JP4026050B2 - 磁界検出素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁界検出素子に関し、特に、高直線性・低バイアス型磁気インピーダンス型磁界検出素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の情報機器や計測・制御機器の急速な発展に伴い、小型・低コストで高感度・高速応答の磁気センサの要求が、ますます大きくなっている。例えば、コンピュータの外部記憶装置のハードディスク装置では、バルクタイプの誘導型磁気ヘッドから薄膜磁気ヘッド、磁気抵抗効果(MR)ヘッドと高性能化が進んできている。
【0003】
さらに、モーターの回転センサであるロータリーエンコーダでは、マグネットリングの磁極数が多くなり、従来用いられている磁気抵抗効果(MR)センサに代わり、より微弱な表面磁束を、感度良く検出できる磁気センサが必要となってきている。
【0004】
また、非破壊検査や紙幣検査、さらに生体磁場計測に用いることができる高感度磁気センサの需要も大きくなっている。
【0005】
現在用いられている代表的な磁気検出素子として、誘導型再生磁気ヘッド、磁気抵抗効果(MR)素子、フラックスゲートセンサ、ホール素子等がある。
【0006】
また、最近、アモルファスワイヤの磁気インピーダンス効果を利用した高感度の磁気センサが提案されている(特開平6−176930号公報、特開平7−181239号公報、及び特開平7−333305号公報,参照)。
【0007】
また、磁性薄膜の磁気インピーダンス効果を利用した高感度の磁気センサも提案されている(特開平8−75835号公報、日本応用磁気学会誌vol.20、553(1996)参照)。
【0008】
誘導型再生磁気ヘッドは、コイル巻線が必要であるため、磁気ヘッド自体が大型化する。また、小型化すると、磁気ヘッドと媒体の相対速度が低い場合、検出感度が著しく低下するという問題がある。これに対し、強磁性膜による磁気抵抗効果(MR)素子は、磁束の時間変化ではなく、磁束そのものを検出するものであり、これにより磁気ヘッドの小型化が進められてきた。
【0009】
しかし、現在のMR素子の電気抵抗の変化率は約2%、スピンバルブ素子を用いたMR素子でさえ、電気抵抗の変化率が最大6%以下と小さい。また、数%の抵抗変化を得るのに必要な外部磁界は、1600A/m以上と大きい。従って、磁気抵抗感度は0.001%/(A/m)以下と、低感度である。
【0010】
また、最近、磁気抵抗変化率が、数10%を示す人工格子による巨大磁気抵抗効果(GMR)が見いだされた。しかし、数10%の抵抗変化を得るためには、数万A/mの外部磁界が必要である。
【0011】
従来の高感度磁気センサであるフラックスゲートセンサは、フェライト、パーマロイ等の高透磁率磁心の対称なB−H特性が、外部磁界によって変化することを利用して、磁気の測定を行うものであり、高分解能と±1°の高指向性を持つ。しかし、検出感度をあげるために、大型の磁心を必要とするため、センサ全体の寸法を小さくすることが難しく、さらに、消費電力が大きいという問題点を持つ。
【0012】
ホール素子を用いた磁界センサは、電流の流れる面に垂直に磁界を印加すると、電流と印加磁界の両方向に対して垂直な方向に電界が生じて、ホール素子に起電力が誘起される現象を利用したセンサである。ホール素子は、コスト的には有利であるが、磁界検出感度が低い。また、SiやGaAsなどの半導体で構成されるため、温度変化に対して、半導体内の格子の熱振動による散乱によって、電子または正孔の移動度が変化するため、磁界感度の温度特性が悪いという欠点を持つ。
【0013】
一方、特開平6−176930号公報、特開平7−181239号公報、特開平7−333305号公報に記載されているように、磁気インピーダンス素子が提案され、大幅な磁界感度の向上を実現している。この磁気インピーダンス素子は、時間的に変化する電流を磁性線に印加することによって生じる、円周磁束の時間変化に対する、電圧のみを外部印加磁界による変化として検出することを基本原理としている磁気インピーダンス素子である。
【0014】
