JP4211278B2 - エンコーダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁界によって位置情報を検出するエンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
エンコーダには感磁性素子を利用したものが提案されている。例えば、特開平7−181239公報においては、感磁性素子として磁気インピーダンス効果(Magneto-Impedance効果:MI効果)を利用した磁気インピーダンス素子(MI素子)を用いる方法が開示されている。さらに詳しくは、アモルファスワイヤなどの磁性線に高周波電流を流すことによって、低磁界で高いインピーダンス変化が得られ、感度のよい小型の磁気インピーダンス素子を実現する技術が開示されている。このような高感度の磁気インピーダンス素子を用いることによって、高分解能なエンコーダを実現することができる。しかし、この公報の技術では、多極着磁された磁石を利用する場合、磁石の着磁分布の影響を除去するために複数の磁気インピーダンス素子を使う必要がある。したがって、複数の磁気インピーダンス素子に対して、磁石を高精度に設置したり位置決めする必要があるが、このような高精度な位置決め作業は極めて難しい。そこで、このような磁石における着磁分布の影響を解決するために、特開平9−113591号公報などには、薄膜形の磁気インピーダンス素子を用いた技術が開示されている。この技術によれば、連続した磁性膜上に所定のピッチ間隔で凸部磁性膜をラック状に形成し、これに着磁媒体(磁石)を所定のピッチで対向させて相対移動させている。これによって、磁石の配置のばらつきなどに影響されることなく、平均的な磁界の検出が可能となり、高感度且つ高精度なエンコーダを実現することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、感磁性素子を利用した従来のエンコーダには、次のような問題がある。
一つ目は、感磁性素子の取り付け誤差やギャップの分布の不揃いなどの影響を平均化して低減するために、複数の磁気検出部を配置した方がよいが、これを実現するためには、複数の感磁性素子を同時に成膜する必要がある。しかし、複数の感磁性素子を同時に成膜すると、エンコーダの特性を向上させるために、感磁性素子に磁気異方性を付けるなどの処理も同時に必用になり、また複数層の成膜が必要となるため、結果として、感磁性素子の製造工程が複雑となってしまう。特に、ロータリエンコーダ用の感磁性素子の場合は、製造工程がさらに複雑となる。三つ目は、複数の感磁性素子を同時に製造しないで、一つの感磁性素子を複数個配置する場合には、位置決めを高精度に行う必要が生じ、結果としてエンコーダの製造が難しくなってくる。
更に、感磁性素子として薄膜型の磁気インピーダンス素子を用いた従来のエンコーダにおいては、前述の問題に加え次のような問題がある。
それは、薄型による構造的制約からバイアスコイルを用いていないため、磁気インピーダンス素子の非線形な磁気特性部分を使用することになり、出力信号に歪みが生じ、正弦波状の出力信号が得られない。このため、高分解能な内挿ができず、エンコーダの分解能が低くなり、例えば、精密工作機械などの用途に使用することができないことである。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の感磁性素子を組み込んでも、その着磁分布や取付け誤差やギャップ変動などの影響を低減でき、且つ、磁石を寸法精度よく配置できて簡単な回路構成で実現できるエンコーダを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のエンコーダは、一方向に沿って所定のピッチ間隔で交互に逆極性の磁界を発生させる磁界発生手段と、前記磁界発生手段に対して相対移動することにより、該磁界発生手段からの周期的な磁界の変化を感磁性素子によって検出し、磁界の変化に対応した位置情報を送出する磁界検出手段とを備えたエンコーダにおいて、前記磁界検出手段は、前記一方向に沿って延ばされて、前記磁界発生手段を挟んで互いに対向して配され、前記磁界発生手段からの磁束を流す第1及び第2のヨーク本体と、前記第1のヨーク本体のうち前記一方向の複数部位から前記第2のヨーク本体に向けられて、前記磁界発生手段に対して少なくとも一部が重なるように設けられた一対の櫛歯状パターンと、前記第2のヨーク本体のうち前記一方向の複数部位から前記第1のヨーク本体に向けられて、前記磁界発生手段に対して少なくとも一部が重なるように設けられた一対の櫛歯状パターンと、前記第1又は第2のヨーク本体の少なくともいずれか一方のうち前記磁束が流れる位置に設けられた前記感磁性素子とを備え、前記第1のヨーク本体の一の櫛歯状パターンと前記第2のヨーク本体の一の櫛歯状パターンとが前記一方向に隣接して配され、かつ、前記第1のヨーク本体の他の櫛歯状パターンと前記第2のヨーク本体の他の櫛歯状パターンとが前記一方向に隣接して配されることにより、前記第1及び第2のヨーク本体と前記一及び他の櫛歯状パターンとが、全体として環状に配されており、前記第1のヨーク本体の一の櫛歯状パターンが、前記磁界発生手段の複数の磁極からの磁束を集め、当該磁束を、前記第1のヨーク本体、前記第1のヨーク本体の他の櫛歯状パターン、前記第2のヨーク本体の他の櫛歯状パターン、前記第2のヨーク本体及び前記第2のヨーク本体の一の櫛歯状パターンを順に介して、前記第1のヨーク本体の一の櫛歯状パターンに還流させることにより、前記感磁性素子が磁界の変化に対応した位置情報を送出することを特徴とする。
