JP2016186476A - 磁気センサ及び磁気式エンコーダ - Google Patents

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国博 上田
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義之 溝口
寛史 山崎
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寛史 山崎
克 渡邉
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克 渡邉
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Abstract

【課題】互いに異なる応答特性が要求される2種の磁気抵抗効果素子を有し、各磁気抵抗効果素子に要求される、異なる応答特性をともに向上させることのできる磁気センサ及び磁気式エンコーダを提供する。【解決手段】磁気センサ1は、外部磁界を検出可能な第1及び第2磁気抵抗効果素子31,41を備え、第1及び第2磁気抵抗効果素子31,41は、それぞれ、外部磁界に応じて磁化の方向が変化する磁化方向変化層315,415を少なくとも含み、第1磁気抵抗効果素子31の磁化方向変化層315の初期磁化方向における磁化方向変化層315の幅W1と、第2磁気抵抗効果素子41の磁化方向変化層415の初期磁化方向における磁化方向変化層415の幅W2とが、下記式(1)に示す関係を有し、外部磁界に対する第1磁気抵抗効果素子31の感度が、第2磁気抵抗効果素子41のそれよりも高い。W1>W2 ・・・(1)【選択図】図2

Description

本発明は、磁気センサ及びそれを備える磁気式エンコーダに関する。
従来、工作機械等において、移動体の回転移動や直線的移動による位置を検出するための位置検出装置が用いられている。この位置検出装置としては、磁気信号が記録された媒体と磁気センサとを備えるものが知られており、磁気センサによって、媒体と磁気センサとの相対的位置関係を示す信号を出力することができる。
かかる位置検出装置において用いられる磁気センサとしては、自由層と磁化固定層とを有する積層体であって、外部磁界に応じた自由層の磁化方向の変化に伴い抵抗が変化する磁気抵抗効果素子(MR素子)を備えるものが知られている。また、かかる位置検出装置において用いられる媒体としては、アブソリュート信号用トラックを有するもの、インクリメンタル信号用トラックを有するもの、アブソリュート信号用トラックとインクリメンタル信号用トラックとを有するもの等が知られている。
従来、アブソリュート信号用トラックとインクリメンタル信号用トラックとを有する媒体を備える位置検出装置に用いられる磁気センサとしては、アブソリュート信号用トラックに記録された磁気信号を検出するためのMR素子と、インクリメンタル信号用トラックに記録された磁気信号を検出するためのMR素子との2種のMR素子を有するものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−264112号公報
上記磁気センサにおいて、アブソリュート信号用トラックに記録された磁気信号を検出するためのMR素子は、媒体の相対移動に伴う磁界の変化に応じ、急峻に出力を変化させる特性(応答特性)が要求される。一方、インクリメンタル信号用トラックに記録された磁気信号を検出するためのMR素子は、媒体の相対移動に伴う磁界の変化に応じ、リニアに出力を変化させる特性(応答特性)が要求される。
このように、要求される応答特性が異なる2種のMR素子につき、近年、さらなる高感度、低ノイズ等の応答特性の向上が要求されている。従来、MR素子を構成する自由層等の各層を構成する材料や、当該各層の膜厚等の最適化等により、上記応答特性を向上させる試みがなされている。しかしながら、これらの試みにより上記応答特性をさらに向上させることは、非常に困難であるという問題がある。
上記課題に鑑み、本発明は、互いに異なる応答特性が要求される2種の磁気抵抗効果素子を有し、各磁気抵抗効果素子に要求される、異なる応答特性をともに向上させることのできる磁気センサ及び磁気式エンコーダを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、外部磁界を検出可能な第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子を少なくとも備える磁気センサであって、前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子は、それぞれ、前記外部磁界に応じて磁化の方向が変化する磁化方向変化層を少なくとも含み、前記第1磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の初期磁化方向における前記磁化方向変化層の幅W1と、前記第2磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の初期磁化方向における前記磁化方向変化層の幅W2とが、下記式(1)に示す関係を有し、前記外部磁界に対する前記第1磁気抵抗効果素子の感度が、前記外部磁界に対する前記第2磁気抵抗効果素子の感度よりも高い磁気センサを提供する(発明1)。
W1>W2 ・・・(1)
上記発明(発明1)によれば、出力の傾きが大きいこと(出力変化が急峻であること)が要求される第1磁気抵抗効果素子の磁化方向変化層の初期磁化方向における幅W1が、それよりも出力の傾きが小さいこと(出力変化がリニアであること)が要求される第2磁気抵抗効果素子の磁化方向変化層の初期磁化方向における幅W2よりも大きく、かつ第1磁気抵抗効果素子の感度が第2磁気抵抗効果素子の感度よりも高いことで、第1及び第2磁気抵抗効果素子のそれぞれに要求される異なる応答特性をともに向上させることができる。
