JP3895556B2 - 回転角検出センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転角検出センサに関し、例えば自動車のステアリングシャフトに連結されて、ステアリングホィールの回転角度を検出する回転角検出センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明の従来技術の回転角検出センサを図17,図18に基づいて説明する。図17は従来技術の回転角検出センサの平面図、図18は従来技術の回転角検出センサの正面図である。
【0003】
従来技術の回転角検出センサ21は、回転軸22に固定され回転中心を通る中性点m(二点鎖線で示す)を有する様、2極に着磁された円板状の磁石23と、この円板状の磁石23の側縁面23aに対向させて設けられ、回転軸22の回転方向に対して位相のずれた位置で磁石23の側縁面23aに対向するように配線板24に固定されているホール素子25,26により構成されている。
【0004】
磁石23は、円板状で中央部に孔23bを有し、この孔23bに外部の回転体(図示せず)の回転を伝える回転軸22が嵌入し固定されている。また、磁石23の円板は中性点Mが円板の中心を通る様にN極とS極の2極に着磁が施されている。
【0005】
ホール素子25,26は2個設けられ、2個のホール素子25,26は配線板24にはんだ付け等の周知の方法で電気的に接続され、磁石23の側縁面23aに対向し、配線板24上で、回転軸22の回転軸線dの回転方向に関してπ/2(rad)位相のずれた位置で固定されている。
【0006】
以上の構成による従来技術の回転角検出センサ21の回転角検出方法を概略説明する。回転軸22が反時計方向へ回転してホール素子25に対して円板状の磁石23のS極が最も接近すると、ホール素子25の感磁面を横切って入射する磁力線Bが最大になるので、ホ−ル素子25の出力は最大値を取り、更に同一方向に回転軸22が回転して磁石23のN極がホール素子25に最も接近すると、反対方向の磁力線の密度が最大になるのでホール素子の出力は最小値を取る。このようにして、ホール素子25の出力は、回転軸22を同一方向に回転していくと1回転で1周期の正弦波となる。ホール素子26の出力は、回転軸22の回転軸線dに関してπ/2(rad)ずれた位置に配置されているため、ホール素子25の出力とπ/2(rad)位相のずれた正弦波の出力を発生する。これら互いにπ/2(rad)位相のずれた2つの正弦波を用いて、周知の方法を使って回転角を検出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記した従来技術の回転角センサにおいては、磁石の周囲にホール素子を2個取り付け、そのスペースを確保しなければならず、全体として装置が大きくなってしまうと共に、素子の位置精度を正確に割り出す必要がある。また、ホール素子を使っているため出力電圧の変化は一般的に1%程度以下で小さく、センサ感度が悪く、30〜50倍程度の増幅率の大きな増幅器を使用する必要があるという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、波形精度が良好で、専有するスペースが小さく、センサ出力電圧の出力変化が大きくセンサ感度の良い回転角検出センサを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の回転角検出センサは、フリー磁性層とピン止め磁性層とを有するGMR素子を基板上に少なくとも2対設け、各対の前記GMR素子同士を直列に接続し、前記GMR素子と対向させて回転可能に磁石を配設し、この磁石によって前記GMR素子に飽和磁界を印加させ、前記GMR素子面と平行な磁力線の向きが回転するように磁界を発生させ、各対となる前記GMR素子を前記磁石の回転軸に対して対称な位置に配置すると共に前記GMR素子の前記ピン止め磁性層の磁化の向きを互いに逆向きにし、前記磁石の磁力線の向きに従う前記フリー磁性層の磁化の向きと前記ピン止め磁性層の磁化の向きのなす角度により発生する前記GMR素子の抵抗値の変化によって回転軸の回転角度を検出する回転角検出センサであって、前記少なくとも2対の前記GMR素子を前記回転軸に対して同一半径上に位置させると共に、それぞれの前記GMR素子の前記ピン止め磁性層の磁化の向きを、隣接する一方の前記GMR素子の前記ピン止め磁性層の磁化の向きとπ/2(rad)ずらす一方、隣接する他方の前記GMR素子の前記ピン止め磁性層の磁化の向きと−π/2(rad)ずらすようにした。