JP2008216230A - 電流センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の一次導体がU字型構造の電流センサでは、ブリッジ回路の左右の各ハーフブリッジ回路に逆方向磁界が印加され、一様な外部磁界を除去する利点があるが、大電流測定には寸法が大型化する問題点があった。また、従来の一次導体が分流構造の電流センサでは、小型でしかも幅広い測定レンジを精度良く計測することが困難であるなどの問題点があった。
【解決手段】 スリット部を有する一次導体をU字型形状に構成したため、一次導体を含めた電流センサの構造を小型化でき、かつ低コストで幅広い測定レンジを精度良く計測するのが容易にできる。
【選択図】図1
【解決手段】 スリット部を有する一次導体をU字型形状に構成したため、一次導体を含めた電流センサの構造を小型化でき、かつ低コストで幅広い測定レンジを精度良く計測するのが容易にできる。
【選択図】図1
Description
この発明は、被測定電流が印加される一次導体の分流部において、被測定電流を測定する電流センサに関するものである。
従来の電流センサとして、4つの磁気抵抗効果素子からなるブリッジ回路にU字型の一次導体を配置したものがある(例えば、特許文献1または2参照)。
従来の分流した被測定電流線に流れる電流を測定するものとしては、一次導体の中央部分に小窓や、斜めにスリットを入れ、空間部に電流を検出する素子を設置したものがある(例えば、特許文献3参照)。
従来の分流した被測定電流線に流れる電流を測定するものとしては、一次導体の中央部分に小窓や、斜めにスリットを入れ、空間部に電流を検出する素子を設置したものがある(例えば、特許文献3参照)。
上記特許文献1または2に開示されている電流センサの一次導体は左右対称的なU字型構造で、ブリッジ回路の左右の各ハーフブリッジに逆方向磁界が印加され、一様な外部磁界を除去する利点がある。しかしながら、小容量の測定ではプリント基板のような絶縁体に一次導体を設置した構成でよいが、小容量と同一の磁気抵抗効果素子(同一のブリッジ回路)を用いて大電流を測定する場合、小容量の場合と同程度の磁束密度を磁気抵抗効果素子に印加する必要があるため、U字型構造の左右の導体を離間するとともに、一次導体から磁気抵抗効果素子を離して設置しなければならず、一次導体を含めた電流センサとしての寸法が大型化するという問題点があった。
大電流の測定には、上記特許文献3に開示されている一次導体の分流部における測定が有効であり、一次導体の中央部分に小窓や、斜めにスリットを入れ、空間部に電流を検出する素子を設置した例が示される。分流により測定する磁束密度が低減されるとともに、ブリッジ回路の左右の各ハーフブリッジに逆方向磁界が印加され一様な外部磁界を除去する利点がある。しかしながら、低コスト化のために同じ特性の磁気抵抗効果素子を用いて幅広い測定レンジを実現するためには、分流した一次導体から離して複数の磁気抵抗効果素子を設置しなければならず、電流センサとしての寸法が大型化するという問題点があった。
大電流の測定には、上記特許文献3に開示されている一次導体の分流部における測定が有効であり、一次導体の中央部分に小窓や、斜めにスリットを入れ、空間部に電流を検出する素子を設置した例が示される。分流により測定する磁束密度が低減されるとともに、ブリッジ回路の左右の各ハーフブリッジに逆方向磁界が印加され一様な外部磁界を除去する利点がある。しかしながら、低コスト化のために同じ特性の磁気抵抗効果素子を用いて幅広い測定レンジを実現するためには、分流した一次導体から離して複数の磁気抵抗効果素子を設置しなければならず、電流センサとしての寸法が大型化するという問題点があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、一様な外部磁界を除去すると共に、大電流の測定が可能な、小型かつ測定レンジを拡大した電流センサを得ることを目的とする。
この発明に係る電流センサは、設置基板上に4つの磁気抵抗効果素子で、設置基板の中心線に対して分けられた一方の領域に第1のハーフブリッジ回路が配置されると共に、他方の領域に第2のハーフブリッジ回路が配置された電流検知デバイスと、少なくとも1つのスリット部を有し、上記スリット部を含めた部分がU字型形状を形成する一次導体で構成され、上記電流検知デバイスが上記スリット部、U字型形状を形成した上記一次導体の上部、およびU字型形状を形成した上記一次導体の下部の3箇所の内少なくとも1箇所に配置されるようにしたものである。
以上のように、この発明によれば、設置基板上に4つの磁気抵抗効果素子で、設置基板の中心線に対して分けられた一方の領域に第1のハーフブリッジ回路が配置されると共に、他方の領域に第2のハーフブリッジ回路が配置され、それぞれのハーフブリッジ回路に逆方向の磁界が印加される構造のため、一様な外部磁界を除去すると共に、一次導体を分流構造としたため、小型で大電流の測定が可能となる。また、一次導体の近傍に異なる磁束密度が生じる構造のため、同じ特性の電流検知デバイスを複数個設置して、小型で、かつ測定レンジを拡大できる効果がある。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による電流センサの斜視図を示すもので、図2は図1の平面図、図3は図1または図2におけるAA断面(XZ面)の一部を示す断面図である。図において、電流センサ1は、電流検知デバイス部8、センサ回路部9を有するセンサ基板2と、一次導体3により構成される。
