JP2013234939A - 磁気検出装置及び磁気エンコーダ - Google Patents
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Abstract
【課題】 特に、従来とは異なる構成で、高分解能特性を得ることができる磁気検出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 移動方向に異なる磁極が交互に着磁された磁界発生部材に対して非接触にて配置される磁気検出装置であって、磁気センサ12a〜12dが、複数個、間隔を空けて配置されており、各磁気センサは、前記磁界発生部材からの外部磁界により電気特性が変化する磁気検出素子を有する出力回路を備えており、各磁気センサが、位相差α=0の位置、(1/2)・[M/(L・N)]・λ(Lは、各磁気センサに含まれる出力回路の個数であり、Mは、1,・・・,N−1の変数であり、Nは前記磁気センサの個数であり、λは磁極周期である)の位相差α分ずらした位置に、夫々、配置される。
【選択図】図1
【解決手段】 移動方向に異なる磁極が交互に着磁された磁界発生部材に対して非接触にて配置される磁気検出装置であって、磁気センサ12a〜12dが、複数個、間隔を空けて配置されており、各磁気センサは、前記磁界発生部材からの外部磁界により電気特性が変化する磁気検出素子を有する出力回路を備えており、各磁気センサが、位相差α=0の位置、(1/2)・[M/(L・N)]・λ(Lは、各磁気センサに含まれる出力回路の個数であり、Mは、1,・・・,N−1の変数であり、Nは前記磁気センサの個数であり、λは磁極周期である)の位相差α分ずらした位置に、夫々、配置される。
【選択図】図1
Description
本発明は、高分解能特性を有する磁気検出装置及び磁気エンコーダに関する。
下記特許文献には、高分解能磁気検出装置に関する発明が開示されている。
これらの特許文献では、いずれも磁石の回転方向に沿って複数のGMR素子を所定間隔で配置している。
これらの特許文献では、いずれも磁石の回転方向に沿って複数のGMR素子を所定間隔で配置している。
そして磁石の回転に伴い、各GMR素子と磁石との位置関係が変化することで、磁気検出装置からの出力が変化し、磁石が一回転するまでに多数のパルス信号を得ることができる。
各特許文献においては、各GMR素子の配置が、磁極幅によって左右されるため、磁極幅が変れば、その都度、GMR素子の配置を変更することが必要になる。また、分解能特性をより高めようとすれば、磁極範囲内に間隔を詰めてより多くのGMR素子を形成しなければならない。このとき上記のようにGMR素子の配置数は磁極幅に左右されるため、多数のGMR素子を配置できないこともある。このため磁気センサを、ある所定の磁極幅を備えるエンコーダの専用品として作らなければならず、磁石の設計変更等に伴う生産コストの上昇等が問題であった。また、分解能を飛躍的に高めることは難しく、あるいは高分解能を得にくい構成の場合もあり、さらに狭い領域に複数のGMR素子を形成しなければならずGMR素子の形成が困難化し、より高く且つ高精度な分解能特性を得ることが難しくなっていた。
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、従来とは異なる構成で、高分解能特性を得ることができる磁気検出装置及び磁気エンコーダを提供することを目的とする。
本発明は、移動方向に異なる磁極が交互に着磁された磁界発生部材に対して非接触にて配置される磁気検出装置であって、
磁気センサが、複数個、前記移動方向と平行な方向に間隔を空けて配置されており、各磁気センサは、前記磁界発生部材からの外部磁界により電気特性が変化する磁気検出素子を有する出力回路を備えており、
各磁気センサが、位相差α=0の位置、(1/2)・[M/(L・N)]・λ(Lは、各磁気センサに含まれる出力回路の個数であり、Mは、1,・・・,N−1の変数であり、Nは前記磁気センサの個数であり、λは磁極周期である)の位相差α分ずらした位置に夫々、配置されることを特徴とするものである。本発明では、複数の磁気センサを用い、各磁気センサを、磁気センサの個数及び出力回路の種類数に応じて、磁界発生部材の移動方向と平行な方向に位相をずらして配置した。このため磁界発生部材側の構成が変更されても、例えば磁気センサの内部構造自体を変えずに磁気センサの配置を変更するだけで高分解能を得ることができる。また生産コストの上昇を抑制できる。また、従来のように、磁気センサの内部に間隔を詰めて複数の磁気検出素子を配置する構成よりも、簡単な構成により且つ配置の自由度も高い状態で、優れた高分解能特性を有する磁気検出装置にできる。
磁気センサが、複数個、前記移動方向と平行な方向に間隔を空けて配置されており、各磁気センサは、前記磁界発生部材からの外部磁界により電気特性が変化する磁気検出素子を有する出力回路を備えており、
各磁気センサが、位相差α=0の位置、(1/2)・[M/(L・N)]・λ(Lは、各磁気センサに含まれる出力回路の個数であり、Mは、1,・・・,N−1の変数であり、Nは前記磁気センサの個数であり、λは磁極周期である)の位相差α分ずらした位置に夫々、配置されることを特徴とするものである。本発明では、複数の磁気センサを用い、各磁気センサを、磁気センサの個数及び出力回路の種類数に応じて、磁界発生部材の移動方向と平行な方向に位相をずらして配置した。このため磁界発生部材側の構成が変更されても、例えば磁気センサの内部構造自体を変えずに磁気センサの配置を変更するだけで高分解能を得ることができる。また生産コストの上昇を抑制できる。また、従来のように、磁気センサの内部に間隔を詰めて複数の磁気検出素子を配置する構成よりも、簡単な構成により且つ配置の自由度も高い状態で、優れた高分解能特性を有する磁気検出装置にできる。