上記発明(発明1)において、前記第1磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の前記幅W1に直交する方向の長さL1に対する前記幅W1の比W1/L1と、前記第2磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の前記幅W2に直交する方向の長さL2に対する前記幅W2の比W2/L2とが、ともに1.2以下であるのが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記第1磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の前記幅W1に直交する方向の長さL1対する前記幅W1の比W1/L1と、前記第2磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の前記幅W2に直交する方向の長さL2に対する前記幅W2の比W2/L2とが、下記式(2)に示す関係を有するのが好ましい(発明3)。
W1/L1≧W2/L2 ・・・(2)
上記発明(発明1〜3)において、前記第1磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の前記幅W1と前記第2磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の前記幅W2との比が、1:0.2〜0.9であるのが好ましい(発明4)。
また、本発明は、外部磁界を検出可能な第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子を少なくとも備える磁気センサであって、前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子は、それぞれ、前記外部磁界に応じて磁化の方向が変化する磁化方向変化層を少なくとも含み、前記第1磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の初期磁化方向における前記磁化方向変化層の幅W1及び当該幅W1に直交する方向の長さL1、並びに前記第2磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の初期磁化方向における前記磁化方向変化層の幅W2及び当該幅W2に直交する方向の長さL2が、下記式(3)及び(4)に示す関係を有する磁気センサを提供する(発明5)。
W1=W2 ・・・(3)
W1/L1>W2/L2 ・・・(4)
上記発明(発明5)によれば、出力の傾きが大きいこと(出力変化が急峻であること)が要求される第1磁気抵抗効果素子の磁化方向変化層の初期磁化方向における幅W1と、それよりも出力の傾きが小さいこと(出力変化がリニアであること)が要求される第2磁気抵抗効果素子の磁化方向変化層の初期磁化方向における幅W2とが同一であっても、幅W1の直交方向の長さL1に対する幅W1の比(アスペクト比)が、幅W2の直交方向の長さL2に対する幅W2の比(アスペクト比)よりも大きいことで、第1及び第2磁気抵抗効果素子のそれぞれに要求される異なる応答特性をともに向上させることができる。
上記発明(発明1〜5)において、前記第1磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の初期磁化方向における前記磁化方向変化層の幅W1に直交する方向の長さL1に対する前記幅W1の比は、0.8以上であるのが好ましい(発明6)。
上記発明(発明1〜6)において、前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子を積層方向上方から見たとき、前記第1磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の形状と前記第2磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の形状とが、同種形状であるのが好ましい(発明7)。
上記発明(発明1〜7)において、前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子として、TMR素子、GMR素子又はAMR素子を用いることができる(発明8)。
上記発明(発明1〜8)において、前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子は、磁化固定層、非磁性中間層及び前記磁化方向変化層がこの順で積層されてなるのが好ましく(発明9)、かかる発明(発明9)において、前記非磁性中間層が、MgOX(X=0.1〜0.9)であるのが好ましい(発明10)。
さらに、本発明は、上記発明(発明1〜10)に係る磁気センサと、アブソリュート磁気信号を記録したアブソリュート信号トラック及びインクリメンタル磁気信号を記録したインクリメンタル信号トラックを有し、前記磁気センサに対して相対的に移動可能なスケール部とを備え、前記第1磁気抵抗効果素子と前記アブソリュート信号トラックとが互いに対向し、かつ前記第2磁気抵抗効果素子と前記インクリメンタル信号トラックとが互いに対向するように、前記磁気センサと前記スケール部とが対向して設けられている磁気式エンコーダを提供する(発明11)。
