JP2005172441A - 角度および角速度一体型検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
小型でコストが低く、高精度で高速応答の角度および角速度一体型検出装置を得る。
【解決手段】
本発明の角度および角速度一体型検出装置は、回転体1に固定された永久磁石2と、周方向に空隙部をもつリング状の磁性体で形成された固定体3と、センサユニット8とを備えている。センサユニット8内には、図示しない磁界検出素子と、図示しないコイルが配置してあり、磁界検出素子の信号から回転体1の角度を検出し、磁界検出素子の信号とコイルの誘起電圧信号から回転体1の角速度を検出する。
【選択図】図1
小型でコストが低く、高精度で高速応答の角度および角速度一体型検出装置を得る。
【解決手段】
本発明の角度および角速度一体型検出装置は、回転体1に固定された永久磁石2と、周方向に空隙部をもつリング状の磁性体で形成された固定体3と、センサユニット8とを備えている。センサユニット8内には、図示しない磁界検出素子と、図示しないコイルが配置してあり、磁界検出素子の信号から回転体1の角度を検出し、磁界検出素子の信号とコイルの誘起電圧信号から回転体1の角速度を検出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、回転体の回転角度および回転角速度を同時に検出する角度および角速度一体型検出装置に関する。
従来、モータ軸などの回転体の角度および角速度を検出するため、回転体に固定された永久磁石が発生する磁界を固定体に取り付けられた磁界検出素子の出力信号から角度を演算し、さらに固定体に巻回したコイルに発生する誘起電圧を検出し、磁界検出素子から得られる出力信号とコイルの誘起電圧を用いて角速度を演算して求めるようにした角度および角速度一体型検出装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
図8は従来の角度および角速度一体型検出装置を示す斜視図である。
図8において、1は回転体、2は回転体1と回転軸が同一になるように固定された円板状の永久磁石で、回転体1の軸に垂直方向に平行に一方向に磁化されている。3は永久磁石2の外周側に設けられたリング状の固定体で周方向に4分割されている。4は磁界検出素子で、4組の磁界検出素子41、42、43、44が固定体3の空隙部に互いに周方向に90°間隔で配置されている。5は固定体3を通過する磁束の時間変化により発生する誘起電圧を検出するコイルで、4組のコイル51、52、53、54が磁界検出素子4の検出信号と同位相になるように固定体3に卷回してある。
次に動作について説明する。
図8において、回転体1が回転すると、4組の磁界検出素子4から、回転角に対して互いに90°ずつ位相の異なる正弦波状の信号が検出される。また、4組のコイル5から回転体1の角速度に比例した誘起電圧が発生する。磁界検出素子4の検出信号から回転体3の角度を検出し、磁界検出素子4の検出信号と、コイル5の検出信号の両信号を演算処理することによって回転体3の角速度を検出していた。
特開2003−161643
図8は従来の角度および角速度一体型検出装置を示す斜視図である。
図8において、1は回転体、2は回転体1と回転軸が同一になるように固定された円板状の永久磁石で、回転体1の軸に垂直方向に平行に一方向に磁化されている。3は永久磁石2の外周側に設けられたリング状の固定体で周方向に4分割されている。4は磁界検出素子で、4組の磁界検出素子41、42、43、44が固定体3の空隙部に互いに周方向に90°間隔で配置されている。5は固定体3を通過する磁束の時間変化により発生する誘起電圧を検出するコイルで、4組のコイル51、52、53、54が磁界検出素子4の検出信号と同位相になるように固定体3に卷回してある。
次に動作について説明する。
図8において、回転体1が回転すると、4組の磁界検出素子4から、回転角に対して互いに90°ずつ位相の異なる正弦波状の信号が検出される。また、4組のコイル5から回転体1の角速度に比例した誘起電圧が発生する。磁界検出素子4の検出信号から回転体3の角度を検出し、磁界検出素子4の検出信号と、コイル5の検出信号の両信号を演算処理することによって回転体3の角速度を検出していた。
従来の角度および角速度一体型検出装置は、速度信号の検出手段として、固定体3にコイル5を巻回しているため、装置の外径が大きくなる。またコイル5の巻回や配設が容易でなく製造コストが高くなる問題があった。
