JP4324813B2 - 回転角度検出装置及び回転機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸等の回転角度を検出する回転角度検出装置及び回転機に関する。
特開2003-075108号(特許文献1)は、円板状に形成され、前記円板の円周方向に回転する磁石と、磁界の強さを検知して、前記磁石の回転角度に応じた値を出力する複数個の磁気センサとを備え、前記複数個の磁気センサは前記磁石の回転中心線とほぼ直角な面上で前記磁石の円周付近に配置されている回転角度センサを開示しており、図4は回転軸に支持された2極の円板状の磁石と、前記磁石の円周付近に磁気センサA及びBを設けた回転角度センサを開示している。磁気センサA及びBはホール素子であり、磁場の強さを検出して、回転角度を算出する。円板状の磁石の中心Oと磁気センサAの中心とを通る直線、及び中心Oと磁気センサBの中心とを通る直線がなす角度が機械角で約90 deg.(即ち90°)になるように磁気センサA及びBが設けられている。ここで、機械角とは円板の周囲を1周する角度を360 deg.とするものである。これらの磁気センサA及びBは前記磁石に対して回転軸方向にずらした位置に設けられている。また特開2003-075108号(特許文献1)の図6は、面を回転軸に対して傾けた磁気センサA及びBを有する回転角度センサを開示している。
しかしながら、ホール素子は回転磁石との間隔(磁石表面から素子までの距離:スペーシング)が変動すると出力が急激に低下するので、スペーシングずれに弱く、高い精度で回転角度を検出することは難しいという問題がある。さらに環境の温度が変化すると、磁石の特性変化(磁束量の変化)に対応して出力が大きく変動してしまうため、安定した回転角度を検出することができなかった。
磁気センサA及びB(ホール素子)は磁束の向きの変化を検知する磁気センサではない。すなわち、磁束の向きに対してホール素子が傾いている場合、ホール素子の面に垂直な磁束成分しか検知できず、出力は小さくなる。このため、それぞれの磁気センサで受ける磁束密度を大きくして最大出力を得るために、磁気センサA及びB(ホール素子)を回転磁石に対して回転軸方向にずらした構成や回転軸に対して傾けた構成としている。磁束の向きの変化を検知するためには、複数の出力のばらつきを外部回路で振幅補正する必要があり、構成が複雑になる。
より精度の高い出力値を得るために、特開2003-075108号(特許文献1)は、1箇所設けた複数の磁気センサの出力値を平均する方法を記載している。この方法は、回路によって出力の振幅を調整する信号処理方法であり、出力の歪み自体を抑制する方法は開示されていない。またホール素子の他にMR素子を磁気センサとして使用することができると記載している。MR素子(いわゆるAMR素子)を用いたMRセンサは、電気角の1周期に対して2周期分の波形出力を得る磁気センサとなるため、出力Voが所定の値のときに対応する角度が2つ存在し、絶対角度を求めることができないという問題がある。
特開2000-078809号(特許文献2)は、図21に示すように、永久磁石517を有するロータ515と、前記ロータの回転位置を検出するエンコーダ502を備えるサーボモータが開示されている。前記永久磁石は2極の異方性を有し、前記エンコーダ502は前記ロータ515の磁界(永久磁石の漏れ磁束)を検出する磁気センサ522を有する。磁気センサ522を周方向に機械角で90 deg.の間隔で4個配置し、互いに180 deg.の位置で対向する磁気センサ522間の信号の差動をとることにより、ロータの回転が偏心している場合でもその偏心量は相殺され、検出精度の高い絶対位置信号が得られると記載している。しかしながら、特開2000-078809号(特許文献2)に記載のサーボモータの磁気センサはスピンバルブではない。
特開2001-343206号(特許文献3)は、図22(a)〜図22(c)に示すように、検出マグネットの端面と周面のそれぞれを多極に着磁した回転角度検出装置を開示している。具体的には、図22(a)に示すように、回転軸606に同心円状に垂設された円板状の検出マグネット603(円板)を備えている。検出マグネット603の一方の表面には、図22(b)に示すように、同心円状に等間隔に例えば3対(6極)の磁極603aが着磁並設されている。また、検出マグネット603の周面には、図22(a)に示すように、等間隔に例えば48対(96極)の磁極603bが着磁並設されている。検出マグネット603の一方の表面側には、検出マグネット603に適長間隔を有して平行に、回転軸606に対して回動自在に、検出基板602が設けられている。検出基板602には、48対の磁極603bがなす電気角について位相が1/4(機械角では(360 deg./48)/4)異なるように、磁極603bをそれぞれ検出するための2個の磁気検出素子602d及び602eが、検出マグネット603の周面に沿って設けられている。検出基板602には、3対の磁極603aがなす電気角について位相が1/3(機械角では(360 deg./3)/3)異なるように、磁極603aを検出するための3個の磁気検出素子602a〜602cが、検出マグネット603の一方の表面に沿って設けられている。前記磁気検出素子602a〜602eとしては、ホール素子又はMR素子を用いる。しかしながら、特開2001-343206号(特許文献3)に記載の回転角度検出装置の磁気検出素子はスピンバルブではない。
実開昭62-076607号(特許文献4)(第1図)は、正弦波信号SWを印加した強磁性体磁気センサと余弦波信号CWを印加した強磁性体磁気センサを用いて回転マグネットの回転角度を検出しようとする回転角度検出装置を開示している。実開昭62-076607号(特許文献4)に記載の回転角度検出装置は、強磁性体磁気センサにSWとCWを印加するための信号発生部を必要とし、装置が複雑で大型になるという問題がある。また、開示されたグラフ(第6図)から、電気角の1周期に対して2周期分の波形出力を得る磁気センサを使用していることが分かる。すなわち、出力Voが所定の値のときに、対応する角度が2つ存在するため、絶対角度を求めることができないという問題もある。この強磁性体磁気センサは強磁性金属の磁気抵抗効果を利用したMRセンサである。前記MRセンサは、薄膜パターン(第7図)から分かるように、長手方向の形状異方性を付与して用いる。磁化が回転するときに、磁化の向きと異方性の向きのなす角度に応じて不均一に抑制されるので、スムーズな回転が得られない。従って出力に波形歪みが発生し、精度よく回転角度を検出することは困難である。
特開2002-303536号(特許文献5)(図1及び図2)は、回転軸の端に設けられた2極の円板状磁石の端面にセンサ基板を対向させた構成の回転角検出センサを開示している。特開2002-303536号(特許文献5)の図3は、4個のGMR素子を有するセンサ基板の中心が回転軸の中心線(回転軸線)上にある構成を開示している。このGMR素子はピン止め磁性層を備えており、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子に特定される。特開2002-303536号(特許文献5)の回転角検出センサは、回転軸の中心の延長線上に、中心が一致するように1個のセンサ基板が設けられており、磁石は回転軸に片持ちで支持されている。そのため、磁石に軸を貫通させる構造(両持ち型)には適用できない。また磁石の回転のブレが発生しやすいため、精度よく回転角度を検出することは難しい。回転軸中心の精度(磁石の回転のブレの抑制)を高くしようとすると、装置が大型化してしまう。
特開2006-010346号(特許文献6)(図4)は、回転部材に設けられた磁石の回転によって生じる磁束変化を磁気抵抗効果素子によって検出し、外部運動子の移動量を測定する磁気検出方式のポジションセンサを開示している。特開2006-010346号(特許文献6)の図3が記載しているように、組立工程や加工寸法誤差によって磁気抵抗効果素子が磁石の中心軸から矢印Lの向きにずれると、出力の角度誤差は増大してしまう。このため、精度良く回転角度を検出することが難しくなる。
特開2006-208025号(特許文献7)(図1及び図5)は、信号磁石の1回転で1周期となり、かつ1/4周期の位相差を持つ余弦波と正弦波を出力する磁気抵抗効果素子とバイアス磁石を備える磁気センサを開示している。特開2006-208025号(特許文献7)に記載の磁気センサは、MR素子にバイアス磁石を付加することで絶対角を検出しようとしている。しかし、バイアス磁石の磁場と磁石回転子の磁場の大きさの比によって磁気センサの出力の振幅が変動してしまう。つまり磁石回転子の磁場の強さが大きい場合、磁気センサの出力の反転が起こり、出力の歪みも大きくなる。またバイアス磁石の磁場(Bbias)と磁石回転子の磁場(Bsig)の比Bsig/Bbiasが0.7を超えると正弦波状の出力を得ることが難しくなり、出力に歪みを生じる。磁石回転子の磁場の強さが小さい場合、磁気センサの出力も小さくなる。このような特徴を有するため、磁石回転子の位置が回転軸方向にずれると、出力の振幅変動と出力歪み変動の双方が起こり、高い精度で回転角を検出することは難しい。
バイアス磁石を有するため、センサデバイスの小型化も難しい。磁気抵抗素子は、AMR効果を用いた磁気抵抗素子(MR素子)に限られるものではなく、GMR効果を用いた磁気抵抗素子であってもよい旨が特開2006-208025号(特許文献7)の段落[0029]に記述されている。しかし、特開2006-208025号(特許文献7)に記載の発明はバイアス磁石を付加することによって、信号磁石1回転について1周期の出力を得るものであるから、GMR効果を用いた磁気抵抗効果素子は、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を包含するものではなく、積層型巨大磁気抵抗効果素子(同じ積層構造を繰り返し多段に重ねた素子。磁気抵抗変化率がMR素子よりも大きい点を除くと、機能的にはMR素子と同じ。)を指している。積層型巨大磁気抵抗効果素子はバイアス磁石を用いることにより前段落で説明したMR素子と同様の問題点を有する。
特開昭61-142782号(特許文献8)(第1図)は、磁気記録媒体とそれに対向して配置した強磁性磁気抵抗素子のパターン形成面とを所定の角度をなすように配置し、パターン形成面のパターン長手方向とのなす角度を1〜45°に設定した位置検出装置を開示している。特開昭61-142782号(特許文献8)は、MR素子の磁化容易軸方向にバイアス磁界を印加することにより、検出出力の不安定性を抑制し、出力ピーク値の位置シフトをなくした位置検出装置が提供できると記載している。しかしながら、特開昭61-142782号(特許文献8)に記載の第2図から分かるように、NS極間の中央近傍ではある角度範囲で抵抗変化率の信号が得られていないため、絶対角センサとしては使用できない。
特開2007-40850号(特許文献9)(図5)は、リング磁石表面の上方の1空間点に、磁束密度の磁石表面に平行であり、かつ互いに直交する2軸方向の成分Bx及びByをそれぞれ感磁する2つの磁電変換素子を有する感磁部を配置した回転角度センサを開示している。前記感磁部を配置した1空間点は、成分Bx及びByの磁石の回転による変化の振幅絶対値が等しくなる位置である。特開2007-40850号(特許文献9)の図5において、感磁部が磁石の表面に平行なBx及びByの2軸成分を感磁することは記載されているが、磁束密度のZ軸方向成分Bzを感磁することは開示されていないことから、センサ12X及び12Yはそれぞれホール素子に特定される。特開2007-40850号(特許文献9)の図5のように2つのセンサを立体的に交差させるには、嵌め合うための切り欠きをそれぞれに形成しておくことが必要になる。しかし、一方のセンサでホール素子の感磁面が1空間点に位置しているとき、他方のセンサでは切り欠きが前記1空間点に位置するので、厳密にはズレを生じる。つまり特開2007-40850号(特許文献9)に記載の回転角度センサは、1基板上の1感磁面によってBx、By及びBzを同時に検知するものではない。また、磁石の外径より内側にセンサを配置すると、回転軸が軸ズレを起こしたときにセンサが磁石に当たってしまうという問題がある。一方、磁石の外径より外側にセンサを離隔して配置すると、ホール素子であるため、出力が急激に低下する。
ハイブリッド車に搭載する駆動用モータには回転軸の回転角度を検出するためにレゾルバが取り付けられており、モータを駆動する電流とモータから回生される電流とを切り替えて制御を行っている。レゾルバはモータに似た形状をしており、回転軸側と固定(筐体)側のそれぞれにコイルを巻いたヨークを有する。前記ヨーク同士が対向してトランスと同様に機能することを利用して、回転軸側のヨークの位置情報を得ることができ、その位置情報を回転角度に換算する。しかしヨーク及びコイルを備えるため、巻き線が複雑であり、大型で重量が嵩むとともに高価であるといった問題がある。従って、小型・軽量であり、誤差増加を抑制して高い精度で回転角度を検出するセンサのニーズが高まっているが、上記従来技術の構成では十分な精度を得るには至っていない。
特開2003-075108号 特開2000-078809号 特開2001-343206号 実開昭62-076607号 特開2002-303536号 特開2006-010346号 特開2006-208025号 特開昭61-142782号 特開2007-40850号
そこで、本発明の目的は、回転角度の検出精度が高い回転角度検出装置及び回転機を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者等は、磁石回転子が回転したときの磁場の方向を、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を用いたセンサデバイスで検知することにより磁石回転子の回転角度が精度良く測定できることを見いだし、本発明に想到した。
(第一の回転角度検出装置)
すなわち、本発明の第一の回転角度検出装置は、4極以上の磁極を表面に有する磁石回転子と、前記磁石回転子からの磁束を検知するセンサデバイスと、前記センサデバイスから得られる複数の信号を用いて前記磁石回転子の回転角に応じた回転角信号を出力する電子回路部とを備えた回転角度検出装置であって、前記センサデバイスは、回転磁石の近傍に発生する回転磁界から異なる2つ以上の位相信号を出力する複数のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁界の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)を有し、前記複数のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子は、基準になる感磁方向を有する第1のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子と、前記第1のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子とは異なる感磁方向を有する第2のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子とを備えることを特徴とする。
ここで、回転角に応じた回転角信号を出力するとは、逆正接演算を含む処理を行うことである。具体的には逆正接演算をデジタルで行う処理である。
前記磁石回転子が回転すると、前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子自体は機械的に回転しないが、前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の自由層の磁化方向は磁気的に回転する。
前記自由層における磁化方向の回転の周期は磁石回転子の周期に対して1/N倍(Nは2以上の整数)となり、分解能が高くなる。上述の回転角度検出装置は回転機に設けるのが好ましい。
(第二の回転角度検出装置)
本発明の第二の回転角度検出装置は、4極以上の磁極を表面に有する磁石回転子と、前記磁石回転子からの磁束の向きを検知する第一のセンサデバイス及び第二のセンサデバイスとを備えた回転角度検出装置であって、前記第一のセンサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX01とセンサブリッジY01とを内蔵し、前記第二のセンサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX02とセンサブリッジY02とを内蔵し、前記センサブリッジX01,Y01,X02及びY02は、それぞれがスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁界の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)のフルブリッジであり、前記フルブリッジ中の隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、前記フルブリッジのそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた差動出力を得て、前記差動出力を基にして角度信号を得ることを特徴とする。
4個のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子は電気的なフルブリッジ回路を構成する4個のエレメント(素子)に相当する。差動出力は、オペアンプを利用してフルブリッジの中点で得られる2つ出力の差動をとったものである。
前記センサブリッジX01と前記センサブリッジY02とで独立に検出される角度情報を基に第一の回転角度信号(コサイン信号)を得て、前記センサブリッジY01と前記センサブリッジX02とで独立に検出される角度情報を基に、前記第一の回転角度信号から電気角で90 deg.遅れている第二の回転角度信号(サイン信号)を得るのが好ましい。サイン信号とは、1波長が電気角360 deg.に相当する波形である。詳しく言い換えると、フーリエ級数展開したときに、理想的正弦波(sin)の基本波と回転角度誤差の原因となる高調波とに分けることができる波形である。コサイン信号とは、フーリエ級数展開したときに、理想的余弦波(cos)の基本波と高調波とに分けることができる波形である。
前記磁石回転子は、2極対以上の多極着磁をされた磁石回転子であるのが好ましい。1極対は1つのN極及びそれと隣接する1つのS極に相当する。例えば、図5のように12極に着磁されていれば6極対の磁石回転子である。センサデバイス中にはセンサブリッジが2つあり、センサブリッジ同士はエレメントの固定層磁化方向が直交する。
磁石回転子の近傍とは、磁石回転子が回転したときに、エレメントであるスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の自由層が回転するという関係を満たすように、磁石回転子とセンサデバイスの距離が設定されている状態を指す。このように、1つのセンサデバイス内のセンサブリッジでエレメント同士が90 deg.傾けて配置されているため、センサデバイス同士の位置が90 deg.位相差になっていなくても、回転角度を正確に測定できる。