本発明では、前記出力回路は、複数種類設けられており、前記各磁気センサ内にて、ある一つの前記出力回路からの出力を基準波形としたとき、残りの前記出力回路が、前記基準波形に対して、(1/2)・[(1,・・・,L−1)/L]・λの位相差を有する波形を出力するように構成されていることが好ましい。また本発明では、前記出力回路は、複数種類、設けられており、各出力回路を構成する前記磁気検出素子の感度軸方向は異なる方向であるとともに、360°を、2・Lの領域に分割する方向(ただし、180°の角度ずれを有する感度軸方向を備えた前記磁気検出素子については同じ前記出力回路に組み込まれる)を向いていることが好ましい。これにより、磁極周期λの移動範囲内で、2・L・Nのパルス信号を得ることができる。したがって磁界発生部材に、P回の磁極周期λがあれば、磁気検出装置が磁界発生部材の移動方向に相対的に一周した際、あるいは磁界発生部材の端から端まで相対移動した際、2・L・N・Pのパルス信号を得ることができる。これにより、より高い分解能特性を得ることができる。
また本発明では、前記磁気検出素子は、前記磁気センサに対して水平面方向からの前記外部磁界を検知可能な磁気抵抗効果素子であることが好ましい。
また本発明では、前記磁気抵抗効果素子は、セルフピン止め型の磁気抵抗効果素子であることが好ましい。各磁気センサにおいて、同一基板上に複数の磁気抵抗効果素子を形成することができる。
本発明の磁気エンコーダは、前記磁界発生部材と、上記のいずれかに記載された磁気検出装置とを有することを特徴とするものである。これにより高分解能磁気エンコーダにできる。
本発明によれば、簡単な構成により且つ配置の自由度も高い状態で、優れた高分解能特性を有する磁気検出装置及び磁気エンコーダにできる。
図1は、第1実施形態の磁気エンコーダの平面図であり、図2は、図1に示す磁気検出装置に組み込まれる磁気センサの平面図であり、図3は、図1の磁気検出装置に組み込まれるA相ブリッジ回路図及びB相ブリッジ回路図であり、図4は、図1に示す磁石と各磁気センサとの位置関係を示す説明図であり、図5は、図1に示す磁気検出装置から得られるA相パルス信号及びB相パルス信号の波形図である。また、図13に示す磁気センサに組み込まれる磁気検出素子の平面図であり、図14は、図13に示すA−A線に沿って切断し矢印方向から見た磁気検出素子の部分拡大縦断面図である。
図1に示す磁気エンコーダ10は、磁石11と、複数の磁気センサ12a〜12dを備える磁気検出装置13とを有して構成される。各磁気センサ12a〜12dは支持板14上に固定支持されており、磁気検出装置13は、図3に示すA相ブリッジ回路18及びB相ブリッジ回路19を備えている。支持板14は各磁気センサ12a〜12dに共通の基板であってもよいし、各磁気センサ12a〜12dを載置する支持板は別々にあり、集積回路については共通化した構成にすることもできる。
図1に示す形態では、磁石11が所定の厚みを有する円板状で形成されている。図1に示すように磁石11の中心O1は、回転中心であり、磁石11は、時計方向CW及び反時計方向CCWに回転可能に支持される。なお本明細書において、磁石11の移動方向とは、図1では磁石11の回転方向を指す。また図1において磁石11は、時計方向CW及び反時計方向CCWのどちらか一方にのみ回転可能に支持された構成であってもよい。
図1に示すように磁石11は、回転方向にN極とS極とが交互に着磁されており、磁石11の外周面11aには12極が着磁されている。なお磁極数を限定するものではない。また、着磁の極数が同じで着磁方向が回転中心から外側あるいは内側に着磁されるいわゆるラジアル着磁でも良い。
図4は図1に示す磁石11の外周面11aを直線上に図示した説明図である。図4に示すように、N極とS極との一組分の幅(磁石11の移動方向への長さ寸法)を磁極周期λと定義する。なお図1に示すように磁石11が回転する構成では、磁極周期λは、各磁気センサ12a〜12dが配置された位置の中心O2(図2参照)を辿る各磁気センサ12a〜12dの相対回転方向B上での円弧長さにて規定される。
図1に示すように、各磁気センサ12a〜12dは、磁石11の外周面11aとの間でギャップGを有しており、各磁気センサ12a〜12dと磁石11とは非接触となっている。さらに各磁気センサ12a〜12dは、磁石11の回転方向(時計方向CW及び反時計方向CCW)と平行な方向(相対回転方向B)に間隔を空けて配置されている。なお、第1磁気センサ12aと第2磁気センサ12bとの間の間隔、第2磁気センサ12bと第3磁気センサ12cとの間の間隔、及び、第3磁気センサ12cと第4磁気センサ12dとの間の間隔は夫々、同じであるが、磁石の磁極との相対的位相位置は異なっている。どの程度ずれているのかについては後で詳述する。
図2は、各磁気センサ12a〜12dの平面図を示している。図2に示すように基板15上に複数の磁気検出素子16a〜16d,17a〜17dが形成されている。
