JP4721429B2 - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、及びトナージェット法に用いられるトナー及び該トナーの製造方法に関する。
従来、電子写真法は、種々の手段により感光体上に静電荷像を形成し、次いで、該静電荷像をトナーを用いて現像して感光体上にトナー画像を形成し、必要に応じて紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、加熱圧力、或いは溶剤蒸気の如き定着方法によりトナー画像を転写材に定着し、画像を得るものである(例えば、非特許文献1参照)。
トナーを用いて現像する方法、或いはトナー画像を定着する方法としては、従来各種の方法が提案され、それぞれの画像形成プロセスに適した方法が採用されている。従来、これらの目的に用いるトナーは、一般に熱可塑性樹脂中に染料及び/または顔料からなる着色剤を溶融混合し、均一に分散した着色剤分散樹脂組成物を製造した後、該着色剤分散樹脂組成物を微粉砕装置、分級機により所望の粒径を有するように製造されてきた。
これらの製造方法では、かなり優れたトナーを製造し得るが、ある種の制限がある。例えば、着色剤分散樹脂組成物が十分に脆く、経済的に可能な製造装置で微粉砕し得るものでなければならない。ところが、着色剤分散樹脂組成物を脆くすると、実際に高速で微粉砕した場合に形成された粒子の粒径範囲が広くなり易く、特に、比較的大きな粒子が含まれてしまうという問題が生じることがある。
さらに、このように脆性の高い材料は、現像用のトナーとして使用する際、さらなる微粉砕または粉化を受け易い。この方法では、着色剤の如き固体微粒子を樹脂中へ均一に良好に分散することは困難であり、その分散の度合いによっては、カブリの増大、画像濃度の低下、トナーの混色性、或いは透明性の低下の原因となることがある。また、トナー粒子の破断面に着色剤が露出することにより、トナーの現像特性の変動を引き起こす場合もある。
一方、これら粉砕法により生成されたトナーの問題点を克服するために、懸濁重合法によるトナーの製造方法が提案されている。懸濁重合法においては、重合性単量体、着色剤、重合開始剤、さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、その他添加剤を、均一に溶解または分散せしめて、重合性単量体組成物とした後、この重合性単量体組成物を分散安定剤を含有する水系分散媒体へ適当な撹拌機を用いて分散し、重合性単量体を重合し、所望の粒径を有するトナー粒子を得る(例えば、特許文献1、2、及び3参照)。
この方法は、粉砕工程が含まれていないために、トナー粒子に脆性が必要ではなく、軟質の材料を使用することができ、また、トナー粒子表面への着色剤の露出が生じず、均一な摩擦帯電性を有する。分級工程の省略も可能になるために、エネルギーの節約、製造時間の短縮、及び工程収率の向上の如きコスト削減効果が大きい。
トナー画像を定着する方法としては、熱ローラーによる圧着加熱法(以下、熱ローラー定着法と言う)や、定着フィルムを介して加熱体に被定着シートを密着させながら定着する加熱定着法(以下、フィルム定着法と言う)の如き定着方法が開発されている。
熱ローラー定着法やフィルム定着法では、熱ローラー或いは定着フィルムの表面に被定着シート上のトナー画像を、当接する加圧部材により加圧下で接触しながら通過せしめることにより定着を行うものである。該定着法では熱ローラーや定着フィルムの表面と被定着シートのトナー画像とが加圧下で接触するため、該シート上にトナー画像を融着する際の熱効率が極めて高く、迅速で良好な定着を行うことができる。
近年の電子写真装置は、高画質化、小型軽量化、高速高生産性化、省エネルギー化、高信頼性化、低価格化、及び、メンテナンスフリー化といった様々の要請を受けており、その中でも特に定着工程においてはさらに一層の高速化、省エネルギー化、及び、高信頼性化を達成できるシステムや材料の開発が重要な技術課題となっている。しかし、熱ローラー定着法やフィルム定着法でこれらの課題を解決するためには、特に材料であるトナーの定着特性能を大幅に改善することが必須であり、より低い温度で充分に被定着シートに定着できる性能(以下、低温定着性能と称する)の向上と、加熱ローラーやフィルム表面上に付着したトナー汚れによって次の定着シートを汚す現象であるオフセットを防止できる性能(以下、耐オフセット性能と称する)の向上が必要である。
加熱加圧定着に用いられるトナーにおいて、結着樹脂との親和性が大きいワックスを含有せしめたトナーは、特定の定着条件下では良好な耐オフセット性能と低温定着性能とを示す(例えば、特許文献4及び5参照)。また、結着樹脂との親和性が異なる2種類以上のワックスを含有せしめたトナーは、特定の定着条件下において良好な低温定着性能を示しつつ耐オフセット性能を向上することが可能となる(例えば、特許文献6、7、8、及び9参照)。しかしながら、これらのトナーはワックスが結着樹脂に相溶することに伴いトナーのガラス転移点が低下するため、さらなる低温定着性能の向上を目指した場合には、保存性、流動性、帯電性が損なわれ易く、特に連続印字した場合に著しい濃度低下や画像欠陥を生じやすい。このため、保存安定性能、現像安定性能を満足し、更なる低温定着性能を有するトナーが待望されている。
特公昭36−10231号公報 特公昭42−10799号公報 特公昭51−14895号公報 特開平8−50367号公報 特開2001−318484号公報 特開昭60−252361号公報 特開平8−50367号公報 特開2001−324834号公報 特開2002−72534号公報
電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」株式会社コロナ社、昭和63年6月15日、p46−79
本発明の目的は、前述の如き問題点を解決し得るトナーを提供することにある。
即ち、本発明の目的は、低温定着性能と同時に耐オフセット性に優れ、それらの性能を損なわずに現像器内での保存性、流動性、帯電性、ならびに現像耐久性に優れたトナーを提供するものである。
本発明の目的は、低温定着性能と同時に耐オフセット性能に優れ、耐久による現像機内のトナー担持体や感光体表面へのトナー汚染、キャリア汚染のないトナーを提供するものである。
また、本発明の目的は、上記トナーを好適に生成し得る製造方法を提供することにある。
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤及びエステルワックスを有するトナー粒子を有するトナーであって、該トナー粒子は、水系媒体中で造粒されたものであり、該トナーは、分子量2000乃至5000の樹脂成分をトナー全質量に対して1.0乃至40.0質量%含有し、示差走査熱量計でトナーを測定したDSC曲線において、1回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg1)が50.0乃至70.0℃であり、該1回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg1)と2回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg2)との温度差(Tg1−Tg2)が3.0乃至20.0℃であるトナーに関する。
また、本発明は、少なくとも着色剤、エステルワックス、及び、結着樹脂を合成するための重合性単量体を有する重合性単量体組成物を水系分散媒体中に分散して造粒し、該重合性単量体組成物の粒子を生成する造粒工程、該水系分散媒体中で該重合性単量体組成物の粒子を70.0乃至95.0℃で加熱し、該重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合してトナー粒子を生成する重合工程、該トナー粒子を70.0乃至95.0℃から0.01℃/分以上2.00℃/分以下の冷却速度で45.0℃以下に冷却する冷却工程を少なくとも有するトナーの製造方法であって、該トナーは、分子量2000乃至5000の樹脂成分をトナー全質量に対して1.0乃至40.0質量%含有し、該トナーは、示差走査熱量計で該トナーを測定したDSC曲線において、1回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg1)が50.0乃至70.0℃であり、該1回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg1)と2回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg2)との温度差(Tg1−Tg2)が3.0乃至20.0℃であるトナーの製造方法に関する。
本発明のトナーは、低温定着性と耐オフセット性とをともに有し、保存安定性及び現像耐久性にも優れ、長期にわたって、現像機内における汚染を引き起こすことなく、高画質な画像を形成することができる。
また、本発明のトナーの製造方法は、上記トナーを好適に生成し得ることができる。
DSC測定装置の昇温モードのグラフである。 1回目走査で実施例1のトナーを測定したDSC曲線である。 2回目走査で実施例1のトナーを測定したDSC曲線である。 本発明で規定する変形開始点、変形終了点、変形係数を測定したチャートの一例である。 トナー中のワックスの結晶状態を示す図である。 トナー中のワックスの結晶状態を示す図である。 トナー中のワックスの結晶状態を示す図である。 トナー中のワックスの分散状態を示す図である。 トナー中のワックスの分散状態を示す図である。
本発明によると、示唆走査熱量計(DSC)により測定されるトナーのガラス転移点は、1回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg1)と2回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg2)とが異なる場合があり、該1回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg1)が50.0乃至70.0℃にあり、該1回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg1)と該2回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg2)との差(Tg1−Tg2)が3.0乃至20.0℃である場合に、トナーの低温定着性能、耐オフセット性能及び現像性能を高めることができることを見出した。
本発明によると、トナーの保存安定性能や現像安定性能の如き定着工程に至る以前のトナー性能は、本発明の測定方法により求められるトナーのガラス転移点(Tg1)に依存し、定着工程での低温定着性能はトナーのガラス転移点(Tg2)に依存する。本発明のトナーは、定着工程に至る以前はワックスの如き可塑性を有する結晶性樹脂の大半が結晶状態でトナー中に存在しており、トナーのガラス転移点はTg1の値となる。しかし定着工程において、転写材上のトナーが定着装置と接触して加熱されると、トナー中の前記結晶性樹脂の一部が結着樹脂に相溶することでトナーの見かけのガラス転移点が低下し、上記のようにトナーのガラス転移点はTg2の値となる。これにより、保存安定性能や現像安定性能を低下させることなく、従来では達成し得なかった低温定着性能を発現することが可能となる。
上記Tg1とTg2との関係を達成する手段としては、トナーは、分子量2000〜5000の樹脂成分をトナー全質量に対して1.0乃至40.0質量%含有することが好ましい。分子量2000〜5000の如き低分子量樹脂成分の含有量が上記範囲にあることで、トナー製造時にはワックスの如き結晶性樹脂の結晶化を促進し、トナーに含有される結晶性樹脂の多くが結晶状態で存在するが、定着温度の如き高温にトナーが加熱された場合には、結着樹脂に結晶性樹脂が相溶するトナーを製造することが可能となる。
トナー製造工程における結晶性樹脂の結晶化のし易さと、定着工程における結着樹脂への結晶性樹脂の相溶し易さは、トナーに含有される分子量2000〜5000の樹脂成分の含有量とに関連している。
結晶性樹脂は、固体状態において、分子鎖が規則的な折り畳み構造、重なり構造の部分が多いほど、結晶性樹脂の結晶化の度合いが大きくなる。結着樹脂に含有される前記分子量2000〜5000の低分子量樹脂成分の量が多すぎると、結晶性樹脂と低分子量成分とが混ざりやすく、結晶性樹脂が固化する際に、規則的な折り畳み構造、重なり構造の形成が阻害されやすい。このため、前記低分子量成分の量が少ない程、結晶性の度合いが大きくなりやすい。