前記回転角度検出装置は、2つの角度情報を出力する第一のセンサデバイスと、2つの角度情報を出力する第二のセンサデバイスとを有し、前記第一のセンサデバイスから出力される一方の出力信号01と、前記第二のセンサデバイスから出力される一方の出力信号02とから、前記出力信号01及び02よりも高調波含有率の小さい第一の正弦波状出力信号を得る第1合成器を有し、前記第一のセンサデバイスから出力される他方の出力信号03と、前記第二のセンサデバイスから出力される他方の出力信号04とから、前記出力信号03及び04よりも高調波含有率の小さい第二の正弦波状出力信号(前記第二の正弦波状出力信号は前記第一の正弦波状出力信号と位相が90 deg.異なる。)を得る第2合成器を有し、前記第一の正弦波状出力信号と前記第二の正弦波状出力信号を逆正接演算装置に入力し、出力として磁石回転子の回転角度信号を得るのが好ましい。
逆正接演算とは、第一の正弦波状出力信号xと、第二の正弦波状出力信号yとから、tanθ=y/xの関係となるθを求めることを指す。前記第一のセンサデバイス又は第二のセンサデバイスから出力される信号のうち、少なくとも1つを反転した後に前記信号処理を行うための、反転手段を有することが、回転角度の検出精度をさらに高める上で好ましい。前記反転には、1つを反転させる場合と、3つを反転させることで実質的に1つを反転した状態と等価にする場合とを含む。
ハーフブリッジでは信号の大きさが半分になるのでフルブリッジが好ましい。エレメントとしてブリッジの1辺のみにスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を用いかつ他辺には単なる電気抵抗を用いる場合、非対称性に起因する不要成分(正確な回転角を得るには必要でない信号成分)が増える。従って4つのエレメントがスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子であるフルブリッジを用いる。
前記センサブリッジY01及び前記センサブリッジY02は、それぞれの感磁方向が磁石回転子の回転方向の1方向に対して同一の角度を持ち、前記センサブリッジX01で検出される角度情報と、前記センサブリッジY02で検出される角度情報を反転した角度信号とを、差動増幅を行うことにより第一の回転角度信号(コサイン信号)を得て、前記センサブリッジY01と前記センサブリッジX02とで独立に検出される角度情報を差動増幅して前記第一の回転角度信号から電気角で90 deg.遅れた、第二の回転角度信号(サイン信号)を得る信号処理部分を有する。
前記センサブリッジX01及びY02からの差動出力を、それぞれ個別の差動増幅器に入力した後に、前記差動増幅器出力の信号を第一の回転角度信号(コサイン信号)を得る差動増幅器を有する信号処理部分に入力し第一の回転角度信号(コサイン信号)を得て、前記センサブリッジY01及びX02からの差動出力を、それぞれ個別の差動増幅器に入力した後に、前記差動増幅器出力の信号を第二の回転角度信号(サイン信号)を得ることを目的とする信号処理部分に入力し第二の回転角度信号(信号サイン信号)を得る回路構成をとり、センサブリッジY02からの差動出力を差動増幅器に入力する際に、センサブリッジX01、X02及びY02とは極性を反転させた接続を行う。
センサブリッジY02に印加する電圧の入力極性がセンサブリッジX01、X02及びY02とは反転しているのが好ましい。
前記センサブリッジY01及び前記センサブリッジY02は、それぞれの固定層磁化方向が磁石回転子の回転方向に対して異なる方向が出力信号の増加する方向であり、前記センサブリッジX01と前記センサブリッジY02とで独立に検出される角度情報とを差動増幅を行うことにより第一の回転角度信号(コサイン信号)を得て、前記センサブリッジY01と前記センサブリッジX02とで独立に検出される角度情報を差動増幅して前記第一の回転角度信号から電気角で90 deg.遅れた、第二の回転角度信号(サイン信号)を得る信号処理部分を有するのが好ましい。
前記センサブリッジX01で検出される角度情報と、前記センサブリッジY02で検出される角度情報を反転した角度信号とを、差動増幅を行うことにより第一の回転角度信号(コサイン信号)を得る信号処理と、前記センサブリッジY01と前記センサブリッジX02とで独立に検出される角度情報を差動増幅して前記第一の回転角度信号から電気角で90 deg.遅れた、第二の回転角度信号(サイン信号)を得る信号処理とを、前記の4つのセンサブリッジで検出された角度情報を独立にアナログ-デジタル変換を行い、Y02信号から得られたデジタル信号のみを極性反転させて処理するのが好ましい。
前記センサブリッジX01及びY02からの差動出力を、それぞれ個別の差動増幅器に入力した後に、前記差動増幅器出力を第一の回転角度信号(コサイン信号)を得る加算回路を有する信号処理部分に入力して第一の回転角度信号(コサイン信号)を得て、前記センサブリッジY01及びX02からの差動出力を、それぞれ個別の差動増幅器に入力した後に、前記差動増幅器出力を第二の回転角度信号(サイン信号)を得る加算回路を有する信号処理部分に入力して第二の回転角度信号(サイン信号)を得る回路構成をとるのが好ましい。
前記第一の回転角度信号(コサイン信号)と前記第二の回転角度信号(サイン信号)とをデジタル信号に変換するアナログ-デジタル変換部と、変換されたデジタル信号を角度信号に演算する角度信号部とを有するのが好ましい。
前記第一のセンサデバイスと第二のセンサデバイスとは互いに磁石回転子の電気角においてほぼ90±180n deg.離れた位置(nは整数)に設置されているこのが好ましい。前記第一のセンサデバイスと第二のセンサデバイスとは互いに磁石回転子の電気角においてほぼ90 deg.離れた位置に設置されているのが好ましい。
前記磁石回転子の磁極対の数がNの場合に、第一のセンサデバイスと第二のセンサデバイスのなす角度は電気角で±90+180N deg.で表されるのが好ましい。
前記前記第一のセンサデバイス及び前記第二のセンサデバイスを有する第一のセンサデバイス群と、前記第一のセンサデバイス群で用いたセンサデバイスと、同一構成の、別のセンサデバイスからなり、相対的な配置が前記第一のセンサデバイス群の配置と同じである第二のセンサデバイス群とを備え、前記第一のセンサデバイス群と前記第二のセンサデバイス群とは互いに電気角で180n deg.(nは整数)離れた場所に設置されているのが好ましい。
前記センサブリッジX01,Y01,X02及びY02からの信号をそれぞれ個別の差動増幅器に入力した後に得られる4つの信号を演算処理し、故障信号を出力するのが好ましい。
前記センサブリッジX01,Y01,X02及びY02からの信号をそれぞれ個別の差動増幅器に入力して得られる4つの信号を平均することにより第5の信号を得て、前記第5の信号と、あらかじめ設定された直流電圧との差を比較して、故障検出信号を出力するのが好ましい。前記差の絶対値は、それぞれの波形が歪んでいる場合に生じるずれを許容するため、元の4信号の振幅値の1/8程度以下にするのが好ましい。
(第三の回転角度検出装置)
本発明の第三の回転角度検出装置は、2極以上の磁極を表面に有する磁石回転子と、前記磁石回転子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスを備えた回転角度検出装置であって、前記センサデバイスの中心と前記磁石回転子の回転中心軸の距離は、前記磁石回転子の半径よりも大きく、前記センサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX01とセンサブリッジY01とを内蔵し、前記センサブリッジX01及びY01は、それぞれがスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁界の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)のブリッジ回路であり、前記センサブリッジX01及びY01において、電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、前記センサブリッジX01及びY01のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして角度信号を得ることを特徴とする。
前記磁石の厚みtは、回転軸方向における磁石の寸法に相当する。前記センサデバイスの中心とは、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の中心、又はスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子が複数個ある場合にはそれらからほぼ等距離にある中心点とする。スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の厚さは磁石回転子よりも十分薄いので、前記中心はスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を形成する基板上にあるとして差し支えない。すなわち、前記センサデバイスの中心はセンサ面上にあるといえる。
(第四の回転角度検出装置)
本発明の第四の回転角度検出装置は、2極以上の磁極を表面に有する磁石回転子と、前記磁石回転子からの磁束の向きを検知する第一のセンサデバイス及び第二のセンサデバイスとを備えた回転角度検出装置であって、前記第一のセンサデバイスの中心と前記磁石回転子の回転中心軸の距離は、前記磁石回転子の半径よりも大きく、前記第二のセンサデバイスの中心と前記磁石回転子の回転中心軸の距離は、前記磁石回転子の半径よりも大きく、前記第一のセンサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX01とセンサブリッジY01とを内蔵し、前記第二のセンサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX02とセンサブリッジY02とを内蔵し、前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02は、それぞれがスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁界の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)のブリッジ回路であり、前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02において、電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして角度信号を得ることを特徴とする。
前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02の固定層磁化方向を含む平面が前記磁石回転子の回転軸に対して傾いているのが好ましい。
センサブリッジX01及びY01の固定層磁化方向を含む平面、及びセンサブリッジX02及びY02の固定層磁化方向を含む平面を、それぞれセンサ面と称する。χの定義は後述する。
前記第一のセンサデバイス及び前記第二のセンサデバイスの中心は、前記磁石回転子の厚み中心点を通りかつ回転軸に垂直な平面から、磁石回転子の回転軸方向に離れているのが好ましい。
スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子は2個又は4個用いられ、それぞれが電気的なハーブブリッジ回路又はフルブリッジ回路を構成する2個又は4個のエレメント(素子)に相当する。
前記第三及び第四の回転角度検出装置において、前記センサブリッジX01と前記センサブリッジY02とで独立に検出される角度情報を基に第一の回転角度信号(コサイン信号)を得て、前記センサブリッジY01と前記センサブリッジX02とで独立に検出される角度情報を基に、前記第一の回転角度信号から電気角で90 deg.遅れている第二の回転角度信号(サイン信号)を得るのが好ましい。
前記磁石回転子は、2極以上に着磁をされた磁石回転子であるのが好ましい。2極は1つのN極及びそれと隣接する1つのS極に相当する(1極対とも称する)。センサデバイス中にはセンサブリッジが2つあり、センサブリッジ同士はエレメントの固定層磁化方向が直交する。磁石回転子の近傍とは、磁石回転子が回転したときに、エレメントであるスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の自由層が回転するという関係を満たすように、磁石回転子とセンサデバイスの距離が設定されている状態を指す。特に2つのセンサデバイスを用いる場合、1つのセンサデバイス内のセンサブリッジでエレメント同士が90 deg.傾けて配置されているため、センサデバイス同士の位置が90 deg.位相差になっていなくても、回転角度を正確に測定できる。
ハーフブリッジ回路では信号の大きさが半分になるのでフルブリッジ回路が好ましい。エレメントとしてブリッジ回路の1辺にスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を用いかつ他辺には単なる電気抵抗を用いる場合、非対称性に起因する不要成分(正確な回転角度を得るには必要でない信号成分)が増える。従って4つのエレメントがスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子になっているフルブリッジ回路を用いる。
前記第三及び第四の回転角度検出装置において、前記第一の回転角度信号(コサイン信号)と前記第二の回転角度信号(サイン信号)とをデジタル信号に変換するアナログ-デジタル変換部と、変換されたデジタル信号を角度信号に演算する角度演算部とを有するのが好ましい。
前記第一のセンサデバイスと第二のセンサデバイスとは互いに前記磁石回転子の電気角においてほぼ90±180n deg.離れた位置(nは整数)に設置されているのが好ましい。さらに、前記第一のセンサデバイスと第二のセンサデバイスとは互いに前記磁石回転子の電気角においてほぼ90 deg.離れた位置に設置されているのが好ましい。
前記磁石回転子の磁極対の数がNの場合に、第一のセンサデバイスと第二のセンサデバイスのなす角度は電気角で±90+180N deg.で表されるのが好ましい。
前記第一のセンサデバイス及び前記第二のセンサデバイスを有する第一のセンサデバイス群と、前記第一のセンサデバイス群で用いたセンサデバイスと、同一構成の、別のセンサデバイスからなり、相対的な配置が前記第一のセンサデバイス群の配置と同じである第二のセンサデバイス群とを備え、前記第一のセンサデバイス群と前記第二のセンサデバイス群とは互いに電気角で180n deg.(nは整数)離れた場所に設置されているのが好ましい。
前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02からの信号をそれぞれ個別の差動増幅器に入力した後に得られる4つの信号を演算処理し、故障信号を出力するのが好ましい。
前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02からの信号をそれぞれ個別の差動増幅器に入力して得られる4つの信号を平均することにより第5の信号を得て、前記第5の信号と、あらかじめ設定された直流電圧との差を比較して、故障検出信号を出力するのが好ましい。前記差の絶対値は、それぞれの波形が歪んでいる場合に生じるずれを許容するため、元の4信号の振幅値の1/8程度以下にするのが好ましい。
(第五の回転角度検出装置)
本発明の第五の回転角度検出装置は、2極磁石を有する磁石回転子と、前記磁石回転子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスとを備えた回転角度検出装置であって、前記センサデバイスは、複数のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁場の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)で構成された感磁面を有し、磁束を前記感磁面と交差させて、前記感磁面内で直交する磁束密度成分同士の振幅の大きさが等しくなるように、前記磁石回転子に対して前記センサデバイスが設けられていることを特徴とする。振幅の大きさが等しいとは、直交する実効磁束密度の振幅比Keff=B⊥eff0/B//eff0が1となる状態を指す。より詳細には、Keff=0.93〜1.08とする。より望ましくは、Keff=0.96〜1.04とする。理想的には、Keff=1.0とする。
前記2極磁石は、1つのN極と1つのS極が着磁されているものであればよく、その形状の例としては円板状、リング状、矩形状等が挙げられる。前記2極磁石は前記磁石回転子の回転軸線と直交する向きに沿って着磁されている。回転軸線は、回転角度を測定したい対象(回転体又は回転軸)の中心線に相当する。
(第六の回転角度検出装置)
本発明の第六の回転角度検出装置は、2極磁石を有する磁石回転子と、前記磁石回転子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスとを備える回転角度検出装置であって、前記センサデバイスは、複数のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁場の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)で構成された感磁面を有し、空間磁束密度の振幅比K0=B⊥0/B//0≠1となる位置で、前記感磁面内で直交する実効磁束密度の振幅比Keff=B⊥eff0/B//eff0が1となるように、前記磁石回転子に対して前記センサデバイスが設けられていることを特徴とする。
(第七の回転角度検出装置)
本発明の第七の回転角度検出装置は、2極磁石を有する磁石回転子と、前記磁石回転子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスとを備える回転角度検出装置であって、
前記センサデバイスは、複数のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁場の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)で構成された感磁面を有し、
前記磁石回転子の厚み中心点と前記センサデバイスの感磁面の中心を結ぶ線が、前記磁石回転子の厚み中心点を通りかつ回転軸線に垂直な平面に対してなす角度をセンサ配置角φとし、前記磁石回転子の厚み中心点を通りかつ回転軸線に垂直な平面が前記感磁面となす角度をセンサ傾斜角χとしたとき、φ及びχが、
(a)φ:-1.6〜1.5 deg.かつχ:-57.6〜-62.2 deg.である範囲、
