JP2014182015A - 測長器および原点位置検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定の媒体に一定間隔で記録された測長用のインクリメント信号を検出する第1の信号検出処理と、媒体に記録されたリファレンス信号を検出する第2の信号検出処理とを行う。そして、第2の信号検出処理で得たリファレンス信号のピークを判別し、その判別したピーク位置と一定の関係がある、測長用のインクリメント信号が検出された位置を原点位置に決定する。
【選択図】図5
Description
一方、磁気媒体上に一定間隔で記録される測長用の信号が、単純なパルス状の信号である場合には、何らかの方法で基準となる位置を決める必要がある。
特許文献1には、測長器において、原点位置を検出してその原点位置を基準とする処理についての記載がある。
図6に従来の原点検出処理の例を示す。測長用のインクリメント信号として、図6Aに示すように、例えばsin信号とcos信号の2つの信号が検出される。そして、図6Bに示すように、特定の位置でレベルが上昇するリファレンス信号が検出される。このとき、リファレンス信号の検出回路内では、このリファレンス信号の検出レベルを基準レベルTH1と比較する。この比較で、図6Cに示すように基準レベルTH1以上の区間を示す原点検出パルスが生成される。
そして、原点を検出する回路内では、図6Cに示す原点検出パルスが立ち上がっている期間内で、例えばcos信号がゼロクロスするタイミングを原点に決定する。
ここで、測長用のsin信号やcos信号は、数十μm程度の比較的短い間隔で記録された信号から検出される信号であり、原点検出パルスが立ち上がっている期間を狭くしないと、検出期間内に複数のタイミング(ゼロクロス点)が検出されてしまう。逆に、原点が検出される期間が狭すぎると、その検出期間内にゼロクロス点が検出されなくなってしまうので、適正な検出期間の幅の設定が難しいという問題がある。また、上述した基準レベルは、測長器が使用される環境(電源電圧の変動や温度変動など)によって、微妙に変動する可能性がある。このため、精度良く確実に原点の検出ができるように調整するためには、手間と時間がかかるという問題があった。
なお、ここまでの説明では磁気スケールにおける原点検出の問題について説明したが、光学的に原点を検出する方式の測長器においても同様の問題がある。
そして、第1の検出部が、媒体に一定間隔で記録された測長用のインクリメント信号を検出し、第2の検出部が、リファレンス信号のレベルを検出する。
さらに、ピーク位置判定部が、第2の検出部で得たリファレンス信号のレベルのピーク位置を判定し、原点位置判定部が、その判別したピーク位置と一定の関係がある、第1の検出部の検出信号を、原点位置に決定する。
さらに、第2の信号検出処理で得たリファレンス信号のピーク位置を判定するピーク位置判定処理と、ピーク位置判定処理で判定したピーク位置と一定の関係がある、測長用のインクリメント信号が検出された位置を、原点位置に決定する原点判定処理とを含む。
まず、図1および図2を参照して、磁気媒体に信号が記録された状態の例について説明する。
図1に示すように、平板状の金属プレート10の上に、磁性媒体11を貼り付ける。磁性媒体11には、測長用の信号を記録したインクリメントスケール部12を直線状に設ける。このインクリメントスケール部12には、磁化方向の反転により、一定間隔(例えば40μm間隔)で測長用の信号を記録する。
また、インクリメントスケール部12に隣接して、原点信号を記録したリファレンス部13を磁性媒体11に設ける。このリファレンス部13は、原点となるリファレンス信号を記録するものであり、このリファレンス信号は、例えば磁性媒体11の端部の近傍に1箇所だけ記録される。
図2は、磁性媒体11上のインクリメントスケール部12が、リファレンス部としても機能するようにした例である。
すなわち、図2Aに示すように、磁性媒体11上に、一定間隔で磁化方向を反転して記録させたインクリメントスケール部12を設ける。ここで、インクリメントスケール部12の端部の近傍に、信号を記録しない消去部12aを設ける。例えば、インクリメントスケール部12として、40μmごとに磁化方向を反転させる場合、40μmの区間だけ、信号を記録しない消去部12aを設ける。この消去部12aが、原点信号としてのリファレンス部に相当する。