図2に示すように、基板15の中心O2のX1側及びX2側に感度軸方向P1,P2がY1−Y2方向を向いたA相磁気検出素子16a〜16dが配置されている。また、基板15の中心O2のY1側及びY2側に感度軸方向P3,P4がX1−X2方向を向いたB相磁気検出素子17a〜17dが配置されている。
ここでY1−Y2方向は、図1に示す第1磁気センサ12aの位置にて相対回転方向Bに対する接線方向であり、X1−X2方向は、Y1−Y2方向とともに平面内に位置し、且つY1−Y2方向に対し直交する方向である。
図2に示すように、各磁気検出素子16a〜16d,17a〜17dにおいて、同じ感度軸方向を有する磁気検出素子同士は、基板15の中心O2を対称点とした点対称配置とされている。ここで「感度軸方向」とは、その方向に磁石11からの外部磁界が及んだ際、電気特性が最大あるいは最小となる方向を指す。図2に示すように同じ感度軸方向を有する磁気検出素子同士を点対称で配置することで、外部磁界の角度誤差成分をキャンセルすることができ、図3に示す各出力回路から得られる出力(OUT A,OUT B)を夫々、安定したものにできる。
図3に示すように、第1磁気検出素子16a〜16dによりA相ブリッジ回路18が構成される。また第2磁気検出素子17a〜17dによりB相ブリッジ回路19が構成される。
図13は、A相磁気検出素子16a,16b及びB相磁気検出素子17a,17bの部分拡大平面図を示す。
図13に示すようにA相磁気検出素子16a,16bは、X1−X2方向に延出しY1−Y2方向に間隔を空けて配列された複数本の延出部20がミアンダ状となるようにX側端部間で接続されて一体化したミアンダ状素子である。
また図13に示すようにB相磁気検出素子17a,17bは、Y1−Y2方向に延出しX1−X2方向に間隔を空けて配列された複数本の延出部21がミアンダ状となるようにY側端部間で接続されて一体化したミアンダ状素子である。
B相磁気検出素子17a,17bは、A相磁気検出素子16a,16bを平面内にて90°回転させた形状に同一である。よって、A相磁気検出素子及びB相磁気検出素子を構成する各延出部20,21の幅寸法は同寸法であり、また各延出部間の間隔も同寸法である。
なお残りのA相磁気検出素子16c,16dについては、A相磁気検出素子16a,16bと感度軸方向が異なるだけでA相磁気検出素子16a,16bと同じミアンダ状素子で形成される。また、残りのB相磁気検出素子17c,17dについては、B相磁気検出素子17a,17bと感度軸方向が異なるだけでB相磁気検出素子17a,17bと同じミアンダ状素子で形成される。
図14は、A相磁気検出素子16a,16bを図14に示すA−A線に沿って切断し矢印方向から見た部分拡大縦断面図である。
A相磁気検出素子16a,16bは、基板15表面にて、下から、シード層2、固定磁性層3、非磁性材料層4、フリー磁性層5及び保護層6の順に積層されて成膜されたセルフピン止め型のGMR素子である。磁気検出素子を構成する各層は、例えばスパッタにて成膜される。
シード層2は、NiFeCrあるいはCr等で形成される。シード層2と、基板1との間に、Ta,Hf,Nb,Zr,Ti,Mo,W等からなる下地層が形成されていてもよい。
固定磁性層3は、第1磁性層3aと第2磁性層3cと、第1磁性層3a及び第2磁性層3c間に介在する非磁性中間層3bとの、人工反強磁性(AAF(Artificial-AntiFerro magnetic))構造からなる。
図14に示すように矢印方向は、第1磁性層3a及び第2磁性層3cの固定磁化方向を示す。図14に示すように、第1磁性層3aの固定磁化方向と、第2磁性層3cの固定磁化方向は反平行となっている。各磁性層3a,3cはCoFe合金などの軟磁性材料で形成されている。また非磁性中間層3bはRuやRh等である。非磁性材料層4はCuなどの非磁性材料で形成される。フリー磁性層5は、NiFe合金などの軟磁性材料で形成されている。この実施形態では、フリー磁性層5は、CoFe合金層5aとNiFe合金層5bとの積層構造で形成されるが、フリー磁性層5の構造は限定されるものでない。保護層6はTaなどである。
本実施形態では固定磁性層3をAAF構造として、第1磁性層3aと第2磁性層3cとが反平行に磁化固定されたセルフピン止め型である。すなわち図14に示すセルフピン止め型では、反強磁性層を用いず、よって磁場中熱処理を施すことなく単に磁場中成膜することで(アニールなし;常温)、固定磁性層3を構成する各磁性層3a,3cを磁化固定している。なお、各磁性層3a,3cの磁化固定力は、外部磁界が作用したときでも磁化揺らぎが生じない程度の大きさであれば足りる。
ただし図14の磁気検出素子の積層構造は一例である。下からフリー磁性層5、非磁性材料層4、固定磁性層3、及び保護層6の順に積層された積層構造とされてもよい。また固定磁性層3は、第1の磁性層3aと第2磁性層3cとの磁化量の大きさが同じで磁化方向が反平行である構成にできる。
磁気検出素子を構成する第2磁性層3cの固定磁化方向(感度軸方向)が固定磁性層3の固定磁化方向である。よってA相磁気検出素子16a,16bの感度軸方向P1は、Y2方向となっている(図2参照)。
図14に示すように、各延出部20間は、絶縁層7により埋められている。
A相磁気検出素子16c、16dについては、図14に示す第1磁性層3aの固定磁化方向がY2方向、第2磁性層3cの固定磁化方向がY1方向となっている。よってA相磁気検出素子16c、16dの感度軸方向P2は、Y1方向となっている(図2参照)。
