JP6007479B2 - 電流センサ - Google Patents

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Description

本発明は、電流センサに関する。さらに詳述すると、磁気抵抗素子を用いた電流センサに関するものである。
従来、各種の磁気抵抗素子を用いた電流センサ、磁気センサ(磁気抵抗センサ)には、磁気抵抗効果素子(MR素子など)や、磁気インピーダンス素子(MI素子)等が用いられている。例えば、MIセンサによれば、MI素子という磁気抵抗素子を用いることで薄膜化・小型化が容易であり、その改良も盛んに行われている。MI素子は、高周波電流を流した場合のその高周波インピーダンスの磁界による変化をもって磁界強度を検知することができるもので、回路技術を駆使する必要があるが、センサ感度は高い特長を有する。
また、磁気抵抗効果素子(MR素子)を用いた電流センサ、磁気センサの素子として、巨大磁気抵抗素子(GMR素子)や、トンネル磁気抵抗素子(TMR素子)等が知られている。GMR(Giant magnetic resistance)素子とは、強磁性層と非強磁性層とが交互に複数層形成され、隣接する2つの磁性層の磁化方向が、外部磁界の強さに応じて平行な場合と反平行な場合とで変化する抵抗を利用して磁気検知を行うものである。また、TMR(tunnel Magneto-Resistance)素子とは、磁性薄膜層が絶縁層を介して複数層形成され、伝導に関わる電子がスピンを維持しながら絶縁層をトンネル現象によって伝導されることで、このときの磁化の状態によってトンネル透過係数が異なることを利用して磁界検知を行うものである。
これらの磁気抵抗素子は磁化の向きと強度が所定の向きに固定された磁化固定層と、磁化の向きが外部磁界の向きに応じて変化するフリー層(自由層)とを備えている。磁気センサとして外部磁界を検知する時は固定された磁化固定層の磁化方向に対して外部磁界の向きに応じて変化するフリー層の磁化方向の相対関係と、磁化の強度に応じて抵抗値は変化することを利用して磁界の方向を検知するものである。
このような磁気抵抗素子を用いた電流センサ、磁気センサに関し、例えば、特許文献1には、トンネル磁気抵抗効果素子の下部電極にバイアス電流を流すことにより、別途バイアス電流用の配線層を設ける場合に比べて、より少ない消費電力でバイアス磁界をトンネル磁気抵抗効果素子に印加することができ、外部磁界に応じてバイアス磁界の大きさを変化させることによって、磁界検出精度を向上させることができ磁界検出装置が開示されている。
また、特許文献2には、被測定電流が流れる被検出配線が形成されたプリント基板と、プリント基板と略平行に配置されたセラミクス基板と、このセラミクス基板の一方の面に形成され、被検出配線に接触又は接合された導電膜と、セラミクス基板の他方の面に形成され、磁性層と非磁性層とが交互に複数回積層された多層膜を有し、該多層膜に印加される磁界の変化に応じて抵抗値が変化するGMR膜と、GMR膜に一定のバイアス磁界を印加するバイアス磁石とを備えた電流センサが開示されている。
さらに、特許文献3には、Si基板に、四面の逆ピラミッド構造を有する傾斜面を設け、基板の平面には、フリー層とピン層を持ち、その磁化状態に応じた検知出力を発生させるトンネル型磁気抵抗素子(TMR素子)を設け、フリー層の上部と傾斜面上に、磁界の大きさに応じて磁化されるパーマロイ膜を配置し、センサが平面に配置していても、磁界の平面以外のZ軸方向のベクトル成分を検知可能とする磁気センサが開示されている。
また、GMR素子やTMR素子では、電流磁界による磁化反転が生じる現象(スピン注入磁化反転)が注目されている。例えば、特許文献4にはMRAM(Magnetic Random Access Memory)に用いることを目的としたスピン注入型磁気抵抗効果素子が開示されている。また、特許文献5には、埋め込み電極によって磁化反転を容易にしたスピン注入磁化反転素子が開示されている。
