JP4692805B2 - 磁気検出素子およびその形成方法 - Google Patents

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    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive

Description

本発明は、信号磁界の変化を高感度に検知可能な磁気検出素子およびその形成方法に関する。
一般に、ハードディスクなどの記録媒体への磁気情報の書き込みおよび読み出しを行う磁気記録再生装置は、磁気記録ヘッドと磁気再生ヘッドとを含んでなる薄膜磁気ヘッドを備えている。このうち再生ヘッド部は、いわゆる巨大磁気抵抗効果(Giant Magnet-Resistive effect)を利用することにより磁気情報としてのデジタル信号の再生を実行する巨大磁気抵抗効果素子(以下、GMR素子)を有している。
薄膜磁気ヘッドに用いられるGMR素子は、一般的に図17に示したようなスピンバルブ構造をなしている。具体的には、磁化方向が一定方向に固着された固着層121と、外部磁界に応じて磁化方向が変化する自由層123と、これら固着層121と自由層123との間に挟まれた中間層122とを含む積層体120である(例えば特許文献1および2を参照。)。ここで、固着層121の上面(中間層122と反対側の面)および自由層123の下面(中間層122と反対側の面)は、それぞれ図示しない保護膜によって保護されている。固着層121は、詳細には例えば図18に示したように、中間層122の側から磁化固定膜124と反強磁性膜125とが順に積層されている。磁化固定膜124は、単層でもよいし、図19に示したように、中間層122の側から強磁性膜141と交換結合膜142と強磁性膜143とが順に形成されたシンセティック型としてもよい。一方、自由層123は、単層でもよいし、例えば図20に示したように中間層122の側から順に強磁性膜131と中間膜132と強磁性膜133とが形成され、強磁性膜131と強磁性膜133とが交換結合した構成としてもよい。このようなスピンバルブ構造は、スパッタリングや真空蒸着等の手法により形成される。
米国特許第5159513号明細書 米国特許第5206590号明細書
薄膜磁気ヘッドに用いられるGMR素子の固着層や自由層における構成材料等については、例えば、特許文献3に開示されている。固着層と自由層との間に挟まれる中間層の構成材料としては、例えば銅(Cu)が一般的である。ところが、この銅に替わって、例えば酸化アルミニウム(Al23)等の絶縁材料により非常に薄い中間層(トンネルバリア層)を形成し、いわゆるトンネル効果を利用可能にしたGMR素子も開発されている。
米国特許第5549978号明細書
薄膜磁気ヘッドに用いられるGMR素子においては、自由層が磁気記録媒体から発生する信号磁界に応じて磁化方向が自由に変化するようになっている。磁気記録媒体に記録された磁気情報の読み出しを行う際には、GMR素子に対し例えば積層面内方向に沿って読出電流を流す。この際、読出電流は、自由層の磁化方向の状態によって異なった電気抵抗値を示す。このため、記録媒体から発生する信号磁界の変化は、電気抵抗の変化として検知される。
これを、図21を参照して、より詳細に説明する。図21は、スピンバルブ構造における固着層121および自由層123の磁化方向と、読出電流の電気抵抗との関係を説明するものである。固着層121の磁化方向を符号J121で示し、自由層123の磁化方向を符号J123で示す。したがって、図21(A)は固着層121および自由層123の磁化方向が互いに平行な状態を示し、図21(B)は固着層121および自由層123の磁化方向が互いに反平行な状態を示す。図21において、積層面内方向に沿って読出電流を流す場合には、その読出電流は主に電気伝導率の高い中間層122を流れると考えられる。中間層122の内部を流れる電子eは、自由層123との界面K123および固着層121との界面K121において、散乱(電気抵抗の増加に寄与)または鏡面反射(電気抵抗の増加には寄与しない)のいずれかを受ける。図21(A)のように磁化方向J121と磁化方向J123とが互いに平行である場合、これと平行なスピンSeを持つ電子eは界面K121,K123において散乱されにくく、比較的低い電気抵抗を示す。しかし、図21(B)のように、磁化方向J121と磁化方向J123とが互いに反平行である場合、電子eは界面K121,K123のいずれかにおいて散乱を受けやすくなり、比較的高い電気抵抗を示すこととなる。なお、図21(B)では、紙面右方向のスピンSeを有する電子eが自由層123との界面K123において散乱を受ける様子を表している。このように、スピンバルブ構造のGMR素子では、磁化方向J121に対する磁化方向J123の角度に応じて読出電流の電気抵抗が変化する。磁化方向J123は外部磁界によって決まるので、結果として、記録媒体からの信号磁界の変化を読出電流の抵抗変化として検出することができる。
通常、スピンバルブ構造をなすGMR素子は、外部磁界が印加されていない(H=0である)場合、自由膜(自由層)の磁化方向と磁化固定膜(固着層)の磁化方向とが、互いに直交するように構成される。ここで、自由層の磁化容易軸方向は、固着層の磁化方向と揃えておく。このように構成されたGMR素子を、外部磁界の印加方向に対して固着層の磁化方向が平行となるように配置する。こうすることにより、自由層における磁化方向の動作範囲の中心点を、外部磁界が印加されていない(H=0である)状態とすることができる。すなわち、外部磁界が零の状態を、外部磁界変化によって変化し得る電気抵抗の振幅の中心とすることができる。このため、GMR素子にバイアス磁界を印加する必要がない。
上記について、図22および図23を参照して具体的に説明する。図22は、一般的な
ハードディスク装置において、GMR素子を搭載した薄膜磁気ヘッドにより記録媒体の磁
気情報を読み出す様子を表したものである。図22(A)に示したように、記録媒体の記
録面110の近傍にGMR素子120が配置される。この際、固着層121の磁化方向J
121が記録媒体の記録面110と直交する方向(Y軸方向)に沿って+Y方向となるよ
うにすると共に、自由層123の磁化方向J123が記録媒体のトラック幅の方向(X軸
方向)に沿って+X方向となるようにする。なお、この時点では、記録媒体からの信号磁
界の影響がないものとする。ハードディスク装置が駆動し、図22(B)に示したように
、記録媒体から例えば−Y方向の信号磁界方向J110が発生すると、磁化方向J123
は−Y方向となり、磁化方向J121とは反対向きとなる。したがって読出電流の抵抗値
は増加してしまう。一方、図22(C)に示したように、記録媒体からの信号磁界方向J110が例えば+Y方向である場合、磁化方向J123は+Y方向となり、磁化方向J121と同じ向きとなる。したがって読出電流の抵抗値は減少する。この抵抗変化を利用して、例えば図22(B)の状態を「0」、図22(C)の状態を「1」と対応づけることにより、信号磁界を2値情報として検出することができる。図22(A)〜図22(C)から明らかなように、磁化方向J123の振幅の中心は、図22(A)の状態(H=0)である。図23に、GMR素子120における外部磁界(信号磁界)Hと電気抵抗Rとの関係を示す。図23では、図22における−Y方向の外部磁界をH>0とし、+Y方向の外部磁界をH<0とする。図23に示したように、−Y方向の信号磁界強度が増加するに従い電気抵抗Rは増加し、やがて飽和する。+Y方向の信号磁界強度が増加するに従い電気抵抗Rは低下し、やがて飽和する。このように、外部磁界Hが零の状態を中心として、電気抵抗Rが変化する。したがって、零磁界において自由層の磁化方向と固定層の磁化方向とが互いに直交したスピンバルブ構造を有するGMR素子は、バイアス印加手段を特別に設ける必要がないので、ハードディスクやフレキシブルディスク、あるいは磁気テープなどに記録された磁気情報の読出に一般的に適用される。なお、磁化方向の直交化は、主に固着層の磁化方向を決定する規則化熱処理工程と、これに続く、自由層の磁化方向を決定する直交化熱処理工程とを経ることによって行われる。