上記発明(発明11)において、前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子のそれぞれにおける前記磁化方向変化層の初期磁化方向は、前記スケール部が相対的に移動する方向に直交する方向であるのが好ましい(発明12)。
本発明によれば、互いに異なる応答特性が要求される2種の磁気抵抗効果素子を有し、各磁気抵抗効果素子に要求される、異なる応答特性をともに向上させることのできる磁気センサ及び磁気式エンコーダを提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る磁気センサを備える磁気式エンコーダの概略構成を示す斜視図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る磁気センサの概略構成を示す平面図である。 図3は、本発明の実施の形態における第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子の概略構成を示す断面図である。 図4は、本発明の実施の形態における第1磁気抵抗効果素子の作用を説明するための斜視図(その1)である。 図5は、本発明の実施の形態における第2磁気抵抗効果素子の作用を説明するための斜視図(その1)である。 図6は、本発明の実施の形態における第1磁気抵抗効果素子の作用を説明するための斜視図(その2)である。 図7は、本発明の実施の形態における第2磁気抵抗効果素子の作用を説明するための斜視図(その2)である。 図8は、本発明の実施の形態における第1磁気抵抗効果素子の出力変化を示すグラフである。 図9は、本発明の実施の形態における第2磁気抵抗効果素子の出力変化を示すグラフである。 図10は、本発明の実施の形態に係る磁気センサを備える磁気式エンコーダの他の概略構成を示す斜視図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る磁気センサを備える磁気式エンコーダの概略構成を示す斜視図であり、図2は、本発明の実施の形態に係る磁気センサの概略構成を示す平面図であり、図3は、本発明の実施の形態に係る磁気センサの他の概略構成を示す平面図であり、図4は、本発明の実施の形態における磁気抵抗効果素子の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態における磁気式エンコーダ10は、第1の実施形態に係る磁気センサ1と、磁気センサ1に対して第1の方向(以下「X方向」という場合がある。)に相対的に移動可能なスケール部20とを備える。
本実施形態において、スケール部20は、いわゆるリニアスケールであって、アブソリュート磁気信号を記録したアブソリュート信号トラック21と、インクリメンタル磁気信号を記録したインクリメンタル信号トラック22とを有する。アブソリュート磁気信号及びインクリメンタル磁気信号は、それぞれ、第1の方向(±X方向)に着磁されている。なお、図1において、アブソリュート磁気信号及びインクリメンタル磁気信号の着磁方向がそれぞれ矢印にて示されている。
〔第1の実施形態〕
図1に示すように、第1の実施形態に係る磁気センサ1は、基板2と、基板2上に設けられた1個の第1磁気センサ部3及び2個の第2磁気センサ部4とを備える。第1磁気センサ部3は、スケール部20のアブソリュート信号トラック21に記録されたアブソリュート磁気信号を検出するための磁気センサである。第2磁気センサ部4は、スケール部20のインクリメンタル信号トラック22に記録されたインクリメンタル磁気信号を検出するための磁気センサである。
図2に示すように、第1磁気センサ部3は、スピンバルブ型の第1磁気抵抗効果素子(第1MR素子)31と、第1MR素子31を挟むように、第1MR素子31の第2の方向(以下、Y方向という場合がある。)両側に設けられたバイアス磁界発生部32とを備える。第2磁気センサ部4は、スピンバルブ型の第2磁気抵抗効果素子(第2MR素子)41と、第2MR素子41を挟むように、第2MR素子41のY方向両側に設けられたバイアス磁界発生部42とを備える。
基板2は、第1磁気センサ部3及び第2磁気センサ部4をともに支持可能な矩形状のものであり、例えば、ガラス、シリコン(Si)、酸化アルミニウム(Al23)、AlTiC(Al23−TiC)等により構成され得る。
第1の実施形態において、アブソリュート信号トラック21に記録されたアブソリュート磁気信号を検出する第1MR素子31は、当該トラック21(スケール部20)の相対移動による外部磁界の変化に応じ、出力を急峻に変化させ得る応答特性を有する。一方、インクリメンタル信号トラック22に記録されたインクリメンタル磁気信号を検出する第2MR素子41は、当該トラック22(スケール部20)の相対移動による外部磁界の変化に応じ、出力をリニアに変化させ得る応答特性を有する。すなわち、第1MR素子31による出力の傾きは、第2MR素子41による出力の傾きよりも大きくなる。例えば、−50〜50Oeの範囲で外部磁界が変化する場合、第1MR素子31による出力の傾きは、10mV/Oe以上程度である。一方、第2MR素子41による出力の傾きは、2〜5mV/Oe程度である。換言すれば、第1MR素子31の外部磁界に対する感度(mV/mT)が、第2MR素子41の外部磁界に対する感度よりも高い。第1MR素子31及び第2MR素子41は、それらの積層方向(Z方向)上方から見たときの寸法(幅)の違いにより、互いに異なる応答特性を効果的に発揮することができる。
より具体的には、第1MR素子31のY方向における幅W1及び第2MR素子41のY方向における幅W2は、下記式(1)に示す関係を有する。
W1>W2 ・・・(1)
