JP2019086290A - 磁気センサ - Google Patents

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征典 益田
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Abstract

【課題】高い磁気感度を保ちつつ、測定可能な磁場レンジを拡張させる。【解決手段】基板10と、基板10上に形成され、磁化自由層21、非磁性層22及び磁化固定層23を有する素子部20と、素子部20と電気的に絶縁された磁場発生部70と、磁気収束部30と、を備えた磁気センサ1において、磁場発生部70は、断面視した際に、素子部20の上部に位置する第1部分71と、磁気収束部30の下部に位置する第2部分72と、を有し、磁場発生部70の第1部分71を流れる電流と、磁場発生部70の第2部分72を流れる電流は互いに逆向きとなるようにする。【選択図】 図1A

Description

本発明は磁気センサに関する。
磁場を検出する磁気センサとして、GMR(巨大磁気抵抗)効果やTMR(トンネル磁気抵抗)効果を用いたスピンバルブ型MR磁気センサがある。
スピンバルブ型MR磁気センサは、非磁性体を強磁性体で挟んだ構造(強磁性体/非磁性/強磁性体)を有し、一方の磁性体の磁化を反強磁性体で固定(磁化固定層)し、もう一方の強磁性体(磁化自由層)の磁化は外部磁場に対して自由に回転できる構造が一般的である(スピンバルブ構造)。スピンバルブ型MR磁気センサは、外部磁場Hが加わり、磁化固定層の磁化と磁化自由層の磁化との相対角が変化すると、非磁性体である中間層を流れる電流が変化するため、磁場を検出することができる(例えば、特許文献1参照)。
スピンバルブ型MR磁気センサは、微小な磁場で大きな磁気抵抗(MR)変化を示すことが知られており、主にハードディスクの磁気ヘッド等に用いられている。また、スピンバルブ型MR磁気センサは、ホール効果を用いた磁気センサ(ホール素子)と比較して高感度であること、つまり微小磁場の検出が可能であることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
MRセンサには他の方式があり、例えばAMR(異方性磁気抵抗)効果を利用したAMR磁気センサがある。AMR磁気センサ(AMR素子)はGMR磁気センサやTMR磁気センサと比較して感度は小さいが、ノイズ特性が優れており、磁気検出能はGMR磁気センサやTMR磁気センサと比較しても同等レベルである(例えば、特許文献3参照)。
また、磁気抵抗素子を用いた電流センサにおいて、フィードバックコイルを用いて環境磁場の影響をキャンセルする方法等も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開平9−199769号公報 特開2005−221383号公報 特許第5044070号明細書 米国特許出願公開第2015/0253412号明細書
上述したようなGMR効果やTMR効果を用いたスピンバルブ型MR磁気センサは、ホール素子やAMR素子に比べて磁気感度が高いという特徴を持つ。
スピンバルブ型MR磁気センサの場合、内部の磁性体のスピンの相対角度の変化によって抵抗変化が起こるため、原理的に、一定以上の磁場が印加されると抵抗変化が止まる。MRセンサの感度が上がることは、スピンの相対角度が変化しやすくなることを意味するので、すなわち測定可能な磁場レンジは狭くなる。
生体から発生する磁場等、非常に微小な磁場を検出可能な感度にすると、地磁気のレベルに対して測定可能な磁場レンジのレベルが非常に小さくなり、上手く動作させることできない。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、高い磁気感度を保ちつつ、測定可能な磁場レンジを拡張させることの可能な磁気センサを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る磁気センサは、基板と、前記基板上に形成され、磁化自由層、非磁性層及び磁化固定層を有する素子部と、前記素子部と電気的に絶縁された磁場発生部と、磁気収束部と、を備え、前記磁場発生部は、断面視した際に、前記素子部の上部に位置する第1部分と、前記磁気収束部の下部に位置する第2部分と、を有し、前記磁場発生部の第1部分を流れる電流と、該磁場発生部の第2部分を流れる電流は互いに逆向きであることを特徴としている。
本発明の他の態様に係る磁気センサは、基板と、前記基板上に形成され、磁化自由層、非磁性層及び磁化固定層を有する素子部と、前記素子部と電気的に絶縁された磁場発生部と、磁気収束部と、を備え、前記磁場発生部は、断面視した際に、前記素子部の下部に位置する第1部分と、前記磁気収束部の上部に位置する第2部分と、を有し、前記磁場発生部の第1部分を流れる電流と、該磁場発生部の第2部分を流れる電流は互いに逆向きであることを特徴としている。
本発明の一態様によれば、優れた感度特性を保ちつつ、測定可能な磁場レンジを拡張させることの可能な磁気センサを提供することができる。
本発明の第一実施形態に係る磁気センサの一例を示す上面模式図である。 図1Aに示す磁気センサの断面模式図である。 磁気センサで形成されたフルブリッジ回路を備えた磁気センサの一例を示す構成図である。 第二実施形態に係る磁気センサの一例を示す上面模式図である。 図3Aに示す磁気センサの断面模式図である。 第三実施形態に係る磁気センサの一例を示す上面模式図である。 図4Aに示す磁気センサの断面模式図である。 第四実施形態に係る磁気センサの一例を示す上面模式図である。 図5Aに示す磁気センサの断面模式図である。 第五実施形態に係る磁気センサの一例を示す上面模式図である。 図6Aに示す磁気センサの断面模式図である。 第六実施形態に係る磁気センサの一例を示す上面模式図である。 実施例1に係る磁性体群の一例を示す上面模式図である。 図8Aに示す磁性体群の断面模式図である。 実施例2に係る磁性体群の一例を示す上面模式図である。 図9Aに示す磁性体群の断面模式図である。 実施例3に係る磁性体群の一例を示す上面模式図である。 図10Aに示す磁性体群の断面模式図である。 実施例4に係る磁性体群の一例を示す上面模式図である。 図11Aに示す磁性体群の断面模式図である。 比較例1に係る磁性体群の一例を示す上面模式図である。 図12Aに示す磁性体群の断面模式図である。 比較例2に係る磁性体群の一例を示す上面模式図である。 図13Aに示す磁性体群の断面模式図である。
以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の具体的な構成について記載されている。しかしながら、このような特定の具体的な構成に限定されることなく他の実施態様が実施できることは明らかである。また、以下の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、実施形態で説明されている特徴的な構成の組み合わせの全てを含むものである。
<磁気センサ>
