JP5990963B2 - 磁気センサデバイス、及び電流センサ回路 - Google Patents

磁気センサデバイス、及び電流センサ回路 Download PDF

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本発明は、磁気センサデバイス、及び電流センサ回路に関する。
ある場所における磁場の強さを測定する磁気センサデバイスは、各種用途に利用されている。その利用用途の一例が電流センサである。
例えば被測定電流が流れる導体を取り囲むエアギャップつきの環状磁心を用い、この磁心に被測定電流による磁束を発生させ、ギャップ内にスピンバルブ型の巨大磁気抵抗素子を置いて当該磁束を測定する構成による電流センサが特許文献1に開示されている。
また、被測定電流が流れる導体近傍に磁気抵抗素子を一つ配するとともに、この磁気抵抗素子に被測定電流からの誘導電流をキャンセルする磁場を加えるためのフィードバックコイルを設け、磁気抵抗素子と3つの固定抵抗器とでフルブリッジ回路を構成した例が特許文献2に開示されている。
特開2008−128711号公報 世界知的所有権機関国際事務局 国際公開第2010/143666号パンフレット
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の技術では、磁心を用いており、被測定電流が大きくなればなるほど、大きいサイズの磁心が必要となってしまう。引用文献2に開示された技術によれば、磁心を用いることなく同一基板上に形成されたフィードバックコイル、磁気コア、磁場検出ブリッジ回路により近傍にある導体を流れる被測定電流を測定できる。しかしながら、この引用文献2に開示された構成では、磁気抵抗素子と固定抵抗とでブリッジ回路を形成しているため、各素子の温度係数による抵抗変化の相違が排除できず、測定精度の向上が困難である。なお、特許文献1の磁気コアは、一次電流による誘導磁場を集め、かつフィードバック磁場を供給するためのものである。
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、磁気コアを用いず、また温度変化があっても測定精度を維持ないし向上できる磁気センサデバイス、及び電流センサ回路を提供することを、その目的の一つとする。
上記従来例の問題点を解決するための発明は、磁気センサデバイスであって、基板と、前記基板の面上に形成された2n+1(nは自然数)個の磁気ヨークと、前記磁気ヨークに巻回されるコイルと、固定層及び自由層を有し、一対の前記磁気ヨーク間に形成される磁場の強さを検出する2m(mは自然数)個の磁気抵抗効果素子であって、2個ずつの磁気抵抗効果素子がそれぞれブリッジ回路を構成してなる磁気抵抗効果素子と、を含むこととしたものである。
ここで前記コイルは、前記磁気ヨークに対してソレノイド状に巻回されていてもよい。また前記磁気ヨークは、磁束の方向に沿って一列に、2n+1(nは自然数)個配され、当該磁気ヨークの少なくとも一つが、前記コイルが巻回される本体部と、当該本体部に連結され、磁束の方向に交差する方向に延びる延伸部とを有することとしてもよい。
さらに前記磁気ヨークは、磁束の方向に沿って一列に配されるとともに、前記コイルが巻回され、当該一列に配された磁気ヨークのうち、磁束方向両端に配された二つの磁気ヨークのそれぞれが、末端側に、磁束の方向に交差する方向に延びる延伸部を具備することとしてもよい。
また前記磁気ヨークは、磁束の方向に沿って一列に、2n+1(nは自然数)個配されるとともに、前記コイルが巻回され、当該一列に配された磁気ヨークのうち、磁束方向両端に配された二つの磁気ヨークが、それぞれの末端側から延伸される延伸部を有し、当該延伸部が互いに連結されて閉磁路を形成するものであってもよい。
これらにおいて、前記磁気ヨークの前記コイルが巻回される部分には、隣接する磁気ヨークに向けてその幅が狭くなるようテーパーを有してもよく、このとき前記テーパーの先端の幅は、前記磁気抵抗効果素子の実効長さよりも長いものとしてもよい。また一対の前記磁気ヨーク間に、それぞれ複数の前記磁気抵抗効果素子を配してもよい。
また、本発明の一態様に係る磁気センサデバイスは、基板と、前記基板の面上に形成され、コイルが巻回される第1磁気ヨークと、前記基板の面上に形成され、前記第1の磁気ヨークの両端部に隣接する2つの端部を有してそれぞれC字状をなす一対の第2の磁気ヨークと、固定層及び自由層を有し、それぞれが前記第1磁気ヨーク両端で、第1磁気ヨークと第2磁気ヨークとの間に形成される磁場の強さを検出する2つの磁気抵抗効果素子であって、当該2つの磁気抵抗効果素子がブリッジ回路を構成してなる磁気抵抗効果素子と、を含み、前記一対の第2の磁気ヨークが、磁束の方向に延びる前記第1の磁気ヨークの中心線に対して線対称に配されてなる。
また本発明の一態様に係る電流センサ回路は、これらの磁気センサデバイスを含むこととしたものである。
