JP5453994B2 - 電流センサ - Google Patents

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本発明は、被検出電流が発生する磁界を磁電変換することにより電流値を検出する電流センサに関する。
米国特許5,247,278号は、複数の磁気抵抗効果素子がブリッジ接続されてなる磁気センサを開示している。磁気抵抗効果素子は、磁化方向が特定の方向に設定されていて、外部磁界の変位に対して磁化状態(例えば、磁化方向及び磁化の強さ)が影響を受けないように構成された磁化固定層と、外部磁界の変化によって磁化状態が変位する磁化自由層とを備えている。磁気抵抗効果素子に外部磁界が作用すると、磁化自由層の磁化状態が変動し、磁化状態が予め固定されている磁化固定層の磁化状態と、磁化状態が変動する磁化自由層との間に磁化状態の変位差が発生する。この磁化状態の変位差は、磁気抵抗効果素子の磁気抵抗の変化として現れる。磁気抵抗効果素子に所定のセンス電流を流しておくと、この磁気抵抗変化は、磁気抵抗効果素子の電圧変化として検出することができる。このため、磁気抵抗効果素子は、磁気信号を電気信号に変換する磁電変換素子として機能する。この種の磁気抵抗効果素子の応用例として、例えば、被測定電流が発生する磁界強度を検出することにより、被測定電流の電流値を計測する電流センサが知られている。
米国特許5,247,278号
しかし、磁気抵抗効果素子は、検出感度に優れているため、100mA以下の微小電流の検出には向いているが、磁気抵抗効果素子の出力を飽和させてしまう程の強磁界を発生する数A〜数100A程度の電流の検出には不向きである。
そこで、本発明は、磁電変換回路の出力を飽和させることなく、簡易なセンサ構造で電流を高精度に検出できる電流センサを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係わる電流センサは、被検出電流の一部が第一の分流電流として分流する第一の電流経路と、被検出電流の一部が第二の分流電流として分流する第二の電流経路と、第一の電流経路から分岐し、第一の分流電流の一部が第三の分流電流として分流する第三の電流経路と、第三の分流電流が発生する磁気信号を電気信号に磁電変換する磁電変換回路と、を備え、磁電変換回路は、第一の電流経路と第二の電流経路とが形成する閉曲線の内部であって、且つ第一の分流電流が発生する第一の磁界と、第二の分流電流が発生する第二の磁界とが相互に弱め合う領域に配置されている。
第三の電流経路を流れる電流は、被検出電流の一部であるため、磁電変換回路の出力を飽和させることなく、簡易なセンサ構造で被検出電流を高精度に検出することができる。また、磁電変換回路は、第一及び第二の磁界が相互に弱め合う領域に配置されているため、第一及び第二の磁界からの影響を殆ど受けることなく、第三の電流経路を流れる電流が発生する磁気信号を高精度に検出できる。
本発明の好適な実施形態において、磁電変換回路は、ブリッジ接続された複数の磁気抵抗効果素子を備え、第一及び第二の電流経路は、所定の対称軸に関して線対称配置されており、複数の磁気抵抗効果素子の各々は、その長手方向が対称軸に平行になるように配列されている。第一及び第二の電流経路は、所定の対称軸に関して線対称配置されているので、複数の磁気抵抗効果素子の各々に作用する第一及び第二の磁界は、相殺される。このため、磁電変換回路は、第一及び第二の磁界からの影響を殆ど受けることなく、第三の電流経路を流れる電流が発生する磁気信号を高精度に検出できる。
本発明の好適な実施形態において、磁電変換回路は、ブリッジ接続された複数の磁気抵抗効果素子を備え、第一及び第二の電流経路は、所定の対称軸に関して線対称配置されており、複数の磁気抵抗効果素子の各々は、その長手方向が対称軸に平行になるように配列され、第一の電流経路及び第二の電流経路のそれぞれは、対称軸に平行な直線経路を有し、直線経路の長さは、複数の磁気抵抗素子が配置される領域の当該直線経路に平行な部分の長さと同等又はそれ以上であることが望ましい。斯かる構成によれば、磁気抵抗素子は、第一及び第二の電流経路の直線経路を流れる電流が発生する平行磁界が磁気抵抗素子の長手方向に垂直となり、かつ、この平行磁界の方向が概ね一方向であるので、磁気抵抗素子は、第一及び第二の電流経路のそれぞれを流れる電流が発生する磁界の影響を殆ど受けることなく、第三の電流経路を流れる電流が発生する磁気信号をより高精度に検出できる。
本発明の好適な実施形態において、第三の電流経路は、第一及び第二の部分経路を含み、磁電変換回路は第一の部分経路を流れる第三の分流電流が発生する第三の磁界と、第二の部分経路を流れる第三の分流電流が発生する第四の磁界とが相互に弱め合う領域に配置されている。磁電変換回路は、第三及び第四の磁界が相互に弱め合う領域に配置されているため、第三及び第四の磁界からの影響を殆ど受けることなく、第三の電流経路を流れる電流が発生する磁気信号を高精度に検出できる。