リファレンス部を検出する磁気ヘッド22は、例えば図2Aに示すように、消去部12aの長さに対応した間隔Pだけ離した2つの磁気ヘッド22a,22bで構成する。そして、磁気ヘッド22aで検出される着磁パターン(図2B)と、磁気ヘッド22bで検出される着磁パターン(図2C)との差分から、図2Dに示すようにリファレンス部の検出信号を得る。
次に、図1や図2に示した磁性媒体11から磁気ヘッド21,22が検出した信号に基づいて、原点の検出と長さの計測を行うための構成について、図3を参照して説明する。
磁気ヘッド21は、図2または図3に示すインクリメントスケール部12の上を移動することで、90°位相がずれたsin信号とcos信号を検出する。この磁気ヘッド21が出力したsin信号とcos信号は、それぞれアナログ/デジタル変換器31,32に供給されて、デジタル信号に変換される。
デジタル化されたsin信号とcos信号は、ゼロクロス点検出部33に供給され、それぞれの信号がゼロクロスする位置が検出される。そして、ゼロクロス点検出部33でゼロクロス点を検出した信号が、距離測定部34に供給される。距離測定部34は、それぞれの位相のゼロクロス点が検出される数をカウントして、磁気ヘッド21が移動した距離を算出する。
そして、原点判定部47は、ピーク位置と一定の関係があるゼロクロス点、例えばピーク位置に最も近い特定の位相角度(例えば0°)の位置を示すゼロクロス点を、原点に決定する。この場合、ピーク位置に最も近い位相角度を判断する際には、磁気ヘッド21,22が磁性媒体11の上を走査する方向をいずれかの方向に決めて、その方向から見てピーク位置に最も近い特定の位相角度の位置に決めるようにしてもよい。この原点の決定状態の具体的な例については、後述する。
原点判定部47が判定した原点位置は、距離測定部34に伝える。距離測定部34は、指示された原点位置を距離計測時の原点とし、その原点からの距離を測定する。
次に、図4のフローチャートを参照して、図3に示した構成で実行される原点検出の処理について説明する。この原点検出処理では、磁気ヘッド21の出力から、インクリメント信号を検出する第1の信号検出処理と、磁気ヘッド22の出力から、リファレンス信号を検出する第2の信号検出処理とを行う。
そして、その抽出した位相の位置を、原点判定部47が原点に確定する(ステップS18)。
図5は、リファレンス信号の検出状態に基づいて、原点を決定する処理状態の例を示す図である。
図5Aは、磁気ヘッ21,22が検出する消磁パターンを示す図である。この図5Aに示すように、パターンの途中に消去部12a(図2参照)が形成されている。
図5Bは、このように記録されたインクリメントスケール部12から検出されるsin信号とcos信号の波形である。cos信号は、sin信号から90°遅れた信号である。なお、sin信号とcos信号を検出する磁気ヘッドは、消去部12aが形成された箇所を通過しない。ゼロクロス点検出部33は、図5Cに示すように、sin信号とcos信号とがゼロクロスするタイミングθ1,θ2,θ3・・・を検出する。図5の例では、sin信号がゼロクロスするタイミングθ1が位相0°となり、cos信号がゼロクロスするタイミングθ2が位相90°となり、以下、180°,270°,0°,・・・と、90°ごとに位相が変化していく。
この図5Dの例では、図5Aに示す消磁パターンに対応して、プラス方向にリファレンス信号の検出レベルが徐々に上昇し低下した後、検出レベルの変化がマイナス方向に反転する。ここでは、ピーク検出部44がプラス方向に上昇した際のピークを検出する。
例えば、図5Dに示すように、タイミングt1でリファレンス信号の検出レベルがピークとなり、その直後のタイミングt2でリファレンス信号の検出レベルの低下が検出されたとする。このとき、タイミングt1がピーク位置になる。なお、プラス方向のピークを検出するのは1つの例であり、マイナス方向のピークを検出してもよい。
図5Eは、平均化部45が算出した平均値の変化例を模式的に示す。この図5Eの平均値の例は、図面上で平均値の変化が判るように、平均値が変化する間隔を長くしているが、実際にはより細かく周期で平均値が変化する。この図5Eに示すように平均値についても、リファレンス信号の検出レベルに追随して変動する。