しかし、分子量2000〜5000の樹脂成分の含有量が1.0質量%未満であると、トナー製造工程における結晶性樹脂の結晶成長は促進されるが、定着工程において、結着樹脂に相溶する結晶性樹脂の量は減少する。このため、結晶性樹脂が結着樹脂に相溶することで発現される可塑効果が得られず、トナーの定着性が低下する場合がある。
また、多量の結晶性樹脂が固体状態でトナー中に存在するため、その一部がトナー表面に露出したり遊離したりしやすくなり、現像安定性能が低下することがある。
一方、分子量2000〜5000の樹脂成分の含有量が40.0質量%を超えると、トナー製造工程において結着樹脂に相溶する結晶性樹脂の量が増大し、Tg1とTg2との差は3℃未満となりやすくなる。この場合、低温定着性能は良好となるが、保存安定性能、現像安定性能が低下しやすい。
また、本発明において、分子量2000〜5000の樹脂成分の好ましい含有量はトナー全質量に対して1.0乃至40.0質量%であるが、より好ましくは1.5乃至20.0質量%である。
本発明において、Tg1とTg2との温度差(Tg1−Tg2)は3.0乃至20.0℃であるが、4.0乃至15.0℃であることが好ましく、より好ましくは5.0乃至12.0℃である。Tg1とTg2との温度差(Tg1−Tg2)が3.0℃未満であると、低温定着性能を向上させた場合には、保存安定性能及び現像安定性能が低下し、保存安定性能及び現像安定性能を向上させた場合には十分な保存安定性能が得られない。一方、Tg1とTg2との温度差(Tg1−Tg2)が20.0℃を越える場合には、低温定着性能及び保存安定性能が良好な場合もあるが、定着工程においてトナーの溶融粘度が低下し、普通紙の如き転写材にトナーが染み込んで十分な画像濃度が得られない。これら(Tg1−Tg2)の値は、トナーに含有される結着樹脂の組成や分子量、結晶性樹脂の組成や添加量、トナーの製造工程などに依存して変化する。
また、本発明において、Tg1は50.0乃至70.0℃であるが、50.0乃至65.0℃であることが好ましく、より好ましくは53.0乃至62.0℃である。
Tg1の値が70.0℃を超える場合には、トナー中の結晶性樹脂がトナー製造時に結着樹脂に相溶する量は小さくなり、また定着時に結着樹脂に相溶する量も小さくなりやすい。このため、十分な保存安定性能を発現させるためには、良好な低温定着性能が得られない。一方、Tg1が50.0℃未満の場合には、前記結晶性樹脂がトナー製造時に結着樹脂に相溶する量は大きくなり、また定着時に結着樹脂に相溶する量も大きくなる。このため、良好な低温定着性能は得られるが、十分な保存安定性能、現像安定性能が得られない。
また、本発明において、Tg2は45.0乃至55.0℃であることが好ましい。
本発明において、前述のTg1及びTg2は、示差走査熱量(DSC)測定装置を用いて測定する。DSC測定装置として、本発明では、TAインストルメンツ社製のM−DSCを利用した。測定方法は、アルミパンに測定試料であるトナーを6mg精秤し、リファレンスパンとして空のアルミパンを用い、窒素雰囲気下、モジュレーション振幅1.0℃、周波数1/分で測定する。10℃で1分間保持した後、昇温速度1℃/分で10℃から160℃まで走査して得られたリバーシングヒートフロー (Reversing Heat Flow) 曲線をDSC曲線とし、該DSC曲線から中点法によりTg1を求める。さらに160℃で10分間保持した後、冷却速度2℃/分で160℃から10℃まで冷却し、10℃で10分間保持する。その後、昇温速度1℃/分で10℃から160℃まで走査して得られたリバーシングヒートフロー曲線(DSC曲線)から中点法によりTg2を求める。図1はこのときのDSC測定装置の昇温モードのグラフを示す。なお、中点法によって求められたガラス転移点とは、昇温時のDSC曲線において吸熱ピーク前の基線と吸熱ピーク後の基線の中線と、立ち上がり曲線での交点をもってガラス転移点とするものである(図2及び3参照)。
トナーの融点の測定は、上記と同様に測定して得られたリバーシングヒートフロー曲線において、融解ピークの極大値となる温度を融点とする。また、融点のオンセット値とオフセット値は、前記融解ピークにおいて、ピークの立ち上がり部分の最大傾斜の点で引いた接線とピーク前の外挿基線との交点の温度を、融点のオンセット値とし、融解ピーク終了前の最大傾斜の点で引いた接線とピーク後の外挿基線との交点の温度を、融点のオフセット値とする。
吸熱量は、上記測定で得られたリバーシングヒートフロー曲線において、融解ピーク前の外挿基線からピークが立ち上がる点と、融解ピーク終了後の外挿基線とピークが接する点とを結んだ直線と融解ピークとで囲まれる面積より求める。
本発明においてトナーに含有される樹脂成分の分子量、該トナーに含有される分子量2000〜5000の樹脂成分の含有量は、ゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー社製)を用いて測定した。
以下にGPC装置について説明する。
40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、東ソー社製或いは、昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(HXL),G2000H(HXL),G3000H(HXL),G4000H(HXL),G5000H(HXL),G6000H(HXL),G7000H(HXL),TSKguardcolumnの組み合わせが挙げられる。
分子量2000〜5000の樹脂成分の含有量は、上記測定で得られた溶出曲線より求める。
GPC装置に用いる試料は以下のようにして作製する。
トナー試料をテトラヒドロフラン(THF)中に入れて十分に混合し、12〜18時間静置する。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、例えば、マイショリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン・サイエンス・ジャパン社製などが利用できる)を通過させたものを、GPCの試料とする。試料濃度は、樹脂成分の濃度が0.04〜0.08質量%となるように調整する。
本発明に用いられる結着樹脂としては公知の結着樹脂のいずれも用いることができ、例えばスチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル樹脂の如きスチレン系共重合体またはポリエステル樹脂が挙げられる。
本発明のトナーは、テトラヒドロフラン(THF)不溶分をトナーの全質量に対して5乃至90質量%有することが好ましい。より好ましくは5乃至70質量%であり、さらに好ましくは5乃至65質量%である。保存安定性能、現像安定性能と低温定着性能のバランスがさらに向上するためである。
トナーのTHF不溶分とは、THF溶媒に対して不溶性となった超高分子ポリマー成分(実質的に架橋ポリマー)の質量割合を示す。トナーのTHF不溶分とは、以下のように測定された値をもって定義する。
トナー1gを秤量し(W1g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF200mlを用いて6時間抽出しTHF溶媒によって抽出された可溶成分をエバポレートした後、100℃で数時間真空乾燥しTHF可溶分量を秤量する(W2g)。トナーのTHF不溶分は下記式から算出される。
トナーのTHF不溶分(質量%)={(W1−W2)/W1}×100
本発明のトナーは、上述のTHF可溶分の数平均分子量(Mn)が3000乃至100000であり、重量平均分子量(Mw)が10000乃至1000000であり、MwとMnとの比(Mw/Mn)が2.00乃至100.00であることが好ましい。保存安定性能、現像安定性能と低温定着性能のバランスが向上するためである。
本発明のトナーは、1回目の走査で測定されるDSC曲線において55.0乃至70.0℃に融点(Tm1)を有することが好ましい。また、本発明のトナーは、1回目の走査で測定される吸熱量Q1と、2回目の走査で求められる吸熱量Q2との比(Q1/Q2)が2.00乃至50.00であることが好ましい。55.0乃至70.0℃に融点(Tm1)を有するトナーは、トナー製造時におけるワックスの如き結晶性樹脂の結晶化と定着時における結着樹脂への相溶化のバランスが好ましく、Q1/Q2の値が2.00乃至50.00となる。Q1/Q2の値が上記範囲にあることで、保存安定性能と低温定着性能がさらに良好になる。Q1/Q2の値が50.00を超える範囲であると、トナーの溶融粘度が低下しすぎて高温側の定着領域が小さくなる場合がある。また、Q1/Q2の値が2未満であると、低温側の定着領域が小さくなる場合がある。
本発明のトナーは、2回目の走査で測定されるDSC曲線において、71.0乃至150.0℃に融点(Tm2)を有することが好ましい。また、本発明のトナーは、1回目の走査求められる吸熱量Q3と、2回目の走査で測定される吸熱量Q4との比(Q3/Q4)が0.80乃至1.20にあることが好ましい。Q3/Q4の値が上記範囲にあることで、高温側の定着領域がさらに良好になるためである。さらに、上記Q4は1.5乃至20.0J/gの範囲にあることが好ましい。Q4が20.0J/gを超える範囲であると定着装置よりトナーが十分に伝達されず、低温側の定着領域が小さくなる場合がある。また、Q4が1.5J/g未満であると、高温側の定着領域が小さくなる場合がある。
本発明のトナーは、変形開始点(Tf1)が45.0乃至60.0℃、変形終了点(Tf2)が55.0乃至75.0℃、変形係数(Tfr)が0.3乃至0.7であることが好ましい。本発明における変形開始点(Tf1)、変形終了点(Tf2)、変形係数(Tfr)とはトナーの熱力学特性を示す指標であり、具体的には以下に示す方法によって測定される値である。
トナー0.2gを加圧成型器にはかりとり、常温常圧環境下において200kgfの荷重で2分間加圧成型し、直径約8mm、高さ1〜4mmの円柱状試料を調整する。内径約10mm、内壁の高さが20mm以上、研磨された底面を有する筒状容器の中央に前記円柱状試料を載せ、さらに、外形約9.9mm、厚さ10mm以上の加圧ジグを前記サンプルに接触させる。これを35℃で5分間保持した後、加圧ジグに10kgfの荷重を与え、昇温速度1℃/分で120℃まで円柱状試料を昇温し、試料に接する加圧ジグの変位量を計測する。得られたチャートから、試料が変形し始める温度(℃)を変形開始点(Tf1)、変形が終了する温度(℃)を変形終了点(Tf2)と定義する。また、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、変形の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点(オンセット点)の温度をTff1、その時の加圧ジグの高さをHf1とし、高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、変形の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点(オフセット点)の温度をTff2、その時の加圧ジグの高さをHf2とし、下記式から求められる値を変形係数(Tfr)と定義する。上記測定は、例えば、フローテスター(CFT−500D、島津製作所社製)において、サンプルを載せるダイの代わりに穴が開いていないSUS−316プレートを使用することで測定することができる。測定チャートの一例を図4に示す。
Tfr=(Hf2−Hf1)/(Tff2−Tff1)
本発明によると、上記測定から得られる変形開始点(Tf1)は耐ブロッキング性能、低温定着性能及び現像安定性能に相関し、変形終了点(Tf2)は耐高温オフセット性能、変形係数(Tfr)はグロス性能に相関する。
即ち、変形開始点(Tf1)が45.0℃未満である場合、低温定着性能は向上するが、現像機内でブロッキングが発生し、また、カブリや画像不良が発生する。一方、Tf1が60.0℃を超える範囲では現像安定性能は向上するが、十分な低温定着性能が得られない。
また、変形終了点(Tf2)が55.0℃未満であると高温オフセットが発生しやすくなり、定着領域が著しく小さくなる。Tf2が75.0℃を超える範囲では耐高温オフセット性能は向上するが、低温オフセットが発生しやすくなり低温定着性能が低下する。
変形係数(Tfr)が0.3未満であると十分なグロスが得られず、Tfrが0.7を超える範囲では、定着時にトナーが転写紙に染み込みすぎることによるグロス低下が発生する。
上記のトナー物性値は、結着樹脂のガラス転移点(Tg)と、ワックスの如き結着樹脂を可塑化する結晶性樹脂が結着樹脂に相溶する量とのバランスにより達成される。例えば、DSCで求められるTgが低いトナーはTf1及びTf2の値が小さくなりやすい。また、ワックスの如き結晶性樹脂が結着樹脂に相溶している量が多いトナーは、Tfrが0.7を超える値となりやすく、結晶性樹脂の相溶量が少ないトナーは、Tfrが0.3未満の値となりやすい。
