JP2006295908A - マイクロ波伝送回路一体型マイクロ波発生素子及びマイクロ波伝送回路一体型マイクロ波検出素子 - Google Patents

マイクロ波伝送回路一体型マイクロ波発生素子及びマイクロ波伝送回路一体型マイクロ波検出素子 Download PDF

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Abstract

【課題】電子回路のマイクロ波発生及びマイクロ波検出部分を、高能率化、小型化する。
【解決手段】マイクロ波発生素子Aは、下部電極1と、下部電極1上に島状に形成された磁気抵抗素子を形成する層3と、磁気抵抗素子を形成する層3の周囲を囲むように下部電極1上に形成された絶縁体7と、絶縁体7及び磁気抵抗素子を形成する層3上に形成された上部電極5と、を有している。磁気抵抗素子を形成する層3は、下部電極1側から順に磁化固定層3aと中間層3bと、磁化自由層3cと、を有している。磁化自由層3cは、電流によって共鳴振動を起こすことが必要であり、例えば、断面積の大きさで200nm角以下、膜厚において1から5nm程度の厚さであるのが好ましい。磁化固定層3aは、単一材料であれば、磁化自由層3cの10倍程度以上の厚さを必要とする。尚、磁化固定層3aとして、反強磁性結合を利用する磁性金属多層膜を用いることも可能である。
【選択図】図1A

Description

本発明は、マイクロ波を発生することが可能な素子又はマイクロ波を検出することが可能な素子に関する。
電子素子の高速化が進むにつれ、マイクロ波(1GHz帯以上の周波数)を用いた回路の集積化(小型化)、高能率化が重要な課題となっている。代表的なマイクロ波の発振源としては、ガン発振器がある。ガン発振器には、低電圧動作が出来る、発振スペクトルの純度が良い(希望する発振周波数と異なる周波数成分の割合が少ない)という利点があるものの、構造上小型化が難しいこと、発振効率が悪いこと(出力電力/入力電力で1%以下)などの欠点から、現在はトランジスタやピンダイオードなどの半導体素子による発振を逓倍して、高周波を得る方法が主流となってきている。
さらに、マイクロ波回路においては、発振器(又は検出器)の発振効率(検出効率)の向上だけでは不十分であり、周波数が上昇するほどマイクロ波の伝送回路(ストリップラインや同軸ケーブルによる回路)の大きさが小さくなることにより(周波数が高くなると波長が短くなるため)、伝送回路でのインピーダンス・ミスマッチによる減衰が大きな問題になっている。
これまでに、伝送回路との結合効率を良くするために、ガン発振子とストリップラインとをモジュール化した発振素子(特許文献1)や、半導体素子をマイクロ波伝送回路上に形成した発振器(非特許文献1:平面基板上に作製できるフリップチップ型ガンダイオード)などが提案されているが、発振効率の点では旧来の技術に比べ著しい向上は困難である。
以上のように、半導体素子によるマイクロ波発振器の大きな問題は、発振効率の低さと、発振器と伝送回路とのインピーダンス・ミスマッチにある。また、半導体発振素子による発振の場合は発振出力の周波数純度も改善すべき問題である。
近年、CPP−GMR(giant magneto-resistance:巨大磁気抵抗)素子において、電流による磁化反転が起こることが発見された。ここでCPP−GMR素子とは、面直型巨大磁気抵抗素子を意味し、磁化自由層/中間層/磁化固定層を持つ磁性多層膜を膜面に対し垂直方向に柱状に加工し、電流が膜面に対して垂直方向に流れる構造を持つ素子のことである。磁気抵抗とは、外部磁界を与えることにより、磁化自由層の磁化の方向が変化し、結果として素子の抵抗値が変化するという現象である。これまで、磁気抵抗素子において、抵抗を変化させるためには、外部磁化を与え磁化自由層の磁化の向きを変えることでしかなしえないと考えられていたので、電流のみにより磁化自由層の磁化の向きを変えることが出来るということは新規な発見であった。
この電流による磁化反転は、磁化自由層におけるスピンの共鳴振動によるものであり、共鳴の励起に伴いマイクロ波が発生していること、その周波数が外部磁場によって変化することが報告されている。非特許文献2では、Co/Cu/Coの3層からなるCPP−GMR素子に於けるマイクロ波の発生についての報告がなされている。この実験で得られたマイクロ波の発振周波数は10GHz程度から25GHz程度までであった。
電流注入磁化反転は、磁化自由層の磁化が単磁区化するような微小な断面積(たとえばCo/Cu/Co3層膜においては100nm×200nm以下の大きさ)が必要であることが報告されている。この反転は、磁化自由層の磁化が、電流を流すことによって生じるスピントルクによって共鳴振動を起こすことによって起こるものである。磁化反転に至らない電流の領域でも、磁化自由層ではスピントルクにより、マイクロ波の発振(おおむね10GHz程度)が起こっていることが報告されている。
この発振は、磁化自由層における電子スピンの集団運動によるものであるため、本質的にQ値(共鳴回路の共鳴の鋭さを表す指数)が高くなることが期待される。そのため、この共鳴振動をマイクロ波の発振源として、利用することが出来れば、今までのマイクロ波の発振源に比べて効率が高くなることが期待される。
次に、マイクロ波の検出における問題点を説明する。マイクロ波の検波には、通常、半導体ダイオードの二乗検波特性が用いられる。高効率に検波を行うためには、半導体内において、電子の運動の遅れが無いことが必要であり、このために移動度の高い半導体やピンダイオードなどが利用されている。電子のチャネル長を短くすること(素子を薄くすること)により高周波化することは可能であるが、そのような構造にすると接合容量の増大が避けられない。さらに、接合容量を小さくするために素子面積を小さくすると素子抵抗が増大し、伝送回路とのインピーダンス・ミスマッチにより感度が低下するという問題が起こる。
さらに、半導体ダイオードの二乗特性は温度に大きく依存するために、安定な感度を得ることが難しい。それ故、マイクロ波領域での半導体ダイオード検波における上記の問題(電子の運動の遅れ、接合容量およびインピーダンス−ミスマッチ)を解決した場合であっても、検波効率の特性は温度で限定されてしまうという問題が残る。
特開2000−353920(P2000−353920A)、名称:ガンダイオード発振器。 フリップチップ型ガンダイオード、中川敦・渡辺健一、「フリップチップガンダイオード」応用物理、69巻、2号、(2000)182ページ。 CPP-GMR素子に於ける直流電流によるマイクロ波の発振実験、S.I.Kiselev, J.C.Sankey, I.N.Krivorotov, N.C.Emley, R.J.Schoelkopf, R.A.Buhrman & D.C.Ralph, "Microwave oscillations of a nanomagnet driven by a spin-polarized current," Nature vol.425, (2003) pp. 380.
本発明が解決しようとする課題は、電子回路のマイクロ波発生部分及びマイクロ波検出部分を、高能率化、小型化することである。
一般的に、磁気抵抗素子において、磁化自由層に磁区(単一の磁化と見なされる磁気的なブロック)が多く形成されると、磁化自由層はランダムな磁化状態になる。これに対して、磁化自由層の磁区の数が1又は少数である磁気抵抗素子、すなわち、磁化自由層の大きさを100nm程度にした場合、いわゆる単磁区化が生じ、巨視的な磁化の共鳴振動が発現するようになる。本発明では、このような巨視的な磁化の共鳴振動を利用したマイクロ波素子を製造することを特徴とする。
尚、磁化の共鳴振動を起こす割合は、磁化自由層の全体(100%)でなくても良い。例えば、磁化自由層の70〜80%が共鳴すれば、磁化の状態を巨視的に変化させることができるため、マイクロ波素子を形成するための十分な性能を得ることができる。本発明のマイクロ波素子は、以上の原理に基づき、上記単磁区化が期待できるような微小な磁気抵抗素子を用い、さらに、前記の磁気抵抗素子をマイクロ波伝送回路上に、直接設置することを最も主要な特徴とする。
まず、本発明の磁気抵抗素子を利用したマイクロ波発生素子について述べる。
本発明の一観点によれば、電流を通電することにより、磁化の共鳴振動が生じる程度の微小な強磁性多層膜磁気抵抗素子を、マイクロ波伝送回路上に直接設置したことを特徴とする、マイクロ波発生素子が提供される。前記強磁性多層膜磁気抵抗素子の大きさとしては、磁化自由層が単磁区化される程度であることを特徴とする。
上記によれば、マイクロ波発振素子として微小な磁気抵抗素子を、マイクロ波伝送回路上に直接設置するため、1)装置の小型化、2)発振器までの配線を必要としないため配線での損失がなくなる、3)磁気抵抗素子における磁化自由層の磁化の共鳴振動をマイクロ波の発振に使用するため発振電力効率がよい、という利点がある。尚、磁化の共鳴振動が起こるような素子の大きさは、材料にもよるが、一般的には、断面積が200nm角以下、高さは100nm以下である。
また、本発明の一観点によれば、信号電極と接地電極とを有するマイクロ波伝送回路と、前記マイクロ波伝送回路に配置された強磁性多層膜磁気抵抗素子であって、磁化の共鳴振動が生じる程度の大きさであり、かつ、前記マイクロ波伝送回路自体の特性インピーダンスに変化を生じさせない程度の微小な強磁性多層膜磁気抵抗素子と、前記信号電極から前記強磁性多層膜磁気抵抗素子を通って前記接地電極へと電流を流せる位置に形成された電極と、を有することを特徴とするマイクロ波発生素子が提供される。
上記構成によれば、微細なマイクロ波伝送回路上に、マイクロ波伝送回路の大きさに比べてきわめて小さな(例えば、体積比にして1000分の1以下)発振素子を設置し、設置することにより元々のマイクロ波伝送回路の線路としてのインピーダンスを変化させない(あるいは設置したことによる変化率を1000分の1以下の無視できる程度にする)ようにすることができる。前者の値(体積比)は、最小のストリップライン幅(10μm程度に対して素子寸法を1μmとして求めた値であり、後者の値(変化率)は、素子を絶縁した状態でマイクロ波伝送回路上に設置した場合に、インピーダンス変化が無視できる程度であることを示す値である。
