JP2019186270A - 磁気抵抗効果デバイス - Google Patents

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【課題】差動伝送線路に流れるコモンモード電流を低減させることが可能な、磁気抵抗効果デバイスを提供する。【解決手段】本発明の磁気抵抗効果デバイス100は、高周波信号を入力する第1ポートと、高周波信号を出力する第2ポートと、第1ポートと第2ポートとを接続し、差動伝送線路を構成する第1信号線路104および第2信号線路105と、第1信号線路104、第2信号線路105のそれぞれに接続された磁気抵抗効果素子106と、第1信号線路104および第2信号線路105に接続された直流印加端子と、を有し、磁気抵抗効果素子106が、第1信号線路104および第2信号線路105を含む平面P1の一方の側に配置され、それぞれ磁化固定層、スペーサ層、磁化自由層を平面P1に垂直に積層してなり、磁化固定層の磁化容易軸が、磁気抵抗効果素子106の積層面に平行である。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気抵抗効果デバイスに関する。
近年、携帯電話等の移動通信端末の高機能化に伴い、無線通信の高速化が進められている。通信速度は使用する周波数の帯域幅に比例するため、通信に必要な周波数バンドが増加し、それに伴って、移動通信端末に必要な高周波フィルタの搭載数も増加している。また、新しい高周波用部品への応用が期待されるスピントロニクスの分野の研究が、盛んに行われている。その中で注目されている現象の一つに、磁気抵抗効果素子による強磁性共鳴現象がある(非特許文献1参照)。
例えば、磁気抵抗効果素子に交流電流を流すのと同時に、磁場印加機構を用いて静磁場を印加することにより、磁気抵抗効果素子に含まれる磁化自由層の磁化に強磁性共鳴を起こすことができる。このとき、強磁性共鳴周波数に対応した周波数で周期的に、磁気抵抗効果素子の抵抗値が振動する。磁気抵抗効果素子に印加される静磁場の強さによって、強磁性共鳴周波数は変化し、一般的にその共鳴周波数は数〜数十GHzの高周波帯域に含まれる(特許文献1参照)。
特開2017−63397号公報
Journal Of Applied Physics 99、08N503、17 November 2006
高周波回路において、差動伝送線路を構成する一対の信号線路は、通常は、それぞれに大きさが同じで互いに反対方向の電流(ディファレンシャルモード電流)を流して用いられる。ところが、デバイスとの接続状態等に起因して、それぞれの信号線路に、大きさが同じで互いに同じ方向に流れる電流(コモンモード電流)が流れてしまうことがある。このような電流は放射ノイズ発生の原因となるため、減らす必要がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、差動伝送線路に流れるコモンモード電流を低減させることが可能な、磁気抵抗効果デバイスを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)本発明の一態様に係る磁気抵抗効果デバイスは、高周波信号を入力する第1ポートと、高周波信号を出力する第2ポートと、前記第1ポートと前記第2ポートとを接続し、差動伝送線路を構成する第1信号線路および第2信号線路と、前記第1信号線路、前記第2信号線路のそれぞれに接続された磁気抵抗効果素子と、前記第1信号線路および前記第2信号線路に接続された直流印加端子と、を有し、前記磁気抵抗効果素子が、前記第1信号線路および前記第2信号線路を含む平面の一方の側に配置され、それぞれ磁化固定層、磁化自由層、前記磁化固定層と前記磁化自由層の間に挟まれたスペーサ層を、前記第1信号線路および前記第2信号線路を含む平面に垂直に積層してなり、前記磁化固定層の磁化容易軸が、前記磁気抵抗効果素子の積層面に平行である。
(2)本発明の他の一態様に係る磁気抵抗効果デバイスは、高周波信号を入力する第1ポートと、高周波信号を出力する第2ポートと、前記第1ポートと前記第2ポートとを接続し、差動伝送線路を構成する第1信号線路および第2信号線路と、前記第1信号線路、前記第2信号線路のそれぞれに接続された磁気抵抗効果素子と、前記第1信号線路および前記第2信号線路に接続された直流印加端子と、を有し、前記磁気抵抗効果素子が、それぞれ磁化固定層、磁化自由層、前記磁化固定層と前記磁化自由層の間に挟まれたスペーサ層を積層してなり、前記磁化自由層の磁化が、前記第1信号線路および前記第2信号線路を含む平面に平行な方向の磁場によって強磁性共鳴するように、前記磁気抵抗効果素子が配置されている。
(3)上記(1)または(2)のいずれかに記載の磁気抵抗効果デバイスにおいて、前記磁気抵抗効果素子が、その積層方向からの平面視において、前記第1信号線路および前記第2信号線路に挟まれるように配置されていることが好ましい。
(4)上記(3)に記載の磁気抵抗効果デバイスにおいて、前記積層方向からの平面視において、前記第1信号線路に接続された前記磁気抵抗効果素子が、前記第1信号線路との距離、前記第2信号線路との距離が等しくなるように配置されていることが好ましい。
