JP2018146323A - 異物検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁性異物を検査する装置に磁気シールドが不要で、センサから被検査物まで比較的距離のある大型装置にも適用が可能であり、大量の被検査物を処理する場合や、被検査物の内部に混入する磁性異物であっても高感度に検出することができる異物検査装置を提供する。【解決手段】磁場発生手段、板状の軟磁性部材、磁界検出方向に指向性を有する磁気センサを備え、磁場発生手段は被検査物が存在する検査領域に磁場を印加し、軟磁性部材は一方の主面を磁場発生手段に接して配置し、磁気センサは軟磁性部材の他方の主面の側に配するとともに、他方の主面の接線方向に指向性を有するよう、異物検査装置を構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、非磁性の物品や粒状体、粉体、液体等に混入した、磁性異物の検出に好適な異物検査装置に関する。
非磁性の物品や粒状体、粉体、液体等に混入する、磁性を有する不純物、設備の金属部品、微小な金属片、摩耗粉などの磁性異物を検出する用途において、異物検査装置が用いられている。
特許文献1には、試料に磁場を印加する水平帯磁用磁石と、水平帯磁用磁石の下流に配置され、帯磁後の試料を攪拌する攪拌機と、攪拌機の下流に配置され、攪拌後の試料中の磁性異物を検出するSQUID磁気検出装置とを具備し、検査前の帯磁により強く磁化された試料と含まれる磁性異物を攪拌することにより資料の磁化を軽減させ、残留する磁性異物のみの磁化状態を的確に検出する異物検査方法および検査装置が開示されている。
また、特許文献2には、薄膜状磁気センサをシート状磁気媒体の進行方向と平行に、磁気シールド材となる軟磁性材料で形成された支持台の上面に並設し、磁気センサの磁気媒体侵入側に、磁極の方向が磁気媒体の進行方向と直交するようにバイアス磁化を印加する永久磁石を取付けることにより、非接触状態においても外部磁気雑音の影響を少なくして高い磁界分解能により、残留磁化の微弱な磁気媒体から磁気情報を高感度に読取ることができると共に、装置の小形化を可能にした磁気検査装置が開示されている。
更に、特許文献3には、絶縁性基板上に形成された化合物半導体薄膜から成る動作層と、複数の端子電極と、多数の短絡電極とを備えた磁気センサと、化合物半導体薄膜に垂直にバイアス磁界を印加する永久磁石と磁気センサを保護する金属ケースとを備えるとともに、感磁面となる動作層に、0.1テスラを超える磁束密度を有する磁界を印加するようにした、高感度かつ特性ばらつきが少ない強磁性微粒子検査装置が開示されている。
特開2010−237081号公報 特開2001−4728号公報 特開2005−327860号公報
非磁性の物品に混入した磁性異物を検出する場合、特許文献1や特許文献2に記載されている検査装置の構成では、検出感度の高い磁気センサを用いることから、外部磁気ノイズへの対策が求められ、磁気センサの近傍に磁気シールド板を配置したり、検出部を軟磁性材で覆って磁気シールドを施したりする必要がある。したがって、寸法的制約によって検出領域が広く取れない場合があり、検査装置全体の大型化を招いたり、検査装置が高価になるという課題がある。
また、特許文献3に記載されている検査装置は、磁気センサとして化合物半導体薄膜を用いた磁気抵抗素子と、磁界印加手段とを組み合わせたものであり、検出範囲が広くて特性のバラツキが少ない利点はあるが、磁気抵抗素子を用いる構成では検出感度を高めることが難しいという課題がある。
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、磁性異物を検査する装置に磁気シールドが不要で、磁気センサから被検査物まで比較的距離のある大型装置にも適用が可能であり、大量の被検査物を処理する場合や、被検査物の内部に混入する磁性異物であっても高感度に検出することができる異物検査装置の提供を目的とする。
本発明は、被検査物に混入する磁性異物を検出する異物検査装置であって、磁場発生手段と、二つの主面を有する板状の軟磁性部材と、磁界検出方向に指向性を有する磁気センサを備え、前記磁場発生手段は、前記被検査物が存在する検査領域に磁場を印加し、前記軟磁性部材は、一方の主面を前記磁場発生手段に接して配置し、前記磁気センサは、前記軟磁性部材の他方の主面の側に配するとともに、前記他方の主面の接線方向に前記指向性を有するよう構成することを特徴とする。
