JP2015190880A - 位置検出装置 - Google Patents

位置検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015190880A
JP2015190880A JP2014068956A JP2014068956A JP2015190880A JP 2015190880 A JP2015190880 A JP 2015190880A JP 2014068956 A JP2014068956 A JP 2014068956A JP 2014068956 A JP2014068956 A JP 2014068956A JP 2015190880 A JP2015190880 A JP 2015190880A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic field
scale
bias
detection element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014068956A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6548357B2 (ja
Inventor
久須美 雅昭
Masaaki Kusumi
雅昭 久須美
武井 祐介
Yusuke Takei
祐介 武井
茂 石本
Shigeru Ishimoto
茂 石本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DMG Mori Co Ltd
Original Assignee
DMG Mori Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DMG Mori Seiki Co Ltd filed Critical DMG Mori Seiki Co Ltd
Priority to JP2014068956A priority Critical patent/JP6548357B2/ja
Priority to US14/640,752 priority patent/US9733317B2/en
Priority to EP18168432.5A priority patent/EP3385680B1/en
Priority to EP15158138.6A priority patent/EP2918978B1/en
Priority to CN201510104827.1A priority patent/CN104913792B/zh
Publication of JP2015190880A publication Critical patent/JP2015190880A/ja
Priority to US15/599,777 priority patent/US10024691B2/en
Priority to US15/600,058 priority patent/US10048093B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP6548357B2 publication Critical patent/JP6548357B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

【課題】TMR素子のような従来とは異なる特性を持つ素子を使用して、精度の高い位置検出を行う。【解決手段】磁気スケール11と、磁気スケール11に記録された信号を検出する磁気検出素子21と、磁気検出素子21に対してバイアス磁場を印加するバイアス磁場発生部31,32と、磁気検出素子が検出した記録信号に基づいて、スケールに対する位置を検出する位置検出部とを備える。磁気検出素子11は、バリア層を挟んだ第1及び第2の磁性層を有する素子によって構成される。バイアス磁場発生部31,32は、磁気検出素子11の第2の磁性層にバイアス磁場を印加し、磁気スケール11からの漏洩磁気がない状態で第2の磁性層の磁化方向を第1の磁性層の磁化方向とは異なる方向にする。【選択図】図2