素子の大きさとしては、単磁区化がある程度可能な大きさ、例えば、膜面方向での断面積(膜面に垂直な方向から見た断面積)が、200nm角より小さいものであって、その中でも100nm角以下の微小なものが望ましい。以下の実施例における実験では、断面積が150nm×50nmの大きさの素子を使用している。
マイクロ波の発生効率、あるいは検出効率を向上させるためには、磁気抵抗素子とマイクロ波伝送回路での接合部におけるインピーダンス・ミスマッチによる損失を最小とするために、磁気抵抗素子の抵抗値を、マイクロ波伝送回路のインピーダンス値に一致させることが望ましい。一般に用いられているマイクロ伝送回路(例えば同軸ケーブル)のインピーダンス値は、概ね50Ωから300Ωである。本発明の素子の場合、磁気抵抗比に応じて抵抗が変化するため、少なくともその抵抗値の変化の範囲が、前述の抵抗値の範囲と重なることが望ましい。それゆえ、磁気抵抗素子の望ましい抵抗値の範囲は、1Ωから1kΩの間であり、より好ましくは、50Ωから300Ωの範囲である。
また、本発明に使用する磁気抵抗素子は、例えば磁気抵抗素子の中間層であるトンネルバリアの厚みを調整することにより、その抵抗値をある程度自由に設定することが出来るという特徴を持つため、素子の抵抗値をマイクロ波伝送回路のインピーダンス値に一致させることが現実に可能である。それ故、使用するマイクロ波伝送回路のインピーダンス値に素子の抵抗値を合わせる方向に設計することが好ましい。
上記のマイクロ波伝送回路を形成する基板としては、シリコン基板、熱酸化膜付きシリコン基板、酸化物基板(酸化マグネシウム、サファイヤ、アルミナなど)、プラスチック基板、ポリイミド基板、フレキシブル基板などが使用可能である。強磁性多層膜磁気抵抗素子としては、面垂直型巨大磁気抵抗(CPP−GMR)素子、トンネル磁気抵抗(TMR)素子のいずれを用いても良い。
マイクロ波伝送回路上に、微小な磁気抵抗素子によるマイクロ波発生素子を、直接設置することにより、発振回路の小型化が出来る。発振素子とマイクロ波伝送回路との距離を短くすることにより、伝送損失を少なくすることが出来る。磁化自由層の共鳴振動を利用するため、Q値を高くすること、すなわち発振効率と周波数純度を高くすることが出来る。
さらに、マイクロ波発生素子の抵抗値を、マイクロ波伝送回路のインピーダンスに整合させることが好ましい。マイクロ波伝送回路としては、コプレナー型(インピーダンスは25Ωから100Ω)、スロットライン型(インピーダンスは100Ωから1kΩ)のいずれでも良い。素子の抵抗をマイクロ波伝送回路のインピーダンスに一致させることで、マイクロ波の電力損失を少なくすることができる。
また、マイクロ波発生素子において、磁気抵抗素子として、MgOをトンネルバリアとして有するTMR素子を利用したことを特徴とする、マイクロ波伝送回路一体型マイクロ波発生素子が提供される。MgOトンネルバリアを持つTMR素子は、高MR(磁気抵抗)比、低インピーダンスという特徴を持つため、素子の発振効率を高くすることが出来る。
また、マイクロ波発生素子において、磁気抵抗素子として、磁化自由層の磁化の向きが、磁化固定層の磁化の向きに対して、2つの層に平行な平面(膜面)内で直交する方向に向けられたことを特徴とする、マイクロ波伝送回路一体型マイクロ波発生素子が提供される。ここで、磁化自由層の磁化と磁化固定層の磁化の角度は90度(二つの磁化の向きが直交する状態)が望ましいが、磁化自由層の磁化ベクトルが、磁化固定層の磁化の向きに対して直交する成分を持てば、発振効率は上昇する。磁化自由層の磁化の向きを、磁化固定層の磁化に対して直交する方向に向けることで、電流による共鳴振動が起こりやすくすることができ、発振効率が上昇する。
(垂直成分に関する手段)
磁化自由層の磁化ベクトルが2つの層に平行な平面(膜面)に対して垂直な成分を持つ場合、ベクトルの方向を面平行方向から面直方向に向かい45度にすることにより、さらに発振効率を上げることが出来る。また、逆に、磁化固定層の磁化ベクトルが2つの層に平行な平面(膜面)に対して垂直な成分を持ち、磁化自由層が膜面に平行な磁化ベクトルを持つようにすることにより、発振効率の上昇を得ることが可能である。
上記マイクロ波発振素子において、磁気抵抗素子の強磁性多層膜部分を十分に広くし、上部または下部一端の電極の断面積を200nm角以下とすることにより、発振のQ値を著しく向上したことを特徴とするマイクロ波伝送回路一体型マイクロ波発振素子が提供される。ここで、強磁性多層膜部分の大きさは小さな方の電極部分の2倍以上で有ることが望ましい。
また、マイクロ波発生素子において、磁気抵抗素子として、磁化自由層に磁気共鳴周波数の高い物質を使用することにより、マイクロ波の発生周波数を高くしたことを特徴とするマイクロ波伝送回路一体型マイクロ波発生素子が提供される。この素子において、発生するマイクロ波の周波数は、磁化自由層の磁気共鳴周波数に等しくなる。現在はコバルト、コバルト−鉄、コバルト−鉄−ボロンなどが使われているが、鉄を使うことにより、発振周波数を2倍程度にすることが可能である。さらに、自由層に強磁性/非磁性多層膜(例えば、Fe/Cr,Co/Cu)を使うことにより発振周波数を4倍程度にすることが可能である。すなわち、磁化自由層に磁気共鳴周波数の高い物質、あるいは強磁性/非磁性多層膜を使用すると、発生周波数を高くすることが出来る。
(フェリ磁性に関する手段)
発振周波数を上昇させる手段として、磁化自由層にフェリ磁性体を使用することが出来る。フェリ磁性体とは、磁化の基本構成(副格子)が反平行方向に結合し、かつその磁化の和が有限の値で残る磁性体である(図13参照)。フェリ磁性体の例としては、フェライト、鉄ガーネットなどがあり、その磁気共鳴周波数は強磁性体に比べて高いこと(例えばフェライトで50GHz以上)が知られている。このような物質を磁化自由層に使うことにより、より高い発振周波数を持つマイクロ波発生素子を構成することが出来る。
(周波数を低くする手段)
また、発振周波数を低くすることも可能である。本発明によるマイクロ波発生素子において、発振周波数は直流バイアス電流に比例し、発振周波数の下限は、概ね電流注入磁化反転における臨界電流値(以下Ic0と表記する)によって決まる。言い換えると、小さな臨界電流値を得ることと、低い発振周波数を得ることは物理的に等価である。Ic0を低減する手法としては、以下の手法が知られている。
(1)磁化自由層の磁気異方性を小さくする。具体的には、磁化自由層の形状を磁化自由層における反磁界が一様となるようにすればよい。反磁界が理想的に一様となる平面形状には円形、楕円形があるが、製造上の容易さから正方形や長方形などでもよい。これにより、前記磁化自由層内での磁化の集団励起運動を起こりやすくし、マイクロ波の検出周波数を低くすることができる。
素子を効率よく発振させるためには、アスペクト比は3以下であることが望ましい。ここでアスペクト比とは、長辺と短辺(あるいは、長径と短径)の比である。アスペクト比が大きくなると、磁化自由層での形状磁気異方性が大きくなるため、発振効率が低くなるという欠点が生じる。
(2)磁化自由層に磁化の小さな物質を用いる。この場合、磁化自由層全体で磁化が小さくなればよいので、例えば、磁化自由層の中で成分分布を持たせる、多層構造を持たせる、反強磁性結合した多層構造を持たせるなどの手法により、磁化自由層での磁化を減少させてもよい。
(3)磁化固定層あるいは、磁化自由層のどちらか一方、あるいはその両方に、面直成分の磁化を持つ物質を用いる。
(4)磁気自由層に磁気緩和定数(ダンピングファクター)の小さな物質を用いる。
上記(1)から(4)までの手法、またはその組み合わせにより、発振周波数を下げることが可能である。
(電流冷却効果を使って発振状態での発熱を低減する手段)
本発明によるマイクロ波発生素子においては、磁気抵抗素子に直流バイアス電流を与えることにより発振を起こす。このとき、素子の断面積が微小であるため、直流バイアス電流密度はきわめて大きくなる(少なくとも10A/cm)。このような素子においては、抵抗による発熱(ジュール発熱)により、素子の劣化や破壊が起こるおそれがある。一方、本発明者により、本発明の磁気抵抗素子と同様な形状(電流が膜面垂直方向に流れる構造のためCPP構造と呼ばれる)の金属接合において、電流による冷却効果が発現することが報告されている(参考論文:A.Fukushima et al., JJAP, vol.44, pp.L12-14)。
上記参考論文に述べられているように、CPP構造においては、上部電極と下部電極の材料の組み合わせを選ぶことにより、CPP部分(素子の中でもっとも狭隘となる部分)において電流による冷却効果を発現させることが出来る。
上記現象を本発明によるマイクロ波発生素子における磁気抵抗素子に適用すると、例えば、上部電極に金を用い、下部電極(これは磁化固定層と同一であってもよい)にコバルトを用いた場合に、電流値が数mAの場合、数十μワットの冷却効果が得られることが、同様の大きさの金−コバルト金属接合による実験から期待できる。このような素子の構造を用いることにより、発振素子の信頼性の向上、長寿命化が可能となる。
また、マイクロ波発生素子において、発振したマイクロ波を外部に取り出しやすくするため、マイクロ波伝送回路の一端又は両端に放射板を設けてアンテナとしたことを特徴とする、マイクロ波伝送回路一体型マイクロ波発生素子が提供される。アンテナは、同一基板上にてマイクロ波伝送回路の幅を広げたものでも良いし、マイクロ波伝送回路のインピーダンスに整合させた外部アンテナを、マイクロ波伝送回路端にコネクターなどで接続し、別途設置したものでも良い。
さらに、マイクロ波発生素子に加えて、前記磁気抵抗素子に対して、マイクロ波の発振周波数を変化させる手段として、外部磁場をかける手段を設けたことを特徴とするマイクロ波伝送回路一体型マイクロ波発生素子が提供される。外部磁場をかけるための装置としては、電磁石(コイル)、マグネット(永久磁石)、その両者を併せたもの、また、素子近傍に設置した電線に電流を流すことによって発生する磁場(電流誘因磁界)を使用しても良い。