(b)φ:-1.5〜1.6 deg.かつχ:57.6〜62.2 deg.である範囲、
(c)φ:33.8〜36.6 deg.かつχ:-2.7〜3.1 deg.である範囲、
(d)φ:19.2〜22.8 deg.かつχ:87.4〜92.4 deg.である範囲、
(e)φ:67.1〜70.8 deg.かつχ:84.2〜97.7 deg.である範囲、又は
(f)φ:81.4〜98.7 deg.かつχ:158.6〜201.2 deg.である範囲
のいずれかの範囲内となるように前記センサデバイスを設け、前記センサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジA01とセンサブリッジB01とを内蔵し、前記センサブリッジA01及びB01は、それぞれ前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子のブリッジ回路であり、前記ブリッジ回路は、それぞれ電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、前記センサブリッジA01及びB01のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして角度信号を得ることを特徴とする。
前記2極磁石を有する回転角度検出装置は、前記磁石回転子の回転の1周に対して絶対角度を測定できる。従って、機械的な回転の測定(機械角の測定)に適している。他方、後述する4極以上の磁極を有する磁石回転子を有する回転角度検出装置は、極数が多い分、検出角度の分解能を2極に対してN倍化できる。
磁石回転子を回転自在に支持して回転角度検出装置を構成するには、片持ち型(片側にのみ回転軸が延びる磁石回転子)よりも両持ち型の磁石回転子の方が回転軸のブレがなく、高い精度で回転角度を検出できる。さらに、両持ち型の磁石回転子、内側の方が検出装置を小さくできる。
(第八の回転角度検出装置)
本発明の第八の回転角度検出装置は、4極以上の磁極を有する磁石回転子と、前記磁石回転子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスとを備える回転角度検出装置であって、前記センサデバイスは、複数のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁場の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)で構成された感磁面を有し、磁束を前記感磁面と交差させて、前記感磁面内で直交する磁束密度成分同士の振幅の大きさが等しくなるように、前記磁石回転子に対して前記センサデバイスが設けられていることを特徴とする。
ここで、4極以上の磁極を有する磁石回転子は、少なくとも2つのN極と2つのS極が着磁されているものであればよい。例えば、円周方向に沿って周面に4極以上の磁極を着磁した多極磁石を備える磁石回転子、又は回転軸を周回するように多数のセグメント磁石(2極)を配列して一体化した磁石回転子が挙げられる。
(第九の回転角度検出装置)
本発明の第九の回転角度検出装置は、4極以上の磁極を有する磁石回転子と、前記磁石回転子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスとを備える回転角度検出装置であって、前記センサデバイスは、複数のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁場の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)で構成された感磁面を有し、空間磁束密度の振幅比K0=B⊥0/B//0≠1となる位置で、前記感磁面内で直交する実効磁束密度の振幅比Keff=B⊥eff0/B//eff0が1となるように、前記磁石回転子に対して前記センサデバイスが設けられていることを特徴とする。
(第十の回転角度検出装置)
本発明の第十の回転角度検出装置は、4極以上の磁極を有する磁石回転子と、前記磁石回転子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスとを備える回転角度検出装置であって、前記センサデバイスは、複数のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁場の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)で構成された感磁面を有し、前記磁石回転子の厚み中心点と前記センサデバイスの感磁面の中心を結ぶ線が、前記磁石回転子の厚み中心点を通りかつ回転軸線に垂直な平面に対してなす角度をセンサ配置角φとし、前記磁石回転子の厚み中心点を通りかつ回転軸線に垂直な平面が前記感磁面となす角度をセンサ傾斜角χとしたとき、φ及びχが、
z≠0、χ=0、かつφ=4.5〜25 deg.である範囲、又は
z=0、φ=0、かつχ=40〜60 deg.である範囲
のいずれかの範囲内となるように前記センサデバイスを設け、前記センサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジA01とセンサブリッジB01とを内蔵し、前記センサブリッジA01及びB01は、それぞれ前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子のブリッジ回路であり、前記ブリッジ回路は、それぞれ電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、前記センサブリッジA01及びB01のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして角度信号を得ることを特徴とする。
前記センサデバイスの感磁面の中心と前記磁石回転子の回転軸線の距離は、前記磁石回転子の半径よりも大きく、前記感磁面が前記磁石回転子の回転軸線に対して傾いており、前記センサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジA01とセンサブリッジB01とを内蔵し、前記センサブリッジA01及びB01は、それぞれ前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子のブリッジ回路であり、前記ブリッジ回路は、それぞれ電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、前記センサブリッジA01及びB01のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして角度信号を得るのが好ましい。
前記センサデバイスの感磁面の中心と前記磁石回転子の回転軸線の距離は、前記磁石回転子の半径よりも大きく、前記磁石回転子の厚み中心点を通りかつ回転軸線に垂直な平面から、前記センサデバイスの感磁面の中心は磁石回転子の回転軸線方向に離れており、前記センサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジA01とセンサブリッジB01とを内蔵し、前記センサブリッジA01及びB01は、それぞれ前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子のブリッジ回路であり、前記ブリッジ回路は、それぞれ電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、前記センサブリッジA01及びB01のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして角度信号を得るのが好ましい。
前記センサデバイスの感磁面の中心と前記磁石回転子の回転軸線の距離は、前記磁石回転子の半径以下であり、前記感磁面が前記磁石回転子の回転軸線に対して傾いており、前記センサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジA01とセンサブリッジB01とを内蔵し、前記センサブリッジA01及びB01は、それぞれ前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子のブリッジ回路であり、前記ブリッジ回路は、それぞれ電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、前記センサブリッジA01及びB01のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして角度信号を得るのが好ましい。
前記センサデバイスの感磁面の中心と前記磁石回転子の回転軸線の距離は、前記磁石回転子の半径以下かつ0より大であり、前記磁石回転子の厚み中心点を通りかつ回転軸線に垂直な平面から、前記センサデバイスの感磁面の中心は磁石回転子の回転軸線方向に離れており、前記センサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジA01とセンサブリッジB01とを内蔵し、前記センサブリッジA01及びB01は、それぞれ前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子のブリッジ回路であり、前記ブリッジ回路は、それぞれ電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、前記センサブリッジA01及びB01のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして角度信号を得るのが好ましい。
センサデバイスの感磁面の中心とは、複数のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子からほぼ等距離にある中心点とする。スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の厚さは磁石回転子よりも十分薄いので、前記中心はスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を形成する基板上にあるとして差し支えない。
ここで、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子は2個又は4個用いられ、それぞれが電気的なハーブブリッジ回路又はフルブリッジ回路を構成する2個又は4個のエレメント(素子)に相当する。高い出力を得るためには4個の方が好ましい。
センサブリッジA01の信号(コサイン信号)とセンサブリッジB01の信号(サイン信号)とをデジタル信号に変換するアナログ-デジタル変換部と、変換されたデジタル信号を角度信号に演算する角度演算部とを有するのが好ましい。
上述のセンサデバイスとは別のセンサデバイスを、磁石回転子の近傍に少なくとも1個以上配置し、これらから得られた信号を合成して演算し、回転角度信号を得ることもできる。
(回転機)
本発明の回転機は、前記いずれかの回転角度検出装置を備えることを特徴とする。回転機の具体例としては、発電機及びモータが挙げられる。特に、ハイブリッド車に搭載する駆動用モータに前記回転角度検出装置を適用することが、軽量化の観点からも好ましい。
(回転角検出方法)
本発明の回転角検出方法は、4極以上の磁極を表面に有する磁石回転子と、前記磁石回転子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスと、前記センサデバイスから得られる複数の信号を用いて前記磁石回転子の回転角に応じた回転角信号を出力する電子回路部とを備える回転角度検出装置を用い、回転磁石の近傍に発生する回転磁界から異なる2つ以上の位相信号を前記センサデバイスから検出して電子回路部で合成し、合成された2つの信号を用いて逆正接演算を含む処理を行って、前記磁石回転子の回転角に応じた回転角信号を出力することを特徴とする。
磁石回転子の近傍に発生する回転磁界から、異なる2つ以上の位相信号を前記センサデバイスにより検出して電子回路部で合成し、合成された2つの信号を用いて逆正接演算を含む処理を行って、前記磁石回転子の回転角に応じた回転角信号を出力することを特徴とする。前記電子回路部は逆正接演算を含む処理を行う。具体的には逆正接演算をデジタルで処理する。
本発明の回転角度検出装置は、回転角度の検出精度が高いため、ハイブリッド車に搭載する駆動用モータ等の小型化が必要な回転機に好適である。
(1)回転角度検出原理
回転方向に2N極(Nは自然数)を有する磁石回転子について、本発明の回転角度検出装置の角度検出原理を説明する。この磁石回転子はN極対の磁石を有していると言い換えることができ、N回の軸対称性を有している。ある基準角の機械角θmは電気角θelによって式(1)で表される。特に、2極(N=1)の場合は式(2)で表され、電気角と機械角が等しくなる。
Figure 0004324813
Figure 0004324813
単純化のために軸方向に無限に長い磁石回転子を仮定する(すなわち、軸方向には磁場は一様に分布していると仮定する)。このとき磁石回転子から発生する磁場を測定位置(r,θ)の関数とした空間ベクトルで表すと、半径方向の磁場成分Hrと回転方向の磁場成分Hθとはそれぞれ式(3-1)及び式(3-2)で近似できる。
Figure 0004324813
さらに、式(3-1)及び式(3-2)において、基本波成分がゼロでなく(すなわちA1がゼロではない)場合、rがある程度大きく3次以上の高調波がA1で表される基本波に比して小さいときには、式(4-1)及び式(4-2)のように簡略化可能である。
Figure 0004324813
これは、測定点に対して磁石回転子が角度θmだけ動くと磁場の向きがθel変化することを意味する。すなわち、磁場の大きさに関係なく、磁場の方向を検知することにより磁石回転子の回転角度が測定可能であることを意味している。
(2)スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子
前述の原理による磁気センサを実現するためのエレメント(素子)として、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子がある。磁気抵抗効果素子は磁場を感知してその抵抗値が変化するエレメント(素子)であり、通常はエレメント(素子)の異方性方向の磁場成分を一次元的に検知するように使用される。本発明においては、エレメント(素子)を回転磁場中に入れた場合の抵抗変化に着目してセンサシステム全体を構成している。回転磁場に対してcosα(αは固定層の磁化と自由層の磁化とのなす角)の抵抗変化をするエレメント(素子)、符号が逆の(-cosα)の抵抗変化をするエレメント(素子)、又はそれらを組み合わせた素子対を用いる。直流電圧印加時に、cosαに比例する電圧を出力するエレメント(素子)を適用することにより、式(5)に示すようにRresが出力される。式(5)において、δは抵抗変化率である。
Figure 0004324813
スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を使用した場合、固定層の磁化の向きは製造工程によって決まり、外部磁場の動きによって変化しない。一方、自由層の磁化は、外部磁場の方向と同一であることから、抵抗変化は外部磁場の方向にのみ依存し、磁場の絶対値の大きさにはよらない動作が可能となる。このように、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子では、磁場と感磁方向のなす角度に応じた出力が得られるため、電気角の1周期に対して1周期分の波形出力が得られ、逆正接演算によって絶対角度を求めることができる。また磁石回転子から印加される磁束に応じて自由層の磁化はスムーズに回転する。このため、本発明に使用するエレメント(素子)として適している。なお、逆正接演算とは、第一の正弦波状出力信号x(例えばセンサブリッジA01から得る信号)、及び第二の正弦波状出力信号y(例えばセンサブリッジB01から得る信号)から、tanθm=y/xの関係となるθmを求めることである。
上記において、HrとHθの振幅は等しいとして説明を行ったが、磁石回転子の軸方向寸法(すなわち磁石回転子厚み)が有限である場合、振幅は等しくならない。以下に、振幅が等しくないときの角度演算方法を説明する。図33(a)及び図33(b)に示すように、原点にある永久磁石の外周近傍にセンサデバイスを設置する場合、その最適配置は以下のように求まる。磁石回転子の中心を原点とする座標系(X,Y,Z)において、位置(Xs,Ys,Zs)に図9(a)〜図9(c)で示すように内部に平行反平行方向の固定層磁化方向を有するスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子がブリッジ接続されているセンサデバイス2aを配置する(図33(a)及び図33(b)においては、Ys=0、Xs= r0+ r1、Zs=0である)。センサブリッジA01の固定層磁化方向をX軸と平行に配置し、センサブリッジB01の固定層磁化方向はY軸と平行(磁石回転の接線方向)に配置した。X-Y平面と、前記磁石の原点とセンサデバイスの中心とを結ぶ線とがなす角をセンサ配置角φとすると、磁石回転子が円周方向にθm回転したときのX,Y及びZ方向の磁束成分BX、BY及びBZはそれぞれ式(6-1)、式(6-2)及び式(6-3)で表される。ただし、磁石回転子を1個の磁気モーメントmに近似して考えた。
Figure 0004324813
このとき、BYをB//とし、残りのY軸に直交する成分をBと表すと、式(7-1)及び式(7-2)となる。
Figure 0004324813
B//0はB//の振幅であり、B⊥0はBの振幅である。これらの振幅比である空間磁束密度振幅比K0は、式(8)で表される。
Figure 0004324813
Zs=0の場合は、BZ=0であるため、B//とBはともにX-Y平面内に存在する。Zs≠0の場合、すなわちあるセンサ配置角φ(φ=90 deg.を除く)の位置にセンサデバイスを設置すると、センサデバイスの中心ではX-Y平面からε傾いた平面(以下、ε面と称する)内で空間磁束密度振幅比K0の回転磁場が得られる。
特開2002-303536号に記載の、回転軸の端に設けられた2極の円板状磁石の端面にセンサ基板を対向させた構成における空間磁束密度振幅比K0は、式(7-1)及び式(7-2)にφ=90 deg.を代入することで得られ、K0=1となる。よって、各センサブリッジは同一振幅で90 deg.位相の異なる磁束を受ける。そのため、各センサブリッジの出力は、歪むことなく正弦波又は余弦波となり、逆正接演算後の角度信号に誤差は発生しない。