本発明の他の側面に係わる電流センサは、点対称な閉曲線を形成し、被検出電流が流れる主電流経路と、主電流経路から分岐し、被検出電流の一部が分流電流として分流する分流経路と、分流電流が発生する磁気信号を電気信号に磁電変換する磁電変換回路と、を備え、磁電変換回路は、閉曲線の内部であって、且つ主電流経路の点対称中心を含む領域に配置されている。
分流経路を流れる電流は、被検出電流の一部であるため、磁電変換回路の出力を飽和させることなく、簡易なセンサ構造で被検出電流を高精度に検出することができる。また、主電流経路の点対称中心を含む領域では、主電流経路の各部を流れる電流が発生する磁界が相互に弱め合うので、磁電変換回路は、主電流経路の各部を流れる電流が発生する磁界の影響を殆ど受けることなく、分流経路を流れる電流が発生する磁気信号を高精度に検出することができる。なお、閉曲線として、例えば、六角形、楕円形、四角形、円形、又は長方形が好ましい。
本発明に係わる電流センサは、直流バッテリから出力される直流電流を被検出電流としてその電流値を検出することができる。主電流経路の周波数特性と分流経路の周波数特性の相違を利用することにより、本発明に係わる電流センサは、高周波ノイズを効果的に除去するノイズフィルタとして機能する。
本発明によれば、磁電変換回路の出力を飽和させることなく、簡易なセンサ構造で大電流を高精度に検出できる。
実施例1に係わる電流センサの一部省略平面図である。 図1の2−2線断面図である。 実施例1に係わる磁電変換回路の回路図である。 実施例1に係わる電流センサの一部省略断面図である。 実施例1に係わる電流センサの説明図である。 実施例1に係わる電流センサの使用例を示す説明図である。 実施例2に係わる電流センサの一部省略平面図である。 実施例2に係わる磁電変換回路の回路図である。 実施例3に係わる電流センサの一部省略平面図である。 実施例3に係わる電流センサの一部省略平面図である。 実施例3に係わる電流センサの一部省略平面図である。 実施例3に係わる電流センサの一部省略平面図である。
以下、各図を参照しながら本発明に係わる実施例について説明する。同一の部材については、同一の符号を付すものとし、重複する説明を省略する。
図1は実施例1に係わる電流センサ10の平面図(一部透視図)であり、図2は図1の2−2線断面図である。電流センサ10は、被検出電流を流すための主電流経路100と、被検出電流の電流値を検出するセンサチップ200と、主電流経路100及びセンサチップ200を搭載する配線基板300とを備える。
主電流経路100は、被検出電流の一部が第一の分流電流として分流する第一の電流経路101と、被検出電流の一部が第二の分流電流として分流する第二の電流経路102とを備える。第一の電流経路101及び第二の電流経路102は、対称軸500に関して線対称な閉曲線となるように設計されており、主電流経路100の上流側の分岐点Aにて二股に分岐し、下流側の合流点Bにて合流する。図1では、線対称な閉曲線の一例として、長方形を例示している。センサチップ200は、第一の電流経路101から分岐して、第一の電流経路101を流れる電流の一部が第三の分流電流として分流する分流経路(第三の電流経路)203と、分流経路203を流れる分流電流が発生する磁気信号を電気信号に磁電変換するための磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dとを備える。磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dとして、例えば、巨大磁気抵抗(GMR)型、トンネル磁気抵抗(TMR)型、弾道磁気抵抗(BMR)型、異方性磁気抵抗(AMR)型などの各種の磁気抵抗効果素子を用いることができる。
センサチップ200は、分流経路203と磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dとを1チップに一体化したモジュールであり、磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dを保護するための保護層205と、磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dをブリッジ接続するための配線が形成される配線層206と、磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dが形成される素子層207と、磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dと分流経路203とを絶縁するための絶縁層208と、分流経路203が形成される分流経路層209と、分流経路203と配線基板300とを絶縁するための絶縁層210とが積層されたデバイス構造を有する。このように、分流経路203と磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dとを1チップに一体化することによって、分流経路203と磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dとの相対的に位置ずれに起因する電流検出誤差を低減できる。なお、図2では、分流経路203は、絶縁層208を介して磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dの下方(−Z方向)に形成される場合を例示しているが、分流経路203は、絶縁層(図示せず)を介して磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dの上方(+Z方向)に形成されてもよい。