本実施の形態1では、一次導体3はスリット部4により第1の分流導体5と第2の分流導体6に分割され、スリット部4および第1、第2の分流導体5、6を含む一次導体3はU字形状部7を形成する。
まず、電流検知デバイス部8の構成について説明する。
図4は電流検知デバイス部8の平面図を示すもので、設置基板15上において、設置基板15の中心線11によって2つの領域に分けられ、それぞれの領域に磁気抵抗効果素子12a、12b、磁気抵抗効果素子12c、12dが線対称に等しく配置される。4つの磁気抵抗効果素子12a〜12dは、設置基板15の中心線11に対して相互に平行方向に配置され、磁気抵抗効果素子12a、12dは、互いに逆方向の磁界の増加に応じて抵抗値が共に増加する磁気抵抗効果特性を有するように、また、磁気抵抗効果素子12b、12cは、互いに逆方向の磁界の増加に応じて抵抗値が共に減少する磁気抵抗効果特性を有するように、図には省略したが、磁気抵抗効果素子上にはバーバーポール電極構造が形成されている。なお、4つの磁気抵抗効果素子12はそれぞれ1本で構成したが、クランク形状に複数の磁気抵抗効果素子を接続し、線路長を長く構成してもよい。また、中心線11上の中心点に対して点対称に構成してもよい。接続電流線13は、4つの磁気抵抗効果素子12間を接続することにより、ブリッジ回路16を構成するものであり、接続エリア14は、外部とブリッジ回路16の入出力用の端子部として用いる。
図1は、この発明の実施の形態1による電流センサの斜視図を示すもので、図2は図1の平面図、図3は図1または図2におけるAA断面(XZ面)の一部を示す断面図である。図において、電流センサ1は、電流検知デバイス部8、センサ回路部9を有するセンサ基板2と、一次導体3により構成される。
本実施の形態1では、一次導体3はスリット部4により第1の分流導体5と第2の分流導体6に分割され、スリット部4および第1、第2の分流導体5、6を含む一次導体3はU字形状部7を形成する。
まず、電流検知デバイス部8の構成について説明する。
図4は電流検知デバイス部8の平面図を示すもので、設置基板15上において、設置基板15の中心線11によって2つの領域に分けられ、それぞれの領域に磁気抵抗効果素子12a、12b、磁気抵抗効果素子12c、12dが線対称に等しく配置される。4つの磁気抵抗効果素子12a〜12dは、設置基板15の中心線11に対して相互に平行方向に配置され、磁気抵抗効果素子12a、12dは、互いに逆方向の磁界の増加に応じて抵抗値が共に増加する磁気抵抗効果特性を有するように、また、磁気抵抗効果素子12b、12cは、互いに逆方向の磁界の増加に応じて抵抗値が共に減少する磁気抵抗効果特性を有するように、図には省略したが、磁気抵抗効果素子上にはバーバーポール電極構造が形成されている。なお、4つの磁気抵抗効果素子12はそれぞれ1本で構成したが、クランク形状に複数の磁気抵抗効果素子を接続し、線路長を長く構成してもよい。また、中心線11上の中心点に対して点対称に構成してもよい。接続電流線13は、4つの磁気抵抗効果素子12間を接続することにより、ブリッジ回路16を構成するものであり、接続エリア14は、外部とブリッジ回路16の入出力用の端子部として用いる。
図5はこの発明の実施の形態1による電流センサ1の電流検知デバイス8を示す構成概略図であり、図5において、4つの磁気抵抗効果素子12間を接続電流線13で接続することにより、磁気抵抗効果素子12a、12bの直列接続からなるハーフブリッジ回路(第1のハーフブリッジ回路)17a、磁気抵抗効果素子12c、12dの直列接続からなるハーフブリッジ回路(第2のハーフブリッジ回路)17bの並列接続からなるブリッジ回路16を構成するものである。
接続エリア(第1の接続エリア)14aは、ブリッジ回路16の磁気抵抗効果素子12a、12c間の接続電流線13に接続され、もう一方の接続エリア(第2の接続エリア)14bは、ブリッジ回路16の磁気抵抗効果素子12b、12d間の接続電流線13に接続されており、接続エリア14a、14bからブリッジ回路16に電圧が供給されるものである。接続エリア(第3の接続エリア)14cは、ブリッジ回路16の磁気抵抗効果素子12a、12b間の接続電流線13に接続され、もう一方の接続エリア(第4の接続エリア)14dは、ブリッジ回路16の磁気抵抗効果素子12c、12d間の接続電流線2に接続されており、接続エリア14c、14dからブリッジ回路16の出力電圧が検出されるものである。