Description

本発明は、磁気スケールとヘッドとの相対位置を検出する位置検出装置に関する。
従来、直線変位や回転変位等の精密な変位位置を検出する位置検出装置として、磁気スケールと検出ヘッドを備えた位置検出装置が知られている。この位置検出装置は、例えば搬送物の高精度な位置決め制御が必要とされる電子部品の実装装置や部品の寸法を検出(測定)する検出(測定)装置等に広く利用されている。
図10は、従来の磁気式の位置検出装置の原理構成を示す図である。この図10の位置検出装置は、直線変位を検出するものであり、磁気媒体で構成された磁気スケール1を備える。磁気スケール1は、S極とN極の磁化方向を一定の距離ごとに反転させている。このS極とN極が繰り返される1単位が磁気スケール1の記録信号の1波長となる。
そして、図10の位置検出装置においては、磁気スケール1の磁化方向が反転する長手方向(図中のx方向)に沿って移動する磁気ヘッド2が用意され、その磁気ヘッド2に2つの磁気センサ2a,2bが配置されている。それぞれの磁気センサ2a,2bは、近接した磁気スケール1に記録された磁化方向を検出するセンサであり、再生信号の1波長の1/4周期に相当する距離だけ配置位置がずれている。このため、一方の磁気センサ2aは、磁気スケール1の記録信号を正弦波形の信号(SIN信号)として検出し、他方の磁気センサ2bは、磁気スケール1の記録信号を余弦波形の信号(COS信号)として検出する。
ここで、磁気スケール1と磁気ヘッド2の相対位置をxとし、磁気センサ2aが出力するSIN信号sin(x)と、磁気センサ2bが出力するCOS信号cos(x)とから、相対位置xを算出する。なお、このSIN信号とCOS信号を用い、sin(x)/cos(x)の演算をしてtan(x)を求め、このtan(x)の値から、磁気スケール1と磁気ヘッド2の1波長内の相対位置xを求め(内挿処理)、1波長の長さよりも細かい分解能で位置xが算出される。算出された位置の情報は、位置情報の表示装置や制御装置に伝えられる。
特許文献1には、このような磁気式の位置検出装置の例についての記載がある。
特開2009−36637号公報
ところで、近年、トンネル磁気抵抗効果(TMR効果:tunnel Magneto-Resistance Effect)を利用したトンネル磁気接合素子(以下、「TMR素子」と称する。)が開発されている。このTMR素子は、ハードディスクなどの磁気記録分野での利用が進んでおり、例えばTMR素子を使用したハードディスクドライブ装置は、従来よりも大幅に記録密度が向上している。
磁気スケールを使用した位置検出装置においても、磁気ヘッドにTMR素子を適用することで、位置検出精度の向上が期待できる。
ところで、磁気スケールと磁気ヘッドとの相対位置を検出する場合には、磁気ヘッドで検出される信号の歪みや誤差を極力少なくすることが好ましい。すなわち、磁気スケールを使用した位置検出装置の場合、磁気ヘッドで検出される信号は、図10で説明したように正弦波形や余弦波形である。位置検出装置は、これらの検出波形の内挿処理で、正確な相対位置を検出するため、磁気ヘッドで検出される信号波形が歪むことは、極力避ける必要がある。
TMR素子は、従来から位置検出装置に使用されている検出素子とは異なった歪み特性を持つものであり、位置検出装置に適用する場合、新たな歪み除去手法が必要になっていた。例えば、TMR素子は、磁場による抵抗の変化率が大きい効果を有するが、TMR素子に加わる磁場による抵抗値の変化特性の線形性が確保できないと、磁気スケールからの正確な磁場の検出ができないという問題がある。
本発明の目的は、TMR素子のような従来とは異なる特性を持つ素子を使用して、精度の高い位置検出が可能な位置検出装置を提供することにある。
本発明の位置検出装置は、磁性媒体に磁気記録されたスケールと、スケールに記録された信号を検出する磁気検出素子と、磁気検出素子に対してバイアス磁場を印加するバイアス磁場発生部と、磁気検出素子が検出した記録信号に基づいて、スケールに対する位置を検出する位置検出部とを備える。
ここで、磁気検出素子は、バリア層を挟んだ第1及び第2の磁性層を有する素子によって構成される。第1の磁性層の磁化方向は、位置検出を行う方向と平行又は反平行に固定された方向である。第2の磁性層は、スケールからの漏洩磁気の内の位置検出を行う方向と平行又は反平行の方向の磁界の量に応じて磁化方向を変化させて、漏洩磁気を検出した位置に応じた信号を出力する。
バイアス磁場発生部は、磁気検出素子の第2の磁性層にバイアス磁場を印加し、スケールからの漏洩磁気がない状態で第2の磁性層の磁化方向を第1の磁性層の磁化方向とは異なる方向とするものである。
本発明によると、磁気検出素子がスケールからの漏洩磁気を検出する際に、適切なバイアス磁場が印加されているため、磁気検出素子をスケールに記録された信号の変換効率や変換線形性の良い検出素子とする事が出来、結果的に高精度な位置検出が可能となる。
本発明の一実施の形態による位置検出装置を含む機構全体構成の例を示す構成図である。 本発明の一実施の形態による磁気スケールに対する磁気検出素子の配置例を示す原理図である。 本発明の一実施の形態による磁気検出素子の構成例を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態による磁気検出素子がスケール磁場により磁化方向が変わる様子を示す説明図である。 本発明の一実施の形態による磁気検出素子の抵抗値の変化例を示す説明図である。 バイアス磁場の大きさにより検出状態が変化する例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態によるバイアス磁場とスケール磁場との関係の例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態による適正なバイアス磁場の例(A)と直交するバイアス磁場の例(B)を示す説明図である。 バイアス磁場の向きにより磁気検出素子が検出する特性の変化例を示す説明図である。 従来の磁気スケールと磁気検出素子との配置例を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施の形態の例(以下、「本例」と称する。)を、図1〜図9を参照して説明する。