(5)上記(3)または(4)のいずれかに記載の磁気抵抗効果デバイスにおいて、前記積層方向からの平面視において、前記第2信号線路に接続された前記磁気抵抗効果素子が、前記第1信号線路との距離、前記第2信号線路との距離が等しくなるように配置されていることが好ましい。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の磁気抵抗効果デバイスにおいて、前記磁化自由層の磁化の強磁性共鳴周波数を制御する、周波数制御手段を有することが好ましい。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の磁気抵抗効果デバイスにおいて、前記第1信号線路に対し、前記磁化自由層の磁化の強磁性共鳴周波数が互いに異なる複数の前記磁気抵抗効果素子が、並列に接続されていることが好ましい。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の磁気抵抗効果デバイスにおいて、前記第2信号線路に対し、前記磁化自由層の磁化の強磁性共鳴周波数が互いに異なる複数の前記磁気抵抗効果素子が、並列に接続されていることが好ましい。
(9)上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の磁気抵抗効果デバイスにおいて、前記第1信号線路に対し、前記磁化自由層の磁化の強磁性共鳴周波数が互いに異なる複数の前記磁気抵抗効果素子が、直列に接続されていることが好ましい。
(10)上記(1)〜(6)、(9)のいずれか一つに記載の磁気抵抗効果デバイスにおいて、前記第2信号線路に対し、前記磁化自由層の磁化の強磁性共鳴周波数が互いに異なる複数の前記磁気抵抗効果素子が、直列に接続されていることが好ましい。
本発明の磁気抵抗効果デバイスでは、差動伝送線路を構成する第1信号線路、第2信号線路を含む平面の一方の側に、磁気抵抗効果素子が配置され、その積層面が当該平面と平行となっている。そのため、第1信号線路、第2信号線路にコモンモード電流が流れた場合、磁気抵抗効果素子に対して積層面に平行な磁場が印加される。磁化自由層の磁化は、印加された磁場の方向を軸とする歳差運動を行い、コモンモード電流の周波数が、磁気抵抗効果素子の共鳴周波数に近い場合に、磁化自由層の磁化と共鳴する。これにより、コモンモード電流に対する、磁気抵抗効果素子のインピーダンスが下がる。
一方、第1信号線路、第2信号線路にディファレンシャルモード電流が流れた場合、磁気抵抗効果素子に対して積層面に垂直な磁場が印加される。この場合、磁化自由層の磁化が、印加された磁場の方向を軸とする歳差運動を行っても、磁化自由層の磁化とは共鳴しにくいため、ディファレンシャルモード電流に対する磁気抵抗効果素子のインピーダンスが下がらない。したがって、本発明の磁気抵抗効果デバイスでは、差動伝送線路を流れる電流のうち、コモンモード電流のみを磁気抵抗効果素子側に流すことができ、その結果として、差動伝送線路に流れるコモンモード電流を低減させることが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る磁気抵抗効果デバイスの斜視図である。 (a)、(b)ディファレンシャルモード電流によって形成される磁場を、模式的に示す図である。 (a)、(b)コモンモード電流によって形成される磁場を、模式的に示す図である。 ディファレンシャルモード電流、コモンモード電流によって、第一実施形態の磁気抵抗効果素子に印加される磁場を模式的に示す図である。 本発明の変形例1に係る磁気抵抗効果デバイスの斜視図である。 本発明の変形例2に係る磁気抵抗効果デバイスの斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る磁気抵抗効果デバイスの斜視図である。 ディファレンシャルモード電流、コモンモード電流によって、第二実施形態の磁気抵抗効果素子に印加される磁場を模式的に示す図である。 本発明の第三実施形態に係る磁気抵抗効果デバイスの斜視図である。 ディファレンシャルモード電流、コモンモード電流によって、第三実施形態の磁気抵抗効果素子に印加される磁場を模式的に示す図である。
以下、本発明について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス100の斜視図である。磁気抵抗効果デバイス100は、主に、高周波信号を入力する第1ポート101と、高周波信号を出力する第2ポート102と、第1ポート101と第2ポート102とを接続し、差動伝送線路103を構成する第1信号線路104および第2信号線路105と、第1信号線路104、第2信号線路105のそれぞれに接続された磁気抵抗効果素子106と、第1信号線路104および第2信号線路105に接続された直流印加端子107と、を有している。
差動伝送線路103は、第1信号線路104を介して第1ポート101と第2ポート102とを直列接続する経路、第2信号線路105を介して第1ポート101と第2ポート102とを直列接続する経路によって構成されている。
