JP2000193407A - 磁気式位置検出装置 - Google Patents

磁気式位置検出装置

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JP2000193407A
JP2000193407A JP10368956A JP36895698A JP2000193407A JP 2000193407 A JP2000193407 A JP 2000193407A JP 10368956 A JP10368956 A JP 10368956A JP 36895698 A JP36895698 A JP 36895698A JP 2000193407 A JP2000193407 A JP 2000193407A
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magnetic
giant magnetoresistive
bias
magnetoresistive elements
magnet
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Hideyuki Suzuki
英之 鈴木
Osamu Shinoura
治 篠浦
Yukio Asakawa
幸雄 浅川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ギャップ特性が良好で、高い出力が得られる
磁気式位置検出装置を提供する。 【解決手段】 磁気情報としての着磁がされた磁気スケ
ール部と、この磁気スケール部に対して相対的に移動し
磁気スケール部からの磁気情報を検出するための磁気セ
ンサ部とを備えてなる磁気式位置検出装置であって、前
記磁気センサ部は、複数の巨大磁気抵抗効果素子と、当
該巨大磁気抵抗効果素子にバイアス磁界を印加するバイ
アス磁石を備え、前記磁気スケール部に磁気情報として
着磁された方向は、磁気スケール部に対して磁気センサ
部が相対的に移動する相対移動方向に対して、実質的に
直交方向となっており、前記複数の巨大磁気抵抗効果素
子は、磁気スケール部に対して磁気センサ部が相対的に
移動する相対移動方向に対して、実質的に直交方向とな
るように素子配列されており、しかも、実質的に隣接す
る巨大磁気抵抗効果素子に、互いに異なる方向のバイア
ス磁界が印加されるように、バイアス磁石が構成され配
置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果素子
を用いた磁気式位置検出装置に関し、特に、磁気式のス
ケールやロータリーエンコーダ等の磁気式位置検出装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ロボット、工作機械、精密測長、
測角装置などに適用される磁気式のスケールやロータリ
ーエンコーダにおいては、その検出特性として、良好な
ギャップ特性(耐振動)、高出力(高変化率)が求めら
れている。つまり、広いギャップ検出範囲を持つ位置検
出装置(磁気式位置検出装置)を用いることで、機械的
振動などによりギャップが変動しても安定した出力を維
持できる装置が求められている。さらに、消費する電力
が小さくても高い出力を有する装置、例えば、環境に優
しいバッテリー駆動の装置等も最近その需要が増大して
きている。
【0003】強磁性体金属の異方性磁気抵抗効果(AM
R効果)は、比較的低い磁界(数Oe〜数千Oe)の変
化により電気抵抗が大きく変化するために、このAMR
素子(例えば、飽和磁界の小さいNi−Fe膜、MR変
化率の大きいNi−Co膜など)と、磁気情報が記録さ
れた被検出体である記録媒体と、例えば磁石等を組み合
わせて、上記の目的に適した磁気式位置検出装置がこれ
まで提供されてきている。
【0004】また、近年、例えば、特開平5−2595
30号公報に提案されているように多層構造からなる磁
性膜による結合型巨大磁気抵抗効果(GMR効果)を用
いたセンサが開発されている。このGMR効果を持つ磁
気抵抗効果素子(GMR素子)は、AMR素子に比較し
て抵抗変化率が大きく、そのためAMR素子に比べ良好
なギャップ特性(耐振動)と高出力を得ることが可能で
ある。さらに、GMR効果を示す磁性膜においては、抵
抗変化が磁界と電流の相対角度によらず等方的であるた
め、例えば、特開平7−77531公報に開示されてい
るように被検出体からの信号磁界と、感磁パターンの長
手方向を平行に配置することにより反磁界の影響を低減
することが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁気情
報としての着磁がされた磁気記録媒体の形態が、例え
ば、長尺帯状形態をなし、この帯状長手方向に対して、
面内直角方向に着磁がされている場合(特に、磁気記録
媒体の着磁ピッチが磁気記録媒体の幅より十分に大きい
場合)には、磁気記録媒体からの漏洩磁界(検出用磁
界)の方向は、帯状長手方向に対して直角となる。そし
て、このような着磁がなされた磁気スケール部の磁気情
報を磁気センサ部により検出しようとする場合、ギャッ
プ特性が良好で、高い出力が得られる磁気スケール部と
磁気センサ部の最適設定がなされた磁気式位置検出装置