これまでGMR素子、TMR素子等のスピントロニクス素子は、磁界に対する変化率は大きいが、電子デバイス特有の低周波ノイズが大きいと考えられていたが、近年、検知に必要な素子の面積の微小化が進み、微細加工の限界まで検知素子として機能させることができることがわかってきた。しかしながら、GMR素子、TMR素子などのスピントロニクス素子を用いた電流センサにおける検知精度の向上には、検討の余地が残されていた。
そこで本発明は、スピン注入磁化反転と磁界による磁化反転の2つの現象に基づいて電流値を精度良く検知することができる電流センサを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明に係る電流センサは、磁気抵抗素子と該磁気抵抗素子の近傍に配置される検知用電気配線とを備え、被測定電流の電流値を測定する電流センサであって、前記被測定電流の経路を、前記磁気抵抗素子を流れた後、前記磁気抵抗素子の近傍に配置される検知用電気配線を流れるようにし、前記磁気抵抗素子自体に流す前記被測定電流に応じて該磁気抵抗素子に生じる抵抗値の変化の有無と、前記検知用電気配線へ流す前記被測定電流に応じて該磁気抵抗素子に生じる抵抗値の変化の有無と、の2つの抵抗値の変化に基づいて測定対象への電流を測定するものである。
本発明によれば、電流値を精度良く検知することができる。
TMR層構成による検知用素子部の断面概略図である。 GMR層構成による検知用素子部の断面概略図である。 第1の実施形態に係る電流センサの構成を示す概略図である。 電流センサによる電流検知制御例を示すフローチャート(1)である。 電流センサによる電流検知制御例を示すフローチャート(2)である。 第2の実施形態に係る電流センサの構成を示す概略図である。 第3の実施形態に係る電流センサの構成を示す概略図である。 第4の実施形態に係る電流センサの構成を示す概略図である。 第5の実施形態に係る電流センサの構成を示す概略図である。
以下、本発明に係る構成を図1から図9に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
[第1の実施形態]
[検知用素子部]
図1及び図2に検知用素子部(以下、磁気抵抗素子、検知素子、電流検知素子ともいう)の構成例を示す。図1に示す検知用素子部11は、キャップ層6、フリー層5、トンネル障壁層4、磁化固定(AFM)層3、シード層2、基板1からなるTMR層構成による検知用素子部11の一例である。
基板1としては、例えばSiやSi上熱酸化基板を用いる。MOS層を有するものであっても特性上問題なく作製可能である。また、超高真空スパッタ装置やイオンビームスパッタ装置、EB蒸着装置などを用いて、Ta,FeNi層との複合層によるシード層2を設け、特性を向上させるとともに、FeMn、PtMn、IrMn、NiMn、PdPtMn、CrPtMn、CoMnなどやそれらの合金などからなる磁化固定層3を構成する。このとき、その厚みは各設計値によって、3nm〜400nm程度か、それ以上に設定されるが、10nm〜100nmが好適である。また、磁化固定層3の上部にピンド層8(シンセティックフェリ層)を設ける構成(スピンバルブ構成)としても良い。また、磁化固定層3として保磁力の大きいものや硬質磁性材料(AlNiCo、PtCo等)でもよい。
トンネル障壁層4は、例えばAl−OやMgOで構成され、その厚みは0.5nm〜6nmの間で設計されるが、1nm〜4nmが好適である。特に、MgOで構成すると、比較的厚い膜厚であっても優れた磁気抵抗変化率特性が得られるので、抵抗値を大きくとりたい場合には厚みを厚くすることで実現可能となるメリットを有する。なお、図示はしないが、MgO層をトンネル障壁層4とする場合には、例えばCoFeSiBなどのアモルファス膜をアズデポ(析出まま)で作製後、アニール時に結晶化することも好ましい。これにより、MgOの再配列を促し、結晶性を高めることで磁気抵抗変化率を著しく向上されることが可能となり、さらに検知性能の向上を図ることができる。