また、マイクロ波発生素子に加えて、前記磁気抵抗素子に対して、マイクロ波の発振周波数を変化させる手段として、直流電流バイアスを与える電気回路を設けることを特徴とするマイクロ波伝送回路一体型マイクロ波発生素子が提供される。
尚、上記各構成は、任意に組み合わせが可能である。以下も同様である。
さらに、上記マイクロ波発生素子によるマイクロ波発振源と、基準信号源としての外部周波数標準器と、前記マイクロ波発振源の出力と前記周波数標準器の出力との差信号を検出する差信号検出器と、該差信号に応じて、周波数を制御する手段と、を有するマイクロ波発生回路が提供される。周波数信号源としては、ルビジウム周波数標準器、高精度マイクロ波シンセサイザーなどが使用できる。周波数の制御方法としては、磁場発生装置により外部磁場をかける方法、電流バイアスを加える方法のいずれを利用しても良い。
高精度マイクロ波シンセサイザーとは、精度が10−7程度(通常の使用範囲:室温変動が10度未満の環境で積分時間が1分程度)の周波数発生装置であり、マイクロ波を用いた物性研究、マイクロ波製品の開発などに広く使われる。これらの装置は、例えばアンリツ、アジレントテクノロジーなどのメーカーにより生産販売されている。また、これらの製品には発振周波数をより高度に安定化させるため、より高精度なタイムベース(基準周波数)を入力する端子が備わっている。製品の例は、アンリツ株式会社、RF/マイクロ波信号発生器MG3690Bシリーズである。
さらに、上記マイクロ波発生回路において、前記発振周波数を外部基準信号に同期させる同期手段を有することができる。前記同期手段としては、上記差信号がゼロになるように、上記マイクロ波発振源に上記周波数制御手段を用いて負帰還をかけるフィードバック回路と、を備えることを特徴とする。これにより、上記マイクロ波発生回路の発振周波数の精度を、上記外部周波数標準器と同等まで高くすることができる。
次に、マイクロ波検出素子について述べる。
本発明の一観点によれば、マイクロ波を与えることにより、磁化の共鳴振動が生じる程度の微小な強磁性多層膜磁気抵抗素子を、マイクロ波伝送回路上に直接設置したことを特徴とする、マイクロ波検出素子が提供される。前記強磁性多層膜磁気抵抗素子の大きさとしては、磁化自由層が単磁区化される程度であることを特徴とする。
上記によれば、マイクロ波検出素子として微小な磁気抵抗素子を、マイクロ波伝送回路上に直接設置するため、1)装置の小型化、2)アンテナから検出器までの配線を極力短くできるため、配線での損失を最小限にすることが出来る、3)磁気抵抗素子の磁化自由層の共鳴振動をマイクロ波の発振に使用するため感度がよい、という利点がある。尚、磁化の共鳴振動が起こるような素子の大きさは、材料にもよるが、一般的には、断面積が200nm角以下、高さは100nm以下である。
上記マイクロ波検出素子を設置するためのマイクロ波伝送回路を形成する基板としては、シリコン基板、熱酸化膜付きシリコン基板、酸化物基板(酸化マグネシウム、サファイヤ、アルミナなど)、プラスチック基板、ポリイミド基板、フレキシブル基板などが使用できる。磁気抵抗素子としては、面垂直型巨大磁気抵抗(CPP−GMR)素子、トンネル磁気抵抗(TMR)素子のどちらでも良い。
以上のように、マイクロ波伝送回路上に、微小な磁気抵抗素子によるマイクロ波検出素子を、直接設置することにより、検出回路の小型化が出来る。検出素子とマイクロ波伝送回路(あるいはアンテナ)との距離を最小限にすることにより、伝送損失を最小限することが出来る。また、Q値の高い磁化自由層の共鳴振動を利用するため、感度を高くすることが出来る。
上記マイクロ波検出素子において、前記磁気抵抗素子の抵抗を、前記マイクロ波伝送回路のインピーダンスに整合させたことを特徴とするマイクロ波伝送回路一体型マイクロ波検出素子が提供される。マイクロ波伝送回路は、コプレナー型(インピーダンスは25Ωから100Ω)、スロットライン型(インピーダンスは100Ωから1kΩ)のどちらでも良い。素子抵抗を自由に変えることが出来るため、マイクロ波伝送回路とのインピーダンス整合を取ることが出来、損失を少なくすることが出来る。
また、マイクロ波検出素子において、磁気抵抗素子として、MgOトンネルバリアを有するTMR素子を利用したことを特徴とするマイクロ波伝送回路一体型マイクロ波検出素子が提供される。MgOトンネルバリアを有するTMR素子(高MR比、低インピーダンス)を使用することにより、素子の検出効率を高くすることが出来る。
上記マイクロ波検出素子において、磁気抵抗素子として、磁化自由層の磁化の向きが、磁化固定層の磁化の向きに対して、2つの層に平行な平面(膜面)内で直交する方向に向けられたことを特徴とする、マイクロ波伝送回路一体型マイクロ波検出素子が提供される。ここで、磁化自由層の磁化と磁化固定層の磁化の角度は90度(二つの磁化の向きが直交する状態)が望ましいが、磁化自由層の磁化ベクトルが、磁化固定層の磁化の向きに対して直交する成分を持てば、検出効率は上昇する。尚、磁化自由層の磁化の向きを、磁化固定層の磁化に対して直交する方向に向けることで、マイクロ波による共鳴振動が起こりやすくすることが出来、検出効率が上昇する。
(垂直成分について)
磁化自由層の磁化ベクトルが2つの層に平行な平面(膜面)に対して垂直な成分を持つ場合、ベクトルの方向を膜面平行方向から面直方向に向かい45度にすることにより、さらに検出効率を上げることが出来る。また、逆に、磁化固定層の磁化ベクトルが面直成分を持ち、磁化自由層が膜面平行な磁化ベクトルを持つようにすることにより、検出効率の上昇を得ることが可能である。
上記マイクロ波検出素子において、磁気抵抗素子の強磁性多層膜部分を十分に広くし、上部または下部一端の電極の断面積を200nm角以下とすることにより、共鳴のQ値を著しく向上したことを特徴とするマイクロ波伝送回路一体型マイクロ波検出素子が提供される。ここで、強磁性多層膜部分の大きさは小さな方の電極部分の2倍以上で有ることが望ましい。
上記マイクロ波検出素子において、磁気抵抗素子として、磁化自由層に磁気共鳴周波数の高い物質を使用することにより、マイクロ波の検出周波数を高くしたことを特徴とするマイクロ波伝送回路一体型マイクロ波検出素子が提供される。検出できるマイクロ波の周波数は、磁化自由層の磁気共鳴周波数に等しくなる。現在はコバルト、コバルト−鉄、コバルト−鉄−ボロンなどが使われているが、鉄を使うことにより、検出周波数を2倍程度にすることが可能である。さらに、自由層に強磁性/非磁性多層膜(例えば、Fe/Cr,Co/Cu)を使うことにより検出周波数を4倍程度にした素子を得ることも可能である。すなわち、磁気共鳴周波数が高い物質を使用することにより、検出周波数を高くすることが出来る。これまでの実験例によると、コバルト鉄ボロンを磁化自由層に用いた場合、共鳴周波数は6から10GHz程度であり、一方、コバルトを磁化自由層に用いた場合では、12から23GHzであることが示されている。
(フェリ磁性に関する記述)
検出周波数を上昇させる手段として、磁化自由層にフェリ磁性体を使用することが出来る。フェリ磁性体とは、磁化の基本構成(副格子)が反平行方向に結合し、かつ、その磁化の和が有限の値で残る磁性体である。例えば、フェライト、鉄ガーネットなどがある。フェリ磁性体の磁気共鳴周波数は強磁性体に比べて高いこと(例えばフェライトで50GHz以上)が知られている。このような物質を磁化自由層に使うことにより、より高い検出周波数を持つマイクロ波検出素子を構成することが出来る。
(検出周波数を低くする手段)
また、検出周波数を低くすることも可能である。本発明によるマイクロ波検出素子において、検出周波数は直流バイアス電流に比例し、発振周波数の下限は、概ね電流注入磁化反転における臨界電流値(以下Ic0と表記する)によって決まる。言い換えると、小さな臨界電流値を得ることと、低い検出周波数を得ることは物理的に等価である。Ic0を低減する手法としては、以下の手法が知られている。
(1)磁化自由層の磁気異方性を小さくする。具体的には、磁化自由層の形状を磁化自由層における反磁界が一様となるようにすればよい。反磁界が理想的に一様となる平面形状には円形、楕円形があるが、製造上の容易さから正方形や長方形などでもよい。素子を効率よく共振させるためには、アスペクト比は3以下であることが望ましい。ここでアスペクト比とは、長辺と短辺(あるいは、長径と短径)の比である。アスペクト比が大きくなると、磁化自由層での形状磁気異方性が大きくなってしまうため、検出効率(共振の効率)が低くなるという欠点が生じる。
(2)磁化自由層に磁化の小さな物質を用いる。この場合、磁化自由層全体で磁化が小さくなればよいので、例えば、磁化自由層の中で成分分布を持たせる、多層構造を持たせる、反強磁性結合した多層構造を持たせるなどの手法により、磁化自由層での磁化を減少させてもよい。
(3)磁化固定層あるいは、磁化自由層のどちらか一方、あるいはその両方に、面直成分の磁化を持つ物質を用いる。
(4)磁気自由層に磁気緩和定数(ダンピングファクター)の小さな物質を用いる。
上記の手法のいずれか又はそれらの組み合わせにより、検出周波数を下げることが可能である。
(ペルチェ効果を使って検出状態での発熱を低減する手段)
本発明によるマイクロ波検出素子においては、磁気抵抗素子に直流バイアス電流を与えることにより共鳴周波数(検出すべき周波数)を変えることが出来る。このとき、素子の断面積が微小であるため、直流バイアス電流密度はきわめて大きくなる(少なくとも10A/cm)。このような素子においては、抵抗による発熱(ジュール発熱)により、素子の劣化や破壊が起こるおそれがある。
発明者は、本発明の磁気抵抗素子と同様な形状(CPP構造と呼ばれる)の金属接合において、電流による冷却効果が発現することを見いだした。CPP構造においては、上部電極と下部電極の材料の組み合わせを選ぶことにより、CPP部分(素子の中でもっとも狭隘となる部分)において電流による冷却効果を発現させることが出来る。この構成を適用した本発明によるマイクロ波検出素子における磁気抵抗素子では、例えば、上部電極に金、下部電極(これは磁化固定層と同一であってもよい)にコバルトを用いた場合、電流値が数mAの場合、数十μワットの冷却効果を得ることが可能である。このような素子の構造を用いることにより、検出素子の信頼性の向上、長寿命化などが可能となる。