の提案は従来よりなされていない。
【0006】このような実状のもとに本発明は創案され
たものであって、その目的は、磁気スケール部と磁気セ
ンサ部を有する磁気式位置検出装置の最適構造を設定
し、ギャップ特性が良好で、高い出力が得られる磁気式
位置検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、磁気情報としての着磁がされた磁気スケ
ール部と、この磁気スケール部に対して相対的に移動し
磁気スケール部からの磁気情報を検出するための磁気セ
ンサ部とを備えてなる磁気式位置検出装置であって、前
記磁気センサ部は、複数の巨大磁気抵抗効果素子と、当
該巨大磁気抵抗効果素子にバイアス磁界を印加するバイ
アス磁石を備え、前記磁気スケール部に磁気情報として
着磁された方向は、磁気スケール部に対して磁気センサ
部が相対的に移動する相対移動方向に対して、実質的に
直交方向となっており、前記複数の巨大磁気抵抗効果素
子は、磁気スケール部に対して磁気センサ部が相対的に
移動する相対移動方向に対して、実質的に直交方向とな
るように素子配列されており、しかも、実質的に隣接す
る巨大磁気抵抗効果素子に、互いに異なる方向のバイア
ス磁界が印加されるように、バイアス磁石が構成され配
置されているように構成される。
【0008】また、本発明における好適な態様として、
前記磁気スケール部は、長尺帯状形態をなし、この帯状
長手方向に対して、実質的に直交方向に磁気情報として
の着磁がされているように構成される。
【0009】また、本発明における好適な態様として、
前記磁気スケール部は、ディスク形態をなし、このディ
スク形態の厚さ方向に磁気情報としての着磁がされてお
り、当該着磁方向は、前記相対移動方向に対して、実質
的に直交方向となっているように構成される。
【0010】また、本発明における好適な態様として、
前記磁気センサ部は、4n(n:正の整数)個の巨大磁
気抵抗効果素子を備え、これらの巨大磁気抵抗効果素子
がブリッジ接続されてなるように構成される。
【0011】また、本発明における好適な態様として、
前記磁気センサ部は、略同一位置に存在し、対をなす2
本の巨大磁気抵抗効果素子により1組の素子群を構成
し、隣接する素子群同士が実質的に隣接する巨大磁気抵
抗効果素子となり、これらの巨大磁気抵抗効果素子がブ
リッジ接続されてなるように構成される。
【0012】また、本発明における好適な態様として、
前記バイアス磁石は、複数の磁石体からなり、実質的に
隣接する巨大磁気抵抗効果素子に、互いに異なる方向の
バイアス磁界が印加されるように、これらが巨大磁気抵
抗効果素子に対応して個々に配置されるように構成され
る。
【0013】また、本発明における好適な態様として、
前記バイアス磁石は、多極着磁磁石であり、実質的に隣
接する巨大磁気抵抗効果素子に、互いに異なる方向のバ
イアス磁界が印加されるように、多極着磁磁石が配置さ
れて構成される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面を参照しつつ説明する。図1〜図3には、本発明
の磁気式位置検出装置の第1の実施の形態が示されてお
り、図1は、本発明の磁気式位置検出装置1の全体構成
を模式的にあらわす概略斜視図であり、図2は、図1の
概略斜視図を上方から見た概略平面図であり、図3は、
図2のA−A断面矢視図である。
【0015】これらの図に示されるように、本発明の磁
気式位置検出装置1は、磁気情報としての着磁がされ
た、例えば磁気記録媒体として作用する磁気スケール部
50と、この磁気スケール部50に対して相対的に移動
(矢印(α)方向)し、磁気スケール部50からの磁気
情報を検出するための磁気センサ部10とを備えてい
る。磁気センサ部10と磁気スケール部50は、相対的
に移動するわけであるから、どちらか一方が固定されて
いればよい。また、場合によっては、所定の移動方向
(矢印(α)方向)を規定するように双方が移動しても
よい。
【0016】本実施の形態の場合、磁気スケール部50
は、図示のごとく長尺の帯状形態をなしており、この帯
状長手方向(相対移動方向(矢印(α)方向)と同じ)
に対して、実質的に面内直交方向(矢印(β)方向およ
び(β’)方向)に磁気情報51,52(互いに磁化方
向が異なる)としての着磁がされている。磁気情報5
1,52の着磁ピッチは符号Pで表されており、本発明
の場合、図1や図2に示されるごとく、着磁ピッチPは
幅Wに比べて十分に大きい。
【0017】帯状形態の磁気スケール部は、フェライト
等の微粒子をバインダーとともに加温圧縮成形すること
で得られるボンド磁石等に、例えば、ギャップWを有す
る磁気ヘッドを用いて着磁される。磁気ヘッドは、例え
ば、当該ヘッドの長さが磁気スケール部の幅と同じ長さ
を持ち、ピッチP毎に異なる方向の電流が瞬間的に印加
されるように構成されている。この磁気ヘッドを利用す
ることで磁化方向が反対の着磁を正確な着磁ピッチで行
うことができる。
【0018】本実施の形態の場合、磁気センサ部10
は、2つの巨大磁気抵抗効果素子11,15と、これら
の巨大磁気抵抗効果素子11,15にバイアス磁界を印
加するためのバイアス磁石21,25を備えている。そ