フリー層5は、例えば、パーマロイ(NiFe)、スーパーマロイ、CoFe,CoNiFe,CoZrNb,CoFeB,CoFeSiB,FeAlSi等の軟磁気特性を有するものや半硬質磁気特性を有するもので構成することにより、センサ特性を発揮するものである。また、保護目的と次工程との整合性のためのキャップ層7としては、Ta,Auなどを成膜する。
検知用素子部11は、所望の形状にフォトリソグラフィ、EB露光等を用いた微細加工により形状を作製し、上下に電極を配して完成させる。
なお、検知用素子部11は、素子面積によらず、検知素子として可能であるが、所望の抵抗値は素子面積でも設定可能であるので、LSI設計の上で小さな面積でかつ抵抗値を大きく取りたい場合には抵抗値の選択としてより小さな素子面積を選べばよい。抵抗値を低くしたい場合には素子面積を大きくとるか、TMR特性を犠牲にしない範囲でトンネル障壁層4の厚みを小さく取ることで設定することが可能となる。
また、本実施形態における検知用素子部11は、図1に示すTMR層構成に限られるものではなく、例えば、図2に示すようなGMR層構成であっても良い。図2に示す検知用素子部11は、トンネル障壁層4に替えて非磁性金属層7を有し、その他の層構成は同様である。ここで、非磁性金属層7には、例えば、Cu,Agなどが適している。
ところで、従来の磁気センシングを用いた電流センサでは、直接磁界等を測定する場合などにおいて、磁気センサの感度が小さいため、ホール素子も含んで比較的大きな素子をする必要があった。これに対し、図1、図2に示したTMR素子やGMR素子などの磁気抵抗素子の特性向上は著しく、室温で数100%に達するものとなっており、格段に特性向上が見込めるデバイスとなっている。以下に述べる本実施形態に係る電流センサでは、これらを用いている。また、最近のLSIの配線幅の低減等で、検知に伴う回路技術もLSIの微小な素子部として実現できるところとなっており、従来のAMR素子(異方性磁気抵抗素子)などと異なり新たな検知方法への適用が考えられる。
例えば、TMR素子では、磁界の検知に関して、フリー層5の磁界に対する変化を基準とする磁化固定層3との磁化の相対角によってトンネル電流の流れ方が異なることで磁気抵抗変化としている。したがって、GMR素子、TMR素子においても磁界の変化に追随して変化するフリー層5か、TMR素子においては通常は検知層一層でフリー層5そのものであるため、微弱な磁界の検知においてはフリー層5の特徴をうまく利用することで、磁気抵抗素子特性の向上を図ることができる。また、磁性体を介して電流注入による磁化反転(スピン注入磁化反転)の効果により、電流を検知対象とする場合には検知感度を向上させることが可能となり、微小な電流でも検知となり、同一電流の検知の際にも検知信号の出力電圧比を向上させることが可能となる。また、TMR素子では、素子抵抗値自体を大きく設定することが容易であり、以下に説明する電力検知センサに好適である。また、GMR素子も、同様に高精度計測が可能であって、MR素子やホール素子を用いた場合に比べて、すぐれた特性を発揮する。以下、必要に応じてTMR層構成の磁気抵抗素子11を例に取り説明する。
[電流センサ]
本実施形態に係る電流センサは、磁気抵抗素子(磁気抵抗素子11)を備えた電流センサ(電流センサ10)であって、該磁気抵抗素子の、磁気抵抗素子自体に流すセンス電流に応じた出力変化(センス電流部12による出力変化)と、磁気抵抗素子の近傍に配置される電気配線(電気配線wd2等の磁界発生用配線部の影響による出力変化)への電流に応じた出力変化と、の2つの出力変化に基づいて測定対象(負荷A)への電流を測定するものである。なお、電気配線に流される電流は直流(DC)に限らず、交流(AC)であっても測定可能である。
