装置を介して間接的に遊技用装置に入力される遊技用システムを構成してもよい。
[4−5.調整表示の終了]
上記の実施形態で説明した遊技用装置において、調整表示中にイベントが発生した場合に、当該調整表示を終了するようにしてもよい。
図70は、この場合に、第1実施形態で説明したカードユニット3の処理部310が実行する表示終了処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図18で説明した表示中断処理と同様のステップについては同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
J3において表示調整フラグが「ON」であると判定したならば(J3;Yes)、処理部310は、表示部355に表示中の表示調整画面の表示を終了させる(K7)。そして、処理部310は、J9へと処理を移し、イベント処理を実行する。
イベントが終了したならば(J11;Yes)、処理部310は、イベントの対応画面の表示を終了させる(J13)。そして、処理部310は、初期メニュー画面を表示部355に表示させた後(K17)、J1へと処理を戻す。
なお、ここでは、第1実施形態におけるカードユニット3が実行する処理として表示終了処理を例示したが、第2実施形態におけるカードユニット3や、第3実施形態におけるデータ表示装置4、変形例における各種の遊技用装置についても、同様の処理を適用することが可能である。
[4−6.表示設定]
上記の実施形態では、ホールコンピュータ6等の管理装置から配信される設定用データに基づいて、カードユニット3やデータ表示装置4等の遊技用装置が表示設定を行うこととして説明した。しかし、これに限らず、これらの遊技用装置の記憶部に表示設定用のデータを記憶させておき、店舗の管理者や従業員が、操作部(タッチパネルを含む。)を用いて操作を行うことで、遊技用装置が表示設定を行うことを可能としてもよい。
また、店舗の管理者や従業員が、所持している設定用リモコンを用いて遊技用装置が表示設定を行うための設定情報を送信することによって、遊技用装置が表示設定を行うことを可能としてもよい。
さらに、遊技用装置が、インターネット等の通信ネットワークを利用して店舗外に設置される外部装置(例えばカード会社に設置されるサーバ)から設定情報をダウンロードすることを可能とし、ダウンロードした設定情報に基づいて、表示設定を行うようにしてもよい。
[4−7.表示調整の対象画面]
上記の実施形態では、カードユニット3やデータ表示装置4に表示されるメニュー画面を表示調整の対象画面として表示調整を実行することとして説明した。しかし、表示調整の対象画面はメニュー画面に限らず、上記の実施形態で例示した各種の表示画面とすることが可能である。この場合における表示調整の手法及び調整表示の中断、終了の手法は、上記の実施形態と同様である。
[4−8.表示調整の種類]
上記の実施形態で説明した表示調整はあくまでも一例に過ぎず、遊技用装置が、他の種々の表示調整を実行するように構成することも可能である。例えば、遊技用装置が、以下に例示する表示調整設定データに基づいて、以下に説明するような表示調整を実行するようにしてもよい。これらの表示調整設定データは、上記の実施形態のように、ホールコンピュータ6等の管理装置から設定データに含めて各遊技用装置に配信するようにしてもよいし、遊技用装置の記憶部に予め記憶させておくようにしてもよい。
図58は、遊技用装置が表示調整を行うための設定データの一例である表示調整設定データのデータ構成の一例を示す図である。
この表示調整設定データは、表示種別毎に、表示調整用の設定データが定められている。図58の最上位の表示調整設定データは、表示種別が「スペック情報」である設定データであり、ピンチ操作による拡大率と対応付けて、当該拡大率に応じたスペック情報の表示内容が定められている。
具体的には、拡大率「100%〜150%」には表示内容「通常大当り確率」が、拡大率「150%〜200%」には表示内容「通常大当り回数及び確変大当り回数」が、拡大率「200%〜250%」には表示内容「通常大当り回数、確変大当り回数及び確変突入率」が、拡大率「250%〜300%」には表示内容「通常大当り回数、確変大当り回数、確変突入率及び継続率」が、拡大率「300%〜」には表示内容「通常大当り回数、確変大当り回数、確変突入率、継続率及び平均出玉数」がそれぞれ定められている。
