JP2010060399A - 回転検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁気抵抗効果素子を使用して、車輪を支持する回転体の回転数を検出するとともに回転体の傾きを検出できる回転検出装置を得る。
【解決手段】 自動車のタイヤを支持する回転体にリング状の磁石を装備し、この磁石のアキシャル方向に対向する磁気抵抗効果素子を設ける。磁気抵抗効果素子は、磁石からの漏れ磁束で自由磁性層の磁化が飽和しないように使用する。回転体および磁石が回転するときに、磁気抵抗効果素子で検出された交流波形から得られる矩形波によって回転体の回転数を検出できる。さらに交流波形Sのピーク値P1,P3,P5,・・・P95を前回の同じ番のピーク値と比較することで、磁石と磁気抵抗効果素子の距離の変動、すなわち回転体の傾きを検出できる。
【選択図】図9

Description

本発明は、例えば自動車のタイヤを支持する回転体の回転状態を磁気検知素子を用いて検出する回転検出装置に係り、特に、回転体の傾きを前記磁気検知素子を使用して高精度に検出できる回転検出装置に関する。
自動車にはECU(Electronic Control Unit)が装備され、このECUによりアンチロックブレーキシステム(ABS)やエレクトロニックスタビリティコントロール(ESC)が制御される。この制御は、車輪と路面の接触状態や車両の姿勢などの情報を得て、エンジンの回転数やギヤの減速比またはブレーキが制御されるが、この制御のための情報として、タイヤの回転状態を検出することが必要である。
一般的には、自動車のタイヤが固定されている支持ホイールに磁石が設けられ、車体側の固定部に前記磁石に対向するホール素子などの磁気検知素子が設けられている。支持ホイールと共に回転する磁石の回転状態を前記磁気検知素子で検知し、その検出信号をECUに送ることにより、ECUでタイヤの回転状態を認識できるようにしている。
自動車の前記支持ホイールは転がり軸受を介して主軸に回転自在に支持されているが、転がり軸受を用いた支持部では、軸受のインナーとアウターとの間に相対的に微小な動きが生じるために、車体に横方向への加重が作用すると、支持ホイールの回転中心線が主軸の軸心に対して傾く。この支持ホイールの回転中心線の傾きをセンサで検出できれば、前記ECUにおいて、カーブ走行時に車体に作用する横方向の加速度の情報を得ることができ、さらに安全走行のための細かな速度制御やブレーキ制御が可能になる。
以下の特許文献1には、タイヤを支持している支持ホイールの回転数と、転がり軸受の微小な動きに起因する支持ホイールの傾きとを、同じホール素子を用いて検出する検出装置が開示されている。
特許文献1に記載された検出装置は、支持ホイールにラジアル磁石が搭載されている。ラジアル磁石は、外周面の着磁面に、円周方向に向けてN極とS極が交互に着磁されており、この着磁面にラジアル方向からホール素子が対向している。前記着磁面では、N極とS極の境界部が、回転方向に対して斜めの向きとなるようにV字形状に形成されている。支持ホイールの回転中心線が傾くと、着磁面とホール素子との対向箇所が軸方向へ位置ずれし、その結果、ホール素子から出力される交流波形の位相がずれる。この位相のずれを認識して、支持ホイールの傾き量を検出するというものである。
特開2006−337356号公報
しかし、特許文献1に記載された検出装置は、ラジアル磁石の着磁面で、N極とS極との境界部をV字形状としているが、実際に磁石にこのような着磁を行うのは技術的に難しい。
また、特許文献1に記載の検出装置は、交流波形の位相差を検知するものであるが、この位相差は、複数サイクルの交流波形を検出して各サイクルの波形を比較してからでないとその結果を知ることができない。そのため、リアルタイムで支持ホイールの傾きを検知することはできず、きめ細かな回転制御は難しい。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、簡単な構造で、回転体の傾き状態を高精度に検知することができる回転検出装置を提供することを目的としている。