して、これら2つの巨大磁気抵抗効果素子がそれぞれ配
列される列方向(矢印(γ)方向)は、前記相対移動方
向(α)に対して、実質的に直交方向となるように素子
配列されている。素子の長手部分11a,15aはそれ
ぞれ矢印(γ)方向と直交する。さらに、図3に示され
るように実質的に隣接する巨大磁気抵抗効果素子11と
15には、互いに異なる方向のバイアス磁界81,82
が印加されるように、バイアス磁石21,25がそれぞ
れ、基板5を隔てて配置されている。つまり、本実施の
形態では、基板5の表裏にそれぞれ巨大磁気抵抗効果素
子11,15およびバイアス磁石21,25が対をなす
ように形成され、しかも素子11と15が受けるバイア
ス磁界の方向81,82は互いに逆方向となるように磁
石21,25の配置が行われる。なお、本発明に言う
『実質的に』という文言は、本発明の作用効果を発現で
きる範囲で、ある許容幅を持たせるために用いている。
【0019】本発明に用いられる巨大磁気抵抗効果素子
11,15の巨大磁気抵抗効果膜は、金属人工格子(藤
森啓安、アグネ技術センター、1995年発行)347
ページに紹介されているように、強磁性体膜と非磁性体
膜との多層膜から構成され、多層膜の所定の界面散乱変
化により抵抗が変化する現象が利用されている。巨大磁
気抵抗効果膜としては、(強磁性体/非磁性導電体)
構造のアンチフェロ(結合)型、(高保磁力強磁性体
/非磁性導電体/低保磁力強磁性体)構造の誘導フェリ
(非結合)型、(半強磁性体/強磁性体/非磁性導電
体/強磁性体)構造のスピンバルブ型、Co/Ag系
統の非固溶系グラニュラー型に大別される。
【0020】これらの各巨大磁気抵抗効果膜は、その構
造や組成により、検出可能な磁界強度、すなわち、磁気
抵抗効果の飽和磁界強度が大きく異なる。例えば、(F
e/Cr)系アンチフェロ型では10KOe以上、(C
oNiFe/Cu)系アンチフェロ型では、0.1Oe
から1KOe、(NiFe/Cu/Co/Cu)系誘導
フェリ型では、5Oeから20Oe程度、(FeMn/
NiFe/Cu/NiFe)系スピンバルブ型では、数
Oe、そして、グラニュラー型では100Oeから5K
Oe程度までの磁界検出が可能である。磁界感度は、最
大磁気抵抗変化率を飽和磁界強度で割り算したものであ
り、最大磁気抵抗変化率が大きくても、飽和磁界が大き
い場合には磁界感度は悪い。反対に、最大磁気抵抗変化
率が小さくても、飽和磁界が非常に小さい場合には磁界
感度は良い。このため、検出すべき磁界強度により最高
の磁界感度が得られるように、上記の各種の巨大磁気抵
抗効果膜から、基本系を選択し、さらに組成系の変更や
細かな構造を最適化して用いる。
【0021】好ましい巨大磁気抵抗効果膜の構造として
は(Co/Cu), (NiFe/Cu), (NiFeCo/Cu), (CoFe/Cu), (NiF
eCo/Cu/Co/Cu), (NiFe/Cu/Co/Cu), (CoFe/Cu/NiFe/Cu)
等の構造を5回以上繰り返して成膜した多層膜構造であ
る。これらの多層膜構造を有する巨大磁気抵抗効果膜に
おいては最も薄い層の層厚が10nm以下であることが
好ましく、特に好ましくは3nm以下である。最も薄い
層の層厚が10nmを越えると高いMR変化率が得られ
にくくなるという傾向が生じる。
【0022】このような磁気抵抗効果膜(磁性膜)は、
真空成膜法、例えば、蒸着法、スパッタ法などにより成
膜される。より具体的には、基板5の全面に磁気抵抗効
果膜を成膜した後、所望のパターン形状にパターニング
して磁界検出用の磁気抵抗効果素子とする。図1や図2
に示される第1の実施の形態における巨大磁気抵抗効果
素子11,15の膜パターニング形状は、図示のごとく
折り曲げ形態の長手部分11a,15a(特に図2)が
向く方向が、素子が配列される列方向(矢印(γ)方
向)と同じ方向となっている。このような素子に接合さ
れ、電流を流すための電極31(図1)が所定のパター
ンに形成される。電極31は、巨大磁気抵抗効果素子で
ある磁性膜部分に比べて小さな抵抗を有することが重要
である。このため電極は、導電性の高い金属、例えば
銅、金、アルミニウム、タングステン等を用いて比較的
厚い仕様、例えば、0.3から5.0μmの厚さに成膜
される。電極の形成には、真空成膜法に加えて湿式成膜
法も利用可能である。また、最初に、電極31を形成し
てから巨大磁気抵抗効果素子11,15を形成しても差
し支えない。
【0023】また、このように巨大磁気抵抗効果素子1
1,15および電極31を個別に異種の材料から構成す
るのではなくて、巨大磁気抵抗効果素子および電極をす
べて同一材質から一体的に形成(成膜)させてもよい。
ただし、この場合には巨大磁気抵抗効果素子および電極
の各々の機能が発揮できる範囲内での同一材質とするこ
とが必要である。磁性膜の部分は感磁パターン部であ
り、電極の部分は、感磁パターン部である必要はない。
そこで、感磁パターン部と電極部の電流密度を変化させ
るために、電極の幅は感磁パターン部の幅よりも広く設
計される。すなわち、同一材質で構成されたパターンの
両端部分の幅を広くすることで電極としての機能を付与
できる。同一材質から構成することにより、1回のパタ
ーニング工程で感磁部分である巨大磁気抵抗効果素子と