この磁性線として(FeCoSiB)等、零磁歪の直径30μm程度のアモルファスワイヤ(線引後、張力アニールしたワイヤ)が用いられており、長さ1mm程度の微小寸法のワイヤでも、1MHz程度の高周波電流を通電すると、ワイヤの電圧の振幅が、MR素子の1000倍以上である約100%/Oeの高感度で変化する。
【0015】
また、特開平8−320362号公報、特開平11−109006号公報に記載されている薄膜型磁気インピーダンス素子は、基板上にスパッタ法、または、めっき法により、磁性体を含む薄膜構造体を形成し、ここに高周波電流を通電することにより、磁気インピーダンス効果を得ている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
従来の薄膜磁気インピーダンス素子において、素子の動作点を保持するために外部から与えなければならない磁界(バイアス磁界)が大きく、電気回路設計が複雑であるとともに、素子駆動に要する消費電力が大きいというデメリットがあった。
【0017】
そこで、本発明の一技術的課題は、素子インピーダンス特性の、外部磁界に対し単調減少する部分が、低磁界側に現われる特性を有する素子を作製することができ、この部分を、磁界測定に利用することで、素子駆動消費電力を大幅に増加させることなしに、広い測定領域を有する素子を作製することができる磁界検出素子を提供することにある。
【0018】
また、本発明のもう一つの技術的課題は、外部磁界に対し単調減少する測定領域において、広い直線領域を確保することが可能であり、広い磁界領域において、フィードバック回路なしで精度の高い測定ができる磁界検出素子を提供することにある。
【0019】
また、本発明のさらにもう一つの技術的課題は、細線素子であるため、素子インピーダンスを高くして、駆動電力を小さくでき、装置の小型化に有効である磁界検出素子を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁界検出素子は、薄膜磁気インピーダンス素子における上記デメリットを克服するものである。
【0021】
具体的には、磁界検出領域である外部磁界の増加に伴い、素子インピーダンスが減少する領域が、従来素子のバイアス磁界よりも低い磁界に発生するという、従来に無い新規な素子を実現し、従来素子よりも素子駆動に要する消費電力を低くした。
【0022】
また、前記素子は、検出範囲の広域化をもたらすため、複雑な電気回路による補正なしで、直線性のよい磁界検出が実現可能である。
【0023】
本発明は、上記課題を解決するために、
(1)薄膜磁性体に、高周波電源から交流電流を供給し、外部磁界に応じた電気的特性の変化を検出する磁界検出素子において、外部磁界の絶対値の増加に対して、インピーダンスが減少する電気的特性を利用して、磁界を検出するように構成し、磁区構造により発現する磁壁の中で、還流磁区が生成する磁壁以外の磁壁が、通電方向に対して傾斜していることによって、外部磁界の絶対値の増加に対して、外部磁界ゼロからインピーダンスが減少する電気的特性を示すことを特徴とする。
【0025】
また、本発明では、(2)上記(1)記載の薄膜磁性体において、磁区構造により発現する磁壁の中で、還流磁区が生成する磁壁以外の磁壁と通電方向とのなす角度の小角側が、0〜30°(0は含まず)であることを特徴としている。
【0026】
また、本発明では、(3)上記(1)又は(2)記載の薄膜磁性体は、通電方向に垂直な素子断面の長辺/短辺で定義したアスペクト比と、素子の幅、膜厚および長さを、所定の値に規定したことによって、外部磁界の絶対値の増加に対して、外部磁界ゼロからインピーダンスが減少する電気的特性を示すことを特徴としている。
【0027】
また、本発明では、(4)上記(1)、(2)、又は(3)記載の薄膜磁性体は、磁性体薄膜の通電方向に垂直な素子断面のアスペクト比が、3以上8以下、磁性体薄膜の幅が、5μm以上15μm以下、磁性体薄膜の膜厚が、1.5μm以上3.5μm以下、磁性体薄膜の長さが、0.5mm以上3mm以下であることを特徴としている。
【0028】
また、本発明では、(5)上記(1)、(2)、(3)又は(4)記載の薄膜磁性体は、外部磁界を検出する際に、高周波電源から供給される交流電流の周波数が、10MHz以上300MHz以下であることを特徴としている。
