JP2007235119A - 強磁性細線 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の細線は、導電性を有する強磁性体から成り、厚みが供給される高周波電力に応じたスキンデプスの10倍以下の細線である。細線内の磁気モーメントが不揃いである状態とし、該細線に所定の高周波電力を供給すると、該高周波電力の周波数が所定の共鳴周波数となった時に直流電圧が出力される。このとき、細線のインピーダンスも変化するため、本発明の強磁性細線を伝送路や伝送フィルタとしての利用も可能である。検波素子としての利用に限らず、RFIDのタグ、伝送路、伝送フィルタ、磁場センサ等に直ちに応用可能である。また、極めて単純な構造であるため、製造コストも低廉となり、動作の安定性も高い。
【選択図】図1
Description
導電性を有する強磁性体から成り、厚みが供給される高周波電力に応じたスキンデプスの10倍以下である細線であって、
該細線に所定の高周波電力を供給したとき、該高周波電力の周波数が所定の共鳴周波数となった時に直流電圧を出力する、及びインピーダンスが変化する
ことを特徴とする。
なお、本発明において「細線内の磁気モーメントが不揃いである」とは、細線内の磁気モーメントが一方向に揃って配向していない、種々の状態のことを指している。本明細書中では、細線内の磁気モーメントが不揃いである状態のことを適宜、磁気モーメントが「空間的な非一様性を形成する」とも表現する。
前記強磁性細線が、不純物を含んでいる、表面形状が不均一である、非直線形状に形成されている、漏れ磁場を発生する強磁性体層を含む層構造を成している、層間結合を有する多層膜層構造を成している、うちの何れか一又は複数の構成を備えるようにしたり、又は、強磁性細線に対して所定の方向に所定の強度で以て直流磁場を印加する磁場印加部を外部に設けることができる。
また、本発明の細線は強磁性体であるためキュリー温度が高く、数百℃程度の高温まで特性が変化することなく安定して動作する。そのうえ放射線にも強いため、原子力発電所や宇宙空間といった過酷な環境下での使用にも耐えることができる。即ち、非常に広範な分野での応用が可能である。また、本発明の素子はS/N比が非常に高いという特性も有している。
本発明に係る強磁性細線の材料は、導電性を有する強磁性体であればいかなるものでも使用することができる。
強磁性細線の長さは特に限定されるものではないが、好適にはRF(高周波)電源とのインピーダンスマッチングを行って投入電力が最大となる長さとすることが望ましい。強磁性細線の両端に電極を設けることで電力を供給する場合には、電極間の距離を調節することによって強磁性細線の実質的な長さを決定することもできる。
強磁性細線1の厚みはスキンデプスの10倍以下とするのが好適である。一方、幅によって強磁性細線1の共鳴周波数が変化するため、強磁性細線の作製時には適宜に設定する必要がある。
なお、本明細書においては、強磁性細線の断面における長辺(断面形状が楕円形の場合は長軸)の長さを「幅」とし、短辺(断面形状が楕円形の場合は短軸)の長さを「厚み」とする。
以下では、断面形状が矩形である強磁性細線について説明するものとする。
スキンデプスは渦電流の発生の有無を決定する厚みであり、渦電流が発生してしまうとRF電流によって励起した強磁性共鳴モードが減衰してしまう。図2にパーマロイ(Ni81Fe19)を仮定して計算したスキンデプスと周波数との関係を表すグラフを示す。詳細は後述するが、本発明者らが行った実験では、試料の厚みは最大で50nm、最大周波数は20GHzであった。20GHzの周波数における試料のスキンデプスは約23nmと見積もられる。すなわち、細線に入力された高周波電力は細線全体に十分に供給されており、渦電流による高周波電力の損失は少ない。製造技術、素子性能、素子耐電力特性などを考慮すると、強磁性細線の厚みは供給される高周波電力に応じたスキンデプスの10倍以内程度が妥当である。
・強磁性細線に不純物を含ませる
・強磁性細線の表面形状を平滑ではなく、不均一とする(図1(b)に示すように、表面に微細な傷をつけても良い)