接続エリア(第1の接続エリア)14aは、ブリッジ回路16の磁気抵抗効果素子12a、12c間の接続電流線13に接続され、もう一方の接続エリア(第2の接続エリア)14bは、ブリッジ回路16の磁気抵抗効果素子12b、12d間の接続電流線13に接続されており、接続エリア14a、14bからブリッジ回路16に電圧が供給されるものである。接続エリア(第3の接続エリア)14cは、ブリッジ回路16の磁気抵抗効果素子12a、12b間の接続電流線13に接続され、もう一方の接続エリア(第4の接続エリア)14dは、ブリッジ回路16の磁気抵抗効果素子12c、12d間の接続電流線2に接続されており、接続エリア14c、14dからブリッジ回路16の出力電圧が検出されるものである。
なお、図4および図5には示していないが、設置基板15上の4つの磁気抵抗効果素子12a〜12dの上方、または下方、またはその両方に絶縁層を介して補償導電線18を配置し、ブリッジ回路16の出力電圧に基づいて、それらの補償導電線18に4つの磁気抵抗効果素子12の近傍に発生する磁界を打ち消すような電流を供給する磁気補償型の構成としてもよい。
次に、電流センサ1の全体構成について説明する。
図1に示すように、被測定電流を印加する一次導体3は、長手方向に沿った1つの空隙部であるスリット部4を有し、スリット部4によって一次導体3は第1の分流導体5と第2の分流導体6の2本の分流導体に分割される。被測定電流が分流して印加される第1、第2の分流導体5,6に、それぞれ安定して長手方向に均一な磁界分布を発生させるためには、一次導体3の長手方向に平行にスリット部4が形成されることが望ましい。このスリット部4は、電流検知デバイス部8、センサ回路部9を有するセンサ基板2が少なくとも挿入され得る幅にて形成され、スリット部4および第1、第2の分流導体5、6が形成された一次導体3の一部には、Z方向から見てU字の形状となるようにU字形状部7が形成される。なお本実施の形態1に示した図では、U字形状の底部の両脇部分が直角形状に構成されているが、電流検知デバイス部8に両側の分流導体から安定して逆方向の磁界が印加される構造であれば丸みを帯びた形状などでもよく、これに限るものではないが、安定して逆方向の磁界を印加するためにはU字形状が少なくとも電流検知デバイス部8の近傍において左右対称であることが望ましい。
図2に示すように、U字形状部7の対称軸、および電流検知デバイス部8の中心線11が略一致するようにセンサ基板2はスリット部4に設置されている。また、各分流導体の断面積は、印加する被測定電流値に応じて決定され、分流比に応じて分割される。分流比、電流検知デバイス部8の設置位置(特にZ方向)、スリット部4の幅等のパラメータは、磁気抵抗効果素子12に付与したい磁界に応じて決定するが、一次導体3を非対称形に分割した場合、スリット部4の幅方向における電流検知デバイス部8の設置位置は、例えば中央であっても構わない。
一方、一次導体3を対称形に分割した場合、スリット部4の幅方向(Z方向)における電流検知デバイス部8の設置位置は、中央からずらすのがよい。なお、このような一次導体3は、例えば銅などの金属による直線状導体バー形状から、スリット部4の打ち抜き加工とU字形状部7の曲げ加工等により作製される。
センサ基板2上には、電流検知デバイス部8とともにセンサ回路部9を配置する。センサ回路部9は、電流検知デバイス部8の接続エリア14a、14bにブリッジ回路16の電圧を供給すると共に、ブリッジ回路16の出力電圧を適度な増幅を施して出力するが、電流センサ1の外部への入出力には、外部端子10を利用する。
センサ基板2と1次導体3は特に図示しないが、接着剤や取付部材等を用いて固定する。取付部材は特に材料を限定しないが、非磁性で経時劣化の少ないものが望ましく、絶縁性や耐圧の効果を上げるために全体、あるいは一部を樹脂モールドしてもよい。
図1に示すように、被測定電流を印加する一次導体3は、長手方向に沿った1つの空隙部であるスリット部4を有し、スリット部4によって一次導体3は第1の分流導体5と第2の分流導体6の2本の分流導体に分割される。被測定電流が分流して印加される第1、第2の分流導体5,6に、それぞれ安定して長手方向に均一な磁界分布を発生させるためには、一次導体3の長手方向に平行にスリット部4が形成されることが望ましい。このスリット部4は、電流検知デバイス部8、センサ回路部9を有するセンサ基板2が少なくとも挿入され得る幅にて形成され、スリット部4および第1、第2の分流導体5、6が形成された一次導体3の一部には、Z方向から見てU字の形状となるようにU字形状部7が形成される。なお本実施の形態1に示した図では、U字形状の底部の両脇部分が直角形状に構成されているが、電流検知デバイス部8に両側の分流導体から安定して逆方向の磁界が印加される構造であれば丸みを帯びた形状などでもよく、これに限るものではないが、安定して逆方向の磁界を印加するためにはU字形状が少なくとも電流検知デバイス部8の近傍において左右対称であることが望ましい。
図2に示すように、U字形状部7の対称軸、および電流検知デバイス部8の中心線11が略一致するようにセンサ基板2はスリット部4に設置されている。また、各分流導体の断面積は、印加する被測定電流値に応じて決定され、分流比に応じて分割される。分流比、電流検知デバイス部8の設置位置(特にZ方向)、スリット部4の幅等のパラメータは、磁気抵抗効果素子12に付与したい磁界に応じて決定するが、一次導体3を非対称形に分割した場合、スリット部4の幅方向における電流検知デバイス部8の設置位置は、例えば中央であっても構わない。