本実施形態に係る電流センサ10は、上述のように、スイッチング特性(2値出力特性)や線形性の高い磁気抵抗素子などの磁性を有する素子の磁界に対する抵抗変化率特性が著しく特性向上している素子(GMR素子、TMR素子)を用いて、さらに、その素子のもう一つの特性である電流注入によって磁化反転が行われる特性(スピン注入特性)の優れた磁界検知特性を利用して検知精度を向上させるものである。したがって、磁気抵抗素子11としては、スピン注入特性を有しないAMR(異方性磁気抵抗素子)素子ではなくGMR(巨大磁気抵抗素子)素子やTMR(トンネル磁気抵抗素子)素子を用いて構成されることとなる。
図3は、電流センサの第1の実施形態における構成を示す概略図である。図3に示すように電流センサ10は、測定対象Aに接続される電気配線wa,wb1,wb2,wc1,wc2と、分流された電気配線wd1,wd2、電気配線wd2,wb1,wc1(磁界発生用配線部)の近傍に配置され電気配線wd2,wb1,wc1に流れる電流により発生する磁界の強度に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗素子11a,11b,11cと、複数の磁気抵抗素子11a,11b,11cそれぞれにセンス電流を流すセンス電流部12(磁気抵抗素子11b,11cに接続されるセンス電流部12を図示省略している)と、複数の磁気抵抗素子11a,11b,11cそれぞれと接続しその検知結果を出力する検知手段13(磁気抵抗素子11b,11cと検知手段13との接続部を図示省略している)と、電気配線wa,wb1,wb2,wc1,wc2,wd1,wd2の接続を切替える切替スイッチ部14a,14b,14c,14dと、検知手段13の出力を受けて切替スイッチ部14a,14b,14c,14dを制御し、また、検知手段13からの出力信号に基づいて各種の信号処理を行う検知制御部15と、を備える。
ここで、測定対象Aは、電源から電力が供給されて種々の動作や処理を行う電子・電機機器のユニット(あるいは部品)であり、その内部の異常や劣化などにより負荷が増大して流れる電流が増加する場合があるものである。
ここで、電気配線に電流を流すと、その電気配線の周りには磁界が発生するが、このと
き、電気配線の近傍に磁気抵抗素子11を配置すると、マイナーループを描く磁気ヒステリシスをもつことから、その磁界の影響を受けてフリー層5が磁化し、結果として所定の抵抗値を示す。
また、電流の増加に伴い磁界の強度が増加すると、フリー層5において、マイナーループに沿って磁化が増大するがあるところから磁化が飽和する特徴をもつ。これは、フリー層5とするパーマロイ(NiFe)、スーパーマロイ、CoFe、CoZrNb、CoFeB、CoFeSiB、FeAlSi等の各材料ともそれぞれ特徴ある磁気ヒステリシスループをとりながら、磁化がスイッチ的な角型形状を持って変化する場合や直線的な変化を示して、磁化飽和に達する曲線を示すものである。すなわち、GMR素子、TMR素子においてはフリー層5の磁化状態に応じて磁気抵抗変化も得られることとなる。
上述のように、GMR素子およびTMR素子は、フリー層5の磁界に対する変化を基準とする磁化固定層3との磁化の相対角によって、センス電流の流れ方が異なることで磁気抵抗変化としている。検知層一層でフリー層5そのものであるので、微弱な磁界の検知においてはフリー層5の特徴を用いることで、各素子特性を向上することが可能となる。また、磁性体を介して電流注入による磁化反転の効果により、電流を検知対象とする場合には検知感度を向上させることが可能となるため、微小な電流でも検知となり、同一電流の検知の際にも検知信号の出力電圧比を向上させることが可能となる。
具体的には、図3に示すような電気配線等を備えた電流センサ10を構成することにより、電流注入による磁化反転と磁界による磁化反転の双方で電流値自体を検知することが可能となる。すなわち、電流注入による場合には素子寸法が小さな方がより小さな電流値で磁化反転し、磁界反転による場合には素子寸法が小さな方がより大きな磁界で磁化の反転が起こるので、電流値が大きな場合に検知可能となるものである。
