JPH10206448A - 磁気式回転速度センサ - Google Patents

磁気式回転速度センサ

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JPH10206448A
JPH10206448A JP9081351A JP8135197A JPH10206448A JP H10206448 A JPH10206448 A JP H10206448A JP 9081351 A JP9081351 A JP 9081351A JP 8135197 A JP8135197 A JP 8135197A JP H10206448 A JPH10206448 A JP H10206448A
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magnetic
impedance
rotational speed
speed sensor
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高人 村田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出誤差の小さい磁気式回転速度センサを提
供すること 【解決手段】 回転体の回転に応じて周期的に変化する
磁界を周囲に発生させる磁界発生手段と、磁界に対して
インピーダンスが変化するものであって、零でない所定
の大きさの磁界が与えられたときに、インピーダンスが
極大値となる磁気感応素子と、磁気感応素子のインピー
ダンスが所定の値を越えたときにパルスを出力する信号
処理手段と、信号処理手段からのパルス信号の周期に基
づいて回転体の回転速度を算出する演算手段とを有し、
磁界発生手段による磁界の変化の半周期の変化が、前記
所定の大きさの磁界を少なくとも2度跨いで変化させる
こと特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の車輪速度
の検出等に適した回転速度センサに関するものであり、
特に、磁気を利用した回転速度センサに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車輪速度を検出する回転速度センサとし
ては、磁気ピックアップ式のものが一般的である。これ
は、車輪に歯車形状のロータを同軸に取り付けるととも
に、ロータの外側にコイルおよび磁石を配置し、ロータ
の回転に伴ってコイルに発生する誘導起電力を検出して
パルス化し、所定時間内のパルス数を計数することによ
り、車輪速度を検出するものである。この磁気ピックア
ップ式の回転速度センサは、ロータの外周に設けられた
歯がコイルの前を通過する毎に1つのパルスが発生し、
ロータの回転数が低い場合には所定時間内のパルス数が
少なくなり、逆に回転数が上がればパルス数が多くな
る。したがって、パルス数を所定時間で割って、定数を
掛ければ車輪速度を算出することができる。
【0003】ところで、この種の回転速度センサは、パ
ルスの計数タイミングのずれに起因する1パルス分の誤
差を避けることができない。すなわち、回転数が同じで
も、計数タイミングによって所定時間内のパルス数がN
になったりN+1になったりする。回転数が高くて所定
時間内のパルスの数が大きい場合、すなわちNの値が大
きい場合には1パルス分の相違は車輪速度の演算結果に
あまり影響を与えないが、回転速度が低くなり所定時間
内のパルス数が少なくなると、1パルスの違いは演算結
果に大きな差をもたらす。
【0004】このような低回転時の誤差を小さくするた
めには、低回転時でも所定時間内のパルス数が多くなる
ようにすればよいことは明らかであるが、そのために所
定時間を長くしたりロータの歯数を増加することには限
界がある。前者の場合は応答速度の低下を招き、後者の
場合は検出感度の低下を招くからである。
【0005】また、磁気ピックアップ式の場合はロータ
の回転数が低いと、コイルに発生する誘導起電力自体が
小さくなり、検出感度が低下するという別の問題もあ
る。
【0006】これに対して、着磁されたロータと磁気抵
抗効果を有する素子とを用いた回転速度センサが考えら
れている。磁気抵抗効果素子は磁界の強さに応じて抵抗
値が変化する素子なので、回転数の高低に拘わらず安定
したレベルの検出が可能である。そして、例えば特開平
2−205715号の磁電変換装置によれば、磁気抵抗