これら結晶性樹脂の相溶量は、結着樹脂の組成や分子量分布、可塑化成分の組成及び添加量、トナーの製造方法等により制御することが可能である。一般に、結着樹脂のTgが小さいほど結晶性樹脂の相溶量は大きくなりやすく、分子量が小さいほど相溶量は大きくなりやすい。
結晶性樹脂の組成として、融点が小さいほど結着樹脂との相溶量は大きくなりやすい。また、ワックスに含有されるアルキル基の炭素数が小さいほど結着樹脂との相溶量は大きくなりやすく、融点のオンセット値とオフセット値との温度幅が大きいほど、また融点とオンセット値との差の値が大きいほど相溶量は大きくなりやすい。一方、ワックスに含有されるアルキル基の炭素数が大きいほど結晶性が大きくなり、融点とオフセット値との差の値が大きいほど結晶性が大きくなりやすい。ワックスの種類としては、エステルワックスの如き極性ワックスの方が結着樹脂との相溶量は大きくなりやすく、パラフィンワックスの如き低極性ワックスは相溶量が小さくなりやすい。さらに、これらのワックスは高温で結着樹脂との親和性が増大するため、高温の状態から急冷して製造されたトナーは、徐冷されたトナーよりも結着樹脂との相溶量は大きくなりやすい。
本発明のトナーに用いるワックスの如き結晶性樹脂としては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロピッシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス、ケトンワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体が挙げられ、これらはワックス中に含まれる低分子量成分が除去されたDSC曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。
中でも、好ましく用いられる結晶性樹脂としては、炭素数18〜42の直鎖状のアルキルアルコール、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル或いは、モンタン系誘導体等のワックスが挙げられる。その中でも、トナー製造時の結晶化の促進と定着時の結着樹脂への相溶とのバランスから、炭素数18〜42のエステル化合物を有するエステルワックスが好ましく、より好ましくは炭素数が30〜42のエステル化合物を有するエステルワックスである。また、本発明で用いるエステルワックスは、炭素数10乃至21のアルキル基を有する脂肪酸エステル化合物を有することが好ましい。さらに、これらワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものも好ましい。
エステルワックスとしては、下記式(I)乃至(VI)で示される化合物から形成されているものが挙げられる。
Figure 0004721429
(式中、a及びbは0〜4の整数であり、a+bは4である。R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基であり、R1とR2との少なくとも一つ以上が炭素数10〜21である。m及びnは0〜20の整数であり、mとnは同時に0になることはない。)
Figure 0004721429
(式中、a及びbは0〜3の整数であり、a+bは1乃至3である。R1及び
2は炭素数が1〜40の有機基であり、R1とR2との少なくとも一つ以上が炭素数10〜21のアルキル基である。R3は水素原子または炭素数が1〜20以上の有機基である。kは1〜3の整数であり、a+b+k=4である。m及びnは0〜20の整数であり、mとnが同時に0になることはない。)
Figure 0004721429
(式中、R1及びR3は炭素数1〜40を有する有機基であり、R1とR3の少なくとも一つ以上は炭素数10〜21のアルキル基である。R2は炭素数1〜20を有する有機基を示す。)
Figure 0004721429
(式中、R1及びR2は炭素数1〜40を有する有機基であり、R1とR3の少なくとも一つ以上は炭素数10〜21のアルキル基である。nは1〜20の整数を示す。)
Figure 0004721429
(式中、aは0〜3の整数であり、bは1〜4の整数であり、a+bは4である。R1は炭素数が1〜21のアルキル基である。m及びnは0〜20の整数であり、mとnが同時に0になることはない。)
1−COO−R2 (VI)
(式中、R1及びR2は炭素数1〜39を有するアルキル基であり、R1の炭素数とR2の炭素数との合計が17〜41である。)
さらに、上記エステルワックスと組み合わせて好ましく用いられる結晶性樹脂として、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロピッシュワックスの如きポリメチレンワックスが挙げられる。ポリメチレンワックスとしては、アルキレンを高圧下でラジカル重合或いは低圧下でチーグラー触媒または、その他の触媒を用いて重合した低分子量のポリメチレンワックス;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるポリメチレンワックス;アルキレンを重合する際に副生する低分子量アルキレンポリマーを分離精製したポリメチレンワックス、;一酸化炭素及び水素からなる合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素ポリマーの蒸留残分から、或いは、蒸留残分を水素添加して得られる合成炭化水素から、特定の成分を抽出分別したポリメチレンワックスが挙げられる。これらワックスには酸化防止剤が添加されていてもよい。
本発明に用いるワックスの如き結晶性樹脂は、融点(温度20.0乃至200.0℃の範囲におけるDSC曲線の最大吸熱ピークに対応する温度)が40.0乃至150.0℃であることが好ましく、より好ましくは55.0乃至150.0℃、さらに好ましくは55.0℃乃至110.0℃である。
本発明では、トナー製造時の結晶性と結着樹脂への相溶性との関係から、結晶性樹脂としてエステルワックスを用いることが好ましい。融点のオンセット値とオフセット値との差が20.0℃以内であるワックスが好ましく、より好ましくは10.0℃以内である。融点のオンセット値とオフセット値との差の値は、該ワックスの結着樹脂への相溶性に影響し、20℃.0を超える値であると現像性が低下する場合がある。
また、融点とオンセット値との差が10.0℃以内であるワックスが好ましく、より好ましくは5.0℃以内である。さらに、融点とオフセット値との差が10.0℃以内であるワックスが好ましく、より好ましくは5.0℃以内である。これら融点とオンセット値との差の値、融点とオフセット値との差の値は、該ワックスの結着樹脂への相溶性に影響し、各値が10℃を超える値であると現像性が低下する場合がある。
また、室温で固体の固体ワックスが好ましく、50.0乃至70.0℃に融点を有する低融点ワックスと、71.0乃至150.0℃に融点を有する高融点ワックスとを併せて用いることが好ましい。低融点ワックスとしては、融点のオンセット値とオフセット値との差が20.0℃以内であるワックスが好ましく、より好ましくは10.0℃以内である。高融点ワックスとしては71.0乃至150.0℃に融点を有することが好ましいが、より好ましくは71.0乃至110.0℃であることが好ましい。高融点ワックスを低融点ワックスと組み合わせて用いる場合、該高融点ワックスは、融点のオンセット値とオフセット値との差が5.0乃至80.0℃、好ましくは8.0乃至50.0℃であることが好ましい。
さらには、前記エステルワックスは、2種以上のエステル化合物を有し、該エステル化合物のうち、同一の構造を有するエステル化合物を、エステルワックス全質量に対して50〜95質量%含有しているエステルワックスが好ましい。上記のような含有量の値は、前記ワックスの融解ピークにおけるオンセット値とオフセット値に影響を及ぼし、結着樹脂への該ワックスの相溶性に影響を及ぼす。同一の構造を有するエステル化合物の含有量は、下記に説明するガスクロマトグラフィー法(GC法)によって測定することができる。
GC法による同一の構造を有するエステル化合物の含有量の測定には、GC−17A(島津製作所製)が用いられる。試料は、予めトルエンに1質量%濃度で溶解させた溶液1μlをオンカラムインジェクターを備えたGC装置に注入する。カラムは、0.5mm径×10m長のUltraAlloy−1(HT)を用いる。カラムは初め40℃から40℃/分の昇温スピードで200℃迄昇温させ、さらに15℃/分で、350℃迄昇温させ、次に7℃/分の昇温スピードで450℃迄昇温させる。キャリアガスは、Heガスを50kPaの圧力条件で流す。化合物種の同定は、別途炭素数が既知のアルカンを注入し同一の流出時間同士を比較したり、ガス化成分をマススペクトマトグラフィーに導入することで構造を同定する。エステル化合物の含有量はクロマトグラムの総ピーク面積に対するピーク面積の比を求めることで算出する。
本発明において前記ワックスの好ましい含有量は、結着樹脂100質量部当りワックス1乃至40質量部(より好ましくは、2〜20質量部)である。重合法によりトナーを生成する場合には、前記ワックスは、重合性単量体100質量部に対して1乃至40質量部(より好ましくは、2〜20質量部)配合することが好ましく、また、溶融混練粉砕法によりトナーを生成する場合には、ワックスはトナー中に結着樹脂100質量部当り1乃至10質量部(より好ましくは2〜8質量部)含有されていることが好ましい。
本発明に使用されるワックスは溶解度パラメーター(SP)値が、7.6〜10.5の範囲であることが好ましい。SP値が、7.6未満の値を示すワックスは、用いる重合性単量体または結着樹脂との相溶性が乏しく、結果的に結着樹脂中への良好な分散が得られにくく、多数枚複写時またはプリント時において該ワックスの現像スリーブへの付着が生じやすく、トナーの帯電量が変化しやすくなる。さらに地カブリ、トナー補給時のトナーの濃度変動も起こしやすい。SP値が10.5を超えるワックスを用いる場合には、トナーを長期保存した際にトナー同士のブロッキングが発生しやすい。さらに、バインダー樹脂との相溶性が良すぎるため定着時において定着部材とトナー間に十分な離型性層が形成しにくく、オフセット現象を起こしやすい。
溶解度パラメーター(SP)値は、原子団の加成性を利用したFedorsの方法(Polym.Eng.Sci.,14(2)147(1974))を用いて算出することができる。
本発明に使用されるワックスは、135℃における溶融粘度が1〜300cPsであることが好ましく、さらに好ましくは3〜50cPsである。1cPsより低い溶融粘度を有する場合は、非磁性一成分現像方式で塗布ブレードにより現像スリーブにトナー層を薄層コーティングする際、機械的なズリ力によりスリーブ汚染を招きやすい。二成分現像方法においてはキャリア粒子とトナーとを用いて静電荷像を現像する際に、トナーとキャリア粒子間のズリ力によりトナーがダメージを生じやすく、外添剤の埋没、トナーの破砕も生じやすい。300cPsを超える溶融粘度を有する場合には、重合法を用いてトナーを製造する際、重合性単量体組成物の粘度が高くなり、粒度分布のシャープな微小粒径のトナーを得ることが困難となる。
ワックスの溶融粘度は、HAAKE社製VP−500にてコーンプレート型ローター(PK−1)を用いて測定することができる。
また、ワックスの針入度は、14以下、好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下が望ましい。針入度が14を超える場合には、感光ドラム表面上にフィルミングを発生し易くなる。尚、針入度の測定は、JIS−K2235に準ずる。
尚、上記の如き物性を求めるにあたって、ワックスのトナーからの抽出を必要とする場合には、抽出方法は特に制限されるものではなく、任意の方法が扱える。
一例を挙げると、所定量のトナーをトルエンにてソックスレー抽出し、得られたトルエン可溶分から溶剤を除去した後、クロロホルム不溶分を得る。
その後、IR法などにより同定分析をする。
また、定量に関しては、DSCにより定量分析を行う。
本発明のトナーは、結着樹脂の他に、縮合系樹脂を添加しても良い。縮合系樹脂を添加することで、重合法トナーの場合、造粒性、帯電量の環境安定性、現像性及び転写性を向上させることが可能である。該縮合系樹脂は、重量平均分子量(Mw)が6,000乃至100,000であることが好ましく、より好ましくは6,500乃至85,000、さらに好ましくは6,500乃至45,000である。
