JP2004340953A - 磁界検出素子、その製造方法およびこれを利用した装置 - Google Patents

磁界検出素子、その製造方法およびこれを利用した装置 Download PDF

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Abstract

【課題】閾値磁界においてインピーダンスが急激に変化するステップ現象が発生させる高感度の磁界検出素子、その製造方法およびこれを利用した装置を提供する。
【解決手段】磁性体薄膜構造を有する素子に、高周波電源から交流電流を供給し、外部磁界に応じた電気的特性の変化を検出する磁界検出素子において、磁気異方性の容易軸を検出磁界方向に対し膜面内で直角方向から傾斜した方向に誘起し、これに起因するストライプ状磁区構造の磁壁について、検出磁界方向から直角方向を基準として膜面内傾斜角度を付与することで発生する、外部磁界の印加による磁区構造の相転移とこれに伴う磁気特性の不連続的なステップ状変化を利用して、閾値磁界においてインピーダンスが急峻に変化するステップ現象を発生させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ステップ応答特性を有した磁気インピーダンス型磁界検出素子、その製造方法およびこれを利用した装置に関するものである。
最近の情報機器や計測・制御機器の急速な発展に伴い、小型・低コストで高感度・高速応答の磁気センサの要求がますます大きくなっている。例えば、コンピュータの外部記憶装置であるハードディスク装置では、バルクタイプの誘導型磁気ヘッドから薄膜磁気ヘッド、磁気抵抗効果(MR)ヘッドへと高性能化が進んできている。しかしながら、モーターの回転センサであるロータリーエンコーダではマグネットリングの磁極数が多くなり、従来用いられている磁気抵抗効果(MR)センサに代わり、より微弱な表面磁束を感度良く検出できる磁気センサが必要となってきている。また、非破壊検査や紙幣検査、さらに生体磁場計測に用いることができる高感度磁気センサの需要も大きくなっている。
現在用いられている代表的な磁気検出素子としては、誘導型再生磁気ヘッド、磁気抵抗効果(MR)素子、フラックスゲートセンサ、ホール素子等がある。また、最近、アモルファスワイヤの磁気インピーダンス効果を利用した高感度の磁気センサが提案されており(下記特許文献1〜3参照)、また磁性薄膜の磁気インピーダンス効果を利用した高感度の磁気センサも提案されている(下記特許文献4、非特許文献1参照)。
下記特許文献1〜3に記載されているように、磁気インピーダンス素子が提案され、大幅な磁界感度の向上を実現している。この磁気インピーダンス素子は時間的に変化する電流を磁性線に印加することによって生じる円周磁束の時間変化に対する電圧のみを外部印加磁界による変化として検出することを基本原理としている。この磁性線としてFeCoSiB等の零磁歪の直径30μm程度のアモルファスワイヤ(線引後、張力アニールしたワイヤ)が用いられており、長さ1mm程度の微小寸法のワイヤでも、1MHz程度の高周波電流を通電するとワイヤの電圧の振幅がMR素子の1000倍以上である約100%/Oeの高感度で変化する。
下記特許文献5〜6に記載されている薄膜型磁気インピーダンス素子は、基板上にスパッタ法またはめっき法により磁性体を含む薄膜構造体を形成し、ここに高周波電流を通電することにより磁気インピーダンス効果を得ている。
ところで、モータ回転数検出のためのロータリーエンコーダ等においては、磁界変化を磁気センサで検出し、閾値検出回路を通しパルス信号に変換した後、パルス計数回路により回転数を検出する方法が一般的である。
特開平6−176930号公報 特開平7−181239号公報 特開平7−333305号公報 特開平8−75835号公報 特開平8−320362号公報 特開平11−109006号公報 特開2003−130932号公報 特開2003−282995号公報 日本応用磁気学会誌vol.20,553(1996)
しかしながら、上記した誘導型再生磁気ヘッドはコイル巻線が必要であるため磁気ヘッド自体が大型化し、また、小型化すると磁気ヘッドと媒体の相対速度が低い場合、検出感度が著しく低下するという問題がある。
これに対し、強磁性膜による磁気抵抗効果(MR)素子は磁束の時間変化ではなく磁束そのものを検出するものであり、これにより磁気ヘッドの小型化が進められてきた。しかし、現在のMR素子の電気抵抗の変化率は約2%、スピンバルブ素子を用いたMR素子でさえ電気抵抗の変化率が最大6%以下と小さく、また数%の抵抗変化を得るのに必要な外部磁界は1600A/m以上と大きい。従って磁気抵抗感度は0.001%/(A/m)以下の低感度である。また、最近、磁気抵抗変化率が数10%を示す人工格子による巨大磁気抵抗効果(GMR)が見い出されてきた。しかし、数10%の抵抗変化を得るためには、数万A/mの外部磁界が必要であり、磁気センサとしての実用化はされていない。
また、他の従来の高感度磁気センサであるフラックスゲートセンサは、フェライト、パーマロイ等の高透磁率磁心の対称なB−H特性が外部磁界によって変化することを利用して磁気の測定を行うものであり、高分解能と±1°の高指向性を持つ。しかし、検出感度を上げるためには大型の磁心を必要とし、センサ全体の寸法を小さくすることが難しく、また、消費電力が大きいという問題点を持つ。
