JP2002108019A - トナー、トナーの製造方法及び画像形成方法 - Google Patents

トナー、トナーの製造方法及び画像形成方法

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JP2002108019A JP2001229248A JP2001229248A JP2002108019A JP 2002108019 A JP2002108019 A JP 2002108019A JP 2001229248 A JP2001229248 A JP 2001229248A JP 2001229248 A JP2001229248 A JP 2001229248A JP 2002108019 A JP2002108019 A JP 2002108019A
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Tatsuya Nakamura
達哉 中村
Katsuyuki Nonaka
克之 野中
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宏明 川上
Tomohito Handa
智史 半田
Yuji Moriki
裕二 森木
Shinya Yanai
信也 谷内
Yoshihiro Nakagawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な帯電性と環境安定性を有しており、連
続通紙においても良好な転写率が保て、且つ良好な定着
性を有するトナー、トナーの製造方法及び画像形成方法
を提供することにある。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤及
び硫黄元素含有重合体を含有するトナー粒子及び外添剤
を有するトナーであって、該トナー粒子が、マグネシウ
ム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐
からなるグループより選ばれる少なくとも一種の元素を
含有し、上記元素の含有量の合計が100乃至3000
0ppmである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、磁気記録法、トナージェット法に用いられるト
ナー、該トナーの製造方法、及び該トナーを用いる画像
形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載され
ている如く多数の方法が知られているが、一般には光導
電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的
潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、
必要に応じて直接的あるいは間接的手段を用いて紙等の
転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、加熱加
圧或いは溶剤蒸気などにより定着し複写物を得るもので
あり、そして感光体上に転写せず残ったトナーは種々の
方法でクリーニングされ、上記の工程が繰り返される。
【0003】またさらに、一般的なフルカラー画像を形
成する方法について説明すると、感光ドラムの感光体を
一次帯電器によって均一に帯電し、原稿のマゼンタ画像
信号にて変調されたレーザー光により画像露光を行い、
感光ドラム上に静電潜像を形成し、マゼンタトナーを保
有するマゼンタ現像器により該静電潜像の現像を行い、
マゼンタトナー画像を形成する。次に搬送されてきた転
写材に転写帯電器によって前記の感光ドラムに現像され
たマゼンタトナー画像を直接的あるいは間接的手段を用
い転写する。
【0004】一方、前記の静電潜像の現像を行った後の
感光ドラムは、除電用帯電器により除電し、クリーニン
グ手段によってクリーニングを行った後、再び一次帯電
器によって帯電し、同様にシアントナー画像の形成及び
前記マゼンタトナー画像を転写した転写材へのシアント
ナー画像の転写を行い、さらにイエロー色、ブラック色
と順次同様に行って、4色のトナー画像を転写材に転写
する。該4色のトナー画像を有する転写材を定着ローラ
により熱及び圧力の作用で定着することによりフルカラ
ー画像を形成する。
【0005】近年、このような複写装置は、単なる一般
にいうオリジナル原稿を複写するための事務処理用複写
機というだけでなく、コンピュータの出力としてのプリ
ンターあるいは個人向けのパーソナルコピーという分野
で使われ始めた。
【0006】このようなレーザービームプリンターに代
表される分野以外にも、基本エンジンを応用した普通紙
ファックスへの展開も急激に発展をとげつつある。
【0007】特に、今後急速な市場の伸びが考えられる
パーソナルコンピュータ用のカラープリンター、パーソ
ナルカラーコピーにおいてはより小型、軽量、高速、高
画質、高信頼性への要求が強い。中でも初期画像を維持
するという高信頼性に関しての要求は厳しく、トナー性
能の向上にとって帯電能力の向上は不可欠な課題であ
る。
【0008】トナーとキャリアとの摩擦帯電によって帯
電荷量が決まる二成分現像システム、現像剤担持体と帯
電付与材の摩擦によってのみ帯電荷量が決まる一成分現
像システムどちらかの場合においても各環境下における
帯電量、帯電速度、帯電値の維持など改良する課題が残
されている。
【0009】また、こうした課題をトナーの形状からコ
ントロールするという観点から、懸濁重合法トナーが提
案されている(特公昭36−10231号公報)。即
ち、この懸濁重合法においては重合性単量体及び着色剤
(さらに必要に応じて重合開始剤、架橋剤、その他添加
剤)を均一に溶解又は分散せしめて単量体組成物とした
後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続層
(例えば水相)中に適当な撹拌機を用いて分散し同時に
重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナーを得るも
のであり、粉砕法トナーに比較して粒径、及びその分布
をコントロールしやすく、よって帯電荷分布の狭いトナ
ーを得ることができ、荷電量コントロールを可能にする
ことができる。
【0010】上記分散安定剤は、分散媒体中で分散質表
面に付着し、その電気的極性により分散質を均一に分散
させる。従来技術において、こうしたイオン性、電気的
極性を有する物質が十分に除去されていない場合にはト
ナーの帯電性にも悪影響を及ぼすことが一般的に知られ
ている。
【0011】分散安定剤には、一般にポリビニルアルコ
ール、ゼラチンなどの水溶性高分子や硫酸バリウム、炭
酸カルシウムなどの難水溶性無機物質微粉末が使用され
る。しかしながら、これらの分散安定剤にあってはその
除去が一般に困難で、特に、水溶性高分子にあっては水
溶液が粘稠であるため、その除去が困難で、トナー表面
に多量に残存しやすく、摩擦帯電特性を阻害し、画質を
極めて悪化させるという欠点があった。
【0012】これらの問題点を解決する方法として特開
昭46−130762号公報、特開昭61−22354
号公報、特開平2−148046号公報に燐酸カルシウ
ムを分散安定剤とする方法が提案されている。特開平2
−148046号公報においては燐酸カルシウムを酸水
溶液中に溶解し、重合性単量体組成物を撹拌下に懸濁分
散させた後、水酸化アルカリを添加し、再度燐酸カルシ
ウムを油滴上に分散安定剤として析出させる方法が提案
されている。あるいは、特開昭56−130762号公
報、特開昭61−22354号公報では第三燐酸ナトリ
ウムと塩化カルシウムとの付加物を分散安定剤として用
いる方法が提案されている。
【0013】一方、分散安定剤の残存量を規定する提案
としては、例えば、特開平8−50370号公報、特開
平8−160661号公報が挙げられる。同様な思想で
乳化分散法における分散安定剤の残存量を規定した提案
として、特開平9−218532号公報が挙げられ、さ
らに一般的な従来技術とは逆なものとして、特開平9−
114125号公報などにおいては分散安定剤量をある
程度以上残すことを提案している。
【0014】また、特開平1−217466号公報で
は、重合性単量体及びSOX基を有する水溶性単量体
と油溶性単量体とからなる共重合体等を含有する単量体
組成物を懸濁重合してトナーを製造する方法が提案さ
れ、特開2000−56518号公報では、ビニル系単
量体とSOX基含有(メタ)アクリルアミドからなる
共重合体を含有するトナーが提案されており、これらの
提案では、ある程度の帯電性の改善が見られるが、両公
報に記載された実施例を見ると、トナー中に存在する分
散安定剤はほとんど除去されていないと考えられ、残存
する分散安定剤に起因する帯電性や現像性といった問題
点を解決するためには十分なものではない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
の如き問題点を解決し得るトナー、該トナーの製造方法
及び該トナーを用いた画像形成方法を提供することにあ
る。
【0016】即ち、本発明の目的は、環境差が小さく、
良好な帯電性が得られるトナー、該トナーの製造方法及
び該トナーを用いた画像形成方法を提供することにあ
る。
【0017】本発明の更なる目的は、環境差が小さく、
良好な画像濃度が得られるトナー、該トナーの製造方法
及び該トナーを用いた画像形成方法を提供することにあ
る。
【0018】本発明の更なる目的は、連続画像出力にお
いても良好な転写性が保てるトナー、該トナーの製造方
法及び該トナーを用いた画像形成方法を提供することに
ある。
【0019】本発明の更なる目的は、良好な定着性を有
するトナー及び該トナーの製造方法、該トナーを用いた
画像形成方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも結
着樹脂、着色剤、離型剤、硫黄元素含有重合体を含有す
るトナー粒子および外添剤を有するトナーであって、該
トナー粒子が、マグネシウム、カルシウム、バリウム、
亜鉛、アルミニウム及び燐からなるグループより選ばれ
る少なくとも一種の元素を含有し、上記元素の含有量の
合計が100乃至30000ppm(トナー粒子質量基
準)含有することを特徴とするトナーに関する。また本
発明は、上記トナーの製造方法及び上記トナーを用いた
画像形成方法に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】従来、湿式法においてトナーを製
造する際に用いられる分散安定剤は、各粒子を均一分散
させるというメリットを持つ反面、分散安定剤を完全に
除去することが困難でトナー表面に多量に残留する場合
には、摩擦帯電特性等に悪影響を生じ、特に高温高湿に
おける画像特性が悪化するというデメリットを持ってい
た。
【0022】これに対して、本発明者らは鋭意検討の結
果、請求項記載の構成とすることで、環境に左右されず
安定した帯電性を有し、且つ定着性にも優れており、良
好な画像を得ることのできるトナーを見出した。
【0023】詳細なメカニズムに関してはまだ不明なと
ころもあるが、本発明者らは以下のように考えている。
【0024】一般的に分散安定剤に起因するトナー粒子
表面の残存物質とは、分散安定剤自体であり、その除去
が不十分な場合、分散安定剤が吸湿性を有しているた
め、トナー表面が水分を吸着し、その結果、トナーの帯
電特性を低下させてしまう。
【0025】これに対し本発明のトナーにおいては、硫
黄元素含有重合体が含有されているため、硫黄元素含有
重合体の硫黄元素と、分散安定剤に含有されているマグ
ネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム
及び燐の如き元素とが引き付け合い、安定した状態をと
るようになり、トナー粒子の表面はもとより内部に分散
して存在するようになると考えられる。特に、硫黄がス
ルホン酸基の状態で硫黄元素含有重合体に含有されてい
る場合には、硫黄元素が上記の金属と極めて安定した状
態を形成するようになり、トナー粒子全体への分散がよ
り良好に行われるようになる。このようなトナー粒子に
おいては、硫黄元素とマグネシウム、カルシウム、バリ
ウム、亜鉛、アルミニウム及び燐の如き元素とが安定し
た状態で、トナー粒子の内部に多く存在するようになる
ため、水分の影響を受けにくくなり、帯電の環境安定性
に優れたトナーとなる。特に、該重合体がスルホン酸基
を有する場合には、吸湿性が小さくなるため、水分に起
因する帯電量の変動は極めて良好に抑制される。また、
トナー粒子において、着色剤は凝集しやすいものである
が、本発明のトナーにおいては、硫黄元素と上記の元素
とのトナー粒子内部への分散に乗じて、着色剤がほぐさ
れてトナー粒子中への着色剤の分散が促進されるように
なるため、トナー粒子中における着色剤の分散が良好に
行れる。更には、着色剤の分散が高まることにより、着
色剤粒子の表面に付着した形でワックスの一部が結着樹
脂中に点在するような状態となり、トナーの定着性が向
上する。
【0026】即ち、本発明のトナーは、帯電の環境安定
性を低下させるトナー粒子表面の分散安定剤の存在量を
抑えつつ、トナー粒子内部への特定の金属元素の分散を
促進させて、着色剤及びワックスの一部の分散を促し、
良好な帯電性の達成に加えて、定着性及び着色力とを改
善したものである。
【0027】さらに、上記硫黄元素含有重合体は、ある
程度の酸価を有することが好ましく、一般的に塩基性を
有することの多い着色剤との組み合わせにおいて、該重
合体の酸と着色剤表面の塩基が結合し、いわば着色剤は
表面処理された状態になる。このことにより着色剤を電
荷のリークポイントとする電荷のリークが抑制され、ト
ナーの帯電量分布がより均一になり、連続画像出力をし
た場合においても高い転写性を維持することができるよ
うになる。また、酸と塩基の結合が生じることにより、
硫黄元素含有重合体のトナー内部への分散に乗じて、ト
ナー内部への着色剤の分散が更に良好に達成されるた
め、安定した画像濃度を得ることができるようになる。
【0028】さらに、詳しくは後述するが、該硫黄元素
含有重合体のガラス転移点が50〜100℃であること
や、上記重合体がスルホン酸基を有する重合体であり、
該重合体中のスルホン酸基を有するモノマーに由来する
ユニットの割合及び該重合体中の残存モノマーの量が特
定の範囲内にあるような場合には、連続画像出力におけ
る画像品質維持に更なる効果をもたらすことが確認され
ている。このような効果は、上記の如き構成をとること
によって、水分の影響がより小さくなり、かつトナーの
帯電量分布がより均一化することによるものと考えられ
る。この他に、硫黄元素含有重合体と縮合系樹脂を併用
することで上述の効果に好影響を与えることも見出して
いる。
【0029】本発明においては、トナー粒子がマグネシ
ウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び
燐をトナー粒子質量基準で、合計100ppm乃至30
000ppm含有しており、好ましくは100ppm乃
至25000ppm、さらに好ましくは100ppm乃
至20000ppm、最も好ましくは100ppm乃至
9000ppm含有されていることが良い。
【0030】上記の金属元素の含有量が100ppm未
満の場合には、硫黄元素含有重合体と金属元素とが引き
付け合った安定した状態を形成しにくく、トナー粒子内
部への分散性が低下するようになり、そのため、着色剤
のトナー粒子内部への分散を促進させる効果が十分に得
られなくなり、帯電の安定性に劣るようになってしま
う。また、100ppm未満であると、帯電のリークポ
イントが少なくなるためトナーの摩擦帯電量が低湿環境
下において、チャージアップし易くなる。さらに100
ppm未満とするためには洗浄工程が複雑になり、生産
効率が著しく低下する。
【0031】上記の金属元素の含有量が30000pp
mを超える場合には、高湿環境下において、急激な帯電
量ダウンが見られ、それに伴いカブリが発生する。さら
に、低湿環境下の定着性が著しく低下し、フルカラーの
画像形成時の定着性に劣る様になる。
【0032】外添剤を有するトナーにおいて上記元素の
含有量の測定を行う場合には、トナーを洗浄した後、水
中で振動を与えながら再洗浄をすることによって外添剤
を除き、トナー粒子のみにしてから測定を行う。
【0033】具体的に一例を挙げると、 (1)該外添剤を有するトナー10gを10%塩酸15
0ml中に添加し、2時間攪拌をする。 (2)上記(1)の分散液をJIS P 3801 5
種C(保留粒子径3μm)の濾紙を用いて、固液体分離
をする。 (3)得られたケーキをイオン交換水150ml中に添
加し、攪拌をしつつ超音波分散を10分行う。 (4)上記(3)の分散液をJIS P 3801 5
種C(保留粒子径3μm)の濾紙を用いて、固液体分離
をする。 (5)再度、イオン交換水150mlで洗浄する。 (6)得られたケーキを40℃で24時間乾燥させる。
【0034】こうして外添剤を取り除いた後、トナー粒
子に対して蛍光X線分析やプラズマ発光分析(ICP)
やESCAなどの公知の分析方法を用いて上記元素の定
量を行うことが出来る。
【0035】後述の実施例において、各元素の測定は、
蛍光X線分析を用いて行い、その詳細はJIS−KO1
19に準ずる。 (1)使用装置について 蛍光X線分析装置3080(理学電気(株)) 試料プレス成型機MAEKAWA Testing M
achine(MFGCo.,LTD製) (2)検量線の作成について 定量目的の複合化合物をコーヒーミルを用いて5水準外
添し、サンプルを作成する。上記サンプルを試料プレス
成型機を用いてプレス成形する。2θテーブルより複合
化合物中〔M〕Kαピーク角度(a)を決定する。蛍光
X線分析装置中へ検量線サンプルを入れ、資料室を減圧
し真空にする。以下の条件にて各々のサンプルのX線強
度を求め検量線(重量比:ppm表示)を作成する。 (3)測定条件について 測定電位、電圧 50kV、50〜70mA 2θ角度 a 結晶板 LiF 測定時間 60秒 (4)トナー粒子中の上記元素の定量について 上記検量線と同様の方法でサンプル成形した後、同じ測
定条件にてX線強度をもとめ、検量線より含有量を算出
する。
【0036】次に、本発明において用いられる硫黄元素
含有重合体について説明する。
【0037】硫黄元素含有重合体をトナーに含有させる
ことにより、摩擦帯電量を高めることができるというこ
とは、従来、知られてきた事項であり、本発明において
も硫黄元素含有重合体をトナーに含有させることによ
り、高い帯電量を有するトナーを得ている。
【0038】硫黄元素含有重合体としては、スルホン酸
基を有する重合体であることが好ましい。スルホン酸基
を重合体中に含有することで、マグネシウム、カルシウ
ム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐の如き金属
と、より安定した状態をとるようになり、トナー粒子中
への着色剤の分散が更に促進され、加えて着色剤の分散
による一部のワックスの分散も向上する。
【0039】本発明においては、硫黄元素含有重合体中
の残存モノマーの量は好ましくは1000ppm以下で
あり、300ppm以下であることがより好ましい。ま
た、残存モノマー量が、1000ppmを超える場合に
は、所望される帯電特性が得られず、連続画像出力にお
いて安定した画像濃度が得られにくくなる。
【0040】さらに、硫黄元素含有重合体のガラス転移
点(Tg)は50℃乃至100℃が好ましい。より好ま
しくは70℃より高く100℃以下、さらに好ましくは
73℃乃至100℃である。ガラス転移点が50℃未満
の場合には、トナーの流動性、保存性に劣り、さらに転
写性にも劣るようになる。ガラス転移点が100℃を超
える場合には、トナー印字率の多い画像の時の定着性に
劣るようになる。
【0041】硫黄元素含有重合体を製造するために用い
られる硫黄元素を含有する単量体としては、スチレンス
ルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、
或いは、下記構造を有するマレイン酸アミド誘導体、マ
レイミド誘導体、スチレン誘導体が挙げられる。好まし
