JPH1010141A - 磁気式回転検出装置 - Google Patents

磁気式回転検出装置

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JPH1010141A
JPH1010141A JP30838496A JP30838496A JPH1010141A JP H1010141 A JPH1010141 A JP H1010141A JP 30838496 A JP30838496 A JP 30838496A JP 30838496 A JP30838496 A JP 30838496A JP H1010141 A JPH1010141 A JP H1010141A
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JP
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magnetic
pole
rotating body
magnetoresistive
rotation
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JP30838496A
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Inventor
Yasuo Morimoto
泰生 森本
Yasuharu Terada
康晴 寺田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な回路構成で、一回転当たりで多数のパ
ルス信号を得ることができるようにする。 【解決手段】 回転体に回転方向に沿ってN極とS極と
を交互に等間隔で着磁した着磁面に対向して、複数の磁
気抵抗素子20,30をN極とS極の一磁極幅の非整数
倍だけ隔てた位置に配置する。磁気抵抗素子20,30
は磁性体と非磁性体とを交互に積層した人工格子膜2
2,32を有している。人工格子膜22,32は互いに
直列に接続されるとともに、定電流源回路61により同
人工格子膜22,32に一定の電流が流されていて、人
工格子膜22,32の両端子間の電圧変化により、回転
体の回転に伴う磁気抵抗素子20,30の抵抗値の変化
に対応したパルス列信号を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などの各種装
置に組み込まれて回転部分の回転角、回転方向、回転速
度などを磁気的に検出する磁気式回転検出装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、特開平4−15
2212号公報に示されているように、回転方向に沿っ
てN極とS極を交互かつ等間隔に着磁してなる回転体の
着磁面に対向するように2個の磁気抵抗部を配置すると
ともに、各磁気抵抗部の間隔を着磁ピッチλ(N極及び
S極の各磁極幅の2倍の長さ)のλ/8に設定してい
る。そして、これらの磁気抵抗部に各定電流源回路から
それぞれ独立に定電流を流して、回転体の回転に伴い各
磁気抵抗部の両端に現れる電圧を取り出すとともに基準
電圧とそれぞれ比較した後、各比較結果の排他論理和を
とって出力するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置にあっては、磁気抵抗部に接続するための配線数は必
ず3本以上必要になるとともに、2個以上の定電流源回
路が必要になり、さらに排他論理和をとる回路も必要と
なるので、磁気抵抗部の周辺回路が複雑になるという問
題がある。また、この従来の装置では、回転体の回転方
向を検出することはできないという問題もある。
【0004】
【発明の概要】本発明の第1の特徴は、上記前者の問題
に対処するためになされたもので、その構成上の特徴
は、複数の磁気抵抗部を回転体の回転方向の異なる位置
にN極及びS極の各磁極幅の非整数倍関係にある間隔を
隔てて配置するとともに直列に接続して、複数の磁気抵
抗部の全体に付与される電圧の変化又は複数の磁気抵抗
部に共通に流れる電流の変化により前記複数の磁気抵抗
部の各抵抗値の変化を表す信号を合成して取り出すよう
にしたことにある。この場合、前記磁気抵抗部を、磁性
体と非磁性体を交互に積層した人工格子膜で構成するこ
とが好ましい。
【0005】この構成によれば、直列に接続した複数の
磁気抵抗部に一つの定電流源回路によって定電流を流し
たり、直列に接続した複数の磁気抵抗部の両端に一つの
定電圧源回路によって定電圧を付与すればよいので、定
電流源回路又は定電圧源回路の構成が簡単になるととも
に、複数の磁気抵抗部への配線数を2本にできる。さら
に、複数の磁気抵抗部を各磁極幅の非整数倍関係にある
間隔を隔てて配置し、複数の磁気抵抗部の各抵抗値の変
化を表す信号を合成して取り出すようになっているの
で、排他論理和回路などを用いなくても回転体の回転に
伴って一回転当たり多数のパルスを取り出すことができ
る。その結果、この発明によれば、簡単な構成で回転体
の低速回転をも検出できるようになる。
【0006】また、本発明の第2の特徴は、前記従来装
置の後者の問題を解決するためになされもので、前記第
1の特徴を有する磁気式回転検出装置において、前記複
数の磁気抵抗部の回転体の回転方向の距離を各磁極幅の
非整数倍関係に保った上で各磁極幅の半分の距離と異な
らせるとともに、複数の磁気抵抗部のうちの少なくとも
一つの抵抗の最大値を異ならせるようにしたことにあ
る。この構成によれば、複数の磁気抵抗部のうちの少な
くとも一つが回転体の回転に伴ってレベルの異なるパル
ス信号を出力させるように作用するとともに、隣り合う