A相磁気検出素子16c、16dについては、図14に示す第1磁性層3aの固定磁化方向がY2方向、第2磁性層3cの固定磁化方向がY1方向となっている。よってA相磁気検出素子16c、16dの感度軸方向P2は、Y1方向となっている(図2参照)。
B相磁気検出素子17a〜17bについても、図14と同じ積層構造を備えている。ただし感度軸方向P3,P4が図2に示すようにA相磁気検出素子16a〜16dの感度軸方向P1,P2に対し直交した方向となっている。
上記したように、セルフピン止め型のGMR素子で各磁気検出素子16a〜16d,17a〜17dを形成することで磁場中熱処理が必要でなく、したがって感度軸方向P1〜P4が異なる各磁気検出素子16a〜16d,17a〜17dを同じ基板15上に成膜することができる。
ただし感度軸方向が異なる磁気検出素子については別々の基板への成膜となるが、反強磁性層を用いたGMR素子で各磁気検出素子16a〜16d,17a〜17dを形成することも可能である。
今、第1磁気センサ12aが図1の位置にあり、ちょうど、X1−X2方向に第1磁気センサ12aの中心O2と、磁石11のN極とS極との境界がX1−X2方向にて一致しているとする。このとき第1磁気センサ12aにはY2方向への外部磁界(水平磁場)が作用する。よって、図2に示す感度軸方向P1がY2方向であるA相磁気検出素子16a,16bの電気抵抗値は最小値となり、一方、感度軸方向P2がY1方向であるA相磁気検出素子16c,16dの電気抵抗値は最大値となる。よって、図3のA相ブリッジ回路18からの出力(OUT A)は基準電位から変化する。一方、図2に示すB相磁気検出素子17a〜17dについては、外部磁界が感度軸方向P3,P4に対して直交方向であるため、各磁気検出素子17a〜17dの電気抵抗値は同じ値となり、図3のB相ブリッジ回路19からの出力(OUT B)は基準電位となる。
図1に示す磁石11が回転すると、磁石11から第1磁気センサ12aに作用する外部磁界の方向はY2方向から徐々に変化し、これにより、図3に示すA相ブリッジ回路18及びB相ブリッジ回路19から夫々、位相がずれた正弦波が得られる。A相ブリッジ回路18及びB相ブリッジ回路19からの出力は、差動増幅回路(アンプ)等が組み込まれた整形回路にて矩形波に整形される。
なおB相ブリッジ回路19から得られる出力は、A相ブリッジ回路18から得られる出力に対して、(1/4)λの位相差が生じている。λの長さ(角度)はS極とN極のペア分である。
図1,図4に示すように、第1磁気センサ12a(の中心O2)からちょうど磁極周期λだけ離れた位置C〜Eは、位相差αが0となる位相差ゼロ位置である。すなわち磁気センサの中心O2が、各位相差ゼロ位置C〜Eと対向した位置にあると、第1磁気センサ12aと同位相の波形が得られる。
図1,図4に示すように、第2磁気センサ12b(の中心O2)は、(1/16)・λの位相差α分ずらして配置されている。また第3磁気センサ12c(の中心O2)は、(1/8)・λ(=(2/16)・λ)の位相差α分ずらして配置されている。さらに、第4磁気センサ12d(の中心O2)は、(3/16)・λの位相差α分ずらして配置されている。
また第2磁気センサ12b、第3磁気センサ12c及び第4磁気センサ12dは夫々、同じ側(図4では図示右側)にある直近の位相差ゼロ位置C〜Eから上記の位相差分ずれて配置されている。
また図2,図3で示したように各磁気センサ12a〜12dには、A相ブリッジ回路18及びB相ブリッジ回路19の2つのブリッジ回路が組み込まれている。
上記した各磁気センサ12a〜12dの位相ずれを加味した配置は、以下の式により求めることが出来る。
すなわち本実施形態では、第1磁気センサ12aは位相差α=0の位置にあり、残りの第2磁気センサ12b、第3磁気センサ12c及び第4磁気センサ12dが、(1/2)・[M/(L・N)]・λ(Lは、各磁気センサに含まれる出力回路の個数であり、Mは、1,・・・,N−1の変数であり、Nは前記磁気センサの個数であり、λは磁極周期である)の位相差α分ずらした位置に夫々、配置される。
図1〜図4に示した第1実施形態では、各磁気センサ12a〜12dの夫々に組み込まれる出力回路の種類数LはA相、B相の2種類であり、磁気センサ12a〜12dの個数Nは4である。よって変数Mは、1,2,3である。
したがって、上記の式から得られる位相差は、(1/16)λ、(1/8)λ、(3/16)λとなる。このため、各磁気センサ12a〜12dのいずれかを位相差ゼロの位置、(1/16)λの位相差分ずれた位置、(1/8)λの位相差分ずれた位置、(3/16)λの位相差分ずれた位置に夫々、配置することができる。図1では、第1磁気センサ12aから第4磁気センサ12dにかけて、位相差αが大きくなるように配置したが、どの磁気センサにどの配置を割り当てるかについては任意に決定することができる。
また、各磁気センサ12a〜12dには、A相ブリッジ回路18及びB相ブリッジ回路19の2つの出力回路が組み込まれている。そして、例えばA相ブリッジ回路18からの出力を基準波形としたとき、B相ブリッジ回路19が、基準波形に対して、(1/2)・[(1,・・・,L−1)/L]・λの位相差を有する波形を出力するように構成されている。すなわち、出力回路の種類数Lは2であるから、B相ブリッジ回路から得られる出力(OUT B)は、A相ブリッジ回路から得られる出力(OUT A)に対し、(1/4)λの位相差を有している。このように各磁気センサ12a〜12d内にて、A相ブリッジ回路18からの出力とB相ブリッジ回路19からの出力との間に(1/4)λの位相差ずれが生じている。