本発明によると、磁気コアを用いず、また固定抵抗をブリッジ回路に含まず、磁気抵抗効果素子によってブリッジ回路を形成するので、温度変化に対する抵抗値変化量の差を抑制でき、測定精度を維持ないし向上できる。
本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける磁気ヨークのパターンの一例を表す平面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスの一例を表す断面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスの別の例を表す断面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスのまた別の例を表す断面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスの一例における磁束線の状況を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサ回路の例を表す概略回路図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサ回路において生じる信号の例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける磁気ヨークのパターンの別の例を表す平面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける磁気ヨークのパターンのまた別の例を表す平面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける磁気ヨークのパターンのさらに別の例を表す平面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける磁気ヨークのパターンのさらにもう一つの別の例を表す平面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける磁気ヨークのパターンのまたさらに別の例を表す平面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサ回路の別の例を表す概略回路図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサ回路のまた別の例を表す概略の部分的な回路図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサ回路の配置例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスに対するシールドの配置例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスに対するまた別のシールドの配置例を表す説明図である。 本発明の実施例に係る実験結果を表すグラフである。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイス1は、図1に例示するように、基板10と、この基板10上に磁気ヨーク11と、磁気抵抗効果素子12と、コイル13とを薄膜プロセスで形成したものである。図1は、本実施の形態の磁気センサデバイス1の平面図である。図1では説明のため、コイル13を破線で示し、磁気ヨーク11の形状を見やすくしている。
またここで基板10は、シリコン基板であってもよいし、アルミナチタンカーバイド基板(Al2O3-TiC基板)、SiC基板、ガラス基板のいずれであってもよい。
図1に示されるように、本実施の形態では、磁束の向き(以下X軸とし、基板10の面内でX軸に直交する軸をY軸、基板面の法線方向(X,Yの両軸に直交する方向の軸)をZ軸とする)に沿って、2n+1(nは自然数)個の磁気ヨーク11がそれぞれ間隔Gをおいて配される。また図1の例では、各磁気ヨーク11には、それぞれコイル13がソレノイド状に巻回されている。このコイル13は、(1)磁気抵抗効果素子12の検出磁場の強さに基づくフィードバック電流を流す、(2)三角波電流を流す(交流バイアス)、(3)フィードバック電流と三角波電流とを流す、(4)三角波電流と、さらに他の電流を重畳して流す、(5)三角波電流以外の電流を流してバイアスをかける、など種々の利用態様がある。
磁気抵抗効果素子12は、2m(mは自然数)個あり、各対の磁気ヨーク11間の磁場の強さを検出する位置にそれぞれ配されている。この磁気抵抗効果素子12は、XY面に並行な磁化方向が固定されている固定層と、印加される磁場によって磁化の向きが変わる自由層とを有し、これらを中間層を挟んでZ軸方向に積層して配した構成を備えるスピンバルブ型のGMR素子またはTMR素子を用いる。固定層の磁化方向は、例えば磁気抵抗効果素子12の幅方向、すなわちX軸方向とする。本実施の形態では、一対または二対の磁気抵抗効果素子12によりハーフブリッジまたはフルブリッジ回路を構成する。この構成については後に述べる。
