JPS6363050B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、回転機器の回転速度等を検出する
磁気抵抗素子を用いた回転検出装置に関する。

磁気抵抗素子を用いた回転検出装置としては、
被測定回転機器と例えば同軸的に回転する回転体
を備えるもので、この回転体を例えば永久磁石に
よつて構成し、その磁極に対応する磁気信号が回
転体周面部に対応して記録設定される構造とす
る。そして、この回転体の周面に近接して磁気抵
抗素子を固定配置し、この磁気抵抗素子で記録さ
れた磁気信号の近接通過を検知するもので、この
検知信号時間間隔によつて、回転速度を算出する
ものである。したがつて、例えば回転体に対して
ｎ個の磁気信号が所定の間隔で記録されている場
合には、その回転体の１回転に対してｎ個の検知
信号が磁気抵抗素子により検知される。

このような回転検出機構において、より高精度
な回転角検出を行なうためには、回転体の１回転
あたりの検知信号の数を増加させることが要求さ
れる。しかし、回転体に対する磁気信号の記録間
隔には限度があり、記録された磁気信号以上の検
知信号を得ることはできないものである。

この発明は上記のような点に鑑みなされたもの
で、周面に磁気信号を記録した回転体の回転に対
応して、その磁気信号記録数のｎ倍にもおよぶ検
知信号を得ることができ、回転機器の回転角速度
等をより高精度に測定し得るようにする回転検出
装置を提供しようとするものである。

すなわち、この発明に係る回転検出装置は、周
面に磁気信号を記録した回転体に近接し固定配置
される検出器を、回転体の回転に伴なう磁気信号
の移動方向に沿つて等間隔で並べられる複数の磁
気抵抗素子で構成し、この複数の磁気抵抗素子は
奇数順位および偶数順位で分けてそれぞれ磁気抵
抗素子群を形成し、この磁気抵抗素子群でブリツ
ジ回路を構成するようにしたものである。

以下図面を参照してこの発明の一実施例を説明
する。第１図はその概略的構成を示すもので、１
１は軸１２によつて図示されない被測定回転機器
等で回転駆動される回転体であり、この回転体１
１の周面部に沿つて、Ｎ極およびＳ極の磁気信号
が、等間隔で記録設定される。この磁気信号は磁
性材料でなる回転体１１に着磁することによつて
記録される。そして、この回転体１１の周面に近
接する位置に検出器１３を固定設定するもので、
検出器１１に記録された磁気信号による磁界が、
この回転体１１の回転に対応して検出器１３に作
用するようにしてなる。

第２図は上記検出器１３を取り出し拡大して示
したもので、回転体１１の外周面に近接して対設
される。この検出器１３は、絶縁基板１４によつ
て１チツプで構成されるもので、この絶縁基板１
４には回転体１１の軸線方向に延びるように配置
して、細長い複数の磁気抵抗素子Ｒ１，Ｒ２，…
Ｒ２ｎを蒸着等によつて形成してなる。この場
合、回転体１１の記録された磁気信号による隣接
するＮ極とＳ極の間隔をλとした場合、磁気抵抗
素子Ｒ１〜Ｒ２ｎはλ／2nの間隔となるパター
ンで形成されるもので、この各磁気抵抗素子Ｒ１
〜Ｒ２ｎはそれぞれ同一値となるように形成され
ている。

この複数の磁気抵抗素子Ｒ１〜Ｒ２ｎは、奇数
順位の磁気抵抗素子Ｒ１，Ｒ３，…Ｒ２ｎ−１
と、偶数順位の磁気抵抗素子Ｒ２，Ｒ４，…Ｒ２
ｎとでそれぞれ第１および第２の磁気抵抗素子群
を構成するもので、この各抵抗素子群はそれぞれ
直列に接続する。また、この直列接続した第１お
よび第２の磁気抵抗素子群は、磁気抵抗素子Ｒ２
ｎ−１とＲ２とで相互に接続し、磁気抵抗素子Ｒ
１、上記磁気抵抗素子Ｒ２ｎ−１とＲ２との接続
点、および磁気抵抗素子Ｒ２ｎ部からそれぞれ端
子ａ，ｂ，ｃを取り出すようにしてなる。

ここで、各磁気抵抗素子Ｒ１〜Ｒ２ｎ相互を接
続する接続導体および端子部は、非磁性の例えば
Al、AU等の導体で構成する。

このように構成される検出器１３に対して回転
体１１が回転すると、磁気抵抗素子Ｒ１〜Ｒ２ｎ
の並ぶ方向にその素子面に対して垂直な磁場が回
転移動するようになる。そして、磁気抵抗素子に
対して磁場が垂直となつた時に、この抵抗素子の
抵抗値は急峻に大きくなる。例えば、回転体１１
がその１つの直径線上にＮおよびＳ極を有した場
合、１つの磁気抵抗素子の抵抗値はこの回転体の
回転角に対応して第３図に示すように変化するよ
うになる。