電極が同時に形成でき、極めて高い生産性を実現するこ
とができる。
【0024】巨大磁気抵抗効果素子11,15は、一般
に、200nm以下の薄膜として形成されるために、使
用環境における耐食性が問題となることが多い。このた
め、少なくとも磁気抵抗効果素子11,15の上層に保
護膜を設け、周囲の雰囲気から巨大磁気抵抗効果素子1
1,15を保護することが好ましい。保護膜の材質とし
ては、SiO2 やAl23 等の無機材料や、ポリイミ
ド樹脂、ノボラック樹脂等の有機材料を用いることが好
ましい。
【0025】本発明に用いられる基板5の材質は、特に
制限されるものではなく、ガラス、シリコン、セラミッ
ク等の無機系のものや、樹脂等の有機系のものいずれを
用いてもよい。これらのなかでは特に、いわゆる可撓性
に優れ、薄くて軽いものを用いることが好ましく、例え
ば、印刷配線板等として広く使用されているプラスチッ
クフィルムと同様の基板が好適に使用できる。より具体
的には、プラスチックフィルム材質として公知の各種の
材料、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリポロピレン(PP)、テフロン等が
利用可能である。
【0026】本発明の磁界センサに用いられる基板5の
厚さは、通常、500μmが好ましく、特に好ましくは
100μm以下(1〜100μm)である。これはバイ
アス磁石を基板に固定することから、(1)磁石を基板
裏面に固定する場合には、磁石からのバイアス磁界を有
効に巨大磁気抵抗効果素子に印加するため、および
(2)磁石を基板表面に固定する場合には検出すべき外
部磁界は基板裏面から巨大磁気抵抗効果素子に印加され
ることから、検出分解能を高めるため、である。このよ
うな薄い基板としてポリイミド等の有機物フィルムが特
に好ましく用いられる。
【0027】ところで、図4には巨大磁気抵抗効果素子
の膜パターニング形状の変形例が示される。すなわち、
図4に示される巨大磁気抵抗効果素子11’,15’の
膜パターニング形状は、図示のごとく折り曲げ形態(パ
ターン)の長手部分11’a,15’aが向く方向(矢
印(J)方向)が、素子が配列される列方向(矢印
(γ)方向)と平行方向となっている。換言すれば、長
手部分11’a,15’aが向く方向(矢印(J)方
向)は、磁気情報51,52の着磁方向(矢印(β)方
向および(β’)方向)と平行となっている。このよう
に素子パターンが異なる以外、図4に示される磁気セン
サ部10’と図2に示される磁気センサ部10とは同一
の形態である。図4に示されるような素子パターン、す
なわち、パターンの長手部分11’a,15’aが向く
方向(矢印(J)方向)が、磁気情報51,52の着磁
方向(矢印(β)方向および(β’)方向)と平行とな
るようにすることで、巨大磁気抵抗効果素子11’,1
5’の飽和磁界が小さくなり、素子の磁界感度が高くな
る。その結果、図4に示されるセンサは図2に示される
センサと比較して、例えば図5に示されるように、磁気
記録媒体と磁気センサ部の有効ギャップ幅そのものはそ
れほど変わらないが、磁界感度が向上した分、素子を磁
気記録媒体から遠ざけることが可能となる。
【0028】図6〜図8には、本発明の磁気式位置検出
装置の第2の実施の形態を説明するための図面が示され
ており、図6は、新たな磁気スケール部60の全体構成
を模式的にあらわす概略斜視図、図7は、新たな磁気ス
ケール部60の上方に磁気センサ部10’(図4に示さ
れるものと同じセンサ部)が設置された状態を上方から
見た概略平面図であり、図8は、図7のB−B矢視図で
ある。
【0029】これらの図面に示されるように、本発明の
第2の実施形態である磁気式位置検出装置2は、所定の
磁気情報としての着磁がされ、回転着磁体として作用す
る磁気スケール部60と、この磁気スケール部60に対
して相対的に移動(相対移動方向:矢印(α)方向)
し、磁気スケール部60からの漏洩磁界としての情報を
検出するための磁気センサ部10’とを備えている。第
2の実施形態の場合、磁気スケール部60が回転し、そ
の上方あるいは下方に磁気センサ部10’が設置されて
いるため、相対移動方向(α)は、磁気センサ部10’
設置位置における接線方向とみなすことができる。第2
の実施形態の場合、磁気センサ部10’としては、図4
に示される素子パターンと同一タイプの素子を備えてい
るものが例示されている。
【0030】本実施の形態の場合、磁気スケール部60
は、図6に示されるようにディスク形態をなし、このデ
ィスク形態の厚さ方向(矢印(J),(J’)方向)に
磁気情報としての着磁がされており、当該磁気情報の着
磁方向は、相対移動方向(α)に対して、実質的に直交
方向となっている。図6および図7の場合、ディスクは
角度90度で4つに均等割りされており、さらに、内周
側および外周側のブロックに分割されている。そして、
径方向に対をなす外周側のブロック65と内周側のブロ
ック68とが組み合わされて磁気スケール部60から検
出のための漏洩磁界を発生させる。同様に、径方向に対
をなす外周側のブロック66と内周側のブロック69と
が組み合わされて磁気スケール部60から検出のための
漏洩磁界を発生させる。