一方、一次導体3を対称形に分割した場合、スリット部4の幅方向(Z方向)における電流検知デバイス部8の設置位置は、中央からずらすのがよい。なお、このような一次導体3は、例えば銅などの金属による直線状導体バー形状から、スリット部4の打ち抜き加工とU字形状部7の曲げ加工等により作製される。
センサ基板2上には、電流検知デバイス部8とともにセンサ回路部9を配置する。センサ回路部9は、電流検知デバイス部8の接続エリア14a、14bにブリッジ回路16の電圧を供給すると共に、ブリッジ回路16の出力電圧を適度な増幅を施して出力するが、電流センサ1の外部への入出力には、外部端子10を利用する。
センサ基板2と1次導体3は特に図示しないが、接着剤や取付部材等を用いて固定する。取付部材は特に材料を限定しないが、非磁性で経時劣化の少ないものが望ましく、絶縁性や耐圧の効果を上げるために全体、あるいは一部を樹脂モールドしてもよい。
次に、電流センサ1の動作について、図3により説明する。
一次導体3に被測定電流を印加すると、例えば第1の分流導体5a、および第2の分流導体6aには共に電流の方向に対して図3の破線に示すように左回転の磁界が、また第1の分流導体5b、および第2の分流導体6bには共に電流の方向に対して図3の破線に示すように右回転の磁界が、印加される被測定電流の大きさに応じて発生する。その結果、電流検知デバイス部8をスリット部4のZ方向の中央近傍に設置した場合、電流検知デバイス部8のXY面における、図4に示した磁気抵抗効果素子12a、12bには、中心線11より紙面左側の向きに磁界が加わり、磁気抵抗効果素子12c、12dには、中心線11より紙面右側の向きに磁界が加わる。
この場合、図3に示すように電流検知デバイス部8の位置では、第1の分流導体5と第2の分流導体6に発生した磁界の方向が逆方向となるため、一部キャンセルされ、より低められた磁界がそれぞれの磁気抵抗効果素子12に印加されることになる。そのため、被測定電流が大電流であっても磁気抵抗効果素子12に印加される磁界が抑制され、出力の飽和などを気にすることなく、かつ電流センサとしての外形す法を大型化することなく、大電流の計測が容易に行える。
なお、磁気抵抗効果素子12a、12dでは、共に磁界の増加に応じて抵抗値が増加すると共に、磁界の減少に応じて抵抗値が減少する磁気抵抗効果特性を有するように、また、磁気抵抗効果素子12b、12cでは、逆に磁界の増加に応じて抵抗値が減少すると共に、磁界の減少に応じて抵抗値が増加する磁気抵抗効果特性を有するように構成されている。
よって、一次導体3に流れる電流の増加に応じて磁気抵抗効果素子12a、12dの抵抗値が増加すると共に、磁気抵抗効果素子12b、12cの抵抗値が減少し、一次導体3に流れる電流の減少に応じて磁気抵抗効果素子12a、12dの抵抗値が減少すると共に、磁気抵抗効果素子12b、12cの抵抗値が増加する。このように、一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じてブリッジ回路16の平衡が崩れ、これが電流検知デバイス部8のブリッジ回路16の出力となる。
一次導体3に被測定電流を印加すると、例えば第1の分流導体5a、および第2の分流導体6aには共に電流の方向に対して図3の破線に示すように左回転の磁界が、また第1の分流導体5b、および第2の分流導体6bには共に電流の方向に対して図3の破線に示すように右回転の磁界が、印加される被測定電流の大きさに応じて発生する。その結果、電流検知デバイス部8をスリット部4のZ方向の中央近傍に設置した場合、電流検知デバイス部8のXY面における、図4に示した磁気抵抗効果素子12a、12bには、中心線11より紙面左側の向きに磁界が加わり、磁気抵抗効果素子12c、12dには、中心線11より紙面右側の向きに磁界が加わる。
この場合、図3に示すように電流検知デバイス部8の位置では、第1の分流導体5と第2の分流導体6に発生した磁界の方向が逆方向となるため、一部キャンセルされ、より低められた磁界がそれぞれの磁気抵抗効果素子12に印加されることになる。そのため、被測定電流が大電流であっても磁気抵抗効果素子12に印加される磁界が抑制され、出力の飽和などを気にすることなく、かつ電流センサとしての外形す法を大型化することなく、大電流の計測が容易に行える。
なお、磁気抵抗効果素子12a、12dでは、共に磁界の増加に応じて抵抗値が増加すると共に、磁界の減少に応じて抵抗値が減少する磁気抵抗効果特性を有するように、また、磁気抵抗効果素子12b、12cでは、逆に磁界の増加に応じて抵抗値が減少すると共に、磁界の減少に応じて抵抗値が増加する磁気抵抗効果特性を有するように構成されている。
よって、一次導体3に流れる電流の増加に応じて磁気抵抗効果素子12a、12dの抵抗値が増加すると共に、磁気抵抗効果素子12b、12cの抵抗値が減少し、一次導体3に流れる電流の減少に応じて磁気抵抗効果素子12a、12dの抵抗値が減少すると共に、磁気抵抗効果素子12b、12cの抵抗値が増加する。このように、一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じてブリッジ回路16の平衡が崩れ、これが電流検知デバイス部8のブリッジ回路16の出力となる。