本発明の異物検査装置は、永久磁石や電磁石を用いた磁場発生手段から発する磁場を、軟磁性部材により広範囲かつ均一に拡散させるとともに、磁気センサをより磁場発生手段の近くに配置することで、被検査物の表面に付着したり、大容積の被検査物の内部に含まれたりする磁性異物を磁化させると同時に、磁気センサで検出するよう構成したものである。また、軟磁性部材の表面では、磁力線が法線方向に向かうため、磁気センサの指向性を軟磁性部材表面の接線方向、すなわち、磁力線と直交する方向に合わせることにより、他方向から入射する外部磁気ノイズの影響を抑制することが可能となり、磁気センサの感度を高めることができる。
また、本発明の前記磁気センサは、長軸と短軸を有した矩形状または楕円状のアモルファス軟磁性薄膜が前記磁界検出方向に対して傾斜する屈曲したS字形状の磁区構造を有し、高周波電流を通電することで外部磁界の変化に対応して連続的にインピーダンスが変化する高周波キャリア型薄膜磁界センサを用いても良い。
本発明の異物検査装置に用いる磁気センサは、検出方向に指向性を有する薄膜磁界センサを用いれば、外部磁気ノイズの影響が低減されるため、高い検出感度を得ることができる。また、更に高感度な磁界センサとして、高周波キャリア型薄膜磁界センサを用いることが好ましい。高周波キャリア型薄膜磁界センサは、長軸と短軸を有した矩形状または楕円状のアモルファス軟磁性薄膜に幅方向の一軸磁気異方性を誘導し、磁界検出方向に対して傾斜する屈曲したS字形状の磁区構造を与え、高周波電流を通電することで、外部磁界の変化に対応した連続的なインピーダンス変化を得て高感度に磁界を検出することができる。
また、本発明の前記磁気センサの位置を、前記他方の主面に沿って移動および固定可能に構成しても良い。
本発明の異物検査装置では、さらに検査領域を広く確保するために、被検査物と磁気センサが干渉しないよう、磁場発生手段の近傍に磁気センサを配置することが望ましく、磁場発生手段の近傍において、発生する磁場を制御して磁気センサを高感度に維持し、かつ最適な位置に調整する機構を有する。検査領域における磁気センサと磁場の位置関係を最適化するために、軟磁性部材の主面に沿って磁気センサを移動、調整する機構を備えることが望ましい。
また、本発明では、前記他方の主面において、前記磁気センサと間隙が生ずるように、前記軟磁性部材に凹部を設けても良い。
磁気センサと軟磁性部材の主面の間に間隙が生ずるように、前記軟磁性部材に窪みとなる凹部を設けることで、軟磁性部材の法線方向における磁場の乱れを補正して、磁気センサに入射する磁力線の広がりを抑えることが可能となり、磁気センサの感度をさらに高めることができる。
また、本発明では、複数の前記磁場発生手段と、前記複数の前記磁場発生手段を連結して一体化する前記軟磁性部材を備える構成とすることができる。
本発明の異物検査装置は、単体あるいは複数の磁場発生手段を連結して一体化する軟磁性部材を備えることで、発生する磁場を均一化させ、広い範囲に拡散させることができる。
また、本発明では、複数の前記磁気センサを備える構成とすることができる。
また、本発明では、前記検査領域を、軟磁性コアにより形成する閉磁路の内側とし、前記閉磁路の内側に前記磁場発生手段と、前記軟磁性部材と、前記磁気センサを配する構成とすることができる。
本発明の異物検査装置は、検査領域を軟磁性コアにより形成する閉磁路の内側とし、閉磁路の内側に磁場発生手段と、軟磁性部材と、磁気センサを配するよう構成することにより、検査領域においてより強い磁場を形成することができる。
更に、本発明では、前記異物検査装置を複数有し、前記被検査物を搬送する搬送機構をさらに備え、前記搬送機構の搬送方向に対して、前記異物検査装置を直列に連結して配置する構成としても良い。
本発明の異物検査装置は、被検査物の搬送方向に対して、異物検査装置を直列に連結して配置する構成とすることにより、検査領域中央部の磁場をより強くすることができ、被検査物が搬送されて移動する際に、より均一な磁場中を移動することから、渦電流によるノイズ信号の発生を抑えることができる。
本発明の異物検査装置によれば、磁場発生手段から発する磁場を、軟磁性部材により広範囲かつ均一に拡散させ、磁気センサを磁場発生手段の近くに配置することで検査領域を広く取ることができる。また、軟磁性部材表面の接線方向に磁気センサの指向性を合わせ、他方向から入射する外部磁気ノイズの影響を抑制することにより、磁気センサの感度を高めることができる。
