本発明に係る遊技用装置は、遊技機(第1実施形態,第2実施形態に係るパチンコ機110、第4実施形態に係るパチンコ機2、スロットマシン)での遊技に使用可能であり遊技者が所有する所有価値(貯玉数、所持球数、所持メダル数)を、該所有価値が貸与される際の貸与レート(例えば4円と1円)毎に記憶する所有価値記憶手段(制御部122の貯玉テーブル)と、該所有価値記憶手段が記憶する一の貸与レートに対応する第1の所有価値(例えば4円貯玉数)を、他の貸与レートに対応する第2の所有価値(例えば1円貯玉数)に変換する変換手段(S118の変換処理を行う制御部122のCPU)と、を備える遊技用装置(第1実施形態,第2実施形態に係る玉貸ユニット120、第4実施形態に係るカードユニット3)である。
また、本発明に係る遊技用システムは、前記遊技機での遊技に使用可能であり遊技者が所有する前記所有価値を、該所有価値が貸与される際の貸与レート毎に管理する所有価値管理手段(制御部122の貯玉テーブル、会員管理装置162の貯玉DB、持玉管理コンピュータ8のCPU)と、該所有価値管理手段が管理する一の貸与レートに対応する前記第1の所有価値を、他の貸与レートに対応する前記第2の所有価値に変換する変換手段(S118の変換処理を行う制御部122のCPU、同変換処理を行う会員管理装置162のCPU、同変換処理を行う持玉管理コンピュータ8のCPU)と、を備える遊技用システム(第1実施形態,第2実施形態に係る遊技用システム1、第4実施形態に係る第4遊技用システム1B)である。
この遊技用システムには、第1実施形態,第2実施形態に係る遊技用システム1(図1〜図11)と、第3実施形態に係る遊技用システム1A(図12〜図40)と、第4実施形態に係る遊技用システム1B(図41〜図65)と、第5実施形態に係る遊技用システム1C(図66〜図67)とが含まれる。以下、各実施形態について説明する。以下においては、遊技機がパチンコ機,遊技媒体がパチンコ玉である例について説明する。また、以下においては、データベースを「DB」,リーダ/ライタを「R/W」,ステップSを「S」と略記する。
[1.第1実施形態]
第1実施形態に係る遊技用システム1は、図1に示すように、遊技場内において、複数の遊技島の各々に配置される複数のパチンコ機110の各々に対応して1対1で設けられる玉貸ユニット120と、複数の遊技島の各々に設けられ、各遊技島に設けられる全ての玉貸ユニット120と通信可能な島コンピュータ163と、全ての島コンピュータ163と通信可能なホールコンピュータ160,残額管理装置161,及び会員管理装置162とを備えている。
この遊技用システム1では、図4(b)に示すように、プリペイドカード102が使用される。プリペイドカード102は、当該プリペイドカード102を個々に識別可能なカードIDと、有価価値であるプリペイド残額を示すプリペイド残額データとが、有価価値を特定可能な情報として記憶されたものであり、遊技者に対して、玉貸ユニット120又は遊技場内の所定箇所に設けられるプリペイドカード発行装置(図示外)で発行される。
また遊技用システム1では、図4(b)に示すように、会員カード103が使用される。会員カード103は、当該会員カード103を個々に識別可能なカードIDと、有価価値であるプリペイド残額を示すプリペイド残額データとが、有価価値を特定可能な情報として記憶されると共に、会員である遊技者を個々に識別可能な会員IDが、当該遊技者が所有する所有価値である貯玉数を特定可能な情報として記憶されたものであり、会員である遊技者に対して、遊技場内の景品交換カウンタ等(図示外)で発行される。なお会員カード103には、貯玉数自体は記憶されない。
ここでホールコンピュータ160,残額管理装置161,会員管理装置162,及び島コンピュータ163について、図1を参照して説明する。ホールコンピュータ160,残額管理装置161,及び会員管理装置162は、通信部,制御部(CPU,ROM,RAM等),入力手段(キーボードやマウス等),出力手段(ディスプレイ等),及び記憶手段(ハードディスク等)などを備えるコンピュータである。島コンピュータ163は、接続される(即ち当該島コンピュータ163が設けられる遊技島に配置される)玉貸ユニット120と、ホールコンピュータ160,残額管理装置161,及び会員管理装置162との間におけるデータ通信を中継する中継装置である。
ホールコンピュータ160は、各種の情報を集計,把握するものである。例えば、玉貸ユニット120の紙幣識別機123で紙幣が受け付けられると、該玉貸ユニット120から受付額1000円毎に1パルス出力される信号を受信して、該受付額を集計する。また、玉貸ユニット120で玉貸処理が行われると、該玉貸ユニット120から使用額100円毎に1パルス出力される信号を受信して、該使用額を集計する。なお、使用額を集計するための情報は、100円1パルスの信号には限らず、例えば消費税を考慮して、108円1パルスの信号でもよく、また使用額そのものをデータとして送信するものでもよい。また玉貸処理回数を特定可能な信号を送信し、ホールコンピュータ160において該玉貸処理回数を集計して使用額を特定してもよい。即ち使用額を集計するための情報は、使用額を特定できる情報であれば、特に限定されない。
また、玉貸ユニット120でリセットが行われると、該玉貸ユニット120からリセット毎に1パルス出力される信号を受信して、該リセットを把握する。また、玉貸ユニット120でエラーが発生すると、該玉貸ユニット120からエラー毎に1パルス出力される信号を受信して、該エラーを把握する。また、パチンコ機110において遊技が行われ、打込玉が打込玉カウンタ(図示外)でカウントされると、該打込玉カウンタからカウント10個毎に出力される信号を受信して、打込玉数を集計する。
残額管理装置161は、プリペイドカード102又は会員カード103のカードIDに対応付けて、遊技者が所有する有価価値であって該遊技者が前払いしたプリペイド価値であるプリペイド残額を記憶する、残額DBを有するものである。
会員管理装置162は、図2(a)に示すように、会員カード103の会員ID及び暗証番号に対応付けて、遊技機での遊技に使用可能であり遊技者が所有する所有価値であって該遊技者が獲得したパチンコ玉を翌日以降も使用可能に貯蓄してなる貯玉数を記憶する、貯玉DBを有するものである。ここで貯玉DBの記憶内容は、以下のようにして更新される。
まず、景品交換カウンタ等に設けられる貯玉端末(景品交換端末が兼ねる場合もある)で、会員カード103と計数カード(図示外)とが受け付けられて、貯玉処理が行われると、該会員カード103から読み取った会員IDと該計数カードから特定される獲得玉数とを含む貯玉加算要求が、貯玉端末から会員管理装置162に対して送信され、該会員管理装置162の貯玉DBにおいて、前記貯玉加算要求に含まれる会員IDに対応付けて記憶している貯玉数に、前記貯玉加算要求に含まれる獲得玉数が貯玉数として加算される。
また、景品交換カウンタ等に設けられる景品交換端末で、会員カード103が受け付けられて、景品交換処理が行われると、該会員カード103から読み取った会員IDと景品交換に供された使用玉数とを含む貯玉減算要求が、景品交換端末から会員管理装置162に対して送信され、該会員管理装置162の貯玉DBにおいて、前記貯玉減算要求に含まれる会員IDに対応付けて記憶している貯玉数から、前記貯玉減算要求に含まれる使用玉数が減算される。
また、玉貸ユニット120で、会員カード103が受け付けられて、貯玉再プレイ処理が行われると、該会員カード103から読み取った会員IDと貯玉再プレイに供された使用玉数とを含む貯玉減算要求が、玉貸ユニット120から会員管理装置162に対して送信され、該会員管理装置162の貯玉DBにおいて、前記貯玉減算要求に含まれる会員IDに対応付けて記憶している貯玉数から、前記貯玉減算要求に含まれる使用玉数が減算される。
さらに、玉貸ユニット120で、会員カード103が受け付けられて、変換処理が行われると、該会員カード103から読み取った会員IDと変換する第1の所有価値(例えば4円貯玉数)とを含む貯玉減算要求と、該会員IDと変換した第2の所有価値(例えば1円貯玉数)とを含む貯玉加算要求とが、玉貸ユニット120から会員管理装置162に対して送信され、該会員管理装置162の貯玉DBにおいて、前記貯玉減算要求に含まれる会員IDに対応付けて記憶している第1の所有価値から、前記貯玉減算要求に含まれる第1の所有価値が減算されると共に、前記貯玉加算要求に含まれる会員IDに対応付けて記憶している第2の所有価値に、前記貯玉加算要求に含まれる第2の所有価値が加算される。ここでの貯玉減算要求は、前記景品交換処理及び前記貯玉再プレイ処理で送信されるものと同じであり、貯玉加算要求は、前記貯玉処理で送信されるものと同じである。
この貯玉DBは所有価値管理手段として機能するものであり、所有価値である貯玉数として、一の貸与レート(本例では4円)に対応する第1の所有価値である4円貯玉数と、他の貸与レート(本例では1円)に対応する第2の所有価値である1円貯玉数とを管理している。なお本例では、一つの会員IDについて、4円貯玉数と1円貯玉数との合算値が所定値(例えば後述する特定価値と同じ25万玉)を超えるような貯玉はできず、例えば4円貯玉数が7万玉,1円貯玉数が0の状態でさらに20万玉の1円玉を貯玉しようとすると、18万玉までしか1円玉を貯玉できない旨が、前記貯玉端末で報知される。
また会員管理装置162は、図2(c)に示すように、変換の履歴として、会員カード103の会員IDに対応付けて、変換が行われた変換時刻と、変換元の貯玉数の種別(4円貯玉数又は1円貯玉数)及び変換が行われた貯玉数の個数とを記憶する、変換履歴DBを有するものである。これによれば、変換の履歴を確認できるので、不正行為などを防止できる。
また会員管理装置162は、図3に示すように、前記変換を行う際の上限を設定する、変換上限設定画面をディスプレイに表示する。ここでの設定内容は、全ての玉貸ユニット120に送信されて、各玉貸ユニット120の制御部122で記憶され、該記憶された内容に従って、変換処理が実行される。
ここで図3(a)に示す変換上限設定画面では、4円貯玉数から1円貯玉数に変換する際の上限として、上限1「変換後の4円貯玉数と1円貯玉数の合算値」,又は上限2「変換後の1円貯玉数」のいずれか1つを、ラジオボタンの選択により設定可能であり、該選択された上限1又は2の少なくともいずれか1つについて、上限値として特定価値(本例では25万玉)を設定可能である。なお、本例のように、上限1又は2を選べるものには限らず、上限1又は2を選べずにいずれか一方が強制的に適用されるものであってもよい。
具体的に、上限1の「変換後の4円貯玉数と1円貯玉数の合算値」が前記特定価値を超えない場合に変換可能とは、変換前の4円貯玉数をX,該Xのうちの変換する4円貯玉数をY,変換前の1円貯玉数をZとした場合に、(X−Y)+4Y+Z≦特定価値(本例では25万玉)の式1を満たす場合に変換可能ということである。この式1左辺で、第1項の「X−Y」は、変換された場合の残りの4円貯玉数であり、全部変換された場合には0になる。また式1左辺で、第2項の「4Y」は、4円貯玉数から変換される1円貯玉数である。従って、図2(a)に示す貯玉数において、4円貯玉数から1円貯玉数に全部変換する場合には、図2(b)の左欄に示すように、K−00001の会員IDについては式1左辺の解が2万玉となるので変換可であり、K−00002の会員IDについては式1左辺の解が28万玉となるので変換不可であり、K−00003の会員IDについては式1左辺の解が26万玉となるので変換不可である。
また上限2の「変換後の1円貯玉数」が前記特定価値を超えない場合に変換可能とは、変換前の4円貯玉数をX,該Xのうちの変換する4円貯玉数をY,変換前の1円貯玉数をZとした場合に、4Y+Z≦特定価値(本例では25万玉)の式2を満たす場合に変換可能ということである。この式2左辺で、第1項「4Y」の意義は、式1と同じである。従って、図2(a)に示す貯玉数において、4円貯玉数から1円貯玉数に全部変換する場合には、図2(b)の中欄に示すように、K−00001の会員IDについては式2左辺の解が2万玉となるので変換可であり、K−00002の会員IDについては式2左辺の解が28万玉となるので変換不可であり、K−00003の会員IDについては式2左辺の解が26万玉となるので変換不可である。
なお本例では、上限1又は2の判定の前に、上限0の判定が行われる。この上限0は、「4円貯玉数から変換される1円貯玉数」が前記特定価値を超えない場合に変換可能とするものであり、変換前の4円貯玉数をX,該Xのうちの変換する4円貯玉数をYとした場合に、4Y≦特定価値(本例では25万玉)の式0を満たす場合に、上限1又は2の判定に進むということである。この式0左辺で「4Y」の意義は、式1,2と同じである。従って、図2(a)に示す貯玉数において、4円貯玉数から1円貯玉数に全部変換する場合には、図示しないが、K−00001の会員IDについては式0左辺の解が1万2千玉となるので変換可であり、K−00002の会員IDについては式0左辺の解が28万玉となるので変換不可であり、K−00003の会員IDについては式0左辺の解が24万玉となるので変換可である。
また図3(b)に示す変換上限設定画面では、1円貯玉数から4円貯玉数に変換する際の上限として、上限1’「変換後の1円貯玉数と4円貯玉数の合算値」,上限2’「変換後の4円貯玉数」,又は上限0’「1円貯玉数から変換される4円貯玉数」のいずれか1つを、ラジオボタンの選択により設定可能であり、該選択された上限1’〜3’のいずれか1つについて、上限値として特定価値(本例では25万玉)を設定可能である。
具体的に、上限1’の「変換後の1円貯玉数と4円貯玉数の合算値」が前記特定価値を超えない場合に変換可能とは、変換前の1円貯玉数をx,該xのうちの変換する1円貯玉数をy,変換前の4円貯玉数をzとした場合に、(x−y)+(y/4)+z≦特定価値(本例では25万玉)の式1’を満たす場合に変換可能ということである。この式1’左辺で、第1項の「x−y」は、変換された場合の残りの1円貯玉数であり、全部変換された場合には0になる。また式1’左辺で、第2項の「y/4」は、1円貯玉数から変換される4円貯玉数である。従って、図2(a)に示す貯玉数において、1円貯玉数から4円貯玉数に全部変換する場合には、図示しないが、K−00001の会員IDについては式1’左辺の解が5千玉となるので変換可であり、K−00002の会員IDについては変換前の1円貯玉数が0なので変換不可であり、K−00003の会員IDについては式1’左辺の解が6万5千玉となるので変換可である。
また上限2’の「変換後の4円貯玉数」が前記特定価値を超えない場合に変換可能とは、変換前の1円貯玉数をx,該xのうちの変換する1円貯玉数をy,変換前の4円貯玉数をzとした場合に、(y/4)+z≦特定価値(本例では25万玉)の式2’を満たす場合に変換可能ということである。この式2’左辺で、第1項の「y/4」の意義は、式1’と同じである。従って、図2(a)に示す貯玉数において、1円貯玉数から4円貯玉数に全部変換する場合には、図示しないが、K−00001の会員IDについては式2’左辺の解が5千玉となるので変換可であり、K−00002の会員IDについては変換前の1円貯玉数が0なので変換不可であり、K−00003の会員IDについては式2’左辺の解が6万5千玉となるので変換可である。
また上限0’の「1円貯玉数から変換される4円貯玉数」が前記特定価値を超えない場合に変換可能とは、変換前の1円貯玉数をx,該xのうちの変換する1円貯玉数をyとした場合に、y/4≦特定価値(本例では25万玉)の式0’を満たす場合に変換可能ということである。この式0’左辺で「y/4」の意義は、式1’,2’と同じである。従って、図2(a)に示す貯玉数において、1円貯玉数から4円貯玉数に全部変換する場合には、図示しないが、K−00001の会員IDについては式0’左辺の解が2千玉となるので変換可であり、K−00002の会員IDについては変換前の1円貯玉数が0なので変換不可であり、K−00003の会員IDについては式0’左辺の解が5千玉となるので変換可である。
なお会員管理装置162は、遊技場内に設けられるものには限られず、遊技場外に設けられ複数店舗を管理するものであってもよい。また会員管理装置162が記憶している貯玉DBや変換履歴DBの内容は、ホールコンピュータ160やその他の管理装置から見られるようにしてもよい。
次にパチンコ機110について説明する。パチンコ機110は遊技機の一例であって、図1及び図4(a)に示すように、玉貸ユニット120に対応して(ここでは玉貸ユニット120の右側に隣接して)設けられ、対応する玉貸ユニット120と通信することにより、該玉貸ユニット120が行う玉貸処理又は貯玉再プレイ処理に応じて当該パチンコ機110からパチンコ玉を払い出して貸与する、いわゆるCR式のパチンコ機である。このパチンコ機110は、遊技場内に設けられた遊技島において該パチンコ機110の機種等に従って配置されており、ユニークな台番号により個々に識別される。
このパチンコ機110は、図4(a)に示すように、その前面に遊技領域,上皿,下皿,及び発射ハンドル等を備えると共に、上皿に残度数表示器114,玉貸ボタン115,及びカード返却ボタン116を備え、図1に示すように、その内部に遊技制御基板111,払出制御基板112,及び玉払出装置113等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
遊技制御基板111は、パチンコ機110における遊技状態を制御するものである。払出制御基板112は、玉貸ユニット120の玉貸通信部121aと通信可能に接続されており、パチンコ機110と玉貸ユニット120との間における通信を司るものである。これにより、玉貸処理(図6のS300),及び貯玉再プレイ処理(同S500)において、玉貸ユニット120との間で信号のやり取りが行われる。また払出制御基板112は、玉払出装置113と接続され、該玉払出装置113を制御するものである。玉払出装置113は、玉貸処理,及び貯玉再プレイ処理において、予め定められた一単位数(例えば25玉)の整数倍のパチンコ玉を払い出すと共に、遊技の結果として遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。
残度数表示器114は、対応する玉貸ユニット120のカードR/W125にて受け付けたプリペイドカード102又は会員カード103に記録されているプリペイド残額から特定される残度数を表示するための表示器であり、ここでは2桁の7セグメント表示器によって構成されている。この残度数表示器114では、該玉貸通信部121aから残度数を示す度数表示信号が入力されることによって、該残度数が表示される。この度数表示信号に含まれる残度数は、「プリペイド残額÷100円」の式で演算された商である。
玉貸ボタン115は、対応する玉貸ユニット120のカードR/W125にて受け付けたプリペイドカード102又は会員カード103に記録されているプリペイド残額を使用した玉貸処理を行うための玉貸操作を受け付けるボタンである。この玉貸ボタン115が操作されたことにより、玉貸通信部121aとの間に図示しない検出回路を介して設けられている貸出入力信号線を介して、該玉貸通信部121aに貸出入力信号が入力され、該検出回路が該貸出入力信号の入力を検出することによって、制御部122が玉貸ボタン115が操作された旨を認識して、玉貸処理(図6のS300)を行う。
カード返却ボタン116は、対応する玉貸ユニット120のカードR/W125にて受け付けたプリペイドカード102又は会員カード103を返却するための返却操作を受け付けるボタンである。このカード返却ボタン116が操作されたことにより、玉貸通信部121aとの間に図示しない検出回路を介して設けられている返却入力信号線を介して、該玉貸通信部121aに返却入力信号が入力され、該検出回路が該返却入力信号の入力を検出することによって、制御部122がカード返却ボタン116が操作された旨を認識して、カード返却処理(図6のS600)を行う。
上記の残度数表示器114,玉貸ボタン115,及びカード返却ボタン116は、図4(a)に示すように、パチンコ機110の前面(ここでは上皿)に設けられているが、図1に示すように、玉貸ユニット120と接続されているので、遊技用装置を構成する該玉貸ユニット120に属するものでもある。なお、玉貸ボタン115,及びカード返却ボタン116は、玉貸ユニット120に設けられていてもよい。
このパチンコ機110では、発射ハンドルが操作されると、上皿にあるパチンコ玉が遊技領域に打ち込まれて、遊技が行われる。そして遊技領域に打ち込まれた打込玉が始動入賞口に入賞すると、可変表示装置が変動を開始し、該可変表示装置に表示される図柄の表示結果が特定の態様になると、大当りが発生する。また打込玉が入賞口(始動入賞口,一般入賞口,又は大当りになると開放される大入賞口等)に入賞すると、払出制御基板112の制御により玉払出装置113から賞球が払い出され、該払い出された賞球は、まず上皿に導かれ、該上皿が満タンになると下皿に導かれる。なお打込玉は、図示しないが、当該パチンコ機110の背後に設けられたアウトタンク(図示外)で収集されて打込玉カウンタでカウントされ、カウント後に遊技島に取り込まれる。
次に玉貸ユニット120の構成について説明する。玉貸ユニット120は遊技用装置の一例であって、図1及び図4(b)に示すように、遊技機であるパチンコ機110に対応して(ここではパチンコ機110の左側に隣接して)設けられ、縦長の箱型の形状を呈するものであり、図4(a)に示すように、その前面に紙幣挿入口123a,突出部120a,及びカード挿入口25a等を備え、図4(b)に示すように、その内部に紙幣識別機123,玉貸通信部121a,場内通信部121b,制御部122,カードR/W125,及びプリペイドカードストッカ125b等を備え、突出部120aの右側面(即ち遊技者に向く側)にタッチパネル式のディスプレイ124を備え、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
玉貸通信部121aは、前述の如く、パチンコ機110の払出制御基板112と通信可能に接続されている。場内通信部121bは、図1に示すように、島コンピュータ163を介してホールコンピュータ160,残額管理装置161,及び会員管理装置162と通信可能に接続されており、それらと玉貸ユニット120との間における通信を司るものである。
制御部122は、CPU,RAM,ROM,EEPROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、玉貸ユニット120に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。この制御部122のRAMでは、図示しないが、カードR/W125で受け付けたプリペイドカード102又は会員カード103から読み取ったカードIDとプリペイド残額が記憶される。
また制御部122のRAMでは、図5に示すように、貯玉テーブルを記憶している。この貯玉テーブルでは、カードR/W125で受け付けた会員カード103の会員IDに対応付けて会員管理装置162で管理されている貯玉数(本例では4円貯玉数及び1円貯玉数)が、貸与レート毎に記憶される。この貯玉テーブルは、所有価値である貯玉数を、該所有価値が貸与される際の貸与レート毎に記憶する、所有価値記憶手段として機能するものである。この貯玉テーブルの記憶内容は、以下のようにして更新される。
まず、会員カード103が受け付けられて、照合処理(図6のS100)が行われると、該会員カード103から読み取った会員IDと入力された暗証番号とが、玉貸ユニット120から会員管理装置162に対して送信され、該会員管理装置162において、貯玉DBで記憶している会員ID及び暗証番号との照合が行われて、照合結果がOKならば、該会員IDと対応付けて記憶している貯玉数(4円貯玉数及び1円貯玉数)が玉貸ユニット120に対して返信され、玉貸ユニット120の貯玉テーブルにおいて、前記会員IDと該返信されてきた貯玉数とが記憶される。
また、貯玉再プレイ処理(図6のS500)が行われると、貯玉テーブルにおいて、記憶している貯玉数(4円貯玉数又は1円貯玉数)から、貯玉再プレイに供された使用玉数が減算される。そして会員IDと使用玉数とを含む前記貯玉減算要求が、玉貸ユニット120から会員管理装置162に対して送信される。
さらに、変換処理(図6のS400)が行われると、貯玉テーブルにおいて、記憶している一方の貯玉数(例えば4円貯玉数)から変換する貯玉数が減算され、他方の貯玉数(例えば1円貯玉数)に変換した貯玉数が加算される。そして会員IDと変換する貯玉数とを含む前記貯玉減算要求、及び、会員IDと変換した貯玉数とを含む前記貯玉加算要求が、玉貸ユニット120から会員管理装置162に対して送信される。
紙幣識別機123は、図4(b)に示すように、紙幣挿入口123aから紙幣(1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,又は10000円紙幣)の挿入を受け付けて、該紙幣を識別するものである。なお識別された紙幣は、紙幣識別機123の後方に設けられる紙幣通路123b内を搬送されて遊技島に取り込まれ、遊技島内に設けられる搬送路を経て遊技島の端部に設けられる金庫に回収される。
タッチパネル式のディスプレイ124は、各種の情報を表示する表示デバイスであると共に、各種の情報の入力を受け付ける入力デバイスである。このディスプレイ124には、会員カード103の受付中において、図6のD00に示すように、変換操作を受け付ける「変換ボタン」と、貯玉再プレイ操作を受け付ける「貯玉再プレイボタン」が表示される。なお、ディスプレイ124のその他の表示内容については後述する。
カードR/W125は、図4(b)に示すように、カード挿入口125aからプリペイドカード102の挿入を受け付けて、該プリペイドカード102からカードID及びプリペイド残額を読み取るものであり、またカード挿入口125aから会員カード103の挿入を受け付けて、該会員カード103からカードID及びプリペイド残額と会員IDとを読み取るものである。プリペイドカードストッカ125bは、該カードR/W125の後方に設けられ、所定枚数(例えば10枚)のプリペイドカード102を貯留するものである。このプリペイドカードストッカ125bには、玉貸処理が行われてプリペイド残額が零になったプリペイドカード102が取り込まれて貯留される。またカードR/W125にてプリペイドカード102を受け付けていない状態で、紙幣識別機123にて紙幣を受け付けた場合に、プリペイドカードストッカ125bで貯留しているプリペイドカード102のうちの1枚が、該プリペイドカードストッカ125bからカードR/W125に対して搬送されて、カードR/W125にセットされ、カードR/W125は、該セットされたプリペイドカード102からカードIDを読み取る。
次に玉貸ユニット120の作用について説明する。以下においては、玉貸ユニット120の貸与レート(玉貸レート)が1円であり、変換処理では4円→1円への変換が行われる例について説明する。
まず図6は、玉貸ユニット120の制御部122が行う営業中処理の一例を表すフローチャートである。制御部122は、S01で、カードR/W125によるプリペイドカード102又は会員カード103の受付を待機し、S02で、紙幣識別機による紙幣の受付を待機し、S03で、玉貸ボタン115の操作を待機し、S04で、変換ボタンの操作を待機し、S05で、貯玉再プレイボタンの操作を待機し、S06で、カード返却ボタン116の操作を待機し、S01〜S06のループを繰り返している。
そして制御部122は、S01でプリペイドカード102又は会員カード103の受付が有る(YES)と判定した場合には、S100の照合処理を行い、S02で紙幣の受付が有る(YES)と判定した場合には、S200の入金処理を行い、S03で玉貸ボタン115の操作が有る(YES)と判定した場合には、S300で玉貸処理を行い、S04で変換ボタンの操作が有る(YES)と判定した場合には、S400で変換処理(図7)を行い、S05で貯玉再プレイボタンの操作が有る(YES)と判定した場合には、S500で貯玉再プレイ処理(図8)を行い、S06でカード返却ボタン116の操作が有る(YES)と判定した場合には、S600でカード返却処理を行う。これらS100,S200,S300,S400,S500,及びS600の処理後は、S01〜S06のループに戻る。
ここでS100の照合処理では、プリペイドカード102を受け付けた場合に、残額照合処理を行う。この残額照合処理は、受け付けたプリペイドカード102から読み取ったカードID及びプリペイド残額を残額管理装置161に対して送信して、該送信したカードID及びプリペイド残額と残額DBで記憶しているカードID及びプリペイド残額との照合を行う残額管理装置161からの照合結果の返信を待機し、照合結果がOKならばプリペイド残額をRAMで記憶し、NGならばプリペイドカード102を排出する処理である。
また会員カード103を受け付けた場合に、残額照合処理を行うと共に、貯玉数照合処理を行う。この残額照合処理は、受け付けた会員カード103から読み取ったカードID及びプリペイド残額を残額管理装置161に対して送信して、該送信したカードID及びプリペイド残額と残額DBで記憶しているカードID及びプリペイド残額との照合を行う残額管理装置161からの照合結果の返信を待機し、照合結果がOKならば、前記読み取ったプリペイド残額をRAMで記憶し、NGならば、会員カード103を排出する処理である。また貯玉数照合処理は、暗証番号の入力を受け付け、前記受け付けた会員カード103から読み取った会員IDと該入力された暗証番号とを会員管理装置162に対して送信して、該送信した会員ID及び暗証番号と貯玉DBで記憶している会員ID及び暗証番号との照合を行う会員管理装置162からの照合結果の返信を待機し、照合結果がOKならば、会員管理装置162から送信される貯玉数(4円貯玉数及び1円貯玉数)をRAMの貯玉テーブルで記憶し、NGならば、会員カード103を排出する処理である。
S200の入金処理では、受け付けた紙幣の識別がNGならば該紙幣を排出し、OKならばカード(プリペイドカード102又は会員カード103)を受付中であるか否かを判定し、受付中ならば該カードのカードIDと前記識別した紙幣の金額である入金額とを残額管理装置161に対して送信し、受付中でなければプリペイドカードストッカ125bからカードR/W125にプリペイドカード102を搬送してカードIDを読み取り該読み取ったカードIDと前記入金額とを残額管理装置161に対して送信して、該送信したカードIDに対応付けて残額DBで記憶しているプリペイド残額に該送信した入金額を加算する処理を行う残額管理装置161からの加算完了通知を待機し、該加算完了通知を受信したら、前記受け付けた紙幣を遊技島に取り込み、RAMで記憶しているプリペイド残額に対して前記入金額を加算し、該加算後のプリペイド残額をカードに記録する。
S300の玉貸処理では、使用額分(プリペイド残額が予め定められた玉貸設定額を超える場合には該玉貸設定額分であり、プリペイド残額が玉貸設定額を超えない場合には該プリペイド残額分)のパチンコ玉を対応するパチンコ機110から払い出させ、RAMで記憶しているプリペイド残額から該使用額を減算し、該減算後のプリペイド残額をカードに記録する。ここで受付中のカードがプリペイドカード102で、減算後のプリペイド残額が0である場合には、該プリペイドカード102をカードストッカ125bに収納する。
S400の変換処理については図7,S500の貯玉再プレイ処理については図8を参照して後述する。S600のカード返却処理では、受付中のカード(プリペイドカード102又は会員カード103を返却する。)
ここで入金処理,玉貸処理,及び貯玉再プレイ処理が行われている間は、変換処理の実行を制限する。具体的には、変換ボタンの操作を受け付けても無効とする。これによれば、入金処理,玉貸処理,及び貯玉再プレイ処理が行われている間に変換処理が行われることにより所有価値(貯玉テーブルで記憶している貯玉数)が変化して、遊技者を困惑させてしまうという事態を防止できる。なお、遊技機が封入式パチンコ機である場合には、パチンコ玉が発射されている間も、変換処理の実行が制限される。
図7は、制御部122が行うサブルーチンである変換処理の一例を表すフローチャートである。制御部122は、会員カード103を受付中であり、前記S04で、タッチパネル式のディスプレイ124に表示される「変換ボタン」の操作が有る(YES)と判定した場合には、S101で、入金,玉貸,貯玉再プレイ,及びカード返却のロック処理を行う。具体的には、紙幣識別機123で紙幣を受け付けず、玉貸ボタン115,貯玉再プレイボタン,又はカード返却ボタン116の操作を受け付けても無効とする。これによれば、変換中に所有価値(記憶しているプリペイド残額や、貯玉テーブルで記憶している貯玉数)が変化して、遊技者を困惑させてしまうのという事態を防止できる。なお、遊技機が封入式パチンコ機である場合には、パチンコ玉の発射もロックされる。
次にS102で、変換前玉数表示をディスプレイ124に表示させる。この変換前玉数表示では、図9のD102に示すように、S101でロックされた入金,玉貸,貯玉再プレイ,及びカード返却ができない旨が表示されると共に、変換前の第1の所有価値である4円貯玉数(例えば3000玉)が、所定の表示単位である「2000玉」にて換算された第1表示単位数(2000玉のドル箱の数)と、変換前の第2の所有価値である1円貯玉数(例えば8000玉)が、所定の表示単位である「2000玉」にて換算された第2表示単位数(2000玉のドル箱の数)とが表示される。ここで「所定の表示単位」とは、遊技者が所有する所有価値の多寡を容易に把握できるように換算するための単位であり、本例では「2000玉」としている。なお換算値が2000玉に満たない部分は、該2000玉よりも小さなドル箱で表示される。従って本例では、第1表示単位数としては2000玉のドル箱1個及び1000玉を表す小さなドル箱1個が表示され、第2表示単位数としては2000玉のドル箱4個が表示される。また、変換前玉数表示では、ドル箱が白色で表示される。また、変換玉数を設定を受け付けるためのボタンとして、変換する4円貯玉数を指定する「指定ボタン」と、4円貯玉数の全部を変換する「全部ボタン」とが表示される。ここで「指定ボタン」は、変換手段により変換する第1の所有価値の指定を受け付ける受付手段として機能するものである。そしてS103では、「指定ボタン」の操作を待機し、S104では、「全部ボタン」の操作を待機する。
S104で「全部ボタン」の操作が有ると(YES)、S105で、変換後の貯玉数が図3(a)で設定された上限の範囲内であるか否かを判定する。ここでは、まず前記上限0を満たすか否かを判定し、該上限0を満たす場合に、前記上限1又は2を満たすか否かを判定する。これによれば、上限0を満たさない場合には上限1又は2を満たさないため、該上限1又は2を満たすか否か判定する必要がなくなる。
このS105で変換後の貯玉数が上限の範囲内でない(NO)、即ち上限0を満たさない,又は上限0は満たすが上限1若しくは2を満たさずに変換不可と判定された場合には、S106で、変換不可表示1をディスプレイ124に表示させる。この変換不可表示1では、図示しないが、変換後の貯玉数が上限を超えるため変換できない旨と、前記「指定ボタン」と、変換を中止するための「中止ボタン」とが表示される。そしてS110では、「指定ボタン」の操作を待機し、S111では、「中止ボタン」の操作を待機する。このS110で「指定ボタン」の操作が有ると(YES)、S112に進み、S111で「中止ボタン」の操作が有ると(YES)、変換処理を終了する。