さらに、電流センサ1の動作について、補償導電線18を有する場合について説明する。補償導電線18を配置した電流検知デバイス部8とセンサ回路部9の概略構成を図6に示す。なお一次導体3は実際には分流し、電流検知デバイス部8の設置部分を通過するが、簡単のために図6では分流を示さず一本で示した。
一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じてブリッジ回路16の平衡が崩れる。このとき、センサ回路部9に設置された増幅回路部(例えばオペアンプ19)では、電流検知デバイス部8の接続エリア14c、14dから検出される出力電圧に基づいて、磁気抵抗効果素子12a〜12d近傍に発生する磁界を打ち消すような電流(制御電流)を補償導電線18に供給する。具体的には接続エリア14c、14dの出力電圧が0になるように、制御電流の大きさを調整する。補償導電線18は、その制御電流の大きさに応じて4つの磁気抵抗効果素子12a〜12d近傍に発生する磁界、すなわち一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じた磁界を相殺するような磁界を発生する。
したがって、一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じたブリッジ回路16の平衡の崩れを、センサ回路部9から供給される制御電流により修復することができる。ゆえに、センサ回路部9から供給した制御電流の大きさが、一次導体3に印加される被測定電流の大きさに相関のある値として検出することができる。
なお、一次導体3以外において発生さした外部磁界(外乱磁界)は、磁気抵抗効果素子12a、12bと磁気抵抗効果素子12c、12d(ブリッジ回路16の左右の各ハーフブリッジ回路17)に同相の影響となるため相殺され、測定精度に影響を与えない。
また、本実施の形態1では、スリット部4を1つだけ設置して一次導体3を2本の分流導体に分割した例を示したが、図7に示すようにさらに複数となる第1のスリット部21、第2のスリット部22を設置して、複数本(ここでは3本)の分流導体(第1の分流導体5、第2の分流導体6、第3の分流導体20)構造とし、磁気抵抗効果素子12に付与する磁界を調整しても構わない。
一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じてブリッジ回路16の平衡が崩れる。このとき、センサ回路部9に設置された増幅回路部(例えばオペアンプ19)では、電流検知デバイス部8の接続エリア14c、14dから検出される出力電圧に基づいて、磁気抵抗効果素子12a〜12d近傍に発生する磁界を打ち消すような電流(制御電流)を補償導電線18に供給する。具体的には接続エリア14c、14dの出力電圧が0になるように、制御電流の大きさを調整する。補償導電線18は、その制御電流の大きさに応じて4つの磁気抵抗効果素子12a〜12d近傍に発生する磁界、すなわち一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じた磁界を相殺するような磁界を発生する。
したがって、一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じたブリッジ回路16の平衡の崩れを、センサ回路部9から供給される制御電流により修復することができる。ゆえに、センサ回路部9から供給した制御電流の大きさが、一次導体3に印加される被測定電流の大きさに相関のある値として検出することができる。
なお、一次導体3以外において発生さした外部磁界(外乱磁界)は、磁気抵抗効果素子12a、12bと磁気抵抗効果素子12c、12d(ブリッジ回路16の左右の各ハーフブリッジ回路17)に同相の影響となるため相殺され、測定精度に影響を与えない。
また、本実施の形態1では、スリット部4を1つだけ設置して一次導体3を2本の分流導体に分割した例を示したが、図7に示すようにさらに複数となる第1のスリット部21、第2のスリット部22を設置して、複数本(ここでは3本)の分流導体(第1の分流導体5、第2の分流導体6、第3の分流導体20)構造とし、磁気抵抗効果素子12に付与する磁界を調整しても構わない。
以上のように、この実施の形態1によれば、設置基板上に4つの磁気抵抗効果素子で、設置基板の中心線に対して分けられた一方の領域に第1のハーフブリッジ回路が配置されると共に、他方の領域に第2のハーフブリッジ回路が配置され、それぞれのハーフブリッジ回路に逆方向の磁界が印加される構造のため、一様な外部磁界を除去することができる。
また、一次導体を分流構造とし、かつ磁気抵抗効果素子への印加磁界を抑制する構成としたため、大電流の測定が容易に可能となり、さらに分流導体間のスリット部にセンサ基板を設置したため、一次導体を含めた電流センサの構造が小型となる効果がある。
実施の形態2.