この構成により、素子を回転軸線の周りに近接して配置でき、専有するスペースが小さく、GMR素子を使うので、センサ出力電圧の出力変化が大きくセンサ感度の良い回転角検出センサを得ることができる。また、少なくとも2対のGMR素子を回転軸に対して同一半径上に位置させるようにしたので、4個のGMR素子を、回転軸を中心にまとめることができ、回転角検出センサを更に小型化できる。さらに、それぞれのGMR素子のピン止め磁性層の磁化の向きを、隣接する一方のGMR素子のピン止め磁性層の磁化の向きとπ/2(rad)ずらす一方、隣接する他方のGMR素子のピン止め磁性層の磁化の向きと−π/2(rad)ずらしたことから、4本の棒磁石を互いにN極とS極が反対になるように束ねるだけの簡単な構造の棒磁石ブロックで着磁できるので、着磁のための準備がより簡単になる。
【0012】
また、本発明の回転角検出センサは、前記少なくとも2対の前記GMR素子の個々の前記GMR素子を前記回転軸の回りにπ/2(rad)の角度間隔で配置した。
この構成により、互いに正確にπ/2(rad)位相のずれた2つの正弦波を得ることができ、より正確な回転角の検出ができる。
【0014】
また、本発明の回転角検出センサは、前記少なくとも2対の前記GMR素子を同一基板上に形成した。
この構成により、各GMR素子の膜質が同じになるので、電気的、磁気的特性の揃ったGMR素子を得ることができ、各素子のばらつきによる検出誤差がなくなり、より正確な回転角検出ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態の回転角検出センサを図1〜図11を用いて説明する。図1は本発明の第1実施形態の回転角検出センサの平面図、図2は当該回転角検出センサの正面図、図3は当該回転角検出センサのセンサ基板を示す平面図、図4は図3のD部拡大図、図5は図4の5−5断面図、図6は当該回転角検出センサのセンサ基板上のGMR素子の着磁方法を示す図、図7は前記GMR素子へ着磁する時の着磁用棒磁石から出る磁力線の方向を示す図、図8は当該回転角検出センサのセンサ基板上の回路を示す回路図、図9は前記センサ基板の電極Aの出力を示すグラフ、図10は前記センサ基板の電極A、電極Bの出力を両方示すグラフ、図11は第1の実施形態の回転角検出センサの変形例を示す図、をそれぞれ示している。
【0016】
本発明の第1実施形態の回転角検出センサ1は、回転軸4に固定され回転中心を通る中性点M(2点鎖線で示す)を有する様、2極に着磁された円板状の磁石2と、この円板状の磁石2の回転軸4と直交する平面内に、磁石2の回転軸4の端面4aにセンサ基板3が対向して設けられている。
【0017】
磁石2は、円板状で中央部に孔2aを有した強磁性体で、この孔2aにsウテアリング等の回転体(図示せず)の回転を伝える回転軸4が嵌入し固定され、回転軸線Cを中心にして回転するようになっている。また、円板状の磁石2の円板は中性点Mが円板の中心Cを通る様にN極とS極の2極に着磁が施されている。磁石2のN極からは磁力線が出て、S極に入り、円板状の磁石2の下面には磁界に伴う磁力線Hexが発生している。また、磁石2によって、GMR素子Ra1Ra2、Rb1、Rb2に飽和磁界が加えられている。
【0018】
センサ基板3は、シリコン基板3a上に電極Vcc、電極A、電極B、電極GNDとGMR素子Ra1、GMR素子Ra2、GMR素子Rb1、GMR素子Rb2が設けられており、これら電極とGMR素子とをリードL1、リードL2、リードL3、リードL4、リードL5が接続している。図3,8に示すように、電極VccとGMR素子Ra1の一端はリードL1によって接続され、GMR素子Ra1の他端とGMR素子Ra2の一端とはリードL2によって接続され、リードL2はまた、電極Aに接続され、GMR素子Ra2の他端はリードL3により電極GNDに接続されている。即ち、GMR素子Ra1,Ra2は直列に接続され2つのGMR素子Ra1,Ra2の間から電極Aが引き出されている。また、電極VccとGMR素子Rb1の一端はリードL4によって接続され、GMR素子Rb1の他端とGMR素子Rb2の一端とはリードL5によって接続され、リードL5はまた、電極Bに接続され、GMR素子Rb2の他端はリードL3により電極GNDに接続されている。即ち、GMR素子Rb1,Rb2は直列に接続され2つのGMR素子Rb1,Rb2の間から電極Bが引き出されている。また、GMR素子Ra1,Ra2が直列に接続されたものと、GMR素子Rb1,Rb2が直列に接続されたものの両端は、それぞれ電極Vccと電極GNDに接続されている。シリコン基板3a上で、電極A,B,Vcc,GND以外の部分は全体に絶縁コートが施されている。