したがって、本発明によれば、磁性異物を検査する装置に磁気シールドが不要で、センサから被検査物まで比較的距離のある大型装置にも適用が可能であり、大量の被検査物を処理する場合や、被検査物の内部に混入する磁性異物であっても高感度に検出することができる異物検査装置の提供が可能となる。
本発明による異物検査装置の第1の実施形態を示す図。 薄膜磁気センサの構成を示す図。 アモルファス軟磁性薄膜のS字形状の磁区構造を示す図であり、(a)はアモルファス軟磁性薄膜の磁区をビッター法で可視化し、光学顕微鏡で観察した画像、(b)はアモルファス軟磁性薄膜をKerr効果顕微鏡で観察した画像。 本発明による異物検査装置の第2の実施形態を示す図。 本発明による異物検査装置の第3の実施形態を示す図。 本発明による異物検査装置の第4の実施形態を示す図。 本発明による異物検査装置の第5の実施形態を示す図。 本発明による異物検査装置の第6の実施形態を示す図。 本発明による異物検査装置の第7の実施形態を示す図。 本発明による異物検査装置の第8の実施形態を示す図。 本発明による異物検査装置の第9の実施形態を示す図。 本発明の実施例1として磁気センサのインピーダンス特性を示す図であり、(a)はY=0、(b)はY=20mm、(c)はY=30mm、(d)はY=35mmにおける測定結果を示す。 比較例1として磁気センサのインピーダンス特性を示す図であり、(a)はY=0、(b)はY=20mm、(c)はY=30mmにおける測定結果を示す。 本発明の実施例2の磁力線ベクトルの分布を示す図。 比較例2の磁力線ベクトルの分布を示す図。 本発明の実施例3の磁力線ベクトルの分布を示す図。 本発明の実施例4の磁場強度を示す図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態)
本発明の異物検査装置が対象とする被検査物は、非磁性の物品や、粒状体、粉体、液体などであり、物品であれば搬送可能な限り形状に制限はなく、不定形状のものであれば非磁性の容器に入れたり、パイプを通したりすることで検査領域を通過するよう搬送すれば良い。被検査物の表面に付着したり内部に混入する磁性異物としては、被検査物の磁性体の不純物や、設備の金属部品、微小な金属片、摩耗粉などがある。
図1は、本発明による異物検査装置の第1の実施形態を示す図である。図中の異物検査装置は、磁場発生手段1に板状の軟磁性部材2を接して配置し、被検査物の検査領域に垂直方向(図中矢印で示す磁力線の方向)の磁場を印加する。磁力線の方向と磁界検出方向が直交するよう、軟磁性部材2の表面の接線方向と磁気センサ3の指向性の方向を一致させて配置する。磁気センサ3は、軟磁性部材2と接触していても、間隙があっても良い。
磁場発生手段1から生じた磁束(図中矢印)が、軟磁性部材2で均一に拡散され、表面からほぼ垂直に検査領域である図中上方に放射される。軟磁性体から放射される磁場は物理的に軟磁性体の表面に垂直に向かうため、軟磁性部材2の表面接線方向に磁気センサ3の検出指向性を一致させて配置することで、磁気センサ3の磁気飽和を防ぎ、高い検出感度を維持することができる。
本発明の異物検査装置を構成する磁場発生手段1としては、永久磁石または電磁石を用いることができ、必要とする磁場分布および磁界強度、設備コスト等により適宜選定すれば良い。また、図1に示すような異物検査装置の設置方向に制限は無く、被検査物の状態に応じて設置方向を任意に決定することができる。
本発明の異物検査装置を構成する軟磁性部材2は、FeおよびFe系合金(Fe−Si、Fe−C、Fe−Cr等)、Ni系合金(Ni−Fe、Ni−Fe−Cu等)、軟磁性フェライトなどの軟磁性材料からなる板材を用いる。板材の厚さは、磁場発生手段1と接して配置した際に、軟磁性部材2の表面の法線方向に磁場が発生するものであれば良く、材質の透磁率に応じて適宜決定することができる。