センサチップ200は、第一の電流経路101から引き出されたワイヤ401,402と、分流経路203とを接続するための接続端子204を備える。第一の電流経路101を流れる電流の一部は、第一の電流経路101から上流側のワイヤ401を介して分流経路203を流れ、その後、分流経路203から下流側のワイヤ402を介して第一の電流経路101に合流する。センサチップ200は、配線302に接続する接続端子301から引き出されたワイヤ403と、磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dとを接続するための接続端子202を更に備える。配線302は、磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dに電源電位及び接地電位を供給するための電源配線と、磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dから電気信号を出力するための信号配線とを含む。配線基板300は、配線302と、配線302絶縁するための絶縁層303とを備える。
図3は、実施例1に係わる磁電変換回路600の回路図を示す。磁電変換回路600は、図1に示す二つの磁気抵抗効果素子201A,201Cが直列接続された第一のハーフブリッジ回路と、図1に示す二つの磁気抵抗効果素子201B,201Dが直列接続された第二のハーフブリッジ回路とを備え、第一及び第二のハーフブリッジ回路が並列接続されたブリッジ回路である。磁気抵抗効果素子201A,201Dのそれぞれの一端は、電源電位Vddに接続され、磁気抵抗効果素子201B,201Cのそれぞれの一端は、接地電位Vgndに接続される。磁気抵抗効果素子201Aと磁気抵抗効果素子201Cとの接続点は、電圧V1を出力し、磁気抵抗効果素子201Bと磁気抵抗効果素子201Dとの接続点は、電圧V2を出力する。ここで、電圧V1は、磁気抵抗効果素子201Cの磁気抵抗とセンス電流との積により得られる電圧値、又は、磁気抵抗効果素子201Aの磁気抵抗とセンス電流との積により得られる電圧値を電源電位Vddから差し引いた電圧値である。一方、電圧V2は、磁気抵抗効果素子201Bの磁気抵抗とセンス電流との積により得られる電圧値、又は、磁気抵抗効果素子201Dの磁気抵抗とセンス電流との積により得られる電圧値を電源電位Vddから差し引いた電圧値である。なお、電圧V1及びV2は、分流経路203を流れる分流電流が発生する磁気信号を磁電変換して得られる電気信号である。尚、電源電位Vddを供給する電源は、定電圧源又は定電流源の何れでもよい。
本実施例では、磁気抵抗効果素子201Aの長手方向を±Y方向とし、その磁化固定層が磁気抵抗効果素子201Aの長手方向に垂直な+X方向に向くように予め調整するものとする。他の磁気抵抗効果素子201B,201C,201Dについても同様である。また、分流経路203は、分流経路203を流れる分流電流が発生する磁界の向き802が磁気抵抗効果素子201A、201Bのそれぞれの磁化固定層の磁化方向801と平行であり、かつ同一方向(+X方向)を向くように調整され、分流経路203を流れる分流電流が発生する磁界の向き802が磁気抵抗効果素子201C、201Dのそれぞれの磁化固定層の磁化方向801と平行であり、かつ逆方向(−X方向)を向くように調整されている。従って、分流経路203に分流電流が流れると、磁気抵抗効果素子201Aの磁気抵抗変化によってその抵抗値が小さくなる一方、磁気抵抗効果素子201Cの磁気抵抗変化によってその抵抗値が大きくなるので、電圧V1は昇圧する。同様に、磁気抵抗効果素子201Bの磁気抵抗変化によってその抵抗値が小さくなる一方、磁気抵抗効果素子201Dの磁気抵抗変化によってその抵抗値が大きくなるので、電圧V2は降圧する。磁電変換回路600の差動出力(V1−V2)は、分流経路203を流れる分流電流の大きさに比例する電気信号として信号処理される。磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dのそれぞれの磁化固定層の磁化方向を予め同一方向に調整しておくことで、外部磁界が入力されたとしも、差動出力(V1−V2)を演算することで、外乱を相殺できる利点を有する。