更に、ホール素子を用いた磁界センサは、電流の流れる面に垂直に磁界を印加すると、電流と印加磁界の両方向に対して垂直な方向に電界が生じてホール素子に起電力が誘起される現象を利用したセンサである。ホール素子はコスト的には有利であるが、磁界検出感度が低く、また、SiやGaAsなどの半導体で構成されるため、温度変化に起因する半導体内の格子の熱振動による散乱によって電子、または正孔の移動度が変化するため磁界感度の温度特性が悪いという欠点を持つ。
本発明は、高感度な磁界検出素子である磁気インピーダンス素子において、閾値磁界を検出する機能を素子自体の特性として有した素子を提供することで、磁界変化の計数器や閾値磁界検出器を高感度化するとともに、従来は必要であった閾値検出回路の省略を可能とし、高感度低コストな検出回路を提供するものである。
すなわち、本発明は、上記状況に鑑みて、閾値磁界においてインピーダンスが急激に変化するステップ現象が発生させる高感度の磁界検出素子、その製造方法およびこれを利用した装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕磁性体薄膜構造を有する素子に、高周波電源から交流電流を供給し、外部磁場に応じた電気的特性の変化を検出する磁界検出素子において、前記磁性体薄膜における磁気異方性の容易軸を検出磁界方向に対し直角方向から傾斜した方向に誘起し、これに起因するストライプ状磁区構造の磁壁に傾斜角度を付与することにより、閾値磁界においてインピーダンスが急激に変化するステップ現象を発生させるようにしたことを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載の磁界検出素子において、高周波電源から供給される交流電流の通電方向と検出磁界の方向を一致させた。
〔3〕薄膜磁性体と導電体とから構成され、前記導電体に高周波交流電流を供給し、外部磁場に応じた電気的特性の変化を検出する磁界検出素子において、前記磁性体薄膜における磁気異方性の容易軸を検出磁界方向に対し直角方向から傾斜した方向に誘起し、これに起因するストライプ状磁区構造の磁壁に傾斜角度を付与することにより、閾値磁界において電気的特性あるいは磁気的特性が不連続に変化する特性を有し、この特性を有する磁性体と前記導電体が電気的あるいは磁気的に結合した位置に配置され、磁場によりインピーダンスが急激に変化するステップ現象を発生させるようにしたことを特徴とする。
〔4〕上記〔3〕記載の磁界検出素子において、ステップ状変化をする磁気特性を有した磁性体薄膜を、導電体の上下いずれか片面側あるいは両面に配置した。
〔5〕上記〔4〕記載の磁界検出素子において、磁性体薄膜と組合わせる導電体を、つづら折り形状とした。
〔6〕上記〔1〕から〔5〕のいずれか一項記載の磁気検出素子において、検出磁界方向に対し直角方向を基準として、薄膜磁性体の磁壁の平均的傾斜角が60°以上90°未満であり、寸法が幅3μm以上50μm以下、膜厚6μm以下である。
〔7〕上記〔2〕記載の磁界検出素子において、容易軸の方向を通電方向と一致しない方向とすることで形成した磁壁について、磁壁の平均的傾斜角が60°以上80°以下であり、検出方向の正方向と負方向の磁界増加に対して、磁界零のインピーダンスに対し閾値磁界でステップ状に増加するインピーダンス特性を有し、素子幅5μm以上50μm以下、膜厚6μm以下である。
〔8〕上記〔2〕記載の磁界検出素子において、容易軸の方向を通電方向と一致しない方向とすることで形成した磁壁について、磁壁の平均的傾斜角が70°以上であり、検出方向の正方向と負方向の磁界増加に対して、磁界零のインピーダンスに対し、閾値磁界までインピーダンスが増加した後、ステップ状に減少するインピーダンス特性を有し、素子幅3μm以上30μm以下、膜厚6μm以下である。
〔9〕磁界検出素子の製造方法において、素子形状に成型した後の磁性体薄膜に磁気異方性を誘起させる方法における磁界中熱処理を使用する際の磁壁傾斜角度の制御方法として、通電方向に対する素子断面形状のアスペクト比(すなわち、素子幅を膜厚で割った比)と静磁界中熱処理時に印加する磁界傾斜角度の関係により制御し、前記磁壁傾斜角度より小さな傾斜角度で磁界を印加し、傾斜磁区を形成する。
〔10〕上記〔1〕から〔8〕のいずれか一項記載の磁界検出素子と、前記磁界検出素子に高周波交流電流を供給する手段と、前記磁界検出素子の電位差の時間変化を時間微分して出力する手段とを有し、前記磁界検出素子のステップ状変化をパルスに変換して出力し、このパルスにより磁界の変化を検出する。
〔11〕モータ回転数計測装置において、上記〔10〕記載の磁界検出装置を用いた。
〔12〕エンコーダにおいて、上記〔10〕記載の磁界検出装置を用いた。
〔13〕過電流検出装置において、上記〔10〕記載の磁界検出装置を用いた。
〔14〕磁界検出装置において、上記〔1〕から〔8〕のいずれか記載の磁界検出素子により、外部磁界強度に応じ、インピーダンスのステップ状変化を発生させるのに必要なバイアス磁界の変化を利用して磁界を検出する。
〔15〕上記〔14〕記載の磁界検出装置において、素子インピーダンスが同方向に変化する異なるバイアス磁界で発生する2つのステップ状変化を利用して、これらバイアス磁界の相加平均により外部磁界を演算する。