図24に、固着層121の磁化方向J121と自由層123の磁化方向J123とが互いに直交した積層体120形成する工程の概略を示す。具体的には、まず、例えば+X方向の磁界H101を印加しながら自由層123をスパッタリング等により成膜し、磁化容易軸方向AE123を固定(図24(A)参照。)した後、中間層122と固着層121とを順に形成する。次に、図24(B)に示したように、磁界H101と直交する方向(例えば+Y方向)に磁界H102を印加しつつ、所定の温度でアニール処理を行う(規則化熱処理工程)。これにより、磁界H102の方向に磁化方向J121,J123が揃う。さらに、図24(C)に示したように、磁界H102と直交する方向(+X方向)に、比較的強度の弱い磁界H103を印加しながら、やや低い温度でアニール処理を行う(直交化熱処理工程)。これにより、磁化方向J121は固定されたまま、磁化方向J123のみ再度+X方向に向けられる。この結果、磁化方向J121,J123が互いに直交した積層体120が完成する。
上記のように直交化熱処理されたスピンバルブ構造のGMR素子は、高出力と共に高いダイナミックレンジを得るのに有効であり、ディジタル記録された磁化反転信号の再生に好適である。なお、このようなGMR素子以前には、異方性磁気抵抗効果(AMR)を利用したAMR素子がディジタル記録信号の再生手段として一般的に用いられていた。このAMR素子は、ディジタル信号に限らず、従来よりアナログ信号の再生手段としても利用されている(例えば特許文献4参照。)。最近では、AMR素子と同様に、GMR素子についてもアナログ信号の再生手段としての適用が検討されてきている(例えば特許文献5参照。)。
特表平9−508214号公報 特開2001−358378号公報
しかしながら、アナログ信号の再生手段としてGMR素子を適用する場合、以下に説明するように出力特性のヒステリシスが問題となる。直交化熱処理を施したGMR素子における自由層123を微視的に観察すると、図25に模式的に示したように、磁壁123Wによって仕切られた各磁区123Dのスピン方向123Sがばらついており、一定方向には揃っていない状態にある。このようなスピン方向123Sの乱れは、スピン方向123Sとほぼ直交する方向に外部磁界Hを印加した状態で読出電流を流したときに、外部磁界Hと電気抵抗Rとの関係におけるヒステリシス特性として現れてしまう。先に示した図23は自由層の各磁区のスピン方向が完全に一方向に揃った理想状態に対応するものであり、直交化熱処理を施したものは実際にはスピン方向123Sがばらつきを生じるので、図26に示したようにスピン方向123Sと直交する方向に磁界Hを印加したときの抵抗変化曲線はHC1となり、零磁界においてヒステリシスが発生する。このヒステリシスの発生は、図27に示したように、比較的低い周波数帯における1/fノイズ(1/f雑音)として現れる。1/fノイズは、ある周波数f以下で発生し、周波数fが小さくなるほど顕著になる。図27には、「雑音電圧密度」に対して、周波数fの低下とともにホワイトノイズ成分N1に比べて1/fノイズ成分N2による影響が大きくなっている様子が示されている。この1/fノイズの増大は、システム全体の信頼性を低下させる大きな要因であるので、好ましくない。
そこで上記特許文献5においては、線状または長方形状の複数の軟磁性体を平行配置することにより形状異方性を利用してヒステリシスを除去するようにしている。しかしながら、ヒステリシスを完全に除去することは難しく、僅かではあるがヒステリシスが発生してしまう。加えて、検知部分である軟磁性体の幅を狭くしたことにより自由層の形状異方性磁界が増大し、感度の低下を招くこととなる。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、その目的は、ヒステリシスの発現を抑制して1/fノイズを低減し、信号磁界を高感度に、かつ、安定して検出することが可能であると共に自由層を乱す強い外部磁界が印加された場合であってもその安定性を保持することができる磁気検出素子およびその形成方法を提供することにある。
本発明の第1の磁気検出素子は、自らの膜面と平行な一軸方向の検出対象磁界中に配置され、その検出対象磁界を検出するものであって、膜面と平行な面内において検出対象磁界と直交する方向に固着された磁化方向を有する固着層と、膜面と平行な面内において検出対象磁界に応じて磁化方向が変化し、かつ、この検出対象磁界が零のときに磁化方向が固着層の磁化方向と平行となる自由層と、固着層と自由層との間に挟まれた中間層とを含む積層体と、この積層体に対し、固着層の磁化方向と平行な方向に読出電流を供給する導線と、積層体に対し、固着層の磁化方向と直交する方向にバイアス磁界を印加するバイアス印加手段とを備え、中間層が、固着層と自由層との相互間に生じる固着層の磁化方向における交換バイアス磁界が正となる厚みを有するように構成したものである。この場合、例えば中間層が、2.1nm以上2.5nm以下の厚みを有するように構成することが好ましい。ここでいう「平行」とは、固着層の磁化方向と自由層の磁化方向とが、互いに完全に同一方向を向いている状態、すなわち厳密に0°の角度をなしている状態に加え、その状態に対して製造上生じる誤差や物性上のばらつきに起因する程度の傾きをなしている状態をも含む意である。また、ここでいう「交換バイアス磁界が正」とは、固着層におけるスピンの向きを基準として、自由層のスピンの向きが同一方向である場合を意味する。この「同一方向」とは、固着層のスピンの向きと自由層のスピンの向きとのなす角度が0°以上90°未満である状態に相当する。
本発明の第2の磁気検出素子は、自らの膜面と平行な一軸方向の検出対象磁界中に配置され、その検出対象磁界を検出するものであって、膜面と平行な面内において検出対象磁界と直交する方向に固着された磁化方向を有する固着層と、膜面と平行な面内において検出対象磁界に応じて磁化方向が変化し、かつ、この検出対象磁界が零のときに磁化方向が固着層の磁化方向と反平行となる自由層と、固着層と自由層との間に挟まれた中間層とを含む積層体と、この積層体に対し、固着層の磁化方向と平行な方向に読出電流を供給する導線と、積層体に対し、固着層の磁化方向と直交する方向にバイアス磁界を印加するバイアス印加手段とを備え、中間層が、固着層と自由層との相互間に生じる固着層の磁化方向における交換バイアス磁界が負となる厚みを有するように構成したものである。この場合、例えば中間層が、1.9nm以上2.0nm以下の厚みをなすように構成することが好ましい。ここでいう「反平行」とは、固着層の磁化方向と自由層の磁化方向とが、互いに完全に反対方向を向いている状態、すなわち厳密に180°の角度をなしている状態に加え、その状態に対して製造上生じる誤差や物性上のばらつきに起因する程度の傾きをなしている状態をも含む意である。また、ここでいう「交換バイアス磁界が負」とは、固着層におけるスピンの向きを基準として、自由層のスピンの向きが反対方向である場合を意味する。この「反対方向」とは、固着層のスピンの向きと自由層のスピンの向きとのなす角度が90°よりも大きく180°以下である状態に相当する。
本発明の第1および第2の磁気検出素子では、それぞれ上記のように構成されるので、外部磁界が零のときに固着層と自由層とが互いに直交する磁化方向を示す場合と比べ、自由層における各磁区のスピン方向のばらつきが低減される。このため、固着層の磁化方向と直交する方向に外部磁界を印加した状態で読出電流を流すと、上記の外部磁界の変化と抵抗変化との関係におけるヒステリシスの発現が抑制され、かつ、自由層の安定性も向上する。特に、自由層の磁化容易軸の方向が固着層の磁化方向と平行である場合には各磁区のスピン方向が揃いやすく、ヒステリシスがより低減される。
本発明の第1および第2の磁気検出素子では、中間層が銅により構成されていることが望ましい。