つまり、遊技者がスペック情報を表示するスペック情報表示枠内でピンチアウト操作を行うと、拡大表示処理によってスペック情報表示枠が拡大表示されるが、この際、ピンチアウト操作による拡大率に応じて、より詳細なスペック情報を表示する表示調整を実行する。
図59は、この場合における表示調整の流れを説明するための図であり、カードユニット3の表示部に表示されるメニュー画面を図示したものである。
遊技者がメニュー画面の第1領域R1内のスペック情報枠をタッチしてピンチアウト操作を行うと、拡大表示処理により、スペック情報枠の部分が拡大される。この際、遊技者がタッチしている2本の指を広げるほど拡大率が増加するが、初期状態ではスペック情報枠内の表示内容が通常大当り確率のみであったものが、拡大率の増加に伴い、スペック情報枠内の表示内容が、「通常大当り確率」→「通常大当り確率及び確変大当り確率」→「通常大当り確率、確変大当り確率及び確変突入率」、・・・、といったように変化していく。
逆に、ピンチイン操作によって2本の指を狭めることで拡大率が減少すると、スペック情報枠内の表示内容が、「通常大当り確率、確変大当り確率及び確変突入率」→「通常大当り確率及び確変大当り確率」→「通常大当り確率」といったように変化していく。
このような調整表示を行うことで、遊技者は、ピンチ操作といった簡易な操作によって、スペック情報の表示内容を変化させることができる。ピンチアウト操作によってより詳細なスペック情報が表示されるため、遊技者にとっては操作がし易く、直感的に分かり易い表示を実現することができる。
図60は、表示調整設定データの別例を示す図である。
この表示調整設定データについても、表示種別毎に、表示調整用の設定データが定められている。図60の最上位の表示調整設定データは、表示種別が「台データ」である設定データであり、タッチ位置変化と表示内容とが対応付けて定められている。
タッチ位置変化には、パン操作によって遊技者によってタップされる枠の位置の変化が定められており、表示内容には、当該タッチ位置変化によって表示する表示内容が定められている。
具体的には、タッチ位置「台データ枠1」には表示内容「当日総大当り回数」が、タッチ位置「台データ枠1→台データ枠2」には表示内容「当日総大当り回数及び当日確変大当り回数」が、タッチ位置「台データ枠2→台データ枠3」には表示内容「当日総大当り回数、当日確変大当り回数及び前日確変大当り回数」が、・・・、それぞれ定められている。
つまり、遊技者が台データ枠をタッチした後、その状態を維持して別の台データ枠に向けて指をゆっくりと移動させるパン操作を行うと、指の移動先の台データ枠内に対応する表示内容が表示される。
図61は、この場合における表示調整の流れを説明するための図であり、カードユニット3の表示部に表示される台データ画面を図示したものである。
この台データ画面には、複数の台データ枠がツリー構造で表示されている。
遊技者がツリーの最上位の台データ枠1をタッチすると、当該台データ枠1に対応する表示内容である当日総大当り回数が表示される。この状態で遊技者が指を台データ枠1の左下の台データ枠2に移動させると、当該台データ枠2に対応する表示内容である当日確変大当り回数が表示される。そして、この状態で遊技者が指を台データ枠2の左下の台データ枠3に移動させると、当該台データ枠3に対応する表示内容である前日確変大当り回数が表示される。
このような調整表示を行うことで、遊技者は、パン操作といった簡易な操作によって、台データの表示内容を変化させることができる。パン操作によってより詳細な台データが表示されるため、遊技者にとっては操作がし易く、直感的に分かり易い表示を実現することができる。
なお、上記では、2つの調整表示のバリエーションを例示したが、これらの調整表示の他にも、種々の調整表示を同様に適用することが可能である。例えば、ピンチアウト操作によってより詳細な台データを表示させるようにしたり、パン操作によってより詳細なスペック情報を表示させる表示調整を行うこととしてもよい。
また、スペック情報や台データの他にも、玉貸情報やサービス情報、フロアガイド情報を対象として、ピンチアウト操作やパン操作等の表示調整操作によって、より詳細な玉貸情報やサービス情報、フロアガイド情報を表示させる表示調整を行うこととしてもよい。
[4−9.記録媒体]