パルス信号の間隔を異ならせるので、これらのレベルの
異なるパルス信号の出力順序により回転体の回転方向も
検出できるようになる。
【0007】また、本発明の第3の特徴は、前記従来装
置の前者の問題を解決するためになされもので、同軸的
に配置されて一体的に回転するとともに回転方向に沿っ
てN極とS極を交互かつ等間隔にそれぞれ着磁してなる
第1及び第2回転体を設けるとともに、これらの第1及
び第2回転体の各着磁面に対向して第1及び第2磁気抵
抗部を設け、第1回転体のN極及びS極の各磁極に対す
る第2回転体のN極及びS極の各磁極の回転方向の相対
位置及び第1磁気抵抗部に対する第2磁気抵抗部の回転
方向の相対位置のうちの少なくとも一方の相対位置をず
らして、第1磁気抵抗部が第1回転体の磁極の中心に対
向して位置するとき第2磁気抵抗部は第2回転体の磁極
の中心に対向する位置から外れて位置するように配置す
るとともに、第1磁気抵抗部と前記第2磁気抵抗部を直
列に接続し、第1及び第2磁気抵抗部の全体に付与され
る電圧の変化又は第1及び第2磁気抵抗部に共通に流れ
る電流の変化により第1及び第2磁気抵抗部の各抵抗値
の変化を表す信号を合成して取り出すようにしたことに
ある。この場合、前記第1及び第2磁気抵抗部を、磁性
体と非磁性体を交互に積層した人工格子膜で構成するこ
とが好ましい。
【0008】この構成によっても、直列に接続した第1
及び第2磁気抵抗部に一つの定電流源回路によって定電
流を流したり、直列に接続した第1及び第2磁気抵抗部
の両端に一つの定電圧源回路によって定電圧を付与すれ
ばよいので、定電流源回路又は定電圧源回路の構成が簡
単になるとともに、第1及び第2磁気抵抗部への配線数
を2本にできる。さらに、第1磁気抵抗部が第1回転体
の磁極の中心に対向して位置するとき第2磁気抵抗部は
第2回転体の磁極の中心に対向する位置から外れて位置
するように配置し、第1及び第2磁気抵抗部の各抵抗値
の変化を表す信号を合成して取り出すようになっている
ので、排他論理和回路などを用いなくても回転体の回転
に伴って一回転当たり多数のパルス信号を取り出すこと
ができる。その結果、この発明によれば、簡単な構成で
回転体の低速回転をも検出できるようになる。
【0009】さらに、本発明の第4の特徴は、前記従来
装置の後者の問題を解決するためになされもので、前記
第3の特徴を有する磁気式回転検出装置において、第1
磁気抵抗部が第1回転体の磁極の中心に対向して位置す
るとき、第2磁気抵抗部は第2回転体の磁極の中心に対
向する位置から外れて位置するようにした上で、第2磁
気抵抗部は第2回転体の磁極の境界に対向する位置から
も外れて位置するように配置するとともに、第1及び第
2磁気抵抗部の各抵抗の最大値を異ならせるようにした
ことにある。この構成によれば、第1及び第2磁気抵抗
部が第1及び第2回転体の回転に伴ってレベルの異なる
パルス信号を出力するように作用するとともに、隣り合
うパルス信号の間隔を異ならせるので、これらのレベル
の異なるパルス信号の出力順序により回転体の回転方向
も検出できるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
a.第1実施形態 まず、本発明の第1実施形態について説明すると、図1
は同実施形態に係る磁気式回転検出装置を原理的に示し
ており、図2は図1の一部を直線状に展開するともに拡
大して示している。この磁気式回転検出装置は、環状部
材の外周面に回転方向に沿ってN極とS極を交互かつ等
間隔に着磁してなる回転体10と、回転体10の着磁面
に対向して配置された磁気抵抗手段を構成する複数の磁
気抵抗素子20,30とを備えている。
【0011】回転体10は、例えば図3に示すように、
車輪(図示しない)が接続されるハブベアリング41の
内側端に固定したリング部材42の外周上に固定されて
おり、車輪と連動して回転する。磁気抵抗素子20,3
0は回転体10に対向して設けたブラケット43にそれ
ぞれ固定されており、同ブラケット43は、ハブベアリ
ング41をボールベアリング44を介して回転可能に支
持するキャリア45の内側端に固定したカバー46に固
定されている。カバー46にはコネクタ47が接続され
ており、同コネクタ47はリード線51,52を介して
磁気抵抗素子20,30に接続されている。
【0012】磁気抵抗素子20,30は、図4に示すよ
うに、鏡面仕上げしたシリコン基板上に絶縁層としての
シリコン酸化膜(SiO2膜)を形成した酸化膜付きのシ
リコン基板21,31上に、鉄ニッケルNiFeなどの磁
性体からなるバッファ層を設け、さらにバッファ層上に
線状パターン化された強磁性体と非磁性体を交互に積層
してなる多層構造の人工格子膜22,32(複数の磁気
抵抗部)により構成されている。なお、人工格子膜2
2,32は、シリコン酸化膜(SiO2膜)などからなる
保護膜により覆われ、同保護膜上にはアルミニウムから
なる電極23,24,33,34が露出している。この
ように構成した磁気抵抗素子20,30においては、そ
れらの電極23,24間及び電極33,34間の各抵抗
値が人工格子膜22,32の面に平行な方向の磁界の強
さの変化に対して大きく変化することが知られている。
図5に示すように、水平方向の磁界の強さが「0」のと
き人工格子膜22,32の抵抗値が最大になるととも
に、例えば、水平方向の±300ガウスの磁界の強さで
人工格子膜22,32の抵抗値はほぼ最小となり(飽和
し)、±300ガウスの磁界の強さの変化に対して抵抗
変化率はほぼ20パーセント程度である。なお、抵抗変
化率は(最大抵抗値−最小抵抗値)/(最大抵抗値)とし
て定義される。