本発明の第1の磁気検出素子の形成方法は、自らの膜面と平行な一軸方向の検出対象磁界中に配置され、その検出対象磁界を検出する磁気検出素子の形成方法であって、検出対象磁界に応じて磁化方向が変化する第1の強磁性層と、中間層と、第1の強磁性層よりも大きな保磁力を有する第2の強磁性層とを順に形成することにより積層体を形成する積層工程と、第1および第2の強磁性層の磁化方向がいずれも膜面と平行な面内において検出対象磁界と直交し、かつ、互いに平行となるように規則化を行う規則化工程と、積層体に対し、第2の強磁性層の磁化方向と平行な方向に読出電流を供給する導線を形成する工程と、積層体に対し、膜面と平行な面内において第2の強磁性層の磁化方向と直交する方向にバイアス磁界を印加するバイアス印加手段を形成する工程とを含むようにしたものである。ここでは、第1および第2の強磁性層の相互間に生じる第2の強磁性層の磁化方向における交換バイアス磁界が正を示すこととなる厚みを有するように中間層を形成すると共に、規則化工程によって、検出対象磁界が零である初期状態における第1および第2の強磁性層の磁化方向の設定を完了するようにしている。「初期状態」とは、特定の方向を有する検出対象磁界が存在しない状態であり、検出対象磁界の検出を行う際の基準となる状態を意味する。
本発明の第2の磁気検出素子の形成方法は、自らの膜面と平行な一軸方向の検出対象磁界中に配置され、その検出対象磁界を検出する磁気検出素子の形成方法であって、検出対象磁界に応じて磁化方向が変化する第1の強磁性層と、中間層と、第1の強磁性層よりも大きな保磁力を有する第2の強磁性層とを順に形成することにより積層体を形成する積層工程と、第1および第2の強磁性層の磁化方向がいずれも膜面と平行な面内において検出対象磁界と直交し、かつ、互いに反平行となるように規則化を行う規則化工程と、積層体に対し、第2の強磁性層の磁化方向と平行な方向に読出電流を供給する導線を形成する工程と、積層体に対し、膜面と平行な面内において第2の強磁性層の磁化方向と直交する方向にバイアス磁界を印加するバイアス印加手段を形成する工程とを含むようにしたものである。ここでは、第1および第2の強磁性層の相互間に生じる第2の強磁性層の磁化方向における交換バイアス磁界が負を示すこととなる厚みを有するように中間層を形成すると共に、規則化工程によって、検出対象磁界が零である初期状態における第1および第2の強磁性層の磁化方向の設定を完了するようにしたものである。
本発明の第1および第2の磁気検出素子の形成方法では、上記の規則化工程によって、外部磁界が零である初期状態における第1および第2の強磁性層の磁化方向の設定を完了するようにしたので、第1の強磁性層と第2の強磁性層とが互いに直交する磁化方向を有する場合と比べて第1の強磁性層における各磁区のスピン方向のばらつきが低減される。このため、第2の強磁性層の磁化方向と直交する方向に外部磁界を印加した状態で読出電流を流すと、外部磁界の変化と抵抗変化との関係におけるヒステリシスの発現が抑制され、かつ、自由層の安定性も向上した磁気検出素子が得られる。
本発明の第1の磁気検出素子の形成方法では、銅を用いて、2.1nm以上2.5nm以下の厚みを有するように中間層を形成することが好ましい。また、磁化容易軸を有するように第1の強磁性層を形成すると共に、第1および第2の強磁性層の磁化方向が磁化容易軸と平行となるように規則化を行うようにすると、スピン方向のばらつきがより低減される。
本発明の第1の磁気検出素子の形成方法では、磁化容易軸の方向と同一方向に、例えば1.6kA/m以上160kA/m以下の磁界を印加しつつ、例えば250℃以上400℃以下の温度でアニール処理を施すことにより規則化を行うようにすると、ヒステリシスの発現がよりいっそう抑制される。
本発明の第2の磁気検出素子の形成方法では、銅を用いて、1.9nm以上2.0nm以下の厚みを有するように中間層を形成することが好ましい。また、磁化容易軸を有するように第1の強磁性層を形成すると共に、第2の強磁性層の磁化方向が磁化容易軸と平行となり、第1の強磁性層の磁化方向が磁化容易軸と反平行となるように規則化を行うようにすると、スピン方向のばらつきがより低減される。
本発明の第2の磁気検出素子の形成方法では、規則化工程において、磁化容易軸の方向と同一方向に磁界を印加しつつアニール処理を施したのち、磁化容易軸の方向と反対方向に磁界を印加しつつアニール処理を施し、さらに磁化容易軸の方向と同一方向に磁界を印加しつつアニール処理を施すようにすると、ヒステリシスの発現がよりいっそう抑制される。
本発明の第1の磁気検出素子によれば、一定方向に固着された磁化方向を有する固着層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化し、かつ、この外部磁界が零のときに磁化方向が固着層の磁化方向と平行となる自由層と、固着層と自由層との間に挟まれた中間層とを含む積層体を備え、中間層が、固着層と自由層との相互間に生じる固着層の磁化方向における交換バイアス磁界が正となる厚みを有するようにしたので、固着層の磁化方向と直交する方向に外部磁界を印加した状態で読出電流を流した場合において、上記の外部磁界の変化と抵抗変化との関係におけるヒステリシスの発現を抑制することができ、かつ、自由層の安定性も向上する。この際、形状異方性を利用した場合とは異なり、感度の低下が生じない。したがって、1/fノイズを抑え、信号磁界を高感度かつ安定して検出することが可能となる。この場合、磁界強度の大きさそのものの値を正確かつ連続的に測ることができるので、デジタルセンサに限らず、アナログセンサへの適用も十分に可能となる。特に、自由層が固着層の磁化方向と平行な磁化容易軸を有する場合には自由層のスピン方向の乱れを低減することができるので、結果的に、感度および安定性をより向上させることができる。
本発明の第2の磁気検出素子によれば、一定方向に固着された磁化方向を有する固着層と、外部磁界に応じて磁化方向が変化し、かつ、この外部磁界が零のときに磁化方向が固着層の磁化方向と反平行となる自由層と、固着層と自由層との間に挟まれた中間層とを含む積層体を備え、中間層が固着層と自由層との相互間に生じる固着層の磁化方向における交換バイアス磁界が負となる厚みを有するようにしたので、固着層の磁化方向と直交する方向に外部磁界を印加した状態で読出電流を流した場合において、上記本発明の第1の磁気検出素子と同様の効果が得られる。
本発明の第1および第2の磁気検出素子によれば、さらに、自由層に対し、固着層の磁化方向と直交する方向にバイアス磁界を印加するバイアス印加手段を有するようにすると、適切な強さのバイアス磁界を印加することによって外部磁界に対する読出電流の抵抗変化を線形とすることができる。ここで、固着層の磁化方向に延びるバイアス電流ラインによりバイアス印加手段を構成した場合には、バイアス電流を流す向きを決めることによりバイアス磁界の向きも決まる。
本発明の第1の磁気検出素子の形成方法によれば、外部磁界に応じて磁化方向が変化する第1の強磁性層と、中間層と、第1の強磁性層よりも大きな保磁力を有する第2の強磁性層とを順に形成することにより積層体を形成する積層工程と、第1および第2の強磁性層の磁化方向が互いに平行となるように規則化を行う規則化工程とを含み、第1および第2の強磁性層の相互間に生じる第2の強磁性層の磁化方向における交換バイアス磁界が正を示すこととなる厚みを有するように中間層を形成すると共に、規則化工程によって、外部磁界が零である初期状態における第1および第2の強磁性層の磁化方向の設定を完了するようにしたので、固着層の磁化方向と直交する方向に外部磁界を印加した状態で読出電流を流した場合において、上記の外部磁界の変化と抵抗変化との関係におけるヒステリシスの発現を抑制することができ、かつ、自由層の安定性も向上した磁気検出素子を得ることができる。この際、形状異方性を利用した場合とは異なり、感度の低下が生じない。特に、磁化容易軸を有するように第1の強磁性層を形成し、磁化容易軸の方向と同一方向に磁界を印加しつつアニール処理を施すことにより規則化を行い、第1および第2の強磁性層の磁化方向が磁化容易軸と平行となるようにすると、スピン方向のばらつきがより低減した構成が得られる。したがって、1/fノイズを抑え、信号磁界を高感度かつ安定して検出することが可能となる。この場合、磁界強度の大きさそのものの値を正確かつ連続的に測ることができるので、デジタルセンサに限らず、アナログセンサへの適用も十分に可能となる。特に、自由層が、固着層の磁化方向と平行な磁化容易軸を有する場合には自由層のスピン方向の乱れを低減することができるので、結果的に、感度および安定性をより向上させることができる。