遊技者が所持し、遊技機での遊技に使用可能な記録媒体は、上記の実施形態で説明した会員カードやビジターカード等の遊技用カードに限られるわけではない。例えば、遊技者が所持するスマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末、PDA等の遊技者端末を記録媒体としてもよい。
この場合、例えばIC対応のスマートフォンが遊技用装置に設けられたICリーダに翳されたことを記録媒体の受付とし、遊技者が電子マネーによる入金を行って遊技機で遊技することを可能としてもよい。また、カード返却アイコンがタップされた場合に受付解除待機状態とし、この受付解除待機状態において受付中のスマートフォンと同一のスマートフォンがICリーダに翳された場合に、記録媒体の受付を解除するようにしてもよい。
[4−10.データ表示装置の第2表示部の表示]
上記の実施形態で説明したデータ表示装置4の第2表示部440に、遊技者が遊技したパチンコ機2が、(1)遊技者が唯一遊技した唯一遊技機種、(2)遊技者の遊技時間が第1の所定時間よりも長い長時間遊技機種、(3)遊技者が最初に遊技した初遊技機種、(4)遊技者の遊技時間が第2の所定時間よりも短い短時間遊技機種、の1以上の遊技機種のうちのいずれの遊技機種であるかの集計結果に関する情報を表示させてもよい。
また、パチンコ機2での遊技において、遊技球が遊技領域のうちの第1領域を通過した回数及び/又は割合と、遊技球が遊技領域のうちの第2領域を通過した回数及び/又は割合とを、遊技球の発射強度別に集計した集計結果に関する情報を表示させてもよい。
この場合、データ表示装置4の処理部410は、パチンコ機2に併設されるカードユニット3に挿入された会員カードに記録されたカード情報に基づいて、遊技者が遊技した遊技機種を判定する。図示は省略するが、カード情報には、会員IDと対応づけて、パチンコ機2のID別に、遊技者が該パチンコ機2での遊技時刻が記録される。遊技時刻には、該パチンコ機2での遊技を開始した遊技開始時刻と、該パチンコ機2での遊技を終了した遊技終了時刻とが含まれる。処理部410は、これらの遊技時刻に基づいて、遊技者が遊技した遊技機種が上記の(1)〜(4)のいずれの遊技機種であるかを判定する。
遊技機種の判定方法の一例を説明する。該会員IDの会員が遊技したパチンコ機2が1台のみである場合は、その台番号のパチンコ機2を唯一遊技機種と判定する。該会員IDの会員が遊技したパチンコ機2のうち、遊技開始時刻から遊技終了時刻までの時間として求められる遊技時間が第1の所定時間(例えば3時間)よりも長い台番号のパチンコ機2を長時間遊技機種と判定する。該会員IDの会員が遊技したパチンコ機2のうち、遊技開始時刻から遊技終了時刻までの時間として求められる遊技時間が第2の所定時間(例え15分)よりも短い台番号のパチンコ機2を短時間遊技機種と判定する。また、該会員IDの会員が遊技したパチンコ機2のうち、遊技開始時刻が最も古い台番号のパチンコ機2を初遊技機種と判定する。
処理部410は、上記の遊技機種の判定結果に基づいて、遊技者が遊技した遊技機種がいずれの遊技機種であるかを集計し、その集計結果をデータベース化して記憶する。そして、処理部410は、データベースに記憶された遊技機種の集計結果に基づいて、例えば、遊技機種を周囲の遊技客が視認しやすいようにグラフ化し、生成したグラフを第2表示部440に表示させる制御を行う。
図62は、この場合におけるデータ表示装置4の第2表示部440の表示画面の一例を示す図である。
図62(1)では、該パチンコ機2が長時間遊技機種として遊技者により遊技された割合を表す円グラフ(機種別長時間遊技機種割合円グラフ)が第2表示部440に表示されている。この円グラフの代わりに棒グラフで該パチンコ機2が長時間遊技機種として遊技者により遊技された割合を表したもの(機種別長時間遊技機種割合棒グラフ)が図62(2)であり、機種別長時間遊技機種割合棒グラフが第2表示部440に表示されている。第2表示部440に上記のようなグラフ表示を行うことで、周囲の遊技客は、該パチンコ機2で長時間遊技が行われた割合を知ることができる。