また、本発明は、回転時の回転体の傾き情報をリアルタイムで得ることができる回転検出装置を提供することを目的としている。
本発明は、回転方向に向けてN極とS極が交互に着磁された着磁面を有する回転体と、前記着磁面に対向する磁気検知素子とを有する回転検出装置において、
前記回転体が回転したときに、前記着磁面からの漏れ磁束の向きの変化を前記磁気検知素子で検知して交流波形を出力する検出部と、前記交流波形のピーク値を検出するピーク検出回路と、異なる時刻に得られた前記交流波形のピーク値どうしを比較する比較部と、前記比較部での比較結果により、前記着磁面と前記磁気検知素子との距離の変動を認識する制御部と、を有することを特徴とするものである。
本発明の回転検出装置は、回転体が回転する際に得られる交流波形のピーク値を検出し、異なる時刻に得られたピーク値を比較しているため、回転体の回転中心線の傾きを高精度に検出できる。また、着磁面は、回転方向に向けてN極とS極が交互に配置されている単純な磁石で構成できる。
本発明は、さらに前記交流波形を波形整形する波形整形部を有し、前記制御部で、波形整形後の矩形波のピッチの変化を認識して前記回転体の回転数の変化を認識することもできる。
上記構成では、同じ磁気検知素子を使用して、回転体の回転数の変化と、回転体の回転中心線の傾きの変化の双方の情報を得ることができる。
例えば、本発明は、前記磁気検知素子は、固定磁性層と自由磁性層を有する磁気抵抗効果素子であり、前記検出部は、固定磁性層の固定磁化の向きと、前記着磁面からの漏れ磁束の向きに応じて変化する自由磁性層の磁化の向きとの関係で変化する抵抗値を検出するものであり、前記着磁面と前記磁気抵抗効果素子との距離が最短のときに、前記着磁面からの漏れ磁束によって、前記自由磁性層の磁化が飽和しないように構成することが好ましい。
固定磁性層と自由磁性層との磁化の向きの関係で抵抗値が変化する巨大磁気抵抗効果素子を用いた検出部は、得られる交流波形の出力幅が大きいため、この磁気抵抗効果素子を、自由磁性層の磁化が飽和しない範囲で使用すれば、着磁面と磁気抵抗効果素子との距離の変化に対応する交流波形のピーク値の変動を、少ないノイズで高精度に検知することが可能である。ただし、本発明の磁気検知素子は、AMR素子やホール素子を使用することも可能である。ただし、出力幅の大きい前記巨大磁気抵抗効果素子またはトンネル効果素子を使用することが最も好ましい。
例えば、本発明は、前記回転体は、主軸に対して転がり軸受を介して回転自在に支持されているものであり、前記制御部は、前記着磁面と前記磁気検知素子との距離の変動を認識することで、回転体の回転中心線と主軸の軸心との傾きを検出することが可能であり、例えば、前記回転体は、自動車のタイヤを支持するものである。
本発明は、前記回転体が1回転する間に、前記ピーク検出回路で得られるピーク値が1番からNx番までのNxの数であり、前記比較部で、同じ番のピーク値どうしを比較し、その差が所定幅以上であるときに、前記制御部にピーク値の差を通知するものが好ましい。
1番からNx番までのピーク値のうちの同じ番のピーク値を回転毎に比較することで、1回転の中での回転体の回転中心線の傾きの情報を得ることができ、きめ細かなフィードバック制御が可能になる。
なお、本発明は、必ずしも同じ番のピーク値を比較するものに限定されるものではなく、どのタイミングでピーク値を比較してもよい。異なる時刻に得られたピーク値を比較することで、回転体の回転中における回転中心線の傾き状態の情報を得ることができる。また、1回転で得られる交流波形の全ての波形のピーク値を得るものに限られず、例えば、1波形おきや2波形おきにピーク値を得るものであってもよい。
本発明は、現在のピーク値と、前回の回転における同じ番のピーク値の差とが所定幅以下のときに、メモリに保持されているピーク値を更新することが好ましい。