・強磁性細線を非直線形状(湾曲形状、ジグザグ形状(図1(c)参照))とする
・強磁性細線を、漏れ磁場を発生する強磁性体層を含む層構造とする(この強磁性体層を構成する強磁性体(ハード磁性体)は保磁力が大きく、無磁場状態でも大きな残留磁化状態を有する強磁性体である。漏れ磁場はその強磁性体から発生している磁場である。)
・強磁性細線を、層間結合を有する多層膜層構造を成す層構造とする(層間結合とは、2つの強磁性層に挟まれた非磁性層内に量子井戸状態が形成されている、2つの強磁性層が強磁性的あるいは反強磁性的に結合した状態である。例えば非磁性層の膜厚に傾斜をつけることもできる。膜厚によって結合状態が変わるので、多層膜強磁性細線内で磁気モーメントが空間的に非一様配向状態となる。また、強磁性層に反強磁性層を接合することで一体として保磁力の大きな強磁性層を形成して、この強磁性層と、上述した層間結合及び膜厚変調とを用いて、多層化した別の強磁性層に磁気モーメントの空間的非一様配向状態を形成することもできる。)
ここにおいて「層構造」とは積層構造に限定されるものではなく、例えば強磁性細線の外周部がコーティングされているような構成の「層」としても構わない。積層構造である場合には、各層が必ずしも厚み方向に積層される必要はなく、幅方向に積層されていても構わない。さらに、細線内の磁気モーメントを不揃いにするためには、強磁性細線全体ではなく、一部のみを層構造としても構わない。
また、強磁性細線に対して所定の方向に所定の強度で以て直流磁場を印加する磁場印加部を、外部に(つまり強磁性細線とは非一体的に)設けることもできる(図1(d)参照)。磁場印加部は、漏れ磁場を発生するハード磁性体でも良い。
また、本発明の強磁性細線では、複数の副線部を設けることも可能である。図1(g)には、2本の副線部1sを備えた強磁性細線の例を示す。
このように、強磁性細線(主線部1m)に対して副線部1sを適宜に設けることにより、一つの強磁性細線に主線部と副線部の共鳴周波数を混在させることが可能となる。
・強磁性細線の材料
・強磁性細線の断面積(断面積大→共鳴周波数小)
・供給する高周波電力(電流)の電力(電流)密度
・強磁性細線内の磁気モーメントの状態(外部磁場を印加する場合、磁場の強度絶対値大→共鳴周波数大)
具体的には、強磁性細線を、強磁性体/反強磁性体/強磁性体(図3上段)、強磁性体/非磁性体/強磁性体(図3中段)、強磁性体/絶縁体/強磁性体(図3下段)のように構成することができる。もちろん、三層以上から成る複数層構造としてもよい。
例えば特許文献1には、電圧によって多層膜の磁化制御を行う技術が開示されているが、本発明の検波素子に、同文献にて提案されているような手法を適用することによって、共鳴周波数を変調させることが可能となる。この場合、強磁性体細線の構造を、少なくとも強磁性体から成る強磁性体層、非磁性体から成る非磁性体層、絶縁体から成る絶縁体層、及びゲート電極を含む構成とする。具体的には図4に示すように、非磁性体層の上下(左右でも良い)を強磁性体層で挟み、層間結合をさせる構造とするとよい。ゲート電圧印加部よりゲート電極に印加する電圧を適宜に変化させることにより、共鳴周波数を調節することができる。もちろんこの構成を基礎として、各種の多層構造とすることもできる。例えば、絶縁体層とゲート電極との間に半導体層を設けても良い。また、先に述べたようなハード磁性体層を設けることにより、細線内の磁気モーメントが空間的な非一様性を形成するようにしても構わない。
なお、このような簡便な方法によって共鳴周波数を制御するのは、従来の素子や非特許文献1に記載の素子では、構造上の理由により困難である。
図5に、本発明に係る強磁性細線の一実施形態である検波素子の一構成例を示す。本実施形態では強磁性細線1の長手方向の両端部に電流供給部である電極を設けるとともに、磁場印加部2によって所定の方向に磁場を印加する。この磁場は直流磁場である。図5においては矢印の向きが磁場の方向を表している。また、図5では電極が電流供給部に対応する。