【0006】
また、本発明のエンコーダは、一方向に沿って所定のピッチ間隔で交互に逆極性の磁界を発生させる磁界発生手段と、前記磁界発生手段に対して相対移動することにより、該磁界発生手段からの周期的な磁界の変化を感磁性素子によって検出し、磁界の変化に対応した位置情報を送出する磁界検出手段とを備えたエンコーダにおいて、前記磁界検出手段は、前記一方向に沿って延ばされて、前記磁界発生手段を挟んで互いに対向して配され、前記磁界発生手段からの磁束を流す第1及び第2のヨーク本体と、前記第1のヨーク本体から前記第2のヨーク本体に向けられて、前記磁界発生手段に対して少なくとも一部が重なるように設けられた櫛歯状パターンと、前記第2のヨーク本体から前記第1のヨーク本体に向けられて、前記磁界発生手段に対して少なくとも一部が重なるように設けられた櫛歯状パターンと、前記第1又は第2のヨーク本体の少なくともいずれか一方のうち前記磁束が流れる位置に設けられた前記感磁性素子とを備え、前記第1及び第2のヨーク本体が、連続ヨークを介して連続して形成されており、前記第1のヨーク本体の櫛歯状パターンと前記第2のヨーク本体の櫛歯状パターンとが前記一方向に隣接して配されることにより、前記第1及び第2のヨーク本体と前記連続ヨークと前記第1及び第2のヨーク本体の櫛歯状パターンとが、全体として環状に配されており、前記第1のヨーク本体の櫛歯状パターンが、前記磁界発生手段の複数の磁極からの磁束を集め、当該磁束を、前記第1のヨーク本体、前記連続ヨーク、前記第2のヨーク本体及び前記第2のヨーク本体の櫛歯状パターンを順に介して、前記第1のヨーク本体の櫛歯状パターンに還流させることにより、前記感磁性素子が磁界の変化に対応した位置情報を送出することを特徴とする。
【0007】
つまり、本発明のエンコーダによれば、所定のピッチで逆極性の磁界を発生する磁界発生手段(例えば磁石)と、磁界発生手段の各磁極に対向して配置された櫛歯状パターンを有する磁界検出手段(例えば磁気検出部)とを相対移動させると、磁気検出部を構成するヨークの磁路に介在された感磁性素子(つまり、アモルファスワイヤなどの磁気インピーダンス素子)が、磁気インピーダンス効果によって、相対移動により生じる磁界の変化を電圧値として検出する。これによって、エンコーダは相対移動した位置情報を検出することができる。このような構成にすることによって、着磁分布のばらつきや、各構成部品の取付け誤差や、磁気ギャップの変動などの影響を低減することができるので、検出精度の高いエンコーダを実現することができる。
また、本発明のエンコーダは、前記発明において、前記第1及び第2のヨーク本体から延ばされた櫛歯状パターンの各々の櫛歯が、前記一方向において前記所定のピッチ間隔で交互に配されていることを特徴とする。
また、本発明のエンコーダは、前記発明において、前記感磁性素子が、磁気インピーダンス効果により磁界の変化を検出することを特徴とする。また、本発明のエンコーダは、前記発明において、同じ位相の磁界を検出する前記磁界検出手段が複数設けられ、各々の前記磁界検出手段は、複数の前記感磁性素子を直列に備えたことを特徴とする。つまり、このような構成にすることによって、複数の磁界検出手段(磁気検出部)から送出される信号の総和を出力とできるので、大きな磁気検出信号を出力することができると共に、磁束分布のばらつきによる影響を低減することができる。
【0008】
また、本発明のエンコーダは、前記発明において、磁界検出手段は、1ピッチの歩進角度を360°としたとき、磁界の位相が、0°、90゜、180°、270°の関係となるように、各位相毎に配置されていることを特徴とする。つまり、この構成によれば、90°ずつ位相のずれた4つの正弦波状に変化する波形が得られる。
【0009】
また、本発明のエンコーダは、前記発明において、磁界検出手段は、磁界の位相が0°と180°の成分、及び90゜と270°の成分を、それぞれ、差動成分として(sinθ,cosθとして)出力することを特徴とする。つまり、このような差動成分を検出することにより、外乱磁界の影響を排除することができるので、エンコーダは精度の高い位置検出を行うことができる。
【0010】
また、本発明のエンコーダは、前記発明において、前記磁界検出手段は、磁界の位相が0°の成分と180°の成分の差動成分を、磁界の位相が90°の成分と270°の差動成分で除算して、その逆正接を求めて1ピッチ内の角度情報を出力することを特徴とする。この構成によれば、例えばsinθをcosθの成分で除算し、逆正接(θ=tan-1(sinθ/cosθ))を求めて1ピッチ内の角度情報を出力する。つまり、相対移動に伴って、正弦波数をカウントし、かつ、この1ピッチ内の角度位置を計算する。これにより、全体の中での位置を求めることができる。
【0011】
また、本発明のエンコーダは、前記各発明において、磁界検出手段が、感磁性素子が検出した磁界のレベルをバイアスするバイアスコイルを備えるものとしてもよい。つまり、バイアスコイルによって感磁性素子(磁気インピーダンス素子)にバイアスをかけることにより、磁気インピーダンス素子は、検出された磁気特性のうちリニアリティのよい部分のみを利用することができる。これによってエンコーダの検出精度が高くなる。
【0012】
