JP2550049B2 - 磁気的に位置や速度を検出する装置 - Google Patents

磁気的に位置や速度を検出する装置

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JP2550049B2
JP2550049B2 JP62037976A JP3797687A JP2550049B2 JP 2550049 B2 JP2550049 B2 JP 2550049B2 JP 62037976 A JP62037976 A JP 62037976A JP 3797687 A JP3797687 A JP 3797687A JP 2550049 B2 JP2550049 B2 JP 2550049B2
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  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、位置や速度を検出する装置に係り、特に正
弦波出力を得る磁気式の位置や速度を検出する装置に関
する。
〔従来の技術〕
従来は、特公昭60−12579号公報に記載のようなもの
が知られている。この中では、磁気抵抗効果素子と磁気
記録媒体との空隙であるスペーシングが変化に基づく特
性の変化については言及されていない。しかし、実際に
位置検出装置として使用する場合、例えば、回転位置検
出装置を考えて見ると、回転体である磁気記録媒体が偏
心していると回転により、スペーシングが変化してしま
う。第13図は、スペーシングに対する磁気抵抗効果素子
の出力振幅に関係をプロットした特性である。第13図よ
り、スペーシングの狭いAの範囲では、磁気抵抗効果素
子の出力振幅の変化はないが、波形が歪んでしまう。ま
た、スペーシングの広いBの範囲では、磁気センサの出
力波形は歪まないが、わずかなスペーシングの変化によ
り出力振幅が変化してしまう。
〔発明が解決しようとする問題点〕 上記従来技術は、偏心等によるスペーシング変化に基
づく波形歪みについては言及されておらず、回転等によ
る波形の歪や出力振幅の変化が大きかった。
本発明の目的は、偏心等によりスペーシングが変化し
ても波形歪が少なく、出力振幅の変動かつ少ない正弦波
形を出力する磁気的な位置や速度を検出する装置を提供
することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、移動体あるいは固定体のいずれか一方に担
持され、かつ移動方向に沿って並ぶように所定の間隔で
配置される多数の磁気信号用磁極と、この磁気信号用磁
極と対向するように前記移動体あるいは固定体の一方に
設けられ、かつ磁気信号用磁極の磁気信号に感応してそ
の磁気信号が大きくなるにしたがって内部抵抗が低下す
るように変化する複数の細長い金属強磁性体の磁気抵抗
効果素子とを備え、この磁気抵抗効果素子の長手方向が
前記磁気信号用磁極の配列方向と交差するように置かれ
るようにするとともに各々の磁気抵抗効果素子が磁気信
号用磁極の配列方向に沿って間隔を置いて並ぶように配
置し、前記複数の磁気抵抗効果素子の内部抵抗変化によ
る電気的な出力信号に基づいて移動体あるいは固定体の
位置を検出する磁気的に位置や速度を検出する装置にお
いて、前記磁気信号用磁極と前記磁気抵抗効果素子との
対向間隔を、前記磁気抵抗効果素子の感応する磁気信号
が大きくなったところで前記内部抵抗の低下が鈍る抵抗
変化の飽和を示す近接した隔たりに設定し、前記磁気信
号用磁極の配列方向に直交する直交線Pに対して前記磁
気抵抗効果素子の長手方向線を次のアジマスθをもって
傾けたことを特徴とするものである。
但し、λ…磁気信号用磁極の配列ピッチ(N・S間の距
離) l…磁気抵抗効果素子の長さ n…高調波成分の次数 〔作用〕 前記のように、磁気抵抗効果素子を可及的に磁気記録
媒体に近接させても、磁気抵抗効果素子を磁気記録媒体
に着磁した磁気記録方向に対して調波成分を除去するよ
うに配置してあるので、磁気抵抗効果素子から出力され
る前記信号には高調波成分が除去できるように作用し、
結果として歪みのない高精度の電気信号が磁気抵抗効果
素子から得られるものである。
〔実施例〕
以下、本発明構成一実施例を第1図ないし第9図によ
り説明する。第1図において、回転軸1には回転ドラム
2が固定されている。この回転ドラム2の外周に記録ピ
ッチλの磁気信号となる多数の磁極N,Sを記録した磁気