また、図3に示す電流センサ10では、複数の磁気抵抗素子11a,11b,11cは、電気配線wd2,wb1,wc1に沿って配置されており、また、各磁気抵抗素子と各電気配線との距離を異なる距離としている。これにより、検知手段13は、電流配線wd2,wb1,wc1に流れる電流について複数の磁気抵抗素子11a,11b,11cごとに異なる規定値への到達を検知することが可能となる。なお、各磁気抵抗素子11と各電気配線との距離を調整することができる。
また、図3に示す電流センサ10では、電気配線は、複数の磁気抵抗素子11a,11b,11cごとに、磁気抵抗素子11の近傍に配置される検知用電気配線と、検知対象とならないように磁気抵抗素子から離れて配置されるパス用電気配線と、検知用電気配線、パス用電気配線のいずれかに切替えて接続可能な切替スイッチ部(14a〜14d)と、を備えている。このように、スイッチ部を設けることで、より精度よく検知可能となる。
また、図3に示す電流センサ10では、測定対象Aに接続される電気配線wa,wb1,wb2,wc1,wc2と分流させた分流部(電気配線wd1,wd2、切替スイッチ部14d)を備えている。このように、分流部を設けて分流させることにより、より適したセンサの配置が可能となるため検知精度を向上させることができる。
このような構成の電流センサ10では、例えば、図4のフローチャートに示すように、測定する電流を流す測定モードと、短期間のセンス電流を流す測定モードに分かれ、それぞれの測定値(推定値)に基づいて電流検知を行うものである。
例えば、被測定電流を印加し測定を行って検知手段13で検出の後(S101)、検知制御部15の制御により切替スイッチ部14により電流値(センス電流を流す測定モード)を変更する(S102)。検知手段13は、センス電流値を検出する(S103)。
変化のないものについてはそのまま(S104)、変化のあった磁気抵抗素子11については、例えば、予め電流データとして得ているマップ(電流換算マップ)との照合により(S105)、電流値の推定を行うものである(S106)。なお、電流値の推定方法は、電流換算マップとの照合に限られるものではない。
次いで、図5のフローチャートに示すように、各推定値(測定値)を比較して(S201)、目標値以下の差であった場合(S202:Y)は、その結果を以て測定結果とし(S203)、目標値以下の差でない場合(S202:n)は、必要に応じて測定する磁気抵抗素子11を変更して測定させるものである(S204)。
以上説明したように、本実施形態に係る電流センサ10は、少なくともフリー層5と磁化固定層3を持つ磁気抵抗素子11を用いた電流検知用センサであって、流す電流によって磁界を発生させる配線部と、電流注入による磁化反転を行うことも兼ねるセンス電流部を、それぞれ少なくとも1つもち、そのうち1つ以上の配線部に流した電流値と他の電流値によるフリー層5の磁化変化を磁気抵抗素子11の抵抗変化として検知し、その差を比較できる電流換算マップとして備えたものである。
この電流センサ10によれば、素子面積の縮小に従って、電流注入量対磁化反転量が増大するものであるから、ダウンサイズに伴い、電流検知に伴う電圧変化も増大することとなり、素子サイズが小さなものほど、高感度センサとなるという携帯機器や寸法が限られたものでの使い勝手のよいセンサが実現可能となる。なお、電流注入による磁化反転は微小な電流値によって一義的に得ることができる(配線部に電流を流すことによって、磁界を発生させて、磁気抵抗素子の抵抗値が変化する現象とは異なる)。
このように、本実施形態に係る電流センサ10では、電流(磁界)を2種の物理現象(スピン注入磁化反転と磁界による磁化反転)で検知することにより、精度よく検知可能となる。
(第2の実施形態)
以下、電流センサのその他の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の点についての説明は省略する。