【0013】ふたたび図1,2の説明に戻ると、磁気抵
抗素子20,30は、その板面を回転体10の着磁面及
び回転体10の回転方向に直交させるとともに回転体1
0の回転方向の異なる位置に配設されており、両素子2
0,30の間隔はN極及びS極の各磁極幅のほぼ半分に
設定されている。なお、人工格子膜22,32も、回転
体10の着磁面にほぼ平行かつ回転方向に直行するよう
に配設されている。
【0014】次に、磁気抵抗素子20,30の電気的配
線について説明する。磁気抵抗素子20,30は、電極
24,34間を接続するリード線53により直列に接続
されている。一方、磁気抵抗素子20,30の電極2
3,33はリード線51,52及びコネクタ47を介し
て車体に組み込まれた電気回路60に接続されている。
電気回路60は、図6に示すように、定電流源回路61
及び比較器62を備えている。定電流源回路61はリー
ド線51に接続されて磁気抵抗素子20,30に一定の
電流を流す。比較器62は正側入力端にてリード線51
を介して磁気抵抗素子20,30の一端に接続されると
ともに負側入力端にて基準電圧源63に接続されてお
り、リード線51の電圧が基準電圧源63からの基準電
圧Vref以上になったとき矩形状のパルス信号を出力す
る。リード線52は電気回路60内にて接地されてい
る。
【0015】次に、上記のように構成した第1実施形態
の動作を説明すると、車輪が回転すると、回転体10も
ハブベアリング41及びリング部材42を介して車輪に
連動して回転する。一方、磁気抵抗素子20,30はキ
ャリア45に固定されているので、回転体10が磁気抵
抗素子20,30に対して相対回転することになる。こ
の場合、磁気抵抗素子20,30の間隔はN極及びS極
の各磁極幅の半分に設定されているので、各磁極の着磁
面から垂直に出入りする磁界であって、人工格子膜2
2,32の面内を平行に通過する磁界の強さは図7(A)
(C)に示すように互いにπ/2だけ位相のずれた正弦波
状に変化する。そして、回転体10の回転に伴い、磁気
抵抗素子20,30が各磁極の境目に位置するとき人工
格子膜22,32の抵抗値は大きな値を示し、それ以外
の位置では小さな値を示す。人工格子膜22,32の抵
抗値は図5に示す特性で変化するので、人工格子膜2
2,32(電極23,24間及び電極33,34間)の
各抵抗値は回転体10の回転に伴い図7(B)(D)のよう
に変化する。
【0016】いま、人工格子膜22,32には定電流源
回路61によって一定の電流が流れているので、人工格
子膜22,32の両端間の電圧は、各磁極幅の半分に対
応した周期毎に高くなり、比較器62の正側入力端には
図7(E)に示すような急峻なパルス列信号が供給され
る。一方、比較器62の負側入力端には基準電圧源63
からの基準電圧Vrefが与えられているので、比較器6
2は一磁極当たり2個の矩形状のパルス列信号を出力す
る。このパルス列信号は図示しない演算回路に供給さ
れ、同演算回路はこのパルス列信号に基づいて回転体の
回転速度、回転角、回転角速度などを計算する。
【0017】上記作動説明からも理解できるように、上
記第1実施形態によれば、直列に接続した複数の磁気抵
抗素子20,30すなわち人工格子膜22,32(複数
の磁気抵抗部)に一つの定電流源回路61によって定電
流を流して、磁気抵抗素子20,30の各抵抗値の変化
を電圧値として合成して取り出すとともに、同電圧値と
基準電圧Vrefとを比較器62により比較するようにし
たので、磁気抵抗素子20,30への配線数を2本にで
きるとともに、電気回路60の構成を簡単にできる。ま
た、磁気抵抗素子20,30は磁極幅の半分の長さに等
しい間隔をおいて配置されているので、回転体10が一
磁極分だけ回転する間に2個のパルス信号を得ることが
できて、回転体10の低速回転をも検出できるようにな
る。
【0018】(変形例1)上記第1実施形態において
は、直列接続した磁気抵抗素子20,30(人工格子膜
22,32)に定電流を流して、同磁気抵抗素子20,
30の全体に付与される電圧の変化によりを各磁気抵抗
素子20,30の抵抗値の変化を表す信号を合成して取
り出すようにした。しかし、直列接続した磁気抵抗素子
20,30(人工格子膜22,32)に定電圧を付与し
て、同磁気抵抗素子20,30に共通に流れる電流の変
化により各磁気抵抗素子20,30の抵抗値の変化を表
す信号を合成して取り出すようにしてもよい。
【0019】この場合、図8に示すように、電気回路6
0内に定電圧源回路64及び電流検出用の抵抗65を設
ける。定電圧源回路64はリード線51を介して磁気抵
抗素子20,30の一端に接続され、抵抗65は一端に
てリード線52を介して磁気抵抗素子20,30の他端
に接続されるとともに他端にて接地されている。電気回
路60には基準電圧源66に接続された比較器67も設
けられており、同比較器67には抵抗65に付与される
電圧が供給されるようになっている。
【0020】このように構成した変形例1においても、
回転体10の磁気抵抗素子20,30に対する相対回転
により、人工格子膜22,32(電極23,24間及び
電極33,34間)の抵抗値は図7(B)(D)のように変
化する。したがって、抵抗65に流れる電流は図7(E)
のパルス位置にて減少して、同抵抗65の端子電圧は図
7(E)の信号波形図を上下逆さまにしたように変化し、
比較器67の負側入力端には負方向に変化するパルス列
信号が供給されることになる。そして、比較器67はパ
ルス列信号を基準電圧源66からの基準電圧Vrefと比
較して、パルス列信号の電圧レベルが基準電圧Vref以
下のとき矩形波状のパルス列信号を発生するので、この