このように、変換後の貯玉数が設定された上限の範囲内でなければ変換が実行されないので、変換に伴って貯玉数の記憶量が増大しすぎてしまうという事態を防止できる。
なおS106の変換不可表示1において、変換後の貯玉数が、設定された上限の範囲内となるような、許容玉数を報知するようにしてもよい。例えば4円貯玉数が6万玉,1円貯玉数が2万玉で、前記上限1の「変換後の4円貯玉数と1円貯玉数の合算値が25万玉以下」が設定されている場合に、4円貯玉数を全部変換すると、前記式1左辺の解が26万玉であるため変換不可となるが、4円貯玉数のうちの5万6千玉を変換すると、前記式1左辺の解が24万8千玉であるため変換可となるので、該5万6千玉を許容玉数として報知する。この許容玉数を報知するディスプレイ124は、変換条件を満たす第1の所有価値(許容玉数)を報知する報知手段として機能するものである。これによれば、可能な限りの変換をさせることができるので、遊技者の利便性を向上できる。
S105で変換後の貯玉数が上限の範囲内である(YES)、即ち上限0と1,又は上限0と2を満たして変換可と判定された場合には、S109で、変換後玉数表示をディスプレイ124に表示させる。この変換後玉数表示では、図9のD109に示すように、変換後の第1の所有価値である4円貯玉数(本例では0玉)が、所定の表示単位である「2000玉」にて換算された第1表示単位数(2000玉のドル箱の数)と、変換後の第2の所有価値である1円貯玉数(本例では20000玉)が、所定の表示単位である「2000玉」にて換算された第2表示単位数(2000玉のドル箱の数)とが表示される。本例では、全部変換なので、第1表示単位数としてはドル箱が表示されず、第2表示単位数としては2000玉のドル箱10個が表示される。また、変換後玉数表示では、ドル箱が黒色で表示される。また、変換を実行するための「実行ボタン」と、前記「中止ボタン」とが表示される。そしてS116では、「実行ボタン」の操作を待機し、S117では、「中止ボタン」の操作を待機する。このS117で「中止ボタン」の操作が有ると(YES)、変換処理を終了する。
S116で「実行ボタン」の操作が有ると(YES)、S118で、変換を実行して、変換中表示をディスプレイ124に表示させる。ここで変換を実行すると、図5に示す貯玉テーブルにおいて、(a)変換前の4円貯玉数3000玉,1円貯玉数8000玉が、(b)変換後の4円貯玉数0玉,1円貯玉数20000玉になる。併せて、会員管理装置162との通信が行われて、図2に示す貯玉DBにおいても、同様の変換が行われ、かつ、図2(c)に示す変換履歴DBにおいて、変換履歴が記憶される。このように、玉貸ユニット120において変換を行うので、会員管理装置162の処理負担を軽減できる。また変換中表示では、図9のD118aに示すように、変換中である旨が、文字及び矢印の点滅により表示される。
S119では、変換の終了を待機し、変換が終了すると(YES)、S120で、前記S101にて行った入金,玉貸,貯玉再プレイ,及びカード返却のロックを解除して、変換終了表示をディスプレイ124に表示する。この変換終了表示では、図9のD120aに示すように、変換が終了した旨の文字と、前記D109と同様に変換後の第1表示単位数及び第2表示単位数が表示される。そしてS121では、所定時間(例えば5秒)の経過を待機し、該所定時間が経過すると(YES)、変換処理を終了する。
前記S103で「指定ボタン」の操作が有り(YES)、図示しない玉数指定画面で、変換する玉数の指定を受け付けると、S112で、貯玉テーブルにて記憶している4円貯玉数が該指定された玉数以上であるか否かを判定する。このS112で4円貯玉数が指定玉数以上でない(NO)と判定した場合には、S113で、変換不可表示2をディスプレイ124に表示させる。この変換不可表示2では、図示しないが、4円貯玉数が指定玉数以上でないため変換できない旨と、前記「中止ボタン」とが表示される。そしてS114では、「中止ボタン」の操作を待機する。このS114で「中止ボタン」の操作が有ると(YES)、変換処理を終了する。なお、変換不可表示2においても、前記変換不可表示1と同様に「指定ボタン」を表示し、該「指定ボタン」の操作が有るとS112に進んで、変換する玉数の再指定を受け付けるようにしてもよい。
一方、S112で4円貯玉数が指定玉数以上である(YES)と判定した場合には、S115で、変換後玉数表示をディスプレイ124に表示させる。この変換後玉数表示では、図9のD109と同様に、同D115に示すように、変換後の第1の所有価値である4円貯玉数(本例では2000玉)が、所定の表示単位である「2000玉」にて換算された第1表示単位数(2000玉のドル箱の数)と、変換後の第2の所有価値である1円貯玉数(本例では12000玉)が、所定の表示単位である「2000玉」にて換算された第2表示単位数(2000玉のドル箱の数)とが表示される。本例では、一部変換なので、第1表示単位数としては2000玉のドル箱1個が表示され、第2表示単位数としては2000玉のドル箱6個が表示される。また、変換後玉数表示では、ドル箱が黒色で表示される。また、変換を実行するための「実行ボタン」と、前記「中止ボタン」とが表示される。そしてS116では、「実行ボタン」の操作を待機し、S117では、「中止ボタン」の操作を待機する。このS117で「中止ボタン」の操作が有ると(YES)、変換処理を終了する。
S116で「実行ボタン」の操作が有ると(YES)、S118で、変換を実行して、変換中表示をディスプレイ124に表示させる。ここで変換を実行すると、図5に示す貯玉テーブルにおいて、(a)変換前の4円貯玉数3000玉,1円貯玉数8000玉が、図示しないが変換後の4円貯玉数2000玉,1円貯玉数12000玉になる。併せて、会員管理装置162との通信が行われて、図2(a)に示す貯玉DBにおいても、同様の変換が行われ、かつ、図2(c)に示す変換履歴DBにおいて、変換履歴が記憶される。このように、玉貸ユニット120において変換を行うので、会員管理装置162の処理負担を軽減できる。また変換中表示では、図9のD118aと同様に、同D118bに示すように、変換中である旨が、文字及び矢印の点滅により表示される。
以上の例では、変換が行われた場合に、玉貸ユニット120から会員管理装置162に対して、貯玉減算要求及び貯玉加算要求が送信され、該貯玉減算要求は景品交換処理や貯玉再プレイ処理で送信されるものと同様であり、該貯玉加算要求は貯玉処理で送信されるものと同様である旨を説明したが、会員管理装置162との通信により送信する内容は、変換が行われた旨を特定可能な内容であればよい。例えば、変換前の4円貯玉数3000玉,1円貯玉数8000玉が、変換後の4円貯玉数2000玉,1円貯玉数12000玉になる場合には、第1例として、4円貯玉数1000玉を減算(使用)し1円貯玉数4000玉を加算(貯玉)した旨の加減算信号を送信したり、第2例として、4円貯玉数1000玉を減算(使用)して変換処理を行った旨の変換信号を送信したり、第3例として、変換後の4円貯玉数が2000玉,1円貯玉数が12000玉である旨の変換結果信号を送信すればよい。
そして会員管理装置162は、これら信号に基づいて、貯玉DBの更新を行う。なお会員管理装置162は、更新後の貯玉数を玉貸ユニット120に対して送信し、該更新後の貯玉数が玉貸ユニット120の貯玉テーブルで記憶している貯玉数と一致しなければ、エラーとしてもよい。
S119では、変換の終了を待機し、変換が終了すると(YES)、S120で、前記S101にて行った入金,玉貸,貯玉再プレイ,及びカード返却のロックを解除して、変換終了表示をディスプレイ124に表示する。この変換終了表示では、図9のD120aと同様に、同D120bに示すように、変換が終了した旨の文字と、前記D115と同様に変換後の第1表示単位数及び第2表示単位数が表示される。そしてS121では、所定時間(例えば5秒)の経過を待機し、該所定時間が経過すると(YES)、変換処理を終了する。
以上に説明した図7では、玉貸ユニット120の貸与レートが1円であり、4円→1円に変換される例について説明したが、玉貸ユニット120の貸与レートが4円であり、1円→4円に変換される場合には、前記S105又はS112でYESの後、S107で、1円貯玉数の全部又は1円貯玉数のうちの指定玉数を4円貯玉数に変換した場合(即ち変換する1円貯玉数を4で除算した場合)に、該4円貯玉数に小数点以下の端数が出るか否かを判定する。このS107で端数が出ない(NO)と判定した場合には、前記S109又はS115に進む。
一方、端数が出る(YES)と判定した場合には、S108で、変換不可表示3をディスプレイ124に表示させる。この変換不可表示3では、図示しないが、変換後の4円貯玉数に端数が出るため変換できない旨と、前記「指定ボタン」と、前記「中止ボタン」とが表示される。例えば、1円貯玉数10001玉を変換すると4円貯玉数が2500.25玉となり、また1円貯玉数10002玉を変換すると4円貯玉数が2500.5玉となり、また1円貯玉数10003玉を変換すると4円貯玉数が2500.75玉となり、いずれの場合も端数が出るため変換できない。そして前記S110では、「指定ボタン」の操作を待機し、前記S111では、「中止ボタン」の操作を待機する。
なお、端数が出る場合に、変換する1円貯玉数のうちの端数が出ない最大値を、遊技者から変換実行操作を受け付けたことに基づいて、又は自動的に、4円貯玉数に変換するようにしてもよい。具体的には、1円貯玉数10001玉のうちの10000玉を変換して、4円貯玉数2500玉と、残りの1円貯玉数1玉とすればよい。なお、最大値を変換するのではなく、端数が出ない倍数(例えば100玉の倍数)を選択して変換できるようにしてもよい。
図8は、制御部122が行うサブルーチンである貯玉再プレイ処理の一例を表すフローチャートである。以下においては、貸与レート1円の場合に、1回の貯玉再プレイ処理で200玉のパチンコ玉がパチンコ機110から払い出される例について説明する。なお、1回の貯玉再プレイ処理で払い出されるパチンコ玉の数は、200玉には限定されない。また、貯玉再プレイ処理において、パチンコ玉は、パチンコ機110からのみ払い出すものには限らず、玉貸ユニット120からのみ払い出すものや、パチンコ機110及び玉貸ユニット120から払い出すものであってもよい。
制御部122は、会員カード103を受付中であり、前記S05で、タッチパネル式のディスプレイ124に表示される「貯玉再プレイボタン」の操作が有る(YES)と判定した場合には、S201で、貯玉テーブルにて記憶している1円貯玉数が200玉以上有るか否かを判定する。このS201で1円貯玉数が200玉以上有る(YES)と判定した場合には、S202で、パチンコ機110に対して200玉のパチンコ玉の払出を指示し、S203で、貯玉テーブルにて記憶している1円貯玉数から200玉を減算し、会員管理装置162に対して、該1円貯玉数を200玉減算(使用)した旨を示す使用信号を送信して、貯玉再プレイ処理を終了する。
一方、S201で1円貯玉数が200玉以上無い(NO)と判定した場合には、S204で、貯玉テーブルにて記憶している4円貯玉数が有るか否かを判定する。このS204で4円貯玉数が無い(NO)と判定した場合には、S205で貯玉再プレイ不可表示をディスプレイ124に表示させて、貯玉再プレイ処理を終了する。この貯玉再プレイ不可表示では、1円貯玉数が不足しており4円貯玉数も無いため貯玉再プレイ処理ができない旨が表示される。
一方、S204で4円貯玉数が有る(YES)と判定した場合には、S206で、変換示唆表示をディスプレイ124に表示させる。この変換示唆表示では、D206に示すように、1円貯玉数が不足しているため4円貯玉数から変換するか否かを問う旨が表示される。また、変換を実行しないための「変換しないボタン」と、変換を実行するための「変換するボタン」とが表示される。そしてS207では、「変換しないボタン」の操作を待機し、S208では、「変換するボタン」の操作を待機する。このS207で「変換しないボタン」の操作が有ると(YES)、貯玉再プレイ処理を終了する。
一方、S208で「変換するボタン」の操作が有ると(YES)、前記図7で説明した変換処理のS101に進み、4円貯玉数から1円貯玉数への変換が行われる。そして該変換処理の終了後に、再び貯玉再プレイボタンが操作されて、図8で説明した貯玉再プレイ処理のS201に進み、変換された1円貯玉数が200玉以上であれば、S202でパチンコ玉の払出が行われる。
[2.第2実施形態]
第1実施形態に係る遊技用システム1では、第1実施形態と比較して、玉貸ユニット120の作用が異なる。第1実施形態では、図6のD00でメニュー画面に「変換ボタン」が表示され、該変換ボタンの操作が有ると(S04でYES)、変換処理(S400)が行われ、一の貸与レート(例えば4円)の所有価値のうちの指定玉数又は全部を「一括して」他の貸与レート(例えば1円)の所有価値に変換(即ち一括変換)する例について説明したが、第2実施形態では、D00でメニュー画面に「変換ボタン」が表示されず、「貯玉再プレイボタン」の操作が有って当台貸与レートの所有価値が不足している場合に、一の貸与レートの所有価値のうちの指定玉数を「その都度」他の貸与レートの所有価値に変換(即ち都度変換)するものである。なお、都度変換であっても、暗証番号の入力は会員カード103受付時の1回だけであり、変換の都度暗証番号の入力を求められることは無い。
図10は、第2実施形態に係る遊技用システム1において玉貸ユニットの制御部122が行うサブルーチンである貯玉再プレイ処理の一例を表すフローチャートである。以下においては、第1実施形態と同様に、貸与レート1円の場合に、1回の貯玉再プレイ処理で200玉のパチンコ玉がパチンコ機110から払い出される例について説明する。
制御部122は、会員カード103を受付中であり、前記図6のS05で、タッチパネル式のディスプレイ124に表示される「貯玉再プレイボタン」の操作が有る(YES)と判定した場合には、S201に進むが、このS201〜S208は、第1実施形態の図8と同様であるため、説明は省略する。
S208で「変換するボタン」の操作が有ると(YES)、第1実施形態と同様に、S101で、入金,玉貸,貯玉再プレイ,及びカード返却のロック処理を行う。次にS102’で、変換前玉数表示をディスプレイ124に表示させる。この変換前玉数表示では、図11のD102’に示すように、S101でロックされた入金,玉貸,貯玉再プレイ,及びカード返却ができない旨が表示されると共に、変換前の第1の所有価値である4円貯玉数(例えば3000玉)が、所定の表示単位である「2000玉」にて換算された第1表示単位数(2000玉のドル箱の数)と、変換前の第2の所有価値である1円貯玉数(例えば0玉)が、所定の表示単位である「2000玉」にて換算された第2表示単位数(2000玉のドル箱の数)とが表示される。なお換算値が2000玉に満たない部分は、該2000玉よりも小さなドル箱で表示される。従って本例では、第1表示単位数としては2000玉のドル箱1個及び1000玉を表す小さなドル箱1個が表示され、第2表示単位数としてはドル箱が表示されない。また、変換前玉数表示では、ドル箱が白色で表示される。
また、変換玉数を設定を受け付けるためのボタンとして、50玉の4円貯玉数を変換する「50玉ボタン」と、500玉の4円貯玉数を変換する「500玉ボタン」とが表示される。ここで50玉ボタンを設けたのは、該50玉の4円貯玉数を変換すると200玉の1円貯玉数となって貯玉再プレイが1回できるからであり、500玉ボタンを設けたのは、該500玉の4円貯玉数を変換すると2000玉の1円貯玉数となって貯玉再プレイが10回できるからである。なお、これらで設定される玉数は、50玉や500玉には限定されず、他の玉数であってもよく、前記図9のD102のように、「指定ボタン」や「全部ボタン」を設けてもよい。そしてS103’では、「50玉ボタン」又は「500玉ボタン」の操作を待機する。
S103’で「50玉ボタン」又は「500玉ボタン」の操作が有ると(YES)、S112’で、貯玉テーブルにて記憶している4円貯玉数が該指定された玉数以上であるか否かを判定する。なお、S103’でYESの場合でも、第1実施形態におけるS105の処理(変換後の貯玉数が上限の範囲内であるか否かを判定)を行わないのは、前記ボタンで指定される数が50玉又は500玉ならば、まず式0は満たされ、また式1又は式2も満たされるからである。
このS112’で4円貯玉数が指定玉数以上でない(NO)と判定した場合には、S113で、第1実施形態と同様の変換不可表示2をディスプレイ124に表示させる。そしてS114では、「中止ボタン」の操作を待機し、「中止ボタン」の操作が有ると(YES)、貯玉再プレイ処理を終了する。
一方、S112’で4円貯玉数が指定玉数以上である(YES)と判定した場合には、S115’で、変換後玉数表示をディスプレイ124に表示させる。この変換後玉数表示では、図11のD115’に示すように(500玉ボタンが操作された場合)、変換後の第1の所有価値である4円貯玉数(本例では2500玉)が、所定の表示単位である「2000玉」にて換算された第1表示単位数(2000玉のドル箱の数)と、変換後の第2の所有価値である1円貯玉数(本例では2000玉)が、所定の表示単位である「2000玉」にて換算された第2表示単位数(2000玉のドル箱の数)とが表示される。本例では、第1表示単位数としては2000玉のドル箱1個と500玉のドル箱1個が表示され、第2表示単位数としては2000玉のドル箱1個が表示される。また、変換後玉数表示では、ドル箱が黒色で表示される。また、変換を実行するための「実行ボタン」と、前記「中止ボタン」とが表示される。そして第1実施形態と同様に、S116では、「実行ボタン」の操作を待機し、S117では、「中止ボタン」の操作を待機する。このS117で「中止ボタン」の操作が有ると(YES)、貯玉再プレイ処理を終了する。
なお、図示しないが、500玉ボタンではなく50玉ボタンが操作された場合には、変換後の第1の所有価値である4円貯玉数(本例では2950玉)が換算された第1表示単位数として、2000玉のドル箱1個と950玉を表す小さなドル箱1個が表示され、変換後の第2の所有価値である1円貯玉数(本例では200玉)が換算された第2表示単位数として、200玉を表す小さなドル箱1個が表示される。
S116で「実行ボタン」の操作が有ると(YES)、第1実施形態と同様に、S118で、変換を実行して、変換中表示をディスプレイ124に表示させる。ここで変換を実行すると、図5に示す貯玉テーブルにおいて、(a)変換前の4円貯玉数3000玉,1円貯玉数0玉が、図示しないが変換後の4円貯玉数2500玉,1円貯玉数2000玉になる。併せて、会員管理装置162との通信が行われて、図2に示す貯玉DBにおいても、同様の変換が行われ、かつ、図2(c)に示す変換履歴DBにおいて、変換履歴が記憶される。また変換中表示では、図11のD118に示すように、変換中である旨が、文字及び矢印の点滅により表示される。
S119では、変換の終了を待機し、変換が終了すると(YES)、S120’で、前記S101にて行った入金,玉貸,貯玉再プレイ,及びカード返却のロックを解除して、変換終了表示をディスプレイ124に表示する。この変換終了表示では、図11のD120’に示すように、変換が終了した旨の文字と、前記D115’と同様に変換後の第1表示単位数及び第2表示単位数が表示される。そして第1実施形態と同様に、S121では、所定時間(例えば5秒)の経過を待機し、該所定時間が経過すると(YES)、S202に進む。
以上に説明した第1実施形態でS102、及びS109又はS115の処理を行い、第2実施形態でS102’及びS115’の処理を行う制御部122のCPUとディスプレイ124は、変換前の第1の所有価値(4円貯玉数)が所定の表示単位(2000玉)にて換算された第1表示単位数(2000玉のドル箱の数)と、変換後の第2の所有価値(1円貯玉数)が前記所定の表示単位にて換算された第2表示単位数(2000玉のドル箱の数)とを表示する単位数表示手段として機能するものである。これによれば、変換前の第1の所有価値が所定の表示単位にて換算された第1表示単位数と、変換後の第2の所有価値が所定の表示単位にて換算された第2表示単位数とが表示されるので、変換後における他の貸与レートの所有価値に基づいてどれだけ遊技が可能かを認識しやすくできる。
なお本例では、第1の所有価値(4円貯玉数)を第2の所有価値(1円貯玉数)に変換する場合に、変換前の第1の所有価値及び第2の所有価値が換算された第1表示単位数と、変換後の第1の所有価値及び第2の所有価値が換算された第2の表示単位数とが表示される例について説明したが、これに限らず、少なくとも変換前の第1の所有価値が換算された第1表示単位数と、変換後の第2の所有価値が換算された第2の表示単位数とが表示されればよく、変換前の第2の所有価値が換算された第2表示単位数と、変換後の第1の所有価値が換算された第1の表示単位数とは表示されなくてもよい。また本例では、変換前の第1表示単位数と変換後の第2表示単位数とが別画面で表示される例について説明したが、これに限らず、該第1表示単位数と第2表示単位数とが同一画面で表示されるものであってもよい。
また単位数表示において、第1表示単位数の表示態様(白色のドル箱)と第2表示単位数の表示態様(黒色のドル箱)とが異なるので、変換前の第1の所有価値であるか、変換後の第2の所有価値であるかを、認識しやすくできる。なお、第1表示単位数の表示態様と第2表示単位数の表示態様とは、異なっていればよく、いかなる態様で異ならせるかは、特に限定されない。例えば、表示の明暗,濃淡などや、変換前後でデザインや大きさを異ならせるものや、一方が点灯で他方が点滅などであってもよい。さらに、第1表示単位数の表示態様と第2表示単位数の表示態様とは、異なっていなくてもよい。
またS118の変換中表示を行う制御部122のCPUとディスプレイ124は、変換が行われるときに特定演出(変換中である旨を文字及び矢印の点滅により表示)を実行する特定演出実行手段として機能するものである。これによれば、貯玉数の変換を行っていることを分かりやすくできる。なお、特定演出は、変換が行われるときに実行されるものであれば、その態様は特に限定されない。例えば、表示のみならず、音声での特定演出であってもよい。
また、以上に説明した図7及び図10では、他の貸与レートの貯玉数を当台の貸与レートの貯玉数に変換できる例について説明したが、逆に当台の貸与レートの貯玉数を他の貸与レートの貯玉数に変換できるようにしてもよい。これによれば、貸与レート1円の玉貸ユニット120での遊技中に、1円貯玉数を4円貯玉数に変換して、例えば台移動した後の貸与レート4円の玉貸ユニット120での遊技に備えることができる。
次に、以上に説明した第1実施形態及び第2実施形態の変形例について説明する。
上記の第1実施形態及び第2実施形態では、変換前玉数表示(例えば図9のD102)と変換後玉数表示(例えば同D109)とで、変換前の第1表示単位数と変換後の第2表示単位数とが、同じ表示単位(2000玉)で換算されて表示される例について説明したが、これに限らず、変換前の第1表示単位数と変換後の第2表示単位数とで、異なる表示単位で換算されて表示されるものであってもよい。例えば4円貯玉数を1円貯玉数に変換する場合には、変換後の貯玉数が4倍になり、2000玉では第2表示単位数が多くなりすぎて見づらい場合もあるので、例えば10000玉のドル箱で換算した第2表示単位数を表示するようにしてもよい。
上記の第1実施形態及び第2実施形態では、貯玉数の変換を玉貸ユニット120において行う例について説明したが、これに限らず、該貯玉数の変換を会員管理装置162において行うものであってもよく、この場合の会員管理装置162は、前記変換手段を備える。
上記の第1実施形態及び第2実施形態では、図7のS101において、入金,玉貸,貯玉再プレイ,及びカード返却の全ての処理をロックする例について説明したが、これらのうちの一部の処理のみをロックするものであってもよい。また、入金,玉貸,及び貯玉再プレイの処理中は変換を実行しない例について説明したが、これらのうちの一部の処理中のみ変換を実行しないものであってもよい。
上記の第1実施形態では、図7のS105に示すように、変換後の貯玉数が上限の範囲内であるか否かを判定し、該上限の範囲内ならば変換を認める例について説明したが、変換後の貯玉数が予め定められた下限の範囲内であるか否かを判定し、該下限の範囲内ならば変換を認めるようにしてもよい。例えば4円貯玉数から1円貯玉数に変換しても該1円貯玉数の払出数(本例では200玉)に満たない場合には、変換しても払出ができず、変換を認める実効性に乏しいため、変換を認めないようにする。
上記の第1実施形態及び第2実施形態では、図7のS106に示す変換不可表示1において、変換後の貯玉数が設定された上限の範囲内となるような許容玉数を報知する例について説明したが、これに限らず、S108に示す変換不可表示3においても、許容玉数を報知するようにしてもよい。そして、これら変換不可表示1,3において、「許容玉数の変換ボタン」をディスプレイ124に表示し、該ボタンが操作された場合に、許容玉数を変換するようにしてもよい。
上記の第1実施形態及び第2実施形態では、図7のS107において、上限0(例えば4円貯玉数から変換される1円貯玉数が特定価値を超えないこと)を満たすか否かを判定した後に、上限1(変換後の4円貯玉数と1円貯玉数の合算値が特定価値を超えないこと)又は上限2(変換後の1円貯玉数が特定価値を超えないこと)を満たすか否かを判定する例について説明したが、これに限らず、上限0を満たすか否かを判定せずに、上限1又は上限2を満たすか否かを判定するものであってもよい。
上記の第1実施形態及び第2実施形態では、図7のS109やS115に示すように、実際に変換が実行されるS118の前に、変換後玉数表示が行われる例について説明したが、これに限らず、該S109やS115では変換後玉数表示を行わず、S118で実際に変換が行われてから、S120でのみ変換後玉数表示を行うようにしてもよい。
上記の第1実施形態及び第2実施形態では、図8のS204において他の貸与レートの所有価値(この例では4円貯玉数)が有ると判定された場合に、S206において変換示唆表示が行われる例について説明したが、これに限らず、該S204において他の貸与レートの所有価値が所定数以上有ると判定された場合に、S206において変換示唆表示が行われるようにしてもよい。ここで所定数は、変換後の1円貯玉数が、1回の貯玉再プレイ処理で払い出される200玉以上になるような数であればよく、例えば変換前の1円貯玉数が0であれば所定数は50となり、変換前の1円貯玉数が80であれば所定数は30となる。これによれば、変換する4円貯玉数が不足している場合には変換示唆表示がされないので、遊技者に違和感を抱かせずに済む。
上記の第1実施形態及び第2実施形態では、図9のD102や図11のD102’等に示すように、所有価値を所定の表示単位(本例では2000玉)で換算した換算値のうち該表示単位に満たない部分を、該表示単位のドル箱よりも小さなドル箱で表す例について説明したが、これに限らず、例えば2000玉のドル箱と同じ大きさのドル箱において、玉量が2000玉よりも少ないように表示されるものであってもよく、この場合には、数値に比例して玉量の表示が変化するのが好ましい。
上記の第2実施形態では、図10のS121で所定時間が経過すると、貯玉再プレイ操作無しで、パチンコ玉の払出が行われる例について説明したが、これに限らず、図10のS121で所定時間が経過すると、パチンコ玉の払出を行わずに貯玉再プレイ処理を一旦終了し、改めて貯玉再プレイ操作が有ると、パチンコ玉の払出が行われるものであってもよい。
上記の第1実施形態及び第2実施形態では、図7のS120で変換が行われる毎や、図8又は図10のS203でパチンコ玉の払出が行われる毎に、玉貸ユニット120が、貯玉テーブルで記憶している貯玉数を更新すると共に、会員管理装置162と通信して、該会員管理装置162が貯玉DBで管理している貯玉数を更新する例について説明したが 、これに限らず、貯玉テーブルで記憶している貯玉数は更新するが、管理装置と通信はせず、カード返却処理において、会員管理装置162と通信(即ち貯玉テーブルで記憶している貯玉数を送信)して、該会員管理装置162が貯玉DBで管理している貯玉数を更新するものであってもよい。これによれば、玉貸ユニット120と会員管理装置162との通信回数を減らすことができる。
上記の第1実施形態及び第2実施形態では、遊技用装置(玉貸ユニット120)が、変換処理を行い、貯玉テーブルで記憶している貯玉数を更新し、変換が行われた旨を特定可能な信号を管理装置(会員管理装置162)に対して送信することにより、該管理装置が貯玉DBで管理している貯玉数を更新する例について説明したが、これに限らず、遊技用装置が貯玉数を記憶せず(即ち貯玉テーブルを有さず)、管理装置が、変換処理を行い、貯玉DBで管理している貯玉数を更新するものであってもよい。
この場合の貯玉再プレイ処理(図8)では、まずS201で、管理装置と通信することにより、該管理装置が記憶している1円貯玉数が200玉以上であるか否かを判定する。このS201でYESならば、前記S202の処理を行った後、S203で、管理装置と通信することにより、該管理装置が記憶している1円貯玉数から200玉を減算させる。一方、S201でNOならば、管理装置と通信することにより、該管理装置が記憶している4円貯玉数が有るか否かを判定し、前記S205以下の処理を行う。
また、この場合の変換処理(図7)では、前記S101の処理を行った後、S102で、管理装置と通信することにより、該管理装置が記憶している貯玉数(4円貯玉数及び1円貯玉数)に基づく変換前玉数表示を行う。次にS105やS112の判定は、管理装置と通信することにより、該管理装置に行わせ、その判定結果に基づいて、S106,S109,S113,S115の表示を玉貸ユニット120が行う。そしてS118では、玉貸ユニット120では変換を実行せず、S120で、管理装置と通信を行うことにより、第1の所有価値の前記貯玉減算要求及び第2の所有価値の前記貯玉加算要求を送信して、管理装置が記憶している貯玉数を更新させる。
次に、第3〜第5実施形態について説明するが、この発明は、下記の趣旨でなされたものである。
遊技機の一種であるパチンコ機やスロットマシンが設置された店舗においては、これらの遊技機に対応して、該遊技機で遊技する遊技者の所持球数や所持メダル数を表示する台間計数機やカードユニット等の遊技用装置が設置される。
このような遊技用装置に関する発明として、文献1(特開2012−249650号公報)には、パチンコ機で遊技する遊技者の持玉数を計数し、その持玉数に応じて、各パチンコ機を仕切る仕切板ユニットの表示部に、持玉数に応じた玉箱を所定画像として表示する技術が開示されている。また、文献2(特開2013−42799号公報)には、パチンコ機で遊技する遊技者が獲得した玉数に応じて、カードユニットの表示部に異なる数や色でドル箱を所定画像として表示する技術が開示されている。
文献1や2に開示されているような遊技者の所持遊技媒体数に応じた表示を行う遊技用装置では、玉箱やドル箱といった所定画像を表示部に表示させるための条件として、所持遊技媒体数に対する閾値を定めておき、所持遊技媒体数がこの閾値に達した場合に、所定画像を表示させるのが一般的である。また、表示部に所定画像を表示させた後、遊技に伴い遊技者の所持遊技媒体数が減少し、上記の閾値を下回ると、所定画像の表示を消去するのが一般的である。
この場合、所定画像を表示させるための閾値と、所定画像を非表示とするための閾値とが同じであるため、閾値間際で所持遊技媒体数が増減を繰り返すような場合、所定画像の表示/非表示が頻繁に切り替わることになる。このため、表示部に表示された所定画像を見て自身の所持遊技媒体数を確認する遊技者にとっては、所定画像の表示/非表示の切り替わりが非常に煩わしいという問題があった。
第3〜第5実施形態に係る発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技機で遊技する遊技者の所持遊技媒体数を示す直感的に分かり易い表示を可能としつつ、閾値間際の所持遊技媒体数の増減によって所定画像の表示/非表示が頻繁に切り替わることを防止する新しい手法を提案することにある。
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態で説明した「変換」は、第4実施形態に適用され、貯玉数の変換のみならず、所持球数(持玉数)の変換も行われる。
[3.第3実施形態]
[3−1.遊技用システムの構成]
図12は、第3実施形態における第3遊技用システム1Aのシステム構成の一例を表す図である。第3遊技用システム1Aは、不図示の遊技島に設置される遊技機の一種である複数のパチンコ機2と、各パチンコ機2に対応して設けられる遊技用装置及び情報表示装置の一種であるデータ表示装置4と、各パチンコ機2に対応して設けられる遊技用装置及び計数装置の一種である台間計数ユニット5と、制御装置及び管理装置の一種であるホールコンピュータ6と、制御装置及び管理装置の一種である持玉管理コンピュータ8とを備えて構成される。
各パチンコ機2は、台番号によって個々に識別可能に構成されており、各パチンコ機2、データ表示装置4及び台間計数ユニット5は、台端末を介してホールコンピュータ6や持玉管理コンピュータ8に接続されている。なお、図12では、簡明化のために、遊技島に設置されるパチンコ機2を4台として図示している。
遊技島に設置される各パチンコ機2の上方所定位置には、カラーの液晶画面によってパチンコ機2での遊技に係る遊技情報や店舗の営業に係る店舗情報等の各種の情報を表示する情報表示装置の一種であるデータ表示装置4が設置されている。データ表示装置4は、後述するように第1表示部430と第2表示部440との2つの表示部を有し、第1表示部430と第2表示部440とでそれぞれ異なるデータを表示する。データ表示装置4は、遊技者や遊技客に対して情報を公開する端末であるため、情報公開端末と言い換えることもできる。
また、本実施形態において、データ表示装置4の第1表示部430はタッチパネル421を有して構成されており、第1表示部430に表示された呼出アイコンやメニューアイコン、バージョン情報アイコンを遊技者がタップすることにより、店員の呼出やメニュー選択(ワゴンサービスやおしぼり、食事休憩等)、パチンコ機2のバージョン情報の表示指示を行うことができるように構成されている。従って、データ表示装置4は、呼出ランプ装置と言い換えることもできる。
台間計数ユニット5は、各パチンコ機の左方(或いは右方)に併設して設けられ、パチンコ機2の下皿に払い出されたパチンコ玉の数を計数する。台間計数ユニット5の最下方位置には、詳細後述する計数払出ユニット380が設けられている。計数払出ユニット380は、パチンコ玉を計数して取り込み、該計数したパチンコ玉を貯留するとともに、遊技者によるパチンコ玉の払い戻し操作に応じて、貯留したパチンコ玉を所定数ずつ遊技者に払い戻す機能を有する。
ホールコンピュータ6は、店舗に設置された各パチンコ機2の遊技情報を統括的に管理するとともに、各パチンコ機2に対応して設けられたデータ表示装置4を管理し、各データ表示装置4の表示部(第1表示部430及び第2表示部440)の表示に係る設定(表示内容、表示条件、表示態様等の設定)を行う。
持玉管理コンピュータ8は、台間計数ユニット5において計数された計数済玉数の管理や、遊技者が再度の遊技に使用可能に所有する持玉カードに記録された持玉数の管理を行う。