[1.位置検出装置の構成例]
図1は、本例の位置検出装置を駆動機構に組み込んだ際の、位置検出装置を含む機構全体構成の例を示す図である。
図1に示す装置100は、工作機械に適用した例である。すなわち、装置100は、固定部101の上に移動自在に配置された移動台102とを備えた工作機械における、固定部101上の移動台102の移動距離を検出するものである。
移動台102には被工作物103が固定され、加工具105により被工作物103の加工が行われる。移動台102は、駆動部106による駆動で位置が変化する。
移動台102には、磁気スケール11が配置される。磁気スケール11は、一定の距離ごとにN極とS極に交互に着磁させて信号を記録した磁性媒体を、金属板の表面に貼り付けた構成である。この磁気スケール10は、装置100で移動を検出する最大の距離以上の長さに形成されている。
また、固定部101側には検出部20が配置され、この検出部20が磁気スケール11と近接している。そして、検出部20内の検出素子(図2に示す磁気検出素子21)が、磁気スケール11に記録された信号を検出する。ここでは、検出部20が複数の検出素子を備えて、それぞれの検出素子で、正弦波形SINと磁気スケール1の記録信号を正弦波形の信号(SIN信号)及び余弦波形の信号(COS信号)が検出される。
検出部20が検出したSIN信号とCOS信号は、位置検出部104に供給され、位置検出部104で、演算処理でこれらSIN信号とCOS信号から、磁気スケール11と検出部20との相対位置が算出される。位置検出部104が算出した位置情報は、制御部107に供給される。制御部107は、目標位置入力部108から入力した目標位置情報と、位置検出部104から供給された位置情報との差分を算出し、その差分だけ移動台102を移動させる駆動信号を生成する。そして、制御部107が生成した駆動信号が駆動部106に供給される。駆動部106は、供給された駆動信号で示された移動量だけ移動台102を移動させる。
[2.磁気検出素子構成とバイアス磁場印加部の配置例]
次に、図2及び図3を参照して、検出部20が備える磁気検出素子構成とバイアス磁場印加部の配置例について説明する。
磁気スケール11からの信号を検出する検出部20は、図2に示すように、磁気検出素子21を備える。磁気検出素子21は、磁気スケール11の表面に近接した状態に配置される。なお、図2は磁気スケール11と磁気検出素子21との位置関係を示す模式図であり、実際の磁気検出素子21は、この図2に示す形状のものより小さいサイズとしてもよい。また、図2では、1個の磁気検出素子21だけを示すが、実際にはSIN信号とCOS信号のそれぞれを検出するために、複数個の磁気検出素子21を配置する。
磁気スケール11には、N極着磁部11NとS極着磁部11Sとが、一定の距離ごとに交互に形成されている。ここでは、磁気スケール11には、200μm間隔でN極着磁部11NとS極着磁部11Sとが形成されている。磁気検出素子21が検出する信号としては、N極とS極が変化する1つの周期が1波長になる。すなわち、N極着磁部11Nによる磁界方向HNとS極着磁部11Sによる磁界方向NSとが200μmごとに反転し、1波長の長さが400μmになる。
本例の場合、磁気検出素子21としては、トンネル磁気抵抗効果を利用したTMR素子が利用される。
図3は、TMR素子である磁気検出素子21の構成例を示す図である。
図3に示すように、磁気検出素子21は、固定層21aとバリア層21bとフリー層21cの3層を有する構造になっている。なお、磁気検出素子21は、これらの層の他、信号の引き出しの為の配線層、保護層等各種の層構造が有るがここでは省略した。
固定層21aは、磁化方向が固定された層である。ここでは、図2に示すように固定層21aの磁化方向H1は、N極着磁部11Nによる磁界方向HNと同じ方向になっている。
フリー層21cは、磁気スケール11から漏洩する磁気により磁化方向が変化する層である。これら固定層21aとフリー層21cは強磁性層であり、バリア層21bは絶縁層である。磁気検出素子21は、固定層21aとフリー層21cの磁化方向が同じとき、素子21全体の抵抗値が小さくなり、固定層21aとフリー層21cの磁化方向が逆のとき、素子21全体の抵抗値が大きくなる。TMR素子の場合、この磁化方向の変化による抵抗値の変化が非常に大きい特徴がある。磁気検出素子21の抵抗値が変化する状態の詳細は後述する。
そして本例においては、図2に示すように、磁気検出素子21の近傍に、バイアス磁場発生部31,32が配置される。2つのバイアス磁場発生部31,32は、磁気スケール11の長手方向とほぼ直交する方向に隣接し、2つのバイアス磁場発生部31,32で磁気検出素子21のフリー層21cを挟むように配置される。2つのバイアス磁場発生部31,32により発生するバイアス磁界は、固定層21aの磁化方向H1とほぼ直交する方向H2とする。磁気スケール11からの漏洩する外部磁界がない状態のとき、磁気検出素子21のフリー層21cの磁化方向は、このバイアス磁界の方向H2になる。
なお、バイアス磁界の方向H2を発生させる2つのバイアス磁場発生部31,32は、磁化方向H1と直交する方向から若干シフトした方向に配置することが好ましいが、この点については後述する。また、上述したように磁気検出素子21は複数個配置されるが、バイアス磁場発生部31,32は、全ての磁気検出素子21に個々に配置し、それぞれが個々の磁気検出素子21にバイアス磁界を印加するような配置とする。