変形例1においても上記第1実施形態と同様な出力信号
を得ることができる。
【0021】したがって、この変形例1においても、磁
気抵抗素子20,30への配線数を2本にできるととも
に、電気回路60の構成を簡単にできる。また、この場
合も、磁気抵抗素子20,30は磁極幅の半分の長さに
等しい間隔を設けて配置されているので、回転体10が
一磁極分だけ回転する間に2個のパルス信号を得ること
ができて、回転体10の低速回転をも検出できるように
なる。
【0022】(変形例2)上記第1実施形態において
は、回転体10の外周面に着磁するとともに同外周面に
対向させて磁気抵抗素子20,30を配置するようにし
た。しかし、図9に示すように、回転体10の上面にN
極及びS極を等間隔に回転方向に沿って着磁するととも
に、磁気抵抗素子20,30を、それらの磁気抵抗素子
20,30(人工格子膜22,32)の面が着磁面に垂
直かつ径方向を向くように配置するようにしてもよい。
また、この場合も、磁気抵抗素子20,30の間隔は一
磁極幅の半分に設定する。このように磁気抵抗素子2
0,30を配置するようにしても、同磁気抵抗素子2
0,30を上述した図6,8に示すように電気回路60
に接続するようにすれば、N極及びS極の各着磁面に垂
直に出入りする磁界であって、回転体10の回転に伴い
人工格子膜22,32の面内を平行に通過する磁界の強
さの変化に応答して、上記第1実施形態及びその変形例
1の場合と同様なパルス列信号を得ることができる。
【0023】(変形例3)上記第1実施形態において
は、回転体10の着磁面に垂直に出入りする磁界を利用
するようにしたが、着磁面に水平な磁界の変化を利用す
ることもできる。この場合、図10に示すように、磁気
抵抗素子20,30(人工格子膜22,32)の面を着
磁面に平行であって、人工格子膜22,32が回転体1
0の回転方向に対して直角に延設するように磁気抵抗素
子20,30を配置する。そして、人工格子膜22,3
2の回転体10の回転方向間隔を磁極幅の半分に設定す
るとともに、同人工格子膜22,32を直列に接続す
る。このように磁気抵抗素子20,30を配置した場
合、各磁極の上方位置にて水平方向の磁界は小さくかつ
各磁極の境目上方にて水平方向の磁界は大きくなるの
で、人工格子膜22,32が各磁極の中央に対向する位
置にあるときその抵抗値は大きな値を示し、かつ各磁極
の境目に対向する位置にあるときその抵抗値は小さな値
を示すことになる。
【0024】このように回転体10の着磁面に平行な磁
界の変化を利用するようにしても、磁気抵抗素子20,
30を図6,8と同様に電気回路60に接続するように
すれば、上記第1実施形態及びその変形例1と同様なパ
ルス信号を取り出すことができる。
【0025】また、このように回転体10の着磁面に平
行な磁界の変化を利用する場合、磁気抵抗素子20,3
0を着磁面に対して平行に配置するので、図11に示す
ように、一つの磁気抵抗素子70のシリコン基板71上
に2つの人工格子膜(磁気抵抗部)72,73を設ける
ようにしてもよい。この場合、人工格子膜72,73を
磁気抵抗素子70内にて磁極幅の半分の間隔をあけて平
行に延設させておくとともに直列接続しておき、人工格
子膜72,73の両端に電極74,75を設けるように
しておけばよい。そして、人工格子膜72,73の面が
回転体10の着磁面に平行かつ人工格子膜72,73の
延設方向が回転体10の回転方向と直角になるように、
磁気抵抗素子20,30を配置する。これによれば、上
記図10の場合と同様な効果が期待されるとともに、磁
気抵抗素子70として一つのみ利用することになるの
で、同素子70の組付けが簡単になる。
【0026】(変形例4)上記第1実施形態、その変形
例2及び図10に示す変形例3においては、磁気抵抗素
子20,30として同一のものを用意するようにした
が、図12(A)(B)に示すように、磁気抵抗素子20の
人工格子膜22の幅を太くするとともに、磁気抵抗素子
30の人工格子膜32の幅を細く構成するようにしても
よい。そして、この場合には、磁気抵抗素子20,30
(人工格子膜22,32)の回転体10の回転方向の間
隔を磁極幅の半分より小さく又は大きくしておく(例え
ば、磁極幅の3分の1に設定しておく)。これによれ
ば、同一の磁界の強さに対して、人工格子膜22の最大
抵抗値は人工格子膜32の最大抵抗値より小さくなるの
で、図6,8の比較器に入力されるパルス列信号の電圧
レベルが磁気抵抗素子20によるものと磁気抵抗素子3
0によるものと異なるようになる。すなわち、図6のよ
うに配線した場合には、磁気抵抗素子30によるパルス
信号のレベル(図14(C)(D)参照)が磁気抵抗素子2
0によるパルス信号のレベル(図14(A)(B)参照)よ
りも高くなる。また、図8のように配線した場合には、
負方向のパルス信号であるが、その高さに関しては、磁
気抵抗素子30による場合の方が磁気抵抗素子20によ
る場合よりも大きくなる。
【0027】その結果、比較器62,67に入力される
パルス列信号は図14(E)に示すようになる。したがっ
て、図6,8に破線で示すように、方向判定回路68を
リード線51に接続しておいて、比較器62,67に供
給されるパルス列信号を入力するようにすれば、方向判
定回路68はレベルの異なるパルス信号と位相(発生順
序)により回転体10の回転方向も検出できるようにな
る。
【0028】また、図11に示す変形例3においては、
図13に示すように、人工格子膜(磁気抵抗部)72,
73の幅を異ならせるようにすればよい。なお、この場
合も、人工格子膜72,73の回転方向の間隔を磁極幅
の半分とは異ならせるようにする。これによっても、図