本発明の異物検査装置を構成する磁気センサ3としては、高感度で検出方向に指向性を有する薄膜磁気センサが好適である。薄膜磁気センサは、検出方向に指向性を有することから磁性薄膜面における法線方向の磁界に対して不感であり、強い垂直磁界が印加されてもセンサ感度を失わない特性を有する。薄膜磁気センサとしては、公知の薄膜磁気インピーダンスセンサ、薄膜磁気抵抗センサや、GIGS(登録商標)として知られるナノグラニュラーTMR型磁気センサ等を用いることができる。いずれのセンサにおいても、強い垂直磁場でセンサ感度を失うことがないため、磁性薄膜の膜厚が薄い構造が望ましい。ただし、センサ感度と磁性薄膜の膜厚とはトレードオフの関係となるため、必要に応じた膜厚のものを用いれば良い。
本発明の異物検査装置は、磁性異物の有無を判定するために、図示しない判定手段を備える。判定手段は、磁気センサの磁界検出範囲に検査対象物を投入して磁気センサにより検出された信号に基づき、上記検査対象物における磁性異物の存在を判定するものである。
図2は、本発明による異物検査装置の磁気センサの一例である薄膜磁気センサの構成を示す図である。薄膜センサは、ガラスなどの非磁性基板4の表面に、CoNbZr合金などのアモルファス軟磁性薄膜5を長軸と短軸を有した矩形状または楕円状に形成し、アモルファス軟磁性薄膜5の長手方向の両端に電極6を設けることで、磁気検出方向(図中矢印方向)に強い指向性を与えるものである。
図3は、薄膜磁気センサに用いるアモルファス軟磁性薄膜の、S字形状の磁区構造を示す図である。図3(a)はアモルファス軟磁性薄膜の磁区をビッター法で可視化し、光学顕微鏡で観察した画像であり、S字形状の磁区(磁壁)が現れている。図3(b)はアモルファス軟磁性薄膜をKerr効果顕微鏡で観察した画像であり、隣接する磁区の磁化方向が交互に異なる状態を表す。
このようなS字形状の磁区構造を形成するには、アモルファス軟磁性薄膜をスパッタリング等の手法で成膜後に磁場中熱処理を行って磁気異方性を誘導する方法や、磁場中でアモルファス軟磁性薄膜を成膜して磁気異方性を付与する方法がある。長軸と短軸を有した矩形状または楕円状に形成したアモルファス軟磁性薄膜は、そのアスペクト比に起因する形状磁気異方性を発現するが、磁場中成膜や磁場中熱処理で磁気異方性を誘導するための印加磁場の方向を、アモルファス軟磁性薄膜の矩形の短手方向から面内に数度ずらすことで、アモルファス軟磁性薄膜の反磁界を利用して傾斜した磁区を形成することができる。
図4は、本発明による異物検査装置の第2の実施形態を示す図である。図1の第一の実施形態で用いる軟磁性部材2が平板状であるのに比べ、本実施形態では磁気センサ3に対向する軟磁性部材21の面が曲面となるが、軟磁性部材21の表面の接線方向と磁気センサ3の指向性の方向が一致して配置されていれば、異物検出は可能である。軟磁性部材21の曲面は凸面でも凹面でも良い。
図5は、本発明による異物検査装置の第3の実施形態を示す図であり、磁気センサ3を軟磁性部材2の表面に沿って移動(図中の破線矢印)および固定可能に構成することを表している。実際の異物検査装置では、磁場発生機構の発生磁場や軟磁性部材の磁気特性は必ずしも均一ではない。したがって、これらの不均一を補正し、磁気センサの感度が最大となる動作点を探索して配置するために、磁気センサの可動機構を備えることが有用である。
図6は、本発明による異物検査装置の第4の実施形態を示す図であり、磁気センサ3の直下の軟磁性部材22に窪みとなる凹部を設けたものである。軟磁性部材22の凹部によって磁気センサ3に入射する磁力線(図中矢印)の広がりを抑えることが可能となり、磁気センサ3の検出感度を高めることができる。
図7は、本発明による異物検査装置の第5の実施形態を示す図であり、図8は、本発明による異物検査装置の第6の実施形態を示す図である。
図7は、複数の磁場発生手段11、12、13と、これらを連結して一体化する軟磁性部材23を有する構成である。軟磁性部材23が無い場合には、磁場発生手段11、12、13各々の磁場が重なり合って複雑な磁場分布を呈するが、磁場発生手段を連結して一体化する軟磁性部材23を用いることで、軟磁性部材23の表面において、図中矢印に示すような均一な垂直磁場を形成することが可能になる。したがって、複数の磁場発生手段を覆う軟磁性部材表面のほぼ全面において磁気センサ3が設置可能となるため、図8のように、複数の磁気センサ31、32、33、34、35を所望の間隔で配置し、検出領域の幅全体を同時に検査する構成も可能である。なお、本実施の形態は、磁場発生手段の数、および磁気センサの数に制限なく実施可能である。