本発明の第一の態様に係る磁気センサは、基板と、基板上に形成され、磁化自由層、非磁性層及び磁化固定層を有する素子部と、素子部と電気的に絶縁された磁場発生部と、磁気収束部と、を備え、磁場発生部は、断面視した際に、素子部の上部に位置する第1部分と、磁気収束部の下部に位置する第2部分と、を有し、磁場発生部の第1部分を流れる電流と、磁場発生部の第2部分を流れる電流は互いに逆向きであることを特徴としている。
また、本発明の第二の態様に係る磁気センサは、基板と、基板上に形成され、磁化自由層、非磁性層及び磁化固定層を有する素子部と、素子部と電気的に絶縁された磁場発生部と、磁気収束部と、を備え、磁場発生部は、断面視した際に、素子部の下部に位置する第1部分と、磁気収束部の上部に位置する第2部分と、を有し、磁場発生部の第1部分を流れる電流と、磁場発生部の第2部分を流れる電流は互いに逆向きである。
本発明の第一の態様及び第二の態様に係る磁気センサによれば、後述の実施形態に示すように、磁場発生部によって発生する磁場のうち、外部からの磁場を打ち消す方向の磁場を増幅するように素子部、磁気収束部及び磁場発生部を配置し、形状を決定することができるため、優れた感度特性を持つ磁気センサを実現できる。
ここで素子部の上部とは、断面視で、基板とは逆側の素子部終端面よりも上側の領域を指す。上面視にて、第1部分の少なくとも一部が素子部と重なる部分を有する場合、素子部の上部にあるとみなす。また、素子部の下部とは、断面視で、基板側の素子部終端面よりも下側の領域を指す。上面視にて、第1部分の少なくとも一部が素子部と重なる部分を有する場合、素子部の下部にあるとみなす。
またここで磁気収束部の上部とは、断面視で、基板とは逆側の磁気収束部終端面よりも上側の領域を指す。上面視にて、第2部分の少なくとも一部が磁気収束部と重なる部分を有する場合、磁気収束部の上部にあるとみなす。また磁気収束部の下部とは、断面視で、基板側の磁気収束部終端面よりも下側の領域を指す。上面視にて、第2部分の少なくとも一部が磁気収束部と重なる部分を有する場合、磁気収束部の下部にあるとみなす。
<磁気センサの構成部の説明>
以下、本発明の第一の態様及び第二の態様に係る磁気センサの各構成部について、例を挙げて説明する。
(A)基板
基板は、素子部との絶縁ができる材料であれば、特に制限されない。導電性基板上に絶縁膜が形成されたものを基板としてもよい。通常利用される基板として、ガラスや、シリコン(Si)基板上にSiO熱酸化膜を形成したものが挙げられる。
(B)素子部
素子部は、磁化自由層と、非磁性層と、非磁性層上に形成された磁化固定層と、を有し、第一の方向に延びる感磁軸を有する。
素子部の積層順は、磁化自由層と、非磁性層と、磁化固定層とが、この順で積層されることが望ましいが、積層順序は問わない。また、感度向上の観点から、非磁性層は絶縁性の材料で形成されていることが望ましい。
第一の方向に延びる感磁軸とは、外部磁場に対する感度が最大となる方向が第一の方向である感磁軸を意味する。
例えば、外部磁場Bの印加方向と感磁軸とが角度θだけ傾いているとき、磁気センサが感じる実効的な磁場Beffは、「Beff=Bcosθ」で表される。θ=0、すなわち外部磁場の印加方向と感磁軸の方向が一致している時、実効的な磁場が最大となるので、最も感度よく外部磁場を検知できる。
磁化自由層と同一平面内の所定の方向において、磁気センサに対して、外部磁場を増減させながら印加する。この時の外部磁場の変化に対する抵抗値の変化の傾きを、所定の方向における磁気センサの感度とする。
外部磁場の変化に対する抵抗値の変化の傾きを、最大の抵抗値と最小の抵抗値との間における最低3点以上で算出し、抵抗値の変化の傾き(つまり、感度)が最大となる方向を、磁気センサの素子部の感磁軸とみなす。
素子部は、三つの層(磁化自由層、非磁性層、及び磁化固定層)の上又は下、又は三つの層間に他の層が挿入されていてもよい。
素子部の最上部には、酸化防止の観点から、非磁性のキャップ層を備えていることが好ましい。非磁性のキャップ層は、配線部との接続の観点から、Au、Ruなどの導電性材料であることが好ましい。また、密着性の観点から、キャップ層と、磁化自由層又は磁化固定層との間にTi、Taなどの金属層を備えていることが望ましい。
素子部は公知の方法で形成することが可能であり、一例としては、スパッタ法により形成することができる。また、複数の素子部を形成する場合、基板上に形成された積層膜を、フォトリソグラフィー法で形成されたマスク部材を用いてドライエッチングやウェットエッチングすることにより形成することができる。
この時、素子部の途中でエッチングを停止させることにより、素子部の形状を制御してもよい。この場合、エッチング停止点より上側の層が、エッチング停止点の下側の層の上に複数部分に分かれて形成されていてもよい。
また、エッチング停止点は任意に設定することができる。例えば、上側の層に磁化自由層と非磁性層の一部が含まれ、下側の層に非磁性層の一部、磁化固定層が含まれていてもよい。
また、上側の層に磁化自由層、非磁性層、磁化固定層、が含まれ、下側の層はそれ以外の層(例えばTa、Ruなど)で構成されていてもよい。
また、磁化固定層の位置は限定されない。磁気収束部の形状と、磁化自由層の形状と、これらの位置関係とによって、磁化自由層内での磁化分布は変化する。例えば、後述の図1や図5に示すように、磁化固定層(23)を配置することができる。特に、磁化自由層(21)と磁気収束部(30R、30L)とが非常に近い位置に配置され、且つ磁化自由層の面積が大きい場合には、図5に示すように磁化固定層を磁気収束部に近づけるような配置とすることによって、より高い感度が得られる。一方、磁化自由層と磁気収束部との距離が比較的遠い場合や、磁化自由層の面積が小さい場合には、図1に示すように、磁化固定層を感磁軸方向でみた時の磁化自由層の中央付近に配置することによって、より高い感度が得られる。
積層膜の磁化容易軸を決定するために、磁化容易軸にしたい方向と平行に、成膜中に磁場を印加してもよい。
ここで、磁化容易軸とは、磁性体のもつ磁気異方性の特性により、磁化されやすい方向のことを意味する。磁気異方性は、磁性体の形状によって決まる形状磁気、結晶方位によって決まる形状磁気異方性、磁性原子の配列によって起こる誘導磁気異方性などにより決定される。
また、積層膜を成膜後に、磁場中で熱処理を行うことで、磁化容易軸を決定してもよい。
また、磁化自由層を上面視で細長い形状に加工することで、磁化容易軸を決定してもよい。
また、磁化自由層の面積は、磁化固定層の面積よりも大きいことが好ましい。ここで、磁化自由層の面積、また、磁化固定層の面積とは、磁気センサを上面視した際の各層の面積を意味する。磁化自由層上に磁化固定層を作製する場合、上面視で磁化固定層の面積を磁化自由層の面積よりも小さくした方が、より単純な加工プロセスで磁気センサを作製することができる。
(B−1)磁化自由層
磁化自由層は、外部磁場によって容易に磁化される強磁性材料で主に構成される。磁化自由層は、一つの材料で構成される必要はなく、多層膜であってもよい。強磁性材料としては、NiFe、CoFeB、CoFeSiB、CoFe、NiFeSiBなどが用いられるがこの限りではない。磁気感度向上のため、磁化自由層中にRuやTaなどの非磁性層が挿入された多層膜であることが好ましい。なお、磁化自由層の微細加工形状は問わない。