そこで本発明は、小型でコストが低く、高精度で高速応答の角度および角速度一体型検出装置を提供することを目的とする。
そこで本発明は、小型でコストが低く、高精度で高速応答の角度および角速度一体型検出装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1に記載の角度および角速度一体型検出装置に係わる発明は、回転体に固定された永久磁石と、周方向に空隙をもつリング状の磁性体で形成された固定体と、前記固定体の磁界を検出する磁界検出素子と、前記固定体を通る磁束を検出するコイルと、前記磁界検出素子の信号から角度を演算する角度検出信号処理回路と、前記磁界検出素子の信号と前記コイルの誘起電圧信号から角速度を演算する角速度信号検出処理回路とを備えた角度および角速度一体型検出装置において、前記磁界検出素子と前記コイルをユニット化して前記空隙に配置したことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の角度および角速度一体型検出装置において、前記ユニットは、前記磁界検出素子を基板上に配置し、前記コイルをワイヤで形成し、前記基板上に配置したことを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の角度および角速度一体型検出装置において、前記ユニットは、前記磁界検出素子を基板上に配置し、前記コイルを前記基板上にプリントパターンで形成したことを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の角度および角速度一体型検出装置において、前記固定体は2N(Nは正数)個に等分割したことを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の角度および角速度一体型検出装置において、前記固定体は焼結鉄材、ソフトフェライト系材料で形成したことを特徴としている。
請求項1に記載の角度および角速度一体型検出装置に係わる発明は、回転体に固定された永久磁石と、周方向に空隙をもつリング状の磁性体で形成された固定体と、前記固定体の磁界を検出する磁界検出素子と、前記固定体を通る磁束を検出するコイルと、前記磁界検出素子の信号から角度を演算する角度検出信号処理回路と、前記磁界検出素子の信号と前記コイルの誘起電圧信号から角速度を演算する角速度信号検出処理回路とを備えた角度および角速度一体型検出装置において、前記磁界検出素子と前記コイルをユニット化して前記空隙に配置したことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の角度および角速度一体型検出装置において、前記ユニットは、前記磁界検出素子を基板上に配置し、前記コイルをワイヤで形成し、前記基板上に配置したことを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の角度および角速度一体型検出装置において、前記ユニットは、前記磁界検出素子を基板上に配置し、前記コイルを前記基板上にプリントパターンで形成したことを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の角度および角速度一体型検出装置において、前記固定体は2N(Nは正数)個に等分割したことを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の角度および角速度一体型検出装置において、前記固定体は焼結鉄材、ソフトフェライト系材料で形成したことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によると、磁界検出素子とコイルを固定体の空隙部に配置したので、コイルを固定子に巻回する必要が無く、装置を小型化することができる。また、ユニット化したことにより、検出部を固定体の空隙部に容易に、精度良く配置できるため、製作、組み立てが容易になり、製造コストを低くすることができる。
また、請求項2に記載の発明によると、ワイヤで形成したコイルを、基板上に配置したので、小型の比較的ターン数の多いコイルが形成でき、小型で大きな検出信号が得られる。
また、請求項3に記載の発明によると、磁界検出素子を基板上に配置し、コイルを基板上にプリントパターンで形成したので、より小型化できる。
また、請求項4に記載の発明によると、磁界検出素子とコイルを2N(Nは正の整数)個配置するので、検出信号波形が歪んでいた場合、信号波形から高調波成分をキャンセルするので、角度および角速度を高精度に検出することができる。
