JP7490450B2 - トナー - Google Patents

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Description

本開示は、電子写真、静電荷像を顕像化するための画像形成方法に使用されるトナーに関する。
近年、電子写真方式における画像形成装置では、省エネルギー化の要請が高まっており、定着に用いる熱量を低減するため、低温定着性に優れたトナーが求められている。
トナーの低温定着性を向上させるため、トナー中に結晶性樹脂を含有させる手段がある。結晶性樹脂は、その融点以下では高い弾性を示すが、融点において可塑し、速やかに結着樹脂と相溶し、トナーの溶融変形を促進させる。これによって、低温定着性と耐熱保存性を両立させることができる。
例えば、特許文献1では、低温定着性、現像安定性、及び印字物保管性を向上させるために、非晶性ポリエステルに対して、特定の範囲の炭素数を有する結晶性ポリエステルを添加したトナーが記載されている。
特開2016-090628号公報
しかしながら、トナーの低温定着性を向上させた場合、画像の排紙接着が発生しやすくなる。排紙接着とは、印刷物の積載時に定着したトナーが別の印刷物に接着し、剥がれてしまう現象である。低温定着性の高いトナーは、定着時の粘度が低い傾向にあり、排紙接着が発生する可能性が高い。
そして、上記文献のトナーでは、常温常湿環境下で、時間経過とともに結晶性樹脂の結晶化が進行し、結晶性樹脂の大きなドメインが形成される。これによって、トナーが局所的に低粘度化する部分が発生し、定着時の粘度が低下しすぎてしまい排紙接着が発生しやすくなることがわかった。
本開示は、低温定着性に優れ、排紙接着を抑制できるトナーを提供する。
本開示は、結着樹脂及び結晶性材料を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
細管式レオメータ(フローテスター昇温法)による試験圧力0.9807MPaでの測定において、120℃での該トナーの粘度が、1.0×10Pa・s以上であり、
温度変調型示差走査熱量計により該トナーを測定したとき、
一回目の昇温におけるリバーシングヒートフローで得られるガラス転移温度Tg1st、及び
二回目の昇温におけるリバーシングヒートフローで得られるガラス転移温度Tg2ndが、
Tg1st-Tg2nd≧10.0℃
を満たし、
該結着樹脂が、ビニル重合体部位及び非晶性ポリエステル部位を有するハイブリッド樹脂を含有し、
該ビニル重合体部位が、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一に由来するモノマーユニットを有し、
該ビニル重合体部位中の該アクリル酸エステル及び該メタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一に由来するモノマーユニットの含有量が、50質量%以上98質量%以下であるトナーに関する。
本開示によれば、低温定着性に優れ、排紙接着を抑制できるトナーを提供できる。
処理羽根の例
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
「モノマーユニット」とは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。
低温定着性に優れたトナーを得るためには、定着ニップを通過するわずかな時間でトナーを迅速に溶融させる必要がある。近年では定着助剤(低融点ワックスや結晶性樹脂等の添加物)を用い、可塑効果によりトナーを素早く低粘度化する方法が種々検討されている。
しかしながら、定着助剤を用いたトナーにおいては、定着時に加圧されたトナーの粘度が低下し過ぎてしまい、排紙接着が発生してしまう可能性がある。よって、高いレベルの低温定着性の実現と、排紙接着の抑制とは、トレードオフ項目にある。
本発明者らが鋭意検討した結果、下記トナーを用いることで、上記トレードオフを解消できることを見出した。
すなわち本開示は、結着樹脂及び結晶性材料を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
細管式レオメータ(フローテスター昇温法)による試験圧力0.9807MPaでの測定において、120℃での該トナーの粘度が、1.0×10Pa・s以上であり、
温度変調型示差走査熱量計により該トナーを測定したとき、
一回目の昇温におけるリバーシングヒートフローで得られるガラス転移温度Tg1st、及び
二回目の昇温におけるリバーシングヒートフローで得られるガラス転移温度Tg2ndが、
Tg1st-Tg2nd≧10.0℃
を満たすトナーに関する。
以下、トナーについて具体的に示していく。
温度変調型示差走査熱量計によりトナーを測定したとき、
一回目の昇温におけるリバーシングヒートフローで得られるガラス転移温度Tg1st、及び
二回目の昇温におけるリバーシングヒートフローで得られるガラス転移温度Tg2ndが、
Tg1st-Tg2nd≧10.0℃
を満たす。
トナーのTg1stは、加熱前のTgを表しており、Tg2ndは、加熱時に結晶性材料と結着樹脂が相溶した後の状態のTgを表している。Tgは、トナーに含有される結着樹脂と結晶性材料との相溶状態によって変化すると考えられる。加熱時に結着樹脂と結晶性材料がより相溶しやすい状態である場合、結着樹脂はより低温で樹脂分子の運動性が高い状態になり、その影響によりTgが低下する。
よって、Tg1stとTg2ndの差が大きければ大きいほど、結晶性材料による可塑効果が大きいと考えられる。したがって、Tg1stとTg2ndの差が大きいと低温定着性がより優れていると考えられる。
上記Tgの差を制御する手段は特に限定されない。
例えば、結着樹脂と結晶性材料を、相溶性の高い組み合わせで選択することが考えられる。結着樹脂としてポリエステル樹脂を主成分とした場合、結晶性材料として、結晶性ポリエステル樹脂を選択することが好ましい。
Tg1st-Tg2ndは、13.0℃以上であることが好ましく、15.0℃以上であることがより好ましい。一方、上限は特に制限されないが、Tg1st-Tg2ndは、好ましくは25.0℃以下であり、より好ましくは20.0℃以下である。
Tg1stは、好ましくは50.0℃~70.0℃であり、より好ましくは55.0℃~65.0℃である。
Tg2ndは、好ましくは38.0℃~55.0℃であり、より好ましくは40.0℃~50.0℃である。
細管式レオメータ(フローテスター昇温法)による試験圧力0.9807MPaでの測定において、120℃でのトナーの粘度が、1.0×10Pa・s以上である。該粘度が1.0×10Pa・s以上であれば、排紙接着の抑制が顕著になる。
フローテスター昇温法は、ペレット化したトナーを一定の圧力下に置き、温度を一定の昇温速度で上昇させ、トナーの粘度変化を分析する測定方法である。この方法によって、加圧下でのトナーの軟化状態を見積もることができ、トナーの加圧定着時の粘度低下を表すことができると考えられる。
現在要求される高速印刷の環境下では、印刷物が多量積載されることが想定される。したがって、加圧下での印刷物の排紙接着性の評価が必須である。多量積載された印刷物の温度は、定着時の温度から5℃~10℃程度しか下がらず、高温状態で保持されることもある。
よって、フローテスター昇温法で測定した粘度は排紙接着の発生頻度を表すことができると考えられる。特に、大量積載時に加わる温度と荷重の条件下での粘度を測定することが重要である。この条件を検討した結果、試験圧力0.9807MPaでの測定における120℃での粘度が、排紙接着の発生頻度と相関することを本発明者らは見出した。
そして、該粘度が1.0×10Pa・s以上である場合、排紙接着を抑制できることを見出した。
排紙接着の抑制の観点から、該粘度が1.5×10Pa・s以上であることが好ましく、3.0×10Pa・s以上であることがより好ましい。一方、上限は特に制限されないが、該粘度は、好ましくは9.0×10Pa・s以下であり、より好ましくは4.2×10Pa・s以下である。
上記の粘度を制御する手段は特に限定されないが、以下に挙げる方法が考えられる。
例えば、結着樹脂中の結晶性材料のドメインを小さくする方法が、Tg1st-Tg2nd≧10.0℃と粘度とを両立する観点で好ましい。
結晶性材料のドメインを小さく且つ均一に分散することで、トナーを均一に可塑することができると考えられる。結晶性材料のドメインが大きいと、トナーの定着時に結晶性材料の大きなドメイン部分から軟化が始まってしまうため、上記粘度が急速に低下してしまうと考えられる。
結着樹脂中の結晶性材料のドメインを小さくする具体的な方法は、特に限定されないが、以下の方法が好ましい。
例えば、トナーの製造工程にシリカ微粒子などの外添剤を添加する外添工程を有し、外添工程において、トナー内に存在する結晶性材料を微分散状態で再結晶化する工程(アニール工程)を加えることが好ましい。
さらに、アニール工程では、トナーに機械的衝撃力を加えることが好ましい。「機械的衝撃力」とは、トナーと混合装置の撹拌部又は容器の底部若しくは壁面との間等にかかる力のことである。
外添時の機械的衝撃力は外添剤を介し、あるいは直接的にトナー粒子表面に加えられる。この際の衝撃力により分子に生じるミクロな振動により、結晶性材料中の結晶性部位同士の邂逅が発生し結晶化が促進される。この衝撃力による分子の振動は極めて短時間である為、結晶性部位の比較的近い距離同士のものの配向・結晶化が惹起される。このため、結晶性材料の結晶ドメインは非常に小さく形成されると考えられる。
しかしながら純粋に衝撃力のみによって結晶化を十分に行うことは現実的には困難であり、加温による熱エネルギーの投入が好ましい。その際の最も結晶化を促進し、かつ結晶溶融を引き起こさない、結晶化に最適な処理温度に可能な限り迅速に到達させることが好ましい。
また、熱エネルギーは持続する分子振動であるため、比較的遠距離の結晶性部位同士の配向・結晶化も引き起こす。比較的低温である程、結晶化に要する時間が長くなる。そのため結晶性樹脂分子に運動する時間を与え、より遠距離の結晶性部位同士に邂逅の機会を与えてしまうため、その効果はより顕著である。
結果として、結晶ドメインをより小さく形成するためには、最適な処理温度で短時間処理することが好ましい。具体的には最大でも15分以内に最適な処理温度に到達させることが好ましい。
例えば、微細な網目構造を有し、且つ結晶性材料と相溶性の高い結着樹脂を使用する。結晶性材料は、結着樹脂との相溶性が高いと、結着樹脂内でより微細なドメインで微分散すると考えられる。さらに、結着樹脂が微細な網目構造を有する場合、結着樹脂の粘度が上昇する上、結晶性材料が網目構造に入り込み、結晶性材料が再結晶化する際、結晶性材料どうしの凝集によるドメインの肥大化を抑制すると考えられる。
よって、例えば、3価以上のアルコール又はカルボン酸を使用したポリエステル樹脂や、ビニル重合体とポリエステル樹脂とのエステル交換反応によるブロック共重合体などが好ましいと考えられる。
フローテスター昇温法による試験圧力0.9807MPaでの測定において、120℃でのトナーの粘度を粘度Aとし、試験圧力0.4904MPaでの測定において、120℃でのトナーの粘度を粘度Bとしたとき、粘度Aに対する粘度Bの比B/Aが、4.0以上であることが好ましい。
B/Aの値が大きければ大きいほど、トナーの低温定着性と排紙接着抑制の両立の観点から好ましい。B/Aの値が大きければ大きいほど、トナーの粘度が加圧に対して応答しやすいと考えられる。トナー内の結着樹脂中の微細な網目構造に、結晶性材料の微細なドメインが内包されていると、加圧によって網目構造が潰れ、結晶性材料のドメインが溶融時に網目から押し出されると考えられる。