図5はA相ブリッジ回路及びB相ブリッジ回路からの出力に基づく波形図(矩形波)である。
図5に示すようにA相出力は磁極周期(波長)λの移動範囲内に立ち上がりのパルス信号(1)〜(4)が計4回あり、立ち下がりのパルス信号(5)〜(8)が計4回ある。よってA相出力は磁極周期(波長)λの間に8回のパルス信号を得ることができる。
ここで、パルス信号(1)(5)の波形は、第1磁気センサ12aのA相ブリッジ回路により得られるものであり、パルス信号(2)(6)は、第2磁気センサ12bのA相ブリッジ回路により得られるものであり、パルス信号(3)(7)は、第3磁気センサ12cのA相ブリッジ回路により得られるものであり、パルス信号(4)(8)は、第4磁気センサ12dのA相ブリッジ回路により得られるものである。
パルス信号(1)(5)と、パルス信号(2)(6)との間には、(1/16)λの位相ずれが生じており、パルス信号(1)(5)と、パルス信号(3)(7)との間には、(1/8)λの位相ずれが生じており、パルス信号(1)(5)と、パルス信号(4)(8)との間には、(3/16)λの位相ずれが生じている。
一方、B相出力は磁極周期(波長)λの範囲内に立ち上がりのパルス信号(9)〜(12)が計4回あり、立ち下がりのパルス信号(13)〜(16)が計4回ある。よってB相出力は磁極周期(波長)λの間に8回のパルス信号を得ることができる。
ここで、パルス信号(9)(13)の波形は、第1磁気センサ12aのB相ブリッジ回路により得られるものであり、パルス信号(10)(14)は、第2磁気センサ12bのB相ブリッジ回路により得られるものであり、パルス信号(11)(15)は、第3磁気センサ12cのB相ブリッジ回路により得られるものであり、パルス信号(12)(16)は、第4磁気センサ12dのB相ブリッジ回路により得られるものである。
パルス信号(1)(5)と、パルス信号(9)(13)は、第1磁気センサ12aにより得られ、パルス信号(2)(6)と、パルス信号(10)(14)は、第2磁気センサ12bにより得られ、パルス信号(3)(7)と、パルス信号(11)(15)は、第3磁気センサ12cにより得られ、パルス信号(4)(8)と、パルス信号(12)(16)は、第4磁気センサ12dにより得られる。パルス信号(1)(5)と、パルス信号(9)(13)との間、パルス信号(2)(6)と、パルス信号(10)(14)との間、パルス信号(3)(7)と、パルス信号(11)(15)との間、及び、パルス信号(4)(8)と、パルス信号(12)(16)との間には、夫々、(1/4)λの位相ずれが生じている。
すなわちB相出力にて得られた8回のパルス信号は、A相出力にて得られた8回のパルス信号を夫々、(1/4)λだけずらした信号に一致している。
このように第1実施形態では、磁極周期(波長)λの間に16回のパルス信号を得ることができる。図1に示す磁石11には、N極とS極とのペアが6組含まれており、すなわち磁極周期λは6回となっている。したがって磁石11が一回転するまでに得られるパルス信号は、6×16=96パルス(3.75°の回転角につき1パルス)となっている。
図6は、第2実施形態の磁気エンコーダの平面図であり、図7は、図6に示す磁気検出装置に組み込まれる磁気センサの平面図であり、図8は、図6の磁気検出装置に組み込まれるA相ブリッジ回路図、B相ブリッジ回路図、及び、C相ブリッジ回路図であり、図9は、図6に示す磁気検出装置から得られるA相パルス信号、B相パルス信号及びC相パルス信号の波形図である。
図6に示す磁気エンコーダ30を構成する磁石11は図1に示す磁石11と同じものである。図6に示すように磁気エンコーダ30を構成する磁気検出装置31には、3個の磁気センサ32a〜32cが設けられている。各磁気センサ32a〜32cは磁石11と非接触に配置され、また各磁気センサ32a〜32cは、相対回転方向B上に間隔を空けて配置されている。
図7に示すように各磁気センサ32a〜32cには、基板15上に12個の磁気検出素子33a〜33d,34a〜34d,35a〜35dが配置されている。A相磁気検出素子33a〜33dによりA相ブリッジ回路37が構成される。また、B相磁気検出素子34a〜34dによりB相ブリッジ回路38が構成される。さらに、C相磁気検出素子35a〜35dによりC相ブリッジ回路39が構成される。
図7、図8に示す実施形態では、平面内にて互いに120°ずつ角度差のある3方向を第1の方向、第2の方向及び第3の方向とする。どの方向を第1の方向、第2の方向及び第3の方向と規定するかは任意に決定できるが、本実施形態では、例えば、第1の方向をY1方向とし、第1の方向から120°時計回りに傾いた方向を第2の方向とし、第1の方向から240°時計回りに傾いた方向を第3の方向とした。
よって、A相磁気検出素子33a,33bの感度軸方向P5は第1の方向を向いており、A相磁気検出素子33c,33dの感度軸方向P6は、第1の方向とは反対方向を向いている。また、B相磁気検出素子34a,34bの感度軸方向P7は第2の方向を向いており、B相磁気検出素子34c,34dの感度軸方向P8は、第2の方向とは反対方向を向いている。さらに、C相磁気検出素子35a,35bの感度軸方向P9は第3の方向を向いており、C相磁気検出素子35c,35dの感度軸方向P10は、第3の方向とは反対方向を向いている。