図9は、本発明による異物検査装置の第7の実施形態を示す図である。図8に示す、第6の実施形態に比べて、軟磁性部材24が湾曲した形状を有し、曲面形状に合わせて磁場発生手段11、12、13と、磁気センサ31、32、33、34、35を配置したものである。図6の実施形態同様、各磁気センサに入射する磁力線の広がりを抑えることで、磁気センサの検出感度を高めることができる。
図10は、本発明による異物検査装置の第8の実施形態を示す図であり、
検査領域を軟磁性コア7により形成する閉磁路の内側とし、閉磁路の内側に磁場発生手段14a〜14jと、軟磁性部材25、26と、磁気センサ(図示せず)を配するよう構成することにより、検査領域においてより強い磁場を形成することができる。検査領域の磁場強度が強い場合、磁場中に存在する磁性異物はより強く磁化されるため、磁性異物を検出する信号の強度がより強くなる。したがって、磁性異物の検出感度の向上に有用である。
図11は、本発明による異物検査装置の第9の実施形態を示す図であり、図10の異物検査装置を、被検査物を搬送する搬送機構(図示せず)の搬送方向に対して複数台(図11では3台)直列に連結して配置する構成である。すなわち、軟磁性材もしくは非磁性材からなるスペーサ74を介して、軟磁性コア71、72、73を直列に連結し、一体化したものである。連結する異物検査装置間に働く斥力が小さい場合は、スペーサ74を用いずに直接連結することもできる。被検査物は、上下に分散配置された磁気センサ(図示せず)の間の検査領域を通過する際に、磁性異物の有無を検出する。
異物検査装置を図11のような構成とすることにより、検査領域中央部の磁場をより強くすることができ、被検査物が搬送されて移動する際に、より均一な磁場中を移動することから、渦電流によるノイズ信号の発生を抑えることができる。
(実施例)
以下、本発明の実施例について説明する。
図12は、本発明の実施例1として磁気センサのインピーダンス特性を示す図である。図1に示した構成に準じ、磁場発生手段として幅100mm、奥行き40mm、厚さ10mmのネオジウム磁石を用い、軟磁性部材として厚さ12mmのS45C材をネオジウム磁石に吸着させた。磁気センサは、CoNbZr合金のアモルファス軟磁性薄膜による薄膜センサを用い、磁力線の方向と磁界検出方向が直交するよう、軟磁性部材の表面の接線方向と磁気センサの指向性の方向を一致させて配置した。
磁気センサの測定位置は、磁石が吸着していない側の軟磁性部材表面(Y方向)において、磁石の中央をY=0とし、更にそれぞれ20mm、30mm、35mmの位置に磁気センサを移動させてインピーダンス特性を測定した。図12(a)はY=0、図12(b)はY=20mm、図12(c)はY=30mm、図12(d)はY=35mmにおける測定結果を示す。
磁気センサは、磁性異物の存在に起因する磁界変化を、インピーダンス特性曲線の傾斜部で検出するため、曲線の傾斜部がより急峻でかつ傾斜部の範囲が広い特性であることが、高感度で広い磁場レンジを検出できるセンサ特性として望ましい。実施例1の構成では、曲線の傾斜が急峻で感度が高く、更に外部磁界に対するインピーダンス変化が、磁石の端部近くまで広い範囲で維持されていた。
図13は、比較例1として磁気センサのインピーダンス特性を示す図である。図12に示す構成との差異は、軟磁性部材を配置せず、軟磁性部材の厚みに相当する12mmの空隙を設けて、磁石と磁気センサを対向させた点である。磁気センサの測定位置は、Y=0、20mm、30mmとした。図13(a)はY=0、図13(b)はY=20mm、図13(c)はY=30mmにおける測定結果を示す。
実施例1と比較すると、比較例1のインピーダンス特性曲線は、インピーダンス自体の変化量が小さく、傾斜部の範囲も狭く、磁石の端部に近づくほど傾斜が緩やかになって、磁場の乱れに起因すると考えらえるセンサの感度低下が生じていた。
図14は、本発明の実施例2の磁力線ベクトルの分布を示す図であり、ロの字形状とした閉磁路の軟磁性コアの内側上辺と内側下辺のそれぞれに、図8の構成の磁場発生手段、軟磁性材、磁気センサを配置したものである。磁場発生手段はネオジウム磁石を各3個ずつ、計6個配置し、軟磁性材は厚さ12mmのS45C材、閉磁路を構成する軟磁性コアはSS400材により作製した。本実施例の構成では、上下の軟磁性材に挟まれた空間において均一な垂直磁場が得られた。
図15は、比較例2の磁力線ベクトルの分布を示す図である。図14に示す構成との差異は、軟磁性材を配置しない点である。本比較例の構成では、それぞれ隣接する磁石間で磁場分布が乱れていた。
