JP2020041869A - 磁気センサ - Google Patents

磁気センサ Download PDF

Info

Publication number
JP2020041869A
JP2020041869A JP2018168384A JP2018168384A JP2020041869A JP 2020041869 A JP2020041869 A JP 2020041869A JP 2018168384 A JP2018168384 A JP 2018168384A JP 2018168384 A JP2018168384 A JP 2018168384A JP 2020041869 A JP2020041869 A JP 2020041869A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
magnetic
detection unit
magnetoresistive elements
bias
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018168384A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7286932B2 (ja
Inventor
圭 田邊
Kei Tanabe
圭 田邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2018168384A priority Critical patent/JP7286932B2/ja
Publication of JP2020041869A publication Critical patent/JP2020041869A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7286932B2 publication Critical patent/JP7286932B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Measuring Instrument Details And Bridges, And Automatic Balancing Devices (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

【課題】バイアス磁界の影響を抑制することの可能な磁気センサを提供する。【解決手段】磁気センサ1Aは、磁気検出部7と、抵抗Rと、第1磁界発生導体75と、を備える。磁気検出部7は、検出対象磁界が印加される第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)を含む。抵抗Rは、高電圧端子と低電圧端子との間に磁気検出部7と直列に接続される。抵抗Rは、磁気検出部7に印加される磁界による抵抗値変化が抑制された又は磁気検出部7に印加される磁界による抵抗値変化が無い抵抗素子である。第1磁界発生導体75は、磁気検出部7と抵抗Rとの相互接続点と中電圧端子との間に設けられる。第1磁界発生導体75に流れる電流により発生する磁界が磁気検出部7に印加され、バイアス磁界による磁気検出部7の抵抗値変化が抑制される。【選択図】図4

Description

本発明は、複数の磁気抵抗効果素子を備える磁気センサに関する。
下記特許文献1は、微小な磁界の検出が可能な磁界検出センサを開示する。この磁界検出センサは、ブリッジ回路を成す4つの磁気抵抗効果素子と、磁性体とを備える。当該4つの磁気抵抗効果素子の固定磁化方向は互いに同じである。磁性体は、ブリッジ回路からみて垂直方向の検出対象磁界を集磁し、集磁された当該検出磁界を、当該ブリッジ回路を構成する4つの磁気抵抗効果素子が有する固定磁化方向と概ね平行になる方向へ変化させる。ブリッジ回路からの差動出力は、差動演算回路に入力され、差動演算回路は、磁界発生導体に帰還電流を流す。帰還電流が流れる磁界発生導体は、4つの磁気抵抗効果素子に対して、検出対象磁界の向きとは逆方向の磁界を発生させる。帰還電流を測定することにより、検出対象磁界が測定される。
特開2015−219061号公報