[3.磁気検出素子がスケール磁場を検出する原理]
次に、磁気検出素子21が磁気スケール11の磁場を検出する原理について説明する。
図4は、固定層21aの磁化方向H1と、バイアス磁界によるフリー層21cの磁化方向H2と、磁気スケール11の磁界方向HN,HSの関係を示す図である。
図4に示すように、固定層21aの磁化方向H1は、磁気スケール11のN極着磁部11Nの磁界方向HNと同じ方向であり、S極着磁部11Sの磁界方向HSと180°反対の方向である。
そして、磁気スケール11の磁界が影響ない状態での、バイアス磁界によるフリー層21cの磁化方向H2は、固定層21aの磁化方向H1と直交する方向である。
ここで、磁気検出素子21が磁気スケール11の信号を検出する際には、バイアス磁界によるフリー層21cの磁化方向H2と、磁気スケール11の磁界方向HN,HSとを合成した磁化方向H2N,H2Sが、フリー層21cの磁化方向になる。
すなわち、磁気検出素子21が磁気スケール11のN極着磁部11Nの上に位置するときは、フリー層21cの磁化方向H2と、N極着磁部11Nの磁化方向HNとを合成した磁化方向H2Nが、フリー層21cの磁化方向になる。また、磁気検出素子21が磁気スケール11のS極着磁部11Sの上に位置するときは、フリー層21cの磁化方向H2と、S極着磁部11Sの磁化方向HSとを合成した磁化方向H2Sが、フリー層21cの磁化方向になる。
したがって、磁気検出素子21の出力信号としては、N極着磁部11Nの上に磁気検出素子21が位置したときに検出される磁化方向H2Nと、S極着磁部11Sの上に磁気検出素子21が位置したときに検出される磁化方向H2Sとがなす角度θが大きいことが好ましい。
図5は、磁気検出素子21内の各層の磁化方向と、抵抗値との関係を示す図である。
図5Aは、固定層21aの磁化方向とフリー層21cの磁化方向とが同じ方向であるときを示し、図5Bは、固定層21aの磁化方向とフリー層21cの磁化方向とが逆向きあるときを示す。この図5A,Bに示す磁気検出素子21は、図2に示す磁気検出素子21とは上下が逆である。
図5Cに示すグラフは、フリー層21cの磁化方向の変化による抵抗値の変化を示す。フリー層21cの磁化方向が0°のときが、図5Aに示す状態であり、フリー層21cの磁化方向が180°のときが、図5Bに示す状態である。
図5Cから判るように、フリー層21cの磁化方向が0°のとき、磁気検出素子21の抵抗値が最低になり、フリー層21cの磁化方向が180°のとき、磁気検出素子21の抵抗値が最大になる。そして、図5Cに示す特性の曲線から判るように、フリー層21cの磁化方向が0°から180°の間であるとき、それぞれの角度に応じた抵抗値が得られる。
ここで、図2に示したバイアス磁場発生部31,32を設けて、図5Cに示すように、バイアス磁場ありの0磁場位置Xが、スピン方向が0°から180°のほぼ中間で、磁気スケール11の磁場がない状態(=無磁場)での磁化方向とほぼ直交する方向となるように設定する。
このようにバイアス磁場を発生させることで、TMR素子よりなる磁気検出素子21が、線形性のよいところで検出動作を行うようになる。
[4.バイアス磁場が与える影響]
次に、バイアス磁場が与える影響について説明する。
図4に示すように、バイアス磁場を磁気スケール11の磁界方向と幾何学的に直角方向とした場合に、そのバイアス磁場の強さによっては、磁気検出素子21のフリー層21cの磁化方向が、バイアス磁場と直角になるまで回転できない場合がある。バイアス磁場を大きくすれば、そのバイアス磁場によりフリー層21cの磁化方を確実に回転させることができるが、その場合には、スケール磁場に対してバイアス磁場の量が大きくなるため、同一のスケール磁場に対して磁化方向を変動させる角度が減少する。
図6はバイアス磁場が弱い場合とバイアス磁場が強い場合とを比較した図である。
図6Aは、バイアス磁場H2−1が弱い場合の例である。このようにバイアス磁場H2−1が弱い場合には、磁気スケール11のN極着磁部11Nの磁化方向HNとバイアス磁場H2−1とを合成した磁化方向が検出される状態と、磁気スケール11のS極着磁部11Sの磁化方向HSとバイアス磁場H2−1とを合成した磁化方向が検出される状態のいずれかになる。したがって、磁気検出素子21で検出される磁化方向の変化範囲は、角度θとなる。
図6Bは、バイアス磁場H2−2が強い場合の例である。このようにバイアス磁場H2−2が強い場合でも、N極着磁部11Nの磁化方向HNとバイアス磁場H2−2とを合成した磁化方向が検出される状態と、磁気スケール11のS極着磁部11Sの磁化方向HSとバイアス磁場H2−2とを合成した磁化方向が検出される状態のいずれかである点は、図6Aに示す状態と同じである。しかしながら、この図6Bに示す例の場合に磁気検出素子21で検出される磁化方向の変化範囲は、角度θとなる。このバイアス磁場H2−2が強い場合の角度範囲θは、バイアス磁場H2−2が弱い場合の角度範囲θよりも狭くなってしまう。
このようにバイアス磁場H2−2が強い場合の角度範囲θが狭いということは、磁気スケール11の磁場の変化による抵抗変化量が減少し、磁気検出素子21の出力信号の振幅が減少することになり、検出精度を確保する上で好ましくない。
ところで、ここまで説明したバイアス磁界の強弱とは別の問題として、磁気検出素子21の抵抗変化が、プラス方向とマイナス方向とで完全には対称的な特性でないという問題がある。すなわち、磁気検出素子21の抵抗変化の中心は、必ずしも図6に示す角度範囲θ,θの中央になるとは限らない。さらに、上述したようにバイアス磁界を強くしたとき、磁気検出素子21の出力信号の振幅が減少するという問題があり、これらを両立して解決するために、本例においては、バイアス磁界を適度な強さとした上で、バイアス磁場を加える方向を、磁気スケール11の長手方向に対して幾何学的な直角方向から若干シフトした方向にする。