磁気抵抗効果素子106は、第1信号線路104および第2信号線路105を含む平面Pの一方の側、すなわち、平面Pと交わらない位置に配置されている。ここでの平面Pには、第1信号線路104、第2信号線路105と同程度の厚さの平たい空間も含まれるものとする。複数の磁気抵抗効果素子106が同じ側に揃って配置されている必要はなく、それぞれ、平面Pのどちらか一方の側に配されていればよい。
磁気抵抗効果素子106は、それぞれ磁化固定層108、磁化自由層109、磁化固定層108と磁化自由層109の間に挟まれたスペーサ層110を、第1信号線路104および第2信号線路105を含む平面Pに略垂直に積層してなる。磁気抵抗効果素子106は、磁化自由層109の磁化が、第1信号線路104および第2信号線路105を含む平面Pに平行な方向の磁場によって、強磁性共鳴するように配置されている。
磁化固定層108の磁化は、磁化自由層109の磁化より変化しにくく、所定の磁場環境下では一方向に固定される。磁化固定層108の磁化の向きに対して磁化自由層109の磁化の向きが相対的に変化することで、磁気抵抗効果素子101として機能する。
磁化固定層108の磁化容易軸は、磁気抵抗効果素子106の積層面に略平行であり、磁化固定層108はこの方向に磁化されている。
磁化固定層108は、強磁性体材料で構成されており、その磁化方向が実質的に一方向に固定されている。磁化固定層108は、Fe、Co、Ni、NiとFeの合金、FeとCoの合金、またはFeとCoとBの合金などの高スピン分極率材料から構成されることが好ましい。これにより、高い磁気抵抗変化率を得ることができる。また、磁化固定層108は、ホイスラー合金で構成されてもよい。また、磁化固定層108の膜厚は、1〜10nmとすることが好ましい。
磁化固定層108の磁化固定方法は、特に限定されない。例えば、磁化固定層108の磁化を固定するために、磁化固定層108に接するように反強磁性層を付加してもよい。また、結晶構造、形状などに起因する磁気異方性を利用して、磁化固定層108の磁化を固定してもよい。反強磁性層には、FeO、CoO、NiO、CuFeS、IrMn、FeMn、PtMn、CrまたはMnなどを用いることができる。
磁化自由層109は、外部磁場もしくはスピン偏極電子によって、その磁化の方向が変化可能な強磁性体材料で構成されている。
磁化自由層109は、磁気抵抗効果素子106の積層方向Lと垂直な面内方向に、磁化容易軸を有する場合の材料として、CoFe、CoFeB、CoFeSi、CoMnGe、CoMnSiまたはCoMnAlなどを用いることができ、磁化自由層109の積層方向Lに磁化容易軸を有する場合の材料として、Co、CoCr系合金、Co多層膜、CoCrPt系合金、FePt系合金、希土類を含むSmCo系合金またはTbFeCo合金などを用いることができる。また、磁化自由層109は、ホイスラー合金で構成されてもよい。
磁化自由層109の厚さは、0.5〜20nm程度とすることが好ましい。また、磁化自由層109とスペーサ層110との間には、高スピン分極率材料を挿入しても良い。高スピン分極率材料を挿入することによって、高い磁気抵抗変化率を得ることが可能となる。
高スピン分極率材料としては、CoFe合金またはCoFeB合金等が挙げられる。CoFe合金またはCoFeB合金いずれの膜厚も0.2〜1.0nm程度とすることが好ましい。
スペーサ層110には、非磁性の材料を用いることが好ましい。スペーサ層110は、導電体、絶縁体もしくは半導体によって構成される層、または、絶縁体中に導体によって構成される通電点を含む層によって構成されている。
例えば、スペーサ層110が絶縁体によって構成される場合は、磁気抵抗効果素子106はトンネル磁気抵抗(TMR:Tunneling Magnetoresistance)素子となり、スペーサ層110が金属によって構成される場合は巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magnetoresistance)素子となる。
スペーサ層110として絶縁材料を適用する場合、AlまたはMgO等の絶縁材料を用いることができる。磁化固定層108と磁化自由層109との間にコヒーレントトンネル効果が発現するように、スペーサ層110の厚さを調整することで高い磁気抵抗変化率が得られる。TMR効果を効率よく利用するためには、スペーサ層110の厚さは、0.5〜3.0nm程度であることが好ましい。
スペーサ層110が導電材料によって構成される場合、Cu、Ag、Au又はRu等の導電材料を用いることができる。GMR効果を効率よく利用するためには、スペーサ層110の厚さは、0.5〜3.0nm程度であることが好ましい。
スペーサ層110が半導体によって構成される場合、ZnO、In、SnO、ITO、GaOx又はGa2Ox等の材料を用いることができる。この場合、スペーサ層110の厚さは、1.0〜4.0nm程度であることが好ましい。
スペーサ層110として、絶縁体中の導体によって構成される通電点を含む層を適用する場合、AlまたはMgOによって構成される絶縁体中に、CoFe、CoFeB、CoFeSi、CoMnGe、CoMnSi、CoMnAl、Fe、Co、Au、Cu、AlまたはMgなどの導体によって構成される通電点を含む構造とすることが好ましい。この場合、スペーサ層110の厚さは、0.5〜2.0nm程度であることが好ましい。