本明細書中では、磁化自由層の感磁軸方向の長さに関して、最も長い距離を、磁化自由層の感磁軸方向の長さLMRと定義する。
(B−2)非磁性層
非磁性層は、絶縁性の非磁性材料で構成される。一般的に、TMR素子の場合はAlやMgO等の絶縁材料が用いられるが、この限りではない。高磁気感度化のため、非磁性層にMgOを利用することが好ましい。なお、非磁性層の微細加工形状は問わない。
(B−3)磁化固定層
磁化固定層は、外部磁場によって磁化方向が容易に変化しないように、強磁性材料を主に用いて構成される。磁化固定層は、一つの材料で構成される必要はなく、多層膜であってもよい。一例としては、磁化固定層は、強磁性材料を反強磁性材料でピン止めした構造が用いられる。軟磁性材料としては、NiFe、CoFeB、CoFeSiB、CoFeなどが用いられるがこの限りではない。磁気感度向上のため、磁化固定層中にRuやTaなどの非磁性層が挿入された多層膜であることが好ましい。また、反強磁性材料としてIrMn、PtMnなどが用いられるが、この構成に限定されない。なお、磁化固定層の微細加工形状は問わない。
(C)磁気収束部
磁気収束部は膜厚方向が磁化困難軸方向となっている軟磁性体材料により構成される。軟磁性体材料として、NiFe、CoFeSiB、NiFeCuMo、CoZrNb、NiFeNbなどが挙げられるがこの限りではない。
磁気収束部はスパッタ法やめっきによって作成することができる。
磁気センサにおいて、より高い感度を得るためには、磁気収束部の感磁軸方向の反磁界が小さいことが望ましい。
また、磁気センサにおいて、より高い感度を得るためには、上面視で、複数の磁気収束部で挟まれた領域に、素子部が存在するように形成することが望ましい。
(D)保護層
保護層は、素子部、素子配線部、磁気収束部、磁場発生部などの絶縁を保つために用いる。保護層の材料は、素子部、素子配線部、磁気収束部及び磁場発生部を絶縁可能なものであれば特に制限されず、一例として酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウムが挙げられる。保護層は素子部の表面全体を覆うように形成され、素子部と素子配線部との接合部分や、素子配線部に連続して形成された電極上には通電窓(すなわち、開口部)が存在する。本実施形態において通電窓の位置や形状は限定されない。
(E)素子配線部
素子配線部は、絶縁層上に形成された通電窓を介して電極と素子部とを接続する。また、複数の磁気センサを、直列接続又は並列接続する場合、素子部どうしを電気的に接続するためにも用いる。密着性の観点から、キャップ層と素子配線部の間にTi、Taなどの層を備えていることが望ましい。
素子配線部の材料としては、素子部どうし、また、電極間を電気的に接続することが可能な導電性の材料(例えばAu、Cu、Cr、Ni、Al、Ta、Ruなど)であれば特に制限されない。また、素子配線部は単一の材料で形成されていてもよく、複数の材料が混合又は積層されて形成されていてもよい。素子配線部は公知の方法で形成することが可能であり、一例としては、フォトリソグラフィー法で形成されたマスク部材、及び、素子部の全面に、蒸着法やスパッタ法により導電性材料を形成し、さらに剥離液を用いてマスク部材を剥離すること(すなわち、リフトオフ法)により形成することができる。
(F)電極
電極は、外部の回路等との接続に用いる。密着性の観点から、基板と電極との間にTi、Taなどの層を備えていることが望ましい。基板上に素子部を残し、その上部に電極を作製してもよい。電極の材料としては、素子配線部同様、導電性の材料(例えばAu、Cu、Cr、Ni、Al、Ta、Ruなど)であれば特に制限されないが、素子特性の観点から、酸化されにくい材料(Au、Ruなど)である方が好ましい。
また、電極は単一の材料で形成されていてもよく、複数の材料が混合又は積層されたものであってもよい。電極は公知の方法で形成することが可能であり、一例としては、フォトリソグラフィー法で形成されたマスク部材、及び、積層部の全面に、蒸着法やスパッタ法により導電性材料を形成し、さらに剥離液を用いてマスク部材を剥離すること(すなわち、リフトオフ法)により形成することができる。プロセス工数の観点から、素子配線部と同時に作製することが望ましい。
(G)磁場発生部
磁場発生部は、前述の素子配線部と同様の材料、作製方法で形成することができる。
磁場発生部は、素子部および素子配線部とは絶縁された状態で形成される。素子部からの出力信号を、電気回路を通して磁場発生部に接続すると、外部から素子部に流入した磁場と同じ強度の磁場を発生するように電流を流すことができる。
電気回路は、例えば、オペアンプを利用することができる。複数の磁気センサを用いてフルブリッジ回路を形成し、フルブリッジ回路の二つの出力電圧をオペアンプに差動入力する。オペアンプの出力電流が素子部に磁場を印加できるように磁場発生部を配置すると、常に外部磁場を打ち消すように動作する。この時の電流(フィードバック電流)を読み取ることで、素子にかかる磁場の量を知ることができる。
このような回路を形成することで、TMRセンサの弱点である素子出力の非線形性や磁場レンジの制限を取り払うことが可能となる。
この方式はクローズドループやフィールドロックループ等と呼ばれる。
本実施形態では、磁場発生部の第1部分の感磁軸方向長さのうち、最も小さい長さを磁場発生部の感磁軸方向長さWCLと定義する。
磁場発生部は、上述の第1部分及び第2部分以外に通電する部分を持っていてもよく、第1部分と第2部分、さらにこれら以外の通電する部分とは、接続されていてもよい。また、第1部分、第2部分はそれぞれ複数存在してもよい。例えばワイヤボンディング等で接続されていても構わない。
線形性をより高めるという観点から、素子部は、磁場発生部に覆われていることが好ましい。つまり、上面視で素子部と磁場発生部とが重なっていることが好ましく、すなわち、前記磁場発生部の感磁軸方向長さWCLと前記磁化自由層の感磁軸方向長さLMRとは、WCL≧LMRであることが好ましい。
上面視で素子部と重なる磁場発生部の領域が、磁気収束部とも重なっていると、磁場発生部によって発生する磁場の一部が磁気収束部を通って逃げてしまい、電磁変換係数βは小さくなる。よって、上面視で複数の磁気収束部で挟まれた領域に、素子部が存在する場合、WCLと前記複数の磁気収束部の間隔DFCは、WCL≦DFCとなっていることが好ましい。なお、ここでいう電磁変換係数β〔μT/mA〕とは、磁場発生部に流れる電流Icoilを、その時に発生する磁場Hcoilに変換するための変換係数である。
電磁変換係数βを高めるという観点から、複数の第2部分を磁気収束部の下面より下に並べて配置し、さらに第2部分とは逆向きに電流を流す第3部分を磁気収束部の上面より上に配置することが好ましい。 また、上面視で、第2部分の隙間をふさぐように第3部分が並べられている方がより好ましい。電気回路との接続を簡単にするために、これらの磁場発生部はすべて接続されていることが好ましい。また。電流を均一にするという観点から、磁場発生部は直列に接続されている方がより好ましい。
磁気センサを使用する側で、磁気センサに電気回路を接続すること等を考慮すると、簡便に使用するため、外部からの磁場を打ち消すように駆動する電気回路を有している方が好ましい。