一方、図33(a)及び図33(b)に示すのように、φ=0 deg.の場合、空間磁束密度振幅比K0=B⊥0/B//0=2で、90 deg.位相の異なる磁束を受けることとなり、センサ出力は正弦波とはならず、図33(c)に示されるようにセンサブリッジA01の出力はほぼ台形波、センサブリッジB01の出力はほぼ三角波となる。その結果、図33(d)に示すように、±20 deg.という非常に大きな誤差が発生してしまう。このとき、センサブリッジB01の固定層磁化方向を回転軸としてχ傾けたとき、センサデバイス内のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子が実効的に受ける磁束密度のY方向成分B//eff、それに直交する方向の成分B⊥eff、及び実効磁束密度振幅比Keffは、それぞれ式(9-1)、式(9-2)及び式(9-3)で表される。B//eff0はB//effの振幅であり、B⊥eff0はB⊥effの振幅である。
Figure 0004324813
直交する実効磁束密度の振幅比Keff=B⊥eff0/B//eff0が1となる状態、つまり振幅の大きさを等しい状態にするのが好ましい。Keffの好ましい範囲はKeff=0.93〜1.08であり、より好ましくはKeff=0.96〜1.04であり、理想的にはKeff=1.0である。
χを最適センサ傾斜角χbest[式(9-3)においてKeff=1.0のときのχがχbestである。]にした場合、センサデバイスの固定層磁化方向を感磁面内で回転させても角度誤差は発生しない。これは、図9(a)〜図9(c)に示すように、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向を直交させて、1対のセンサブリッジが2軸の直交関係になっていれば、感磁面内で固定層磁化方向を回転させてもセンサブリッジの出力の位相がθmに対して進むか又は遅れるだけで、出力の振幅及び出力の精度には影響しないためである。以上のようにして、前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子は、Bx、By及びBzの3軸成分を有する磁束の方向を検知する。
ここで、磁石回転子を磁気モーメントmに近似したが、実際には回転軸方向に薄い扁平形状をした円板状磁石が多く用いられるため、磁石回転子の反磁場係数やセンサデバイスの取り付け位置に依存して、空間磁束密度振幅比K0は変化する。しかしながら、センサデバイスの取り付け位置を、磁石回転子表面とのギャップの距離が数 mmになるように離した場合、磁気モーメントmで近似可能となる。
上記のように、2極着磁の磁石においては、磁気モーメントmに近似可能な解析によって、実効磁束密度振幅比Keffが1となる、最適センサ配置角φbest及び最適センサ傾斜角χbestを求めることができる。しかしながら、多極に着磁されたリング磁石のように、着磁パターンが複雑な場合は、磁気モーメントmでの解析が困難となってくる。このような場合は、有限要素法などの磁場解析によって、任意の点の磁束密度成分から空間磁束密度振幅比K0を求め、実効磁束密度振幅比Keffが1となるように、センサデバイスをX-Y平面からχ傾ければ、角度誤差の少ない回転角度検出装置を構成することができる。
本明細書において、センサブリッジは4つのエレメント(スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子)を電気回路的なブリッジに組んだものに相当する。さらに2つのセンサブリッジを搭載したものをセンサデバイスと称する。磁石回転子とセンサデバイスを対向させる構成を回転角度検出装置(ユニット)と称する。なお、回転角度検出装置に取り付けることができるように複数のセンサデバイスを組み合わせた単位をモジュールと称する。
本発明を以下の実施例により図面を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(参考例1)
本発明の第一の回転角度検出装置は、図1(a)及び図1(b)に示すように、磁石回転子1と、磁気回転子の外周の外側に配置された磁気センサ部2と、前記磁気センサ部2を固定するハウジング3で構成されている。磁石回転子1は、複数の円弧を連結した外周形状を有するリング状永久磁石1aと、前記リング状永久磁石の内周側に一体に形成された軟磁性リング1bと、前記軟磁性リングを支持する非磁性リング状のアダプタ1cを備える。磁気センサ部2は、磁石回転子1に対向する周縁が凹面である板状の回路用基板2cと、前記回路用基板2cの面に固定した一対のセンサデバイス2a,2bと、前記センサデバイス及び回路用基板2cと制御用回路とを電気的に接続するケーブル2d及びコネクタ2eと、前記センサデバイスを覆う非磁性カバー2fとを有する。前記センサデバイス2a,2bには、それぞれ2つの積層スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子が搭載されており(図示せず、センサデバイス2a,2bによってリング状永久磁石1aの回転角を検出することができる。ハウジング3には、センサデバイス2a,2bが所定の間隔で磁石回転子1と対向するよう、前記回路用基板2cを固定するためのコ字型アングル3a及びボルト3cが設けられている。なお、磁気センサ部2の詳細については後述する。
磁気センサ部2を設置したハウジング3は、ボルト止め用孔3bを用いて工作機械本体に固定し、工作機械の回転シャフトに磁石回転子1は、ボルト止め用孔1dを用いて同軸となるように固定した(図1(a)及び図1(b)では工作機械の図示を省略した)。図1(a)に示すように、磁石回転子1と磁気センサ部2を対向させた状態で工作機械の回転シャフトを駆動させたところ、高い精度で回転角を検出することができた。
磁石回転子1は、NdFeB系磁粉とバインダーとを成形してなるリング状永久磁石1aと、軟鉄粉とバインダーとを成形してなる軟磁性リング1bと、前記軟磁性リングを回転シャフトに取り付けるためのS45C製のアダプタ1cで構成した。磁石回転子1は、外周面が12極(すなわち6極対)に着磁されている。1極対に相当する機械角60 deg.が電気角の360 deg.に相当する。センサデバイス2a及びセンサデバイス2bは、それぞれスピンバルブ素子4個で図2(a)及び図2(b)に示すように2つのハーフブリッジ回路を構成し、非磁性リードフレームを利用して6個の端子23を形成し、樹脂系材料でモールドしたものを用いた。センサデバイス2aとセンサデバイス2bとは磁石回転子1の回転軸を中心として機械角で15 deg.(すなわち電気角で90 deg.)をなすよう、回路用基板2cに固定した。センサデバイス2a,2bはコネクタ2e付きケーブル2dを介して図3の回路を構成するようにして機能させた。ハウジング3及びコ字型アングル3aも非磁性SUS316で構成した。
磁石回転子1の外接円(点線で図示)の半径は40 mm、磁石回転子1の外接円(点線で図示)とセンサデバイスの中心との距離rは3.5 mm、磁石回転子1の厚さtは25 mm、ハウジング3の厚さTは2 mm(2 mm厚の板材を打ち抜き、絞りで形成した)であった。距離rを10 mmまで大きくした場合でも問題なく使用することができた。また、磁石回転子1の厚さtは5 mmの場合でも同様に問題なく使用することができた。
センサデバイス2a及び2bは、図2(a)及び図2(b)に示すように、センサ素子として4個のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子22a,22b,22c,22dをモールドの内部に有し、リードフレームによる6本の端子23を備える。それぞれのスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子は図示した太矢印の向きに固定層の磁化方向が固定されている。スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子22a及び22eの太矢印は、磁石回転子の中心を指す向きに相当する。図2(c)及び図2(d)は、それぞれセンサデバイス2a及び2bの4個のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(回路図で電気抵抗として図示)と端子の関係を示す回路図である。センサデバイス2aにおいては、図2(c)に示すように、直列接続したスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子22a及び22dに定電圧Vccxを印加して、接続の中点からVoutxを出力し、直列接続したスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子22b及び22cに定電圧Vccyを印加して、接続の中点からVoutyを出力した。Gndx及びGndyは接地(アース電位)に相当する。センサデバイス2bも、図2(d)に示すように、同様に接続した。
回転角度検出装置に用いる回路を、図3に概略的に示す。4つのハーフブリッジ回路を並列接続し、定電圧の端子をVccにまとめ、接地の端子をGndにまとめた。スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子22a,22b,22c,22dは図2(a)のセンサデバイス2aに対応し、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子22e,22f,22g,22hは図2(b)のセンサデバイス2bに対応する。それぞれの太矢印はスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層の磁化方向を表す。スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子22d,22aの中点出力とスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子22g、22fの中点出力を第一のオペアンプで増幅し、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子22h,22eの中点出力とスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子22b、22cの中点出力を第二のオペアンプで増幅した。ついで、第一のオペアンプの出力と第二のオペアンプの出力をA-D変換器に入力し、得られる出力を両方とも角度演算器に入力し、検出角度の値を最終的な出力として得た。図1(a)及び図1(b)に示すように、センサデバイス2aに対してセンサデバイス2bは周方向に機械角φ異なる位置に配置されているため、電気角θの位相差がある(12極の場合はφ=15 deg.、θ=90 deg.である)。一方が磁石回転子の周方向に沿った磁束を受けているときに、他方はθ遅れた磁束を受けている。このように多極化することでθに対するφが小さくなり、センサデバイスを狭い領域に収めて小型化することができた。
上記スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子は、それぞれ素子が配置された場所における感磁方向と磁場方向とのなす角を検知している。本参考例では上記のように周方向に感磁方向を有するスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子と、それに対して電気角で90 deg.異なる位置に配置された、半径方向に感磁方向を有するスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子とを組み合わせるブリッジ構成になっており、同一場所に配置されたスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を組み合わせたブリッジ構成に比べて、出力信号波形の歪みが相殺されて、より理想的な正弦波に近い出力を得ることができた。参考例1の回転角度検出装置の回転角精度は、機械角で±5 deg.以内に収まった。
機械角で表した最大検出角度の誤差は、電気角で表すとその磁極数が多いほど小さくなる。つまり、電気角で表したときの回転角誤差が同じであっても、2極の磁石回転子を用いた場合に比べ、12極の磁石回転子を用いた場合では機械角で表すと1/6の回転角誤差になる。このため、多磁極数の磁石回転子を用いる方が、より検出誤差を少なくすることが可能になる。
本発明の回転角度検出装置に用いる他の磁石回転子を図4に示す。磁石回転子11は、外周が円形でありかつ複数の円弧を連結した内周形状を有するリング状永久磁石11aと、前記リング状永久磁石11aの内周側に一体に形成されたヨーク11eと、前記ヨーク11eの内周に一体に形成された円環状の軟磁性リング11bと、前記軟磁性リング11bを支持する非磁性リング状のアダプタ11c(ボルト止め用孔11dを有する)を備える。磁極ごとに磁石厚さに勾配をつけて凸形状又はレンズ状とすることにより、磁石回転子11の外周面における表面磁束密度分布を理想的なsin波に近づけた。本発明の回転角度検出装置は、磁石回転子に近接してスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子のセンサブリッジを有する磁気センサ(近接して配置する一対のセンサ)設けたので、図4に示すような形状を有するリング状永久磁石であっても高い精度で回転角を検出できた。
本発明の回転角度検出装置に用いるさらに他の磁石回転子を図5に示す。磁石回転子21は、複数のセグメント状磁石21aを円環状の軟磁性リング21bの外周面に接着剤を介して配列するとともに、前記軟磁性リング21bを支持する非磁性リング状のアダプタ21c(ボルト止め用孔21dを有する)を備える。磁気センサ部2の構成は図1(a)及び図1(b)と同様である。ただし、ハウジング13(一部のみ図示)は、図1(a)及び図1(b)のハウジング3の形状に対して、磁気センサ部2の近傍以外の部分で内径を小さくした。ハウジング13の内周面には鉄の薄板13b(S45C)を固着した。このように鉄の薄板13bを設けることにより、外部からの磁気的擾乱を防ぎ、磁石回転子からの磁束の高調波成分をより低減することができる。
本発明の回転機を図6に示す。この回転機はモータであり、フレーム73c内には、中心軸としてシャフト71bを有する永久磁石のロータ71aと、フレーム73cの内周面に固定したステータ用コイル73bを有するステータ73aとを設置した。シャフト71bはベアリング(図示省略)を介してフレーム73cに回転自在に固定した。磁石回転子71cはシャフト71bに設け、センサデバイス72aは支持部72cを介してフレーム73cに設置した。前記磁石回転子71cの回転磁界を前記センサデバイス72aで検知し、その出力を演算回路72bで処理し、磁石回転子71cの回転角を出力した。この回転機では、磁石回転子71cが回転すると、センサデバイス72a中のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子における自由層の磁化方向が磁気的に回転した。前記自由層の磁化方向の電気的な軸を、図中に一点鎖線で示した。
本発明の他の回転機を図7(a)〜図7(d)に示す。これらの回転機は、図6に示す回転機を変形した例である。一部同様の部材については符号を省略した。同じ符号を用いた部分は同様の部材を示す。図7(a)に示す回転機は、図6に示す回転機に対して、支持部72cを支持部72fに置換し、支持部72fの端面にセンサデバイス72eを配置したものである。スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子における自由層の磁化方向が磁気的に回転する面を、磁石回転子71cに対向させた。図7(b)に示す回転機は、シャフト71bの向きに沿って多極に着磁した磁石回転子71dで磁石回転子71cを置き換え、前記磁石回転子71dの端面の磁界を検知するように支持部72hを介してセンサデバイス72gを配置し、その出力を演算回路72iで処理し、磁石回転子の回転角を出力した。図7(c)に示す回転機は、磁石回転子71cをなくし、永久磁石のロータ71aの軸方向長さを延長した形状のロータ71eを設け、前記ロータ71e周面の磁界を検知するように支持部72kを介してセンサデバイス72jを配置し、その出力を演算回路72iで処理し、磁石回転子の回転角を出力した。図7(d)に示す回転機は、図7(a)の構成において、ロータ71a及び磁石回転子71cを図7(c)に示すロータ71eに置換したものである。
本発明のさらに他の回転機を図8(a)、図8(b)及び図8(c)に示す。図7(a)〜図7(d)に示す回転機の構成をさらに変形した例である。図7(a)、図7(b)及び図7(d)に示す回転機において、磁石回転子又はロータが機械的に回転しても、センサデバイスに印加される磁界は回転磁界ではないので、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の自由層の磁化方向の回転は制限される(一点鎖線を中心にして傾くが、1回転には及ばない。)。そこで、図7(a)、図7(b)及び図7(d)に示す回転機における支持部の長さや位置を、それぞれ図8(a)、図8(b)及び図8(c)に示すように変更した。その結果、磁石回転子又はロータが機械的に回転すると、一点鎖線に垂直な面に平行な回転磁界成分がセンサデバイスに印加されるため、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の自由層の磁化方向も回転するようになった。
なお、以上の参考例では回転機に適用した構成を示したが、同様な角度検出は相対的な移動方向を円周から直線方向に変換した位置検出装置でも可能である。直線方向に変換した場合は、リニアモータの位置検出等に応用可能である。
(参考例2)
本発明の第二の回転角度検出装置は、図2(a)〜図2(d)に示すセンサデバイス2a,2bを、図9(a)〜図9(f)に示すように、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子8個で2つのフルブリッジ回路を構成し、非磁性リードフレームを利用して10個の端子23を形成し、樹脂系材料でモールドしたセンサデバイス12a,12bに変更した以外、参考例1の第一の回転角度検出装置と同様にして作製した。図1(a)及び図1(b)の距離rを10 mmまで大きくした場合でも問題なく使用することができた。また、磁石回転子1の厚さtは5 mmの場合でも同様に問題なく使用することができた。
図9(a)に示すように、1つのセンサデバイス12a内には、エレメントとしてX,Y,-X,-Y方向のいずれかを固定層磁化方向としたスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子が8個内蔵されている。図中の太い矢印は1個のエレメントにおける固定層磁化方向を表す。一つの基板に固定層磁化方向が同じである2個のエレメントを形成したものを4個用いた。これら8個のエレメントについて、X,-X方向を固定層磁化方向とするエレメントは図9(b)の回路図のように接続し、センサブリッジX01を構成した。同様にY,-Y方向を固定層磁化方向とするエレメントは図9(c)の回路図のように接続し、センサブリッジY01を構成した。X,-X方向は反平行の関係にあり、Y,-Y方向は反平行の関係にあり、X及び-X方向は、Y及び-Y方向と直交するように形成した。