上記マイクロ波検出素子において、外部(外部回路、あるいは周りの環境から)から導入するマイクロ波を効率よく取り込むため、マイクロ波伝送回路の一端又は両端に受信板を設けてアンテナとしたことを特徴とする、マイクロ波伝送回路一体型マイクロ波検出素子が提供される。アンテナは、同一基板上においてマイクロ波伝送回路の幅を広げたものでも良いし、マイクロ波伝送回路にインピーダンスを整合させた外部アンテナを、マイクロ波伝送回路の一端にコネクターなどで接続し、別途設置したものでも良い。
上記マイクロ波検出素子に加えて、前記磁気抵抗素子に対してマイクロ波の共鳴周波数を変化させる手段として、外部磁場をかける手段を設けたことを特徴とするマイクロ波伝送回路一体型マイクロ波検出素子が提供される。外部磁場をかける装置としては、電磁石(コイル)、マグネット(永久磁石)、その両者を併せたもの、または、素子近傍に設置した電線に電流を流すことによって発生する磁場(電流誘因磁界)を使用しても良い。
また、上記マイクロ波検出素子に加えて、前記磁気抵抗素子に対して、マイクロ波の共鳴周波数を変化させる手段として、直流電流バイアスを与える電気回路を設けることを特徴とするマイクロ波伝送回路一体型マイクロ波検出素子が提供される。
同一モジュール内又は同一基板上に、上記マイクロ波発生素子を有する局所マイクロ波発振器と、上記マイクロ波検出素子を有するマイクロ波検出器とを有することを特徴とする単一チップ型電子スピン共鳴型分析モジュールを提供することができる。その応用例としては、オンチップ型電子スピン共鳴分析装置が考えられる。例えば、本発明のマイクロ波発振器と、マイクロ波検出器の両者を、同一モジュール内に設置することにより、1ミリ角に収まる大きさの電子スピン共鳴分析装置を構成することが出来る。
本発明のマイクロ波発生素子は、微小な磁気抵抗素子を、マイクロ波伝送回路上に直接設置するため、1)装置の小型化、2)発振素子から伝送回路までの配線が存在しないため、配線でのロスがなくなる、3)磁気抵抗素子の磁化自由層の磁化の共鳴振動をマイクロ波の発振に使用するため効率が良いという利点がある。
本発明のマイクロ波検出素子は、微小な磁気抵抗素子を、マイクロ波伝送回路上に直接設置するため、1)装置の小型化、2)アンテナから検出器までの配線を最小限に出来るため、配線でのロスを最小限にすることが出来る、3)磁気抵抗素子の磁化自由層の磁化の共鳴振動をマイクロ波の検出に使用するため感度が良いという利点がある。
本明細書において、マイクロ波伝送回路とは、信号電極と接地電極とを絶縁物(真空を含む)を介して配置し、分布定数回路として見なせるようにした回路を指す。平面基板上でのストリップライン、スロットライン、または同軸ケーブル、導波管などが含まれる広い概念である。
また、物理学の用語として、強磁性体には、フェロ磁性体とフェリ磁性体がある。フェロ磁性体はその物質すべてのスピンの向きが一方向にそろっている物質を指す。例えば、鉄、コバルト、ニッケルなどの磁性金属、鉄−コバルト、鉄−ニッケル合金などがその例である。フェリ磁性とは、その物質のスピンが複数の成分(副格子)から構成され、それぞれの成分のスピンの向きが反平行であるが、それらの大きさが一様でないため、物質全体では有限の磁化が発生している物質を指す。反強磁性は、その物質のスピンが複数の成分から構成されるが、それぞれの成分のスピンの向きが反平行であり、物質全体として磁化がゼロになる物質を指す。フェロ磁性、フェリ磁性、反磁性のそれぞれ状態におけるスピンの配列の一例を図13(a)から図13(c)までに示す。尚、請求項1等に記載の強磁性体は、フェロ磁性体と、フェリ磁性体と、の両方を含むものとする。
発明者は、電子回路におけるマイクロ波発振およびマイクロ波検出において、小型化、高能率化、伝送回路とのミスマッチを減少させるという目的を、マイクロ波発生およびマイクロ波検出部分に、磁気抵抗素子の共鳴振動を利用し、かつ、磁気抵抗素子をマイクロ波伝送回路上に直接設置するという手法で実現することができることに思い至った。
また、これまでに、発明者らにより、MgOをバリアとして有するTMR素子が開発されてきている(例えば、S.Yuasa, T.Nagahama, A.Fukushima, Y.Suzuki & K.Ando, “Giant room-temperature magnetoresistance in single-crystal Fe/MgO/Fe magnetic tunnel junctions,” Nature material vol3 (2004). を参照)。このMgOバリアを有するTMR素子は、従来のCPP−GMR素子、アルミナバリアを有するTMR素子と比較して、低インピーダンス領域(面積あたりの抵抗値で1平方マイクロメートル辺り10Ω以下の領域)まで、100%以上の高MR比を持つという特徴があるため、磁気抵抗素子の実抵抗をマイクロ波伝送回路のインピーダンスと同じ値(50Ωから数百Ωまで)にすることが可能である。
発明者は、信号電極と接地電極とを有するマイクロ波伝送回路に、磁化の共鳴振動が生じる程度の大きさであり、かつ、前記マイクロ波伝送回路自体の特性インピーダンスに変化を生じさせない程度の微小な強磁性多層膜磁気抵抗素子を配置することにより、マイクロ波発生素子、マイクロ波検出素子の特性を大きく向上させることができることを見いだした。例えば、低インピーダンスかつ高MR比を持つMgOバリアを有するTMR素子を、マイクロ波の発振源、あるいはマイクロ波の検出素子として使用することで、マイクロ波発振器、あるいはマイクロ波検出器の効率を、さらに向上させることができることに思い至った。
微小な磁気抵抗素子をマイクロ波の発振源、あるいはマイクロ波の検出素子として用いることにより、以下のような特徴を持たせることができる。
1)素子のサイズがきわめて小さいため、マイクロ波伝送回路の上に直接作製することが出来る。
2)素子の抵抗値をマイクロ波伝送回路のインピーダンスと一致させることで、発振源、あるいは検出素子とマイクロ波伝送回路間での、インピーダンス−ミスマッチによる損失を少なくすることが出来る。この目的に対しては、素子の抵抗値の可変範囲が広い、MgOバリアを有するTMR素子を使用することで性能が向上する。
3)磁化自由層の共鳴振動を利用するため、本質的にQ値が高い。この目的に対しては、MR比が高いほど出力は大きくなるため、MgOバリアを有するTMR素子を使用することで性能が向上する。
4)外部磁場、直流電流バイアスによって、磁化の共鳴周波数を変化することが出来る。すなわち、発振周波数を外部に同期させることが可能であり、例えば、高精度外部信号とフェイズロックループ回路(PLL回路)を構成することにより、発振周波数の精度を外部信号源と同等まで安定化することが可能である。
以下、本発明の一実施の形態によるマイクロ波発生素子およびマイクロ波検出素子について説明を行う。本実施の形態による強磁性多層膜磁気抵抗素子は、基板上に製膜された、磁化自由層/中間層/磁化固定層(磁化自由層と磁化固定層の上下位置は反対になっても良い)を、膜を貫くように電流が流れる構造(例えば多層膜面直方向に微小な断面積を持つ柱状構造)の内、マイクロ波発振素子としては直流電流を流した際、磁化の共鳴振動によるマイクロ波の発生が起こるものとし、マイクロ波検出素子としては、マイクロ波を照射した際、磁化の共鳴振動による検波作用にて直流電圧を発生するものとする。
まず、本実施の形態によるマイクロ波発生素子およびマイクロ波検出素子に用いられる磁気抵抗素子の構造例について、図面を参照しつつ説明を行う。図1Aは、本実施の形態によるマイクロ波発生、あるいはマイクロ波検出に用いられる磁気抵抗素子の構成例を示す断面図であり、図1Bは、該磁気抵抗素子の斜視図である。図1A、図1Bに示すように、本実施例による磁気抵抗素子Aは、下部電極1と、下部電極1上に柱状に形成された磁気抵抗素子を形成する層3と、磁気抵抗素子を形成する層3の周囲を囲むように下部電極1上に形成された絶縁体7と、絶縁体7及び磁気抵抗素子を形成する層3上に形成された上部電極5と、を有している。磁気抵抗素子を形成する層3は、下部電極1側から順に磁化固定層3aと中間層3bと、磁化自由層3cと、を有している。磁化固定層と磁化自由層の順番(相対位置)は逆でも良い。磁化自由層3cは、直流電流、あるいはマイクロ波の照射によって共鳴振動を起こすことが必要であり、例えば、1から5nm程度の厚さであるのが好ましい。磁化固定層3aは、単一材料であれば、磁化自由層3cの10倍程度以上の厚さを必要とする。尚、磁化固定層3aとして、反強磁性結合を利用する磁性金属多層膜を用いることも可能である。符号Xの部分は、絶縁体(例えばSiO)で埋めることができる。以下の図2B、図4においても、符号Xは同様の意味で用いている。
本実施例によるマイクロ波発生、あるいはマイクロ波検出に用いられる磁気抵抗素子としては、面垂直型巨大磁気抵抗(CPP−GMR)素子又はトンネル磁気抵(TMR)素子のいずれを用いることもできる。CPP−GMR素子は、例えば、中間層に銅など非磁性金属を使用し、磁化自由層および磁化固定層として、コバルト、鉄、ニッケル、クロムなどの磁性金属とその合金、又は、磁性合金にボロンを混入して磁化をさげた合金、又は、反強磁性結合を利用する磁性金属多層膜(例えばコバルト鉄−ルテニウム−コバルト鉄の多層膜)などを使用することができる。
TMR素子としては、トンネル障壁層と、トンネル障壁層の第1面側に形成されたBCC構造を有する第1の強磁性体層と、トンネル障壁層の第2面側に形成されたBCC構造を有する第2の強磁性体層と、を有する磁気トンネル接合構造を用いることができる。トンネル障壁層が、単結晶MgO(001)あるいは(001)結晶面が優先配向した多結晶MgO(0<x<1)層(以下、「MgO層」と称する。)により形成されているのが好ましい。また、第2の強磁性体層を構成する原子がMgOトンネル障壁層のO上に配置されているのが好ましい。例えば、中間層に絶縁膜(アルミナや酸化マグネシウム(MgO))を使用し、磁化自由層および磁化固定層の材料としては、コバルト、鉄、ニッケル、クロムなどの磁性金属とその合金、又は、磁性合金としてボロンを混入して磁化を下げた合金、反強磁性結合を利用する磁性金属多層膜(例えばコバルト鉄−ルテニウム−コバルト鉄の多層膜)など使用することができる。