【0019】
各GMR素子Ra1,Ra2,Rb1,Rb2は、それぞれ帯状の小抵抗体r1,r2,r3と折り返し電極e1,e2からなり、図4に示すように、それぞれ帯状の小抵抗部r1,r2,r3が直列に接続され、折り返し電極e1,e2を介して各小抵抗部r1,r2,r3が互いに平行になるように折り返して配置されている。また、各GMR素子の中心位置は、回転軸4の回転軸線Cがセンサ基板3と交差する点C’に対して略等距離の位置にあり、各GMR素子の帯状の小抵抗部r1,r2,r3を長手方向に延長すると、ほぼ点C’を通っている。また、各GMR素子はそれぞれ後述するピン止め磁性層とフリー磁性層とを有し、センサ基板3上の点C’に関して点対称に設けられているGMR素子Ra1とGMR素子Ra2ではピン止め磁性層の磁化の向きg1,g2が互いに逆向きとなっている。また、同様にGMR素子Rb1とGMR素子Rb2もセンサ基板3上の点C’に関して点対称に設けられ、ピン止め磁性層とフリー磁性層を有し、互いにピン止め磁性層の磁化の向きが逆向きとなっている。また、GMR素子Ra1とGMR素子Ra2それぞれの中心位置を結ぶ線とGMR素子Rb1とGMR素子Rb2それぞれの中心位置を結ぶ線とは直角に交わっている。
【0020】
GMR素子Ra1,Ra2,Rb1,Rb2は、図5に示すように、下地層5、反強磁性層7、ピン止め磁性層8、非磁性導電層9、フリー磁性層10、保護層11が順次積層し、両端に電極層6を設けて構成され、反強磁性層7とピン止め磁性層8の交換結合によって、磁化された反強磁性層7の磁化の向きにピン止め磁性層8の磁化の向きが従い、紙面に垂直方向で紙面の裏へ向かう向きに固定されている。フリー磁性層10は強磁性体材料によって形成され、磁化方向は固定されず、磁石2の磁界の磁力線Hexの向きによって磁化の向きが決められる。この時、磁力線Hexによって向きの変化したフリー磁性層10の磁化の向きがピン止め層8の磁化の向きと同じになるとGMR素子Ra1,Ra2,Rb1,Rb2の抵抗値は最小になり、フリー磁性層10の磁化の向きがピン止め磁性層8の磁化の向きと反対になると、GMR素子Ra1,Ra2,Rb1,Rb2の抵抗値は最大になる。
GMR素子Ra1については、センサ基板3上でピン止め磁性層8の磁化の向きは反強磁性層7の磁化の向きにより、帯状の小抵抗部r1,r2,r3の長手方向に対して直角方向で図3におけるg1の向きに向いている。他のGMR素子Ra2,Rb1,Rb2のピン止め層もそれぞれ帯状の小抵抗部r1,r2,r3の長手方向に対して直角方向に磁化方向が固定されている。
【0021】
上記したセンサ基板3について、その製造方法を説明する。シリコン基板3a上に下地層としてアルミナ(酸化アルミニウム)層5がスパッタリングにより成膜され、その上に、反強磁性層7としてPtMn(白金マンガン)合金層、ピン止め磁性層8としてCoFe(コバルト鉄)合金層が、非磁性導電層9としてCu(銅)層が、フリー磁性層10としてNiFe(ニッケル鉄)合金層が、保護層11としてTa(タンタル)層が、それぞれ順次スパッタリングにより積層される。この積層膜をフォトリソグラフィーによりパターン形成し、4個のGMR素子Ra1,Ra2,Rb1,Rb2の帯状の小抵抗部r1,r2,r3を形成する。最後に再度スパッタリングにより、電極6としてCr(クロム)層とAu(金)層を積層して成膜し、フォトリソグラフィーにより4個のGMR素子Ra1,Ra2,Rb1,Rb2の電極6のパターン形成を行う。
次に、各GMR素子Ra1,Ra2,Rb1,Rb2のピン止め磁性層8を固定するために着磁をする。図6に示すように、4本の角柱状棒磁石12a,12b,12c,12dを互いに磁極の極性が反対になるように束ね、棒磁石ブロック12を作成し、この棒磁石ブロック12の下端面をセンサ基板3の表面に近接させる。このとき、棒磁石ブロック12の下端面には、図7に示すように、下端面に表出した4個の磁極N,S,N,Sにより4方向の互いに近接した磁力線H1,H2,H3,H4が発生する。GMR素子Ra1,Ra2のそれぞれには、互いに逆向きの磁力線H1,H2が発生するよう磁界が印加され、GMR素子Rb1,Rb2には、互いに逆向きの磁力線H1,H2が発生するよう磁界が印加される。