ピーク値の変化が所定幅以下のときは、保持されているピーク値を毎回更新することで、常に最新の情報を得ながら回転体の傾き情報を検出することが可能になる。
本発明は、簡単な構造で、回転体の回転中心線の傾き状態を高精度に検知できる。また磁石は、回転方向に向けてN極とS極とが交互に着磁された単純な構造のものでよいため低コストで構成できる。
また、1回転中での回転体の傾きの変化の情報を得て、きめ細かなフィードバック制御を行うことも可能である。
図1は本発明の回転検出装置を使用した自動車の車輪支持部の構造を簡略化して示す説明図である。図2は回転検出装置を示すものであり、(A)は着磁面と磁気抵抗効果素子の対向状態を示すもので図1の一部を拡大して示す正面図、(B)は着磁面と磁気抵抗効果素子との対向状態をアキシャル方向から見た側面図である。図3(A)は磁気抵抗効果素子を拡大して示す側面図、図3(B)は複数の磁気抵抗効果素子と着磁面との対向関係を拡大して示す側面図である。図4は図3に示す磁気抵抗効果素子をIV−IV線で切断した断面図である。図5は回転検出装置の回路構成を示すブロック図、図6は回転検出装置の検出動作を示すフローチャートである。図7は、図5の回路図の検出部の検知出力を示す線図である。図8と図9は検出動作を示す波形説明図である。
図1に示す自動車の車輪支持部1は、主軸(車軸)2に回転体3,3が回転自在に支持されている。回転体3,3は支持ホイールまたはハブと称されるものであり、その中心穴が、転がり軸受によって主軸2に回転自在に支持されている。そしてそれぞれの回転体3,3に車輪であるタイヤ4,4が固定されている。
自動車の走行時は、主軸2に対して回転体3,3が回転する。カーブ走行時の加速度などにより、車体に横方向への加重が作用すると、転がり軸受の与圧付与後のアウターとインナー間の微小なクリアランスにより、回転体3,3が、主軸2の垂線に対してわずかな角度θだけ傾く。すなわち、回転体3,3の回転中心線が、主軸2の軸心に対して傾く。
車輪支持部1には、左右の回転体3,3のそれぞれに回転検出装置10,10が設けられている。この回転検出装置10は、回転体3の回転数およびその変化を検出するとともに、回転体3,3の傾きθも検出することが可能である。
図2(A)(B)にも示すように、それぞれの回転検出装置10では、前記回転体3にリング状の磁石11が取り付けられている。リング状の磁石11は、着磁面11aがアキシャル方向に向けられている。着磁面11aは、回転体3の回転中心線Oを中心とする真円形状に形成されている。着磁面11aは、回転方向に向けてN極とS極が交互に着磁されており、全てのN極の着磁領域と全てのS極の着磁領域は、前記回転中心線Oからの開き角度が等角度となるように形成されている。この実施の形態では、N極の数とS極の数が共に48である。
図2(A)(B)に示すように、それぞれの回転検出装置10では、リング状の磁石11の着磁面11aに、センサ部12が対向している。センサ部12は、車体側の固定部に固定された基板13と、この基板13に搭載された磁気検知素子20とを有している。図3(B)に示すように、磁気検知素子20は4個の磁気抵抗効果素子20a,20b,20c,20dを有している。磁気抵抗効果素子20aと磁気抵抗効果素子20cは、着磁面11aの回転方向での同じ位置に対向し、磁気抵抗効果素子20bと磁気抵抗効果素子20dは、着磁面11aの回転方向での同じ位置に対向している。そして、磁気抵抗効果素子20a,20cと磁気抵抗効果素子20b,20dは、N極とS極の着磁を1周期としたときに、半周期分だけ回転方向に間隔を空けて配置されている。
図2(A)に示すように、回転体3,3の回転中心線Oが主軸2の軸心と一致しているとき、すなわち回転体3,3が傾いていないとき、図1の左右のそれぞれの回転検出装置10において、図2(A)に示すように、磁石11の着磁面11aと各磁気抵抗効果素子20a,20b,20c,20dとの間に、初期に設定されたクリアランスδが設けられている。