図16は、本発明の実施例3の磁力線ベクトルの分布を示す図である。図6の第4の実施形態のように、軟磁性材22の磁場発生手段1が配されていない側の表面に円弧上の窪み(凹部)を設けることにより、磁力線の広がりを抑えることができた。
図17は、本発明の実施例4の磁場強度を示す図である。図10に示すように閉磁路の軟磁性コアを備える異物検査装置が単独(Single)の場合と、図11に示すように閉磁路の軟磁性コアを備える異物検査装置が3連(Triple)の場合について、磁石中央(Y=0)における垂直磁場方向(Z方向)の磁場強度を、下側の軟磁性部材表面(Z=0)から上側の軟磁性部材表面(Z=225mm)まで計測し、比較した。
軟磁性材の表面となる磁気センサ設置位置での垂直磁場強度は、単独の異物検査装置に比べて、3連化によって低下した。一方で、中央部における磁場強度は増加しており、検出領域の広い範囲で磁場強度が均一化したことから、異物検査装置における、磁気センサからの距離が離れた領域に存在する磁性異物の検出感度の向上が可能となった。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の変更や修正が可能である。すなわち、当業者であればなし得るであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
1、11、12、13、14a、14b、14c、14d、14e、14f、14g、14h、14i、14j 磁場発生手段
2、21、22、23、24、25、26 軟磁性部材
3、31、32、33、34、35 磁気センサ
4 非磁性基板
5 アモルファス軟磁性薄膜
6 電極
7、71、72、73 軟磁性コア
74 スペーサ

Claims (8)

  1. 被検査物に混入する磁性異物を検出する異物検査装置であって、
    磁場発生手段と、
    二つの主面を有する板状の軟磁性部材と、
    磁界検出方向に指向性を有する磁気センサを備え、
    前記磁場発生手段は、前記被検査物が存在する検査領域に磁場を印加し、
    前記軟磁性部材は、一方の主面を前記磁場発生手段に接して配置し、
    前記磁気センサは、前記軟磁性部材の他方の主面の側に配するとともに、前記他方の主面の接線方向に前記指向性を有するよう構成することを特徴とする異物検査装置。
  2. 前記磁気センサは、長軸と短軸を有した矩形状または楕円状のアモルファス軟磁性薄膜が前記磁界検出方向に対して傾斜する屈曲したS字形状の磁区構造を有し、高周波電流を通電することで外部磁界の変化に対応して連続的にインピーダンスが変化する高周波キャリア型薄膜磁界センサである、請求項1に記載の異物検査装置。
  3. 前記磁気センサの位置を、前記他方の主面に沿って移動および固定可能に構成する、請求項1または請求項2に記載の異物検査装置。
  4. 前記他方の主面において、前記磁気センサと間隙が生ずるように、前記軟磁性部材に凹部を設ける、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の異物検査装置。
  5. 複数の前記磁場発生手段と、前記複数の前記磁場発生手段を連結して一体化する前記軟磁性部材を備える、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の異物検査装置。
  6. 複数の前記磁気センサを備える、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の異物検査装置。
  7. 前記検査領域を、軟磁性コアにより形成する閉磁路の内側とし、前記閉磁路の内側に前記磁場発生手段と、前記軟磁性部材と、前記磁気センサを配する、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の異物検査装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の異物検査装置を複数有し、前記被検査物を搬送する搬送機構をさらに備え、前記搬送機構の搬送方向に対して、前記異物検査装置を直列に連結して配置する異物検査装置。
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