特許文献1の磁気センサでは、4つの磁気抵抗効果素子に同方向あるいは同相のバイアス磁界(外乱磁界等の非検出対象磁界)が印加されても、4つの磁気抵抗効果素子の抵抗変化が同じとなり、ブリッジ回路としてはバイアス磁界を検出しないようになっている。しかし、バイアス磁界は、磁気抵抗効果素子の動作点を変化させ、磁気センサの出力に影響を及ぼす。すなわち、磁気抵抗効果素子は、固定層磁化方向の磁界強度が一定値以上に大きくなると磁界変化に対する抵抗値変化(感度)が低下するため、バイアス磁界が大きくなると、磁気センサとしての感度が低下し、検出対象磁界に対して想定した出力が得られなくなるという問題があった(図17及び図18も参照)。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、バイアス磁界の影響を抑制することの可能な磁気センサを提供することにある。
本発明のある態様は、磁気センサである。この磁気センサは、
検出対象の第1磁界が印加される第1及び第2磁気抵抗効果素子を含む磁気検出部と、
高電圧端子と低電圧端子との間に前記磁気検出部と直列に接続された、前記磁気検出部に印加される磁界による抵抗値変化が抑制された又は前記磁気検出部に印加される磁界による抵抗値変化が無い抵抗素子と、
前記磁気検出部の抵抗値と前記抵抗素子の抵抗値との比率に応じた電流が流れる第1磁界発生導体と、を備え、
前記第1磁界発生導体に流れる電流により発生する磁界が前記第1及び第2磁気抵抗効果素子に印加され、前記バイアス磁界による前記第1及び第2磁気抵抗効果素子の抵抗値変化が抑制される。
前記第1磁界発生導体は、前記磁気検出部と前記抵抗素子との相互接続点と中電圧端子との間に設けられてもよい。
前記磁気検出部と前記抵抗素子との相互接続点の電圧と、前記中電圧端子の電圧と、の差を増幅する第1差動増幅器を備え、
前記第1磁界発生導体は、前記第1差動増幅器の出力端子と前記中電圧端子との間に設けられてもよい。
前記抵抗素子は、磁気シールドされた磁気抵抗効果素子であってもよい。
前記抵抗素子は、固定抵抗であってもよい。
前記磁気検出部の出力電圧が入力される第2差動増幅器と、
前記第2差動増幅器が出力する第1負帰還電流が流れることにより、前記第1及び第2磁気検出素子が検出する前記第1磁界を相殺する第2磁界を前記第1及び第2磁気検出素子に印加する第2磁界発生導体と、を備えてもよい。
本発明のもう1つの態様は、磁気センサである。この磁気センサは、
検出対象の第1磁界が印加される第1及び第2磁気抵抗効果素子を含む磁気検出部と、
前記第1及び第2磁気抵抗効果素子に印加されるバイアス磁界の所定方向成分を検出し、前記所定方向成分の大きさに応じた電流を出力するバイアス磁界検出手段と、
前記バイアス磁界検出手段の出力電流が流れる第1磁界発生導体と、を備え、
前記磁気検出部の出力端子に、前記第1磁界の大きさに応じたセンサ出力電圧が現れる磁気センサであって、
前記第1磁界発生導体に流れる電流により発生する磁界が前記第1及び第2磁気抵抗効果素子に印加され、前記バイアス磁界による前記第1及び第2磁気抵抗効果素子の抵抗値変化が抑制される。
検出対象の第1磁界が前記第1及び第2磁気抵抗効果素子の位置において互いに反対向きの磁界成分を持つように前記第1磁界の向きを変化させる磁性体を備えてもよい。
前記第1及び第2磁気抵抗効果素子は、固定層磁化方向が互いに等しくてもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、バイアス磁界の影響を抑制することの可能な磁気センサを提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る磁気センサ1Aの概略断面図。 磁気センサ1Aの概略平面図。 磁気センサ1Aの第1磁界発生導体75の配線パターン説明図。 磁気センサ1Aの概略回路図。 磁気検出部7に印加されるバイアス磁界、比較例における磁気検出部7の抵抗変化、及び磁気センサ1Aの磁気検出部7の抵抗変化の一例を示すグラフ。 本発明の実施の形態2に係る磁気センサ1Bの概略断面図。 本発明の実施の形態3に係る磁気センサ1Cの概略回路図。 本発明の実施の形態4に係る磁気センサ1Dの概略断面図。 磁気センサ1Dの第2磁界発生導体70の配線パターン説明図。 