尚、磁気抵抗素子の形状に関しては、磁化自由層の共鳴運動を起こさせるためには、その断面積(接合面積)が1ミクロン角よりも小さいものが好ましく、素子の抵抗値としては、マイクロ波伝送回路との整合を取るため、直流抵抗値において、1Ω以上、10kΩ以下であることが好ましい。
尚、加工形状としては、中間層3bまでエッチングした構成でも良い。図2Aは、中間層3bまでエッチングした本実施の形態によるマイクロ波発生、あるいはマイクロ波検出に用いられる磁気抵抗素子の構成例を示す断面図であり、図2Bは、該磁気抵抗素子の斜視図である。
電流注入磁化反転、または電流による磁化の際差運動(本発明においてマイクロ波の発振・検出に用いる現象)は、磁化自由層に不均一な磁場がかかると、均一な際差運動が妨げられるため、効率が悪くなる。そのため、磁化自由層にはできるだけ不均一な磁場がかからないようにする必要がある。
しかしながら、磁性体を微細加工すると、その形状において、どうしてもとがった部分(あるいはパターンの端の部分)で磁束が集中し、不均一な磁場ができてしまう。そのため、本実施の形態の対象となる三層構造の磁気抵抗素子において、理想的には、磁化自由層はとがった部分のない小さな磁石に加工し、かつ磁化固定層は無限平面になることが望まれる。すなわち、三層構造の膜を磁化固定層の直上まで柱状に加工することが理想的である。しかしながら、実際には、そのような理想的な微細加工を行うことは難しく、磁化固定層の直上でエッチングを止めるよりは、図1Aのように磁化固定層までエッチングしてしまった方がよい結果を得られることが多い。特にCPP−GMR素子においては、使用する材料の堅さが磁化自由層、中間層、磁化固定層であまり変わらないため、所望の深さでエッチングを止めることが難しい。
しかし、TMR素子の場合は中間層が酸化物(酸化マグネシウムや酸化アルミニウム)であり、一般的に磁化自由層に使用する材料よりも堅いため、中間層でエッチングを止めることが可能である。特にTMR素子の場合には、より効率のよい加工形状として、図2A、図2Bに示すように、中間層までエッチングする構成を実現することが可能である。
次に、本実施の形態によるマイクロ波発生素子およびマイクロ波検出素子に用いられる磁気抵抗素子において、上部電極(あるいは下部電極)のみを小さくし、磁気抵抗素子を形成する多層膜と微小な断面積で接触する構造(ポイントコンタクト形状と呼ばれる構造)について、図面を参照しつつ説明を行う。図3は、本実施の形態によるマイクロ波発生、あるいはマイクロ波検出に用いられる磁気抵抗素子の構成例を示す断面図であり、図4は、該磁気抵抗素子の斜視図である。図3、4は上部電極のみを小さくし、ポイントコンタクト形状にした構造例であるが、下部電極側をポイントコンタクト形状とすることも可能である。図3、図4に示すように、本実施例による磁気抵抗素子Aは、下部電極1と、磁気抵抗素子を形成する層3と、磁気抵抗素子を形成する層3上に柱状に形成し、ポイントコンタクト形状に加工された上部電極5と、上部電極5の柱状に形成された部分の周囲を囲むように形成された絶縁体7と、を有している。磁気抵抗素子を形成する層3は、下部電極1側から順に磁化固定層3aと中間層3bと、磁化自由層3cと、を有している。磁化自由層3cは、直流電流、あるいはマイクロ波の照射によって共鳴振動を起こすことが必要であり、例えば、1から5nm程度の厚さであるのが好ましい。磁化固定層3aは、単一材料であれば、磁化自由層3cの10倍程度以上の厚さを必要とする。尚、磁化固定層3aとして、反強磁性結合を利用する磁性金属多層膜を用いることも可能である。空間はSiOなどの絶縁膜で埋めることができる。
前記の本実施の形態によるマイクロ波発生素子およびマイクロ波検出素子に用いられる、上部電極(あるいは下部電極)をポイントコンタクト形状に加工した磁気抵抗素子マイクロ波発振素子においては、その接触面の断面積を200nm角以下とすることが好ましい。また、磁気抵抗素子の強磁性多層膜部分は接触面に比べ十分に広くし、その大きさは接触面積の2倍以上で有ることが好ましい。
次に、マイクロ波伝送回路上の磁気抵抗素子として上記磁気抵抗素子を用いた例について説明を行う。本実施の形態では、マイクロ波の発振源(あるいは検出素子)として磁気抵抗素子を使用する。この場合の磁気抵抗素子は、通常のマイクロ波伝送回路に比べてきわめて小さく、例えば1ミクロン角以下の大きさにすることができる。従って、図5に示すように、磁気抵抗素子Aを、下部ストリップライン11と上部ストリップライン15との間に設置することにより、マイクロ波伝送回路の終端部に直接設置することが出来る。この場合、下部ストリップライン11と上部ストリップライン15は、磁気抵抗素子によってのみ電気的に接続されるものとする。尚、図5においては、マイクロ波伝送回路として、コプレナー型のストリップライン上に磁気抵抗素子を配置した例を示しているが、スロットライン型のストリップラインを使用しても良い。この場合も、磁気抵抗素子は下部ストリップラインと上部ストリップラインに挟まれる様に設置し、磁気抵抗素子のみによって電気的に接続することが好ましい。
また、図5では、磁気抵抗素子Bをコプレナー型のストリップラインの終端部に配置した例を示しているが、コプレナー型のストリップラインの中央部に、グラウンドパターンと信号パターンが電気的に絶縁しつつ交差する部分を設け、交差部分において磁気抵抗素子のみにより、両者を電気的に接続するように設置してもよい。
図6は、本実施の形態によるマイクロ波伝送回路の応用例を示す図である。図6に示すように、図5に示すマイクロ波伝送回路のストリップラインを一端側に向けて大きく広げた構成にして、アンテナとして用いることも可能である。すなわち、図5の構造(点線の範囲B)のストリップライン11、15a、15bを、符号11’、15a’、15b’にように一端側に向けて大きく広げる。
次に、図7、図8を参照しつつ、MgOトンネルバリアを有するTMR素子における、マイクロ波検出の実験について説明する。MgOトンネルバリアを有するTMR素子は、熱酸化シリコン基板上のコプレナー型ストリップライン上に作成された素子であって、磁化自由層と磁化固定層とにコバルト−鉄−ボロンを用い、断面積は70nm×200nmである。
図7は、実験回路の回路構成例を示す図である。図7に示すように、本実施の形態による実験回路は、MgOトンネルバリアを有するTMR素子Aをマイクロ波伝送回路上に作製したマイクロ波検波素子Dに、バイアスティー21(マイクロ波回路用の素子の一つで、コンデンサを直列接続した端子と、インダクタを直列接続した端子と、外部マイクロ波回路を接続する配線のみの端子が、3分岐の形状(T型)に接続されている素子。コンデンサが接続されている端子にはマイクロ波成分のみが通ることが出来、インダクタを接続している端子には直流成分のみが通ることが出来る。このことを利用し、外部マイクロ波素子からの信号を、マイクロ波成分と直流成分に分岐することができる。)を通して、周波数発生器23を接続する。周波数発生器23により、マイクロ波を与え、その周波数を掃引する。このとき、マイクロ波検波素子D(すなわちマイクロ波伝送回路上に作成したMgOトンネルバリアを有するTMR素子A)に発生する検波成分(直流電圧信号)を、バイアスティー21のインダクタ端子に接続したナノボルトメーター25により測定することができるように構成されている。図中、便宜上、3カ所にGND1〜GND3(0電位点)を記入したが、この3カ所を同一電位にすれば、0電位でなくても良い。
図8は、図7に示す測定回路を用いて、MgOトンネルバリアを有するTMR素子Aに0.2〜20GHzのマイクロ波(周波数f)を照射し、図7に示すバイアスティー21を用いて、マイクロ波の照射による共鳴振動から得られたDCオフセット電圧(V)を測定した結果を示す図である。尚、本実験より、外部磁場(0〜800 Oe)を与えることにより、共鳴周波数を4〜10 GHzまで変化させることが出来ることがわかる。
この実験の場合に、入力電力 −15dBm(50Ωにて振幅約50mVp−p)に対して、最大120μVの直流電圧出力が得られている。この結果を検出器の感度に換算して考えると、直流電圧測定において、10nV/(Hz)1/2の精度を得ることは、現在の測定技術において十分可能であるため、実験で使用した素子は、共鳴周波数において、10−4の精度で入力電圧(マイクロ波のエネルギー)を測定できる能力を持つ。この精度の値は、低ノイズの前置増幅器(プリアンプ)を用いずに測定する手法としては、極めて高感度である。
本実施の形態による素子では、磁性金属中における電子の共鳴振動をマイクロ波の共鳴体に利用するため、本質的にQ値を高くすることができる。図8に示すように、現在のQ値はおおむね15程度であるが、単結晶金属、単結晶トンネルバリアの素子を作製することより、Q値を、例えば水晶発振器の発振子程度(Q値1万以上)にすることは可能である。その場合、検出器の感度をさらに3桁程度向上させることが可能である。
また、図8に示すように、共鳴周波数(電圧がピークをとる周波数)は、外部磁場に対してほぼ直線的に変化していることが解る。このことから、検出器の応用例として、本実施の形態による素子に未知の周波数を有する電磁波を照射した状態で、外部磁場を掃引することより、測定対象の電磁波の周波数分布を直接に得ることが可能である。このことは、検出素子自体にバンドパスフィルターの機能が備わっていることを意味する。すなわち、本実施の形態においては、従来のスペクトロメーターのような周波数フィルターと検出器の組み合わせの構成ではなく、素子自体の共鳴周波数を外部から変化させることで、直接周波数分布を得ることが出来るという利点がある。