第1の実施形態において、第1MR素子31のY方向における幅W1及び第2MR素子41のY方向における幅W2の比(W1:W2)は1:0.2〜0.9であるのが好ましく、1:0.2〜0.5であるのが特に好ましい。第1MR素子31の幅W1が、第2MR素子41の幅W2よりも大きいことで、第1MR素子31の出力を急峻に変化させ得るとともに、第2MR素子41の出力をリニアに変化させ得る。
第1の実施形態において、第1MR素子31のX方向における長さL1に対する幅W1の比(アスペクト比,W1/L1)と、第2MR素子32のX方向における長さL2に対する幅W2の比(アスペクト比,W2/L2)とは、下記式(2)に示す関係を有するのが好ましい。
W1/L1≧W2/L2 ・・・(2)
両者のアスペクト比(W1/L1,W2/L2)が上記式(2)に示す関係を有することで、第1MR素子31の出力をより急峻に変化させ得るとともに、第2MR素子41の出力をよりリニアに変化させ得る。
第1MR素子31及び第2MR素子41のアスペクト比(W1/L1,W2/L2)は、1.2以下であるのが好ましく、特に第1MR素子31のアスペクト比(W1/L1)は0.8以上であるのが好ましい。当該アスペクト比(W1/L1,W2/L2)が1.2を超えると、第1MR素子31及び第2MR素子41の磁化方向変化層315,415(図3参照)の初期磁化方向が、当該磁化方向変化層315,415の短手方向になることで、磁化を安定させ難くなるおそれがある。また、第1MR素子31のアスペクト比(W1/L1)が0.8未満であると、第1MR素子31の出力を急峻に変化させ難くなるおそれがある。
第1の実施形態において、第1MR素子31及び第2MR素子32の積層方向上方から見たときの形状は、特に限定されるものではないが、互いに同種形状とすることができる。なお、第1の実施形態において同種形状とは、例えば、第1MR素子31及び第2MR素子32の上記形状が多角形状である場合、角の数が同一(互いに四角形状、五角形状、六角形状等)であることを意味するものとする。
バイアス磁界発生部32,42は、例えば永久磁石により構成されており、磁化方向変化層315,415(図3参照)の初期磁化方向(外部磁界がゼロ(零磁界)のときの磁化方向変化層315,415全体の磁化315M,415M(図4,5参照))が所定の方向(第1の実施形態においてはY方向)に向くように、バイアス磁界を磁化方向変化層315,415に印加する。
第1MR素子31とバイアス磁界発生部32との間の長さG1は、第2MR素子41とバイアス磁界発生部42との間の長さG2よりも大きいのが好ましく、長さG1は1〜5μm程度であるのが好ましく、1〜2μm程度であるのがより好ましい。長さG2は、0〜5μm程度であるのが好ましく、0〜1μm程度であるのがより好ましい。長さG1が長さG2よりも大きいことにより、第1MR素子31に印加されるバイアス磁界の強度が、第2MR素子41に印加されるバイアス磁界の強度よりも小さくなるため、第1MR素子31からの出力の変化をより急峻にすることができる一方、第2MR素子41からの出力の変化をよりリニアにすることができる。なお、第1MR素子31とバイアス磁界発生部32との間の長さG1とは、磁気センサ1の平面視において(第1MR素子31の積層方向上方からみたときに)、第1MR素子31とバイアス磁界発生部32とのY方向における最短の間隔を意味する。第2MR素子41とバイアス磁界発生部42との間の長さG2も同様に、第2MR素子41とバイアス磁界発生部42とのY方向における最短の間隔を意味する。
次に、第1MR素子31及び第2MR素子41の積層構造について説明する。
図3に示すように、第1MR素子31及び第2MR素子41は、下地層311,411、反強磁性層312,412、磁化固定層313,413、非磁性中間層314,414、磁化方向変化層315,415及びキャップ層316,416がこの順に積層されてなる積層体である。下地層311,411の下層(基板2側)及びキャップ層316,416の上層に、それぞれ、Cu膜等により構成される下部電極層及び上部電極層(ともに図示せず)が設けられ、第1MR素子31及び第2MR素子41の積層方向に沿ってセンス電流が流れる。
下地層311,411は、基板2の結晶軸の影響を排除し、下地層311,411の上方に積層形成される各層の結晶性や配向性を向上させるために形成される。下地層311,411を構成する材料としては、例えば、Ta、Ru等が挙げられる。
反強磁性層312,412は、その上層の磁化固定層313,413の磁化方向を固定する役割を果たす層である。反強磁性層312,412を構成する材料としては、例えば、Pt,Ru,Rh,Pd,Ni,Cu,Ir,Cr及びFeのグループの中から選ばれる少なくとも1種の元素と、Mnとを含む反強磁性材料を用いることができる。この反強磁性材料におけるMnの含有量は、35〜95原子%であるのが好ましい
反強磁性材料の中には、熱処理を要さずに反強磁性を示して強磁性材料との間で交換結合磁界を誘起する非熱処理系反強磁性材料と、熱処理により反強磁性を示すようになる熱処理系反強磁性材料とがある。第1の実施形態においては、反強磁性層312,412を構成する材料として、いずれのタイプの反強磁性材料を用いてもよい。非熱処理系反強磁性材料としては、RuRhMn、FeMn、IrMn等が挙げられ、熱処理系反強磁性材料としては、PtMn、NiMn、PtRhMn等が挙げられる。
磁化固定層313,413は、第1磁化固定層313A,413A、中間層313B,413B及び第2磁化固定層313C,413Cが反強磁性層312,412上にこの順に積層された構成を有する。第1磁化固定層313A,413A及び第2磁化固定層313C,413Cを構成する材料としては、NiFe、CoZrTa、センダスト、NiFeCo、CoZrNb、CoFe等を例示することができ、中間層313B,413Bを構成する材料としては、Ru等を例示することができる。磁化固定層313,413の厚さは、3.5〜5.5nm程度とされ得る。