なお、本実施形態では、本発明を遊技機の一種である通常のパチンコ機2に適用した場合の実施形態について説明するが、他の実施形態で後述するように、遊技機は通常のパチンコ機2に限らず、封入式のパチンコ機であってもよい。また、遊技機をスロットマシンとすることも可能である。
[3−2.情報及び信号の流れ]
図13は、第3遊技用システム1Aの各装置間における情報及び信号の流れの一例を示す図である。
パチンコ機2からは、大当り中信号や確変中信号、時短中信号、賞球信号、始動信号といった遊技に係る信号がデータ表示装置4及びホールコンピュータ6に出力される。
大当り中信号は、大当り状態の期間中において出力状態とされる信号であり、確変中信号は、確変状態の期間中においてのみ出力状態とされる信号であり、時短中信号は、時短状態の期間中においてのみ出力状態とされる信号である。また、始動信号は、特図可変表示部の表示結果が全て導出表示されて可変表示が終了した際に出力される所定幅のパルス信号であり、賞球信号は、所定玉数(例えば10玉)が払い出される毎に出力される所定幅のパルス信号である。これらの信号は、遊技機から出力される遊技信号の一例である。これらの信号については詳細に後述する。
台間計数ユニット5からは、計数払出ユニット380により計数された遊技者の所持球数を表す所持球信号がデータ表示装置4に出力される。本実施形態では、台間計数ユニット5は、間欠的なタイミングで所持球信号をデータ表示装置4に出力するように構成されている。ここで、本実施形態における間欠的なタイミングとは、随時(リアルタイム)のタイミングではなく、例えば、所定の時間間隔毎のタイミングや、計数払戻ユニット380の計数結果が所定数に達したタイミング、計数払戻ユニット380の計数がなくなってから所定時間が経過したら計数を確定し、その確定を待ったタイミングのことをいう。
台間計数ユニット5は、例えば、所定の時間間隔(例えば10秒)毎のタイミングや、計数払出ユニット380の計数数が所定数(例えば25球)に達する毎のタイミングで、所持球信号をデータ表示装置4に出力する。所持球信号は、遊技機で遊技する遊技者の所持遊技媒体数を特定可能な信号の一例である。
この他に、台間計数ユニット5からは、持玉カードが排出されたことを示すカード排出信号がデータ表示装置4に出力される。また、台間計数ユニット5からは、遊技者の持玉数を含む持玉カード情報が持玉管理コンピュータ8に出力される。
ホールコンピュータ6からは、データ表示装置4の表示部(第1表示部420及び第2表示部430)の表示用の設定データである表示用設定データや、表示部に特定の表示を行わせるための表示指示信号がデータ表示装置4に出力される。
[3−3.パチンコ機の構成]
図14は、本実施形態におけるパチンコ機2の外観構成の一例を示す正面図である。
パチンコ機2は、額縁状に形成されたガラス扉枠22を備え、該ガラス扉枠22の下部表面には打球供給皿23を備えて構成される。打球供給皿23の上面所定箇所には、操作部14が設けられており、打球供給皿(上皿)23の下部には、打球供給皿23から溢れたパチンコ玉を貯留する下皿24と、打球を発射する打球操作ハンドル(以下打球操作ノブと称する)25とが設けられている。
ガラス扉枠22の後方には、遊技盤26が着脱可能に取付けられている。また、遊技盤26の前面には遊技領域27が設けられている。この遊技領域27に向かって右側の下方領域に「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される特図可変表示部28が設けられている。
また、遊技領域27の中央部には、「演出図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示されるとともに演出映像が表示される演出可変表示部29と、「普通図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される可変表示装置30とが設けられている。また、遊技盤26には、複数の入賞口44や通過ゲート31、始動入賞口34、可変入賞球装置36が設けられているとともに、遊技領域27の下部には、入賞しなかった打込玉を回収するアウト口46が形成されている。
これら各入賞口に打玉が入賞した(すなわち付与条件が成立した)場合には、各入賞口に応じた賞球が図示しない玉切り払い出し装置により払い出されるとともに、該玉切り払い出し装置により払い出された賞球数(付与玉数)に応じた賞球信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、賞球数が外部に通知される。
また各入賞口に入賞した打玉及びアウト口46に回収された打玉の数は、当該パチンコ機2に対応して設けられるアウト玉計数器(不図示)により計数され、該計数された打込玉数に応じた打込玉信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、打込玉数が外部に通知される。
打球操作ノブ25の操作によって揺動されるハンマー(図示略)によって発射された打玉は、打球レールを通って遊技領域27に入り、その後、遊技領域27を流下していく。この際、発射勢いが弱すぎて遊技領域27に達しなかったパチンコ玉は、環流経路(図示略)を通じて下皿24に環流される。
また、遊技領域27に打ち込まれた打込玉が通過ゲート31を通過すると、可変表示置30に停止表示されている普通図柄が可変開始する。
可変表示装置30の可変表示動作後の表示結果が予め定められた特定の表示結果(例えば○)となった場合、始動入賞口34に設けられた可動片35が所定時間開成して遊技者にとって有利な状態となる。
また、始動入賞口34にパチンコ玉が入賞すると、特図可変表示部28において全特別図柄が可変表示(変動表示)を開始するとともに、演出表示部29において演出表示が開始される。そして、その後、特図可変表示部28における特別図柄が停止し、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合には、演出表示部29における左、中、右の演出図柄の可変表示も停止する。そして、その演出図柄の表示態様も予め定められた特定の表示態様(たとえば777)とされることで、特定遊技状態(大当り状態)が発生するとともに、大当り中信号が出力状態とされることで、該大当りの発生が外部に通知される。
また、特図可変表示部28における特別図柄が停止したときに、所定パルス幅の始動信号が出力され、特図可変表示部28における特別図柄の可変表示(変動表示)が実施されたことが外部に通知される。
このように大当り状態が発生した場合には、可変入賞球装置36に設けられた開閉板40が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(例えば30秒間)の経過または打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、その後、遊技者にとって不利な第2の状態となる。
そして該第1の状態となっている可変入賞球装置36の大入賞口内に進入した打玉が特定入賞領域(Vポケット)に入賞して図示しないVカウントスイッチにより検出されれば、その回の第1の状態の終了を待って第2の状態から第1の状態に制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数は例えば15回と定められている。
なお、特定入賞領域(Vポケット)が設けられていない可変入賞球装置36を定められた回数(例えば15回)だけ第2の状態(大入賞口が閉鎖されている状態)から第1の状態(大入賞口が開放されている状態)に制御する繰返し継続制御を実行するようにしてもよい。この第1の状態は、所定期間(例えば30秒間)の経過又は打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了する。可変入賞球装置36を第2の状態から第1の状態に制御する繰返し継続制御の実行回数は、例えば、複数存在する特定遊技状態(大当り遊技状態)の種別に応じて異なるように設定されており、該繰返し継続制御の実行回数が15回の大当りを15ラウンド大当り、該繰返し継続制御の実行回数が2回の大当りを2ラウンド大当りと称する場合がある。
この大入賞口に打玉が入賞した(即ち付与条件が成立した)場合にも、該入賞に応じた賞球が図示しない玉切り払い出し装置により払い出されるとともに、該玉切り払い出し装置により払い出された賞球数(付与玉数)に応じた賞球信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、賞球数が外部に通知される。
特図可変表示部の表示結果並びに演出可変表示部の演出図柄の表示結果が予め定められた大当り図柄の組合せで停止表示されたときには上記のように大当りが発生するが、これら大当り図柄に停止表示される以前の状態において、リーチ状態が発生する場合がある。
特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄の種類に一致した図柄の組合せで停止表示されたときには、上記の繰返し継続制御による「大当り」の終了後に、再度大当りとなる確率が通常の確率状態よりも高い確率状態となる確率変動状態となるようになっており、これら確率変動図柄での大当りを通常の大当りと区別して「確変大当り」と呼称し、これら確変大当り終了後における確率変動状態中において、確変中信号が出力状態とされることで、該確率変動状態の発生が外部に通知される。
また、特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄以外の図柄の組合せで停止表示されたときには、上記の繰返し継続制御による「大当り」の終了後に、特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示が所定回数に達するか、又は、次の大当りが発生するまでの間、特図可変表示部28における特別図柄および演出可変表示部29における演出図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮される時短状態となるようになっており、これら時短状態中において、時短中信号が出力状態とされることで、該時短状態の発生が外部に通知される。
本実施形態のパチンコ機2には、これら各信号を外部出力するための図示しない情報出力基板が搭載されており、該情報出力基板とデータ表示装置4及びホールコンピュータ6とが、図示しない信号ケーブルを介して接続されており、情報出力基板からは、大当り中信号、確変中信号、時短中信号、始動信号、賞球信号からなる外部出力信号が、信号ケーブルを介してデータ表示装置4及びホールコンピュータ6に出力される。
大当り中信号は、大当りが発生したことを示す信号であるとともに、大当り状態に制御されていることを示す信号でもある。大当り状態に制御されている期間は、大当り中信号をON状態とし、大当り状態に制御されていない期間は大当り中信号をOFF状態とする制御を行う。これにより、データ表示装置4やホールコンピュータ6等、パチンコ機2に接続される遊技用装置において大当りが発生したこと及び大当り状態に制御されていることを特定可能となる。
確変中信号は、大当りが発生する割合が通常状態(低確率状態)よりも高められた確変状態(高確率状態)に制御されていることを示す信号である。確変状態に制御されている期間は、確変中信号をON状態とし、確変状態に制御されていない期間は確変中信号をOFF状態とする制御を行う。これにより、データ表示装置4やホールコンピュータ6等、パチンコ機2に接続される遊技用装置において確変状態に制御されていることを特定可能となる。また、大当り状態の終了に伴い確変状態に制御された場合には、確変大当りが発生したことを、これらの遊技用装置で特定可能となる。また、大当り状態の終了に伴い確変状態に制御されなかった場合には、通常大当りが発生したことを、これらの遊技用装置で特定可能となる。これにより、遊技用装置側では、大当りの発生回数及び確変大当りと通常大当りの内訳を集計可能となる。
時短中信号は、可変表示装置の可変表示時間を短縮する時短状態に制御されていることを示す信号である。時短状態に制御されている期間は、時短中信号をON状態とし、時短状態に制御されていない期間は時短中信号をOFF状態とする制御を行う。これにより、データ表示装置4やホールコンピュータ6等、パチンコ機2に接続される遊技用装置において時短状態に制御されていることを特定可能となる。
また、大当り状態の終了に伴い確変状態に制御されたものの時短状態には制御されなかった場合には、潜伏確変大当りが発生したことを、これらの遊技用装置で特定可能となる。ここで、潜伏確変大当りとは、大入賞口の開放パターンが小当りと共通の大当りであって、大当り状態の終了後に確変状態(高確率状態)に制御される大当りである。なお、小当りとは、大入賞口が特定の開放パターン(例えば0.5秒の開放が2回)で開放するものの、大入賞口の開放制御終了後に遊技状態が変化していない制御態様をいう。従って、遊技者は、大入賞口が特定の開放パターンで開放されただけでは、小当りが発生したのか潜伏確変大当りが発生したのかを特定することは困難である。一方、パチンコ機2に接続される遊技用装置においては、確変状態であるにもかかわらず時短状態ではないことに基づいて、遊技者が把握困難な潜伏確変状態であることを特定可能である。
本実施形態のパチンコ機2には、該パチンコ機2における遊技を制御する遊技制御基板から、入賞に基づいて出力される賞球信号に基づいて所定数の賞球を計数して払出す制御を行うとともに、台間計数ユニット5で計数される遊技者の所持球数に基づいて、払出単位である25玉のパチンコ玉を計数して貸出す制御を行う賞球制御基板(不図示)を備えており、該払出単位である25玉の倍数のパチンコ玉の貸出を実施できるようになっている。
本実施形態に例示するパチンコ機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や演出図柄)の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば特図可変表示部28や演出表示部29)を備え、可変表示手段に予め定められた特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御し、特定遊技状態終了後に、遊技状態を、通常状態又は通常状態よりも可変表示手段の表示結果が特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御する遊技機の一例である。
また、本実施形態に例示するパチンコ機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や演出図柄)の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば特図可変表示部28や演出表示部29)における識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)と遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)とのいずれかの状態に変化可能な可変入賞手段(大入賞口を開放状態又は閉鎖状態に切り替える特別可変入賞球装置)を第1状態に変化させる遊技機であって、
前記可変入賞手段を所定期間第1状態に変化させることを所定回数行う第1遊技状態(例えば最長30秒の開放を15回実行する大当り遊技状態)に制御する第1遊技状態制御手段と、
前記可変入賞手段を前記所定期間よりも短い期間及び前記所定回数より少ない回数の少なくともいずれかで第1状態に変化させる第2遊技状態(例えば最長0.5秒の開放を2回実行する大当り遊技状態(潜伏確変大当りに伴う大当り状態))を実行した後、遊技状態を、通常状態よりも前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御する第2遊技状態制御手段と、
前記可変入賞手段を前記第2遊技状態と同様に変化させる第3遊技状態(例えば最長0.5秒の開放を2回実行する小当り遊技状態)を実行した後、前記可変入賞手段を第1状態に変化させる前の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、
前記第1遊技状態に制御するか否かと、前記第2遊技状態に制御するか否かと、前記第3遊技状態に制御するか否かとを、前記可変表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段と、
前記第2遊技状態に制御された後と前記第3遊技状態に制御された後とで、同じ演出態様となる特定演出状態に制御する演出状態制御手段と、を備える遊技機の一例である。
このような遊技機では、潜伏確変大当りが発生した場合と小当りが発生した場合とで、大入賞口の開放パターンが共通であり且つ演出態様も共通となるため、遊技者は潜伏確変大当りが発生したのか又は小当りが発生したのかを把握し難い構成となっている。
また、本実施形態に例示するパチンコ機は、
遊技媒体を遊技領域に発射することにより遊技者が遊技を行い、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技媒体が入賞しにくい又は入賞できない不利状態(閉状態)と、前記遊技媒体が入賞し易い有利状態(開放状態)とに変化可能な可変入賞装置(可動片35(いわゆる電動チューリップ))と、
前記遊技領域に設けられた普通始動領域(通過ゲート31)を前記遊技媒体が通過したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の普通識別情報(普通図柄)を可変表示して、該可変表示の表示結果を普通識別情報可変表示装置(可変表示装置30)に導出表示する制御を行う普通識別情報可変表示制御手段と、
前記普通識別情報可変表示装置に導出表示された表示結果が所定の表示結果(当りを示すLEDの点灯状態)となったことに基づいて、前記可変入賞装置を有利状態に変化させる制御を行う可変入賞装置制御手段と、
所定の条件(例えば高ベース状態を伴う大当り種別(例えば潜伏確変大当り以外の大当り種別)の大当り遊技状態の終了)が成立したことに基づいて、前記可変入賞装置を有利状態とする割合の低い低ベース状態(通常状態:低ベース状態)から、前記可変入賞装置を有利状態とする割合の高い高ベース状態に制御する高ベース状態制御手段と、を備える遊技機の一例である。
このような遊技機では、例えば、低ベース状態で潜伏確変大当りが発生した場合には、大当り遊技状態終了後に高確率低ベース状態となり、小当りが発生した場合には小当り遊技状態終了後に低確率低ベース状態となるため、遊技者は大入賞口の開放制御終了後に低ベース状態に制御された場合に、潜伏確変大当りが発生したのか(高確率低ベース状態に制御されているのか)又は小当りが発生したのか(低確率低ベース状態に制御されているのか)を把握し難い構成となっている。
なお、図柄確定信号、大当り中信号、時短中信号及び確変中信号の出力経路は、本実施形態に示すものに限定されるわけではない。これらの信号は、いずれも主制御基板から出力されるようにしてもよい。例えば、主制御基板に、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば特別図柄表示器)が接続される構成とし、この可変表示手段に予め定められた特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する。そして、特定遊技状態終了後に、遊技状態を、通常状態又は通常状態よりも可変表示手段の表示結果が特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御する。そして、主制御基板は、可変表示手段により可変表示が実行される毎に図柄確定信号を出力し、特定遊技状態に制御されている場合には大当り中信号を出力し、高確率状態に制御されている場合には確変中信号を出力し、高ベース状態に制御されている場合には時短中信号を出力するようにする。
このような遊技機において、例えば低確率低ベース状態で潜伏確変大当りが発生した場合には、大当り遊技状態終了後(大入賞口が最長0.5秒で2回開放後)に確変中信号はON、時短中信号はOFFとなり、同じく低確率低ベース状態で小当りが発生した場合には、小当り遊技状態終了後(大入賞口が最長0.5秒で2回開放後)に確変中信号はOFF、時短中信号はOFFとなる。そのため信号が入力されるデータ表示装置等の外部装置では、潜伏確変状態(確変中信号ON、時短中信号OFF)であるか否かを確変中信号と時短中信号とに基づいて判定可能となっている。
なお、本実施形態におけるパチンコ機2を、通常のパチンコ機2ではなく、後述する封入玉式のパチンコ機(以下、「封入式パチンコ機」と称す。)2Bとすることも可能である。封入式パチンコ機2Bでは、内部にパチンコ玉が封入され、遊技者が打球操作ハンドルを操作することにより、発射装置の発射モータを駆動させて封入玉を1発ずつ遊技領域に打ち込んで遊技ができるように構成されている。遊技領域に打ち込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口に回収される。いずれかの入賞口に入賞したパチンコ玉及びアウト口に回収されたパチンコ玉は、再度遊技機内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドルを操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域に打ち込まれる。
詳細は後述するが、封入式パチンコ機2Bでは、遊技者は持点によって遊技を行う。具体的には、発射装置に設けられた発射玉検出器により発射玉が検出される毎に持点を減算するとともに、ファール玉検出器でファール玉が検出される毎に持点を加算することで、持点を随時更新する。また、入賞口に遊技球が入賞した場合には、その入賞口への入賞に対応した点数を持点に加算することにより、持点を随時更新する。
本実施形態に封入式パチンコ機2Bを適用する場合は、遊技者の持点を所持遊技媒体数として扱って、後述する所持球特別表示を行うようにすればよい。具体的には、遊技者の現在の持点に対する閾値(第1表示閾値、第1非表示閾値、第2表示閾値及び第2非表示閾値)を定めておき、遊技者の持点に対する閾値判定を行って、上記の実施形態と同様の表示制御及び非表示制御を行って、所定画像をデータ表示装置4の第1表示部430に表示/非表示させるようにすればよい。
[3−4.台間計数ユニットの構成]
図14は、台間計数ユニット5の外観構成の一例を示す正面図であり、図15は、台間計数ユニット5の機能構成の一例を示すブロック図である。
台間計数ユニット5の前面には、図14に示すように、発券ボタン551及び払戻ボタン552を含む操作ボタン550と、遊技者が持玉カードを挿入/取り出すためのカード挿入口560とが設けられている。
遊技者が発券ボタン551を押下すると、その時点における遊技者の所持球数(持玉数)を記録した持玉カードがカード挿入口560から発券される。また、遊技者が払戻ボタン552を押下すると、所持球数のうちの所定の単位球数がパチンコ機2に払い戻され、この払い戻されたパチンコ玉を用いて遊技者は遊技を行うことが可能となる。本実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態と異なり、貸与レートが4円であり、1回の払い戻し操作で遊技者に払い戻される単位球数を125発として説明する。
カード挿入口560は、図15に示すように、該カード挿入口560に対応する位置に内蔵される持玉カードリーダライタ(R/W)570に連接しており、持玉カードR/W570により、カード挿入口560から挿入される持玉カードに記録されているカードIDや所持球数(持玉数)の記録情報の読み出し及び書き込みが行われる。
また、台間計数ユニット5の略中央部位置には、該台間計数ユニット5を構成する各部と接続しやすいように該台間計数ユニット5の動作を制御する制御ユニット505が設けられており、該制御ユニット505によって該台間計数ユニット5の各種の動作が制御される。
また、台間計数ユニット5の最下方位置には、パチンコ玉を計数して取り込み、該計数したパチンコ玉を最大端数分、つまり、対応するパチンコ機2における払出単位である25個未満の単位未満端数の最大値である24個だけ貯留するとともに、該単位未満端数のパチンコ玉を計数する計数払出ユニット380が設けられている。以下、「単位未満端数」を「端数」と称する。
図14に示すように、計数払出ユニット380には、パチンコ機2の下皿24と、遊技島の繕板との間に配置される横長の箱状とされた連結ボックス340が連結されるようになっている。
この連結ボックス340は、連結ボックス340の終端側に形成された、高さ方向の厚みが比較的大きな終端ボックス(不図示)と、高さ方向の厚みが比較的小さく、終端ボックスと計数払出ユニットとの連結部とを繋ぐように形成された経路ボックス(不図示)とから構成されている。
連結ボックス340は、計数払出ユニット380に連結することで、終端ボックスが下皿24の下方に位置するようになっており、該終端ボックスの上面には、下皿24から排出されるパチンコ玉が投入されるホッパ形状とされた投入部345が形成されている。また、終端ボックスの前面下部位置には、遊技者が開閉自在とされ、通常において閉状態となるように付勢されている開閉シャッタを有し、計数払出ユニット380から払い戻し(返却)される端数のパチンコ玉が排出される返却口342が設けられている。
また、経路ボックス内の上部位置には、計数払出ユニット380に向けて傾斜するように設けられ、該投入部345に投入されたパチンコ玉を自然流下にて計数払出ユニット380に導く2条の流路から成る計数通路343が設けられている。また、該計数通路343の下方位置に返却口342に向けて傾斜するように設けられ、計数払出ユニット380から払出されたパチンコ玉を自然流下にて返却口342に導く返却通路344が設けられている。
なお、終端ボックス340aの前面上部位置には、遊技者がスライド操作可能とされた計数レバー341が設けられており、該計数レバー341を、付勢に抗してスライドさせることで、投入部345から計数通路343への侵入口に設けられた開閉シャッタ346が開放されるようになっている。
連結ボックス340が連結される計数払出ユニット380の内部には、計数通路343と連結され、台間計数ユニット5の前面側から台間計数ユニット5の内方側に向けて傾斜するように設けられた流入路を有し、当該流入路の終端位置には、該流入路を流下するパチンコ玉を検出して計数する計数センサ(不図示)が各条の流路毎に設けられており、計数通路343を通じて計数払出ユニット380に流入したパチンコ玉が、該計数センサにより検出されて計数されるようになっている。計数センサによって計数された場合には、1球のパチンコ玉の検出に応じて所定パルスの検出信号が計数払出ユニット380から制御ユニット505に対して出力される。制御ユニット505は、その検出信号が入力される毎に、記憶している所持球数を1加算する。
なお、遊技者の所持球数が増加する場合には、遊技者が計数レバー341を引いた状態としておくことでパチンコ機2から排出されたパチンコ玉が下皿24から計数通路343に随時に流入し、計数払出ユニット380により計数されることで随時に増加する場合と、遊技者が計数レバー341を引かずにパチンコ機2から排出されたパチンコ玉を下皿に溜めた状態としておき、ある程度パチンコ玉が溜まった段階で計数レバー341を引くことで、溜められたパチンコ玉が一気に計数通路343に流入し、計数払出ユニット380により計数されることで一気に増加する場合との2つのケースがある。
また、遊技者の所持球数が減少する場合は、遊技者の払い戻し操作によりパチンコ玉が遊技者に払い戻される場合であり、前述したように1回の払い戻し操作による払い戻し数は125発であるため、1回の払い戻し操作により所持球数は125発減少する。制御ユニット505は、1回の払い戻し操作が行われる毎に、記憶している所持球数を125減算する。ただし、所持球数が125未満であるときに払い戻し操作が行われた場合には、所持球数を0とする。すなわち、記憶している所持球数に相当する球数を減算する。
また、台間計数ユニット5とパチンコ機2とは、払出単位として予め定められた複数個のパチンコ玉の貸出に伴う貸出関連信号を送受可能に構成されている。貸出関連信号には、台間計数ユニット5からパチンコ機2に遊技球の貸出しを行わせるための貸出要求信号や、パチンコ機2から出力される台端末貸出完了信号や台READY信号、台間計数ユニットREADY信号、台端末貸出要求完了確認信号等の信号が含まれる。また、パチンコ機2からは、大当り中信号、確変中信号、時短中信号、賞球信号、始動信号等の遊技信号や、該パチンコ機2に対応して設けられる打込玉カウンタ(不図示)から出力される打込玉信号を受信可能に構成されている。
図15に示すように、台間計数ユニット5は、制御ユニット505と、操作ボタン550と、持玉カード挿入/排出部565と、持玉カードR/W570と、計数払出ユニット380と、通信部590とを備えて構成される。
制御ユニット505は、制御装置の一種であるCPU510と、不揮発性の記憶装置の一種であるROM520と、受付け中の持玉カードに記録された持玉数等のカード情報531を記憶可能な揮発性の記憶装置の一種であるRAM530と、時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なRTC540とを備えて構成される。RAM530は不図示の電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。
ROM520には、CPU510により読み出され、台間計数ユニット処理(図34参照)として実行される台間計数ユニット処理プログラム521が記憶されている。台間計数ユニット処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
RAM530に記憶されているカード情報531には、持玉カードIDや遊技者の所持球数(持玉数)等の情報が記録される。
通信部590は、データ表示装置4との間でデータの授受や信号の送受を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。通信部590は、CPU510の制御に従って、遊技者の所持球を示す所持球信号をデータ表示装置4に送信する。
[3−5.ホールコンピュータの機能構成]
図16は、ホールコンピュータ6の機能構成の一例を示す図である。
ホールコンピュータ6は、CPU610と、入力装置620と、ディスプレイ625と、スピーカ630と、時計装置635と、第1通信部640と、第2通信部650と、ROM670と、ハードディスク680と、RAM690とを備えて構成され、各部がバスを介して接続されるコンピューターシステムである。
CPU610は、ROM670に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、ホールコンピュータ6の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置である。本実施形態において、CPU610は、主要な機能部として、表示内容設定部611と、遊技集計部612とを有する。
入力装置620は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)をCPU610に出力する。この入力装置620からの操作入力により、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの編集等の指示操作がなされる。
ディスプレイ625は、CPU610から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。ディスプレイ625には、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの内容等が表示される。
スピーカ630は、CPU610から出力される音出力制御信号に基づく各種の音出力を行う音出力装置である。スピーカ630からは、例えば、注意を促す場合や、異常が発生した場合に、それを管理者に報知する警告音等が音出力される。
時計装置635は、ホールコンピュータ6が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計装置635の計時時刻(日付を含む。)はCPU610に出力される。
第1通信部640は、パチンコ機2との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第1通信部640は、パチンコ機2から、大当り中信号や確変中信号、時短中信号、賞球信号、始動信号等の遊技信号を受信する。なお、これらの遊技信号の他に、セーフ球の数を示すセーフ信号や、アウト球の数を示すアウト球信号を受信することとしてもよい。
第2通信部650は、データ表示装置4との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。CPU610の制御に従って、第2通信部650は、表示用設定データ691や、一斉演出表示指示信号をデータ表示装置4に送信する。
ROM670は、読み出し専用の不揮発性の記憶装置であり、ホールコンピュータ6のシステムプログラム等の各種のプログラムを記憶している。本実施形態において、ROM670には、CPU610によって読み出され、管理処理(図27及び図28参照)として実行される管理プログラム671が記憶されている。管理プログラム671は、表示内容設定処理(図29参照)として実行される表示内容設定プログラム671aをサブルーチンとして含む。これらの処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
なお、ホールコンピュータ61Aが記憶装置としてROM670を備えないような構成とすることも可能であり、この場合は、上記の各種プログラムを、例えばハードディスク680に記憶させるようにすればよい。
ハードディスク680は、読み書き可能な不揮発性の記憶装置であり、データ表示装置4の表示設定に係る各種のデータや、パチンコ機2での遊技に係る各種のデータベースを記憶する。具体的には、表示用テーブル681と、一斉演出時表示用テーブル682と、表示パターンテーブル683と、遊技集計データベース684とが記憶される。
表示用テーブル681は、データ表示装置4の表示内容の設定に係るテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図17に示す。表示用テーブル681には、パチンコ機IDと、機種名と、表示種別と、表示内容とが対応付けて記憶されている。
パチンコ機IDは、各パチンコ機2をユニークに識別するための番号(ID)であり、各パチンコ機2に個別に割り当てられている。
機種名は、該パチンコ機IDのパチンコ機2の機種名である。
表示種別は、データ表示装置4の表示の種別であり、本実施形態では「通常」と「一斉演出」との2種類が定められている。
表示内容は、データ表示装置4の表示部に表示させる表示内容であり、第1表示部430の表示内容と、第2表示部440の表示内容とがそれぞれ個別に定められている。
具体的には、パチンコ機IDがP1〜P20のパチンコ機2は、その機種名が「パチンコXXX」である。そして、通常時における第1表示部430の表示内容として、(1)パチンコ機機種名、(2)スタート回数、(3)大当り回数、(4)確変大当り回数、(5)通常大当り回数、(6)前日大当り回数、(7)前々日大当り回数、(8)所持球特別表示、(9)バージョン情報が定められている。