但し、例えば図2に示すように、インクリメントスケール部12の途中に消去部12aを設けて、この消去部12aをリファレンス信号としたときには、リファレンス信号のピーク位置が、特定の位相と非常に近くなる。例えば、図5の例では、タイミングt1のピーク位置が位相270°の位置と近い位置になる。
ここで、図5の例では、位相270°から比較的離れた位置となる、位相0°の位置を原点にしたため、リファレンス信号のピーク位置と、インクリメント信号のゼロクロス点の検出位置とが干渉せず、良好に原点位置が定まる。
なお、上述した実施の形態では、リファレンス信号の検出信号のピーク位置を判断するために、原点の検出信号のレベルと、原点の検出信号を平均化したレベルとを比較して、平均レベルが高く、かつ検出信号のレベルが最も高い位置を探索するようにした。これに対して、平均レベルの検出を行わず、原点の検出信号のレベルの判断だけで、最もレベルが高い位置を判断するようにしてもよい。
このように、リファレンス信号の検出信号の平均値だけを使用した場合でも、一時的なノイズの影響を排除した良好な原点検出が行える。
なお、リファレンス信号の検出信号のレベルとリファレンス信号の検出信号を平均化したレベルとを比較して、検出信号のレベルが最も高い位置を探索する場合についても、平均値は、移動平均による平均値の他に、時間平均による平均値を使用してもよい。
また、図5に示した各検出波形は一例を示したものであり、図5に示した例とは異なる位相関係の信号から、原点を検出する場合に、本実施の形態の処理を適用してもよい。
また、図1や図2に示したスケールは、直線状にヘッドが移動して、直線距離の測長を行う測長器の例について説明したが、回転角度(回転距離)などの測長を行う測長器に適用してもよい。
Claims (8)
- 所定の媒体に一定間隔で記録された測長用のインクリメント信号を検出する第1の検出部と、
前記媒体に記録されたリファレンス信号のレベルを検出する第2の検出部と、
前記第2の検出部で得たリファレンス信号の検出レベルのピーク位置を判別するピーク位置判定部と、
前記ピーク位置判定部が判定したピーク位置と一定の関係がある、前記第1の検出部の検出信号を、原点位置に決定する原点判定部とを備えた
測長器。 - 前記第2の検出部は、検出したリファレンス信号のピークを検出すると共に、検出したリファレンス信号のレベルの変化の平均を検出し、
前記ピーク位置判定部は、検出したレベルの変化の平均が高い状態で、かつ検出信号のレベルが最も高い位置をピーク位置とする
請求項1記載の測長器。 - 前記第2の検出部は、リファレンス信号の検出レベルの平均値を検出し、
前記ピーク位置判定部は、検出した平均値が最も高い位置をピーク位置とする
請求項1記載の測長器。 - 前記第1の検出部は、前記媒体に一定間隔で記録された測長用のインクリメント信号の特定の位相を検出し、
前記原点判定部は、前記ピーク位置判定部が判定したピーク位置に最も近い、前記特定の位相の位置を、原点位置に決定する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の測長器。 - 一定間隔の前記測長用のインクリメント信号が前記媒体に記録されていない箇所を設け、
前記第2の検出部は、その測長用のインクリメント信号が記録されていない箇所をリファレンス信号の検出信号とする
請求項1〜4のいずれか1項に記載の測長器。 - 前記特定の位相は、測長用のインクリメント信号が記録されていない箇所を前記第2の検出部が検出することで得られるリファレンス信号のピーク位置の近傍で検出される位相から離れた位相とした
請求項4または5記載の測長器。 - 前記媒体は磁性媒体であり、前記第1の検出部および前記第2の検出部は、磁性媒体上の磁化方向を検出する
請求項1〜6のいずれか1項に記載の測長器。 - 所定の媒体に一定間隔で記録された測長用のインクリメント信号を検出する第1の信号検出処理と、
前記媒体に記録されたリファレンス信号を検出する第2の信号検出処理ステップと、
前記第2の信号検出処理で得たリファレンス信号のピークを判定するピーク位置判定処理ステップと、
前記ピーク位置判定処理で判別したリファレンス信号のピーク位置と一定の関係がある、前記測長用のインクリメント信号が検出された位置を、原点位置に決定する原点判定処理ステップとを含む
原点位置検出方法。
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