また、本発明のエンコーダは、前記各発明において、磁界検出手段が、感磁性素子が検出した磁界の情報をフィードバックするフィードバックコイルを備えるものとしてもよく、さらに、感磁性素子毎に備えれれた各々のフィードバックコイルは直列に接続してもよい。つまり、フィードバックコイルを設けて帰還系を構成すれば、線形性や温度特性や周波数応答などの諸特性が向上する。したがって、精密工作機械の位置制御などに用いられる高精度なエンコーダを実現することができる。
また、本発明は、前記各発明において、前記磁界発生手段が、つづら折れ状に形成されたコイルから構成されていてもよい。
【0013】
また、本発明は、前記第1および第2の磁気回路要素を備えた各発明において、前記第2の磁気回路要素のコイルおよび磁石が発生する磁界を、バイアスコイルによる発生磁界で代替させるようにしたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明におけるエンコーダの実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態におけるエンコーダの外観図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。つまり、この図は、磁石を使用したエンコーダの一つの磁気検出部を示している。この図を用いて、先ず、第1の実施の形態のエンコーダについて説明する。同図において、固定側には、図に示す極性のように、磁界発生手段を構成する磁石1が、移動極側の部材と対向した配置で、相対移動方向に多極着磁された配列となっている。また、磁界検出手段を構成する移動側の部材は、磁性材の薄膜ヨーク2,3,4,5と、ブロック状ヨーク6,7と、磁気インピーダンス効果を有する材料からなるアモルファスワイヤ8,9と、バイアスコイル10,11と、フィードバク用コイル12,13とが図のように配置されている。
【0016】
磁石1は、固定側の図示しない非磁性基板上に配置され、移動側の部材との相対移動方向に多極着磁されている。また、移動側においては、図示しない非磁性基板上に、薄膜ヨーク2と薄膜ヨーク3及び薄膜ヨーク4と薄膜ヨーク5が、それぞれ櫛歯状の形で対向して配置されている。ブロック状ヨーク6,7は、薄膜ヨーク2,4の端部に接するように配置されている。尚、薄膜ヨーク3,5の端部に接するように配置されているブロック状ヨークは図示されていない。尚、磁石を支持する基板や、移動側の薄膜ヨークなどの各部材を支持する基板は、比透磁率が10以下であり、且つ抵抗率が10μΩ・m以下の、金属、ガラス、セラミクス、プラスチック材料等で形成することができる。
【0017】
二つのブロック状ヨーク6,7の間には、磁気インピーダンス効果を有する感磁性素子であるアモルファスワイヤ8が配置されている。同様に、薄膜ヨーク3,5の端部に接するように配置されているブロック状ヨーク(図示せず)の間にもアモルファスワイヤ9が配置されている。尚、アモルファスワイヤ8,9は、磁気インピーダンス効果を有する材料であればこれ以外のものであってもよい。このような感磁性素子のアモルファスワイヤ8,9は、一般的に、磁気インピーダンス素子(MI素子)といわれているので、以下、必要に応じて、アモルファスワイヤを磁気インピーダンス素子、あるいはMI素子と呼ぶことがある。アモルファスワイヤ8,9は、図示しない回路により電流が流されて磁界が検出される。アモルファスワイヤ8,9の周りには、それぞれ、バイアス磁界をかけるためのバイアスコイル10,11、及びフィードバックを行うためのフィードバックコイル12,13からなる二つのコイルが巻回されている。尚、図1の構成は、リニアタイプのエンコーダに展開して描いたものであるが、これをロータリ型のエンコーダにしても同様の構成である。
【0018】
図1では、各薄膜ヨーク2,3,4,5から延在している櫛歯の端部と、磁石1の各々の幅方向の端部が一致して描かれている。しかし、櫛歯が長めになるようにするか、逆に磁石1の各々の幅が広くなるようにすることによって、固定側と移動側の各部材の取付け誤差などで位置合わせが多少うまくいかない場合でも、着磁分布や取付け誤差やギャップ変動などの影響を少なくすることができる。
【0019】
次に、図1に示すエンコーダにおける検出部の動作について説明する。磁石1から流れる磁束は、各薄膜ヨーク2,3,4,5の櫛歯から図中→のように流れ、磁気インピーダンス素子であるアモルファスワイヤ8,9の部分にも到達する。例えば、図1の矢印のように磁束が流れる状態のとき、全体として右回りで最大の磁束が流れている。したがって、図1のような位置関係から、固定側の磁石1と移動側の各部材とが相対的に移動すると、図の矢印のように流れている磁束は正弦波状に変化し、アモルファスワイヤ8,9はその磁束変化を検出する。
【0020】
図2は、アモルファスワイヤなどの磁気インピーダンス素子の、磁界の変化に対するインピーダンス変化の特性を示す図である。図2において、横軸は磁界の変化を表し、縦軸はインピーダンス(Z)の変化を表している。図2に示すように、磁気インピーダンス素子のインピーダンス特性は曲線部を有しているので、バイアスコイル10,11あるいは図示しない磁石によってバイアス磁界を印加して、直線性の良い部分の特性を利用するようにしている。したがって、図2に示すように、磁石1による磁界がゼロのときでも、バイアス磁界の成分によって、検出されるインピーダンスはゼロより高い値にシフトされている。つまり、バイアス磁界成分を中心とした正弦波特性を得ることができる。尚、磁界発生手段と検出部のギャップ長を着磁ピッチ以上の間隙にすると正弦波が得られることが一般に知られている。
【0021】