14(E)に示すようなパルス列信号が取り出されるの
で、回転体10の回転方向が検出可能となる。
【0029】また、この変形例4においては、人工格子
膜22,32,72,73の幅を異ならせるようにした
が、人工格子膜22,32,72,73の幅が同一であ
っても、人工格子膜22,32又は72,73の長さを
異ならせたり、人工格子膜22,32又は72,73の
着磁面に対する距離を異ならせたりするようにして、回
転体10の回転に伴うパルスレベルを人工格子膜毎に異
ならせるようにしてもよい。すなわち、回転体10の回
転に伴うパルスレベルを異ならせるために、磁界に強さ
に対する人工格子膜22,32又は72,73の抵抗値
の最大値を異ならせるようにする手段であれば、どのよ
うな手段を採用してもよい。
【0030】(その他の変形例)なお、上記第1実施形
態、その変形例1〜変形例3においては、人工格子膜2
2,32又は72,73の回転方向の間隔を磁極幅の半
分に設定するようにしたが、直列接続した人工格子膜2
2,32又は72,73により発生される合成パルス列
信号の各パルスが重ならないようにすれば、前記人工格
子膜22,32又は72,73の回転方向の間隔を磁極
幅の半分以外の値に設定しもよい。
【0031】また、回転体10の着磁面に対向させる磁
気抵抗素子20,30(人工格子膜22,32)の数を
3以上にしてもよい。これによれば、回転体10の回転
より一磁極当たり3個以上のパルス信号を取り出すこと
ができるようになり、回転体10のより低速な回転を精
度よく検出できるようになる。
【0032】また、上記第1実施形態及びその各種変形
例においては、磁気抵抗手段として人工格子膜22,3
2,72,73を有する磁気抵抗素子20,30,70
を用いるようにしたが、比較的感度の高い磁気抵抗素子
であって複数の磁気抵抗素子を配置しても、パルス信号
が重ならずに取り出すことができれば、他の磁気抵抗手
段を用いることもできる。
【0033】b.第2実施形態 次に、本発明の第2実施形態について説明すると、図1
5は同実施形態に係る磁気式回転検出装置を原理的に示
している。この磁気式回転検出装置は、環状部材の外周
面に回転方向に沿ってN極とS極を交互かつ等間隔にそ
れぞれ着磁してなる第1及び第2回転体10A,10B
と、各回転体10A,10Bの各着磁面に対向し配置さ
れた磁気抵抗素子20Aとを備えている。
【0034】第1及び第2回転体10A,10Bも上記
第1実施形態と同様にリング部材42の外周上に同軸的
に固定されていて一体的に回転するが、両回転体10
A,10Bは軸線方向に多少の距離を隔てて配置されて
いる。また、第1及び第2回転体10A,10Bにおい
ては、N極及びS極の各磁極の中心が磁極幅のほぼ半分
だけ互いにずれて着磁されている。磁気抵抗素子20A
も、上記第1実施形態と同様に、ブラケット43に固定
されるとともに、シリコン基板21,31上に設けた人
工格子膜22,32及び電極23,24を備え、その板
面を第1及び第2回転体10A,10Bの両着磁面及び
両回転体10A,10Bの回転方向に直交させている。
しかし、この場合、人工格子膜22は上記第1実施形態
の場合に比して長く構成されており、一方の端部に近い
第1磁気抵抗部22aが第1回転体10Aの着磁面に対
向して配置されているとともに、他方の端部に近い第2
磁気抵抗部22bが第2回転体20Bの着磁面に対向し
ている。電極23,24も、リード線51,52を介し
て上記第1実施例と同様に構成された電気回路60(図
17参照)に接続されている。
【0035】次に、上記のように構成した第2実施形態
の動作を説明する。この場合も、車輪が回転すると、第
1及び第2回転体10A,10Bが磁気抵抗素子20A
すなわち第1及び第2磁気抵抗部22a,22bに対し
て相対回転する。第1及び第2磁気抵抗部22a,22
bは一直線上に位置しているとともに、第1及び第2回
転体10A,10Bの各磁極は磁極幅の半分の距離だけ
ずらして着磁されているので、第1及び第2磁気抵抗部
22a,22bと第1及び第2回転体10A,10Bが
図18(A)のように位置しているときには、磁気抵抗部
22bの抵抗値が極めて大きな値となる。また、磁気抵
抗部22a,22bと第1及び第2回転体10A,10
Bが、図18(B)のような配置関係にあれば磁気抵抗部
22a,22bの抵抗値は共に小さな値となり、図18
(C)のような配置関係にあれば磁気抵抗部22aの抵抗
値が極めて大きな値となる。
【0036】この関係を磁界の強さと電極23,24間
の出力電圧の関係から説明すると、各磁極の着磁面から
垂直に出入りする磁界であって、第1及び第2磁気抵抗
部22a,22bを通過する磁界の強さは図7(A)(C)
に示すように互いにπ/2だけ位相のずれた正弦波状に
変化する。そして、第1及び第2磁気抵抗部22a,2
2bの抵抗値は第1及び第2回転体10A,10Bの回
転に伴い図7(B)(D)のように変化して、電極23,2
4間の出力電圧も図7(B)(D)のように変化する。した
がって、比較器62の正側入力端には、図7(B)(D)の
波形を合成した図7(E)のようなパルス列信号が現れ、
このパルス列信号が上記第1実施形態の場合と同様に基
準電圧源63からの基準電圧Vrefと比較されるので、
比較器62は、第1及び第2回転体10A,10Bが一
磁極相当角度だけ回転すると、2個の矩形状のパルス列
信号を出力する。このパルス列信号も、図示しない演算
回路に供給され、同演算回路はこのパルス列信号に基づ
いて回転体の回転速度、回転角、回転角速度などを計算
する。
【0037】上記作動説明からも理解できるように、上
記第2実施形態によれば、直列に接続した第1及び第2