よって、加圧による粘度の応答性が高いほど、結晶性材料の微細なドメインが結着樹脂中の網目構造に内包されていると考えられる。このような状態は、結着樹脂中に結晶性材料のドメインが、高いレベルで小さく且つ均一に分散していると考えられ、低温定着性と排紙接着抑制の両立に有利であるため好ましい。
B/Aは、低温定着性と排紙接着抑制の両立の観点から、4.1以上が好ましく、4.2以上がより好ましい。一方、B/Aの上限は特に制限されないが、好ましくは9.0以下であり、より好ましくは4.5以下である。
回転式レオメータにより測定したトナーの貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなるときの温度が、115℃以下であることが好ましい。
回転式レオメータとは、二つの平板によって挟まれた、ペレット化したトナーの、平板の回転によるせん断応力を、一定の温度変化の中で測定することによって貯蔵弾性率G’
を算出している。
上記トナーは、フローテスター昇温法による粘度が高いにも関わらず、高いレベルの低温定着性を実現できる。本発明者らは、回転式レオメータにより測定したトナーの貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなるときの温度が、115℃以下であるとき、低温定着性が優れていることを見出した。
上記理由について、本発明者らは以下のように推測する。
フローテスター昇温法による粘度測定では、トナーが常に加圧状態であるのに対し、回転式レオメータではトナーは圧力による影響を受けにくい。よって、フローテスター昇温法による粘度測定では、加圧による粘度変化をとらえていると考えられる。
一方、回転式レオメータによる貯蔵弾性率G’の測定は、温度による粘度変化をより繊細にとらえられていると考えられる。したがって、より高温に加熱される定着時は回転式レオメータによる貯蔵弾性率G’の値が支配的であり、印刷物の多量積載時は、長時間加圧状態にあるため、フローテスター昇温法による粘度の値が支配的であると考えられる。
定着時の粘度低下が大きいほど低温定着性に優れているので、低温定着性には回転式レオメータの貯蔵弾性率G’の寄与が大きいと考えられる。よって、フローテスター昇温法による粘度が高く、且つ回転式レオメータによる貯蔵弾性率G’が低いトナーは、低温定着性と排紙接着抑制との両立のためにより有利である。
回転式レオメータにより測定したトナーの貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなるときの温度は、110℃以下が好ましく、105℃以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、該温度は、好ましくは85℃以上であり、より好ましくは95℃以上である。
トナーの貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなるときの温度を制御する方法は特に限定されないが、例えばトナーを構成する結着樹脂及び結晶性材料を相溶性の高い組み合わせで使用する手段が挙げられる。
結晶性材料の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、5質量部以上50質量部以下であることが好ましい。
トナーに用いる結晶性材料が多いと、結晶性材料による結着樹脂の可塑効果が大きくなり、結果的にTg1st-Tg2ndの値が大きくなる。一方で、結晶性材料が少ないと、結晶性材料がトナーの表面に偏在する量が少なくなり、トナーの帯電性や耐熱保存性が良化する。
したがって、結晶性材料の含有量を上記範囲にすることによって、トナーの低温定着性、画質及び耐熱保存性をバランスよく両立できると考えられる。
結晶性材料の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、10質量部以上40質量部以下がより好ましく、15質量部以上30質量部以下がさらに好ましい。
トナーのテトラヒドロフラン(THF)を用いたソックスレー抽出において、18時間抽出したとき、結着樹脂がTHF不溶分を含有し、
該THF不溶分の含有量は、結着樹脂中の10質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
THFはフラン環を有しており、樹脂の極性成分及び非極性成分を溶解することができる。よって、THF不溶分の量は、極性によらず、分子間又は分子中で架橋構造をもった粘度の高い成分を表すと考えられる。
トナーのTHF不溶分の量が多いほどトナーの粘度は高くなり、排紙接着の抑制に有利に働く。一方で、THF不溶分が少ないと定着時の粘度が低下し、低温定着性に有利に働く。したがって、THF不溶分の量を、上記範囲にすることによって、トナーの低温定着性と排紙接着の抑制をよりバランスよく両立できる。
結着樹脂中のTHF不溶分の含有量は、10質量%以上30質量%以下であることが好
ましく、10質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
トナーのテトラヒドロフラン(THF)を用いたソックスレー抽出により18時間抽出したとき、前記トナーがTHF不溶分を含有し、該THF不溶分を2.0℃/minで昇温した際に測定される、120℃における貯蔵弾性率G’(120)が、1.0×10Pa以上1.0×10Pa以下であることが好ましく、4.0×10Pa以上6.0×10Pa以下であることがより好ましい。
上述した通り、THF不溶分は粘度の高い成分を表しており、THF不溶分の貯蔵弾性率G’(120)が高いほど、定着時の結着樹脂の変形が抑制されると考えられる。よってG’(120)が高いほど、排紙接着の抑制により有利に働く。
一方、貯蔵弾性率G’(120)が低いほど結着樹脂が変形しやすいと考えられる。よって、結着樹脂中の架橋成分の分子間距離が大きいと考えられ、結晶性材料による可塑効果が大きくなると考えられる。したがって、貯蔵弾性率G’(120)が低いほど、低温定着性に有利に働く。G’(120)が、上記範囲であると、トナーの低温定着性と排紙接着の抑制をバランスよく両立できる。
(結着樹脂)
以下、結着樹脂に関して具体的に説明する。結着樹脂は、特に制限されず公知の樹脂を用いることができる。結着樹脂は、非晶性樹脂であることが好ましい。また、結着樹脂は、非晶性ポリエステル部位を有する非晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。
結着樹脂は、ビニル重合体部位及び非晶性ポリエステル部位を有するハイブリッド樹脂を含有することがより好ましい。結着樹脂が、溶融特性の優れる非晶性ポリエステル部位と、帯電特性に優れ、軟化点が高いビニル重合体部位とを有するハイブリッド樹脂を含有することで、結着樹脂の軟化点を高くしつつ、帯電安定性と低温定着性に優れる。その結果、低温定着性及び高湿環境下における画質の安定性がより高まり、特にかぶりが抑制できる。
ハイブリッド樹脂は、ビニル重合体部位及び非晶性ポリエステル部位が、エステル交換反応によりハイブリット化していることが好ましい。これにより、ビニル重合体部位と非晶性ポリエステル部位の間で架橋構造が構成される。前記架橋構造は、架橋点間距離が短く、比較的小さな網目を構成しやすい為、架橋部位の貯蔵弾性率G’を高めることができる。よって、排紙接着をより抑制できる。
ハイブリット樹脂は、非晶性ポリエステル部位とビニル重合体部位との質量比(非晶性ポリエステル部位:ビニル重合体部位)が、50:50~98:2であることが好ましく、70:30~97:3であることがより好ましく、90:10~97:3であることがさらに好ましい。
すなわち、ハイブリッド樹脂中の、非晶性ポリエステル部位の含有量が、50質量%以上98質量%以下であることが好ましく、70質量%以上97質量%以下であることがより好ましく、90質量%以上97質量%以下であることがさらに好ましい。
上記範囲にすることで、ハイブリッド樹脂が有するメリットを得つつ、環境に依らず安定的な低温定着性を発揮する。
非晶性ポリエステル樹脂又は非晶性ポリエステル部位を構成するモノマーとしては以下の化合物が挙げられる。
アルコール成分としては、以下のような2価のアルコールが挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記(I)式で表されるビスフェノー
ル及びその誘導体、並びに下記(II)式で表されるジオール類。
Figure 0007490450000001
(式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ0以上の整数であり、かつx+yの平均値は0以上10以下である。)
Figure 0007490450000002
酸成分としては、以下のような2価のカルボン酸が挙げられる。
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸のようなベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6以上18以下のアルキル基若しくは炭素数6以上18以下のアルケニル基で置換されたこはく酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸のような不飽和ジカルボン酸又はその無水物。
非晶性ポリエステル樹脂又は非晶性ポリエステル部位は、2価のアルコールを含むアルコール成分及び2価のカルボン酸を含む酸成分の縮重合体であることが好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂又は非晶性ポリエステル部位は、3価以上(好ましくは3価)の多価アルコール由来のモノマーユニット及び3価以上(好ましくは3価)の多価カルボン酸由来のモノマーユニットからなる群から選択される少なくとも一を含有することが好ましい。これにより、非晶性ポリエステル部位に架橋構造が構成され、THF不溶分量及び上述したTHF不溶分の貯蔵弾性率G’(120)を制御することができる。
非晶性ポリエステル樹脂又は非晶性ポリエステル部位は、3価以上(好ましくは3価)の多価カルボン酸及び3価以上(好ましくは3価)の多価アルコールからなる群から選択される少なくとも一、2価のアルコール及び2価のカルボン酸の縮重合体であることがより好ましい。
3価以上の多価カルボン酸としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物又は低級アルキルエステルなどが挙げられる。上記のうち、環境変動による安定性も高い芳香族系化合物が好ましく、例えば1,2,4-ベンゼントリカルボン酸及びその無水物が好ましい。
3価以上の多価アルコールとしては、1,2,3-プロパントリオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
ハイブリット樹脂に含有される、ビニル重合体部位は、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一に由来するモノマーユニットを有
することが好ましい。
また、ビニル重合体部位は、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一に由来するモノマーユニット、並びにスチレンに由来するモノマーユニットを含有することが好ましい。すなわち、ビニル重合体部位は、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一、並びにスチレンの共重合体であることが好ましい。