この磁気抵抗効果素子12は、上記のように配されるので、磁束線のZ軸方向の成分への感度は、XY面内の成分への感度より低い。
図2は、図1に例示した磁気センサデバイスの磁気ヨーク11を、磁束の方向に延びる中心線で破断した概略の断面図の一例である。図2では理解の容易のために、コイル13等はその配置の概要を示しており、巻数等を大幅に減らして図示している(図3,図4において同じ)。図2に例示するように本実施の形態のある例に係る磁気センサデバイス1は、次の要領で製造される。すなわち、まず基板10上に2層の絶縁層(SiO2(基板側)及びAl2O3(絶縁膜22側))21を形成し、この上に幅10μmの磁気抵抗効果素子12(SVGMR膜等)を偶数個、薄膜プロセスにより形成する。そしてさらにこの磁気抵抗効果素子12の膜よりも厚い絶縁膜22を形成し、この絶縁膜22上に、パーマロイによる磁気ヨーク11と、それに巻回されるアルミニウムのコイル13の巻線(下側)とを形成し、これらを樹脂23(絶縁体)により封止する。次に樹脂23にビアホールを形成してコイル13の巻線(下側)のそれぞれに対して導体を接続する。次にこれらの導体に対し、それぞれ接続するコイル13の巻線(上側)を形成し、さらに樹脂23(絶縁体)により封止する。ただし、コイルに導通するパッドは樹脂から露出させる。磁気ヨーク11は、磁気抵抗効果素子12の磁束の向きに沿った両側に約2μmほどの幅をとって配する。この例では磁気ヨーク11の間隔Gは約14μmとなる。また磁気抵抗効果素子12は、平面視では、互いに隣接する一対の磁気ヨーク11の間にあるが、磁気ヨーク11よりも基板10側(下方)に配される。
また別の例を図3に例示する。図3の例では、基板10上に2層の絶縁層(SiO2(基板側)及びAl2O3(絶縁膜22側))21を形成した後、この上に磁気抵抗効果素子12と、パーマロイによる磁気ヨーク11と、それに巻回されるアルミニウムのコイル13の巻線(下側)とを形成する。ここで磁気ヨーク11は、約14μmの間隔をおいて奇数個配される。そして幅10μmの磁気抵抗効果素子12を、磁気ヨーク11間に形成してから絶縁膜22にて絶縁し、その後全体を樹脂23により封止する。次に樹脂23にビアホールを形成してコイル13の巻線(下側)のそれぞれに対して導体を接続する。次にこれらの導体に対し、それぞれ接続するコイル13の巻線(上側)を形成し、さらに樹脂23(絶縁体)により封止する。
さらに別の例を図4に例示する。図4の例では、基板10上に2層の絶縁層(SiO2(基板側)及びAl2O3(絶縁膜22側))21を形成した後、この上に、パーマロイによる磁気ヨーク11と、それに巻回されるアルミニウムのコイル13の巻線(下側)を形成し、樹脂23により封止する。ここでも磁気ヨーク11は、約14μmの間隔をおいて奇数個配する。その後、薄膜プロセスにより、平面視で磁気ヨーク11の間に相当する位置に、磁気抵抗効果素子12を形成してから絶縁膜22を形成し、絶縁膜23にビアホールを形成してコイル13の巻線(下側)のそれぞれに対して導体を接続する。次にこれらの導体に対し、それぞれ接続するコイル13の巻線の残りの部分(上側)を形成し、樹脂23により封止する。この場合、磁気抵抗効果素子12は、平面視では、互いに隣接する一対の磁気ヨーク11の間にあるが、磁気ヨーク11よりも上方(基板10とは反対側)に位置する。
いずれの例においても、互いに隣接する一対の磁気ヨーク11間の磁場の強さを検出可能な位置に磁気抵抗効果素子12が配されることとなるが、磁気抵抗効果素子12は、図2,図4の例のように、磁気ヨーク11と同じ面に配されなくても構わない。薄膜プロセスによる磁気抵抗効果素子12は、厚さ(Z軸方向)が約0.025μm、長さ(Y軸方向)が約100μmとなっている。
なお、「磁気ヨーク11間」と称した場合は、隣接する一対の磁気ヨーク11の、対向する各端面を底面とする柱状の領域内に限らず、この柱状領域の近傍を含む。
またこれらの例で絶縁層21は、2層でなくてもよく、SiO2、Al2O3、窒化ケイ素等の1層の膜、またはこれらを積層した多層の膜としても構わない。
これら図2から図4に示した例のうち、図2に示した、磁気抵抗効果素子12を、磁気ヨーク11よりも基板10側の層に配する例とする場合、基板10に絶縁膜で平坦な面を作製し、この平坦化した面に磁気ヨーク11等よりも先に磁気抵抗効果素子を形成することとなる。この図2の例は、磁気ヨーク11等の他の要素を形成してから磁気抵抗効果素子12を形成することとなる図4の例に比べ、先行して形成される部分の削り取りなどの加工がなく、製造が比較的簡易である。
図2では、基板に絶縁膜で平坦な面を作製し、先に磁気抵抗効果素子を形成する。他の部材を形成してから或いは形成した上に磁気抵抗効果素子を形成する構成よりも、平坦な面(平坦化した面)に磁気抵抗効果素子を形成できるので、磁気抵抗効果素子の特性ばらつきを抑制できる。図2の構成は、図3又は図4の構成にくらべて、磁気抵抗効果素子の特性ばらつきが小さい。