の気抵抗部22a,22b(人工格子膜22)に一つの
定電流源回路61によって定電流を流して、磁気抵抗部
22a,22bの各抵抗値の変化を電圧値として合成し
て取り出すとともに、同電圧値と基準電圧Vrefとを比
較器62により比較するようにしたので、磁気抵抗素子
20A(第1及び第2磁気抵抗部22a,22b)への
配線数を2本にできるとともに、電気回路60の構成を
簡単にできる。また、第1及び第2回転体10A,10
Bの磁極の中心位置を回転方向にずらして、第1磁気抵
抗部22aが第1回転体10Aの磁極の中心に対向して
位置するとき第2磁気抵抗部22bは第2回転体10B
の磁極の中心に対向する位置から外れて位置するように
したので、第1及び第2回転体10A,10Bが一磁極
相当分だけ回転する間に2個のパルス信号を得ることが
できて、第1及び第2回転体10A,10Bの低速回転
をも検出できるようになる。
【0038】なお、上記第2実施形態においては一つの
磁気抵抗素子10A内に第1及び第2磁気抵抗部22
a,22bを直列に設けるようにしたが、各磁気抵抗部
22a,22bを別々の磁気抵抗素子内にそれぞれ設け
て、同各磁気抵抗部22a,22bが第1及び第2回転
体10A,10Bの着磁面に一直線上にて対向するよう
に配置してもよい。
【0039】(変形例1)上記第2実施形態において
は、各磁極が磁極幅の半分だけ回転方向に互いにずれる
ように第1及び第2回転体10A,10Bを配置した。
しかし、図19,20に示すように、各磁極が回転方向
の同一位置に位置するように第1及び第2回転体10
A,10Bを配置し、かつ上記第1実施形態と同様な図
4のように構成した磁気抵抗素子20,30すなわち人
工格子膜22,32(磁気抵抗部)を両回転体10A,
10Bの着磁面に対向するとともに、回転方向に磁極幅
のほぼ半分だけ互いにずれるように配置してもよい。そ
して、磁気抵抗素子20の電極24と磁気抵抗素子30
の電極33とをリード線53によって接続することによ
り磁気抵抗素子22,23を直列接続し、磁気抵抗素子
20の電極23と磁気抵抗素子30の電極34とをリー
ド線51,52を介して電気回路60に接続するように
する。
【0040】このように構成しても、上記第2実施形態
の第1及び第2磁気抵抗部22a,22bにそれぞれ対
応する人工格子膜22,23と第1及び第2回転体10
A,10BのN極及びS極の各磁極に対する各相対位置
は、上記第2実施形態と同様に、人工格子膜22が第1
回転体10Aの磁極の中心に対向して位置するとき、人
工格子膜32は第2回転体10BのN極及びS極の境界
に対向して位置するようになる。したがって、第1及び
第2回転体10A,10Bの回転に伴って取り出される
信号波形は図7(E)のようになり、上記第2実施形態と
同様な効果が期待される。
【0041】(変形例2)上記第2実施形態において
は、人工格子膜22の第1及び第2磁気抵抗部22a,
22bを同一に構成するようにしたが、図21,22に
示すように、第2磁気抵抗部22bを第1磁気抵抗部2
2aより長く形成するとともに、第1及び第2回転体1
0A,10Bの各磁極の中心の間隔を同回転体10A,
10Bの回転方向に磁極幅の半分より小さく又は大きく
しておく(例えば、磁極幅の3分の1に設定してお
く)。
【0042】これによれば、第1及び第2磁気抵抗部2
2a,22bを通過する磁界の強さは図14(A)(C)に
示すように互いにπ/2だけ位相のずれた正弦波状に変
化する。そして、第1磁気抵抗部22aが第1回転体1
0Aの各磁極の境界に対向する位置にきたとき、同抵抗
部22aの抵抗値が大きくなり、図14(B)のように変
化する。また、第2磁気抵抗部22bが第2回転体10
Bの各磁極の境界に対向する位置にきたとき、同抵抗部
22bの抵抗値は前記第1磁気抵抗部22aのそれより
も大きくなり、図14(D)のように変化する。その結
果、電極23,24間に現れかつ図17の比較器62に
入力されるパルス列信号は、図14(E)に示すように、
その電圧レベルを第1磁気抵抗部22aと第2磁気抵抗
部22bとで異ならせたものになる。
【0043】そして、図17に破線で示すように、方向
判定回路68をリード線51に接続しておいて、比較器
62に供給されるパルス列信号を入力するようにすれ
ば、方向判定回路68はレベルの異なるパルス信号と位
相(発生順序)により第1及び第2回転体10A,10
Bの回転方向も検出できるようになる。
【0044】また、この変形例2においては、第1及び
第2磁気抵抗部22a,22bの幅を同一にして長さを
異ならせるようにしたが、両抵抗部22a,22bの幅
を異ならせても抵抗値を異ならせることができるので、
第1及び第2磁気抵抗部22a,22bの幅を異ならせ
るようにしてもよい。さらに、第1及び第2磁気抵抗部
22a,22bから第1及び第2回転体10A,10B
の着磁面までの距離を異ならせるようにして、第1及び
第2回転体10A,10Bの回転に伴うパルス列信号の
レベルを第1磁気抵抗部22aと第2磁気抵抗部22b
とで異ならせるようにしてもよい。すなわち、上記第1
実施形態の変形例4の場合と同様に、第1及び第2回転
体10A,10Bの磁界の強さに対する第1及び第2磁
気抵抗部22a,22bの抵抗値の最大値を異ならせる
ようにすればよい。
【0045】また、この変形例2においても、一つの磁
気抵抗素子10A内に第1及び第2磁気抵抗部22a,
22bを直列に設けるようにしたが、各磁気抵抗部22
a,22bを別々の磁気抵抗素子内にそれぞれ設けて、
同各磁気抵抗部22a,22bが第1及び第2回転体1
0A,10Bの着磁面に一直線上にて対向するように配