くは、スルホン酸基を含有する(メタ)アクリルアミド
である。
【0042】
【外1】
【0043】本発明に係る硫黄元素含有重合体は、上記
単量体の単重合体であっても構わないが、上記単量体と
他の単量体との共重合体であることが好ましい。上記単
量体と共重合体をなす単量体としては、ビニル系芳香族
炭化水素、(メタ)アクリル酸エステルの如き重合性単
量体が好ましく用いられる。より具体的には、以下に例
示する如き単量体を用いることができる。
【0044】単官能性重合性単量体としては、スチレ
ン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシル
スチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニル
スチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシル
スチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレ
ンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチレ
アクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プ
ロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso
−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレー
ト、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルア
クリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシル
アクリルレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォ
スフェートエチアクリレート、ジエチルフォスフェート
エチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルア
クリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート
の如きアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、i
so−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレ
ート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチ
ルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘ
キシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタク
リレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレー
ト、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如
きメタクリル酸エステル;メチレン脂肪族モノカルボン
酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ
ニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステ
ル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビ
ニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニル
メチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロ
ピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
【0045】多官能性重合性単量体としては、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、トリエチレングリコール
ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、トリプロピレングリコールジア
クリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレー
ト、2,2′−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキ
シ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタ
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリ
コールジメタクリレート、2,2′−ビス(4−(メタ
クリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,
2′−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フ
ェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、テトラメチロールメタントテラメタクリレー
ト、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニル
エーテルが挙げられる。
【0046】硫黄元素含有重合体は、硫黄元素を有する
モノマーに由来するユニットを0.01乃至20質量%
含有することが好ましく、より好ましくは0.05乃至
10質量%、さらに好ましくは0.1乃至7質量%含有
することが好ましい。0.01質量%未満の場合には、
硫黄元素含有重合体の添加効果が十分に得られず、また
20質量%を超える場合には、本発明の分散剤起因の元
素が多く残り、定着性が特に悪化する。
【0047】硫黄元素含有重合体の製造方法は、塊状重
合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、イオン重合等があ
るが、操作性などの面から溶液重合が好ましい。
【0048】該硫黄元素含有重合体は、
【外2】
【0049】の如き構造を有する。カウンターイオンと
しては、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオ
ン、カルシウムイオン、アンモニウムイオンであること
が良く、より好ましくは水素イオンである。
【0050】硫黄元素含有重合体の酸価(mgKOH/
g)は3乃至80が好ましく、より好ましくは5乃至4
0、さらに好ましくは10乃至30である。
【0051】酸価が3未満の場合には、十分な電荷制御
作用が得られにくく、かつ環境安定性に劣る傾向があ
る。逆に、酸価が50を超える場合には、この様な重合
体を含有する組成物を用いて、懸濁重合で粒子を造る場
合、トナー粒子がいびつな形状を有する様になり、円形
度が小さくなってしまい、含有する離型剤がトナー表面
に現れ、現像性の低下を引き起こしやすくなる。
【0052】硫黄元素含有重合体は、結着樹脂100質
量部当り0.01乃至15質量部含有されていることが
好ましく、より好ましくは0.1乃至10質量部が良
い。
【0053】上記硫黄元素含有単量体の含有量が0.0
1質量部未満の場合には、十分な電荷制御作用が得られ
にくく、15質量部を超えると、懸濁重合法によりトナ
ーの製造を行う際には、造粒性が低下し、現像性や転写
性の低下を引き起こす。
【0054】更に、本発明においては、結着樹脂100
質量部当り0.001乃至3質量部の硫黄元素を有する
モノマーに由来するユニットを含有していることが好ま
しく、更には0.005乃至2質量部、特には0.01
乃至1.5質量部が好ましい。
【0055】トナー中の硫黄元素含有重合体の含有量
は、キャピラリー電気泳動法などを用いて測定すること
ができる。
【0056】硫黄元素含有重合体の分子量は、重量平均
分子量(Mw)が500乃至100000が好ましい。
より好ましくは1000乃至70000であり、さらに
好ましくは5000乃至50000である。重量平均分
子量(Mw)が500未満の場合には、トナーの流動性
に劣るようになりやすく、転写性の低下が生じる。重量
平均分子量(Mw)が100000を超える場合には、
単量体への溶解に時間がかかることに加え、顔料の分散
性を向上させる効果が小さくなり、トナーの着色力が低
下してしまう。
【0057】硫黄元素含有重合体の揮発分は0.01%
乃至2.0%が好ましい。揮発分を0.01%未満とす
るためには、揮発分除去工程が複雑になり、揮発分が
2.0%を超える場合には、高温高湿下での帯電、特に
放置後の帯電に関して劣る様になる。尚、揮発分とは、
高温(135℃)で1時間加熱したときに減少する重量
の割合である。
【0058】硫黄元素含有重合体のMELTINDEX
値(MI値;g/10min)は、0.1乃至100が
好ましく、より好ましくは0.2乃至80が良い。MI
値が0.1未満の場合には樹脂の単量体への溶解が困難
となり、モノマー系が不均一となるため、結果として良
好な粒度分布を有するトナーが得られにくくなる。MI
値が100を超える場合には、樹脂がシャープメルト過
ぎるため、トナー化した時に耐ブロッキング性に劣るよ
うになり、耐久性を低下させる傾向にある。MI値の測
定方法は、JIS規格K7210のA法に準拠して行わ
れ、測定値を10分値に換算する。
【0059】なお、上記の如き物性を求めるにあたっ
て、硫黄元素含有重合体のトナーからの抽出を必要とす
る場合には、抽出方法は特に制限されるものではなく、
任意の方法が扱える。
【0060】本発明に用いられる結着樹脂としては公知
の結着樹脂のいずれも用いることができ、例えばスチレ
ン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸
エステル樹脂の如きスチレン系共重合体またはポリエス
テル樹脂が例示される。
【0061】離型剤としては、重量平均分子量(Mw)
が350乃至4000、数平均分子量(Mn)が200
乃至4000であることが好ましく、より好ましくはM
wが400乃至3500、Mnが250乃至3500で
ある。Mwが350未満、Mnが200未満の場合に
は、トナーの耐ブロッキング性が低下する傾向にあり、
Mwが4000を超え、Mnが4000を超える場合に
は、離型剤自体の結晶性が高まり、OHP定着画像の透
明性が低下する傾向にある。
【0062】離型剤の分子量及び分子量分布はGPCに
より次の条件で測定される。
【0063】(GPC測定条件)装置:GPC−150
C(ウォーターズ社) カラム:GMH−MT30cm2連(東ソー社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入 以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単
分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲
線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度
式から導き出される換算式でポリエチレン換算すること
によって算出される。
【0064】離型剤は、融点(温度20乃至200℃の
範囲におけるDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークに対応す
る温度)が30乃至120℃、より好ましくは50乃至
110℃であるものが良い。また、室温で固体の固体ワ
ックスが好ましく、特に融点50乃至110℃の固体ワ
ックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低
温定着性、耐オフセット性の点で良い。
【0065】ワックスとしては、パラフィンワックス、
ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、フィッシャートロピッシュワックスの如きポリメチ
レンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アル
コール、エステルワックス、ケトンワックス及びこれら
のグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体が挙げ
られ、これらは低分子量成分が除去されたDSC吸熱曲
線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。
【0066】好ましく用いられるワックスとしては、炭
素数15乃至100個の直鎖状のアルキルアルコール、
直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステル或い
は、モンタン系誘導体が挙げられる。これらワックスか
ら液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものも好
ましい。
【0067】さらに、好ましく用いられるワックスは、
アルキレンを高圧下でラジカル重合或いは低圧下でチー
グラー触媒又は、その他の触媒を用いて重合した低分子
量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマ
ーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;アルキレ
ンを重合する際に副生する低分子量アルキレンポリマー
を分離精製したもの、;一酸化炭素及び水素からなる合
成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素ポリマーの
蒸留残分から、或いは、蒸留残分を水素添加して得られ
る合成炭化水素から、特定の成分を抽出分別したポリメ
チレンワックスが挙げられる。これらワックスには酸化
防止剤が添加されていてもよい。
【0068】定着画像の透光性を向上させるためには、
固体エステルワックスが好ましい。
【0069】エステルワックスとしては、下記式(l)
乃至(Vl)で示される化合物から形成されているもの
が挙げられる。
【0070】
【外3】
【0071】(式中、a及びbは0〜4迄の整数であ
り、a+bは4である。R及びRは炭素数が1〜4
0の有機基であり、RとRとの炭素数差が3以上で
ある。m及びnは0〜25の整数であり、mとnは同時
に0になることはない。)
【外4】
【0072】(式中、a及びbは0〜3の整数であり、
a+bは1乃至3であり、a+b+k=4である。R
及びRは炭素数が1〜40の有機基であり、RとR
との炭素数差が3以上である。Rは水素原子又は炭
素数が1以上の有機基である。但し、a+b=2のと
き、少なくともR3のどちらか一方は、炭素数が1以上
の有機基である。kは1〜3の整数である。m及びnは
0〜25の整数であり、mとnが同時に0になることは
ない。)
【外5】
【0073】(式中、R及びRは炭素数6〜32を
有する有機基であり、RとRは同じものであって
も、異なっていても良い。Rは炭素数1〜20を有す
る有機基を示す。)
【外6】
【0074】(式中、R及びRは炭素数6〜32を
有する有機基であり、RとRは同じものであって
も、異なっていてもよい。Rは、−(CH−で
あり、nは1〜20の整数を示す。)
【外7】
【0075】(式中、aは0〜3の整数であり、bは1
〜4の整数であり、a+bは4である。Rは炭素数が
1〜40の有機基である。m及びnは0〜25の整数で
あり、mとnが同時に0になることはない。)
【外8】
【0076】〔式中、R及びRは炭素数15〜45
を有する炭化水素基をそれぞれ示す。〕 具体的には、以下のものが例示される。尚、以下に示す
離型剤は、例示した構造式で表される化合物を50質量
%以上含むものである。
【0077】
【外9】
【0078】
【外10】
【0079】更には、トータルの炭素数が同一のエステ
ル化合物を50〜95質量%(ワックス基準)含有して
いるエステルワックスが中でも好ましい。トータルの炭
素数が同一のエステル化合物の含有量は、下記に説明す
るガスクロマトグラフィー法(GC法)によって測定す
ることができる。
【0080】ガスクロマトグラフィー法(GC法)によ
る炭素数が同一のエステル化合物の含有量の測定には、
GC−17A(島津製作所製)が用いられる。試料は、
予めトルエンに1質量%濃度で溶解させた溶液1μlを
オンカラムインジェクターを備えたGC装置に注入す
る。カラムは、0.5mm径×10m長のUltraA
lloy−1(HT)を用いる。カラムは初め40℃か
ら40℃/min.の昇温スピードで200℃迄昇温さ
せ、更に15℃/min.で、350℃迄昇温させ、次
に7℃/min.の昇温スピードで450℃迄昇温させ
る。キャリアガスは、Heガスを50kPaの圧力条件
で流す。化合物種の同定は、別途炭素数が既知のアルカ
ンを注入し同一の流出時間同士を比較したり、ガス化成
分をマススペクトマトグラフィーに導入することで構造
を同定する。エステル化合物の含有量はクロマトグラム
の総ピーク面積に対するピーク面積の比を求めることで
算出する。
【0081】離型剤として、上記の如き構造式を有する
エステル化合物を有するエステルワックスを用いた場合
には、良好な透明性を有し、且つ定着性に優れたトナー
が得られる。
【0082】特に、この離型剤と硫黄元素含有重合体と
を重合性単量体に溶解させた後、マグネシウム、カルシ
ウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、或いは燐を有す
る分散安定剤が存在する水系媒体中に分散させ、その
後、重合性単量体の重合反応を進めることによってトナ
ーの製造を行った場合には、トナー粒子中におけるワッ
クスの分散が良好に行なわれており、帯電量が大きく、
且つ適正帯電値に到達するまでの速度が速く、さらに多
数枚耐久において、摩擦帯電量の変動の少ない優れたト
ナーが得られる。
【0083】重合法により、トナーを生成する場合に
は、離型剤は、重合性単量体100質量部に対して1乃
至40質量部(より好ましくは、10〜30質量部)配
合することが好ましく、トナーとしては、結着樹脂10
0質量部当り離型剤1乃至40質量部(より好ましく
は、10〜30質量部)含有されるのが良い。
【0084】溶融混練粉砕法により、トナーを生成する
場合には、離型剤はトナー中に結着樹脂100質量部当
り1乃至10質量部(より好ましくは1〜5質量部)含
有されていることが好ましい。
【0085】溶融混練粉砕法による乾式トナー製法に比
べ重合法にトナー製法においては、トナー内部に極性樹
脂により多量の離型剤を内包化させ易いので乾式トナー
製法と比較し、一般に多量の離型剤を用いることが可能
となり、定着時のオフセット防止効果は更に優れたもの
となる。
【0086】該離型剤の添加量が下限より少ないとオフ
セット防止効果が低下しやすく、上限を超える場合では
耐ブロッキング効果が低下し耐オフセット効果にも悪影
響を与えやすく、トナーのドラム融着、トナーの現像ス
リーブ融着を起こしやすく、重合法によりトナーを生成
する場合には粒度分布の広いトナーが生成する傾向にあ
る。
【0087】本発明に使用される離型剤は溶解度パラメ
ーター(SP)値が、7.6〜10.5の範囲であるこ
とが好ましい。SP値が、7.6未満の値を示す離型剤
は、用いる重合性単量体又はバインダー樹脂との相溶性
が乏しく結果的にバインダー樹脂中への良好な分散が得
られにくく、多数枚複写時又はプリント時において該離
型剤の現像スリーブへの付着が生じやすく、トナーの帯
電量が変化しやすくなる。更に地カブリ、トナー補給時
のトナーの濃度変動も起こしやすい。SP値が10.5
を超える離型剤を用いる場合には、トナーを長期保存し
た際にトナー同士のブロッキングが発生しやすい。更
に、バインダー樹脂との相溶性が良すぎるため定着時に
おいて定着部材とトナー間に十分な離型性層が形成しに
くく、オフセット現象を起こしやすい。
【0088】溶解度パラメーター(SP)値は、原子団
の加成性を利用したFedorsの方法(Polym.