またここでの例では、磁気ヨーク11は、一次電流による誘導磁場を集めるためのものではなく、励磁磁場の供給に用いられる。
本実施の形態の一例によると、図1に例示したように、磁気ヨーク11間の磁場強さを検出可能な位置に一つずつの磁気抵抗効果素子12が配される。また図1の例(第1例)では、一列に配された磁気ヨーク11a,b,…のうち、磁束の方向の両端にある2つの磁気ヨーク11(末端磁気ヨークと呼ぶ)が、少なくとも磁束の方向に交差する方向(例えば磁束の向きに直交する方向)に延びる延伸部Lを有している。具体的に図1の例では、延伸部Lは、末端磁気ヨークの、隣接する磁気ヨークとは反対側の端(末端部)に形成されており、磁束の方向に直交する方向、つまりY軸の両方向に延びている(λ)。つまり、末端磁気ヨークは略T字状をなす。また、ここで末端磁気ヨークは、その本体部分BのY軸方向の幅が、延伸部LのX軸方向の幅より幅太に形成されている。なお延伸部Lと本体部Bとの接続部では、角を丸めてある。
このように構成したことにより、被測定電流により生じる磁束ならびにコイル13によって生じる磁束線は、主に磁気ヨーク11の長手方向(X軸方向)に略平行になり、各磁気抵抗効果素子12を透過する磁束(寄与磁束)b1(図中、実線で示す)が略平行になる。また一方の末端磁気ヨーク11aの延伸部Lに達した磁束線(非寄与磁束)b2(図中、破線で示す)は延伸部Lに沿って伸び、空間を経て他方の末端磁気ヨーク11cの延伸部Lの端部に戻り、延伸部Lに沿って磁気ヨーク11の本体部Bへとつながって閉じた経路を描く(図5)。このことで、各磁気ヨーク11において、磁気ヨーク11aの端部から当該磁気ヨーク11aの別の箇所への磁束b3(非寄与磁束:図中、破線で示す)が少なくなる。なお、図5では、説明のために磁気ヨーク11の形状のみを図示し、コイル13等を省略している。
また磁気ヨーク11の厚さが薄くなればなるほど、磁気ヨーク11間を透過する磁束のXY面内の成分は増大し、当該磁束が磁気ヨーク間に集中するようになるが、磁気ヨーク11の端部から当該磁気ヨーク11の別の箇所への非寄与磁束は発生しやすくなる。しかしながら図1の例によれば、この非寄与磁束の磁束線も、端部に近い側にある末端磁気ヨークの延伸部Lに戻っていく。すなわち、この例における延伸部Lは、磁気ヨーク11の各所から磁束線を捕獲する捕獲部(リターンヨーク)としての機能を有している。これにより各磁気ヨーク11内を流れる磁束の強さを維持でき、効率的な磁束の検出が可能となる。なお、この非寄与磁束の磁束線や、末端磁気ヨーク間で伸びる磁束線は、基板10の面内(X,Y軸方向)のみならず空間内(Z軸方向)にも存在する。
本実施の形態の一例に係る磁気センサ回路は、いわゆる磁気平衡型の回路であり、例えば電流センサとして利用できる。この磁気センサ回路では、n対の磁気抵抗効果素子12が、図6に例示するようにハーフブリッジを構成する。そして磁気抵抗効果素子12aの一端側は直流バイアス電源Vddの供給を受けるよう接続され、他端側は磁気抵抗効果素子12bの一端側に接続される。また磁気抵抗効果素子12bの他端側は共通端子(GND)に接続される。このとき、磁気抵抗効果素子12aの一端側から他端側へ向かう方向に直交する固定層の磁化方向と、磁気抵抗効果素子12bの一端側から他端側へ向かう方向に直交する固定層の磁化方向とが互いに逆向きとなるように接続する。また、磁気抵抗効果素子12aの他端側、つまり磁気抵抗効果素子12bの一端側を端子Pとして、この端子Pは、コンパレータ14の負極(−)端子に接続される。なお、コンパレータ14の正極(+)端子は、基準電源15を介して共通端子(GND)に接続される。基準電源15の出力電位は、磁場のない場所における磁気抵抗効果素子12a,bの中点電位とする。
一方、各磁気ヨーク11に巻回されるコイル13は互いに直列に接続されており、このコンパレータ14の出力は、当該直列に接続されたフィードバックコイル13の一端側に、波形整形部41とローパスフィルタ(LPF)42と定電流出力部(またはインダクタ)43とを介して接続される。またこのコイル13の一端側には、三角波発生回路44が結合容量Cを介して接続されている。さらにコイル13の他端側は固定抵抗器16を介して共通端子(GND)に接続され、また三角波除去部(ローパスフィルタでよい)45を介して出力端子OUTに接続される。
本実施の形態のこの一例に係る磁気センサデバイス1は、三角波発生回路44の発生する三角波状に変化する電流がコイル13に常時供給される。従って、この三角波状の電流による誘導磁場が磁気ヨーク11を通じて磁気抵抗効果素子12に印加され、磁気抵抗効果素子12の中点電位の出力として、三角波状の電流による誘導磁場を印加しない場合の出力電位(基準電位)を中心として矩形波状に変化する出力が得られる。
この磁気抵抗効果素子12の中点電位の出力を、コンパレータ14、波形整形部41及びLPF42を通じて得ると、図7(a)に例示するように、デューティー比が略1:1の矩形波状の信号が得られることとなる。