縮合系樹脂の重量平均分子量が6,000未満の場合、連続画像出力においてトナー表面の外添剤が耐久によって埋没しやすく、転写性の低下を招きやすくなる。逆に、重量平均分子量が100,000を超える場合には、重合性単量体に縮合系樹脂を溶解するのに時間を多く費やしてしまう。さらに、重合性単量体組成物の粘度が上昇し、粒径が小さくかつ、粒度分布の揃ったトナーが得にくくなる。
該縮合系樹脂は、数平均分子量(Mn)が3,000乃至80,000であることが好ましく、より好ましくは3,500乃至60,000、さらに好ましくは3,500乃至12,000である。該縮合系樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラム(GPC)における分子量分布のメインピーク値(Mp)が、分子量4,500乃至40,000の領域、より好ましくは分子量6,000乃至30,000の領域に存在することが良い。より好ましくは分子量6,000乃至20,000の領域である。上記範囲外であると重量平均分子量の場合と同様の傾向を示す。
該縮合系樹脂はMw/Mnが1.2乃至3.0、より好ましくは1.5乃至2.5が良い。Mw/Mnが1.2未満の場合には、トナーの多数枚耐久性及び耐オフセット性が低下し、3.0を超える場合には、低温定着性の面で、範囲内のものよりも、若干劣ってしまう。
該縮合系樹脂はガラス転移点(Tg)が、50.0乃至100.0℃、好ましくは50.0乃至95.0℃が良い。より好ましくは55乃至90℃が良い。ガラス転移点が50℃未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下する。ガラス転移点が100℃を超える場合には、トナーの耐低温オフセット性が低下する。尚、Tgは中点法により求められる値を示す。
該縮合系樹脂の酸価(mgKOH/g)は、0.1乃至35.0、好ましくは3.0乃至35.0、より好ましくは4.0乃至35.0、さらに好ましくは5.0乃至30.0である。酸価が0.1未満の場合には、トナーの帯電量の立ち上がりが遅く、カブリが生じやすくなる。酸価が35.0を超える場合には、高温高湿下に放置した後のトナーの摩擦帯電特性が変動しやすく、連続画像出力において画像濃度が変動しやすくなる。さらに、縮合系樹脂の酸価が35.0を超える場合には、縮合系樹脂のポリマー相互間の親和力が強くなるために縮合系樹脂が重合性単量体に溶解しにくくなり、均一な重合性単量体組成物を調製するのに時間がかかるようになる。
該縮合系樹脂の水酸基価(mgKOH/g)は0.2乃至50.0、好ましくは5.0乃至50.0、より好ましくは7.0乃至45.0であるのが良い。水酸基価が0.2未満の場合には、水系媒体中の重合性単量体組成物の粒子の表面に縮合系樹脂の局在化が起こりにくくなる。水酸基価が50.0を超える場合、最適範囲内のものと比較すると、高温高湿下において放置した後のトナーの帯電量特性が若干低くなる傾向が見られ、連続画像出力において画像濃度が変動しやすい。尚、該縮合系樹脂の抽出は特に制限されるものではなく、任意の方法が扱える。
該縮合系樹脂は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20.0質量部用いられることが好ましく、より好ましくは1.0〜15.0質量部である。
樹脂の酸価は以下のように求められる。基本操作は、JIS−K0070に準ずる。
試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を酸価といい、以下の方法によって測定される。
(1)試薬
(a)溶剤の調製
トナー試料の溶剤としては、エチルエーテル−エチルアルコール混液(1+1または2+1)またはベンゼン−エチルアルコール混液(1+1または2+1)を用いる。これらの溶液は使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1モル/リットルの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
(b)フェノールフタレイン溶液の調製
フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95体積%)100mlに溶かす。
(c)0.1モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の調製
水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJIS−K8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
(2)操作
トナー試料3gを正しくはかりとり、これに溶剤100ml及び指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを0.1モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
(3)計算式
次の式によって酸価を算出する。
A=B×f×5.611/S
A:酸価(mgKOH/g)
B:0.1モル/リットル−水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:0.1モル/リットル−水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:トナー試料(g)
樹脂の水酸基価は以下のように求められる。基本操作は、JIS−K0070に準ずる。
試料1gを規定の方法によってアセチル化するとき水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を水酸基価といい、以下の方法によって測定される。
(1)試薬
(a)アセチル化試薬の調製
無水酢酸25mlをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜる。(場合によっては、ピリジンを追加しても良い)。アセチル化試薬は、湿気、炭酸ガス及び酸の蒸気に触れないようにし、褐色びんに保存する。
(b)フェノールフタレイン溶液の調製
フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95体積%)100mlに溶かす。
(c)0.2モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の調製
水酸化カリウム35gをできるだけ少量の水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJIS−K8006によって行う。
(2)操作
トナー試料1gを丸底フラスコに正しくはかりとり、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。フラスコの口に小さな漏斗をかけ、95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首が浴の熱を受けて温度が上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円盤をフラスコの首の付け根にかぶせる。1時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。さらに分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後、エチルアルコール5mlで漏斗及びフラスコの壁を洗い、フェノールフタレイン溶液を指示薬として0.2モル/リットルの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定する。尚、本試験と並行して空試験を行う。場合によっては、指示薬としてKOH−THF溶液にしても構わない。
(3)計算式
次の式によって水酸基価を算出する。
A={(B−C)×f×28.05/S}+D
A:水酸基価(mgKOH/g)
B:空試験の0.5モル/リットル−水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
C:本試験の0.5モル/リットル−水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:0.5モル/リットル−水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:トナー試料(g)
D:酸価(mgKOH/g)
本発明に用いうる縮合系樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、及びセルロースの如き樹脂を用いることができる。より好ましくは材料の多様性からポリエステルが望まれる。
該縮合系樹脂として用いられるポリエステル及び該結晶性樹脂として用いられるエステルワックスの製造方法としては、例えば、酸化反応による合成法、カルボン酸及びその誘導体からの合成、マイケル付可反応に代表されるエステル基導入反応、カルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応を利用する方法、酸ハロゲン化物とアルコール化合物からの反応、エステル交換反応で製造される。触媒としては、エステル化反応に使う一般の酸性、アルカリ性触媒、例えば酢酸亜鉛、チタン化合物などでよい。その後、再結晶法、蒸留法などにより高純度化させてもよい。
特に好ましい製造方法は、原料の多様性、反応のしやすさからカルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応である。
縮合系樹脂としてポリエステルを用いる際のポリエステルの組成について以下に説明する。
ポリエステルは、全成分中45〜55mol%がアルコール成分であり、55〜45mol%が酸成分であることが好ましい。
アルコール成分としては、エチルグリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記式(VII)
Figure 0004721429
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基を示し、x,yはそれぞれ1以上の整数を示し、且つx+yの平均値は2〜10を示す。)で示されるビスフェノー誘導体、または下記式(VIII)
Figure 0004721429
で示されるジオールの如きジオール類が挙げられる。
2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸,ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸の如きベンゼンジカルボン酸類またはその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グリタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリエチレンジカルボン酸、マロン酸の如きアルキルジカルボン酸類またはその無水物、またさらに炭素数6〜18のアルキル基またはアルケニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸またはその無水物が挙げられる。
特に好ましいアルコール成分としては前記式(VII)で示されるビスフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸またはその無水物、こはく酸、n−ドデセニルコハク酸、またはその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸が挙げられる。
該縮合系樹脂は、2価のジカルボン酸及び2価のジオールから合成することにより得ることが可能であるが、場合により、3価以上のポリカルボン酸またはポリオールを本発明に悪影響を与えない範囲で少量使用しても良い。
3価以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸類、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシルプロパン、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−メチレンカルボキシルプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。
3価以上のポリオールとしては、スルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−メタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