(H)ハードバイアス部
素子部の感磁軸と垂直な方向にハードバイアス部からの磁場が印加されるようにハードバイアス部を基板上に形成することで、バルクハウゼンノイズの抑制効果及び線形性の改善効果が得られる。本発明の一態様の磁気センサは、ハードバイアス部を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。ハードバイアス部の材料は、例えば、AlNiCo、FeCrCo、Cr、Co、CoPt、CoPtCrなどのヒステリシスの大きい強磁性材料が用いられるが、この限りではない。
<実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
以下の図面の記載において、同一部分には同一符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定は本発明の必須要件ではない。
<第一実施形態>
(構成)
図1Aは第一実施形態にかかる磁気センサ1の一例を示す上面模式図であって、図1Bは図1AのA−A′断面を示す模式図である。なお、図1Aでは、基板10及び各種保護層は簡単のために省略している。
図1A及び図1Bに示すように、第一実施形態にかかる磁気センサ1は、基板10と、基板10上に配置された素子部20と、素子部20を覆う保護層40と、保護層40に形成された通電窓40aを通じて素子部20と接続される素子配線部50と、素子配線部50及び保護層40を覆う保護層41と、保護層41上に磁場発生部70と磁場発生部70を覆う保護層42とを備え、さらに、保護層42上にシード層31を介して磁気収束部30を備える。
素子部20と磁気収束部30は、上面視で、略感磁軸に沿って並ぶように配置される。
素子部20は、磁化自由層21、非磁性層22、および磁化固定層23がこの順に積層されたものであり、一つの磁化自由層21上に、非磁性層22と磁化固定層23とで形成された積層体が複数形成され、これら複数の積層体が、磁気収束部30を区画する辺のうち第一の方向(素子部20の感磁軸の方向)に略直交する線に沿って配置されている。図1Aでは非磁性層22と磁化固定層23とで形成された二つの積層体が配置されている。
磁場発生部70は、互いに電流が逆向きに流れる第1部分71と第2部分72を含む。すなわち磁場発生部70は、図1Aに示すように、上面視で、平行な三つの直線部分を備え、それぞれ隣り合う二つの直線部分どうしが接続されて、略アルファベットの「Z」形状に形成され、三つの直線部分のうち中央の直線部分が第1部分71であり、第1部分71の両側の直線部分が第2部分72である。
(製造方法)
次に、第一実施形態にかかる磁気センサ1の製造方法を示す。以下に示す製造方法は一例であって、必ずしも以下の方法で作製する必要はない。
まず、基板10上に、スパッタ法などの公知の方法で、強磁性層と非磁性層とで形成される積層膜を成膜する。次に、この積層膜上に、フォトリソグラフィー法等により、マスク部材を形成する。マスク部材は、積層膜上に所望の箇所で所望の形状で形成してよい。
次に、このマスク部材で覆われていない積層膜の部分を、イオンミリング等の公知の方法でエッチングする。これにより、基板10上の積層膜を所望の平面形状に加工する。この時、所望の平面形状に加工された積層膜(積層部)は基板10の面内に複数あってもよい。
次に、この積層部上に、フォトリソグラフィー法等でマスク部材を形成する。この時マスク部材の開口部は、積層部の平面積より小さくなるように形成される。次に、このマスク部材で覆われていない積層部を、イオンミリング等の公知の方法でエッチングする。このとき、積層膜中に存在する「強磁性層/非磁性層/強磁性層」構造の、非磁性層付近でエッチングを止める。この時、下側の強磁性層が一部エッチングされてもよい。これにより、基板10に接していない非磁性層/強磁性層の第一の方向における寸法が、基板10と接する強磁性層より小さく形成される。その結果、強磁性層で形成された磁化自由層21、非磁性層22、強磁性層で形成された磁化固定層23で構成された素子部20が、基板10上に形成される。
次に、素子部20上にCVD法等公知の方法で絶縁膜を製膜する。この絶縁膜上に、フォトリソグラフィー法等でマスク部材を形成する。さらにRIEなど公知の方法で絶縁膜をエッチングし、通電窓40a用の開口部を形成する。これにより、通電窓40aを有する保護層40が形成される。
次に、この保護層40上に、フォトリソグラフィー法等でマスク部材を形成する。さらに、スパッタ法等公知の方法で金属薄膜を製膜し、マスク部材とマスク部材上の金属薄膜を除去することで、素子配線部50を形成する。
さらにCVD法等公知の方法で素子配線部50を含む保護層40上に保護層41を製膜し、この保護層41上に、フォトリソグラフィー法等でマスク部材を形成する。さらに、スパッタ法等公知の方法で金属薄膜を製膜し、マスク部材とマスク部材上の金属薄膜を除去することで、磁場発生部70を形成する。
次に、CVD法等公知の方法で、磁場発生部70を含む保護層41の上に保護層42となる絶縁膜を製膜し、この保護層42上に、フォトリソグラフィー法等でマスク部材を形成する。さらにRIEなど公知の方法で絶縁膜をエッチングし、通電窓42a用の開口部を形成する。通電窓42aを介して、素子配線部50及び磁場発生部70と外部回路とを接続する。
さらに、スパッタ法等公知の方法でめっきのベースとするシード層31を形成する。さらに、このシード層31上に、フォトリソグラフィー法等でマスク部材を形成する。
次に、電解めっき等の公知の方法でマスク部材の開口部にめっき膜を形成することで、磁気収束部30を形成した後、マスク部材を除去する。次に、イオンミリング等公知の方法で、表面全体を覆っているシード層31および保護層42(磁気収束部30と保護層42との間に存在する部分以外)を除去する。
以上の工程により、図1Aおよび図1Bに示す本実施形態の磁気センサ1を得ることができる。
このように構成される磁気センサ1において、通電窓42aを介して外部回路を磁場発生部70に接続し、磁場発生部70に電流を流すと、第1部分71に流れる電流の向きと第2部分72に流れる電流の向きとは互いに逆向きとなる。そのため、磁場発生部70によって発生する磁場のうち、外部からの磁場を打ち消す方向の磁場を増幅するように磁場が形成されることになる。
このように構成される磁気センサを複数用いてフルブリッジ回路を形成し、フルブリッジ回路の二つの出力電圧をオペアンプ等の電気回路に差動入力し、このときの電流、つまりフィードバック電流を読み取ることにより、素子部にかかる磁場の量を知ることができる。このとき、外部からの磁場を打ち消す方向の磁場を増幅するように磁場が形成されるため、フィードバック電流が電気回路に流し得る最大値となるまでは、素子部にかかる磁場は実効的に略ゼロとなる。したがって、測定可能な磁場レンジは素子自身が飽和する磁場ではなく、フィードバック電流が流れる磁場発生部の形状に依存する。一般的にスピンバルブ型MR磁気センサの感度と磁場レンジはトレードオフの関係にある。本発明の一実施形態では、磁場発生部の形状を工夫し、高い電磁変換係数βを実現することで上記トレードオフを解消し、優れた感度特性を維持しつつ、広い磁場レンジを有する磁気センサを実現することができる。