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルに由来するモノマーユニットの含有割合が、ビニル重合体部位を形成する全モノマーユニット中、50mol%以上98mol%以下であることが好ましい。より好ましくは70mol%以上97mol%以下であり、さらに好ましくは85mol%以上97mol%以下である。
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルに由来するモノマーユニットの含有量が、ビニル重合体部位中、50質量%以上98質量%以下であることが好ましい。より好ましくは70質量%以上97質量%以下であり、さらに好ましくは85質量%以上97質量%以下である。
これにより、ビニル重合体部位と非晶性ポリエステル部位の間で架橋構造の密度を調整でき、THF不溶分量及び上述したTHF不溶分の貯蔵弾性率G’(120)を制御することができる。
スチレンに由来するモノマーユニットは、好ましくは下記式(A)で表される。アクリル酸エステルに由来するモノマーユニットは、好ましくは下記式(B)で表される。メタクリル酸エステルに由来するモノマーユニットは、好ましくは下記式(C)で表される。
下記式中、Rは炭素数1~8(好ましくは2~6)のアルキル基を示す。Rは炭素数1~8(好ましくは2~6)のアルキル基を示す。
Figure 0007490450000003
ビニル重合体部位を構成するビニル系モノマーとしては、以下の化合物が挙げられる。
スチレン;o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレン、p-クロルスチレン、3,4-ジクロルスチレン、p-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレンのようなスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンのような不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンのような不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルのようなハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n-オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルのようなメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸n-オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2-クロルエチル、アクリル酸フェニルのようなアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンのようなビニルケトン類;N-ビニルピロール、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルインドール、N-ビニルピロリドンのようなN-ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのようなアクリル酸又はメタクリル酸誘導体。
さらに、以下のものが挙げられる。マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸のような不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物のような不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルのような不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸のような不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸のようなα,β-不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物のようなα,β-不飽和酸無水物、前記α,β-不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルのようなカルボキシ基を有するモノマー。
さらに、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレートのようなアクリル酸又はメタクリル酸エステル類;4-(1-ヒドロキシ-1-メチルブチル)スチレン、4-(1-ヒドロキシ-1-メチルヘキシル)スチレンのようなヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
結着樹脂は、ビニル重合体部位と非晶性ポリエステル部位の間での架橋構造、及び非晶性ポリエステル部位中の架橋構造の両方を有することが好ましい。これにより、THF不溶分量及び上述したTHF不溶分の貯蔵弾性率G’(120)を所望の範囲に制御することができる。
(結晶性材料)
トナー粒子は結晶性材料を含有する。結晶性材料は特に限定されないが、結晶性ポリエステル樹脂を含有することが、低温定着性と排紙接着抑制とを両立させる観点で好ましい。結晶性材料は、結晶性ポリエステル樹脂であることがより好ましい。
結晶性材料とは、示差走査熱量計(DSC)による測定において、明確な吸熱ピークを有する材料と定義する。
結晶性ポリエステル樹脂について述べる。
結晶性ポリエステル樹脂は公知のものを使用できる。例えば、脂肪族ジカルボン酸を含む酸成分及び脂肪族ジオールを含むアルコール成分の縮重合体が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂は、脂肪族モノカルボン酸及び脂肪族モノアルコールからなる群から選択される少なくとも一、並びに脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールの縮重合体であることが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂は、脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジオール、並びに脂肪族モノカルボン酸の縮重合体であることがより好ましい。下記にモノマーを例示する。
脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数2~20の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。例
えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ヘキサデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族ジオールとしては、炭素数2~20の脂肪族ジオールが挙げられる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール等が挙げられる。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数6~20の脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。例えば、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸(カプリン酸)、ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、エイコサン酸(アラキジン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)等が挙げられる。
脂肪族モノアルコールとしては、炭素数6~20の脂肪族モノアルコールが挙げられる。例えば、カプリルアルコール、ウンデカノール、ラウリルアルコール、トリデカノール、ミリスチルアルコール、ペンタデカノール、パルミチルアルコール、マルガリルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデカノール、アラキジルアルコールが挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂が脂肪族ジオールを含むアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸を含む酸成分との縮重合体であることが好ましい。そして、脂肪ジオールの炭素数をC1とし、脂肪族ジカルボン酸の炭素数をC2としたときに、C1及びC2の和が、8以上16以下であることが好ましく、10以上16以下であることがより好ましく、12以上16以下であることがさらに好ましい。
なお、脂肪族ジオール及び/又は脂肪族ジカルボン酸が複数用いられている場合、それぞれの炭素数は質量分率による平均値を採用する。
C1及びC2の和が8以上16以下ということは、結晶性ポリエステル樹脂を構成する脂肪ジオールと脂肪族ジカルボン酸の炭素数の合計が比較的少ないことを意味する。このようにC1及びC2の和を上述の範囲のように小さくすることにより、結晶性ポリエステル樹脂に含まれるエステル基の濃度が増加し、結晶性ポリエステル樹脂の極性が上がる。
その結果、結着樹脂を可塑する速度が非常に早くなるため、上記効果を発現しやすくなる。
また、結晶性ポリエステル樹脂が、脂肪族ジオールを含むアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸を含む酸成分との縮重合体であり、脂肪ジオールの炭素数をC1とし、脂肪族ジカルボン酸の炭素数をC2としたときに、下記式(1)又は(2)のいずれかを満たすことが好ましい。
2≦C1≦4 ・・・(1)
2≦C2≦4 ・・・(2)
これは、結晶性ポリエステル樹脂のエステル基とエステル基の間の炭素数が非常に少ないことを意味する。これら2つのエステル基が近くに存在することにより、結晶性ポリステル樹脂の分子中に、2つのエステル基が密接した極性が高い構造を生じ、分子中において極性の偏りが大きくなる。
結晶性ポリエステル樹脂は、極性の偏りを起点とした分子内相互作用によって、再結晶
化が促進されるため、安定した結晶構造を作りやすくなる。
また、結晶性ポリエステル樹脂が、脂肪族ジオールを含むアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸を含む酸成分との縮重合体であり、末端に脂肪族モノカルボン酸が縮合した構造及び末端に脂肪族モノアルコールが縮合した構造の少なくともいずれかを有することが好ましい。
そして、脂肪族モノカルボン酸が縮合した構造及び脂肪族モノアルコールが縮合した構造の少なくともいずれかの炭素数が、6以上14以下であることが好ましく、10以上14以下であることがより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の融点は、好ましくは65℃以上100℃以下であり、より好ましくは70℃以上90℃以下である。融点は、使用するカルボン酸成分及びアルコール成分の組み合わせで決まるため、上記範囲に入るよう、適宜選択すればよい。
結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは5質量部以上50質量部以下であり、より好ましくは10質量部以上40質量部以下であり、さらに好ましくは15質量部以上30質量部以下である。
