JP4616021B2 - 角度検出センサ - Google Patents

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Description

本発明は、GMR素子に代表される磁気抵抗効果素子を用いた角度検出センサに係わり、特に磁気抵抗効果素子から出力される信号の波形歪みを低減することを可能とした波形歪補償機能を備えた角度検出センサに関する。
自動車のステアリングホイールなど回転角度の検出は、ステアリングシャフトなどの回転部材に同期して回転するホイールなどを有する角度検出センサを用いて行われる。前記角度検出センサのセンサ部には磁気を感知して出力信号を出力する磁気抵抗効果素子が採用されており、このような磁気抵抗効果素子を用いた角度検出センサの先行技術文献としては、例えば以下の特許文献1、2、3および4などが存在している。
図13は角度検出センサ100の構成を示す平面図であり、角度検出センサ100は前記回転中心Oに対して回転するホイール102とその内部にパッケージ101とが設けられている。
前記パッケージ101内には前記回転中心Oに対して対称の位置(回転中心Oの回りに互いに90度ずれた位置)に4つのチップ基板(ウェハ)K1,K2,K3,K4がそれぞれ設けられている。一つのチップ基板には、交換バイアス層(反強磁性体層)と、固定層(ピン止め層)と、非磁性層と、自由層(フリー磁性層)とが積層された構造を基本とする磁気抵抗効果素子としてのGMR素子(個別にG1ないしG8で示す)が2ヶづつ設けられている。
すなわち、前記チップ基板K1にはGMR素子G1とG2が設けられ、チップ基板K2にはGMR素子G3とG4が設けられ、チップ基板K3にはGMR素子G5とG6が設けられ、チップ基板K4にはGMR素子G7とG8が設けられている。各チップ基板K1〜K4に搭載された各GMR素子G1〜G8は、GMR素子G1とGMR素子G4とが直列接続され且つGMR素子G3とGMR素子G2とが直列接続された状態で両者が並列に接続されて第1のブリッジ回路が構成されている。同様にGMR素子G5とGMR素子G8とが直列接続され且つGMR素子G7とGMR素子G6とが直列接続された状態で両者が並列に接続されて第2のブリッジ回路が構成されている(図1参照)。
前記磁石M1,M2は前記ホイール102の内面に固着されている。一方の磁石M1はN極が回転中心Oに向けられ且つ他方の磁石M2はS極が回転中心Oに向けられた状態で固着されており、前記磁石M1と磁石M2の間には一定の外部磁界Hが発生している。
被測定物である回転部材が回転して前記ホイール102が回転させられると、前記磁石M1,M2がパッケージ101の回りを周回する。このとき、前記外部磁界Hに応じて各GMR素子G1〜G8の自由層の磁化の向きが変化させられる。これにより前記各GMR素子G1〜G8の抵抗値が、前記自由層の磁化の向きと前記固定層の磁化の向きとのなす角に応じて変化するため、前記第1のブリッジ回路から+sin信号と−sin信号が出力され、同時に前記第2のブリッジ回路からは第1のブリッジ回路の±sin信号から位相が90度ずれた+cos信号と−cos信号が出力される。
制御部は、前記+sin信号と−sin信号とを差動増幅してSIN信号(正弦波信号)を生成し、且つ前記+cos信号と−cos信号とを差動増幅してCOS信号(余弦波信号)を生成する。次に、前記制御部は前記SIN信号(正弦波信号)とCOS信号(余弦波信号)とから正接値(tan)を計算し、さらに逆正接値(arctan)を求めることにより、前記回転部材の回転角度を検出することが可能となっている。
特開2002−303536号公報 特開2000−35470号公報 特開2003−106866号公報 特開2003−66127号公報
上記角度検出センサでは、角度検出センサから出力される回転角度θが入力角度θに正確に比例して出力されることが理想的であるが、実際には一次関数に正弦波状の信号が重畳し回転角度θが前記入力角度θに正確に比例しないことがある(図5参照)。
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、回転角度の検出精度を高めることを可能とした角度検出センサを提供することを目的としている。
本発明は、磁化の向きが固定された固定磁性層と、非磁性材料層と、前記非磁性材料層を挟んで前記固定磁性層と対向するフリー磁性層とを有する積層体および前記積層体の両端に接続された電極層を備えた磁気抵抗効果素子が設けられた固定部、および磁場を形成して前記固定部に対面して回転する回転部とを有し、
前記固定部の表面に、固定磁性層の磁化の向きが互いに逆である前記磁気抵抗効果素子が対を成して設けられているとともに、対を成す前記磁気抵抗効果素子は、その抵抗値の差が出力されるように接続されて、前記回転部から前記磁気抵抗効果素子に与えられる前記固定部の表面に平行な磁場成分が検出される角度検出センサにおいて、