同様に、図9(d)に示す通り、もう1つのセンサデバイス12b内には、X,Y,-X,-Y方向のいずれかを固定層磁化方向としたスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子が8個内蔵されている。X,-X方向を固定層磁化方向とするエレメントは図9(e)の回路図のように接続されており、センサブリッジX02を構成する。同様にY,-Y方向を固定層磁化方向とするエレメントは図9(f)の回路図のように接続されており、センサブリッジY02を構成した。センサブリッジX01は磁石回転子の半径方向に固定層磁化方向を有し、センサブリッジY01は磁石回転子の回転方向(周方向)に固定層磁化方向を有し、センサブリッジX02は磁石回転子の半径方向に固定層磁化方向を有し、センサブリッジY02は磁石回転子の回転方向に固定層磁化方向を有するようにセンサデバイスを回転角度検出装置に設けた。
図9(a)では、2個のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子22a,22b,22c及び22dを図9(b)及び図9(c)のように結線し、リードフレームによる10本の端子23と接続し、樹脂で一体にモールドしてセンサデバイス12aを形成した。スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子22a及び22dの太矢印は、図1(a)及び図1(b)において磁石回転子の中心を指す向きと平行となるように配置した。図9(b)のブリッジ回路では、一定の直流電圧Vccxを印加して、ブリッジ接続の中点からVx1とVx2とを出力する。Gndx1、Gndx2、Gndy1及びGndy2は接地(アース電位)である。なお、図9(a)では、一つの基板に固定層磁化方向が同じである2個のエレメントを形成したものを4個用いたが、8つのエレメントを一つの基板に形成したものや1つのエレメントを形成した基板8個用いてもよい。固定層磁化方向をすべて同じ向きに形成したウェハから、エレメントを1個ずつ切り出し、図9(a)のように配列し、ブリッジを組むように配線することもできる。セルフピン構造のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を用いて、エレメントの固定層磁化方向を決定することもできる。
このように、それぞれのセンサデバイスは固定層磁化方向が直交した2個のセンサブリッジを内蔵しており、それぞれのセンサブリッジの固定層磁化方向は、リソグラフィ手法又は超精密な位置決め精度を有する機械による部品配置でエレメントを形成することにより、センサデバイス同士をプリント基板等に実装する場合に比べ、より高精度に位置決めを行う。固定層磁化方向を直交させることで、高い精度で回転角度を得ることが可能になる。また、第一のセンサデバイスと第二のセンサデバイスに同一仕様のものを用いることにより、異なる仕様のセンサデバイスを用いる場合に発生する実装時の誤りを回避することができる。同一仕様のものとは、同じ条件で作製したセンサデバイスのことである。例えば、エレメントをウェハープロセスで作製する際に、ロットの異なるウェハ上に形成されていても製造条件が同一である範囲を同一の仕様と称する。
図9(a)〜図9(f)で示されている通り、各センサデバイスはブリッジ回路を2個有しており、VccとGnd間に直流電圧を印加して、磁石回転子の磁界内にセンサデバイスを置くことにより、Vx1とVx2間と、Vy1とVy2間にそれぞれ差動出力を得ることができる。この4つのセンサブリッジX01,Y01,X02及びY02から出力される差動出力は、図10に示すようにそれぞれ差動増幅器(オペアンプ26a,26b,26c,26d,26e,26f)によって増幅され、増幅されたX01及びY02から出力される第一の回転角度信号、及び増幅されたY01及びX02から出力される第二の回転角度信号は、A-D変換部27でデジタル変換され、角度演算部28において角度演算が行われ、最終的に電気角に対応する信号(角度信号)が出力される。この場合、第一の回転角度信号と第二の回転角度信号の位相差は90 deg.異なっており、第一の回転角度信号をコサイン信号とみなしたときに、第二の回転角度信号をサイン信号とみなすことが可能であり、これらの信号から逆正接演算(tan-1)を行うことで、0 deg.から360 deg.に対応した角度信号を得る。
図11(a)に、本発明の回転角度検出装置を適用した回転機を示す。この回転機はモータであり、フレーム73c内には、中心軸としてシャフト71bを有する永久磁石のロータ71aと、フレーム73cの内周面に固定したステータ用コイル73b付きステータ73aが設置されている。シャフト71bはベアリング(図示省略)を介してフレーム73cに回転自在に固定されている。前記ロータ71aに隣り合うように、磁石回転子71c及び磁石回転子71dをシャフト71bに設けた。支持部72dを介してセンサデバイス72a,72bをフレーム73cに設置した。前記磁石回転子71cから印加される磁束の向きを、図11(b)に示すように前記センサデバイス72a,72bで検知し、その出力を演算回路72cで処理し、磁石回転子71cの回転角を出力した。なお、演算回路72cには、磁石回転子71d(図11(c)に示す)に設けた1個の磁石部74cを支持部74bで支えられたスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子74a(図9(a)に示すセンサデバイス12aにおいて、図9(b)に示すセンサブリッジX01のみとしたものを用いた)で検知することにより得られるZ信号を導いた。Z信号は磁石回転子が1回転する周期に対応する信号とし演算回路で利用した。この回転機では、磁石回転子71cが回転すると、センサデバイス72a,72b中のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子における自由層の磁化方向が磁気的に回転した。前記自由層の磁化方向の磁気的な回転の軸を、図中に一点鎖線で示した。
(実施例1)
図12(a)及び図12(b)に、外周面に2極着磁された磁石回転子1と、センサデバイス12aを支持する磁気センサ部21及びセンサデバイス12bを支持する磁気センサ部22を固定したハウジング3とを備えた本発明の他の回転角度検出装置を示す。点Oは磁石回転子1の回転中心軸に相当する。2個のセンサデバイス12a,12bは90 deg.互いに離れた場所に設置した。センサデバイス12a,12b(それぞれ固定層磁化方向が直交する2つのスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を搭載した)によって磁石回転子1におけるリング状永久磁石1aの回転角度を検出することができた。
磁石回転子1は、リング状永久磁石1aと、前記リング状永久磁石の内周側に一体に形成された軟磁性リング1bと、前記軟磁性リングを支持する非磁性リング状のアダプタ1cを備える。磁気センサ部21は、周縁の側面が磁石回転子1に対向する板状の回路用基板2cと、前記回路用基板2cの平面に固定したセンサデバイス12aと、前記センサデバイス及び回路用基板2cと制御用回路とを電気的に接続するケーブル2d1及びコネクタ2eと、前記センサデバイスを覆う非磁性カバー2f(図12(b)では図示を省略した)とを有する。磁気センサ部22も、回路用基板等の構成は磁気センサ部21と同様にした(ケーブル2d2の端はコネクタ2eに接続されている。)。図12(b)に示すように、ハウジング3には、センサデバイス12a,12bが所定の間隔で磁石回転子1と対向するよう、前記回路用基板2cを固定するためのコ字型アングル3a及びボルト3cが設けられている。それぞれのセンサデバイスを固定した回路用基板2cの平面は、磁石回転子の回転中心軸に垂直な面に対して傾斜させた。センサデバイス等の詳細については後述する。
図12(a)及び図12(b)の回転角度検出装置は、磁気センサ部21及び22を設置したハウジング3を(ボルト止め用孔3bを用いて)工作機械本体に固定し、工作機械の回転シャフトに磁石回転子1を(ボルト止め用孔1dを用いて)同軸となるように固定して(図12(a)及び図12(b)では工作機械の図示を省略した)使用した。図12(a)に示すように、磁石回転子1と磁気センサ部21及び22とを対向させた状態で工作機械の回転シャフトを駆動させたところ、高い精度で回転角度を検出することができた。
磁石回転子1は、NdFeB系焼結型永久磁石で構成したリング状永久磁石1aと、軟鉄粉とバインダーを成形してなる軟磁性リング1bと、前記軟磁性リングを回転シャフトに取り付けるためのS45C製のアダプタ1cで構成した。それぞれのセンサデバイス12a,12bは、参考例2で用いた図9(a)〜図9(f)に示すセンサデバイス12a,12bと同様のものを用いた。センサデバイス12aとセンサデバイス12bは磁石回転子1の回転中心Oを中心にして90 deg.の角度をなすよう、それぞれの回路用基板2cをハウジング3に固定した。センサデバイス12a,12bはコネクタ2eにつながるケーブル2d1,2d2を介して図10の回路を構成して機能させた。ハウジング3及びコ字型アングル3aは非磁性SUS316で構成した。
磁石回転子1の半径r0は40 mm、磁石回転子1の外周面からセンサデバイスの中心までの距離r1は3.5 mm、磁石回転子1の厚さtは25 mm、ハウジング3の厚さTは2 mm(2 mm厚の板材を打ち抜き、絞りで形成した)であった。これらの寸法は磁石自体の寸法を示す。なお、距離r1を10 mmまで大きくした場合でも問題なく使用することができた。また、磁石回転子1の厚さtは5 mmの場合でも同様に問題なく使用することができた。
図12(a)及び図12(b)においてリング状永久磁石1を2極の円板状磁石11に置き換えた実施例を図13に示す。図13は部品同士の位置関係のみを略記して示す。円板状磁石11の周囲に90 deg.の角度をおいてセンサデバイス12a,12bを配置した。センサデバイス12aの基板面は円板状磁石の中心軸に直交する面に対して傾き角χ傾けて配置した。図13(b)は、図13(a)に示す正面図を前記中心軸に直交する方向きから見た側面図であり、この図においてセンサデバイス12bは円板状磁石の背後に位置するので点線で示す。図13(c)は、図13(b)とは90 deg.異なる方向から見た側面図であり、この図においてセンサデバイス12aが円板状磁石11の背後に位置するので点線で示す。矢印X01はセンサデバイス12b中の一方のセンサブリッジの固定層磁化方向を示し、矢印Y01はセンサデバイス12b中の他方のセンサブリッジの固定層磁界方向を示す。矢印X02はセンサデバイス12a中の一方のセンサブリッジの固定層磁化方向を示し、矢印Y02はセンサデバイス12a中の他方のセンサブリッジの固定層磁界方向を示す。円板状磁石11(円板の径方向に2極着磁したNdFeB系ボンド磁石)には回転シャフトを通すための貫通孔がないので、円板状磁石11を固定するための支持部材を回転シャフトの端に別途設けることで、回転角度検出装置として使用した。図13の場合、シャフトを貫通していないため軸ブレが発生し易いが、複数のセンサデバイスを設けることで軸ブレによる角度誤差を抑制することができた。さらに、センサデバイス12a,12bをχ傾けることで、検出角度の誤差をさらに小さくすることができた。
本実施例において、図9(a)〜図9(c)に示すセンサデバイス12aは、参考例2で使用したものと同様のものを使用した。なお、センサブリッジY01の固定層磁化方向は、磁石回転子の回転方向に沿って設置した。センサブリッジX01は、前記センサブリッジY01の固定層磁化方向を回転軸として60 deg.傾けて設置した。センサブリッジY02の固定層磁化方向は、磁石回転子の回転方向に沿って設置した。センサブリッジX02は、前記センサブリッジY02の固定層磁化方向を回転軸として60 deg.傾けて設置した。すなわち、傾き角χ=60 deg.とした。この際、磁石回転子の厚み中心点を通りかつ回転軸に垂直な平面上に、センサデバイスの基板面の中心を設置した。
(Y02信号の反転)
磁石回転子21とセンサデバイス12a,12bのみを示した回転角度検出装置を図14に模式的に示す。センサデバイス12a,12bに内蔵されたセンサブリッジX01(X01の文字の近くに記載した矢印はセンサブリッジX01における固定層磁化方向に平行な向きを示す)からの基本波出力は、式(10)に示すように電気角θelを用いてcosθelと表される。
Figure 0004324813
これに対応して、他の出力、すなわち、Y01,X02及びY02からの基本波出力は、電気角θelにより式(11-1)〜式(11-3)と表される。
Figure 0004324813
これらの4個の出力信号を図10で示したようにそれぞれ差動増幅器(本実施例ではオペアンプ)で増幅し、その後段の差動増幅器(オペアンプ)で2個のサイン信号とコサイン信号に合成することにより、高調波成分の少ない信号を得ることが可能である。なお、センサブリッジX01からの信号とセンサブリッジY02からの信号(Y02信号と称する)を合成する場合、それぞれの基本波成分は同相であり、これらの信号を差動増幅すると基本波が相殺されることになるため、Y02信号を何らかの方法で反転させて合成する必要がある。Y02信号を反転させることにより、反転されたY02'信号は式(12)で表される。
Figure 0004324813
(Y02信号の反転の方法)
図10の回路図において、Y02信号を反転させるために、センサブリッジY02のブリッジ出力から、一段目の差動増幅器への入力端への配線を、他のブリッジとはプラスとマイナスを逆にする(即ち、反転させる)ことで実現できた。なお、このセンサブリッジY02からの出力を反転させる方法は、図10の方法以外でも可能である。
(2デバイス4ブリッジの重要性)
前述のように、逆正接演算により回転角度を表す角度信号を得るには、サイン信号とコサイン信号の2信号が必要である。センサブリッジX01とセンサブリッジY01の出力は、それぞれの信号がコサイン信号とサイン信号に対応しており、この2個のセンサブリッジのみでも回転角度出力を得ることは可能である。しかし、上述の式(3)にあるように、磁石回転子からの磁束密度は必ずしも基本波成分のみではなく、高調波を含んでいる。また、式(9-1)〜(9-3)に示すように、傾き角χや、軸ずらし量zをセンサデバイスに設けない場合は、センサデバイスの設置位置における半径方向と回転方向の磁束密度が異なることから、さらに出力信号は高調波を含むこととなる。すなわち、磁石回転子の近傍でセンサデバイスの出力を測定する場合、磁石回転子の回転角度を横軸に、センサデバイスの出力を縦軸にとった場合、固定層磁化方向が半径方向を向いているセンサブリッジの出力は台形波状(sinカーブが台形的に歪んだ波形)となり、固定層磁化方向が回転方向を向いているセンサブリッジの出力は三角波状(sinカーブが三角形的に歪んだ波形)になる。このため、さらにX02とY02のセンサブリッジの出力を加えることで基本波成分を増加させ、かつ高調波成分を相殺して減少させることが可能になる。このような信号処理により、角度信号の誤差をより低減することができる。
χ=60,-60 deg.の場合、センサブリッジX01の固定層磁化方向の磁界Hxと、センサブリッジY01の固定層磁化方向の磁界Hyは、式(13-1)及び式(13-2)で表される。
Figure 0004324813
式(9)より、センサデバイスは実効的に90 deg.位相の異なる、等しい振幅の磁界を受けることになる。このとき、各センサブリッジからの出力は式(14-1)及び式(14-2)で表される。
Figure 0004324813
これら出力の比を逆正接演算すると式(15)で表される。
Figure 0004324813
このように、本発明では、センサデバイスの直交する2軸が検出する磁界成分を等しくすることにより、磁石回転子の角度を正確に検出することができる。ここで、回転する磁石を磁気モーメントmとしたが、実際に使用される磁石は、回転軸方向に薄い扁平形状をした円板磁石が多く用いられる。このような場合は、扁平になるほど、|Hθ|/|Hr|は小さくなる。この比率は、反磁界係数と呼ばれる数の関数で表される。この比率は距離にも依存する。また、上記では、|Hr|=|Hθ|とするために傾き角χを用いたが、センサデバイスを原点と(R,0,π/2)を通る直線と平行に移動させる(すなわち、回転磁石の軸方向(Z軸の方向)に移動させる)ことで同様の効果を得ることも可能である。これは、軸方向の移動によって磁束の方向と、回転軸とのなす角が変化するためχ傾けることと同様の効果が得られるためである。この移動量を軸ずらし量zと呼ぶ。
(2つのセンサデバイスでの実測値)
2極に着磁された磁石回転子11の外周に、第一のセンサデバイス12bと第二のセンサデバイス12aを配置して構成した回転角度検出装置を図15(a)に模式的に示た。(a1)は正面図、(a2)と(a3)は側面図である。第二のセンサデバイス12aは、第一のセンサデバイス12bに対して90 deg.位相の異なる位置に同じ条件で配置した。磁石回転子11の中心を原点とし、回転軸をZ軸とした円柱座標系で表した。磁石回転子11の直径2r0は26 mm、厚さtは8 mm(厚さは回転軸方向における寸法)、Z軸からセンサデバイスの中心までの距離r0+r1は23 mmであった。
波形合成(差動)を行うために、センサブリッジY01の出力を、反転して(Y01')合成した。図15(b)〜図15(d)に各センサブリッジの出力を示す。図15(b)に示すように、センサブリッジX01の出力はほぼ台形波に、センサブリッジY01の出力はほぼ三角波となったが、図15(c)及び図15(d)に示すように、X01とY01'、Y01とX02を合成し、高調波成分を減少させることで、角度誤差を±5 deg.と、大幅に低減した。しかしながら、合成後の波形からも明らかのように、理想的な正弦波とは言いがたく、完全に波形ひずみを除去出来ていない。これは、合成前の波形のひずみが非常に大きい、すなわち半径方向と回転方向の磁界が大きく異なるためである。
第一のセンサデバイス12bと第二のセンサデバイス12aをZ軸方向に-15 mm平行移動した以外は、図15(a)と同様に構成した回転角度検出装置を図16(a)に模式的に示た。すなわち、磁石回転子z=-15 mmの位置にセンサデバイス12a,12bを配置した。図16(b)〜図16(d)に各センサブリッジの出力を示す。センサデバイスが受ける磁束密度の振幅を揃える様に構成しため、図16(b)に示すように合成前の波形からほぼ正弦波であり、磁石回転子のひずみや、取り付け位置のばらつきを波形合成によって除去することで、図16(c)及び図16(d)に示すように、±3 deg.にまで角度誤差を抑えることができた。さらなる調整により、角度誤差低減は可能であり、磁石回転子とセンサデバイスの位置関係を、わずかに変えることで、さらに角度誤差が低減することを確認した。
(Y02信号を反転させる他の方法1)