磁気センサ1Dの概略回路図。 本発明の実施の形態5に係る磁気センサ1Eの概略断面図。 本発明の実施の形態6に係る磁気センサ1Fの概略回路図。 本発明の実施の形態7に係る磁気センサ1Gの概略回路図。 本発明の実施の形態8に係る磁気センサ1Hの概略断面図。 本発明の実施の形態9に係る磁気センサ1Jの概略断面図。 図14及び図15の磁気センサの概略回路図。 磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向の磁界強度に対する抵抗値の変化の一例を示す特性図。 磁気抵抗効果素子の固定層磁化方向の磁界強度に対する感度の変化の一例を示す特性図。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(実施の形態1)
図1〜図5を参照し、本発明の実施の形態1に係る磁気センサ1Aについて説明する。図1及び図2において、直交三軸であるXYZ軸を定義する。また、図1及び図2において、検出対象磁界の磁力線を併せて示している。磁気センサ1Aにおいて、第1磁気抵抗効果素子10、第2磁気抵抗効果素子20、第3磁気抵抗効果素子30、及び第4磁気抵抗効果素子40は、第1磁界発生導体75と共に、積層体5に設けられる。積層体5の表面上には、磁性体80が設けられる。図2に示すように、第1磁気抵抗効果素子10と第3磁気抵抗効果素子30は、X方向における位置が互いに等しい。同様に、第2磁気抵抗効果素子20と第4磁気抵抗効果素子40は、X方向における位置が互いに等しい。また、第1磁気抵抗効果素子10と第2磁気抵抗効果素子20は、Y方向における位置が互いに等しい。同様に、第3磁気抵抗効果素子30と第4磁気抵抗効果素子40は、Y方向における位置が互いに等しい。
図2において、第1磁気抵抗効果素子10及び第3磁気抵抗効果素子30の配置と、第2磁気抵抗効果素子20及び第4磁気抵抗効果素子40の配置と、が線対称となるX方向の中心線をAとする。また、第1磁気抵抗効果素子10及び第2磁気抵抗効果素子20の配置と、第3磁気抵抗効果素子30及び第4磁気抵抗効果素子40の配置と、が線対称となるY方向の中心線をBとする。磁性体80は、磁性体80のX方向の中心線とY方向の中心線がそれぞれAとBに合致する位置に配置されることが好ましい。また、磁性体80は、第1磁気抵抗効果素子10及び第2磁気抵抗効果素子20のY方向側に延在し、かつ、第3磁気抵抗効果素子30と第4磁気抵抗効果素子40の−Y方向側に延在することが好ましい。さらに、磁性体80は、積層体5側の端面がZ方向において第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)に最も近づいた配置、すなわち積層体5側の端面が積層体5の表面に接触していることが好ましい。このように配置にすることで、検出対象磁界の変化に応じた第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)の抵抗変化が、効率良く、さらに均等に発生することになる。
積層体5内における、第1磁界発生導体75を形成する層は、第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)が形成される層よりも下層(−Z方向側の層)であることが好ましい。第1磁界発生導体75を第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)が形成される層より下層に配置することで、磁性体80と第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)のZ方向の距離を近づけることができ、これにより検出対象磁界の変化に第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)が効率良く応答可能になる。磁性体80は軟磁性体であってもよい。