Eng.Sci.,14(2)147(1974))を
用いて算出することができる。
【0089】本発明に使用される離型剤は、135℃に
おける溶融粘度は1〜300cPsであることが好まし
く、更に好ましくは3〜50cPsを有する離型剤が特
に好ましい。1cPsより低い溶融粘度を有する場合
は、非磁性一成分現像方式で塗布ブレード等により現像
スリーブにトナー層を薄層コーティングする際、機械的
なズリカによりスリーブ汚染を招きやすい。二成分現像
方法においてはキャリア粒子とトナーとを用いて静電荷
像を現像する際に、トナーとキャリア粒子間のズリカに
よりトナーがダメージを生じやすく、外添剤の埋没、ト
ナーの破砕も生じやすい。300cPsを超える溶融粘
度を有する場合には、重合法を用いてトナーを製造する
際、重合性単量体組成物の粘度が高くなり、粒度分布の
シャープな微小粒径のトナーを得ることが困難となる。
【0090】離型剤の溶融粘度は、HAAKE社製VP
−500にてコーンプレート型ローター(PK−1)を
用いて測定することができる。
【0091】また、離型剤の針入度は、14以下、好ま
しくは4以下、さらに好ましくは3以下が望ましい。針
入度が14を超える場合には、感光ドラム表面上にフィ
ルミングを発生し易くなる。尚、針入度の測定は、JI
S−K2235に準ずる。
【0092】なお、上記の如き物性を求めるにあたっ
て、離型剤のトナーからの抽出を必要とする場合には、
抽出方法は特に制限されるものではなく、任意の方法が
扱える。
【0093】一例を挙げると、所定量のトナーをトルエ
ンにてソックスレー抽出し、得られたトルエン可溶分か
ら溶剤を除去した後、クロロホルム不溶分を得る。
【0094】その後、IR法などにより同定分析をす
る。
【0095】また、定量に関しては、DSCなどにより
定量分析を行う。
【0096】本発明のトナーは、結着樹脂の他に、縮合
系樹脂を添加しても良い。縮合系樹脂を添加すること
で、重合法トナーの場合、造粒性、帯電量の環境安定
性、現像性及び転写性を向上させることが可能である。
該縮合系樹脂は、重量平均分子量(Mw)が6,000
乃至100,000であることが好ましく、より好まし
くは6,500乃至85,000、更に好ましくは6,
500乃至45,000である。
【0097】縮合系樹脂の重量平均分子量が6,000
未満の場合、連続画像出力においてトナー表面の外添剤
が耐久によって埋没しやすく、転写性の低下を招きやす
くなる。逆に、重量平均分子量が100,000を超え
る場合には、重合性単量体に縮合系樹脂を溶解するのに
時間を多く費やしてしまう。さらに、重合性単量体組成
物の粘度が上昇し、粒径が小さくかつ、粒度分布の揃っ
たトナーが得にくくなる。
【0098】該縮合系樹脂は、数平均分子量(Mn)が
3,000乃至80,000であることが好ましく、よ
り好ましくは3,500乃至60,000、更に好まし
くは3,500乃至12,000である。該縮合系樹脂
は、ゲルパーミエーションクロマトグラム(GPC)に
おける分子量分布のメインピーク値(Mp)が、分子量
4,500乃至40,000の領域、より好ましくは分
子量6,000乃至30,000の領域に存在すること
が良い。より好ましくは分子量6,000乃至20,0
00の領域である。上記範囲外であると重量平均分子量
の場合と同様の傾向を示す。
【0099】該縮合系樹脂はMw/Mnが1.2乃至
3.0、より好ましくは1.5乃至2.5が良い。Mw
/Mnが1.2未満の場合には、トナーの多数枚耐久性
及び耐オフセット性が低下し、3.0を超える場合に
は、低温定着性の面で、範囲内のものよりも、若干劣っ
てしまう。
【0100】該縮合系樹脂はガラス転移点(Tg)が、
50乃至100℃、好ましくは50乃至95℃が良い。
より好ましくは55乃至90℃が良い。ガラス転移点が
50℃未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低
下する。ガラス転移点が100℃を超える場合には、ト
ナーの耐低温オフセット性が低下する。なお、Tgは中
点法により求められる値を示す。
【0101】該縮合系樹脂の酸価(mgKOH/g)
は、0.1乃至35、好ましくは3乃至35、より好ま
しくは4乃至35、さらに好ましくは5乃至30であ
る。酸価が0.1未満の場合には、トナーの帯電量の立
ち上がりが遅く、カブリが生じやすくなる。酸価が35
を超える場合には、高温高湿下に放置した後のトナーの
摩擦帯電特性が変動しやすく、連続画像出力において画
像濃度が変動しやすくなる。さらに、縮合系樹脂の酸価
が35を超える場合には、縮合系樹脂のポリマー相互間
の親和力が強くなるために縮合系樹脂が重合性単量体に
溶解しにくくなり、均一な重合性単量体組成物を調製す
るのに時間がかかるようになる。
【0102】該縮合系樹脂の水酸基価(mgKOH/
g)は0.2乃至50、好ましくは5乃至50、より好
ましくは7乃至45であるのが良い。水酸基価が0.2
未満の場合には、水系媒体中の重合性単量体組成物の粒
子の表面に縮合系樹脂の局在化が起こりにくくなる。水
酸基価が50を超える場合、最適範囲内のものと比較す
ると、高温高湿下において放置した後のトナーの帯電量
特性が若干低くなる傾向が見られ、連続画像出力におい
て画像濃度が変動しやすい。尚、該縮合系樹脂の抽出は
特に制限されるものではなく、任意の方法が扱える。
【0103】本発明においては、縮合系樹脂の酸価(A
)と硫黄元素含有重合体の酸価(AV)とが、A
<AVの関係を満たしていることが好ましい。こ
の場合には、湿式法によるトナー粒子の製造時の造粒工
程において、水系媒体中で、硫黄元素含有重合体が液滴
の最表面に偏在するようになるため、分散安定剤に由来
するマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アル
ミニウム及び燐の如き金属との接触機会が増加し、より
安定した構造を形成しやすくなり、トナー粒子の内部へ
の分散性がより高まる。
【0104】該縮合系樹脂は、結着樹脂100質量部に
対して0.1〜20質量部用いられることが好ましく、
より好ましくは1〜15質量部である。
【0105】硫黄元素含有重合体および縮合系樹脂のG
PCによる分子量及び分子量分布は以下の方法で測定さ
れる。
【0106】40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF
(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、T
HF試料溶液を100μl注入して測定する。試料の分
子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数
種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量
線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線
作成用の標準ポリスチレン試料としては、たとえば、東
ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が10〜1
程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポ
リスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはR
I(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販の
ポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良
くたとえば昭和電工社製のshodex GPC KF
−801,802,803,804,805,806,
807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSK
gelG1000H(H XL),G2000H(H
XL),G3000H(HXL),G4000H(H
XL),G5000H(H XL),G6000H(H
XL),G7000H(H XL),TSKguar
dcolumnの組み合わせが挙げられる。
【0107】試料は以下のようにして作製する。
【0108】試料をテトラヒドロフラン(THF)中に
入れ、数時間放置した後、十分振とうしTHFと良く混
ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に12時間以上
静置する。このときTHF中への放置時間が24時間以
上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター
(ポアサイズ0.45〜0.5μm、たとえば、マイシ
ョリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディ
スク25CR ゲルマン サイエンス ジャパン社製な
どが利用できる)を通過させたものを、GPCの試料と
する。試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlと
なるように調整する。
【0109】硫黄元素含有重合体および縮合系樹脂のガ
ラス転移点はDSC測定により求められる。
【0110】DSC測定では、測定原理から、高精度の
内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好
ましい。例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7が
利用できる。
【0111】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。測定は、1回昇温、降温させ前履歴を取
った後、温度測定10℃/minで、昇温させた時に測
定されるDSC曲線を用いる。
【0112】硫黄元素含有重合体および縮合系樹脂の酸
価は以下のように求められる。基本操作は、JIS−K
0070に準ずる。
【0113】試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、
樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg
数を酸価といい、次によって試験を行う。
【0114】(1)試薬 (a)溶剤の調製 試料の溶剤としては、エチルエーテル−エチルアルコー
ル混液(1+1または2+1)またはベンゼン−エチル
アルコール混液(1+1または2+1)を用いる。これ
らの溶液は使用直前にフェノールフタレインを指示薬と
して0.1モル/リットルの水酸化カリウムエチルアル
コール溶液で中和しておく。 (b)フェノールフタレイン溶液の調製 フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95v
/v%)100mlに溶かす。 (c)0.1モル/リットルの水酸化カリウム−エチル
アルコール溶液の調製 水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かし
エチルアルコール(95v/v%)を加えて1リットル
とし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJISK 80
06(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じ
て行う。
【0115】(2)操作 試料1〜20gを正しくはかりとり、これに溶剤100
mlおよび指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴
を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料
の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを0.1
モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶
液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中
和の終点とする。
【0116】(3)計算式 つぎの式によって酸価を算
出する。
【0117】
【外11】
【0118】硫黄元素含有重合体および縮合系樹脂の水
酸基価は以下のように求められる。基本操作は、JIS
−K0070に準ずる。
【0119】試料1gを規定の方法によってアセチル化
するとき水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水
酸化カリウムのmg数を水酸基価といい、つぎの試薬、
操作および計算式によって試験を行う。
【0120】(1)試薬 (a)アセチル化試薬の調製 無水酢酸25mlをメスフラスコ100mlに入れ、ピ
リジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜ
る。(場合によっては、ピリジンを追加しても良い)。
アセチル化試薬は、湿気、炭酸ガスおよび酸の蒸気に触
れないようにし、褐色びんに保存する。 (b)フェノールフタレイン溶液の調製 フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95v
/v%)100mlに溶かす。 (c)0.2モル/リットルの水酸化カリウム−エチル
アルコール溶液の調製 水酸化カリウム35gをできるだけ少量の水に溶かし、
エチルアルコール(95v/v%)を加えて1リットル
とし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJISK 80
06によって行う。
【0121】(2)操作 試料0.5〜20gを丸底フ
ラスコに正しくはかりとり、これにアセチル化試薬5m
lを正しく加える。フラスコの口に小さな漏斗をかけ、
95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸し
て加熱する。このときフラスコの首が浴の熱をうけて温
度の上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の
円盤をフラスコの首の付け根にかぶせる。1時間後フラ
スコを浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加え
て振り動かして無水酢酸を分解する。さらに分解を完全
にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間
加熱し、放冷後、エチルアルコール5mlで漏斗および
フラスコの壁を洗い、フェノールフタレイン溶液を指示
薬として0.2モル/リットルの水酸化カリウムエチル
アルコール溶液で滴定する。なお、本試験と並行して空
試験を行う。場合によっては、指示薬としてKOH−T
HF溶液にしても構わない。
【0122】(3)計算式 つぎの式によって水酸基価
を算出する。
【0123】
【外12】
【0124】本発明の縮合系樹脂としては、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ポリアミド、セルロースの如き樹脂を用いることが
できる。より好ましくは材料の多様性からポリエステル
が望まれる。
【0125】該縮合系樹脂として用いられるポリエステ
ル及び該離型剤として用いられるエステルワックスの製
造方法としては、例えば、酸化反応による合成法、カル
ボン酸及びその誘導体からの合成、マイケル不可反応に
代表されるエステル基導入反応、カルボン酸化合物とア
ルコール化合物からの脱水縮合反応を利用する方法、酸
ハロゲン化物とアルコール化合物からの反応、エステル
交換反応で製造される。触媒としては、エステル化反応
に使う一般の酸性、アルカリ性触媒、例えば酢酸亜鉛、
チタン化合物などでよい。その後、再結晶法、蒸留法な
どにより高純度化させてもよい。
【0126】特に好ましい製造方法は、原料の多様性、
反応のしやすさからカルボン酸化合物とアルコール化合
物からの脱水縮合反応である。
【0127】縮合系樹脂としてポリエステルを用いる際
のポリエステルの組成について以下に説明する。
【0128】ポリエステルは、全成分中45〜55mo
l%がアルコール成分であり、55〜45mol%が酸
成分であることが好ましい。
【0129】アルコール成分としては、エチルグリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジ
オール、水素化ビスフェノールA、下記式(1)
【外13】
【0130】(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を
示し、x,yはそれぞれ1以上の整数を示し、かつx+
yの平均値は2〜10を示す。)で示されるビスフェノ
ー誘導体、又は下記式
【外14】
【0131】で示されるジオールの如きジオール類が挙
げられる。
【0132】2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ジフェニル−
P・P′−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカル
ボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸,ジフェニ
ルメタン−P・P′−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−
4,4′−ジカルボン酸,1,2−ジフェノキシエタン
−P・P′−ジカルボン酸の如きベンゼンジカルボン酸
類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸、グリタル酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸、トリエチレンジカルボン酸、マロン酸の如きア
ルキルジカルボン酸類又はその無水物、またさらに炭素
数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換された
こはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、
シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又
はその無水物が挙げられる。
【0133】特に好ましいアルコール成分としては前記
(1)式で示されるビスフェノール誘導体であり、酸成
分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸又
はその無水物、こはく酸、n−ドデセニルコハク酸、又
はその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸
の如きジカルボン酸が挙げられる。
【0134】該縮合系樹脂は、2価のジカルボン酸及び
2価のジオールから合成することにより得ることが可能
であるが、場合により、3価以上のポリカルボン酸又は
ポリオールを本発明に悪影響を与えない範囲で少量使用
しても良い。
【0135】3価以上のポリカルボン酸としては、トリ
メリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカル
ボン酸類、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、
1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−
ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカル
ボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボ
キシルプロパン、1,3−ジカルボキシル−2−メチル
−メチレンカルボキシルプロパン、テトラ(メチレンカ
ルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラ
カルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。
【0136】3価以上のポリオールとしては、スルビト
ール、1,2,3,6−ヘキサンテトール、1,4−ソ
ルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
ール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4
−メタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパン
トリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオー
ル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられ
る。
【0137】本発明のトナーは、荷電制御剤を使用して
も良い。
【0138】トナーを負荷電性に制御する荷電制御剤と
しては、下記の物質が挙げられる。例えば、有機金属化
合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチル
アセトン金属化合物、尿素誘導体、含金属サリチル酸系
化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、4級アンモニウム
塩、カリックスアレーン、けい素化合物、ノンメタルカ
ルボン酸系化合物及びその誘導体が挙げられる。
【0139】又、トナーを正荷電性に制御する荷電制御
剤としては、下記の物質がある。例えば、ニグロシン及
び脂肪酸金属塩による変性物、トリブチルベンジルアン
モニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、
テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の
4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホ
ニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリ
フェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化
剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、
りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン
酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物
等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、
ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキ
サイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボ
レート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルス
ズボレート等のジオルガノスズボレート類;これらを単
独或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、ニグロシン系、4級アンモニウム塩の
如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
【0140】荷電制御剤は、トナー中の結着樹脂100
質量部当り、0.01乃至20質量部、より好ましくは
0.5乃至10質量部となる様に含有させるのが良い。
【0141】本発明のトナーは、着色剤を含有してい
る。黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、
以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒
色に調色されたものが利用される。
【0142】イエロー着色剤としては、顔料系として
は、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンス
ラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルア
ミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的に
は、C.I.PigmentYellow 3,7,1
0,12,13,14,15,17,23,24,6
0,62,74,75,83,93,94,95,9
9,100,101,104,108,109,11
0,111,117,123,128,129,13
8,139,147,148,150,166,16
8,169,177,179,180,181,18
3,185,191:1,191,192,193,1
99が好適に用いられる。染料系としては、例えば、
C.l.solventYellow33,56,7
9,82,93,112,162,163、C.I.d
isperse Yellow42.64.201.2
11が挙げられる。
【0143】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合
物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キ
ナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール
化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合
物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.
I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、4
8:2、48:3、48:4、57:1、81:1、1
22、146、166、169、177、184、18
5、202、206、220、221、254、C.
I.ピグメントバイオレッド19が特に好ましい。
【0144】シアン着色剤としては、銅フタロシアニン
化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染
料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.
ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、
15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利
用される。
【0145】これらの着色剤は、単独又は混合し更には
固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤
は、色相角,彩度,明度,耐候性,OHP透明性、トナ
ー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量
は結着樹脂100質量部に対し1乃至20質量部となる
様に添加して用いられる。
【0146】さらに本発明のトナーは磁性体を含有させ
磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性体は着
色剤の役割をかねることもできる。本発明において、磁
性トナー中に含まれる磁性体としては、マグネタイト、
ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、
ニッケルの如き金属、或いはこれらの金属とアルミニウ
ム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、ア
ンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシ
ウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナ
ジウムの如き金属との合金及びその混合物が挙げられ
る。
【0147】本発明に用いられる磁性体は、より好まし
くは、表面改質された磁性体が好ましく、重合法トナー
に用いる場合には、重合阻害のない物質である表面改質
剤により、疎水化処理を施したものが好ましい。このよ
うな表面改質剤としては、例えばシランカップリング
剤、チタンカップリング剤を挙げることができる。
【0148】これらの磁性体は平均粒子が2μm以下、
好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ましい。
トナー中に含有させる量としては結着樹脂100質量部
に対し20〜200質量部、特に好ましくは40〜15
0質量部となる様に含有させるのが良い。
【0149】796kA/m(10kエルステッド)印
加での磁気特性が保磁力(Hc)1.59〜23.9k
A/m(20〜300エルステッド)、飽和磁化(σ
s)50〜200emu/g、残留磁化(σr)2〜2
0emu/gの磁性体が好ましい。
【0150】本発明においては、トナーにおける各種の
特性向上を目的とした外添剤が用いられる。外添剤とし
ては、耐久性の点から、トナーの体積平均径の1/5以
下の粒径であるものが好ましい。添加剤の粒径とは、電
子顕微鏡におけるトナーの表面観察により求めたその平
均粒径を意味する。これら特性付与を目的とした外添剤
としては、たとえば、以下のようなものが用いられる。
【0151】流動性付与剤としては、酸化ケイ素、酸化
アルミニウム、酸化チタン、ハイドロタルサイトの如き
金属酸化物、カーボンブラック、フッ化カーボンが挙げ
られる。それぞれ、疎水化処理を行ったものが、より好
ましい。
【0152】研磨剤としては、チタン酸ストロンチウ
ム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、酸化クロムの如き金属酸化物、窒化ケイ素の如き窒
化物、炭化ケイ素の如き炭化物、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、炭酸カルシウムの如き金属塩が挙げられる。
【0153】滑剤としては、フッ化ビニリデン、ポリテ
トラフルオロエチレンの如きフッ素系樹脂粉末、ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属
塩が挙げられる。
【0154】荷電制御性粒子としては、酸化錫、酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウムの如き
金属酸化物、カーボンブラックが挙げられる。
【0155】これら外添剤は、トナー粒子100質量部
に対し、0.1〜10質量部が用いられ、好ましくは、
0.1〜5質量部が用いられる。これら外添剤は、単独
で用いても良く、また複数を併用しても良い。
【0156】本発明のトナーは、凝集度が1〜50%、
より好ましくは1〜30%、更には4〜30%、特には
4〜20%であることが現像性の点で好ましい。トナー
の凝集度は、値が小さい場合にはトナーの流動性が高
く、値が大きい場合にはトナーの流動性が低いと判断さ
れる。トナーの凝集度は、以下の方法で測定される。
【0157】パウダーテスター(ホソカワミクロン社
製)の振動篩機を用い、振動台に目開き33μm(40
0mesh)、77μm(200mesh)、154μ
m(100mesh)の篩を目開の狭い順に重なる様
に、即ち、目開き154μmの篩が最上位となる様に、
下から目開き33μmの篩、目開き77μmの篩、目開
き154μmの篩の順に重ねてセットする。このセット
した目開き154μmの篩上に試料を乗せ、振動台への
入力電圧が15Vになる様にし、その際の振動台の振幅
が60〜90μmの範囲に入る様に調整し、約25秒間
振動を加え、その後、各篩上に残った試料の重量を測定
し、下式に基づき凝集度を得る。凝集度の値が小さい
程、トナーの流動性は高い。なお、サンプル量は5gと
し、常温常湿環境(20℃/60%RH)下に7日間放
置させものを測定する。
【0158】
【外15】
【0159】本発明のトナーのガラス転移点(Tg)は
40乃至90℃、好ましくは50乃至80℃が良い。よ
り好ましくは50乃至70℃が良い。ガラス転移点が4
0℃未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下
する。ガラス転移点が90℃を超える場合には、トナー
の耐低温オフセット性、オーバーヘッドプロジェクター
用フィルムの透過画像の透明性が低下する。
【0160】また本発明のトナーは、DSC測定による
吸熱ピークの半値幅が、14℃以下、好ましくは、7℃
以下、さらに好ましくは4℃以下であることが好まし
い。半値幅が14℃を超える場合には、連続画像出力の
際に、静電荷像保持体を含めた周辺部材への汚染を招
き、均一性の良好な画像が得られない。
【0161】本発明のトナーのガラス転移点、半値幅の
測定も上述のDSC測定と同様にして求められる。基本
操作は、JIS−K0070に準ずる。
【0162】トナー中の結着樹脂のTHF不溶分の含有
量は、90質量%以下、より好ましくは70質量%以
下、最も好ましくは65質量%以下が好ましい。混練工
程が加わるものに関しては30質量%以下、より好まし
くは20質量%以下、最も好ましくは15質量%以下で
あることが好ましい。
【0163】結着樹脂のTHF不溶分とは、THF溶媒
に対して不溶性となった超高分子ポリマー成分(実質的
に架橋ポリマー)の質量割合を示す。結着樹脂のTHF
不溶分とは、以下のように測定された値をもって定義す
る。
【0164】結着樹脂約1gを秤量し(Wg)、円筒
濾紙(例えば東洋濾紙製No.86R)に入れてソック
スレー抽出器にかけ、THF溶媒としてTHF100〜
200mlを用いて6時間抽出しTHF溶媒によって抽
出された可溶成分をエバポレートした後、100℃で数
時間真空乾燥しTHF可溶樹脂成分量を秤量する(W
g)。結着樹脂のTHF不溶分は下記式から算出され
る。
【0165】
【外16】
【0166】本発明のトナーは、前記フロー式粒子像測
定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形
度スキャッタグラムにおいて、円相当個数平均径D1
(μm)は2乃至10μmであることが好ましく、且
つ、該トナーの平均円形度が0.920乃至0.995
で、円形度標準偏差が0.040未満であることが好ま
しい。より好ましくは平均円形度が0.950乃至0.