ここで、磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dのそれぞれの磁化固定層の磁化方向801は、分流経路203を流れる分流電流が発生する磁界の向き802に対して平行又は反平行であることが、電流測定感度を向上させる上で望ましい。また、磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dの磁化固定層の磁化方向801を磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dの長手方向に垂直に設定し、分流経路203を流れる分流電流が発生する磁界の向き802を磁化固定層の磁化方向801に対して平行又は反平行に印加することにより、電流測定時のヒステリスを低減させることが可能となる。
さて、主電流経路100に流れる被検出電流を分岐点Aにて二等分に分流させ、第一の電流経路101及び第二の電流経路102のそれぞれに等しい分流電流が流れるように調整すると、図4に示すように、第一の電流経路101の断面中心点及び第二の電流経路102の断面中心点のそれぞれから等距離にある領域では、第一の電流経路101を流れる第一の分流電流が発生する第一の磁界H1と、第二の電流経路102を流れる第二の分流電流が発生する第二の磁界H2とが相互に打消し合う。センサチップ200内の素子層207の断面中心点が第一の電流経路101及び第二の電流経路102のそれぞれの断面中心点から等距離に位置するようにセンサチップ200を配置すると、センサチップ200内の素子層207は、第一の電流経路101を流れる第一の分流電流が発生する第一の磁界H1と、第二の電流経路102を流れる第二の分流電流が発生する第二の磁界H2とが相互に弱め合う磁界減衰領域に配置される。磁界減衰領域に作用する合成磁界強度(H1+H2)を、分流経路203を流れる分流電流が発生する磁界信号を磁電変換回路600が電気信号に変換する上で実用上問題とならない範囲内に調整することにより、磁電変換回路600は、第一の電流経路101及び第二の電流経路102からの磁界の影響を殆ど受けることなく、分流経路203を流れる分流電流が発生する磁界を高精度に検出できる。
磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dの出力を飽和させてしまう程度の強磁界を発生する被測定電流(例えば100A)を測定するには、第一の電流経路101及び第二の電流経路102のそれぞれに被測定電流を二等分に分流させ、磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dの出力を飽和させない程度の弱磁界を発生する微小電流(例えば50mA)を第一の電流経路101から分流経路203に分流させればよい。これにより、磁界減衰領域に配置された磁電変換回路600は、第一の電流経路101及び第二の電流経路102からの磁界の影響を殆ど受けることなく、分流経路203を流れる微小電流が発生する磁界を高精度に検出できる。主電流経路100を流れる被測定電流と分流経路203を流れる分流電流との比率から、被測定電流の電流値を求めることができる。
ここで、磁界検出に好適な微小電流を分流経路203に流すための配線抵抗の設計方法について、図5を参照しながら説明する。同図において、Lは、第一の電流経路101とワイヤ401との接続点と第一の電流経路101とワイヤ402との接続点との間の距離を示し、RSは、距離Lに沿った第一の電流経路101上の抵抗値を示し、RD1は、第一の電流経路101の抵抗値からRSを差し引いた抵抗値を示し、RD2は、第二の電流経路102の抵抗値を示し、RCは、分流経路203の抵抗値を示す。第一の電流経路101及び第二の電流経路102のそれぞれに被測定電流を二等分に分流させるには、(RD1+RS):RD2=1:1の条件を満たす必要がある。磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dの検出感度を考慮に入れて、分流経路203に流す電流の上限値を設定し、第一の電流経路101から分流経路203に流れ込む分流電流の分流比RS:RCを決定する。RSは、RCと分流比とから計算できる。ここで、第一の電流経路101の抵抗率をρとし、第一の電流経路101の断面積をSとすると、L=RS×S/ρの関係が成立する。例えば、被測定電流の電流値を100Aとし、分流経路203に流す電流の上限値を50mAとし、分流比を1000:1とすると、抵抗RSには、49.95Aの電流が流れる。分流経路203の抵抗値を2Ωとすると、抵抗RSの値は、2mΩとなる。S=1mm2とし、ρ=1.68×10-8とすると、L=12cmとなる。ここで、第一の電流経路101を流れる電流と分流経路203を流れる分流電流との比率(分流比)を1000:1〜100:1の範囲に調整すると、第一の電流経路101及び第二の電流経路102のそれぞれから略等距離にある位置では、第一の電流経路101を流れる第一の分流電流が発生する第一の磁界と、第二の電流経路102を流れる第二の分流電流が発生する第二の磁界とを相殺させ、その合成磁界を概ねゼロにすることが可能になる。