本発明の第2の磁気検出素子の形成方法によれば、外部磁界に応じて磁化方向が変化する第1の強磁性層と、中間層と、第1の強磁性層よりも大きな保磁力を有する第2の強磁性層とを順に形成することにより積層体を形成する積層工程と、第1および第2の強磁性層の磁化方向が互いに反平行となるように規則化を行う規則化工程とを含み、第1および第2の強磁性層の相互間に生じる第2の強磁性層の磁化方向における交換バイアス磁界が負を示すこととなる厚みを有するように中間層を形成すると共に、規則化工程によって、外部磁界が零である初期状態における第1および第2の強磁性層の磁化方向の設定を完了するようにしたので、固着層の磁化方向と直交する方向に外部磁界を印加した状態で読出電流を流した場合において、上記の外部磁界の変化と抵抗変化との関係におけるヒステリシスの発現を抑制することができ、かつ、自由層の安定性も向上した磁気検出素子を得ることができる。この際、形状異方性を利用した場合とは異なり、感度の低下が生じない。特に、第1の強磁性層の磁化容易軸の方向と同一方向に磁界を印加しつつアニール処理を施す第1工程と、これと反対方向に磁界を印加しつつアニール処理を施す第2工程と、再度、磁化容易軸の方向と同一方向に磁界を印加しつつアニール処理を施す第3工程とを順におこなうことにより規則化を行い、第2の強磁性層の磁化方向を磁化容易軸と平行とし、かつ、第1の強磁性層の磁化方向を磁化容易軸と反平行となるようにすると、スピン方向のばらつきがより低減した構成が得られる。したがって、上記本発明の第1の磁気検出素子の形成方法と同様の効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1〜図7を参照して、本発明の第1の実施の形態としての磁気検出素子の構成について説明する。
図1は、本実施の形態の磁気検出素子10の概略構成を示したものである。図1(A)は磁気検出素子10の平面構成を示し、図1(B)は、図1(A)に示したIB−IB切断線の矢視方向における磁気検出素子10の断面構成を示す。図1(C)は、図1(A)に対応する等価回路を表す。磁気検出素子10は、それが置かれた環境における磁界(外部磁界)の有無や大きさを検出するものである。
図1(A)に示したように、磁気検出素子10は、積層体20と、これに隣接して設けられたバイアス印加手段としてのバイアス電流ライン30とが図示しない基板上に形成されている。積層体20は、後に詳述するように磁化方向が一定方向(図1では+Y方向)に固定された固着層を有している。バイアス電流ライン30は、積層体20の近傍において固着層の磁化方向に延びるように配設されており、バイアス電流31が流れるようになっている。バイアス電流31は、図1(A),(B)に示したように、矢印の向き(積層体20の近傍において+Y方向)に流すことが可能であるし、反対向き(積層体20の近傍において−Y方向)に流すことも可能である。なお、バイアス電流ライン30は積層体20とは電気的に絶縁されている。積層体20には、バイアス電流ライン30とは別にリード線が接続されており、端子T1,T2間に読出電流を流すことができるようになっている。ここで、積層体20は抵抗体とみなすことができるので、磁気検出素子10は図1(C)に示したような等価回路となる。
積層体20は、磁性層を含む複数の機能膜が積層されたものであり、図2に示したように、一定方向(例えば図2ではY方向)に固着された磁化方向J21を有する固着層21と、外部磁界Hに応じて変化する磁化方向J23を示す自由層23と、固着層21と自由層23との間に挟まれ、特定の磁化方向を示さない中間層22とを含むものである。中間層22は、銅(Cu)により構成され、上面および下面が固着層21および自由層23とそれぞれ接している。中間層22は、銅のほか金(Au)などの導電率の高い非磁性金属により構成することができる。図2は外部磁界Hが零(H=0)である初期状態を示しており、磁化方向J21に対して磁化方向J23が平行となっている。なお、固着層21の上面(中間層22と反対側の面)および自由層23の下面(中間層22と反対側の面)は、それぞれ図示しない保護膜によって保護されている。
固着層21と自由層23との間には磁化方向J21における交換バイアス磁界Hin(以下、単に「交換バイアス磁界Hin」と記す。)が生じており、中間層22を介して互いに作用し合っている。交換バイアス磁界Hinの強度は、固着層21と自由層23との相互間隔(すなわち中間層22の厚みt)に応じて自由層23のスピン方向が回転することにより変化する。本実施の形態では、中間層22が、交換バイアス磁界Hinが正となるような範囲の厚みtを有している。厚みtは、特に2.1nm以上2.5nm以下の範囲であることが望ましい。厚みtが2.5nmを超えてしまうと抵抗変化率が急激に低下してしまうので好ましくない。積層体20はスピンバルブ構造をなすGMR素子であり、外部磁界Hが印加されることにより、自由層23の磁化方向J23と固着層21の磁化方向J21との相対角度が変化するようになっている。この相対角度は、外部磁界Hの大きさや向きによって異なる。なお、図2では、下から自由層23、中間層22、固着層21の順に積層された場合の構成例を示しているが、これに限定されず、反対の順序で構成するようにしてもよい。
図3に、厚みt(横軸)と交換バイアス磁界Hin(縦軸)との関係を示す。さらに、図4に、厚みtと、固着層21のスピン方向SP21に対する自由層23のスピン方向SP23の変化との関係を模式的に示す。図4における符号t0〜t8は、図3と対応している。
厚みtの増加に伴い、交換バイアス磁界Hinは増減を繰り返し、徐々に零(Hin=0)となるように収束していく。ここで、厚みt=t0は、固着層21と自由層23とが完全に接している状態(中間層22が存在しない状態)に対応している。この場合には、固着層21と自由層23とが一体化しているのでスピン方向SP21,SP23は互いに同一の向きとなり、交換バイアス磁界Hinは零(Hin=0)である。中間層22を挟んで固着層21と自由層23とが互いに僅かに離れ、中間層22の厚みtが磁気量子サイズtsよりも大きな厚みt=t1(例えば0.1〜1.0nm程度)となると、スピン方向SP23が僅かに回転し、スピン方向SP21に対して例えば45°の角度をなした状態となる。この場合、交換バイアス磁界Hinは正(Hin>0)を示す。さらに、厚みtがt2,t3,t4と順に増加していくとスピン方向SP23がさらに回転し、交換バイアス磁界Hinが徐々に低下する。スピン方向SP23がスピン方向SP21と直交する厚みt=t2において交換バイアス磁界Hinは零(Hin=0)となり、スピン方向SP21に対して例えば135°の角度をなした状態厚みt=t3では交換バイアス磁界Hinは負(Hin<0)を示す。交換バイアス磁界Hinが極小値を示す厚みt=t4となると、スピン方向SP23が当初の状態から反転した状態で安定化する。
さらに、厚みtがt5,t6,t7,t8と順に増加していくとスピン方向SP23がさらに回転し、交換バイアス磁界Hinが徐々に上昇する。スピン方向SP23がスピン方向SP21と直交する(270°の角度をなす)厚みt=t6において交換バイアス磁界Hinは零(Hin=0)となり、スピン方向SP21に対して315°の角度をなした状態厚みt=t7では交換バイアス磁界Hinは正(Hin>0)を示す。交換バイアス磁界Hinが極大値を示す厚みt=t8となると、スピン方向SP23がスピン方向SP21と平行状態となり安定化する。本実施の形態は、この状態に対応している。