図6は、電流センサの第2の実施形態における構成を示す概略図である。図6に示すように、各配線部(配線部we1,we2)に電流をそれぞれ流すための分流部とセンス電流を反転させる電流反転部を備えた電流センサ20とすることも好ましい。これにより、センス電流の向きの反転によって、それぞれの特性値のばらつきを抑えることが可能となり、更に検知分解特性を向上させることができる。なお、電流反転は、切替スイッチ部14e,14fにより配線部we1に流す場合、配線部we2に流す場合の2通りを使い分けることで実現可能となる。また、LSI部からの電流パスを反転させることも可能となる。
(第3の実施形態)
図7は、電流センサの第3の実施形態における構成を示す概略図である。本実施形態の電流センサ30は、センス電流として素子を流れた後に、再度、磁界発生部にも電流を直列に流れるように構成したものである。なお、電流センサ30のそれ以外の構成は第1の実施形態と同じであり、図7において第1の実施形態と同じものは同じ符号を付している。なお、センス電流部12、検知手段13、検知制御部15は省略しているが、第1の実施形態と同じである。
また、その際にいくつかの場合に分けて検討することでより高感度な電流センサとすることが可能となる。すなわち、複数の素子を配置し、同一電流によって磁界による磁化変化の検知も可能とする配置として、閾値の設定を数種設定可能とすることができる。
具体的には、例えば、(1)電流注入時には磁化変化(磁化反転)し、磁界変化時にも磁化変化(磁化反転)する、(2)電流注入時には磁化変化(磁化反転)するが、磁界変化時にも磁化変化(磁化反転)しない、(3)電流注入時には磁化変化(磁化反転)せず、磁界変化時には磁化変化(磁化反転)する、(4)電流注入時にも磁化変化(磁化反転)せず、磁界変化時にも磁化変化(磁化反転)しない、のように、それぞれ電流値として弁別する設定とする。また、電流の極性で弁別を区別することも可能である。さらに、電流がそれぞれ流れる場合に不可避な発生する熱の影響も含めると差異があるので、継続時間として差を検知する構成とすることも可能である。このように構成することで、電流センサをより高感度かつ低コスト、小型化等を図ることができる。
電流センサ30は、第1の実施形態と比べて、電気配線の構成が異なる。すなわち、磁気抵抗素子11a、11b、11cそれぞれに対応して、磁気抵抗素子11から所定の距離だけ離間した状態で該磁気抵抗素子11の周りを周回するように一平面上をループ状の配線される電気配線wra、wrb、wrcが設けられている。詳しくは、磁気抵抗素子11aから所定の距離だけ離間した状態で該磁気抵抗素子11aの周りを周回するように一平面上をループ状の配線される電気配線wraが設けられ、磁気抵抗素子11bから所定の距離だけ離間した状態で該磁気抵抗素子11bの周りを周回するように一平面上をループ状の配線される電気配線wrbが設けられ、磁気抵抗素子11cから所定の距離だけ離間した状態で該磁気抵抗素子11cの周りを周回するように一平面上をループ状の配線される電気配線wrcが設けられている。これにより、磁気抵抗素子11a、11b、11cは、それぞれ電気配線wra、wrb、wrcで形成される平面ループ内に配置されるようになる。
また、電流センサ30における電気配線の電流検知の手順は、第1の実施形態(電流センサ10)と同じである。特に、電気配線wra、wrb、wrcを平面ループ状に配線したので、電流による発生磁界のベクトル方向は基板面(=膜面)に垂直となり、磁気抵抗素子11の反磁界の影響の考慮した設計や発生する強度の精度が上がり(発生磁界強度と分布の誤差を低減でき)、より正確な測定を可能とすることが可能となる。
(第4の実施形態)
本実施形態の電流センサの基本構成は、第1の実施形態と同じであるが、図8は磁気抵抗素子11を半導体LSI工程の中に取り込み作製した断面模式図であって、磁気抵抗素子11は、基板1上に所定の薄膜(シード層2、磁化固定層3、ピンド層8、トンネル障壁層4、フリー層5、キャップ層6)が積層されてなり、電気配線wrが薄膜の積層方向(図中上下方向)に沿ってループ状に配置されるものである。