記録媒体3を配置している。これに対向して磁気抵抗効
果素子R1,R2で構成された磁気センサ4を磁気記録媒体
3よりある間隔のスペーシングlを介して配置する。第
1図の磁気記録媒体3と磁気センサ4の関係を第2図に
展開図として示す。第2図において、磁気記録媒体3に
は、前述のように記録ピッチλで磁極N,Sを記録してい
る。磁気センサ4は、磁気抵抗効果素子R1,R2で構成さ
れ、各々λ/2の間隔で配置されており、磁気信号の記録
方向と、磁気抵抗効果素子R1,R2の長手方向が直交する
P線からある角度θ(アジマス)を持って配置されてい
る。
さらに詳しく説明する。磁気信号の記録方向とは、磁
気信号磁石N,Sの並び方向で、移動体あるいは固定体の
相対移動方向に沿って並ぶように磁気信号磁石N,Sが配
列されているのである。磁気抵抗効果素子R1,R2は細長
く、磁気抵抗効果素子R1,R2を長手方向に貫く磁気抵抗
効果素子の長手方向線が磁気信号磁石N,Sの配列方向と
交差するように置かれている。この長手方向線は磁気信
号磁石N,Sの配列方向と直角に交差する直交線Pに対し
て所定の傾き角度が設けられている。この傾き角度θが
アジマスである。磁気センサ4の磁気抵抗効果素子R1,R
2は、磁界に対して電気抵抗が変化するもので、ガラス
基板等の表面に強磁性体Ni・FeやNi・Co等の薄膜を蒸着
などの手法により、数個〜数10個の磁気センサ4が一度
に形成され、後でダイシング等により切離されて個々の
磁気センサ4が得られる。この磁界に対する抵抗変化
は、第3図(イ)に示す様に磁界の方向に関係なく、磁
界の大きさに比例して抵抗が変化し、ある値で飽和す
る。ここで、磁気信号の記録方向と磁気センサの長手方
向が直交した場合において、回転ドラム2が回転して、
磁気記録媒体3が移動し、磁気記録媒体3の磁気信号に
より磁気センサ4に加わる磁界が第3図(ロ)の様に変
化したと仮定する。これは、第13図に示したスペーシン
グが狭いAの範囲に相当し、磁気センサ4には、磁気抵
抗効果素子R1,R2の抵抗が充分飽和する程の大きな磁界
が印加される。このため、磁気抵抗効果素子R1およびR2
の抵抗は、第3図(11)の様になる。すなわち、磁界の
小さな範囲では、磁界に比例して抵抗が減少するが、磁
界の大きな範囲では、抵抗が飽和して変化しなくなる様
な抵抗変化となる。一方、磁気抵抗効果素子R1および
R2、第3図(ホ)のように直列に3端子接続し、電源V
より電圧を供給する。そうすると磁気抵抗効果素子R1
R2の接続点から得られる出力e0は、第3図(ニ)の様に
歪んだ出力波形となる。この波形を分析すると、第4図
の実線で示す様に、基本波成分の他に、基本波の奇数倍
(n=3,5,7,9…)の高調波成分に分けられる。ここ
で、今、除去したい高調波成分を第5調波v5(n=5)
と仮定すると、基本波成分と第5調波の関係は、第5図
の様になる。第5図より、基本波成分v1の1周期は、λ
であるのに対し、第5調波v5は、5倍の周波数(n=
5)となり、その周期はλ/5となる。したがって、第6
図に示す様に、磁気抵抗効果素子Rの両端部(磁界を感
応する部分)が、ほぼ第5調波の1周期すなわちλ/5の
1/2相当だけ、直交位置であるP線から傾けてやれば、
第5調波成分は平均化され打ち消すことができる。傾き
の角度θ(アジマス)は、磁気抵抗効果素子Rの長さに
θによって変るもので、ほぼ次式になる様にすれば良
い。
この結果を第4図の一点さ線で示す。これを見ると、
第5調波の成分は打ち消されており、さらには、第3及
び第7調波等の他の高調波成分も低減できる。
第7図及び第8図は、第7調波v7を除去する場合の一
実施例である。従って、第7調波v7の周波数は、基本波
成分v1の7倍(n=7)となり、アジマスθも次式の様
になる。この様にすれば、第4図の点線 で示す様に、第7調波は打ち消されており、第3及び第
5調波等の高調波成分も低減できる。
この様に、出力波形に含まれている高調波成分のう
ち、任意の高調波成分をほぼ次式になる様に設定すれ
ば、打ち消すことが可能であり、さらには、それ以外の
高調波成分も低減できる。
但し、nは打ち消したい高調波成分の次数である。第
9図は、基本波v1,第3調波,第5調波及び第7調波の
出力電圧をアジマスθに対してプロットした結果であ
る。第9図より、アジマスθを少しでも付ければ、各高
調波成分は低減できるので、完全に打ち消したい高調波
成分を打ち消すだけでなく必要に応じて、アジマスθを