【0029】
さらに、本発明では、(6)上記(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)記載の薄膜磁性体は、単層の磁性体で構成される薄膜磁性体、または、磁性体と非磁性体を交互に積層した薄膜磁性体であることを特徴としている。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0031】
まず、本発明の原理について説明する。
【0032】
ここでは、センサ素子は高周波電流の通電方向を長手方向、これと直交する方向を幅方向とする。磁性体は通電する高周波電流により励磁されるが、この際に重要なのは、通電電流の発生する磁界方向である幅方向の高周波透磁率である。薄膜幅方向の高周波透磁率が、外部磁界により変化する現象を、バイアス磁化現象という。この場合、外部磁界に応じて、センサ素子のインピーダンスが大きく変化する。磁性薄膜型の磁気インピーダンス素子を構成する際は、このバイアス磁化現象を発生させるために、検出すべき外部磁界と異なる方向に磁気異方性を付与することで、この特性を実現している。しかし、この場合、センサ素子の動作点であるバイアス磁界は、素子材料に固有の異方性磁界Hkにより規定され、Hkが大きな材料を用いた場合に、アモルファスワイヤ並みの低バイアス素子を実現するのは困難であった。
【0033】
本発明では、磁性体薄膜において、磁区の傾きを、通電方向と一致しない任意の角度とし、または、通電方向に垂直な素子断面のアスペクト比と、素子の幅、膜厚および長さを、所定の値に限定することで、外部磁界の絶対値の増加に対して、外部磁界ゼロからインピーダンスが減少する磁気−インピーダンス素子において、高い直線性と低いバイアス磁界を実現した。その条件は、請求項の通りである。
【0034】
本発明は、10MHz程度の駆動周波数においても有効であり、広い用途に応用可能である。
【0035】
図1は、本発明の実施の形態による磁界検出素子の磁区構造を示す図である。この図において、1は薄膜磁性体素子、2は磁区、3は磁壁、4は環流磁区、5は通電方向、θは磁壁3と通電方向5とのなす角である。このように、薄膜磁性体素子1の端部に生じる環流磁区4が生成する磁壁3を省き、薄膜表面の磁壁3が通電方向5に対してなす角度の小角側を、0°以上30°以下とすることにより、素子の動作点となるバイアス磁界を低減し、同時に、直線領域を広げ、素子駆動のための消費電力が少なく、検出可能磁界領域の広い磁界検出素子を実現できる。
【0036】
また、上記した磁性体単層構造のほかに、磁性体と非磁性体を交互に積層した構造とすることも可能である。
【0037】
図2は、本発明の実施の形態による磁界検出素子の模式図であり、図2(a)は、その斜視図、図2(b)は、図2(a)のA−A断面図であり、wは磁性膜の幅、tは厚さ(膜厚)を夫々表している。
【0038】
これらの図において、11は磁界検出素子、12は基板(例えば、ガラス)、13は、その基板12上に形成される磁性膜または、磁性膜と非磁性膜からなる積層膜、14はキャリア電流、15は外部磁界Hext、16と17は、13の両端に設けられた電極パット、18は高周波電源である。
【0039】
次に、本発明の具体例について説明する。
【0040】
(例1)
磁界検出素子の磁性体材料組成は、Co85Nb12Zr3であり、Ar雰囲気下のRFスパッタ法で、ガラス基板上に成膜後、リフトオフ法でパターニングした。また、イオンミリング法でのパターニングも可能である。成膜後に、磁性膜を磁界中熱処理し、素子幅方向に磁気異方性を付与した。磁界中熱処理条件は、▲1▼回転磁界中熱処理(40kA/m、400℃、2時間)▲2▼静磁界中熱処理(40kA/m、400℃、1時間)である。素子の磁界検出特性は、ヘルムホルツコイルで外部磁界Hextを印加した際のインピーダンス変化を測定することで、評価した。インピーダンス測定は、ネットワークアナライザ(例えばHP4396B)を用いて、反射法で行なった。
【0041】
図3に、寸法が、長さ2mm、膜厚3.0μm、幅25μmの磁界検出素子の磁気−インピーダンス特性(絶対値)を示した。キャリア周波数は、90MHzである。外部磁界の変化に対して、インピーダンスが、近似的に直線で変化する領域を直線変化領域といい、その領域で磁界を検出する。