センサ基板3に棒磁石ブロック12を近接させた状態で保持し、真空中で数時間、高温のアニールを行い着磁を完了する。この着磁工程により、GMR素子Ra1とGMR素子Ra2のピン止め磁性層の磁化の向きは互いに逆向きのg1,g2に固定される。また、GMR素子Rb1とGMR素子Rb2のピン止め磁性層の磁化の向きも互いに逆向きのg3,g4に固定される。この着磁工程では、4本の棒磁石12a,12b,12c,12dを互いに磁極の極性が反対になるように束ねるだけの簡単な方法で着磁用の棒磁石ブロック12を作成できるので、着磁の準備が簡単になる。尚、上述した各層の材質は上述した材質に限定されるものではない。
【0022】
次に、本発明の第1実施形態の回転角検出センサの動作を説明する。ステアリング等の外部の回転体の回転が回転軸4に伝えられ、円板状の磁石2を回転させると円板状の磁石2の下面に発生している磁力線Hexが回転する。磁力線Hexはセンサ基板3の表面に平行で均一に存在し、あるいは平行で均一とみなすことができる程度に、基板3に比べて磁石2は十分大きく形成されている。また、磁力線Hexは各GMR素子Ra1,Ra2,Rb1,Rb2を横切り、それらが飽和するのに十分な磁界を与えている。センサ基板3の電極Vccには5Vの定電圧が印加されていて、電極GNDはアースに接続されている。電極AはGMR素子Ra1,Ra2の接続点での電圧出力をA出力として取り出す電極で、電極BはGMR素子Rb1,Rb2の接続点での電圧出力をB出力として取り出す電極である。尚、A出力及びB出力の後段には、図示を省略するが、2.5Vの電圧が一方の入力端子に接続され、増幅率12倍、基準電圧2.5Vの差動増幅器に接続されいる。
【0023】
初めに、図3において、磁石2の磁力線の向きHexがセンサ基板3の表面上で下方のGMR素子Ra2から上方のGMR素子Ra1へ向かう基準の向きZ(角度0radに相当)と同じである場合を考えると、GMR素子Ra1のピン止め層8の磁化の向きg1と磁力線Hexの向きは直角であるからGMR素子Ra1の抵抗値は磁力線Hexによる抵抗値変化の最大値と最小値の中間の値となり、GMR素子Ra2のピン止め磁性層8の向きg2も磁力線Hexの向きと直角であるから、やはりGMR素子Ra2の抵抗値は最大値と最小値の中間の値となる。GMR素子Ra1,Ra2は同一基板上にほぼ同一条件で形成されているものなので、それらの磁気特性はほぼ同じと考えられ、GMR素子Ra1,Ra2の磁界Hexによる抵抗変化も同一であるため、それぞれの最大値、最小値、最大値と最小値の中間の値もほぼ同じである。従って、磁石2の磁力線Hexの向きがセンサ基板3上の基準の向きZと同じときは、上記したようにGMR素子Ra1,Ra2の抵抗値は同じ値となり、従って約2.5Vの電圧が差動増幅器に入力され、よって差動増幅器の入力端側の電圧差は0となり増幅されても0であるので基準値の2.5Vが加わって電極AのA出力は2.5Vとなる。次に、磁石2の磁力線Hexが反時計方向に回転角π/2(rad)回転すると、磁力線Hexの向きとGMR素子Ra1のピン止め磁性層8の磁化の向きg1は同じ向きになるので、GMR素子Ra1の抵抗値は小さくなって最小値、即ち、この場合はGMR素子の抵抗値変化率5%のものを使用しているので初期の抵抗値の2.5%小さい値をとる。GMR素子Ra2の抵抗値はGMR素子Ra2のピン止め磁性層8の磁化の向きg2と磁力線Hexが逆向きなので最大値、即ち、この場合にGMR素子の抵抗値変化率は5%のものを使用しているので初期の抵抗値より2.5%大きい値をとる。従って、約2.563Vの電圧が差動増幅器に入力され、よって差動増幅器の入力端側の電圧差は0.063Vとなり12倍に増幅されて0.76Vの信号が得られ、基準値の2.5Vが加わって電極AのA出力は最大の3.26Vとなる。次に、磁石2の磁力線Hexが反時計方向に更にπ/2(rad)回転する、即ち基準の向きZから反時計方向に回転角π(rad)回転すると、磁力線Hexの向きとGMR素子Ra1のピン止め磁性層8の磁化の向きg1およびGMR素子Ra2のピン止め磁性層8の磁化の向きg2は直角になるので、磁石2の磁力線Hexと基準の向きZが一致したときと同様に、A出力は約2.5Vになる。次に、磁石2の磁力線Hexが反時計方向に更にπ/2(rad)回転する、即ち、基準の向きZから反時計方向へ3π/2(rad)回転すると、磁力線Hexの向きとGMR素子Ra1のピン止め磁性層8の磁化の向きg1は逆向きになるので、GMR素子Ra1の抵抗値は大きくなって最大値をとる。GMR素子Ra2の抵抗値はGMR素子Ra2のピン止め磁性層8の磁化の向きg2と磁力線Hexが同じ向きなので最小値をとる。従って、電極AのA出力は前述と同様に計算して最小値の約1.74Vになった。次に、更に磁石2の磁力線Hexが反時計方向にπ/2(rad)回転する、即ち、基準の向きZから反時計方向へ2π(rad)回転すると、1周期が終わり、初めの状態と同じになり、A出力は約2.5Vとなる。更に磁石2の磁力線Hexを回転すると、電極AのA出力は1周期目の出力変化を繰り返す。