図8は、この発明の実施の形態2による電流センサの斜視図を示すもので、図9は図8におけるAA断面(XZ面)の一部を示す断面図である。図において、電流センサ1は、第1の電流検知デバイス部25、第1のセンサ回路部27を有する第1のセンサ基板23と、第2の電流検知デバイス部26、第2のセンサ回路部28を有する第2のセンサ基板24と一次導体3により構成される。本実施の形態2では、一次導体3はスリット部4により第1の分流導体5と第2の分流導体6に分割され、スリット部4および第1、第2の分流導体を含む一次導体3はU字形状部7を形成するとともに、第1、および第2のセンサ基板23、24の複数の基板を、スリット部4と第2の分流導体6の下面に設置したものである。
実施の形態2は、実施の形態1に新たにセンサ基板を付加した構成であり、その他の構成で重複する部分は省略する。実施の形態2は、一次導体3の分流部近傍において、印加した被測定電流に応じて発生する磁界を2箇所で計測するようにしたものである。
図8は、この発明の実施の形態2による電流センサの斜視図を示すもので、図9は図8におけるAA断面(XZ面)の一部を示す断面図である。図において、電流センサ1は、第1の電流検知デバイス部25、第1のセンサ回路部27を有する第1のセンサ基板23と、第2の電流検知デバイス部26、第2のセンサ回路部28を有する第2のセンサ基板24と一次導体3により構成される。本実施の形態2では、一次導体3はスリット部4により第1の分流導体5と第2の分流導体6に分割され、スリット部4および第1、第2の分流導体を含む一次導体3はU字形状部7を形成するとともに、第1、および第2のセンサ基板23、24の複数の基板を、スリット部4と第2の分流導体6の下面に設置したものである。
実施の形態2は、実施の形態1に新たにセンサ基板を付加した構成であり、その他の構成で重複する部分は省略する。実施の形態2は、一次導体3の分流部近傍において、印加した被測定電流に応じて発生する磁界を2箇所で計測するようにしたものである。
実施の形態2における電流センサ1の全体構成について説明する。
U字形状部7の対称軸、および第1の電流検知デバイス部25の中心線11が略一致するように第1のセンサ基板23はスリット部4に設置され、かつU字形状部7の対称軸、および第2の電流検知デバイス部26の中心線11が略一致するように第2のセンサ基板24は第2の分流導体6の下面に設置される。各分流導体の断面積は、印加する被測定電流値に応じて決定され、分流比に応じて分割される。分流比、2つの電流検知デバイス部25、26の設置位置(特に2方向)、スリット部4の幅等のパラメータは、磁気抵抗効果素子12に付与したい磁界に応じて決定する。
第1のセンサ基板23上には第1の電流検知デバイス部25とともに第1のセンサ回路部27を、第2のセンサ基板24上には第2の電流検知デバイス部26とともに第2のセンサ回路部28を配置する。各電流検知デバイス部における磁気抵抗効果素子等の構成は実施の形態1に示した電流検知デバイス部8と同一構成とし、重複を避けるため記述しない。
それぞれのセンサ回路部は、それぞれの電流検知デバイス部の接続エリア14a、14bにブリッジ回路16の電圧を供給すると共に、ブリッジ回路16の出力電圧を適度な増幅を施して出力するが、異なる部分の磁界を計測するため、増幅率等の各センサ回路部の構成は異なる場合がある。
なお、本実施の形態においては、第2のセンサ基板24を第2の分流導体6の下面に設置した例を示したが、第1の分流導体5の上面に設置してもよく、あるいは1つに限ったものではなく上下面にさらに複数個設置してもよい。
U字形状部7の対称軸、および第1の電流検知デバイス部25の中心線11が略一致するように第1のセンサ基板23はスリット部4に設置され、かつU字形状部7の対称軸、および第2の電流検知デバイス部26の中心線11が略一致するように第2のセンサ基板24は第2の分流導体6の下面に設置される。各分流導体の断面積は、印加する被測定電流値に応じて決定され、分流比に応じて分割される。分流比、2つの電流検知デバイス部25、26の設置位置(特に2方向)、スリット部4の幅等のパラメータは、磁気抵抗効果素子12に付与したい磁界に応じて決定する。
第1のセンサ基板23上には第1の電流検知デバイス部25とともに第1のセンサ回路部27を、第2のセンサ基板24上には第2の電流検知デバイス部26とともに第2のセンサ回路部28を配置する。各電流検知デバイス部における磁気抵抗効果素子等の構成は実施の形態1に示した電流検知デバイス部8と同一構成とし、重複を避けるため記述しない。
それぞれのセンサ回路部は、それぞれの電流検知デバイス部の接続エリア14a、14bにブリッジ回路16の電圧を供給すると共に、ブリッジ回路16の出力電圧を適度な増幅を施して出力するが、異なる部分の磁界を計測するため、増幅率等の各センサ回路部の構成は異なる場合がある。