このような構成において強磁性細線1にRF電流を流すと、所定の周波数においてのみ直流電圧を得ることができる。即ち、検波を行うことができる。
図6に検波素子の他の構成例を示す。図6に示す例では、基板上にハード磁性体が設けられており、このハード磁性体層から漏れ磁場が発生している。これが外部磁場として機能しており、電極によって挟まれた強磁性細線1内の磁気モーメントを不揃いにしている。
細線内の磁気モーメントが非一様な空間配置をしている状態で強磁性細線にRF電流を注入すると、スピン偏極した電流と磁化との間に働くスピントルクが強磁性細線内の磁気構造に起因する特徴的な周波数を持つ歳差運動を励起し、その周波数で直流電圧が出力される。
RF電流をI(t)=I0cosωCt、強磁性体線1の抵抗をR(t)=R0cos(ωRt+α)と表す。
ここに、
ωC:入力した交流電流の周波数
ωR:磁化の歳差運動に伴う電気抵抗変化の周波数
α:電流を基準としたときの抵抗時間変化の位相差
である。
ここで、ωC=ωR=ω0であるとき、次式(1)が導かれる。
式1:
式2:
強磁性細線の両端に発生する電圧は、入力電流の2乗に比例して、磁場印加角度に対して、sin2θcosθの依存性を持つことが示されている。
強磁性細線の材料:Ni81Fe19
強磁性細線の幅(図5の上下方向):300nm、650nm、2200nm、5000nm
強磁性細線の厚み(図5の紙面垂直方向):50nm(幅が5000nmの場合は30nm)
電極:厚み100nmのAu
サンプル作製方法:電子線リソグラフィ法及びリフトオフ法
線幅300nm、厚み50nmの強磁性細線1に対して角度θ=45°で外部磁場を印加し、入力電力を-15dBmとしたときの周波数−直流電圧の関係を測定した。磁場の大きさを変化させて得た複数の測定結果を重ねたグラフを図8(a)に示す。また、線幅が5000nmの強磁性細線を用い、同じ測定を行った際の測定結果を図8(b)に示す。
図8ではグラフを見やすくするために、各測定結果の上下方向にオフセットを加えている。
図9に、強磁性細線の厚みが300nm、650nm、2200nm、5000nmの各場合について、直流電圧測定において直流整流効果が出現した周波数位置の磁場強度依存性(磁場の大きさ−(直流電圧が出力された)周波数の関係)をプロットしたグラフを示す。
また、比較例として、同じ測定を非磁性体であるAuの細線を用いて行ったが、直流電圧の出力は観測できなかった。
また、図10に示した測定結果において、直流電圧が出現するピーク−ディップの差(図中ではAmplitudeとして記載)と磁場印加角度との関係を、印加する磁場の大きさを100、200、400、600、800(Oe)とした各場合について測定した。この結果を図11に示す。
更に、図12に、線幅が5000nmのサンプルに対して400 Oeの大きさの磁場を印加した場合において、直流電圧が出現するピーク−ディップの差と磁場印加角度(0〜360°)との関係をプロットしたグラフを示す。このプロットに対する近似曲線は、前記式2と良い一致をみた。
線幅がそれぞれ300nm、650nm、2200nmの3種類の強磁性細線の長手方向に対して角度θ=45°で100 Oeの磁場を印加し、周波数−直流電圧の関係を測定した。同時に、S11の反射損失を測定(無磁場時を基準)した。測定結果のグラフを図13に示す。図13においては、右矢印が付されたグラフが直流電圧を示し、左矢印が付されたグラフが反射損失を示している。
・線幅の変化に伴い、直流電圧のピークが出現する周波数が変化する。
・反射損失のグラフでは9GHz付近に2つのピークが観測された。なお、追加実験によって、このうち低周波側のピークは磁場依存性を示さず、高周波側のピークは磁場強度が増加するにつれて高周波方向に移動することが明らかとなった。
・直流電圧のピークが出現する周波数(共鳴周波数)において反射損失のディップが出現する。従って、共鳴周波数においてインピーダンスが変化している。つまり、本発明に係る強磁性細線は、共鳴周波数において伝送特性が変化する伝送路や伝送フィルタとして利用することが可能である。
・線幅非依存モードはS11測定においてピークとして出現し、整流効果モードはディップで出現する。