本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
(A)磁気−インピーダンス効果を利用した磁気検出素子について、磁気異方性の容易軸を検出磁界方向である通電方向に対し直角方向から傾斜した方向に誘起し、これに起因する磁壁の傾斜角度を制御することで作製する、閾値磁界においてインピーダンスが急激に変化するステップ現象が発生する磁界検出素子を実現した。特に、電気回路を組み合せることなく、素子自体で閾値磁界を検出できるため、回路全体での小型化と閾値磁界検出装置の高感度化とを同時に実現可能である。
本発明の磁界検出素子は、変動磁界の周波数計数や、閾値磁界を超過する磁界の有無を検出する際に有効である。
(B)細線素子であるため、素子インピーダンスを高くして、駆動電力を小さくできる。また、小型化に有効である。
(C)素子自体に、閾値検出機能があるために、電気回路が簡略化でき、低コストで、かつ小型の磁気センサモジュールの実現を可能にする。例えば、モータ回転数計測装置、磁気式エンコーダ、過電流検出装置への応用が可能である。それにより、小型化・低消費電力化が可能である。
本発明は、磁性体薄膜構造を有する素子に、高周波電源から交流電流を供給し、外部磁界に応じた電気的特性の変化を検出する磁界検出素子において、磁気異方性の容易軸を通電方向に対し直角方向から傾斜した方向に誘起し、これに起因する磁壁の傾斜角度を制御することで作製する、閾値磁界においてインピーダンスが急激に変化するステップ現象が発生する磁界検出素子を提供する。
この磁界検出素子は、容易軸の方向を通電方向と一致しない方向とすることで形成した磁壁について、磁壁の平均的傾斜角を60°以上とすることで実現できる。
傾斜磁区の形成方法として、素子形状に成型した後の磁性体薄膜に、磁気異方性を誘起させる方法として、磁界中熱処理を使用する際の磁壁傾斜角度の制御方法として、通電方向に対する素子断面形状のアスペクト比(すなわち、素子幅を膜厚で割った比)と静磁界中熱処理時に印加する磁界傾斜角度の関係により制御し、磁壁傾斜角度より小さな傾斜角度で磁界を印加する、傾斜磁区を有した薄膜磁気インピーダンス素子の製造方法を提供する。
この磁界検出素子により閾値を超える変動磁界を検出するために、素子インピーダンスの変化に応じて変化する電気的出力を微分回路で処理し、閾値を超える外部磁界をパルスに変換し検出する磁界検出装置も提供する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、以下に本発明の原理について説明する。
ここでは、センサ素子における高周波電流の通電方向を長手方向、これと直交する方向を幅方向とする。磁性体は通電する高周波電流により励磁されるが、この際に重要なのは、通電電流の発生する磁界方向である幅方向の高周波透磁率である。薄膜幅方向の高周波透磁率が外部磁界により変化する現象を、バイアス磁化現象という。この場合、外部磁界に応じてセンサ素子のインピーダンスが大きく変化する。ワイヤ、リボン、薄膜と素子の形状に関わらず、従来型の磁気インピーダンス素子では、この特性が連続的に、かつ外部磁界の増化・減少の変化に対して対称的に変化する特性を利用していた。
薄膜磁性体のバイアス磁化における理論的解析によると、反磁界のために薄膜面内方向に磁化が拘束された磁性体において、幅方向から膜面内方向に傾斜した磁化容易軸を付与した場合、長手方向外部磁界の強度により薄膜磁性体の有する磁気的エネルギーに準安定状態が発生する。磁気的エネルギーの安定状態は、磁性体の高周波透磁率と関連しており、準安定状態と基底状態の間には、長手方向に通電する電流が発生する磁界に対する高周波透磁率の値に大きなギャップがある。
本発明では、薄膜磁性体を微細加工し、ストライプ状磁区構造を有する小型磁気インピーダンスセンサとした際に、磁化容易軸の方向を幅方向から傾斜した方向に形成することで、理論的に予測された磁気的エネルギーの準安定状態と基底状態の混在状態であるストライプ状磁区構造から基底状態である単磁区構造に、外部磁界印加により転移する特性を有する素子を実現した。
具体的な素子特性として、長手方向の外部磁界を0から増加させると、素子固有の閾値磁界Hthまでインピーダンスは小さく変化するが、外部磁界がHthを超えた段階でインピーダンスがステップ状に急増する。この現象を上記の原理に則り説明すると、以下のようになる。
外部磁界が閾値磁界Hth以下では準安定状態と基底状態が混在していた磁気的エネルギーが、外部磁界が閾値磁界Hthを超えた段階ですべて基底状態へと転移する。この際、素子幅方向の高周波透磁率もエネルギー状態の転移と共に急変し、これにより、インピーダンスにステップ特性を有した磁気インピーダンス素子が実現する。
本発明では、磁気インピーダンス素子の磁化容易軸の傾斜角、観察可能な現象としては磁壁の傾斜角を制御することで、インピーダンスステップ特性を実現させた。
傾斜磁区の形成方法として、実施の容易な方法として、以下の2通りの方法がある。
(1)磁性膜に磁気異方性を誘導した後に、異方性の方向が傾斜する配置の磁界検出素子形状に加工する。
(2)磁性体膜を磁界検出素子形状に加工した後に、請求項9の製造方法で傾斜磁区を形成する。
本発明の素子特性を磁界検出に応用する際は、一般の磁気インピーダンス素子の処理回路を簡略化することが可能になる。