図2は、複数の磁気センサ1(1a〜1d)の素子部20(20a〜20d)で形成されるフルブリッジ回路を備えた、磁気センサ100の一例を示す概略構成図である。
磁気センサ100は、電源の正極側(+)、素子部20a、素子部20b、電源の負極側(−)の順に接続され、素子部20aと素子部20bとの接続点に端子Taをもつ磁気センサ群と、電源の正極側(+)、素子部20c、素子部20d、電源の負極側(−)の順に接続され、素子部20cと素子部20b磁気センサ1dとの接続点に端子Tbをもつ磁気センサ群と、が並列に接続されて構成される。端子Taの信号と端子Tbの信号は電気回路としてのオペアンプAMPに入力される。また、磁気センサ1a〜1dの各磁場発生部70(70a〜70d)は、70c、70d、70a、70bの順に直列に接続され、一端の磁場発生部70cは、オペアンプAMPの出力端に接続され、他端の磁場発生部70bは接地される。磁場発生部70bの下流には電流検出器100aが接続される。素子部20a〜20dからの出力信号を、電気回路(オペアンプAMP)を介して磁場発生部70a〜70dに供給し、電流検出器100aの検出電流を、素子部20a〜20dにかかる磁場の量に応じた電流値として読み取ることにより、素子部20a〜20dにかかる磁場の量を検出することができる。
<第二実施形態>
図3Aは第二実施形態にかかる磁気センサ1の一例を示す上面模式図であって、図3Bは図3AのA−A′断面を示す模式図である。なお、図3Aでは、基板10及び各種保護層は簡単のために省略している。
図3A及び図3Bに示すように、第二実施形態にかかる磁気センサ1は、第一実施形態にかかる図1に示す磁気センサ1において、磁気収束部30を2つ備えたものである。
図3A及び図3Bに示すように磁気センサ1は、2つの磁気収束部30R及び30Lを備え、磁気収束部30R及び30Lは、素子部20の感磁軸と平行な方向において、素子部20を挟むように配置される。図3A及び図3Bでは、素子部20を挟んで左側の磁気収束部を30L、右側の磁気収束部を30Rとして記載している。なお、磁気収束部30R及び30Lはそれぞれシード層31R、31Lを介して保護層42上に形成されている。これ以外は、第一実施形態の磁気センサ1と同じである。
第二実施形態にかかる磁気センサ1においても、磁場発生部70に電流を流すと、第1部分71に流れる電流の向きと第2部分に流れる電流の向きとは互いに逆になるため、感度特性を向上させることができると共に、素子部20を磁気収束部30R及び30Lで挟むことによっても、感度特性の向上を図ることができる。
<第三実施形態>
図4Aは第三実施形態にかかる磁気センサ1の一例を示す上面模式図であって、図4Bは図4AのA−A′断面を示す模式図である。なお、図4Aでは、基板10及び各種保護層は簡単のために省略している。
図4A及び図4Bに示すように、第三実施形態にかかる磁気センサ1は、基板10上にシード層31Rと磁気収束部30Rとの積層部及びシード層31Lと磁気収束部30Lとの積層部とが形成され、シード層31Rと磁気収束部30Rとの積層部及びシード層31Lと磁気収束部30Lとの積層部とを覆うように、基板10上に保護層42が形成されている。そして、保護層42の上に磁場発生部70が形成され、磁場発生部70を覆うように保護層42の上に保護層41が形成される。この保護層41の上に、素子部20及び素子配線部50が形成され、これらが保護層40で覆われている。
すなわち、第三実施形態に係る磁気センサ1は、第二実施形態に係る磁気センサ1において、磁気収束部30、磁場発生部70、素子部20が逆に積層された構造を取る。この場合も、上記第二実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
<第四実施形態>
図5Aは第四実施形態にかかる磁気センサ1の一例を示す上面模式図であって、図5Bは図5AのA−A′断面を示す模式図である。なお、図5Aでは、基板10及び各種保護層は簡単のために省略している。また、図5A中の実線の矢印及び破線の矢印は電流の向きを表す。
図5A及び図5Bに示すように、第四実施形態にかかる磁気センサ1は、第二実施形態にかかる磁気センサ1において、磁場発生部70を、断面視で、磁気収束部30の上部にも配置し、磁気収束部30の周囲に磁場発生部70をコイル状に配置したものである。
すなわち、第四実施形態にかかる磁気センサ1において、磁場発生部70は、図5A及び図5Bに示すように、第1部分71と第2部分72と第3部分73と、を含む。第1部分71及び第2部分72は、保護層41の上に形成され、第3部分73は、磁気収束部30R、30Lを覆う保護層43の上に形成される。第2部分72は、上面視で磁気収束部30Rと重なり第1部分71と平行であり一定間隔で配置された三つの直線部分と、上面視で磁気収束部30Lと重なり第1部分71と平行であり一定間隔で配置された三つの直線部分とを備える。第3部分73は、第1部分71と平行であり、上面視で磁気収束部30Rと重なり且つ第2部分72どうしの間にこれら第2部分72どうしと重なるように配置された2つの直線部分と、第1部分71と平行であり、上面視で磁気収束部30Lと重なり且つ第2部分72どうしの間にこれら第2部分72どうしと重なるように配置された2つの直線部分とを備える。磁気収束部30Rと重なる第2部分72のうち、第1部分71に近い方から順に72a、72b、72cとし、同様に第3部分73のうち第1部分71に近い部分から順に73a、73bとしたとき、第2部分72aと第3部分73aとが長手方向の一端で通電窓43aを介して導通され、第3部分73aと第2部分72bとが長手方向の他端で通電窓43aを介して導通され、同様に、第2部分72bと第3部分73bとが長手方向の一端で通電窓43aを介して導通され、第3部分73bと第2部分72cとが長手方向の他端で通電窓43aを介して導通され、第2部分72cの長手方向の一端に通電窓42aが形成されている。磁気収束部30L側も同様に形成される。
つまり、第二実施形態にかかる磁気センサ1において、磁気収束部30R側と30L側とのそれぞれに、3つの直線部分を有する第2部分72とこの第2部分72と導通する第1部分71とを形成し、これ以外の磁気センサ1の他の部分については、第二実施形態にかかる磁気センサ1と同様の手順で形成した後、磁気収束部30R及び30Lを覆うように、保護層42の上に保護層43を形成する。さらに、保護層43の一部、つまり、上面視で、磁気収束部30R、30Lと重ならず、且つ、第2部分72と第3部分73とが重なる位置に通電窓43aを複数開け、保護層43上の通電窓43aと重なる位置に、第3部分73を形成する。そして、通電窓43aを介して、磁気収束部30R、30Lの上に位置する第3部分73と、磁気収束部30R、30Lの下に位置する第2部分72とを導通させ、通電窓42aが形成された第2部分72cの一端から、第3部分73b、第2部分72b、第3部分73a、第2部分72a、第1部分71、さらに、磁気収束部30L側の、第2部分72a、第3部分73a、第2部分72b、第3部分73b、他方の通電窓42aが形成された第2部分72cまでが電気的に接続されてなるコイル状の磁場発生部70が形成される。