結晶性ポリエステル樹脂は、通常のポリエステル合成法で製造することができる。例えば、酸成分とアルコール成分をエステル化反応、又はエステル交換反応せしめた後、減圧下又は窒素ガスを導入して常法に従って重縮合反応させることによって得ることができる。
エステル化又はエステル交換反応の時には、必要に応じて硫酸、ターシャリーブチルチタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸マンガン、酢酸マグネシウム等の通常のエステル化触媒又はエステル交換触媒を用いることができる。また、重合に関しては、通常の重合触媒、例えば、ターシャリーブチルチタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の公知のものを使用することができる。重合温度、触媒量は特に限定されるものではなく、必要に応じて任意に選択すればよい。
触媒としてはチタン触媒を用いると好ましく、キレート型チタン触媒であるとより好ましい。これはチタン触媒の反応性が適当であり、好適な分子量分布のポリエステルが得られるためである。
(着色剤)
トナー粒子には着色剤を用いてもよい。着色剤としては、以下の有機顔料、有機染料、及び、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、及び、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。
マゼンタ系着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及び、ペリレン化合物。
イエロー系着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及び、アリルアミド化合物が挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、及び、上記イエロー系着色剤、マゼンタ系着色剤、シアン系着色剤、及び磁性粉体を用いて黒色に調色されたものが挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、及び、トナー粒子中の分散性の点から選択される。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上10質量部以下である。
(磁性粒子)
黒色の着色剤として磁性粒子を用いてもよい。
磁性粒子を用いる場合は、磁性酸化鉄粒子を含むコア粒子と、コア粒子の表面に設けられた被覆層を有することが好ましい。
磁性酸化鉄粒子を含むコア粒子としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトのような磁性酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む磁性酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Ti、W、Vのような金属との合金、及びこれらの混合物が挙げられる。
被覆層は、コア粒子の表面の全域を均一に被覆していてもよいし、コア粒子の表面が一部露出した状態で被覆していてもよい。いずれの被覆態様であっても、被覆層は、最外層であることが好ましく、コア粒子の表面を薄く被覆していることが好ましい。被覆層を形成する元素としては、Si及びAlを含有することが好ましい。
被覆層の形成方法は、特に限定されることなく、公知の方法を用いるとよい。例えば、マグネタイトを含むコア粒子を製造した後、硫酸第一鉄水溶液に、ケイ酸ナトリウムや硫酸アルミニウムなどの、ケイ素源やアルミニウム源を添加する。その後、混合液のpH及び温度を調整しつつ空気を吹き込むことで、コア粒子表面に特定の酸化物を含有する被覆層を形成するとよい。
また、硫酸第一鉄水溶液、ケイ酸ナトリウム及び硫酸アルミニウムなどの添加量などを調整することで被覆層の厚みを制御することができる。
また、上述した被覆層を形成しやすく、磁気特性や着色力がより良化するという観点から、磁性粒子は八面体形状であることが好ましい。
磁性粒子の形状を制御する方法は従来公知の方法を採用することができる。磁性粒子を八面体形状にする方法としては、例えばコア粒子の製造において湿式酸化反応時のpHを9以上にすることが挙げられる。
低温定着性の観点から、磁性粒子の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは25質量部以上100質量部以下であり、より好ましくは30質量部以上90質量部以下である。
(トナーのその他の構成材料)
トナーに離型性を与えるためにトナー粒子が、離型剤(ワックス)を含むことが好ましい。
ワックスの具体例としては、以下のものが挙げられる。
酸化ポリエチレンワックスのような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの;パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸のような飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸のような不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールのような飽和アルコール類;長鎖アルキルアルコール類;ソルビトールのような多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドのような脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドのような飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N,N-ジオレイルセバシン酸アミドのような不飽和脂肪酸アミド類;m-キシレンビスステアリン酸アミド、N,N-ジステアリルイソフタル酸アミドのような芳
香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムのような脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸のようなビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドのような脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物。
より具体的には、以下のものが挙げられる。ビスコール(登録商標)330-P、550-P、660-P、TS-200(三洋化成工業株式会社);ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学株式会社);サゾール H1、H2、C80、C105、C77(サゾール社);HNP-1、HNP-3、HNP-9、HNP-10、HNP-11、HNP-12(日本精蝋株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋ペトロライト社);木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODA)。
ワックスの融点は、低温定着性の観点から、65.0℃以上120.0℃以下であることが好ましい。
さらに、ワックスの融点と結晶性ポリエステル樹脂の融点の差が25℃以下であることが好ましい。ワックスは結晶性ポリエステル樹脂と比較して常温ではトナー粒子中において結晶化しやすい。これらの融点の差を近くすることにより、ワックスの結晶化に伴って結晶性ポリエステル樹脂の結晶化も促進されるため、上述したTg1stの範囲に制御しやすくなるためである。
ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
トナーの摩擦帯電性を安定化させるために、トナーは電荷制御剤を含有してもよい。電荷制御剤の含有量は、その種類や他のトナーの構成材料の物性によっても異なるが、一般に、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
電荷制御剤は、トナーを負帯電性に制御するものと、正帯電性に制御するものとが知られており、トナーの種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
トナーを負帯電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。
有機金属錯体(モノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体);芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又は金属塩;芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩や無水物;エステル類やビスフェノールなどのフェノール誘導体。
トナーを正帯電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。
ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム-1-ヒドロキシ-4-ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体;ホスホニウム塩のようなオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェロシアン化合物など);高級脂肪酸の金属塩。
これらの中でもニグロシン系化合物、四級アンモニウム塩などが好ましい。
また、電荷制御樹脂も用いることができ、上述の電荷制御剤と併用することもできる。
電荷制御剤の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Spilon Black TRH、T-77、T-95、TN-105(保土谷化学工業株式会社);BONTRON(登録商標)S-34、/秒-44、E-84、E-88(オリエント化学工業株式会社);TP-302、TP-415(保土谷化学工業株式会社);BONTRON(登録商標)N-01、N-04、N-07、P-51(オリエント化学工業株式会社);コピーブルーPR(クラリアント社)。
トナーは、帯電安定性、耐久現像性、流動性、耐久性向上のために、シリカ微粒子などを外添剤として有していてもよい。
シリカ微粒子は、窒素吸着によるBET法による比表面積が30m/g以上であることが好ましく、50m/g以上400m/g以下であることがより好ましい。
また、シリカ微粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.01質量部以上8.00質量部以下であることが好ましく、0.10質量部以上5.00質量部以下であることがより好ましい。
シリカ微粒子のBET比表面積は、例えば、比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)、GEMINI2360/2375(マイクロメティリック社製)、トライスター3000(マイクロメティリック社製)を用いてシリカ微粒子の表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出することができる。
シリカ微粒子は、必要に応じ、摩擦帯電性コントロールの目的で未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシラン化合物又は、その他の有機ケイ素化合物のような処理剤で、或いは種々の処理剤を併用して処理されていることも好ましい。