図5に、固着層21の詳細な構成を示す。固着層21は、中間層22の側から磁化固定膜24と反強磁性膜25とが順に積層された構成となっている。磁化固定膜24は、コバルト(Co)やコバルト鉄合金(CoFe)などの強磁性材料によって構成されている。この磁化固定膜24の示す磁化方向が固着層21全体としての磁化方向J21となる。反強磁性膜25は、白金マンガン合金(PtMn)やイリジウムマンガン合金(IrMn)などの反強磁性材料により構成されている。反強磁性膜25は、一定方向(例えば+Y方向)のスピン磁気モーメントと反対方向(例えば−Y方向)のスピン磁気モーメントとが完全に打ち消し合った状態にあり、磁化固定膜24の磁化方向J21を固定するように機能する。保護膜26は、タンタル(Ta)やハフニウム(Hf)などの化学的に安定な非磁性材料からなり、磁化固定膜24や反強磁性膜25などを保護するものである。
磁化固定膜24は、単層構造としてもよいし、あるいは図6に示したように、中間層22の側から第1強磁性膜241と、交換結合膜242と第2強磁性膜243とが順に積層された構成とすることもできる。図6の構成をなす固着層21を有する積層体20は、シンセティック型スピンバルブ構造と呼ばれるものである。第1および第2強磁性膜241,243は、コバルトやCoFeなどの強磁性材料からなり、交換結合膜242は、例えばルテニウム(Ru)などの非磁性材料からなる。この場合、第1および第2強磁性膜241,243が互いに反対向きの磁化方向を示すように交換結合膜242を介して交換結合するので、磁化固定膜24全体としての磁化方向の安定化が図られる。さらに、磁化固定膜24から自由層23へ漏れる漏洩磁界を弱めることができる。
自由層23は、単層構造としてもよいし、あるいは図7に示したように、2つの強磁性薄膜231,233が中間膜232を介して交換結合した構成としてもよい。この場合には、自由層23の磁化困難軸における保磁力をより小さくすることができる。
バイアス電流ライン30は、例えば銅(Cu)や金(Au)などの高い導電性を有する金属材料からなり、積層体20に対し、バイアス磁界Hbを印加するように機能するものである。
続いて、上記の構成を有する磁気検出素子10の作用について説明する。
図2に示した自由層23は、磁化固定膜24とは異なり、外部磁界Hの大きさや向きによってその磁化方向J23が回転する。自由層23の磁化容易軸方向AE23は、固着層21の磁化方向J21と平行となるように形成されている。したがって、積層体20においては、外部磁界Hが零(すなわち、図2に示した初期状態)であるときには自由層23の磁化容易軸方向AE23と、磁化方向J23と、磁化方向J21とが全て互いに平行となっている。このため、外部磁界Hが零のときには、自由層23のスピン方向が一定方向に揃いやすい。図8は、外部磁界Hが零の場合における自由層23の各磁区におけるスピン方向を模式的に表した概念図である。図8に示したように、自由層23は磁壁23Wによって仕切られた複数の磁区23Dを有しており、それぞれのスピン23Sがほぼ同一方向(磁化方向J23)に揃っている。
このように、スピン方向の揃った自由層23を備えた積層体20は、磁化方向J21(磁化方向J23)と直交する方向に外部磁界Hを印加した場合、ヒステリシスをほとんど示さない。図9は、外部磁界Hと抵抗変化率ΔR/Rとの関係を示したものであるが、両者の関係は左右対称な、外部磁界H=0において極小値(ΔR/R=0)を示すほぼ1つの曲線C1で表されている。このため、磁気検出素子10を用いて磁化方向J21と直交する方向の外部磁界のセンシング(外部磁界の検出)を実行すると、自由層23の磁化方向J23の反転に起因するヒステリシスの発現が抑制され、1/fノイズが低減される。
本実施の形態の磁気検出素子10を用いてセンシングを行う場合には、図1に示したようにバイアス電流ライン30を用いて、積層体20に対しバイアス磁界Hbを印加する。具体的には、バイアス電流ライン30に、例えば+Y方向のバイアス電流31を流すことにより積層体20に対して+X方向のバイアス磁界Hbを発生させる。ここで、磁化方向J21,J23はいずれも+Y方向となるように配置されており、バイアス磁界Hbと直交することとなる。このように、バイアス磁界Hbを印加するのは、図9に示したように、外部磁界H=0の近傍において、曲線C1が非線形であるからである。外部磁界Hの変化を精度良く検出するためには、曲線C1の両側斜面部分に対応する2つの線形領域L1,L2の特性を利用することが望ましい。したがって、初期状態においてバイアス点BP1またはバイアス点BP2のいずれかに対応する大きさのバイアス磁界Hbを印加する必要がある。ここで、バイアス点BP1,BP2は、それぞれの線形領域L1,L2における中心に位置し、互いに同等の抵抗変化率ΔR/Rを示す位置にある。
例えば図1において+X方向の磁界Hを正と定義すると、+Y方向のバイアス電流31を流してバイアス点BP1に相当するバイアス磁界Hb(BP1)を発生させることが好ましい。この状態において正方向(+X方向)の外部磁界H+が印加されると、図9の曲線C1から明らかなように、積層体20の示す抵抗変化率ΔR/Rが(初期状態よりも)上昇する。反対に、バイアス磁界Hb(BP1)を印加した初期状態において負方向(−X方向)の外部磁界H−が印加されると、積層体20の示す抵抗変化率ΔR/Rが(初期状態よりも)低下する。また、−Y方向のバイアス電流31を流してバイアス点BP2に相当するバイアス磁界Hb(BP2)を発生させた場合には、正方向(+X方向)の外部磁界H+が印加されると抵抗変化率ΔR/Rが(初期状態よりも)低下し、負方向(−X方向)の外部磁界H−が印加されると抵抗変化率ΔR/Rが(初期状態よりも)上昇する。このように、いずれの場合においても抵抗変化率ΔR/Rの変化する方向によって外部磁界Hの向きが解るうえ、抵抗変化率ΔR/Rの変化する大きさによって外部磁界Hの大きさを知ることができる。なお、バイアス印加手段がなくともセンシングは一応可能である。しかし、バイアス印加手段を用いて線形領域L1,L2を使用するほうが、より精度の良いセンシングができる。
次に、磁気検出素子10の形成方法について説明する。以下図2および図10を参照して、詳細に説明する。図10は、磁気検出素子10の形成工程を簡略化して示した概念図である。
本実施の形態の磁気検出素子10の形成方法では、まず、図示しない基板上に、例えばNiFeなどの軟磁性材料を用いてスパッタリング等により(自由層23としての)第1の強磁性層を成膜する。この際、一定方向(例えば+Y方向)の磁界H1を印加しながら成膜することにより磁化容易軸方向AE23を決める(図10(A)参照)。次に例えば銅などの非磁性金属材料を用いて中間層22を形成し、さらに、第1の強磁性層よりも大きな保磁力を有する材料(例えばCoFeなど)を用いて(のちに固着層21となる)第2の強磁性層を形成する(積層工程)。こののち、第1の強磁性層の磁化方向J23と第2の強磁性層の磁化方向J21とが磁化容易軸方向AE23と対応するように規則化を行う(規則化工程)。具体的には、磁化容易軸方向AE23と同一の方向(例えば+Y方向)に1.6kA/m以上160kA/m以下の強さを有する磁界H2を印加しつつ、250℃以上400℃以下(好ましくは270℃)の温度で例えば4時間程度のアニール処理を施す。これにより、一定方向(+Y方向)に固着された磁化方向J21を有する固着層21が形成されると共に、この磁化方向J21と同方向である磁化容易軸方向AE23および磁化方向J23を示す自由層23が形成される。すなわち、この規則化工程によって、外部磁界Hが零である初期状態における固着層21および自由層23の磁化方向J21,J23の設定が完了する。以上により、基板上に自由層23と中間層22と固着層21とが順に形成された積層体20の形成が完了する。こののち、絶縁層を介してバイアス電流ライン30を形成する工程や、読出電流を流すためのリード線を接続するなど、所定の工程を経ることにより、磁気検出素子10が完成する。