そして、この検出器１３の各磁気抵抗素子Ｒ１
〜Ｒ２ｎの回路は第４図に示すようになるもので
あり、端子ａとｃとの間に電圧Ｖを加え、端子ｂ
とｃ間から出力電圧ｖを取り出すようにすると、
この回路はハーフブリツジ回路を構成するように
なる。

そして、この検出器１３の端子ｂより取り出さ
れる出力信号をｖとすると、回転体１１が第２図
で示した位置からλ／2nだけ右に回転させるこ
とによつて、出力信号ｖは第５図で示すように変
化する。

すなわち、磁気抵抗素子Ｒ１，Ｒ３，…Ｒ２ｎ
−１からなる第１の磁気抵抗素子群の各抵抗に、
回転体１１のＮ極またはＳ極の中心がきた時には
第５図のＡに示す出力信号ｖが得られ、また磁気
抵抗素子Ｒ２，Ｒ４，…Ｒ２ｎからなる第２の磁
気抵抗素子群の各抵抗が回転体１１のＮ極または
Ｓ極が対応された時に第５図のＢに示す出力信号
ｖが発生する。したがつて、この検出器１３から
の検出信号ｖは第５図のＣに示すようになり、こ
の回転検出信号は回転体１１の回転に伴なつて繰
り返し発生される。

すなわち、回転体１１の記録磁気信号が１つ変
化する間に、ｎ個の検出信号が発生する状態とな
るもので、回転検出信号周波数がｎ倍された状態
となる。

尚、上記実施例では回転体１１の記録磁気信号
の間隔λに対応した幅の検出器１３を用いるよう
にしたが、これは第６図に示すようにλ／２の範
囲で検出器１３を構成するようにしても同様に実
施し得る。すなわち、この場合は磁気抵抗素子Ｒ
１〜Ｒ２ｎそれぞれの間隔はλ／２（2n−１）に
設定される。その他第２図と同一構成部分は同一
符号を付してその説明を省略する。

また、実施例では第１および第２の磁気抵抗素
子群それぞれを構成する磁気抵抗素子を直列接続
する状態で示したが、これは各磁気抵抗素子群単
位で磁気抵抗素子を並列接続するようにしても同
様の効果が得られる。

以上のようにこの発明によれば、周面に対応し
て磁気信号を記録した回転体の回転に伴ない、そ
の磁気信号記録数のｎ倍の検知信号を得ることの
できるものであり、回転速度、回転角等の検出手
段として充分に高精度のものとすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例に係る回転検出装
置を示すものでＡは側面図、Ｂは平面図、第２図
は上記検出装置を構成する検出器を取り出し拡大
して示した図、第３図は上記検出器の１つの素子
に対応する抵抗値変化の状態を説明する図、第４
図は上記検出器の回路を示す図、第５図は上記検
出器の回転体回転に伴なう検出信号を説明する
図、第６図はこの発明の他の実施例を説明する図
である。 １１……回転体、１２……軸、１３……検出
器、１４……絶縁基板、Ｒ１〜Ｒ２ｎ……磁気抵
抗素子。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 周面に複数の磁気記録信号を特定される間隔
   で記録した回転体、およびこの回転体の記録面に
   対向設定される検出器からなり、この検出器は、
   絶縁性基板上に上記回転体の回転に伴う記録磁気
   信号の移動方向に沿つて等間隔で並べて形成され
   た複数の磁気抵抗素子を備え、これら磁気抵抗素
   子の各間隔は上記回転体の特定される記録間隔よ
   り狭く設定されると共に、これら磁気抵抗素子は
   奇数順位および偶数順位で２組に分割した磁気抵
   抗素子群を構成するように設定され、この２組の
   磁気抵抗素子群は１つの接続点で直列状態に接続
   設定されるようにしてなり、さらにこの直列にし
   た回路の両端に電源電圧を供給し、上記１つの接
   続点から出力信号が取出されるようにしたことを
   特徴とする回転検出装置。 ２ 上記複数の磁気抵抗素子は、回転体の磁気信
   号記録間隔以内で配列設定されるようにした特許
   請求の範囲第１項記載の回転検出装置。 ３ 上記磁気抵抗素子群をそれぞれ構成する磁気
   抵抗素子は、それぞれ順次直列接続されるように
   した特許請求の範囲第１項記載の回転検出装置。 ４ 上記磁気抵抗素子群をそれぞれ構成する磁気
   抵抗素子は、それぞれ並列接続されるようにした
   特許請求の範囲第１項記載の回転検出装置。