さらにトナーには、必要に応じて他の外添剤を添加してもよい。このような外添剤としては、例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラ定着時の離型剤、滑剤、研磨剤などの働きをする樹脂微粒子や無機微粒子が挙げられる。
滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられる。研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられ、中でもチタン酸ストロンチウム粉末が好ましい。
トナーは、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。キャリアとしては、通常のフェライト、マグネタイトなどのキャリアや樹脂コートキャリアを使用することができる。また、樹脂中に磁性体が分散されたバインダー型のキャリアも用いることができる。
樹脂コートキャリアは、キャリアコア粒子とキャリアコア粒子表面を被覆(コート)する樹脂である被覆材からなる。被覆材に用いられる樹脂としては、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン-アクリル系樹脂;アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素含有樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリビニルブチラール;アミノアクリレート樹脂が挙げられる。
その他には、アイオモノマー樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は複数を併用して用いることができる。
(トナーの製造方法)
トナーの製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の製造方法を採用することができる。以下、溶融混練工程及び粉砕工程を経てトナーを製造する方法を具体的に例示するがこれに限定されるものではない。
例えば、結着樹脂及び結晶性材料並びに、必要に応じて着色剤、離型剤、電荷制御剤及びその他の添加剤などを、ヘンシェルミキサー、ボールミルのような混合機により充分混合する(混合工程)。得られた混合物を二軸混練押出機、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練する(溶融混練工程)。
得られた溶融混練物を冷却固化した後、粉砕機を用いて粉砕(粉砕工程)し、分級機を用いて分級(分級工程)を行い、トナー粒子を得る。さらに必要に応じて、トナー粒子と外添剤をヘンシェルミキサーのような混合機により混合し、トナーを得る。
混合機としては、以下のものが挙げられる。FMミキサ(日本コークス工業株式会社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
熱混練機としては、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
分級機としては、以下のものが挙げられる。クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
また、粗粒子をふるい分けるために、以下の篩い装置を用いてもよい。
ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
トナーの粘度及びTg1stを制御するために、アニール工程を行うことが好ましい。アニール工程とは、結晶性ポリエステル樹脂等の結晶性材料をトナー粒子中で結晶化させる工程である。特に、結着樹脂を可塑しやすい結晶性ポリエステル樹脂を用いた場合は、常温で結晶性ポリエステル樹脂の結晶化を十分にするため、アニール工程を採用することが好ましい。
アニール工程の手法は特に限定されないが、加熱による手法がある。具体的には、トナーに含有する結着樹脂のTg温度付近に設定した恒温槽にトナーを一定時間放置することで、トナー内の樹脂分子の運動性を向上させ、結晶性材料が安定構造をとることを促進する。
結晶性材料の分子は、分子どうしが集まって結晶構造をとる方が安定なので、上記手法によってトナー内の結晶性材料は結晶化が促進される。また、上記Tg温度以下で高湿度に設定した恒温恒湿槽にトナーを一定時間放置することでも結晶化を促進することができる。
トナー粒子に外添剤を混合する外添工程において、処理羽根として、図1に示すような回転体を用いることができる。
図1(a)が上面図、図1(b)が側面図である。処理羽根140は流動する被処理物と衝突して被処理物を処理するものである。処理羽根140は円環状の処理羽根本体141と、本体141の外周面から径方向の外向きに突き出した処理部142で構成される。処理羽根140は強度の観点から鉄、SUS等の金属製が好ましく、必要に応じて耐摩耗用にメッキやコーティングを施してもよい。
公知の混合装置、例えばFMミキサなどの処理羽根を、このような回転体に変更して使用しうる。
外添工程では、処理温度を制御することが好ましい。処理温度の制御は、例えば、混合装置のジャケットに所定の温度に調整した水を流す、混合装置内に所定の温度に調整した熱風を導入する、等で行うことができる。外添工程の槽内温度は、装置に温度センサーを設置することで測定する。温度センサーの設置位置としては、装置壁面、装置内の固定部材上等がある。
外添工程の処理温度は15分以内に最適な処理温度に到達させ、その後は該処理温度を保持することが好ましい。昇温速度は5度/分以上であることが好ましい。例えば、処理温度は、好ましくは30℃~60℃、より好ましくは40℃~55℃とすることができる。
また必要に応じて、第二の外添工程を実施してもよい。第二外添工程として、所望の外添剤を新たに添加し、ヘンシェルミキサー等の混合機により外添処理を行ってもよい。
次に、各物性の測定方法に関して記載する。
<温度変調型示差走査熱量計によるTg1st、Tg2ndの測定>
示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用い、
ASTM D3418-82に準じて測定する。また、解析には解析ソフト(TAインス
ルメンツ社 ユニバーサルアナリシス2000)を用いる。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、トナー(サンプル)2mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いる。
測定範囲0℃から120℃の間で、昇温速度1℃/min、周期60s、振幅温度幅±0.32℃の設定でモジュレーション測定を行う。この昇温過程で、温度0℃から120℃の範囲において比熱変化が得られる。さらに、測定温度が120℃に達したところで1分保持し、120℃から0℃まで10℃/minで降温する。再び上記設定で二回目の昇温過程を行い、比熱変化が得られる。
一回目の昇温過程における比熱変化から得られたリバーシングヒートフローチャートの、吸熱を示す昇温カーブからTg1stを算出し、二回目の昇温過程から得られたリバーシングヒートフローチャートの、吸熱を示す昇温カーブからTg2ndを算出する。
<フローテスター昇温法によるトナーの粘度測定>
なお、上記粘度は、装置として、フローテスターCFT-500D(株式会社島津製作所製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い、下記の条件で測定を行う。
・サンプル:1.0gのトナーを秤量し、これを加圧成型器で成型してサンプルとする。・ダイ穴径:0.5mm
・ダイ長さ:1.0mm
・シリンダ圧力:0.9807MPa
・測定モ-ド:昇温法
・昇温速度:5.0℃/min
上記の方法により、温度50℃~200℃におけるトナーの粘度を測定し、温度120℃での粘度(粘度A)を求める。
上記測定方法において、粘度が著しく低いサンプルを測定する場合、測定温度120℃に達する前にトナーが流出しきってしまい120℃到達時の粘度を測定できないことがある。この場合は測定可能領域での粘度の最小値を仮に120℃到達時の粘度とする。
(試験圧力0.4904MPa、120℃でのトナーの粘度)
上記測定において、シリンダ圧力を0.4904MPaとする以外は同様にして、粘度Bを算出する。
<トナーの貯蔵弾性率G’の測定方法>
(1)測定試料の調製
測定試料は、トナー0.15g程度(試料の比重により可変する。)を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機を用いて20MPaで、60秒間圧縮成形し、直径8mm、高さ2.0±0.3mmの円柱状のサンプルを作製する。
(2)サンプルの取り付け
測定装置としては、回転平板型レオメータ「ARES」(TA INSTRUMENTS社製)を用いる。サンプルをパラレルプレートに装着し、Axial Forceを250~300に調整しHoldを行う。次に、室温(25℃)から65℃(トナーTg+5~10℃の範囲で適宜調整)に昇温し、10分間温度を維持した後、試料の形を整えて、30℃までサンプルを冷却する。
(3)測定
測定は、以下の条件で行う。
・直径8mmのパラレルプレートを用いる。
・周波数(Frequency)は6.28rad/sec(1.0Hz)とする。
・印加歪初期値(Strain)を0.1%に設定する。
・50℃以上140℃以下の間を、昇温速度(Ramp Rate)5.0℃/minで測定を行う。なお、測定においては、以下の自動調整モードの設定条件で行う。自動歪み調整モード(Auto Strain)で測定を行う。
・最大歪(Max Applied Strain)を20.0%に設定する。
・最大トルク(Max Allowed Torque)200.0g・cmとし、最低トルク(Min Allowed Torque)0.2g・cmと設定する。
・歪み調整(Strain Adjustment)を 20.0% of Current Strain と設定する。測定においては、自動テンション調整モード(Auto Tension)を採用する。
・自動テンションディレクション(Auto Tension Direction)をコンプレッション(Compression)と設定する。
・初期スタティックフォース(Initial Static Force)を10.0g、自動テンションセンシティビティ(Auto Tension Sensitivity)を40.0gと設定する。
・自動テンション(Auto Tension)の作動条件は、サンプルモデュラス(Sample Modulus)が1.0×10(Pa)以上である。
上記の方法により、温度50℃から140℃まで昇温させた際に得られた貯蔵弾性率G’の値から、G’が1.0×10Paとなる温度を読み取る。
<THF不溶分の貯蔵弾性率G’(120)の測定方法>
まず、トナーのTHF不溶分を試料として用いる場合は、以下の方法により、サンプルを調製する。
貯蔵弾性率を測定するトナー1.5gを精秤し、円筒濾紙(商品名:No.86R、サイズ28×100mm、アドバンテック東洋社製)に入れてソックスレー抽出器にセットする。
溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)200mLを用いて18時間抽出し、その際に溶媒の抽出サイクルが約5分に一回になるような還流速度で抽出を行う。
抽出終了後、円筒濾紙に残された不溶物を取り出し、40℃で8時間真空乾燥することで、THF不溶分を採取する。