効果素子を周方向に2つ直列に接続して、それぞれの素
子の信号を重ならないように合成することにより、ロー
タの磁極数を変えずに出力パルス数を増やし、低回転時
でも十分な数のパルスが得られるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平2−2
05715号によれば、複数の磁気抵抗効果素子が必要
であり、しかも、回転磁石の周方向の着磁間隔(λ)と
2つの磁気インピーダンス効果素子の周方向の配置間隔
(λ/4)との関係に精度が要求される。すなわち、着
磁間隔と素子の配置間隔との関係の精度が悪い場合、そ
れぞれの素子の信号が重なってしまい、多パルス化の妨
げとなってしまう。
【0008】そこで、ロータの磁極の数に対して出力パ
ルス数を確実に多くすることができる磁気式回転速度セ
ンサが求められていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気式回転速度
センサは、このような課題を解決するために為されたも
のであり、回転体の回転に応じて周期的に変化する磁界
を周囲に発生させる磁界発生手段と、磁界に対してイン
ピーダンスが変化するものであって、零でない所定の大
きさの磁界が与えられたときに、インピーダンスが極大
値となる磁気感応素子と、磁気感応素子のインピーダン
スが所定の値を越えたときにパルスを出力する信号処理
手段と、信号処理手段からのパルス信号の周期に基づい
て回転体の回転速度を算出する演算手段とを有し、磁界
発生手段による磁界の変化の半周期の変化が、前記所定
の大きさの磁界を少なくとも2度跨いで変化させること
特徴とする。
【0010】回転体の回転に伴って磁界発生手段の磁界
が周期的に変化すると、磁気感応素子に与えられる磁界
が交流的に変化する。この磁界変化の半周期の変化が、
前記所定の大きさの磁界を少なくとも2度跨いで変化す
るので、信号処理手段は磁界変化の1周期中に最低でも
2回のパルスを出力する。信号処理手段は回転体の回転
速度に応じた周期でパルス信号を出力し、演算手段はこ
のパルス信号の周期に基づいて回転体の回転速度を算出
する。
【0011】磁気感応素子として、磁界に対して抵抗値
が変化するものであって、零でない所定の大きさの磁界
が与えられたときに、抵抗値が極大値となる磁気抵抗素
子、たとえばスピンバルブ型磁気抵抗素子が利用でき
る。この種の磁気抵抗素子によれば、磁界変化の半周期
で2回のピーク値を持つ抵抗変化が得られる。信号処理
手段に対して、磁気抵抗素子の抵抗値変化のピーク値よ
りも低い値のしきい値を予め設定しておけば、この信号
処理手段は磁界変化の半周期で2回のパルスを出力す
る。演算手段でこのパルスを計数することにより回転速
度が求められる。なお、磁気抵抗素子の抵抗値変化は定
電流を与えておくことにより、電圧変化としてとらえる
ことができる。また、このときの磁界発生手段として
は、着磁されたロータでもよいし、磁性体ロータと磁石
の組み合わせでもよい。
【0012】一方、磁気感応素子として、磁界に対して
インピーダンスが変化するものであって、高周波電流通
電中に零でない所定の大きさの磁界が与えられたとき
に、インピーダンスが極大値となる磁気インピーダンス
効果素子を用いてもよい。
【0013】磁気インピーダンス効果素子に交流電流を
通電した状態で磁界が与えられると、素子のインピーダ
ンスが磁界の絶対値に応じて変化する。信号処理手段は
このインピーダンスの変化をたとえば端子電圧の変化と
してとらえ、インピーダンスが所定値を越えたときにパ
ルスを出力する。したがって、信号処理手段は回転体の
回転速度に応じた周期でパルス信号を出力し、演算手段
はこのパルス信号の周期に基づいて回転体の回転速度を
算出する。
【0014】磁気インピーダンス効果とは、細長形状の
高透磁率導体の両端に電極を付け、高周波電流を通電し
て表皮効果(高周波電流が導体を流れるとき、電流が導
体の表面近くに集中して流れる現象)を生じさせると、
両電極間のインピーダンス(または電圧)が外部磁界に
よって著しく変化する現象をいい、さらに具体的には、
極性に無関係に所定の磁界の大きさのときにインピーダ
ンスが最大になる現象をいう。一方、磁界発生手段の磁
界が変化して磁気インピーダンス効果素子に与えられる
磁界の絶対値が最も大きくなったときの磁界は、インピ
ーダンスが最大となる磁界よりも強いので、素子と磁極