磁化固定層313,413において、第1磁化固定層313A,413Aの磁化は反強磁性層312,412によって強固に固定され、第2磁化固定層313C,413Cの磁化は、中間層313B,413Bを介して第1磁化固定層313A,413Aと交換結合され、強固に固定されている。第1の実施形態において、第2磁化固定層313C,413Cの磁化方向は、X方向に設定されている。
磁化方向変化層315,415は、スケール部20の相対移動に伴うアブソリュート磁気信号及びインクリメンタル磁気信号の信号磁界の変化に応じ、磁化方向が変化する軟磁性層である。磁化方向変化層315,415を構成する材料としては、NiFe、CoFe、CoFeB、CoFeNi、Co2MnSi、Co2MnGe、FeOX(Feの酸化物)等を例示することができる。磁化方向変化層315,415の厚さは、0.5〜8nm程度とされ得る。磁化方向変化層315,415における初期磁化方向は、バイアス磁界発生部32,42からのバイアス磁界の印加により、Y方向に設定されている。
非磁性中間層314,414は、第1の実施形態における第1MR素子31及び第2MR素子41に磁気抵抗効果(MR効果)を発現させるための必須の膜である。第1の実施形態における第1MR素子31及び第2MR素子41が、トンネル磁気抵抗効果を発揮するTMR素子である場合、非磁性中間層314,414は絶縁層により構成される。一方、第1の実施形態における第1MR素子31及び第2MR素子41が、GMR素子である場合、非磁性中間層は金属層により構成される。非磁性中間層314,414を構成する材料としては、例えば、Cu、Au、Ag、Zn、Ga、TiOX、ZnO、InO、SnO、GaN、ITO(Indium Tin Oxide)、Al23、MgO等が挙げられる。第1の実施形態における第1MR素子31及び第2MR素子41がTMR素子である場合、非磁性中間層314,414を構成する材料として、MgOX(X=0.1〜0.9)を用いるのが好ましい。非磁性中間層314,414を構成する材料としてMgOX(X=0.1〜0.9)を用いることで、より高いMR比が得られる。
非磁性中間層314,414は、好ましくは2層以上の積層膜により構成され得る。非磁性中間層314,414が2層以上の積層膜により構成されることで、MR素子(第1MR素子31、第2MR素子41)の抵抗調整を容易に行うことができる。例えば、非磁性中間層314,414は、MgO/MgOの2層積層膜や、Cu/ZnO/Cu、Cu/ZnO/Znの3層積層膜により構成され得る。なお、非磁性中間層314,414の厚さは、0.5〜5nm程度とされ得る。
キャップ層316,416は、第1MR素子31及び第2MR素子41を保護するための層である。キャップ層316,416としては、例えば、Ta,Ru,Cu,Ag,Rh,Cr,Tl,Re,Ir,Mo,W,Ti等のうちの1種の単層膜又は2種以上の積層膜が挙げられる。
上述したような構成を有する第1の実施形態における磁気式エンコーダ10の作用を説明する。
第1MR素子31において、磁化方向変化層315と磁化固定層313(第2磁化固定層313C)とは、それらの磁化315M,313Mが互いに実質的に直交している(図4参照)。この状態が、第1MR素子31としてのイニシャル状態(初期状態)である。第2MR素子41においても同様に、磁化方向変化層415と磁化固定層413(第2磁化固定層413C)とは、それらの磁化415M,413Mが互いに実質的に直交している(図5参照)。
第1の実施形態に係る磁気センサ1がスケール部20に対して−X方向に相対的に移動すると、アブソリュート磁気信号トラック21のアブソリュート磁気信号による、第1MR素子31の磁化方向変化層315に対する外部磁界の磁界強度が徐々に変化する。例えば、磁気センサ1及びスケール部20が互いに相対的に移動し、第1MR素子31とアブソリュート磁気信号トラック21のアブソリュート磁気信号との物理的距離が小さくなるに従い、第1MR素子31の磁化方向変化層315に対する外部磁界の磁界強度が徐々に大きくなる。第1の実施形態における第1MR素子31の磁化方向変化層315の幅W1が、第2MR素子41の磁化方向変化層415の幅W2よりも大きく、第1MR素子31の外部磁界に対する感度が、第2MR素子41の外部磁界に対する感度よりも高いことで、磁化方向変化層315に対する外部磁界の磁界強度が所定の閾値を超えたときに、磁化方向変化層315の磁化315Mが、実質的に90°回転し、磁化方向変化層315の磁化315Mと磁化固定層313の磁化313Mとが実質的に反平行(又は平行)となる(図6参照)。すなわち、第1磁気センサ3(第1MR素子31)における抵抗値が急峻に増大(又は減少)し、第1MR素子31による出力が急峻に変化する(図8参照)。これにより、アブソリュート位置の高精度での検出が可能となる。
一方、第1の実施形態に係る磁気センサ1がスケール部20に対して−X方向に相対的に移動すると、インクリメンタル磁気信号トラック22のインクリメンタル磁気信号による、第2MR素子41の磁化方向変化層415に対する外部磁界の磁界強度が徐々に変化する。第1の実施形態における第2MR素子41の磁化方向変化層415の幅W2が、第1MR素子31の磁化方向変化層315の幅W1よりも小さく、第2MR素子41の外部磁界に対する感度が、第1MR素子31の外部磁界に対する感度よりも低いことで、磁化方向変化層415に対する外部磁界の磁界強度の変化に応じて、磁化方向変化層415の磁化415Mが徐々に回転する(図7参照)。すなわち、第2磁気センサ4(第2MR素子41)における抵抗値が徐々に増大又は減少し、第2MR素子41による出力がリニアに変化する(図9参照)。これにより、インクリメンタル位置の高精度での検出が可能となる。