【0031】すなわち、外周側のブロック65のブロッ
クの厚さ方向の着磁方向(矢印(J)方向)とこれと対
をなす内周側のブロック68の厚さ方向の着磁方向(矢
印(J’)方向)は、互いに逆方向となっており、ま
た、外周側のブロック66のブロックの厚さ方向の着磁
方向(矢印(J’)方向)とこれと対をなす内周側のブ
ロック69の厚さ方向の着磁方向(例えば矢印(J)方
向)は、互いに逆方向となっている。しかも、このよう
な対をなすブロック配置は、図示のごとく交互に配置さ
れており、これにより、ディスク形態の中心から外周方
向に向けて(矢印(E)方向)、あるいはその逆方向
(矢印(E’)方向)に検出用磁場として漏洩磁界が交
互(矢印(E)方向、矢印(E’)方向に交互)に発生
するようになっている。
【0032】なお、上記、ディスクは角度90度で4つ
に磁化方向が均等割りされており、上述のごとく矢印
(E)方向、矢印(E’)方向に交互に漏洩磁界が発生
しているが、この磁気スケールの均等割りは、4つに限
定されることなく、磁気スケール部の設定仕様により適
宜選定すればよい。
【0033】回転着磁体として作用する磁気スケール部
60は、例えば、中心軸61(図6)を中心として回転
するようになっている。磁気スケール部60は回転運動
をするわけであるが、その上方に設置されている磁気セ
ンサ部10’との相対移動方向(矢印(α)方向)は、
磁気センサ部10’の大きさが磁気スケール部60の大
きさに比べて十分に小さいために直線近似される。それ
ゆえ、磁気センサ部10’による磁界検出位置におい
て、磁気スケール部60の着磁方向および、この着磁に
基づく漏洩磁界の方向(矢印(E),(E’)方向)
は、相対移動方向(矢印(α)方向)に対して、それぞ
れ実質的に直交方向となっている。このような第2実施
形態の場合においても、前記第1の実施形態と同様に、
磁気センサ部10’は、2つの巨大磁気抵抗効果素子1
1,15と、これらの巨大磁気抵抗効果素子11,15
にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁石21,2
5を備えている。そして、これら2つの巨大磁気抵抗効
果素子がそれぞれ配列される列方向(矢印(γ)方向)
は、前記相対移動方向(α)に対して、実質的に直交方
向となるように素子配列されている。さらに、図8に示
されるように実質的に隣接する巨大磁気抵抗効果素子1
1と15には、互いに異なる方向のバイアス磁界81,
82が印加されるように、バイアス磁石21,25がそ
れぞれ、基板5を隔てて配置されている。つまり、本実
施の形態では、基板5の表裏にそれぞれ巨大磁気抵抗効
果素子11,15およびバイアス磁石21,25が対を
なすように形成され、しかも素子11と15が受けるバ
イアス磁界の方向81,82は互いに逆方向となるよう
に磁石21,25の配置が行われる。
【0034】なお、図6や図7に示されるようなディス
ク形態の磁気スケール部60の着磁方法のの一例は以下
のごとくである。すなわち、ディスク状の磁気スケール
部も上記の帯状のスケール部と同様に、フェライト等の
微粒子をバインダーとともに加温圧縮成形することで得
られるボンド磁石等に、ディスクの厚さ分だけギャップ
を有する磁気ヘッドを用いて上下に着磁される。磁気ヘ
ッドは円周方向に磁気スケール部と同じ長さを持ち、9
0°ごとに異なる方向の電流が瞬間的に印加されるよう
に構成されている。この磁気ヘッドを利用することで磁
化方向が反対の着磁を正確な着磁ピッチで行うことがで
きる。
【0035】図9〜図12には、4個の巨大磁気抵抗効
果素子16,17,18,19を備えた磁気センサ部で
あって、これらの巨大磁気抵抗効果素子がブリッジ接続
された構成例が示される。すなわち、図9に示される磁
気センサ部において、基板5の片側面には、一定の間隔
で4つの巨大磁気抵抗効果素子16,17,18,19
が配列されており、基板5のもう一方の片側面には、上
記巨大磁気抵抗効果素子16,17,18,19に対応
し、かつ、実質的に隣接する巨大磁気抵抗効果素子に、
互いに異なる方向のバイアス磁界83,84,85,8
6が印加されるようにバイアス磁石26,27,28,
29が配置されている。そして、これらの巨大磁気抵抗
効果素子16,17,18,19は、図13に示される
ごとくブリッジ接続され等価回路を形成した状態で使用
される。この場合、隣り合う2つの磁気抵抗効果素子
に、絶対値が等価で、方向が反対のバイアス磁界が印加
されるため、1個の磁気抵抗効果素子が持つのと同じ大
きさの抵抗変化率が得られるだけでなく、外部磁界に対
する出力波形が直線的になる。なお、図9中、R1〜R
4は、それぞれ各素子16〜19の抵抗値を示してい
る。
【0036】図10には図9の変形例が示される。すな
わち、図10に示される磁気センサ部において、基板5
の片側面には、対をなす2つの巨大磁気抵抗効果素子1
6,18が1組の素子群をなすように略同一位置に形成
され、さらにこの1組の素子群から一定の間隔を開けて
対をなす2本の巨大磁気抵抗効果素子17,19が1組
の素子群をなすように略同一位置に形成される。本発明
においては、これらの隣接する素子群同士が、本発明に
言う『実質的に隣接する巨大磁気抵抗効果素子』に該当