前記磁気抵抗効果素子の前記固定磁性層の一方向性交換バイアス磁界Hex*が200kA/m以上であり、かつ、前記角度検出センサの検出誤差の最大値である波形歪みが7度以下であることを特徴とするものである。
本発明の発明者は角度検出センサを構成する磁気抵抗効果素子の固定磁性層の磁化を一方向に維持する一方向性交換バイアス磁界Hex*を大きくすると角度検出センサの波形歪みを小さくできることを見いだした。一方向性交換バイアス磁界Hex*を大きくすると磁気抵抗変化率ΔMRが比例的に減少する。磁気抵抗効果素子はハードディスクなどのデジタル磁気記録装置の再生用ヘッドとしても用いられるが、デジタル磁気記録装置の再生用ヘッドは磁気抵抗変化率ΔMRを大きくすることが求められるので、一方向性交換バイアス磁界Hex*を80kA/m程度にしていた。
一方本発明のような角度検出センサでは、波形歪みを低減することが必要である。そのため、本発明では、前記固定磁性層の一方向性交換バイアス磁界Hex*を200kA/m以上にすることにより、波形歪みを7度以下に抑えることを可能にした。
なお、波形歪みとは、実際の入力角度と角度検出センサの検出角度の差、すなわち検出誤差の最大値である。
本発明では、前記磁気抵抗効果素子の前記固定磁性層の一方向性交換バイアス磁界Hex*を320kA/m以上にして、波形歪みを4度以下にすることも可能である。
また、本発明では、前記フリー磁性層をCoFe合金とNiFe合金の積層構造を有するものとして、前記フリー磁性層の磁歪定数λの絶対値を1.3ppm以下にすることができる。
前記フリー磁性層の磁歪定数を小さくできると、角度検出センサに曲げ応力が加わったときの位相誤差を低減することができる。
前記フリー磁性層の磁歪定数λの絶対値を1.3ppm以下にするためには、例えば、前記フリー磁性層をCo90Fe10合金とNi81.5Fe18.5合金の積層構造とし、前記Co90Fe10合金の膜厚を9Å以上16Å以下、前記Ni81.5Fe18.5合金の膜厚を10Å以上50Å以下にする。
前記磁場は24kA/m以上56kA/m以下であることが好ましい。
また本発明では、前記固定磁性層は、第1固定磁性層と、第2固定磁性層と、前記第1固定磁性層と前記第2固定磁性層の間に介在する非磁性層との人工フェリ磁性構造であり、前記第2固定磁性層は前記非磁性材料層に接して形成されており、
前記第2固定磁性層の磁気的膜厚から前記第1固定磁性層の磁気的膜厚を引いた値で示される前記固定磁性層の正味の磁気的膜厚(netMs・t)は、0.031(memu/cm 2 )以下であることが好ましい。
上記において、前記第1固定磁性層の膜厚は、12Å〜18Åの範囲内であることが好ましい。
また上記において、前記第1固定磁性層及び前記第2固定磁性層はCoFe合金で形成されることが好ましい。
本発明では、前記固定磁性層の一方向性交換バイアス磁界Hex*を200kA/m以上にすることにより、波形歪みを7度以下に抑えることを可能にした。
また、本発明では、前記磁気抵抗効果素子の前記固定磁性層の一方向性交換バイアス磁界Hex*を320kA/m以上にして、波形歪みを4度以下にすることも可能である。
また、本発明では、前記フリー磁性層をCoFe合金とNiFe合金の積層構造を有するものとして、前記フリー磁性層の磁歪定数λの絶対値を1.3ppm以下にすることができる。
前記フリー磁性層の磁歪定数を小さくできると、角度検出センサに曲げ応力が加わったときの位相誤差を低減することができる。
図1は本発明の角度検出センサの構成を示すブロック構成図である。以下に説明する角度検出センサは、自動車のステアリングシャフトなどの回転部材の回転角度を検出するものである。
図1に示す角度検出センサは、センサ部1と前記センサ部1から出力される出力信号の処理を行う信号処理部10を有している。なお、図示一点鎖線より左側がセンサ部1を示し、右側が信号処理部10を示している。
前記センサ部1の構成は図2に示すように前記センサ部1は回転中心Oに対して回転自在に設けられたホイール102(回転部)と、前記ホイール102の内部に4つのチップ基板(ウェハ)K1,K2,K3およびK4を搭載したパッケージ103(固定部)とを有している。前記4つのチップ基板K1〜K4は、前記パッケージ103内において前記回転中心Oに対して対称の位置(回転中心Oの回りに互いに90度ずれた位置)にそれぞれ設けられている。
一つのチップ基板には、交換バイアス層(反強磁性体層)と、固定層(ピン止め層)と、非磁性層と、自由層(フリー磁性層)とが積層された構造を基本とする磁気抵抗効果素子としてのGMR素子(個別にG1ないしG8で示す)が2ヶづつ設けられている。