(8)所持球特別表示は、該データ表示装置4が対応して設けられたパチンコ機2で遊技する遊技者の所持球を、所定画像を用いて表示する特別表示である。遊技者の所持球を、所定画像を用いて簡易的に表す所持球簡易表示と言い換えることもできる。本実施形態では、データ表示装置4の第1表示部430に所持球特別表示を行わせる場合を例に挙げて説明する。
また、一斉演出時の第1表示部430の表示内容としては、(1)大当りランニング演出、(2)パチンコ機特別映像、(3)特別キャラクタ映像、が定められている。
(1)大当りランニング演出は、同機種のパチンコ機2の中に大当りしたパチンコ機2が存在する場合に、同機種の全てのパチンコ機2に対応して設けられたデータ表示装置4の第1表示部430に大当りを祝う特別映像を表示させる演出である。ランニング演出は、遊技島の端から端までデータ表示装置4に一定の時間差で大当り映像を表示させることにより実現する。
(2)パチンコ機特別映像は、該機種のパチンコ機2のプロモーション映像であり、同機種の全てのパチンコ機2に対応して設けられたデータ表示装置4の第1表示部430に一斉演出表示させる。
(3)特別キャラクタ映像は、該機種のパチンコ機2の隠れキャラクタやマスコットキャラクタの映像であり、同機種の全てのパチンコ機2に対応して設けられたデータ表示装置4の第1表示部430に一斉演出表示させる。
また、通常時の第2表示部440の表示内容としては、(1)空き台情報、(2)大当り情報、(3)潜伏確変情報、(4)時短情報、が定められている。
(1)空き台情報は、該パチンコ機2が現在空き台であることを示す情報である。パチンコ機2が空き台であるかどうかは、例えば、該パチンコ機2から一定時間以上遊技信号の受信がない場合(例えば、アウト信号やセーフ信号の受信がない場合)に、空き台であると判断することができる。
また、本実施形態において、パチンコ機2には台間計数ユニット5が併設されるため、この台間計数ユニット5からのカード排出信号や、持玉カードに記録されている持玉数等の情報に基づいて、該パチンコ機2が空き台であるか否かを判定することも可能である。また、パチンコ機2からの信号と台間計数ユニット5からの信号とを併用して、該パチンコ機2が空き台であるか否かを判定するようにしてもよい。この場合は、空き台判定をより確実に行うことができる。
なお、本実施形態とは異なり、パチンコ機2に対応して、会員カードやビジターカードを受け付けてカード情報を処理するカードユニットを併設する実施形態も考えられる。この場合は、カードユニットからのカード排出信号や、カードに記録されているプリペイド残額、持玉数等の情報に基づいて、該パチンコ機2が空き台であるか否かを判定することも可能である。また、パチンコ機2からの信号とカードユニットからの信号とを併用して、該パチンコ機2が空き台であるか否かを判定するようにしてもよい。この場合も、空き台判定をより確実に行うことができる。
なお、パチンコ機2から一定時間以上遊技信号を受信しない場合であっても、遊技者が席を確保した上で、トイレ休憩等の理由で離席している可能性がある。そこで、遊技者が着座していないパチンコ機2については店員が見回りをし、その台が空き台であるかどうかを確認するようにしてもよい。空き台である場合には、店員が手元の設定用リモコンを用いてデータ表示装置4に空き台であることを表示させるように設定を行うなどすればよい。
(2)大当り情報は、該パチンコ機2が大当り中であることを示す情報である。パチンコ機2から大当り中信号を受信している間は、該パチンコ機2が大当り中であると判断することができる。
(3)潜伏確変情報は、該パチンコ機2が現在潜伏確変状態であることを示す情報である。潜伏確変中は、確変状態が潜伏しており、抽選が確変確率で行われるため、遊技者はそのまま遊技を継続することで、大当りする可能性が高い。
(4)時短情報は、該パチンコ機2が現在時短状態であることを示す情報である。時短中は、遊技者は予め定められた回転数(例えば30回転)だけ電サポ(電動チューリップによるサポート)状態で回転させることができるが、抽選は通常確率で行われるため、大当りする可能性は通常時と変わらない。
また、一斉演出時の第2表示部440の表示内容としては、(1)店舗宣伝情報、(2)新台入替情報、(3)店舗イベント情報、が定められている。
(1)店舗宣伝情報は、該店舗の営業時間や設置しているパチンコ機2の機種名、サービス内容等を示す情報である。
(2)新台入替情報は、新台として導入したパチンコ機2を示す情報や、次回の新台入替の日時を告知するための情報である。
(3)店舗イベント情報は、該店舗で実施されるイベントに関する情報である。例えば、レディースデーやシルバーデーといった情報がこれに含まれる。
表示用テーブル681では、第2表示部440の表示内容として、パチンコ機2から出力される情報に基づく遊技情報が定められている。具体的には、通常時における第2表示部440の表示内容として定められた(1)空き台情報、(2)大当り情報、(3)潜伏確変情報、(4)時短情報は、パチンコ機2から出力される遊技信号に基づいて特定可能な情報である。従って、ホールコンピュータ6の表示内容設定部は、パチンコ機2から出力される情報に基づく遊技情報を第2表示部440の表示内容として設定することができる。これにより、遊技者以外の遊技客に対して遊技情報を視認可能とすることができる。例えば、遊技情報が潜伏確変状態の識別である場合は、遊技者に潜伏確変中であることを知られることなく、遊技者以外の遊技客に対して潜伏確変中であることを報知することが可能となる。
また、表示用テーブル681では、第2表示部440に表示させる情報として、第1表示部430に表示させる情報よりも少ない情報が定められている。これにより、ホールコンピュータ6の表示内容設定部は、第1表示部430に表示させる情報よりも少ない情報を第2表示部440に表示させるように表示内容を設定することになる。これによれば、遊技者以外の遊技客に対して適切な情報量で情報を視認させることができる。第2表示部440に表示させるのは、遊技者以外の遊技客向けの情報であるため、遊技者が遊技中に確認する第1表示部430に表示させる情報と比べて、少ない情報でよい。遊技客が遊技島全体を見て回る場合には、それほど細かい内容を通常見ないので、それで十分なケースが多いと考えられる。
上記の表示用テーブル681には、データ表示装置4の表示部(第1表示部430、第2、第2表示部440)に表示させる表示内容が定められており、CPU610は、この表示用テーブル681を用いて表示用設定データ691を作成することで、データ表示装置4の表示部の表示内容を設定する。従って、ホールコンピュータ6は、データ表示装置4の表示内容を設定する表示内容設定手段を有する。
一斉演出時表示用テーブル682は、一斉演出時におけるデータ表示装置4の表示設定に係るテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図07に示す。一斉演出時表示用テーブル682には、機種名と、一斉演出種別と、一斉演出表示条件と、一斉演出映像データ493とが対応付けて定められている。
一斉演出種別は、表示用テーブル681の表示種別「一斉演出」に定められている各種の表示内容である。
一斉演出表示条件は、一斉演出を第1表示部430に表示させるための条件である。
一斉演出映像データ493は、一斉演出表示条件が成立した場合に、第1表示部430に表示させる映像のデータである。
例えば、機種名「パチンコXXX」に対しては、一斉演出種別として「大当りランニング演出」と、「パチンコ機特別映像」と、「特別キャラクタ映像」とが定められている。「大当りランニング演出」の一斉演出表示条件は、「同機種のパチンコ機の中に大当りしたパチンコ機があること」であり、この場合に第1表示部430に表示させる一斉演出映像は「Movie_XXX1」である。
「パチンコ機特別映像」の一斉演出表示条件は、「第1の規定時間が経過する毎」であり、この場合に第1表示部430に表示させる一斉演出映像は「Movie_XXX2」である。第1の規定時間は適宜設定可能であり、例えば3時間とすることができる。
「特別キャラクタ映像」の一斉演出表示条件は、「第2の規定時間が経過する毎」であり、この場合に第1表示部430に表示させる一斉演出映像は「Movie_XXX3」である。第2の規定時間は適宜設定可能であり、例えば2時間とすることができる。
なお、機種名「パチンコYYY」についても、図面に示したように、複数の一斉演出に係るデータが定められている。
上記の一斉演出時表示用テーブル682には、データ表示装置4の表示部の表示内容の他に表示条件も定められており、CPU610は、この一斉演出時表示用テーブル682を用いて表示用設定データ691を作成することで、データ表示装置4の表示内容や表示条件を設定する。従って、ホールコンピュータ6は、表示内容設定手段の他、データ表示装置4の表示条件を設定する表示条件設定手段も有する。
表示パターンテーブル683は、データ表示装置4の第1表示部430及び第2表示部440に表示させる情報の表示パターンを定めたテーブルであり、第1表示部表示パターンテーブル683aと、第2表示部表示パターンテーブル683bとがこれに含まれる。
図08は、第1表示部表示パターンテーブル683aのテーブル構成の一例であり、表示種別と、表示パターンと、第1表示部430の表示態様とが対応付けて定められている。表示種別には、前述したように「通常」と「一斉演出」との2種類が定められている。
表示種別「通常」の表示パターンには、「パターンA、パターンB、パターンC、パターンD、・・・」が定められている。例えば、「パターンA」には、第1表示部430の表示態様として、第1表示窓に「機種名」、第2表示窓に「スタート回数」、・・・、第7表示窓に「前々日大当り回数」、第8表示窓に「所持球特別表示」を表示させることが定められている。同様に、例えば「パターンC」には、第1表示窓に「機種名」、第2表示窓に「スタート回数」、・・・、第7表示窓に「確変大当り回数」、第8表示窓に「所持球特別表示」を表示させることが定められている。
表示種別「一斉演出」の表示パターンには、「パターンa、パターンb、パターンc、パターンd、・・・」が定められている。具体的には、第1表示部430の表示態様として、「パターンa」には「全画面大当りランニング映像」が、「パターンb」には「全画面にパチンコ機宣伝映像」、「パターンc」には「全画面特別キャラクタ映像」、「パターンd」には「ライブ映像」を表示させることがそれぞれ定められている。
図09は、第2表示部表示パターンテーブル683bのテーブル構成の一例であり、第1表示部表示パターンテーブル683aと同様に、表示種別と、表示パターンと、第2表示部440の表示態様とが対応付けて定められている。表示種別には、前述したように「通常」と「一斉演出」の2種類が定められている。
表示種別「通常」の表示パターンには、「パターンP、パターンQ、パターンR、パターンS、・・・」が定められている。そして、第2表示部440の表示態様として、「パターンP」には「全画面空き台情報」、「パターンQ」には「全画面大当り情報」、「パターンR」には「全画面潜伏確変情報」、「パターンS」には「全画面時短情報」を表示させることがそれぞれ定められている。
表示種別「一斉演出」の表示パターンには、「パターンp、パターンq、パターンr、・・・」が定められている。そして、第2表示部440の表示態様として、「パターンp」には「全画面店舗宣伝情報」、「パターンq」には「全画面新台入替情報」、「パターンr」には「全画面店舗イベント情報」を表示させることがそれぞれ定められている。
上記の表示パターンテーブル683には、データ表示装置4の表示部にどのような表示対象でデータを表示させるかが定められており、CPU610は、この表示パターンテーブル683を用いて表示用設定データ691を作成することで、データ表示装置4の表示態様を設定する。従って、ホールコンピュータ6は、表示内容設定手段や表示条件設定手段の他、データ表示装置4の表示態様を設定する表示態様設定手段を有する。
表示用設定データ691は、処理部410が、上述した表示用テーブル681、一斉演出時表示用テーブル682及び表示パターンテーブル683に基づいて各データ表示装置4に対して個別に設定する表示用の設定データであり、そのデータ構成の一例を図21に示す。
表示用設定データ691には、パチンコ機IDと、機種名と、設定データと、一斉演出時設定データとが対応付けて記憶される。
設定データには、表示種別と、表示内容と、表示パターンとが対応づけて記憶される。
表示内容及び表示パターンは、第1表示部430及び第2表示部440の表示内容及び表示パターンをそれぞれ含む。一斉演出時設定データには、一斉演出種別と、一斉演出表示条件と、一斉演出映像データ493とが対応付けて記憶される。
このような表示用設定データ691を複数のデータ表示装置4それぞれについて個別に作成し、対応するデータ表示装置4に送信することで、パチンコ機2の機種に関わらず、各データ表示装置4に適切な表示を行わせることが可能となる。
遊技集計データベース684は、管理パチンコ機2における遊技に関連するデータが記憶されたデータベースであり、そのデータ構成の一例を図22に示す。
遊技集計データベース684には、管理パチンコ機2別に遊技集計データが記憶される。各遊技集計データには、管理パチンコ機2の識別情報であるパチンコ機IDと、機種名と、発生回数データと、平均大当り回数データとが対応付けて記憶される。
発生回数データには、例えば、日付と、スタート回数と、アウトと、セーフと、大当り回数とが対応付けて記憶される。大当り回数には、通常大当り回数と、確変大当り回数と、潜伏確変回数と、時短回数とが含まれる。なお、図示は省略しているが、パチンコ機2の機種によっては小当りや突確が存在する機種があるため、これらの発生回数も発生回数データに記憶させるようにするとよい。
平均大当り回数データには、通常大当りの発生回数の平均値と、確変大当りの発生回数の平均値とが記憶される。
なお、ホールコンピュータ6が集計するデータは、上記のデータに限られるわけではない。ホールコンピュータ6は、パチンコ機2毎に、店舗の損益に係るデータも集計・管理している。例えば、割数(機械割数や景品割数)や出玉率、客滞率、売上玉、景品玉、景品金額、玉粗利といったデータも集計しており、これらのデータもハードディスク680にデータベース化して記憶される。
RAM690は、読み書き可能な揮発性のメモリであり、本実施形態では各データ表示装置4に対する表示内容や表示条件、表示態様を設定した表示用設定データ691が記憶される。RAM690は不図示の電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。
[3−6.データ表示装置の構成]
図23及び図24は、データ表示装置4の外観構成の一例を示す図である。
データ表示装置4は、該パチンコ機2で遊技する遊技者向けに少なくとも該パチンコ機2から出力される情報に基づく遊技情報を表示する第1表示部430と、該パチンコ機2で遊技する遊技者以外の遊技客、つまり周囲の遊技客向けの情報を表示する第2表示部440との2つのディスプレイを有して構成される。
以下の説明では、パチンコ機2で遊技する遊技者を基準として、遊技者に対する手前方向及び奥方向を前後方向、遊技者を基準とする右方向及び左方向を左右方向、遊技者を基準とする上方向及び下方向を上下方向とそれぞれ定義する。
図23(1)及び図23(2)は、データ表示装置4の斜視図である。データ表示装置4の筐体は、正面視で左右方向に横長の矩形形状を有する基体部4Aと、基体部4Aの右端部及び左端部から、それぞれ手前方向に突出するように構成された扉部4Bとを有して構成される。左右の扉部4Bは、その幅が基体部4Aの幅の半分となるようにそれぞれ設計されている。
図23(3)は、データ表示装置4の正面図である。基体部4Aの前面には、正面視で左右方向に横長の矩形形状を有する第1表示部430が形成されている。第1表示部430は、遊技者に対向する向きに形成されており、パチンコ機2で遊技する遊技者は、遊技位置から第1表示部430を視認することができる。つまり、第1表示部430は、遊技者が遊技する遊技位置から該遊技者が視認可能な方向に向けて形成されている。
図23(4)は、データ表示装置4の右側面図である。扉部4Bの左右の面のうちの片面には、パチンコ機2で遊技する遊技者以外の遊技客向けの情報を表示する第2表示部440が形成されている。第2表示部440は、遊技者から見て右側の扉部4Bについては右面に、遊技者から見て左側の扉部4Bについては左面に形成されている。つまり、第2表示部440は、それぞれの扉部4Bのうちの外側の面に形成されており、遊技者は第2表示部440を遊技位置から視認することはできない。一方で、パチンコ機2を正面視しない遊技者以外の遊技客、例えば、遊技島の端からその遊技島のパチンコ機2を見渡して遊技を開始するパチンコ機2を選んでいるような遊技客は、第2表示部440を視認することができる。
図23(2)に示すように、左右の扉部4Bは、内側に向けて折り畳み収納可能に構成されている。具体的には、左右の扉部4Bは、それぞれヒンジ4Cによって内側に向けて折り畳むことが可能である。左右の扉部4Bの幅はいずれもヒンジ4Cを除いた基体部4Aの幅の半分となるように設計されているため、左右の扉部4Bを閉じると基体部4Aとちょうど重なり合った状態となり、このとき左右の扉部4Bは基体部4Aと平行になり、第1表示部430は左右の扉部4Bで覆われる。このように、左右の扉部4Bを内側に折り畳むことが可能となっているため、データ表示装置4を遊技島に設置する際や遊技島から取り外す際は、左右の扉部4Bを折り畳んだ状態で設置作業や取り外し作業を容易に行うことができる。
また、第2表示部440は、扉部4Bを開いた状態では遊技者が視認できない外側の面に形成されているが、扉部4Bを閉じた状態では、遊技者が第2表示部440を正面から視認可能な状態となる。このように、データ表示装置4は、第1表示部430を遊技者が視認可能であるが第2表示部440を遊技者が視認不能(一方で遊技者以外の遊技客は視認可能)な第1状態(第2表示部440が第1表示部430と垂直になった状態)とすることが可能であるとともに、第1表示部430を遊技者が視認不能であるが第2表示部440を遊技者が視認可能な第2状態(第2表示部440が第1表示部430と平行になった状態)にすることも可能である。
図24は、第2表示部440の詳細構成を示す図である。本実施形態において、第2表示部440は、該第2表示部440の全体を覆う透明なプラスチック蓋Pを着脱可能に構成されている。第2表示部440の表示面は、扉部4Bを開いた状態でその筐体面よりも突出する(右側の扉部4Bであれば右側に突出し、左側の扉部4Bであれば左側に突出する)ように設けられており、第2表示部440の筐体面と第2表示部440の表示面との間の段差を形成する外向き嵌合段部441が設けられている。
図24に示すプラスチック蓋Pは、底板442の外周端縁に周壁443を突設した蓋部材であり、透光性を有するプラスチック材料によって底板442と周壁443とが一体に成形されたトレイ形状を有している。この底板442の周壁443が突設された側の表面と周壁443の端面(トレイ形状の縁面)との間の段差を形成する内向き嵌合段部444が設けられており、この内向き嵌合段部444が外向き嵌合段部441と嵌合されることによって、内向き嵌合段部444の内面が外向き嵌合段部441の外面に係合した状態となり、プラスチック蓋Pと第2表示部440とが一体化される構成となっている。
また、プラスチック蓋Pの底板442と周壁443によって形成される凹部には、各種の情報を遊技客に報知するためのPOP広告445を入れ込むことが可能に構成されている。POP広告445には、例えば、パチンコ機2が設置された店舗の営業に関する情報や、店舗で行われるイベントに関する情報を掲載することができる。
図24では、POP広告445の一例として、当日がイベントデーの1つであるレディースデーであることを示すPOP広告445を示している。プラスチック蓋Pの凹部にこのPOP広告445を入れ込んだ状態で、その内向き嵌合段部444を扉部4Bの外向き嵌合段部441と嵌合させると、POP広告445は底板442と第2表示部440の表示面との間に挟まれることにより支持され、第2表示部440の表示画面を覆い隠すようになる。
また、プラスチック蓋Pは透光性を有するため、入れ込まれたPOP広告445は、底板442を介して外部から遊技客が視認可能である。対応するデータ表示装置4にレディースデーのPOP広告445が掲げられたパチンコ機2は女性専用台となり、女性のみが遊技をすることができる。
なお、POP広告は上記のイベントデーを告知するものに限らず、例えば、データ表示装置4が対応して設置されたパチンコ機2が新台であることを示す新台情報や、該パチンコ機2が4円パチンコや2円パチンコ、1円パチンコであることを示す情報、該パチンコ機2の機種名を示す情報といった各種の情報を掲載することが可能である。
このように第2表示部440にプラスチック蓋Pを取り付け可能とすることで、遊技者以外の遊技客向けの情報を遊技者が視認してしまうことを防止することができる。また、POP広告を介在させてプラスチック蓋Pを取り付けることで、周囲の遊技客は、店舗やパチンコ機2に関する情報を確認することができる。また、このようにPOP広告等によって第2表示部440を覆うことにより、第2表示部440に潜伏確変状態であることが表示されるような場合など、その表示を遊技者にも遊技者以外の遊技客にも見せたくないような場合に、第2表示部440の表示自体を視認できないようにすることができる。
ここで、仮に第2表示部440に潜伏確変状態であることを表示させないように設定するためには、ホールコンピュータ6あるいは各データ表示装置4側で、第2表示部440に潜伏確変状態であることを表示させないようにするための設定処理を行うことが必要となる。これに対して、第2表示部440をPOP広告等の覆体により覆うことにより、このような設定処理を要せず、仮に第2表示部440に潜伏確変状態であることが表示される場合であっても、これを遊技者および遊技者以外の遊技客に視認させないようにすることができる。
また、例えばレディースデー等のイベント日において、イベントの対象となる遊技者(例えば女性客)に対してのみ、POP広告等を外して第2表示部440を視認可能とする運用を行うようにしてもよい。さらに、このようなイベントの対象となる遊技者(例えば女性客)が遊技を行う場合には、POP広告等を外した上で扉部4Bを内側に折り畳んだ状態(前述した第2状態)として第2表示部440を遊技者から視認可能とした上で、その第2表示部には、潜伏確変状態の表示を行うようにしてもよい。これによれば、イベント対象者等の特定の遊技者のみが、第2表示部440の表示内容を視認することができるようになる。
図25は、データ表示装置4の機能構成の一例を示す図である。
データ表示装置4は、処理部410と、操作部420と、第1表示部430と、第2表示部440と、音出力部450と、時計部455と、近距離無線通信部460と、第1通信部470と、第2通信部480と、第3通信部485と、記憶部490とを備えて構成される。
処理部410は、記憶部490に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、データ表示装置4の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサを有して構成される。処理部410は、主要な機能部として、表示設定部411と、第1表示制御部412と、第2表示制御部413と、所持球特別表示制御部415とを有する。
操作部420は、第1表示部430と一体的に構成されたタッチパネル421を有する入力手段であり、タッチパネル421に対する操作入力信号を処理部410に出力する。タッチパネル421に対するタップ操作により、店員の呼び出しや、メニューの選択等の各種指示操作がなされる。
第1表示部430は、前述したように基体部4Aに形成されたディスプレイであり、LCD等を有して構成され、第1表示制御部412から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置である。
第2表示部440は、前述したように扉部4Bに形成されたディスプレイであり、LCD等を有して構成され、第2表示制御部413から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置である。
音出力部450は、処理部410から出力される音出力制御信号に基づく各種の音出力を行う音出力装置である。処理部410からは、該データ表示装置4の第1表示部430や第2表示部440に表示させる映像に係る音声等が音出力される。
近距離無線通信部460は、店員が所持する設定用リモコン等の通信装置と無線通信を行う通信装置である。近距離無線通信部460が無線通信を行う方式としては、代表的には赤外線通信を適用することができる。なお、赤外線通信に限らず、例えば、ZigBee(登録商標)やBluetooth(登録商標)といった通信規格に則った近距離無線通信を実現する近距離無線通信モジュールを内蔵させ、これらの通信方式に従って無線通信を行うようにすることも可能である。
時計部455は、データ表示装置4の内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部455の計時時刻(日付を含む。)は処理部410に出力される。時計部455は、計時手段に相当する。
第1通信部470は、パチンコ機2との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第1通信部470は、パラレル通信端子を有し、パラレル通信方式に従ってパチンコ機2から各種の遊技信号を受信する。
なお、パチンコ機2を封入式パチンコ機2Bとする場合は、封入式パチンコ機2Bから持点に関する情報を含む遊技信号をシリアル通信方式で受信するためのシリアル通信端子を第1通信部470に設けることとし、シリアル通信方式に従って、封入式パチンコ機2Bから遊技信号を受信するようにすればよい。
第2通信部480は、ホールコンピュータ6との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第2通信部480は、パラレル通信端子を有し、パラレル通信方式に従ってホールコンピュータ6から表示用設定データや一斉演出表示指示信号を受信する。
第3通信部485は、台間計数ユニット5との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第3通信部485は、パラレル通信端子を有し、パラレル通信方式に従って台間計数ユニット5から所持球信号を受信する。
記憶部490は、ROMやフラッシュROM、RAM等のメモリを有して構成される記憶装置である。記憶部490には、処理部410により読み出され、メイン処理として実行されるメインプログラム491が記憶されている。メインプログラム491は、表示設定処理(図29参照)として実行される表示設定プログラム491aと、表示制御処理(図30及び図31参照)として実行される表示制御プログラム491bと、所持球特別表示処理(図32参照)として実行される所持球特別表示プログラムとをサブルーチンとして含む。これらの処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
また、記憶部490には、表示用画像データ492と、一斉演出映像データ493と、所持球特別表示閾値テーブル495と、表示パターンテーブル683と、表示用設定データ691と、所持球数データ496と、処理用データ497とが記憶される。
表示用画像データ492は、第1表示部430や第2表示部440に表示させる画像のデータである。本実施形態において、表示用画像データ492には、所持球特別表示を行う際の第1所定画像及び第2所定画像のデータが含まれる。
一斉演出映像データ493は、パチンコ機2の一斉演出時に第1表示部430に表示させる一斉演出の映像データである。一斉演出映像データ493には、大当りランニング演出を行うための映像データや、パチンコ機2のプロモーション映像データ、パチンコ機2の隠れキャラクタやマスコットキャラクタの映像データ、パチンコ機2のライブ映像データといった一斉演出に係る各種の映像データが含まれる。
所持球特別表示閾値テーブル495は、第1表示部430に所持球特別表示を行わせる際の所持球に対する表示用閾値を定めたテーブルであり、そのテーブル構成の一例を図26に示す。
所持球特別表示閾値テーブルには、第1表示閾値と、第1非表示閾値と、第2表示閾値と、第2非表示閾値との4つの表示用閾値が定められている。
第1表示閾値は、第1表示部430に第1所定画像を表示させるための所持球数に対する閾値であり、例えば1000発が定められている。第1表示閾値は第1値に相当する。
第1非表示閾値は、第1表示部430に表示させた第1所定画像を非表示とさせるための所持球数に対する閾値であり、例えば800発が定められている。第1非表示閾値は第2値に相当する。
第1表示閾値と第1非表示閾値とは、所定球数分の差(以下、「第1所定数」と称する。)を有するように定められている。具体的には、図26の例では、第1表示閾値は1000発であり、第1非表示閾値は800発であるため、第1非表示閾値は第1表示閾値よりも第1所定数として200発小さい値が定められている。このように第1表示閾値と第1非表示閾値との間に第1所定数分の差を持たせているのは、閾値間際の所持球数の増減で第1所定画像の表示非表示が頻繁に切り替わることを防止することを目的としたものである。
本実施形態において、第1所定数である200発は、所定の契機に遊技者の所持球数が減少する数に基づいて設定している。本実施形態では、所定の契機を、遊技者の払い戻し操作によるパチンコ玉の1回の払い戻しとする場合を例示する。遊技者の払い戻し操作により、1回に125発のパチンコ玉が遊技者に払い戻される。つまり、1回の払い戻し操作により減少する遊技者の所持球数は125発である。この125発という払い戻し数に75発分の余裕を持たせた200発を第1所定数としている。
第2表示閾値は、第1表示部430に第2所定画像を表示させるための所持球数に対する閾値であり、例えば5000発が定められている。第2表示閾値は第3値に相当する。
第2非表示閾値は、第1表示部430に表示させた第2所定画像を非表示とさせるための所持球数に対する閾値であり、例えば4600発が定められている。第2非表示閾値は第4値に相当する。
第2表示閾値及び第2非表示閾値ついても、所定球数分の差(以下、「第2所定数」と称する。)を有するように閾値を定めている。具体的には、図26の例では、第2表示閾値は5000発であり、第2非表示閾値は4600発であるため、第2非表示閾値は第2表示閾値よりも第2所定数として400発小さい値が定められている。このように第2表示閾値と第2非表示閾値との間に第2所定数分の差を持たせているのも、閾値間際の所持球数の増減で第2所定画像の表示非表示が頻繁に切り替わることを防止することを目的としたものである。
さらに、本実施形態では、第2所定数が第1所定数よりも大きくなるように閾値を設定している。図26の例では、第1所定数は200発であり、第2所定数は400発であるため、第2所定数の方が第1所定数よりも大きい。これは、第2所定画像を非表示とする条件を、第1所定画像を非表示とする条件と比べて厳しくすることを目的としたものである。第2所定画像は、所持球数が5000発や10000発といった大きな数に達した場合に表示させる第1所定画像とは異なる特別な画像であり、遊技者に優越感を与えるとともに、周囲の遊技客にアピールすることを目的としたものであるため、第1所定画像と比べて第2所定画像は非表示とされにくくなるようにしている。
なお、第1所定数及び第2所定数は、第1表示閾値を超えない数とする必要がある。
また、上記の例では、1回の払い戻し操作により遊技者の所持球数が減少する数(125発)に余裕を持たせた数(200発)を第1所定数として定めているが、これに代えて、1回の払い戻し操作により遊技者の所持球数が減少する数(125発)を第1所定数として定めておくこととしてもよい。また、第1表示閾値に基づいて第1所定数を定めることとしてもよい。この場合、好適には第1表示閾値の1/3以下の数、より好適には第1表示閾値の1/5以下の数を第1所定数として定めておくとよい。
また、本実施形態では、第2所定数は第1所定数よりも大きい数が定められていることとして説明するが、第1所定数と同じ数を第2所定数として定めておくこととしてもよい。つまり、上記の例では、第2所定数を第1所定数と同じ200発としてもよい。但し、第2所定数は第1所定数よりも大きい数であることが望ましく、好適には第1所定数の1.5倍〜2倍程度の数を第2所定数として定めておくとよい。
また、上記とは異なり、台間計数ユニット5から出力される所持球信号が1回の信号で示す数を第1所定数として定めておくこととしてもよい。例えば、台間計数ユニット5が、パチンコ玉の計数値が100発に達する毎に所持球信号をデータ表示装置4に出力するように構成するのであれば、所持球信号が1回の信号で示す数は100発であるため、この100発を第1所定数として定めておくこととしてもよい。
所持球数データ496は、該データ表示装置4に対応するパチンコ機2で遊技する遊技者の所持球数を記憶したデータであり、台間計数ユニット5から間欠的なタイミングで受信する所持球信号に基づいて更新される。
処理用データ497は、処理部410が所持球特別表示制御処理において所持球特別表示を行うための処理用データであり、後述する第1表示カウンタ値や第2表示カウンタ値、第1整数n、第2整数m、中間所持球数といった処理用のデータが一時記憶される。
[3−7.処理の流れ]
[3−7−1.ホールコンピュータの処理]
図27及び図28は、ホールコンピュータ6のCPU610がROM670に記憶されている管理プログラム671に従って実行する管理処理の流れを示すフローチャートである。
CPU610は、各データ表示装置4についてループAの処理を行う(A1〜A11)。ループAは、各データ表示装置4に対して順番に又は並列的にループA内の各ステップを実行することを意味する。
ループAでは、表示内容設定部611は、該データ表示装置4について表示内容設定処理を行う(A3)。具体的には、表示内容設定部611は、ハードディスク680に記憶されている表示用テーブル681、一斉演出時表示用テーブル682及び表示パターンテーブル683を用いて、該データ表示装置4の表示用設定データ691を作成し、RAM690に記憶させる(A5)。そして、表示内容設定部611は、該管理パチンコ機2に対応して設けられたデータ表示装置4との間の接続確認を行い(A7)、接続確認がとれたならば、作成した表示用設定データ691を該データ表示装置4に送信する(A9)。そして、次のデータ表示装置4へと処理を移行する。
全ての次のデータ表示装置4に対するループAの処理を終了したならば(A11)、CPU610は、各パチンコ機2から遊技信号を受信する(A13)。そして、受信した遊技信号に基づき、遊技集計部612が、該パチンコ機2の遊技集計データを更新し、ハードディスク680の遊技集計データベース684に記憶させる(A15)。