この構成によれば、電流による発生磁界のベクトル方向は基板面(=膜面)に平行となり、磁気抵抗素子11の反磁界の影響の考慮した設計や発生する強度の精度が上がり、より正確な測定を可能となる。また、磁気抵抗素子11及び電気配線wrの作製を半導体LSI工程の中に取り込むことが可能であり、LSI等の多層配線中では磁気抵抗素子11平面に対して垂直に配置した構成がとれることから、より近接した立体ループ構造が、比較的低面積で実現可能であり、電流センサの小型化と高感度化が実現可能である。
(第5の実施形態)
本実施形態の電流センサの基本構成は、第1の実施形態と同じであるが、図9は磁気抵抗素子11を半導体LSI工程の中に取り込み作製した事例の上面模式図であって、電気配線wr1、wr2は、磁気抵抗素子11を挟むように配置した2つのループからなるヘルムホルツコイル構造を有しているものである。
この構成によれば、第4の実施形態と同様に、電流による発生磁界のベクトル方向は基板面(=膜面)に平行となり、磁気抵抗素子11の反磁界の影響の考慮した設計や発生する磁界強度の精度の均一性が上がり、特に、磁気抵抗素子11を挟むように配置した2つのループからなるヘルムホルツコイル構造の電気配線wr1、wr2とすることから、位置決めを柔軟にすることができ、かつ、より正確な電流検知が可能となる。
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、磁界センサ、電流モニター(上下限値チェック等)、これらを搭載したシステム、LSIなどへの適用が可能である。また、地磁気センサ等への適用も可能であり、MRAM等の各素子への適用も可能である。
1 基板
2 シード層
3 磁化固定層(AFM層)
4 トンネル障壁層
5 フリー層
6 キャップ層
7 非磁性金属層
8 ピンド層
10,20,30 電流センサ
11,11a,11b,11c 磁気抵抗素子
12 センス電流部
13 検知手段
14a,14b,14c,14d,14e,14f 切替スイッチ部
15 検知制御部
A 測定対象(負荷)
wa,wb1,wb2,wc1,wc2,wd1,wd2,we1,we2,wr,wr1,wr2,wra,wrb,wrc,ws 電気配線
特開2010−145241号公報 特開2002− 82136号公報 特開2009−222650号公報 特開2006−269885号公報 特開2007− 5664号公報

Claims (5)

  1. 磁気抵抗素子と該磁気抵抗素子の近傍に配置される検知用電気配線とを備え、被測定電流の電流値を測定する電流センサであって、
    前記被測定電流の経路を、前記磁気抵抗素子を流れた後、前記磁気抵抗素子の近傍に配置される検知用電気配線を流れるようにし、
    前記磁気抵抗素子自体に流す前記被測定電流に応じて該磁気抵抗素子に生じる抵抗値の変化の有無と、
    前記検知用電気配線へ流す前記被測定電流に応じて該磁気抵抗素子に生じる抵抗値の変化の有無と、の2つの抵抗値の変化に基づいて測定対象への電流を測定することを特徴とする電流センサ。
  2. 前記磁気抵抗素子は、巨大磁気抵抗素子またはトンネル磁気抵抗素子であることを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記磁気抵抗素子は、前記検知用電気配線で形成される平面ループ内に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の電流センサ。
  4. 前記磁気抵抗素子は、基板上に所定の薄膜が積層されてなり、前記検知用電気配線が前記薄膜の積層方向に沿ってループ状に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の電流センサ。
  5. 前記検知用電気配線は、前記磁気抵抗素子を挟むように配置した2つのループからなるヘルムホルツコイル構造を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の電流センサ。
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