【0024】
B電極からのB出力は、GMR素子Rb1,Rb2のピン止め磁性層8の磁化の向きg3,g4がGMR素子Ra1,Ra2のピン止め磁性層8の磁化の向きg1,g2よりπ/2(rad)反時計方向に進んでいるので、A電極からのA出力より、π/2(rad)進んでいる出力電圧となる。
磁石2の回転角は互いにπ/2(rad)ずれたA出力とB出力から周知の方法で検出される。以上のように、本発明の第1実施形態の回転角検出センサは、素子を回転軸線の周りに近接して配置でき、専有するスペースが小さく、抵抗変化率が5%程度であるGMR素子を使うので、センサ出力電圧の出力変化が大きくセンサ感度が良く、増幅率の小さい増幅器を用いることができ、正確な回転角を検出することができる。
【0025】
尚、上記第1実施形態では4個のGMR素子を同一基板の上に設けた場合を記載し、その場合には4つのGMR素子Ra1,Ra2,Rb1,Rb2を近接して配置できるので、図5で示す各層の膜厚ををほぼ同じにして容易に特性を揃えることが可能であり、回転角検出センサの精度を高めることが容易であるが、本発明は、これに限定されることなく、図11に示されているように、4個の基板S1,s2,s3,s4の上にそれぞれGMR素子j1,j2,j3,j4を搭載し、それぞれのGMR素子j1,j2,j3,j4のピン止め磁性層の磁化の向きf1,f2,f3,f4がπ/2(rad)ずつ向きがずれる位置に4個の基板s1,s2,s3,s4を固定してセンサ基板13とし、回転角検出センサを構成してもよい。
【0026】
次に、本発明の第2実施形態の回転角検出センサを図12から図16を用いて説明する。図12は本発明の第2実施形態の回転角検出センサのセンサ基板を示す平面図、図13,14は前記センサ基板上のGMR素子とリード部を示す回路図、図15は前記GMR素子の電極A−の電圧を基準とした電極A+の出力を示すグラフ、図16は前記GMR素子の電極A−の電圧を基準にした電極A+の電圧であるα出力をおよび電極B−の電圧を基準にした電極B+の電圧であるβ出力を両方示すグラフ、をそれぞれ示している。第2実施形態の説明中、第1実施形態と同じまたは同様な部分はその名称または番号を引用しその説明を省略し、同様な説明についてはこれを割愛する。
【0027】
本発明の第2実施形態の回転角検出センサの構成は、第1実施形態の回転角検出センサとはセンサ基板14が異なるだけであるので、センサ基板14の説明とその動作のみを説明する。
【0028】
センサ基板14は、シリコン基板14a上に電極Vcc1、電極Vcc2、電極A+、電極A−、電極B+、電極B−、電極GND1、電極GND2とGMR素子ra1,ra2,ra3,ra4、GMR素子rb1,rb2,rb3,rb4が設けられており、これら電極とGMR素子とをリード部l1,l2,l3,l4,l5,l6,l7,l7’,l8が接続している。GMR素子ra1とGMR素子ra2とはリード部l2を介して直列に接続され、電極Vcc1と電極GND1との間にリード部l1,l4を介して接続され、GMR素子ra3とGMR素子ra4もまたリード部l3を介して直列に接続され、電極Vcc1と電極GND1との間にリード部l1,l4を介して接続されている。即ち、電極Vcc1と電極GND1との間には、GMR素子ra1とGMR素子ra2が直列接続されたものとGMR素子ra3とGMR素子ra4が直列接続されたものとが並列に接続されている。同様に、GMR素子rb1とGMR素子rb2とはリード部l6を介して直列に接続され、電極Vcc2と電極GND2との間にリード部l5,l8を介して接続され、GMR素子rb3とGMR素子rb4もまたリード部l7,l7’を介して直列に接続され、電極Vcc2と電極GND2との間にリード部l5,l8を介して接続されている。即ち、電極Vcc2と電極GND2との間には、GMR素子rb1とGMR素子rb2が直列接続されたものとGMR素子rb3とGMR素子rb4が直列接続されたものとが並列に接続されている。シリコン基板14a上で、電極A+,A−,B+,B−,Vcc1,Vcc2,GND1,GND2以外の部分は全体に絶縁コートが施されている。
【0029】