従って、分流経路203から発生する磁界は、磁気抵抗効果素子などの磁界検出素子を用いて容易に測定することが可能となる。また、分流経路203を流れる分流電流が発生する磁界を磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dが検出する際に、第一の電流経路101を流れる第一の分流電流が発生する第一の磁界と、第二の電流経路102を流れる第二の分流電流が発生する第二の磁界とが悪影響を及ぼさないようにするために、第一の電流経路101と第二の電流経路102とが形成する閉曲線の内部に磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dが位置することが望ましい。
なお、図7又は図1に示すように、第一の電流経路101及び第二の電流経路102のそれぞれは、対称軸500に平行に延在する(又は磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dの長手方向に平行に延在する)直線経路を含むものが望ましい。第一の電流経路101の直線経路の部分を流れる電流が発生する平行磁界と、第二の電流経路102の直線経路の部分を流れる電流が発生する平行磁界とが相互に弱め合うことにより、合成磁界がほぼゼロになる磁界減衰領域の面積を広くすることが可能となり、細長い形状を有する磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dを磁界減衰領域に配置することができる。また、第一の電流経路101及び第二の電流経路102のそれぞれが有する直線経路を長くすることにより、この直線経路に直交する経路を流れる電流が発生する磁界が電流測定に及ぼす影響を低減できる。第一の電流経路101及び第二の電流経路102のそれぞれの直線経路の長さは、複数の磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dが配置される領域の当該直線経路(第一の電流経路101及び第二の電流経路102の直線経路)に平行な部分の長さと同等又はそれ以上であることが望ましい。ここで、「複数の磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dが配置される領域の当該直線経路に平行な部分の長さ」とは、「複数の磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dが配置される領域」を第一の電流経路101又は第二の電流経路102に投影した部分の長さを意味する。例えば、図7に示す例では、第一の電流経路101及び第二の電流経路102のそれぞれの直線経路の長さは、対称軸500に平行に配列される四つの磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dの長手方向の長さの和と同等又はそれ以上であることが望ましい。
図6は電流センサ10の使用例を示す説明図である。主電流経路100の一端に直流バッテリ700のプラス端子701を接続し、主電流経路100の他端に負荷703の一端を接続し、負荷703の他端を直流バッテリ700のマイナス端子702を接続することで、直流バッテリ700から出力される直流電流を被測定電流としてその電流値を計測することができる。主電流経路100の周波数特性と分流経路203の周波数特性の相違を利用することにより、電流センサ10は、高周波ノイズを効果的に除去するノイズフィルタとして機能する。従って、ノイズを効果的に除去できるので直流電流を測定するには特に有効である。尚、直流バッテリ700として、例えば、電気自動車用バッテリなどが好適である。
図7は実施例2に係わる電流センサ11の一部省略平面図であり、図8は実施例2に係わる磁電変換回路600の回路図を示す。実施例1,2の共通点については、重複説明を省略し、両者の相違点を中心に説明する。図7に示すように、磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dのそれぞれは、その長手方向が対称軸500に平行となるように一列に配列されている。分流経路203は、渦状に屈曲しており、対称軸500に関して線対称な位置に形成された第一の部分経路203A及び第二の部分経路203Bと、対称軸500に平行に形成された第三の部分経路203C及び第四の部分経路203Dとを備える。磁気抵抗効果素子201A,201Bは、第三の部分経路203Cを+Y方向に流れる分流電流が発生する磁気信号を電気信号に変換する。磁気抵抗効果素子201C,201Dは、第四の部分経路203Dを−Y方向に流れる分流電流が発生する磁気信号を電気信号に変換する。上述の構成により、磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dが配置される磁界減衰領域では、第一の電流経路101を流れる第一の分流電流が発生する第一の磁界と、第二の電流経路102を流れる第二の分流電流が発生する第二の磁界とが相互に弱め合うだけでなく、第一の部分経路203Aを流れる部分電流が発生する第三の磁界と、第二の部分経路203Bを流れる部分電流が発生する第四の磁界とが相互に弱め合う。