また、請求項5に記載の発明によると、固定体に導電率の小さい磁性体である焼結鉄材、ソフトフェライト系材料を用いるので、回転体が高速回転しても、固定体に流れる渦電流による角度および角速度の検出精度の劣化を防ぐことができる。
また、請求項2に記載の発明によると、ワイヤで形成したコイルを、基板上に配置したので、小型の比較的ターン数の多いコイルが形成でき、小型で大きな検出信号が得られる。
また、請求項3に記載の発明によると、磁界検出素子を基板上に配置し、コイルを基板上にプリントパターンで形成したので、より小型化できる。
また、請求項4に記載の発明によると、磁界検出素子とコイルを2N(Nは正の整数)個配置するので、検出信号波形が歪んでいた場合、信号波形から高調波成分をキャンセルするので、角度および角速度を高精度に検出することができる。
また、請求項5に記載の発明によると、固定体に導電率の小さい磁性体である焼結鉄材、ソフトフェライト系材料を用いるので、回転体が高速回転しても、固定体に流れる渦電流による角度および角速度の検出精度の劣化を防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
なお、従来例の構成要素が本発明の構成要素と同じものについてはその説明を省略し、異なる点のみ説明する。
なお、従来例の構成要素が本発明の構成要素と同じものについてはその説明を省略し、異なる点のみ説明する。
図1は本発明の実施例を示す回転体の角度および角速度を検出する角度および角速度一体型検出装置の斜視図である。
図において、3は固定体で、焼結鉄材やソフトフェライト系材料で形成している。8はセンサユニットである。本発明が従来技術と異なる点は、周方向に等分割したリング状の固定体3の空隙部にセンサユニット8を配置した点である。本実施例では固定体3を4分割し、その空隙部に4個のセンサユニット81、82、83、84を配置した。A1相センサユニット81とB1相センサユニット82を互いに電気角で90度位相をずらして設け、さらにA1相センサユニット81に対して電気角で180度位相をずらしてA2相センサユニット83を、B1相センサユニット82に対して電気角で180度位相をずらしてB2相センサユニット84を設けている。また、A1相センサユニット81にはA1相磁界検出素子41とA1相コイル51が、B1相センサユニット82にはB1相磁界検出素子42とB1相コイル52が、A2相センサユニット83にはA2相磁界検出素子43とA2相コイル53が、B2相センサユニット84にはB2相磁界検出素子44とB2相コイル54が設けてある。
図2はセンサユニット8の構成を示す拡大平面図で、(a)はコイルをワイヤで形成した場合、(b)はコイルをプリントパターンで形成した場合の実施例を示す。
図2(a)において、8Aは磁界検出素子、8Bはワイヤで形成されたコイル、8Cは磁界検出素子8Aとコイル8Bを搭載する基板である。図2(b)において8Dはプリントパターンで形成したコイルで、その他の構成は図2(a)と同じである。なお磁界検出素子8Aとしてホール素子を用いた。
図において、3は固定体で、焼結鉄材やソフトフェライト系材料で形成している。8はセンサユニットである。本発明が従来技術と異なる点は、周方向に等分割したリング状の固定体3の空隙部にセンサユニット8を配置した点である。本実施例では固定体3を4分割し、その空隙部に4個のセンサユニット81、82、83、84を配置した。A1相センサユニット81とB1相センサユニット82を互いに電気角で90度位相をずらして設け、さらにA1相センサユニット81に対して電気角で180度位相をずらしてA2相センサユニット83を、B1相センサユニット82に対して電気角で180度位相をずらしてB2相センサユニット84を設けている。また、A1相センサユニット81にはA1相磁界検出素子41とA1相コイル51が、B1相センサユニット82にはB1相磁界検出素子42とB1相コイル52が、A2相センサユニット83にはA2相磁界検出素子43とA2相コイル53が、B2相センサユニット84にはB2相磁界検出素子44とB2相コイル54が設けてある。
図2はセンサユニット8の構成を示す拡大平面図で、(a)はコイルをワイヤで形成した場合、(b)はコイルをプリントパターンで形成した場合の実施例を示す。
図2(a)において、8Aは磁界検出素子、8Bはワイヤで形成されたコイル、8Cは磁界検出素子8Aとコイル8Bを搭載する基板である。図2(b)において8Dはプリントパターンで形成したコイルで、その他の構成は図2(a)と同じである。なお磁界検出素子8Aとしてホール素子を用いた。