また、上部電極111と磁気抵抗効果素子106との間、および下部電極112と磁気抵抗効果素子106との間には、キャップ層、シード層またはバッファー層が配設されていてもよい。キャップ層、シード層またはバッファー層としては、Ru、Ta、Cu、Crまたはこれらの積層膜などが挙げられ、これらの層の膜厚は2〜10nm程度とすることが好ましい。
なお、磁気抵抗効果素子106の大きさは、磁気抵抗効果素子106の平面視形状が長方形(正方形を含む)の場合、長辺を100nm程度、或いは100nm以下にすることが好ましい。また、磁気抵抗効果素子106の平面視形状が長方形ではない場合は、磁気抵抗効果素子106の平面視形状に最小の面積で外接する長方形の長辺を、磁気抵抗効果素子106の長辺と定義する。長辺が100nm程度と小さい場合、磁化自由層104の磁区の単磁区化が可能となり、高効率なスピントルク共鳴現象の実現が可能となる。ここで、「平面視形状」とは、磁気抵抗効果素子を構成する各層の積層方向Lに垂直な平面で見た形状のことである。
磁気抵抗効果素子101への通電性を高める上で、磁気抵抗効果素子106の両端に、電極が設けられていることが好ましい。ここでは、磁気抵抗効果素子106の積層方向Lにおいて、上端に設けられた電極を上部電極111、下端に設けられた電極を下部電極112と呼ぶ。上部電極111および下部電極112は、一対の電極としての役割を担い、磁気抵抗効果素子106を構成する各層の積層方向Lに、磁気抵抗効果素子106を介して配設されている。つまり、上部電極111および下部電極112は、信号(電流)を磁気抵抗効果素子106に対して、磁気抵抗効果素子106を構成する各層の面と交差する方向、例えば、磁気抵抗効果素子106を構成する各層の面に対して垂直な方向(積層方向)に流すための一対の電極としての機能を有している。上部電極111および下部電極112の材料としては、例えば、Ta、Cu、Au、AuCu、Ru、Al等の導電性を有するものを用いることができる。
磁気抵抗効果素子106は、一端(磁化自由層109側)が、上部電極111を介して、第1信号線路104または第2信号線路105のいずれかに電気的に接続され、他端(磁化固定層108側)が、下部電極112を介して、グラウンド115に電気的に接続されている。磁気抵抗効果素子106は、第1信号線路104、第2信号線路105のそれぞれに、第2のポート102に対して並列になるように接続されていることが好ましい。
グラウンド115は、基準電位として機能する。差動伝送線路103とグラウンド115との形状は、マイクロストリップライン(MSL)型やコプレーナウェーブガイド(CPW)型に規定することが好ましい。マイクロストリップライン形状やコプレーナウェーブガイド形状を設計する際、差動伝送線路103の特性インピーダンスと回路系のインピーダンスが等しくなるように第1信号線路104、第2信号線路105の信号線幅やグラウンド間距離を設計することにより、伝送損失の少ない差動伝送線路とすることが可能となる。
直流印加端子107は、第1信号線路104、第2信号線路105のそれぞれにおいて、磁気抵抗効果素子106と第1のポート101との間に接続されている。直流印加端子107は、電源113に接続され、磁気抵抗効果素子101の積層方向Lに直流電流または直流電圧を印加する。本明細書において直流電流とは、時間によって方向が変化しない電流であり、時間によって大きさが変化する電流を含む。また、直流電圧とは、時間によって方向が変化しない電圧であり、時間によって大きさが変化する電圧も含む。電源113は直流電流源であってもよく、直流電圧源であってもよい。
直流印加端子107に電源113が接続されることで、磁気抵抗効果素子106に直流電流を印加することが可能になる。図1に示す磁気抵抗効果デバイス100では、磁気抵抗効果素子106に、磁化自由層109から磁化固定層108の方向に流れる直流電流が印加される。また、直流印加端子107と電源113との間に、高周波信号をカットするための、チョークコイルまたは抵抗素子が直列に接続されてもよい。
磁気抵抗効果素子106の近傍に、磁気抵抗効果素子106に対して磁場を印加する磁場印加機構114が配設されていてもよい。磁場印加機構114としては、電圧もしくは電流のいずれかにより、印加磁場強度を可変制御できる電磁石型、あるいはストリップライン型等で構成されるものを用いることができる。また、磁場印加機構114としては、電磁石型あるいはストリップライン型と一定の磁場のみを供給する、永久磁石との組み合わせによって構成されるものを用いてもよい。磁場印加機構114は、磁気抵抗効果素子106に対して磁場を印加することによって、スピントルク共鳴を誘起することができ、さらに、印加する磁場を変化させることによって、スピントルク共鳴周波数を調整することができる。つまり、磁場印加機構114は、スピントルク共鳴の周波数制御手段としての機能を有している。
ここで、高周波信号の影響によって磁気抵抗効果素子106に発生する、スピントルク共鳴現象(強磁性共鳴現象)について説明する。