すなわち、磁気スケール11からの磁場がない状態で、磁気検出素子21の抵抗値が、ほぼ最大の抵抗値と最小の抵抗値の中間点になるように、バイアス磁場の方向を変えて設定する。
図7は、この抵抗値が中間点になる状態を説明する図である。図7Aは、バイアス磁場発生部31,32からのバイアス磁場だけがフリー層21cに加わった状態を示す。この図7Aのときのバイアス磁場の方向は、最大の抵抗値と最小の抵抗値の中間値R0となる方向とする。
図7B及びCは、このバイアス磁場が加わった状態で、磁気スケール11からの一方又は他方の磁場が検出された状態を示す。図7Bに示す状態では、磁気検出素子21の固定層21aの磁化方向とフリー層21cの磁化方向は同じであり、図7Cに示す状態では、磁気検出素子21の固定層21aの磁化方向とフリー層21cの磁化方向は180°異なる方向である。
磁気検出素子21は、図7Bに示す状態のとき最小の抵抗値R1となり、図7Cに示す状態のとき最大の抵抗値R2となる。
図7Dは、磁気検出素子21の最小の抵抗値R1と最大の抵抗値R2と中間値R0の関係を示す図である。このように、バイアス磁場だけがフリー層21cに加わった状態での磁気検出素子21の抵抗値R0が、最小値R1と最大値R2の中間になるようにしたことで、磁気検出素子21の特性が、磁気スケール11の交番磁界に対して対称な特性になる。
図8は、バイアス磁場発生部31,32が磁気検出素子21に与えるバイアス磁場の例を示す図である。
図8Aは、磁気検出素子21の固定層21aの磁化方向と直交する方向から、角度θだけシフトした角度で、バイアス磁場発生部31,32がバイアス磁場を加えた場合を示す。この状態が、上述した図7Dに示す磁気検出素子21の中間の抵抗値R0のときである。角度θは、磁気検出素子21の配置状態などにより異なるが、例えば10°程度の値である。
バイアス磁場発生部31,32の配置状態として、この図8Aに示す状態に設定することで、磁気検出素子21に加わる磁気量と、磁気検出素子21で検出される抵抗値とが、一定の関係で正確に一致するようになる。したがって、信号歪みの少ない検出が可能で、位置検出装置として検出される位置情報の高精度に貢献する。
図8Bは、バイアス磁場発生部31,32が磁気検出素子21に与えるバイアス磁場が、磁気スケール11の交番磁界と直交方向である例を参考に示したものである。この図8Bの場合には、中間の抵抗値R0からずれた抵抗値が検出されてしまい、好ましくない。
図9は、図8Aに示すようにバイアス磁場発生部31,32を直交位置から角度θaだけシフトして配置した場合の抵抗値の変化特性Hと、図8Bに示すようにバイアス磁場発生部31,32を直交位置に配置した場合の抵抗値の変化特性Hとを示す。
図9の横軸は、磁気スケール11の交番磁界の強さ(Oe)を示し、縦軸は抵抗値を示す。なお、抵抗値はHで外部磁場がゼロの時の抵抗値を100とした相対値である。
この図9から判るように、バイアス磁場発生部31,32を直交位置から角度θaだけシフトして配置した場合の特性Hは、磁気スケール11の交番磁界の磁場0[Oe]のときが、抵抗値変化の中心になる。すなわち、磁気検出素子21の抵抗変化特性カーブが、外部磁場が0の時の抵抗値を中心にほぼ180°対称になる。
一方、バイアス磁場発生部31,32を直交位置に配置した場合の特性Hは、磁気スケール11の交番磁界の磁場0[Oe]のときが、抵抗値変化の中心からずれた状態になる。
このように本例の位置検出装置によると、磁気検出素子21の抵抗変化特性が、バイアス磁界を加えた位置を中心として対称的な特性を示すようになり、結果的に磁気スケール11の交番磁界に対して対称に変化する特性が得られる。このことは、磁気検出素子21が、この素子に加わる磁気量を抵抗値に変換する際に、その変換特性の質がよい状態で抵抗値を変換することになる。このため、本例の位置検出装置は、信号歪みの少ない状態で、位置検出を行うことになり、位置検出の高精度化に貢献する。
なお、ここまで説明したようにバイアス磁界の印加方向として、磁気スケール11の交番磁界に対して直交する方向から若干シフトした位置にすることが最も望ましいが、図8Bに示すように磁気スケール11の交番磁界に対して直交した方向にバイアス磁界を印加した場合でも、それなりに特性の改善効果がある。すなわち、図7Dで説明した様に、バイアス磁界を加えて動作点を移動させる事で、磁界に対する感度(=変化率)の高い領域を使って抵抗変化させる事が出来るので信号が大きくS/N比の良い、高精度な信号処理に適した信号を得る事が出来る。
[5.変形例]
なお、上述した実施の形態例で説明した角度や1波長などの各値は、好適な一例を示したものであり、本発明は、これらの数値に限定されるものではない。
また、上述した実施の形態例では、磁気検出素子として、トンネル磁気抵抗効果を利用したTMR素子を使用したが、バイアス磁界を加えることで特性が良好になる素子であれば、その他の構成の素子を使用してもよい。
また、図2に示すように、磁気検出素子21を挟むように2つのバイアス磁場発生部31,32を配置する構成についても、好適な例を示すものであり、本発明は、このような配置位置に限定されるものではない。
また、上述した実施の形態例では、スケールが直線状の位置検出装置に適用した例を説明した。これに対して、磁気スケールを円形に配置することで、スケールとヘッドとの相対回転角度を検出する位置検出装置に本発明を適用してもよい。スケールが直線状の位置検出装の例として示した図1の構成についても、一例であり、本発明は、その他の各種機器用の位置検出装置に適用してもよい。
11…磁気スケール、20…検出部、21…検出素子、21a…固定層、21b…バリア層、21c…フリー層、31,32…バイアス磁場発生部、100…装置、101…固定部、102…移動台、103…被工作物、104…位置検出部、105…加工具、106…駆動部、107…制御部、108…目標位置入力部