25℃の環境下で、錠剤成型器を用いて、採取したTHF不溶分を直径8.0mm、厚さ2.0±0.3mmの円板状に加圧成型した試料を用いる。
得られたTHF不溶分をサンプルとして、貯蔵弾性率G’(120)を測定する。
貯蔵弾性率G’(120)の測定は、昇温速度(Ramp Rate)を2.0℃/minに変更する以外は、上述した「トナーの貯蔵弾性率G’の測定方法」に順ずる。前記方法により、温度50℃から140℃まで昇温させた際に得られた貯蔵弾性率G’の値のうち、温度120℃時の値を貯蔵弾性率G’(120)とする。
<トナー中の結晶性材料の含有量の測定>
トナー中の結晶性材料の含有量は、以下の方法で算出する。
トナー1.5gを精秤し、円筒濾紙(商品名:No.86R、サイズ28×100mm、アドバンテック東洋社製)に入れてソックスレー抽出器にセットする。
溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)200mLを用いて18時間抽出し、その際に溶媒の抽出サイクルが約5分に一回になるような還流速度で抽出を行う。
抽出終了後、THF可溶分を乾固させ、得られた乾固物を60℃の加温下でヘキサンとよく混合後する。その後ろ過によって得られたヘキサン可溶分を乾固させることでトナー中の結晶性材料を得る。
結着樹脂の質量は、後述のTHF不溶分の含有量の測定における式(A)により算出できる。
上記結晶性材料及び結着樹脂の質量から、結着樹脂100質量部に対する結晶性材料の質量部数を計算する。
また、得られた結晶性材料と精秤したトナーの質量比から、トナー中の結晶性材料の含有量を算出する。
<THF不溶分の含有量の測定方法>
トナー1.5gを精秤(W1[g])し、予め精秤した円筒濾紙(商品名:No.86R、サイズ28×100mm、アドバンテック東洋社製)に入れてソックスレー抽出器にセットする。溶媒としてTHF200mLを用いて18時間抽出する。その際に溶媒の抽出サイクルが約5分に一回になるような還流速度で抽出を行う。
抽出終了後、円筒ろ紙を取り出して風乾した後、50℃で24時間真空乾燥し、抽出残分を含む円筒濾紙の質量を秤量し、円筒濾紙の質量を差し引くことにより、抽出残分の質量(W2[g])を算出する。
次に、結着樹脂の量(W3[g])を以下の手順で求める。
予め秤量した30mLの磁性るつぼに2gのトナーを精秤(Wa[g])する。
磁性るつぼを電気炉に入れ、約900℃で約3時間加熱し、電気炉中で放冷し、常温下でデシケーター中に1時間以上放冷し、焼却残灰分を含むるつぼの質量を秤量し、るつぼの質量を差し引くことにより焼却残灰分(Wb[g])を算出する。
また、前述したトナー中の結晶性材料の含有量の測定方法から算出した結晶性材料の含有量をWC質量%とする。
下記式(A)により、試料W1[g]中の結着樹脂の質量(W3[g])を算出する。
W3=W1×(1-WC/100-Wb/Wa) (A)
また、下記式(B)により、試料W1[g]中の焼却残灰分の質量(W4[g])を算出する。
W4=W1×(Wb/Wa) (B)
この場合、結着樹脂中のTHF不溶分の含有量は、下記式(C)で求められる。
THF不溶分(質量%)={(W2-W4)/(W3)}×100 (C)
<結晶性材料の吸熱ピークの測定>
結晶性材料の吸熱ピークは、以下の方法で測定される。
示差走査熱量測定(DSC)における吸熱ピークのピークトップ温度は、示差走査型熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いて、ASTM D3418-82に準じて測定される。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、測定試料5mgを精密に秤量し、これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いて、測定温度範囲30~200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下測定を行う。
なお、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この昇温過程で得られるDSC曲線(温度-吸熱量曲線)において、温度30~200℃の範囲における最大の吸熱ピークのピークトップの温度を観測する。
<結着樹脂及び結晶性材料の組成分析>
結着樹脂及び結晶性材料の分子構造は、溶液又は固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などの公知の分析方法により確認することができる。
以下実施例にもとづいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、これによって本発明がなんら限定されるものではない。なお、以下の処方において部は、特に断りのない限り質量基準である。
<結着樹脂(P-1)の製造例>
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(2.0mol付加) 20.0mol部・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(2.3mol付加)80.0mol部・テレフタル酸 74.0mol部
上記ポリエステル構成モノマー96部を4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着して窒素雰囲気下にて160℃で撹拌した。そこに、ビニル重合体部位を構成するビニル系重合モノマー(スチレン:10.0mol部、ブチルアクリレート:90.0mol部)4部と重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.7部を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。
その後、160℃で5時間反応した後、200℃まで昇温して、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネートを0.15部、及び没食子酸を0.01部添加した後、230℃で6時間重縮合反応させ、さらに230℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。
180℃まで冷却した後、tert-ブチルカテコール0.01部及び無水トリメリット酸 6.0部を投入し、所望の粘度となるように反応時間を調節した。反応終了後、容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂(P-1)を得た。諸物性を表1に示す。
<結着樹脂(P-2)~(P-7)の製造例>
表2に記載のモノマー処方に変更した以外は、樹脂組成物(P-1)の製造例と同様にして、樹脂組成物(P-2)~(P-7)を得た。諸物性を表1に示す。
<結着樹脂(P-8)の製造例>
表2に記載のアルコール成分及び無水トリメリット酸以外のカルボン酸成分と、2-エチルヘキサン酸錫(II)0.20部及び没食子酸0.01部とを、窒素導入管、100℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れた。窒素雰囲気下、180℃で1時間保温した後に180℃から230℃まで10℃/hで昇温し、その後230℃で6時間重縮合反応させた。
230℃8.0kPaで1時間反応させた後、さらに無水トリメリット酸を210℃で
反応させ、所望の粘度となるように反応時間を調節した。反応終了後、容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂(P-8)を得た。得られた結着樹脂(P-8)の諸物性を表2に示す。
Figure 0007490450000004
Figure 0007490450000005
表中の略称は以下の通り。
Tg:ガラス転移温度
Tm:軟化点
BPA-PO:ビスフェールAプロピレンオキサイド付加物(2.3mol付加)
BPA-EO:ビスフェールAエチレンオキサイド付加物(2.0mol付加)
TPA:テレフタル酸
TMA:無水トリメリット酸
St:スチレン
BA:ブチルアクリレート
※1:ポリエステル樹脂成分のモノマーのmol部は、アルコール成分の総量を100mol部としたときの比率を示す。
表中、P:V比率は、質量比率(ポリエステル部位:ビニル重合体部位)を示す。
<結晶性ポリエステル(C-1)の製造例>
・エチレングリコール 100.0mol部
・テトラデカン二酸 90.0mol部
・ラウリン酸 20.0mol部
上記モノマー及び前記モノマー総量に対して、0.2質量%のジブチル錫オキシドを窒素導入管、脱水管、攪拌装置及び熱電対を装備した10Lの四つ口フラスコに入れ、180℃で4時間反応させた。その後、10℃/1時間で210℃まで昇温、210℃で8時間保持した後、8.3kPaにて1時間反応させることにより、結晶性ポリエステル(C-1)を得た。得られた結晶性ポリエステル(C-1)の融点を表3に示す。
<結晶性ポリエステル(C-2)~(C-7)の製造例>
表3に記載のモノマー処方に変更した以外は、結晶性ポリエステル(C-1)の製造例と同様にして、樹脂組成物(C-2)~(C-7)を得た。融点を表6に示す。
Figure 0007490450000006
<磁性粒子1の製造例>
(1)コア粒子の製造
Fe2+濃度が1.60mol/Lの硫酸第一鉄水溶液92Lと、3.50mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液88Lを加えて混合撹拌した。この溶液のpHは6.5であった。この溶液を温度89℃、pH9~12に維持しながら、20L/minの空気を吹き込み、酸化反応を起こさせてコア粒子を生成させた。水酸化第一鉄が完全に消費された時点で、空気の吹き込みを停止し、酸化反応を終了させた。得られたマグネタイトからなるコア粒子は八面体形状を有するものであった。
(2)被覆層の形成
0.7mol/Lのケイ酸ナトリウム水溶液2.50Lと0.90mol/Lの硫酸第一鉄水溶液2.00Lを混合した後、水1.00Lを加え、5.00Lの水溶液とし、13500gのコア粒子を含む上記反応後のスラリーにpH7~9を維持しながら添加した。その後、スラリー中のFe2+が残存しなくなるまで10L/minの空気を吹き込んだ。
続いて、1.50mol/Lの硫酸アルミニウム水溶液0.70Lと0.90mol/Lの硫酸第一鉄水溶液2.00Lを混合した後、水1.00Lを加え、5.00Lの水溶液とし、コア粒子を含む上記反応後のスラリーにpH7~9を維持しながら添加した。その後、スラリー中のFe2+が残存しなくなるまで10L/minの空気を吹き込んだ。
スラリーの温度は89℃に維持した。30分間、混合撹拌後にスラリーを濾過して、洗浄、乾燥させて、磁性粒子1を得た。
磁性粒子1の形状は八面体であり、一次粒子の個数平均粒径(D1)は110nmであった。諸物性を表4示す。
Figure 0007490450000007

表中、ESCAによる元素量は、原子%を示す。
なお、X線光電子分光分析(ESCA)による磁性粒子表面に存在する元素量の測定は下記の通りである。
使用装置:アルバック-ファイ社製 Quantum 2000
分析方法:ナロー分析
測定条件:
X線源:Al-Kα
X線条件:100μm、25W、15kV
光電子取り込み角度:45°
PassEnergy:58.70eV
測定範囲:φ100μm
以上の条件により測定を行い、炭素1s軌道のC-C結合に由来するピークを285eVに補正する。その後、下記範囲に検出されるピーク面積を算出する。