図6ないし図8の実施形態における各磁気センサ32a〜32cの位相ずれを加味した配置は、上記した式により求めることが出来る。
例えば第1磁気センサ32aが、位相差ゼロの位置にあり、残りの第2磁気センサ32b及び第3磁気センサ32cが、(1/2)・[M/(L・N)]・λ(Lは、各磁気センサに含まれる出力回路の個数であり、Mは、1,・・・,n−1の変数であり、Nは前記磁気センサの個数であり、λは磁極周期である)の位相差α分ずらして配置される。
図6〜図8に示した第2実施形態では、各磁気センサ32a〜32cの夫々に組み込まれる出力回路の種類数Lは3であり、磁気センサ32a〜32dの個数Nは3である。よって変数Mは、1,2である。
したがって、上記の式から得られる位相差αは、(1/18)λ、(1/9)λとなる。このため、例えば図6に示すように第1磁気センサ32aを位相差ゼロの位置、第2磁気センサ32bを(1/18)λの位相差α分ずれた位置、第3磁気センサ32cを(1/9)λの位相差α分ずれた位置に夫々、配置することができる。
また、各磁気センサ32a〜32cには、A相ブリッジ回路37、B相ブリッジ回路38及びC相ブリッジ回路39の3つの出力回路が組み込まれている。そして、各磁気センサ32a〜32c内にて、A相ブリッジ回路37から得られる出力を基準波形とすると、残りのブリッジ回路38,39が、前記基準波形に対して、(1/2)・[(1,・・・,L−1)/L]・λの位相差を有する波形を出力するように構成されている。すなわち、出力回路の種類数Lは3であるから、各磁気センサ32a〜32c内にて、A相ブリッジ回路37、B相ブリッジ回路38及C相ブリッジ回路39を比較すると、A相ブリッジ回路37から得られる出力(OUT A)を基準波形とすれば、例えばB相ブリッジ回路38から得られる出力(OUT B)は、A相ブリッジ回路から得られる出力(OUT A)に対し、(1/6)λの位相差を有し、C相ブリッジ回路から得られる出力(OUT C)は、A相ブリッジ回路から得られる出力(OUT A)に対し、(1/3)λの位相差を有する。
図9に示すようにA相出力は磁極周期(波長)λの移動範囲内に立ち上がりのパルス信号(1)〜(3)が計3回あり、立ち下がりのパルス信号(4)〜(6)が計3回ある。よってA相出力は磁極周期(波長)λの間に6回のパルス信号を得ることができる。
ここで、パルス信号(1)(4)の波形は、第1磁気センサ32aのA相ブリッジ回路37により得られるものであり、パルス信号(2)(5)は、第2磁気センサ32bのA相ブリッジ回路37により得られるものであり、パルス信号(3)(6)は、第3磁気センサ32cのA相ブリッジ回路37により得られるものである。
パルス信号(1)(4)と、パルス信号(2)(5)との間には、(1/18)λの位相ずれが生じており、パルス信号(1)(5)と、パルス信号(3)(6)との間には、(1/9)λの位相ずれが生じている。
一方、B相出力は磁極周期(波長)λの移動範囲内に立ち上がりのパルス信号(7)〜(9)が計3回あり、立ち下がりのパルス信号(10)〜(12)が計3回ある。よってB相出力は磁極周期(波長)λの間に6回のパルス信号を得ることができる。
ここで、パルス信号(7)(10)の波形は、第1磁気センサ32aのB相ブリッジ回路38により得られるものであり、パルス信号(8)(11)は、第2磁気センサ32bのB相ブリッジ回路38により得られるものであり、パルス信号(9)(12)は、第3磁気センサ32cのB相ブリッジ回路38により得られるものである。
一方、C相出力は磁極周期(波長)λの範囲内に立ち上がりのパルス信号(13)〜(15)が計3回あり、立ち下がりのパルス信号(16)〜(18)が計3回ある。よってB相出力は波長λの間に6回のパルス信号を得ることができる。
ここで、パルス信号(13)(16)の波形は、第1磁気センサ32aのC相ブリッジ回路39により得られるものであり、パルス信号(14)(17)は、第2磁気センサ32bのC相ブリッジ回路39により得られるものであり、パルス信号(15)(18)は、第3磁気センサ32cのC相ブリッジ回路39により得られるものである。
このように第2実施形態では、磁極周期(波長)λの間に18回のパルス信号を得ることができる。図6に示す磁石11には、N極とS極とのペアが6組含まれており、すなわち磁極周期λは6回となっている。したがって磁石11が一回転するまでに得られるパルス信号は、6×18=108パルス(約3.3°の回転角につき1パルス)となっている。
図10は、第3実施形態の磁気エンコーダの平面図であり、図11は、図10に示す磁気検出装置に組み込まれる磁気センサの平面図であり、図12は、図10に示す磁気検出装置から得られるパルス信号の波形図である。
図10に示す磁気エンコーダ40を構成する磁石11は図1に示す磁石11と同じものである。図10に示すように磁気エンコーダ40を構成する磁気検出装置41には、4個の磁気センサ42a〜42dが設けられている。各磁気センサ42a〜42dは磁石11と非接触に配置され、また各磁気センサ42a〜42dは、相対回転方向B上に間隔を空けて配置されている。
図10に示すように各磁気センサ42a〜42dには、基板15上に4個のA相磁気検出素子43a〜43dが配置されている。これらA相磁気検出素子43a〜43dの感度軸方向及びブリッジ回路は、図2、図3に示すA相と同じ構成である。