995で、円形度標準偏差値が0.035未満であるこ
とが良い。さらに好ましくは平均円形度が0.970乃
至0.995で、円形度標準偏差が0.015乃至0.
035未満であることが望まれる。また、円形度0.9
50未満のトナーの含有量が15個数%以下であること
が好ましい。さらに、円相当個数平均径の標準偏差を円
相当個数平均径で割った個数変動係数は、0.35以
下、特には0.30以下が好ましい。
【0167】円相当個数平均径が2乃至10μmである
トナーは、画像の輪郭部分、特に文字画像やラインパタ
ーンの現像での再現性に優れたものである。しかし、一
般にトナーを小粒径化すると必然的に微小粒子のトナー
の存在率が高くなる為、トナーを均一に帯電させること
が困難となり画像カブリを生じるばかりか、静電潜像担
持体表面や現像剤担持体への付着力が高くなり、結果と
して現像特性の低下が生じてしまいやすい。
【0168】しかし、トナーの円形度頻度分布の平均円
形度を0.920乃至0.995、好ましくは0.95
0乃至0.995、より好ましくは0.970乃至0.
995とすることにより、従来では困難であった小粒径
を呈するトナーの転写性が大幅に改善されると共に現像
能力も格段に向上する。
【0169】又、本発明のトナーは、円形度標準偏差が
0.040未満、好ましくは0.035未満とすること
により、現像性に関する問題を大幅に改善することが出
来る。
【0170】その理由としては、この様な円形度標準偏
差を有するトナーは、各々のトナーの帯電特性が均一に
近いため、トナー層厚規制部材や現像剤担持体から均
一、且つ、良好な摩擦帯電付与とトナーの搬送力を受け
ことが出来る為、現像剤担持体上のトナー帯電量やトナ
ーコート量を適切なものとすることが可能となるからだ
と考えている。
【0171】本発明の如き硫黄元素含有重合体を含んで
おり、かつ特定の元素を含有するトナーが、上記の円形
度の分布を有することで、常温常湿環境下だけでなく、
低温低湿から高温高湿といったあらゆる環境下におい
て、上記円形度に入らないトナーよりも帯電性及び転写
性がさらに改善されるため、ベタ部、ライン部の現像効
率や転写効率が向上し、均一性の高い画像が得られる。
この理由は、硫黄元素含有重合体を含み特定元素を含有
するトナー構成とすることで、吸湿性に関する影響を受
けず、電荷リークにも優れ、環境依存性に有利になるこ
とに加え、円形度分布の規定により、さらにトナーの帯
電量分布の均一化が促進されたことによる効果ではない
かと考えている。
【0172】上記の如き形状を有するトナーは、デジタ
ル方式の微小スポット潜像を現像する場合や、中間転写
体を用い多数回の転写を行うフルカラー画像形成の際に
非常に有効で、画像形成装置とマッチングも良好なもの
となる。
【0173】本発明における平均円形度は、粒子の形状
を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであ
り、本発明では東亜医用電子社製フロー式粒子像分析装
置FPIA−1000を用いて測定を行い、測定された
粒子の円形度を下式により求め、さらに下式で示すよう
に測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した
値を平均円形度と定義する。
【0174】
【外17】
【0175】なお、本発明で用いている測定装置である
「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、
平均円形度及び円形度標準偏差値の算出に当たって、粒
子を得られた円形度によって、円形度0.400〜1.
000の範囲を0.010間隔で、0.400以上0.
410未満、0.410以上0.420未満・・・0.
990以上1.000未満及び1.000の如くに61
分割し、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度及び
円形度標準偏差の算出を行う算出法を用いている。しか
しながら、この算出法で算出される平均円形度及び円形
度標準偏差の各値と、上述した各粒子の円形度を直接用
いる算出式によって算出される平均円形度及び円形度標
準偏差の各値との誤差は、非常に少なく、実質的に無視
できる程度であり、本発明においては、算出時間の短絡
化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理
由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式の概
念を利用し、一部変更したこの様な算出法を用いても良
い。
【0176】又、円相当個数平均径(D1)とは、トナ
ーの個数基準の粒径頻度分布の平均値を表し、粒度分布
の分割点iでの粒径(中心値)をdi、頻度をfiとす
ると下式の如く表される。
【0177】
【外18】
【0178】本発明における粒度分布の分割点は、下表
に示されるとおりである。
【0179】
【表1】
【0180】円形度及び円相当径の具体的な測定方法と
しては、ノニオン型界面活性剤約0.1mgを溶解して
いる水10mlにトナー約5mgを分散させ分散液を調
製し、超音波(20kHz、50W)を分散液に5分間
照射し、分散液濃度を5000〜20000個/μlと
して、上記フロー式粒子像測定装置を用い、0.60μ
m以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の
円形度分布を測定する。
【0181】測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行
のFPIA−1000のカタログ(1995年6月
版)、測定装置の操作マニュアル及び特開平8−136
439号公報に記載されているが、以下の通りである。
【0182】試料分散液は、フラットで扁平な透明フロ
ーセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って
広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対し
て交差して通過する光路を形成するように、ストロボと
CCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に
位置するように装着される。試料分散液が流れている間
に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を
得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それ
ぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2
次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画
像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径
として算出する。それぞれの粒子の2次元画像の投影面
積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて
各粒子の円形度を算出する。
【0183】本発明における「円形度」とは、トナー粒
子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の
場合1.000を示し、トナー形状が複雑になるほど円
形度は小さな値となる。
【0184】一般にトナー形状が不定形であるものは、
トナー凸部、又は、凹部での帯電均一性が低く、さら
に、不定形でもあるために静電潜像担持体とトナーとの
接触面積が増加することにより、トナー付着力が高くな
り、結果として転写残トナーの増加を招く。
【0185】具体的な測定方法としては、容器中に予め
不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意
し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアル
キルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、さらに測定試料
を0.02gを加え、均一に分散させる。分散手段とし
ては、超音波分散機UH−50型(エスエムテー社製)
に振動子として5のチタン合金チップを装着したものを
用い、5分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。
その際、該分散液の温度が40℃以上にならないように
適宜冷却する。
【0186】該分散液濃度を、測定時のトナー濃度が3
000〜1万個/μlとなるように再調整し、前記装置
を用いてトナーを1000個以上計測する。計測後、こ
のデータを用いてトナーの円相当径や円形度頻度分布等
を求める。
【0187】次に、本発明のトナーの製造方法について
説明する。
【0188】本発明のトナーを製造する方法としては、
特公昭36−10231号公報、特開昭59−5385
6号公報、特開昭59−61842号公報に記載されて
いる懸濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法によ
るトナー化;単量体には可溶で水溶性重合開始剤の存在
下で直接重合させてトナーを生成するソープフリー重合
法に代表される乳化重合法によるトナー化;マイクロカ
プセル製法のような界面重合法、in site重合法
によるトナー化;コアセルベーション法によるトナー
化;特開昭62−106473号公報や特開昭63−1
86253号公報に開示されている様な少なくとも1種
以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のものを得る会合重
合法によるトナー化;単分散を特徴とする分散重合法に
よるトナー化;非水溶性有機溶媒に必要な樹脂類を溶解
させた後水中でトナー化する乳化分散法によるトナー
化;さらに加圧ニーダーやエクストルーダー、或いはメ
ディア分散機等を用いてトナー成分を混練、均一に分散
せしめた後、冷却し、混練物を機械的又はジェット気流
下でターゲットに衝突させて所望のトナー粒径に微粉砕
し、更に分級工程を経て粒度分布をシャープにせしめて
トナーを製造する粉砕法、さらに粉砕法で得られたトナ
ーを溶媒中で加熱等により球形化処理しトナーを得る方
法が挙げられる。
【0189】中でも、懸濁重合法、会合重合法、乳化分
散法によるトナーの製造が好ましい。
【0190】さらに好ましくは小粒径のトナーが容易に
得られる懸濁重合方法が望まれる。さらに一旦得られた
重合粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を
用い重合せしめるシード重合方法も本発明に好適に利用
することができる。このとき、吸着せしめる単量体中
に、極性を有する化合物を分散あるいは溶解させて使用
することも可能である。
【0191】トナーの製造方法として懸濁重合を利用す
る場合には、以下の如き製造方法によって直接的にトナ
ーを製造することが可能である。単量体中に離型剤、着
色剤、硫黄元素含有重合体、重合開始剤、架橋剤、その
他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等に
よって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、マ
グネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウ
ム又は燐を含有する分散安定剤を有する水系媒体中に通
常の攪拌機またはホモミキサー、ホモジナイザーにより
分散せしめる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望の
トナーのサイズを有するように攪拌速度・時間を調整
し、造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒
子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の
攪拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、通常50〜
95℃(好ましくは55〜85℃)の温度に設定して重
合を行う。重合反応後半に昇温しても良く、必要に応じ
pHを変更しても良い。更に、定着時の臭いの原因とな
る未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために
反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去して
も良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過
により収集し、乾燥する。
【0192】造粒中の水系媒体中のpHは特に制約は受
けないが、好ましくは、pH4.5〜13.0、更に好
ましくは4.5〜12.0、特に好ましくは4.5〜1
1.0、最も好ましくは4.5〜7.5である。pHが
4.5未満の場合は分散安定剤の一部に溶解がおこり、
分散安定化が困難になり、造粒出来なくなることがあ
る。またpHが13.0を超える場合はトナー中に添加
されている成分が分解されてしまうことがあり、十分な
帯電能力が発揮出来なくなることがある。造粒を酸性領
域で行った場合には、分散安定剤がに由来する金属のト
ナー中における含有量が過剰となるのを抑制することが
でき、本発明の規定を満たすようなトナーが得られやす
くなる。
【0193】また、トナー粒子の洗浄をpH3以下、よ
り好ましくは、pH1.5以下の酸を用いて行うことが
好ましい。トナー粒子の洗浄を酸で行うことにより、ト
ナー粒子表面に存在する分散安定剤を低減することがで
きる。洗浄に用いる酸としては、特に限定されるもので
はなく、塩酸、硫酸の如き無機酸を用いることができ
る。
【0194】本発明に用いられる分散安定剤としては、
リン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、リン酸アル
ミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化
アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイドが挙げられ
る。
【0195】又、分散安定剤としては、少なくともマグ
ネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウ
ム、燐のいずれかが含まれているものが用いられるが、
好ましくは、マグネシウム、カルシウム、アルミニウ
ム、燐のいずれかが含まれていることが望まれる。
【0196】上記分散安定剤に有機系化合物、例えばポ
リビニルアルコール、ゼラチン、メチセルロース、メチ
ルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、
カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン
を併用しても構わない。
【0197】これら分散安定剤は、重合性単量体100
質量部に対して0.01〜2.0質量部を使用すること
が好ましい。
【0198】さらに、これら分散安定剤の微細化のため
0.001〜0.1質量%の界面活性剤を併用しても良
い。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型
の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリ
ウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸
ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫
酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル
硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナ
トリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウ
ムが好ましく用いられる。
【0199】本発明のトナーを重合法で製造する際に用
いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能な
ビニル系重合性単量体が用いられる。
【0200】該ビニル系重合性単量体としては、単官能
性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用する
ことが出来る。単官能性重合性単量体としては、スチレ
ン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン,p−n−ブチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシル
スチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニル
スチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシル
スチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレ
ンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチル
アクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プ
ロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso
−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレー
ト、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルア
クリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォス
フェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェート
エチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルア
クリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート
の如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレー
ト、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、iso−ブチメタクリレート、tert−
ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n
−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメ
タクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリ
レート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレート
の如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノ
カルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビ
ニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテ
ル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニ
ルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられ
る。
【0201】多官能性重合性単量体としては、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、トリエチレングリコール
ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、トリプロピレングリコールジア
クリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレー
ト、2,2′−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキ
シ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタ
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリ
コールジメタクリレート、2,2′−ビス(4−(メタ
クリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,
2′−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フ
ェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレー
ト、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニル
エーテルが挙げられる。
【0202】本発明においては、上記した単官能性重合
性単量体を単独或いは、2種以上組み合わせて、又は、
上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体
を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋
剤として使用することも可能である。
【0203】上記した重合性単量体の重合の際に用いら
れる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶
性開始剤が用いられる。例えば、油溶性開始剤として
は、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′
−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,
1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリルの如きアゾ化合物;アセチルシク
ロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピル
パーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイ
ド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
イソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの如き
パーオキサイド系開始剤が挙げられる。
【0204】水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム、2,2′−アゾビス(N,N′−
ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2′−ア
ゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス
(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又
は過酸化水素が挙げられる。
【0205】本発明においては、重合性単量体の重合度
を制御する為に、連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加
し用いることも可能である。
【0206】また本発明においては、架橋剤を用いて架
橋を有する樹脂とすることもでき、架橋剤として、2個
以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いること
ができる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
レンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコー
ルジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような
二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルア
ニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビ
ニルスルホンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビ
ニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もし
くは混合物として用いられる。
【0207】本発明のトナーは、一成分系現像剤用のト
ナーとして使用することも可能であり、キャリア粒子を
有する二成分系現像剤用のトナーとしても使用可能であ
る。
【0208】一成分系現像剤として用い、磁性体をトナ
ー中に含有せしめた磁性トナーの場合には、現像スリー
ブ中に内蔵せしめたマグネットを利用し、磁性トナーを
搬送及び帯電せしめる方法がある。磁性体を含有しない
非磁性トナーを用いる場合には、ブレード又はローラを
用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上
にトナーを付着せしめることで搬送せしめる方法があ
る。
【0209】二成分系現像剤として用いる場合には、本
発明のトナーとキャリアとを混合して現像剤として使用
する。磁性キャリアとしては、鉄、銅、亜鉛、ニッケ
ル、コバルト、マンガン、クロム元素からなる元素単独
又は複合フェライト状態で構成される。磁性キャリアの
形状として、球状、扁平又は不定形があり、そのいずれ
のものも用いることができる。更に磁性キャリア粒子表
面状態の微細構造(たとえば表面凹凸性)をもコントロ
ールすることが好ましい。一般的には、上記無機酸化物
を焼成、造粒することにより、あらかじめ、磁性キャリ
アコア粒子を生成した後、樹脂にコーティングする方法
が用いられている。磁性キャリアのトナーへの負荷を軽
減する意味合いから、無機酸化物と樹脂を混練後、粉
砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法や、さらに
は、直接無機酸化物とモノマーとの混練物を水系媒体中
にて懸濁重合せしめ真球状の磁性キャリアを得る方法も
利用することが可能である。
【0210】上記キャリア粒子の表面を樹脂で被覆した
被覆キャリアは、特に好ましい。その方法としては、樹
脂を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて、該溶液又は懸
濁液をキャリアに塗布し付着せしめる方法、単に樹脂粉
体とキャリア粒子とを混合して付着させる方法が適用で
きる。
【0211】キャリア粒子表面の被覆物質としてはトナ
ー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチ
レン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフ
ッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、
スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアシド、ポリビ
ニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が挙げられ
る。これらは単独或は複数で用いられる。
【0212】キャリアの磁性特性は以下のものが良い。
磁気的に飽和させた後の79.6kA/m(1kエルス
テッド)における磁化の強さ(σ 1000)は30乃
至300emu/cmであることが好ましい。さらに
高画質化を達成するために、好ましくは100乃至25
0emu/cmであることがよい。300emu/c
より大きい場合には、高画質なトナー画像が得られ
にくくなる。逆に、30emu/cm未満であると、
磁気的な拘束力も減少するためにキャリア付着を生じや
すい。
【0213】キャリア形状は丸さの度合いを示すSF−
1が180以下、凹凸の度合いを示すSF−2が250
以下であることが好ましい。SF−1、SF−2は以下
の式にて定義され、ニレコ社製のLuzexIIIにて測
定される。
【0214】
【外19】
【0215】本発明のトナーと磁性キャリアとを混合し
て二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像
剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは
4〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。
【0216】本発明のトナーが適用可能な画像形成方法
を添付図面を参照しながら以下に説明する。
【0217】本発明のトナーは、磁性キャリアと混合
し、例えば図3に示すような現像手段37を用いて画像
形成方法に適用することができる。具体的には交番電界
を印加しつつ、磁気ブラシが静電荷像保持体(例えば、
感光体ドラム)33に接触している状態で現像を行うこ
とが好ましい。現像剤担持体(現像スリーブ)31と感
光体ドラム33の距離(S−D間距離)Bは100〜1
000μmであることがキャリア付着防止及びドット再
現性の向上において良好である。100μmより狭いと
現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くな
り、1000μmを超えると磁石S1からの磁力線が広
がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣っ
たり、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生
じやすくなる。トナー41は、逐次現像器へ供給され、
攪拌手段35及び36でキャリアと混合され、固定磁石
34を内包している現像スリーブ31まで搬送される。
【0218】交番電界のピーク間の電圧は500〜50
00Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、
好ましくは500〜3000Hzであり、それぞれプロ
セスに適宜選択して用いることができる。この場合、波
形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty
比を変えた波形等種々選択して用いることができる。印
加電圧が、500Vより低いと十分な画像濃度が得られ
にくく、また非画像部のカブリトナーを良好に回収する
ことができない場合がある。5000Vを超える場合に
は磁気ブラシを介して、静電像を乱してしまい、画質低
下を招く場合がある。
【0219】良好に帯電したトナーを有する二成分系現
像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)
を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めること
ができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbac
kは、現像システムにもよるが150V以下、より好ま
しくは100V以下が良い。
【0220】コントラスト電位としては、十分画像濃度
がでるように200V〜500Vが好ましく用いられ
る。
【0221】周波数が500Hzにより低いとプロセス
スピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こ
るためにキャリア付着、あるいは潜像を乱すことで画質
を低下させる場合がある。10000Hzを超えると電
界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0222】十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優
れ、かつキャリア付着のない現像を行うために現像スリ
ーブ31上の磁気ブラシの感光体ドラム33との接触幅
(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにすることで
ある。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度
とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8
mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作
を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑える
ことが困難になる。現像ニップの調整方法としては、現
像剤規制部材32と現像スリーブ31との距離Aを調整
したり、現像スリーブ31と感光体ドラム33との距離
Bを調整することでニップ幅を適宜調整する。
【0223】特にハーフトーンを重視するようなフルカ
ラー画像の出力において、マゼンタ用、シアン用、及び
イエロー用の3個以上の現像器が使用され、本発明のト
ナーを用い、特にデジタル潜像を形成した現像システム
と組み合わせることで、磁気ブラシの影響がなく、潜像
を乱さないためにドット潜像に対して忠実に現像するこ
とが可能となる。転写工程においても本発明トナーを用
いることで高転写率が達成でき、したがって、ハーフト
ーン部、ベタ部共に高画質を達成できる。
【0224】さらに初期の高画質化と併せて、本発明の
トナーを用いることで多数枚の複写においても画質低下
が抑制され、本発明の効果が十分に発揮できる。
【0225】静電像保持体33上のトナー画像は、コロ
ナ帯電器の如き転写手段43により転写材へ転写され、
転写材上のトナー画像は、加熱ローラ46及び加圧ロー
ラ45を有する加熱加圧定着手段によって定着され、転
写材に定着画像が形成される。静電荷像保持体33上の
転写残トナーは、クリーニングブレードの如きクリーニ
ング手段44で静電像保持体33から除去される。本発
明のトナーは、転写工程での転写効率が高く、転写残ト
ナーが少ない上に、クリーニング性に優れているので、
静電荷像保持体上にフィルミングを生じにくい。さら
に、多数枚耐久試験を行っても従来のトナーよりも、本
発明のトナーは外添剤のトナー表面への埋没が少ないた
め、良好な画質を長期にわたって維持し得る。
【0226】良好なフルカラー画像を得るためには好ま
しくは、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、ブラック
用の現像器を有し、ブラックの現像が最後に行われる様
に配置された画像形成装置を用いることで引き締まった
画像を得ることができる。
【0227】マルチカラー又はフルカラー画像形成方法
を良好に実施し得る画像形成装置の一例を図4を参照し
ながら説明する。
【0228】図4に示されるカラー電子写真装置は、装
置本体の右側から装置本体の略中央部にわたって設けら
れている転写材搬送系Iと、装置本体の略中央に、上記
転写材搬送系Iを構成している転写ドラム415に近接
して設けられている潜像形成部IIと、上記潜像形成部
IIと近接して配設されている現像手段(すなわち回転
式現像装置)IIIとに大別される。
【0229】上記転写材搬送系Iは、以下の様な構成と
なっている。装置開口部に着脱自在な転写材供給用トレ
イ402及び403が一部機外に突出して配設されてい
る。該トレイ402及び403の略直上部には給紙ロー
ラ404及び405が配設され、これら給紙用ローラ4
04及び405と左方に配された矢印A方向に回転自在
な転写ドラム415とを連係するように、給紙用ローラ
406及び給紙ガイド407及び408が設けられてい
る。上記転写ドラム415の外周面近傍には回転方向上
流側から下流側に向かって当接用ローラ409、グリッ
パ410、転写材分離用帯電器422、分離爪412が
順次配設されている。
【0230】上記転写ドラム415の内周側には転写帯
電器413、転写材分離用帯電器414が配設されてい
る。転写ドラム415の転写材が巻き付く部分にはポリ
弗化ビニリデンの如き、ポリマーで形成されている転写
シート(図示せず)が貼り付けられており、転写材は該
転写シート上に静電的に密着貼り付けされている。上記
転写ドラム415の右側上部には上記分離爪412と近
接して搬送ベルト手段416が配設され、該搬送ベルト
手段416の転写材搬送方向終端(右側)には定着装置
418が配設されている。定着装置418は、発熱体4
38を内部に有する定着ローラ429と、加圧ローラ4
30とを有している。該定着装置418よりもさらに搬
送方向下流には搬送ローラ452、その先には、装置本
体401の外へと延在し、装置本体401に対して着脱
自在な排出用トレイ417が配設されている。
【0231】次に、上記潜像形成部IIの構成を説明す
る。図4矢印方向に回転自在な静電荷像保持体である感
光ドラム(例えば、OPC感光ドラム)419が、外周
面を上記転写ドラム415の外周面と当接して配設され
ている。上記感光ドラム419の上方でその外周面近傍
には、該感光ドラム419の回転方向上流側から下流側
に向かって除電用帯電器421、クリーニング手段42
0及び一次帯電器423が順次配設され、さらに上記感
光ドラム419の外周面上に静電潜像を形成するための
レーザービームスキャナのごとき像露光手段424、及
びミラーのごとき像露光反射手段425が配設されてい
る。
【0232】上記回転式現像装置IIIの構成は以下の
ごとくである。上記感光ドラム419の外周面と対向す
る位置に、回転自在な筐体(以下「回転体」という)4
26が配設され、該回転体426中には四種類の現像装
置が周方向の四位置に搭載され、上記感光体ドラム41
9の外周面上に形成された静電潜像を可視化(すなわち
現像)するようになっている。上記四種類の現像装置
は、それぞれイエロー現像装置427Y、マゼンタ現像
装置427M、シアン現像装置427C及びブラック現
像装置427BKを有する。
【0233】上記したごとき構成の画像形成装置全体の
シーケンスについて、フルカラーモードの場合を例とし
て説明する。上述した感光ドラム419が図4矢印方向
に回転すると、該感光ドラム419は一次帯電器423
によって帯電される。図4の装置においては、感光ドラ
ム419の周速(以下、プロセススピードとする)は1
00mm/sec以上(例えば、130〜250mm/
sec)である。一次帯電器423による感光体ドラム
419に対する帯電が行われると、原稿428のイエロ
ー画像信号にて変調されたレーザー光Eによる画像露光
が行われ、感光ドラム419上に静電潜像が形成され、
回転体426の回転によりあらかじめ現像位置に定着さ
れたイエロー現像装置427Yによって上記静電潜像の
現像が行われ、イエロートナー画像が形成される。
【0234】給紙ガイド407、給紙ローラ406、給
紙ガイド408を経由して搬送されてきた転写材は、所
定のタイミングにてグリッパ410により保持され、当
接用ローラ409と該当接用ローラ409と対向してい
る電極とによって静電的に転写ドラム415に巻き付け
られる。転写ドラム415は、感光ドラム419と同期
して図4矢印方向に回転しており、イエロー現像装置4
27Yにより形成されたイエロートナー画像は、上記感
光ドラム419の外周面と上記転写ドラム415の外周
面とが当接している部位にて転写帯電器413によって
転写材上に転写される。転写ドラム415はそのまま回
転を継続し、次の色(図4においてはマゼンタ)の転写
に備える。
【0235】感光ドラム419は、上記除電用帯電器4
21により除電され、クリーニングブレードによるクリ
ーニング手段420によってクリーニングされた後、再
び一次帯電器423によって帯電され、次のマゼンタ画
像信号により画像露光が行われ、静電潜像が形成され
る。上記回転式現像装置は、感光ドラム419上にマゼ
ンタ画像信号による像露光により静電潜像が形成される
間に回転して、マゼンタ現像装置427Mを上述した所
定の現像位置に配置せしめ、所定のマゼンタトナーによ
り現像を行う。引き続いて、上述したごときプロセスを
それぞれシアン色及びブラック色に対しても実施し、四
色のトナー像の転写が終了すると、顕画像を担持する転
写材は各帯電器422及び414により除電され、上記
グリッパ410による転写材の把持が解除されると共
に、該転写材は、分離爪412によって転写ドラム41
5より分離され、搬送ベルト416で定着装置418に
送られ、熱と圧力により定着され一連のフルカラープリ
ントシーケンスが終了し、所要のフルカラープリント画
像が転写材の一方の面に形成される。
【0236】次に、図5を参照しながら、他の画像形成
方法を説明する。
【0237】図5に示す装置システムにおいて、現像器
54−1、54−2、54−3、54−4に、それぞれ
シアントナーを有する現像剤、マゼンタトナーを有する
現像剤、イエロートナーを有する現像剤及びブラックト
ナーを有する現像剤が導入され、磁気ブラシ現像方式又
は非磁性一成分現像方式によって静電荷像保持体51に
形成された静電荷像を現像し、各色トナー像が静電荷像
保持体51上に形成される。静電荷像保持体51はa−
Se、CdS、ZnO、OPC、a−Siの様な光導
電絶縁物質層を持つ感光ドラム或いは感光ベルトであ
る。静電荷像保持体51は図示しない駆動装置によって
矢印方向に回転される。
【0238】静電荷像保持体51としては、アモルファ
スシリコン感光層、又は有機系感光層を有する静電荷像
保持体が好ましく用いられる。
【0239】有機感光層としては、感光層が電荷発生物
質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する、
単一層型でもよく、又は、電荷輸送層を電荷発生層を成
分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体
上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されてい
る構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0240】有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート
樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写
性、クリーニング性が良く、クリーニング不良、感光体
へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにく
い。
【0241】帯電工程では、コロナ帯電器を用いる静電
荷像保持体51とは非接触である方式と、ローラ等を用
いる接触型の方式がありいずれのものも用いられる。効
率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために
図5に示す如く接触方式のものが好ましく用いられる。
【0242】帯電ローラ52中は、中心の芯金52bと
その外周を形成した導電性弾性層52aとを基本構成と
するものである。帯電ローラ52は、静電荷像保持体5
1面に押圧力をもって圧接され、静電荷像保持体51の
回転に伴い従動回転する。
【0243】帯電ローラを用いた時の好ましいプロセス
条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/cm
で、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時に
は、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=50
Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±1.5kVで
あり、直流電圧を用いた時には、直流電圧=±0.2〜
±5kVである。
【0244】この他の帯電手段としては、帯電ブレード
を用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。こ
れらの接触帯電手段は、高電圧が不必要になったり、オ
ゾンの発生が低減するといった効果がある。
【0245】接触帯電手段としての帯電ローラ及び帯電
ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その
表面に離型性被膜をもうけても良い。離型性被膜として
は、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデ
ン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)が適用可能であ
る。
【0246】感光体上のトナー像は、電圧(例えば、±
0.1〜±5kV)が印加されている中間転写体55に
転写される。転写後の感光体表面は、クリーニングブレ
ード58を有するクリーニング手段59でクリーニング
される。
【0247】中間転写体55は、パイプ状の導電性芯金
55bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層55
aからなる。芯金55bは、プラスチックのパイプに導
電性メッキをほどこしたものでも良い。
【0248】中抵抗の弾性体層55aは、シリコーンゴ
ム、テフロン(登録商標)ゴム、クロロプレンゴム、ウ
レタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンの3
元共重合体)などの弾性材料に、カーボンブラック、酸
化亜鉛、酸化すず、炭化ケイ素の如き導電性付与材を配
合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を10〜10
11Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発
泡肉質の層である。
【0249】中間転写体55は静電荷像保持体51に対
して並行に軸受けさせて静電荷像保持体51の下面部に
接触させて配設してあり、静電荷像保持体51と同じ周
速度で矢印の反時計方向に回転する。
【0250】静電荷像保持体51の面に形成担持された
第1色のトナー像が、静電荷像保持体51と中間転写体
55とが接する転写ニップ部を通過する過程で中間転写
体55に対する印加転写バイアスで転写ニップ域に形成
された電界によって、中間転写体55の外面に対して順
次に中間転写されていく。
【0251】必要により、着脱自在なクリーニング手段
50により、転写材へのトナー像の転写後に、中間転写
体55の表面がクリーニングされ、中間転写体上にトナ
ー像がある場合、トナー像を乱さないようにクリーニン
グ手段50は、中間転写体表面から離される。
【0252】中間転写体55に対して並行に軸受けさせ
て中間転写体55の下面部に接触させて転写手段が配設
され、転写手段57は例えば転写ローラ又は転写ベルト
であり、中間転写体55と同じ周速度で矢印の時計方向
に回転する。転写手段57は直接中間転写体55と接触
するように配設されていても良く、またベルト等が中間
転写体55と転写手段57との間に接触するように配置
されても良い。
【0253】転写ローラの場合、中心の芯金57bとそ
の外周を形成した導電性弾性層57aとを基本構成とす
るものである。
【0254】中間転写体及び転写ローラとしては、一般
的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性
層の体積固有抵抗値よりも転写ローラの弾性層の体積固
有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラへの印
加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成で
きると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止する
ことができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗
値が転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以
上であることが特に好ましい。
【0255】中間転写体及び転写ローラの硬度は、JI
S K−6301に準拠し測定される。本発明に用いら
れる中間転写体は、10〜40度の範囲に属する弾性層
から構成されることが好ましく、一方、転写ローラの弾