前記チップ基板は、一つの大型の基板上に複数のGMR素子が成膜された状態で外部磁場を掛け、前記固定層の磁化の向き(磁化方向)が一定の方向に揃えられた後に個々のチップ基板K1〜K4に切り分けられるため、1つのチップ基板上に設けられた2つのGMR素子の固定層の磁化方向は同一である。そして、各チップ基板K1〜K4は前記磁化方向が隣り合う基板間でほぼ90度の関係を有すように、前記パッケージ101内に固定されている。
前記チップ基板K1〜K4に搭載された各GMR素子G1〜G8は、第1のブリッジ回路WB1と第2のブリッジ回路WB2とを構成している。図1に示すように、第1のブリッジ回路WB1は前記回転中心Oに対して軸対称に設けられたチップ基板K1とチップ基板K2に搭載されたGMR素子G1,G2およびG3,G4で構成されている。すなわち、第1のブリッジ回路WB1は前記GMR素子G1とGMR素子G4とを直列に接続した回路と、前記GMR素子G3とGMR素子G2とを直列に接続した回路とが、並列に接続されて形成されている。同様に第2のブリッジ回路WB2は前記回転中心Oに対して軸対称に設けられたチップ基板K3とチップ基板K4に搭載されたGMR素子G5,G6およびG7,G8で構成されている。第2のブリッジ回路WB2は前記GMR素子G5とGMR素子G8とを直列に接続した回路と、前記GMR素子G7とGMR素子G6とを直列に接続した回路とが、並列に接続されて形成されている。
そして、前記並列に接続された第1のブリッジ回路WB1と第2のブリッジ回路WB2の一方の端部が電源Vccに接続され、他方の端部がグランドGNDに接地されている。
前記ホイール102と被測定物である回転部材(ステアリングシャフトなど)とは例えばギヤなどを介して連結されており、回転部材の回転に応じて前記ホイール102が回転されられるように構成されている。よって、前記回転部材を回転させると、前記ホイール102が回転させられるため、前記磁石M1,M2が前記パッケージ101の周囲を周回できるようになっている。
このとき前記磁石M1,M2間に発生している外部磁場Hが、前記パッケージ101内の各GMR素子G1〜G8に対して回転磁界を与えるため、各GMR素子G1〜G8を形成する自由層の磁化の向きが変化させられる。これにより前記各GMR素子G1〜G8の抵抗値が、前記自由層の磁化の向きと前記固定層の磁化の向きとのなす角に応じて変化する。よって、前記第1のブリッジ回路WB1を構成するGMR素子G3とGMR素子G2との接続部と、GMR素子G1とGMR素子G4との接続部とから互いの位相が180度異なる正弦波状の2つの信号が出力される。同時に前記第2のブリッジ回路を構成するGMR素子G7とGMR素子G6との接続部と、GMR素子G5とGMR素子G8との接続部とからも互いの位相が180度異なる正弦波状の2つの信号が出力される。
ただし、回転中心Oに軸対称に配置されたチップ基板K1,K2と同じく回転中心に軸対称に配置されたチップ基板K3,K4とは、さらに前記回転中心Oに対しほぼ90度異なる位置に配置されているため、前記第1のブリッジ回路WB1から出力される2つの信号を+sin信号,−sin信号とすると、前記第2のブリッジ回路WB2から出力される2つの信号は+cos信号,−cos信号となる。
この実施の形態に示すように、例えば前記ホイール102が時計回り方向に回転したときに前記第1のブリッジ回路WB1のGMR素子G3とGMR素子G2の接続部から出力される正弦波状の信号を+sin信号とすると、前記GMR素子G1とGMR素子G4の接続部からは−sin信号が出力されることになる。このとき前記第2のブリッジ回路WB2の前記GMR素子G7とGMR素子G6の接続部からは+cos信号が出力され、前記GMR素子G5とGMR素子G8の接続部からは−cos信号が出力されることになる。
信号処理部10は、主として制御手段11と、第1の信号変換手段12Aおよび第2の信号変換手段12Bと、信号調整手段13と、第1の関数演算手段14とを有している。
前記制御手段11はCPUやメモリ手段などを備えており、前記信号調整手段13、第1の関数演算手段14などにおける一連の信号処理を統括する機能を有している。前記第1の信号変換手段12Aは、前記第1のブリッジ回路WB1から出力される前記2種類の+sin信号と−sin信号との差をとってSIN信号を生成するとともに、増幅後の信号をA/D変換してデジタルデータに変換する機能を有している。同様に前記第2の信号変換手段12Bは、前記第1のブリッジ回路WB1から出力される前記2種類の+cos信号と−cos信号との差をとってCOS信号を生成するとともに、増幅後の信号をA/D変換してデジタルデータ信号に変換する機能を有している。