ここで、この磁気センサデバイス1を被測定電流の流れる導体の近傍に配すると、この被測定電流により生じる誘導磁場により磁気抵抗効果素子12a,bの抵抗値が変化する。すると端子Pの電位が中点電位からずれるので(DCオフセット)、三角波状に変化する出力電位が基準電位からずれることとなる(図7(b))。従って、コンパレータ14、波形整形部41及びLPF42を通じて得られる中点電位の出力は、電位のずれ量に応じて三角波のデューティー比が1:1からTp:Tn(Tp≠Tn)へ変化したものとなる。このTpとTnとの差が被測定電流により生じる誘導磁場の強さを表す。
定電流出力部43は、例えばインダクタであり、図7に例示した中点電位の出力に応じて、基準電位より高い中点電位が得られている区間と、基準電位より低い中点電位が得られている区間とで電流の向きを異ならせた、一定の大きさの電流を出力する。
この電流はコイル13に供給され、コイル13が磁場(キャンセル磁場)を生じる。そしてこのキャンセル磁場による磁束が、先の三角波状の電流による磁束や、被測定電流から生じる誘導磁場とともに、磁気ヨーク11を通って磁気抵抗効果素子12a,bに印加される。そして磁気抵抗効果素子12a,bを通る磁束がゼロとなるときのコイル13に供給した電流量に比例した電圧信号Vを、三角波除去部45によって三角波を除去した上で固定抵抗器16の両端から取り出す(OUT)。この電圧信号Vが、被測定電流の電流量に比例した出力信号となる。
また本実施の形態の磁気ヨーク11の形状、並びに配置は図1に例示したものに限らない。図8は、磁気ヨーク11の形状、配置の別の例(第2例)を表す概略平面図である。この図8においても、磁気ヨーク11の形状等を分かりやすくするため、コイル13を破線で表している。図8の例では、2n+1(nは自然数)個の磁気ヨーク11-1,11-2,…,11-(2n+1)が、磁束の方向に沿って一列に、間隔を置いて配される。
また各磁気ヨーク11には、コイル13が巻回されている。そしてこれら磁気ヨーク11のうち、磁束方向(X軸方向)両端に配された二つの磁気ヨーク11-1及び11-(2n+1)(末端磁気ヨーク)が、それぞれの末端側(隣接する磁気ヨーク11とは反対側)に、磁束方向とは直交する方向(Y軸方向)の少なくとも一方側に延伸される延伸部Lを備える。この第2例において、二つの磁気ヨーク11-1及び11-(2n+1)からそれぞれ延伸された延伸部Lは、互いに接続されて閉磁路を形成している。
第2例では、被測定電流により生じる磁束ならびにコイル13によって生じる磁束線は、主に磁気ヨーク11の長手方向(X軸方向)に略平行になり、磁気ヨーク11間(平面視において。基板10の厚さ方向には磁気ヨーク11と同じ面内になくてもよい)に配された磁気抵抗効果素子12を透過する磁束が略平行になる。また一方の末端磁気ヨークの延伸部Lに達した磁束線は、延伸部Lによって形成されている閉磁路に沿って伸び、他方の末端磁気ヨークの延伸部Lを経て閉じた経路を描く。
さらにこの第2例における延伸部Lは、図9に例示するように、磁束の方向に延びる両端以外の磁気ヨーク11の中心線(磁気抵抗効果素子12の中心を貫く線分)に対して線対称に配されてもよい(第3例)。第3例では、一方の末端磁気ヨークの延伸部Lに達した磁束線は、延伸部Lによって形成されている2つの閉磁路に沿って伸び、他方の末端磁気ヨークの延伸部Lを経て閉じた経路を描くことになる。
これら第2,第3例は、例えば磁気ヨーク11を比較的厚め(例えば10μm以上)に形成する場合など、磁気ヨーク11内を流れる磁束が大きくなる場合に有効である。また第3例のように、延伸部Lが磁束の方向に延びる両端以外の磁気ヨーク11の中心線に対して線対称に配される場合、互いに隣接する一対の磁気ヨーク11間の磁束をより直線的にできる。
さらに本実施の形態では、互いに隣接する一対の磁気ヨーク11間(平面視において。基板10の厚さ方向には磁気ヨーク11と同じ面内になくてもよい)に、それぞれ複数の磁気抵抗効果素子12を配してもよい(第4例)。図10(a),(b)は、いずれもこの第4例に係る磁気センサデバイス1の平面図である。図10(a),(b)に示す第4例では、2つの磁気ヨーク11を含み、各磁気ヨーク11がそれぞれの末端側から延伸され、互いに接続されて閉磁路を形成する延伸部Lを備える。またこの延伸部Lは、磁気抵抗効果素子12の中心を貫く磁束方向の線分に対して線対称に配され、全体として略8の字状の形状をなす。なお、二つの磁気抵抗効果素子12a,bを間に置いて対向する直線状の部分にはコイル13が巻回され、当該部分は延伸部Lよりも幅太に形成されている。
さらに図10(a)に示す例において、磁気抵抗効果素子12a,b間を通り、両方向の延伸部Lに接続される磁気ヨーク11xをさらに設けてもよい(図10(b))。この磁気ヨーク11xは、磁気抵抗効果素子12a,bの間に挟まれる部分のうち、さらにその少なくとも一部が、他の部分よりも幅太に形成される。この磁気ヨーク11xを設けることで、各磁気抵抗効果素子12a,bを透過する磁束がより直線状になる。