Claims (4)

  1. 磁性媒体に磁気記録されたスケールと、
    バリア層を挟んだ第1及び第2の磁性層を有する素子によって構成され、前記第1の磁性層の磁化方向は、位置検出を行う方向と平行又は反平行に固定された状態とし、前記第2の磁性層は、前記スケールからの漏洩磁気の内の位置検出を行う方向と平行又は反平行の方向の磁界の量に応じて磁化方向を変化させることで抵抗値を変化させて、前記漏洩磁気を検出した位置に応じた記録信号を出力する磁気検出素子と、
    前記第2の磁性層にバイアス磁場を印加し、スケールからの漏洩磁気がない状態で前記第2の磁性層の磁化方向を前記第1の磁性層の前記磁化方向とは異なる方向とするバイアス磁場発生部と、
    前記記録信号に基づいて、前記スケールに対する位置を検出する位置検出部と、を備える
    位置検出装置。
  2. 前記バイアス磁場発生部は、前記第1の磁性層の前記磁化方向に対して直交方向、又は前記直交方向から所定の角度を有する方向に前記バイアス磁場を印加する
    請求項1に記載の位置検出装置。
  3. 前記直交方向から所定の角度を有する方向に前記バイアス磁場を印加することで、磁気検出素子の抵抗変化特性カーブが、外部磁場が0の時の抵抗値を中心にほぼ180°対称になるようにした
    請求項2に記載の位置検出装置。
  4. 前記バイアス磁場発生部は、個々の磁気検出素子を挟んだ位置から、前記磁気検出素子毎に前記バイアス磁場を印加する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の位置検出装置。
JP2014068956A 2014-03-10 2014-03-28 位置検出装置 Active JP6548357B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014068956A JP6548357B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 位置検出装置
US14/640,752 US9733317B2 (en) 2014-03-10 2015-03-06 Position detecting device
EP15158138.6A EP2918978B1 (en) 2014-03-10 2015-03-09 Position detecting device
EP18168432.5A EP3385680B1 (en) 2014-03-10 2015-03-09 Position detecting device
CN201510104827.1A CN104913792B (zh) 2014-03-10 2015-03-10 位置检测装置
US15/599,777 US10024691B2 (en) 2014-03-10 2017-05-19 Position detecting device
US15/600,058 US10048093B2 (en) 2014-03-10 2017-05-19 Position detecting device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014068956A JP6548357B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 位置検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015190880A true JP2015190880A (ja) 2015-11-02
JP6548357B2 JP6548357B2 (ja) 2019-07-24