設定すれば良いことがわかる。
第10図は、磁気センサ4自体にアジマスθを付けるの
でなく、前述した様に、この磁気センサ4は、ガラス基
板の表面に、強磁性体のNi・FeやNiCoの薄膜を蒸着等の
手法により作るので、この際にダイシングライン5に対
し、任意のアジマスθを付けて、磁気抵抗効果素子R1,R
2を配置しても同様の効果が得られる。さらに、第11図
の様に磁気抵抗効果素子R1,R2を八の字形状に形成して
も良い。この様にすれば、磁気センサ4を傾けて取り付
ける必要がないので、従来と同様の治具や方法で取り付
けられる効果がある。
第12図は、磁気記録媒体3にアジマスθを付けた例で
ある。すなわち、磁気記録媒体3に磁気信号を記録する
例に、例えば記録ヘッドに任意のアジマスθを付けて磁
気信号を記録すれば、第11図に示す様に、アジマスθを
持った磁気信号が記録される。従って、磁気センサ4が
受ける磁界も直交方向からずれた様になり、第2図及び
第10図と同等の作用・効果が得られる。
以上の説明では、回転体の例で説明したが、回転体以
外でも直線運動を行うものの位置検出に使用しても同様
な効果が得られる。さらに回転ドラム全体がプラスチッ
クマグネット等の永久磁石で構成されても同様な作用効
果が得られ、また、回転ディスク形の磁気記録媒体でも
同じ作用効果が得られる。
〔発明の効果〕
以上に述べたように、本発明は、移動体あるいは固定
体のいずれか一方に担持され、かつ移動方向に沿って並
ぶように所定の間隔で配置される多数の磁気信号用磁極
と、この磁気信号用磁極と対向するように前記移動体あ
るいは固定体の一方に設けられ、かつ磁気信号用磁極の
磁気信号に感応してその磁気信号が大きくなるにしたが
って内部抵抗が低下するように変化する複数の細長い金
属強磁性体の磁気抵抗効果素子とを備え、この磁気抵抗
効果素子の長手方向が前記磁気信号用磁極の配列方向と
交差するように置かれるようにするとともに各々の磁気
抵抗効果素子が磁気信号用磁極の配列方向に沿って間隔
を置いて並ぶように配置し、前記複数の磁気抵抗効果素
子の内部抵抗変化による電気的な出力信号に基づいて移
動体あるいは固定体の位置を検出する磁気的に位置や速
度を検出する装置において、前記磁気信号用磁極と前記
磁気抵抗効果素子との対向間隔を、前記磁気抵抗効果素
子の感応する磁気信号が大きくなったところで前記内部
抵抗の低下が鈍る抵抗変化の飽和を示す近接した隔たり
に設定し、前記磁気信号用磁極の配列方向に直交する直
交線Pに対して前記磁気抵抗効果素子の長手方向線を次
のアジマスθをもって傾けた磁気的に位置や速度を検出
する装置にある。
但し、λ…磁気信号用磁極の配列ピッチ(N・S間の距
離) l…磁気抵抗効果素子の長さ n…高調波成分の次数 この構成によれば、次のような良さが期待できる。
(1)磁気信号用磁極と磁気抵抗効果素子との対向間隔
を、磁気抵抗効果素子の感応する磁気信号が大きくなっ
たところで磁気抵抗効果素子の内部抵抗の低下が鈍る抵
抗変化の飽和を示す近接した隔たりに設定したので、移
動体と固定体の相効移動時に、対向間隔が変化しても、
基本波の出力信号の振幅変動は少なく、検知の感度,精
度が高いものである。
(2)磁気抵抗効果素子を長手方向に貫く磁気抵抗効果
素子の長手方向線を前記磁気信号用磁極の配列方向と直
角に交差する直交線に対して所定の角度に傾けたので、
磁気抵抗効果素子の内部抵抗変化の飽和による検知出力
波形歪にともなう高調波成分を除去できる。高調波成分
の少ない正弦波出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の1実施例を示す構成図、第2図は第1
図の磁気記録媒体と磁気センサの関係を示す展開図、第
3図(イ)ないし第3図(ホ)は磁気抵抗効果素子の特
性と動作波形説明図及び磁気抵抗効果素子の接続を示す
図、第4図は出力波形の分析結果を示す図、第5図ない
し第8図は、第5調波及び第7調波を例にとった動作説
明図、第9図はアジマスに対する基本波及び各高調波成
分の出力電圧の関係を示した特性図、第10図,第11図、
および第12図は本発明の他の実施例を示す磁気記録媒体
と磁気センサの展開図、第13図はスペーシングに対する
磁気センサの出力電圧の関係を示す特性図である。 1……回転軸、2……回転ドラム、3……磁気記録媒
体、4……磁気センサ、5,5′……ダイシングライン、R
1,R2……磁気抵抗素子、λ……磁気信号の記録ピッチ、