磁気抵抗効果素子106に磁場を印加すると同時に、磁気抵抗効果素子106に固有のスピントルク共鳴周波数(強磁性共鳴周波数)と同じ周波数の高周波信号を入力すると、磁化自由層109の磁化がスピントルク共鳴周波数で振動する。この現象をスピントルク共鳴現象と呼ぶ。磁気抵抗効果素子106の素子抵抗値は、磁化固定層108と磁化自由層109との磁化の相対角で決まる。そのため、スピントルク共鳴時の磁気抵抗効果素子106の抵抗値は、磁化自由層109の磁化の振動に伴い、周期的に変化する。つまり、磁気抵抗効果素子106は、スピントルク共鳴周波数で抵抗値が周期的に変化する抵抗振動素子として取り扱うことができる。さらに、抵抗振動素子にスピントルク共鳴周波数と同じ周波数の高周波信号を入力すると、それぞれの位相が同期し、この高周波信号に対するインピーダンスは減少する。つまり、磁気抵抗効果素子106は、スピントルク共鳴現象により、スピントルク共鳴周波数で高周波信号のインピーダンスが低減する抵抗素子として取り扱うことができる。また、磁気抵抗効果素子106に印加される磁場が強くなるにつれて、スピントルク共鳴周波数は高くなる。
また、スピントルク共鳴時に磁気抵抗効果素子106に直流電流が印加されることにより、スピントルクが増加して、振動する抵抗値の振幅が増加する。振動する抵抗値の振幅が増加することにより、磁気抵抗効果素子106の素子インピーダンスの変化量が増加する。また、印加される直流電流の電流密度が大きくなるにつれて、スピントルク共鳴周波数は低くなる。したがって、磁気抵抗効果素子106のスピントルク共鳴周波数は、磁場印加機構114からの磁場を調整するか、直流印加端子107からの印加直流電流を調整することにより、制御することができる。
スピントルク共鳴現象により、第1ポート101から入力された高周波信号の高周波成分の中で磁気抵抗効果素子106のスピントルク共鳴周波数と一致する、もしくはスピントルク共鳴周波数の近傍の周波数成分は、低インピーダンス状態の磁気抵抗効果素子106を通過して、グラウンド115に流れるため、第2ポート102に出力されにくくなる。つまり、磁気抵抗効果デバイス100は、スピントルク共鳴周波数の近傍の周波数帯域が遮断帯域となる、高周波フィルタの機能を有する。
図2(a)は、差動伝送線路103を構成する略平行な第1信号線路104、第2信号線路105のそれぞれに、大きさが同じで互いに反対方向の電流(ディファレンシャルモード電流)が流れている場合に、磁気抵抗効果素子106に印加される磁場について説明する図である。ここでは、第1信号線路104には手前から奥に向かって、第2信号線路105には奥から手前に向かって、それぞれ高周波電流が流れる場合を想定している。
このとき、図2(a)に示すように、第1信号線路104に流れる高周波電流によって発生する磁場H(実線の矢印で表示)は、第1信号線路104を中心軸として、手前側から見て時計回りの方向に、同心円状に磁力線を形成する。一方、第2信号線路105に流れる高周波電流によって発生する磁場H(破線の矢印で表示)は、第2信号線路105を中心軸として、手前側から見て反時計回りの方向に、同心円状に磁力線を形成する。磁場H、Hは、それぞれの中心軸から遠ざかるにつれて小さくなってゆく。
図2(a)において、一点鎖線で囲んだ各位置に発生する磁場H、Hを合成し、合成磁場H(太実線の矢印で表示)として図2(b)に示す。
図3(a)は、差動伝送線路103を構成する略平行な第1信号線路104、第2信号線路105のそれぞれに、大きさが同じで互いに同じ方向の電流(コモンモード電流)が流れている場合に、磁気抵抗効果素子106に印加される磁場について説明する図である。ここでは、第1信号線路104、105のいずれにも、手前から奥に向かって高周波電流が流れる場合を想定している。
このとき、図3(a)に示すように、第1信号線路104に流れる高周波電流によって発生する磁場H(実線の矢印で表示)は、第1信号線路104を中心軸として、手前側から見て時計回りの方向に、同心円状に磁力線を形成する。また、第2信号線路105に流れる高周波電流によって発生する磁場H(破線の矢印で表示)は、第2信号線路105を中心軸として、手前側から見て時計回りの方向に、同心円状に磁力線を形成する。磁場H、Hは、それぞれの中心軸から遠ざかるにつれて小さくなってゆく。
図3(a)において、一点鎖線で囲んだ各位置に発生する磁場H、Hを合成し、合成磁場H(太実線の矢印で表示)として図3(b)に示す。
図4は、差動伝送線路103を構成する略平行な第1信号線路104、第2信号線路105のそれぞれに、ディファレンシャルモード電流およびコモンモード電流が流れている場合に、磁気抵抗効果素子106に印加される磁場について説明する図である。磁気抵抗効果素子106は、その積層方向Lが、第1信号線路104、第2信号線路105を含む平面Pと略垂直となるように配置されるものとする。
ディファレンシャルモード電流によって発生する合成磁場H(実線の矢印で表示)は、図2(b)にも示したように、第一信号線路104の周りには時計回りの方向に磁力線を形成し、第二信号線路105の周りには反時計回りの方向に磁力線を形成する。
これに対し、コモンモード電流によって発生する合成磁場H(破線の矢印で表示)は、図3(b)にも示したように、第1信号線路104および第2信号線路105を中心とし、その周りに時計回りの方向に磁力線を形成する。