なお、上記は長時間遊技機種について生成した円グラフ及び棒グラフの表示画面の一例であるが、これに代えて、唯一遊技機種や初遊技機種、短時間遊技機種について生成した円グラフや棒グラフを第2表示部440に表示させるようにしてもよい。このような表示を行うことで、周囲の遊技客は、該パチンコ機2で唯一遊技や初遊技、短時間遊技が行われた割合を知ることができる。長時間遊技の割合が高いパチンコ機2は、人気のある機種であることがわかり、唯一遊技の割合が高いパチンコ機2は、非常に人気のある機種であることがわかる。また、短時間遊技の割合が高いパチンコ機2は、それほど人気のない機種であることがわかる。これにより、周囲の遊技客は、人気のある遊技機種や人気のない遊技機種を判断することができ、遊技する機種を選択する際の参考にすることができる。
図63は、第2表示部440の表示画面の別例を示す図である。
図63(1)では、パチンコ機2の機種Aについて、遊技者が遊技をした遊技機種の判定結果を示す円グラフが第2表示部440に表示されている。具体的には、機種Aついて、遊技者が初遊技をした割合、短時間遊技をした割合、長時間遊技をした割合及び唯一遊技をした割合が円グラフ形式で表されている。
これを棒グラフ形式で表したものが図63(2)であり、機種Aについて、遊技者が初遊技をした割合、短時間遊技をした割合、長時間遊技をした割合及び唯一遊技をした割合が棒グラフ形式で第2表示部440に表示されている。
このような表示を行うことで、周囲の遊技客は、該パチンコ機2が唯一遊技機種、長時間遊技機種、初遊技機種、短時間遊技機種として遊技された割合を知ることができ、該パチンコ機2が人気のある機種であるか人気のない機種であるかを判断することができる。
また、本実施形態において、パチンコ機2が備える発射装置は、遊技球の発射強度を検出する発射強度センサを有し、この発射強度センサにより、発射装置から発射された遊技球の発射強度を検出する。そして、検出した発射強度を示す発射強度信号をデータ表示装置4に出力する。また、パチンコ機2は、遊技領域に打ち込まれた遊技球が各入賞口(普通入賞口や始動入賞口、大入賞口)を通過した際に、遊技球が入賞口を通過したことを示す通過領域信号をデータ表示装置4に出力する。この際、パチンコ機2は、通過領域信号に遊技球の発射強度を紐付けて出力する。
データ表示装置4は、パチンコ機2から出力される発射強度信号や通過領域信号に基づいて、遊技球の発射強度や通過領域を判定する。そして、その判定結果に基づいて、遊技球が遊技領域のうちの第1領域を通過した回数及び/又は割合と、遊技球が遊技領域のうちの第2領域を通過した回数及び/又は割合とを、遊技球の発射強度別に集計する。ここで、第1領域及び第2領域には、遊技球が入賞する各種の入賞口(普通入賞口や始動入賞口、大入賞口)や、遊技領域内の区分けされた打込領域(右打領域や左打領域、ぶっ込み領域)が含まれる。
図64は、処理部410が、発射強度に応じていずれの打込領域に遊技球が打ち込まれたかを判定するために用いる発射強度しきい範囲テーブルのテーブル構成の一例を示す図である。
発射強度しきい範囲テーブルには、打込領域と、発射強度しきい範囲とが対応付けて記憶されている。打込領域は、例えば「右打領域」と、「左打領域」と、「ぶっ込み領域」とに分けられている。ここで、「右打領域」とは遊技領域の右側の領域であり、「左打領域」とは遊技領域の左側の領域である。また、「ぶっ込み領域」とは、この領域に遊技球が打ち込まれることで遊技球が始動入賞口の方へ流れやすいとされる領域である。
発射強度しきい範囲には、右打領域については発射強度しきい範囲AR(下限値ARlow〜上限値ARhi)が、左打領域については発射強度しきい範囲AL(下限値ALlow〜上限値ALhi)、ぶっ込み領域については発射強度しきい範囲AB(下限値ABlow〜上限値ABhi)がそれぞれ定められている。
処理部410は、パチンコ機2から出力される発射強度信号に基づいて総打込数及び総打込割合を集計する。また、発射強度信号から特定される発射強度が発射強度しきい範囲テーブルのいずれの発射強度しきい範囲に含まれるかを判定することで、遊技球の打込領域を判定する。そして、その判定結果に基づいて、打込領域別に総打込数及び総打込割合を集計する。
図65は、処理部410が集計した発射強度別通過領域データのデータ構成の一例を示す図である。
発射強度別通過領域データは、発射強度別の遊技球の通過領域の集計結果のデータであり、パチンコ機IDと、遊技球の通過領域、総通過数及び発射強度別通過数とを対応付けた発射強度別通過数データと、遊技球の通過領域、総通過割合及び発射強度別通過割合を対応付けた発射強度別通過割合データとが記憶される。