θ……アジマス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−1514(JP,A) 特開 昭59−204709(JP,A) 特開 昭61−142782(JP,A) 特開 昭60−31013(JP,A) 特開 昭60−31014(JP,A) 特開 昭62−62213(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動体あるいは固定体のいずれか一方に担
    持され、かつ移動方向に沿って並ぶように所定の間隔で
    配置される多数の磁気信号用磁極と、この磁気信号用磁
    極と対向するように前記移動体あるいは固定体の一方に
    設けられ、かつ磁気信号用磁極の磁気信号に感応してそ
    の磁気信号が大きくなるにしたがって内部抵抗が低下す
    るように変化する複数の細長い金属強磁性体の磁気抵抗
    効果素子とを備え、この磁気抵抗効果素子の長手方向が
    前記磁気信号用磁極の配列方向と交差するように置かれ
    るようにするとともに各々の磁気抵抗効果素子が磁気信
    号用磁極の配列方向に沿って間隔を置いて並ぶように配
    置し、前記複数の磁気抵抗効果素子の内部抵抗変化によ
    る電気的な出力信号に基づいて移動体あるいは固定体の
    位置を検出する磁気的に位置や速度を検出する装置にお
    いて、 前記磁気信号用磁極と前記磁気抵抗効果素子との対向間
    隔を、前記磁気抵抗効果素子の感応する磁気信号が大き
    くなったところで前記内部抵抗の低下が鈍る抵抗変化の
    飽和を示す近接した隔たりに設定し、 前記磁気信号用磁極の配列方向に直交する直交線Pに対
    して前記磁気抵抗効果素子の長手方向線を次のアジマス
    θをもって傾けたことを特徴とする磁気的に位置や速度
    を検出する装置。 但し、λ…磁気信号用磁極の配列ピッチ(N・S間の距
    離) l…磁気抵抗効果素子の長さ n…高調波成分の次数
  2. 【請求項2】前記特許請求の範囲第1項記載のものにお
    いて、 アジマスθを次のようにしたことを特徴とする磁気的に
    位置や速度を検出する装置。
  3. 【請求項3】前記特許請求の範囲第1項記載のものにお
    いて、 アジマスθを次のようにしたことを特徴とする磁気的に
    位置や速度を検出する装置。
  4. 【請求項4】前記特許請求の範囲第1項記載のものにお
    いて、 アジマスθを次のようにしたことを特徴とする磁気的に
    位置や速度を検出する装置。
  5. 【請求項5】前記特許請求の範囲第1項記載のものにお
    いて、 アジマスθを次のようにしたことを特徴とする磁気的に
    位置や速度を検出する装置。
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JPS63205514A JPS63205514A (ja) 1988-08-25
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ATE147158T1 (de) * 1993-04-10 1997-01-15 Heidenhain Gmbh Dr Johannes Magnetisches messsystem
DE19748996C1 (de) * 1997-11-06 1999-07-15 Wolfgang Scharrer Kugellager mit integriertem Sensor
JP4377417B2 (ja) 2007-03-20 2009-12-02 オークマ株式会社 傾きセンサ付き位置検出器
JP5435370B2 (ja) * 2010-10-21 2014-03-05 日立金属株式会社 磁気式エンコーダ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6031013A (ja) * 1983-07-30 1985-02-16 Sanyo Electric Co Ltd 磁気抵抗体を使用してなす位置センサ
JPS6031014A (ja) * 1983-07-30 1985-02-16 Sanyo Electric Co Ltd 磁気抵抗体を使用してなす位置センサ

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