第1の実施形態における磁気式エンコーダ10においては、第1MR素子31の磁化方向変化層315の幅W1が、第2MR素子41の磁化方向変化層415の幅W2よりも大きいことで、第1MR素子31による出力を急峻に変化させることができる一方、第2MR素子41による出力をリニアに変化させることができる。
このように、第1の実施形態に係る磁気センサ1によれば、アブソリュート磁気信号を検出するための第1MR素子31の磁化方向変化層315の幅W1と、インクリメンタル磁気信号を検出するための第2MR素子41の磁化方向変化層415の幅W2とが、所望の関係(W1>W2)を有することで、それぞれに要求される応答特性(出力の急峻な変化、出力のリニアな変化)を効果的に発揮することができる。これにより、当該磁気センサ1を備える磁気式エンコーダ10によれば、アブソリュート磁気信号によるアブソリュート位置及びインクリメンタル磁気信号によるインクリメンタル位置を、従来に比してより高精度に検出することができる。
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態に係る磁気センサについて説明する。
第2の実施形態に係る磁気センサ1は、第1MR素子31の幅W1及びそれに直交する方向(X方向)の長さL1、並びに第2MR素子41の幅W2及びそれに直交する方向(X方向)の長さL2が、下記式(3)及び(4)に示す関係を有する。
W1=W2 ・・・(3)
W1/L1>W2/L2 ・・・(4)
なお、第2の実施形態に係る磁気センサ1は、第1MR素子31及び第2MR素子41の幅W1,W2及び長さL1,L2が上記式(3)及び(4)に示す関係を有する以外、上述した第1の実施形態に係る磁気センサ1と同様の構成を有する。そのため、各構成に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第2の実施形態に係る磁気センサ1を備える磁気式エンコーダ10において、磁気センサ1がスケール部20に対して−X方向に相対的に移動すると、アブソリュート磁気信号トラック21のアブソリュート磁気信号による、第1MR素子31の磁化方向変化層315に対する外部磁界の磁界強度が徐々に変化する。例えば、磁気センサ1及びスケール部20が互いに相対的に移動し、第1MR素子31とアブソリュート磁気信号トラック21のアブソリュート磁気信号との物理的距離が小さくなるに従い、第1MR素子31の磁化方向変化層315に対する外部磁界の磁界強度が徐々に大きくなる。第2の実施形態における第1MR素子31の磁化方向変化層315の幅W1と、第2MR素子41の磁化方向変化層415の幅W2とが同一であって、第1MR素子31の磁化方向変化層315のアスペクト比(W1/L1)が第2MR素子41の磁化方向変化層415のアスペクト比(W2/L2)よりも大きいことで、第1MR素子31の方が、第2MR素子41よりも外部磁界に対する感度が高い。その結果、磁化方向変化層315に対する外部磁界の磁界強度が所定の閾値を超えたときに、磁化方向変化層315の磁化315Mが、実質的に90°回転し、磁化方向変化層315の磁化315Mと磁化固定層313の磁化313Mとが実質的に反平行(又は平行)となる(図6参照)。すなわち、第1磁気センサ3(第1MR素子31)における抵抗値が急峻に増大(又は減少)し、第1MR素子31による出力が急峻に変化する(図8参照)。これにより、アブソリュート位置の高精度での検出が可能となる。
一方、第2の実施形態に係る磁気センサ1がスケール部20に対して−X方向に相対的に移動すると、インクリメンタル磁気信号トラック22のインクリメンタル磁気信号による、第2MR素子41の磁化方向変化層415に対する外部磁界の磁界強度が徐々に変化する。第2の実施形態における第1MR素子31の磁化方向変化層315の幅W1と、第2MR素子41の磁化方向変化層415の幅W2とが同一であって、第2MR素子41の磁化方向変化層415のアスペクト比(W2/L2)が、第1MR素子31の磁化方向変化層315のアスペクト比(W1/L1)よりも小さいことで、第2MR素子41の方が、第1MR素子31よりも外部磁界に対する感度が低い。その結果、磁化方向変化層415に対する外部磁界の磁界強度の変化に応じて、磁化方向変化層415の磁化415Mが徐々に回転する(図7参照)。すなわち、第2磁気センサ4(第2MR素子41)における抵抗値が徐々に増大又は減少し、第2MR素子41による出力がリニアに変化する(図9参照)。これにより、インクリメンタル位置の高精度での検出が可能となる。
このように、第2の実施形態に係る磁気センサ1によれば、アブソリュート磁気信号を検出するための第1MR素子31の磁化方向変化層315の幅W1及び長さL1、並びにインクリメンタル磁気信号を検出するための第2MR素子41の磁化方向変化層415の幅W2及び長さL2が、所望の関係(W1=W2,W1/L1>W2/L2)を有することで、それぞれに要求される応答特性(出力の急峻な変化、出力のリニアな変化)を効果的に発揮することができる。これにより、当該磁気センサ1を備える磁気式エンコーダ10によれば、アブソリュート磁気信号によるアブソリュート位置及びインクリメンタル磁気信号によるインクリメンタル位置を、従来に比してより高精度に検出することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態においては、第1MR素子31及び第2MR素子41として、積層膜構造を有するTMR素子、GMR素子を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、強磁性材料の単層膜構造を有するAMR素子であってもよい。