図10,図11の実施形態における各磁気センサ42a〜42dの位相ずれを加味した配置は、上記した式により求めることが出来る。
すなわち、第1磁気センサ42aが位相差ゼロの位置にあるとき、残りの磁気センサ42b〜42dは、(1/2)・[M/(L・N)]・λ(Lは、各磁気センサに含まれる出力回路の個数であり、Mは、1,・・・,n−1の変数であり、Nは前記磁気センサの個数であり、λは磁極周期である)の位相差α分ずらした位置に夫々、配置される。
図10,図11に示した第3実施形態では、各磁気センサ42a〜42dの夫々に組み込まれる出力回路の種類数Lは1であり、磁気センサ42a〜42dの個数Nは4である。よって変数Mは、1,2,3である。
したがって、上記の式から得られる位相差は、(1/8)λ、(1/4)λ、(3/8)λとなる。このため、例えば図10に示すように第1磁気センサ42aを位相差ゼロの位置、第2磁気センサ42bを(1/8)λの位相差α分ずれた位置、第3磁気センサ42cを(1/4)λの位相差α分ずれた位置、第4磁気センサ42dを(3/8)λの位相差α分ずれた位置に夫々、配置することができる。
図12に示すようにA相出力は波長λの範囲内に立ち上がりのパルス信号(1)〜(4)が計4回あり、立ち下がりのパルス信号(5)〜(8)が計4回ある。よってA相出力は磁極周期(波長)λの間に8回のパルス信号を得ることができる。そして図10に示す磁石11には、N極とS極とのペアが6組含まれており、すなわち磁極周期λは6回となっている。したがって磁石11が一回転するまでに得られるパルス信号は、6×8=48パルス(7.5°の回転角につき1パルス)となっている。
図10,図11に示す形態のように、各磁気センサに組み込まれる出力回路の種類を一つだけとしてもよいが、図1〜図9に示す形態のように、各磁気センサに組み込まれる出力回路の種類を複数とすることで、パルス信号数を増やすことができ、より高い分解能を得ることができる。
本実施形態では、複数の磁気センサを用い、磁気センサの個数及び出力回路の種類数に応じて、磁石11の回転方向(移動方向)と平行な方向に位相をずらして各磁気センサを配置した。このため磁石11の構成が変更されても、例えば磁気センサの内部構造を変えずに上記の式に基づいて磁気センサの配置を変更するだけで高分解能を得ることができ、磁石11の設計変更等に伴う生産コストの上昇を抑制できる。すなわち磁気センサとしては図2の内部構成のものを変更しなくてもよく、あるいは例えば後述する図7に示す構成の磁気センサも用意して、必要なパルス信号に応じて、磁気センサを使い分けることも可能である。このように磁石11の構成が変更されても、それに伴って磁気センサ内の磁気検出素子の構成を変更せずに分解能を高めることができる。また、従来のように、磁気センサ内に設けられた複数の磁気検出素子を、磁石11の移動方向と平行な方向に間隔を詰めて配置するよりも、簡単な構成により、優れた高分解能特性を有する磁気検出装置にできる。また磁気センサの配置は上記式によって決まるが、例えば第2磁気センサ12bの位置は図1に示す位置でなくてもよく、第1磁気センサ12aが配置された位相差ゼロの位置から(1/16)λずらしてもよいし、位相差ゼロ位置Dや位相差ゼロ位置Eの位置から位相をずらすことも可能である。このように磁気センサの配置の自由度を高くできる。また、各磁気センサ内に形成される磁気検出素子の配置の自由度も高い。また出力回路の種類数を増やすことで、より高い分解能を得ることができる。
本実施形態では、出力回路の種類を複数とし、このとき、各出力回路を構成する磁気検出素子の感度軸方向は異なる方向であるとともに、360°を、2・Lの領域に分割する方向(ただし、180°の角度ずれを有する感度軸方向Pを備えた磁気検出素子については同じ出力回路に組み込まれる)を向くように制御している。
Lは、出力回路の種類数である。図1〜図5に示す形態では、出力回路はA相、B相の2種類である。よって、A相磁気検出素子16a〜16dの感度軸方向P1,P2と、B相磁気検出素子17a〜17dの感度軸方向P3、P4は、360°を4分割する方向、すなわち0°、90°、180°、270°の方向を向くように制御される。このうち、0°と180°、及び、90°と270°は夫々、180°の角度ずれを有するため、180°の角度ずれを有する感度軸方向を備えた磁気検出素子は同じ出力回路に組み込まれる。よって、A相磁気検出素子16a,16bの感度軸方向P1を0°の方向とすれば、A相磁気検出素子16c,16dの感度軸方向P2は180°の方向であり、またB相磁気検出素子17a,17bの感度軸方向P3を90°の方向とすれば、B相磁気検出素子17c,17dの感度軸方向P4は270°の方向である。
また図6〜図9に示す形態では、出力回路はA相、B相,C相の3種類である。よって、A相磁気検出素子33a〜33dの感度軸方向P5,P6と、B相磁気検出素子34a〜34dの感度軸方向P7、P8と、C相磁気検出素子35a〜35dの感度軸方向P9、P10とは、360°を6分割する方向、すなわち0°、60°、120°、180°、240°、300°の方向を向くように制御される。このうち、0°と180°、60°と240°、120°と300°は夫々、180°の角度ずれを有するため、180°の角度ずれを有する感度軸方向を備えた磁気検出素子は同じ出力回路に組み込まれる。よって、A相磁気検出素子33a,33bの感度軸方向P5を0°の方向とすれば、A相磁気検出素子33c,33dの感度軸方向P6は180°の方向であり、またB相磁気検出素子34a,34bの感度軸方向P7を120°の方向とすれば、B相磁気検出素子34c,34dの感度軸方向P8は300°の方向であり、またC相磁気検出素子35a,35bの感度軸方向P9を240°の方向とすれば、C相磁気検出素子35c,35dの感度軸方向P8は60°の方向である。