図1のように各部材が配置された場合には、図示していない電気回路により、二つの磁気インピーダンス素子、つまりアモルファスワイヤ8とアモルファスワイヤ9を直列にして有効磁界の成分は足し算されるようにし、外乱磁界の成分は引き算するように構成することができる。一例として、図1において、バイアス磁界が磁気回路ループ上で同一方向に回るようにバイアスコイル10,11を印加する。すなわち、図1の上側のアモルファスワイヤ9は右方向(あるいは左方向)に磁界が印加されるように、下側のアモルファスワイヤ8は左方向(右方向)に磁界が印加されるように、それぞれのバイアスコイル10,11によってバイアス磁界をかける。これによって、有効磁界の成分は加算され、外乱磁界の成分は相殺される。
【0022】
図3は、二つの磁気インピーダンス素子に電流を流したときの有効磁界と外乱磁界のベクトル図である。図3において、図示しない2つのバイアスコイルにより、2つの磁気インピーダンス素子にそれぞれバイアス磁界をかけると、2つのバイアス磁界のベクトル成分は同じ方向となり、有効磁界方向のベクトル成分は加算される。一方、2つの磁気インピーダンス素子における外乱磁界のベクトル成分は引き算されて相殺される。これによって、磁気インピーダンス素子は、外乱による磁場の影響を受けることは殆どなくなる。
【0023】
次に、本発明における第2の実施の形態のエンコーダについて説明する。第2の実施の形態では、図1に示すエンコーダをロータリ形のエンコーダに適用して複数配置した場合について説明する。但し、磁気インピーダンス素子(アモルファスワイヤ)が一つの場合についてのべる。図4は、本発明におけるロータリエンコーダの概略断面図である。図4に示すように、モータ回転軸21に取りつけられた非磁性の回転側円板22に多極着磁された磁石23が取り付けられている。このときの磁石23の着磁方向は回転円板22の円周方向とする。また、図示しないモータケーシングなどの固定側に取り付けられた非磁性の固定側円板24には、薄膜ヨーク25とブロック状ヨーク26、及び図示しない磁気インピーダンス素子(アモルファスワイヤ)が配置されている。
【0024】
次に、図4に示すロータリエンコーダにおいて、固定側円板24への磁気検出部(つまり、磁気インピーダンス素子)の配置について説明する。図5は、図4におけるロータリエンコーダの固定側円板への磁気検出部の配置を示す図である。図5に示すように、固定側円板24上に、位相関係が同じとなるように、例えば、4つの磁気検出部を円周上の等しい角度で配置してこれをA相とする。具体的には、多極着磁の数をNとすると、ピッチ角度θp=360/Nであり、同相検出部(A相)の配置角度間隔はθpの整数倍となる。例えば、N=5000とすると、この同相検出部(A相)の配置角度の間隔は例えば90゜(=(360/5000)×1250(正数倍))とすることができる。配置角度が90°のとき、円周上に4つの同相検出部を配置することになる。
【0025】
次に、A相と位相が180°ずれた磁気検出部をA’相とし、A’相とA相の配置角度の間隔が、θa’=(ピッチ角度の整数倍+ピッチ角度×1/2)となるように、A’相の磁気検出部を1周に4等分して配置する。例えば、N=5000とすると、例えばθa’=22.5°(=(360/5000)×312+(360/5000)×(1/2))とすることができる(312で整数倍している)。つまり、A相とA’相とのピッチ角度をθa’=22.5°とすることができる。同様にして、A相と位相が90°および270°ずれた磁気検出部を、それぞれ、B相、B’相とし、A相との検出部中心の配置角度の間隔が、B相はθb=(ピッチ角度の整数倍+ピッチ角度の×1/4)、B’相はθb’=(ピッチ角度の整数倍+ピッチ角度の×3/4)となるように、B相、B’相の検出部を各々1周に4等分して配置する。例えば、N=5000とすると、θb=45.018゜(=(360/5000)×625+(360/5000)×(1/4))、θb’=67.518°(=(360/5000)×937+(360/5000)×(3/4))とすることができる。尚、上記の各配置角度は上記の値に限定されるものではなく、各磁気検出部が凡そ等配分され、且つ各磁気検出部の位相角度が満足されるものであればよい。
【0026】
各相(A相、A’相、B相、B’相)の4つの磁気インピーダンス素子は、それぞれ単独で磁気検出回路を構成し、それらの出力電圧を加算してもよいが、各相毎の磁気インピーダンス素子を直列接続して、これらを一つの磁気インピーダンス素子のように検出回路に接続すれば、さらに回路を簡素化することができる。直列接続した磁気インピーダンス素子を一つの素子の如く扱う検出回路の構成は、例えば、図6に示すような、特開平9−329655号公報などに開示されているCMOS−MI磁界センサ回路を利用することができる。図6に示すCMOS−MI磁界センサ回路の詳細は同公報に開示されているので、その説明は省略するが、このCMOS−MI磁界センサ回路によれば、CMOSマルチバイブレータ31,32の過度状態の鋭いパルス電流によって、直列接続されたアモルファスワイヤなどの磁気インピーダンス素子33,34が励磁され、定常状態ではCMOSマルチバイブレータ31,32は電流が遮断される特性を利用することによって、磁気インピーダンス素子33,34は低消費電力で外部磁界を高精度に検出することができる。
【0027】