図3(A)は、1つの磁気抵抗効果素子20aを示しているが、他の3個の磁気抵抗効果素子20b,20c,20dの構造も磁気抵抗効果素子20aと同じである。
磁気抵抗効果素子20aの平面形状はミアンダパターンである。磁気抵抗効果素子20aは、その長手方向が磁石11の着磁面11aと平行で且つ磁石11の半径方向に向けられている。図4は、図3(A)に示す磁気抵抗効果素子20aをIV−IVで切断した断面図であるが、磁気抵抗効果素子20aは、基板13の上に、下地膜を介して反強磁性層21、固定磁性層22、非磁性導電層23、および自由磁性層24の順に積層されて成膜され、自由磁性層24の表面が保護層25で覆われている。そして、自由磁性層24が長手方向に分離され、隣り合う自由磁性層24の間にハードバイアス層26が介在している。個々のハードバイアス層26はB方向に向けて着磁されており、このハードバイアス層26によって自由磁性層24がB方向に向けて単磁区化されている。
反強磁性層21は、Ir−Mn合金(イリジウム−マンガン合金)などの反強磁性材料で形成されている。固定磁性層22はCo−Fe合金(コバルト−鉄合金)などの軟磁性材料で形成されている。非磁性導電層23はCu(銅)などである。自由磁性層24は、Ni−Fe合金(ニッケル−鉄合金)などの軟磁性材料で形成されている。保護層25はTa(タンタル)の層である。また、ハードバイアス層26はCo−Pt合金(コバルト−白金合金)などの硬磁性材料で形成されている。
磁気抵抗効果素子20aは、反強磁性層21と固定磁性層22との反強磁性結合により、固定磁性層22の磁化の方向が固定されている。図3(A)(B)に示すように、この固定磁性層22の固定磁化の方向Pは、磁石11の着磁面11aの接線方向である。なお、ハードバイアス層26による縦バイアスの向きBは、磁石11の半径方向である。
この磁気抵抗効果素子20aは、自由磁性層24の磁化の向きが、固定磁性層22の固定磁化の方向Pと平行なときに電気抵抗が最小になり、自由磁性層24の磁化の向きが、固定磁化の方向Pと逆向きのときに、電気抵抗が最大になる。
図5は、回転検出装置10の回路部30を示している。
回路部30は、4個の磁気抵抗効果素子20a,20b,20c,20dのブリッジ回路を有している。ブリッジ回路は、磁気抵抗効果素子20aと磁気抵抗効果素子20bが直列に接続されて、この直列部に電源電圧Vccが与えられているとともに、磁気抵抗効果素子20aと磁気抵抗効果素子20bの中間点の電位が差動アンプ34のマイナス入力部に与えられている。また、磁気抵抗効果素子20dと磁気抵抗効果素子20cが直列に接続されている。この直列部に電源電圧Vccが印加されているとともに、磁気抵抗効果素子20dと磁気抵抗効果素子20cの中間点の電位が差動アンプ34のプラス入力部に与えられている。回路部30内では、前記ブリッジ回路と差動アンプ34とで検知部31が構成されている。
図7は、磁気検知素子20に与えられる外部磁界の向きおよび強度が変化したときの、差動アンプ34からの出力電圧の変化を示している。図7の横軸は、磁気検知素子20に印加される磁界の向きおよびその大きさであり、縦軸が差動アンプ34からの出力電圧である。横軸は、磁気抵抗効果素子20a,20cに対して固定磁性層22の固定磁化の方向Pと逆向きの磁界が作用し、且つ磁気抵抗効果素子20b,20dに固定磁化の方向Pと同じ向きの磁界が作用したときの磁界の向きおよび大きさを(+)で示し、それぞれの磁気抵抗効果素子20a,20b,20c,20dに対して前記と逆の向きの磁界が作用したときの磁界の向き大きさを(−)で示している。
個々の磁気抵抗効果素子20a,20b,20c,20dにハードバイアス層26が設けられて、自由磁性層24がB方向へ単磁区化されているため、図7に示すように、磁界の向きが(+)方向と(−)方向との間で変化する際に、差動アンプ34の出力電圧の変化にヒステリシスが生じない。