ここで、磁場発生部70が磁気収束部30R、30L及び素子部20の、感磁軸方向全体にわたって形成されていない場合、磁場発生部70によって発生する電流が、磁気収束部30R、30Lの磁気増幅効果を十分に受けられない。
そこで第四実施形態のように、磁場発生部70を、磁気収束部30R、30Lの下側だけでなく上側にも形成し、下側と上側では逆向きに電流が流れるように磁気収束部30R、30L及び素子部20の、感磁軸方向全体にわたって形成することによって、電磁変換係数βをより向上させることができる。
また、上面視で、磁気収束部30R、30Lを挟んで、第2部分72の隙間を第3部分73が塞ぐように配置している点からも、電磁変換係数βを向上させることができる。これは、磁場発生部の隙間から磁束が漏れることを防ぐことができるためである。
なお、ここでは、第1部分71を挟んで両側に、第2部分72を3つずつ、第3部分を2つずつ形成し、これら第1部分71〜第3部分73を電気的に接続してコイル状の磁場発生部70を形成した場合について説明したが、磁場発生部70を磁気収束部30に巻く回数は任意数とすることができる。
また、第1部分71〜第3部分73のうち上面視で隣り合う部分どうしに流れる電流の方向が互いに逆方向となるように配置することができれば、コイル状に限るものではなく、例えば、通電窓43aを介して接続する代わりに、パッド及び金属ワイヤを介して接続していてもよい。
また、第四実施形態においては、第二実施形態にかかる磁気センサ1において、磁気収束部30の周囲に、磁場発生部70をコイル状に配置する場合について説明したが、第一実施形態にかかる磁気センサ1、また、第三実施形態にかかる磁気センサ1に適用することも可能であり、この場合も、第四実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
<第五実施形態>
図6Aは第五実施形態にかかる磁気センサ1の一例を示す上面模式図であって、図6Bは図6AのA−A′断面を示す模式図である。なお、図6Aでは、基板10及び各種保護層は簡単のために省略している。また、図6A中の実線の矢印及び破線の矢印は電流の向きを表す。
図6A及び図6Bに示すように、第五実施形態の磁気センサ1は、第2実施形態の磁気センサ1において、磁場発生部70が、断面視で、素子部20の上部に複数形成されている。
すなわち、第五実施形態にかかる磁気センサ1において、磁場発生部70は、図6A及び図6Bに示すように、第1部分71と、第2部分72とを含む。第1部分71は、三つの直線部分710〜712を備え、これらは上面視で素子部20と重なって形成される。第1部分710と第2部分72は保護層41の上に形成され、第1部分710と第2部分72を覆うように保護層41の上に保護層42が形成される。保護層42の上に、第1部分711が形成されて、第1部分711を覆うように保護層42の上に保護層43が形成され、さらに、保護層43の上に第1部分712が形成されて、第1部分712を覆うように保護層43の上に保護層44が形成される。保護層42及び保護層43には通電窓42a、43aが形成されている。
第2部分72は、第1部分710と平行にその両側に一定間隔で形成される直線部分72a〜72dを備える。直線部分72bの一端に通電窓42aが形成され、直線部分72bの他端と第1部分710の他端とが連接部を介して接続され、第1部分710の一端と第2部分72dの一端とが連接部を介して接続され、第2部分72dの他端と第1部分711の他端とが、連接部及び保護層42に形成された通電窓(図示せず)を介して接続され、第1部分711の一端は、保護層42に形成された通電窓(図示せず)及び連接部を介して第2部分72cの一端に接続され、第2部分72cの他端は連接部、保護層42に形成された通電窓(図示せず)、保護層43に形成された通電窓(図示せず)を介して、第1部分712の他端と接続され、第1部分712の一端は保護層43に形成された通電窓(図示せず)、保護層42に形成された通電窓(図示せず)、連接部を介して第2部分72aの一端に接続され、第2部分72aの他端には通電窓42aが形成される。
これにより、第1部分72bに形成された保護層42の通電窓42aから、第1部分710、第2部分72d、第1部分711、第2部分72c、第1部分712、第2部分72aが一筆書き状に接続されてなる磁場発生部70が形成される。
このように、磁場発生部70を、上面視で、複数の第1部分71が素子部20と重なるように形成することによって、電磁変換係数βをより向上させることができる。つまり、一般的なソレノイドコイルは、2重、3重と積層巻き数を増やすほど電磁変換係数βを向上させることができる。第五実施形態では、第1部分710〜712を重ねて配置しているため、ソレノイドコイルの積層巻き数を増やしていることと同等の作用効果を得ることができる。したがって、電磁変換係数βを向上させることができる。
なお、第五実施形態では、3つの第1部分71と、4つの第2部分72とで磁場発生部70を構成した場合について説明したが、これに限らず、第1部分71及び第2部分72は任意数備えていてもよく、要は、上面視で、複数の第1部分71と素子部2とが重なり、複数の第2部分72が上面視で磁気収束部30と重なり且つ、複数の第2部分72どうしが互いに重ならないように配置することができればよい。
<第六実施形態>
図7Aは第六実施形態にかかる磁気センサ1の一例を示す上面模式図であって、図7Bは図7AのA−A′断面を示す模式図である。なお、図7Aでは、基板10及び各種保護層は簡単のために省略している。また、図7A中の矢印はハードバイアスの印加方向を示す。
第六実施形態の磁気センサ1は、第2に示す第二実施形態の磁気センサ1において、ハードバイアス部60U及び60Bを設けたものである。
第六実施形態にかかる磁気センサ1は、ハードバイアス部60U及び60Bが、図7A及び図7Bに示すように、素子部20の感磁軸(第一の方向)及び磁気収束部30L、30Rの厚さ方向(第二の方向)と直交する方向(第三の方向)で、素子部20及び磁気収束部30L、30Rを挟むように配置されている。また、ハードバイアス部60U及び60Bは、素子部20の感磁軸に対して略垂直な方向に、一定の磁場が印加されるように設計されている。これ以外は第二実施形態の磁気センサ1と同じである。
このように、素子部20の感磁軸と垂直な方向にハードバイアス部60U及び60Bによる磁場を印加するように形成することで、バルクハウゼンノイズの抑制効果及び線形性の改善効果を得ることもできる。
なお、第六実施形態では、図3A及び図3Bに示す第二実施形態の磁気センサ1において、ハードバイアス部60U及び60Bを設けているが、第一、第三から第5実施形態における磁気センサ1において適用することも可能であり、この場合も第六実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
以下、実施例および比較例について説明する。以下に示す実施例及び比較例では、磁場発生部70の構造を変化させて磁気シミュレーションを行い、磁気感度に対応する磁気の増幅率に関して検討した。
[磁気シミュレーション]
以下に示す実施例1〜4及び比較例1、2では、有限要素法による磁場解析シミュレーションを行った。