磁性体80は、Z方向の検出対象磁界を集磁し、集磁した検出対象磁界を、第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)が有する固定層磁化方向(X方向)と概ね平行になる方向へ変化させる。検出対象磁界は、磁性体80が存在しなければ全体的にZ方向と平行な磁界であり、磁性体80があることにより部分的に曲げられて、第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)の位置においてX方向の成分を持つようになっている。磁性体80により、第1磁気抵抗効果素子10及び第3磁気抵抗効果素子30の位置における検出対象磁界のX成分と、第2磁気抵抗効果素子20及び第4磁気抵抗効果素子40の位置における検出対象磁界のX成分とは、互いに反対向きとなり、検出対象磁界が交流の場合には互いに位相が180°異なる差動磁界となる(逆位相となる)。
図3は、磁気センサ1Aの第1磁界発生導体75の配線パターン説明図である。図3において、積層体5内の第1磁界発生導体75の配線パターンを実線で示している。第1磁界発生導体75は、第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)と同じ積層体5内に形成される。図3の例では、第1磁界発生導体75は、ミアンダ状の導体パターンとしている。具体的には、第1磁界発生導体75は、第4磁気抵抗効果素子40と同じX方向位置かつ第4磁気抵抗効果素子40の−Y方向側を一端として+Y方向に延び、第2磁気抵抗効果素子20の+Y方向側に至り、そこから+X方向に延びて磁性体80と同じX方向位置に至り、そこから−Y方向に延びて磁性体80の−Y方向側に至り、そこから+X方向に延びて第3磁気抵抗効果素子30と同じX方向位置に至り、そこから+Y方向に延びて第1磁気抵抗効果素子10の+Y方向側に至る(第1磁気抵抗効果素子10と同じX方向位置かつ第1磁気抵抗効果素子10の+Y方向側を他端とする)。第1磁界発生導体75は、各磁気抵抗効果素子の位置におけるバイアス磁界のX方向成分(感磁方向成分)を相殺する磁界成分を有する補正磁界を発生する。本実施の形態では、バイアス磁界は、磁性体80が存在しなければ任意方向の一様磁界であるものとし、バイアス磁界のX方向成分を補正磁界により相殺する。ここで、相殺は、好ましくは略0にすることであるが、一部のみを打ち消すことであってもよい。
図4は、磁気センサ1Aの概略回路図である。磁気センサ1Aの磁気検出部7は、第1磁気抵抗効果素子10、第2磁気抵抗効果素子20、第3磁気抵抗効果素子30、及び第4磁気抵抗効果素子40からなるブリッジ回路である。第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)の固定層磁化方向は同じ(+X方向)である。固定層磁化方向と平行な方向が、各磁気抵抗効果素子の感磁方向である。抵抗Rは、磁気検出部に印加される磁界による抵抗値変化が抑制された又は前記磁気検出部に印加される磁界による抵抗値変化が無い抵抗素子である。抵抗Rは、固定抵抗であってもよいし、磁気シールドされた磁気抵抗効果素子であってもよい。抵抗Rは、磁気抵抗効果素子である場合、第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)と同じ温度特性のものであるとよい。抵抗Rの抵抗値は、バイアス磁界が存在しない場合における磁気検出部7の抵抗値、すなわち第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)の合成抵抗値と一致する。
抵抗Rの一端は、電源電圧Vccが供給される高電圧端子に接続される。抵抗Rの他端は、第1磁気抵抗効果素子10の一端と、第2磁気抵抗効果素子20の一端と、に接続される。第1磁気抵抗効果素子10の他端は、第4磁気抵抗効果素子40の一端に接続される。第2磁気抵抗効果素子20の他端は、第3磁気抵抗効果素子30の一端に接続される。第3磁気抵抗効果素子30の他端と、第4磁気抵抗効果素子40の他端は、電源電圧−Vccが供給される低電圧端子に接続される。抵抗Rの他端、第1磁気抵抗効果素子10の一端、及び第2磁気抵抗効果素子20の一端(図4の点P1)は、第1磁界発生導体75の一端に接続される。第1磁界発生導体75の他端は、中電圧端子としてのグランド端子に接続される。第1磁気抵抗効果素子10と第4磁気抵抗効果素子40の相互接続点に出力される電圧をVa、第2磁気抵抗効果素子20と第3磁気抵抗効果素子30の相互接続点に出力される電圧をVbとする。電圧Va、Vbの差が、磁気センサ1Aのセンサ出力電圧となる。