次に、本実施の形態によるマイクロ波発振素子であって、外部基準周波数に同期できるマイクロ波発振器の例を示す。図9を参照して、本実施の形態によるマイクロ波発振素子を、外部基準周波数源に同期できる回路へ適用した応用例について説明する。本実施の形態によるマイクロ波発振素子は、外部磁場又は電流バイアスによって、発振周波数を変化させることが出来る点を特徴とする。この特徴を利用して、外部基準周波数に、マイクロ波の発振周波数を同期させることが出来る。図9に示すように、本実施の形態によるマイクロ波発振回路B(あるいはC)の出力端子に、方向性結合器31を接続し、出力側に影響がないようにマイクロ波出力を分岐する。分岐した出力を外部基準周波数源41からの信号とミキサー33により乗算し、差信号を取り出す。差信号を位相ロック回路37に取り込み、その出力が設定値(例えばゼロ)になるように、周波数制御装置35によってフィードバックをかけることにより、マイクロ波の発信周波数を外部基準周波数に同期させることが出来る。周波数の高精度化が可能になる。
例えば、外部基準周波数源41として、ルビジウム原子周波数源(あるいはその周波数を逓倍・分周した基準周波数)を用いれば、本発明によるマイクロ波発振素子を用いて原子時計と同等の精度を持つマイクロ波発振源を実現することができる。
尚、ルビジウム周波数標準機とは、精度が10−10以下の非常に高精度な周波数標準機(ある特定の周波数を高精度に発生する装置)であり、具体的には、テレビ放送やラジオ放送のキャリア周波数を維持するために使われている。尚、ルビジウム周波数標準機の製品例としては、日本通信機株式会社、モデル3271−10MHz基準信号発生器がある。
次に、オンチップ型電子スピン共鳴分析装置への応用例について図面を参照しつつ説明を行う。図10は、本実施の形態によるマイクロ波発振素子とマイクロ波検出素子とを組み合わせた、伝送回路上時期抵抗素子用いてオンチップ型電子スピン共鳴分析装置(モジュール)の構成例を示す図である。図10に示すように、図6に示すアンテナを付加したマイクロ波発振素子(マイクロ波発振用磁気抵抗素子53を含む)と、同じく図6に示すアンテナを付加したマイクロ波検出素子(マイクロ波検出用磁気抵抗素子51を含む)と、を向かい合わせるように配置する。グラウンドプレーンの部分57aはマイクロ波発振素子とマイクロ波検出素子とで共通でよいが、発振部、検出部の電導部分57b、57cとは電気的に絶縁されている必要がある。発振部、検出部の電導部分57b、57cは、検出用電圧計61と、バイアス用電流源63と、が、それぞれに接続されている。図10に示した例では、スロットライン型のマイクロ波伝送回路57を用いた例を示しているが、その他、コプレナー型のマイクロ波伝送回路を用いることも出来る。
スロットライン型のマイクロ波伝送回路57の中央部(マイクロ波が伝わっていく部分)に、検出すべき試料(分析対象)55を設置し、マイクロ波発振回路によってマイクロ波を発振させる。検出すべき試料55において、発振したマイクロ波との共鳴が起こると検出部に伝わるマイクロ波のエネルギーが少なくなることを利用して、検出すべき試料の電子スピン共鳴周波数を測定することが出来る。
従来は、発振回路、検出回路、ともに大がかりな装置を必要とした電子スピン共鳴測定が、本実施の形態によるマイクロ波発振素子とマイクロ波検出素子とを使用することにより、オンチップで極めて小さく(例えば1cm角以下)構成することができる。さらに、分析装置自身を小さくすることができるため、測定対象となる検出試料の量を極めて少なくすること(例えば、マイクログラム以下)が出来るという利点もある。
従って、マイクロ波を利用する電子材料測定装置の高能率化、小型化、省エネルギー化が可能になるという利点がある。
本実施の形態によるマイクロ波発振素子であって、発振効率を向上させるために、磁気抵抗素子における磁化自由層3cの磁化ベクトルとして、2つの層に平行な面(膜面)に対して垂直な成分(面直成分)を持たせるという方法がある。このように、膜面に対して垂直な磁化成分を持つことを、垂直磁気異方性が存在するという。図11は本実施例による例を示す図であり、図の右側の図1の磁化自由層3c、中間層3b、磁化固定層3aを図の左側に明確に示した図である。図11に示すような磁化の配置を取る方法としては、結晶の磁気異方性を用いるという方法がある。例えば、磁化自由層に白金−鉄合金、白金−コバルト合金、パラジウム−鉄合金、希土類、希土類を含む合金を使うことにより、垂直磁気異方性を持たせることが可能である。その他、磁気自由層にコバルト/パラジウム多層膜を用いて、垂直磁気異方性を持たせることも可能である。尚、磁化固定層に垂直磁気異方性を持たせる、あるいは磁化自由層と磁化固定層の両者に垂直磁気異方性を持たせ、発振効率を向上させることも可能である。
発振効率を向上させる原理は、本発明におけるマイクロ波検出素子の検出効率を向上させる原理と同じであるため、磁化自由層、磁化固定層、あるいはその両者に垂直磁気異方性を持たせることにより、マイクロ波検出素子の検出効率を向上させることが可能である。
本実施の形態によるマイクロ波発振素子であって、発振の原理は、スピン偏極した電流(磁化固定層を通すことによりスピンが偏極する)を磁化自由層に流すことにより、磁化自由層のスピンにトルクを与え、共鳴を起こさせることである。このマイクロ波発生素子において、発振周波数は直流バイアス電流に比例し、発振周波数の下限は、概ね電流磁化反転の臨界電流値(以下Ic0と表記する)によって決まる。すなわち、臨界電流を低減する手法により、発振周波数を低くすることが可能である。以下、本発明におけるマイクロ波発振素子の周波数を低くする手法を例示する。
(1)磁化自由層の磁気異方性を小さくする。より具体的には、磁化自由層の形状を磁化自由層における反磁界が一様となるようにする。反磁界が理想的に一様となる平面形状には円形、楕円形があるが、製造上の容易さから正方形や長方形などでもよい。素子の平面形状の例を図14(a)から(d)に示す。素子を効率よく発振させるためには、アスペクト比は3以下であることが望ましい。ここでアスペクト比とは、長辺と短辺(あるいは、長径と短径)の比である。アスペクト比が大きくなると、磁化自由層での形状磁気異方性が大きくなってしまうため、発振効率が低くなるという欠点がある。
(2)磁化自由層に磁化の小さな物質を用いる。この場合、磁化自由層全体で磁化が小さくなればよいので、例えば、磁化自由層の中で成分分布を持たせる、多層構造を持たせる、反強磁性結合した多層構造を持たせるなどの手法により、磁化自由層での磁化を減少させてもよい。
(3)磁化固定層あるいは、磁化自由層のどちらか一方、あるいはその両方に、面直成分の磁化を持つ物質を用いる。
(4)磁気自由層に磁気緩和定数(ダンピングファクター)の小さな物質を用いる。
上記の手法のいずれか、または、その任意の組み合わせにより、マイクロ波発振素子の発振周波数を下げることが可能である。
本実施の形態によるマイクロ波発振素子であって、発振時のジュール発熱を低減するために、素子部分にペルチェ効果を持たせた場合の例を示す。尚、ペルチェ効果とは、異種材料界面に電流を流れたときに、界面において、界面を構成する材料の熱電能の差に応じた発熱(あるいは吸熱)が生じる現象である。発熱(あるいは吸熱)量は電流値に比例するため、電流の方向が逆になると、発熱が吸熱に(または吸熱が発熱に)変化する。
本発明によるマイクロ波発生素子においては、磁気抵抗素子に直流バイアス電流を与えることにより発振を起こす。また、本発明によるマイクロ波検出素子においては、磁気抵抗素子に直流バイアス電流を与えることにより共鳴周波数(検出すべき周波数)を変えることが出来る。磁気抵抗素子の断面積が微小(100nm角程度)であるため、発振あるいは検出に必要なバイアス電流(数mAの大きさ)を流した場合、その電流密度がきわめて大きくなり(少なくとも10A/cmより大きな値)、ジュール発熱による素子の劣化や破壊が起こるおそれがある。
一方、本発明者らは、本発明の磁気抵抗素子と同様な形状(「CPP構造」と称する。)の金属接合において、ペルチェ効果による冷却効果が発現することを見いだした(参考論文(A.Fukushima et al., JJAP, vol.44, pp.L12-14)を参照)。前記論文に述べているように、CPP構造において、上部電極と下部電極の材料の組み合わせを以下のように選択すると、CPP部分(素子の中でもっとも狭隘となる部分)において電流による冷却効果を発現させることが出来る。この効果を本発明によるマイクロ波発生素子あるいはマイクロ波検出素子に応用することが出来る。
ペルチェ効果による吸熱量Qは、上部電極に用いた材料の熱電能(ゼーベック係数ともよばれる)をSa、下部電極に用いた材料の熱電能をSbとしたとき、
Q = (Sb−Sa)×T×I
で与えられる。ここで。Tは絶対温度、Iは電流である。Qは電流に比例するため、電流の方向を逆にすると、界面での吸熱が発熱に変化する。
吸熱の効率を最大にするためには、上部電極と下部電極の熱電能に出来るだけ大きな差があり、発振器あるいは検波器として用いる動作電流の流れる方向で吸熱が起こる組み合わせとすることが望ましい。
具体的には、下部電極にコバルト、上部電極にクロムを用いると、それぞれのゼーベック係数の符号が逆で、絶対値が大きいため、通常使われる単体金属元素の中では最良の結果が得られる。
図12に本発明によるマイクロ波発振素子における磁気抵抗素子において、上部電極5に金、下部電極(これは磁化固定層と同一であってもよい)1にコバルトを用い、ペルチェ冷却効果により、磁気抵抗素子部分におけるジュール発熱を低減することを可能とした素子構成例を示す。図12の配置の場合、電流を下部電極1から上部電極5の方向(白抜き矢印で示される方向)に流した場合、冷却効果が発生する。金−コバルトの組み合わせにおいて、電流値が数mAの場合、数十μワットの冷却効果が生じる。また、材料の組み合わせとしては、上部電極と下部電極の熱電能の差が大きくなるような組み合わせをとることが望ましい。具体的には、動作電流が下部電極から上部電極に流れる配置では、下部電極としては熱電能が正の符号を持ちその大きさが大きいもの(コバルト、ニッケルなど負の大きな熱電能を持つ金属元素、BiTeなどのN型半導体)、上部電極には下部電極より熱電能が小さい、あるいは反対の符号を持つ材料(金、銅、白金、チタン、アルミニウムなどの金属元素、クロム、鉄、ユーロピウムなど正符号の大きな熱電能を持つ金属元素、BiSbなどのP型半導体)が望ましい。このような素子構造を用いることにより、検出素子の信頼性の向上、長寿命化などが可能である。