本発明のトナーは、荷電制御剤を使用しても良い。
トナーを負荷電性に制御する荷電制御剤としては、下記の物質が挙げられる。例えば、有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、けい素化合物、ノンメタルカルボン酸系化合物及びその誘導体が挙げられる。
また、トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、下記の物質がある。例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;これらを単独或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
荷電制御剤は、トナー中の結着樹脂100質量部当り、0.01乃至20質量部、より好ましくは0.5乃至10質量部となる様に含有させるのが良い。
本発明のトナーは、着色剤を含有している。黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、顔料系としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー3,7,10,12〜15,17,23,24,60,62,74,75,83,93〜95,99,100,101,104,108〜111,117,123,128,129,138,139,147,148,150,166,168〜177,179,180,181,183,185,191:1,191,192,193,199が好適に用いられる。染料系としては、例えば、C.l.ソルベントイエロー33,56,79,82,93,112,162,163、C.I.ディスパースイエロー42,64,201,211が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5〜7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、C.I.ピグメントバイオレッド19が特に好ましい。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利用される。
これらの着色剤は、単独または混合しさらには固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は結着樹脂100質量部に対し0.5乃至20質量部となる様に添加して用いられる。
さらに本発明のトナーは磁性体を含有させ磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性体は着色剤の役割をかねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルの如き金属、或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムの如き金属との合金及びその混合物が挙げられる。
本発明に用いられる磁性体は、より好ましくは、表面改質された磁性体が好ましく、重合法トナーに用いる場合には、重合阻害のない物質である表面改質剤により、疎水化処理を施したものが好ましい。このような表面改質剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤を挙げることができる。
これらの磁性体は平均粒子が2μm以下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ましい。トナー中に含有させる量としては結着樹脂100質量部に対し20〜200質量部、特に好ましくは40〜150質量部となる様に含有させるのが良い。
796kA/m(10kエルステッド)印加での磁気特性が保磁力(Hc)1.59〜23.9kA/m(20〜300エルステッド)、飽和磁化(σs)50〜200emu/g、残留磁化(σr)2〜20emu/gの磁性体が好ましい。
本発明においては、トナーにおける各種の特性向上を目的とした外添剤が用いられる。外添剤としては、耐久性の点から、トナーの体積平均径の1/5以下の粒径であるものが好ましい。添加剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナーの表面観察により求めたその平均粒径を意味する。これら特性付与を目的とした外添剤としては、たとえば、以下のようなものが用いられる。
は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、ハイドロタルサイトの如き金属酸化物、カーボンブラック、フッ化カーボンが挙げられる。それぞれ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
研磨剤としては、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロムの如き金属酸化物、窒化ケイ素の如き窒化物、炭化ケイ素の如き炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き金属塩が挙げられる。
滑剤としては、フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンの如きフッ素系樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩が挙げられる。
荷電制御性粒子としては、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウムの如き金属酸化物、カーボンブラックが挙げられる。
これら外添剤は、トナー粒子100質量部に対し、0.1〜10質量部が用いられ、好ましくは、0.1〜5質量部が用いられる。これら外添剤は、単独で用いても良く、また複数を併用しても良い。
本発明のトナーは、凝集度が1〜50%、より好ましくは1〜30%、さらには4〜30%、特には4〜20%であることが現像性の点で好ましい。トナーの凝集度は、値が小さい場合にはトナーの流動性が高く、値が大きい場合にはトナーの流動性が低いと判断される。トナーの凝集度は、以下の方法で測定される。
パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)の振動篩機を用い、振動台に目開き33μm(400mesh)、77μm(200mesh)、154μm(100mesh)の篩を目開の狭い順に重なる様に、即ち、目開き154μmの篩が最上位となる様に、下から目開き33μmの篩、目開き77μmの篩、目開き154μmの篩の順に重ねてセットする。このセットした目開き154μmの篩上に試料を乗せ、振動台への入力電圧が15Vになる様にし、その際の振動台の振幅が60〜90μmの範囲に入る様に調整し、約25秒間振動を加え、その後、各篩上に残った試料の重量を測定し、下式に基づき凝集度を得る。凝集度の値が小さい程、トナーの流動性は高い。尚、サンプル量は5gとし、常温常湿環境(20℃/60%RH)下に7日間放置させたものを測定する。
凝集度(%)=(目開き154μmの篩上の試料質量(g)/5g)×100
+(目開き77μmの篩上の試料質量(g)/5g)×100×0.6
+(目開き33μmの篩上の試料質量(g)/5g)×100×0.2
本発明のトナーは、後述するフロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、円相当個数平均径D1(μm)が2乃至10μmであることが好ましく、且つ、該トナーの平均円形度が0.920乃至0.995で、円形度標準偏差が0.040未満であることが好ましい。より好ましくは平均円形度が0.950乃至0.995で、円形度標準偏差値が0.035未満であることが良い。さらに好ましくは平均円形度が0.970乃至0.995で、円形度標準偏差が0.015乃至0.035未満であることが望まれる。また、円形度0.950未満のトナーの含有量が15個数%以下であることが好ましい。さらに、円相当個数平均径の標準偏差を円相当個数平均径で割った個数変動係数は、0.35以下、特には0.30以下が好ましい。
円相当個数平均径が2乃至7μmであるトナーは、画像の輪郭部分、特に文字画像やラインパターンの現像での再現性に優れたものである。しかし、一般にトナーを小粒径化すると必然的に微小粒子のトナーの存在率が高くなるため、トナーを均一に帯電させることが困難となり画像カブリを生じるばかりか、静電潜像担持体表面や現像剤担持体への付着力が高くなり、結果として現像特性の低下が生じてしまいやすい。
しかし、トナーの円形度頻度分布の平均円形度を0.920乃至0.995、好ましくは0.950乃至0.995、より好ましくは0.970乃至0.995とすることにより、従来では困難であった小粒径を呈するトナーの転写性が大幅に改善されると共に現像能力も格段に向上する。
また、本発明のトナーは、円形度標準偏差が0.040未満、好ましくは0.035未満とすることにより、現像性に関する問題を大幅に改善することができる。
上記の如き形状を有するトナーは、デジタル方式の微小スポット潜像を現像する場合や、中間転写体を用い多数回の転写を行うフルカラー画像形成の際に非常に有効で、画像形成装置とマッチングも良好なものとなる。
本発明において平均円形度とは、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、全てのトナーが真球の場合1.000を示し、トナー形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。具体的には、例えばフロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子社製)を用いて測定することができる。下式により円形度を求め、さらに下式で示すように測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出する。
Figure 0004721429
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナーの粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を用いる。
本発明における円形度はトナーの凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をmとすると、次式から算出される。
Figure 0004721429
また、円形度標準偏差SDは、平均円形度C、各粒子における円形度ci、測定粒子数をmとすると次式から算出される。
Figure 0004721429
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.4〜1.0を0.01ごとに等分割したクラスに分け、その分割点の中心値と測定粒子数を用いて平均円形度及び円形度標準偏差の算出を行う。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26〜27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。
トナーの円形度測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナーを1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径2μm未満のデータをカットして、トナーの平均円形度を求める。
さらに本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来よりトナーの形状を算出するために用いられていた「FPIA−1000」と比較して、処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度の向上(256×256→512×512)によりトナーの形状測定の精度が上がっており、それにより微粒子のより確実な補足を達成している装置である。従って、本発明のように、より正確に形状を測定する必要がある場合には、より正確に形状に関する情報が得られるFPIA2100の方が有用である。