前述の通り、回転角度信号を計算する場合にセンサブリッジY02からの出力を反転させる必要がある。センサブリッジY02出力の反転方法は、上述の差動増幅器入力端の操作以外にいくつかの方法がある。第一に、図17に回路図を示すように、Y02への印加電圧を逆転する方法が挙げられる。センサブリッジY02のみVcc端子にGndを、Gnd端子にVccを接続することにより、Y02出力が反転してオペアンプ26dに入力される。
(Y02信号を反転させる他の方法2)
図18(a)〜図18(c)に、本発明の回転角度検出装置に用いる他のセンサデバイス配置を模式的に示す。図18(a){正面図を(a1)に、側面図を(a2)に示す)}に示すように、両面にプリント配線を有する回路用基板12s表面に第一のセンサデバイス12eを取り付け、前記基板の裏面に第二のセンサデバイス12fを取り付けることでセンサブリッジY02の出力とセンサブリッジX01の出力が逆相関係となるように、“反転”が達成される。基板表面に第二のセンサデバイスを取り付ける場合のように、結線による反転と同様の効果が得られる。
片面にのみ配線を有する回路基板12tを使用する際には、図18(b){正面図を(b1)に、側面図を(b2)に示す)}に示すように、回路基板12t表面に第一のセンサデバイス12gを取り付け、前記基板12tをくりぬいて形成した貫通孔12uにセンサデバイス12hを裏向きに実装することで同一の効果が得られる。もちろん、図18(c) {正面図を(c1)に、側面図を(c2)に示す)}に示すように、表裏両面のいずれでも基板上に実装可能となるように、側面に端子24を設けたセンサデバイス12iを構成することでも同一の効果が得られる。すなわち、図18(b)の基板において貫通孔を形成せず、センサデバイス12gをセンサデバイス12iで置き換え、貫通孔及びセンサデバイス12hの代わりに反転したセンサデバイス12iを(先の12iと基板の同じ側に)配置する。このような実装方法により、所望の位相関係を有する電気信号を得ることができる。
(他の回路の例)
図19に示す回路図は、センサブリッジX01,Y01,X02及びY02に対するエレメントへの電圧印加方法及び差動増幅器への入力極性は図17の回路と同一だが、後段のアナログ-デジタル変換部(A-D変換部)の内部において、Y02出力からの入力信号(オペアンプ26dの出力)のみにデジタル的な反転処理を行ったものである。この回路は、先に説明した実施例のようにアナログ的な反転を経ずに、直接必要な計算を実行したものである。
(加算回路によるサイン信号とコサイン信号の生成)
以上に、4つのセンサブリッジからの出力に差動処理を行うことで位相の90 deg.異なる2信号を得た例を説明した。別の方法として、4つのセンサブリッジからの出力に加算処理を行うことでも同様な2信号を得ることが可能である。これは前述の実施例で行った反転手法とは異なり、図20に示すように、センサブリッジX02からの出力を差動増幅器に入力する際に他のセンサブリッジからの出力を差動増幅器に入力する極性とは反転した接続を行う方法である。式(10)及び式(11-1)〜(11-3)に示された通り、センサブリッジX01とセンサブリッジY02との基本波成分の位相は同相であるため、加算処理を出力のまま行うことが可能である(オペアンプとA-D変換部の間にある抵抗の記号は加算処理のための電気抵抗である。)。これに対し、センサブリッジY01とセンサブリッジX02との基本波成分位相は逆相のため、単純な加算処理では基本波成分を相殺することになる。このため、センサブリッジX02からの出力を反転し(センサブリッジX02の出力をオペアアンプ26cに入力する結線が他のセンサブリッジ-オペアンプの結線とはプラスマイナスを逆にした)、その後にセンサブリッジY01からの出力と加算処理を行う必要がある。なお、上述のセンサブリッジX02からの出力反転は、図17で示した例のように、センサブリッジX02への直流電圧印加を逆極性にすることでも可能である。このような回路図を図21に示す。
多極の磁石回転子21と第一のセンサデバイス12b及び第二のセンサデバイス12aを用いて構成された回転角度検出装置を図22(a)及び図22(b)に示す。この装置を用いて、回転角度特性の評価を行った結果の出力等を示すグラフを図22(c)〜図22(f)に示す。磁石外周からセンサデバイス12a,12bの中心までの距離は約3 mmであり、傾き角χ=0でセンサデバイスを配置した。磁石回転子21は、12極着磁であるため、いずれも機械角で360 deg.回転すると6周期の出力が得られた。この場合、機械角が60 deg.で電気角の1周期となる。第二のセンサデバイス12aは、第一のセンサデバイス12bに対して電気角で90 deg.位相の異なる位置に同じ条件で配置した。波形合成(差動)を行うために、センサブリッジY01の出力を、反転して(Y01')合成した。図22(c)〜図22(d)に示すように、磁石回転子の半径方向成分(X01,X02)はいずれもほぼ台形波、回転方向成分(Y01,Y02')はほぼ三角波となり、波形合成後も波形ひずみが確認できた。
図23(a)に、内径45 mm、外径50 mm、厚さ4 mmの12極に着磁された磁石回転子の磁束密度の距離依存性をシミュレーションにより求めた結果を示す。図23(b)は、図23(a)から求めた|Bθ|/|Br|と、|Bθ|/|Br|から算出したセンサデバイスの好ましい傾き角χを示す。半径方向の磁束密度Brの振幅は回転方向の磁束密度Bθの振幅よりも大きいことが分かる。図22(c)及び図22(d)に示した結果は、図23(a)で示したように、半径方向と回転方向の磁束密度の振幅に差がある(|Br|>|Bθ|)ことを実験的に示している。その結果、図22(e)及び図22(f)に示すように、角度誤差は電気角で±2 deg.となった。
一方、図22(a)及び図22(b)でセンサデバイス12a及び12bをZ軸方向にzずらした構成の回転角度検出装置を図24(a)及び図24(b)に示す。センサデバイス12a,12bが受ける磁束密度の振幅を揃えるように構成しているため、図24(c)及び図24(d)に示すように、X01,X02,Y01,Y02'いずれの出力も歪が少なく、波形合成後の出力もほぼ正弦波及びほぼ余弦波となった。その結果、図24(e)及び図24(f)に示すように、角度誤差は電気角で±1 deg.以下であり、非常に精度良く回転角度を測定することが可能となった。
(多極の場合の設置場所のバリエーション)
以上の実施例においては、すべて第一のセンサデバイスと第二のセンサデバイスが電気角で90 deg.の位相差を有する位置に設置されている例を述べた。しかし、第一のセンサデバイスと第二のセンサデバイスは必ずしも電気角で90 deg.の隣接個所に設置する必要はない。例えば、図25(a)示すように、磁石回転子1aの周囲で、第一のセンサデバイス12aから、第二のセンサデバイス12bが電気角で90 deg.+180 deg.離れた位置に設置された場合、センサブリッジX01の出力を基準にして、それぞれのセンサブリッジの出力のを基本波は式(16-1)〜(16-4)で表される。
Figure 0004324813
ここで、X02を反転して、Y01出力とX02反転出力とを差動処理する必要がある。X01出力とY02出力とは、反転処理のないまま差動増幅器の入力端に入力可能である。なお、位相関係を変えずに配置と結線を変えることで、図25(b)に示すようにセンサデバイス12j及びセンサデバイス12bを用い、同様の精度で回転角度を検知することも可能である。よって、上記の第一のセンサデバイスと第二のセンサデバイスの設置位置に関しては、電気角で90 deg.及び、電気角90±360 deg.に限定されるものではなく、その相対位置は90±180n deg.(nは整数)の任意の角度を取ることが可能である。ただし、このようにセンサデバイス同士の間隔を広げると、回転角度検出装置をモータや加工装置の回転軸に付け合せる際に、組立て精度の影響を受けて回転角度の検出精度が制約されることがある。従って、図14に示すように、センサデバイス同士の間隔を小さくするのがより好ましい。
(ほぼ反対側に2センサデバイスを設置)
上記の第一のセンサデバイスと第二のセンサデバイスの設置位置をさらに限定し、機械角で180 deg.に近い角度に設置することで磁石回転子の取り付けてある回転軸の芯ぶれに対する角度誤差を低減することが可能である。この場合、磁石回転子の磁極対数をNとすると(Nは自然数)、第一のセンサデバイスと第二のセンサデバイスのなす角度は電気角で±90+180N deg.で表される。その構成の一例を図26に示す。
図26に示す構成において、回転軸中心が変動し、センサデバイス12aに回転軸中心が近づき、逆にセンサデバイス12bから回転軸中心が遠ざかった場合、センサデバイス12aが受ける磁界の強さはセンサデバイス12bが受ける磁界の強さよりも強くなる。しかし本発明においては、センサデバイス12aに内蔵されているセンサブリッジの信号と、センサデバイス12bに内蔵されているセンサブリッジの信号とを合成して1組のサイン信号及びコサイン信号を得るため、磁石回転子1aの回転軸の変動が回転角度信号に影響する度合いが軽減され、回転軸の片側にセンサデバイスを集中して配置する場合に比べて、さらに回転軸位置変動に対して耐性が強い(回転中心からのズレがある程度許容される。モータで許容されるズレよりも大きい)。このようにして使われる複数のセンサデバイスをセンサデバイス群と称する。
(スピンバルブGMR素子を用いることによるスペーシング耐性)
センサデバイスのエレメントにスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を用いることにより、磁界強度の変動に対しても安定したセンサブリッジ出力を得ることが可能である。図27(a)及び図27(b)に、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子によって構成されたセンサデバイスを用いて測定した、センサ-磁石回転子間の距離特性に応じた磁石回転子の機械角と出力の関係を示す。図27(a)は半径方向の距離を変動させたときの測定結果を示し、図27(b)は回転方向の距離を変動させたときの測定結果を示す。図中に太い矢印で付加した数字(2 mm、20 mm)はそれぞれセンサ-磁石回転子間の距離を示す。
一方、図27(c)及び図27(d)は、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を用いたセンサデバイスの代わりにホールICを用いた場合のセンサ-磁石回転子間の距離特性に応じた、磁石回転子の機械角と出力の関係を示す。図27(c)は半径方向の距離を変動させたときの測定結果を示し、図27(d)は回転方向の距離を変動させたときの測定結果を示す。なお、ホールICは1方向の磁界の強さのみしか検出できないため、ホールICの感磁方向を磁石回転子の半径方向に向けて図27(c)に示すデータを測定した後、ホールICの感磁方向を磁石回転子の回転方法(周方向)に向けて2回目の測定を行い図27(d)に示すデータを得た。センサ-磁石回転子間の距離を2 mmから20 mmに増やすと、図27(c)及び図27(d)に示すホールICを用いた場合では変化が大きいが、図27(a)及び図27(b)に示すセンサデバイスを用いた場合の変化は相対的に小さく抑えられた。
図27(e)に、回転子表面からの距離(スペーシング:単位 mm)を横軸にとったときのセンサデバイス及びホールICによる出力電圧特性を示す。図27(f)に、磁束密度に対するセンサデバイスのセンサブリッジ出力特性を示す。32 mmの直径を有する8極着磁の磁石回転子を用いた。センサデバイスの場合は、磁石回転子の表面からセンサデバイスまでの距離が10 mmを超えてもほぼ一定の出力が得られるのに対し、ホールICを用いた場合には、回転子近傍では出力が飽和して出力波形にひずみが起きている。逆に磁石回転子の表面からホールICまでの距離が大きくなると、磁石回転子からの磁束密度が急速に減少するため、出力電圧が低下している。このセンサブリッジを用いた本発明の回転角度検出装置においては、上記のように出力電圧の変動、及び出力波形の印加磁界に対する出力波形の変動が少ない。よって、磁石回転子の芯ぶれ、磁石回転子の温度変化等による特性変動、センサの取り付け誤差等に対する耐性が強いことがこの測定結果から言える。本発明の回転角度検出装置では角度信号を安定して検出することができる。
(複数のセンサデバイスを設置する方式)
回転軸の中心変動に対する耐性を強化する場合、図26に示すデバイス群を複数個用いて回転角度検出装置を構成するのが好ましい。中心変動に対する耐性とは、回転軸の中心がずれることにより、磁石回転子とセンサデバイス間の距離がずれたとしても、回転角度を正確に検出することをいう。その1例を図28に示す。第一のセンサデバイス群(センサデバイス12a,12b)及び第二のセンサデバイス群(センサデバイス12o,12p)の2つのセンサデバイス群を機械角で90 deg.ずらした位置に設置した構造を有する。これらセンサデバイス群からの出力信号を合成してアナログ-デジタル変換部又は角度信号計算部に入力することにより、回転軸中心が変動した場合にも平均化され、安定した回転角度信号が得られる。なお2以上で磁極数の約数の値のセンサデバイス群を設けることが可能であり、それぞれのセンサデバイス群は回転方向等間隔に設置するのが好ましい。例えば、点線で図示したように、さらに第三のセンサデバイス群(センサデバイス12p,12r)を付加することもできる。
(断線検出)
図10で示した回路に断線検出機能を付加した実施例を図29に示す(演算部分より右側の部分は図示を省略した)。2つのセンサブリッジを内蔵するセンサデバイスを2個備える回転角度検出装置において、4個のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子からの出力は、サイン信号で整理すると、それぞれ90 deg.づつ位相の異なる4つの信号が得られる。この4つの信号の平均値は、常に正規化された最大値と最小値の中間の一定値となる。このため、センサブリッジX01,Y01,X02及びY02'の出力信号を、抵抗(電気抵抗)を介して分岐し平均することにより(オペアンプ26gを用いる)、常に一定の平均信号値を得ることが可能である。仮に断線又はブリッジ故障により、前記出力信号の少なくとも1つが得られなくなった場合には、上記平均信号値は正常時の平均値Vavgとは異なる値となる。この信号Vinをウィンドウコンパレータ29で正常時の平均値Vavgと比較し、異常検出を知らせるためのエラー信号(Error)がVoutで発生する。
(差動動作による雑音抑止)
以上、述べてきた回路構成では、伝送部分で±サイン信号及び±コサイン信号の4信号を平衡伝送する。外部からノイズが印加された場合にも同相のノイズが大部分であるため、伝送される信号を差動増幅するとノイズがほぼキャンセルされ、センサデバイスから終段の演算部分までの伝送時の雑音耐性が高いという利点も有している。
磁石回転子を8極の磁石回転子31に置き換えた点と、センサデバイスをχ傾けた点以外は、図22(a)及び図22(b)と同様に構成した回転角度検出装置を図30(a)及び図30(b)に示す。傾き角χによって回転角度特性の電気角誤差を抑制する効果を得ることができた。
(実施例2)
図31(a)及び図31(b)に、外周面に2極着磁された磁石回転子1と、センサデバイス12aを支持する磁気センサ部23を固定したハウジング3とを、用いた回転角度検出装置を示す。一点鎖線の交差する点は磁石回転子1の回転軸である。センサデバイス12a(固定層磁化方向が直交する2つのスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子のブリッジ回路を搭載)によって磁石回転子1におけるリング状永久磁石1aの回転角度を検出することができた。
磁石回転子1は、リング状永久磁石1aと、前記リング状永久磁石の内周側に一体に形成された軟磁性リング1bと、前記軟磁性リングを支持する非磁性リング状のアダプタ1cを備える。磁気センサ部23は、周縁の側面が磁石回転子1に対向する板状の回路用基板2cと、前記回路用基板2cの平面に固定したセンサデバイス12aと、前記センサデバイス及び回路用基板2cと制御用回路とを電気的に接続するケーブル2d1及びコネクタ2eと、前記センサデバイスを覆う非磁性カバー2f(図31(b)では図示を省略した)とを有する。リング状永久磁石1aは2極に着磁されており、その着磁の向きが磁石回転子の回転軸線と直交するように配置されている。図31(b)に示すように、ハウジング3には、センサデバイス12aが所定の間隔で磁石回転子1と対向するよう、前記回路用基板2cを固定するためのコ字型アングル3a及びボルト3cが設けられている。センサデバイスを固定した回路用基板2cの平面は、磁石回転子の回転軸線に対して傾けた。なお、センサデバイス等の詳細については後述する。
図31(a)及び図31(b)の回転角度検出装置は、磁気センサ部23を設置したハウジング3を(ボルト止め用孔3bを用いて)工作機械本体に固定し、工作機械のシャフト(回転軸)に磁石回転子1を(ボルト止め用孔1dを用いて)同軸となるように固定して作製した(図31(a)及び図31(b)では工作機械の図示を省略した)。図31(a)に示すように、磁石回転子1と磁気センサ部23を対向させた状態で工作機械のシャフトが回転するように駆動させたところ、高い精度で回転角度を検出することができた。
磁石回転子1は、NdFeB系ボンド磁石で構成したリング状永久磁石1aと、軟鉄粉とバインダーを成形してなる軟磁性リング1bと、前記軟磁性リングをシャフト(回転軸)に取り付けるためのS45C製のアダプタ1cで構成した。センサデバイス12aは、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子8個で図9(a)に示すようにフルブリッジ回路を構成し、非磁性リードフレームを利用して10個の端子23を形成し、樹脂系材料でモールドしたものを用いた。センサデバイス12aは回路用基板2cをハウジング3に固定し、コネクタ2eにつながるケーブル2d1,を介して図32の回路を構成して機能させた。ハウジング3及びコ字型アングル3aは非磁性SUS316で構成した。コ字型アングルの形状はプレス成形による。磁石回転子1の半径r0は40 mm、磁石回転子1の外周面からセンサデバイスの中心までの距離r1は3.5 mm、磁石回転子1の磁石の厚さtは25 mm、ハウジング3の厚さTは2 mm(2 mm厚の板材を打ち抜き、絞りで形成した)であった。距離r1を10 mmまで大きくした場合でも問題なく使用することができた。また、磁石回転子1の厚さtは5 mmの場合でも同様に問題なく使用することができた。
本実施例において、センサデバイス12aは参考例2で使用したものと同様のものを用いた。
なお、図示は省略しているが、図9(a)に示すそれぞれのスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子は、非磁性基板上に、下地層(Cr)/固定層(Co/Ru/Co)/Cu層/自由層(Co/NiFe)/キャップ層(Ta)/という順に積層してパターニングし、通電用の電極膜を設け、絶縁被覆を施したものである。