Family

ID=54425475

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014068956A Active JP6548357B2 (ja) 2014-03-10 2014-03-28 位置検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6548357B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019082445A (ja) * 2017-10-31 2019-05-30 Tdk株式会社 磁気センサおよび位置検出装置
US10627255B2 (en) 2017-03-24 2020-04-21 Tdk Corporation Position detection device

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0862233A (ja) * 1994-08-23 1996-03-08 Nissan Motor Co Ltd Mr素子式回転センサ
JP2000193407A (ja) * 1998-12-25 2000-07-14 Tdk Corp 磁気式位置検出装置
JP2003215145A (ja) * 2002-01-23 2003-07-30 Denso Corp 回転数検出装置
JP2007220945A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Toshiba Corp 磁気抵抗効果素子,磁気ヘッド,磁気再生装置,および磁気抵抗素子の製造方法
JP2008151759A (ja) * 2006-12-20 2008-07-03 Alps Electric Co Ltd 磁気センサ及びそれを用いた磁気エンコーダ
JP2010060399A (ja) * 2008-09-03 2010-03-18 Alps Electric Co Ltd 回転検出装置
JP2012073241A (ja) * 2010-08-31 2012-04-12 Hitachi Metals Ltd エンコーダ
WO2013029510A1 (zh) * 2011-08-30 2013-03-07 江苏多维科技有限公司 三轴磁场传感器
JP2013535674A (ja) * 2010-07-30 2013-09-12 コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ 磁気抵抗に基づき電圧又は電流を測定する集積化センサ
JP2014507001A (ja) * 2011-03-03 2014-03-20 ジャンス マルチディメンショナル テクノロジー シーオー., エルティーディー 単一パッケージ磁気抵抗角度センサ