また、本発明は、高感度な閾値磁界検出を可能とし、さらには、検出回路モジュールの簡略化が可能であることから広い用途に応用可能である。
図1は、本発明の実施例を示す磁気インピーダンス素子の構造図であり、図1(a)はその全体斜視図、図1(b)は図1(a)のA−A線断面模式図である。
これらの図において、1は磁界検出素子、2は基板(例えばガラス)、3はその基板2上に形成される磁性膜(あるいは磁性体−非磁性体からなる積層膜)、4はその磁性膜3の両端に設けられる電極パッド、5は高周波電源、6は磁性膜3の幅、7は磁性膜3の厚さ、8は検出磁界方向、9はキャリア電流を示している。
図2は、本発明における傾斜磁壁からなる素子面内の傾斜磁区構造の模式図である。
この図において、磁壁は、180°磁壁11と還流磁区12の磁壁13に分類されるが、本発明の請求項で規定する磁壁角度は、180°磁壁11の傾斜角度であり、磁壁種類の判別が困難な場合は、磁壁11の平均角度で定義する。磁化容易軸の傾斜角度も異方性分散等があるので実際は一意的に決定できないため、分散状態の平均値を磁壁(磁化容易軸)傾斜角度θと定義する。14は通電方向である。
本発明の素子の有する磁化容易軸の傾斜角度θ、あるいは磁壁の平均傾斜角度は請求項に規定されるものとなる。
〔実施例1〕
磁界検出素子1の磁性膜3の材料組成は、Co85Nb12Zr3 であり、RFスパッタ(Ar雰囲気)にてガラス基板2上に成膜した。パターニングは、リフトオフ法あるいはイオンミリング法を用いた。磁性膜3は成膜後に磁界中熱処理を施し、面内方向に磁気異方性を付与した。磁界中熱処理条件は、(1)回転磁界中熱処理(40kA/m、400℃、2時間)、(2)静磁界中熱処理(40kA/m、400℃、1時間)である。
本発明の重要なポイントである幅方向に傾斜した磁区構造を形成するために、静磁界中熱処理の際、磁界の方向を幅方向から1°傾斜させた。電極パッド4は、Ti/Cuで形成され、ウエハプローブをこの電極に接触させることによりインピーダンス測定を行なった。
磁界検出素子の磁界検出特性の評価はヘルムホルツコイルにより外部磁界Hexを印加した際の素子インピーダンス変化を測定することにより行なった。この測定はネットワークアナライザ(例えばHP4396B)を用いて反射法により測定した。
上記した製造方法により製造された磁界検出素子特性の測定結果について説明する。
図3は本発明の実施例を示す磁界検出素子の外部磁界Hex(Oe)に対するインピーダンス(Ω:絶対値)の特性図である。ここでは、素子長1mm、素子幅20μm、膜厚3.1μmの磁界検出素子におけるキャリア周波数50MHzの磁気−インピーダンス特性を示している。
図3に示すように、−2.7Oeから+2.7Oeに外部磁界が増加する場合と、+2.7Oeから−2.7Oeと外部磁界が減少する場合に、インピーダンスが増加するステップと減少するステップが各々1回ずつ発生する。
本発明の実施例を示す磁界検出素子における磁区構造を図4に示す。
この図において、20は磁界検出素子、21は180°磁壁、22は還流磁区、23は還流磁区22の磁壁、24は通電方向、θ1 は磁壁平均傾斜角(70°)である。
図4に示すように、180°磁壁21の平均傾斜角θ1 は70°となり、請求項6の範囲内である。磁壁21の平均傾斜角θ1 は、静磁界中熱処理における磁界方向に比べ大きな傾斜角度になっているが、これは、素子幅が20μmと狭く、膜厚も3.1μmと厚いため反磁界の影響で磁性体内部の磁界方向が屈折させられているためと考えられる。なお、この反磁界による磁界屈折による磁壁傾斜角度についての詳細は実施例3に示す。
本磁界検出素子の磁区構造は、以下のようになる。すなわち、インピーダンスが一段低い部分では、ストライプ状磁壁が観察され、インピーダンスが一段高い部分では、ストライプ状磁壁が消滅する。これは、前述の動作原理の部分に説明した現象の実測的確認である。
本発明の磁界検出素子特性には、いくつかのバリエーションがある。
図5に、素子長2mm、素子幅20μm、膜厚3.1μmの素子におけるキャリア周波数50MHzの磁気−インピーダンス特性とストライプ状磁区構造の有無を測定した結果の対応図を示す。本条件の磁壁平均傾斜角は、65°である。
図6に、素子長3mm、素子幅20μm、膜厚3.1μmの素子におけるキャリア周波数50MHzの磁気−インピーダンス特性とストライプ状磁区構造の有無を測定した結果の対応図を示す。本条件の磁壁平均傾斜角は、66°である。
何れも、ストライプ状磁壁の出現・消失でインピーダンスがステップ状に変化していることがわかる。本発明の磁界検出素子には、さらに、図7、図8のようなバリエーションもある。すなわち、上記図5、図6と同様にインピーダンス増加あるいは減少の際にステップ状変化をするが、その状態から逆方向に回復する場合は、なだらかな連続的変化を示す特性である。図7の素子は、素子長5mm、素子幅10μm、膜厚2.4μmで作製されたものの磁気−インピーダンス特性とストライプ状磁区構造の有無を測定した結果の対応図である。本条件の磁壁平均傾斜角は、74°である。
図8は、素子長2mm、素子幅10μm、膜厚3.0μmで作製されたものの磁気−インピーダンス特性とストライプ状磁区構造の有無を測定した結果の対応図である。本条件の磁壁平均傾斜角は、84°である。