磁気抵抗効果素子106に印加される磁場H、Hの大きさ、向きは、第1信号線路104、第2信号線路105との相対的な位置関係によって決まる。磁気抵抗効果素子106が、平面P上(平面Pと交わる位置)にある場合、磁気抵抗効果素子106には、ディファレンシャルモード電流、コモンモード電流によって発生するそれぞれの磁場が、いずれも平面Pにほぼ垂直な方向に印加される。
さらに、平面P上において、第1信号線路104と第2信号線路105とで挟まれた領域Rでは、コモンモード電流が流れることによって、第1信号線路104の周りに発生する磁場の向きと、第2信号線路105の周りに発生する磁場の向きとがほぼ反対になる。そのため、この領域Rにおける、コモンモード電流による合成磁場はゼロに近い値となる。したがって、磁気抵抗効果素子106を領域Rに配置した場合、磁気抵抗効果素子106に対して、ディファレンシャルモード電流による磁場のみが印加される。
磁気抵抗効果素子106が平面Pの一方の側に配置されている場合、コモンモード電流によって磁気抵抗効果素子106に印加される磁場には、平面Pに平行な成分が含まれる。コモンモード電流による平面Pに平行な成分の磁場は、領域Rと重なる位置、すなわち、磁気抵抗効果素子106の積層方向Lからの平面視において、第1信号線路104および第2信号線路105に挟まれる位置において、大きい値を示す。
さらに、領域Rのうち、第1信号線路104と第2信号線路105との中間点(中間線)Rにおいて、平面Pと略直交する平面P上(平面Pと交わる位置)に磁気抵抗効果素子106がある場合、当該磁場はより大きい値を示す。また、当該磁場は、中間点Rから平面Pに垂直な方向に離間した所定の領域において、特に大きい値を示す。
ディファレンシャルモード電流によって、磁気抵抗効果素子106に印加される磁場のうち、平面Pに垂直な成分は、平面P上において大きい値を示し、平面Pから離れるにつれて小さくなる。
以上のように、本実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス100では、差動伝送線路103を構成する第1信号線路104、第2信号線路105を含む平面Pの一方の側に、磁気抵抗効果素子106が配置され、その積層面が当該平面Pと平行となっている。
そのため、第1信号線路104、第2信号線路105にコモンモード電流が流れた場合、磁気抵抗効果素子106に対して積層面に平行な磁場が印加される。磁化自由層109の磁化は、印加された磁場の方向を軸とする歳差運動を行い、コモンモード電流の周波数が、磁気抵抗効果素子106の共鳴周波数に近い場合に、磁化自由層109の磁化と共鳴する。これにより、コモンモード電流に対する、磁気抵抗効果素子106のインピーダンスが下がる。
一方、第1信号線路104、第2信号線路105にディファレンシャルモード電流が流れた場合、磁気抵抗効果素子106に対して積層面に垂直な磁場が印加される。この場合、磁化自由層109の磁化が、印加された磁場の方向を軸とする歳差運動を行っても、磁化自由層109の磁化とは共鳴しにくいため、ディファレンシャルモード電流に対する磁気抵抗効果素子106のインピーダンスが下がらない。
したがって、本実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス100では、差動伝送線路103を流れる電流のうち、コモンモード電流のみを磁気抵抗効果素子106側に流すことができ、その結果として、差動伝送線路103に流れるコモンモード電流を低減させることが可能となる。つまり、本実施形態の磁気抵抗効果デバイス100は、所定の周波数(共鳴周波数)近傍のコモンモード電流を選択的に遮断するフィルタとしての機能を有する。
本実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス100を動作させる上で、磁気抵抗効果素子(フィルタ素子)106に流れる電流のうち、コモンモード電流の割合を高くし、かつディファレンシャルモード電流の割合を低くすることが好ましい。そうした観点から、コモンモード電流による磁場は、強磁性共鳴が起きやすくなるように、積層面に平行に、できるだけ多く印加されることが好ましい。また、ディファレンシャルモード電流による磁場は、強磁性共鳴が起きにくくなるように、積層面に垂直にできるだけ多く印加されることが好ましい。したがって、磁気抵抗効果素子106は、具体的には、第1信号線路104と第2信号線路105に挟まれた領域Rと重なる位置に配置されていることが好ましく、領域Rのうち、第1信号線路104と第2信号線路105との中間点Rと重なる位置に配置されていれば、より好ましい。
つまり、積層方向Lからの平面視において、第1信号線路104に接続された磁気抵抗効果素子106、第2信号線路に接続された磁気抵抗効果素子106のうち、一方または両方が、第1信号線路104との距離、第2信号線路105との距離が等しくなるように、配置されていることがより好ましい。この場合、第1の信号線路に流れるコモンモード電流に対する各磁気抵抗効果素子の共鳴周波数近傍での遮断特性と、ディファレンシャルモード電流に対する同遮断特性との差異が最も大きくなり、ディファレンシャルモード電流と比較して、コモンモード電流をより多く遮断することができる。