が対向する前後でそれぞれインピーダンスが最大とな
る。したがって、磁界発生手段としてN極S極が交互に
配置されたロータが用いられた場合、信号処理手段は磁
気インピーダンス効果素子の前を通過する磁極の数の2
倍の数のパルス信号を出力する。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態を示す
概略構成図である。磁石環1は例えば自動車の車輪のよ
うな回転体に固定されており、回転体の回転軸6を中心
にして回転する。磁石環1はプラスチックマグネットで
構成されており、回転軸6に垂直な端面の一方は平面で
あり、他方の端面は回転軸方向に凹凸が形成されてい
る。着磁は回転軸方向に与えられており、凹凸面の凸部
にN極が着磁され、その回転軸方向の反対側がS極に着
磁されている。このような構造の磁石環1は、外周面に
S極とN極が交互に着磁された磁石環よりも作製が容易
であるため比較的安価に作製できる。
【0016】磁石環1の凹凸面に対向した位置には、ス
ピンバルブ型の磁気抵抗素子2が設けられている。
【0017】スピンバルブ型磁気抵抗素子というのは、
磁性膜と非磁性膜を積層した多層膜における巨大磁気抵
抗効果を利用した磁気感応素子の一つであり、多層膜と
してスピンバルブ膜を用いたものである。ここに、磁性
膜と非磁性膜を積層した多層膜における巨大磁気抵抗効
果というのは、各多層膜の磁化が平行で向きが同じ場合
には抵抗が下がり、各層の磁化が平行で向きが交互に逆
の場合には抵抗が大きくなるという効果のことである。
【0018】スピンバルブ膜というのは、磁性膜A/非
磁性膜/磁性膜Bのサンドイッチ構造の磁性膜Aにさら
に反強磁性膜が積層されたものである。磁性膜Aおよび
Bは非磁性膜により磁気的に分離されており、磁性膜A
側に反強磁性膜が積層されているため、交換接合磁界に
より磁性膜Aの磁化は固定されているが、磁性膜Bの磁
化は、外部磁界により自由に回転できる。このため、磁
界の大きさにより、各層の磁化の向きが同じになったり
逆になったりし、巨大磁気抵抗効果が生じる。
【0019】図2は磁気抵抗素子2の構造を示す平面図
である。基板10はガラスやシリコンなどの絶縁材料か
らなり、その表面に巨大磁気抵抗効果を発生させるスピ
ンバルブ膜からなる線路13が形成されている。この線
路13は積層膜に平行な方向すなわち基板10に平行な
方向(以下、これを水平方向と呼ぶ)の磁界に対して巨
大磁気抵抗効果を生じる。線路13の両端部には電極1
1、12が設けられている。この磁気抵抗素子2は、図
1に示すように、磁石環1の凹凸面側において磁気抵抗
素子2の水平方向が磁石環1の回転軸6の方向と一致す
るように配置される。
【0020】図3は磁気抵抗素子2の磁化曲線、すなわ
ち、を磁界−抵抗特性示すものであり、横軸に水平方向
磁界の強さを採り、縦軸に抵抗変化率を採っている。こ
こに、抵抗変化率とは、基準抵抗値に対する抵抗値の増
加率をいう。同図から判るように、磁界の変化に対して
最大で15%程度の抵抗変化率を得ることができる。し
かも、抵抗変化率のピークを与える磁界は、磁界が零の
ところからシフトしている。すなわち、零でない所定の
大きさの磁界が与えられたときに、抵抗値が極大値とな
る。
【0021】図4は図1に示す信号処理回路4の内部回
路構成を示す回路図である。信号処理回路4は定電流源
41とオペアンプ42を備えている。磁気抵抗素子2の
端子11および12が信号処理回路4の端子44および
45にそれぞれ接続されると、磁気抵抗素子2の一端は
定電流源41に接続され他端は接地されることになるた
め、磁気抵抗素子2には定電流が流れる。また、端子4
4はオペアンプ42の反転入力に接続され、オペアンプ
42の非反転入力には抵抗分割による基準電圧供給回路
43が接続されている。したがって、オペアンプ42で
は、磁気抵抗素子2の抵抗値変化に比例する端子間電圧
が回路43による基準電圧と比較され、基準電圧を越え
ると負のパルス信号を出力する。
【0022】図1に示す演算回路5は、信号処理回路4
が出力するパルス信号を入力し、所定時間内に入力する
パルス信号の数を計数してそのパルス数を所定時間で割
ることにより、回転速度に比例した値を算出する。そし
て、この値に磁石環1の極数および回転体の径の大きさ
で決まる定数を掛けることにより、回転体の回転速度を
得る。
【0023】次に本実施形態の動作を図5および図3を