すると考えることができ、基板5のもう一方の片側面に
は、これらの2つの素子群に対応するように2つのバイ
アス磁石21,25が配置される。もちろん、この場合
にも実質的に隣接する素子群に、互いに異なる方向のバ
イアス磁界81,82が印加されるようにバイアス磁石
21,25が配置される。そして、これらの巨大磁気抵
抗効果素子16,17,18,19は、図13に示され
るごとくブリッジ接続され等価回路を形成した状態で使
用される。なお、図10中、R1〜R4は、それぞれ各
素子16〜19の抵抗値を示している。
【0037】上記図9および図10において用いられて
いるバイアス磁石は、複数の磁石体から構成され、実質
的に隣接する巨大磁気抵抗効果素子に、互いに異なる方
向のバイアス磁界が印加されるように、複数の磁石体
が、巨大磁気抵抗効果素子に対応して個々に配置されて
いる。これに対して図11には、バイアス磁石として多
極着磁磁石40を用いた例が示されている。
【0038】多極着磁磁石40は、磁気抵抗効果素子1
6,17,18,19にバイアス磁界を印加するために
設けられている。図11の例では、4つの磁気抵抗効果
素子に関し、隣り合う磁気抵抗効果素子に及ぼすバイア
ス磁界が互いに逆方向となるように、多極着磁磁石40
が配置されている。この場合、バイアス磁界は、基板5
の裏面から4つの磁気抵抗効果素子16,17,18,
19に対して印加されている。
【0039】多極着磁磁石40は、例えば、フェライト
等の微粒子をバイダーとともに加温圧縮成形することで
得られるボンド磁石等に、ギャップを有する磁気ヘッド
を用いてS→N→S→N…と順次着磁することにより形
成される。より具体的には、磁気ヘッドと磁石を相対的
に移動させながら、磁気ヘッドに異なる方向の電流を印
加すればよい。これにより磁化方向が反対の着磁を、正
確な着磁ピッチで行うことが可能となる。また、着磁の
際にリングヘッドではなく、モノボールヘッドを用いる
と垂直磁化も可能である。この場合、裏面に補助磁極を
設けることで着磁性能が向上する。
【0040】その他の多極着磁方法としては、例えば、
やや弱い磁界中で、レーザーを用いて局部的に加熱しキ
ュリー点を利用して行うことも可能である。
【0041】上記図11に示される実施の形態では、4
つの磁気抵抗効果素子16,17,18,19が、等間
隔で配列されており、隣り合う素子の間隔をD(素子の
間隔Dは、素子の中心からの距離であり、図11の例で
は等間隔であるためすべて一定の値となっている)、前
記多極着磁磁石40の着磁ピッチをPとした場合、素子
間隔Dが着磁ピッチPの奇数倍に設定されている。つま
り、D=N・P(Nは、奇数であり1,3,5,…の値
をとる)の関係式で表される。上記実施形態ではN=1
である。N=3の場合の変形例が図12に示される。D
=N・Pの関係を満たすことにより、隣り合う磁気抵抗
効果素子に及ぼすバイアス磁界が大きさの絶対値が等価
で、かつ磁界方向が互いに逆方向となるように作用させ
ることが可能となる。なお、上記関係式は、4つの磁気
抵抗効果素子が、等間隔で配列されていない場合でも適
用される。
【0042】図11および図12に示されるように、隣
り合う磁気抵抗効果素子に及ぼすバイアス磁界が互いに
逆方向となるように4つの磁気抵抗効果素子と多極着磁
磁石40を適正に配置させ、4つの磁気抵抗効果素子を
ブリッジ接続した場合、4個の磁気抵抗効果素子の等価
回路は、図13に示されるような形態をとり、隣り合う
2素子に、絶対値が等価で、方向が反対のバイアス磁界
が印加される。そのため、1個の磁気抵抗効果素子が持
つのと同じ大きさの抵抗変化率が得られるだけでなく、
外部磁界に対する出力波形が直線的になる。ブリッジ接
続の場合、磁気抵抗効果素子の数は、4n(n:正の整
数、通常はn=1)個が一組となる。
【0043】ところで、すでに説明した基板5の裏側に
多極着磁磁石40を配置させる形態(図11,12)と
は異なり、磁気抵抗効果素子16,17,18,19の
上側に多極着磁磁石40(バイアス磁石)を配置させた
構造としてもよい。このような上側配置の場合におい
て、多極着磁磁石40として金属磁石などのように導電
性の高い磁石を用いる場合には、予め、磁気抵抗効果素
子の表面に絶縁体膜(ポリイミド樹脂、テフロン、Si
2 など)を形成しておき、この絶縁体膜の上に多極着
磁磁石40が配置される。この一方で、多極着磁磁石4
0として、フェライト磁石のように高抵抗の材料から構
成される磁石を用いる場合には、必ずしも絶縁体膜を介
在させる必要性はない。
【0044】多極着磁磁石40をバイアス磁石として使
うと、多極着磁磁石40が磁気抵抗効果素子16,1
7,18,19が配列された方向に移動しても、4個の
素子に印加される磁界が対称なため、1組を構成する4
個の素子16,17,18,19の形状が同一であれば
オフセット電圧は常に0となる。また、ブリッジ抵抗を
所望の値に設定するには、多極着磁磁石40を磁気抵抗
効果素子が配置された方向に少しずつ移動させるとよ
い。
【0045】この操作により、磁気抵抗効果素子に印加
される磁界の強弱が周期的に変化する特性を利用し、多
極着磁磁石40に面する一列(磁石の幅が広ければ数列