第1信号線路104、第2信号線路105のそれぞれに接続される磁気抵抗効果素子106の数は、1個であってもよいし、複数個であってもよい。また、第1信号線路104、第2信号線路105とで、接続される磁気抵抗効果素子106の数、形状、サイズ等が一致していなくてもよい。ただし、差動伝送線路としての動作を安定化させるため、第1信号線路104と第2信号線路105で電気的な特性を揃える必要があり、数、形状、サイズ等については、信号線路ごとの合成インピーダンスが揃うように調整されているものとする。
第1信号線路104、第2信号線路105に対し、複数の磁気抵抗効果素子106を接続した場合の変形例1、2を、それぞれ図5、6に示す。
図5は、変形例1に係る磁気抵抗効果デバイス150の斜視図である。磁気抵抗効果デバイス110では、第1信号線路104、第2信号線路105のそれぞれに対し、磁化自由層の磁化の強磁性共鳴周波数が互いに異なる複数の磁気抵抗効果素子が、並列に接続されている。その他の構成については、上記実施形態の構成と同様であり、上記実施形態と同じ箇所については、形状の違いによらず、同じ符号で示している。
図6は、変形例2に係る磁気抵抗効果デバイス160の斜視図である。磁気抵抗効果デバイス120では、第1信号線路104、第2信号線路105のそれぞれに対し、磁化自由層の磁化の強磁性共鳴周波数が互いに異なる複数の磁気抵抗効果素子が、直列に接続されている。その他の構成については、上記実施形態の構成と同様であり、上記実施形態と同じ箇所については、形状の違いによらず、同じ符号で示している。
変形例1、2のように、各信号線路に対し、共鳴周波数の異なる複数の磁気抵抗効果素子を接続することより、フィルタリングできるコモンモード電流の周波数の種類が増えることになり、遮断周波数帯を広く設定することができる。
<第二実施形態>
図7は、本発明の第二実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス200の斜視図である。磁気抵抗効果デバイス200は、第1信号線路104、第2信号線路105を含む平面Pと、磁気抵抗効果素子106の積層方向Lとの関係において、第一実施形態の磁気抵抗効果デバイス100と異なる。すなわち、磁気抵抗効果素子106の積層方向Lが、第一実施形態では、第1信号線路104、第2信号線路105を含む平面Pと垂直であったのに対し、本実施形態では平行となっている。その他の構成については、第一実施形態の構成と同様であり、第一実施形態と同じ箇所については、形状の違いによらず、同じ符号で示している。本実施形態においても、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
図8は、差動伝送線路103を構成する略平行な第1信号線路104、第2信号線路105のそれぞれに、ディファレンシャルモード電流およびコモンモード電流が流れている場合に、磁気抵抗効果素子106に印加される磁場について説明する図である。磁気抵抗効果素子106は、その積層方向Lが、第1信号線路104、第2信号線路105を含む平面Pと略垂直となるように配置されるものとする。
第1信号線路104、第2信号線路105の周りに発生する磁場の向きについては、第一実施形態と同様である。したがって、磁化固定層108の磁化方向を平面Pと平行にすれば、磁気抵抗効果素子106の好適な配置も、第一実施形態と同様である。具体的には、平面Pの一方の側に配置されていることが必要であり、領域Rと重なる位置に配置されていることが好ましく、さらに平面P上に配置されていればより好ましい。
<第三実施形態>
図9は、本発明の第三実施形態に係る磁気抵抗効果デバイス300の斜視図である。磁気抵抗効果デバイス300も、第1信号線路104、第2信号線路105を含む平面Pと、磁気抵抗効果素子106の積層方向Lとの関係において、第一実施形態の磁気抵抗効果デバイス100と異なる。すなわち、磁気抵抗効果素子106の積層方向Lが、第一実施形態では、第1信号線路104、第2信号線路105を含む平面Pと垂直であったのに対し、本実施形態では斜めに交差している。その他の構成については、第一実施形態の構成と同様であり、第一実施形態と同じ箇所については、形状の違いによらず、同じ符号で示している。本実施形態においても、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
図10は、差動伝送線路103を構成する略平行な第1信号線路104、第2信号線路105のそれぞれに、ディファレンシャルモード電流およびコモンモード電流が流れている場合に、磁気抵抗効果素子106に印加される磁場について説明する図である。磁気抵抗効果素子106は、その積層方向Lが、第1信号線路104、第2信号線路105を含む平面Pと斜めに交差するように配置されるものとする。