ここまでの第1から第4例において、各磁気ヨーク11には、端部から予め定めた距離dにある範囲に、端部に向けてその幅が狭くなるようテーパー部を設けている。このテーパーの先端(磁気ヨーク11の端部)の幅は、磁気抵抗効果素子12の実効長さよりも長くしておいてもよい。ここで実効長さとは、磁気抵抗効果素子12のうち、磁場による抵抗変化(出力変化)を生じる部分の長さをいい、具体的には磁気抵抗効果素子12の長手方向の全長(ストライプの長さ)から電極膜が接している部分の長さを除いた部分の長さである。電極膜は、磁気抵抗効果素子12よりも比抵抗(或いは導電率)を小さくする。電極膜が接している部分では電極膜に電流の大部分が流れてしまうため、当該部分では抵抗変化を検出できない。そこで当該電極膜が接している部分を除く長さ部分が、磁気抵抗効果素子12の実効的な長さとなる。磁気抵抗効果素子12の抵抗値を大きくすると、ESD(静電破壊)を防ぐ効果が期待できるので、磁気抵抗効果素子12の全長をテーパーの先端(最も幅の小さい部分)の幅よりも大きくすることが好ましい。
さらに本実施の形態の別の例(第5例)では、各磁気ヨーク11に、隣接する磁気ヨーク11側の端部から距離dにある範囲に、当該端部に向けてその幅が狭くなるよう第1テーパー部31を設けるとともに、上記端部から距離dより離れた範囲、すなわちコイル13が巻回される部分に、隣接する磁気ヨーク11に向ってその幅を狭くする第2テーパー部32をさらに設ける(図11)。
図11に例示するように、磁束方向両側に隣接する磁気ヨーク11を有する中央の磁気ヨーク11は、その磁束方向中央部が最も幅広となり、両側の各磁気ヨーク11に向かって幅が狭くなるようにテーパーが形成される。このように中央部が幅広に形成されることで、磁気ヨーク11内を通る磁束が増大しても、磁気飽和が防止され、磁気回路としての線形応答性を維持することに寄与する。また、磁気ヨーク11の端部から当該磁気ヨーク11の別の箇所への磁束b3を減少させることができる。
ここで第2テーパー部32は、第1テーパー部31のテーパー角とは異なるテーパー角を有するものとする。図11は、図1に例示した磁気ヨーク11の形状において、各磁気ヨーク11に第2テーパー部32を設けた例を示す、本実施の形態の磁気センサデバイス1の平面図である。なお、ここでは図1に例示したパターンの磁気ヨーク11に対して第2テーパー部32を設けた例としたが、図8,9,10に例示したパターンの磁気ヨーク11(の本体部)に対しても同様に第2テーパー部32を設けてもよい。
図11に示す第5例では、第1テーパー部31のテーパー角よりも第2テーパー部32のテーパー角が小さくなるように、第1、第2のテーパー部が形成されている。なお、第2テーパー部32のテーパー角は、磁気ヨーク11の膜厚に応じて実験的に調整することとしてもよい。
この第5例の磁気ヨーク11の形状によると、第2テーパー部32を設けたことで、磁気ヨーク11の端部からの非寄与磁束をより少なくし、磁気ヨーク11間に配される磁気抵抗効果素子12を透過する磁束をより多くできる。
ここまでの説明では、2n個の磁気抵抗効果素子12を用いて、一対の磁気抵抗効果素子12ごとにハーフブリッジを形成する例を示した。しかしながら、本実施の形態では、4つの磁気抵抗効果素子12ごとにフルブリッジを形成してもよい。その一例となる磁気ヨーク11の配置例を図12に示す。図12の例(第6例)では、コイル13が巻回される第1磁気ヨーク11aと、略C字状をなす、2つの第2磁気ヨーク11b,cとを含む。また、第2磁気ヨーク11b,cの両端部は、第1磁気ヨーク11aに対して間隔を置いて対向しており、これら第2磁気ヨーク11b,cの両端部と第1磁気ヨーク11aとの間(平面視において。基板10の厚さ方向には磁気ヨーク11と同じ面内になくてもよい)には、4つの磁気抵抗効果素子12a,b,c,dが配される。なお、第2磁気ヨーク11b,cは、磁束の方向に延びる第1の磁気ヨーク11aの中心線に対して線対称に配されている。
この第6例の磁気抵抗効果素子12を用いた磁気センサ回路は、図13に例示するように、4n個ごとの磁気抵抗効果素子12がフルブリッジを構成したものである。ここで磁気抵抗効果素子12aと磁気抵抗効果素子12bとの一端側は互いに接続されて、直流バイアス電源Vddの供給を受ける。また磁気抵抗効果素子12aの他端側は磁気抵抗効果素子12cの一端側に接続され(P)、磁気抵抗効果素子12bの他端側は磁気抵抗効果素子12dの一端側に接続される(Q)。さらに磁気抵抗効果素子12cと磁気抵抗効果素子12dとの他端側は互いに接続されて、共通端子(GND)に接続される。