次いで、CPU610は、大当りランニング演出の表示条件が成立したか否かを判定し(A17)、成立したと判定したならば(A17;Yes)、大当りランニング演出表示指示信号を各データ表示装置4に送信する(A19)。この際、所定の時間差をもってデータ表示装置4に大当りランニング演出を行わせるように、各データ表示装置4に対して上記の時間差に相当する遅延時間分の遅延をかけた大当りランニング演出表示指示信号を送信する。そして、CPU610は、A25へと処理を移す。
大当りランニング演出の表示条件が成立しなかったと判定したならば(A17;No)、CPU610は、その他の一斉演出表示条件が成立したか否かを判定し(A21)、成立したと判定したならば(A21;Yes)、成立した一斉演出表示条件に対応する一斉演出映像の表示指示信号を各データ表示装置4に送信する(A23)。そして、CPU610は、A25へと処理を移す。また、その他の一斉演出表示条件が成立しなかったと判定したならば(A21;No)、CPU610は、A29へと処理を移す。
A19又はA23の後、CPU610は、一斉演出の終了タイミングであるか否かを判定し(A25)、終了タイミングであると判定したならば(A25;Yes)、一斉演出表示終了指示信号を各データ表示装置4に送信する(A27)。一斉演出の終了タイミングではないと判定したならば(A25;Yes)、CPU610は、A29へと処理を移す。
その後、CPU610は、処理を終了するか否かを判定する(A29)。例えば、店舗の営業終了時にホールコンピュータ6の電源を切断する場合に、処理を終了すると判定する。処理を継続すると判定したならば(A29;No)、CPU610は、A13へと処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(A29;Yes)、管理処理を終了する。
[3−7−2.データ表示装置の処理]
図29は、データ表示装置4の処理部410が、記憶部490に記憶されている表示設定プログラム491aに従って実行する表示設定処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、表示設定部411は、ホールコンピュータ6との通信を確立する(B1)。そして、表示設定部411は、該データ表示装置4の表示用設定データ691の送信をホールコンピュータ6に要求する(B3)。
次いで、表示設定部411は、ホールコンピュータ6から第2通信部480を介して表示用設定データ691を受信し、記憶部490に記憶させる(B5)。そして、受信した表示用設定データ691に基づいて第1表示部430及び第2表示部440の初期表示設定を行う(B7)。初期表示設定を行ったならば、第1表示制御部412及び第2表示制御部413が、記憶部490に記憶されている表示制御プログラム491bに従って表示制御処理の実行を開始する(B9)。そして、表示設定部411は、表示設定処理を終了する。
図30及び図31は、表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、処理部410は、空き台判定処理を行う(C1)。具体的には、前述したように、パチンコ機2から送信される遊技信号や台間計数ユニット5から送信されるカード排出信号に基づいて、該パチンコ機2が現在空き台であるか否かを判定する。その結果、空き台であると判定したならば(C3;Yes)、第2表示制御部413は、空き台情報を第2表示部440に表示させるように制御する(C5)。一方、空き台ではないと判定したならば(C3;No)、処理部410は、C11へと処理を移す。
次いで、処理部410は、該パチンコ機2で遊技が開始されたか否かを判定し(C7)、開始されたと判定したならば(C7;Yes)、第2表示部440に表示させた空き台情報を非表示とさせるように制御する(C9)。遊技が開始されなかったと判定したならば(C7;No)、処理部410は、C11へと処理を移す。
次いで、処理部410は、該パチンコ機2が遊技中であるか否かを判定し(C11)、遊技中であると判定したならば(C11;Yes)、受信した遊技信号に基づいて第1表示部430及び第2表示部440の表示を更新する制御を行う(C15)。具体的には、パチンコ機2から受信した遊技信号に基づいて、第1表示部430に表示させている大当り回数や、スタート回数等の表示情報を更新するとともに、第2表示部440に表示させている大当り情報や潜伏確変情報、時短情報の表示を更新する。該パチンコ機2が遊技中ではないと判定したならば(C11;No)、処理部410は、C15へと処理を移す。
次いで、処理部410は、台間計数ユニット5から所持球信号を受信したか否かを判定し(C15)、受信したと判定したならば(C15;Yes)、受信した所持球信号に基づいて記憶部490の所持球数データ495を更新する(C17)。そして、処理部410は、記憶部490に記憶されている所持球特別表示制御プログラム491cに従って所持球特別表示制御処理を行う(C19)。台間計数ユニット5から所持球信号を受信しなかったと判定したならば(C15;No)、処理部410は、C21へと処理を移す。
その後、第1表示制御部412は、ホールコンピュータ6から一斉演出表示指示信号を受信したか否かを判定し(C21)、受信したと判定したならば(C21;Yes)、大当りランニング演出の実行指示がなされたか否かを判定する(C23)。
大当りランニング演出の実行指示がなされたと判定したならば(C23;Yes)、第1表示制御部412は、表示用設定データ691に基づいて、大当りランニング映像を第1表示部430に表示させる制御を行う(C25)。上記のように、ホールコンピュータ6から出力されるランニング演出用の表示指示信号には、所定の時間差に相当する遅延時間分の遅延がかけられている。これにより、各データ表示装置4は、第1表示部430に上記の時間差をもって大当りランニング映像を表示させることになり、これにより大当りランニング演出が実現される。
一方、大当りランニング演出の実行指示がなされなかったと判定したならば(C23;No)、第1表示制御部412は、一斉演出表示指示信号に含まれる一斉演出表示条件に応じた一斉演出映像を第1表示部430に表示させる制御を行う(C27)。
次いで、第1表示制御部412は、一斉演出表示を終了するか否かを判定し(C29)、終了しないと判定したならば(C29;No)、そのまま待機する。また、終了すると判定したならば(C29;Yes)、第1表示部430の一斉演出表示を終了させる制御を行う(C31)。
C21においてホールコンピュータ6から一斉演出表示指示信号を受信しなかったと判定したならば(C21;No)、第1表示制御部412は、バージョン情報の表示タイミングであるか否かを判定する(C33)。バージョン情報の表示タイミングは、所定時間が経過する毎のタイミングとしてもよいし、遊技者や遊技客により第1表示部430に表示されたバージョン情報表示アイコンがタップされたことを検知したタイミングとしてもよい。また、バージョン情報の表示を一斉演出表示に含めることとし、パチンコ機2の一斉演出と同期して、バージョン情報の一斉演出表示を行わせるようにしてもよい。
バージョン情報の表示タイミングであると判定したならば(C33;Yes)、第1表示制御部412は、該データ表示装置4に対応して設けられたパチンコ機2のバージョン情報を第1表示部430に表示させる制御を行う(C35)。ここで第1表示部430に表示させるバージョン情報には、パチンコ機2の機種名や第何弾の機種であるか、通常大当り確率、確変大当り確率、確変突入率、継続率等の情報が含まれる。
次いで、第1表示制御部412は、バージョン情報の表示終了タイミングであるか否かを判定し(C37)、表示終了タイミングではないと判定したならば(C37;No)、そのまま待機する。また、表示終了タイミングであると判定したならば(C37;Yes)、第1表示部430のバージョン情報の表示を終了させる制御を行う(C39)。
C31又はC39の後、処理部410は、処理を終了するか否かを判定する(C41)。例えば、データ表示装置4の電源を切断する操作がなされた場合に、処理を終了すると判定する。処理を継続すると判定したならば(C41;No)、処理部410は、C1に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(C41;Yes)、表示制御処理を終了する。
図32は、所持球特別表示制御処理の流れを示すフローチャートである。本処理では、第1表示カウンタ値及び第2表示カウンタ値の2つの表示カウンタ値に応じて、第1所定画像及び第2所定画像の表示数を決定し、該表示数に基づいて第1所定画像及び第2所定画像を第1表示部430に表示させるように制御する。本処理では、第1所定画像の表示制御及び非表示制御に用いる係数(パラメーター値)の頭に「第1」を付し、第2所定画像の表示制御及び非表示制御に用いる係数(パラメーター値)の頭に「第2」を付して説明する。第1表示カウンタ値は、第1所定画像の表示数を示すカウンタ値であり、第2表示カウンタ値は、第2所定画像の表示数を示すカウンタ値であり、これらは処理用データ497の一種である。なお、第1表示カウンタ値及び第2表示カウンタ値は0に初期設定されていることとして説明する。
最初に、所持球特別表示制御部415は、第2整数m=[所持球数/第2表示閾値]の整数部を算出する(D1)。第2整数mは、第2表示カウンタ値を設定するために用いる係数であり、処理用データ497の一種である。
次いで、所持球特別表示制御部415は、中間所持球数=所持球数−(m×第2表示閾値)を算出する(D3)。中間所持球数は、第1表示カウンタ値及び第2表示カウンタ値を設定するために用いる係数であり、処理用データ497の一種である。
次いで、所持球特別表示制御部415は、中間所持球数が第2非表示閾値に達しているか否かを判定する(D5)。この条件は、中間所持球数が第2非表示閾値と同じであるか、第2非表示閾値を超えている場合に成立する。
D5において条件が成立すると判定したならば(D5;Yes)、所持球特別表示制御部415は、第2表示カウンタ値がmよりも大きいか否かを判定する(D7)。そして、この条件が成立すると判定したならば(D7;Yes)、所持球特別表示制御部415は、第2表示カウンタ値にm+1を設定する(D9)。これは、最新の第2表示カウンタ値を維持することを意味する。そして、所持球特別表示制御部415は、第1表示カウンタ値に0を設定した後(D11)、D25へと処理を移行する。
D5において条件が成立しないと判定した場合(D5;No)、又は、D7において条件が成立しないと判定した場合(D7;No)、所持球特別表示制御部415は、第2表示カウンタ値にmを設定する(D13)。そして、所持球特別表示制御部415は、第1整数n=[中間所持球数/第1表示閾値]の整数部を算出する(D15)。第1整数nは、第1表示カウンタ値を設定するために用いる係数であり、処理用データ497の一種である。
次いで、所持球特別表示制御部415は、中間所持球数−(n×第1表示閾値)が第1非表示閾値に達しているか否かを判定する(D17)。この条件は、中間所持球数−(n×第1表示閾値)が第1非表示閾値と同じであるか、第1非表示閾値を超えている場合に成立する。そして、この条件が成立すると判定したならば(D17;Yes)、所持球特別表示制御部415は、第1表示カウンタ値がnよりも大きいか否かを判定する(D21)。
D21において条件が成立すると判定したならば(D21;Yes)、所持球特別表示制御部415は、第1表示カウンタ値にn+1を設定する(D23)。これは、最新の第1表示カウンタ値を維持することを意味する。そして、所持球特別表示制御部415は、D25へと処理を移行する。
D17の条件が成立しないと判定した場合(D17;No)、又は、D21の条件が成立しないと判定した場合(D21;No)、所持球特別表示制御部415は、第1表示カウンタ値にnを設定する(D19)。
次いで、所持球特別表示制御部415は、第1表示カウンタ値に応じて第1所定画像を第1表示部430に表示させる制御を行う(D25)。具体的には、第1表示カウンタ値と同数の第1所定画像を第1表示部430に表示させる。
また、所持球特別表示制御部415は、第2表示カウンタ値に応じて第2所定画像を第1表示部430に表示させる制御を行う(D27)。具体的には、第2表示カウンタ値と同数の第2所定画像を第1表示部430に表示させる。そして、所持球特別表示制御部415は、所持球特別表示制御処理を終了する。
図33は、上記の所持球特別表示制御処理における所持球特別表示の原理の説明図である。ここでは、第1表示閾値を1000発、第1非表示閾値を800発とし、第1所定画像としてドル箱を第1表示部430に表示させる場合を例に挙げて説明する。
図32の所持球特別表示制御処理では、第1表示閾値である1000発を1つの表示単位数とし、所持球数がこの表示単位数に達する毎に(1000発、2000発、3000発、・・・)、ドル箱の表示を1つ増やす。また、第1非表示閾値である800発を1つの非表示単位数とし、所定球数がこの非表示単位数を下回る毎に(800発、1800発、2800発、・・・)、ドル箱の表示を1つ減らす。
図33において、一番左には、所持球数=1800発である場合を図示しており、所持球数が表示単位数である1000発を超えているため、ドル箱が1つ表示されている。その後、所持球数が増加して所持球数=1900発となったが、所持球数は未だ表示単位数である2000発を超えていないため、ドル箱の表示は1つのままで変わらない。その後、所持球数が2000発に達すると、ドル箱が1つ増えて2つ表示される。
その後、所持球数が増加して2100発となったが、所持球数は表示単位数である3000発を超えていないため、ドル箱の表示は2つのままで変わらない。その後、遊技者がパチンコ玉を払い戻したことで所持球数が減少し、所持球数が1900発まで減少したとする。この場合、所持球数が表示単位数である2000発を下回ったが、非表示単位数である1800発を下回っていないため、ドル箱の表示は2つのままで変わらない。
注目すべきは、所持球数が1800発から増加して1900発となった場合と、所持球数が2100発から減少して1900発となった場合とで、表示させるドル箱の数が異なる点である。これは、同じ所持球数であっても、所持球数が増加する方向に変化する場合と減少する方向に変化する場合とで、表示させるドル箱の数が異なる場合があることを意味する。この詳細は具体例を挙げて後述する。
その後、所持球数が減少して所持球数1800発となったが、所持球数は非表示単位数である1800発を下回っていないため、ドル箱の表示は2つのままで変わらない。そして、所持球数が減少して非表示単位数である1800発を下回ると、ドル箱が1つ減って1つ表示される。
次に、所持球数が異なる場合の複数の具体例を挙げて、図32の所持球特別表示制御処理の詳細について説明する。以下の説明では、図32の所持球特別表示制御処理の各ステップを参照して、各ステップにおける処理について説明する。
(1)具体例1
最初に、所持球数=1900発のケースを考える。
D1では、第2整数m=[所持球数/第2表示閾値]の整数部=[1900/5000]の整数部=0が算出される。
D3では、中間所持球数=所持球数−(m×第2表示閾値)=1900−(0×5000)=1900発が算出される。
D5では、中間所持球数=1900発が第2非表示閾値である4600発に達しているか否かが判定され、この判定結果は否定判定となるため、D13へと処理が移される。
D13では、m=0であるため、第2表示カウンタ値に0が設定される。
D15では、第1整数n=[中間所持球数/第1表示閾値]の整数部=[1900/1000]の整数部=1が算出される。
D17では、中間所持球数−(n×第1表示閾値)=1900−(1×1000)=900発が第1非表示閾値である800発に達しているか否かが判定され、この判定結果は肯定判定となるため、D21へと処理が移される。
D21では、第1表示カウンタ値がnよりも大きいか否かが判定される。ここで、所持球数が1900発まで増加した場合と、所持球数が2000発に達した後に1900発まで減少した場合とでは、第1表示カウンタ値が異なるため、D21の判定結果が異なってくる。
所持球数が1900発まで増加した場合は、所持球数が1000発に達した時点で第1表示カウンタ値=1となるため、n=1と同じ値となる。このため、D21の判定結果は否定判定となり、D19へと処理が移される。D19では、第1表示カウンタ値にn(=1)が設定される。その結果、最終的に第1表示カウンタ値=1、第2表示カウンタ値=0となるため、D25における第1所定画像の表示数は1、D27における第2所定画像の表示数は0となる。
それに対して、所持球数が2000発に達した後に1900発まで減少した場合は、所持球数が2000発に達した時点で第1表示カウンタ値=2となるため、n=1よりも大きくなる。このため、D21の判定結果は肯定判定となり、D23へと処理が移される。D23では、第1表示カウンタ値にn+1(=1+1=2)が設定される。つまり、第1表示カウンタ値が維持される。その結果、最終的に第1表示カウンタ値=2、第2表示カウンタ値=0となるため、D25における第1所定画像の表示数は2、D27における第2所定画像の表示数は0となる。
上記の例から、所持球数が同じ1900発であっても、所持球数が1900発まで増加した場合と、所持球数が2000発に達した後に1900発まで減少した場合とで、表示される第1所定画像の数が異なることがわかる。
(2)具体例2
次に、所持球数=7900発のケースを考える。
D1では、第2整数m=[所持球数/第2表示閾値]の整数部=[7900/5000]の整数部=1が算出される。
D3では、中間所持球数=所持球数−(m×第2表示閾値)=7900−(1×5000)=2900発が算出される。
D5では、中間所持球数=2900発が第2非表示閾値である4600発に達しているか否かが判定され、この判定結果は否定判定となるため、D13へと処理が移される。
D13は、m=1であるため、第2表示カウンタ値に1が設定される。
D15では、第1整数n=[中間所持球数/第1表示閾値]の整数部=[2900/1000]の整数部=2が算出される。
D17では、中間所持球数−(n×第1表示閾値)=2900−(2×1000)=900発が第1非表示閾値である800発に達しているか否かが判定され、この判定結果は肯定判定となるため、D21へと処理が移される。
D21では、第1表示カウンタ値がnよりも大きいか否かが判定される。ここで、所持球数が7900発まで増加した場合と、所持球数が8000発に達した後に7900発まで減少した場合とでは、第1表示カウンタ値が異なるため、D21の判定結果が異なってくる。
所持球数が7900発まで増加した場合は、所持球数が7000発に達した時点で第1表示カウンタ値=2となるため、n=2と同じ値となる。このため、D21の判定結果は否定判定となり、D19へと処理が移される。D19では、第1表示カウンタ値にn(=2)が設定される。その結果、最終的に第1表示カウンタ値=2、第2表示カウンタ値=1となるため、D25における第1所定画像の表示数は2、D27における第2所定画像の表示数は1となる。
それに対し、所持球数が8000発に達した後に7900発まで減少した場合は、所持球数が8000発に達した時点で第1表示カウンタ値=3となるため、n=2よりも大きくなる。このため、D21の判定結果は肯定判定となり、D23へと処理が移される。D23では、第1表示カウンタ値にn+1(=2+1=3)が設定される。つまり、第1表示カウンタ値が維持される。その結果、最終的に第1表示カウンタ値=3、第2表示カウンタ値=1となるため、D25における第1所定画像の表示数は3、D27における第2所定画像の表示数は1となる。
(3)具体例3
次に、所持球数=9900発のケースを考える。
D1では、第2整数m=[所持球数/第2表示閾値]の整数部=[9900/5000]の整数部=1が算出される。
D3では、中間所持球数=所持球数−(m×第2表示閾値)=9900発−(1×5000)=4900発が算出される。
D5では、中間所持球数=4900発が第2非表示閾値である4600発に達しているか否かが判定され、この判定結果は肯定判定となるため、D7へと処理が移される。
D7では、第2表示カウンタ値がmよりも大きいか否かが判定される。ここで、所持球数が9900発まで増加した場合と、所持球数が10000発に達した後に9900発まで減少した場合とでは、第2表示カウンタ値が異なるため、D7の判定結果が異なってくる。
所持球数が9900発まで増加した場合は、所持球数が5000発に達した時点で第2表示カウンタ値=1となるため、m=1と同じ値となる。このため、D7の判定結果は否定判定となり、D13へと処理が移される。D13では、第2表示カウンタ値にm(=1)が設定される。
それに対し、所持球数が10000発に達した後に9900発まで減少した場合は、所持球数が10000発に達した時点で第2表示カウンタ値=2となるため、m=1よりも大きくなる。このため、D7の判定結果は肯定判定となり、D9へと処理が移される。D9では、第2表示カウンタ値にm+1(=1+1=2)が設定される。つまり、第2表示カウンタ値が維持される。そして、D11では、第1表示カウンタ値に0が設定される。その結果、最終的に第1表示カウンタ値=0、第2表示カウンタ値=2となるため、D25における第1所定画像の表示数は0、D27における第2所定画像の表示数は2となる。
前述したように、遊技者の所持球数が増加する場合には、遊技者が計数レバー341を引いた状態としておき、パチンコ機2から排出されたパチンコ玉が下皿24から計数通路343に随時に流入して計数されることで随時に増加する場合と、遊技者が計数レバー341を引かずにパチンコ機2から排出されたパチンコ玉が下皿24に溜めた状態としておき、ある程度パチンコ玉が溜まった段階で計数レバー341を引くことで、溜められたパチンコ玉が一気に計数通路343に流入して計数されることで、一気に増加する場合との2つのケースがある。
特に問題となるのは後者のケース(所持球数が一気に増加する場合)である。前述したように、データ表示装置4は間欠的なタイミングで台間計数ユニット5から所持球信号を受信するため、一のタイミングで受信した所持球信号から特定される所持球数と、次のタイミングで受信した所持球信号から特定される所持球数とに大きな差が生ずる場合がある。具体的には、遊技者が大当り中に賞球されるパチンコ玉を、下皿24が満タンとなるまで溜めておくことで、多量のパチンコ玉が一気に計数され、所持球数が、例えば1000発〜2000発といった数値範囲で一度に増加する場合がある。この場合、第1表示閾値が1000発であることから、場合によっては、一度に第1表示閾値2つや3つ分を跨いで所持球数が増加するようなケースも考えられる。
このようなケースを想定し、図32の所持球特別表示制御処理では、第1整数n及び第2整数mの2つの整数を算出し、これらの整数を用いて第1表示カウンタ値及び第2表示カウンタ値を設定することにしている。これにより、所持球数の増加の程度(増加度合)に関わらず、常に正しい数の所定画像を表示させることができる。
なお、表示カウンタ値(第1表示カウンタ及び第2表示カウンタ値)は、所定画像(第1所定画像及び第2所定画像)の表示段階を特定するための係数であり、表示段階が1段上がる毎に1ずつ増加するカウンタ値である。このような表示カウンタ値を記憶する代わりに、ある所持球数を基準遊技媒体数とする表示フラグを設定し、この表示フラグに基づいて、所定画像の表示を行わせるようにしてもよい。具体的には、第1表示閾値の整数倍に第1非表示閾値を加算した値を基準遊技媒体数とし、この基準遊技媒体数に対する表示フラグを設定するようにすることが可能である。例えば、第1表示閾値を1000発、第1非表示閾値を800発とするのであれば、800発、1800発、2800発、・・・を基準遊技媒体数とし、この基準遊技媒体数に対する表示フラグを設定する。具体的には、所持球数が増加して第1表示閾値の整数倍に達する毎に表示フラグに「1」を設定する。また、所持球数が増加して基準遊技媒体数に達するか、又は、所持球数が減少して基準遊技媒体数を下回る毎に、表示フラグに「0」を設定する。そして、この表示フラグと、所持球数とに基づいて、所定画像の表示数を決定する。
基準遊技媒体数を1800発とする場合を説明する。前述したように、例えば、所持球数が増加して1900発となった場合の第1所定画像の表示数は1とし、所持球数が2000発に達した後に減少して1900発となった場合の第1所定画像の表示数は2とする必要がある。そこで、所持球数が増加して1800発に達した時点で表示フラグに「0」を設定し、所持球数が増加して2000発に達した時点で表示フラグに「1」を設定する。この場合、所持球数が2000発から減少したとしても、基準遊技媒体数である1800発を下回らなければ表示フラグは「1」に設定されたままである。つまり、所持球数が増加して1900発となった場合は表示フラグに「0」が設定されているのに対し、所持球数が2000発に達した後に減少して1900発となった場合は表示フラグに「1」が設定されていることになる。従って、所持球数の千の位が1であることに基づいて、前者の場合は第1所定画像の表示数を1と決定し、後者の場合は第1所定画像の表示数を2と決定することができる。
[3−7−3.台間計数ユニットの処理]
図34は、台間計数ユニット5のCPU510が、ROM520に記憶されている台間計数ユニット処理プログラム521に従って実行する台間計数ユニット処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、CPU510は、遊技者により持玉カードが挿入されたか否かを判定し(E1)、挿入されたと判定したならば(E1;Yes)、持玉カードR/W570から持玉カードのカード情報を取得する(E3)。そして、取得したカード情報に含まれる所持球数をRAM530に記憶させる(E5)。持玉カードが挿入されなかったと判定した場合は(E1;No)、CPU510は、E7へと処理を移す。
次いで、CPU510は、遊技者により発券ボタン551が押下されたか否かを判定し(E7)、押下されたと判定したならば(E7;Yes)、持玉カードを発券する持玉カード発券処理を行う(E9)。具体的には、持玉カードR/W570に対して、RAM530に記憶されている所持球数を対応付けたカード情報531を持玉カードに書き込ませる制御を行い、該持玉カードを持玉カード挿入/排出部565に排出させる制御を行う。発券ボタン551が押下されなかったと判定したならば(E7;No)、CPU510は、E11へと処理を移す。
次いで、CPU510は、遊技者により払戻ボタン552が押下されたか否かを判定し(E11)、押下されたと判定したならば(E11;Yes)、球払戻処理を行う(E13)。具体的には、計数払出ユニット380に所定数(125発)のパチンコ玉を遊技者に払い戻させるように制御する。そして、CPU510は、RAM530の所持球数を更新する(E15)。払戻ボタン552が押下されなかったと判定したならば(E11;No)、CPU510は、E17へと処理を移す。
次いで、CPU510は、計数払出ユニット5から計数結果を入力したか否かを判定し(E17)、入力したと判定したならば(E17;Yes)、RAM530の所持球数を更新する(E19)。計数結果を入力しなかったと判定したならば(E17;No)、CPU510は、E21へと処理を移す。
その後、CPU510は、所持球信号の出力タイミングであるか否かを判定する(E21)。そして、出力タイミングであると判定したならば(E21;Yes)、データ表示装置4に所持球信号を出力するように制御する(E23)。所持球信号の出力タイミングではないと判定したならば(E21;No)、CPU510は、E25へと処理を移す。
その後、CPU510は、処理を終了するか否かを判定する(E25)。処理を継続すると判定したならば(E25;No)、CPU510は、E1に処理を戻す。一方、処理を終了すると判定したならば(E25;Yes)、CPU510は、台間計数ユニット処理を終了する。
[3−8.表示画面]
図35(1)は、第1表示部430の表示画面の一例を示す図である。第1表示部430の上部には、該データ表示装置4に対応して設けられたパチンコ機2の機種名が表示されている。その下には、大当り回数と、スタート回数と、確変大当り回数と、通常大当り回数と、前日大当り回数と、前々日大当り回数と、所持球特別表示とが、それぞれ個別に設けられた表示窓内に表示されている。
また、第1表示部430の下部には、呼出アイコンとメニューアイコンとバージョン情報アイコンとが表示されている。遊技者は、呼出アイコンを指でタップすることにより、店員を呼び出すことができる。また、遊技者は、メニューアイコンを指でタップすることにより、メニュー選択を行うことができる。メニューアイコンを指でタップすると、メニュー選択画面(不図示)に表示が切り替わり、過去のデータの表示や、各種のサービス(ワゴンサービスやおしぼり、食事休憩等)の提供を選択することができる。また、遊技者は、バージョン情報アイコンをタップすることで、第1表示部430にパチンコ機2のバージョン情報を表示させることができる。
図35(2)は、第2表示部440の表示画面の一例を示す図である。第2表示部440には、該パチンコ機2が空き台であることを示す空き台情報が表示されている。具体的には、画面中央部に「空き台」というメッセージとともに、「今なら遊技できます」というメッセージが表示されている。このメッセージにより、遊技客は、該パチンコ機2が現在空き台であり、遊技可能であることを知ることができる。
図35(3)は、第2表示部440の表示画面の別例を示す図である。第2表示部440には、該パチンコ機2が大当り中であることを示す大当り情報が表示されている。具体的には、画面中央部に炎が表示されており、その中に該パチンコ機2が大当り中であることを示す「大当り中」のメッセージが表示されている。このメッセージにより、遊技客は、該パチンコ機2が現在大当り中であることを知ることができる。
図36(1)は、第2表示部440の表示画面の別例を示す図である。第2表示部440には、画面中央部に該パチンコ機2が潜伏確変中であることを示す潜伏確変情報が表示されている。具体的には、画面中央部にギザギザ形状の吹き出しが表示されており、その中に「潜伏確変中」のメッセージが表示されている。また、画面下部には「今がチャンス!!」のメッセージが表示されている。
第2表示部440は遊技者の遊技位置からは視認できないため、遊技者は潜伏確変中であることを知ることはできない。一方、遊技客は、第2表示部440に目を向けることで、該パチンコ機2が潜伏確変中であることを知ることができる。つまり、観覧している遊技客はその台がチャンス状態であることを知っているが、遊技者はチャンス状態であることを知らずに遊技を続けことになる。また、仮に潜伏確変中であることを知らずに遊技者が遊技をやめて離席した場合、周囲の遊技客は、その台がチャンス状態であることを知っているため、その台に座って遊技を行うことで大当りを期待することができる。これにより、従来の呼出ランプ装置では実現することのできない新たな興趣を生み出すことができる。
図36(2)は、第2表示部440の表示画面の別例を示す図である。第2表示部440には、画面中央部に該パチンコ機2が時短中であることを示す時短情報が表示されている。具体的には、画面中央部に雲状の吹き出しが表示されており、その中に「時短中」のメッセージが表示されている。また、画面下部には「残念。次に期待を」のメッセージが表示されている。
第2表示部440は遊技者の遊技位置からは視認できないため、遊技者は時短中であることを知ることはできない。一方、観覧している遊技客は、第2表示部440に目を向けることで、該パチンコ機2が時短中であり、大当りする可能性が低いことを知ることができる。
図37は、第1表示部430に表示される所持球特別表示の表示画面の一例を示す図である。図37には、遊技者の所持球数に応じて第1所定画像及び第2所定画像の表示が変化する様子を示している。ここでは、第1所定画像としてドル箱を、第2所定画像として特箱を表示する場合を図示する。また、第1表示閾値を1000発、第2表示閾値を5000発として説明する。
所持球数が1000発に達すると、ドル箱が1つ表示される(ドル箱第1表示段階)。所持球数が2000発に達すると、ドル箱が2つ表示される(ドル箱第2表示段階)。同様に、所持球数が3000発に達するとドル箱が3つ表示され(ドル箱第3表示段階)、所持球数が4000発に達するとドル箱が4つ表示される(ドル箱第4表示段階)。
所持球数が5000発に達すると、ドル箱の表示数は5となるが、特箱の表示条件が成立するため、全てのドル箱の表示を非表示とし、新たに特箱が1つ表示される(特箱第1表示段階)。所持球数が6000発に達すると、5000発を基準として所持球数が1000発増加したため、ドル箱が1つ表示され、特箱が1つ表示される(ドル箱第1表示段階&特箱第1表示段階)。
以下同様にして、所持球数が9000発に達すると、ドル箱4つと特箱1つとが表示される(ドル箱第4表示段階&特箱第1表示段階)。
所持球数が10000発に達すると、ドル箱の表示数は5となるが、特箱の表示条件が成立するため、全てのドル箱の表示を非表示とし、新たに特箱を1つ追加して特箱が2つ表示される(特箱第2表示段階)。そして、所持球数が11000発に達すると、10000発を基準として所持球数が1000発増加したため、ドル箱が1つ表示され、特箱2つが表示される(ドル箱第1表示段階&特箱第2表示段階)。
以下同様であり、例えば所持球数が15000発に達すると、特箱3つが表示される(特箱第3表示段階)。
この表示画面例では、所持球数1000発毎にドル箱(第1所定画像)の表示を1つずつ増やしていくが、所持球数の増分が5000発に達すると、ドル箱(第1所定画像)の表示を非表示として、特箱(第2所定画像)を新たに表示する。
なお、所持球数の増分が5000発に達した場合に、表示されているドル箱(第1所定画像)を非表示とせず、ドル箱(第1所定画像)の表示を継続させて、特箱(第2所定画像)を新たに表示させるようにしてもよい。つまり、第2所定画像を表示させる際に、第1所定画像を非表示とさせてもよいし、第1所定画像の表示を継続させてもよい。
図38は、第1表示部430に表示される所持球特別表示の表示画面の別例を示す図である。ここでは、第1所定画像として千両箱に積まれるパチンコ玉の玉嵩を、第2所定画像として万両箱を表示する場合を図示している。ここでは、第1表示閾値を1000発、第2表示閾値を10000発とする場合を例示する。
所持球数が1000発に達すると、千両箱にパチンコ玉1段が表示される(千両箱第1玉嵩表示段階)。所持球数が2000発に達すると、千両箱にパチンコ玉2段が表示される(千両箱第2玉嵩表示段階)。同様に、所持球数が3000発に達すると千両箱にパチンコ玉3段が表示され(千両箱玉嵩第3玉嵩表示段階)、所持球数が4000発に達すると千両箱にパチンコ玉4段が表示される(千両箱第4玉嵩表示段階)。
以下同様にして、所持球数が9000発に達すると、千両箱にパチンコ玉9段が表示される(千両箱第9玉嵩表示段階)。そして、所持球数が10000発に達すると、千両箱の玉嵩が10段となるが、千両箱にこれ以上パチンコ玉を積み上げることができないため、千両箱の玉嵩を全てクリアして、新たに万両箱が1つ表示される(万両箱第1表示段階)。
その後、所持球数が11000発に達すると、千両箱にパチンコ玉1段が表示され、万両箱が1つ表示される(千両箱第1玉嵩表示段階&万両箱第1表示段階)。以下同様にして、所持球数が19000発に達すると、千両箱にパチンコ玉9段が表示され、万両箱が1つ表示される(千両箱第9玉嵩表示段階&万両箱第1表示段階)。そして、所持球数が20000発に達すると、千両箱の玉嵩が10段となるが、千両箱にこれ以上パチンコ玉を積み上げることができないため、千両箱の玉嵩を全てクリアして、新たに万両箱を1つ追加し、万両箱が2つ表示される(万両箱第2表示段階)。