第1信号線路104、第2信号線路105の周りに発生する磁場の向きについては、第一実施形態と同様である。したがって、磁化固定層108の磁化方向を平面Pと平行にすれば、磁気抵抗効果素子106の好適な配置も、第一実施形態と同様である。具体的には、平面Pの一方の側に配置されていることが必要であり、領域Rと重なる位置に配置されていることが好ましく、さらに平面P上に配置されていればより好ましい。
100、150、160、200、300・・・磁気抵抗効果デバイス
101・・・第1ポート
102・・・第2ポート
103・・・差動伝送線路
104・・・第1信号線路
105・・・第2信号線路
106・・・磁気抵抗効果素子
107・・・直流印加端子
108・・・磁化固定層
109・・・磁化自由層
110・・・スペーサ層
111・・・上部電極
112・・・下部電極
113・・・電源
114・・・磁場印加機構
115・・・グラウンド
〜H・・・磁場
L・・・積層方向
、P・・・平面
R・・・領域
・・・中間点

Claims (10)

  1. 高周波信号を入力する第1ポートと、
    高周波信号を出力する第2ポートと、
    前記第1ポートと前記第2ポートとを接続し、差動伝送線路を構成する第1信号線路および第2信号線路と、
    前記第1信号線路、前記第2信号線路のそれぞれに接続された磁気抵抗効果素子と、
    前記第1信号線路および前記第2信号線路に接続された直流印加端子と、を有し、
    前記磁気抵抗効果素子が、前記第1信号線路および前記第2信号線路を含む平面の一方の側に配置され、それぞれ磁化固定層、磁化自由層、前記磁化固定層と前記磁化自由層の間に挟まれたスペーサ層を、前記第1信号線路および前記第2信号線路を含む平面に垂直に積層してなり、
    前記磁化固定層の磁化容易軸が、前記磁気抵抗効果素子の積層面に平行であることを特徴とする磁気抵抗効果デバイス。
  2. 高周波信号を入力する第1ポートと、
    高周波信号を出力する第2ポートと、
    前記第1ポートと前記第2ポートとを接続し、差動伝送線路を構成する第1信号線路および第2信号線路と、
    前記第1信号線路、前記第2信号線路のそれぞれに接続された磁気抵抗効果素子と、
    前記第1信号線路および前記第2信号線路に接続された直流印加端子と、を有し、
    前記磁気抵抗効果素子が、それぞれ磁化固定層、磁化自由層、前記磁化固定層と前記磁化自由層の間に挟まれたスペーサ層を積層してなり、
    前記磁化自由層の磁化が、前記第1信号線路および前記第2信号線路を含む平面に平行な方向の磁場によって強磁性共鳴するように、前記磁気抵抗効果素子が配置されていることを特徴とする磁気抵抗効果デバイス。
  3. 前記磁気抵抗効果素子が、その積層方向からの平面視において、前記第1信号線路および前記第2信号線路に挟まれるように配置されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の磁気抵抗効果デバイス。
  4. 前記積層方向からの平面視において、前記第1信号線路に接続された前記磁気抵抗効果素子が、前記第1信号線路との距離、前記第2信号線路との距離が等しくなるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の磁気抵抗効果デバイス。
  5. 前記積層方向からの平面視において、前記第2信号線路に接続された前記磁気抵抗効果素子が、前記第1信号線路との距離、前記第2信号線路との距離が等しくなるように配置されていることを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載の磁気抵抗効果デバイス。
  6. 前記磁化自由層の磁化の強磁性共鳴周波数を制御する、周波数制御手段を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果デバイス。
  7. 前記第1信号線路に対し、前記磁化自由層の磁化の強磁性共鳴周波数が互いに異なる複数の前記磁気抵抗効果素子が、並列に接続されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果デバイス。
  8. 前記第2信号線路に対し、前記磁化自由層の磁化の強磁性共鳴周波数が互いに異なる複数の前記磁気抵抗効果素子が、並列に接続されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果デバイス。
  9. 前記第1信号線路に対し、前記磁化自由層の磁化の強磁性共鳴周波数が互いに異なる複数の前記磁気抵抗効果素子が、直列に接続されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果デバイス。
  10. 前記第2信号線路に対し、前記磁化自由層の磁化の強磁性共鳴周波数が互いに異なる複数の前記磁気抵抗効果素子が、直列に接続されていることを特徴とする請求項1〜6、9のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113447866A (zh) * 2020-03-27 2021-09-28 Tdk株式会社 磁传感器及其制造方法

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