分)の磁気抵抗効果素子(磁界センサ)全てを、同時に
調整することが可能となるという極めて優れた効果が発
現する。さらに、量産を考える場合、磁気抵抗効果素子
が占める面積と多極着磁磁石40が占める面積とはほぼ
同一となるため、例えば、1枚のウエハーから、面積の
無駄なく小型の磁界センサを多量に得ることができる。
【0046】なお、多極着磁磁石40は、例えばウェハ
ーに固定される前に、予め多極着磁されていることが一
般的であるが、場合によっては、ウェハーに固定させた
後に、磁気抵抗効果素子の配置に合わせて多極着磁させ
ることも可能である。
【0047】また、ウエハーを複数の部分に分割してか
ら、多極着磁磁石を固定したり、あるいは着磁しても構
わない。特に、一列に磁界センサを配列した状態では、
細長いバー状態となり取扱が容易となるというメリット
がある。
【0048】また、さらに別に作製された磁石を基板と
なるウエハーに固定するばかりでなく、高保磁力を示す
強磁性体粉末を分散させたコンパウンドを、直接ウエハ
ー上で圧縮成形することでウエハーを一体化させること
も可能である。この場合、フェライト、NdFeB、S
mCo等の希土類磁性体、CoPt磁性体、NiCo磁
性体等の公知の磁性体粉末が使用可能である。
【0049】また、樹脂、溶剤を適宜選定することで、
流動性の高い磁性塗料とし、このものをスピンコーター
で塗布し磁石層をウエハー上に直接形成することも可能
である。この態様において、磁石層の導電性が高い場合
には、予め絶縁層を形成しておくことが望ましい。さら
に、ウエハー全面に成膜された磁石層をパターニングす
ることも可能である。例えば、磁性層上にネガレジスト
でパターンを形成し、磁石層を形成する樹脂は溶解でき
るが、ネガレジストは溶解できない有機溶媒、例えばア
セトン等の中に浸漬させて、不要部分の磁性層を溶解除
去させるようにする。溶解中は超音波を印加することが
好ましい。
【0050】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0051】(実施例1)厚さ50μm、3インチ径の
ポリイミドフィルムを基板として用いた。この基板をア
ルミ製の基板固定台に取り付けた後、当該基板の上に、
スパッタ装置にて、100Å−Ti(15Å−NiFe
Co/20Å−Cu)×20の多層GMR膜(磁気抵抗
効果素子)を成膜した。ここで膜構造は最初に100Å
のTi、次に15ÅのNiFeCo合金と20ÅのCu
を順に各々20層ずつ積層した全厚800Åの多層膜で
ある。
【0052】なお、密着性を向上させるために、GMR
膜を成膜する前に、アルゴンイオンにより基板表面のイ
オンミリングを行った。用いたターゲットはいずれも純
度99.9%以上のターゲット組成とし、到達圧力とし
て4×10-7Torrまで真空引きした後にアルゴンガ
スを導入し、成膜中の真空度は1.4×10-4Torr
とした。成膜時のアルゴンイオンの加速電圧は300
V、ビーム電流(アルゴンイオン量に比例)は30m
A、NiFeCoおよびCuの平均成膜速度は0.03
nm/secであった。
【0053】成膜後、フォトリソグラフィ手法によりマ
スクを通じて露光、現像して、磁気抵抗効果素子のパタ
ーンを形成した。パターン形状は、下記表1中に示され
るように上記実施例相当図に対応する種々のパターンの
ものを作製した。電極は、50μm角として作製した。
その後、イオンミリング法により、フォトレジストでマ
スクされていない不要部分の磁性膜を除去し、最終的な
感磁パターンとしての素子を形成した。その後、電極に
ワイヤーボンダーにてアルミニウム線を接合した。この
ようにして巨大磁気抵抗効果(GMR)素子を完成し、
多極に着磁されたフェライトからなるバイアス磁石をポ
リイミド基板の裏面に貼り付け(下記表1中に示される
ように上記実施例相当図に対応)して磁気センサ部を作
製した。磁気センサ部を磁気記録媒体からなる磁気スケ
ールに対向させ、評価項目であるギャップ特性を評価し
た。
【0054】磁気スケールを構成する磁気記録媒体はフ
ェライト磁石とした。図2と図4に相当する実施例で
は、磁気記録媒体の着磁ピッチを15mm、幅5mmと
した。また、図7に相当する実施例では内径15mm、
外径25mmの回転着磁体とした。
【0055】ギャップ特性の評価 評価時には電気的に直列に接続された2つの素子に5V
の電圧を印加し、2つの素子の接続点で交流出力が15
mV以上得られるギャップを検出可能範囲とした。そし
て、ギャップの検出可能範囲の幅を検出幅と定義した。
結果を下記表1に示した。
【0056】
【表1】
【0057】表1から明らかなように、本発明の位相検
出装置は、従来の構成や材料に比較して出力が高く、ギ
ャップ特性も良好であることがわかる。さらに、実施例
2の素子パターンを備えるものは検出感度が上がる分だ
け、素子を遠ざけることが可能となることもわかる。ち
なみに従来知られていると思われる構成(磁気スケール
部に磁気情報として着磁された方向に対し磁気抵抗効果
素子の折り返しパターンを45°傾けて配置し、バイア
ス磁界を磁気抵抗効果素子のパターンの長手方向に対し
て45°傾けた状態で印加するようになっている)で
は、最大出力17mV/V、ギャップ検出可能範囲1.