すなわち、磁気抵抗素子につながる上部電極5、下部電極1の材料を、電流冷却効果が発現する組み合わせにすることで、発振器においては発振時、検出器においては検出時の発熱を低減することができる。
以下に、本発明に基づく実験結果について、実施例10として説明する。図15は、強磁性多層膜磁気抵抗素子として、MgOトンネル障壁を持つトンネル磁気抵抗素子を用い、直流電流バイアスを与えることによってマイクロ波の発振を励起した実験結果である。
実験に用いたトンネル磁気抵抗素子の構造は、磁化固定層としてコバルト−鉄−ボロンとルテニウムを用いた反強磁性結合膜、中間層として酸化マグネシウム、磁化自由層としてコバルト−鉄−ボロンを用いたものである。磁化自由層の大きさは、平面方向100nm×200nm角であり、厚みは3nmである。抵抗値は、磁化固定層と磁化自由層との磁化が平行状態で約100Ω、反平行状態で約200Ωである。この素子に対して直流バイアス電流を流し、スペクトルアナライザーにより発生したマイクロ波の強度の周波数依存性を測定した結果として得られたものが図15である。
図15に示されるように、周波数が3GHzから8GHzまでの領域において明瞭な発振信号が得られている。電流バイアスのない場合(0mA)のデータと比較すると、この発振信号が、直流電流に起因するマイクロ波発振によるものであることは明らかである。特に、バイアス電流−3mAにおける6GHz近傍のピークは顕著であり、このピークでのS/N比は100以上と十分に有意な精度で測定できている。
信号強度については、図15に示すグラフの縦軸は素子からの信号を増幅した(約40dBm)後のデータであるため数値的には確定できないが、概ねピーク(−3mA、6GHz)において1nW程度の出力が得られていると判断できる。この値は、現在までに報告されているGMR素子を用いたマイクロ波発振の実験値の100倍程度と、きわめて大きな値であることがわかる。発振のピークが複数見られるのは、反強磁性結合膜に磁化自由層と同じ材料を用いているため、そこからも同様な共鳴現象が起こるためである。
尚、理論的には、さらに大きな発振信号(磁気抵抗比の二乗程度、すなわち数千倍程度)が得られるはずである。この実験において、発振強度が予想値よりも低いのは、磁化自由層のすべてのスピンがコヒーレント(同調した状態)に運動していないためではないかと推測される。今後、素子の構成、形状等を工夫することにより、さらに発振強度を向上させることが可能である。
本発明によるマイクロ波発生素子およびマイクロ波検出素子は、情報通信産業におけるマイクロ波を利用する電子回路(発振器、検出器など)に利用可能である。
本発明の実施の形態によるマイクロ波発振、あるいはマイクロ波検出に用いられる磁気抵抗素子の構成例を示す断面図である。 図1Aに示す磁気抵抗素子の斜視図である。 本発明の実施の形態によるマイクロ波発振、あるいはマイクロ波検出に用いられる磁気抵抗素子の構成例を示す断面図であり、中間層までエッチングした例を示す図である。 図2Aに示す磁気抵抗素子の斜視図である。 本実施の形態によるマイクロ波発生、あるいはマイクロ波検出に用いられる磁気抵抗素子の構成例を示す断面図である。 図3に示す磁気抵抗素子の斜視図である。 磁気抵抗素子Aをマイクロ波伝送回路の終端部に配置した例を示す図であり、コプレナー型伝送回路の片側短絡部に磁気抵抗素子を設置した例を示す図である。 本実施の形態によるマイクロ波伝送回路一体型マイクロ波発振素子の応用例を示す図であり、コプレナー型伝送回路の片側を広げてアンテナにした例を示す図である。 本実施の形態によるマイクロ波伝送回路一体型マイクロ波検出素子に関する実験回路の回路構成例を示す図である。 図7に示す測定回路を用いて、TMR素子に0.2〜20GHzのマイクロ波を照射し、バイアスティー(高周波分岐回路の一種)を用いて、マイクロ波の照射による共鳴振動から得られた検波出力(DC電圧)を測定した結果を示す図であり、マイクロ波周波数と出力電圧との関係を示す図である。 本実施の形態によるマイクロ波発振素子を、外部基準周波数源に同期できる発振回路へ適用した応用例を示す図である。 本実施の形態によるマイクロ波発振素子とマイクロ波検出素子とを組み合わせた、オンチップ型電子スピン共鳴分析装置の構成例を示す図であり、伝送回路上の磁気抵抗素子を用いた、電子スピン共鳴分析モジュールの例を示す図である。 磁気抵抗素子部分の拡大断面図であり、磁化自由層の磁化ベクトルが、磁化自由層、磁化固定層に対して垂直な成分(面直成分)を持つ場合の構成例を示した図である。 上部電極、下部電極の組み合わせにより、電流を流した際に磁気抵抗素子部分で電流冷却効果(ペルチェ効果)が発現するようにした素子構造例を示す図である。 強磁性体の説明図であり、図13(a)はフェロ強磁性、図13(b)はフェリ強磁性、図13(c)は反強磁性を示す図である。 図14(a)から(d)までは磁化自由層の好ましい形状の例を示す図である。 本発明の実施例による実験結果であり、強磁性多層膜磁気抵抗素子としてMgOトンネル障壁を持つトンネル磁気抵抗素子を用い、直流電流バイアスを与えることによってマイクロ波の発振を励起した実験結果を示す図である。
符号の説明
A…マイクロ波発生素子、1…下部電極、3…磁気抵抗素子を形成する層、3a…磁化固定層、3b…中間層、3c…磁化自由層、5…上部電極、7…絶縁体。

Claims (50)

  1. 信号電極と接地電極とを有するマイクロ波伝送回路と、
    前記マイクロ波伝送回路に配置された強磁性多層膜磁気抵抗素子であって、磁化の共鳴振動が生じる程度の大きさであり、かつ、前記マイクロ波伝送回路自体の特性インピーダンスに変化を生じさせない程度の微小な強磁性多層膜磁気抵抗素子と、
    前記信号電極から前記強磁性多層膜磁気抵抗素子を通って前記接地電極へと電流を流せる位置に形成された電極と
    を有することを特徴とするマイクロ波発生素子。
  2. 前記強磁性多層膜磁気抵抗素子として、MgO(酸化マグネシウム)をトンネルバリアとして有するTMR(トンネル磁気抵抗)素子を利用したことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波発生素子。
  3. 前記TMR素子は、トンネル障壁層と、トンネル障壁層の第1面側に形成されたBCC構造を有する第1の強磁性体層と、トンネル障壁層の第2面側に形成されたBCC構造を有する第2の強磁性体層と、を有する磁気トンネル接合構造を有し、
    前記トンネル障壁層が、単結晶MgO(001)あるいは(001)結晶面が優先配向した酸素欠陥を有する多結晶MgO(0<x<1)層(以下、「MgO層」と称する。)により形成され、前記第2の強磁性体層を構成する原子がMgOトンネル障壁層のO上に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のマイクロ波発生素子。
  4. 前記トンネル障壁層を挟んで形成される磁化自由層および磁化固定層の材料として、コバルト、鉄、ニッケル、クロムなどの磁性金属とその合金、又は、磁性合金としてボロンを混入して磁化を下げた合金、反強磁性結合を利用する磁性金属多層膜(例えばコバルト鉄−ルテニウム−コバルト鉄の多層膜)を使用することを特徴とする請求項3に記載のマイクロ波発生素子。
  5. 前記磁化自由層側の前記電極として非磁性材料を用いることを特徴とする請求項4に記載のマイクロ波発生素子。
  6. 前記強磁性多層膜磁気抵抗素子を、前記マイクロ波伝送回路を構成するストリップライン上に作り込むことにより形成したことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載のマイクロ波発生素子。
  7. 前記強磁性多層膜磁気抵抗素子の大きさが、積層膜構造の面内方向において200nm角より小さく、かつ、面直方向において100nmより小さいことを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載のマイクロ波発生素子。
  8. 前記強磁性多層膜磁気抵抗素子の大きさが、積層膜構造の面内方向において100nm角より小さく、かつ、面直方向において100nmよりも小さいことを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載のマイクロ波発生素子。
  9. 前記強磁性多層膜磁気抵抗素子の抵抗値を、前記マイクロ波伝送回路のインピーダンス値に整合させるように調整したことを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載のマイクロ波発生素子。
  10. 前記強磁性多層膜磁気抵抗素子の抵抗値が、10Ωから1kΩまでの間の値であることを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載のマイクロ波発生素子。
  11. 前記強磁性多層膜磁気抵抗素子の抵抗値が、50Ωから300Ωまでの間の値であることを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載のマイクロ波発生素子。
  12. 前記強磁性多層膜磁気抵抗素子は、外部からの制御により、磁化の共鳴振動を生じさせる強磁性多層膜磁気抵抗素子であることを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項に記載のマイクロ波発生素子。
  13. 前記強磁性多層膜に電流を直接通電することにより、前記強磁性多層膜磁気抵抗素子に磁化の共鳴振動を生じさせる手段を有することを特徴とする請求項1から12までのいずれか1項に記載のマイクロ波発生素子。