この表示画面例では、所持球数1000発毎に千両箱の玉嵩(第1所定画像)の表示を1段ずつ増やしていくが、所持球数の増分が10000発に達すると、千両箱の玉嵩(第1所定画像)を非表示として、万両箱(第2所定画像)を新たに表示する。
なお、所持球数の増分が10000発に達した場合に、表示されている千両箱の玉嵩(第1所定画像)を非表示とせず、千両箱の玉嵩(第1所定画像)の表示を継続させて、万両箱(第2所定画像)を新たに表示させるようにしてもよい。つまり、第2所定画像を表示させる際に、第1所定画像を非表示とさせてもよいし、第1所定画像の表示を継続させてもよい。
図39は、第1表示部430に表示される所持球特別表示の表示画面の別例を示す図である。ここでは、第1所定画像として一の玉箱に積まれるパチンコ玉の玉嵩を、第2所定画像として別の玉箱に積まれるパチンコ玉の玉嵩を表示する場合を図示している。ここでは、第1表示閾値を1000発、第2表示閾値を10000発とする場合を例示する。
所持球数が1000発に達すると、1つ目の箱にパチンコ玉1段が表示される(第1玉嵩表示段階)。所持球数が2000発に達すると、1つ目の箱にパチンコ玉2段が表示される(第2玉嵩表示段階)。同様に、所持球数が3000発に達すると1つ目の箱にパチンコ玉3段が表示され(第3玉嵩表示段階)、所持球数が4000発に達すると1つ目の箱にパチンコ玉4段が表示される(第4玉嵩表示段階)。
以下同様にして、所持球数が9000発に達すると、1つ目の箱にパチンコ玉9段が表示される(第9玉嵩表示段階)。そして、所持球数が10000発に達すると、1つ目の箱にパチンコ玉10段が表示される。この際、1つ目の箱にパチンコ玉がそれ以上積み上げられない状態となるため、2つ目の箱が表示される(第10玉嵩表示段階)。
以下同様であり、所持球数が11000発に達すると、2つ目の箱にパチンコ玉1段が表示される(第11玉嵩表示段階)。そして、所持球数が20000発に達すると、2つの目の箱にパチンコ玉10段が表示される。この際、2つ目の箱にパチンコ玉がそれ以上積み上げられない状態となるため、3つ目の箱が表示される(第20玉嵩表示段階)。
この表示画面例では、所持球数1000発毎に玉箱の玉嵩(第1所定画像)の表示を1段ずつ増やしていき、所持球数の増分が10000発に達した場合に、先に積み上げられた玉箱の玉嵩(第1所定画像)の表示をそのまま残して(継続して)、次の玉箱の玉嵩(第2所定画像)を新たに表示する。
なお、所持球数の増分が10000発に達した場合に、先に積み上げられた玉箱の玉嵩(第1所定画像)の表示を継続させず、先に積み上げられた玉箱の玉嵩(第1所定画像)を非表示として、次の玉箱の玉嵩(第2所定画像)を新たに表示させるようにしてもよい。つまり、第2所定画像を表示させる際に、第1所定画像を非表示とさせてもよいし、第1所定画像の表示を継続させてもよい。
[3−9.作用効果]
第3遊技用システム1Aでは、パチンコ玉を用いて遊技するパチンコ機2に対応して、遊技用装置の一種であるデータ表示装置4が設けられる。データ表示装置4は、画像を表示可能な第1表示部430と、パチンコ機2に対応して設けられた台間計数ユニット3から所持球信号を受信する第3通信部とを備える。データ表示装置4の処理部410は、所持球信号に基づき特定した所持球数が第1表示閾値に達した場合に第1所定画像を第1表示部430に表示させる表示制御を実行し、第1表示部430に第1所定画像が表示されているときに所持球数が第1表示閾値を下回っても、第1表示閾値よりも所定数分小さい第1非表示閾値に達していれば第1所定画像を非表示とせず、第1非表示閾値を下回った場合に、第1所定画像を非表示とさせる非表示制御を実行する。
これによれば、遊技者の所持球数に基づいて第1表示部430に第1所定画像を表示させることで、遊技機で遊技する遊技者や周囲の遊技客に、該遊技者の遊技状態(遊技媒体の所持数)を分かり易い形で報知することができる。また、所定画像を非表示とする第1非表示閾値は、所定画像を表示させる第1表示閾値よりも所定数分小さい。この所定数分の閾値の差を設けたことにより、閾値間際の所持球数の増減によって所定画像の表示/非表示が頻繁に切り替わることを防止することができる。
[3−10.変形例]
データ表示装置4の処理部410が実行する所持球特別表示制御処理は、図32で説明した処理に限られるわけではない。以下、所持球特別表示制御処理の変形例について説明する。
図40は、データ表示装置4の処理部410が、図32の所持球特別表示制御処理に代えて実行する第2所持球特別表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
所持球特別表示制御部415は、第1単位球数=所持球数−(第1表示カウンタ値×第1表示閾値)を算出する(F1)。また、所持球特別表示制御部415は、第2単位球数=所持球数−(第2表示カウンタ値×第2単位球数)を算出する(F3)。ここで、第1単位球数は、第1表示閾値及び第1非表示閾値を用いた閾値判定を可能とするために、0発〜1000発の数値範囲に正規化した所持球数である。また、第2単位球数は、第2表示閾値及び第2非表示閾値を用いた閾値判定を可能とするために、0発〜5000発の数値範囲に正規化した所持球数である。
次いで、所持球特別表示制御部415は、第1単位球数が第1表示閾値に達したか否かを判定し(F5)、達したと判定したならば(F5;Yes)、第1表示カウンタ値に1を加算する(F7)。そして、所持球特別表示制御部415は、第2単位球数が第2表示閾値に達したか否かを判定し(F9)、達したと判定したならば(F9;Yes)、第2表示カウンタ値に応じた数の第2所定画像を第1表示部430に表示させるように制御する(F11)。
次いで、所持球特別表示制御部415は、第1表示部430から第1所定画像を全表示消去させる制御を行う(F13)。そして、所持球特別表示制御部415は、第2表示カウンタ値に1を加算するとともに(F15)、第1表示カウンタ値をリセットして(F17)、第2所持球特別表示制御処理を終了する。
F9において第2単位球数が第2表示閾値に達していないと判定したならば(F9;No)、所持球特別表示制御部415は、第1表示カウンタ値に応じた数の第1所定画像を第1表示部430に表示させるように制御する(F19)。そして、第2所持球特別表示制御処理を終了する。
F5において第1単位球数が第1表示閾値に達していないと判定したならば(F5;No)、所持球特別表示制御部415は、第1単位球数が第1非表示閾値を下回ったか否かを判定する(F21)。
第1単位球数が第1非表示閾値を下回ったと判定したならば(F21;Yes)、所持球特別表示制御部415は、第1表示カウンタ値が0であるか否かを判定し(F23)、0ではないと判定したならば(F23;No)、第1表示カウンタ値から1を減算する(F25)。そして、第1表示カウンタ値に応じた数の第1所定画像を第1表示部430に表示させる制御を行う(F27)。
その後、所持球特別表示制御部415は、第2単位球数が第2非表示閾値を下回ったか否かを判定する(F29)。そして、下回ったと判定したならば(F29;Yes)、第2表示カウンタ値が0であるか否かを判定し(F31)、0ではないと判定したならば(F31;No)、第2表示カウンタ値から1を減算する(F33)。そして、第2表示カウンタ値に応じた数の第2所定画像を第1表示部430に表示させる制御を行った後(F35)、第2所持球特別表示制御処理を終了する。
このような第2所持球特別表示制御処理を行うことによっても、遊技者の所持球数に応じて、第1所定画像及び第2所定画像を適切に表示/非表示させ、遊技機で遊技する遊技者や周囲の遊技客に、該遊技者の遊技状態(遊技媒体の所持数)を分かり易い形で報知することができる。
[2.第4実施形態]
[4−1.遊技用システムの構成]
図41は、第4実施形態における第4遊技用システム1Bのシステム構成の一例を示す図である。第4遊技用システム1Bは、不図示の遊技島に設置される遊技機の一種である複数のパチンコ機2と、各パチンコ機2に対応して設けられる遊技用装置及び計数装置の一種であるカードユニット3と、制御装置及び管理装置の一種であるホールコンピュータ6と、制御装置及び管理装置の一種である持玉管理コンピュータ8と、各パチンコ機2に対応して設けられる遊技用装置及び情報表示装置の一種である呼出ランプ装置9とを備えて構成される。
カードユニット3は、パチンコ機2の所定側の側方位置に該パチンコ機2に対して1対1に対応設置され、遊技場に会員登録をしていないビジター遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるビジターカードや、遊技場に会員登録をした会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受け付けて、該ビジターカード又は会員カード(以下、包括的に「カード」と称する。)に記録された遊技用価値特定情報(プリペイド残額データ)から特定される有価価値の大きさ(プリペイド残額)に基づき、該パチンコ機2での遊技に使用される遊技媒体であるパチンコ玉を貸し出すための処理や、該パチンコ機2における遊技において獲得されたパチンコ玉を計数して、該計数済みのパチンコ玉数の範囲内のパチンコ玉を払い出す処理を行う。
呼出ランプ装置9は、正面視で横長の箱形の形状を呈する情報表示装置の一種であり、パチンコ機2で遊技を行っている遊技者が店員を呼び出すために用いられる他、パチンコ機2からの信号を受けて該パチンコ機2に関する遊技情報を、前面に設けられた表示部(ディスプレイ)に表示する。
各パチンコ機2は、台番号によって個々に識別可能に構成されており、パチンコ機2、カードユニット3及び呼出ランプ装置9は、台端末を介してホールコンピュータ6や持玉管理コンピュータ8に接続されている。なお、図1では、簡明化のために、遊技島に設置されるパチンコ機2を4台として図示している。
[4−2.情報及び信号の流れ]
図42は、第4遊技用システム1Bの各装置間における情報及び信号の流れの一例を示す図である。
パチンコ機2からは、大当り中信号や確変中信号、時短中信号、賞球信号、始動信号といった遊技に係る信号が呼出ランプ装置9及びホールコンピュータ6に出力される。
カードユニット3からは、計数払出ユニット380により計数された遊技者の所持球数を表す所持球信号とカード排出信号とが呼出ランプ装置9に出力される。また、カードユニット3からは、受付中の会員カードやビジターカードに記録されたカード情報が持玉管理コンピュータ8に出力される。
また、ホールコンピュータ6からは、呼出ランプ装置9の表示部に所定の表示を行わせるための表示指示信号が該呼出ランプ装置9に出力される。
[4−3.パチンコ機及びカードユニットの構成]
図43は、第4実施形態におけるパチンコ機2及びカードユニット3の外観構成を示す正面図である。なお、パチンコ機2の構成は第3実施形態と同じであるため、再度の説明を省略する。
カードユニット3の前面には、フルカラーLEDにより構成されて複数の色に点灯することでカードユニット3の状態等を報知可能とされた多機能ランプ301と、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302と、装置前面より装置前方側に突出形成された突出部305と、計数済玉数を払出すための計数払出操作を受付けるための払出ボタン311と、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309とが設けられている。
カードユニット3の前面に設けられたカード挿入口309は、該カード挿入口309に対応する位置に内蔵されるカードリーダライタ327のカードスロット392に連設されており、このカード挿入口309を介してビジターカードや会員カードをカードスロット392に挿入可能とされている。
ここで、ビジターカード及び会員カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用しており、これらビジターカード並びに会員カードには、個々のカードを識別可能なカードIDが予め書き換え不能に記憶されている。そして、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データや、振分けの有無を特定可能な振分けフラグ等の各種データが記憶されている。
なお、会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員IDが書き換え不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、後述するように、一度獲得して計数したパチンコ玉を、その翌日以降においても再度遊技に使用したり、景品交換に使用できる貯玉を行うことができるようになっているが、該会員カードには、該貯玉が行われたパチンコ玉数である貯玉数は直接記録されておらず、該貯玉数は、後述するように、持玉管理コンピュータ8において、会員カードIDと会員IDとに対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっている。
また、会員カードには、該会員カードを所有する遊技者が計数した計数済玉数に基づく持玉数も直接記録されておらず、該持玉数も、後述するように、会員カードIDと会員IDとに対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっており、該持玉数をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット3において遊技に使用でき、また、景品交換POS端末(不図示)において景品交換に使用できるようになっている。
また、ビジターカードは、遊技場内に設置された図示しないカード発行・入金機にて、購入、発行されるとともに、カードユニット3においても発行される。なお、ビジターカードには、該ビジターカードを所有する遊技者が計数した計数済玉数に基づく持玉数と日付とが記憶されており、該持玉数をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット3において遊技に使用でき、また景品交換POS端末において景品交換に使用できるようになっている。
また、カードユニット3の前面には、前方に突出する態様にて突出部305が設けられている。該突出部305において、遊技者と対向する面には、各種情報を表示可能な表示部340と、メインメニュー画面を表示させるためのメニューボタン316と、台データを表示させるための台データボタン318と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID並びに会員IDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319と、再プレイボタン319の操作が有効であることを報知するための再プレイ表示部320と、遊技場の係員が所持する設定用リモコンからの赤外線信号を受信して電気信号に変換して出力するIR受光ユニット315とが設けられており、該表示部340の表面には、表示部340に表示された各表示項目を指触により入力可能とするための透明タッチパネル314が設けられている。
また、該突出部305内部には、表示部340を成す後述する液晶表示器313や各ボンに対応するスイッチが設けられており、これらが該突出部305に対応する装置内位置に設けられた表示制御基板329に接続されることで、液晶表示器313の表示制御や、透明タッチパネル314による入力位置検出等が、該表示制御基板329によって実施される。
カードユニット3内の上部位置には、紙幣挿入口302に連設され、該紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている後述する制御ユニット305に出力する紙幣識別ユニット302が設けられており、該紙幣識別ユニット302にて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
また、カードユニット3の略中央部位置には、該カードユニット3を構成する各部と接続しやすいように該カードユニット3の動作を制御する制御ユニット305が設けられており、後述するように、該制御ユニット305によって該カードユニット3の各種の動作が制御されている。
また、カードユニット3の最下方位置には、パチンコ玉を計数して取り込み、該計数したパチンコ玉を最大端数分、つまり、対応するパチンコ機2における払出単位である25個未満の単位未満端数の最大値である24個だけ貯留するとともに、該単位未満端数のパチンコ玉を計数して払出す計数払出ユニット380が設けられている。
[4−4.カードユニットの機能構成]
図44は、カードユニット3の機能構成の一例を示すブロック図である。
カードユニット3は、紙幣識別ユニット302と、カードリーダライタ327と、表示制御基板329と、カードユニット3の各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット3の各種の機能を提供する制御ユニット305とから構成されており、紙幣識別ユニット302、カードリーダライタ327及び表示制御基板329は制御ユニット305と接続されて各種データの送受が可能とされている。
カードリーダライタ327は、カード挿入口309から挿入される会員カード並びにビジターカードに記録されている(会員)カードIDや、会員ID(会員カードのみ)、プリペイド残額データ等の記録情報の読み出し及び書き込みを行う。
制御ユニット305は、CPU310と、ROM320と、RAM330と、RTC340とを備えて構成される。
CPU310は、カードユニット3を統括的に制御する制御装置及び演算装置である。本実施形態において、CPU310は、主要な機能部として、所持球特別表示制御部311を含む。
ROM320は、不揮発性の読み出し専用の記憶装置であり、CPU310により読み出され、CU処理(図48及び図49参照)として実行されるCU処理プログラム321と、所持球特別表示用閾値テーブル322とを記憶している。
CU処理プログラム321は、所持球特別表示制御処理として実行される所持球特別表示制御プログラム321aをサブルーチンとして含む。CU処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。また、所持球特別表示制御処理については、第3実施形態で説明した所持球特別表示制御処理(図32参照)をそのまま適用可能であるため、再度の説明を省略する。また、所持球特別表示用閾値テーブル322は、第3実施形態で説明した所持球特別表示用閾値テーブル494(図26参照)をそのまま適用可能であるため、再度の説明を省略する。
RAM330は、揮発性の読み書き可能な記憶装置であり、カードリーダライタ327に受付け中のビジターカードや会員カードの(会員)カードID並びにプリペイド残額や、持玉数、貯蓄数、来店ポイント数、対応するパチンコ機2の台データ、遊技中の会員の遊技情報等の各種のデータを記憶する。RAM330は、不図示の電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。
RAM330には、カードデータ331と、処理用データ332とが記憶される。
処理用データ332は、CPU310が所持球特別表示制御処理(図32参照)において所持球特別表示を行うための処理用データであり、前述した第1表示カウンタ値や第2表示カウンタ値、第1整数n、第2整数mといった処理用のデータが一時記憶される。
制御ユニット305は、前述したようにパチンコ玉の貸出に伴う各種の信号の授受を、パチンコ機2に設けられている図示しない賞球制御基板との間において実施可能に接続されているとともに、前述のように、信号ケーブルを介して、パチンコ機2の情報出力基板と接続されることで、大当り中信号等の各種の外部出力信号が入力可能とされている。
また、制御ユニット305は、対応するパチンコ機2の下方位置に設けられているアウト玉計数器16に接続されて該アウト玉計数器16による打込玉信号が入力可能とされており、これらアウト玉計数器16からの打込玉信号の入力に応じて、後述する遊技情報テーブルの総打込玉数の値に該打込玉信号に応じた所定数を加算更新する。
また、制御ユニット305は、計数払出ユニット380と接続されており、該計数払出ユニット380においてパチンコ玉の計数が行われたことにより出力される計数センサ信号を入力し、該計数センサ信号に基づいて所持球数を更新する。例えば、前述したように計数払出ユニット380に流入したパチンコ玉が、計数センサにより検出され、1球のパチンコ玉の検出に応じて所定パルスの検出信号が計数払出ユニット380から制御ユニット305に対して出力されて、制御ユニット305において記憶される所持球数(持玉数)が1ずつ増加する。なお、計数払出ユニット380の構成は、第3実施形態の台間計数ユニット3に設けられる計数払出ユニット380と同じであるため、再度の説明を省略する。
また、制御ユニット305は、装置前面の突出部305の下方位置に設けられた払出ボタン311に対応する払出ボタンスイッチ311’に接続されており、払出ボタン311の操作に応じた信号が、該払出ボタンスイッチ311’から入力されることにより、払出ボタン311の操作の有無を把握できるようになっている。払出ボタン311が押下されたことを検知すると、制御ユニット305は、所持球数のうちの所定の単位球数を遊技者に払い戻す。第3実施形態と同様に、1回の払い戻し操作で遊技者に払い戻される単位球数を125発として説明する。制御ユニット305は、1回の払い戻し操作が行われる毎に、記憶している所持球数を125減算する。ただし、所持球数が125未満である場合に払い戻し操作が行われた場合には、所持球数を0とする。すなわち、記憶している所持球数に相当する球数を減算する。
第3実施形態と同様に、遊技者の所持球数が増加する場合には、遊技者が計数レバー341を引いた状態としておくことでパチンコ機2から排出されたパチンコ玉が下皿24から計数通路343に随時に流入し、計数払出ユニット380により計数されることで随時に増加する場合と、遊技者が計数レバー341を引かずにパチンコ機2から排出されたパチンコ玉を下皿に溜めた状態としておき、ある程度パチンコ玉が溜まった段階で計数レバー341を引くことで、溜められたパチンコ玉が一気に計数通路343に流入し、計数払出ユニット380により計数されることで一気に増加する場合との2つのケースがある。また、遊技者の所持球数が減少する場合は、遊技者の払い戻し操作によりパチンコ玉が遊技者に払い戻される場合であり、前述したように1回の払い戻し操作による払い戻し数は125発であるため、1回の払い戻し操作により所持球数は125発減少する。
また、制御ユニット305には、前述したように、対応するパチンコ機2の操作部に設けられた残額表示器や、貸出ボタンの操作を検知する貸出ボタンスイッチや、受付け中の会員カードやビジターカードを返却させる際に操作される返却ボタンの操作を検知する返却ボタンスイッチが接続されており、貸出ボタンの操作や返却ボタンの操作を検知できるとともに、これら残額表示器の表示制御を実施する。
制御ユニット305は、リモコンからの送信に応じたIR受光ユニット315からの出力や突出部305に設けられている各種ボタンの操作やタッチパネルの操作に応じて表示制御基板329から入力される各種情報や、紙幣識別ユニット302による貨幣識別情報、並びにカードリーダライタ327からのカード挿入情報やビジターカードの貯留状態情報等を受けて、制御ユニット305に接続されている前記多機能ランプ内に設けられたフルカラーLED301a等の各LEDの点灯制御、カードリーダライタ327、表示制御基板329の制御、残額表示器の表示制御等、全体の動作制御を行う。
また、制御ユニット305は、カード挿入口309に挿入された会員カードやビジターカードの利用の可/不可を判別するカード受付け処理や、受付け中の会員カード或いはビジターカードから読み出したプリペイド残額データに基づくプリペイド残額を使用した玉貸を行う貸与処理や、貨幣の受付けに応じて、受付け中の会員カードやビジターカードに残存するプリペイド残額への入金、或いは新たなビジターカードにプリペイド残額を書き込んで発行する発行・入金処理や、返却ボタンによる返却操作により受付け中の会員カードやビジターカードの返却する返却処理や貯玉数を用いた再プレイ処理や、払出ボタン311の操作の受付けによって計数済玉数(挿入されたビジターカード並びに会員カードにより特定される持玉数を含む)からの払い出し(返却)を行って該払出した玉数を計数済玉数から減算更新する払出処理等の処理を実行する。
また、制御ユニット305は、通信部334並びにHUBを介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているホールコンピュータ6や持玉管理コンピュータ8等の外部装置とデータ通信可能に接続されており、これらの各コンピュータと各種データの送受が該通信部を通じて可能とされている。
また、制御ユニット305に接続された表示制御基板329は、表示部340を成す液晶表示器313や、透明タッチパネル314や、各種スイッチ類(メニューボタン316に対応するメニュースイッチ316a、台データボタン318に対応する台データスイッチ318a、再プレイボタン319に対応する再プレイスイッチ319a)や、IR受光ユニット315、前述した再プレイ表示部320内に設けられたLED320a等の電子部品が接続されており、これら透明タッチパネル314の操作情報や、各種スイッチ類の操作情報、IR受光ユニット315から出力された出力信号に基づく情報が、表示制御基板329を介して制御ユニット305に出力される。
本実施形態の表示制御基板329には、液晶表示器313の表示駆動を行う表示駆動回路(図示略)や、前記透明タッチパネル314からの出力信号に基づいて押圧操作された位置を特定して該特定した入力位置情報を出力する入力位置検出回路(図示略)や、表示部340に表示する表示映像に関する処理を行うVDP(図示略)や、メニュー表示等に使用する画像データ等を記憶するVROM(図示略)や、表示部340に表示する表示データを一時記憶するVRAM(図示略)や、制御ユニット305から独立して、各種スイッチ類やタッチパネル等の入力に伴う判断や処理を処理プログラムに基づいて実施する表示制御マイコン等が実装されており、制御ユニット305から出力される表示データ(ページデータ)等に基づいて、各種の表示画面を、表示部340を構成する液晶表示器313に表示可能とされている。
カードユニット3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたカードユニット3は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(例えばカード残額、持玉数、あるいは貯玉数等)を遊技玉に変換する機能を有する。
図示を省略するが、カードユニット3の前面には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口が設けられている。このカード挿入/排出口に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタに受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。紙幣挿入口に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
また、カードユニット3の前面には、表示器と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(以下、単に「カードID」という。)及びカードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタンとが設けられている。
表示器は、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残額(カード残額又は単に残額とも言う)を表示する。この表示器には、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面を透明タッチパネルで構成し、表示器の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作を可能に構成することができる。
再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落として遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてパチンコ機2による遊技を行うことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらず、且つ、貯玉が持玉管理コンピュータ8に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技玉に変換され、パチンコ機2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持玉との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落とされる。なお、再プレイボタン319とは別に、持玉を引落とすための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタンは貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した玉でホールに預けている玉であり、貯玉払出により遊技玉となる。また、貯玉は、遊技場に預け入れられた遊技媒体であり、持玉管理コンピュータ8により管理される。
「持玉」とは、当日獲得した玉であり、持玉払出により遊技玉となる。また、持玉数は、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預け入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預け入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉であり、プリペイドカードの残額、持玉、又は、貯玉を引き落とすことと引き換えにして生成される。
なお、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預け入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預け入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預け入れられていない段階の玉数であるかの違いであるため、「持玉」を店舗に設置された持玉管理コンピュータ8で管理するようにしてもよい。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させず、店舗に設置された持玉管理コンピュータ8に会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともに持玉管理コンピュータ8にカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉を持玉管理コンピュータ8にカード番号と対応させて記憶させてもよい。
なお、持玉をカード(会員カード、ビジターカード)又は持玉管理コンピュータ8に記憶させるタイミングは、計数ボタンが操作されて計数処理が行なわれる毎のタイミングとしてもよいし、一定時間毎のタイミングとしてもよいし、カードを返却するタイミングとしてもよい。
また、遊技者が遊技を終えてカードユニット3からカードの返却を受けたときには、カードユニット3に記憶していた持玉が一旦貯玉として持玉管理コンピュータ8に記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じ又は別のカードユニット3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのカードユニット3に記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
カードユニット3の前面には、貸出ボタン321と、カード返却ボタン322とが設けられている。
貸出ボタン321は、挿入されたカードに記録されている残額を引き落としてパチンコ機2による遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行うボタンである。つまり、遊技者がパチンコ玉を払い戻すための操作ボタンである。
カード返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
[4−5.持玉管理コンピュータの機能構成]
図45は、持玉管理コンピュータ8の機能構成の一例を示す図である。
持玉管理コンピュータ8は、処理部810と、操作部820と、表示部830と、音出力部835と、通信部840と、時計部850と、記憶部860とを備えて構成される。
処理部810は、記憶部860に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、持玉管理コンピュータ8の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPU等のプロセッサを有して構成される。
操作部820は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部810に出力する。
表示部830は、処理部810から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部830には、記憶部860に記憶された各種データベースのデータの内容等が表示される。
音出力部835は、処理部810から出力される音出力制御信号に基づく各種の音出力を行う音出力装置である。音出力部835からは、例えば、注意を促す場合や、異常が発生した場合に、それを管理者に報知する警告音等が音出力される。
通信部840は、カードユニット3との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。通信部840は、カードユニット3からカード情報を受信する。
時計部850は、持玉管理コンピュータ8が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部850の計時時刻(日付を含む。)は処理部810に随時出力される。
記憶部860には、処理部810により持ち玉管理処理として実行される持ち玉管理プログラム861と、会員データ863と、カード管理データ865と、ユニット管理データ867とが記憶される。
図46は、会員データ863のデータ構成の一例を示す図である。会員データ863には、会員情報データと、会員遊技履歴データとが記憶される。会員情報データには、会員の個人情報が記憶される。具体的には、例えば、会員をユニークに識別するための会員IDと、当該会員が自身で設定する暗証番号と、店舗に来店する度に当該会員に付与される来店ポイントと、来店ポイントに応じて当該会員に設定されるランクと、当該会員の名字と、当該会員の名前とが記憶される。