磁場解析シミュレーションでは、任意の形状、透磁率の磁性体や電流を流すことのできる導電体をコンピュータ上に作製することができる。形状を定義された磁性体を、任意の大きさの小領域に区切り、磁場を印加すると、磁性体中の各小領域の磁化状態を計算することができる。磁性体の磁化の値の大小は、感度の増幅率と対応している。
そこで、磁性体群と導電体として、磁気収束部30L、30Rに対応する磁性体30L′、30R′と、磁化自由層21に対応する磁性体21′と、磁化固定層23に対応する感磁エリア23′と、磁場発生部70に対応する導電体70′とを定義し、これら磁性体、感磁エリア、導電体の配置を定義した。
ここで、導電体70′に流れる電流Icoilと、その時に発生する磁場Hcoilは、電磁変換係数βを使って次式のように表すことができる。
Hcoil=Icoil×β
外部からの磁場Hexを印加したときと、導電体からの磁場Hcoilを印加した時では、これらの磁化率が同じとき、外部からの磁場Hexと導電体からの磁場Hcoilは一致しているはずである。すなわち、既知の磁場Hexを磁性体に印加したときの磁化率Mを検出しておき、導電体に電流を流した時に磁化率Mが一致する点を選べば、上式を解くことができる。
このようにして様々な導電体70′の構造を定義し、電磁変換係数βを算出して比較した。
下記では、磁性体に関しては、磁場印加方向に伸びる辺を「長さ」、厚み方向の辺を「厚さ」、長さと厚さの両方に垂直な方向に伸びる辺を「幅」と記載する。
また、導電体に関しては、電流方向に伸びる辺を「長さ」、厚み方向の辺を「厚さ」、長さと厚さの両方に垂直な方向に伸びる辺を「幅」と記載する。
磁気センサ1の磁化自由層21と対応する磁性体21′を、長さ100μm、幅200μm、厚さ0.1μm、透磁率2000として配置した。
また、磁気センサ1の磁場発生部70に対応する導電体70′を配置した。導電体70′は、長さ2mm、幅110μm、厚さ0.1μmとした。この時、導電体70′の間隔は4μmとし、磁性体長さ方向の中心を磁性体21′と揃えた。
磁性体21′の中心から、厚さ方向に1μm離れた平面を下面として、磁気センサ1の磁気収束部30L及び30Rと対応する磁性体30L′及び30R′を、長さ1mm、幅0.8mm、厚さ10μm、透磁率2000として、それぞれ磁性体21′の左側と右側に配置した。この時、磁性体30L′と30R′の間隔は120μmとした。また、感磁エリアは磁性体21′内の中心に、長さ40μm、幅20μmで定義した。
ここで、導電体70′の配置は各実施例、比較例によって異なる。また、導電体70′は導電体71i′、導電体72j′、導電体73k′(i、j、kは0以上の整数を順に付番)のいずれかとなり、各実施例、比較例によって異なる。
上記のように配置された磁性体21′、磁性体30L′、30R′及び導電体70′に対して、各実施例、比較例における、磁性体群の配置位置を説明するための模式図において、その左側、すなわち、磁性体30L′から磁性体30R′側に向けて10nTの磁場を印加したときの、感磁エリア23′の磁化率Mを取得した。この時Mの値は65.4[μT]となった。
なお、磁性体の配置は各実施例、比較例共に同じであるため、以後の比較では、Mの値はすべて上記の取得した磁化率Mの値として比較を行った。
<実施例1>
実施例1にかかる磁気センサ1に対応する磁性体群の上面模式図を図8Aに、図8AのA−A′断面の断面模式図を図8Bに示す。
実施例1では導電体70′を、外部磁場印加側から、720′、710′、721′の順で配置した。すなわち、上面視で、導電体720′は磁性体30L′と重なる部分を有し、導電体710′は磁性体21′と重なる部分を有し、導電体721′は磁性体30R′と重なる部分を有するように配置されている。高さに関しては、磁性体21′の中心から、磁性体30L′、30R′に近づく方向に0.4μm移動した平面を中心とした。
導電体710′には、図8A中に矢印で示すように、図8Aの上から下に流れる方向に電流を流し、導電体720′及び導電体721′には、は図8Aの下から上に流れる方向にそれぞれ電流を流した。これらの電流が作る磁場の影響で、感磁エリア23′の磁化率がMと一致するときの電流値を取得した。
その結果、電流の値は、5.31μAであり、電磁変換係数は1.88μT/mAとなった。
<実施例2>
実施例2にかかる磁気センサ1に対応する磁性体群の上面模式図を図9Aに、図9AのA−A′断面の断面模式図を図9Bに示す。
実施例2では導電体70′を、外部磁場印加側から、720′、721′、710′、722′、723′の順で配置した。すなわち、上面視で、導電体720′及び721′は磁性体30L′と重なる部分を有し、導電体710′は磁性体21′と重なる部分を有し、導電体722′及び導電体723′は磁性体30R′と重なる部分を有するように配置されている。高さに関しては、磁性体21′の中心から、磁性体30L′、30R′に近づく方向に0.4μm移動した平面を中心とした。
導電体710′には、図9A中に矢印で示すように、図9Aの上から下に流れる方向に、導電体72j′には、図9Aの下から上に流れる方向にそれぞれ電流を流した。これらの電流が作る磁場の影響で、感磁エリア23′の磁化率がMと一致するときの電流値を取得した。
その結果、電流の値は、3.69μAであり、電磁変換係数は2.71μT/mAとなった。
<実施例3>
実施例3にかかる磁気センサ1に対応する磁性体群の上面模式図を図10Aに、図10AのA−A′断面の断面模式図を図10Bに示す。
実施例3では導電体70′を、外部磁場印加側から、720′、730′、721′、710′、722′、731′、723′の順で配置した。すなわち、上面視で、導電体720′、721′及び730′は磁性体30L′と重なる部分を有し、導電体710′は磁性体21′と重なる部分を有し、導電体722′、723′及び導電体731′は磁性体30R′と重なる部分を有するように配置されている。この時、導電体710′及び72j′に関しては実施例2と同様に配置し、導電体730′は、上面視で、導電体730′の中心線が、導電体720′と導電体721′との間の中心線と重なるように配置した。また、導電体731′は、上面視で、導電体731′の中心線が、導電体722′と導電体723′との間の中心線と重なるように配置した。高さに関しては、導電体710′及び導電体72j′に関しては磁性体21′の中心から磁性体30L′、30R′に近づく方向に0.4μm移動した平面を中心とした。
また、導電体73k′に関しては、磁性体30L′、30R′の上面より上側に0.4μm移動した平面を中心とした。
導電体710′及び導電体73k′には図10Aの上から下に流れる方向に、導電体72j′には、図10Aの下から上に流れる方向にそれぞれ電流を流した。これらの電流が作る磁場の影響で、感磁エリア23′の磁化率がMと一致するときの電流値を取得した。
その結果、電流の値は、2.76μAであり、電磁変換係数は3.62μT/mAとなった。
<実施例4>
実施例4にかかる磁気センサ1に対応する磁性体群の上面模式図を図11Aに、図11AのA−A′断面の断面模式図を図11Bに示す。