各GMR素子は帯状の小抵抗部が折り返して直列に接続され、GMR素子ra1とGMR素子ra3、GMR素子ra2とGMR素子ra4、GMR素子rb1とGMR素子rb3、GMR素子rb2とGMR素子rb4はそれぞれの帯状の小抵抗部が平行になるように隣接して配置され、互いのピン止め磁性層8の磁化の向きは逆向きになっている。各GMR素子の中心位置は、回転軸4の回転軸線Cがセンサ基板14と交差する点C’’に対して略等距離の位置にあり、各GMR素子の帯状の小抵抗部の長手方向を延長すると、ほぼ点C’’を通っている。GMR素子ra1,ra2と、GMR素子ra3,ra4と、GMR素子rb1,rb2及び、GMR素子rb3,rb4はそれぞれ互いにセンサ基板14上の点C’’に関して略点対称の位置に設けられ、互いにピン止め磁性層8の磁化方向が逆向きとなっている。また、GMR素子ra1とGMR素子ra2それぞれの中心位置を結ぶ線とGMR素子rb1とGMR素子rb2それぞれの中心位置を結ぶ線とは直角に交わっている。更に、GMR素子ra3とGMR素子ra4それぞれの中心位置を結ぶ線とGMR素子rb3とGMR素子rb4それぞれの中心位置を結ぶ線とは直角に交わっている。
【0030】
次に、本発明の第2実施形態の回転角検出センサの動作を説明する。外部の回転体の回転が回転軸4に伝えられ、円板状の磁石2を回転させると円板状の磁石2の下面に発生している磁力線Hexの向きが回転する。磁力線Hexはセンサ基板14の表面に平行に存在し、各GMR素子ra1,ra2,ra3,ra4,rb1,rb2,rb3,rb4に磁力線Hexを与えている。電極Vcc1,Vcc2には5Vの定電圧が印加されていて、電極GND1,GND2はアースに接続されている。電極A+はGMR素子ra1,ra2の接続点での電圧出力を取り出す電極で、電極A−はGMR素子ra3,ra4の接続点での電圧出力を取り出す電極であり、電極A+と電極A−間の電圧をここでは図示しないが、増幅率6倍で基準電圧2.5Vの差動増幅器に入力してα出力として取り出し使用する。電極B+はGMR素子rb1,rb2の接続点での電圧出力を取り出す電極で、電極B−はGMR素子rb3,rb4の接続点での電圧出力を取り出す電極であり、電極B+と電極B−間の電圧を、ここでは図示しないが、増幅率6倍で基準電圧2.5Vの差動増幅器に入力してβ出力として取り出し、α出力と共に回転角検出に使用する。尚、差動増幅器を利用しているので、温度変化やノイズによって同じ傾向をもって出力値が変化した場合には、その影響をキャンセルできる。
【0031】
図12において、初めに、磁石2の磁力線Hexの向きがセンサ基板14の表面上で下方のGMR素子ra2から上方のGMR素子ra1へ向かう基準の向きZ1(角度0radに相当)と同じである場合を考えると、GMR素子ra1,ra2,ra3,ra4,rb1,rb2,rb3,rb4のフリー磁性層10の磁化の向きは磁力線Hexの向きに従うので、GMR素子ra1のピン止め磁性層8の磁化の向きh1と磁力線Hexの向きが直角である時は、GMR素子ra1の抵抗値は磁力線Hexの向きによる抵抗値変化の最大値と最小値の中間の値となり、GMR素子ra2のピン止め磁性層8の磁化の向きh2は磁力線Hexの向きと直角であるから、やはりGMR素子ra2の抵抗値は最大値と最小値の中間の値となる。GMR素子ra1,ra2は同一基板上にほぼ同一条件で形成されているものなので、それらの磁気特性はほぼ同じと考えられ、GMR素子ra1,ra2の磁力線Hexの向きによる抵抗変化も同一であるため、それぞれの最大値、最小値、最大値と最小値の中間の値もほぼ同じである。従って、磁石2の磁力線Hexの向きが基準の向きZ1と同じときは、電極A+での出力電圧は電極Vccに印加された電圧5Vの半分の2.5Vとなる。
電極A−での出力電圧も同様に2.5Vとなる。従って、電極A−を基準にした電極A+の電圧であるα出力は2.5Vとなる。即ち、差動増幅器の入力端側の電圧差は0Vとなり、増幅されても0Vであり、基準値の2.5Vが出力される。
【0032】
次に、磁石2の磁力線Hexの向きが基準の向きZ1から反時計方向に回転角π/2(rad)回転すると、GMR素子ra1のピン止め磁性層8の磁化の向きh1は磁力線Hexの向きと逆向きになるので、GMR素子ra1の抵抗値は最大値をとり、GMR素子ra2のピン止め磁性層8の磁化の向きh2は磁力線Hexの向きと同じ向きなのでGMR素子ra2の抵抗値は最小値になり、電極A+の出力は下がり最小値を取る。即ち、5%の抵抗変化率のGMR素子を使用して、5VX0.975/(1.025+0.975)=2.438Vの出力となる。また、GMR素子ra3のピン止め層の磁化の向きh3は磁力線Hexと同じ向きになるのでGMR素子ra3の抵抗値は最小値になり、GMR素子ra4のピン止め磁性層8の磁化の向きh4は磁力線Hexの向きと逆向きになるのでGMR素子ra3の抵抗値は最大値になり、電極A−の出力電圧は上がり最大値をとる。即ち、5VX1.025/(1.025+0.975)=2.563Vの出力になる。よって、差動増幅器の入力端側の電圧差は2.563−2.438=0.125となり6倍に増幅されて0.75Vの信号が得られ、基準値の2.5Vが加わってα出力は最大値の3.25Vとなる。