薄膜磁気インピーダンス素子において、磁壁の傾斜角度、あるいは、これを制御する素子断面アスペクト比を調整することで、磁気−インピーダンス曲線が外部磁界零の点に極小値を持ちこの極小値の両側に2つの最大値を有する素子を実現することと、外部磁界零の点に唯一の最大値を有する単調減少型プロファイルの特性を有する素子を実現することが可能であることは、公知である(上記特許文献7、特許文献8参照)。本発明は、これら公知の条件において、インピーダンスステップ特性を実現する素子に関するものである。
以上に示すように、本発明のインピーダンスステップ特性を有する磁界検出素子には、いくつかの特性バリエーションがあるが、いずれも原理的には同一であり、これらを排除するものではない。
〔実施例2〕
磁界検出素子1の磁性膜3の材料組成は、Co85Nb12Zr3 であり、RFスパッタ(Ar雰囲気)にてガラス基板2上に成膜した。パターニングは、リフトオフ法あるいはイオンミリング法を用いた。磁性膜3は成膜後に磁界中熱処理を施し、面内方向に磁気異方性を付与した。磁界中熱処理条件は、(1)回転磁界中熱処理(240kA/m、400℃、2時間)、(2)静磁界中熱処理(240kA/m、400℃、1時間)である。
本発明の重要なポイントである幅方向に傾斜した磁区構造を形成するために、静磁界中熱処理の際、磁界の方向を幅方向から60°傾斜させた。電極パッド4は、Ti/Cuで形成され、ウエハプローブをこの電極に接触させることによりインピーダンス測定を行なった。
磁界検出素子の磁界検出特性の評価はヘルムホルツコイルにより外部磁界Hexを印加した際の素子インピーダンス変化を測定することにより行なった。この測定はネットワークアナライザ(例えばHP4396B)を用いて反射法により測定した。
上記した製造方法により製造された磁界検出素子特性の測定結果について説明する。
図9は本発明の実施例を示す磁界検出素子の外部磁界Hex(Oe)に対するインピーダンス(Ω:絶対値)の特性図である。ここでは、素子長1mm、素子幅20μm、膜厚2.1μmの磁界検出素子におけるキャリア周波数50MHzの磁気−インピーダンス特性を示している。
図9に示すように、−2.7Oeから+2.7Oeに外部磁界が増加する場合と、+2.1Oeから−2.1Oeと外部磁界が減少する場合に、インピーダンスが増加するステップと減少するステップが各々1回ずつ発生する。
本発明の実施例を示す磁界検出素子における磁区構造における180°磁壁の平均傾斜角θ1 は、65°となり、請求項6の範囲内である。磁壁の平均傾斜角は、静磁界中熱処理の処理磁界が実施例1よりも大きいため、磁界方向とほぼ近いながらも、磁界方向に比べ大きな傾斜角度になっていることが示される。
本発明の磁界検出素子特性には、実施例1と作製条件が異なるものの、実施例1と共通したバリエーションがある。
図10に、素子長2mm、素子幅20μm、膜厚2.1μmの素子におけるキャリア周波数50MHzの磁気−インピーダンス特性とストライプ磁区構造の有無を測定した結果の対応図を示す。本条件の磁壁平均傾斜角は、63°である。なお、製法は上記と同じである。
図11に、素子長3mm、素子幅20μm、膜厚2.1μmの素子におけるキャリア周波数50MHzの磁気−インピーダンス特性とストライプ磁区構造の有無を測定した結果の対応図を示す。本条件の磁壁平均傾斜角は、62°である。なお、製法は上記と同じである。
本実施例に示すように、目標とする磁壁角度に近い、強い磁界を印加した静磁界中熱処理を施した場合も、請求項6の範囲内でインピーダンスステップ特性を実現することが示される。
〔実施例3〕
本発明の原理を述べる際に説明した、磁性体薄膜の特性を応用することで、以下の構造を有するインピーダンスステップ特性を有する磁界検出素子の実現が可能である。すなわち、本発明の原理に示したように、ストライプ状磁壁の出現・消失に伴い発生する、ステップ的に磁気特性が変化する磁成体薄膜と導電体を複合させた構造である。
図12は、1片の磁性体薄膜と1本の導電路を組合せた構造である。
この図において、31は1片の磁性体薄膜、32は1本の導電路、33はその1本の導電路32の電極パッドである。
図13は、1本の導電路の上下に本発明の特性を有する磁性体薄膜を配置した構造である。
この図において、41は下部の磁性体薄膜、42は1本の導電路、43はその1本の導電路42の電極パッド、44は上部の磁性体薄膜である。
また、磁界検出素子の抵抗値を大きく設定し、消費電力を小さくするのに有効な構造として、導電路をミアンダ構造化した構造を図14、図15に示す。
図14において、51は1片の磁性体薄膜、52はミアンダ構造化した導電路、53はその導電路52の電極パッドである。
図15において、61は下部の磁性体薄膜、62はミアンダ構造化した導電路、63はその導電路62の電極パッド、64は上部の磁性体薄膜である。
これら積層構造において、磁性体と導電体の間に絶縁層を配置するようにしても良い。このような構造にすることによっても、磁性体薄膜の磁気特性が外部磁場に応じてステップ的に変化すれば、導電体に電磁気的に影響を及ぼし、導電体のインピーダンスがステップ状に変化する素子となる。
〔実施例4〕
材料組成、製造方法は実施例1と同じであり、静磁界中熱処理の磁界方向も幅方向から1°傾斜として静磁界中熱処理を行ない、磁界検出素子を作製した。作製した素子寸法は、長さ2mm、膜厚2.1μmで一定とし、幅を変化させたものを作製した。