以上のように、本実施の形態の磁気検出素子10およびその形成方法によれば、一定方向(Y方向)に固着された磁化方向J21を有する固着層21と、外部磁界Hに応じて変化し、かつ、この外部磁界Hが零のときに磁化方向J21と平行となる磁化方向J23を示す自由層23と、固着層21と自由層23との間に挟まれた中間層22とを含む積層体20を備え、交換バイアス磁界Hinが正となるように中間層22の厚みtを設定したので、磁化方向J21と直交する方向からの外部磁界によって磁化方向J23の反転が生じることがない。そのため、磁化方向J21,J23が安定化する。よって、磁化方向J21(磁化方向J23)と直交する方向に外部磁界Hを印加した状態で読出電流を流した場合には、上記の外部磁界Hの変化と抵抗変化Rとの関係における磁化方向J23の反転によるヒステリシスの発現を抑制できる。この結果、1/fノイズが抑えられ、信号磁界を高感度に、かつ安定して検出することが可能となる。特に、磁界強度の大きさの値そのものを正確かつ連続的に測定できるので、電流計のようなアナログセンサとして好適である。
[第2の実施の形態]
次に、主に図11を参照して、本発明の第2の実施の形態としての磁気検出素子10について説明する。
本実施の形態の磁気検出素子10は、積層体20における自由層23の磁化方向が上記第1の実施の形態と異なるように構成されているほかは同様の構成となっている。よって、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と重複する部分については適宜説明を省略する。
本実施の形態の積層体20は、図11に示したように、外部磁界Hが零(H=0)である初期状態において固着層21の磁化方向J21と反平行の磁化方向J23Aを示す自由層23を有している。中間層22の厚みtは、1.9nm以上2.0nm以下であることが望ましく、特に1.9nmであることが望ましい。
固着層21と自由層23との間には交換バイアス磁界Hinが生じており、その強度が負となっている。すなわち、図3および図4における、中間層22の厚みt=t4と対応した状態となっている。
このような構成の積層体20は、磁化方向J21と直交する方向に外部磁界Hを印加すると、図12に示したようにヒステリシスをほとんど生じない。図12は、外部磁界Hと抵抗変化率ΔR/Rとの関係を示したものであるが、両者の関係は左右対称な、外部磁界H=0において極大値(ΔR/R=0)を示すほぼ1つの曲線C2で表されている。このため、磁気検出素子10を用いて磁化方向J21と直交する方向の外部磁界のセンシング(外部磁界の検出)を実行すると、磁化方向J23Aの反転に起因するヒステリシスの発現が抑制され、1/fノイズが低減される。
本実施の形態の磁気検出素子10を用いてセンシングを行う場合には、上記第1の実施の形態と同様、図1に示したようにバイアス電流ライン30を用いて、積層体20に対しバイアス磁界Hbを印加することが望ましい。曲線C2の両側斜面部分に対応する2つの線形領域L3,L4の特性を利用し、外部磁界Hの変化を精度良く検出するためである。
次に、磁気検出素子10の形成方法について説明する。以下図11および図13を参照して、詳細に説明する。図13は、磁気検出素子10Aの形成工程を簡略化して示した概念図である。
本実施の形態の磁気検出素子10の形成方法では、まず、図示しない基板上に、自由層23としての第1の強磁性層を成膜する。この際、一定方向(例えば+Y方向)の磁界H1を印加しながら成膜することにより磁化容易軸方向AE23を決める(図13(A)参照)。次に中間層22を形成し、さらに、のちに固着層21となる第2の強磁性層を形成する(積層工程)。こののち、第2の強磁性層の磁化方向J21が磁化容易軸方向AE23と同一方向となるようにすると共に、第1の強磁性層の磁化方向J23Aがこれと反対方向となるように規則化を行う(規則化工程)。具体的には、磁化容易軸方向AE23と同一の方向(+Y方向)に1.6kA/m以上160kA/m以下の強さを有する磁界H2を印加しつつ、250℃以上400℃以下(好ましくは270℃)の温度で例えば4時間程度のアニール処理を施す(第1のアニール工程)。次に磁化容易軸方向AE23と反対の方向(−Y方向)に1.6kA/m以上160kA/m以下の強さを有する磁界H3を印加しつつ、250℃以上400℃以下(好ましくは270℃)の温度で例えば1時間程度のアニール処理を施す(第2のアニール工程)。さらに、磁化容易軸方向AE23と同一の方向(+Y方向)に1.6kA/m以上160kA/m以下の強さを有する磁界H4を印加しつつ、250℃以上400℃以下(好ましくは270℃)の温度で例えば1時間程度のアニール処理を施す(第3のアニール工程)。これにより、一定方向(+Y方向)に固着された磁化方向J21を有する固着層21が形成されると共に、この磁化方向J21と反対方向である磁化方向J23Aを示す自由層23が形成される。このように、磁化方向J21および磁化方向J23Aは互いに反対向きで安定となる。すなわち、第1〜第3のアニール工程を含む規則化工程によって、外部磁界Hが零である初期状態における固着層21および自由層23の磁化方向J21,J23Aの設定が完了する。以上により、基板上に自由層23と中間層22と固着層21とが順に形成された積層体20の形成が完了する。こののち、上記第1の実施の形態と同様の所定の工程を経ることにより、磁気検出素子10が完成する。なお、第2および第3のアニール工程を行わずともある程度の規則化は可能であるが、上記のように第1〜第3のアニール工程を経ることにより規則化がいっそう促進されるので、ヒステリシスの発現をより低減することができる。
このように、本実施の形態の磁気検出素子10およびその形成方法によれば、一定方向(Y方向)に固着された磁化方向J21を有する固着層21と、外部磁界Hに応じて変化し、かつ、この外部磁界Hが零のときに磁化方向J21と反平行となる磁化方向J23Aを示す自由層23と、固着層21と自由層23との間に挟まれた中間層22とを含む積層体20を備え、交換バイアス磁界Hinが負となるように中間層22の厚みtを設定したので、磁化方向J21,J23Aが互いに反対向きで安定化し、磁化方向J21と直交する方向からの外部磁界によって磁化方向J23Aの反転が生じることがない。そのため、磁化方向J21,J23Aが安定化し、磁化方向J21(磁化方向J23A)と直交する方向に外部磁界Hを印加した状態で読出電流を流した場合には、上記の外部磁界Hの変化と抵抗変化Rとの関係における磁化方向J23Aの反転によるヒステリシスの発現を抑制できる。この結果、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
次に、上記第1の実施の形態の磁気検出素子10についての具体的な数値実施例について説明する。
本実施例では、上記第1および第2の実施の形態における磁気検出素子の形成方法に基づき、以下の構成の積層体20を有する磁気検出素子10をそれぞれ形成した。積層体20の構成は、「ニッケル鉄合金(NiFe)0.3/コバルト鉄合金(CoFe)1.0/銅(Cu)/CoFe2.5/ルテニウム(Ru)0.8/CoFe1.5/白金マンガン合金(PtMn)15.0/タンタル(Ta)3.0」とした。ここで、「NiFe0.3/CoFe1.0」が2層構造の自由層23であり、「銅」が中間層22であり、「CoFe2.5/Ru0.8/CoFe1.5」が3層構造の磁化固定膜24であり、「PtMn15.0」が反強磁性膜25であり、さらに「タンタル3.0」が保護層である。なお、各材料名に続いて表示した数値が各層の厚み(nm)に対応する。本実施例では、中間層22の厚みを変えることにより、自由層23において、磁化方向J23または磁化方向J23Aのいずれかが選択される。
図14に、積層体20における諸特性の中間層22の厚みt依存性を示す。図14(A)は厚みtに対する交換バイアス磁界(Hin)の変化を表している。図14(A)に示したように、交換バイアス磁界Hinは、厚みt=1.6nmから徐々に低下し、1.80nm<t<2.1nmにおいて負となる。その後、さらに厚みtが増すと緩やかに上昇し、正の交換バイアス磁界Hinを示すようになる。したがって、厚みtが1.8nmよりも大きく2.0nm未満の範囲では、自由層23が磁化方向J23Aを示す第2の実施の形態に対応した状態となり、厚みtが2.1nm以上の範囲において自由層23が磁化方向J23を示す第1の実施の形態に対応した状態となる。