次に本発明の角度および角速度一体型検出装置の動作について述べる。
図1において、回転体1が回転すると、永久磁石2の磁界の変化により、センサユニット8内の磁界検出素子8Aから各相の位置信号が検出され、コイル8Bまたは8Dから角速度に比例した各相の誘起電圧信号が検出される。この信号を信号処理回路に入力し、さらに演算処理によって角度および角速度を検出する。
図3は本発明の実施例の角度および角速度一体型検出装置の信号処理回路を示すブロック図である。
図3において、6は角度検出信号処理回路で7は角速度検出信号処理回路である。角度検出信号処理回路6は、A1相の磁界検出信号Va1とA2相の磁界検出信号Va2の差動信号Vaを出力する差動アンプ61と、B1相の磁界検出信号Vb1とB2相の磁界検出信号Vb2の差動信号Vbを出力する差動アンプ62と、VaとVbとからarctan(Vb/Va)の演算を行って角度信号θを演算する角度演算回路63から構成される。また、速度検出信号処理回路7は、コイル51と53が発生する互いに位相が180度異なる誘起電圧信号Ea1、Ea2から差動信号Eaを出力する差動アンプ71と、同様にコイル52と54が発生する誘起電圧信号Eb1、Eb2から差動信号Ebを出力する差動アンプ72と、差動信号Vaと差動信号Ebの乗算を行う乗算器74と、差動信号Vbと差動信号Eaの乗算を行う乗算器73と、乗算器73と乗算器74の出力を加算する加算器75から構成される。
図4は本発明の実施例の角度および角速度一体型検出装置の信号処理回路の動作を説明する信号波形図である。(a)は磁界検出素子の磁界検出信号の差動信号、(b)はコイルの誘起電圧信号の差動信号である。
先ず回転角度の検出動作について説明する。
A相磁界検出信号の差動信号VaとB相磁界検出信号の差動信号Vbは、磁界検出素子が検出する磁束密度に比例し、回転角度に対して、互いに90度位相がずれた二つの正弦波、すなわち、回転角をθとしたとき
Va=B0cosθ
Vb=B0sinθ
となる。Va、Vbを入力とする角度演算回路63によって、θ=arctan(Vb/Va)の演算が行われ、絶対位置の角度信号θが得られる。
次に、角速度の検出動作について説明する。
A相誘起電圧信号の差動信号EaとB相誘起電圧信号の差動信号Ebは、コイルと鎖交する磁束の時間変化に比例する。回転体1が角速度をωで回転しているとき、A相の磁束鎖交数φaをφa=φ0cosθ、B相の磁束鎖交数φbをφb=φ0sinθとすると、
Ea=−dφa/dt=ωφ0sinθ
Eb=−dφb/dt= −ωφ0cosθ
となる。すなわち、回転体1がある速度ωで回転している時、A相磁界検出素子の差動信号VaとB相コイルの誘起電圧信号の差動信号Ebの反転信号(−Eb)、およびB相磁界検出素子の差動信号VbとA相コイルの誘起電圧信号の差動信号Ea は同位相の正弦波波形である。これら信号を乗算し加算することにより、角速度ωに比例する信号が得られる。
Va×(−Eb)+ Vb×Ea=ωφ0B0(cos2θ+sin2θ)= αω
図1において、回転体1が回転すると、永久磁石2の磁界の変化により、センサユニット8内の磁界検出素子8Aから各相の位置信号が検出され、コイル8Bまたは8Dから角速度に比例した各相の誘起電圧信号が検出される。この信号を信号処理回路に入力し、さらに演算処理によって角度および角速度を検出する。
図3は本発明の実施例の角度および角速度一体型検出装置の信号処理回路を示すブロック図である。
図3において、6は角度検出信号処理回路で7は角速度検出信号処理回路である。角度検出信号処理回路6は、A1相の磁界検出信号Va1とA2相の磁界検出信号Va2の差動信号Vaを出力する差動アンプ61と、B1相の磁界検出信号Vb1とB2相の磁界検出信号Vb2の差動信号Vbを出力する差動アンプ62と、VaとVbとからarctan(Vb/Va)の演算を行って角度信号θを演算する角度演算回路63から構成される。また、速度検出信号処理回路7は、コイル51と53が発生する互いに位相が180度異なる誘起電圧信号Ea1、Ea2から差動信号Eaを出力する差動アンプ71と、同様にコイル52と54が発生する誘起電圧信号Eb1、Eb2から差動信号Ebを出力する差動アンプ72と、差動信号Vaと差動信号Ebの乗算を行う乗算器74と、差動信号Vbと差動信号Eaの乗算を行う乗算器73と、乗算器73と乗算器74の出力を加算する加算器75から構成される。