・94eV以上114eV以下にピークトップが検出されるケイ素2p軌道のSiO結合のピーク
・68eV以上78eV以下にピークトップが検出されるアルミニウム2p軌道のAlO結合のピーク
・705eV以上720eV以下にピークトップが検出される鉄2p軌道のFeO結合のピーク
・278eV以上298eV以下にピークトップが検出される炭素1s軌道のCO結合のピーク
・524eV以上542eV以下にピークトップが検出される酸素1s軌道のO結合のピーク
<実施例1>
・結着樹脂(P-1) 100.0部
・結晶性ポリエステル(C-1) 18.0部
・磁性粒子1 50.0部
・離型剤(C105、サゾール社製、融点105℃) 2.0部
・電荷制御剤(T-77、保土谷化学工業社製) 1.0部
上記材料をFMミキサ(日本コークス工業(株)製)で前混合した後、二軸混練押し出
し機(池貝鉄工(株)製PCM-30型))によって、溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、機械式粉砕機(ターボ工業(株)製T-250)で粉砕し、得られた微粉砕粉末を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)7.0μmの負帯電性のトナー粒子1を得た。
(1段目外添工程)
処理羽根として図1に示す回転体を搭載したヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製FM500L/I-H型)に、トナー粒子1: 100.0部に対し、ATLAS100(キャボットコーポレーション社製) 1.0部を投入し1000rpmで15分間混合した。
この際、混合開始と同時にジャケット内に55℃の温水を通水した。槽内温度が50℃に到達した段階で7℃の冷水を通水すると同時に、冷水流量を制御することで槽内温度を50℃に保持した。混合終了後、速やかに1段目外添トナー1を排出し、室温まで冷却した。
(2段目外添工程)
次に、1段目外添トナー1: 100部に対し、疎水性シリカ微粒子[BET比表面積150m/g、シリカ微粒子100部に対しヘキサメチルジシラザン(HMDS)30部及びジメチルシリコンオイル10部で疎水化処理したもの]1.0部をヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製FM-75型)で5分間外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー(T-1)を得た。得られたトナー(T-1)の諸物性を表5に示す。
<実施例2~10、14>
表6に記載の処方とする以外は、実施例1と同様にして、トナー(T-2)~(T-10)、(T-14)を得た。諸物性を表5に示す。
<実施例11>
表6に記載の処方に変更し、一段目外添工程において回転数を800rpmに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー(T-11)を得た。
<実施例12>
表6に記載の処方に変更し、一段目外添工程において回転数を600rpmに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー(T-11)を得た。
<実施例13>
[乳化凝集法によるトナー粒子の製造方法]
(重合体分散液Pの調製)
・トルエン 300.0部
・結着樹脂(P-1) 100.0部
・電荷制御剤(T-77、保土谷化学工業社製) 1.0部
上記材料を秤量、混合し、90℃で溶解させた。
別途、イオン交換水700.0部にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.0部及びラウリン酸ナトリウム10.0部を加え90℃で加熱溶解させた。
次いで、前記のトルエン溶液と該水溶液を混ぜ合わせ、超高速攪拌装置T.K.ロボミックス(プライミクス製)を用いて7000rpmで攪拌した。
さらに、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)用いて200MPaの圧力で乳化した。その後、エバポレーターを用いて、トルエンを除去し、イオン交換水で濃度調整を行い重合体微粒子の濃度が20質量%の重合体分散液Pを得た。
(重合体分散液Cの調整)
重合体分散液Pの調整で用いた結着樹脂(P-1)を結晶性ポリエステル(C-7)に変更し、同様の方法で重合体分散液Cを得た。
(離型剤分散液の調製)
・離型剤(C105、サゾール社製、融点105℃) 100.0部
・アニオン界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬製) 5.0部
・イオン交換水 395.0部
上記材料を秤量し、攪拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック製)へ循環させて分散処理を60分間行った。分散処理の条件は、以下のようにした。
・ローター外径3cm
・クリアランス0.3mm
・ローター回転数19000r/min
・スクリーン回転数19000r/min
分散処理後、ローター回転数1000r/min、スクリーン回転数0r/min、冷却速度10℃/minの冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、離型剤微粒子の濃度が20質量%の離型剤分散液を得た。
(磁性体分散液の調製)
・磁性粒子1 50.0部
・イオン交換水 450.0部
上記材料を秤量・混合し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、磁性体微粒子の濃度が10質量%の磁性体分散液を得た。
(トナーの製造)
・重合体分散液P 400.0部・重合体分散液C 72.0部・離型剤分散液 8.0部・磁性体分散液 400.0部・イオン交換水 100.0部
上記各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入し、混合した。
続いて、ホモジナイザー ウルトラタラックスT50(IKA社製)を用いて5000r/minで10分間分散した。1.0%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながらで58℃まで加熱した。
形成された凝集粒子の体積平均粒径を、コールターマルチサイザーIIIを用い、適宜確認し、体積平均粒径が約7.9μmである凝集粒子が形成されたところで、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。
その後、攪拌を継続しながら、75℃まで加熱した。そして、75℃で1時間保持することで凝集粒子を融合させた。
その後、25℃まで冷却し、ろ過・固液分離した後、イオン交換水で洗浄を行った。
洗浄終了後に真空乾燥機を用いて乾燥することで得られた粉末を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)7.0μmの負帯電性のトナー粒子13を得た。
(1段目外添工程)
処理羽根を図1に示す回転体を搭載したヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製FM500L/I-H型)に、トナー粒子13: 100.0部に対し、ATLAS
100(キャボットコーポレーション社製) 1.0部を投入し1000rpmで15分間混合した。この際、混合開始と同時にジャケット内に55℃の温水を通水した。槽内温度が50℃に到達した段階で7℃の冷水を通水すると同時に、冷水流量を制御することで槽内温度を50℃に保持した。混合終了後、速やかに1段目外添トナー13を排出し、室温まで冷却した。
(2段目外添工程)
次に、1段目外添トナー13: 100部に対し、疎水性シリカ微粒子[BET比表面積150m/g、シリカ微粒子100部に対しヘキサメチルジシラザン(HMDS)30部及びジメチルシリコンオイル10部で疎水化処理したもの]1.0部をヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製FM-75型)で5分間外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー(T-13)を得た。得られたトナー(T-13)の諸物性を表5に示す。
<実施例15>
・結着樹脂(P-2) 100.0部
・結晶性ポリエステル(C-7) 18.0部
・磁性粒子1 50.0部
・離型剤(C105、サゾール社製、融点105℃) 2.0部
・電荷制御剤(T-77、保土谷化学工業社製) 1.0部
上記材料をFMミキサ(日本コークス工業(株)製)で前混合した後、二軸混練押し出し機(池貝鉄工(株)製PCM-30型))によって、溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、粗粉砕物を温度50℃、相対湿度95%環境下で5時間放置した。
その後、粗粉砕物を機械式粉砕機(ターボ工業(株)製T-250)で粉砕し、得られた微粉砕粉末を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)7.0μmの負帯電性のトナー粒子15を得た。
(1段目外添工程)
通常羽根を装着したヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製FM500L/I-H型)に、トナー粒子15: 100.0部に対し、ATLAS100(キャボットコーポレーション社製) 1.0部を投入し800rpmで10分間混合した。
この際、混合開始と同時にジャケット内に7℃の冷水を通水した。混合終了後、速やかに1段目外添トナー15を排出し、室温まで冷却した。
(2段目外添工程)
次に、1段目外添トナー15: 100部に対し、疎水性シリカ微粒子[BET比表面積150m/g、シリカ微粒子100部に対しヘキサメチルジシラザン(HMDS)30部及びジメチルシリコンオイル10部で疎水化処理したもの]1.0部をヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製FM-75型)で5分間外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー(T-15)を得た。得られたトナー(T-15)の諸物性を表5に示す。
<実施例16~19>
表6に記載の処方とする以外は、実施例15と同様にして、トナー(T-16)~(T-19)を得た。諸物性を表5に示す。
<比較例1>
・結着樹脂(P-7) 100.0部
・結晶性ポリエステル(C-1) 18.0部
・磁性粒子1 50.0部
・離型剤(C105、サゾール社製、融点105℃) 2.0部
・電荷制御剤(T-77、保土谷化学工業社製) 1.0部
上記材料をFMミキサ(日本コークス工業(株)製)で前混合した後、二軸混練押し出し機(池貝鉄工(株)製PCM-30型))によって、溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、粗粉砕物を温度50℃、相対湿度95%環境下で1.5時間放置した。
その後、粗粉砕物を機械式粉砕機(ターボ工業(株)製T-250)で粉砕し、得られた微粉砕粉末を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)7.0μmの負帯電性のトナー粒子20を得た。
(1段目外添工程)
通常羽根を装着したヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製FM500L/I-H型)に、トナー粒子20: 100.0部に対し、ATLAS100(キャボットコーポレーション社製) 1.0部を投入し800rpmで10分間混合した。