なお図1,図2,図7では、0°の方向をY1方向としたが、どの方向を0°に規定するかは任意に決定できる。ただし、基本的には、図1に示す相対回転方向Bの接線方向か、法線方向とすることが好ましい。
上記のように感度軸方向を規制した磁気検出素子を備えた複数種類の出力回路を有することで、磁極周期λの移動範囲内で、2・L・Nのパルス信号を出力できる。そして、図1,図6では、磁石11に磁極周期λが、6回あるため、磁石11が一回転するまでに、12・L・Nのパルス信号を得ることが可能である。これにより、より高い分解能特性を得ることができる。
本実施形態に使用される磁気検出素子は、ホール素子等であってもよいが、磁気センサに対して水平面方向からの外部磁界を検知可能な磁気抵抗効果素子(GMR素子やTMR素子)であることが好適である。ここで水平面方向とは、図14に示す積層された各層の境界面と平行な面方向を指し、図1等に示すX1−X2方向とY1−Y2方向とを含む平面内の方向である。また磁気抵抗効果素子は、図14で説明したセルフピン止め型であることが好適である。これにより複数の磁気抵抗効果素子を同じ基板15上に形成することができる。
本実施形態における磁気エンコーダは、例えば、モータ角度制御システムに組み込まれる。また磁気エンコーダとともに光学エンコーダ等の別のエンコーダを組み込んだ制御システムを構成することもできる。
また上記した形態では磁石11が回転型であるが、例えば磁石11が棒状で直線移動する形態のエンコーダとしてもよい。また、磁石が固定側で、磁気検出装置が移動する形態にしてもよい。
また磁気センサの個数や出力回路の種類数については、任意に決定できる。また磁石はラジアルタイプでもアキシャルタイプでもどちらでもよい。
また、同じ出力回路には、感度軸方向が180°異なる磁気検出素子を組み合わせた構成でなくてもよく、感度軸方向が一方向の磁気検出素子と固定抵抗素子との組み合わせとすることもできる。
P1〜P10 感度軸方向
3 固定磁性層
4 非磁性材料層
5 フリー磁性層
10、30、40 磁気エンコーダ
11 磁石
12a〜12d、32a〜32c、42a〜42d 磁気センサ
13 磁気検出装置
15 基板
16a〜16d、17a〜17d、33a〜33d、34a〜34d、35a〜35d、43a〜43d 磁気検出素子
18、37 A相ブリッジ回路
19、38 B相ブリッジ回路
39 C相ブリッジ回路
20、21 延出部
3 固定磁性層
4 非磁性材料層
5 フリー磁性層
10、30、40 磁気エンコーダ
11 磁石
12a〜12d、32a〜32c、42a〜42d 磁気センサ
13 磁気検出装置
15 基板
16a〜16d、17a〜17d、33a〜33d、34a〜34d、35a〜35d、43a〜43d 磁気検出素子
18、37 A相ブリッジ回路
19、38 B相ブリッジ回路
39 C相ブリッジ回路
20、21 延出部
Claims (6)
- 移動方向に異なる磁極が交互に着磁された磁界発生部材に対して非接触にて配置される磁気検出装置であって、
磁気センサが、複数個、前記移動方向と平行な方向に間隔を空けて配置されており、各磁気センサは、前記磁界発生部材からの外部磁界により電気特性が変化する磁気検出素子を有する出力回路を備えており、
各磁気センサが、位相差α=0の位置、(1/2)・[M/(L・N)]・λ(Lは、各磁気センサに含まれる出力回路の個数であり、Mは、1,・・・,N−1の変数であり、Nは前記磁気センサの個数であり、λは磁極周期である)の位相差α分ずらした位置に、夫々、配置されることを特徴とする磁気検出装置。 - 前記出力回路は、複数種類設けられており、前記各磁気センサ内にて、ある一つの前記出力回路からの出力を基準波形としたとき、残りの前記出力回路が、前記基準波形に対して、(1/2)・[(1,・・・,L−1)/L]・λの位相差を有する波形を出力するように構成されている請求項1記載の磁気検出装置。
- 前記出力回路は、複数種類設けられており、各出力回路を構成する前記磁気検出素子の感度軸方向は異なる方向であるとともに、360°を、2・Lの領域に分割する方向(ただし、180°の角度ずれを有する感度軸方向を備えた前記磁気検出素子については同じ前記出力回路に組み込まれる)を向いている請求項1又は2に記載の磁気検出装置。
- 前記磁気検出素子は、前記磁気センサに対して水平面方向からの前記外部磁界を検知可能な磁気抵抗効果素子である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気検出装置。
- 前記磁気抵抗効果素子は、セルフピン止め型の磁気抵抗効果素子である請求項4記載の磁気検出装置。
- 前記磁界発生部材と、請求項1ないし5のいずれか1項に記載された磁気検出装置とを有することを特徴とする磁気エンコーダ。
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