性層の硬度は、中間転写体の弾性層の硬度より硬く41
〜80度の値を有するものが中間転写体への転写材の巻
き付けを防止する上で好ましい。中間転写体と転写ロー
ラの硬度が逆になると、転写ローラ側に凹部が形成さ
れ、中間転写体への転写材の巻き付きが発生しやすい。
【0256】転写手段57は中間転写体55と等速度或
いは周速度に差をつけて回転させる。転写材56は中間
転写体55と転写手段57との間に搬送されると同時に
転写手段57にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイ
アスを転写バイアス手段から印加することによって中間
転写体55上のトナー像が転写材56の表面側に転写さ
れる。
【0257】転写用回転体の材質としては、帯電ローラ
と同様のものも用いることができ、好ましい転写のプロ
セス条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/c
mで、直流電圧が±0.2〜±10kVである。
【0258】例えば、転写ローラの導電性弾性層57b
はカーボンの如き導電材を分散させたポリウレタン、エ
チレン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPD
M)といった体積抵抗10〜1010Ωcm程度の弾
性体でつくられている。芯金57aには定電圧電源によ
りバイアスが印加されている。バイアス条件としては、
±0.2〜±10kVが好ましい。
【0259】次いで転写材56は、ハロゲンヒータ等の
発熱体を内蔵させた加熱ローラとこれと押圧力をもって
圧接された弾性体の加圧ローラとを基本構成とする定着
器60へ搬送され、加熱ローラと加圧ローラ間を通過す
ることによってトナー像が転写材に加熱加圧定着され
る。フィルムを介してヒータにより定着する方法を用い
ても良い。
【0260】次に、一成分系現像方法について説明す
る。本発明のトナーは磁性一成分現像方法、非磁性一成
分現像方法の如き一成分現像方法に適用し得る。磁性一
成分現像方法について、図6を参照しながら説明する。
【0261】図6において、現像剤担持体(現像スリー
ブ)63の略右半周面はトナー容器64内のトナー溜り
に常時接触していて、その現像スリーブ63面近傍のト
ナーTが現像スリーブ面にスリーブ内の磁気発生手段6
5の磁力で及び/又は静電気力により付着保持される。
現像スリーブ63が回転駆動されるとそのスリーブ面の
磁性トナー層が規制部材66の位置を通過する過程で略
均一な厚さの薄層Tとして形成される。磁性トナーの
帯電は主として現像スリーブ63の回転に伴うスリーブ
面との摩擦接触によりなされ、現像スリーブ63上の上
記磁性トナー薄層面は現像スリーブ63の回転に伴い静
電荷像保持体67側へ回転し、静電荷像保持体67と現
像スリーブ63の最接近部である現像領域部Aを通過す
る。この通過過程で現像スリーブ63面側の磁性トナー
薄層の磁性トナーがバイアス印加手段68により静電荷
像保持体67と現像スリーブ63間に印加した直流と交
流電圧による直流と交流電界により飛翔し、現像領域部
Aの静電荷像保持体67面と、現像スリーブ63面との
間(間隙α)を往復運動する。最終的には現像スリーブ
63側の磁性トナーが静電荷像保持体67面の表面に潜
像の電位パターンに応じて選択的に移行付着してトナー
像Tが順次に形成される。現像領域部Aを通過して、
磁性トナーが選択的に消費された現像スリーブ面はトナ
ー容器64のトナー溜りへ再回転することにより磁性ト
ナーの再供給を受け、現像領域部Aへ現像スリーブ63
の磁性トナー薄層T面が移送され、繰り返し現像工程
が行われる。図6において用いられるトナー薄層化手段
としての規制部材66は、スリーブと一定の間隙をおい
て配置される金属ブレード、磁性ブレードの如きドクタ
ーブレードである。あるいは、ドクターブレードの代わ
りに、金属、樹脂、セラミック製のローラを用いても良
い。さらにトナー薄層化規制部材として現像スリーブ
(現像剤担持体)表面に弾性力で当接する弾性ブレー
ド、弾性ローラを用いても良い。弾性ブレード又は、弾
性ローラを形成する材料としては、シリコーンゴム、ウ
レタンゴム、NBRの如きゴム弾性体;ポリエチレンテ
レフタレートの如き合成樹脂弾性体;ステンレス、鋼、
リン青銅の如き金属弾性体が使用できる。それらの複合
体であっても良い。好ましくは、スリーブ当接部分はゴ
ム弾性体あるいは樹脂弾性体がよい。
【0262】弾性ブレードを使用する場合の例を図7に
示す。
【0263】弾性ブレード70上辺部側である基部は現
像剤容器側に固定保持され、下辺部側を弾性ブレード7
0の弾性に抗して現像剤担持体(現像スリーブ)79の
順方向或いは逆方向にたわめ状態にして弾性ブレード7
0の内面側(逆方向の場合には外面側)を現像スリーブ
79の表面に適度の弾性押圧をもって当接させる。この
様な装置によると、環境の変動に対してもより安定に薄
く、緻密なトナー層が得られる。
【0264】弾性ブレードを使用する場合、現像スリー
ブ、弾性ブレード表面にトナーが融着しやすいが、本発
明トナーは離型性に優れ摩擦耐電性が安定しているので
好ましく用いられる。
【0265】磁性一成分現像方法の場合、弾性ブレード
70と現像スリーブ79との当接圧力は、スリーブ母線
方向の線圧として、0.1kg/m以上、好ましくは
0.3〜25kg/m、更に好ましくは0.5〜12k
g/mが好ましい。静電荷像保持体78と現像スリーブ
79とは接触していても良いが、好ましくは静電荷像保
持体78と現像スリーブ79との間隙αは、50〜50
0μmに設定される。現像スリーブ79上の磁性トナー
層の層厚は、静電荷像保持体78と現像スリーブ79と
の間隙αよりも薄いことが最も好ましいが、場合により
磁性トナー層を構成する磁性トナーの多数の穂のうち、
一部は静電荷像保持体78に接する程度に磁性トナー層
の層厚を規制してもよい。現像スリーブ79は、静電荷
像保持体78に対し、100〜200%の周速で回転さ
れる。バイアス印加手段76による交番バイアス電圧
は、ピークトゥーピークで0.1kV以上、好ましくは
0.2〜3.0kV、更に好ましくは0.3〜2.0k
Vで用いるのが良い。交番バイアス周波数は、0.5〜
5.0kHz、好ましくは1.0〜3.0kHz、更に
好ましくは1.5〜3.0kHzで用いられる。交番バ
イアス波形は、矩形波、サイン波、のこぎり波、三角波
の如き波形が適用できる。また、正、逆の電圧、時間の
異なる非対称交流バイアスも利用できる。また直流バイ
アスを重畳するのも好ましい。
【0266】次に非磁性一成分現像を行う場合の現像方
法の一例を図8を参照しながら説明する。
【0267】85は静電荷像保持体であり、潜像形成は
図示しない電子写真プロセス手段又は静電記録手段によ
り成される、84は現像剤担持体(現像スリーブ)であ
り、アルミニウムあるいはステンレスの如き非磁性スリ
ーブからなる。現像スリーブ84はアルミニウム、ステ
ンレスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはそ
の表面をガラスビーズの如き球形粒子を吹きつけて均一
に粗したものや、鏡面処理したもの、あるいは樹脂でコ
ートしたものがよい。トナーTはホッパー81に貯蔵さ
れており、トナー塗布ローラ82によって現像スリーブ
82上へ供給される。トナー塗布ローラ82として、例
えば軟質ポリウレタンフォームの如き多孔質弾性体の発
泡材より成るローラが好ましく用いられる。該ローラを
現像スリーブ84に対して、順または逆方向に0でない
相対速度をもって回転させ、現像スリーブ84上へのト
ナー供給と共に、現像スリーブ84上の現像後のトナー
(未現像トナー)のはぎ取りをも行う。この際、トナー
塗布ローラ82の現像スリーブ84への当接幅(nip
幅)は、トナーの供給及びはぎ取りのバランスを考慮す
ると、2.0〜10.0mmが好ましく、4.0〜6.
0mmがより好ましい。トナーに対しストレスが付与さ
れ、トナーの劣化による凝集の増大、あるいは現像スリ
ーブ84、トナー塗布ローラ82へトナーの融着、固着
が生じやすくなるが、本発明のトナーは、流動性、離型
性に優れ、耐久安定性を有しているので、図8に示す現
像器においても好ましく用いられる。また、トナー塗布
ローラ82のかわりに、ナイロン、レーヨンの如き樹脂
繊維より成るブラシローラを用いてもよい。図8に示す
現像方法は、非磁性一成分トナーを使用する一成分現像
方法において極めて有効である。現像スリーブ84上に
供給されたトナーは規制部材83によって薄層かつ均一
に塗布される。トナー規制部材83は、弾性ブレード又
は弾性ローラで現像スリーブ84表面にトナーを圧接塗
布する方法は特に好ましい。弾性ブレード又は弾性ロー
ラは、所望の極性にトナーを帯電するのに適した摩擦帯
電系列の材質のものを用いることが好ましい。トナー規
制部材83は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレ
ン−ブタジエンゴムが好適である。さらに、ポリアミ
ド、ポリイミド、ナイロン、メラミン、メラミン架橋ナ
イロン、フェノール樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹
脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、
アクリル系樹脂の如き有機樹脂層をトナー規制部材83
に設けても良い。
【0268】該弾性ブレード又は弾性ローラと現像スリ
ーブ84との当接圧力は、スリーブ母線方向の線圧とし
て0.1〜25kg/m、好ましくは0.5〜12kg
/mが有効であり、当接圧力を0.1〜25kg/mに
調整することで、トナーの凝集を効果的にほぐすことが
可能になり、またトナーの摩擦帯電量を瞬時に立ち上げ
ることが可能になる。ブレードにより現像スリーブ84
上にトナーを薄層コートする系においては、特に非磁性
一成分現像方法においては、十分な画像濃度を得るため
に、現像スリーブ84は静電荷像保持体85に対し、1
00〜300%の周速で回転される。好ましくは120
〜250%の周速で回転される。
【0269】現像スリーブ84と静電荷像保持体85と
は、接触させて配置しても、非接触として配置しても良
い。非接触で配置する場合には、現像スリーブ84上の
トナー層の厚さを現像スリーブ84と静電荷像保持体8
5との間隙αよりも小さくし、この間隙に交番電界を形
成することが好ましく、間隙αとしては50〜500μ
mであることが好ましい。バイアス電源86により現像
スリーブ84に交番電場または交番電場に直流電場を重
畳した現像バイアスを印加することにより、現像スリー
ブ84上から静電荷像保持体85上へのトナーの移動を
容易にし、更に良質の画像を得ることができる。
【0270】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これは、本発明に何ら限定するものではない。な
お、以下の配合における部数は、特に説明のない場合は
「質量部」である。
【0271】〔硫黄元素含有重合体1の製造〕攪拌機、
コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2リットル
フラスコにトルエン100部、メタノール300部、ス
チレン470部、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸40部、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル90部、ラウリルパーオキサイド10部を仕込み、攪
拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物を
フラスコから取り出し、40℃で減圧乾燥後、ハンマー
ミルにて粗砕して、硫黄元素含有重合体1を製造した。
得られた重合体の物性は、Mw=20000、揮発分1
%以下、Tg=65度、残存モノマー=900ppmで
あった。
【0272】尚、得られた硫黄元素含有重合体1の酸価
は、20mgKOH/gであった。また、以下の硫黄元
素含有重合体2〜8の酸価は、18〜25mgKOH/
gであった。
【0273】〔硫黄元素含有重合体2の製造〕攪拌機、
コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2リットル
フラスコにトルエン300部、メタノール100部、ス
チレン470部、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸40部、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル90部、ラウリルパーオキサイド12部仕込み、攪
拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物を
フラスコから取り出し、40℃で減圧乾燥後、ハンマー
ミルにて粗砕して、硫黄元素含有重合体2を製造した。
得られた重合体の物性は、Mw=36000、揮発分1
%以下、樹脂Tg=65℃、残存モノマー=900pp
mであった。
【0274】〔硫黄元素含有重合体3の製造〕攪拌機、
コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2リットル
フラスコにトルエン100部、メタノール300部、ス
チレン550部、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸50部、ラウリルパーオキサイド12部
を仕込み、攪拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合
し、内容物をフラスコから取り出し、40℃で減圧乾燥
後、ハンマーミルにて粗砕して、硫黄元素含有重合体3
を製造した。得られた重合体の物性は、Mw=4000
0、揮発分1%以下、樹脂Tg=98℃、残存モノマー
=900ppmであった。
【0275】〔硫黄元素含有重合体4の製造〕攪拌機、
コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2リットル
フラスコにトルエン100部、メタノール300部、ス
チレン470部、メタクリルスルホン酸40部、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル90部、ラウリルパーオキサ
イド10部を仕込み、攪拌、窒素導入下65℃で10時
間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、40℃
で減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕して、硫黄元素含
有重合体4を製造した。得られた重合体の物性は、Mw
=22000、揮発分1%以下、残存モノマー=800
ppmであった。
【0276】〔硫黄元素含有重合体5の製造〕攪拌機、
コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2リットル
フラスコにトルエン300部、メタノール100部、ス
チレン470部、メタクリルスルホン酸40部、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル90部、ラウリルパーオキサ
イド12部を仕込み、攪拌、窒素導入下65℃で10時
間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、40℃
で減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕して、硫黄元素含
有重合体5を製造した。得られた重合体の物性は、Mw
=40000、揮発分1%以下、残存モノマー=800
ppmであった。
【0277】〔硫黄元素含有重合体6の製造〕撹拌機、
コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2リットル
フラスコにトルエン300部、メタノール100部、水
酸化カリウム20部、スチレン470部、2−アクリル
アミド−メチルプロパンスルホン酸40部、アクリル酸
−2−エチルヘキシル90部、ラウリルパーオキサイド
10部を仕込み、撹拌、窒素導入下65℃で10時間溶
液重合し、内容物をフラスコから取り出し、40℃で減
圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕して、硫黄元素含有重
合体6を製造した。得られた重合体の物性は、Mw=1
9000、揮発分1%以下、樹脂Tg=65℃、残存モ
ノマー=900ppmであった。
【0278】〔硫黄元素含有重合体7の製造〕攪拌機、
コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2リットル
フラスコにトルエン100部、メタノール300部、ス
チレン520部、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸20部、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル60部、ラウリルパーオキサイド10部を仕込み、攪
拌、窒素導入下60℃で10時間溶液重合し、内容物を
フラスコから取り出し、50℃で減圧乾燥後、ハンマー
ミルにて粗砕して、硫黄元素含有重合体7を製造した。
得られた重合体の物性は、Mw=45000、揮発分1
%以下、樹脂Tg=76℃、残存モノマー=200pp
mであった。
【0279】〔硫黄元素含有重合体8の製造〕攪拌機、
コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2リットル
フラスコにトルエン100部、メタノール300部、ス
チレン540部、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸12部、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル48部、ラウリルパーオキサイド10部を仕込み、攪
拌、窒素導入下60℃で10時間溶液重合し、内容物を
フラスコから取り出し、50℃で減圧乾燥後、ハンマー
ミルにて粗砕して、硫黄元素含有重合体8を製造した。
得られた重合体の物性は、Mw=48000、揮発分1
%以下、樹脂Tg=81℃、残存モノマー=200pp
mであった。
【0280】〔実施例1〕分散媒 反応容器中のイオン交換水1000質量部に、リン酸ナ
トリウム14質量部ならびに10%塩酸を4.5質量部
投入し、Nパージしながら65℃で60分保温した。
TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12
000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10質量
部に8質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウ
ム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調
製した。
【0281】 重合性単量体組成物 ・スチレン 60質量部 ・着色剤(C.I.pigment Red 122/C.I.pigment Red 57=1/1) 7質量部 ・硫黄元素含有重合体1 0.8質量部 上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会
社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用
いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体
組成物を得た。
【0282】上記重合性単量体組成物に ・スチレン 20質量部 ・n−ブチルアクリレート 20質量部 ・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビ スフェノールA)、Mw=10000、AV=15) 8質量部 ・離型剤(No.8) 20質量部 ・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.4質量部 を加えた。
【0283】別容器中で上記材料を65℃に保温し、T
K式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500
rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤
2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)2.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製
した。
【0284】反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性
単量体組成物を投入し、65℃、N パージ下におい
て、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間
攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ
65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応さ
せた。
【0285】重合反応終了後、反応容器を冷却し、10
%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら
分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過
しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄す
る。得られたケーキを再び、1000質量部のイオン交
換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態
で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にその
エマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上の
イオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風
力分級しマゼンタ着色粒子No.1を得た。
【0286】このマゼンタ着色粒子をUV硬化型樹脂に
包埋し、ミクロトームで断面を作成した後、透過型電子
顕微鏡(TEM)により観測したところ、図2に示すよ
うに大部分の離型剤が結着樹脂で良好に内包化されてい
ることが認識できた。
【0287】得られたマゼンタ着色粒子100質量部
と、BET法による比表面積が100m/gである疎
水性酸化チタン微粉体1.0質量部とを混合し、外添剤
を有するマゼンタトナーNo.1を得た。得られたマゼ
ンタトナーNo.1の円相当個数平均径6.7μmであ
った。また、後述する方法によってA環境(13℃/1
0%RH)、B環境(20℃/60%RH)、C環境
(32℃/80%RH)におけるトナーの摩擦帯電量を
測定した。測定結果を表3に示す。
【0288】このマゼンタトナー7質量部に対し、シリ
コーン樹脂コートされた磁性体分散型キャリア93質量
部を混合して現像剤を調製し、図5に示すような構成を
有する市販のデジタルフルカラー複写機(クリエイティ
ブ プロセッサー660、キヤノン製)の改造機を用い
て、マゼンタ画像の出力を行い、後述の項目に関して評
価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0289】〔実施例2〕反応容器中のイオン交換水1
000質量部に塩化マグネシウム40質量部を溶解した
水溶液に、イオン交換水200質量部に水酸化ナトリウ
ム28質量部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加し
て、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。この水系媒
体を使用し、離型剤をNo.8からNo.11に変更す
る以外は実施例1と同様にして、マゼンタトナーNo.
2を得、実施例1と同様に分析評価した。物性及び評価
結果を表2及び表4に示す。
【0290】〔実施例3〕反応容器中のイオン交換水1
000質量部に水酸化アルミニウムを30質量部添加し
て調製した水系媒体をを使用し、さらに離型剤をNo.