したがって、図8に示すように、前記回転体3と共に磁石11が回転すると、差動アンプ34からの出力電圧は、時間軸tの経過にしたがって、三角関数の曲線に近似した交流波形Sで変化する。回転体3が1回転する間に、図8に示す交流波形Sが48周期得られる。
図2(A)に示す磁石11の着磁面11aからのクリアランスδの大きさおよびそれぞれの磁気抵抗効果素子20a,20b,20c,20dの特性は、着磁面11aからの漏れ磁束で自由磁性層24の磁化が飽和しないように設定されている。すなわち、図1に示す回転体3の回転中心線Oが主軸2の軸心に対して傾いて、磁石11の着磁面11aが磁気抵抗効果素子20a,20b,20c,20dに最も接近したときでも、自由磁性層24に作用する漏れ磁界の強度が、図7においてHwで示す範囲内に収まって、自由磁性層24の磁化が飽和しない範囲で、差動アンプ34から出力が得られるようになっている。
自由磁性層24の磁化が常に飽和しない範囲で使用されているため、回転体3が回転しているときに、着磁面11aと磁気抵抗効果素子20a,20b,20c,20dとのクリアランスδが変化すると、図9(A)(B)に示すように、差動アンプ34から出力される交流波形Sのピーク値Pが変化する。磁石11の着磁面11aが磁気抵抗効果素子20a,20b,20c,20dに接近すると、出力電圧は、(+)側と(−)側の双方でピーク値の絶対値が大きくなる。また、着磁面11aが磁気抵抗効果素子20a,20b,20c,20dから遠ざかると、出力電圧は、(+)側と(−)側の双方でピーク値の絶対値が小さくなる。
図8と図9では、差動アンプ34から出力される交流波形Sの(+)波を奇数1,3,5,・・・95で示し、交流波形Sの(−)波を2,4,6,・・・96で示している。回転体3および磁石11が1回転する間に得られる(+)波と(−)波は、共に48個である。
図5に示す回路部30では、差動アンプ34からの出力電圧が波形整形部であるシュミットトリガー回路37に与えられる。シュミットトリガー回路37では、差動アンプ34からの出力電圧が第1のしきい値よりも高くなると、ハイ信号を出力し、出力電圧が第2のしきい値よりも低くなると、ロー信号を出力する。その結果、図8に示すように、シュミットトリガー回路37から、ECUの制御部40に図8に示すように波形整形された矩形波Lが与えられる。磁石11が1回点する間に、シュミットトリガー回路37から得られる矩形波Lの数は48パルスである。
シュミットトリガー回路37で設定される第1のしきい値と第2のしきい値は、Vcc/2に近い値であり、クリアランスδの変化によって、図9に示す交流波形Sの(+)波のピーク値の絶対値と(−)波のピーク値の絶対値が最小値になったとしても、第1のしきい値と第2のしきい値の絶対値は、前記最小値よりもさらに小さい値に設定されている。したがって、(+)波のピーク値P1,P3,P5,・・・P95と、(−)波のピーク値P2,P4,P6,・・・P96の絶対値が変化しても、図8に示すように、シュミットトリガー回路37から制御部40に対し、回転体3が1回転する間に、必ず48パルスの矩形波Lが与えられる。
制御部40では、図8に示す矩形波Lをカウントし、その周期の変化によって、回転体3の回転数(回転速度)およびその変動を知ることができる。制御部40は、矩形波Lから認識された回転体3の回転数(回転速度)の変動に応じて、エンジン出力やギヤ比を制御し、またはブレーキを制御する。
図5に示す回路部30では、差動アンプ34の出力がピーク検出回路41に与えられる。ピーク検出回路41は、差動アンプ34から与えられる電圧を交流波形Sの周期よりも十分に小さい周期でサンプリングするとともに前回のサンプリング値と比較し、サンプリング値が前回の値よりも小さくなったときにその直前のサンプリング値をピーク値として検出する。よって、ピーク検出回路41では、図9に示す交流波形Sの(+)波のピーク値P1,P3,P5,・・・P95が検出され、(−)波のピーク値P2,P4,P6,・・・P96は検出されない。したがって、回転体3と磁石11が1回転(360度回転)する間に、ピーク検出回路41から得られるピーク値は48個である。ピーク検出回路41から得られるピーク値はメモリ42に送られて保持される。