ここで、例えばA1,A2,B1およびB2を振幅係数、a1,a2,b1およびb2をオフセット係数とし、前記+sin信号を+A1・sinθ+a1、前記−sin信号を−A2・sinθ−a2、前記+cos信号を+B1・cosθ+b1、前記−cos信号を−B2・cosθ−b2で表わすと、前記第1の信号変換手段12Aで生成される前記SIN信号は、(+A1・sinθ+a1)−(−A2・sinθ−a2)=(A1+A2)・sinθ+(a1+a2)となる。同様に前記第2の信号変換手段12Bで生成されるCOS信号は、(+B1・cosθ+b1)−(−B2・cosθ−b2)=(B1+B2)・cosθ+(b1+b2)となる。
前記信号調整手段13は、前記SIN信号とCOS信号のオフセット調整や利得調整を行い、両信号の振幅方向の基準(0点)と量(振幅量)とを一致させる機能を有している。すなわち、上記の例でいえば、利得調整とはA1+A2=B1+B2とすることにより、前記SIN信号とCOS信号の振幅係数を同じ値にすることを意味し、オフセット調整とはa1+a2=b1+b2=0として原点位置(0点)からの振幅の基準のずれを無くすことを意味している。
前記第1の関数演算手段14は、sin,cos,tan,tan−1=arctan,sinh,cosh,exp,logなどの関数値の計算を行うソフトウェア、例えば周知のCORDIC(Coordinate Rotation Digital Computer)アルゴリズムを用いた数値計算ソフトウェアを搭載しており、ここでは前記SIN信号のデジタルデータを前記COS信号のデジタルデータで除して正接値(tan=SIN信号/COS信号)を計算するTAN処理と、前記TAN処理で求めた値から逆正接値(arctan(SIN信号/COS信号))を計算して被測定物の補償前の回転角度φを求めるATAN処理とを有している。
図3はGMR素子G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、G8の膜構成を示すための断面図である。GMR素子G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、G8は、図3に示すように、下地層6、反強磁性層1、固定磁性層2、非磁性導電層3、フリー磁性層4、保護層7が順次積層されて積層体Cが形成されている。
積層体Cの反強磁性層1は、固定磁性層2との界面に生じる交換異方性磁界により、固定磁性層2の磁化の向きを固定する役割を果たしており、X−Mn合金(ただし、Xは、Pt、Pd、Ir、Rh、Ru、Osのうち1種または2種以上の元素)からなる。反強磁性層1は、膜厚が8〜30nm程度、元素Xの組成が、37〜63原子%、より好ましくは44〜57原子%である。
このような反強磁性層1は、耐食性に優れており、また、固定磁性層2との界面に生じる交換異方性磁界が強いので、固定磁性層Pの磁化の向きをより確実に固定することができる。さらに、ブロッキング温度が高く、高温まで交換異方性磁界が消失することがない。
X−Mn合金のなかでも、Pt−Mn合金やIr−Mn合金は、特に耐食性に優れ、ブロッキング温度が350℃以上と特に高く、交換異方性磁界が6.4×10(A/m)を越える。
なお、反強磁性層1は、X−Mn−X’合金(ただし、X’は、Ne、Ar、Kr、Xe、Be、B、C、N、Mg、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ag、Cd、Sn、Hf、Ta、W、Re、Au、Pd、及び希土類元素のうち1種または2種以上の元素である)としてもよい。
固定磁性層2は3層の人工フェリ磁性構造である。このとき、固定磁性層2は、反強磁性層1と接触して形成されたCo、NiFe合金、CoNi合金、CoFe合金、CoFeNi合金等からなる第1の固定磁性層2aから順に、Ru、Rh、Cr、Re、Cu等からなる非磁性層2b、第1の固定磁性層2aと同じ強磁性材料からなる第2の固定磁性層2cからなる。
第1の固定磁性層2aは、反強磁性層1との界面に生じる交換磁気異方性磁界Hexにより、磁化の向きが決まる。第2の固定磁性層2cは、第1の固定磁性層2aと非磁性層2bを介したRKKY的な相互作用によって結合しており、第2の固定磁性層2cは、磁化の向きが第1の固定磁性層2aにおける磁化の向きと反平行に固定されている。交換磁気異方性磁界Hexと前記RKKY的な相互作用を合わせた固定磁性層2の磁化を固定する磁界を一方向性交換バイアス磁界Hex*という。一方向性交換バイアス磁界Hex*が大きくなると第2の固定磁性層2cの磁化方向を一方向に固定する力が強くなり、第2の固定磁性層2cの磁化が変動しにくくなる。
非磁性導電層3は、Cu等の良導電材料からなり、固定磁性層Pとフリー磁性層Fの間に挟まれて、固定磁性層2とフリー磁性層4を磁気的に分離する役割を果たしている。