会員遊技履歴データには、会員IDと、来店日と、台番号と、機種名と、開始時刻と、終了時刻とが対応付けて記憶される。開始時刻は、当該会員が該台番号のパチンコ機2で遊技を開始した時刻である。終了時刻は、当該会員が該台番号のパチンコ機2で遊技を終了した時刻である。
図47は、カード管理データ865のデータ構成の一例を示す図である。
カード管理データ865には、会員カード管理データと、ビジターカード管理データとが記憶される。
会員カード管理データは、会員カードを管理するためのデータであり、例えば、会員カードをユニークに識別するためのカードIDと、会員IDと、持玉数(4円持玉数及び1円持玉数)と、貯玉数(4円貯玉数及び1円貯玉数)と、大当り回数とが対応付けて記憶される。ここで会員IDに対応付けて貯玉数を記憶(管理)する部分は、第1実施形態及び第2実施形態における会員管理装置162の貯玉DBに相当する。
ビジターカード管理データは、ビジターカードを管理するためのデータであり、例えば、ビジターカードをユニークにするためのカードIDと、当該ビジターカードの最新の発行日時である最新発行日時と、持玉数(4円持玉数及び1円持玉数)と、大当り回数とが対応付けて記憶される。
[4−6.処理の流れ]
図48及び図49は、カードユニット3のCPU310が、ROM320に記憶されているCU処理プログラム321に従って実行するCU処理(カードユニット処理)の流れを示すフローチャートである。
最初に、CPU310は、カード返却操作がなされたか否かを判定し(H1)、なされたと判定したならば(H1;Yes)、カード返却処理を行う(H3)。具体的には、挿入されているカードをカード返却口に排出する処理を行う。そして、CPU310は、H21へと処理を移行する。
このカード返却処理では、返却する貯玉数及び持玉数の貸与レートを選択可能である。本例では、カードユニット3の貸与レートが4円なので、通常は貯玉数及び持玉数も4円で返却されるが、1円の貸与レートを選択した場合には、貯玉数及び持玉数が1円で返却される。なお、予め設定しておくことにより、強制的に1円又は4円で貯玉数及び持玉数が返却されるものであってもよい。ここで、カードユニット3の貸与レートが1円なのに4円で返却する場合には、該1円の貯玉数又は持玉数に、4円の貯玉数又は持玉数に変換できない端数が生ずる場合があるが、該端数は、設定により、払い出したり、切り捨てたりすればよい。
カード返却操作がなされなかったと判定したならば(H1;No)、CPU310は、持玉合算操作がなされたか否かを判定し(H5)、なされたと判定したならば(H5;Yes)、持玉合算処理を行う(H7)。そして、CPU310は、H21へと処理を移行する。
持玉合算操作がなされなかったと判定したならば(H5;No)、CPU310は、カードロック操作がなされたか否かを判定し(H9)、なされたと判定したならば(I9;Yes)、カードロック処理を行う(H11)。具体的には、挿入されているカードをカード返却ボタン322の押下のみでは返却されないようにロックする。ロックした後は、例えば暗証番号の入力を遊技者に求めるようにし、正しい暗証番号が入力されない限り、カードを遊技者に返却しないようにする。そして、CPU310は、H21へと処理を移行する。
カードロック操作がなされなかったと判定したならば(H9;No)、CPU310は、持玉分割操作がなされたか否かを判定し(H13)、なされたと判定したならば(H13;Yes)、持玉分割処理を行う(H15)。そして、CPU310は、H21へと処理を移行する。
持玉分割操作がなされなかったと判定したならば(H13;No)、CPU310は、情報照会操作がなされたか否かを判定し(H17)、なされたと判定したならば(H17;Yes)、情報照会処理を行う(H19)。具体的には、遊技者の操作に応じて、プリペイド残額(入金残額)や持玉数、貯玉数等の情報を表示部330に表示させる。そして、CPU310は、H21へと処理を移行する。
次いで、CPU310は、計数払出ユニット380から計数結果を入力したか否かを判定し(H21)、入力したと判定したならば(H21;Yes)、所持球数データ331aを更新する(H23)。そして、CPU310は、ROM320に記憶されている所持球特別表示制御プログラム321aに従って所持球特別表示制御処理(図32参照)を実行する(H25)。
次いで、CPU310は、再プレイボタン319が押下されたか否かを判定し(H27)、押下されたと判定したならば(H27;Yes)、球払戻制御処理を行う(H29)。そして、CPU310は、所持球数データ331aを更新した後(H31)、ROM320に記憶されている所持球特別表示制御プログラム321aに従って所持球特別表示制御処理(図32参照)を実行する(H33)。
次いで、CPU310は、液晶表示器313に表示される「貯玉変換ボタン」(図示外)が押下されたか否かを判定し(H35)、押下されたと判断したならば(H35;Yes)、貯玉変換処理を行う(H37)。この貯玉変換処理は、図7で説明した変換処理と略同様であるが、本例のカードユニット3の貸与レートは4円であるので、1円貯玉数から4円貯玉数への変換が行われ、図中の「4円貯玉数」は「1円貯玉数」、逆に「1円貯玉数」は「4円貯玉数」と読み替える。
次いで、CPU310は、液晶表示器313に表示される「持玉変換ボタン」(図示外)が押下されたか否かを判定し(H39)、押下されたと判断したならば(H39;Yes)、持玉変換処理を行う(H41)。この持玉変換処理は、図7で説明した変換処理と略同様であるが、本例のカードユニット3の貸与レートは4円であるので、1円持玉数から4円持玉数への変換が行われ、図中の「4円貯玉数」は「1円持玉数」、逆に「1円貯玉数」は「4円持玉数」と読み替える。
これら貯玉変換処理及び持玉変換処理においては、1円から4円への変換なので、前記S107及びS108は適用される。またS101においては、入金,玉貸,貯玉再プレイ,及びカード返却の全部又は一部の処理に加えて、持玉合算(H7),持玉分割(H15),及び計数の全部又は一部の処理がロックされ、S120においては、該ロックされた処理が解除される。なお、第1実施形態と同様に、持玉合算,持玉分割,及び計数の処理中は、変換がロックされる。
その後、CPU310は、処理を終了するか否かを判定し(H43)、処理を継続すると判定したならば(H43;No)、H1に処理を戻す。また、処理を終了すると判定したならば(H43;Yes)、カードユニット処理を終了する。
図50は、持玉合算処理の流れを示すフローチャートである。
持玉合算処理とは、複数枚のカードに対応付けられた持玉を合算して1枚のカードに対応付ける処理をいう。
CPU310は、会員カード受付中であるか否かを判定する(J3)。会員カード受付中である場合は(J3;Yes)、CPU310は、暗証番号の入力指示を行う(J5)。次いで、CPU310は、照合結果がOKであるか否かを判定し(J7)、OKであったならば(J7;Yes)、会員カードに持玉があるか否かを判定する(J9)。
持玉があると判定したならば(J9;Yes)、CPU310は、カードリーダライタ327の読取り位置のビジターカードを無効に変更して、会員カードを排出させる(J11)。そして、CPU310は、会員カード又はビジターカードを挿入するように遊技者に指示する(J13)。
次に、CPU310は、所定時間内にカードが挿入されたか否かを判定し(J15)、挿入されたと判定したならば(J15;Yes)、持玉を挿入カードに移行する(J17)。そして、CPU310は、挿入カードのカード情報を持玉管理コンピュータ8に送信した後(J19)、挿入カードを排出させる(J21)。そして、CPU310は、持玉合算処理を終了する。
J3、J7、J9又はJ15の判定結果が否定判定であった場合は、CPU310は、エラー報知を行う(J23)。そして、CPU310は、持玉合算処理を終了する。
なお、持玉合算処理において、合算する持玉の貸与レート(4円又は1円)を選択可能にしてもよい。
図51は、持玉分割処理の流れを示すフローチャートである。
持玉分割処理とは、1枚のカード(分割元カード)の持玉を分割して複数のカードに対応付ける処理をいう。本実施形態では、受け付けられている会員カード(以下、「分割元カード」という。)の持玉のうち、一部の持玉を他の新たなビジターカード(以下、「分割先カード」という。)に対応付け、残りの持玉を分割元カードに残存させる。
最初に、CPU310は、暗証番号の入力指示を行う(K3)。次いで、照合結果がOKであるか否かを判定し(K5)、OKであると判定したならば(K5;Yes)、持玉が貸出単位額に相当する数の2倍以上あるか否かを判断する(K7)。持玉数が貸出単位額に相当する数に満たない場合は(K7;No)、通常は持玉を払出すことができないため、該カードと分割するカードとの分を合わせて、持玉数が貸出単位額に相当する数の2倍以上あることを必要とする。
2倍以上であると判定したならば(K7;Yes)、CPU310は、分割する持玉数を入力するための画面を表示制御する(K9)。分割数は、選択肢から選択できるようにしてもよいし、増加又は減少ボタンを操作することで貸出単位額に相当する数単位で増減させて入力できるようにしてもよいし、直接、数値入力できるようにしてもよい。
CPU310は、分割数が入力されるまで待機し(K11;No)、入力されたと判定したならば(K11;Yes)、会員カード受付中であるか否かを判定する(K13)。会員カード受付中であると判定したならば(K13;Yes)、CPU310は、持玉数から分割数を減算する(K15)。
次いで、CPU310は、会員カードを排出させる(K17)。次いで、CPU310は、カードリーダライタに設けられたカード貯留部からビジターカードを読取り位置に取出し、取出したビジターカードの発行処理を行う(K19)。具体的には、持玉管理コンピュータ8のビジター貯蓄管理テーブルの状況を利用中に変更して、最新発行日時を更新して、持玉管理コンピュータ8のビジター貯蓄管理テーブルの最新発行日時を更新し、両テーブルのその他の項目をリセットする。
そして、CPU310は、分割数を持玉数として該ビジターカードに対応付ける(K21)。具体的には、持玉管理コンピュータ8のビジター貯蓄管理テーブルの持玉数として分割数を記憶させる。次いで、CPU310は、該ビジターカードを排出させる(K23)。
次に、CPU310は、先に排出された会員カードの再挿入を促す旨を報知する(K25)。CPU310は、会員カードが挿入されるまで待機し(K27;Yes)、挿入されたならば(K27;Yes)、カード情報を持玉管理コンピュータ8に送信する(K41)。そして、CPU310は、持玉分割処理を終了する。
一方、会員カード受付中ではないと判定したならば(K13;No)、CPU310は、受付中のビジターカードのカード情報を、一旦、他のメモリ領域に退避させる(K29)。そして、CPU310は、受付中の読書き位置のビジターカードのカード情報をリセットし、発行処理を行う(K31)。次いで、CPU310は、分割数を持玉数として該ビジターカードに記録し(K33)、該ビジターカードを排出させる(K35)。
次に、CPU310は、カードリーダライタのカード貯留部からビジターカードを読取り位置に取出し、取出したビジターカードの発行処理を行う(K37)。そして、CPU310は、K29で退避させたカード情報を該ビジターカードに記録する(K39)。そして、CPU310は、K41へと処理を移行する。
なお、持玉分割処理において、分割する持玉の貸与レート(4円又は1円)を選択可能にしてもよい。
[4−7.表示画面]
図52は、カードユニット3の液晶表示器313の表示画面の一例を示す図である。
液晶表示器313には、遊技者の所持球数に応じた所持球特別表示と、所持球数とが表示されている。
所持球特別表示は、遊技者の所持球に応じた特別表示であり、図52では、第1所定画像としてドル箱が、第2所定画像として特箱が表示された状態を示している。これらの画像の表示方法は第3実施形態と同様であるため、再度の説明を省略する。なお、図52に限らず、第1所定画像及び第2所定画像の表示態様としては、第3実施形態で図37〜図39に示したような各種の表示態様を適用することが可能である。
また、所持球数は、遊技者の現在の所持球数であり、計数払出ユニット380から出力される計数結果と、遊技者の払い戻された払い戻し数とに基づいて、リアルタイムに表示更新される。
[4−8.作用効果]
第4遊技用システム1Bでは、パチンコ玉を用いて遊技するパチンコ機2に対応してカードユニット3が設けられる。カードユニット3は、画像を表示可能な表示部340と、パチンコ機2で遊技する遊技者の所持球数を計数可能な計数払出ユニット380とを備える。そして、表示制御基板329は、計数払出ユニット380により計数された所持球数が第1表示閾値に達した場合に第1所定画像を表示部340に表示させるための表示制御と、表示部340に第1所定画像が表示されているときに所持球数が第1表示閾値よりも所定数分小さい第1非表示閾値に達していれば第1所定画像を非表示とせず、第1非表示閾値を下回った場合に、第1所定画像を非表示とさせるための非表示制御とを実行する。
これによれば、遊技機で遊技する遊技者の所持球数を計数払出ユニット380により計数し、計数した所持球数に基づいて表示部340に第1所定画像を表示させることで、遊技者の所持球数を示す直感的に分かり易い表示を実現することができる。また、第1所定画像を非表示とする第1非表示閾値は、第1所定画像を表示させる第1表示閾値よりも所定数分小さい。この所定数分の閾値の差を設けたことにより、閾値間際の所持球数の増減によって所定画像の表示/非表示が切り替わることを防止することができる。
[4−9.変形例]
カードユニット3が実行する持玉合算処理や持玉分割処理において、所持球特別表示に関する例外的な処理を行うこととしてもよい。具体的には、例えば、持玉分割処理で持玉が分割された場合に、分割前のカードに記録された所持球数(持玉数)に基づいて、分割元のカードに記録された所持球数での画像の表示数と、分割先のカードに記録された所持球数での画像の表示数とを決定してもよい。
例えば、所持球数が3100発であり、遊技者がこれを1900発と1200発とに分割したとする。分割元のカードに記録された持玉数を1900発とし、分割先のカードに記録された持玉数を1200発とする。上記の所持球特別表示制御処理によれば、所持球数が3100発の場合は、第1所定画像の表示数は3となる。そこで、例えば、分割元のカードと分割先のカードとで、第1所定画像の表示数の和が3となるように第1所定画像の表示数を振り分ける。具体的には、分割元のカードについては持玉数が1900発であるが、この場合の第1所定画像の表示数を例外的に2とし、分割先のカードについては持玉数が1200発であるため、原則通り第1所定画像の表示数を1とする。
第2所定画像についても同様である。
具体的な処理としては、分割前のカードに記録された所持球数に基づいて所定画像の表示数(以下、「総表示数」と称す。)を判定する。そして、持玉分割を行った場合に、分割元カードに記録された所持球数と分割先カードに記録された所持球数とに基づいて、それぞれのカードに記録された所持球数に対応する表示カウンタ値を判定する。
分割元カードの所持球数に対応する表示カウンタ値(以下、「分割元カード表示カウンタ値」と称す。)と分割先カードの所持球数に対応する表示カウンタ値(以下、「分割先カード表示カウンタ値」と称す。)との和が上記の総表示数と同じである場合は、そのままの表示カウンタ値に基づいて所定画像を表示する。一方、分割元カード表示カウンタ値と分割先カード表示カウンタ値との和が上記の総表示数と異なる場合は、その差を補償するように、分割元カード表示カウンタ値及び分割先カード表示カウンタ値の何れか一方を補正する。この表示カウンタ値の補正処理を、第1表示カウンタ値及び第2表示カウンタ値のそれぞれについて行う。
また、この場合において、分割元カード表示カウンタ値と分割先カード表示カウンタ値とを、分割元カードと分割先カードとにそれぞれ記録させるようにすると好適である。このようにすることで、遊技者が他のパチンコ機2に移動して遊技を行う場合に、移動先のパチンコ機2に対応して設けられたカードユニット3は、受け付けたカードに記録された表示カウンタ値に基づいて、表示させる所定画像の数を決定することができる。
また、持玉合算処理が行われた場合、カードユニット3のCPU310は、受付中のカードに記録されている所持球数に基づいて上記の所持球特別表示制御処理を行って、第1表示カウンタ値及び第2表示カウンタ値を設定し、これらのカウンタ値に基づいて所定画像を表示させるようにすればよい。
なお、持玉分割処理と同様に、持玉合算処理において合算結果の所持球数に応じた表示カウンタ値をカードに記録することとし、遊技者が他のパチンコ機2に移動して遊技を行う場合に、移動先のパチンコ機2に対応して設けられたカードユニット3が、受け付けたカードに記録された表示カウンタ値に基づいて、表示させる所定画像の数を決定するようにしてもよい。
[3.第5実施形態]
第5実施形態は、第3実施形態で説明したデータ表示装置4の第2表示部440に、遊技者が遊技したパチンコ機2が、(1)遊技者が唯一遊技した唯一遊技機種、(2)遊技者の遊技時間が第1の所定時間よりも長い長時間遊技機種、(3)遊技者が最初に遊技した初遊技機種、(4)遊技者の遊技時間が第2の所定時間よりも短い短時間遊技機種、の1以上の遊技機種のうちのいずれの遊技機種であるかの集計結果に関する情報を表示させる実施形態である。
また、本実施形態では、第3実施形態で説明したデータ表示装置4の第2表示部440に、パチンコ機2での遊技において、パチンコ玉が遊技領域のうちの第1領域を通過した回数及び/又は割合と、パチンコ玉が遊技領域のうちの第2領域を通過した回数及び/又は割合とを、パチンコ玉の発射強度別に集計した集計結果に関する情報を表示させる実施形態である。
データ表示装置4の処理部410は、パチンコ機2に併設されるカードユニット3に挿入された会員カードに記録されたカード情報に基づいて、遊技者が遊技した遊技機種を判定する。図示は省略するが、カード情報には、会員IDと対応づけて、パチンコ機2のID別に、遊技者が該パチンコ機2での遊技時刻が記録される。遊技時刻には、該パチンコ機2での遊技を開始した遊技開始時刻と、該パチンコ機2での遊技を終了した遊技終了時刻とが含まれる。処理部410は、これらの遊技時刻に基づいて、遊技者が遊技した遊技機種が上記の(1)〜(4)のいずれの遊技機種であるかを判定する。
遊技機種の判定方法の一例を説明する。当該会員IDの会員が遊技したパチンコ機2が1台のみである場合は、その台番号のパチンコ機2を唯一遊技機種と判定する。当該会員IDの会員が遊技したパチンコ機2のうち、遊技開始時刻から遊技終了時刻までの時間として求められる遊技時間が第1の所定時間(例えば3時間)よりも長い台番号のパチンコ機2を長時間遊技機種と判定する。当該会員IDの会員が遊技したパチンコ機2のうち、遊技開始時刻から遊技終了時刻までの時間として求められる遊技時間が第2の所定時間(例え15分)よりも短い台番号のパチンコ機2を短時間遊技機種と判定する。また、当該会員IDの会員が遊技したパチンコ機2のうち、遊技開始時刻が最も古い台番号のパチンコ機2を初遊技機種と判定する。
処理部410は、上記の遊技機種の判定結果に基づいて、遊技者が遊技した遊技機種がいずれの遊技機種であるかを集計し、その集計結果をデータベース化して記憶する。そして、処理部410は、データベースに記憶された遊技機種の集計結果に基づいて、例えば、遊技機種を周囲の遊技客が視認しやすいようにグラフ化し、作成したグラフを第2表示部440に表示させる制御を行う。
図60は、この場合におけるデータ表示装置4の第2表示部440の表示画面の一例を示す図である。
図60(1)では、該パチンコ機2が長時間遊技機種として遊技者により遊技された割合を表す円グラフ(機種別長時間遊技機種割合円グラフ)が第2表示部440に表示されている。この円グラフの代わりに棒グラフで該パチンコ機2が長時間遊技機種として遊技者により遊技された割合を表したもの(機種別長時間遊技機種割合棒グラフ)が図60(2)であり、機種別長時間遊技機種割合棒グラフが第2表示部440に表示されている。第2表示部440に上記のようなグラフ表示を行うことで、周囲の遊技客は、該パチンコ機2で長時間遊技が行われた割合を知ることができる。
なお、上記は長時間遊技機種について作成した円グラフ及び棒グラフの表示画面の一例であるが、これに代えて、唯一遊技機種や初遊技機種、短時間遊技機種について作成した円グラフや棒グラフを第2表示部440に表示させるようにしてもよい。このような表示を行うことで、周囲の遊技客は、該パチンコ機2で唯一遊技や初遊技、短時間遊技が行われた割合を知ることができる。長時間遊技の割合が高いパチンコ機2は、人気のある機種であることがわかり、唯一遊技の割合が高いパチンコ機2は、非常に人気のある機種であることがわかる。また、短時間遊技の割合が高いパチンコ機2は、それほど人気のない機種であることがわかる。これにより、周囲の遊技客は、人気のある遊技機種や人気のない遊技機種を判断することができ、遊技する機種を選択する際の参考にすることができる。
図61は、第2表示部440の表示画面の別例を示す図である。
図61(1)では、パチンコ機2の機種Aについて、遊技者が遊技をした遊技機種の判定結果を示す円グラフが第2表示部440に表示されている。具体的には、機種Aついて、遊技者が初遊技をした割合、短時間遊技をした割合、長時間遊技をした割合及び唯一遊技をした割合が円グラフ形式で表されている。
これを棒グラフ形式で表したものが図61(2)であり、機種Aについて、遊技者が初遊技をした割合、短時間遊技をした割合、長時間遊技をした割合及び唯一遊技をした割合が棒グラフ形式で第2表示部440に表示されている。
このような表示を行うことで、周囲の遊技客は、該パチンコ機2が唯一遊技機種、長時間遊技機種、初遊技機種、短時間遊技機種として遊技された割合を知ることができ、該パチンコ機2が人気のある機種であるか人気のない機種であるかを判断することができる。
また、本実施形態において、パチンコ機2が備える発射装置は、パチンコ玉の発射強度を検出する発射強度センサを有し、この発射強度センサにより、発射装置から発射されたパチンコ玉の発射強度を検出する。そして、検出した発射強度を示す発射強度信号をデータ表示装置4に出力する。また、パチンコ機2は、遊技領域に打ち込まれたパチンコ玉が各入賞口(普通入賞口や始動入賞口、大入賞口)を通過した際に、パチンコ玉が入賞口を通過したことを示す通過領域信号をデータ表示装置4に出力する。この際、パチンコ機2は、通過領域信号にパチンコ玉の発射強度を紐付けて出力する。
データ表示装置4は、パチンコ機2から出力される発射強度信号や通過領域信号に基づいて、パチンコ玉の発射強度や通過領域を判定する。そして、その判定結果に基づいて、パチンコ玉が遊技領域のうちの第1領域を通過した回数及び/又は割合と、パチンコ玉が遊技領域のうちの第2領域を通過した回数及び/又は割合とを、パチンコ玉の発射強度別に集計する。ここで、第1領域及び第2領域には、パチンコ玉が入賞する各種の入賞口(普通入賞口や始動入賞口、大入賞口)や、遊技領域内の区分けされた打込領域(右打領域や左打領域、ぶっ込み領域)が含まれる。
図62は、処理部410が、発射強度に応じていずれの打込領域にパチンコ玉が打ち込まれたかを判定するために用いる発射強度しきい範囲テーブルのテーブル構成の一例を示す図である。
発射強度しきい範囲テーブルには、打込領域と、発射強度しきい範囲とが対応付けて記憶されている。打込領域は、例えば「右打領域」と、「左打領域」と、「ぶっ込み領域」とに分けられている。ここで、「右打領域」とは遊技領域の右側の領域であり、「左打領域」とは遊技領域の左側の領域である。また、「ぶっ込み領域」とは、この領域にパチンコ玉が打ち込まれることでパチンコ玉が始動入賞口の方へ流れやすいとされる領域である。
発射強度しきい範囲には、右打領域については発射強度しきい範囲AR(下限値ARlow〜上限値ARhi)が、左打領域については発射強度しきい範囲AL(下限値ALlow〜上限値ALhi)、ぶっ込み領域については発射強度しきい範囲AB(下限値ABlow〜上限値ABhi)がそれぞれ定められている。
処理部410は、パチンコ機2から出力される発射強度信号に基づいて総打込数及び総打込割合を集計する。また、発射強度信号から特定される発射強度が発射強度しきい範囲テーブルのいずれの発射強度しきい範囲に含まれるかを判定することで、パチンコ玉の打込領域を判定し、その判定結果に基づいて、打込領域別に総打込数及び総打込割合を集計する。
図63は、処理部410が集計した発射強度別通過領域データのデータ構成の一例を示す図である。
発射強度別通過領域データは、発射強度別のパチンコ玉の通過領域の集計結果のデータであり、パチンコ機IDと、パチンコ玉の通過領域、総通過数及び発射強度別通過数とを対応付けた発射強度別通過数データと、パチンコ玉の通過領域、総通過割合及び発射強度別通過割合を対応付けた発射強度別通過割合データとが記憶される。
通過領域には、第1始動入賞口、第2始動入賞口、第3始動入賞口、第1普通入賞口、第2普通入賞口、第3普通入賞口及び大入賞口が定められている。また、大入賞口は、確変入賞口を含む。各入賞口について、パチンコ機2から出力される発射強度信号及び通過領域信号に基づいて、通過領域別の総通過数、発射強度別通過数、総通過割合及び発射強度別通過割合を集計し、発射強度別通過領域データに記憶させる。
なお、本実施形態では、各パチンコ機2について、発射強度別通過数及び発射強度別通過割合の両方を集計することとして説明するが、これらのうちの何れか一方のみを集計するようにしてもよい。つまり、発射強度別通過数のみを集計してもよいし、発射強度別通過割合のみを集計するようにしてもよい。
図64は、処理部410が集計した発射強度別打込領域データのデータ構成の一例を示す図である。
発射強度別打込領域データは、発射強度別のパチンコ玉の打込領域の集計結果のデータであり、パチンコ機IDと、パチンコ玉の打込領域、総打込数及び発射強度別打込数とを対応付けた発射強度別打込数データと、パチンコ玉の打込領域、総打込割合及び発射強度別打込割合を対応付けた発射強度別打込割合データとが記憶される。
打込領域には、前述した右打領域、左打領域及びぶっ込み領域が含まれる。各打込領域について、処理部410は、パチンコ機2から出力される発射強度信号に基づいて総打込数及び総打込割合を集計する。また、発射強度信号から特定される発射強度が発射強度しきい範囲テーブルのいずれの発射強度しきい範囲に含まれるかを判定することで、パチンコ玉の打込領域を判定し、その判定結果に基づいて、打込領域別に発射強度別打込数及び発射強度別打込割合を集計する。
なお、本実施形態では、各パチンコ機2について、発射強度別打込数及び発射強度別打込割合の両方を集計することとして説明するが、これらのうちの何れか一方のみを集計するようにしてもよい。つまり、発射強度別打込数のみを集計してもよいし、発射強度別打込割合のみを集計するようにしてもよい。
処理部410は、上記の発射強度別の通過領域(打込領域を含む。)の集計結果に基づいて、例えば、パチンコ玉の発射強度別の通過領域を周囲の遊技客が視認しやすいようにグラフ化し、作成したグラフを第2表示部440に表示させる制御を行う。
図65は、この場合におけるデータ表示装置4の第2表示部440の表示画面の一例を示す図である。
図65(1)では、発射強度別の始動入賞口への入賞の割合を示す円グラフが第2表示部440に表示されている。具体的には、始動入賞口へのパチンコ玉の入賞を示す割合が、発射強度「T0〜T9」〜発射強度「T90〜T99」別に表されている。
これを棒グラフ形式で表したのが図65(2)であり、発射強度別の始動入賞口への入賞の割合を示す棒グラフが第2表示部440に表示されている。このような表示を行うことにより、遊技者以外の遊技客は、発射強度に応じてパチンコ玉がどの領域を通過する傾向にあり、どの程度のハンドル操作を行えばパチンコ玉を始動入賞口に入賞させることができるかを把握することができる。
なお、始動入賞口ではなく、発射強度別の普通入賞口に入賞したパチンコ玉の数や割合に関する情報をグラフ形式で第2表示部440に表示させるようにしてもよい。また、発射強度別の大入賞口や確変入賞口に入賞したパチンコ玉や割合に関する情報をグラフ形式で第2表示部440に表示させるようにしてもよい。これにより、周囲の遊技客は、どの程度のハンドル操作を行えばパチンコ玉を普通入賞口や大入賞口、確変入賞口に入賞させることができるかを把握することができる。
なお、本実施形態では、データ表示装置4の処理部410が遊技機種の集計を行うこととして説明したが、この遊技機種の集計をホールコンピュータ6のCPU610が行うようにしてもよい。この場合は、ホールコンピュータ6が集計結果をデータベース化して記憶するようにし、データベースに記憶された集計結果のデータを、データ表示装置4に送信するようにすればよい。また、持玉管理コンピュータ8が遊技機種の集計を行うようにしてもよい。また、ホールコンピュータ6や持玉管理コンピュータ8とは別に会員カードを管理する会員管理コンピュータを店舗に設置することとし、この会員管理コンピュータが遊技機種の集計を行うようにしてもよい。
また、ホールコンピュータ6、持玉管理コンピュータ8、会員管理コンピュータのうちの2つ又は3つの機能を兼ねたコンピュータが遊技機種の集計を行うようにしてもよい。つまり、(1)ホールコンピュータ6と持玉管理コンピュータ8の機能を兼ねたコンピュータ、(2)ホールコンピュータ6と会員管理コンピュータの機能を兼ねたコンピュータ、(3)持玉管理コンピュータ8と会員管理コンピュータの機能を兼ねたコンピュータ、(4)ホールコンピュータ6と持玉管理コンピュータ8と会員管理コンピュータの機能を兼ねたコンピュータのうちの何れかのコンピュータが遊技機種の集計を行うようにしてもよい。
発射強度別の通過領域の集計についても同様であり、データ表示装置4の処理部410が発射強度別の通過領域の集計を行うようにするのではなく、ホールコンピュータ6のCPU610が発射強度別の通過領域の集計を行うようにしてもよい。この場合は、パチンコ機2が、前述した発射強度信号及び通過領域信号をホールコンピュータ6に出力すればよい。
[6.他の実施形態]
本発明を適用可能な実施形態は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、他の実施形態について説明する。なお、上記の各実施形態と同一の構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
上記の実施形態では、本発明に係る遊技機を通常のパチンコ機2として説明したが、遊技機はこれに限られないことは勿論である。前述したように、通常のパチンコ機2ではなく、封入式パチンコ機を本発明に係る遊技機としてもよい。
図53は、この場合における封入式パチンコ機2Bの外観構成の一例を示す正面図である。
封入式パチンコ機2Bは、前面に形成された筺体と、筐体の一側(向かって左側)に上下を回動自在で且つ着脱自在に軸支され、封入式パチンコ機2Bの主要構成部の略全てが集約して設けられる上部前面枠30Aと、この上部前面枠30Aの下側に位置して筺体の一側に上下を回動自在で且つ着脱自在に軸支された下部前面枠30Bと、下部前面枠30Bの前面に配置される表示用ユニット60とを備えている。封入式パチンコ機2Bでは、上部前面枠30Aと下部前面枠30Bと表示用ユニット60とで遊技機の前面枠を構成している。なお、上部前面枠30Aと下部前面枠30Bとが分離して設けられ、下部前面枠30Bの前面に表示用ユニット60が配置されるものに限らず、上部前面枠30Aと下部前面枠30Bとが一体化された単一の前面枠の前面に表示用ユニット60が配置されてもよいし、下部前面枠30Bに代えて、または加えて、上部前面枠30Aの前面に表示用ユニット60が配置されてもよい。
上部前面枠30Aと下部前面枠30Bとは相互に分離しており、上部前面枠30Aは、一側上下に取り付けられた軸受部31a、31bが封入式パチンコ機2Bの筐体の不図示のヒンジ部に軸支されることによって、筐体に対して回動可能に取り付けられている。この上部前面枠30Aには遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)20が着脱自在に取り付けられている。遊技盤20には、ガイドレールによって囲まれた、外縁をほぼ円形状とする遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が発射されて打ち込まれる。
遊技盤20の所定位置(例えば遊技領域の右下の縁上)には、第1特別図柄表示装置40Aと、第2特別図柄表示装置40Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置40Aと第2特別図柄表示装置40Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう。)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置40Aと第2特別図柄表示装置40Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置40Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置40Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤20における遊技領域の中央付近には、画像表示装置50が設けられている。画像表示装置50は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置50の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置40Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置40Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置50の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア50L、50C、50Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置40Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置40Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア50L、50C、50Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置50における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア50L、50C、50Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置50の表示領域では、第1特別図柄表示装置40Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置40Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(単に「導出」ともいう。)する。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア50L、50C、50Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、若しくは、文字などの記号、或いは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア50L、50C、50Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。或いは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置50の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア50Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア50Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置60Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置60Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることや封入式パチンコ機2Bが大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