従って、図5におけるA相の4つの磁気インピーダンス素子を直列接続して素子一つに対応させ、図6の回路におけるCMOSマルチバイブレータ31,32の間に接続することができる。このとき、出力段の差動増幅器35に入力される信号は、バイアス磁界の分だけオフセットレベルを持った正弦波である。同様にして、図5におけるA’相の4つの磁気インピーダンス素子を直列接続して素子一つに対応させ、図6と同じ回路構成の磁界センサ回路のCMOSマルチバイブレータ31,32の間に接続することができる。これによって、差動増幅器35に入力される信号は、A相の信号と位相が180゜ずれていてバイアス磁界の分だけオフセットを持った正弦波信号となる。これらのA相、A’相の差動出力信号は、オフセットが除去されて振幅が大きくなった正弦波信号sinθとなってそれぞれの差動増幅器35より出力される。また、図5におけるB相およびB’相についても、図6に示すCMOS−MI磁界センサ回路と同じ回路を用意すれば、余弦波信号cosθとして、それぞれの差動増幅器35より出力される。
【0028】
そして、sinθとcosθをA/D変換してCPU等に取込む。さらに、CPUにおいて、cosθでsinθを除算し、逆正接θ=tan-1(sinθ/cosθ)を求めることによって、1ピッチを360°としたときの角度位置を求めることができる。つまり、回転に伴って、正弦波数をカウントし、この1ピッチ内の角度位置を計算することによって、1円周上での角度位置を求めることができる。尚、sinθとcosθを除算することによって、出力信号の振幅が温度変化によって影響されることを低減することができる。
【0029】
次に、第1の実施の形態と第2の実施の形態に共通する事項について説明する。したがって、再び、図1を引用して説明する。磁気インピーダンス素子(アモルファスワイヤ8,9)にバイアス磁界をかけるためのバイアスコイル10,11は、それぞれの磁気インピーダンス素子(アモルファスワイヤ8,9)の特性に応じて、各出力のオフセットができるだけ同じになるように電流値を調整するようにすることが望ましい。尚、それぞれの磁気インピーダンス素子(アモルファスワイヤ8,9)の特性が比較的そろっている場合には、磁気インピーダンス素子(アモルファスワイヤ8,9)に同一の電流を相単位あるいは全素子単位で流すようにすれはよい。また、バイアスコイル10,11の代わりに、磁石を用いて磁気インピーダンス素子(アモルファスワイヤ8,9)にバイアス磁界を印加してもよい。
【0030】
さらに、フィードバックコイル12,13は、使用してもしなくてもよいが、使用した方が磁気インピーダンス素子(アモルファスワイヤ8,9)の特性における線形性や温度特性や周波数応答などの諸特性が向上する。また、磁気インピーダンス素子(アモルファスワイヤ8,9)をそれぞれ単独でフィードバックするようにしてもよいが、各磁気インピーダンス素子(アモルファスワイヤ8,9)を直列に接続して各相単位でフィードバックをかけるようにすれは、回路が簡素化できる。
【0031】
ブロック状ヨーク6,7は、磁気インピーダンス素子(アモルファスワイヤ8,9)を固定側円板に取りつけたとき、磁気インピーダンス素子(アモルファスワイヤ8,9)の部分が円板から距離が離れるような場合に使用される。磁気インピーダンス素子(アモルファスワイヤ8,9)が薄膜の場合などで、薄膜ヨークに接近して配置でき、磁気インピーダンス素子(アモルファスワイヤ8,9)の部分に十分な磁束が発生する場合は無くてもよい。
【0032】
次に、エンコーダにおける各部分の製造方法について述べる。磁気インピーダンス素子は、特開平7−181239号、特開平8−285930号、特開平9−145808号、特開2000−81471号、特開2000−55995号、特開2000−193728号などの各公報に開示されているような、いわゆる磁気インピーダンス効果が得られる素子であればよい。その他にも、例えば特開2000−30921号公報などに、非結晶金属細線を用いて磁気インピーダンス特性を非対称にした磁気インピーダンス素子が提案されているが、このような特性の磁気インピーダンス素子であっても構わない。
【0033】
次に、薄膜ヨークは、鉄ニッケル合金や、鉄系アモルファス合金や、フェライト系酸化物などの軟磁性材料を用いて、蒸着や、スパッタリングや、めっきや、箔の接着などの成膜方法により成膜し、フォトエッチングなどによりパターン形成される。
【0034】
また、ブロック状ヨークは、鉄ニッケル合金、鉄系アモルファス合金、フェライト系ステンレス、フェライトなどの軟磁性(フェリ磁性)のバルク材料を加工したものを使用することができる。尚、高周波特性をよくするために、箔や板を積層したものでもよい。
【0035】
次に、エンコーダのおける磁気検出部の各種バリエーションについて説明する。尚、エンコーダの相対移動の形態はリニア型であってもロータリ型であってもよい。図1において、磁気検出部には二つの磁気インピーダンス素子(アモルファスワイヤ8,9)が描かれているが、何れか一方を取り去り、そこを薄膜ヨークが連続になるようにしてもよい。また、複数の磁気インピーダンス素子(アモルファスワイヤ)をブロック状ヨークのギャップに挿入し、複数の磁気インピーダンス素子(アモルファスワイヤ)の出力を直列にして出力信号を大きくしてもよい。
【0036】
図7は、図1に示す第1の実施の形態のエンコーダの変形例である。つまり、図7のように、一方の薄膜ヨーク41は、アモルファスワイヤなどを取除いた形に変形し、もう一方の薄膜ヨーク42は、その磁路内にアモルファスワイヤ43,44を挿入するように変形する。このように変形しても、図1と全く同じ特性の磁気検出信号が得られる。磁気検出の動作については図1の場合と同じであるので、その説明は省略する。