  14. 前記強磁性多層膜磁気抵抗素子を構成する磁化自由層の大きさが単一磁区になる程度の大きさであることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載のマイクロ波発生素子。
  15. 前記強磁性多層膜磁気抵抗素子を構成する磁化自由層における磁化の向きが、磁化固定層の磁化の向きに対して、2つの層に平行な面内方向において直交する方向に向けられた磁気抵抗素子を備えたことを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項に記載のマイクロ波発生素子。
  16. 磁気抵抗素子として、磁化自由層に磁気共鳴周波数の高い物質を用いることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項に記載のマイクロ波発生素子。
  17. 前記マイクロ波伝送回路の一端又は両端にアンテナとして機能する放射板を設けたことを特徴とする請求項1から16までのいずれか1項に記載のマイクロ波発生素子。
  18. 請求項1から17までのいずれか1項に記載のマイクロ波発生素子に加えて、前記磁気抵抗素子に対して、マイクロ波の発振周波数を変化させる手段として、外部磁場を加えるための手段を設けたことを特徴とする、マイクロ波発生素子。
  19. 請求項1から17までのいずれか1項に記載のマイクロ波発生素子に加えて、前記磁気抵抗素子に対して、マイクロ波の発振周波数を変化させる手段として、電流バイアスを印加する手段を設けたことを特徴とする、マイクロ波発生素子。
  20. 請求項1から19までのいずれか1項に記載のマイクロ波発生素子によるマイクロ波発振源と、基準信号源としての周波数標準器と、前記マイクロ波発振源と前記周波数標準器との差信号を検出する差信号検出器と、該差信号に応じて周波数を制御することにより基準信号源に同期したマイクロ波を発生する手段と
    を有するマイクロ波発生回路。
  21. 前記周波数信号源として、ルビジウム周波数標準器又は高精度マイクロ波シンセサイザーを使用することを特徴とする請求項20に記載のマイクロ波発生回路。
  22. 周波数の制御方法として、請求項18に記載の外部磁場を印加する手段、又は、請求項19に記載の電流バイアスを加える手段のうちの少なくともいずれか一方を利用することを特徴とするマイクロ波発生回路。
  23. さらに、マイクロ波の発振周波数を基準信号に同期させる同期手段を有することを特徴とする、請求項20から22までのいずれか1項に記載のマイクロ波発生回路。
  24. 前記同期手段として、外部に設けられた周波数信号源と、該周波数発振源に基づく発振をフィードバックするフィードバック回路と、を備えることを特徴とする、請求項23に記載のマイクロ波発生回路。
  25. 信号電極と接地電極とを有するマイクロ波伝送回路と、
    前記マイクロ波伝送回路に配置された強磁性多層膜磁気抵抗素子であって、磁化の共鳴振動が生じる程度の大きさであり、かつ、前記マイクロ波伝送回路自体の特性インピーダンスに変化を生じさせない程度の微小な強磁性多層膜磁気抵抗素子と、
    前記信号電極から前記強磁性多層膜磁気抵抗素子を通って前記接地電極へと電流を流せる位置に形成された電極と
    を有することを特徴とするマイクロ波検出素子。
  26. 前記強磁性多層膜磁気抵抗素子として、MgO(酸化マグネシウム)をトンネルバリアとして有するTMR(トンネル磁気抵抗)素子を利用したことを特徴とする請求項25に記載のマイクロ波検出素子。
  27. 前記強磁性多層膜磁気抵抗素子を、前記マイクロ波伝送回路を構成するストリップライン上に作り込むことにより形成したことを特徴とする請求項25又は26に記載のマイクロ波検出素子。
  28. 前記磁気抵抗素子の抵抗値を、前記マイクロ波伝送回路のインピーダンスに整合させるように調整されたことを特徴とする請求項25又は26に記載のマイクロ波検出素子。
  29. 磁化自由層の磁化の向きが、磁化固定層の磁化の向きに対して、2つの層に平行な平面(膜面)内で直交する方向に向けられた磁気抵抗素子を備えることを特徴とする、請求項25から28までのいずれか1項に記載のマイクロ波検出素子。
  30. 前記磁気抵抗素子として、磁化自由層に磁気共鳴周波数の高い物質を使用することにより、マイクロ波の検出周波数を高くしたことを特徴とする、請求項25から29までのいずれか1項に記載のマイクロ波検出素子。
  31. マイクロ波伝送回路の一端又は両端に、外部からのマイクロ波を効率よく導入するために受信板を設けてアンテナとしたことを特徴とする、請求項25から30までのいずれか1項に記載のマイクロ波検出素子。
  32. 請求項25から31までのいずれか1項に記載のマイクロ波検出素子に加えて、前記磁気抵抗素子に対して、マイクロ波の共鳴周波数を変化させる手段を設けたことを特徴とする、マイクロ波検出素子。
  33. 請求項32に記載のマイクロ波の共鳴周波数を変化させる手段として、請求項25から31までのいずれか1項に記載のマイクロ波検出素子に対して、外部磁場を加える手段を設けたことを特徴とする、マイクロ波検出素子。
  34. 請求項32に記載のマイクロ波の共鳴周波数を変化させる手段として、請求項25から31までのいずれか1項に記載のマイクロ波検出素子に対して、電流バイアスを加える手段を設けることを特徴とする、マイクロ波検出素子。
  35. 同一モジュール内又は同一基板上に、請求項1から24までのいずれか1項に記載のマイクロ波発生素子を有する局所マイクロ波発信器と、請求項25から34までのいずれか1項に記載のマイクロ波検出素子を有するマイクロ波検出器と、を設けることを特徴とする単一チップ型電子スピン共鳴型分析モジュール。
  36. 請求項1から24までのいずれか一項に記載のマイクロ波発生素子において、磁気抵抗素子として、磁化自由層あるいは磁化固定層のうち少なくともいずれか一方に面直成分の磁化を持つ物質を用いたことを特徴とする、マイクロ波発生素子。
  37. 請求項16に記載のマイクロ波発生素子において、磁気抵抗素子を構成する磁化自由層としてフェリ磁性体を用いたことを特徴とするマイクロ波発生素子。
  38. 請求項1から14までのいずれか一項に記載のマイクロ波発生素子において、マイクロ波発生素子を構成する磁気抵抗素子において、磁化自由層の形状を、その反磁界が略一様となる形状としたことを特徴とする、マイクロ波発生素子。
  39. 請求項1から14までのいずれか一項に記載のマイクロ波発生素子において、磁気抵抗素子の磁化自由層の材料として、飽和磁化の小さな物質を使用したことを特徴とする、マイクロ波発生素子。
  40. 請求項1から14までのいずれか一項に記載のマイクロ波発生素子において、磁気抵抗素子の磁化自由層の材料として、磁気緩和定数(ダンピングファクター)の小さな物質を使用したことを特徴とする、マイクロ波発生素子。
  41. 請求項1から14までのいずれか一項に記載のマイクロ波発生素子において、磁気抵抗素子の構造として、CPP(current perpendicular to plane:電流が面直方向に流れる構造を指す)構造を持ち、上部電極と下部電極の材料の組み合わせとして、CPP構造全体において電流冷却効果(ペルチェ冷却効果)が発現する材料の組み合わせを用いたことを特徴とする、マイクロ波発生素子。
  42. 請求項25から34までのいずれか1項に記載のマイクロ波検出素子において、磁気抵抗素子として、磁化自由層あるいは磁化固定層のうち少なくともいずれか一方に面直成分(2つの層を構成する膜面に対して垂直方向の成分)の磁化を持ち、マイクロ波の検出周波数を低くできる物質を用いることを特徴とする、マイクロ波検出素子。
  43. 請求項25から34までのいずれか1項に記載のマイクロ波検出素子において、磁気抵抗素子を構成する磁化自由層としてフェリ磁性体を用いたことを特徴とするマイクロ波検出素子。
  44. 請求項25から34までのいずれか1項に記載のマイクロ波検出素子において、
    マイクロ波検出素子を構成する磁気抵抗素子において、その磁化自由層の反磁界が略一様となる形状を持つことを特徴とするマイクロ波検出素子。
  45. 請求項25から34までのいずれか1項に記載のマイクロ波検出素子において、
    磁気抵抗素子の磁化自由層の材料として、飽和磁化の小さな物質を使用したことを特徴とするマイクロ波検出素子。
  46. 請求項25から34までのいずれか1項に記載のマイクロ波検出素子において、
    磁気抵抗素子の磁化自由層の材料として、磁気緩和定数(ダンピングファクター)の小さな物質を使用したことを特徴とする、マイクロ波検出素子。
  47. 請求項25から34までのいずれか1項に記載のマイクロ波検出素子において、
    磁気抵抗素子の構造として、CPP(current perpendicular to plane:電流が面直方向に流れる構造を指す)構造を持ち、上部電極と下部電極の材料の組み合わせとして、CPP構造全体において電流冷却効果(ペルチェ冷却効果)が発現する材料の組み合わせを用いたことを特徴とする、マイクロ波検出素子。
  48. 強磁性多層膜磁気抵抗素子と、該強磁性多層膜磁気抵抗素子を挟むように設けられた下部ストリップラインおよび上部ストリップラインと、を有し、
    前記強磁性多層膜磁気抵抗素子がマイクロ波伝送回路の終端部に配置されていることを特徴とするマイクロ波発振素子。
  49. 強磁性多層膜磁気抵抗素子と、該強磁性多層膜磁気抵抗素子を挟むように設けられた下部ストリップラインおよび上部ストリップラインと、を有し、
    前記強磁性多層膜磁気抵抗素子がマイクロ波伝送回路の終端部に配置されていることを特徴とするマイクロ波発検出素子。
  50. 強磁性多層膜磁気抵抗素子と、該強磁性多層膜磁気抵抗素子を挟むように設けられた下部ストリップラインおよび上部ストリップラインと、を有し、
    前記強磁性多層膜磁気抵抗素子がマイクロ波伝送回路の終端部に配置され、前記ストリップラインが、前記終端部と反対の一端側に向けて大きく広げられていることを特徴とするアンテナ。
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