通過領域には、第1始動入賞口、第2始動入賞口、第3始動入賞口、第1普通入賞口、第2普通入賞口、第3普通入賞口及び大入賞口が定められている。また、大入賞口は、確変入賞口を含む。各入賞口について、パチンコ機2から出力される発射強度信号及び通過領域信号に基づいて、通過領域別の総通過数、発射強度別通過数、総通過割合及び発射強度別通過割合を集計し、発射強度別通過領域データに記憶させる。
なお、本実施形態では、各パチンコ機2について、発射強度別通過数及び発射強度別通過割合の両方を集計することとして説明するが、これらのうちのいずれか一方のみを集計するようにしてもよい。つまり、発射強度別通過数のみを集計してもよいし、発射強度別通過割合のみを集計するようにしてもよい。
図66は、処理部410が集計した発射強度別打込領域データのデータ構成の一例を示す図である。
発射強度別打込領域データは、発射強度別の遊技球の打込領域の集計結果のデータであり、パチンコ機IDと、遊技球の打込領域、総打込数及び発射強度別打込数とを対応付けた発射強度別打込数データと、遊技球の打込領域、総打込割合及び発射強度別打込割合を対応付けた発射強度別打込割合データとが記憶される。
打込領域には、前述した右打領域、左打領域及びぶっ込み領域が含まれる。各打込領域について、処理部410は、パチンコ機2から出力される発射強度信号に基づいて総打込数及び総打込割合を集計する。また、発射強度信号から特定される発射強度が発射強度しきい範囲テーブルのいずれの発射強度しきい範囲に含まれるかを判定することで、遊技球の打込領域を判定し、その判定結果に基づいて、打込領域別に発射強度別打込数及び発射強度別打込割合を集計する。
なお、本実施形態では、各パチンコ機2について、発射強度別打込数及び発射強度別打込割合の両方を集計することとして説明するが、これらのうちのいずれか一方のみを集計するようにしてもよい。つまり、発射強度別打込数のみを集計してもよいし、発射強度別打込割合のみを集計するようにしてもよい。
処理部410は、上記の発射強度別の通過領域(打込領域を含む。)の集計結果に基づいて、例えば、遊技球の発射強度別の通過領域を周囲の遊技客が視認しやすいようにグラフ化し、生成したグラフを第2表示部440に表示させる制御を行う。
図67は、この場合におけるデータ表示装置4の第2表示部440の表示画面の一例を示す図である。
図67(1)では、発射強度別の始動入賞口への入賞の割合を示す円グラフが第2表示部440に表示されている。具体的には、始動入賞口への遊技球の入賞を示す割合が、発射強度「T0〜T9」〜発射強度「T90〜T99」別に表されている。
これを棒グラフ形式で表したのが図67(2)であり、発射強度別の始動入賞口への入賞の割合を示す棒グラフが第2表示部440に表示されている。このような表示を行うことにより、遊技者以外の遊技客は、発射強度に応じて遊技球がどの領域を通過する傾向にあり、どの程度のハンドル操作を行えば遊技球を始動入賞口に入賞させることができるかを把握することができる。
なお、始動入賞口ではなく、発射強度別の普通入賞口に入賞した遊技球の数や割合に関する情報をグラフ形式で第2表示部440に表示させるようにしてもよい。また、発射強度別の大入賞口や確変入賞口に入賞した遊技球や割合に関する情報をグラフ形式で第2表示部440に表示させるようにしてもよい。これにより、周囲の遊技客は、どの程度のハンドル操作を行えば遊技球を普通入賞口や大入賞口、確変入賞口に入賞させることができるかを把握することができる。
なお、本実施形態では、データ表示装置4の処理部410が遊技機種の集計を行うこととして説明したが、この遊技機種の集計をホールコンピュータ6の処理部610が行うようにしてもよい。この場合は、ホールコンピュータ6が集計結果をデータベース化して記憶するようにし、データベースに記憶された集計結果のデータを、データ表示装置4に送信するようにすればよい。また、玉管理コンピュータ8が遊技機種の集計を行うようにしてもよい。また、ホールコンピュータ6や玉管理コンピュータ8とは別に会員カードを管理する会員管理コンピュータを店舗に設置することとし、この会員管理コンピュータが遊技機種の集計を行うようにしてもよい。