【0037】
また、図1や図7では、各相について2箇所で櫛歯が対向しているが、対向する櫛歯を1箇所として、一方は薄膜ヨークで連続となるように構成してもよい。例えば、図1で説明すると、薄膜ヨーク2,3は櫛歯を取除いた形状にして連続とし、薄膜ヨーク4,5は図1のような櫛歯のある形状にしても、磁石から薄膜ヨーク4,5の各々の櫛歯を通る磁束は図1と同様に連続する。尚、図1や図7における各薄膜ヨークの歯数は任意に定めることができる。
【0038】
また、図1において、多極着磁された磁石1の着磁方向は、相対移動方向に着磁されるように示したが、これに限ることはなく、紙面に垂直な方向であって磁極の極性は何れの向きであってもよい。この場合には、磁石1を搭載する基板を軟磁性の材料にすることによって、磁気検出部側(つまり、薄膜ヨークの櫛歯側)の磁束をさらに大きくすることができる。尚、着磁方向が紙面に垂直な方向の場合にも、櫛歯形状を若干変更すれば磁気検出部側の磁束を一層大きくすることができる。
【0039】
次に、二つの相の磁気インピーダンス素子の差動方法について説明する。前述では、図6において、A相及びA’相(あるいはB相及びB’相)の差動を差動増幅器によって行う方法について説明をしたが、二つの相の磁気インピーダンス素子をフルブリッジに接続したり、あるいはハーフブリッジに接続して差動出力を取り出すこともできる。図8は、二つの相の磁気インピーダンス素子をフルブリッジに接続して差動出力を取り出す回路の一例であり、図9は、二つの相の磁気インピーダンス素子をハーフブリッジに接続して差動出力を取り出す回路の一例である。
【0040】
図8のフルブリッジ回路で説明すると、図5の固定側円板24に搭載されて4つのA相磁気インピーダンス素子のうち、2個ずつを直列にして、それぞれのインピーダンスをZ1,Z2とし、また、4つのA’相磁気インピーダンス素子のうち、2個ずつを直列にして、それぞれのインピーダンスをZ3,Z4として、図8のようにフルブリッジ回路を構成する。そして、このフルブリッジ回路に、例えば図6のCMOSマルチバイブレータ31,32より相対移動速度によって生じる周期的磁束の変化の周波数より十分に速い(例えば100倍以上)交流信号を印加する。つまり、図8の回路において交流信号Fを印加する。そして、ブリッジ回路のX,Y間の電圧を差動出力として取り出し、整流してローパスフィルタ等で印加した交流成分を取り除けば、前述のように差動増幅器35から増幅された周期的磁束の変化に対応した正弦波信号を取り出すことができる。
【0041】
図9のハーフブリッジ回路の場合は、図5の固定側円板24に搭載されて4つのA相磁気インピーダンス素子を直列にしてインピーダンスをZ1とし、また、4つのA’相磁気インピーダンス素子を直列にしてインピーダンスをZ2とし、図のようにハーフブリッジ回路を構成する。そして、インピーダンスZ1とインピーダンスZ2が接続されたX点の電圧を取り出し、差動、整流、フィルタリングして使用すればよい。尚、図8及び図9で、フルブリッジ回路及びハーフブリッジ回路に印加する交流信号Fは、正弦波信号であってもよいが、正弦波信号でなくてもよい。
【0042】
次に、図1に示す多極着磁された磁石1(磁界発生手段)の変形例について説明する。図1に示す多極着磁された磁石1の替わりに、つづら折れコイルを磁界発生手段として用いることもできる。図10は、エンコーダの磁気検出部に使用されるつづら折れコイルを示す概念図である。すなわち、図1のように多極着磁された磁石のような周期的な磁束は、図10のようなつづら折れコイルに直流電流を印加しても作ることができる。図10において、つづら折れコイルの各折り返し毎に磁束の極性が変わるので、図1の磁石1のような交互に極性の異なる磁束を作ることができる。尚、つづら折れコイルを用いた場合、固定側の構成は、磁気インピーダンス素子への電力供給を除いては、前述の第1の実施の形態の場合と同じである。磁気インピーダンス素子への電力供給は、ロータリエンコーダの場合は非接触で行なうのが望ましく、一般に回転トランスと呼はれているトランスにより正弦波を伝達し、これを整流して直流に変換してから磁気インピーダンス素子へ電力供給を行うことができる。
【0043】
次に、磁石(磁界発生手段)を軟磁性膜パターンとした場合について説明する。図11は、磁石を軟磁性膜パターンにした場合のエンコーダにおける磁気検出部の斜視図である。図11のように、移動側の磁石を軟磁性薄膜パターン51としても、磁気インピーダンス素子52の磁界を周期的に変化させることができる。尚、固定側の構成は、前述の図1の構成と同じである。バイアスコイル53によって磁気インピーダンス素子52にバイアス磁界を印加すると、固定側の薄膜ヨーク54及び移動側の軟磁性薄膜パターン51を通じて還流磁束が流れ、固定側と移動側の相対移動に伴って磁気抵抗が変化することにより、磁気インピーダンス素子52の磁界が変化する。
【0044】
次に、外乱磁界の補償および磁気シールドについて説明する。前述の図3で述べたように、磁気インピーダンス素子を直列接続したり差動を取るようにすることにより、外乱磁界の影響を低減することが可能となるが、磁気インピーダンス素子は、その直線性のよい部分をはみ出してしまうような、大きい外乱磁界が加わった場合には、前述のような方法では外乱磁界による影響の低減効果を期待することはできない。このような場合の対策としては、例えは、図3で直列接続した二つの磁気インピーダンス素子全体の電圧に対するその中間位置の電圧の割合をモニタすれば、外乱磁界の大きさを検出することができるので、外乱磁界補償用のコイルを別途設けて外乱磁界を打ち消すようにすることもできる。また、磁気シールドを行なう場合は、外来磁場の周波数や強度に応じて、非磁性で導電性のある材料や、磁性で導電性のある材料や、磁性で非導電性のある材料などを、単独あるいは組合わせて使用すれば、相応の磁気シールド効果が得られる。