なお、図16〜図18は本発明の第4実施例を示す磁界検出素子の素子面内の傾斜磁区構造を示す図であり、図16の素子幅は25μm、図17の素子幅は15μm、図18の素子幅は10μmである。
作製した素子の磁区構造は、図16(磁壁平均傾斜角:17°)、図17(磁壁平均傾斜角:43°)、図18(磁壁平均傾斜角:81°)に示すように、素子幅が狭くなるに従い磁壁の平均傾斜角度が大きくなる。これらの磁界検出素子の磁気インピーダンス特性を測定すると、磁壁の傾斜角が増加するとともに、図19(図16に対応)、図20(図17に対応)、図21(図18に対応)のように、インピーダンス特性に現われる2ピークの間隔が小さくなり、最終的には外部磁界0におけるインピーダンスが底上げされ、谷底とピークのインピーダンス変化が小さなインピーダンス特性となる。
本発明の特性を有する磁界検出素子は、外部磁界0におけるインピーダンスの底上げ現象が発生する直前のピーク間隔がもっとも狭くなった場合から、磁壁平均傾斜角を大きくした場合に実現する。
以上の結果および本発明の実施例に示される他の実施例を表にまとめると、表1となる。
表1より、磁壁傾斜角度とインピーダンスステップの発現は、請求項6に示される条件であることが示される。
〔実施例5〕
材料組成、製造方法は実施例1と同じであり、静磁界中熱処理の磁界方向も幅方向から1°傾斜として静磁界中熱処理を行った際に、素子幅および膜厚をパラメータとした場合の、磁壁傾斜角度について実験した結果を図22に示す。
図22においては、素子幅および膜厚を断面アスペクト比(幅/厚さ)というパラメータで統一して示した。断面アスペクト比は、静磁界中熱処理時に幅方向に発生する反磁界強度と密接に関係するパラメータであることから、素子側面に発生する磁極による反磁界に起因する磁性体内部の磁界方向の屈折強度を表現するパラメータであると推測できる。
図22より、静磁界中熱処理の磁界方向を一定とした場合に、断面アスペクト比により磁壁傾斜角度を制御できることが分かる。このような磁区制御の手法により、磁壁傾斜角度を60°以上90°未満とすることで、実施例1に示すような本発明の素子特性が実現される。
本実施例は、請求項9に示される傾斜磁区構造を有する磁界検出素子の製造方法の実施例である。
〔実施例6〕
インピーダンスステップを利用した磁界検出装置に有効な方法として、微分回路によるステップ点検出方法がある。
図23に磁界検出装置の電気回路の概略図を示す。
この図において、71は磁界検出素子、72は抵抗、73は高周波電源、74は整流器+LPF(ローパスフィルタ)又はピークホールド回路、75は微分回路、76は出力端子である。
この回路モジュールを振幅2Oeの交番的に変動する磁界中に置き、このときの出力電圧を微分回路75に通した波形を図24に示す。この図24は、一周期における出力電圧波形である。インピーダンスステップ現象が発生した時点で1パルスが発生し、交番磁界1周期で2パルスの発生となり、このパルス数の計数で交番磁界の周波数計数が実現される。
本実施例は、請求項10に示される特性を有する素子の実施例である。
〔実施例7〕
磁界検出素子の磁性体材料組成は、Co85Nb12Zr3 であり、RFスパッタ(Ar雰囲気)にてガラス基板上に成膜した。素子寸法は長さ2mm、幅20μmであり、リフトオフ法あるいはイオンミリング法を用いてパターニングした。磁性膜は成膜後に磁界中熱処理を施し、磁気異方性を付与した。磁界中熱処理条件は、回転磁界中熱処理(40kA/m、400℃、2時間)静磁界中熱処理(40kA/m、400℃、1時間)である。
本発明の重要なポイントである幅方向に傾斜した磁区構造を形成するために、静磁界中熱処理の際、磁界の方向を幅方向から1°傾斜させ、静磁界中熱処理を行なった。電極はTi/Cuで形成され、ウエハプローブによりインピーダンス測定を可能とするためにコプレーナ形状の電極を設置した。
磁界検出素子の磁界検出特性の評価は、ヘルムホルツコイルにより、外部磁界Hexを印加した際の素子インピーダンス変化を測定することにより行なった。測定はネットワークアナライザ(例えば、HP4396B)を用いて反射法により測定した。
上記した磁界検出素子特性の測定結果について説明する。
図25は本発明の実施例を示す磁界検出素子の外部磁界Hex(Oe)に対するインピーダンス(絶対値)の特性図である。ここでは、膜厚3.1μmの素子におけるキャリア周波数500MHzの磁気−インピーダンス特性を示している。
ここで、磁界検出素子に−1.5Oeから+1.5Oeに変化するバイアス磁界と、+1.5Oeから−1.5Oeに変化するバイアス磁界を印加して、素子インピーダンスがステップ状に増加する瞬間のバイアス磁界をホールドする。この磁界をH+stepとH−stepとする。この様子を図26に示す。さらに、H+step+H−stepという演算処理を行ない、この出力をセンサ出力とする。
なお、この演算処理は、バイアス磁界強度に対して行わずに、磁界を発生させるのに必要な電流あるいは電圧に対し行なっても良い。
さらに、インピーダンスがステップ状に減少する部分を用いて、本実施例に示すのと同じ演算を行なっても、同様の結果が得られる。