次に、本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明のトナーを製造する方法としては、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に記載されている懸濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法によるトナー化;単量体には可溶で水溶性重合開始剤の存在下で直接重合させてトナーを生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法によるトナー化;マイクロカプセル製法のような界面重合法、in site重合法によるトナー化;コアセルベーション法によるトナー化;特開昭62−106473号公報や特開昭63−186253号公報に開示されている様な少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のものを得る会合重合法によるトナー化;単分散を特徴とする分散重合法によるトナー化;非水溶性有機溶媒に必要な樹脂類を溶解させた後水中でトナー化する乳化分散法によるトナー化;さらに加圧ニーダーやエクストルーダー、或いはメディア分散機等を用いてトナー成分を混練、均一に分散せしめた後、冷却し、混練物を機械的またはジェット気流下でターゲットに衝突させて所望のトナー粒径に微粉砕し、さらに分級工程を経て粒度分布をシャープにせしめてトナーを製造する粉砕法、さらに粉砕法で得られたトナーを溶媒中で加熱等により球形化処理しトナーを得る方法が挙げられる。
中でも、本発明のトナーの好ましい製造方法としては、少なくとも着色剤、ワックス、及び、結着樹脂を合成するための重合性単量体を有する重合性単量体組成物を水系分散媒体中に分散して造粒し、該重合性単量体組成物の粒子を生成する造粒工程、該水系分散媒体中で該重合性単量体組成物の粒子を70.0乃至95.0℃で加熱し、該重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合してトナー粒子を生成する重合工程、該トナー粒子を70.0乃至95.0℃から0.01℃/分以上2.00℃/分以下の冷却速度で45.0℃以下に冷却する冷却工程を少なくとも有するトナーの製造方法であって、該トナーの製造方法によって製造されたトナーは、示唆走査熱量計で該トナーを測定したDSC曲線において、1回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg1)が50.0乃至70.0℃であり、該1回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg1)と2回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg2)との温度差(Tg1−Tg2)が3.0乃至20.0℃であるトナーの製造方法である。70.0乃至95.0℃(好ましくは75.0乃至85.0℃)に加熱してワックス成分と結着樹脂成分の相溶性を増大させ、次いで0.01乃至2.00℃/分の冷却速度でゆっくりと冷却することにより、ワックス成分の結晶化を促進させることができる。
また、上記冷却工程が、トナー粒子を70.0乃至95.0℃から0.01℃/分以上0.50℃/分以下の冷却速度で45.0℃以下に冷却する冷却工程であることが好ましく、より好ましくは、上記冷却工程が、トナー粒子を70.0乃至95.0℃から0.01℃/分以上0.25℃/分未満の冷却速度で45.0℃以下に冷却する冷却工程である。
また、上記冷却工程は、水系分散媒体中でトナー粒子を冷却する冷却工程、及び、冷却工程は、トナー粒子を水系分散媒体から取り出し、トナー粒子を冷却する冷却工程のいずれであってもよい。
前記70.0℃以上の加熱工程としては、懸濁重合法、会合重合法、乳化分散法、分散重合法により、トナー粒子を形成しつつ70.0℃以上に加熱してもよいし、公知の方法により作成されたトナー粒子を水系分散媒体に再分散して70.0℃以上に加熱してもよい。水系分散媒体としては水、アルコールなど、実質的にトナーを溶解しない媒体を好適に用いることができる。
さらに好ましくは小粒径のトナーが容易に得られる懸濁重合方法が望まれる。さらに一旦得られた重合粒子にさらに単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめるシード重合方法も本発明に好適に利用することができる。このとき、吸着せしめる単量体中に、極性を有する化合物を分散或いは溶解させて使用することも可能である。
トナーの製造方法として懸濁重合を利用する場合には、以下の如き製造方法によって直接的にトナーを製造することが可能である。少なくとも結着樹脂を合成するための重合性単量体、ワックス、及び着色剤、をホモジナイザー及び超音波分散機の如き攪拌機によって均一に溶解または分散せしめた重合性単量体組成物を形成する。このとき、必要に応じて、架橋剤やその他の添加剤を重合性単量体組成物中に含有させても良い。マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウムまたはリンを含有する分散安定剤を有する水系分散媒体中に通常の攪拌機またはホモミキサー、ホモジナイザーにより分散せしめる。このとき、重合開始剤は、重合性単量体組成物及び水系分散媒体の少なくともいずれか一方に含有されていればよい。好ましくは重合性単量体組成物の液滴が所望のトナーのサイズを有するように攪拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の攪拌を行えば良い。重合温度は40.0℃以上、通常50.0〜95.0℃(好ましくは55.0〜85.0℃)の温度に設定して重合を行う。重合反応後半に昇温しても良く、必要に応じpHを変更しても良い。重合反応終了時に70.0乃至95.0℃の温度で3分以上保持した後、0.01乃至2.00℃/分の冷却速度で45.0℃以下(好ましくは5.0〜35.0℃)に冷却し、トナー粒子を洗浄し、乾燥する。
前記重合性単量体組成物は、重合性単量体と着色剤とを有する着色剤組成物を形成する工程、該着色剤組成物を分散する工程を経た後、必要に応じてその他の添加剤を加えて形成されることが好ましい。着色剤の分散性を向上させる目的で、荷電制御剤や公知の顔料分散剤、その他樹脂を添加してもよい。
また、重合性単量体組成物は、少なくともポリメチレンワックスを分散させた分散液Aを調製した後に、該分散液Aを少なくともエステルワックスを含有する分散液Bに混合することで得られる重合性単量体組成物であることが好ましい。トナー製造工程において、良好な結晶構造を形成しやすくなり、トナー中におけるワックスの分散状態が多核となりやすく、また針状となりやすい。これにより、現像安定性と耐高温オフセットがさらに良好になる。
造粒中の水系分散媒体中のpHは特に制約は受けないが、好ましくは、pH4.5〜13.0、さらに好ましくは4.5〜12.0、特に好ましくは4.5〜11.0、最も好ましくは4.5〜7.5である。pHが4.5未満の場合は分散安定剤の一部に溶解がおこり、分散安定化が困難になり、造粒できなくなることがある。またpHが13.0を超える場合はトナー中に添加されている成分が分解されてしまうことがあり、十分な帯電能力が発揮できなくなることがある。造粒を酸性領域で行った場合には、分散安定剤に由来する金属のトナー中における含有量が過剰となるのを抑制することができ、本発明の規定を満たすようなトナーが得られやすくなる。
また、トナー粒子の洗浄をpH3.0以下、より好ましくは、pH1.5以下の酸を用いて行うことが好ましい。トナー粒子の洗浄を酸で行うことにより、トナー粒子表面に存在する分散安定剤を低減することができる。洗浄に用いる酸としては、特に限定されるものではなく、塩酸、硫酸の如き無機酸を用いることができる。
本発明に用いられる分散安定剤としては、リン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイドが挙げられる。
また、分散安定剤としては、少なくともマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、リンのいずれかが含まれているものが用いられるが、好ましくは、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、リンのいずれかが含まれていることが望まれる。
上記分散安定剤に有機系化合物、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンを併用しても構わない。
これら分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.01〜2.00質量部を使用することが好ましい。
さらに、これら分散安定剤の微細化のため0.001〜0.1質量%の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムが好ましく用いられる。
本発明のトナーを重合法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。
該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン,p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテルが挙げられる。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独或いは、2種以上組み合わせて、または、上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
上記した重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/または水溶性開始剤が用いられる。例えば、油溶性開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルの如きアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの如きパーオキサイド系開始剤が挙げられる。
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄または過酸化水素が挙げられる。
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御するために、連鎖移動剤、重合禁止剤等をさらに添加し用いることも可能である。
また本発明においては、架橋剤を用いて架橋を有する樹脂とすることもでき、架橋剤として、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いることができる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしくは混合物として用いられる。
本発明のトナーは、一成分系現像剤用のトナーとして使用することも可能であり、キャリア粒子を有する二成分系現像剤用のトナーとしても使用可能である。
一成分系現像剤として用い、磁性体をトナー中に含有せしめた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵せしめたマグネットを利用し、磁性トナーを搬送及び帯電せしめる方法がある。磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレードまたはローラを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着せしめることで搬送せしめる方法がある。
二成分系現像剤として用いる場合には、本発明のトナーとキャリアとを混合した現像剤として使用する。磁性キャリアとしては、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、及び、クロム元素からなる元素単独または複合フェライト状態で構成される。磁性キャリアの形状として、球状、扁平または不定形があり、そのいずれのものも用いることができる。さらに磁性キャリア粒子表面状態の微細構造(たとえば表面凹凸性)をもコントロールすることが好ましい。一般的には、上記無機酸化物を焼成、造粒することにより、あらかじめ、磁性キャリアコア粒子を生成した後、樹脂にコーティングする方法が用いられている。磁性キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、無機酸化物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法や、さらには、直接無機酸化物とモノマーとの混練物を水系媒体中にて懸濁重合せしめ真球状の磁性キャリアを得る方法も利用することが可能である。
上記キャリア粒子の表面を樹脂で被覆した被覆キャリアは、特に好ましい。その方法としては、樹脂を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて、該溶液または懸濁液をキャリアに塗布し付着せしめる方法、単に樹脂粉体とキャリア粒子とを混合して付着させる方法が適用できる。