図9(a)〜図9(c)に示されているように、1個のセンサデバイスはブリッジ回路を2個有しており、VccとGnd間に直流電圧を印加して、磁石回転子の磁場内にセンサデバイスを置くことにより、Vx1とVx2間と、Vy1とVy2間にそれぞれ差動出力を得ることができる。センサブリッジA01及びB01から出力されるこの差動出力は、図32に示す差動増幅器(オペアンプ26a,26b)によって増幅され、A-D変換部27でデジタル変換される。このデジタル信号は、角度演算部28において角度演算され、最終的に電気角に対応する信号(角度信号)が出力される。ここでセンサブリッジA01の出力信号とセンサブリッジB01の出力信号の位相差は90 deg.であり、A01の出力信号をコサイン信号とみなしたときに、B01の出力信号をサイン信号とみなすことが可能であり、これらの信号から逆正接演算(arctan)を行うことで、0 deg.から360 deg.に対応した磁石回転子の回転角度(絶対角)を示す角度信号を得る。
(実施例3)
前述の式(9-1)〜(9-3)は、センサデバイスをχ傾けることで、K0より小さい任意の実効磁束密度振幅比を得られることを示している。例えば、χ=60 deg.としたとき、B⊥effとB//effの実効磁束密度振幅比Keffは1.0となる。このとき、センサデバイス内のセンサブリッジA01,B01の出力は正弦波状となり、逆正接演算を行っても角度誤差は発生しない。
2極に着磁された磁石回転子11の外周にセンサデバイス12bを配置して構成した回転角度検出装置を図34(a)及び図34(b)に示す。磁石回転子11の中心を原点とし、回転軸をZ軸とした円柱座標系で考える。円板状永久磁石11の直径2 r0は26 mm、厚さtは8 mm(厚さは回転軸方向における寸法)、Z軸からセンサデバイス12bの中心までの距離r0+r1は23 mmであった。z=0 mmの位置に、χ=55 deg.でセンサデバイス12b(センサデバイス12aと同等のもの)を配置し、センサデバイス12bに対して回転自在に設置した磁石回転子11を回転させて、図34(c)及び図34(d)に示すグラフを得た。図33(a)及び図33(b)に示す構成の回転角度検出装置では、図33(c)に示すように、センサブリッジX01の出力はほぼ台形波に、センサブリッジY01の出力はほぼ三角波となった。この波形歪みの影響を受けて、図33(d)に示すように、逆正接演算信号も直線とはならず、±20 deg.という大きな角度誤差が生じた。これに対して図34(a)及び図34(b)に示す構成の回転角度検出装置では、図34(c)に示すように、各センサブリッジからの出力はほぼ余弦波及びほぼ正弦波となった。角度誤差は±4 deg.程度となり、図33(a)及び図33(b)に示す構成と比較して大きな改善が見られた。なお、図34(a)では、磁石を支持するシャフトの図示を省略したが、図33(a)に示すシャフト11cと同等の位置にシャフトを設けて回転させた。
永久磁石の外周側面の近傍(φ=0 deg.)にセンサデバイスを配置した、図34(a)及び図34(b)に示す構成において、センサ傾斜角χを変化させたときの最大角度誤差を測定した結果を図35に示す。一般的に角度誤差を1 deg.程度に抑えると、正確な回転角度測定を行っていると言える。センサ傾斜角χは60.0 deg.1点に限定されることなく、約58.8 deg.から61.1 deg.にわたる広いセンサ傾斜角範囲で角度誤差を小さく押さえることができた。従ってセンサ傾斜角χに対して広い許容度を有していると言える。図34(a)及び図34(b)に示す回転角度検出装置をモータに適用したところ、回転角度を高精度に検出することができた。
(実施例4)
実施例3はセンサ配置角φが0 deg.についての例を示したが、本発明はこの点に限定されるものではない。図36(a)に各センサ配置角φにおける、空間磁束密度振幅比K0と最適センサ傾斜角χを示す。同一のφにおいて最適χが2点あるのは、ε面に対してセンサブリッジの感磁面の傾きは正負の両方をとることができるためである。図36(a)より、任意のφにおいてK0は1〜2の値をとるが、1未満にはならず、実効磁束密度振幅比Keffを1にするようにセンサデバイスをχ傾けることで、誤差なく回転角度を検出することが可能である。従って、特開2002-303536号に記載の回転角検出センサのように、回転軸線上にセンサ中心が位置するように、磁石回転子の軸端にセンサデバイスを対向して配置しなければならないという、設置箇所の制約は発生しない。
図36(a)の右上隅の×印(χ=180 deg.かつφ=90 deg.)は特開2002-303536号に記載の構成に相当する。この×印の条件では磁石を片持ちで支持することが必要となり、磁石回転子を両持ちで支持することはできない。特開2006-010346号に記載の構成のように磁気センサを回転軸線と直交するLの向きにずらしただけの場合、χは変化せず、×印はφの向きに平行移動する。従って、×-×の線上(2つの×印を結ぶ線上)は、本願発明の実施例には該当せず、後述する図36(b),図36(c)及び図37のPoint6の領域から除外する範囲になる。磁石回転子を貫通させる回転軸と重なる領域には、両持ち型ではセンサデバイスを配置できない。
図36(a)は最適センサ傾斜角χのセンサ配置角φの関係を示す。角度誤差1 deg.以内に収めるセンサ配置角φとセンサ傾斜角χの範囲を図36(b)に濃色の領域で示す。例えば、角度誤差を1 deg.以下に抑えたい場合には、センサ傾斜角χは各点で少なくとも2〜5 deg.程度の許容範囲が得られ、センサ傾斜角χを固定する場合、センサ配置角φは少なくとも1〜3 deg.程度の許容範囲が得られる。角度誤差2 deg.以内に収めるセンサ配置角φと最適センサ傾斜角χの範囲を図36(c)に濃色の領域で示す。許容範囲はさらに帯状に広がった。なお、センサ傾斜角χは、X-Y平面に対する感磁面の傾きであるから、X-Y平面を基準にしてセンサデバイスの表裏を反転した状態は、反転する前の状態と等価になる(すなわち、センサデバイスの出力は同じになる。)。よって、χ=0 deg.の状態とχ=180 deg.の状態はセンサデバイスにとって等価となる。そこで、180 deg.毎に繰り返される領域については図示を省略した。
図36(a)〜図36(c)に記載の角度誤差、実効磁束密度振幅比Keff、最適センサ傾斜角χ及び最適センサ配置角φの関係を図37に示す。図37は、図36(a)〜図36(c)の代表的な点を抽出したもので、センサデバイスと2極磁石の関係は、側面配置(φ=0 deg.)、端面配置(φ=90 deg.)、磁石の回転面(X-Y平面)と感磁面が平行になる配置、磁石の回転面(X-Y平面)と感磁面が垂直になる配置等の6点を抽出した。これらは回転角度検出装置を構成する上でセンサデバイスを取り付け又は固定し易い配置である。それぞれの点に対し、誤差が最小となる1点と、角度誤差が1 deg.以内で動作する角度領域と、角度誤差が2 deg.以内で動作する角度領域を併せて示した。φ及びχの組み合わせを上記の角度領域内に収めたところ、精度の良好な回転角度検出装置を構成することができた。
(実施例5)
磁石の回転面とセンサデバイスの感磁面を平行として、h=15 mmの位置にセンサデバイスを設置した回転角度検出装置を図38(a)及び図38(b)に示す。この回転角度検出装置の回転角度特性を図38(c)及び図38(d)に示す。円板状永久磁石11の中心からセンサデバイス12bの中心(感磁面の中心)までの、X-Y平面に投影した距離(r0+r1)は23 mmであった。円板状磁石11はシャフト11dで支持した。この回転角度検出装置のセンサ配置角φは約33 deg.であり、図37に示す表のPoint3(最適センサ配置角φbest=35.3 deg.、最適センサ傾斜角χbest=0 deg.)付近に相当する。最適センサ配置角φbestからは2 deg.以上ずれているため、わずかに角度誤差が発生しているが、図33(d)(φ=0 deg.、χ=0 deg.)の結果と比較すると、図38(d)に示すように格段に角度誤差を抑制することができた。この回転角度検出装置をモータに適用し回転角度を高精度に検出することができた。
(実施例6)
2極に着磁された円柱状永久磁石11bの端面近傍にセンサデバイス12bを設けた回転角度検出装置を図39(a)及び図39(b)に示す。円柱状永久磁石11bの中心を原点とし、回転軸をZ軸とした円柱座標系を用いた。円柱状永久磁石11bの直径2 r0は4 mm、厚さtは4 mm(厚さは回転軸方向における寸法)、Z軸からセンサデバイスの中心(感磁面の中心)までの距離r0+r1は1.5 mm、h=5 mm、及びχ=105 deg.であった。円柱状永久磁石11bの端面には、図38(a)のシャフト11dと同等のものを設け、磁石回転子を構成した。この回転角度検出装置をモータに適用し回転角度を高精度に検出することができた。
本発明における2極磁石の磁束とセンサデバイスとの位置関係を図40(a)及び図40(b)に示す。図40(a)において、磁石回転子の2極の円板状磁石11の磁極表面から発生する磁力線を曲線状の矢印で表した。磁石の磁化方向をX軸方向とし、センサデバイスの感磁面の中心は磁石表面からr1離れたX軸上にある。このとき、センサデバイス32dはBを受けている。θmは磁石回転子の回転角度に相当する。例えば、図40(a)の状態の円板状磁石11を円周方向にθmで90 deg.だけ回転させると、今度はセンサデバイス32dがB//を受けるようになる。Z軸は、中心円板状磁石11の中心oを通り磁石の回転平面と直交する軸で、磁石回転子の回転軸に相当する。
図40(b)は3通りのセンサデバイスの配置を示した。センサデバイス32dは、Z=0のX-Y平面上にセンサデバイスの感磁面の中心を配置し、その感磁面をX-Y平面に対してχ傾けた。センサデバイス32d'は、センサ配置角φ'の位置にあり、X-Y平面に対してχ'傾けた。センサデバイス32d'の中心は、円板状磁石11の厚み中心点を通りかつ回転軸線に垂直な平面からZ軸方向にh'離れている。センサデバイス32d'の位置において、磁束の方向はX軸からε'傾いている。センサデバイス32d''は、その中心が磁石回転子の円板状磁石の回転軸線上にあり(φ''=90 deg.)、感磁面がX-Y平面に平行(χ''=180 deg.かつε''=180 deg.)である。磁石の厚みtはZ軸方向の寸法である。磁石の厚み中心点は、磁石のX-Y断面中央とZ軸断面の中央が交差する点であり、XYZ軸の原点に相当する。なお、円板状磁石11を、厚みtを大きくした円柱状磁石、中心に貫通孔を形成したリング状磁石、又は矩形板状磁石に置き換えても、2極磁石であれば上述の角度等の定義は同様に成り立つ。
本発明における磁石回転子(4極以上)の磁束とセンサデバイスの位置関係を図41(a)及び図41(b)に示す。図41(a)において、磁石回転子のリング状永久磁石31の各磁極内の磁化の向きは直線状の太矢印で表し、磁極表面から発生する磁束を曲線状の太矢印で表した。センサデバイス32fはX軸の向きの磁束を受けている。λは表面磁束密度分布を測定したときのサイン信号の1波長(電気角で360 deg.)に相当し、リング状永久磁石31では1対の磁極表面の周方向長さに相当する。r1は、リング状永久磁石31の径方向に沿ってみたときの、センサデバイス32fの感磁面の中心とリング状永久磁石31の表面との距離である。このとき、センサデバイス32fはX軸の向きの磁束を受けている。リング状永久磁石31を周方向に電気角で90 deg.だけ回転させると、センサデバイス32fはY軸の向きの磁束を受けるようになる。Z軸は、リング状永久磁石31の孔の中心oを通り磁石の回転平面と直交する軸で、磁石回転子の回転軸に相当する。θmは、磁石回転子の機械的な回転を表す機械角である。
図41(b)は2通りのセンサデバイス32f、及びセンサデバイス32f'の配置を示したものである。センサ傾斜角χ、センサ配置角φ'、センサ傾斜角χ'、h'及びε'の定義は図40(b)と同様である。磁石の厚み中心点は、磁石のX-Y断面中央とZ軸断面の中央が交差する点であり、XYZ軸の原点に相当する。このリング磁石の孔には回転軸となるシャフトを固定することができる。
(実施例7)
上述したように、2極の磁石回転子と同様、多極に着磁された磁石回転子を用いた場合においても同様の効果を得ることができる。以下に、シミュレーションと実測を用いて説明する。内径45 mm、外径50 mm、及び回転軸方向における寸法である厚さ4 mmの形状を有し、12極に着磁された磁石回転子を用いたときの、磁束密度B⊥0とB//0の磁石とセンサデバイスとの距離依存性を図42(a)に示す。図42(a)から求めた空間磁束密度振幅比K0と、K0から算出したセンサデバイスの好ましいセンサ傾斜角χを図42(b)に示す。これにより、12極着磁に対応した6周期の2つの正弦波状信号(信号同士は電気角で90 deg.位相が異なる)を得る。2極の場合と同様にB⊥0はB//0よりも大きいことが分かる。そこでセンサ傾斜角を、45〜60 deg.程度にすると、実効磁束密度振幅比Keffを1とすることができることが分かった。
センサデバイスを傾けることができない用途で使用する際は、Z方向にセンサデバイスを平行移動させることで同様の効果を得ることができる。そのときは、円筒座標系のシミュレーションで、磁石半径方向の磁束密度の振幅|Br|と回転方向の磁束密度の振幅|Bθ|が等しくなるZを求めればよい。内径45 mm、外径50 mm、回転軸方向における寸法である厚さ4 mmの形状を有する磁石を用いて、r=28 mm(磁石表面から3 mm)の位置で測定したときの、磁束密度の振幅|Br|と|Bθ|のZ方向の依存性を図43(a)に、Zが3.9 mmの時の回転角度と磁束密度の特性を図43(b)に示す。Z=0では|Br|>|Bθ|だが、|Br|はZの増加と共に急激に減少し、Z=3.9 mm付近で等しくなり、Z>3.9では|Br|<|Bθ|となった。その結果、図43(b)に示すように、r-θ平面で振幅が等しく、90 deg.位相の異なる磁束密度を得ることができた。
(実施例8)
多極の磁石回転子21と1つのセンサデバイス12bを用いて構成したさらに他の回転角度検出装置を図44(a)及び図44(b)に示す。図44(b)は図44(a)のA-A断面図である。磁石回転子21の内周面側にはシャフトを通して固定しているが、図示は省略した。磁石回転子外周からセンサデバイス中心までの距離は約3 mmであり、センサデバイスはセンサ傾斜角χ=0で配置した。図45(a)及び図45(b)はセンサ傾斜角χ=55 deg.でセンサデバイスを配置した以外、図44(a)及び図44(b)に示す回転角度検出装置と同様に構成した。
磁石回転子21は12極着磁であるため、いずれも機械角で360 deg.回転すると6周期の出力が得られた。この場合、機械角が60 deg.で電気角の1周期となる。図44(a)及び図44(b)に示す回転角度検出装置(χ=0 deg.)の場合、歪み具合に差はあるが、図33(a)及び図33(b)に示す回転角度検出装置と同様、センサブリッジA01が台形波、センサブリッジB01が三角波となっており、電気角1周期あたりの角度誤差は±10 deg.以上と非常に大きな値をであった。一方、図45(a)及び図45(b)に示す回転角度検出装置(χ=55 deg.)においては、各センサブリッジからの出力はほぼ正弦波及びほぼ余弦波となり、電気角の角度誤差は±3 deg.程度となり、大きな角度誤差の改善が見られた。この回転角度検出装置をモータに適用し回転角度を高精度に検出することができた。
(実施例9)
多極の磁石回転子21と1つのセンサデバイス12bを用いて構成したさらに他の回転角度検出装置を図46(a)及び図46(b)に示す。図46(b)は図46(a)のA-A断面図である。磁石回転子21は、外周面に12極の磁極を有し、内径=22.5 mm、外径=25 mm、厚みt=4 mmのリング磁石を用いた。磁石回転子21の内周面側には、図33(a)に示すようにリング状軟磁性体ヨークを有し、その貫通孔に固着されたシャフトにより固定されているが図示は省略した。リング磁石の中心を通りかつリング磁石の回転面に垂直な回転軸線からセンサデバイス12bの中心(感磁面の中心)までの距離rsは24 mmであり、h=4 mm、χ=24.6 deg.であった。この回転角度検出装置をモータに適用し回転角度を高精度に検出することができた。
(実施例10)
多極の磁石回転子21と1つのセンサデバイス12bを用いて構成したさらに他の回転角度検出装置を図47(a)及び図47(b)に示す。リング磁石の中心を通りかつリング磁石の回転面に垂直な回転軸線からセンサデバイス12bの中心(感磁面の中心)までの距離は22 mmであり、h=4 mm、χ=61.6 deg.であった。この回転角度検出装置をモータに適用し回転角度を高精度に検出することができた。
表1に、磁石回転子の極数及び形状、磁石表面からセンサデバイスまでの距離、傾斜角χ、軸ずらし量z、前記zから求めた配置角φの最適な組み合わせを例示した。これらの構成は、角度誤差を極小にする組み合わせである。これらの配置から、傾斜角χの値を±3 deg.変化させても角度誤差は1 deg.以下の高い精度を維持した。また、配置角φの値を±3 deg.変化させても角度誤差は1 deg.以下の高い精度を維持した。なお、傾斜角χ及び配置角φともにプラスの場合を表に示したが、絶対値が同じでマイナスの場合も同じ結果が得られた。すなわち、χ=60 deg.の配置とχ=-60deg.の配置は同様の精度で角度誤差を抑えられた。また、配置角φ=15deg.の配置とφ=-15deg.の配置の関係も同様であった。
Figure 0004324813
本発明の回転角度検出装置を適用した回転機を図48に模式的に示す。センサデバイス72aはZ軸方向にずらして配置した。この回転機はモータであり、フレーム73c内には、中心軸としてシャフト71bを有する12極の永久磁石のロータ71aと、フレーム73cの内周面に固定したステータ用コイル73b付きステータ73aを設置した。シャフト71bはベアリング(図示省略)を介してフレーム73cに回転自在に固定されている。前記ロータ71aに隣り合うように、磁石回転子71cをシャフト71bに同軸に設けた。支持部72dを介してセンサデバイス72aをフレーム73cに設置した。前記磁石回転子71cから印加される磁束の向きを前記センサデバイス72aで検知し、その出力を演算回路72cで処理し、磁石回転子71cの回転角度を出力した。
本発明の回転角度検出装置を適用した回転機を図49に模式的に示す。センサデバイス82aをz=0でχ傾けて配置した以外は図48に示す回転機と同様である。