【0033】
次に、磁石2の磁力線Hexの向きが反時計方向に更にπ/2(rad)回転する、即ち基準の向きZ1から反時計方向に回転角π(rad)回転すると、磁力線Hexの向きとGMR素子ra1のピン止め磁性層8の磁化の向きh1およびGMR素子ra2のピン止め磁性層8の磁化の向きh2は直角になるので、磁石2の磁力線Hexと基準の向きZ1が一致したときと同様に、電極A+と電極A−の出力電圧は2.5Vになる。従って、α出力も前述と同様に2.5Vになる。
【0034】
次に、磁石2の磁力線Hexの向きが更に反時計方向にπ/2(rad)回転する、即ち基準の向きZ1から反時計方向へ3π/2(rad)回転すると、GMR素子ra1のピン止め層の磁化の向きh1は、磁力線Hexの向き同じ向きになるので、GMR素子ra1の抵抗値は最小値となり、GMR素子ra2のピン止め磁性層8の磁化の向きh2と磁力線Hexの向きが逆向きになるので、GMR素子ra2の抵抗値は最大値をとり、電極A+の出力電圧は上がり2.563Vになる。また、GMR素子ra3のピン止め磁性層8の磁化の向きh3は磁力線Hexの向きと逆向きになるのでGMR素子ra3の抵抗値は最大値になり、GMR素子ra4のピン止め磁性層8の磁化の向きh4は磁力線Hexの向きと同じ向きになるのでGMR素子ra4の抵抗値は最小値になり、電極A−の出力電圧は上がり2.438Vとなる。従って、α出力は最小値をとる。即ち、差動増幅器の入力端子側の電圧差は2.438V−2.563V=−0.125Vとなり6倍に増幅されて−0.75Vの信号が得られ、基準値の2.5Vが加わってα出力は最小値の1.75Vとなる。
【0035】
次に、磁石2の磁力線Hexの向きが反時計方向に更にπ/2(rad)回転する、即ち基準の向きZ1から反時計方向に回転角2π(rad)回転すると、磁力線Hexの向きと基準の向きZ1が一致するので、磁力線Hexの向きの回転の最初の状態と同じになり、電極A+と電極A−の出力電圧は2.5Vになる。従って、α出力は2.5Vになる。これで1周期が終わり、更なる磁力線Hexの向きの回転は、1周期目のα出力の出力変化を繰り返す。
【0036】
電極B+の出力電圧の変化は、GMR素子rb1,rb2のピン止め磁性層8の磁化の向きi1,i2と磁力線Hexの向きとの関係がGMR素子ra1,ra2のピン止め磁性層8の磁化の向きh1,h2と磁力線Hexの向きとの関係よりπ/2(rad)反時計方向に進んでいるので、電極A+の出力電圧の変化よりπ/2(rad)反時計方向に進んでいる。電極B−の出力電圧の変化も、GMR素子rb3,rb4のピン止め磁性層8の磁化の向きi3,i4と磁力線Hexの向きとの関係がGMR素子ra3,ra4のピン止め磁性層8の磁化の向きh3,h4と磁力線Hexの向きとの関係よりπ/2(rad)反時計方向に進んでいるので、電極A−の出力電圧の変化よりπ/2(rad)反時計方向に進んでいる。従って、電極B−を基準にした電極B+の電圧であるβ出力は、電極A−を基準にした電極A+の電圧であるα出力より、π/2(rad)反時計方向に進んでいる。
磁石2の回転角は互いにπ/2(rad)ずれたα出力とβ出力の正弦波の値から周知の方法により検出される。
上記したように、α出力とβ出力は、それぞれ出力変化は1.5V(最大値−最小値)であり、半分の増幅率の差動増幅器を使用しているのにもかかわらず第1実施形態のA出力とB出力の出力変化(最大値−最小値)とほぼ同等とすることができ、センサ感度が2倍になる。
また、入力オフセット電圧の小さな差動増幅器を用いなくともいいので、安価に作成できる。
【0037】
【発明の効果】