【0042】
従来、磁界検出には、図3中にAと示したインピーダンスが増加する直線変化領域が使われていた。本発明では、図3中にBと示したインピーダンスが減少する直線変化領域を磁界検出に用いる。インピーダンスが減少する直線変化領域は、増加する直線変化領域よりも、バイアス磁界が大きいという欠点はあるが、磁界範囲が広いという長所がある。図3の素子では、バイアス磁界は約2倍、直線変化領域は約3倍になっている。さらに、磁界検出素子を、請求項2から7に限定することによって、直線変化領域を狭めることなく、バイアス磁界を低減することができる。
【0043】
図4は、本発明の実施例を示す磁界検出素子の外部磁界Hext(1×102A/m)に対する、磁気−インピーダンスの特性図である。素子寸法は、膜厚2.0μm、長さ2mm、幅10μmで、キャリア周波数は90MHzである。この素子の通電方向に対する磁壁の傾きは、約20°であり、本発明の請求範囲内で、外部磁界ゼロからインピーダンスが減少する電気的特性を持った磁界検出素子が実現している。
【0044】
図3の素子と比較すると、直線変化領域の拡大と同時に、バイアス磁界が低減している。
【0045】
図5は、図4と同じ組成、同じ製法の素子の、キャリア周波数90MHzにおける磁気−インピーダンス特性である。この素子の寸法は、長さ2mm、幅25μm、膜厚2.5μmである。この素子の通電方向に対する磁壁の傾きは、約40°であり、本発明の条件外である。図4と図5から、本発明の請求範囲内で、インピーダンスの直線変化領域の拡大と、バイアス磁界の低減が、有効に実現していることがわかる。
【0046】
より広い直線変化領域を得るには、磁壁と通電方向のなす角度が、20°以下であることがより好ましい。
【0047】
(例2)
図6は、例2の素子と同組成で、同条件で作製した素子のキャリア周波数90MHzでの、磁気−インピーダンス特性である。素子の寸法は、長さ2mm、幅15μm、膜厚1.5μmである。長さ、幅、膜厚、キャリア周波数は、本発明の請求項の範囲内に入っているが、幅/膜厚で定義したアスペクト比(=10)が範囲外である。図4と図6から、インピーダンスの直線変化領域の拡大とバイアス磁界の低減が、本発明の請求範囲において、有効に実現していることがわかる。
【0048】
幅/膜厚で定義したアスペクト比、素子の長さ、幅、膜厚およびキャリア周波数のいずれか1つでも請求項の範囲外の値であると、外部磁界ゼロからインピーダンスが減少する電気的特性を示さず、直線変化領域は狭く、バイアス磁界は高くなる。
【0049】
断面形状は、製造方法により矩形、台形、かまぼこ型等になり得るが、いずれの場合も、幅の最大値と膜厚の最大値により、特性は規定される。
【0050】
(例3)
1.0,1.5,2.0,3.0μmの各膜厚において、センサ幅が10,15,20,25μmで、各センサ幅でセンサ長が0.2,0.5,1,2mmの磁界検出素子を例1と同じ方法で作製した。これら、80形状の素子の磁気インピーダンス特性を、ネットワークアナライザを用い、反射法で測定した。その結果、表1に示した10種の素子が本発明の範囲内で、直線変化領域の拡大と、バイアス磁界の提言を実現している。特に、下記表1の試料2,3,及び4の素子は、外部磁界の絶対値に対して、外部磁界ゼロからインピーダンスが減少するため,試料1、5〜10の素子よりも直線変化領域が広く、バイアス磁界が小さい。
【0051】
【表1】
【0052】
尚、上記表1は、80形状の素子のなかで、本発明の範囲内で、直線変化領域の拡大とバイアス磁界の提言を実現している素子の寸法と、キャリア周波数50MHzと90MHzのときの直線変化領域とバイアス磁界とを示している。
【0053】
また、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0054】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0055】