メモリ42は、少なくとも磁石11の1回転で得られる48個のピーク値を格納することができる。この回転検出装置10では、検出を開始した時点で得られた(+)波のいずれかのピーク値を「1番」として記憶し、その次に得られたピーク値を「2番」として、「3番」「4番」・・・と順次記憶していく。磁石11が1回転した最後に得られる(+)波のピーク値が「Nx番」である。この実施の形態では、Nx=48である。
最初に磁石11が1回転する間に得られた「1番」から「Nx番」までの48個のピーク値は、メモリ42に保持された後に、さらに48個のピーク値が全て比較部43に送られて保持される。その後の回転で、ピーク検出回路41で順番に得られるピーク値は、順番にメモリ42に与えられるが、比較部43では既に保持されている前回のピーク値と、新たにメモリ42に送られてくるピーク値とを比較する。このときの比較では、前回の一回転で得られた同じ「番」のピーク値と今回の回転で得られた同じ「番」のピーク値とが比較される。
前記ピーク検出動作を、図6のフローチャートを使用してさらに詳しく説明する。図6では、各ステップを「ST1」「ST2」・・・で示している。
ST1において回転体3が回転を開始し、回転検出装置10が検出動作を開始すると、最初に得た(+)波のピーク値(P1ないしP95のいずれか)を「1番」のピーク値とし、「1番」のピーク値から「48番」までのピーク値の48個をメモリ42に順番に保持し、さらに「1番」から「48番」までのピーク値を全て比較部43に移行させる(ST2)。
ST3では、比較部43に保持されているピーク値と、新たにピーク検出回路41からメモリ42に送られてくるピーク値とが比較される。ここで、比較部43に保持されている「1番」のピーク値と、次の回転で送られてくる「1番」のピーク値とが比較される。図9(A)が前回の1回転目に得られたピーク値で、図9(B)が今回の1回転の間に得られたピーク値とすると、必ず1回転前の同じ「番」の磁極から得られたピーク値どうしが比較される。すなわち、比較部43では、前回と今回の「1番」のピーク値どうし、「2番」のピーク値どうし、・・・・「Nx=48番」のピーク値どうしが比較され、1回転での比較回数は48回である。
ST3において、比較するピーク値どうしの差が予め設定された所定幅を超えないとき(または所定幅以下のとき)は、ST4に移行し、比較部43に保持されているピーク値を新たに得られたピーク値に書き換える。この書き換えは、「1番」から「2番」「3番」と順番に行われるが、1回転の間に、48個の新たに得られたピーク値と、その前の回転で得られた48個のピーク値のそれぞれの差が、全て所定幅を超えていないときは、ST5において、比較部43に保持されている48個のピーク値が全て書き換えられる。そして、ST3に移行して、新たに保持されたピーク値と、次の回転で得られるピーク値との比較が再開される。
ST3において、「1番」「2番」・・・「48番」のいずれか「x番」のピーク値と、前回(N−1回)の回転時に得られた「x番」のピーク値との差が所定幅以上であったら(所定幅を超えたら)、ST6に移行し、ST7において、「x番」のピーク値が変動したこと、およびその変動幅が制御部40に通知される。この場合、ST8では、制御部40に保持されている「x番」のピーク値が、今回得られたピーク値で書き換えられることはなく、変動していなかった前回(N−1回)に得られて保持されていた「x番」のピーク値がそのまま残される。そして、ST9に示すように、その次の回(N+1回)の回転において得られた「x番」のピーク値は、その前々回(N−1回)に得られていた「x番」のピーク値と比較される。ST9において、(N+1回)に得られた「x番」のピーク値と(N−1回)に得られた「x番」のピーク値との差が前記所定幅を超えていたら、再度ST6に移行し、ST7において制御部40に「x番」のピーク値が変動していることおよびピーク値の差が通知される。