8〜4.8mm程度、検出幅3.0mm程度が限界であ
った。
【0058】
【発明の効果】上記の結果より本発明の効果は明らかで
ある。すなわち、本発明は、磁気情報としての着磁がさ
れた磁気スケール部と、この磁気スケール部に対して相
対的に移動し磁気スケール部からの磁気情報を検出する
ための磁気センサ部とを備えてなる磁気式位置検出装置
であって、前記磁気センサ部は、複数の巨大磁気抵抗効
果素子と、当該巨大磁気抵抗効果素子にバイアス磁界を
印加するバイアス磁石を備え、前記磁気スケール部に磁
気情報として着磁された方向は、磁気スケール部に対し
て磁気センサ部が相対的に移動する相対移動方向に対し
て、実質的に直交方向となっており、前記複数の巨大磁
気抵抗効果素子は、磁気スケール部に対して磁気センサ
部が相対的に移動する相対移動方向に対して、実質的に
直交方向となるように素子配列されており、しかも、実
質的に隣接する巨大磁気抵抗効果素子に、互いに異なる
方向のバイアス磁界が印加されるように、バイアス磁石
が構成され配置されているように構成されているので、
ギャップ特性が良好で、高い出力が得られる磁気式位置
検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気式位置検出装置の全体構成を模式
的にあらわす概略斜視図である。
【図2】図1の概略斜視図を上方から見た概略平面図で
ある。
【図3】図2のA−A断面矢視図である。
【図4】図2の変形例を示す概略平面図である。
【図5】図2および図4に示される磁界センサ部をそれ
ぞれ用いた場合のギャップと出力との関係を示すグラフ
である。
【図6】回転着磁体からなる磁気スケール部の全体構成
を模式的にあらわす概略斜視図である。
【図7】回転着磁体からなる磁気スケール部の上方に磁
気センサ部が設置された状態を上方から見た概略平面図
である。
【図8】図7のB−B矢視図である。
【図9】磁気センサ部の変形例を示す断面図である。
【図10】磁気センサ部の変形例を示す断面図である。
【図11】磁気センサ部の変形例を示す断面図である。
【図12】磁気センサ部の変形例を示す断面図である。
【図13】ブリッジ接続した磁気抵抗素子の等価回路を
説明するための図面である。
【符号の説明】
1,2…磁気式位置検出装置 5…基板 10,10’…磁気センサ部 11,12,13,14,16,17,18,19…巨
大磁気抵抗効果素子 21,25,26,27,28,29…バイアス磁石 40…多極着磁磁石(バイアス磁石) 50,60…磁気スケール部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅川 幸雄 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 2F063 AA02 AA35 CA04 DA01 DA04 DB04 DB07 DC08 DD03 DD06 GA52 GA72 GA80 LA27 2F077 JJ01 JJ03 JJ09 JJ23 UU11 VV33 2G017 AC09 AD55 AD63 AD65 BA09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気情報としての着磁がされた磁気スケ
    ール部と、この磁気スケール部に対して相対的に移動し
    磁気スケール部からの磁気情報を検出するための磁気セ
    ンサ部とを備えてなる磁気式位置検出装置であって、 前記磁気センサ部は、複数の巨大磁気抵抗効果素子と、
    当該巨大磁気抵抗効果素子にバイアス磁界を印加するバ
    イアス磁石を備え、 前記磁気スケール部に磁気情報として着磁された方向
    は、磁気スケール部に対して磁気センサ部が相対的に移
    動する相対移動方向に対して、実質的に直交方向となっ
    ており、 前記複数の巨大磁気抵抗効果素子は、磁気スケール部に
    対して磁気センサ部が相対的に移動する相対移動方向に
    対して、実質的に直交方向となるように素子配列されて
    おり、しかも、実質的に隣接する巨大磁気抵抗効果素子
    に、互いに異なる方向のバイアス磁界が印加されるよう
    に、バイアス磁石が構成され配置されていることを特徴
    とする磁気式位置検出装置。
  2. 【請求項2】 前記磁気スケール部は、長尺帯状形態を
    なし、この帯状長手方向に対して、実質的に直交方向に
    磁気情報としての着磁がされている請求項1に記載の磁
    気式位置検出装置。
  3. 【請求項3】 前記磁気スケール部は、ディスク形態を
    なし、このディスク形態の厚さ方向に磁気情報としての
    着磁がされており、当該着磁方向は、前記相対移動方向
    に対して、実質的に直交方向となっている請求項1に記
    載の磁気式位置検出装置。
  4. 【請求項4】 前記磁気センサ部は、4n(n:正の整
    数)個の巨大磁気抵抗効果素子を備え、これらの巨大磁
    気抵抗効果素子がブリッジ接続されてなる請求項1ない
    し請求項3のいずれかに記載の磁気式位置検出装置。
  5. 【請求項5】 前記磁気センサ部は、略同一位置に存在
    し、対をなす2本の巨大磁気抵抗効果素子により1組の
    素子群を構成し、隣接する素子群同士が実質的に隣接す
    る巨大磁気抵抗効果素子となり、これらの巨大磁気抵抗
    効果素子がブリッジ接続されてなる請求項4に記載の磁
    気式位置検出装置。
  6. 【請求項6】 前記バイアス磁石は、複数の磁石体から
    なり、実質的に隣接する巨大磁気抵抗効果素子に、互い
    に異なる方向のバイアス磁界が印加されるように、これ
    らが巨大磁気抵抗効果素子に対応して個々に配置される
    請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の磁気式位置
    検出装置。
  7. 【請求項7】 前記バイアス磁石は、多極着磁磁石であ
    り、実質的に隣接する巨大磁気抵抗効果素子に、互いに
    異なる方向のバイアス磁界が印加されるように、多極着
    磁磁石が配置される請求項1ないし請求項5のいずれか
    に記載の磁気式位置検出装置。
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