用いて説明する。図5は磁石環1が回転したときの磁気
抵抗素子2との相対位置関係を示す図であり、時間の経
過と共に同図(a)〜(d)に順に変化している。
【0024】図5(a)の状態では、磁気抵抗素子2の
線路13は磁石環1の凸部1aの中央部と対向してお
り、最も強い磁界の中に置かれている。この状態を図3
で示すと(5−a)の位置に相当し、磁気抵抗素子2の
抵抗値は低い。
【0025】その後、磁石環1が回転し、図5(b)の
状態、すなわち、磁気抵抗素子2の線路13が凸部1a
のエッジ部近傍に至ると、磁界の強さが弱まる。この状
態を図3で示すと(5−b)の位置に相当し、磁気抵抗
素子2の抵抗値は最も高くなる。
【0026】さらに、磁石環1が回転し、図5(c)の
状態、すなわち、磁気抵抗素子2の線路13が凹部1b
の中央部に至ると、磁界の強さが最も弱くなる。この状
態を図3で示すと(5−c)の位置に相当し、磁気抵抗
素子2の抵抗値は再び低くなる。
【0027】さらに、磁石環1が回転し、図5(d)の
状態、すなわち、磁気抵抗素子2の線路13が凸部1c
と対向する位置であってそのエッジ部近傍に至ると、磁
界の強さが再び強まる。ただし、磁界の強さはまだ最大
値には達していない。この状態を図3で示すと(5−
d)の位置に相当し、磁気抵抗素子2の抵抗値が再びピ
ーク値となる。
【0028】以後、同様の動作が繰り返されることにな
る。つまり、磁気抵抗素子2は、磁石環1の凸部と対向
する間に、換言すると、磁界変化の半周期の変化の間
に、所定の大きさの磁界を少なくとも2回跨ぐことにな
り、磁気抵抗素子2の抵抗はその間に2回のピーク値を
得る。
【0029】信号処理回路4では、このような磁気抵抗
素子2の抵抗値変化に応じた端子間電圧を検出し、抵抗
値の2回のピーク値でそれぞれパルス信号を出力し、演
算回路5でこのパルス信号から回転速度を算出する。
【0030】図6は本発明の第2の実施形態を示す構成
図である。この実施形態では回転速度を検出すべき回転
体に固定されるロータとして、磁石環ではなく、磁性体
環61が用いられている。磁性体環61は環の全周に亘
って、同一形状の貫通窓63が多数設けられている。
【0031】磁性体環61の周面の外側近傍には第1実
施形態のものと同じスピンバルブ型の磁気抵抗素子2が
設置さている。磁気抵抗素子2は、その基板面の方向
(水平方向)が磁性体環61の半径方向とほぼ一致する
ように配置されている。磁気抵抗素子2の背後、すなわ
ち磁性体環6と反対の位置には永久磁石62が置かれ、
そのN極が磁気抵抗素子2と対向している。
【0032】磁気抵抗素子2には第1実施形態と同様に
信号処理回路4が接続され、さらにこの信号処理回路4
に演算回路6が接続されている。なお、信号処理回路4
および演算回路6の機能は第1実施形態と同じであるの
で説明は省略する。
【0033】この実施形態においても第1実施形態と同
様に、回転体の回転によって磁気抵抗素子2に対して強
さが周期的に変化する磁界が与えられ、磁界の変化の周
期は回転速度に反比例している。すなわち、磁性体環6
の貫通窓63が磁気抵抗素子2と対向している場合は、
永久磁石62の磁気抵抗素子2に与える磁界は弱くな
り、磁性体環6の貫通窓と貫通窓の間の磁性体部分が磁
気抵抗素子2と対向している場合は、永久磁石62の磁
力線の多くがその磁性体部分に向くため、磁気抵抗素子
2に与えられる磁界が強くなる。
【0034】この磁界の変化の様子を図7および図3を
用いて説明する。図7は磁性体環1が回転したときの磁
気抵抗素子2との相対位置関係を示す図であり、時間の
経過と共に同図(a)〜(d)に順に変化している。
【0035】図7(a)の状態では、磁気抵抗素子2の
線路13は磁性体環1の磁性体部64の中央部と対向し
ており、最も強い磁界の中に置かれている。この状態を
図3で示すと(5−a)の位置に相当し、磁気抵抗素子
2の抵抗値は低い。
【0036】その後、磁性体環1が回転し、図7(b)
の状態、すなわち、磁気抵抗素子2の線路13が磁性体
部64のエッジ部近傍に至ると、磁界の強さが弱まる。
この状態を図3で示すと(5−b)の位置に相当し、磁
気抵抗素子2の抵抗値は最も高くなる。
【0037】さらに、磁性体環1が回転し、図7(c)
の状態、すなわち、磁気抵抗素子2の線路13が貫通窓
63の中央部に至ると、磁界の強さが最も弱くなる。こ
の状態を図3で示すと(5−c)の位置に相当し、磁気