ST9において、比較部43に保持されている(N−1回)に得られた「x番」のピーク値と、今回得られた「x番」のピーク値との差が前記所定幅を超えない状態になったら、ST5に移行して、比較部43に保持されている「x番」のピーク値が、新たに得られたピーク値に書き換えられる。
以上のように、比較部43では「1番」から「Nx=48」番までのピーク値が、前回得られた同じ「番」のピーク値と比較され、常に「同じ番」どうしの比較結果が制御部40に通知される。したがって制御部40では、常に回転体3の回転状態を同じ回転位置でリアルタイムで確認することができる。また、同じ「番」のピーク値に所定幅を超える変動がないときは、比較部43に保持されているその「番」のピーク値を書き換えることで、常に最新のピーク値を比較対象とすることができる。
制御部40では、比較部43からの通知により、どの回転位相でどのくらい回転体3の回転中心線が傾いたかを認識でき、これにより、急カーブ走行時に車体に作用している加速度などを知ることができ、走行速度制御やブレーキ制御などの判断基準として使用できるようになる。
図10は、メモリと比較部の他の実施の形態を示している。
この実施の形態では、メモリがシフトレジスタ42Aで構成されている。磁石11の1回転で得られるピーク値は「1番」から「Nx=48番」であるが、シフトレジスタ42Aは「Nx+1=49番」までピーク値を保持できるようになっている。ピーク検出回路41から送られてくるピーク値がシフトレジスタ42Aで順次保持されてシフトしていくが、このとき比較部43Aでは、「1番」のピーク値と「49番」のピーク値を比較する。「49番」に格納されているピーク値は、前回得られた「1番」のピーク値である。よって、シフトレジスタ42Aに新たなピーク値が与えられる毎に、「1番」と「49番」のピーク値を比較することで、常に同じ「番」のピーク値を比較できる。
比較部43Aでは「1番」と「49番」のピーク値の差が所定幅以上であったら制御部40に、その差を通知する。
なお、実際の回転検出装置10では、4個の磁気抵抗効果素子で構成される磁気検知素子20がさらに1組設けられており、図3(B)に示す4個の磁気抵抗効果素子20a,20b,20c,20dと、他の4個の磁気抵抗効果素子が、磁石11の回転方向に、N極とS極の着磁周期の1/4だけ位置ずれするように配置されている。このように、配置位相を交流波形の90度だけ変化させた2組の磁気検知素子20を設けることで、回転体3の回転方向の識別が可能になる。
なお、前記実施の形態では、回転体3が1回転する間に得られる48個のピーク値の全てを前回のピーク値と比較演算しているが、例えばピーク値を1個おきや2個おきに比較対照として抽出してもよい。
図11(A)(B)は本発明の回転検出装置の他の実施の形態10Aを示している。図11では、磁石11の外周面であるラジアル面が着磁面11bとなり、この着磁面11bに、回転方向に向けてN極とS極が交互に着磁されている。そして、図3(B)に示したのと同じ磁気検知素子20が、着磁面11bにラジアル方向から対向している。
この実施の形態においても、図5に示す回路部30を設けることで、回転体3の回転方向を検出できる。また回転体3の回転中心線が主軸2の軸芯に対して傾いたときに、着磁面11bと磁気検知素子20との対向クリアランスが変化する。そのため、図9に示すように交流波形のピーク値の変化を検出でき、これによって回転体3の傾き状態を認識できるようになる。