なお、本実施の形態においては、第2のセンサ基板24を第2の分流導体6の下面に設置した例を示したが、第1の分流導体5の上面に設置してもよく、あるいは1つに限ったものではなく上下面にさらに複数個設置してもよい。
次に、実施の形態2における電流センサ1の動作について、図9により説明する。
一次導体3に被測定電流を印加すると、例えば第1の分流導体5a、および第2の分流導体6aには共に電流の方向に対して図9の破線に示すように左回転の磁界が、第1の分流導体5b、および第2の分流導体6bには共に電流の方向に対して図9の破線に示すように右回転の磁界が、印加される被測定電流の大きさに応じて発生する。その結果、電流検知デバイス部25をスリット部4のZ方向の中央近傍に設置した場合、電流検知デバイス部25のXY面における、図4に示した磁気抵抗効果素子12a、12bには、中心線11より紙面左側の向きに磁界が加わり、また、磁気抵抗効果素子12c、12dには、中心線11より紙面右側の向きに磁界が加わる。電流検知デバイス部25の位置では、第1の分流導体5と第2の分流導体6に発生する磁界の方向が逆方向となるため一部キャンセルされ、より低められた磁界がそれぞれの磁気抵抗効果素子12に印加されることになる。
電流検知デバイス部26を第2の分流導体6の下面に設置した場合、電流検知デバイス部26のXY面における、図4に示した磁気抵抗効果素子12a、12bには、中心線11より紙面左側の向きに磁界が加わり、また、磁気抵抗効果素子12c、12dには、中心線11より紙面右側の向きに磁界が加わる。電流検知デバイス部26の位置では、第1の分流導体5と第2の分流導体6に発生する磁界の方向が同方向となるため、キャンセルされることなく、合成された磁界がそれぞれの磁気抵抗効果素子12に印加されることになる。
つまり、電流検知デバイス部25の位置では、被測定電流が大電流であっても磁気抵抗効果素子12に印加される磁界が抑制され、出力の飽和などを気にすることなく、かつ電流センサとしての外形寸法を大型化することなく、大電流の計測が容易に行え、電流検知デバイス部26の位置では、被測定電流が小容量の電流であっても磁気抵抗効果素子12に印加される磁界は合成され、出力の低下によるS/Nの悪化などを気にすることなく、小容量の電流の計測が容易に行える。
例えば、各電流検知デバイス部25、26のハーフブリッジ部分(例えば17b)に被測定電流値に対して付与される磁界は、図10のように示され、小容量の電流の計測時は電流検知デバイス部26、大電流の測定時は電流検知デバイス部25を利用するように構成すれば、各センサ回路部の増幅率等の若干の調整で、同じ特性の電流検知デバイス部を用いて、図11に示すように測定レンジの拡大した精度の良い電流センサを構築することが可能となる。
一次導体3に被測定電流を印加すると、例えば第1の分流導体5a、および第2の分流導体6aには共に電流の方向に対して図9の破線に示すように左回転の磁界が、第1の分流導体5b、および第2の分流導体6bには共に電流の方向に対して図9の破線に示すように右回転の磁界が、印加される被測定電流の大きさに応じて発生する。その結果、電流検知デバイス部25をスリット部4のZ方向の中央近傍に設置した場合、電流検知デバイス部25のXY面における、図4に示した磁気抵抗効果素子12a、12bには、中心線11より紙面左側の向きに磁界が加わり、また、磁気抵抗効果素子12c、12dには、中心線11より紙面右側の向きに磁界が加わる。電流検知デバイス部25の位置では、第1の分流導体5と第2の分流導体6に発生する磁界の方向が逆方向となるため一部キャンセルされ、より低められた磁界がそれぞれの磁気抵抗効果素子12に印加されることになる。
電流検知デバイス部26を第2の分流導体6の下面に設置した場合、電流検知デバイス部26のXY面における、図4に示した磁気抵抗効果素子12a、12bには、中心線11より紙面左側の向きに磁界が加わり、また、磁気抵抗効果素子12c、12dには、中心線11より紙面右側の向きに磁界が加わる。電流検知デバイス部26の位置では、第1の分流導体5と第2の分流導体6に発生する磁界の方向が同方向となるため、キャンセルされることなく、合成された磁界がそれぞれの磁気抵抗効果素子12に印加されることになる。
つまり、電流検知デバイス部25の位置では、被測定電流が大電流であっても磁気抵抗効果素子12に印加される磁界が抑制され、出力の飽和などを気にすることなく、かつ電流センサとしての外形寸法を大型化することなく、大電流の計測が容易に行え、電流検知デバイス部26の位置では、被測定電流が小容量の電流であっても磁気抵抗効果素子12に印加される磁界は合成され、出力の低下によるS/Nの悪化などを気にすることなく、小容量の電流の計測が容易に行える。
例えば、各電流検知デバイス部25、26のハーフブリッジ部分(例えば17b)に被測定電流値に対して付与される磁界は、図10のように示され、小容量の電流の計測時は電流検知デバイス部26、大電流の測定時は電流検知デバイス部25を利用するように構成すれば、各センサ回路部の増幅率等の若干の調整で、同じ特性の電流検知デバイス部を用いて、図11に示すように測定レンジの拡大した精度の良い電流センサを構築することが可能となる。