8からNo.12に変更する以外は実施例1と同様にし
て、マゼンタトナーNo.3を得、実施例1と同様に分
析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0291】〔実施例4〕分散媒 反応容器中のイオン交換水1000質量部に、リン酸ナ
トリウム25質量部ならびに10%塩酸を6.5質量部
投入し、Nパージしながら65℃で60分保温した。
TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12
000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水20質量
部に13質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシ
ウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を
調製した。
【0292】 重合性単量体組成物 ・スチレン 60質量部 ・着色剤(C.I.pigment Red 122/C.I.pigment Red 57=1/1) 7質量部 ・硫黄元素含有重合体 1質量部 上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会
社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用
いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体
組成物を得た。
【0293】上記重合性単量体組成物に ・スチレン 20質量部 ・n−ブチルアクリレート 20質量部 ・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビ スフェノールA)、Mw=10000、AV=15) 8質量部 ・離型剤(No.8) 36質量部 ・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.4質量部 を加えて、実施例1と同様に重合性単量体組成物を調製
した。
【0294】上記重合性単量体組成物を用いる以外は実
施例1と同様にして、マゼンタトナーNo.4を得、実
施例1と同様に分析評価した。物性及び評価結果を表2
及び表4に示す。
【0295】〔実施例5〕分散媒 反応容器中のイオン交換水1000質量部に、リン酸ナ
トリウム25質量部ならびに10%塩酸を6.5質量部
投入し、Nパージしながら65℃で60分保温した。
TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12
000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水20質量
部に13質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシ
ウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を
調製した。
【0296】 重合性単量体組成物 ・スチレン 60質量部 ・着色剤(C.I.pigment Red 122/C.I.pigment Red57=1/1) 7質量部 ・硫黄元素含有重合体 7質量部 上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会
社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用
いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体
組成物を得た。
【0297】重合性単量体組成物に ・スチレン 20質量部 ・n−ブチルアクリレート 20質量部 ・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビ スフェノールA)、Mw=10000、AV=15) 2質量部 ・離型剤(No.8) 20質量部 ・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.4質量部 を加えて、実施例1と同様に重合性単量体組成物3を調
製した。
【0298】上記重合性単量体組成物を用いる以外は、
実施例1と同様にして重合反応終了後、反応容器を冷却
し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌
しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを
加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン交換水で
洗浄する。得られたケーキを再び、1000質量部のイ
オン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=2とした状
態で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそ
のエマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上
のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して
風力分級しマゼンタ着色粒子No.5を得た。これ以外
は実施例1と同様にして、マゼンタトナーNo.5を得
て分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示
す。
【0299】〔実施例6〕硫黄元素含有重合体1を硫黄
元素含有重合体2に変更する以外は実施例1と同様にし
てマゼンタトナーNo.6を得て分析評価した。物性及
び評価結果を表2及び表4に示す。
【0300】〔実施例7〕硫黄元素含有重合体1を硫黄
元素含有重合体3に変更する以外は実施例1と同様にし
てマゼンタトナーNo.7を得て分析評価した。物性及
び評価結果を表2及び表4に示す。
【0301】〔実施例8〕硫黄元素含有重合体1を硫黄
元素含有重合体4に変更する以外は実施例1と同様にし
てマゼンタトナーNo.8を得て分析評価した。物性及
び評価結果を表2及び表4に示す。
【0302】〔実施例9〕硫黄元素含有重合体1を硫黄
元素含有重合体5に変更する以外は実施例1と同様にし
てマゼンタトナーNo.9を得て分析評価した。物性及
び評価結果を表2及び表4に示す。
【0303】〔実施例10〕分散媒 反応容器中のイオン交換水1000質量部に、リン酸ナ
トリウム14質量部ならびに10%塩酸を4.5質量部
投入し、Nパージしながら65℃で60分保温した。
TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12
000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10質量
部に8質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウ
ム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調
製した。
【0304】 重合性単量体組成物 ・スチレン 60質量部 ・着色剤(カーボンブラック) 7質量部 ・硫黄元素含有重合体1 1.0質量部 上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会
社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用
いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体
組成物を得た。
【0305】上記重合性単量体組成物に ・スチレン 20質量部 ・n−ブチルアクリレート 20質量部 ・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビ スフェノールA)、Mw=10000、AV=15) 8質量部 ・離型剤(No.8) 4質量部 ・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.8質量部 を加えた。
【0306】
【0307】別容器中で上記材料を65℃に保温し、T
K式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500
rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤
2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)2.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製
した。
【0308】反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性
単量体組成物を投入し、65℃、N パージ下におい
て、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間
攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ
65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応さ
せた。
【0309】重合反応終了後、反応容器を冷却し、10
%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら
分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過
しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄す
る。得られたケーキを1000質量部のイオン交換水に
戻し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪
拌する。上記と同様にこのエマルションを加圧濾過し得
られたケーキを再び1000質量部のイオン交換水に戻
し、このエマルションに6%の塩化アルミニウム水溶液
100質量部を添加し凝集させる。その後加圧濾過を用
いてさらに2000質量部以上のイオン交換水で濾過洗
浄し、同濾過機上で得られたケーキに90℃の温水30
00質量部を添加し温水加熱処理を行ったところ、粒子
同士が融着してなるブロック状物の塊状物を形成した。
40℃で乾燥後、このブロック状物を粗砕し、ハンマー
ミルにて粗砕して、目開き1mmの篩を通過させたトナ
ー粗砕物をさらにジェット気流を利用した衝突式粉砕機
で微粉砕した後、風力分級し、これ以外は実施例1と同
様にしブラックトナーNo.1を得て分析評価した。物
性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0310】〔実施例11〕反応容器中のイオン交換水
1000質量部に燐酸亜鉛を30質量部添加し、分散安
定剤を含む水系媒体を調製した以外は実施例1と同様に
して、マゼンタトナーNo.10を得、実施例1と同様
に分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4に示
す。
【0311】〔実施例12〕反応容器中のイオン交換水
1000質量部に硫酸バリウムを30質量部添加し、分
散安定剤を含む水系媒体を調製した以外は実施例1と同
様にして、マゼンタトナーNo.11を得、実施例1と
同様に分析評価した。物性及び評価結果を表2及び表4
に示す。
【0312】〔実施例13〕硫黄元素含有重合体1を硫
黄元素含有重合体6に変更する以外は実施例1と同様に
してマゼンタトナーNo.12を得て分析評価した。物
性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0313】〔実施例14〕硫黄元素含有重合体1を硫
黄元素含有重合体7に変更する以外は実施例1と同様に
してマゼンタトナーNo.13を得て分析評価した。物
性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0314】〔実施例15〕硫黄元素含有重合体1を硫
黄元素含有重合体8に変更する以外は実施例1と同様に
してマゼンタトナーNo.14を得た。現像器として図
8に示す非磁性一成分系の現像器を使用し、図5に示す
市販のデジタルフルカラー複写機(クリエイティブ プ
ロセッサー660、キヤノン製)改造機を用いて、分析
評価した。物性及び評価結果を表2及び表5に示す。
【0315】〔実施例16〕縮合系樹脂(飽和ポリエス
テル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフ
ェノールA)、Mw=10000、AV=15)を用い
ないこと以外は、実施例1と同様にしてマゼンタトナー
No.15を得て分析評価した。物性及び評価結果を表
2及び表4に示す。
【0316】〔実施例17〕酸価が40mgKOH/g
である縮合系樹脂に変更する以外は、実施例1と同様に
してマゼンタトナーNo.16を得て分析評価した。物
性及び評価結果を表2及び表4に示す。
【0317】〔実施例18〕着色剤をC.I.pigm
ent Red 122/C.I.pigmentRe
d 57からC.I.pigment Blue15:
3へ変更する以外は実施例1と同様にしてシアントナー
No.1を得た。また、着色剤をC.I.pigmen
t Red 122/C.I.pigment Red
57からC.I.pigment Yellow 1
85へ変更する以外は実施例1と同様にしてイエロート
ナーNo.1を得た。さらに着色剤をC.I.pigm
entRed 122/C.I.pigment Re
d 57からカーボンブラックへ変更する以外は実施例
1と同様にしてブラックトナーNo.2を得た。
【0318】マゼンタトナーNo.1、シアントナーN
o.1、イエロートナーNo.1及びブラックトナーN
o.2を用いて、それぞれのトナー7質量部に対し、シ
リコーン樹脂コートされた磁性体分散型キャリア93質
量部を混合して各色の現像剤を調製し、図5に示すよう
な市販のデジタルフルカラー複写機(クリエイティブプ
ロセッサー、キヤノン製)の改造機にて、フルカラー画
像の出力を行った。
【0319】得られたフルカラー画像は、色再現性が良
好で、カブリもなく、2次色の画像輪郭に関しても問題
のない優れたものであった。
【0320】また、各環境における転写効率の測定を後
述の方法で行った。物性及び評価結果を表2及び表7に
示す。
【0321】〔実施例19〕それぞれのトナーの硫黄元
素含有重合体1を硫黄元素含有重合体8に変更する以外
は実施例18と同様にしてシアントナーNo.2、イエ
ロートナーNo.2を得た。また、硫黄元素含有重合体
1を硫黄元素含有重合体8に変更する以外は、実施例1
8と同様にしてブラックトナーNo.3を得た。
【0322】マゼンタトナーNo.14、シアントナー
No.2、イエロートナーNo.2及びブラックトナー
No.3を用いて、実施例18と同様な評価を行った。
【0323】得られたフルカラー画像は、色再現性が良
好で、カブリもなく、2次色の画像輪郭に関しても問題
なく、転写性も非常に優れたものであった。各環境にお
ける転写効率の測定を後述の方法で行い、物性及び評価
結果を表2及び表7に示す。
【0324】〔比較例1〕分散媒 反応容器中のイオン交換水1000質量部に、リン酸ナ
トリウム14質量部ならびに10%塩酸を4.5質量部
投入し、Nパージしながら65℃で60分保温した。
TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12
000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10質量
部に8質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウ
ム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調
製した。
【0325】 重合性単量体組成物 ・スチレン 60質量部 ・着色剤(C.I.pigment Red 122/C.I.pigment Red 57=1/1) 7質量部 ・硫黄元素含有重合体1 8質量部 上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会
社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用
いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体
組成物を得た。
【0326】上記重合性単量体組成物に ・スチレン 20質量部 ・n−ブチルアクリレート 20質量部 ・硫黄元素含有重合体1 8質量部 ・離型剤(No.8) 20質量部 ・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.4質量部 を加えた。
【0327】別容器中で上記材料を65℃に保温し、T
K式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500
rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤
2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)2.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製
した。
【0328】反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性
単量体組成物を投入し、65℃、N パージ下におい
て、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間
攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ
65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応さ
せた。
【0329】重合反応終了後、反応容器を冷却し、10
%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら
分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過
しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄す
る。得られたケーキを再び、1000質量部のイオン交
換水に戻し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2
時間攪拌しながら再洗浄する。上記と同様にそのエマル
ションを加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン
交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級
しマゼンタトナーNo.17を得、実施例1と同様に分
析評価した。物性及び評価結果を表3及び表6に示す。
【0330】〔比較例2〕分散媒 反応容器中のイオン交換水1000質量部に、シランカ
ップリング剤(KBE903(信越シリコーン製))
0.25質量部を、均一に分散させ、さらにコロイダル
シリカ(アエロジル#200(日本アエロジル製))5
質量部を添加し均一に分散させ、分散安定剤を含む水系
媒体を調製した。
【0331】 重合性単量体組成物 ・スチレン 60質量部 ・着色剤(C.I.pigment Red 122/C.I.pigment Red 57=1/1) 7質量部 ・硫黄元素含有重合体1 0.8質量部 上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会
社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用
いて、220rpmで5時間分散させ、重合性単量体組
成物を得た。
【0332】上記重合性単量体組成物に ・スチレン 20質量部 ・n−ブチルアクリレート 20質量部 ・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビ スフェノールA)、Mw=10000、AV=15) 8質量部 ・離型剤(No.8) 20質量部 ・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.4質量部 を加えた。
【0333】別容器中で上記材料を65℃に保温し、T
K式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500
rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤
2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)2.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製
した。
【0334】反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性
単量体組成物を投入し、65℃、N パージ下におい
て、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間
攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ
65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応さ
せた。
【0335】重合反応終了後、反応容器を冷却し、20
%水酸化ナトリウム水溶液35質量部、24時間アルカ
リ処理を行い、そのエマルションを加圧濾過しさらに2
000質量部以上のイオン交換水で洗浄する。これ以外
は実施例1と同様にしてマゼンタトナーNo.18を
得、実施例1と同様に分析評価した。物性及び評価結果
を表3及び表6に示す。
【0336】〔比較例3〕硫黄元素含有重合体1の添加
量を0.1質量部に変更する以外は、実施例1と同様な
やり方で重合反応を終了させ、反応容器を冷却し、10
%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら
分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過
しさらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄す
る。得られたケーキを再び、1000質量部のイオン交
換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態
で2時間攪拌しながら、再洗浄する。上記と同様にその
エマルションを加圧濾過しさらに2000質量部以上の
イオン交換水で洗浄し、実施例1と同様にしマゼンタト
ナーNo.19を得て、実施例1と同様に分析評価し
た。物性及び評価結果を表3及び表6に示す。
【0337】 〔比較例4〕 重合性単量体組成物 ・スチレン 60質量部 ・着色剤(カーボンブラック) 7質量部 ・尿素化合物 1.0質量部 上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会
社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用
いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体
組成物を得た。
【0338】上記重合性単量体組成物に ・スチレン 20質量部 ・n−ブチルアクリレート 20質量部 ・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビ スフェノールA)、Mw=10000、AV=15) 8質量部 ・離型剤(No.8) 20質量部 ・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.4質量部 を加えた。
【0339】別容器中で上記材料を65℃に保温し、T
K式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500
rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤
2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)2.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製
した。
【0340】反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性
単量体組成物を投入し、65℃、N パージ下におい
て、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間
攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ
65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応さ
せた。
【0341】また、重合反応終了後、反応容器を冷却
し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間攪拌
しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを
加圧濾過しさらに2000質量部以上のイオン交換水で
洗浄する。得られたケーキを再び、1000質量部のイ
オン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=2とした状
態で2時間攪拌する。再洗浄する。これ以外は実施例1
と同様にしてブラックトナーNo.4を得て、実施例1
と同様に分析評価した。物性及び評価結果を表3及び表