なお、本実施例では、磁気抵抗効果素子201Aの長手方向を±Y方向とした場合、その磁化固定層の磁化方向が磁気抵抗効果素子201Aの長手方向に垂直な+X方向に向くように予め調整するものとする。他の磁気抵抗効果素子201B,201C,201Dについても同様である。
図8に示すように、磁電変換回路600は、二つの磁気抵抗効果素子201A,201Cが直列接続された第一のハーフブリッジ回路と、二つの磁気抵抗効果素子201B,201Dが直列接続された第二のハーフブリッジ回路とを備え、第一及び第二のハーフブリッジ回路が並列接続されたブリッジ回路である。
本実施例によれば、磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dのそれぞれの長手方向が対称軸500に平行となるように一列に配列することによって、対称軸500に関して線対称配置された第一の電流経路101及び第二の電流経路102からの磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dへの磁界の影響を低減できるだけでなく、対称軸500に関して線対称配置された第一の部分経路203A及び第二の部分経路203Bからの磁気抵抗効果素子201A,201B,201C,201Dへの磁界の影響をも低減できる。
図9乃至図12は、実施例3に係わる電流センサ12の一部省略平面図である。実施例1,3の共通点については、重複説明を省略し、両者の相違点を中心に説明する。主電流経路100は、点対称中心Pに関して点対称な閉曲線を形成している。主電流経路100の形状として、例えば、図9に示す六角形、図10に示す楕円形、図11に示す四角形、図12に示す円形などが好適である。点対称な閉曲線として、例えば、図1に示すような長方形でもよい。磁電変換回路600は、点対称中心Pを含む磁界減衰領域に配置される。点対称中心Pを含む磁界減衰領域では、主電流経路100の各部分を流れる被測定電流が発生するそれぞれの磁界は相互に弱め合うので、磁電変換回路600は、主電流経路100から分流経路203に分流した分流電流が発生する磁界を高精度に検出できる。
本発明に係わる電流センサは、電流を検出する用途に幅広く使用できる。
10…電流センサ 100…主電流経路 101…第一の電流経路 102…第二の電流経路 200…センサチップ 203…分流経路 600…磁電変換回路

Claims (2)

  1. 被検出電流の一部が第一の分流電流として分流する第一の電流経路と、
    前記被検出電流の一部が第二の分流電流として分流する第二の電流経路と、
    前記第一の電流経路から分岐し、前記第一の分流電流の一部が第三の分流電流として分流する第三の電流経路と、
    前記第三の分流電流が発生する磁気信号を電気信号に磁電変換する磁電変換回路と、
    を備え、
    前記磁電変換回路は、前記第一の電流経路と前記第二の電流経路とが形成する閉曲線の内部であって、且つ前記第一の分流電流が発生する第一の磁界と、前記第二の分流電流が発生する第二の磁界とが相互に弱め合う領域に配置され、
    前記磁電変換回路は、ブリッジ接続された複数の磁気抵抗効果素子を備え、
    前記第一及び第二の電流経路は、所定の対称軸に関して線対称配置されており、
    前記複数の磁気抵抗効果素子の各々は、その長手方向が前記対称軸に平行になるように配列され、
    前記第一の電流経路及び前記第二の電流経路のそれぞれは、前記対称軸に平行な直線経路を有し、
    前記直線経路の長さは、前記複数の磁気抵抗素子が配置される領域の前記直線経路に平行な部分の長さと同等又はそれ以上であり、
    前記第三の電流経路は、第一及び第二の部分経路を含み、
    前記磁電変換回路は、前記第一の部分経路を流れる前記第三の分流電流が発生する第三の磁界と、前記第二の部分経路を流れる前記第三の分流電流が発生する第四の磁界とが相互に弱め合う領域に配置され、
    前記複数の磁気抵抗効果素子のそれぞれの長手方向が前記対称軸に平行となるように一列に配列され、
    前記複数の磁気抵抗効果素子の長手方向を±Y方向とした場合、その磁化固定層の磁化方向が前記複数の磁気抵抗効果素子の長手方向に垂直な+X方向に向くように予め調整されている、電流センサ。
  2. 請求項1に記載の電流センサであって、
    前記被検出電流は、直流バッテリから出力される直流電流である、電流センサ。
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