フリー磁性層4は、非磁性導電層3上に拡散防止層4a、軟磁性層4bが順次積層された二層構造であり、膜厚が1.5〜8nmである。
フリー磁性層4の膜厚が厚すぎると、フリー磁性層4の単位面積あたりの磁気モーメントが増大してフリー磁性層4の磁化が回転し難くなり、回転角度センサの検出精度が劣化する。また、フリー磁性層4の膜厚が薄すぎると、GMR効果による電極層5間の抵抗変化率が低下して、回転角度センサの感度が劣化する。
軟磁性層4bは、FeNi合金、あるいはCoFeNi合金からなる。拡散防止層4aは、CoやCoFe合金からなり、軟磁性層4bのNi原子が非磁性導電層3に相互拡散することを防いでいる。拡散防止層4aは、軟磁性層4bの磁気特性を阻害しないように薄く形成されて、膜厚が0.5〜1.6nmである。
また、フリー磁性層4は、NiFe合金やCoNiFe合金からなる第1、第2の軟磁性層がRu、Rh、Os、Cr等からなる非磁性層を介して対向しているシンセティックフェリ構造でも良い。このようなシンセティックフェリ構造のフリー磁性層4では、磁化が回転し易くなり、回転角度センサの検出精度をより向上させることができる。
フリー磁性層4は、スパッタにより成膜されて、フリー磁性層4の成膜は、フリー磁性層4に誘導磁気異方性を付与しないように、無磁場中或いは回転磁場中で行われる。フリー磁性層4上には、Ta、Cr等からなる保護層7が形成されている。
積層体Cの長辺方向の両端には電極層5が設けられている。電極層5から積層体Cの膜面平行方向に直流電流が流される。
前記角度検出センサ100の動作について説明する。
図4は2組のブリッジ回路から出力される信号の関係を示す波形図である。
前記ホイール2に入力角度をθとする回転を与えると、前記第1のブリッジ回路WB1から+sin信号として+sinθと−sin信号として−sinθが出力され、前記第2のブリッジ回路WB2から+cos信号として+cosθと−cos信号として−cosθが出力される。なお、ここでは説明の都合上、前記振幅係数A1,A2,B1およびB2をA1=A2=B1=B2=1、前記オフセット係数a1,a2,b1およびb2をa1=a2=b1=b2=0としている。このようにしても、結局は前記信号調整手段13やTAN処理によって同様の効果、すなわち前記各係数が消去されてしまうため、特に問題はない。
なお、図4の図中には表示されていないが、前記4つの信号(+sin信号、−sin信号、+cos信号および−cos信号)には、各磁気抵抗効果素子の抵抗値変化歪みに基づいて発生する波形歪みによる誤差信号が含まれている。
前記第1の信号変換手段12Aは前記+sin信号(+sinθ)と−sin信号(−sinθ)とからSIN信号(2sinθ=+sinθ−(−sinθ))を生成し、前記第2の信号変換手段12Bは前記+cos信号と−cos信号からCOS信号(2cosθ=+cosθ−(−cosθ))を生成する。
前記第1,第2の信号変換手段12A,12Bから出力された前記SIN信号とCOS信号は前記信号調整手段13においてオフセット調整と利得調整とが行われ、0点や振幅などが合わせ込まれる。次に、前記第1の関数演算手段14のTAN処理によって正接値(tan)がSIN信号/COS信号=2sinθ/2cosθ=sinθ/cosθ=tanθとして算出される。さらにATAN処理によって逆正接値が算出される。このとき前記第1の関数演算手段14から出力される検出角度をθとすると、θ=arctan(SIN信号/COS信号)=arctan(tanθ)である。
図5は入力角度θと検出角度θとの関係を示すグラフ、図6は検出角度θに重畳している波形歪み(誤差信号)を示すグラフである。なお、前記検出角度θ、すなわちarctan(sinθ/cosθ)をグラフ化すると通常は不連続なグラフとなるが、ここでは検出角度θが入力角度θ=0〜360度に対して連続的に変化するように変換したもので示している。
前記4つの信号には波形歪みが誤差信号として含まれているため、図5に示すように検出角度θは、理想的な回転角度を示す直線(0度と360度を結ぶ直線)上に誤差信号(波形歪み)が重畳した形となる。
前記検出角度θの値から理想的な回転角度を減算して両者の角度ずれ(θ−θ)を求めると、検出角度θに含まれている誤差信号(波形歪み)を表示させることができる。そして、図5に示すように横軸を入力角度θとし、縦軸を波形歪み(θ−θ)(度、Degree)とすると、前記誤差信号(波形歪み)をグラフ化することができる。
本発明では、固定磁性層2の一方向性交換バイアス磁界Hex*を200kA/m以上にすることにより、波形歪みを7度以下に抑えることを可能にした。さらに、固定磁性層2の一方向性交換バイアス磁界Hex*を320kA/m以上にして、波形歪みを4度以下にすることも可能である。