遊技盤20における遊技領域の下方には、普通入賞球装置60Aと、普通可変入賞球装置60Bとが設けられている。普通入賞球装置60Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置60Bは、図示しないソレノイドによって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置60Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置60Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置60Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。或いは、普通可変入賞球装置60Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置60Aに形成された第1始動入賞口や普通可変入賞球装置60Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図示しない第1始動口スイッチや第2始動口スイッチによって検出される。第1始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の賞球数に相当する点数が現在の持点に加算され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の賞球数に相当する点数が現在の持点に加算され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づいて付与される点数と、第2始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づいて付与される点数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置60Aと普通可変入賞球装置60Bの下方には、特別可変入賞球装置70が設けられている。特別可変入賞球装置70は、大入賞口扉用の図示しないソレノイドによって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。大入賞口への遊技球の入賞を検出する大入賞口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の賞球数に相当する点数が現在の持点に加算される。通常、大入賞口への遊技球の入賞に基づいて付与される点数は、第1始動入賞口や第2始動入賞口への入賞に基づいて付与される点数よりも高く設定されている。
封入式パチンコ機2Bで遊技を行うためには、まず封入式パチンコ機2Bの側方に設けられたカード挿入口28に、ICカードからなる持点カードを挿入する。この持点カードは、例えば遊技場に設置されたカード販売機で購入することができる。カード販売機から発行された持点カードには、当該カードが発行された遊技場を特定可能な遊技場コード、複数の持点カードの中から当該持点カードを特定可能な識別情報、持点カード購入の際に遊技者が支払った金額に応じてその上限が定められるカード残高などが記録されている。
持点カードをカード挿入口28に挿入して、玉貸スイッチを押せば、持点カードのカード残高から所定数のカード残高の引き落としと引き換えに、所定数の持点が遊技者に付与される。持点が存在する状態で操作ハンドルを操作すれば、封入式パチンコ機2B内に封入されている打玉(遊技媒体)が図示しない打球ハンマにより一発ずつ遊技領域内に打ち込まれる。打ち込まれた打込玉は図示しない発射玉検出器により一つずつ検出され、検出される毎に持点が1ずつ減算更新される。
発射勢いが弱すぎて遊技領域にまで到達しなかった打玉はファール玉入口より回収され、遊技盤裏面に設けられた図示しないファール玉検出器で検出される。ファール玉が検出されるごとに持点が1ずつ加算更新される。これにより、遊技者の打玉が遊技領域にまで到達する機会を得ることなく、減算更新された持点を有効に再度使用することができる。
封入式パチンコ機2Bでは、遊技領域に設けられた通過ゲート26を通過した遊技球が図示しないゲートスイッチによって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置60Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置60Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図示しない第1始動口スイッチによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置40Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置60Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図示しない第2始動口スイッチによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置40Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置40Aや第2特別図柄表示装置40Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図ゲームが行われるごとに設定される特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。これら大当り遊技状態や小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置70が所定回数(定められたラウンド数)開放制御されることにより大入賞口への遊技球の入賞が可能となる。すなわち、持点を増加させる機会が提供される。ただし、小当りや所定種別の大当り(例えば前述した潜伏確変大当り)では、大入賞口の開放時間が極めて短く(例えば0.5秒)、実質的には大入賞口への入賞を期待できないようになっている。
画像表示装置50に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア50L、50C、50Rでは、第1特別図柄表示装置40Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置40Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア50L、50C、50Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となったり、このリーチ状態となったことに対応して、画像表示装置50における表示動作や、スピーカ80L、80Rによる音声出力動作、遊技効果ランプ90などの発光体における点灯動作(点滅動作)により、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される。
遊技を終了する場合には、遊技者は精算スイッチを押下する。これにより、遊技可能持点(遊技持玉)が、それぞれ更新後の情報として持点カードに記録される。なお、遊技可能持点の他に景品交換持点(景品持玉)などが存在する場合には、その情報が持点カードに記録されてもよい。
なお、既に持点カードに以前遊技で獲得した景品交換持点が記録されている場合には、景品交換持点が加算更新されることとなる。以上において、持点カードには、カード残高の他、遊技可能持点(遊技持玉)および景品交換持点(景品持点)がそれぞれ記録されていることとなる。情報の書き換えが終了した持点カードは、カード挿入口28から排出される。
上記の封入式パチンコ機2Bでは、持点によって遊技が行われる。そこで、遊技者の持点に基づいて、遊技者の所持球数を示す所持球特別表示を行うようにすると好適である。この場合、所持球特別表示は、例えば封入式パチンコ機2Bの下部に設けられた表示用ユニット60に表示させることができる。
具体的には、発射玉検出器により発射玉が検出される毎に持点を減算するとともに、ファール玉検出器でファール玉が検出される毎に持点を加算することで、持点を随時更新する。また、前述したように入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、あるいは他の一般入賞口)に遊技球が入賞した場合には、その入賞口への入賞に対応した点数を持点に加算することにより、持点を随時更新する。そして、現在の持点に基づいて所持球数を判定し、判定した所持球数に対する閾値判定を行って、所定画像(第1所定画像及び第2所定画像)の表示/非表示を制御する。
なお、これに代えて、持点に対する閾値を定めておき、持点に対する閾値判定を行って、遊技者の持点を示す所定画像(第1所定画像及び第2所定画像)の表示/非表示を行うようにしてもよい。
第3実施形態の台間計数ユニット5や第4実施形態のカードユニット3で計数されている所持球数(持玉数)は、計数払出ユニット380に流入したパチンコ玉が、計数センサにより検出され、1球のパチンコ玉の検出に応じて所定パルスの検出信号が計数払出ユニット380から制御ユニット505や制御ユニット305に対して出力されて、これに応じて制御ユニット505や制御ユニット305において記憶される所持球数(持玉数)が1ずつ増加する例について説明した。すなわち、1球のパチンコ玉が検出されたことに基づいて直ちに所持球数(持玉数)が1増加する例について説明した。
しかし、このような形態に限らず、1球のパチンコ玉が検出されたことに基づいて、直ちに所持球数(持玉数)を更新せずに、一旦「計数球数」を更新させ(1増加させ)、(1)所定期間内(例えば10秒以内)に「計数球数」が増加しなかったこと、(2)所定期間内の「計数球数」の増加数が所定値より小さくなったこと、(3)あるいは所定期間内の「計数球数」の増加率が所定率より小さくなったこと、等の所定条件に基づいて、該「計数球数」を所持球数(持玉数)に加算するようにしてもよい。
例えば、大当り遊技状態のときには、所定期間内に「計数球数」が増加するため、大当り遊技状態中(ラウンド中)は所持球数(持玉数)が増加せず、「計数球数」が大当り種別(大当り遊技状態に制御されている期間)に応じた数(例えば1000〜2000)まで増加する。そして、大当り遊技状態が終了して、大入賞口への入賞に基づく賞球の払出が終了した後のタイミングで、「計数球数」が所持球数(持玉数)に加算されることになる。この場合には、所持球数(持玉数)が急激に変化することになるが、前述した図32の所持球特別表示制御処理によって、適切に第1所定画像および第2所定画像を表示することができる。
また、所持球数特別表示とは異なるが、上記の封入式パチンコ機2Bを本発明に係る遊技機とする場合において、広域の店舗に設置された全ての封入式パチンコ機2Bに通番のIDを割り当て、所定の管理装置(例えば各店舗に設置されるホールコンピュータ6)が、各店舗に設置された全ての封入式パチンコ機2Bの遊技情報を管理・集計する遊技用システムを構築することが可能である。ここで、「広域」とは、例えば、所定の区域(例えば都道府県別の区域)とすることもできるし、全国とすることもできる。この場合、一の店舗に設置されたホールコンピュータ6が、他の店舗に設置された封入式パチンコ機2Bでの遊技に関連する情報を、自店舗に設置されたデータ表示装置4に表示させるような遊技用システムを構築することが可能である。
図66は、この場合における第5遊技用システム1Cのシステム構成の一例を示す図である。なお、上記の実施形態で説明した第3遊技用システム1A及び第4遊技用システム1Bと同一の構成要素については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
第5遊技用システム1Cでは、複数の店舗それぞれについて、複数の封入式パチンコ機2Bと、各封入式パチンコ機2Bに対応して設けられたデータ表示装置4と、ホールコンピュータ6とを備えて構成され、封入式パチンコ機2B及びデータ表示装置4と、ホールコンピュータ6とが台端末を介して接続されている。各店舗のホールコンピュータ6は、インターネット等のネットワークNを介して接続されており、相互に封入式パチンコ機2Bでの遊技に関連する情報を送受可能に構成されている。
本実施形態において、ホールコンピュータ6は、他の店舗のホールコンピュータ6と通信を行うための通信部を備える。ホールコンピュータ6のCPU610は、自店に設置された各封入式パチンコ機2Bの遊技結果を集計した自店遊技集計データを、通信部を介して他店のホールコンピュータ6に送信する。また、ホールコンピュータ6のCPU610は、他の店舗に設置されたホールコンピュータ6から、他店に設置された各封入式パチンコ機2Bの遊技結果を集計した他店遊技集計データを、通信部を介して受信する。自店遊技集計データ及び他店遊技集計データは、例えばハードディスク680にデータベース化して記憶される。
ホールコンピュータ6のCPU610は、所定のタイミング(例えば、所定時間が経過する毎のタイミング)で、自店及び他店の封入式パチンコ機2Bの機種別の遊技集計データを、当該機種の封入式パチンコ機2Bに対応して設けられたデータ表示装置4に送信する。そして、データ表示装置4の処理部410は、ホールコンピュータ6から受信した遊技集計データに基づいて、自店及び他店の封入式パチンコ機2Bでの遊技に関連する情報を第2表示部440に表示させるように制御する。
図67は、この場合にデータ表示装置4の第2表示部440に表示される表示画面の一例を示す図である。
第2表示部440には、封入式パチンコ機2Bの機種である「パチンコXXX」について、自店の大当り平均回数である当店大当り平均回数と、他店であるA店の大当り平均回数とがそれぞれ表示されている。また、A店よりも自店の大当り平均回数の方が多かったため、「当店の方が大当り回数が多いです!!」というメッセージが表示されている。このような表示を行うことで、周囲の遊技客は、該店舗の封入式パチンコ機2Bの大当り回数に加えて、他店舗の封入式パチンコ機2Bの大当り回数を知ることができ、どの店舗で遊技を行えば有利であるかを把握することができる。
次に、本発明の遊技機について、パチンコ機2に代えて、スロットマシンを遊技機とすることも可能である。遊技機をスロットマシンとする場合は、遊技者の所持メダル数に応じて、上記の実施形態で説明した所持球特別表示制御処理と同様の所持メダル特別表示制御処理を行って、所持メダル数に応じた第1所定画像及び第2所定画像を表示/非表示とさせる制御を行えばよい。
第3実施形態で説明したようにデータ表示装置4の表示部に所定画像を表示させるのであれば、台間計数ユニット5が遊技者の所持メダル数を示す所持メダル数信号をデータ表示装置4に出力するように構成し、データ表示装置4の処理部410は、台間計数ユニット5から出力される所持メダル数信号に基づいて遊技者の所持メダル数を特定して、所定画像の表示制御及び非表示制御を行えばよい。
また、第4実施形態で説明したようにカードユニット3の表示部に所定画像を表示させるのであれば、カードユニット3に設けられた計数払出ユニット380による所持メダル数の計数結果に基づいて遊技者の所持メダル数を判定して、所定画像の表示制御及び非表示制御を行えばよい。
この場合、第1所定画像は、遊技者が獲得したメダルが投入されるメダル用のドル箱としたり、一の箱に積まれるメダルの嵩高とすることができる。また、第2所定画像は、遊技者が獲得したメダルが投入されるメダル用の特箱としたり、別の箱に積まれるメダルの嵩高とすることができる。
また、第1所定画像を表示させるための第1表示閾値(第1値)と、第1所定画像を非表示とさせるための第1非表示閾値(第2値)とは、所定の時間範囲内に所持メダル数が減少する数に基づいて定めておくことができる。具体的には、1回の払い戻し操作により遊技者に払い戻されるメダル数を50枚とした場合、例えば50枚に25枚分の余裕を持たせた75枚を第1表示閾値と第1表示非閾値との差(第1所定数)とする。そして、例えば、第1表示閾値を200枚とし、第1非表示閾値を125枚とする。
また、第2表示閾値が第1表示閾値よりも大きくなり、且つ、第2表示閾値と第2非表示閾値との差(第2所定数)が第1所定数よりも大きくなるように第2表示閾値と第2非表示閾値とを定めておく。例えば、第2所定数を150枚とし、第2表示閾値を1000枚、第2非表示閾値を850枚とする。
また、遊技機をスロットマシンとする場合において、データ表示装置4の第1表示部430の表示内容としては、スロットマシンの機種名やスタート回数、ボーナス発生回数(RB発生回数、BB発生回数)、特典付与回数(ART発生回数、RT発生回数)、スタート履歴グラフ等の情報を定めておけばよい。また、第2表示部440の表示内容としては、空き台情報やボーナス中情報、特典付与中情報等の情報を定めておけばよい。また、特定演出(一斉演出)に関する表示内容も上記の実施形態と同様に定めておくことができる。
また、台間計数ユニット5からデータ表示装置4に送信される所持遊技媒体数を特定可能な信号は、遊技者の所持球を示す所持球信号や、遊技者の所持メダル数を示す所持メダル数信号に限られるわけではない。これらの信号に代えて、遊技媒体(パチンコ玉又はメダル)の増減数を示す信号(以下、「遊技媒体増減数信号」と称す。)をデータ表示装置4に送信するようにしてもよい。この場合、データ表示装置4は、台間計数ユニット5から送信される遊技媒体増減数信号に基づいて、遊技者の所持球数や所持メダル数を更新することで、所持遊技媒体数を判定するようにすればよい。
また、上記の所持遊技媒体数を特定可能な信号を出力するタイミングは、所定の時間間隔毎のタイミングや、計数払戻ユニット380の計数結果が所定数に達したタイミング、計数払戻ユニット380の計数がなくなってから所定時間(例えば10秒)が経過したら計数を確定し、その確定を待ったタイミングといった間欠的なタイミングとすればよく、いずれのタイミングで信号を出力するかは、適宜設計変更可能である。
また、データ表示装置4の表示部(第1表示部430及び/又は第2表示部440)やカードユニット3の表示部340に所定画像(第1所定画像、第2所定画像)を表示させるのではなく、各パチンコ機2に対応して該パチンコ機2の下部に設けられる各台計数機の前面に表示部を構成し、この表示部に所定画像を表示させるようにしてもよい。
図54は、この場合における各台計数機7に設けられた表示部の構成の一例を示す図である。パチンコ機2の下部には、各台計数機7が設けられており、パチンコ機2の下皿24から排出されたパチンコ玉を計数可能に構成されている。各台計数機7の前面には表示部740が設けられており、各台計数機7の制御ユニットは、上記の実施形態と同様の所持球特別表示制御処理(図32参照)を行って、表示部730に第1所定画像及び第2所定画像を表示させるように制御する。
また、上記の実施形態では、本発明に係る情報表示装置をデータ表示装置4として説明したが、情報表示装置はこれに限られないことは勿論である。データ表示装置4に代えて、従来型の呼出ランプ装置9を情報表示装置とすることも可能である。
また、上記の実施形態では、データ表示装置4の第1表示部430にタッチパネル421を設けることとし、遊技者が指で画面をタップすることにより店員の呼び出しやメニュー選択を行うこととして説明した。しかし、タッチパネル421の代わりに筐体に呼出ボタンやメニュー選択ボタンを設けることとし、遊技者が呼出ボタンやメニュー選択ボタンを押下することにより、店員の呼び出しやメニュー選択を行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、第1表示部430の左右に1つずつ第2表示部440を設けることとして説明したが、左右の何れか一方にのみ第2表示部440を設けることとしてもよい。また、第2表示部440を基体部4Aから通路側に突出するように設けるのではなく、基体部4Aの側面に設けることとしてもよい。この場合も、左右の両方の側面に第2表示部440を設けてもよいし、左右の何れか一方の側面にのみ第2表示部440を設けることとしてもよい。
また、上記の実施形態では、データ表示装置4を、ヒンジ部4Cにより扉部4Bを回動させることで、第2表示部440の角度を第1表示部430に対して相対的に変化させることが可能な構成として説明したが、第2表示部440の角度が第1表示部430に対して相対的に変化しないような固定的な構成とすることも可能である。この場合は、第2表示部440を形成した部材(以下、「サブ基体部」という。)が、基体部4Aに対して所定の開き角度を有するように、基体部4Aとサブ基体部とを一体的に構成すればよい。
具体的には、基体部4Aとサブ基体部とが重なり合った状態の開き角度を0°とし、その状態からサブ基体部を扉のように開いて(基体部4Aの一端を基準として回転させて)、サブ基体部が基体部4Aに対して垂直となった状態の開き角度を90°と定義した場合、サブ基体部の設置角度は、例えば、60°〜90°の角度範囲に含まれる設置角度とすることができる。この角度範囲に含まれる設置角度とすれば、遊技機で遊技する遊技者の遊技位置から第2表示部440を視認することはできないが、遊技島の端から周囲の遊技客が第2表示部440を視認することができる。
また、上記の他に、第2表示部440をデータ表示装置4の本体側面(左右両方の側面又は左右一方の側面)に配置することとしてもよい。つまり、基体部4Aから通路側に突出するようにサブ基体部を設けるのではなく、基体部4Aの側面にサブ基体部を設けることとしてもよい。
また、上記の第3実施形態では、所持球特別表示をデータ表示装置4の第1表示部430に表示させることとして説明したが、第1表示部430ではなく、第2表示部440に所持球特別表示を表示させることとしてもよい。
図55は、この場合にホールコンピュータ6のハードディスク680に記憶される表示用テーブル681の一例を示す図である。
この表示用テーブル681を見ると、第1表示部430の表示内容に所持球特別表示が定められておらず、それに代えて、第2表示部440の表示内容に、(1)所持球特別表示が定められている。
図56は、この場合にホールコンピュータ6のハードディスク680に記憶される第2表示部表示パターンテーブル683bの一例を示す図である。
この第2表示部表示パターンテーブル683bを見ると、第2表示部440の表示態様に、「パターンT」として全画面所持球特別表示が定められている。
この場合、ホールコンピュータ6のCPU610は、上記のテーブルに基づいて表示用設定データ691を作成し、データ表示装置4に送信することで、データ表示装置4の表示設定を行うようにすればよい。
図57は、この場合に第2表示部440に表示される所持球特別表示の表示画面の一例を示す図である。図57には、第1所定画像としてドル箱を、第2所定画像として特箱を表示する場合の所持球特別表示の表示画面の一例を示している。なお、第1所定画像及び第2所定画像の表示方法は、第3実施形態及び第4実施形態で説明した表示方法と同様であるため、ここでは再度の説明を省略する。
なお、データ表示装置4の第1表示部430及び第2表示部440のいずれか一方の表示部に所持球特別表示を表示させるのではなく、第1表示部430及び第2表示部440の両方の表示部に所持球特別表示を表示させることとしてもよい。
また、第2表示部440は、必ずしも文字や数字で情報を表示するディスプレイである必要はなく、発光により情報を遊技客に報知するLEDランプとしてもよい。具体的には、例えば、円形や多角形(三角形や四角形、六角形等)のLEDランプを形成したサブ基体部をデータ表示装置4の本体側面(左右両方の側面又は左右一方の側面)に設けることでサイドランプを構成することができる。また、基体部4Aからブリッジを用いて通路側に突出させるような形でLEDランプを設けることとしてもよい。この場合、データ表示装置4の処理部410は、パチンコ機2の大当り中や確変中、潜伏確変中、時短中、空き台中といった情報を、それぞれ異なる発光色や発光パターンでLEDランプに発光させるように制御すればよい。
図58は、この場合におけるLEDランプの発光の設定に関するテーブルであるLED発光テーブルのテーブル構成の一例を示す図である。このLED発光テーブルは、ホールコンピュータ6のメモリ(記憶装置)に予め記憶させておくことができる。そして、ホールコンピュータ6のCPU610は、このLED発光テーブルに基づいて、データ表示装置4の第2表示部440の発光に関する設定を行う。
LED発光テーブルには、種別と、番号と、LEDランプの発光設定とが対応付けて記憶されている。LEDランプの発光設定には、報知内容と、発光色と、発光パターンとが定められている。報知内容は、その発光色及び発光パターンにより遊技客に報知する内容である。
例えば、該パチンコ機2が空き台であることを示す「空き台情報」には、発光色として「青色」が、発光パターンとして「点灯」が定められている。つまり、該パチンコ機2が空き台である場合は、LEDランプが青色に点灯制御されることになる。
該パチンコ機2が大当り中であることを示す「大当り情報」には、発光色として「赤色」が、発光パターンとして「α秒の時間間隔で点滅」が定められている。つまり、該パチンコ機2が空き台である場合は、LEDランプが赤色に点滅制御されることになる。
該パチンコ機2が潜伏確変中であることを示す「潜伏確変情報」には、発光色として「緑色」が、発光パターンとして「β秒の時間間隔で点滅」が定められている。つまり、該パチンコ機2が潜伏確変中である場合は、LEDランプが緑色に点灯制御されることになる。
該パチンコ機2が潜伏確変中であることを示す「潜伏確変情報」には、発光色として「黄色」が、発光パターンとして「γ秒の時間間隔で点滅」が定められている。つまり、該パチンコ機2が時短中である場合は、LEDランプが黄色に点灯制御されることになる。
なお、上記のLEDランプの発光設定に係る報知内容と発光色、発光パターンとの対応関係は一例に過ぎず、適宜設計変更可能である。LEDランプの点滅の時間間隔(例えば上記のα秒、β秒、γ秒)も適宜設定することが可能である。また、固定的な発光色でLEDランプを発光させるのではなく、種々の発光色を組み合わせたイルミネーションによって周囲の遊技客に情報を発信するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、本発明に係る制御装置をホールコンピュータ6として説明したが、制御装置はホールコンピュータ6に限られないことは勿論である。遊技島毎に設置される台端末を制御装置としてもよいし、台端末とホールコンピュータ6とを中継する中継コンピュータを設置し、この中継コンピュータを制御装置としてもよい。また、第4実施形態で説明した持玉管理コンピュータ8を本発明に係る制御装置としてもよい。
なお、持玉管理コンピュータ8が会員のデータを管理するようにするのではなく、ホールコンピュータ6や持玉管理コンピュータ8とは別に会員カードを管理する会員管理コンピュータを店舗に設置し、この会員管理コンピュータを本発明に係る制御装置としてもよい。
また、ホールコンピュータ6、持玉管理コンピュータ8、会員管理コンピュータのうちの2つ又は3つの機能を兼ねたコンピュータを本発明に係る制御装置としてもよい。つまり、(1)ホールコンピュータ6と持玉管理コンピュータ8の機能を兼ねたコンピュータ、(2)ホールコンピュータ6と会員管理コンピュータの機能を兼ねたコンピュータ、(3)持玉管理コンピュータ8と会員管理コンピュータの機能を兼ねたコンピュータ、(4)ホールコンピュータ6と持玉管理コンピュータ8と会員管理コンピュータの機能を兼ねたコンピュータのうちの何れかのコンピュータを本発明に係る制御装置としてもよい。
また、上記の実施形態では、データ表示装置4の第2表示部440を覆う覆体としてプラスチック蓋Pを例示したが、覆体はこれに限られるわけではない。覆体を蓋とするのであれば、プラスチック蓋Pに限らず、ガラスの蓋や木製の蓋としてもよい。また、蓋以外の覆体として、第2表示部440を囲う庇体を本発明に係る覆体としてもよい。庇体は、例えば、付色されたプラスチック製やビニール製、木製の庇体とすることができる。
図59は、この場合における庇体の一例を示す図である。
第2表示部440が形成された扉部4Bには、その全体を囲うように庇体445が着脱可能に構成されている。具体的には、扉部4Bのうちヒンジ部4Cの接着面以外の面を囲うように正面視コの字型に成形された庇体445が扉部4Bに取り付け可能に構成されている。このような庇体445を扉部4Bに取り付けることで、遊技機で遊技している遊技者から第2表示部440がより一層視認できない状態を作り出すことができる。
なお、庇体445は、扉部4Bの内側の面を囲う底部を備えた底有り構造としてもよいし、底部を備えない底無し構造としてもよい。底有り構造を採用した場合は、庇体445によって扉部4Bの内側の面も囲われた状態となるため、遊技者からは扉部4Bの内側の面さえも視認できない状態となり、あたかも遊技者が隔離されたかのような状態を作り出すことができる。
また、上記の覆体は、必ずしも第2表示部440の全体を覆う覆体である必要はなく、第2表示部440の一部を覆う覆体してもよい。例えば、第2表示部440のうちの中央部のみが覆われるような覆体としてもよいし、第2表示部440の右半分や左半分、上半分、下半分を覆う覆体としてもよい。また、第2表示部440の周囲を覆う覆体としてもよい。
また、データ表示装置4の第1表示部430にはパチンコ機2の種類に応じた情報を表示させ、第2表示部440にはパチンコ機2の種類に因らない情報を表示させるようにしてもよい。パチンコ機2の種類に因らない情報としては、大当り中、確変中、空き台中、回転数、入賞数等のパチンコ機2のスペックに直接的に依存しない情報が挙げられる。第1表示部430には、潜伏確変情報や時短情報、突確情報、小当り情報等のパチンコ機2の種類に依存する情報を表示させるように制御し、第2表示部440には、大当り中、確変中、空き台中、回転数、入賞数等のパチンコ機のスペックに直接的に依存しない情報を表示させるように制御すればよい。
また、上記の実施形態では、データ表示装置4がホールコンピュータ6から一斉演出表示指示信号を受信した場合に、一斉演出表示を行うこととして説明した。しかし、データ表示装置4が具備する時計部455の計時時刻に基づいて、一斉演出表示を行うようにしてもよい。この場合、パチンコ機2が具備する時計部であるRTC235と時計部455とを同期させて、パチンコ機2が一斉演出を行うのと同じタイミングで一斉演出表示を行うようにすればよい。
また、大当りランニング演出では、ホールコンピュータ6が大当りランニング演出用の表示指示信号を所定の遅延時間分の遅延をかけて各データ表示装置4に送信することで、大当りランニング演出を行うこととして説明したが、大当りランニング演出を実現するための構成はこれに限られるわけではない。
例えば、データ表示装置4同士を所定の通信ケーブルを用いて接続し、大当りランニング演出実行信号をこの通信ケーブルを用いて相互に伝送するようにしてもよい。この場合は、データ表示装置4が、隣接するデータ表示装置4から大当りランニング演出実行信号を受信した場合に、所定の時間差だけ時間をずらして大当りランニング映像を表示し、次のデータ表示装置4に大当りランニング演出実行信号を送信するようにすればよい。つまり、大当りランニング演出実行信号をデータ表示装置4の識別番号に応じて昇順又は降順に順次に伝送していくようにすることで大当りランニング演出を実現することができる。
[7.変形例]
最後に、本発明の変形例について説明する。
上記の実施形態では、遊技機がパチンコ機110又はパチンコ機2である例について説明したが、これに限らず、該遊技機はスロットマシンでもよく、この場合には、一の貸与レートの貯メダル数や持ちメダル数を他の貸与レートに変換することになる。なお、遊技機としてパチンコ機とスロットマシンとが併存されている場合には、玉数(貯玉数や持玉数)をメダル数(貯メダル数や持ちメダル数)に変換したり、逆にメダル数を玉数に変換したりできるようにしてもよい。また遊技機は、封入式のパチンコ機であってもよく、この場合には一の貸与レートの得点を他の貸与レートに変換することになる。
上記の実施形態において、所有価値を管理する管理装置は、会員管理装置であっても持玉管理コンピュータであってもよく、該管理装置は、遊技場内に設けられて当該店舗のみを管理するものでもよく、遊技場外に設けられて複数店舗を管理するものであってもよい。
上記の実施形態において、変換は、玉数を管理する会員管理装置162又は持玉管理コンピュータ8と通信可能(オンライン)な場合に限って実行可能とし、通信不能(オフライン)な場合には実行不能とするのが好ましい。
上記の実施形態では、変換を行う遊技用装置が、玉貸ユニット120又はカードユニット3である例について説明したが、該遊技用装置は、例えば景品交換処理を行うPOS端末でもよく、このPOS端末で、カードを受け付けて、該カードの記録情報から特定される玉数を一方のレート(例えば最低レート)に変換して合算値を表示し、景品交換処理を行うようにしてもよい。その際に、変換した玉数で交換可能となる景品を表示してもよい。
また、変換を行う遊技用装置は、遊技場内でワゴンサービスを行う販売員が所持する携帯端末でもよく、この携帯端末で、カードを受け付けて、該カードの記録情報から特定される玉数を一方のレートに変換して、販売されている物品を購入できるようにしてもよい。
上記の第4実施形態では、会員カード及びビジタカードのいずれについても変換が可能である例について説明したが、会員カードについては変換可能とするがビジタカードについては変換不能とするようにしてもよい。
上記の実施形態では、いずれの玉貸ユニット120においても変換可能である例について説明したが、玉貸ユニット120毎に変換の可否を設定するようにしてもよく、該設定は、リモコンによる個別設定や、会員管理装置162からの一括設定で行えばよい。
上記の第4実施形態において、図37のH7に示す持玉合算処理と変換とを併せて行う(即ち一の遊技者のカードと他の遊技者のカードを受け付けて、持玉合算処理と変換とを行う)ようにしてもよく、また同H15に示す持玉分割処理と変換とを併せて行う(即ち一の遊技者のカードと他の遊技者のカードを受け付けて、持玉分割処理と変換とを行う)ようにしてもよい。