検出対象磁界が図2に示す状態の場合、第1磁気抵抗効果素子10においては、検出対象磁界の方向は固定層磁化方向と同一方向となる成分を持つため、フリー層磁化方向が固定層磁化方向と一致し、第1磁気抵抗効果素子10の抵抗値は、無磁界時の抵抗値R0から−ΔRだけ変化する。一方、第2磁気抵抗効果素子20においては、検出対象磁界の方向は固定層磁化方向と逆方向となる成分を持つため、フリー層磁化方向が固定層磁化方向と逆になり、第2磁気抵抗効果素子20の抵抗値は、無磁界時の抵抗値R0から+ΔRだけ変化する。同様に、第3磁気抵抗効果素子30の抵抗値は無磁界時と比較して−ΔRだけ変化し、第4磁気抵抗効果素子40の抵抗値は無磁界時と比較して+ΔRだけ変化する。このような第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)の抵抗変化により、電圧Vaは無磁界時と比較して高くなり、電圧Vbは無磁界時と比較して低くなる。ゆえに、第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)のブリッジ回路は、差動出力、すなわち検出対象磁界の変化に応じて互いに逆の変化をする電圧Vaと電圧Vbの出力が可能となっている。
図4の回路において、バイアス磁界が存在しない場合、点P1はグランド電位となる。このため、第1磁界発生導体75に電流は流れない。+X方向の成分を持つバイアス磁界が磁気検出部7に印加された場合、第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)の各抵抗値が低下し、磁気検出部7の抵抗値が低下するため、点P1の電圧はマイナスとなる(グランド電位を下回る)。マイナスの程度は、バイアス磁界の+X方向の成分が大きいほど大きい。点P1の電圧がマイナスになると、グランド端子、第1磁界発生導体75、点P1という向きに電流が流れる。これにより第1磁界発生導体75は、各磁気抵抗効果素子の位置において−X方向成分を持つ、すなわち各磁気抵抗効果素子の位置におけるバイアス磁界を相殺する補正磁界を発生する。
−X方向の成分を持つバイアス磁界が磁気検出部7に印加された場合、第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)の各抵抗値が上昇し、磁気検出部7の抵抗値が上昇するため、点P1の電圧はプラスとなる(グランド電位を上回る)。プラスの程度は、バイアス磁界の−X方向の成分が大きいほど大きい。点P1の電圧はプラスになると、点P1、第1磁界発生導体75、グランド端子という向きに電流が流れる。これにより第1磁界発生導体75は、各磁気抵抗効果素子の位置において+X方向成分を持つ、すなわち各磁気抵抗効果素子の位置におけるバイアス磁界を相殺する補正磁界を発生する。
第1磁界発生導体75が図3に示す電流経路を成すため、第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)の位置における補正磁界は、X方向と平行かつ向きが互いに等しい。第1磁界発生導体75に流れる電流(負帰還電流)は、バイアス磁界のX方向成分が大きいほど大きくなる。各磁気抵抗効果素子の位置において、バイアス磁界及び補正磁界の磁気平衡状態が成立する。
バイアス磁界及び補正磁界の磁気平衡状態が成立する動作点は、
・第1磁界発生導体75と各磁気抵抗効果素子との磁気的結合、
・第1磁界発生導体75単体での磁界発生効率(第1磁界発生導体75のインダクタンス値)、
・各磁気抵抗効果素子の分解能
の3条件によって決まる。3条件が理想的であれば、すなわち第1磁界発生導体75と各磁気抵抗効果素子との磁気的結合が十分に強く、第1磁界発生導体75単体での磁界発生効率が十分に高く、各磁気抵抗効果素子の分解能が十分に高ければ、僅かな電流が第1磁界発生導体75に流れるだけで磁気平衡状態となり、磁気平衡状態において各磁気抵抗効果素子の位置でバイアス磁界及び補正磁界のX成分の合計が実質的に0になる。