また、ホールコンピュータ6、玉管理コンピュータ8、会員管理コンピュータのうちの2つ又は3つの機能を兼ねたコンピュータが遊技機種の集計を行うようにしてもよい。つまり、(1)ホールコンピュータ6と玉管理コンピュータ8の機能を兼ねたコンピュータ、(2)ホールコンピュータ6と会員管理コンピュータの機能を兼ねたコンピュータ、(3)玉管理コンピュータ8と会員管理コンピュータの機能を兼ねたコンピュータ、(4)ホールコンピュータ6と玉管理コンピュータ8と会員管理コンピュータの機能を兼ねたコンピュータのうちのいずれかのコンピュータが遊技機種の集計を行うようにしてもよい。
発射強度別の通過領域の集計についても同様であり、データ表示装置4の処理部410が発射強度別の通過領域の集計を行うようにするのではなく、ホールコンピュータ6の処理部610が発射強度別の通過領域の集計を行うようにしてもよい。この場合は、パチンコ機2が、前述した発射強度信号及び通過領域信号をホールコンピュータ6に出力すればよい。
[4−11.その他]
上記の実施形態では、管理装置から出力される定期告知信号に基づいて実行する定期告知を、一斉演出信号に基づいて実行する一斉演出とは異なる演出として説明したが、定期告知を一斉演出に含めることとしてもよい。また、これとは逆に、一斉演出を定期告知に含めることとしてもよい。
また、上記の実施形態では、カードユニット3や台間計数ユニット5の計数払出ユニット380に流入した遊技球が、計数センサにより検出され、1球の遊技球の検出に応じて所定パルスの検出信号が計数払出ユニット380から制御ユニット500や制御ユニット300に対して出力されて、これに応じて制御ユニット500や制御ユニット300において記憶される所持球数(持玉数)が1ずつ増加する例について説明した。すなわち、1球の遊技球が検出されたことに基づいて直ちに所持球数(持玉数)が1増加する例について説明した。
しかし、このような形態に限らず、1球の遊技球が検出されたことに基づいて、直ちに所持球数(持玉数)を更新せずに、一旦「計数球数」を更新させ(1増加させ)、(1)所定期間内(例えば10秒以内)に「計数球数」が増加しなかったこと、(2)所定期間内の「計数球数」の増加数が所定値より小さくなったこと、(3)あるいは所定期間内の「計数球数」の増加率が所定率より小さくなったこと、等の所定条件に基づいて、該「計数球数」を所持球数(持玉数)に加算するようにしてもよい。
例えば、大当り遊技状態のときには、所定期間内に「計数球数」が増加するため、大当り遊技状態中(ラウンド中)は所持球数(持玉数)が増加せず、「計数球数」が大当り種別(大当り遊技状態に制御されている期間)に応じた数(例えば1000〜2000)まで増加する。そして、大当り遊技状態が終了して、大入賞口への入賞に基づく賞球の払出が終了した後のタイミングで、「計数球数」が所持球数(持玉数)に加算されることになる。
また、上記の封入方式パチンコ機2´を本発明に係る遊技機とする場合において、広域の店舗に設置された全ての封入方式パチンコ機2´に通番のIDを割り当て、所定の管理装置(例えば各店舗に設置されるホールコンピュータ6)が、各店舗に設置された全ての封入方式パチンコ機2´の遊技情報を管理・集計する遊技用システムを構築することが可能である。ここで、「広域」とは、例えば、所定の区域(例えば都道府県別の区域)とすることもできるし、全国とすることもできる。この場合、一の店舗に設置されたホールコンピュータ6が、他の店舗に設置された封入方式パチンコ機2´での遊技に関連する情報を、自店舗に設置されたデータ表示装置4に表示させるような遊技用システムを構築することが可能である。
このような遊技用システムでは、ホールコンピュータは、他の店舗のホールコンピュータと通信を行うための通信部を備え、ホールコンピュータは、自店に設置された各封入方式パチンコ機2´の遊技結果を集計した自店遊技集計データを、通信部を介して他店のホールコンピュータに送信する。また、ホールコンピュータは、他の店舗に設置されたホールコンピュータから、他店に設置された各封入方式パチンコ機2´の遊技結果を集計した他店遊技集計データを、通信部を介して受信する。自店遊技集計データ及び他店遊技集計データは、例えばハードディスクにデータベース化して記憶される。
そして、ホールコンピュータは、所定のタイミング(例えば、所定時間が経過する毎のタイミング)で、自店及び他店の封入方式パチンコ機2´の機種別の遊技集計データを、該機種の封入方式パチンコ機2´に対応して設けられたデータ表示装置4に送信する。そして、データ表示装置4の処理部410は、ホールコンピュータから受信した遊技集計データに基づいて、自店及び他店の封入方式パチンコ機2´での遊技に関連する情報を第2表示部440に表示させるように制御する。