本発明の実施の形態の回転検出装置を備えた車輪支持部の説明図、 (A)は磁石の着磁面と磁気検知素子との対向状態を示す正面図、(B)は着磁面と磁気検知素子との対向状態をアキシャル方向から示す側面図、 (A)は磁気抵抗効果素子を示す側面図、(B)は着磁面と複数の磁気抵抗効果素子との対向状態を示す側面図、 図3(A)の磁気抵抗効果素子をIV−IV線で切断した断面拡大図、 回転検出装置の回路部を示す回路ブロック図、 回路部の動作を示すフローチャート、 回路部の検出部の出力を示す線図、 回転数を検出する矩形波の説明図、 交流波形とピーク値との関係を示す説明図、 本発明の他の実施の形態のメモリと比較部の説明図、 (A)(B)は他の実施の形態の磁石と磁気検知素子との対向状態を示す説明図、
符号の説明
1 車輪支持部
2 主軸(車軸)
3 回転体
4 タイヤ(車輪)
10 回転検出装置
11 磁石
11a 着磁面
12 センサ部
13 基板
20 磁気検知素子
20a,20b,20c,20d 磁気抵抗効果素子
31 検出部
34 差動アンプ
37 シュミットトリガー回路
40 制御部
41 ピーク検出回路
42 メモリ
42A シフトレジスタ
43,43A 比較部
S 交流波形
L 矩形波
P 固定磁化の方向
P1,P3,P5,・・・P95 ピーク値

Claims (7)

  1. 回転方向に向けてN極とS極が交互に着磁された着磁面を有する回転体と、前記着磁面に対向する磁気検知素子とを有する回転検出装置において、
    前記回転体が回転したときに、前記着磁面からの漏れ磁束の向きの変化を前記磁気検知素子で検知して交流波形を出力する検出部と、前記交流波形のピーク値を検出するピーク検出回路と、異なる時刻に得られた前記交流波形のピーク値どうしを比較する比較部と、前記比較部での比較結果により、前記着磁面と前記磁気検知素子との距離の変動を認識する制御部と、を有することを特徴とする回転検出装置。
  2. 前記交流波形を波形整形する波形整形部を有し、前記制御部で、波形整形後の矩形波のピッチの変化を認識して前記回転体の回転数の変化を認識する請求項1記載の回転検出装置。
  3. 前記磁気検知素子は、固定磁性層と自由磁性層を有する磁気抵抗効果素子であり、前記検出部は、固定磁性層の固定磁化の向きと、前記着磁面からの漏れ磁束の向きに応じて変化する自由磁性層の磁化の向きとの関係で変化する抵抗値を検出するものであり、前記着磁面と前記磁気抵抗効果素子との距離が最短のときに、前記着磁面からの漏れ磁束によって、前記自由磁性層の磁化が飽和しない請求項1または2記載の回転検出装置。
  4. 前記回転体は、主軸に対して転がり軸受を介して回転自在に支持されているものであり、前記制御部は、前記着磁面と前記磁気検知素子との距離の変動を認識することで、回転体の回転中心線と主軸の軸心との傾きを検出することが可能である請求項1ないし3のいずれかに記載の回転検出装置。
  5. 前記回転体は、自動車のタイヤを支持するものである請求項4記載の回転検出装置。
  6. 前記回転体が1回転する間に、前記ピーク検出回路で得られるピーク値が1番からNx番までのNxの数であり、前記比較部で、同じ番のピーク値どうしを比較し、その差が所定幅以上であるときに、前記制御部にピーク値の差を通知する請求項4または5記載の回転検出装置。
  7. 現在のピーク値と、前回の回転における同じ番のピーク値の差が所定幅以下のときに、メモリに保持されているピーク値を更新する請求項6記載の回転検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014182015A (ja) * 2013-03-19 2014-09-29 Dmg Mori Seiki Co Ltd 測長器および原点位置検出方法
JP2015190880A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 Dmg森精機株式会社 位置検出装置

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