図27に本手法により測定した外部磁界Hexと、校正された磁界測定器で測定した結果を示す。この図27において、ステップセンサの出力はバイアス磁界を発生させる電流値を用いて演算しているが、この測定に用いたヘルムホルツコイルの校正係数(約20)と、請求項15の演算方法を用いると、若干のオフセット調整が必要ではあるが、地磁気レベルの外部磁界を精度良く測定できることが示される。つまり、●は実測磁界、□は本発明のステップセンサの出力値であり、ほぼ実測値と変わらないことが分かる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の磁界検出素子、その製造方法およびこれを利用した装置は、ハードディスク装置をはじめ、非破壊検査や紙幣検査、さらに生体磁場計測に用いることができる。
本発明の実施例を示す磁界検出素子の構造図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子における傾斜磁壁からなる素子面内の傾斜磁区構造の模式図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の磁気インピーダンス特性を示す図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の磁区構造を示す図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の磁気インピーダンス特性(素子長2mm、素子幅20μm、膜厚3.1μm)とストライプ状磁区構造の有無を示す図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の磁気インピーダンス特性(素子長3mm、素子幅20μm、膜厚3.1μm)とストライプ状磁区構造の有無を示す図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の磁気インピーダンス特性(素子長5mm、素子幅10μm、膜厚2.4μm)とストライプ状磁区構造の有無を示す図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の磁気インピーダンス特性(素子長2mm、素子幅10μm、膜厚3.0μm)とストライプ状磁区構造の有無を示す図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の磁気インピーダンス特性(素子長1mm、素子幅20μm、膜厚2.1μm)を示す図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の磁気インピーダンス特性(素子長2mm、素子幅20μm、膜厚2.1μm)を示す図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の磁気インピーダンス特性(素子長3mm、素子幅20μm、膜厚2.1μm)を示す図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の磁性体が片面の積層構造素子を示す模式図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の磁性体が上下両面の積層構造素子を示す模式図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の導電路がミアンダ構造であり磁性体が片面の積層構造素子を示す模式図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の導電路がミアンダ構造であり磁性体が上下両面の積層構造素子を示す模式図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の素子面内の傾斜磁区構造(膜厚2.1μm、素子幅25μm)を示す図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の素子面内の傾斜磁区構造(膜厚2.1μm、素子幅15μm)を示す図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の素子面内の傾斜磁区構造(膜厚2.1μm、素子幅10μm)を示す図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の素子の磁気インピーダンス特性(膜厚2.1μm、素子幅25μm)を示す図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の素子の磁気インピーダンス特性(膜厚2.1μm、素子幅15μm)を示す図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の素子の磁気インピーダンス特性(膜厚2.1μm、素子幅10μm)を示す図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の素子断面アスペクト比と磁壁傾斜角度の実測関係図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の微分回路と組合せた電気回路の概略図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の交番磁界中の出力電圧を微分回路に通した波形を示す図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子の外部磁界Hex(Oe)に対するインピーダンス(絶対値)の特性図である。 本発明の実施例を示す磁界検出素子を用いたステップセンサの動作説明図である。 本発明の実施例を示すステップセンサの測定結果を示す図である。