図68は、この場合にデータ表示装置4の第2表示部440に表示される表示画面の一例を示す図である。
第2表示部440には、封入方式パチンコ機2´の機種である「パチンコXXX」について、自店の大当り平均回数である当店大当り平均回数と、他店であるA店の大当り平均回数とがそれぞれ表示されている。また、A店よりも自店の大当り平均回数の方が多かったため、「当店の方が大当り回数が多いです!!」というメッセージが表示されている。このような表示を行うことで、周囲の遊技客は、該店舗の封入方式パチンコ機2´の大当り回数に加えて、他店舗の封入方式パチンコ機2´の大当り回数を知ることができ、どの店舗で遊技を行えば有利であるかを把握することができる。
また、データ表示装置4の第1表示部430及び第2表示部440の表示内容に関して、第1表示部430にはパチンコ機2の種類に応じた情報を表示させ、第2表示部440にはパチンコ機2の種類に因らない情報を表示させるようにしてもよい。パチンコ機2の種類に因らない情報としては、大当り中、確変中、空き台中、回転数、入賞数等のパチンコ機2のスペックに直接的に依存しない情報が挙げられる。第1表示部430には、潜伏確変情報や時短情報、突確情報、小当り情報等のパチンコ機2の種類に依存する情報を表示させるように制御し、第2表示部440には、大当り中、確変中、空き台中、回転数、入賞数等のパチンコ機のスペックに直接的に依存しない情報を表示させるように制御すればよい。
また、上記の実施形態では、データ表示装置4の第1表示部430にタッチパネル421を設けることとし、遊技者が指で画面をタップすることにより店員の呼び出しやメニュー選択を行うこととして説明した。しかし、タッチパネル421の代わりに筐体に呼出ボタンやメニュー選択ボタンを設けることとし、遊技者が呼出ボタンやメニュー選択ボタンを押下することにより、店員の呼び出しやメニュー選択を行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、第1表示部430の左右に1つずつ第2表示部440を設けることとして説明したが、左右のいずれか一方にのみ第2表示部440を設けることとしてもよい。また、第2表示部440を基体部4Aから通路側に突出するように設けるのではなく、基体部4Aの側面に設けることとしてもよい。この場合も、左右の両方の側面に第2表示部440を設けてもよいし、左右のいずれか一方の側面にのみ第2表示部440を設けることとしてもよい。
また、上記の実施形態では、データ表示装置4を、ヒンジ部4Cにより扉部4Bを回動させることで、第2表示部440の角度を第1表示部430に対して相対的に変化させることが可能な構成として説明したが、第2表示部440の角度が第1表示部430に対して相対的に変化しないような固定的な構成とすることも可能である。この場合は、第2表示部440を形成した部材(以下、「サブ基体部」という。)が、基体部4Aに対して所定の開き角度を有するように、基体部4Aとサブ基体部とを一体的に構成すればよい。
具体的には、基体部4Aとサブ基体部とが重なり合った状態の開き角度を0°とし、その状態からサブ基体部を扉のように開いて(基体部4Aの一端を基準として回転させて)、サブ基体部が基体部4Aに対して垂直となった状態の開き角度を90°と定義した場合、サブ基体部の設置角度は、例えば、60°〜90°の角度範囲に含まれる設置角度とすることができる。この角度範囲に含まれる設置角度とすれば、遊技機で遊技する遊技者の遊技位置から第2表示部440を視認することはできないが、遊技島の端から周囲の遊技客が第2表示部440を視認することができる。
また、上記の他に、第2表示部440をデータ表示装置4の本体側面(左右両方の側面又は左右一方の側面)に配置することとしてもよい。つまり、基体部4Aから通路側に突出するようにサブ基体部を設けるのではなく、基体部4Aの側面にサブ基体部を設けることとしてもよい。
また、第2表示部440は、必ずしも文字や数字で情報を表示するディスプレイである必要はなく、発光により情報を遊技客に報知するLEDランプとしてもよい。具体的には、例えば、円形や多角形(三角形や四角形、六角形等)のLEDランプを形成したサブ基体部をデータ表示装置4の本体側面(左右両方の側面又は左右一方の側面)に設けることでサイドランプを構成することができる。また、基体部4Aからブリッジを用いて通路側に突出させるような形でLEDランプを設けることとしてもよい。この場合、データ表示装置4の処理部410は、パチンコ機2の大当り中や確変中、潜伏確変中、時短中、空き台中といった情報を、それぞれ異なる発光色や発光パターンでLEDランプに発光させるように制御すればよい。