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0862233A (ja) * 1994-08-23 1996-03-08 Nissan Motor Co Ltd Mr素子式回転センサ
JP2000193407A (ja) * 1998-12-25 2000-07-14 Tdk Corp 磁気式位置検出装置
JP2003215145A (ja) * 2002-01-23 2003-07-30 Denso Corp 回転数検出装置
JP2007220945A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Toshiba Corp 磁気抵抗効果素子,磁気ヘッド,磁気再生装置,および磁気抵抗素子の製造方法
JP2008151759A (ja) * 2006-12-20 2008-07-03 Alps Electric Co Ltd 磁気センサ及びそれを用いた磁気エンコーダ
JP2010060399A (ja) * 2008-09-03 2010-03-18 Alps Electric Co Ltd 回転検出装置
JP2013535674A (ja) * 2010-07-30 2013-09-12 コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ 磁気抵抗に基づき電圧又は電流を測定する集積化センサ
JP2012073241A (ja) * 2010-08-31 2012-04-12 Hitachi Metals Ltd エンコーダ
JP2014507001A (ja) * 2011-03-03 2014-03-20 ジャンス マルチディメンショナル テクノロジー シーオー., エルティーディー 単一パッケージ磁気抵抗角度センサ
WO2013029510A1 (zh) * 2011-08-30 2013-03-07 江苏多维科技有限公司 三轴磁场传感器

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10627255B2 (en) 2017-03-24 2020-04-21 Tdk Corporation Position detection device
JP2019082445A (ja) * 2017-10-31 2019-05-30 Tdk株式会社 磁気センサおよび位置検出装置
US10712178B2 (en) 2017-10-31 2020-07-14 Tdk Corporation Position detection device for detecting position of an object moving in a predetermined direction, and a magnetic sensor for use with the position detection device
US11204263B2 (en) 2017-10-31 2021-12-21 Tdk Corporation Position detection device for detecting position of an object moving in a predetermined direction, and a magnetic sensor for use with the position detection device

Also Published As

Publication number Publication date
JP6548357B2 (ja) 2019-07-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6472175B2 (ja) 位置検出装置
JP6043721B2 (ja) 改良型位置センサ
EP3385680B1 (en) Position detecting device
US20170356764A1 (en) Dual z-axis magnetoresistive angle sensor
US7965074B2 (en) Position sensor and bias magnetic field generating device
CN109254252A (zh) 具有磁场屏蔽结构的磁场传感器及结合磁场传感器的系统
CN101629802A (zh) 角度检测装置和角度检测方法
CN107883864B (zh) 角度传感器以及角度传感器系统
US10978229B2 (en) Magnet arrangement for position sensor device and corresponding position sensor device
JP5187538B2 (ja) 磁気センサ
US20160123772A1 (en) Magnetic position detecting apparatus
JP5989257B2 (ja) 磁気検出装置
JP6548357B2 (ja) 位置検出装置
JP2014077752A (ja) 変位検出装置
WO2018199067A1 (ja) 磁気センサー
JP2011257432A (ja) 位置検出装置及び直線駆動装置
JP6382547B2 (ja) 位置検出装置
JP2009133751A (ja) 移動体検出装置
JP4900838B2 (ja) 位置検出装置及び直線駆動装置
JP6370580B2 (ja) 位置検出装置
JP2015049046A (ja) 角度検出装置
JPWO2018199068A1 (ja) 磁気センサー
JP2009300143A (ja) 磁気式位置検出装置
JP5455761B2 (ja) 磁気式回転角検出器
US20240068846A1 (en) Magnetic sensor, magnetic encoder, and manufacturing method for magnetic sensor

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180809

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190411

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20190418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190625

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190625

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6548357

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250