図4は本発明の実施例の角度および角速度一体型検出装置の信号処理回路の動作を説明する信号波形図である。(a)は磁界検出素子の磁界検出信号の差動信号、(b)はコイルの誘起電圧信号の差動信号である。
先ず回転角度の検出動作について説明する。
A相磁界検出信号の差動信号VaとB相磁界検出信号の差動信号Vbは、磁界検出素子が検出する磁束密度に比例し、回転角度に対して、互いに90度位相がずれた二つの正弦波、すなわち、回転角をθとしたとき
Va=B0cosθ
Vb=B0sinθ
となる。Va、Vbを入力とする角度演算回路63によって、θ=arctan(Vb/Va)の演算が行われ、絶対位置の角度信号θが得られる。
次に、角速度の検出動作について説明する。
A相誘起電圧信号の差動信号EaとB相誘起電圧信号の差動信号Ebは、コイルと鎖交する磁束の時間変化に比例する。回転体1が角速度をωで回転しているとき、A相の磁束鎖交数φaをφa=φ0cosθ、B相の磁束鎖交数φbをφb=φ0sinθとすると、
Ea=−dφa/dt=ωφ0sinθ
Eb=−dφb/dt= −ωφ0cosθ
となる。すなわち、回転体1がある速度ωで回転している時、A相磁界検出素子の差動信号VaとB相コイルの誘起電圧信号の差動信号Ebの反転信号(−Eb)、およびB相磁界検出素子の差動信号VbとA相コイルの誘起電圧信号の差動信号Ea は同位相の正弦波波形である。これら信号を乗算し加算することにより、角速度ωに比例する信号が得られる。
Va×(−Eb)+ Vb×Ea=ωφ0B0(cos2θ+sin2θ)= αω
次に本発明の角度および角速度一体型検出装置の特性について述べる。
図5は、本発明の角度および角速度一体型検出装置の角度の検出精度を示すグラフで、基準エンコーダ(分解能100万パルス/回転)の検出角度に対する本発明の角度および角速度一体型検出装置の検出角度と基準エンコーダとの検出角度誤差を示している。検出の最大誤差は0.08度であり、1回転を4096分割した極めて高い分解能を有する絶対値角度検出が得られることがわかる。
図6は、角速度信号ωの出力電圧波形を示すグラフで、回転体1を 1,000min-1で回転させ、検出された角速度信号ωの出力電圧波形を示している。回転速度リプルは0.5%以下と良好な値であった。
図7は、角速度信号ωの直線性を示すグラフで、回転体1を -5,000 min-1から +5,000 min-1で回転させ、角速度信号ωの出力電圧を調べた。その結果、広い回転角速度範囲にわたって、極めて直線性の良い信号が得られた。
本発明では、永久磁石2が高速回転するときに、固定体3に発生する渦電流の影響による検出精度の低下を防ぐために、固定体3の電気抵抗を等価的に大きくするように固定体3を薄板を積層して形成、あるいは磁性粉で形成、またはソフトフェライト系材料で形成することで、回転体1の高速回転領域でも角度および角速度を高精度で検出することができる。
図5は、本発明の角度および角速度一体型検出装置の角度の検出精度を示すグラフで、基準エンコーダ(分解能100万パルス/回転)の検出角度に対する本発明の角度および角速度一体型検出装置の検出角度と基準エンコーダとの検出角度誤差を示している。検出の最大誤差は0.08度であり、1回転を4096分割した極めて高い分解能を有する絶対値角度検出が得られることがわかる。
図6は、角速度信号ωの出力電圧波形を示すグラフで、回転体1を 1,000min-1で回転させ、検出された角速度信号ωの出力電圧波形を示している。回転速度リプルは0.5%以下と良好な値であった。
図7は、角速度信号ωの直線性を示すグラフで、回転体1を -5,000 min-1から +5,000 min-1で回転させ、角速度信号ωの出力電圧を調べた。その結果、広い回転角速度範囲にわたって、極めて直線性の良い信号が得られた。
本発明では、永久磁石2が高速回転するときに、固定体3に発生する渦電流の影響による検出精度の低下を防ぐために、固定体3の電気抵抗を等価的に大きくするように固定体3を薄板を積層して形成、あるいは磁性粉で形成、またはソフトフェライト系材料で形成することで、回転体1の高速回転領域でも角度および角速度を高精度で検出することができる。
本発明は、構造がシンプルで堅牢性があり、また高速応答、高精度、小型、低コストの角度および角速度一体型検出装置を実現できるので、ロボットや工作機械に用いられるサーボモータの回転角度および角速度を同時に検出できる装置として適用できる。
1 回転体
2 永久磁石
3 固定体
4 磁界検出素子
41 A1 相磁界検出素子
42 B1 相磁界検出素子