図14(B)は厚みtに対する保磁力Hcの変化を表している。図14(B)に示したように、保磁力Hcは、厚みt=1.6nmにおいて2×103/(4π)[A/m]を示し、その後t=2.6nmに至るまで緩やかに減少している。
図14(C)は厚みtに対する異方性磁界Hkの変化を表している。図14(C)に示したように、保磁力Hcは、厚みt=1.6nmからt=1.8nmにかけてやや急激に減少し、その後厚みtの増加に伴い緩やかに減少している。
図14(D)は厚みtに対する抵抗変化率ΔR/Rの変化を表している。図14(D)に示したように、抵抗変化率ΔR/Rは、厚みt=1.6nmからt=2.5nmにかけて12%前後の領域で緩やかに減少している。さらにt=2.6となると急激に低下し、8%となってしまう。
図14(E)および図14(F)は厚みtに対する抵抗変化量(ΔRs)およびシート抵抗(Rs)の変化をぞれぞれ表しており、いずれも、厚みt=1.6nmからt=2.6nmにかけて単調減少を示している。
次に、積層体20における抵抗変化率ΔR/Rの磁界依存性を調査したので、図15および図16にその結果を示す。
図15は、積層体20の固着層21の磁化方向J21と平行な方向に外部磁界Hを印加した場合の抵抗変化率ΔR/Rの変化を示す。ここで、中間層22の厚みtはt=1.5nmであり、固着層21と自由層23との交換バイアス磁界Hinは正を示している。図15(A)は、幅が2μmであり長さが180μmである矩形の平面形状をなす積層体20についての特性図であり、図15(B)は、幅が18μmであり長さが180μmである矩形の平面形状をなす積層体20についての特性図である。なお、図15(C)には、図17に示した従来の積層体120について、磁化方向J121と直交する方向に外部磁界Hを印加したときの特性図を併せて示す。図15(A)〜図15(C)において図中に示した(1)〜(4)の数字は、変化する方向をそれぞれ示している。
図15(A)〜図15(C)から明らかなように、いずれも、外部磁界Hを+側(磁化方向J21と同一方向)へ印加する場合と−側(磁化方向J21と同一方向)へ印加する場合とでは曲線が一致せず、ヒステリシスを発現した。
一方、図16は、積層体20の固着層21の磁化方向J21と直交する方向に外部磁界Hを印加した場合の抵抗変化率ΔR/Rの変化を示す。図16(A)は、図15(A)と同様、幅が2μmであり長さが180μmである矩形の平面形状をなす積層体20についての特性図であり、図16(B)は、図15(B)と同様、幅が18μmであり長さが180μmである矩形の平面形状をなす積層体20についての特性図である。なお、図16(C)および図16(D)には、図17に示した積層体120について、磁化方向J121と直交する方向に外部磁界Hを印加したときの特性図を併せて示す。図16(C)は、幅が18μmであり長さが180μmである矩形の平面形状をなす積層体120に関する特性図である。図16(C)において図中に示した(1)〜(4)の数字は、変化する方向を示している。一方、図16(D)は、幅が2μmであり長さが180μmである矩形の平面形状をなす積層体120関する特性図である。
図16(A)および図16(B)から明らかなように、本発明の積層体20は、いずれもヒステリシスをほとんど発現しない、良好な抵抗変化率ΔR/Rを示した。特に、幅を18μmとした場合(図16(B))には、幅を2μmとした場合(図16(A))よりも高い感度(曲線の傾き)を得ることができた。これに対し従来の積層体120では、幅を2μmに狭めて形状異方性を高めることにより、ヒステリシスの発現をある程度、抑制することができた(図16(D))が、図16(B)に示した本発明の積層体20と比べるとやや大きく、完全に無くすことはできなかった。
このように、本実施例では、交換バイアス磁界Hinが正となるように中間層22の厚みを設定したので、磁化方向J21と磁化方向J23とが互いに同一方向で安定化し、磁化方向J21と直交する方向に外部磁界Hを印加した状態においては、外部磁界Hの変化と抵抗変化R(抵抗変化率ΔR/R)との関係におけるヒステリシスの発現を抑制できることが確認された。
以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば本実施の形態では、導線を流れる電流によって生じるアナログ信号磁界を検出する場合について説明したが、これに限定されるものではない。本発明の磁気検出素子は、例えば、磁気エンコーダのように高いデューティー比のデジタル信号磁界を検出する用途としても適用可能である。
本発明の磁気検出素子は、電流計など、電流値そのものを図ることを目的とする場合に用いられるほか、プリント配線の欠陥などの検査を行う渦電流探傷技術に応用可能である。例えば、磁気検出素子を直線上に多数個配置したラインセンサを形成し、渦電流の変化を磁束の変化として捉えるような応用例が考えられる。
本発明の第1の実施の形態に係る磁気検出素子の構成を示す概略図である。 図1に示した磁気検出素子を構成する積層体を示す分解斜視図である。 図2に示した積層体における中間層の厚みと自由層のスピン方向との関係を示す概念図である。 図2に示した積層体における中間層の厚みと交換バイアス磁界との関係を示す特性図である。 図2に示した積層体における一部の詳細な構成を示す斜視図である。 図2に示した積層体における一部のさらに詳細な構成を示す斜視図である。 図2に示した積層体における他の一部の詳細な構成を示す斜視図である。 図2に示した積層体の自由層におけるスピン方向分布を模式的に表した概念図である。 図1に示した磁気検出素子における抵抗変化率の磁界依存性を示す特性図である。 図1に示した磁気検出素子の形成過程を表す概念図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気検出素子の構成を示す概略図である。 図11に示した磁気検出素子における抵抗変化率の磁界依存性を示す特性図である。 図11に示した磁気検出素子の形成過程を表す概念図である。 図1に示した磁気検出素子における諸特性と中間層の厚みとの関係を表す特性図である。 図1に示した磁気検出素子における抵抗変化率の磁界依存性を表す特性図である。 図1に示した磁気検出素子における抵抗変化率の磁界依存性を表す他の特性図である。 従来のスピンバルブ構造をなす積層体の構成を示す分解斜視図である。 図17に示した積層体における一部の詳細な構成を示す斜視図である。 図17に示した積層体における一部のさらに詳細な構成を示す斜視図である。 図17に示した積層体における他の一部の詳細な構成を示す斜視図である。 一般的なGMR効果の作用を説明するための説明図である。 図17に示した積層体を搭載した薄膜磁気ヘッドによる動作を説明するための説明図である。 図17に示した積層体における外部磁界(信号磁界)と電気抵抗との関係を示す特性図である。 図17に示した積層体の形成工程を表す概念図である。 図17に示した積層体の自由層におけるスピン方向分布を模式的に表した概念図である。 図17に示した積層体における抵抗変化率の磁界依存性を示す特性図である。 図17に示した積層体において発生するノイズの周波数依存性を示す特性図である。
符号の説明
BP1,BP2…バイアス点、J21,J23,J23A…磁化方向、L1〜L4…線形領域、SP21,SP23…スピン方向、10…磁気検出素子、20…積層体、21…固着層、22…中間層、23…自由層、24…磁化固定膜、25…反強磁性膜、30…バイアス電流ライン、31…バイアス電流、40〜42…基板。


Claims (20)

  1. 自らの膜面と平行な一軸方向の検出対象磁界中に配置され、その検出対象磁界を検出する磁気検出素子であって、
    前記膜面と平行な面内において前記検出対象磁界と直交する方向に固着された磁化方向を有する固着層と、
    前記膜面と平行な面内において前記検出対象磁界に応じて磁化方向が変化し、かつ、前記検出対象磁界が零のときに前記磁化方向が前記固着層の磁化方向と平行となる自由層と、