また、フリー磁性層4の軟磁性層4bをNiFe合金、拡散防止層4aをCoFe合金を用いて形成することにより、フリー磁性層4の磁歪定数λの絶対値を1.3ppm以下にすることができる。フリー磁性層4の磁歪定数を小さくできると、角度検出センサに曲げ応力が加わったときの位相誤差を低減することができる。フリー磁性層4の磁歪定数λの絶対値を1.3ppm以下にするためには、例えば、フリー磁性層4の拡散防止層4aをCo90Fe10合金で形成して膜厚を9Å以上16Å以下とし、軟磁性層4bをNi81.5Fe18.5合金で形成して膜厚を10Å以上50Å以下にする。
GMR素子(図3参照)の固定磁性層2の一方向性交換バイアス磁界Hex*と、このGMR素子を用いて形成した角度検出センサ(図1参照)の波形歪みとの関係を調べた。
GMR素子の膜構成は下から
シード層(NiFeCr(60Å))/反強磁性層(PtMn(200Å))/第1の固定磁性層(Co90Fe10)/非磁性中間層(Ru(8.7Å))/第2の固定磁性層(Co90Fe10)/非磁性材料層(Cu(21Å))/フリー磁性層(Co90Fe10(10Å)/Ni81.5Fe18.5(20Å)/保護層(Ta(50Å))である。なお括弧の中の数値は膜厚を表している。
図7に結果を示す。GMR素子の固定磁性層2の一方向性交換バイアス磁界Hex*が大きくなると、角度検出センサの波形歪みは小さくなる。なお、波形歪みとは、実際の入力角度と検出角度の差、すなわち検出誤差の最大値であり図6に示される誤差の振幅である。
一方向性交換バイアス磁界Hex*が200kA/m(2500Oe)を超えると、波形歪みが急激に小さくなる。図1に示された角度検出センサの磁石M1,M2間に発生している外部磁場Hが小さくければ、波形歪みも小さくなる。
外部磁場Hが56kA/mのとき、一方向性交換バイアス磁界Hex*が200kA/m以上であると波形歪みは6.7度以下になる。一方向性交換バイアス磁界Hex*が280kA/m以上であると波形歪みは4.0度以下、一方向性交換バイアス磁界Hex*が320kA/m以上であると波形歪みは3.7度以下、一方向性交換バイアス磁界Hex*が400kA/m以上であると波形歪みは3.2度以下になる。
外部磁場Hが40kA/mのとき、一方向性交換バイアス磁界Hex*が200kA/m以上であると波形歪みは4度以下になる。一方向性交換バイアス磁界Hex*が280kA/m以上であると波形歪みは2.5度以下、一方向性交換バイアス磁界Hex*が320kA/m以上であると波形歪みは2.3度以下、一方向性交換バイアス磁界Hex*が400kA/m以上であると波形歪みは1.8度以下になる。
外部磁場Hが24kA/mのとき、一方向性交換バイアス磁界Hex*が200kA/m以上であると波形歪みは2.5度以下になる。一方向性交換バイアス磁界Hex*が280kA/m以上であると波形歪みは1.7度以下、一方向性交換バイアス磁界Hex*が320kA/m以上であると波形歪みは1.6度以下、一方向性交換バイアス磁界Hex*が400kA/m以上であると波形歪みは1.2度以下になる。
GMR素子の固定磁性層の一方向性交換バイアス磁界Hex*の調整は、図3に示されたGMR素子の固定磁性層2の磁気的膜厚(飽和磁束密度Msと膜厚tの積)を変化させることによって行うことが出来る。この固定磁性層2の磁気的膜厚Ms・tの調節は、第2の固定磁性層2cの磁気的膜厚Ms・t(飽和磁束密度Msと膜厚tの積)と第1の固定磁性層2aの磁気的膜厚Ms・tの差を変化させることによって行うことができる。
図8は、固定磁性層2の磁気的膜厚Ms・tと固定磁性層の一方向性交換バイアス磁界Hex*の関係を示すグラフである。固定磁性層2の正味の磁気的膜厚は、第2の固定磁性層(Pin2)2cの磁気的膜厚Ms・t(飽和磁束密度Msと膜厚tの積)から第1の固定磁性層(Pin1)2aの磁気的膜厚Ms・tを引いた値である。ここでは、第1の固定磁性層2aの膜厚を12Åに固定して、第2の固定磁性層2cの膜厚を変化させることにより、固定磁性層2の正味の磁気的膜厚を変化させたときの一方向性交換バイアス磁界Hex*、第1の固定磁性層2aの膜厚を14Åに固定して、第2の固定磁性層2cの膜厚を変化させることにより、固定磁性層2の正味の磁気的膜厚を変化させたときの一方向性交換バイアス磁界Hex*、第1の固定磁性層2aの膜厚を18Åに固定して、第2の固定磁性層2cの膜厚を変化させることにより、固定磁性層2の正味の磁気的膜厚を変化させたときの一方向性交換バイアス磁界Hex*を示している。
図8に示されるように、第2の固定磁性層2cの磁気的膜厚Ms・tを第1の固定磁性層2aの磁気的膜厚Ms・tに対して小さくして固定磁性層2の正味の磁気的膜厚(netMs・t)を小さくしていくと、固定磁性層2の一方向性交換バイアス磁界Hex*が大きくなる。