図69は、この場合におけるLEDランプの発光の設定に関するテーブルである発光設定用テーブルのテーブル構成の一例を示す図である。
この発光設定用テーブルは、ホールコンピュータ6の記憶部に予め記憶させておくことができる。そして、ホールコンピュータ6の処理部610は、記憶部に記憶されている発光設定用テーブルに基づいて、データ表示装置4の第2表示部440の発光に関する設定を行う。
発光設定用テーブルには、種別と、番号と、LEDランプの発光設定とが対応付けて記憶されている。LEDランプの発光設定には、報知内容と、発光色と、発光パターンとが定められている。報知内容は、その発光色及び発光パターンにより遊技客に報知する内容である。
例えば、該パチンコ機2が空き台であることを示す「空き台情報」には、発光色として「青色」が、発光パターンとして「点灯」が定められている。つまり、該パチンコ機2が空き台である場合は、LEDランプが青色に点灯制御されることになる。
該パチンコ機2が大当り中であることを示す「大当り情報」には、発光色として「赤色」が、発光パターンとして「α秒の時間間隔で点滅」が定められている。つまり、該パチンコ機2が空き台である場合は、LEDランプが赤色に点滅制御されることになる。
該パチンコ機2が潜伏確変中であることを示す「潜伏確変情報」には、発光色として「緑色」が、発光パターンとして「β秒の時間間隔で点滅」が定められている。つまり、該パチンコ機2が潜伏確変中である場合は、LEDランプが緑色に点灯制御されることになる。
該パチンコ機2が潜伏確変中であることを示す「潜伏確変情報」には、発光色として「黄色」が、発光パターンとして「γ秒の時間間隔で点滅」が定められている。つまり、該パチンコ機2が時短中である場合は、LEDランプが黄色に点灯制御されることになる。
なお、上記のLEDランプの発光設定に係る報知内容と発光色、発光パターンとの対応関係は一例に過ぎず、適宜設計変更可能である。LEDランプの点滅の時間間隔(例えば上記のα秒、β秒、γ秒)も適宜設定することが可能である。また、固定的な発光色でLEDランプを発光させるのではなく、種々の発光色を組み合わせたイルミネーションによって周囲の遊技客に情報を発信するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、データ表示装置4がホールコンピュータ6から一斉演出表示指示信号を受信した場合に、一斉演出表示を行うこととして説明した。しかし、データ表示装置4が具備する時計部465の計時時刻に基づいて、一斉演出表示を行うようにしてもよい。この場合、パチンコ機2が具備する時計部であるRTC235と時計部465とを同期させて、パチンコ機2が一斉演出を行うのと同じタイミングで一斉演出表示を行うようにすればよい。
また、大当りランニング演出では、ホールコンピュータ6が大当りランニング演出用の表示指示信号を所定の遅延時間分の遅延をかけて各データ表示装置4に送信することで、大当りランニング演出を行うこととして説明したが、大当りランニング演出を実現するための構成はこれに限られるわけではない。
例えば、データ表示装置4同士を所定の通信ケーブルを用いて接続し、大当りランニング演出実行信号をこの通信ケーブルを用いて相互に伝送するようにしてもよい。この場合は、データ表示装置4が、隣接するデータ表示装置4から大当りランニング演出実行信号を受信した場合に、所定の時間差だけ時間をずらして大当りランニング映像を表示し、次のデータ表示装置4に大当りランニング演出実行信号を送信するようにすればよい。つまり、大当りランニング演出実行信号をデータ表示装置4の識別番号に応じて昇順又は降順に順次に伝送していくようにすることで大当りランニング演出を実現することができる。
また、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、遊技用装置に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採用しても構わない。