・線幅非依存モードのうち低周波側のモードは磁場依存性を示さず、高周波側のモードは磁場強度の増大とともにモードの周波数が高周波側へ移動する。
強磁性細線に注入するRF電流の大きさと直流整流効果との関係を調べた。強磁性細線の厚みは20nm、線幅は2200nm、外部磁場の大きさは100 Oe、磁場印加角度θ=45°とし、RF電流の大きさを0.25、0.45、0.8、1.4、2.5、3.2、4.5、6.4(mA)と変化させた場合の周波数−直流電圧の関係を示すグラフを図14(a)に示す。また、図14(b)には、ピーク−ディップの電圧差(μV)と、RF電力の2乗値との関係を表すグラフを示す。
図14のグラフに示される結果より、直流電圧のピーク−ディップの差は、RF電流が増大すると、RF電力の2乗値に比例して増大することが明らかとなった。
スピンの歳差運動現象を理解するために、有限要素法によるマイクロマグネティックスシミュレーションを行った。マイクロマグネティックスシミュレーションは、磁性体を小さなセルで区切り、各セルについてランダウ・リフシッツ・ギルバート方程式を解くことによるシミュレーションである。
図15に、強磁性細線モデルの線幅を300nm、650nm、2200nmとし、角度θ=45°で外部磁場100 Oeを印加した状態で、z方向に100 Oeの磁場を印加して無磁場状態にしたときの磁化のz成分の時間変化を示したグラフ(上段)及び共鳴周波数の振幅の大きさ(下段)を示す。シミュレーション計算はセルサイズを10nm×10nm×厚み50nm、ダンピング定数を0.01とし、Ni81Fe19の物性定数を用いて行った。本シミュレーションにより、線幅が大きくなると共鳴周波数が減少することが示されている。
このシミュレーションの結果に基づく、y方向及びz方向の高周波電力の周波数依存性を表すグラフを図17に示す。この方向余弦から、異方性磁気抵抗効果(この物質の場合、磁化の方向と電流の方向が平行のとき電気抵抗が大きく、磁化の方向と電流の方向が垂直のときに電気抵抗が小さい)から電気抵抗を計算できる。
図18は、そのように計算した電気抵抗の高周波電流の周波数依存性を示すグラフである。図18から、電気抵抗がある共鳴周波数でその振幅を最大にすることが読み取れる。
高周波電流を入力すると、細線内の隣接する磁気モーメントの相対角度がゼロではないので、スピントルクが作用して、電流によって磁気モーメントが歳差運動を始める。このとき、高周波電流によって励起されるのは細線の固有歳差モードである。固有歳差運動をしているときに、磁気モーメントの振れ角は最大となり、そのときの抵抗変化も最大となる。つまり、電気抵抗はこの固有振動数で時間的に振動していることになる。高周波電流と電気抵抗の周波数が一致したときに、先に述べたモデルから直流電圧が発生すると考えられる。
図19の概念図で表される測定回路を用い、高周波信号を強磁性細線に入力することにより発生した直流電圧をBiasTから取り出して、高周波信号増幅器で100倍にしてオシロスコープに入力した。
図20に、このサンプルの高周波応答の基礎特性を示す。ここで用いた強磁性細線は線幅5000nmであり、長軸方向から45°傾けた方向から面内に100 Oeの磁場をかけて、入力電力を-15dBmから5dBmまで変化させたときの直流電圧と高周波電力の周波数依存性を観測したものである。図20のグラフより、共鳴周波数が約4GHzであり、入力電力が大きくなるにつれて振幅が大きくなっていることが読み取れる。共鳴周波数以外の周波数領域では、特に直流電圧が発生していないことも分かる。
図22はAM変調の深さ依存性を示すグラフである。変調度合を変えれば、得られる信号の振幅も変化している。AM変調は抱絡線に伝えたい情報を載せる方法に他ならないから、抱絡線から復調することで伝えたい情報を得ることが可能であることが分かる。
図23は、AM変調の周波数依存性を示すグラフであり、AM変調の周波数を変えると、それに応じて復調が出来ていることが示されている。