このとき、磁気抵抗効果素子12aの一端側から他端側へ向かう方向に直交する固定層の磁化方向と、磁気抵抗効果素子12cの他端側から一端側へ向かう方向に直交する固定層の磁化方向とが互いに直交するように接続する。また磁気抵抗効果素子12bの一端側から他端側へ向かう方向に直交する固定層の磁化方向と、磁気抵抗効果素子12dの他端側から一端側へ向かう方向に直交する固定層の磁化方向とが互いに直交するように接続する。図中では、それぞれの固定層の磁化方向を模式的に矢印で表している。
また端子P及びQは、それぞれコンパレータ14の両入力端子に接続される。そしてこのコンパレータ14の出力は、また第1の磁気ヨーク11aに巻回されたフィードバックコイル13の一端側に、波形整形部41とローパスフィルタ(LPF)42と定電流出力部(またはインダクタ)43とを介して接続される。またこのフィードバックコイル13の一端側には、三角波発生回路44が結合容量Cを介して接続されている。さらにフィードバックコイル13の他端側は固定抵抗器16を介して共通端子(GND)に接続され、また三角波除去部(ローパスフィルタでよい)45を介して出力端子OUTに接続される。
本実施の形態のこの一例に係る磁気センサデバイス1を、被測定電流の流れる導体の近傍に配すると、この被測定電流により生じる誘導磁場により磁気抵抗効果素子12a,b,c,dの抵抗値が変化して端子PQ間に電位差が生じる。
そして図6において説明したのと同様の動作により、この電位差に対応した電流が定電流出力部43からフィードバックコイル13に供給され、フィードバックコイル13が磁場(キャンセル磁場)を生じる。このキャンセル磁場による磁束は、三角波状の電流による磁場、並びに被測定電流による誘導磁場とともに第1磁気ヨーク11aを通って磁気抵抗効果素子12a,b,c,dに印加される。そして磁気抵抗効果素子12a,b,c,dを通る磁束がゼロとなるときのフィードバックコイル13に供給した電流量に比例した電圧信号Vが、固定抵抗器16の両端から取り出される(OUT)。この電圧信号Vが、被測定電流の電流量に比例した出力信号となる。
図6または図13に示された磁気センサ回路では、出力する電圧信号Vが、本磁気センサデバイス1が配された場所における磁場の強さに比例する。例えば、図15に例示するように、この磁気センサデバイス1の近傍を通る導線2に流れる電流iを被測定電流としてもよい。ここで磁気センサデバイス1の近傍とは、磁気センサデバイス1により検出可能な磁場を、磁気センサデバイス1の配された場所に形成できる範囲内とする。
図15において、導線2の長手方向は、磁気センサデバイス1の基板10面に平行な方向(図15では図1におけるY軸方向)であり、この方向(図ではY軸負の方向)に電流が流れるものとする。広く知られた物理法則により、この電流により導線2には電流の流れる方向を見たときに導線2の周りに時計回りの向きに磁束線fが生じる。
この場合の磁気センサ回路が出力する電圧信号Vは、当該被測定電流の電流量Idに比例する。つまり、V=α・Idと表すことができる。そこで被測定電流が流れるべき導線2と、この磁気センサデバイス1との配置を定めた上で、当該導線2に既知の電流I0を流し、そのときの磁気センサ回路が出力する電圧信号V0を用いて、V0=α・I0の関係から比例係数αを求める。その後は、この導線2を流れる電流量Idを、Id=V/αにより求めることができることとなる。この電流量Id(またはそれに関係する電圧信号V)を出力することにより、図6または図13に示した磁気センサ回路は、電流センサ回路として動作することとなる。
なお、図6,図13の例において、定電流出力部43より下段側の回路については、図14に例示するようにしてもよい。すなわち、定電流出力部43の出力を、固定抵抗器16を介してフィードバックコイル13の一端側に接続するようにしてもよい。この場合も、三角波発生回路44の出力は結合容量Cを介してコイル13の一端側に直接接続される。
またこの場合は、固定抵抗器16の両端に差動増幅器46を接続し、この差動増幅器46の出力を、出力信号とする。
さらに図15に例示した配置において、図16に例示するように、磁気センサデバイス1と被測定電流が流れる導体Cとの間には、磁気シールド3を配してもよい。図16の例では磁気シールド3は、基板10に平行な平面状をなし、少なくとも磁気センサデバイス1よりも大きい面積の導電体により形成される。この磁気シールド3と磁気センサデバイス1とは非磁性の筐体内に収納されて、相互の相対的位置が固定されていてもよい。また樹脂により双方が一体にモールドされていてもよい。
図17は、磁気シールドの別の例を表すものである。この磁気シールド4は、Y軸方向を長手方向とし、非測定電流が流れる導線Cの少なくとも一部、磁気センサデバイス1近傍(磁気センサデバイス1から、予め定めた距離の範囲)を取囲む筒状をなす。この例では磁気シールド4の導線Cと同じ側(筒状内部)に、磁気センサデバイス1を配する。この磁気シールド4は、非磁性の支持体(不図示)により、支持されてもよい。この図17の磁気シールド4は、外部からの磁場の影響を軽減する。磁気シールドは薄膜で構成してよい。