なお、実施の形態1と同様に、磁気抵抗効果素子12a、12dでは、共に磁界の増加に応じて抵抗値が増加すると共に、磁界の減少に応じて抵抗値が減少する磁気抵抗効果特性を有するように、また、磁気抵抗効果素子12b、12cでは、逆に磁界の増加に応じて抵抗値が減少すると共に、磁界の減少に応じて抵抗値が増加する磁気抵抗効果特性を有するように構成されているため、一次導体3に流れる電流の増加に応じて磁気抵抗効果素子12a、12dの抵抗値が増加すると共に、磁気抵抗効果素子12b、12cの抵抗値が減少し、一次導体3に流れる電流の減少に応じて磁気抵抗効果素子12a、12dの抵抗値が減少すると共に、磁気抵抗効果素子12b、12cの抵抗値が増加する。このように、一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じてブリッジ回路16の平衡が崩れ、これが各電流検知デバイス部25、26のブリッジ回路16の出力となる。
以上のように、この実施の形態2によれば、設置基板上に4つの磁気抵抗効果素子で、設置基板の中心線に対して分けられた一方の領域に第1のハーフブリッジ回路が配置されると共に、他方の領域に第2のハーフブリッジ回路が配置され、それぞれのハーフブリッジ回路に逆方向の磁界が印加される構造のため、一様な外部磁界を除去することができる。
一次導体を分流構造としたため、小型で大電流の測定が可能となる。また、一次導体の分流部の近傍に異なる磁束密度が生じる構造のため、同じ特性の電流検知デバイス部を複数個設置して、小型で、かつ測定レンジを精度良く拡大できる効果がある。さらにまた、同じ特性の電流検知デバイス部が利用できるため、複数の異なる特性の電流検知デバイス部を用意する必要がなく、低コスト化となる効果がある。
1 電流センサ、2 センサ基板、3 一次導体、4 スリット部、5 第1の分流導体、6 第2の分流導体、7 U字形状部、8 電流検知デバイス部、9 センサ回路部、10 外部端子、11 中心線、12 磁気抵抗効果素子、13 接続電流線、14 接続エリア、15 設置基板、16 ブリッジ回路、17 ハーフブリッジ回路、18 補償導電線、19 オペアンプ、20 第3の分流導体、21 第1のスリット部、22 第2のスリット部、23 第1のセンサ基板、24 第2のセンサ基板、25 第1の電流検知デバイス部、26 第2の電流検知デバイス部、27 第1のセンサ回路部、28 第2のセンサ回路部
Claims (4)
- 設置基板上に配置され、互いに逆方向の磁界の増加に応じて抵抗値が共に増加する磁気抵抗効果特性を有する第1および第4の磁気抵抗効果素子と、
上記設置基板上に配置され、互いに逆方向の上記磁界の増加に応じて抵抗値が共に減少する磁気抵抗効果特性を有する第2および第3の磁気抵抗効果素子と、
上記設置基板上に配置され、上記第1から第4の磁気抵抗効果素子を接続することにより、上記第1および第2の磁気抵抗効果素子による第1のハーフブリッジ回路、および上記第3および第4の磁気抵抗効果素子による第2のハーフブリッジ回路からなるブリッジ回路を構成する接続電流線とを備え、
上記設置基板の中心線に対して分けられた一方の領域に上記第1のハーフブリッジ回路が配置されると共に、他方の領域に上記第2のハーフブリッジ回路が配置された電流検知デバイスと、
少なくとも1つのスリット部を有する一次導体を備え、
上記スリット部を含めた上記一次導体の少なくとも一部分がU字型形状を形成すると共に、U字型形状を形成した上記スリット部、およびU字型形状を形成した上記一次導体の上部、およびU字型形状を形成した上記一次導体の下部の3箇所の内少なくとも一箇所に、上記設置基板の中心線とU字型形状の対称軸が略一致するように上記電流検知デバイスが配置されたことを特徴とする電流センサ。 - 一次導体に設けた上記スリット部は、一次導体の長手方向に形成されると共に、上記スリット部により一次導体を対称に分割することを特徴とする請求項1記載の電流センサ。
- 一次導体に設けた上記スリット部は、一次導体の長手方向に形成されると共に、上記スリット部により一次導体を非対称に分割することを特徴とする請求項1記載の電流センサ。
- 上記電流検知デバイスはセンサ回路部とともにセンサ基板に設置され、上記センサ基板はU字型形状を成す上記スリット部、およびU字型形状を形成した上記一次導体の上部、およびU字型形状を形成した上記一次導体の下部の3箇所の内少なくとも一箇所に、上記設置基板の中心線とU字型形状の対称軸が略一致するように配置されたことを特徴とする請求項2または3に記載の電流センサ。
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-
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