本発明の回転角度検出装置の一例を示す模式正面図である。 本発明の回転角度検出装置の一例を示す模式側面図であり、一点鎖線より下側は磁石回転子を断面で示した部分断面図である。 参考例1の回転角度検出装置に用いるセンサデバイスにおけるセンサ素子の配置を示す模式図である。 参考例1の回転角度検出装置に用いる他のセンサデバイスにおけるセンサ素子の配置を示す模式図である。 図2(a)のセンサデバイスにおけるセンサ素子と端子との接続を示す回路図である。 図2(b)のセンサデバイスにおけるセンサ素子と端子との接続を示す回路図である。 参考例1の回転角度検出装置に用いる回路の一例を示す図である。 本発明の回転角度検出装置に用いる磁石回転子の他の一例を示す模式正面図である。 本発明の回転角度検出装置に用いる磁石回転子のさらに他の一例を示す模式正面図である。 本発明の回転機の一例を示す模式断面図である。 本発明の回転機の他の一例を示す模式断面図である。 本発明の回転機のさらに他の一例を示す模式断面図である。 本発明の回転機のさらに他の一例を示す模式断面図である。 本発明の回転機のさらに他の一例を示す模式断面図である。 本発明の回転機のさらに他の一例を示す模式断面図である。 本発明の回転機のさらに他の一例を示す模式断面図である。 本発明の回転機のさらに他の一例を示す模式断面図である。 参考例2の回転角度検出装置に用いるセンサデバイスにおけるエレメント(素子)の配置を示す模式図である。 図9(a)のセンサデバイスにおけるX,-X方向を固定層磁化方向とするエレメントと端子との接続を示すブリッジ回路図である。 図9(a)のセンサデバイスにおけるY,-Y方向を固定層磁化方向とするエレメントと端子との接続を示すブリッジ回路図である。 参考例2の回転角度検出装置に用いる他のセンサデバイスにおけるエレメント(素子)の配置を示す模式図である。 図9(d)のセンサデバイスにおけるX,-X方向を固定層磁化方向とするエレメントと端子との接続を示すブリッジ回路図である。 図9(d)のセンサデバイスにおけるY,-Y方向を固定層磁化方向とするエレメントと端子との接続を示すブリッジ回路図である。 参考例2の回転角度検出装置に用いる回路の他の一例を示す図である。 参考例2に記載の本発明の回転機を示す模式断面図である。 参考例2に記載の本発明の回転機における回転角度検出装置を示す部分拡大図である。 参考例2に記載の本発明の回転機における回転角度検出装置を示す他の部分拡大図である。 実施例1の回転角度検出装置を示す模式正面図である。 実施例1の回転角度検出装置を示す模式側面図であり、一点鎖線より下側は磁石回転子を断面で示した部分断面図である。 実施例1の回転角度検出装置の一例を示す模式図である。 実施例1の回転角度検出装置の他の一例を示す模式図である。 実施例1の回転角度検出装置のさらに他の一例を示す模式図である。 図15(a)の回転角度検出装置のセンサ出力を示すグラフである。 図15(a)の回転角度検出装置のセンサ出力を示すグラフである。 図15(a)の回転角度検出装置の検出角度及び角度誤差を示すグラフである。 実施例1の回転角度検出装置のさらに他の一例を示す模式図である。 図16(a)の回転角度検出装置のセンサ出力を示すグラフである。 図16(a)の回転角度検出装置のセンサ出力を示すグラフである。 図16(a)の回転角度検出装置の検出角度及び角度誤差を示すグラフである。 実施例1の回転角度検出装置に用いる回路の他の一例を示す図である。 実施例1の回転角度検出装置に用いるセンサデバイスの他の一例を示す模式図である。 実施例1の回転角度検出装置に用いるセンサデバイスのさらに他の一例を示す模式図である。 実施例1の回転角度検出装置に用いるセンサデバイスのさらに他の一例を示す模式図である。 実施例1の回転角度検出装置に用いる回路のさらに他の一例を示す図である。 実施例1の回転角度検出装置に用いる回路のさらに他の一例を示す図である。 実施例1の回転角度検出装置に用いる回路のさらに他の一例を示す図である。 実施例1の回転角度検出装置の他の一例を示す模式正面図である。 図22(a)のA-A断面図である。 図22(a)の回転角度検出装置のセンサ出力を示すグラフである。 図22(a)の回転角度検出装置のセンサ出力を示すグラフである。 図22(a)の回転角度検出装置の検出角度及び角度誤差を示すグラフである。 図22(a)の回転角度検出装置の検出角度及び角度誤差を拡大して示すグラフである。 磁石回転子の磁束密度の距離依存性を示すグラフである。 磁石回転子のBθ/Brと好ましい傾き角χとの距離依存性を示すグラフである。 実施例1の回転角度検出装置のさらに他の一例を示す模式正面図である。 図24(a)のA-A断面図である。 図24(a)の回転角度検出装置のセンサ出力を示すグラフである。 図24(a)の回転角度検出装置のセンサ出力を示すグラフである。 図24(a)の回転角度検出装置の検出角度及び角度誤差を示すグラフである。 図24(a)の回転角度検出装置の検出角度及び角度誤差を拡大して示すグラフである。 実施例1の回転角度検出装置のさらに他の一例を示す模式図である。 実施例1の回転角度検出装置のさらに他の一例を示す模式図である。 実施例1の回転角度検出装置のさらに他の一例を示す模式図である。 本発明のセンサブリッジ出力の半径方向の距離依存性を示すグラフである。 本発明のセンサブリッジ出力の周方向の距離依存性を示すグラフである。 ホールIC出力の半径方向の距離依存性を示すグラフである。 ホールIC出力の周方向の距離依存性を示すグラフである。 センサデバイス及びホールICの出力電圧特性の回転子表面からの距離依存性を示すグラフである。 磁束密度に対するセンサデバイスのセンサブリッジ出力特性を示すグラフである。 本発明の回転角度検出装置のさらに他の一例を示す模式図である。 本発明の回転角度検出装置に用いる回路のさらに他の一例を示す図である。 本発明の回転角度検出装置のさらに他の一例を示す模式正面図である。 図30(a)のA-A断面図である。 実施例2の回転角度検出装置の他の一例を示す模式正面図である。 実施例2の回転角度検出装置の他の一例を示す模式側面図であり、一点鎖線より下側は磁石回転子を断面で示した部分断面図である。 実施例2の回転角度検出装置に用いる回路を示す図である。 実施例3の回転角度検出装置の一例を示す模式正面図である。 実施例3の回転角度検出装置の一例を示す模式側面図である。 図33(a)の回転角度検出装置のセンサ出力を示すグラフである。 図33(a)の回転角度検出装置の検出角度及び角度誤差を示すグラフである。 実施例3の回転角度検出装置の他の一例を示す模式正面図である。 実施例3の回転角度検出装置の他の一例を示す模式側面図である。 図34(a)の回転角度検出装置のセンサ出力を示すグラフである。 図34(a)の回転角度検出装置の検出角度及び角度誤差を示すグラフである。 センサ傾斜角χと最大角度誤差の関係を示すグラフである。 各センサ配置角φにおける、空間磁束密度振幅比K0と最適センサ傾斜角χの関係を示すグラフである。 角度誤差1 deg.以内に収めるセンサ配置角φとセンサ傾斜角χの範囲を示すグラフである。 角度誤差2 deg.以内に収めるセンサ配置角φと最適センサ傾斜角χの範囲を示すグラフである。 図36(a)〜図36(c)に記載の角度誤差、実効磁束密度振幅比Keff、最適センサ傾斜角χ及び最適センサ配置角φの関係を示す表である。 実施例5の回転角度検出装置の他の一例を示す模式正面図である。 実施例5の回転角度検出装置の他の一例を示す模式側面図である。 図38(a)の回転角度検出装置のセンサ出力を示すグラフである。 図38(a)の回転角度検出装置の検出角度及び角度誤差を示すグラフである。 実施例6の回転角度検出装置の他の一例を示す模式正面図である。 実施例6の回転角度検出装置の他の一例を示す模式側面図である。 2極磁石の磁場とセンサデバイスの位置関係を説明するための模式正面図である。 図40(a)のA-A断面図である。 4極以上の磁極を有する磁石回転子の磁場とセンサデバイスの位置関係を説明するための模式正面図である。 図41(a)のA-A断面図である。 磁石回転子の磁束密度の距離依存性を示すグラフである。 磁石回転子の空間磁束密度振幅比K0と及び好ましいセンサ傾斜角χの距離依存性を示すグラフである。 Z方向距離と|Br|及び|Bθ|の関係を示すグラフである。 回転角度と|Br|及び|Bθ|の関係を示すグラフである。 実施例8の回転角度検出装置の一例を示す模式正面図である。 図44(a)のA-A断面図である。 図44(a)の回転角度検出装置のセンサ出力を示すグラフである。 図44(a)の回転角度検出装置の検出角度及び角度誤差を示すグラフである。 図44(a)の回転角度検出装置の検出角度及び角度誤差を拡大して示すグラフである。 実施例8の回転角度検出装置の他の一例を示す模式正面図である。 図45(a)のA-A断面図である。 図45(a)の回転角度検出装置のセンサ出力を示すグラフである。 図45(a)の回転角度検出装置の検出角度及び角度誤差を示すグラフである。 図45(a)の回転角度検出装置の検出角度及び角度誤差を拡大して示すグラフである。 実施例9の回転角度検出装置を示す模式正面図である。 図46(a)のA-A断面図である。 実施例10の回転角度検出装置を示す模式正面図である。 図47(a)のA-A断面図である。 本発明の回転機のさらに他の一例を示す模式断面図である。 本発明の回転機のさらに他の一例を示す模式断面図である。

Claims (7)

  1. 2極磁石を有する磁石回転子と、前記磁石回転子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスとを備える回転角度検出装置であって、
    前記センサデバイスは、複数のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁場の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)で構成された感磁面を有し、
    空間磁束密度の振幅比K0=B⊥0/B//0≠1となる位置で、前記感磁面内で直交する実効磁束密度の振幅比Keff=B⊥eff0/B//eff0が1となるように、前記磁石回転子に対して前記センサデバイスが設けられていることを特徴とする回転角度検出装置。
  2. 請求項1に記載の回転角度検出装置であって、
    前記磁石回転子の厚み中心点と前記センサデバイスの感磁面の中心を結ぶ線が、前記磁石回転子の厚み中心点を通りかつ回転軸線に垂直な平面に対してなす角度をセンサ配置角φとし、
    前記磁石回転子の厚み中心点を通りかつ回転軸線に垂直な平面が前記感磁面となす角度をセンサ傾斜角χとしたとき、φ及びχが、
    (a)φ:-1.6〜1.5 deg.かつχ:-57.6〜-62.2 deg.である範囲、
    (b)φ:-1.5〜1.6 deg.かつχ:57.6〜62.2 deg.である範囲、
    (c)φ:33.8〜36.6 deg.かつχ:-2.7〜3.1 deg.である範囲、
    (d)φ:19.2〜22.8 deg.かつχ:87.4〜92.4 deg.である範囲、
    (e)φ:67.1〜70.8 deg.かつχ:84.2〜97.7 deg.である範囲、又は
    (f)φ:81.4〜98.7 deg.かつχ:158.6〜201.2 deg.である範囲
    のいずれかの範囲内となるように前記センサデバイスを設け、
    前記センサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジA01とセンサブリッジB01とを内蔵し、
    前記センサブリッジA01及びB01は、それぞれ前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子のブリッジ回路であり、
    前記ブリッジ回路は、それぞれ電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、
    前記センサブリッジA01及びB01のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして角度信号を得ることを特徴とする回転角度検出装置。
  3. 4極以上の磁極を有する磁石回転子と、前記磁石回転子からの磁束の向きを検知するセンサデバイスとを備える回転角度検出装置であって、
    前記センサデバイスは、複数のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁場の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)で構成された感磁面を有し、
    空間磁束密度の振幅比K0=B⊥0/B//0≠1となる位置で、前記感磁面内で直交する実効磁束密度の振幅比Keff=B⊥eff0/B//eff0が1となるように、前記磁石回転子に対して前記センサデバイスが設けられていることを特徴とする回転角度検出装置。
  4. 請求項3に記載の回転角度検出装置において、
    前記磁石回転子の厚み中心点と前記センサデバイスの感磁面の中心を結ぶ線が、前記磁石回転子の厚み中心点を通りかつ回転軸線に垂直な平面に対してなす角度をセンサ配置角φとし、
    前記磁石回転子の厚み中心点を通りかつ回転軸線に垂直な平面が前記感磁面となす角度をセンサ傾斜角χとしたとき、φ及びχが、
    z≠0、χ=0、かつφ=4.5〜25deg.である範囲、又は
    z=0、φ=0、かつχ=40〜60deg.である範囲、
    のいずれかの範囲内となるように前記センサデバイスを設け、
    前記センサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジA01とセンサブリッジB01とを内蔵し、
    前記センサブリッジA01及びB01は、それぞれ前記スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子のブリッジ回路であり、
    前記ブリッジ回路は、それぞれ電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、
    前記センサブリッジA01及びB01のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして角度信号を得ることを特徴とする回転角度検出装置。
  5. 2極以上の磁極を表面に有する磁石回転子と、前記磁石回転子からの磁束の向きを検知する第1のセンサデバイス及び第2のセンサデバイスとを備えた回転角度検出装置であって、
    空間磁束密度の振幅比K 0 =B ⊥0 /B //0 ≠1となる位置で、前記感磁面内で直交する実効磁束密度の振幅比K eff =B ⊥eff0 /B //eff0 が1となるように、前記磁石回転子に対して前記第1のセンサデバイス及び第2のセンサデバイスが設けられており、
    前記第1のセンサデバイスの中心と前記磁石回転子の回転中心軸の距離は、前記磁石回転子の半径よりも大きく、
    前記第2のセンサデバイスの中心と前記磁石回転子の回転中心軸の距離は、前記磁石回転子の半径よりも大きく、
    前記第1のセンサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX01とセンサブリッジY01とを内蔵し、
    前記第2のセンサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX02とセンサブリッジY02とを内蔵し、
    前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02は、それぞれがスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁界の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)のブリッジ回路であり、
    前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02において、電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、
    前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02の固定層磁化方向を含む平面が前記磁石回転子の回転軸に対して傾いており、
    前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして角度信号を得ることを特徴とする回転角度検出装置。
  6. 2極以上の磁極を表面に有する磁石回転子と、前記磁石回転子からの磁束の向きを検知する第1のセンサデバイス及び第2のセンサデバイスとを備えた回転角度検出装置であって、
    空間磁束密度の振幅比K 0 =B ⊥0 /B //0 ≠1となる位置で、前記感磁面内で直交する実効磁束密度の振幅比K eff =B ⊥eff0 /B //eff0 が1となるように、前記磁石回転子に対して前記第1のセンサデバイス及び第2のセンサデバイスが設けられており、
    前記第1のセンサデバイスの中心と前記磁石回転子の回転中心軸の距離は、前記磁石回転子の半径よりも大きく、
    前記第2のセンサデバイスの中心と前記磁石回転子の回転中心軸の距離は、前記磁石回転子の半径よりも大きく、
    前記第1のセンサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX01とセンサブリッジY01とを内蔵し、
    前記第2のセンサデバイスは、互いに固定層磁化方向が直交するセンサブリッジX02とセンサブリッジY02とを内蔵し、
    前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02は、それぞれがスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(固定層と自由層を有し、固定層磁化方向が固定されており、自由層磁化方向が磁界の向きに応じて回転する磁気抵抗素子)のブリッジ回路であり、
    前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02において、電気的に隣り合う辺のスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向が反平行であり、
    前記第1のセンサデバイス及び前記第2のセンサデバイスの中心は、前記磁石回転子の厚み中心点を通りかつ回転軸に垂直な平面から、磁石回転子の回転軸方向に離れており、
    前記センサブリッジX01、Y01、X02及びY02のそれぞれに電圧を印加することにより、前記固定層磁化方向と前記自由層磁化方向とのなす角度に応じた出力を得て、前記出力を基にして角度信号を得ることを特徴とする回転角度検出装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の回転角検出装置を備えることを特徴とする回転機。
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