第1の固定磁性層(Pin1)の膜厚が12Åのとき、一方向性交換バイアス磁界Hex*を280kA/m以上にするためには、固定磁性層2の正味の磁気的膜厚(netMs・t)を0.027(memu/cm)以下、一方向性交換バイアス磁界Hex*を320kA/m以上にするためには、固定磁性層2の正味の磁気的膜厚(netMs・t)を0.011(memu/cm)以下、一方向性交換バイアス磁界Hex*を400kA/m以上にするためには、固定磁性層2の正味の磁気的膜厚(netMs・t)を−0.013(memu/cm)以下にすればよい。
第1の固定磁性層(Pin1)の膜厚が14Åのとき、一方向性交換バイアス磁界Hex*を280kA/m以上にするためには、固定磁性層2の正味の磁気的膜厚(netMs・t)を0.010(memu/cm)以下、一方向性交換バイアス磁界Hex*を320kA/m以上にするためには、固定磁性層2の正味の磁気的膜厚(netMs・t)を−0.008(memu/cm)以下、一方向性交換バイアス磁界Hex*を400kA/m以上にするためには、固定磁性層2の正味の磁気的膜厚(netMs・t)を−0.033(memu/cm)以下にすればよい。
第1の固定磁性層(Pin1)の膜厚が18Åのとき、一方向性交換バイアス磁界Hex*を200kA/m以上にするためには、固定磁性層2の正味の磁気的膜厚(netMs・t)を0.031(memu/cm)以下、一方向性交換バイアス磁界Hex*を280kA/m以上にするためには、固定磁性層2の正味の磁気的膜厚(netMs・t)を−0.028(memu/cm)以下、一方向性交換バイアス磁界Hex*を320kA/m以上にするためには、固定磁性層2の正味の磁気的膜厚(netMs・t)を−0.046(memu/cm)以下、一方向性交換バイアス磁界Hex*を400kA/m以上にするためには、固定磁性層2の正味の磁気的膜厚(netMs・t)を−0.074(memu/cm)以下にすればよい。
なお、図8には反強磁性層と第1の固定磁性層の間に働く交換結合磁界Hexの値も示している。第1の固定磁性層(Pin1)2aの膜厚が薄い方が交換結合磁界Hexは大きくなる。
本発明では、角度検出センサを構成するGMR素子の固定磁性層の一方向性交換バイアス磁界Hex*を320kA/m以上、第1の固定磁性層と反強磁性層の間に働く交換結合磁界Hexを320kA/m以上にすることができる。このとき、GMR素子の磁気抵抗変化率ΔMRを8%以上にすることができる。
このようなGMR素子を用いて形成した角度検出センサを、125℃の温度雰囲気、24kA/mの直交磁場中に1000時間放置した後、角度検出センサの波形歪みを測定すると0.1度以下にすることが出来た。
図1に示された角度検出センサを基板上に設置し、この基板の両端部に荷重を加えて角度検出センサを撓ませたときの、角度検出センサの位相誤差を調べた。
たわみ量と位相誤差は、図9に示される装置を用いて測定した。角度検出センサ20を基板21上に設置し、この基板21の両端部に荷重を加えたときの基板の下部に設置されたスペーサ部材22の厚さtの変化をたわみ量と定義する。
GMR素子の膜構成は下から
シード層(NiFeCr(60Å))/反強磁性層(PtMn(200Å))/第1の固定磁性層(Co90Fe10(14Å))/非磁性中間層(Ru(8.7Å))/第2の固定磁性層(Co90Fe10(12Å))/非磁性材料層(Cu(21Å))/フリー磁性層(Co90Fe10/Ni81.5Fe18.5)/保護層(Ta(50Å))である。なお括弧の中の数値は膜厚を表している。
結果を図10に示す。たわみ量が小さくなれば角度検出センサの位相誤差も小さくなる。また、角度検出センサを構成するGMR素子のフリー磁性層の磁歪定数λsと位相誤差との関係も調べた。フリー磁性層の磁歪定数λsが小さくなるほど、位相誤差が小さくなることがわかる。
図11は角度検出センサを構成するGMR素子のフリー磁性層の磁歪定数λsと位相誤差との関係を示すグラフである。
図11のグラフにおいて「歪」とは図10のグラフのたわみ量と同じ物理量であり、図9の基板21の両端部に荷重を加えたときの基板の下部に設置されたスペーサ部材の厚さの変化量である。「歪」が小さいほど、位相誤差も小さくなる。
また、フリー磁性層の磁歪定数λsが4ppm以下になると急激に位相誤差が低減している。
フリー磁性層の磁歪定数λsは、フリー磁性層の膜構成によって調節できる。
例えば、図3に示したようなGMR素子において、フリー磁性層4の拡散防止層4aをCo90Fe10合金で形成し、軟磁性層4bをNi81.5Fe18.5合金で形成する。