6に示す。
【0342】〔比較例5〕硫黄元素含有重合体1からサ
リチル酸アルミニウム化合物へ変更する以外は実施例1
と同様にしてマゼンタトナーNo.20を得て分析評価
した。物性及び評価結果を表3及び表6に示す。
【0343】〔比較例6〕重合反応終了後、10%塩酸
を加えpH=2とした状態で2時間攪拌しながら分散安
定剤を溶解し、そのエマルションを加圧濾過して、イオ
ン交換水で洗浄し、得られたケーキを再びイオン交換水
に戻して、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で
2時間攪拌しながら、再洗浄する代わりに、硫酸を加え
てpH=5.5とした状態で10分間撹拌しながら分散
安定剤を溶解した後、乾燥させる以外は、実施例1と同
様にしてマゼンタトナーNo.21を得て分析評価し
た。物性及び評価結果を表3及び表6に示す。
【0344】〔比較例7〕着色剤をC.I.pigme
nt Red 122/C.I.pigmentRed
57からC.I.pigment Blue15:3
へ変更する以外は比較例1と同様にしてシアントナーN
o.3を得た。また、着色剤をC.I.pigment
Red 122/C.I.pigment Red
57からC.I.pigment Yellow 18
5へ変更する以外は比較例1と同様にしてイエロートナ
ーNo.3を得た。さらに着色剤をC.I.pigme
nt Red 122/C.I.pigment Re
d 57からカーボンブラックへ変更する以外は比較例
1と同様にしてブラックトナーNo.5を得た。
【0345】マゼンタトナーNo.17、 シアントナ
ーNo.3、イエロートナーNo.3、ブラックトナー
No.5を用いて、それぞれのトナー7質量部に対し、
シリコーン樹脂コートされた磁性体分散型キャリア93
質量部を混合して各色の現像剤を調製し、図5に示すよ
うな市販のデジタルフルカラー複写機(クリエイティブ
プロセッサー660、キヤノン製)の改造機にて、フ
ルカラー画像の出力を行った。
【0346】各環境における転写効率の測定を行った。
物性及び評価結果を表3及び表7に示す。
【0347】得られたフルカラー画像は、色再現性があ
まり良くなく、カブリが多く、画像輪郭のライン部の目
立つ画像であった。
【0348】
【表2】
【0349】
【表3】
【0350】
【表4】
【0351】
【表5】
【0352】
【表6】
【0353】
【表7】
【0354】上記の実施例及び比較例における各評価の
方法を以下に示す。1)2成分系現像剤の場合のトナー帯電量の測定 トナーの2成分摩擦帯電量はブローオフ法に基づき、以
下の方法により測定する。
【0355】図1はトナーの2成分摩擦帯電量を測定す
る装置の説明図である。先ず、底に目開き20μm(6
35メッシュ)のスクリーン3のある金属製の測定容器
2に摩擦帯電量を測定しようとするトナーとキャリアの
振とうされた混合物を約0.2gを入れ金属製のフタ4
をする。このときの測定容器2全体の重量を秤りW
(g)とする。次に、吸引機1(測定容器2と接する
部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口7から吸引
し風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を250mm
Aqとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を
行いトナーを除去する。このときの電位計9の電位をV
(ボルト)とする。ここで8はコンデンサーであり容量
C(μF)とする。吸引後の測定容器全体の重量を秤り
(g)とする。このトナーの摩擦帯電量(mC/k
g)は下式の如く計算される。
【0356】
【外20】
【0357】なお、測定試料の調製は以下のようにして
行った。トナーとキャリアの混合比を7:93とし、混
合重量20gの測定試料を調製した。キャリアとして
は、シリコーン樹脂コートされた磁性体分散型キャリア
を用いた。トナーには、外添剤としてBET法による比
表面積が100m/gである疎水性酸化チタン微粉体
をトナー粒子100質量部に対して1.0質量部を外添
した。
【0358】測定環境は、A環境(13℃/10%R
H)、B環境(20℃/60%RH)、C環境(32℃
/80%RH)の3環境とし、まずA、B、Cの各環境
下に24時間放置した測定試料を150回振とうして帯
電量を測定した。ついで、上記の試料をそれぞれの環境
で7日間放置した後、1回振とうして帯電量を測定し、
さらに150回振とうして帯電量を再度、測定する。2)1成分系現像剤の場合のトナー帯電量の測定 現像スリーブ上のトナーを吸引し、クーロンメーターで
帯電量Q(mC)を測定し、かつ、吸引したサンプル重
量M(kg)を測定し、Q/M(mC/kg)を測定す
る。
【0359】測定環境は、2成分系現像剤の場合と同様
に、A環境、B環境、C環境の3環境とした。また、測
定方法としては、A、B、C各環境に24時間放置した
1成分系現像機を現像スリーブ上回転機にセットし、3
0秒間回転させて帯電量を測定する。次いで測定試料を
それぞれの環境でさらに7日間放置した後、回転機にセ
ットし、1秒間回転させて帯電量を測定し、さらに30
秒間回転させて帯電量を測定する。3)画像濃度 静電荷像保持体上でベタ部の濃度制御設定をした実施例
記載のマシンとオイル塗布機能のない直径40mmの熱
ローラー外部定着器を用いて、全ベタ部の定着画像を出
し、Macbeth RD918(マクベス社製)にて
画像濃度を測定した。
【0360】尚、このときのローラ材質としては、上
部、下部ともに、フッ素系のものを使用し、転写材は7
5g/m(ゼロックス社製)の普通紙を用いた。
【0361】A,B,C各環境に24時間放置したトナ
ーの充填された画像形成装置を24時間放置した後、画
像比率5%画像を1000枚通紙した後、全ベタの定着
画像を1枚出し、画像濃度を測定する。次に、画像形成
装置をそれぞれの環境で、さらに7日間放置した後、画
像比率5%の画像を1枚通紙した後、全ベタの定着画像
を1枚出し、画像濃度を測定する。さらに画像比率5%
画像を1000枚通紙した後、全ベタの定着画像を1枚
出し、画像濃度を測定する。4)転写効率の測定 画像濃度を測定した実施例記載のマシンを用いてA,
B,C各環境一定面積のフルカラー4色の全ベタ画像を
出力し転写効率を測定した。
【0362】本発明において、一次転写効率は以下のよ
うにして求める。
【0363】フルカラー4色のベタ画像を出力し、中間
転写体上に未定着のフルカラー画像を形成する。感光ド
ラム上に残った一次転写残トナーと中間転写体上の未定
着トナーをエアーで吸引し、サンプリングされたトナー
の重量から計算して求める。計算式を以下に示す。
【0364】一次転写効率(%)={(中間転写体上の
未定着トナー)/(中間転写体上の未定着トナー+感光
ドラム上の転写残トナー)}×100 また、二次転写効率は以下のようにして求めた値であ
る。フルカラー4色のベタ画像を出力し、中間転写体上
に残った二次転写残トナーと、80g/m紙上の未定
着トナーをエアーで吸引し、サンプリングされたトナー
の重量から計算して求めた値である。計算式を以下に示
す。
【0365】二次転写効率(%)={(紙上の未定着ト
ナー)/(紙上の未定着トナー+中間転写体上の転写残
トナー)}×100 A;90%以上 B;80%以上90%未満 C;70%以上80%未満 D;70%未満5)ハーフトーン画像の均一性 B環境における画像濃度の評価の後(2000枚の通紙
後)、更に画像比率5%画像を、2成分系現像剤の場合
には10000枚通紙、1成分系現像剤の場合には20
00枚通紙し、所定枚数終了時の画像におけるハーフト
ーンの均一性を目視で確認した。
【0366】 A;非常に均一性がとれた画像である。
【0367】 B;均一性がとれた画像である。
【0368】 C;端部に少し不均一部分が見受けられる。
【0369】 D;全面で不均一部分が見受けられる。6)定着性の評価 上記のマシンを用いてB環境(20℃/60%RH)に
おいて、トナー乗り量1.0mg/cmの未定着画像
を出力し、オイル塗布機能のない直径40mmの熱ロー
ラー外部定着にて、180℃、120mm/secの定
着条件で評価した。尚、このときのローラ材質として
は、上部、下部ともに、フッ素系のものを使用し、転写
材は75g/m(ゼロックス社製)の普通紙を用い
た。 A;定着性は良好であった。 B;直径2mm未満の小さいひぶくれが1個から5個あ
るレベル。 C;直径2mm未満の小さいひぶくれが6個から10個
あるレベル。 D;直径2mm未満の小さいひぶくれが11個以上ある
レベル、あるいは直径2mm以上の大きいひぶくれがあ
るレベル。7)定着性の評価 上記のマシンを用いてA環境(13℃/10%RH)に
おいて、トナー乗り量1.0mg/cmの未定着画像
を出力し、オイル塗布機能のない直径40mmの熱ロー
ラー外部定着にて、180℃、120mm/secの定
着条件で評価した。尚、このときのローラ材質として
は、上部、下部ともに、フッ素系のものを使用し、転写
材は90及び75g/m(ゼロックス社製)の普通紙
を用いた。尚、ひぶくれの観察は、2cm×5cmのパ
ッチ2ヶ所において行った。 A;90及び75g/m共に定着性が良好であった。 B;75g/mにて定着性が良好であった。 C;75g/mにて直径2mm未満の小さいひぶくれ
が1個から5個あるレベル。 D;75g/mにて直径2mm未満の小さいひぶくれ
が6個以上あるレベル。 もしくは、大きな直径2mm以上の大きなひぶくれがあ
るレベル。
【0370】
【発明の効果】本発明は、良好な帯電性と環境安定性を
有しており、連続通紙においても良好な転写率が保て、
且つ良好な定着性を有するトナー、該トナーの製造方法
及び該トナーを用いた画像形成方法を提供するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーのトリボ電荷量を測定する装置の概略的
説明図である。
【図2】離型剤が外殻樹脂に内包化されているトナー粒
子の断面の模式図である。
【図3】本発明のトナーが適用され得る現像装置の概略
図である。
【図4】フルカラー又はマルチカラーの画像形成方法を
説明するための概略図である。
【図5】中間転写体使用の画像形成方法の概略図であ
る。
【図6】磁性一成分現像装置を示す概略図である。
【図7】磁性一成分現像装置を示す概略図である。
【図8】非磁性一成分現像装置を示す概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 321 384 15/08 507L (72)発明者 野中 克之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 川上 宏明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 半田 智史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 森木 裕二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 谷内 信也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 中川 義広 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA15 AB06 CA03 CA08 CA14 CA15 CB06 CB20 EA03 EA06 EA07 EA10 2H030 AD01 BB42 BB44 2H077 AD06 EA03 EA14

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤及
    び硫黄元素含有重合体を含有するトナー粒子及び外添剤
    を有するトナーであって、 該トナー粒子が、マグネシウム、カルシウム、バリウ
    ム、亜鉛、アルミニウム及び燐からなるグループより選
    ばれる少なくとも一種の元素を含有し、上記元素の含有
    量の合計が100乃至30000ppm(トナー粒子質
    量基準)であることを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 硫黄元素含有重合体が、スルホン酸基を
    有する重合体であることを特徴とする請求項1に記載の
    トナー。
  3. 【請求項3】 硫黄元素含有重合体は、硫黄元素を含有
    するモノマーに由来するユニットを0.01乃至20質
    量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の
    トナー。
  4. 【請求項4】 硫黄元素含有重合体は、硫黄元素を含有
    するモノマーに由来するユニットを0.05乃至10質
    量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の
    トナー。
  5. 【請求項5】 硫黄元素含有重合体は、硫黄元素を含有
    するモノマーに由来するユニットを0.1乃至7質量%
    含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナ
    ー。
  6. 【請求項6】 硫黄元素含有重合体が、少なくともスル
    ホン酸基含有(メタ)アクリルアミドとビニル系芳香族
    炭化水素とを有する単量体系を重合することにより得ら
    れる共重合体であることを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれかに記載のトナー。
  7. 【請求項7】 硫黄元素含有重合体が、少なくともスル
    ホン酸基含有(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリ
    ル酸エステルとを有する単量体系を重合することにより
    得られる共重合体であることを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれかに記載のトナー。
  8. 【請求項8】 硫黄元素含有重合体が、少なくともスル
    ホン酸基含有(メタ)アクリルアミド、ビニル系芳香族
    炭化水素及び(メタ)アクリル酸エステルを有する単量
    体系を重合することにより得られる共重合体であること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナ
    ー。
  9. 【請求項9】 硫黄元素含有重合体は、ガラス転移点が
    50乃至100℃であることを特徴とする請求項1乃至
    8のいずれかに記載のトナー。
  10. 【請求項10】 硫黄元素含有重合体は、ガラス転移点
    が70℃より高く100℃以下であることを特徴とする
    請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
  11. 【請求項11】 硫黄元素含有重合体は、ガラス転移点
    が73乃至100℃であることを特徴とする請求項1乃
    至8のいずれかに記載のトナー。
  12. 【請求項12】 硫黄元素含有重合体は、残存モノマー
    量が1000ppm以下であることを特徴とする請求項
    1乃至11のいずれかに記載のトナー。
  13. 【請求項13】 硫黄元素含有重合体は、残存モノマー
    量が300ppm以下であることを特徴とする請求項1
    乃至11のいずれかに記載のトナー。
  14. 【請求項14】 硫黄元素含有重合体は、酸価が3乃至
    80mgKOH/gであることを特徴とする請求項1乃
    至13のいずれかに記載のトナー。
  15. 【請求項15】 硫黄元素含有重合体は、酸価が5乃至
    40mgKOH/gであることを特徴とする請求項1乃
    至13のいずれかに記載のトナー。
  16. 【請求項16】 硫黄元素含有重合体は、酸価が10乃
    至30mgKOH/gであることを特徴とする請求項1
    乃至13のいずれかに記載のトナー。
  17. 【請求項17】 硫黄元素含有重合体は、重量平均分子
    量が500乃至100000であることを特徴とする請
    求項1乃至16のいずれかに記載のトナー。
  18. 【請求項18】 硫黄元素含有重合体は、重量平均分子
    量が1000乃至70000であることを特徴とする請
    求項1乃至16のいずれかに記載のトナー。
  19. 【請求項19】 硫黄元素含有重合体は、重量平均分子
    量が5000乃至50000であることを特徴とする請
    求項1乃至16のいずれかに記載のトナー。
  20. 【請求項20】 硫黄元素含有重合体が、結着樹脂10
    0質量部当り0.01乃至15質量部含有されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載のト
    ナー。
  21. 【請求項21】 硫黄元素含有重合体が、結着樹脂10
    0質量部当り0.01乃至10質量部含有されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載のト
    ナー。
  22. 【請求項22】 マグネシウム、カルシウム、バリウ
    ム、亜鉛、アルミニウム及び燐の含有量の合計が100
    乃至20000ppm(トナー粒子質量基準)であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載のト
    ナー。
  23. 【請求項23】 マグネシウム、カルシウム、バリウ
    ム、亜鉛、アルミニウム及び燐の含有量の合計が100
    乃至9000ppm(トナー粒子質量基準)であること
    を特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載のトナ
    ー。
  24. 【請求項24】 フロー式粒子像測定装置で計測される
    個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける
    トナーの平均円形度が0.920乃至0.995であ
    り、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴
    とする請求項1乃至23のいずれかに記載のトナー。
  25. 【請求項25】 フロー式粒子像測定装置で計測される
    個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける
    トナーの平均円形度が0.950乃至0.995であ
    り、円形度標準偏差が0.035未満であることを特徴
    とする請求項1乃至23のいずれかに記載のトナー。
  26. 【請求項26】 フロー式粒子像測定装置で計測される
    個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける
    トナーの平均円形度が0.970乃至0.995であ
    り、円形度標準偏差が0.015以上0.035未満で
    あることを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記
    載のトナー。
  27. 【請求項27】 フロー式粒子像測定装置で計測される
    個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける
    トナーの円相当個数平均径Dが2〜10μmであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至26のいずれかに記載のト
    ナー。
  28. 【請求項28】 フロー式粒子像測定装置で計測される
    個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける
    円形度0.950未満のトナーが、15個数%以下であ
    る。
  29. 【請求項29】 トナーのテトラヒドロフラン(TH
    F)の可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフ
    ィー(GPC)における重量平均分子量が、10000
    乃至1500000であることを特徴とする請求項1乃
    至28のいずれかに記載のトナー。
  30. 【請求項30】 トナーのテトラヒドロフラン(TH
    F)の可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフ
    ィー(GPC)における重量平均分子量が、50000
    乃至400000であることを特徴とする請求項1乃至
    28のいずれかに記載のトナー。
  31. 【請求項31】 離型剤がエステルワックスであり、且
    つ該エステルワックスがトータルの炭素数が同一のエス
    テル化合物を50〜95質量%含有していることを特徴
    とする請求項1乃至30のいずれかに記載のトナー。
  32. 【請求項32】 離型剤が、結着樹脂100質量部当り
    1乃至40質量部含有されていることを特徴とする請求
    項1乃至31のいずれかに記載のトナー。
  33. 【請求項33】 離型剤が、結着樹脂100質量部当り
    5乃至30質量部含有されていることを特徴とする請求
    項1乃至31のいずれかに記載のトナー。
  34. 【請求項34】 トナー粒子が、結着樹脂、硫黄元素含
    有重合体の他に、更に縮合系樹脂を含有していることを
    特徴とする請求項1乃至33のいずれかに記載のトナ
    ー。
  35. 【請求項35】 縮合系樹脂が、ポリエステルであるこ
    とを特徴とする請求項34に記載のトナー。
  36. 【請求項36】 縮合系樹脂が、ポリカーボネートであ
    ることを特徴とする請求項34に記載のトナー。
  37. 【請求項37】 縮合系樹脂が、酸価0.1〜35mg
    KOH/gであることを特徴とする請求項34乃至36
    のいずれかに記載のトナー。
  38. 【請求項38】 縮合系樹脂が、酸価5〜30mgKO
    H/gであることを特徴とする請求項34乃至36のい
    ずれかに記載のトナー。
  39. 【請求項39】 縮合系樹脂が、重量平均分子量(M
    w)6,000乃至100,000であることを特徴と
    する請求項34乃至38のいずれかに記載のトナー。
  40. 【請求項40】 縮合系樹脂が、重量平均分子量(M
    w)6,500乃至45,000であることを特徴とす
    る請求項34乃至38のいずれかに記載のトナー。
  41. 【請求項41】 少なくとも重合性単量体、着色剤、離
    型剤及び硫黄元素含有重合体を含有する単量体組成物
    を、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アル
    ミニウム及び燐からなるグループより選ばれる少なくと
    も一種の元素を有する水系媒体中に分散させ、造粒し、
    該水系媒体中で単量体組成物中の重合性単量体を重合し
    てトナー粒子を製造し、該トナー粒子と外添剤とを混合
    するトナーの製造方法であって、 該トナー粒子が、マグネシウム、カルシウム、バリウ
    ム、亜鉛、アルミニウム及び燐からなるグループより選
    ばれる少なくとも一種の元素を含有し、上記元素の含有
    量の合計が100乃至30000ppm(トナー粒子質
    量基準)であることを特徴とするトナーの製造方法。
  42. 【請求項42】 水系媒体中に存在するマグネシウム、
    カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐から
    なるグループから選ばれる元素が、分散安定剤として存
    在していることを特徴とする請求項41に記載のトナー
    の製造方法。
  43. 【請求項43】 造粒時の水系媒体のpHが4.5〜1
    3であることを特徴とする請求項41又は42に記載の
    トナーの製造方法。
  44. 【請求項44】 造粒時の水系媒体のpHが4.5〜7
    であることを特徴とする請求項41又は42に記載のト
    ナーの製造方法。
  45. 【請求項45】 得られたトナー粒子をpH3以下の酸
    で洗浄することを特徴とする請求項41乃至44のいず
    れかに記載のトナーの製造方法。
  46. 【請求項46】 得られたトナー粒子をpH1.5以下
    の酸で洗浄することを特徴とする請求項41乃至44の
    いずれかに記載のトナーの製造方法。
  47. 【請求項47】 少なくとも重合性単量体、着色剤、離
    型剤及び硫黄元素含有重合体を含有する単量体組成物
    を、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アル
    ミニウム及び燐からなるグループより選ばれる少なくと
    も一種の元素を有する水系媒体中に分散させ、造粒し、
    該水系媒体中で単量体組成物中の重合性単量体を重合し
    てトナー粒子を製造し、該トナー粒子と外添剤とを混合
    するトナーの製造方法であって、 得られるトナーが、請求項2乃至40のいずれかに記載
    のトナーであることを特徴とするトナーの製造方法。
  48. 【請求項48】 少なくとも静電荷像保持体を帯電する
    帯電工程、静電荷像保持体上に静電荷像を形成する静電
    荷像形成工程、該静電荷像を現像剤担持体により担持さ
    れるトナーにより現像し、トナー画像を形成する現像工
    程、静電荷像保持体上に形成されたトナー画像を中間転
    写体を介して又は介さずに転写材に転写する転写工程、
    及び転写材上のトナー画像を定着する定着工程を有する
    画像形成方法であって、 該トナーが、請求項1乃至40のいずれかに記載のトナ
    ーであることを特徴とする画像形成方法。
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