キャリア粒子表面の被覆物質としてはトナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が挙げられる。これらは単独或は複数で用いられる。
キャリアの磁性特性は以下のものが良い。磁気的に飽和させた後の79.6kA/m(1kエルステッド)における磁化の強さ(σ1000)は30乃至300emu/cm3であることが好ましい。さらに高画質化を達成するために、好ましくは100乃至250emu/cm3であることがよい。300emu/cm3より大きい場合には、高画質なトナー画像が得られにくくなる。逆に、30emu/cm3未満であると、磁気的な拘束力も減少するためにキャリア付着を生じやすい。
キャリア形状は丸さの度合いを示すSF−1が180以下、凹凸の度合いを示すSF−2が250以下であることが好ましい。SF−1、SF−2は以下の式にて定義され、ニレコ社製のLuzexIIIにて測定される。
Figure 0004721429
本発明のトナーは、透過電子顕微鏡(TEM)を用いたトナーの断層面観察において、針状、または、棒状の形状を有するワックスを含有していることが好ましい。代表的な例を図5A,5B及び5Cに示す。これらの形状を有することにより、定着工程における熱が伝達されやすく、低温定着性能がさらに良好となる。
分散状態としては、単核、多核の分散状態をとり得るが、多核の状態であることがより好ましい。定着工程における熱が伝達されやすく、低温定着性能がさらに良好となる。代表的な例を図6A及び6Bに示す。
トナー粒子の断層面を観察する方法としては、用いるワックス成分と外殻を構成する結着樹脂との結晶相と非晶相の微細構造の相違を利用して、重金属により一方の成分の電子密度を高めて材料間のコントラストを付ける電子染色法を用いることが好ましい。具体的には、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分に分散させた後、40℃の雰囲気温度の中で2日間硬化させ、得られた硬化物を四酸化ルテニウム(RuO4)、また、必要により四酸化オスミウム(OsO4)を併用して電子染色を施した後、ダイヤモンドナイフを備えたウルトラミクロトームを用いて薄片状のサンプルを切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてトナーの断面層形態を観察する。
本発明のトナーと磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これは、本発明に何ら限定するものではない。
(エステルワックスの調整例1)
ジムロート還流器、Dean−Stark水分離器を備えた4つ口フラスコにベンゼン1900質量部、ミリスチン酸(C14282)、パルミチン酸(C16322)、ステアリン酸(C18362)、アラキン酸(C20402)、ベヘン酸(C20402)からなる混合物(カルボン酸成分)1400質量部、ブチルアルコール(C410O)、ミリスチルアルコール(C1430O)、パルミチルアルコール(C1634O)、ステアリルアルコール(C1838O)、アラキルアルコール(C2042O)からなる混合物(アルコール成分)1300質量部、p−トルエンスルホン酸130質量部を加え、撹拌下6時間乾留した後、水分離器より共沸留去を行った。炭酸水素ナトリウムで十分に洗浄した後、乾燥してベンゼンを留去した。生成物をベンゼンで再結晶、洗浄、精製してエステルワックス1を得た。
(エステルワックスの調整例2〜4)
カルボン酸成分及びアルコール成分の種類と量とを変化させる以外はエステルワックスの調整例1と同様にしてエステルワックス2〜4を調整した。
表1
Figure 0004721429
表2
Figure 0004721429
(実施例1)
結晶性樹脂としてエステルワックス1とポリメチレンワックス1を以下のように組み合わせて使用した。
・スチレン 100質量部
・ポリメチレンワックス1 8質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 12質量部
・荷電制御剤 6質量部
(ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
からなる混合物を、アトライター(三井金属社製)を用いて3時間分散し、ワックス分散液Aを調整した。
高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットルの四つ口フラスコ中に、イオン交換水350質量部と、0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液225質量部を添加して、ホモミキサーの回転数を12000rpmに調整し、65.0℃に加温せしめた。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液34質量部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。
・上記ワックス分散液A 63質量部
・スチレン 33質量部
・n−ブチルアクリレート 17質量部
・ジビニルベンゼン 0.2質量部
・飽和ポリエステル樹脂 5質量部
(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA共重合体、酸価15mgKOH/g)
・エステルワックス1 9質量部
からなるワックス分散液Bを、撹拌下65℃で5分間保持し、さらに重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2質量部を添加した重合性単量体組成物を前記水系分散媒体中に投入し、回転数12000rpmを維持しつつ15分間造粒した。その後、高速攪拌装置から通常のプロペラ撹拌装置に変更し、攪拌装置の回転数を150rpmに維持し、内温70.0℃で6時間重合し、内温を80.0℃に昇温して4時間重合を行った。重合終了後、回転を保持しつつ内温を0.40℃/分の冷却速度で24.0℃まで冷却した。内温を20.0〜25.0℃に保持しつつ、水系分散媒体中に希塩酸を添加し、難水溶性分散剤を溶解した。さらに洗浄、乾燥を行ってトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、シリコーンオイルとヘキサメチルジシラザンで処理された一次粒径12nmの乾式シリカ(BET比表面積
120m2/g)2.5質量部を外添して、重量平均粒子径6.3μmのトナー1を得た。
このトナー1を後述する試験方法に従って評価を行った。トナー1の物性及び評価結果を表3乃至6に示す。また、トナー1の1回目走査でトナーを測定したDSC曲線を図2に、2回目走査でトナーを測定したDSC曲線を図3に示した。低温定着性能、耐オフセット性能ともに優れたものであった。また、現像安定性能に関しても、初期画像及び耐久画像共に画像濃度が高く、カブリも見られず鮮明で高画質なものであった。耐久後のトナー帯電量も初期と比べて低下することがなかった。さらに、保存安定性能に関しても全く優れていた。
〔トナーの変形開始点、変形終了点及び変形係数の測定方法〕
トナー1を加圧成型器に0.2gはかりとり、常温常圧環境下において200kgfの荷重で2分間加圧成型し、直径約8mm、高さ約2mmの円柱状試料を調整した。フローテスター(島津製作所社製)において、サンプルを載せるダイの代わりに穴が開いていないSUS−316プレートに改造した装置に上記円柱状試料をセットした。これを35.0℃で5分間保持した後、加圧ジグに10kgfの荷重を与え、昇温速度1.0℃/分で120.0℃まで円柱状試料を昇温し、試料に接する加圧ジグの変位量を計測した。
〔耐オフセット性能試験方法〕
トナー1と、シリコーン樹脂で表面コートしたフェライトキャリア(平均粒径42μm)とを、トナー濃度が6質量%になるようにそれぞれ混合し、二成分現像剤を調製した。市販のフルカラーデジタル複写機(CLC700,キヤノン製)を使用し、受像紙(80g/m2)上に未定着のトナー画像(0.6mg/cm2)を形成した。市販のフルカラーデジタル複写機(CLC700,キヤノン製)から取り外した定着ユニットを定着温度が調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。常温常湿下、プロセススピードを200mm/sに設定し、130℃〜230℃の範囲で設定温度を5℃おきに変化させながら、各温度で上記トナー画像の定着を行った。低温オフセットが観察されなくなった温度を耐オフセット性の低温側開始点とし、目視で高温オフセットが観察された温度、或いは、定着器への受像紙の巻きつきが発生した温度よりも5℃低い温度を高温側終了点とした。
〔低温定着性能試験方法〕
上記試験により得られた定着画像を50g/cm2の荷重を欠けたシルボン紙で摺擦し、摺擦前後の濃度低下率が5%以下となる定着温度を低温定着性の低温側開始点とし、グロス最大値となる点を高温側終了点とした。目視で高温オフセットが観察された温度、或いは、定着器への受像紙の巻きつきが発生した温度よりも5℃低い温度を高温側終了点とした。
〔保存安定性試験方法〕
トナー10gを100cm3のポリカップに入れ、50℃で7日間放置した後、目視で評価した。保存性安定性の評価基準を以下に示す。
A:凝集物が全く見られない。
B:凝集物がわずかに見られる。
C:凝集物がやや多く見られるが容易に崩れる。
D:殆どが凝集し、容易には崩れない。
〈画像濃度の測定方法〉
現像安定性能は以下の基準で評価した。画像濃度の測定は「マクベス反射濃度計RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
〔帯電量の測定方法〕
定着性試験に使用した二成分現像剤を用い、市販のフルカラーデジタル複写機(CLC700,キヤノン製)を使用し、必要に応じて逐次トナーを補給しながら、常温常湿下、5000枚の画出しを行い、現像スリーブ上の現像剤を一部回収し、トナー帯電量を測定した。
(実施例2)
表3に示すように、エステルワックス1の代わりにエステルワックス2を、ポリメチレンワックス1の代わりにポリメチレンワックス2を用いた以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を得た。実施例1と同様にして重量平均粒子径6.5μmのトナー2を作成し、評価を行った。トナー2の物性及び評価結果を表3乃至6に示す。実施例1と比較して、耐オフセット性能と低温定着性能がやや低下するものの、それ以外は全く問題がなく良好であった。
(実施例3)
・スチレン 100質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 12質量部
・荷電制御剤 6質量部
(ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
からなる混合物を、アトライター(三井金属社製)を用いて3時間分散し、顔料分散液を調整した。
高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットルの四つ口フラスコ中に、イオン交換水350質量部と、0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液225質量部を添加して、ホモミキサーの回転数を12000rpmに調整し、65.0℃に加温せしめた。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液34質量部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。
・上記顔料分散液 59質量部
・スチレン 33質量部
・n−ブチルアクリレート 17質量部
・ジビニルベンゼン 0.2質量部
・飽和ポリエステル樹脂 5質量部
(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA共重合体、酸価15mgKOH/g)
・エステルワックス3 10質量部
・ポリメチレンワックス3 3質量部
からなる混合物を、撹拌下65℃で5分間保持し、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2質量部を添加した重合性単量体組成物を前記水系分散媒体中に投入し、回転数12000rpmを維持しつつ15分間造粒した。その後、高速攪拌装置から通常のプロペラ撹拌装置に変更し、攪拌装置の回転数を150rpmに維持し、内温70.0℃で6時間重合し、内温を80.0℃に昇温して4時間時間重合を行った。重合終了後、回転を保持しつつ内温を0.40℃/分の冷却速度で24.0℃まで冷却した。内温を20.0〜25.0℃に保持しつつ、水系分散媒体中に希塩酸を添加し、難水溶性分散剤を溶解した。さらに洗浄、乾燥を行ってトナー粒子を得た。