抵抗素子2の抵抗値は再び低くなる。
【0038】さらに、磁性体環1が回転し、図7(d)
の状態、すなわち、磁気抵抗素子2の線路13が磁性体
部65と対向する位置であってそのエッジ部近傍に至る
と、磁界の強さが再び強まる。ただし、磁界の強さはま
だ最大値には達していない。この状態を図3で示すと
(5−d)の位置に相当し、磁気抵抗素子2の抵抗値が
再びピーク値となる。
【0039】以後、同様の動作が繰り返されることにな
る。つまり、磁気抵抗素子2は、磁性体環1の磁性体部
と対向する間に、換言すると、磁界変化の半周期の変化
において、所定の大きさの磁界を少なくとも2回跨ぐこ
とになり、磁気抵抗素子2の抵抗はその間に2回のピー
ク値を得る。そして、第1実施形態と同様に、これを信
号処理回路4で検出し、演算回路5で回転速度を算出す
る。
【0040】図8は本発明の第3実施形態を示す概略構
成図である。磁石環81は例えば自動車の車輪のような
回転体に固定されており、回転体の回転軸6を中心にし
て回転する。磁石環81の半径方向の外側には磁気感応
素子である磁気インピーダンス効果素子82が固定配置
されている。磁気インピーダンス効果素子というのは、
交流電流を通電した状態で外部から磁界が与えられる
と、その磁界の強さに応じてインピーダンスが変化する
素子のことであり、図9および図10にその構造を示
す。
【0041】図9は磁気インピーダンス効果素子82の
平面構造を示す図であり、図10は図9のIII−III断面
図である。基板90はガラスやシリコンなどの絶縁材料
からなり、その表面に磁気インピーダンス効果を発生さ
せる線路93が形成されている。線路93は銅からなる
単線路導体123をアモルファス磁性膜であるCoSi
B膜121、122で覆ったものであり、CoSiB膜
121、122には導体123の長手方向と直交する矢
印Aの方向に磁気異方性が付与されている。導体123
は両端部において電極91、92に接続されている。
【0042】図11はこの磁気インピーダンス効果素子
82の磁界−インピーダンス特性を示すものであり、電
極91、92間に1MHzの交流電流を印加して、線路
93の長手方向に外部から磁界を与えたときのインピー
ダンスを示している。横軸に磁界の強さを採り、縦軸に
インピーダンスZを採っている。この特性図によれば、
この磁気インピーダンス効果素子は、磁界の向きに関係
なく与えられた磁界の強さが20エルステッド(Oe)
のときにインピーダンスが急峻に立ち上がり最大となる
ことがわかる。インピーダンスの2つの最大値はほぼ等
しい。なお、最大値を与える磁界の強さは、線路13を
構成する材料や形状を変えることで、±30から±50
Oeまで広げられることが確認されている。
【0043】図12は磁気インピーダンス効果素子82
の製造工程を示すフローチャートである。まず、基板9
0に対してCoSiB膜をスパッタリングにより表面全
体に成膜し、エッチングによりパターニングして下部C
oSiB膜121を形成する(ステップ101、10
2)。ついで、単線路導体123となるCu膜をスパッ
タリングにより成膜し、線路93となる部分が下部Co
SiB膜121の表面の内側に収まるようにエッチング
でパターニングする(ステップ103、104)。その
後、再びCoSiB膜をスパッタリングにより成膜し、
パターニングして上部CoSiB膜122を形成する
(ステップ105、106)。そして、最後に例えば厚
膜技術により電極91、92を形成する。
【0044】このような磁気インピーダンス効果素子8
2は、図8に示すように線路93の長手方向が磁石環8
1の半径方向と一致するように配置される。
【0045】磁気インピーダンス効果素子82の電極9
1、92は交流電源83および信号処理回路84に接続
されている。交流電源83は1MHzの交流電流を磁気
インピーダンス効果素子82に供給するものであり、素
子82はこの交流電流を与えられたときに、磁界の強さ
に応じてインピーダンスが変化するという磁気インピー
ダンス効果を発揮することができる。
【0046】信号処理回路84は磁気インピーダンス効
果素子82の端子91および92の間のインピーダンス
(抵抗およびインダクタンス)を端子間電圧として検出
すると共に、検出された電圧信号を所定のしきい値で波
形成形してパルス化する回路である。
【0047】演算回路85は信号処理回路84が出力す