置するようにしてもよい。
【0046】さらに、上記第2実施形態の変形例1にお
ける第1及び第2磁気抵抗素子20,30の各人工格子
膜(第1及び第2磁気抵抗部)22,32の長さ、幅、
着磁面との距離など、第1及び第2回転体10A,10
Bの磁界の強さに対する各人工格子膜(第1及び第2磁
気抵抗部)22,32の抵抗値の最大値を異ならせるよ
うにしてもよい。これによっても、電極23,24間に
現れかつ図17の比較器62に入力されるパルス列信号
は、図14(E)に示すように、その電圧レベルにて各人
工格子膜22,32毎に異ならせることができ、第1及
び第2回転体10A,10Bの回転方向をも検出できる
ようになる。
【0047】(その他の変形例)上記第2実施形態及び
その変形例1,2においても、上記第1実施形態の変形
例1(図8)と同様に、定電流源回路61を用いた回路
に代えて定電圧源回路64を用いた電気回路60に変更
するようにしてもよい。また、上記第1実施形態の変形
例2(図9)のように、第1及び第2回転体10A,1
0Bの各上面にN極及びS極を等間隔に回転方向に沿っ
て着磁するとともに、磁気抵抗部22a,22bを、そ
れらの磁気抵抗素子20Aの面が着磁面に垂直かつ径方
向を向くように配置するようにしてもよい。また、上記
第1実施形態の変形例3(図10,11)に示すよう
に、着磁面に水平な磁界の変化を利用することもでき
る。
【0048】なお、上記第2実施形態及びその変形例1
においては、第1及び第2磁気抵抗部22a,22b又
は人工格子膜22,32の回転方向の間隔を磁極幅の半
分に設定するようにしたが、直列接続した各磁気抵抗部
22a,22b又は人工格子膜22,32により発生さ
れる合成パルス列信号の各パルスが重ならないようにす
れば、前記各磁気抵抗部22a,22b又は人工格子膜
22,32の回転方向の間隔を磁極幅の半分以外の値に
設定しもよい。
【0049】また、上記第2実施形態及びその変形例1
においては、第1回転体10AのN極及びS極の各磁極
に対する第2回転体10BのN極及びS極の各磁極の回
転方向の相対位置、又は磁気抵抗素子20(人工格子膜
22)に対する磁気抵抗素子30(人工格子膜32)の
回転方向の相対位置の一方のみを第1及び第2回転体1
0A,10Bの回転方向にずらした。しかし、前記両相
対位置を第1及び第2回転体10A,10Bの回転方向
にずらし、磁気抵抗素子20(人工格子膜22)が第1
回転体10Aの磁極の中心に対向して位置するとき、磁
気抵抗素子30(人工格子膜32)は第2回転体10B
のN極及びS極の境界を含む第2回転体10Bの磁極の
中心から外れて位置するように配置してもよい。
【0050】また、回転体10の着磁面に対向させる第
1及び第2磁気抵抗部22a,22b及び磁気抵抗素子
20,30(人工格子膜22,32)の数を3以上にし
てもよい。これによれば、回転体10の回転より一磁極
当たり3個以上のパルス信号を取り出すことができるよ
うになり、回転体10のより低速な回転を精度よく検出
できるようになる。
【0051】また、上記第2実施形態の変形例1,2に
おいては、第1及び第2回転体10A,10Bを軸方向
に所定の距離だけ隔てて配置するようにした。しかし、
図23に示すように、第1及び第2回転体10A,10
Bを軸方向に密着又は一体的に構成するようにしてもよ
い。なお、図23は第1及び第2回転体10A,10B
の各磁極が磁極幅の半分だけ回転方向にずれた例を示し
てあるが、前記変形例1のように第1及び第2回転体1
0A,10Bの各磁極が回転方向の同一位置にある場合
も、前記変形例2のように第1及び第2回転体10A,
10Bの各磁極の中心の間隔を同回転体10A,10B
の回転方向の磁極幅の半分より小さく又は大きくしてお
く場合にも同様である。そして、これらの場合には、磁
界の強さに応じて抵抗値の大きく変化する磁気抵抗部2
2a,22bのみが各磁極の中心から外側端部までの範
囲にほぼ対向するように磁気抵抗素子20Aを構成する
ことが好ましい。すなわち、第1及び第2回転体10
A,10Bの軸方向の境目近傍に磁界の強さに応じて抵
抗値が大きく変化する磁気抵抗部22a,22bが対向
しないようにすることが好ましい。
【0052】また、上記第2実施形態及び各種変形例に
おいても、人工格子膜22,32,72,73を有する
磁気抵抗素子20,30,70を用いるようにしたが、
比較的感度の高い磁気抵抗素子であって複数の磁気抵抗
素子を配置しても、パルス信号が重ならずに取り出すこ
とができれば、他の磁気抵抗手段を用いることもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る磁気式回転検出
装置の概略斜視図である。
【図2】 図1の一部を直線的に展開して示した拡大図
である。
【図3】 図1の磁気式回転検出装置の組み付け状態の
一例を示す断面図である。
【図4】 図1の磁気抵抗素子の模式図である。
【図5】 図1の磁気抵抗素子の磁界の強さに対する抵
抗値の変化特性の一例を示すグラフである。
【図6】 図1の磁気抵抗素子に接続した電気回路の一
例を示す回路図である。
【図7】 (A)は一方の磁気抵抗素子に対する磁界の強
さの変化を示すタイムチャートであり、(B)は一方の磁
気抵抗素子の抵抗値の変化を示すタイムチャートであ
り、(C)は他方の磁気抵抗素子に対する磁界の強さの変
化を示すタイムチャートであり、(D)は他方の磁気抵抗
素子の抵抗値の変化を示すタイムチャートであり、(E)
は両磁気抵抗素子により得られるパルス列信号例であ
る。
【図8】 図6の電気回路の変形例を示す回路図であ
る。
【図9】 図1の磁気式回転検出装置の変形例を示す概