【0045】
磁気シールド効果が得られる具体的な例を挙げると、比透磁率が10以下で抵抗率が10μΩ・m以下の材料や、比透磁率が100以上で抵抗率が10μΩ・m以下の材料や、比透磁率が100以上で抵抗率が10μΩ・m以上の材料などによって、エンコーダを構成する部品全体の磁気回路が覆うことが好ましい。あるいは、これらを組合わせた材料によって、構成部品全体の磁気回路が覆ってもよい。
今回、感磁性素子として磁気インピーダンス素子を用いた例を開示したが、感磁性素子としては、磁気抵抗素子、ホール素子等の素子を用いてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の感磁性素子を使用したエンコーダによれば、次にような種々の効果が得られる。第1に、磁気検出部は、複数の磁極の平均化した出力信号を得ることができるので、エンコーダの各部品の取付け誤差や、磁気ギャップのばらつきなどによる影響を低減することができる。第2に、各相の感磁性素子の出力信号としては、複数の磁気検出部の和の出力信号が得られ、更に複数磁極の平均化や、磁気検出場所による平均化ができるので、ロータリエンコーダの偏心や、取りつけ場所による磁気ギャップの違いや、磁気変動など、取り付け誤差や加工誤差の影響を低減することができる。
【0047】
第3に、感磁性素子を別途製造して取付けることができるので、感磁性素子単独で特性向上を図ることができ、エンコーダ専用の感磁性素子を使わなくてもよいので、エンコーダの製造工程の単純化ができて低コスト化を図ることができる。また、複数の相の感磁性素子を製造する場合でも、一つの基板上に薄膜ヨークを複数成膜して形成し、後から感磁性素子を取付けるようにすれはよいので、偏心などの取り付け誤差の影響を低減することができる。
【0048】
さらには、エンコーダの各部品について高い寸法精を維持したまま、温度変化による影響を低減するための対策を施すことができる。また、感磁性素子あるいは感磁性素子とフィードバックコイルとを直列接続して使用すれは、一つの相に複数の感磁性素子を配置しても、あるいは複数の相に磁気インピーダンスを配置しても、比較的簡単な回路構成で磁気検出回路を実現することができる。このような種々の効果が相乗して、感磁性素子を用いたエンコーダにおいて、高分解能化や小型化や低コスト化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態におけるエンコーダの外観図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図2】 アモルファスワイヤなどの磁気インピーダンス素子の、磁界の変化に対するインピーダンス変化の特性を示す図である。
【図3】 二つの磁気インピーダンス素子に電流を流したときの有効磁界と外乱磁界のベクトル図である。
【図4】本発明におけるロータリエンコーダの概略断面図である。
【図5】図4におけるロータリエンコーダの固定側円板への磁気検出部の配置を示す図である。
【図6】特開平9−329655号公報に開示されているCMOS−MI磁界センサ回路図である。
【図7】図1に示す第1の実施の形態のエンコーダの変形例である。
【図8】二つの相の磁気インピーダンス素子をフルブリッジに接続して差動出力を取り出す回路の一例である。
【図9】二つの相の磁気インピーダンス素子をハーフブリッジに接続して差動出力を取り出す回路の一例である。
【図10】エンコーダの磁気検出部に使用されるつつら折れコイルを示す概念図である。
【図11】磁石を軟磁性膜パターンにした場合のエンコーダにおける磁気検出部の斜視図である。
【符号の説明】
1…磁石、2,3,4,5…薄膜ヨーク、6,7…ブロック状ヨーク、8,9…アモルファスワイヤ(磁気インピーダンス素子)、10,11…バイアスコイル、12,13…フィードバクコイル、21…モータ回転軸、22…回転側円板、23…磁石、24…固定側円板、25…薄膜ヨーク、26…ブロック状ヨーク、31,32…CMOSマルチバイブレータ、33,34…磁気インピーダンス素子、35…差動増幅器、41,42…薄膜ヨーク、43,44…アモルファスワイヤ、51…軟磁性薄膜パターン、52…磁気インピーダンス素子、53…バイアスコイル、54…薄膜ヨーク。

Claims (12)

  1. 一方向に沿って所定のピッチ間隔で交互に逆極性の磁界を発生させる磁界発生手段と、前記磁界発生手段に対して相対移動することにより、該磁界発生手段からの周期的な磁界の変化を感磁性素子によって検出し、磁界の変化に対応した位置情報を送出する磁界検出手段とを備えたエンコーダにおいて、
    前記磁界検出手段は、
    前記一方向に沿って延ばされて、前記磁界発生手段を挟んで互いに対向して配され、前記磁界発生手段からの磁束を流す第1及び第2のヨーク本体と、
    前記第1のヨーク本体のうち前記一方向の複数部位から前記第2のヨーク本体に向けられて、前記磁界発生手段に対して少なくとも一部が重なるように設けられた一対の櫛歯状パターンと、