    前記固着層と前記自由層との間に挟まれた中間層と
    を含む積層体と、
    前記積層体に対し、前記固着層の磁化方向と平行な方向に読出電流を供給する導線と、
    前記積層体に対し、前記固着層の磁化方向と直交する方向にバイアス磁界を印加するバイアス印加手段と
    を備え、
    前記中間層は、前記固着層と前記自由層との相互間に生じる前記固着層の磁化方向における交換バイアス磁界が正となる厚みを有するように構成されている
    ことを特徴とする磁気検出素子。
  2. 前記中間層は、2.1nm以上2.5nm以下の厚みを有するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気検出素子。
  3. 自らの膜面と平行な一軸方向の検出対象磁界中に配置され、その検出対象磁界を検出する磁気検出素子であって、
    前記膜面と平行な面内において前記検出対象磁界と直交する方向に固着された磁化方向を有する固着層と、
    前記膜面と平行な面内において前記検出対象磁界に応じて磁化方向が変化し、かつ、前記検出対象磁界が零のときに前記磁化方向が前記固着層の磁化方向と反平行となる自由層と、
    前記固着層と前記自由層との間に挟まれた中間層と
    を含む積層体と、
    前記積層体に対し、前記固着層の磁化方向と平行な方向に読出電流を供給する導線と、
    前記積層体に対し、前記固着層の磁化方向と直交する方向にバイアス磁界を印加するバイアス印加手段と
    を備え、
    前記中間層は、前記固着層と前記自由層との相互間に生じる前記固着層の磁化方向における交換バイアス磁界が負となる厚みを有するように構成されている
    ことを特徴とする磁気検出素子。
  4. 前記中間層は、1.9nm以上2.0nm以下の厚みを有するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の磁気検出素子。
  5. 前記中間層は銅により構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の磁気検出素子。
  6. 前記自由層は、前記固着層の磁化方向と平行な磁化容易軸を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の磁気検出素子。
  7. 前記バイアス印加手段は、永久磁石または前記固着層の磁化方向に延びるバイアス電流ラインのうちのいずれか一方である
    ことを特徴とする請求項に記載の磁気検出素子。
  8. 自らの膜面と平行な一軸方向の検出対象磁界中に配置され、その検出対象磁界を検出する磁気検出素子の形成方法であって、
    前記検出対象磁界に応じて磁化方向が変化する第1の強磁性層と、中間層と、前記第1の強磁性層よりも大きな保磁力を有する第2の強磁性層とを順に形成することにより積層体を形成する積層工程と、
    前記第1および第2の強磁性層の磁化方向がいずれも前記膜面と平行な面内において前記検出対象磁界と直交し、かつ、互いに平行となるように規則化を行う規則化工程と、
    前記積層体に対し、前記第2の強磁性層の磁化方向と平行な方向に読出電流を供給する導線を形成する工程と、
    前記積層体に対し、前記膜面と平行な面内において前記第2の強磁性層の磁化方向と直交する方向にバイアス磁界を印加するバイアス印加手段を形成する工程と
    を含み、
    前記第1および第2の強磁性層の相互間に生じる前記第2の強磁性層の磁化方向における交換バイアス磁界が正を示すこととなる厚みを有するように前記中間層を形成し、
    前記規則化工程によって、前記検出対象磁界が零である初期状態における前記第1および第2の強磁性層の磁化方向の設定を完了する
    ことを特徴とする磁気検出素子の形成方法。
  9. 2.1nm以上2.5nm以下の厚みを有するように前記中間層を形成することを特徴とする請求項に記載の磁気検出素子の形成方法。
  10. 磁化容易軸を有するように前記第1の強磁性層を形成すると共に、前記第1および第2の強磁性層の磁化方向が前記磁化容易軸と平行となるように規則化を行う
    ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の磁気検出素子の形成方法。
  11. 一定方向の磁界を印加しながら前記第1の強磁性層を形成することにより、前記磁化容易軸の方向を設定する
    ことを特徴とする請求項10に記載の磁気検出素子の形成方法。
  12. 前記磁化容易軸の方向と同一方向に磁界を印加しつつアニール処理を施すことにより規則化を行う
    ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の磁気検出素子の形成方法。
  13. 1.6kA/m以上160kA/m以下の磁界を印加しつつ、250℃以上400℃以下の温度でアニール処理を施す
    ことを特徴とする請求項12に記載の磁気検出素子の形成方法。
  14. 自らの膜面と平行な一軸方向の検出対象磁界中に配置され、その検出対象磁界を検出する磁気検出素子の形成方法であって、
    前記検出対象磁界に応じて磁化方向が変化する第1の強磁性層と、中間層と、前記第1の強磁性層よりも大きな保磁力を有する第2の強磁性層とを順に形成することにより積層体を形成する積層工程と、
    前記第1および第2の強磁性層の磁化方向がいずれも前記膜面と平行な面内において前記検出対象磁界と直交し、かつ、互いに反平行となるように規則化を行う規則化工程と、
    前記積層体に対し、前記第2の強磁性層の磁化方向と平行な方向に読出電流を供給する導線を形成する工程と、
    前記積層体に対し、前記膜面と平行な面内において前記第2の強磁性層の磁化方向と直交する方向にバイアス磁界を印加するバイアス印加手段を形成する工程と
    を含み、
    前記第1および第2の強磁性層の相互間に生じる前記第2の強磁性層の磁化方向における交換バイアス磁界が負を示すこととなる厚みを有するように前記中間層を形成し、
    前記規則化工程によって、前記検出対象磁界が零である初期状態における前記第1および第2の強磁性層の磁化方向の設定を完了する
    ことを特徴とする磁気検出素子の形成方法。
  15. 1.9nm以上2.0nm以下の厚みを有するように前記中間層を形成することを特徴とする請求項14に記載の磁気検出素子の形成方法。
  16. 磁化容易軸を有するように前記第1の強磁性層を形成すると共に、
    前記第2の強磁性層の磁化方向が前記磁化容易軸と平行となり、前記第1の強磁性層の磁化方向が前記磁化容易軸と反平行となるように規則化を行う
    ことを特徴とする請求項14または請求項15に記載の磁気検出素子の形成方法。
  17. 一定方向の磁界を印加しながら前記第1の強磁性層を形成することにより、前記磁化容易軸の方向を設定する
    ことを特徴とする請求項16に記載の磁気検出素子の形成方法。
  18. 前記規則化工程において、
    前記磁化容易軸の方向と同一方向に磁界を印加しつつアニール処理を施す第1工程と、
    前記磁化容易軸の方向と反対方向に磁界を印加しつつアニール処理を施す第2工程と、
    前記磁化容易軸の方向と同一方向に磁界を印加しつつアニール処理を施す第3工程と
    を順におこなうことにより規則化をおこなう
    ことを特徴とする請求項16または請求項17に記載の磁気検出素子の形成方法。
  19. 前記第1から第3工程では、1.6kA/m以上160kA/m以下の磁界を印加しつつ、250℃以上400℃以下の温度でアニール処理を施す
    ことを特徴とする請求項18に記載の磁気検出素子の形成方法。
  20. 銅を用いて前記中間層を形成することを特徴とする請求項8から請求項19のいずれか1項に記載の磁気検出素子の形成方法。
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