実施例1と同様にして、重量平均粒子径6.4μmのトナー3を作成し、評価を行った。トナー3の物性及び評価結果を表3乃至6に示す。実施例1と比較して、低温定着性能がやや低下するものの、それ以外は全く問題がなく良好であった。
参考例1
ポリメチレンワックス3を使用せず、エステルワックス3の添加量を18質量部とした以外は実施例3と同様にしてトナー粒子を得た。
実施例1と同様にして、重量平均粒子径6.3μmのトナー4を作成し、評価を行った。トナー4の物性及び評価結果を表3乃至6に示す。実施例1と比較して、耐オフセット性能と低温定着性能がやや低下するものの、それ以外は全く問題がなく良好であった。
(比較例1)
エステルワックス1の代わりにエステルワックス4を使用し、重合開始剤の添加量を7質量部とした以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を得た。
実施例1と同様にして、重量平均粒子径5.9μmのトナー5を作成し、評価を行った。トナー5の物性及び評価結果を表3乃至6に示す。低温定着性能は良好であったが、195℃でグロス最大値となり、それ以上の温度ではトナーが紙に染み込みすぎて画質が低下した。また、5000枚耐久後の画像で画像濃度の低下が見られ、トナー帯電量も初期に比べて低下していた。さらに、保存安定性能も劣っていた。
(比較例2)
エステルワックス3の代わりにエステルワックス5を使用し、重合開始剤の添加量を7質量部とした以外は参考例1と同様にしてトナー粒子を得た。
実施例1と同様にして、重量平均粒子径6.8μmのトナー6を作成し、評価を行った。トナー6の物性及び評価結果を表3乃至6に示す。保存安定性能はほぼ良好であったが、低温定着性能が劣っていた。また、定着性能の高温側終点が低下した。さらに、5000枚耐久後の画像で画像濃度の低下が見られ、トナー帯電量も初期に比べて低下していた。
(比較例3)
エステルワックス3の代わりにエステルワックス4を使用し、重合開始剤の添加量を0.8質量部とした以外は参考例1と同様にしてトナー粒子を得た。
実施例1と同様にして、重量平均粒子径6.5μmのトナー7を作成し、評価を行った。トナー7の物性及び評価結果を表3乃至6に示す。保存安定性能、低温定着性能は良好であったが、185℃で受像紙の巻きつきが発生した。また、5000枚耐久後の画像では画像濃度の低下が見られ、トナー帯電量も初期に比べて低下していた。
(比較例4)
エステルワックス1の代わりにエステルワックス4を使用し、重合開始剤の添加量を7質量部とし、重合終了後の冷却速度を10.00℃/分とした以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を得た。
実施例1と同様にして、重量平均粒子径6.0μmのトナー8を作成し、評価を行った。トナー8の物性及び評価結果を表3乃至6に示す。低温定着性能は良好であったが、195℃でグロス最大値となり、それ以上の温度ではトナーが紙に染み込みすぎて画質が低下した。また、初期画像濃度では濃度がやや低い程度であったが、5000枚耐久後の画像では明らかな画像濃度の低下が見られ、トナー帯電量も初期に比べて大きく低下していた。さらに、保存安定性能も劣っていた。
(比較例5)
エステルワックス3の代わりにエステルワックス4を使用し、重合開始剤の添加量を7質量部とし、重合終了後の冷却速度を10.00℃/分とした以外は参考例1と同様にしてトナー粒子を得た。
実施例1と同様にして、重量平均粒子径6.4μmのトナー9を作成し、評価を行った。トナー9の物性及び評価結果を表3乃至6に示す。低温定着性能は良好であったが、185℃で受像紙の巻きつきが発生した。また、初期画像濃度では濃度がやや低い程度であったが、5000枚耐久後の画像では明らかな画像濃度の低下が見られ、トナー帯電量も初期に比べて大きく低下していた。さらに、保存安定性能も劣っていた。
(比較例6)
エステルワックス3の代わりにエステルワックス5を使用し、重合開始剤の添加量を0.8質量部とし、重合終了後の冷却速度を10.00℃/分とした以外は参考例1と同様にしてトナー粒子を得た。
実施例1と同様にして、重量平均粒子径6.6μmのトナー10を作成し、評価を行った。トナー10の物性及び評価結果を表3乃至6に示す。保存安定性能はほぼ良好であったが、低温定着性能が明らかに劣っていた。また、定着性能の高温側終点が低下した。さらに、5000枚耐久後の画像で画像濃度の低下が見られ、トナー帯電量も初期に比べて低下していた。
(実施例5)
重合終了後の冷却速度を0.10℃/分とした以外は実施例1と同様にしてトナー粒子を得た。
実施例1と同様にして、重量平均粒子径6.3μmのトナー11を作成し、評価を行った。トナー11の物性及び評価結果を表3乃至6に示す。
(実施例6)
重合開始剤の添加量を3.5質量部とした以外は実施例3と同様にしてトナー粒子を得た。
実施例3と同様にして、重量平均粒子径6.4μmのトナー12を作成し、評価を行った。トナー12の物性及び評価結果を表3乃至6に示す。
(実施例7)
重合開始剤の添加量を4.5質量部とした以外は実施例3と同様にしてトナー粒子を得た。
実施例3と同様にして、重量平均粒子径6.4μmのトナー13を作成し、評価を行った。トナー13の物性及び評価結果を表3乃至6に示す。
この出願は2003年12月5日に出願された日本国特許出願第2003−406968からの優先権を主張するものであり、その内容を引用してこの出願の一部とするものである。
Figure 0004721429
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Claims (21)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤及びエステルワックスを有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該トナー粒子は、水系媒体中で造粒されたものであり、
    該トナーは、分子量2000乃至5000の樹脂成分をトナー全質量に対して1.0乃至40.0質量%含有し、
    示差走査熱量計でトナーを測定したDSC曲線において、
    1回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg1)が50.0乃至70.0℃であり、
    該1回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg1)と2回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg2)との温度差(Tg1−Tg2)が3.0乃至20.0℃であるトナー。
  2. 該2回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg2)が、45.0乃至55.0℃である請求項1に記載のトナー。
  3. 該トナーは、1回目の走査で測定されるトナーのDSC曲線において55.0乃至70.0℃に融点(Tm1)を有する請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 該トナーは、該融点(Tm1)を有する融解ピークにおいて、1回目の走査で測定される吸熱量Q1と、2回目の走査で測定される吸熱量Q2との比(Q1/Q2)が2.00乃至50.00である請求項に記載のトナー。
  5. エステルワックスは、炭素数18乃至42のエステル化合物を有する請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. エステルワックスは、炭素数10乃至21のアルキル基を有する脂肪酸エステル化合物を有する請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  7. 該エステルワックスは、2種以上のエステル化合物を有し、
    該エステル化合物のうち、同一の構造を有するエステル化合物を、エステルワックスの全質量に対して50乃至95質量%有する請求項又はに記載のトナー。
  8. 該トナーは、さらにポリメチレンワックスを含有する請求項又はに記載のトナー。
  9. 該トナーは、2回目の走査で測定されるトナーのDSC曲線において71.0乃至150.0℃に融点(Tm2)を有する請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
  10. 該トナーは、該融点(Tm2)を有する融解ピークにおいて、1回目の走査で測定される吸熱量Q3と、2回目の走査で測定される吸熱量Q4との比(Q3/Q4)が0.80乃至1.20である請求項に記載のトナー。
  11. 該トナーは、該2回目の走査で測定される吸熱量Q4が1.5乃至20.0J/gである請求項10に記載のトナー。
  12. 該融点(Tm2)に起因するワックス成分がポリメチレンワックスである請求項9乃至11のいずれかに記載のトナー。
  13. 該トナーは、テトラヒドロフラン不溶分をトナー全質量に対して5乃至90質量%有する請求項1乃至12のいずれかに記載のトナー。
  14. 該トナーは、テトラヒドロフラン可溶分の数平均分子量(Mn)が3000乃至100000であり、重量平均分子量(Mw)が10000乃至1000000であり、MwとMnとの比(Mw/Mn)が2.00乃至100.00である請求項1乃至13のいずれかに記載のトナー。
  15. 少なくとも着色剤、エステルワックス、及び、結着樹脂を合成するための重合性単量体を有する重合性単量体組成物を水系分散媒体中に分散して造粒し、該重合性単量体組成物の粒子を生成する造粒工程、
    該水系分散媒体中で該重合性単量体組成物の粒子を70.0乃至95.0℃で加熱し、該重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合してトナー粒子を生成する重合工程、
    該トナー粒子を70.0乃至95.0℃から0.01℃/分以上2.00℃/分以下の冷却速度で45.0℃以下に冷却する冷却工程を少なくとも有するトナーの製造方法であって、
    該トナーは、分子量2000乃至5000の樹脂成分をトナー全質量に対して1.0乃至40.0質量%含有し、
    該トナーは
    示差走査熱量計で該トナーを測定したDSC曲線において、
    1回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg1)が50.0乃至70.0℃であり、
    該1回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg1)と2回目の走査で測定されるガラス転移点(Tg2)との温度差(Tg1−Tg2)が3.0乃至20.0℃であるトナーの製造方法。
  16. 該冷却工程が、該トナー粒子を70.0乃至95.0℃から0.01℃/分以上0.50℃/分以下の冷却速度で45.0℃以下に冷却する冷却工程である請求項15に記載のトナーの製造方法。
  17. 該冷却工程が、該トナー粒子を70.0乃至95.0℃から0.01℃/分以上0.25℃/分未満の冷却速度で45.0℃以下に冷却する冷却工程である請求項15に記載のトナーの製造方法。
  18. 該重合性単量体組成物は、少なくともポリメチレンワックスを分散させたワックス分散液Aを調製した後に、少なくとも該分散液Aとエステルワックスを混合したワックス分散液Bを調製することで得られる重合性単量体組成物である請求項15乃至17のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  19. 重合開始剤が、該重合性単量体組成物及び該水系分散媒体の少なくともいずれか一方に含有される請求項15乃至18のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  20. 該冷却工程は、水系分散媒体中で該トナー粒子を冷却する冷却工程である請求項15乃至19のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  21. 該冷却工程は、該トナー粒子を水系分散媒体から取り出し、該トナー粒子を冷却する冷却工程である請求項15乃至19のいずれかに記載のトナーの製造方法。
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