符号の説明
1 磁界検出素子
2 基板(例えばガラス)
3 磁性膜(あるいは磁性体−非磁性体からなる積層膜)
4,33,43,53,63 電極パッド
5 高周波電源
6 磁性膜の幅
7 磁性膜の厚さ
8 検出磁界方向
9 キャリア電流
11,21 180°磁壁
12,22 還流磁区
13,23 還流磁区の磁壁
14,24 通電方向
20,71 磁界検出素子
θ1 磁壁平均傾斜角
31,51 1片の磁性体薄膜
32,42 1本の導電路
41,61 下部の磁性体薄膜
44,64 上部の磁性体薄膜
52,62 ミアンダ構造化した導電路
72 抵抗
73 高周波電源
74 整流器+LPF(ローパスフィルタ)又はピークホールド回路
75 微分回路
76 出力端子

Claims (15)

  1. 磁性体薄膜構造を有する素子に、高周波電源から交流電流を供給し、外部磁場に応じた電気的特性の変化を検出する磁界検出素子において、前記磁性体薄膜における磁気異方性の容易軸を検出磁界方向に対し直角方向から傾斜した方向に誘起し、これに起因するストライプ状磁区構造の磁壁に傾斜角度を付与することにより、閾値磁界においてインピーダンスが急激に変化するステップ現象を発生させるようにしたことを特徴とする磁界検出素子。
  2. 高周波電源から供給される交流電流の通電方向と検出磁界の方向を一致させた構造を有する請求項1記載の磁界検出素子。
  3. 薄膜磁性体と導電体とから構成され、前記導電体に高周波交流電流を供給し、外部磁場に応じた電気的特性の変化を検出する磁界検出素子において、前記磁性体薄膜における磁気異方性の容易軸を検出磁界方向に対し直角方向から傾斜した方向に誘起し、これに起因するストライプ状磁区構造の磁壁に傾斜角度を付与することにより、閾値磁界において電気的特性あるいは磁気的特性が不連続に変化する特性を有し、この特性を有する磁性体と前記導電体が電気的あるいは磁気的に結合した位置に配置され、磁場によりインピーダンスが急激に変化するステップ現象を発生させるようにしたことを特徴とする磁界検出素子。
  4. ステップ状変化をする磁気特性を有した磁性体薄膜を、導電体の上下いずれか片面側あるいは両面に配置した請求項3記載の磁界検出素子。
  5. 磁性体薄膜と組合わせる導電体を、つづら折り形状とした、請求項4記載の磁界検出素子。
  6. 検出磁界方向に対し直角方向を基準として、薄膜磁性体の磁壁の平均的傾斜角が60°以上90°未満であり、寸法が幅3μm以上50μm以下、膜厚6μm以下である請求項1から5のいずれか一項記載の磁界検出素子。
  7. 容易軸の方向を通電方向と一致しない方向とすることで形成した磁壁について、磁壁の平均的傾斜角が60°以上80°以下であり、検出方向の正方向と負方向の磁界増加に対して、磁界零のインピーダンスに対し閾値磁界でステップ状に増加するインピーダンス特性を有し、素子幅5μm以上50μm以下、膜厚6μm以下である請求項2記載の磁界検出素子。
  8. 容易軸の方向を通電方向と一致しない方向とすることで形成した磁壁について、磁壁の平均的傾斜角が70°以上であり、検出方向の正方向と負方向の磁界増加に対して、磁界零のインピーダンスに対し、閾値磁界までインピーダンスが増加した後、ステップ状に減少するインピーダンス特性を有し、素子幅3μm以上、30μm以下、膜厚6μm以下である請求項2記載の磁界検出素子。
  9. 素子形状に成型した後の磁性体薄膜に磁気異方性を誘起させる方法における磁界中熱処理を使用する際の磁壁傾斜角度の制御方法として、通電方向に対する素子断面形状のアスペクト比と静磁界中熱処理時に印加する磁界傾斜角度の関係により制御し、前記磁壁傾斜角度より小さな傾斜角度で磁界を印加し、傾斜磁区を形成する磁界検出素子の製造方法。
  10. 請求項1から8のいずれか一項記載の磁界検出素子と、前記磁界検出素子に高周波交流電流を供給する手段と、前記磁界検出素子の電位差の時間変化を時間微分して出力する手段とを有し、前記磁界検出素子のステップ状変化をパルスに変換して出力し、このパルスにより磁界の変化を検出する磁界検出装置。
  11. 請求項10記載の磁界検出装置を用いたモータ回転数計測装置。
  12. 請求項10記載の磁界検出装置を用いたエンコーダ。
  13. 請求項10記載の磁界検出装置を用いた過電流検出装置。
  14. 請求項1から8のいずれか一項記載の磁界検出素子により、外部磁界強度に応じ、インピーダンスのステップ状変化を発生させるのに必要なバイアス磁界の変化を利用して磁界を検出する磁界検出装置。
  15. 請求項14記載の磁界検出装置において、素子インピーダンスが同方向に変化する異なるバイアス磁界で発生する2つのステップ状変化を利用して、これらバイアス磁界の相加平均により外部磁界を演算する磁界検出装置。
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