図24は、6GHzの基調信号を比較として用い、共鳴周波数以外の周波数にAM変調したとしても復調することができないことを示すグラフである。
本AM変調RF信号検波実験から、本発明に係る強磁性細線を利用することによって基調信号にAM変調を施すことで情報伝達、復調ができることが示された。
強磁性細線(主線のみ)及びT字型細線のそれぞれについて、直流電圧の周波数依存性を調べた。図25はこの測定結果を示すグラフである。図25において(a)〜(d)はそれぞれ強磁性細線の構成について示している。(a)幅500nm、厚み30nmのT字型細線、(b)幅300nm、厚み50nmの強磁性細線、(c)幅650nm、厚み50nmの強磁性細線、(d)幅2200nm、厚み50nmの強磁性細線。
図25の結果より、強磁性細線をT字型にした場合には、共鳴周波数の領域が大きく広がることが確認された。
2…磁場印加部
Claims (11)
- 導電性を有する強磁性体から成り、厚みが供給される高周波電力に応じたスキンデプスの10倍以下である細線であって、
該細線に所定の高周波電力を供給したとき、該高周波電力の周波数が所定の共鳴周波数となった時に直流電圧を出力する、及びインピーダンスが変化する
ことを特徴とする強磁性細線。 - 前記細線内の磁気モーメントが不揃いであることを特徴とする請求項1に記載の強磁性細線。
- 前記強磁性細線が、互いに接する、強磁性体層と、反強磁性体層、非磁性体層、絶縁体層のうちのいずれかの層と、を含む多層構造を成しており、
前記強磁性体層の厚みが、供給される高周波電力に応じたスキンデプスの10倍以下である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の強磁性細線。 - 前記強磁性細線が、少なくとも、強磁性体から成る厚みが供給される高周波電力に応じたスキンデプスの10倍以下の強磁性体層、非磁性体から成る非磁性体層、絶縁体から成る絶縁体層、及びゲート電極を含む多層構造を成しており、
前記ゲート電極に所定の電圧を印加することにより、該強磁性細線の共鳴周波数が制御可能である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の強磁性細線。 - 前記強磁性細線が、所定の基板上に形成された薄膜であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の強磁性細線。
- 前記強磁性細線が、高周波電力が長手方向に供給される主線部と、該主線の一部に一体的に接続され、開放端を有する一又は複数の副線部と、から成る
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の強磁性細線。 - 前記強磁性細線が、不純物を含んでいる、表面形状が不均一である、非直線形状に形成されている、漏れ磁場を発生する強磁性体層を含む層構造を成している、層間結合を有する多層膜層構造を成している、うちの何れか一又は複数の構成を備える、又は、
該強磁性細線に対して所定の方向に所定の強度で以て直流磁場を印加する磁場印加部が外部に設けられている
ことにより該細線内の磁気モーメントが不揃いであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の強磁性細線。 - 請求項7に記載の強磁性細線と、
該強磁性細線に高周波電力を供給する電力供給部と、
を含み、
所定の共鳴周波数において直流電圧を出力することを特徴とする検波素子。 - 請求項7に記載の強磁性細線を利用したRFIDのパッシブタグ。
- 請求項7に記載の強磁性細線を利用した伝送路又は伝送フィルタ。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の強磁性細線と、
該強磁性細線に高周波電力を供給する電力供給部と、を含み、
外部磁場の強度及び方向に応じて、該強磁性細線から直流電圧が出力される共鳴周波数が変化すること及び該直流電圧の出力が変化することを利用する磁場センサ。
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