図5は、磁気検出部7に印加されるバイアス磁界、比較例における磁気検出部7の抵抗変化、及び磁気センサ1Aの磁気検出部7の抵抗変化の一例を示すグラフである。比較例は、図1〜図4の構成から抵抗Rを無くして短絡し、かつ第1磁界発生導体75を無くして開放とした構成である。図5より、比較例の構成では、バイアス磁界の変動により磁気検出部7の抵抗値が大きく変動している。これに対し、本実施の形態の磁気センサ1Aでは、バイアス磁界の変動に対する磁気検出部7の抵抗値の変動が大幅に抑制され、磁気検出部7の抵抗値はバイアス磁界が存在しない場合とほとんど変わらない値でほぼ一定となっている。すなわち、各磁気抵抗効果素子の位置においてバイアス磁界及び補正磁界のX成分の合計が実質的に0になっている。
図17及び図18に示すように、磁気抵抗効果素子は、固定層磁化方向の磁界強度が一定値以内の場合は磁界強度と抵抗値とが直線的な関係となり高感度となるが、磁界強度が一定値以上になると磁界強度の変化に対する抵抗値の変化(傾き)が小さくなって感度が低下し、さらに磁界強度が高くなると磁界強度に対する抵抗値の変化が無くなる。したがって、磁気抵抗効果素子は、図17及び図18に示すバイアス磁界が0のときの動作点において、高感度であり、かつリニアな抵抗値変化を最大に取れる(リニア領域における出力電圧の振幅を最も大きく取れる)。一方、図17に示すバイアス磁界が小さいときの動作点では、バイアス磁界が0のときの動作点と比較して、感度が低下し、またリニアな抵抗値変化も大きく取れない。また、図17に示すバイアス磁界が大きいときの動作点では、飽和により磁気抵抗効果素子として動作できなくなる。
本実施の形態では、磁気検出部7と直列に抵抗Rを接続し、抵抗R及び磁気検出部7の相互接続点とグランド端子との間に第1磁界発生導体75を接続し、抵抗Rの抵抗値と磁気検出部7の抵抗値との比率に応じた電流を第1磁界発生導体75に流す構成としている。ここで、抵抗Rの抵抗値と磁気検出部7の抵抗値との比率は、磁気検出部7に印加されるバイアス磁界のX方向成分によって変化する。第1磁界発生導体75に流れる電流により発生する補正磁界は、磁気検出部7に印加されるバイアス磁界のX方向成分を相殺し、抵抗Rの抵抗値と磁気検出部7の抵抗値との比率を、バイアス磁界が存在しない場合の比率に近づけ、好ましくは実質的に一致させる。
本実施の形態によれば、下記の作用効果を奏することができる。
(1) 磁気検出部7に印加されるバイアス磁界のX方向成分を、第1磁界発生導体75の発生する補正磁界により相殺するため、バイアス磁界の影響を抑制できる。具体的には、バイアス磁界による第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)の感度低下や飽和による動作不能リスクを抑制することができる。
(2) 補正磁界を発生させるための構成は、抵抗Rと第1磁界発生導体75だけで足りる。このため、バイアス磁界の影響を抑制するための回路構成がシンプルでコスト安である。
(3) 抵抗Rを、第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)と同じ温度特性の磁気抵抗効果素子とした場合、温度変化がバイアス磁界の影響抑制効果に生じさせる変動を抑制できる。
(4) 抵抗Rの抵抗値をバイアス磁界が存在しない場合の磁気検出部7の抵抗値と一致させているため、バイアス磁界が存在しない場合の図4の点P1の電圧はグランド電位となる。このため、第1磁界発生導体75の他端を接続する中電圧端子としてグランド端子を利用でき、回路構成をシンプルにできる。
本実施の形態において、抵抗Rの抵抗値と、バイアス磁界が存在しない場合の磁気検出部7の抵抗値と、の比率は、1対1に限定されず、任意に設定できる。いずれの比率においても、第1磁界発生導体75の他端を接続する中電圧端子は、バイアス磁界が存在しない場合の図4の点P1の電圧と一致する電圧の端子とすればよい。例えば同比率を1対3とした場合、+Vcc×1/2の基準電源を設け、第1磁界発生導体75の他端を接続する中電圧端子として、+Vcc×1/2の基準電源端子を利用すればよい。この場合、基準電源を設ける必要があるが、抵抗Rによる電圧降下を小さくでき、磁気検出部7の出力電圧の振幅を大きく取ることができる。抵抗Rは、第3磁気抵抗効果素子30及び第4磁気抵抗効果素子40の他端同士の接続点と、電源電圧−Vccが供給される低電圧端子と、の間に接続されてもよい。