図12はNiFe合金からなる軟磁性層4bとその下層のCoFe合金からなる拡散防止層4aの合計膜厚を30Å又は40Åにし、拡散防止層4aの膜厚を変化させた時の、フリー磁性層4全体の磁歪定数λsの変化を示すグラフである。図12から拡散防止層の膜厚を適切に設定することにより、フリー磁性層4全体の磁歪定数λsの絶対値を0に近づけることができることがわかる。
本発明では、角度検出センサが配置される場所の温度が−40度から125度の範囲で変動しても、このような温度変化に起因する基板の歪みの影響をGMR素子が受けにくく、特性が安定する。また、基板の歪みの影響をGMR素子が受けにくいので、薄い厚さの基板を用いることが可能になり角度検出センサのコストを低下させることができる。
本発明の角度検出センサの構成を示すブロック構成図、 角度検出センサのセンサ部を示す平面図、 センサ部のGMR素子の断面図、 2組のブリッジ回路から出力される信号の関係を示す信号波形図、 入力角度θと検出角度θとの関係を示すグラフ、 検出角度θに重畳している誤差信号(波形歪み)を示すグラフ、 GMR素子の一方向性交換バイアス磁界Hex*と角度検出センサの波形歪みとの関係を示すグラフ、 固定磁性層の正味の磁気的膜厚と一方向性交換バイアス磁界Hex*の関係を示すグラフ、 たわみ試験の概念図、 角度検出センサのたわみ試験におけるたわみ量と角度検出センサの位相誤差との関係を示すグラフ、 GMR素子のフリー磁性層の磁歪定数と角度検出センサの位相誤差との関係を示すグラフ、 NiFe合金とCoFe合金が積層されたフリー磁性層のCoFe合金からなる層の膜厚と、フリー磁性層の磁歪定数を示すグラフ、 角度検出センサのセンサ部を示す平面図、
符号の説明
1 センサ部
2 ホイール
3 パッケージ
10 信号処理部
11 制御手段
12A 第1信号変換手段
12B 第2信号変換手段
13 信号調整手段
14 第1の関数演算手段
e 固定層の磁化方向(磁化の向き)
G1〜G8 GMR素子
H 外部磁界
K1,K2,K3,K4 チップ基板
M1,M2 磁石
WB1 第1のブリッジ回路
WB2 第2のブリッジ回路

Claims (8)

  1. 磁化の向きが固定された固定磁性層と、非磁性材料層と、前記非磁性材料層を挟んで前記固定磁性層と対向するフリー磁性層とを有する積層体および前記積層体の両端に接続された電極層を備えた磁気抵抗効果素子が設けられた固定部、および磁場を形成して前記固定部に対面して回転する回転部とを有し、
    前記固定部の表面に、固定磁性層の磁化の向きが互いに逆である前記磁気抵抗効果素子が対を成して設けられているとともに、対を成す前記磁気抵抗効果素子は、その抵抗値の差が出力されるように接続されて、前記回転部から前記磁気抵抗効果素子に与えられる前記固定部の表面に平行な磁場成分が検出される角度検出センサにおいて、
    前記磁気抵抗効果素子の前記固定磁性層の一方向性交換バイアス磁界Hex*が200kA/m以上であり、かつ、前記角度検出センサの検出誤差の最大値である波形歪みが7度以下であることを特徴とする角度検出センサ。
  2. 前記磁気抵抗効果素子の前記固定磁性層の一方向性交換バイアス磁界Hex*が320kA/m以上であり、かつ前記波形歪みが4度以下である請求項1に記載の角度検出センサ。
  3. 前記フリー磁性層はCoFe合金とNiFe合金の積層構造を有しており、磁歪定数λsの絶対値が1.3ppm以下である請求項1または2に記載の角度検出センサ。
  4. 前記フリー磁性層はCo90Fe10合金とNi81.5Fe18.5合金の積層構造を有しており、前記Co90Fe10合金の膜厚は9Å以上16Å以下、前記Ni81.5Fe18.5合金の膜厚は10Å以上50Å以下である請求項3に記載の角度検出センサ。
  5. 前記磁場が24kA/m以上56kA/m以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の角度検出センサ。
  6. 前記固定磁性層は、第1固定磁性層と、第2固定磁性層と、前記第1固定磁性層と前記第2固定磁性層の間に介在する非磁性層との人工フェリ磁性構造であり、前記第2固定磁性層は前記非磁性材料層に接して形成されており、
    前記第2固定磁性層の磁気的膜厚から前記第1固定磁性層の磁気的膜厚を引いた値で示される前記固定磁性層の正味の磁気的膜厚(netMs・t)は、0.031(memu/cm2)以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の角度検出センサ。
  7. 前記第1固定磁性層の膜厚は、12Å〜18Åの範囲内である請求項6記載の角度検出センサ。
  8. 前記第1固定磁性層及び前記第2固定磁性層はCoFe合金で形成される請求項6又は7に記載の角度検出センサ。
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