    前記第2のヨーク本体のうち前記一方向の複数部位から前記第1のヨーク本体に向けられて、前記磁界発生手段に対して少なくとも一部が重なるように設けられた一対の櫛歯状パターンと、
    前記第1又は第2のヨーク本体の少なくともいずれか一方のうち前記磁束が流れる位置に設けられた前記感磁性素子とを備え、
    前記第1のヨーク本体の一の櫛歯状パターンと前記第2のヨーク本体の一の櫛歯状パターンとが前記一方向に隣接して配され、かつ、前記第1のヨーク本体の他の櫛歯状パターンと前記第2のヨーク本体の他の櫛歯状パターンとが前記一方向に隣接して配されることにより、前記第1及び第2のヨーク本体と前記一及び他の櫛歯状パターンとが、全体として環状に配されており、
    前記第1のヨーク本体の一の櫛歯状パターンが、前記磁界発生手段の複数の磁極からの磁束を集め、当該磁束を、前記第1のヨーク本体、前記第1のヨーク本体の他の櫛歯状パターン、前記第2のヨーク本体の他の櫛歯状パターン、前記第2のヨーク本体及び前記第2のヨーク本体の一の櫛歯状パターンを順に介して、前記第1のヨーク本体の一の櫛歯状パターンに還流させることにより、前記感磁性素子が磁界の変化に対応した位置情報を送出することを特徴とするエンコーダ。
  2. 一方向に沿って所定のピッチ間隔で交互に逆極性の磁界を発生させる磁界発生手段と、前記磁界発生手段に対して相対移動することにより、該磁界発生手段からの周期的な磁界の変化を感磁性素子によって検出し、磁界の変化に対応した位置情報を送出する磁界検出手段とを備えたエンコーダにおいて、
    前記磁界検出手段は、
    前記一方向に沿って延ばされて、前記磁界発生手段を挟んで互いに対向して配され、前記磁界発生手段からの磁束を流す第1及び第2のヨーク本体と、
    前記第1のヨーク本体から前記第2のヨーク本体に向けられて、前記磁界発生手段に対して少なくとも一部が重なるように設けられた櫛歯状パターンと、
    前記第2のヨーク本体から前記第1のヨーク本体に向けられて、前記磁界発生手段に対して少なくとも一部が重なるように設けられた櫛歯状パターンと、
    前記第1又は第2のヨーク本体の少なくともいずれか一方のうち前記磁束が流れる位置に設けられた前記感磁性素子とを備え、
    前記第1及び第2のヨーク本体が、連続ヨークを介して連続して形成されており、
    前記第1のヨーク本体の櫛歯状パターンと前記第2のヨーク本体の櫛歯状パターンとが前記一方向に隣接して配されることにより、前記第1及び第2のヨーク本体と前記連続ヨークと前記第1及び第2のヨーク本体の櫛歯状パターンとが、全体として環状に配されており、
    前記第1のヨーク本体の櫛歯状パターンが、前記磁界発生手段の複数の磁極からの磁束を集め、当該磁束を、前記第1のヨーク本体、前記連続ヨーク、前記第2のヨーク本体及び前記第2のヨーク本体の櫛歯状パターンを順に介して、前記第1のヨーク本体の櫛歯状パターンに還流させることにより、前記感磁性素子が磁界の変化に対応した位置情報を送出することを特徴とするエンコーダ。
  3. 前記第1及び第2のヨーク本体から延ばされた櫛歯状パターンの各々の櫛歯が、前記一方向において前記所定のピッチ間隔で交互に配されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンコーダ。
  4. 前記感磁性素子は、磁気インピーダンス効果により磁界の変化を検出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエンコーダ。
  5. 同じ位相の磁界を検出する前記磁界検出手段が複数設けられ、各々の前記磁界検出手段は、複数の前記感磁性素子を直列に備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のエンコーダ。
  6. 前記磁界検出手段は、1ピッチの歩進角度を360°としたとき、磁界の位相が、0°、90゜、180°、270°の関係となるように、各位相毎に配置されていることを特徴とする請求項5に記載のエンコーダ。
  7. 前記磁界検出手段は、磁界の位相が0°と180°の成分、及び90゜と270°の成分を、それぞれ、差動成分として出力することを特徴とする請求項6に記載のエンコーダ。
  8. 前記磁界検出手段は、磁界の位相が0°の成分と180°の成分の差動成分を、磁界の位相が90°の成分と270°の差動成分で除算して、その逆正接を求めて1ピッチ内の角度情報を出力することを特徴とする請求項6に記載のエンコーダ。
  9. 前記磁界検出手段は、前記感磁性素子が検出した磁界のレベルをバイアスするバイアスコイルを備えていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のエンコーダ。
  10. 前記磁界検出手段は、前記感磁性素子が検出した磁界の情報をフィードバックするフィードバックコイルを備えていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のエンコーダ。
  11. 前記磁界発生手段は、つづら折れ状に形成されたコイルから構成されたことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のエンコーダ。
  12. 前記磁界発生手段が発生する磁界を、バイアスコイルによる発生磁界で代替させるようにしたことを特徴とする請求項9に記載のエンコーダ。
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