本発明の一実施例について、図1に例示した磁気ヨーク11のパターンを形成した場合を例として説明する。次に示す例では、磁気ヨーク11の延伸部Lの全体長さ(Y軸方向端部間の長さ)λを、
実施例1:690μm、
実施例2:390μm、
実施例3:290μm、
実施例4:190μm、
比較例1:0μm(延伸部なし)
とした(なお延伸部Lの幅は40μmとした)。
また、λを390μmとして、延伸部Lの幅を
実施例5:50μm、
実施例6:40μm、
実施例7:30μm
実施例8:20μm
として、それぞれの場合に磁気抵抗効果素子12の幅方向における磁束密度の分布を調べた。図18は、その結果を図示したものである。
図18に示す図では、磁気抵抗効果素子12の長手方向中央を横軸7μmの位置とし、コイル13に20mAの直流を流した場合の、磁気抵抗効果素子12の中央部近傍における磁束密度の大きさを表したものである。
図18に例示するように、実施例7では、中央部近傍での磁束密度は1.24Tとなり、他の実施例1−6,8(これらは互いに特性が略同じであるため、線が重なって見難くなっていることを考慮して、線の存在する範囲をハッチングで示す)においても少なくとも1.15Tを超えている。これに対して比較例1(不図示)では、中央部近傍での磁束密度は0.01Tに留まる。つまり、実施例と比較例とでは中央部近傍での磁束密度に約100倍程度の差が生じている。また、延伸部Lの全体長さλではあまり影響はないが、幅を変化させたときに効果に差が現れ、幅20μm以上、40μm以下とすることが好ましい。
1 磁気センサデバイス、2 導線、3,4 磁気シールド、10 基板、11 磁気ヨーク、12 磁気抵抗効果素子、13 コイル、14 コンパレータ、15 基準電源、16 固定抵抗器、21 絶縁層、22 絶縁膜、23 樹脂、31 第1テーパー部、32 第2テーパー部、41 波形整形部、42 ローパスフィルタ、43 定電流出力部、44 三角波発生回路、45 三角波除去部、46 差動増幅器。

Claims (9)

  1. 基板と、
    前記基板の面上に形成され、磁束の方向に沿って一列に、2n+1(nは自然数)個配された磁気ヨークと、
    前記磁気ヨークに巻回されるコイルと、
    固定層及び自由層を有し、一対の前記磁気ヨーク間に形成される磁場の強さを検出する2m(mは自然数)個の磁気抵抗効果素子であって、2個ずつの磁気抵抗効果素子がそれぞれブリッジ回路を構成してなる磁気抵抗効果素子と、
    を含み、
    前記磁気ヨークの少なくとも一つが、前記コイルが巻回される本体部と、当該本体部に連結され、磁束の方向に交差する方向に延びる延伸部とを有し、
    前記磁気ヨークには、隣接する磁気ヨークに向けてその幅が狭くなるようテーパーを有してなる磁気センサデバイス。
  2. 請求項1記載の磁気センサデバイスであって、
    前記コイルは、前記磁気ヨークに対してソレノイド状に巻回されている磁気センサデバイス。
  3. 請求項1または2に記載の磁気センサデバイスであって、
    前記磁気ヨークの前記コイルが巻回される部分に、隣接する磁気ヨークに向けてその幅が狭くなるようテーパーを有してなる磁気センサデバイス。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の磁気センサデバイスであって、
    前記一列に配された磁気ヨークのうち、磁束方向両端に配された二つの磁気ヨークのそれぞれ末端側に、磁束の方向に交差する方向に延びる延伸部を具備する磁気センサデバイス。
  5. 請求項1から3のいずれか一項に記載の磁気センサデバイスであって、
    前記一列に配された磁気ヨークのうち、磁束方向両端に配された二つの磁気ヨークのそれぞれの末端側に、磁束の方向に交差する方向に延びる延伸部を有し、
    当該延伸部が互いに連結されて閉磁路を形成する磁気センサデバイス。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の磁気センサデバイスであって、
    前記テーパーの先端の幅は、前記磁気抵抗効果素子の実効長さよりも長い磁気センサデバイス。
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載の磁気センサデバイスであって、
    一対の前記磁気ヨーク間に、それぞれ複数の前記磁気抵抗効果素子を配してなる磁気センサデバイス。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の磁気センサデバイスであって、
    前記一列に配された磁気ヨークのうち、磁束方向両側に、隣接する磁気ヨークを有する磁気ヨークは、その磁束方向中央部が幅広に形成される磁気センサデバイス。
  9. 請求項1からのいずれか一項に記載の磁気センサデバイスを含む電流センサ回路。
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