(イ)磁気インピーダンス効果を利用した磁界検出素子について、磁気異方性の容易軸を通電方向に対し直角方向(幅方向)あるいは通電方向と一致しない任意の角度方向とし、さらに通電方向に対する素子断面アスペクト比(幅/厚さ)を、3以上8以下、磁性体薄膜の幅を、5μm以上15μm以下、磁性体薄膜の膜厚を、1.5μm以上3.5μm以下、磁性体薄膜の長さを、0.5mm以上3mm以下であるように作製する。このことにより、素子インピーダンス特性の、外部磁界に対し単調減少する部分が、低磁界側に現われる特性を有する素子を作製することができ、この部分を、磁界測定に利用することで、素子駆動消費電力を大幅に増加させることなしに、従来に比べて3倍以上広い測定領域を有する素子を作製することができる。
【0056】
(ロ)外部磁界に対し単調減少する測定領域において、従来に比べて、2倍以上広い直線領域を確保することが可能であり、広い磁界領域において、フィードバック回路なしで精度の高い測定を可能にする。
【0057】
(ハ)細線素子であるため、素子インピーダンスを高くして、駆動電力を小さくできる。また小型化に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による磁界検出素子の磁区構造を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態による磁界検出素子の模式図である。
【図3】磁界検出素子の外部磁界とインピーダンスの関係を示す図である。
【図4】本発明の例1による磁界検出素子の外部磁界Hextに対するインピーダンスの特性図である。
【図5】本発明の条件外の磁界検出素子の外部磁界Hextに対するインピーダンスの特性図である。
【図6】本発明の例2における、条件外の磁界検出素子の外部磁界Hextに対するインピーダンスの特性図である。
【符号の説明】
1 薄膜磁性体素子
2 磁区
3 磁壁
4 環流磁区
5 通電方向
θ 磁壁と通電方向とのなす角
11 磁界検出素子
12 基板(例えば、ガラス)
13 磁性膜(または、磁性体と非磁性体からなる積層膜)
14 キャリア電流
15 外部磁界Hext
16、17 電極パッド
18 高周波電源
Claims (6)
- 薄膜磁性体に、高周波電源から交流電流を供給し、外部磁界に応じた電気的特性の変化を検出する磁界検出素子において、外部磁界の絶対値の増加に対して、インピーダンスが減少する電気的特性を利用して、磁界を検出するように構成し、前記薄膜磁性体において、磁区構造により発現する磁壁の中で、還流磁区が生成する磁壁以外の磁壁が、通電方向に対して傾斜していることによって、外部磁界の絶対値の増加に対して、外部磁界ゼロからインピーダンスが減少する電気的特性を示すことを特徴とする磁界検出素子。
- 請求項1に記載の磁界検出素子において、前記薄膜磁性体において、磁区構造により発現する磁壁の中で、還流磁区が生成する磁壁以外の磁壁と通電方向とのなす角度の小角側が、0°〜30°(0は含まず)であることを特徴とする磁界検出素子。
- 請求項1又は2に記載の磁界検出素子において、前記薄膜磁性体は、通電方向に垂直な素子断面の長辺/短辺で定義したアスペクト比と、素子の幅、膜厚および長さを、所定の値に規定したことによって、外部磁界の絶対値の増加に対して、外部磁界ゼロからインピーダンスが減少する電気的特性を示すことを特徴とする磁界検出素子。
- 請求項1〜3の内のいずれか一つに記載の磁界検出素子において、前記薄膜磁性体は、磁性体薄膜の通電方向に垂直な素子断面のアスペクト比が、3以上8以下、磁性体薄膜の幅が、5μm以上15μm以下、磁性体薄膜の膜厚が、1.5μm以上3.5μm以下、磁性体薄膜の長さが、0.5mm以上3mm以下であることを特徴とする磁界検出素子。
- 請求項1〜4の内のいずれか一つに記載の磁界検出素子において、前記薄膜磁性体は、外部磁界を検出する際に、高周波電源から供給される交流電流の周波数が、10MHz以上300MHz以下であることを特徴とする磁界検出素子。
- 請求項1〜5の内のいずれか一つに記載の磁界検出素子において、前記薄膜磁性体は、単層の磁性体で構成される薄膜磁性体、または、磁性体と非磁性体を交互に積層した薄膜磁性体であることを特徴とする磁界検出素子。
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