上記実施形態においては、第1MR素子31及び第2MR素子41の形状(積層方向上方から見たときの形状)が、互いに同種形状である例を挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、少なくとも磁化方向変化層315,415を当該同種形状とすることができ、その他の各層(磁化固定層313,413等)の形状に制限はない。この態様において、幅W1,W2及び長さL1,L2とは、磁化方向変化層315,415の幅W1,W2及び長さL1,L2を意味するものとし、その他の各層(磁化固定層313,413等)の幅や長さに特に制限はなく、適宜設定され得る。
上記実施形態において、磁気式エンコーダ10として、磁気センサ1と対向する磁気信号トラック(アブソリュート磁気信号トラック21及びインクリメンタル磁気信号トラック22)を有するリニアセンサを例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。本発明の磁気式エンコーダは、回転角度センサであってもよい。この場合、図10に示すように、ドラム状の回転体50の外周面51にアブソリュート磁気信号トラック21’及びインクリメンタル磁気信号トラック22’が設けられてなるスケール部20’と、上記実施形態に係る磁気センサ1とを備える構成であればよい。
上記実施形態において、磁気センサ1は、1個の第1MR素子31及び2個の第2MR素子41を備えているが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、第1磁気センサ部3は、複数個の第1MR素子31を含むものであってもよく、第2磁気センサ部4は、3個以上の第2MR素子41を含むものであってもよい。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
図3及び表1に示す層構成を有する第1MR素子31及びバイアス磁界発生部32としての永久磁石をSi基板2上に形成した。第1MR素子31の磁化方向変化層315の幅W1を2.0μm、長さL1を2.0μmとした(試料1,アスペクト比(W1/L1)=1)。磁化方向変化層315の幅W1及び長さL1を、表2に示すように変更した第1MR素子31を同様にして作製した(試料2〜7)。
Figure 2016186476
そして、試料1〜4の第1MR素子31に電圧1Vの定電流を印加しながら、外部磁界強度を−10〜10Oeの範囲で変化させて当該外部磁界を第1MR素子31に作用させ、第1MR素子31の感度(mV/mT)を求めた。結果を表2に示す。
続いて、試料1〜7の第1MR素子を用い、外部磁界強度を−50〜50Oeの範囲で変化させ、第1MR素子のそれぞれの出力変化量(最大出力と最小出力との差分,mV)を求めた。そして、外部磁界強度を−10〜10Oeの範囲で変化させたときの第1MR素子の出力変化量MP1(mV)と、−50〜50Oeの範囲で外部磁界を変化させたときの第1MR素子の出力変化量MP2(mV)とから、下記式により直線性に関する指標ILを算出した。結果を表2に示す。
IL=MP2/MP1
Figure 2016186476
表2に示すように、Y方向における幅W1が大きくなるほど、高感度になる、すなわち、出力を急峻に変化させ得ることが確認された。また、Y方向における幅W1が同一である場合でも、アスペクト比(W1/L1)の大きいものほど、高感度になり、出力を急峻に変化させ得ることが確認された。
上記結果から、第1MR素子31の幅W1と第2MR素子41の幅W2とが、下記式(1)に示す関係を有することにより、第1MR素子31の出力を急峻に変化させ得るとともに、第2MR素子41の出力をリニアに変化させ得ることが確認された。この場合において、第1MR素子31のアスペクト比(W1/L1)と第2MR素子41のアスペクト比(W2/L2)とが、下記式(2)に示す関係を有することにより、第1MR素子31の出力をより急峻に変化させ得るとともに、第2MR素子41の出力をよりリニアに変化させ得ることが確認された。
W1>W2 ・・・(1)
W1/L1≧W2/L2 ・・・(2)
また、上記結果から、第1MR素子31の幅W1及び第2MR素子41の幅W2、並びに第1MR素子31のアスペクト比(W1/L1)と第2MR素子41のアスペクト比(W2/L2)とが、下記式(3)及び(4)に示す関係を有することで、第1MR素子31の出力を急峻に変化させ得るとともに、第2MR素子41の出力をリニアに変化させ得ることが確認された。
W1=W2 ・・・(3)
W1/L1>W2/L2 ・・・(4)
1…磁気センサ
2…基板
3…第1磁気センサ
31…第1MR素子
315,415…磁化方向変化層
32,42…バイアス磁界発生部
4…第2磁気センサ
41…第2MR素子
10…磁気式エンコーダ
20…スケール部

Claims (12)

  1. 外部磁界を検出可能な第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子を少なくとも備える磁気センサであって、
    前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子は、それぞれ、前記外部磁界に応じて磁化の方向が変化する磁化方向変化層を少なくとも含み、