43 A2 相磁界検出素子
44 B2 相磁界検出素子
5 コイル
51 A1 相 コイル
52 B1 相 コイル
53 A2 相 コイル
54 B2 相 コイル
6 角度検出信号処理回路
61、62 差動アンプ
63 角度演算回路
7 角速度検出信号処理回路
71、72 差動アンプ
73、74 乗算器
75 加算器
8 センサユニット
8A 磁界検出素子
8B、8D コイル
8C 基板
81 A1 相センサユニット
82 B1 相センサユニット
83 A2相センサユニット
84 B2 相センサユニット
2 永久磁石
3 固定体
4 磁界検出素子
41 A1 相磁界検出素子
42 B1 相磁界検出素子
43 A2 相磁界検出素子
44 B2 相磁界検出素子
5 コイル
51 A1 相 コイル
52 B1 相 コイル
53 A2 相 コイル
54 B2 相 コイル
6 角度検出信号処理回路
61、62 差動アンプ
63 角度演算回路
7 角速度検出信号処理回路
71、72 差動アンプ
73、74 乗算器
75 加算器
8 センサユニット
8A 磁界検出素子
8B、8D コイル
8C 基板
81 A1 相センサユニット
82 B1 相センサユニット
83 A2相センサユニット
84 B2 相センサユニット
Claims (5)
- 回転体に固定された永久磁石と、周方向に空隙をもつリング状の磁性体で形成された固定体と、前記固定体の磁界を検出する磁界検出素子と、前記固定体を通る磁束を検出するコイルと、前記磁界検出素子の信号から角度を演算する角度検出信号処理回路と、前記磁界検出素子の信号と前記コイルの誘起電圧信号から角速度を演算する角速度信号検出処理回路とを備えた角度および角速度一体型検出装置において
前記磁界検出素子と前記コイルをユニット化して前記空隙に配置したことを特徴とする角度および角速度一体型検出装置。 - 前記ユニットは、前記磁界検出素子を基板上に配置し、前記コイルをワイヤで形成して前記基板上に配置したことを特徴とする請求項1記載の角度および角速度一体型検出装置。
- 前記ユニットは、前記磁界検出素子を基板上に配置し、前記コイルを前記基板上にプリントパターンで形成したことを特徴とする請求項1記載の角度および角速度一体型検出装置。
- 前記固定体は2N(Nは正の整数)個に等分割されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の角度および角速度一体型検出装置。
- 前記固定体は焼結鉄材、ソフトフェライト系材料で形成したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の角度および角速度一体型検出装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003408445A JP2005172441A (ja) | 2003-12-08 | 2003-12-08 | 角度および角速度一体型検出装置 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=34730132
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---|---|---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009069148A (ja) * | 2007-09-13 | 2009-04-02 | Micronas Gmbh | 磁界を測定する測定装置 |
CN111521839A (zh) * | 2020-06-11 | 2020-08-11 | 哈尔滨理工大学 | 一种基于多对极磁钢及辅助定子绕组测速磁电编码器 |
-
2003
- 2003-12-08 JP JP2003408445A patent/JP2005172441A/ja not_active Abandoned
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009069148A (ja) * | 2007-09-13 | 2009-04-02 | Micronas Gmbh | 磁界を測定する測定装置 |
CN111521839A (zh) * | 2020-06-11 | 2020-08-11 | 哈尔滨理工大学 | 一种基于多对极磁钢及辅助定子绕组测速磁电编码器 |
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