るパルス信号を入力し、所定時間内に入力するパルス信
号の数を計数してそのパルス数を所定時間で割れば、回
転速度に比例した値を得ることができる。この値に、磁
石環81の極数および回転体の径の大きさで決まる定数
を掛ければ回転体の回転速度が得られる。
【0048】つぎに、この磁気式回転速度センサを自動
車の車輪速度センサとして利用した場合の動作を説明す
る。
【0049】車輪速度センサは4つの車輪に対してそれ
ぞれ設けられるものであり、図13はそのうちの一つの
車輪が取り付けられるアクスルハブおよびその付近の構
造を示す断面図である。アクスルハブ31は車両本体に
固定されたアウターレース32にボールベアリング33
を介して回転自在に支持されている。アクスルハブ31
にはボルト34により図示省略されたタイヤホイルが固
定され、その反対側の端部にスリーブを介して磁石環8
1が固定されている。磁石環81の外側にはアウターレ
ース32側に固定された磁気インピーダンス効果素子8
2が設けられており、信号処理回路84に接続される信
号線がコネクタ35を経て外に延びている。
【0050】このように回転速度センサを構成する要素
のうち磁石環81および磁気インピーダンス効果素子8
2は車輪部に設けられるが、交流電源83、信号処理回
路84、演算回路85を含む電気回路要素は、図14に
示すように4つの車輪についてそれぞれ車両40の例え
ば後方に配置された回路ボックス41にまとめられてい
る。
【0051】図15は車輪が回転したときの動作を示す
ものである。同図(a)は車輪の回転に伴って磁石環8
1の磁極が磁気インピーダンス効果素子82の前を順次
通過したときに、素子82に与えられる磁界の強さの変
化を示す波形図であり、横軸に時間、縦軸に磁界の強さ
を採っている。波形151は磁石環81と磁気インピー
ダンス効果素子82との間隔が比較的狭い場合を示し、
波形152は比較的広い場合を示している。値aは磁気
インピーダンス効果素子82のインピーダンスが最大と
なるときの電界の強さであり、本実施形態では20Oe
である。この図からわかるように、波形151の場合も
波形152の場合も磁界の強さの最大値は値aを越えて
いる。これは、磁石環81の各磁極が磁気インピーダン
ス効果素子82に最も近づいたときに磁気インピーダン
ス効果素子82に与えられる磁界が、磁気インピーダン
ス効果素子82のインピーダンスが最大となる磁界より
も強いということを意味している。
【0052】図15(b)は、磁気インピーダンス効果
素子82に与えられる磁界が波形151のようであった
場合のインピーダンスの変化の様子を示す波形であり、
信号処理回路84はこのインピーダンス変化に対応する
端子間電圧の変化を検出する。この波形図からわかるよ
うに、任意のN極が通過したときに2つのピークが発生
し、引き続き隣接するS極が通過すると同様に2つのピ
ークが発生する。したがって、例えば、車輪速度が時速
10kmのときに磁気インピーダンス効果素子82に与
えられる磁界が60Hzの周波数で変化していたとする
と、信号処理回路84は120Hzのパルス信号を出力
する。
【0053】図15(c)は、磁気インピーダンス効果
素子82に与えられる磁界が波形152に示すようなも
のであった場合のインピーダンス変化を示す波形であ
る。1つの電極の通過に対して2つのピークが発生する
点で波形151の場合と同じであるが、2つのピークの
間隔が狭くなっている。これは、磁石環81と磁気イン
ピーダンス効果素子82との間隔を調整することによ
り、インピーダンス変化のピークの間隔を調整できるこ
とを示している。
【0054】信号処理回路84は図15(b)または
(c)に示すインピーダンス変化を端子間電圧値として
検出し、パルス波形に波形成形して出力する。演算回路
85では、例えば100ms毎に入力したパルス数を計
数しその都度車輪速度を算出して出力する。信号処理回
路84で検出されるインピーダンス変化のピーク値は、
回転速度が変化しても、すなわち、磁気インピーダンス
効果素子82に与えられる磁界の周波数が変化しても変
化しない。そのため、従来のピックアップ型の磁気式回
転速度センサのように、回転数が低くなると検出感度が
低下するということがない。このようにして算出された
車輪速度はABS制御等に利用される。
【0055】本実施形態の回転速度センサは、車両の車
輪速度を検出するために用いたが、検出すべき対象は車