上記したように、本発明の回転角検出センサは、フリー磁性層とピン止め磁性層とを有するGMR素子を基板上に少なくとも2対設け、各対のGMR素子同士を直列に接続し、GMR素子と対向させて回転可能に磁石を配設し、この磁石の磁界を基板面方向に発生させ、各対となるGMR素子を磁石の回転軸の回転軸線を挟んで対向する位置となるように配置すると共にGMR素子のピン止め磁性層の磁化の向きが互いに逆向きであるようにし、磁石の磁界の向きに従うフリー磁性層の磁化の向きとピン止め磁性層の磁化の向きのなす角度により発生するGMR素子の抵抗値の変化によって回転軸の回転角度を検出するようにしたので、素子を回転軸の周りに近接して配置でき、所定の位相差を有する電圧を出力し回転角を検出する、専有するスペースが小さく、センサ出力電圧の出力変化が大きくセンサ感度の良い回転角検出センサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の回転角検出センサの平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の回転角検出センサの正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の回転角検出センサのセンサ基板を示す平面図である。
【図4】図3のD部拡大図である。
【図5】図4の5−5断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態の回転角検出センサのセンサ基板上のGMR素子への着磁方法を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態の回転角検出センサのセンサ基板上のGMR素子へ着磁する時の着磁用棒磁石から出る磁力線の方向を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態の回転角検出センサのセンサ基板上の回路を示す回路図である。
【図9】本発明の第1実施形態の回転角検出センサのセンサ基板の電極Aの出力を示すグラフである。
【図10】本発明の第1実施形態の回転角検出センサのセンサ基板の電極A、電極Bの出力を両方示すグラフである。
【図11】本発明の第1実施形態の回転角検出センサの変形例を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態の回転角検出センサのセンサ基板を示す平面図である。
【図13】本発明の第2実施形態の回転角検出センサのセンサ基板上の一組みのGMR素子と電極とリード部を示す回路図である。
【図14】本発明の第2実施形態の回転角検出センサのセンサ基板上の他の組みのGMR素子と電極とリード部を示す回路図である。
【図15】本発明の電極A−の電圧を基準にした電極A+の電圧であるα出力を示すグラフである。
【図16】本発明の第2実施形態の回転角検出センサのセンサ基板上の電極A−の電圧を基準にした電極A+の電圧であるα出力をおよび電極B−の電圧を基準にした電極B+の電圧であるβ出力を両方示すグラフである。
【図17】従来技術の回転角検出センサの平面図である。
【図18】従来技術の回転角検出センサの正面図である。
【符号の説明】
1 回転角検出センサ
2 磁石
3 センサ基板
3a シリコン基板
4 回転軸
8 ピン止め磁性層
10 フリー磁性層
12 棒磁石ブロック
C 回転軸線
Hex 磁力線
g1,g2,g3,g4 ピン止め磁性層の磁化の向き
Ra1,Ra2,Rb1,Rb2 GMR素子
Claims (3)
- フリー磁性層とピン止め磁性層とを有するGMR素子を基板上に少なくとも2対設け、各対の前記GMR素子同士を直列に接続し、前記GMR素子と対向させて回転可能に磁石を配設し、この磁石によって前記GMR素子に飽和磁界を印加させ、前記GMR素子面と平行な磁力線の向きが回転するように磁界を発生させ、各対となる前記GMR素子を前記磁石の回転軸に対して対称な位置に配置すると共に前記GMR素子の前記ピン止め磁性層の磁化の向きを互いに逆向きにし、前記磁石の磁力線の向きに従う前記フリー磁性層の磁化の向きと前記ピン止め磁性層の磁化の向きのなす角度により発生する前記GMR素子の抵抗値の変化によって回転軸の回転角度を検出する回転角検出センサであって、
前記少なくとも2対の前記GMR素子を前記回転軸に対して同一半径上に位置させると共に、それぞれの前記GMR素子の前記ピン止め磁性層の磁化の向きを、隣接する一方の前記GMR素子の前記ピン止め磁性層の磁化の向きとπ/2(rad)ずらす一方、隣接する他方の前記GMR素子の前記ピン止め磁性層の磁化の向きと−π/2(rad)ずらしたことを特徴とする回転角検出センサ。 - 前記少なくとも2対の前記GMR素子の個々の前記GMR素子を前記回転軸の回りにπ/2(rad)の角度間隔で配置したことを特徴とする請求項1記載の回転角検出センサ。
- 前記2対の前記GMR素子を同一基板上に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の回転角検出センサ。
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