略斜視図である。
【図10】 同磁気式回転検出装置の他の変形例を示す
展開斜視図である。
【図11】 同磁気式回転検出装置のさらに他の変形例
を示す展開斜視図である。
【図12】 (A)(B)は前記磁気抵抗素子の変形例を示
す模式図である。
【図13】 前記磁気抵抗素子の他の変形例を示す模式
図である。
【図14】 (A)は一方の磁気抵抗素子に対する磁界の
強さの変化を示すタイムチャートであり、(B)は一方の
磁気抵抗素子の抵抗値の変化を示すタイムチャートであ
り、(C)は他方の磁気抵抗素子に対する磁界の強さの変
化を示すタイムチャートであり、(D)は他方の磁気抵抗
素子の抵抗値の変化を示すタイムチャートであり、(E)
は両磁気抵抗素子により得られるパルス列信号例であ
る。
【図15】 本発明の第2実施形態に係る磁気式回転検
出装置の概略斜視図である。
【図16】 図15の磁気抵抗素子の模式図である。
【図17】 図15の磁気抵抗素子に接続した電気回路
の一例を示す回路図である。
【図18】 (A)〜(C)は、図15の一部を直線的に展
開するとともに、磁気抵抗素子と回転体との相対回転位
置をずらして示した拡大図である。
【図19】 本発明の第2実施形態の変形例に係る磁気
式回転検出装置の概略斜視図である。
【図20】 図19の一部を直線的に展開して示した拡
大図である。
【図21】 本発明の第2実施形態の他の変形例に係る
磁気抵抗素子の模式図である。
【図22】 同他の変形例に係る回転体の一部を直線的
に展開して示した拡大図である。
【図23】 同第2実施形態に係る第1及び第2回転体
の変形例を示す展開図である。
【符号の説明】
10,10A,10B…回転体、20,20A,30,
70…磁気抵抗素子、22,32,72,73…人工格
子膜(磁気抵抗部)、22a,22b…磁気抵抗部、2
3,24,33,34,74,75…電極、51,5
2,53…リード線、60…電気回路、61…定電流源
回路、62…比較器、63,66…基準電圧源、64…
定電圧源回路、65…抵抗、67…比較器、68…方向
判定回路。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転方向に沿ってN極とS極を交互かつ
    等間隔に着磁してなる回転体と、前記回転体の着磁面に
    対向して設けられてなり同回転体の回転に伴って変化す
    る磁界の強さに応じてそれぞれ抵抗値の変化する複数の
    磁気抵抗部を有する磁気抵抗手段とを備えた磁気式回転
    検出装置において、前記複数の磁気抵抗部を前記回転体
    の回転方向の異なる位置に前記N極及びS極の各磁極幅
    の非整数倍関係にある間隔を隔てて配置するとともに直
    列に接続してなり、前記複数の磁気抵抗部の全体に付与
    される電圧の変化又は前記複数の磁気抵抗部に共通に流
    れる電流の変化により前記複数の磁気抵抗部の各抵抗値
    の変化を表す信号を合成して取り出すようにしたことを
    特徴とする磁気式回転検出装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の磁気抵抗部の前記回転体の回
    転方向の距離を前記N極及びS極の各磁極幅の半分の距
    離と異ならせるとともに、前記複数の磁気抵抗部のうち
    の少なくとも一つの抵抗の最大値を異ならせるようにし
    た前記請求項1に記載の磁気式回転検出装置。
  3. 【請求項3】 同軸的に配置されて一体的に回転すると
    ともに回転方向に沿ってN極とS極を交互かつ等間隔に
    それぞれ着磁してなる第1及び第2回転体と、前記第1
    及び第2回転体の各着磁面に対向してそれぞれ設けられ
    てなり同第1及び第2回転体の回転に伴って変化する磁
    界の強さに応じてそれぞれ抵抗値の変化する第1及び第
    2磁気抵抗部を有する磁気抵抗手段とを備えた磁気式回
    転検出装置において、前記第1回転体のN極及びS極の
    各磁極に対する前記第2回転体のN極及びS極の各磁極
    の回転方向の相対位置及び前記第1磁気抵抗部に対する
    前記第2磁気抵抗部の回転方向の相対位置のうちの少な
    くとも一方の相対位置をずらして、前記第1磁気抵抗部
    が前記第1回転体の磁極の中心に対向して位置するとき
    前記第2磁気抵抗部は前記第2回転体の磁極の中心に対
    向する位置から外れて位置するように配置するととも
    に、前記第1磁気抵抗部と前記第2磁気抵抗部を直列に
    接続してなり、前記第1及び第2磁気抵抗部の全体に付
    与される電圧の変化又は前記第1及び第2磁気抵抗部に
    共通に流れる電流の変化により前記第1及び第2磁気抵
    抗部の各抵抗値の変化を表す信号を合成して取り出すよ
    うにしたことを特徴とする磁気式回転検出装置。
  4. 【請求項4】 前記第1磁気抵抗部が前記第1回転体の
    磁極の中心に対向して位置するとき前記第2磁気抵抗部
    は前記第2回転体の磁極の境界に対向する位置からも外
    れて位置するように配置するとともに、前記第1及び第
    2磁気抵抗部の各抵抗の最大値を異ならせるようにした
    前記請求項3に記載の磁気式回転検出装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項1〜4のいずれか一つに記載
    の磁気抵抗部を、磁性体と非磁性体を交互に積層した人
    工格子膜で構成した磁気式回転検出装置。
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