輪に限定されるものではなく、歯車をはじめとするその
他の回転体の回転速度検出に適用できる。また、第1お
よび第2実施形態もこの第3実施形態と同様に、車輪速
度をはじめとする種々の回転体の回転速度検出に適用で
きる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明の磁気式回転
速度センサによれば、回転体の回転に伴って磁界発生手
段の磁界が周期的に変化すると、この磁界変化の半周期
において、所定の大きさの磁界を少なくとも2度跨いで
変化するので、信号処理手段は磁界変化の1周期中に最
低でも2回のパルスを出力する。したがって、回転速度
が低速のときでも十分な数のパルス数を得ることがで
き、計数タイミングに伴って発生する誤差を小さくする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である磁気式回転速度セ
ンサを示す構成図。
【図2】第1実施形態である磁気式回転速度センサに用
いられるスピンバルブ型磁気抵抗素子を示す平面図。
【図3】図2の磁気抵抗素子の磁界−抵抗特性示す特性
図。
【図4】信号処理回路4の内部構成を示す回路図。
【図5】第1実施形態である磁気式回転速度センサが動
作中のときの磁石環1と磁気抵抗素子2との相対位置を
示す図。
【図6】本発明の第2実施形態である磁気式回転速度セ
ンサを示す構成図。
【図7】第2実施形態である磁気式回転速度センサが動
作中のときの磁性体環61と磁気抵抗素子2との相対位
置を示す図
【図8】本発明の第3実施形態である磁気式回転速度セ
ンサを示す構成図。
【図9】図8の回転速度センサに用いられている磁気イ
ンピーダンス効果素子を示す平面図。
【図10】図9のIII−III断面図。
【図11】磁気インピーダンス効果素子の磁気−インピ
ーダンス特性を示す特性図。
【図12】磁気インピーダンス効果素子の製造工程を示
すフローチャート。
【図13】磁石環および磁気インピーダンス効果素子を
設けた車輪部を示す断面図。
【図14】車両における磁気インピーダンス効果素子の
配置を示す図。
【図15】本実施形態の回転速度センサの動作を示す波
形図。
【符号の説明】
1、81…磁石環、2…スピンバルブ型磁気抵抗素子、
4、84…信号処理回路、5、85…演算回路、6…回
転軸、61…磁性体環、62…永久磁石、82…磁気イ
ンピーダンス効果素子、83…交流電源。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体の回転に応じて周期的に変化する
    磁界を周囲に発生させる磁界発生手段と、 磁界に対してインピーダンスが変化するものであって、
    零でない所定の大きさの磁界が与えられたときに、イン
    ピーダンスが極大値となる磁気感応素子と、 前記磁気感応素子のインピーダンスが所定の値を越えた
    ときにパルスを出力する信号処理手段と、 前記信号処理手段からのパルス信号の周期に基づいて前
    記回転体の回転速度を算出する演算手段とを有し、 前記磁界発生手段による磁界の変化の半周期の変化が、
    前記所定の大きさの磁界を少なくとも2度跨いで変化さ
    せることを特徴とする磁気式回転速度センサ。
  2. 【請求項2】 前記磁気感応素子が磁界に対して抵抗値
    が変化するものであって、零でない所定の大きさの磁界
    が与えられたときに、抵抗値が極大値となる磁気抵抗素
    子であることを特徴とする請求項1に記載の磁気式回転
    速度センサ。
  3. 【請求項3】 前記磁界発生手段は着磁されたロータで
    あることを特徴とする請求項2に記載の磁気式回転速度
    センサ。
  4. 【請求項4】 前記磁界発生手段は磁性体からなるロー
    タと、このロータの近傍に配置された磁石とを備えてい
    ることを特徴とする請求項2に記載の磁気式回転速度セ
    ンサ。
  5. 【請求項5】 前記磁気感応素子が磁界に対してインピ
    ーダンスが変化するものであって、高周波電流通電中に
    零でない所定の大きさの磁界が与えられたときに、イン
    ピーダンスが極大値となる磁気インピーダンス効果素子
    であることを特徴とする請求項1に記載の磁気式回転速
    度センサ。
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