    前記第1磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の初期磁化方向における前記磁化方向変化層の幅W1と、前記第2磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の初期磁化方向における前記磁化方向変化層の幅W2とが、下記式(1)に示す関係を有し、
    前記外部磁界に対する前記第1磁気抵抗効果素子の感度が、前記外部磁界に対する前記第2磁気抵抗効果素子の感度よりも高い
    磁気センサ。
    W1>W2 ・・・(1)
  2. 前記第1磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の前記幅W1に直交する方向の長さL1に対する前記幅W1の比W1/L1と、前記第2磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の前記幅W2に直交する方向の長さL2に対する前記幅W2の比W2/L2とが、ともに1.2以下である
    請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記第1磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の前記幅W1に直交する方向の長さL1対する前記幅W1の比W1/L1と、前記第2磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の前記幅W2に直交する方向の長さL2に対する前記幅W2の比W2/L2とが、下記式(2)に示す関係を有する
    請求項1又は2に記載の磁気センサ。
    W1/L1≧W2/L2 ・・・(2)
  4. 前記第1磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の前記幅W1と前記第2磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の前記幅W2との比が、1:0.2〜0.9である
    請求項1〜3のいずれかに記載の磁気センサ。
  5. 外部磁界を検出可能な第1磁気抵抗効果素子及び第2磁気抵抗効果素子を少なくとも備える磁気センサであって、
    前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子は、それぞれ、前記外部磁界に応じて磁化の方向が変化する磁化方向変化層を少なくとも含み、
    前記第1磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の初期磁化方向における前記磁化方向変化層の幅W1及び当該幅W1に直交する方向の長さL1、並びに前記第2磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の初期磁化方向における前記磁化方向変化層の幅W2及び当該幅W2に直交する方向の長さL2が、下記式(3)及び(4)に示す関係を有する
    磁気センサ。
    W1=W2 ・・・(3)
    W1/L1>W2/L2 ・・・(4)
  6. 前記第1磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の初期磁化方向における前記磁化方向変化層の幅W1に直交する方向の長さL1に対する前記幅W1の比は、0.8以上である
    請求項1〜5のいずれかに記載の磁気センサ。
  7. 前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子を積層方向上方から見たとき、前記第1磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の形状と前記第2磁気抵抗効果素子の前記磁化方向変化層の形状とが、同種形状である
    請求項1〜6のいずれかに記載の磁気センサ。
  8. 前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子は、TMR素子、GMR素子又はAMR素子である
    請求項1〜7のいずれかに記載の磁気センサ。
  9. 前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子は、磁化固定層、非磁性中間層及び前記磁化方向変化層がこの順で積層されてなる
    請求項1〜8のいずれかに記載の磁気センサ。
  10. 前記非磁性中間層が、MgOX(X=0.1〜0.9)である
    請求項9に記載の磁気センサ。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の磁気センサと、
    アブソリュート磁気信号を記録したアブソリュート信号トラック及びインクリメンタル磁気信号を記録したインクリメンタル信号トラックを有し、前記磁気センサに対して相対的に移動可能なスケール部と
    を備え、
    前記第1磁気抵抗効果素子と前記アブソリュート信号トラックとが互いに対向し、かつ前記第2磁気抵抗効果素子と前記インクリメンタル信号トラックとが互いに対向するように、前記磁気センサと前記スケール部とが対向して設けられている
    磁気式エンコーダ。
  12. 前記第1磁気抵抗効果素子及び前記第2磁気抵抗効果素子のそれぞれにおける前記磁化方向変化層の初期磁化方向は、前記スケール部が相対的に移動する方向に直交する方向である
    請求項11に記載の磁気式エンコーダ。
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