実施例4では導電体70′を、外部磁場印加側から、720′、721′、710′及び711′、722′、723′の順で配置した。すなわち、上面視で、導電体720′及び721′は磁性体30L′と重なる部分を有し、導電体710′及び導電体711′は磁性体21′と重なる部分を有し、導電体722′及び導電体723′は磁性体30R′と重複する部分を有するように配置されている。また、上面視で、導電体710′と導電体711′とは重なるように配置されている。高さに関しては、磁性体21′の中心から、磁性体30L′、30R′に近づく方向に0.4μm移動した平面を中心として、710′及び72j′を配置し、この平面からさらに磁性体30L′、30R′に近づく方向に0.2μm移動した平面を中心として、導電体711′を配置した。
導電体710′には、図11A中に矢印で示すように、図11Aの上から下に流れる方向に、導電体72j′には、図11Aの下から上に流れる方向にそれぞれ電流を流した。これらの電流が作る磁場の影響で、感磁エリア23′の磁化率がMと一致するときの電流値を取得した。
その結果、電流の値は、2.79μAであり、電磁変換係数は3.58μT/mAとなった。
<比較例1>
比較例1にかかる磁気センサに対応する磁性体群の上面模式図を図12Aに、図12AのA−A′断面の断面模式図を図12Bに示す。比較例1では導電体70′として、導電体710′を、上面視で、磁性体21′と重なる部分を有するように配置した。高さに関しては、磁性体21′の中心から、磁性体30L′、30R′に近づく方向に0.4μm移動した平面を中心とした。
導電体710′には、図12A中に矢印で示すように図12Aの上から下に流れる方向に電流を流した。これらの電流が作る磁場の影響で、感磁エリア23′の磁化率がMと一致するときの電流値を取得した。
その結果、電流の値は、10.72μAであり、電磁変換係数は0.93μT/mAとなった。
<比較例2>
比較例2にかかる磁気センサに対応する磁性体群の上面模式図を図13Aに、図13AのA−A′断面の断面模式図を図13Bに示す。
比較例2では導電体70′を、外部磁場印加側から、720′、710′、721′の順で配置した。すなわち、上面視で、導電体720′は磁性体30L′と重なる部分を有し、導電体710′は磁性体21′と重なる部分を有し、導電体721′は磁性体30R′と重なる部分を有するように配置されている。高さに関しては、磁性体21′の中心から、磁性体30L′、30R′に近づく方向に0.4μm移動した平面を中心とした。
導電体720′、721′、710′には、図13A中に矢印で示すように、図13Aの上から下に流れる方向に電流を流した。これらの電流が作る磁場の影響で、感磁エリア23′の磁化率がMと一致するときの電流値を取得した。
その結果、電流の値は、721.73μAであり、電磁変換係数は0.014μT/mAとなった。
比較例2では、導電体710′によって発生した磁場が感磁エリア23′を通る時の向きと、導電体720′及び721′によって発生した磁場が磁性体30L′及び30R′を通る時の向きとが逆方向を向いており、打ち消しあうため、他の実施例や比較例に比べて小さな電磁変換係数が得られると考えられる。
<電磁変換係数の比較>
実施例1〜4及び比較例1、2の結果得られた電磁変換係数βの値を表1にまとめて示す。
表1から、本発明の実施例1〜4はより高い電磁変換係数βを有していることが分かる。つまり、従来技術と比較して、同じ電流値でより高い磁場を発生させることができる。
Figure 2019086290
1 磁気センサ
10 基板
20 素子部
21 磁化自由層
22 非磁性層
23 磁化固定層
30、30L、30R 磁気収束部
31 シード層
40、41、42、43 保護層
41a、42a、43a 通電窓
50 素子配線部
60 ハードバイアス部
70 磁場発生部
71 磁場発生部 第1部分
72 磁場発生部 第2部分
73 磁場発生部 第3部分
71i 磁場発生部 第1部分
72j 磁場発生部 第2部分
73k 磁場発生部 第3部分
21′、23′ 磁性体
30L′、30R′ 磁性体
70′ 導電体
71i′、72j′、73k′ 導電体

Claims (9)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成され、磁化自由層、非磁性層及び磁化固定層を有する素子部と、
    前記素子部と電気的に絶縁された磁場発生部と、
    磁気収束部と、を備え、
    前記磁場発生部は、断面視した際に、前記素子部の上部に位置する第1部分と、前記磁気収束部の下部に位置する第2部分と、を有し、
    前記磁場発生部の第1部分を流れる電流と、該磁場発生部の第2部分を流れる電流は互いに逆向きである磁気センサ。
  2. 基板と、
    前記基板上に形成され、磁化自由層、非磁性層及び磁化固定層を有する素子部と、
    前記素子部と電気的に絶縁された磁場発生部と、
    磁気収束部と、を備え、
    前記磁場発生部は、断面視した際に、前記素子部の下部に位置する第1部分と、前記磁気収束部の上部に位置する第2部分と、を有し、
    前記磁場発生部の第1部分を流れる電流と、該磁場発生部の第2部分を流れる電流は互いに逆向きである磁気センサ。
  3. 前記磁気収束部を複数備え、前記素子部は、上面視で前記複数の磁気収束部間に存在する請求項1又は請求項2に記載の磁気センサ。
  4. 前記磁場発生部の前記第1部分の感磁軸方向の長さWCLと前記磁化自由層の感磁軸方向の長さLMRとは、
    WCL≧LMR
    を満たす、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の磁気センサ。
  5. 前記第1部分の感磁軸方向の長さWCLと前記複数の磁気収束部の間隔DFCとは、
    WCL≦DFC
    を満たす、請求項3又は請求項4に記載の磁気センサ。
  6. 前記磁場発生部は、前記第1部分及び前記第2部分とは別に、前記磁気収束部を挟んで前記第2部分とは逆側に配置され、前記第2部分とは逆向きに電流が流れる第3部分を有する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の磁気センサ。
  7. 前記磁場発生部は、前記第2部分と前記第3部分とをそれぞれ複数有し、
    前記第1部分と前記第2部分と前記第3部分とが電気的に接続されている請求項6に記載の磁気センサ。
  8. 前記第1部分と前記第2部分とは、電気的に直列に接続されている請求項1から請求項7の何れか一項に記載の磁気センサ。
  9. 前記磁場発生部に流れる電流が、外部からの磁場を打ち消すように駆動する電気回路を有する請求項1から請求項8の何れか一項に記載の磁気センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022108403A (ja) * 2021-01-13 2022-07-26 株式会社東芝 磁気センサ及び検査装置
JP2022108343A (ja) * 2021-01-13 2022-07-26 株式会社東芝 磁気センサ及び検査装置

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