この際、混合開始と同時にジャケット内に7℃の冷水を通水した。混合終了後、速やかに1段目外添トナー20を排出し、室温まで冷却した。
(2段目外添工程)
次に、1段目外添トナー20: 100部に対し、疎水性シリカ微粒子[BET比表面積150m/g、シリカ微粒子100部に対しヘキサメチルジシラザン(HMDS)30部及びジメチルシリコンオイル10部で疎水化処理したもの]1.0部をヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製FM-75型)で5分間外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー(T-20)を得た。得られたトナー(T-20)の諸物性を表5に示す。
<比較例2>
表6に記載の処方とする以外は、比較例1と同様にして、トナー(T-21)を得た。得られたトナー(T-21)の諸物性を表5に示す。
<比較例3>
・結着樹脂(P-8) 100.0部
・結晶性ポリエステル(C-7) 18.0部
・磁性粒子1 50.0部
・離型剤(C105、サゾール社製、融点105℃) 2.0部
・電荷制御剤(T-77、保土谷化学工業社製) 1.0部
上記材料をFMミキサ(日本コークス工業(株)製)で前混合した後、二軸混練押し出し機(池貝鉄工(株)製PCM-30型))によって、溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した。
その後、粗粉砕物を機械式粉砕機(ターボ工業(株)製T-250)で粉砕し、得られた微粉砕粉末を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)7.0μmの負帯電性のトナー粒子22を得た。
(1段目外添工程)
通常羽根を装着したヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製FM500L/I-H型)に、トナー粒子22: 100.0部に対し、ATLAS100(キャボットコーポレーション社製) 1.0部を投入し800rpmで10分間混合した。
この際、混合開始と同時にジャケット内に7℃の冷水を通水した。混合終了後、速やかに1段目外添トナー22を排出し、室温まで冷却した。
(2段目外添工程)
次に、1段目外添トナー22: 100部に対し、疎水性シリカ微粒子[BET比表面積150m/g、シリカ微粒子100部に対しヘキサメチルジシラザン(HMDS)30部及びジメチルシリコンオイル10部で疎水化処理したもの]1.0部をヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製FM-75型)で5分間外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー(T-22)を得た。得られたトナー(T-22)の諸物性を表5に示す。
<比較例4>
表6に記載の処方とする以外は、比較例3と同様にして、トナー(T-23)を得た。得られたトナー(T-23)の諸物性を表5に示す。
Figure 0007490450000008

表中、THF不溶分の質量%は、結着樹脂中のTHF不溶分の含有量を示す。
Figure 0007490450000009
得られたトナーを用いて、以下の評価を行った。
<試験>
HP LaserJet Enterprise M609dnを、プリンタの将来的な更なる高速化を考慮して、プロセススピードを500mm/secに改造して使用した。評価を行った結果を、表7に示す。
<低温定着性;擦り濃度低下率>
擦り濃度低下率は、上記評価機の定着器を外部に取り出し、定着器の温度を任意に設定可能にし、プロセススピードを500mm/secとなるように改造した外部定着器を用いた。
上記装置を用い、低温低湿環境下(温度15℃、湿度10%RH)において、単位面積当たりのトナー載り量を0.5mg/cmに設定した未定着画像を、180℃に温調した上記定着器に通した。なお、評価紙には「PB PAPER」(キヤノンマーケティングジャパン社製、坪量66g/cm、レター)を用いた。得られた定着画像を4.9kPa(50g/cm)の荷重をかけたシルボン紙で摺擦し、摺擦前後での画像濃度の低下率(%)で評価した。
前記低下率が低い値であるほど、低温定着性が良好であることを示している。
A:画像濃度の低下率が5.0%未満である。
B:画像濃度の低下率が5.0%以上10.0%未満である。
C:画像濃度の低下率が10.0%以上15.0%未満である。
D:画像濃度の低下率が15.0%以上20.0%未満である。
E:画像濃度の低下率が20.0%以上である。
<排紙接着>
排紙接着性の評価は、印字比率6%のテストチャートを用いて、高温高湿環境(温度32℃、相対湿度80%)で行った。プロセススピードを500mm/secに設定し、定着器の設定温度を評価するトナーによって変更した。すなわち、各トナーの<擦り濃度低下率>における画像濃度の低下率が10%の時の温度より10℃高い温度に設定した。
なお、評価紙には「PB PAPER」(キヤノンマーケティングジャパン社製、坪量66g/cm、レター)を用い、1000枚の連続プリント試験を行った。その後、1000枚重ねた状態で1時間放置し、500枚目を剥がした際の印字物の欠損の個数で評価した。前記個数が少ないほど、排紙接着抑制に優れていることを示している。
A:印字物欠損個数が5個未満である。
B:印字物欠損個数が5個以上10個未満である。
C:印字物欠損個数が10個以上15個未満である。
D:印字物欠損個数が15個以上20個未満である。
E:印字物欠損個数が20個以上である。
<かぶりの評価>
高温高湿環境(温度32℃、相対湿度80%)で、印字比率が1%の画像を出力する動作を繰り返し、出力枚数が500枚に到達する毎に1晩放置した。その後、上記の様にして500枚出力し1晩放置する工程を繰り返し、最終的には5000枚の画像出力を行い、以下の方法で評価を行った。なお、評価紙には「PB PAPER」(キヤノンマーケティングジャパン社製、坪量66g/cm、レター)を用いた。
上記の画像出力試験において、5000枚出力後に白地部分を有する画像を1枚出力した。その後、白地部分を有する画像の白地部分の白色度(反射率Ds(%))と評価紙の白色度(平均反射率Dr(%))の差から、かぶり濃度(%)(=Dr(%)-Ds(%))を算出した。
なお、白色度は、「REFLECTMETER MODEL TC-6DS」(東京電色社製)により測定した。フィルターは、アンバーライトフィルターを用いた。かぶり濃度が低いほど、かぶり抑制に優れていることを示している。
A:かぶり濃度が1.0%未満である。
B:かぶり濃度が1.0%以上2.5%未満である。
C:かぶり濃度が2.5%以上4.5%未満である。
D:かぶり濃度が4.5%以上6.5%未満である。
E:かぶり濃度が6.5%以上である。
Figure 0007490450000010
140‥‥処理羽根、141‥‥処理羽根本体、142‥‥処理部

Claims (10)

  1. 結着樹脂及び結晶性材料を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    細管式レオメータによる試験圧力0.9807MPaでの測定において、120℃での該トナーの粘度が、1.0×10Pa・s以上であり、
    温度変調型示差走査熱量計により該トナーを測定したとき、
    一回目の昇温におけるリバーシングヒートフローで得られるガラス転移温度Tg1st、及び
    二回目の昇温におけるリバーシングヒートフローで得られるガラス転移温度Tg2ndが、
    Tg1st-Tg2nd≧10.0℃
    を満たし、
    該結着樹脂が、ビニル重合体部位及び非晶性ポリエステル部位を有するハイブリッド樹脂を含有し、
    該ビニル重合体部位が、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一に由来するモノマーユニットを有し、
    該ビニル重合体部位中の該アクリル酸エステル及び該メタクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一に由来するモノマーユニットの含有量が、50質量%以上98質量%以下であることを特徴とするトナー。
  2. 細管式レオメータによる試験圧力0.9807MPaでの測定において、120℃での前記トナーの粘度を粘度Aとし、試験圧力0.4904MPaでの測定において、120℃での前記トナーの粘度を粘度Bとしたとき、
    該粘度Aに対する該粘度Bの比B/Aが、4.0以上である、請求項1に記載のトナー。
  3. 回転式レオメータにより測定した前記トナーの貯蔵弾性率G’が1.0×10Paとなるときの温度が、115℃以下である請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記結晶性材料の含有量が前記結着樹脂100質量部に対し、5質量部以上50質量部以下である請求項1~3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)を用いたソックスレー抽出において、18時間抽出したとき、前記結着樹脂がTHF不溶分を含有し、
    前記結着樹脂中の該THF不溶分の含有量が、10質量%以上50質量%以下である請求項1~4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)を用いたソックスレー抽出により18時間抽出したとき、前記トナーがTHF不溶分を含有し、
    該THF不溶分を、2.0℃/minで昇温した際に測定される、120℃における貯蔵弾性率G’(120)が、
    1.0×10Pa以上1.0×10Pa以下である請求項1~5のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 前記ハイブリッド樹脂中の前記非晶性ポリエステル部位の含有量が、50質量%以上98質量%以下であり、
    前記非晶性ポリエステル部位は、3価以上の多価アルコール由来のモノマーユニット及び3価以上の多価カルボン酸由来のモノマーユニットからなる群から選択される少なくとも一を含有する請求項1~6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 前記結晶性材料が、結晶性ポリエステル樹脂を含有する請求項1~のいずれか一項に記載のトナー。
  9. 前記結晶性ポリエステル樹脂が、脂肪族ジオールを含むアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸を含む酸成分との縮重合体であり、
    前記脂肪ジオールの炭素数をC1とし、前記脂肪族ジカルボン酸の炭素数をC2としたときに、C1及びC2の和が、8以上16以下である請求項に記載のトナー。
  10. 前記結晶性ポリエステル樹脂が、脂肪族ジオールを含むアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸を含む酸成分との縮重合体であり、
    前記脂肪ジオールの炭素数をC1とし、前記脂肪族ジカルボン酸の炭素数をC2としたときに、
    下記式(1)又は(2)のいずれかを満たす請求項又はに記載のトナー。
    2≦C1≦4 ・・・(1)
    2≦C2≦4 ・・・(2)
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