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2に係る磁気センサ1Bの概略断面図である。本実施の形態の磁気センサ1Bは、実施の形態1の磁気センサ1Aと比較して、磁気センサ1Aにおいて積層体5内に設けられていた第1磁界発生導体75が、積層体5の外部に設けられた第1磁界発生導体75a、75bに替わった点で相違し、その他の点で一致する。第1磁界発生導体75a、75bは、例えば巻軸方向がX方向と平行なコイル(ソレノイドコイル等)であって、積層体5のX方向両側にそれぞれ設けられる。第1磁界発生導体75a、75bは、第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)に対してX方向と平行な一様磁界を印加できる構成であるとよい。第1磁界発生導体75a、75bは、互いに直列接続されても並列接続されてもよい。本実施の形態も、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3に係る磁気センサ1Cの概略回路図である。本実施の形態の磁気センサ1Cは、実施の形態1の磁気センサ1Aと比較して、第1差動増幅器としての第1演算増幅器76が追加されている。第1演算増幅器76の非反転入力端子は、抵抗R及び磁気検出部7の相互接続点(図7の点P1)に接続される。第1演算増幅器76の反転入力端子は、グランド端子に接続される。第1演算増幅器76の出力端子は、第1磁界発生導体75の一端に接続される。第1磁界発生導体75の他端は、グランド端子に接続される。
+X方向の成分を持つバイアス磁界が磁気検出部7に印加されて点P1の電圧がマイナスになると、第1演算増幅器76の出力電圧はマイナスとなり、グランド端子、第1磁界発生導体75、第1演算増幅器76の出力端子という向きに電流が流れる。これにより第1磁界発生導体75は、各磁気抵抗効果素子の位置において−X方向成分を持つ、すなわち各磁気抵抗効果素子の位置におけるバイアス磁界を相殺する補正磁界を発生する。−X方向の成分を持つバイアス磁界が磁気検出部7に印加されて点P1の電圧がプラスになると、第1演算増幅器76の出力電圧はプラスとなり、第1演算増幅器76の出力端子、第1磁界発生導体75グランド端子という向きに電流が流れる。これにより第1磁界発生導体75は、各磁気抵抗効果素子の位置において+X方向成分を持つ、すなわち各磁気抵抗効果素子の位置におけるバイアス磁界を相殺する補正磁界を発生する。第1演算増幅器76の非反転入力端子、反転入力端子間に仮想ショートが成立するため、点P1の電圧は実質的にグランド端子の電圧と一致する。すなわち、バイアス磁界及び補正磁界の磁気平衡状態において各磁気抵抗効果素子の位置でバイアス磁界及び補正磁界のX成分の合計が実質的に0になる。
本実施の形態のその他の点は、実施の形態1と同様である。本実施の形態によれば、実施の形態1と比較して第1演算増幅器76の追加を要するものの、第1演算増幅器76の増幅作用により、バイアス磁界及び補正磁界の磁気平衡状態における各磁気抵抗効果素子の位置でのバイアス磁界及び補正磁界のX成分の合計をより0に近づけることができる。本実施の形態において、第1磁界発生導体75は、図6に示す実施の形態2と同様に積層体5の外部に設けられた第1磁界発生導体75a、75bに替えてもよい。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4に係る磁気センサ1Dの概略断面図である。図9は、磁気センサ1Dの第2磁界発生導体70の配線パターン説明図である。図9において、積層体5内の第2磁界発生導体70の配線パターンを実線で示し、積層体5内の第1磁界発生導体75の図示を省略している。図10は、磁気センサ1Dの概略回路図である。実施の形態1〜3の磁気センサが、磁気検出部7の出力端子間に検出対象磁界に応じた(比例した)センサ出力電圧が現れる磁気比例式であったのに対し、本実施の形態の磁気センサ1Dは、磁気平衡式である。磁気センサ1Dは、実施の形態1の磁気センサ1Aの構成に加え、第2磁界発生導体70と、第2差動増幅器としての第2演算増幅器50と、検出抵抗Rsと、を備える。
図8及び図9に示すように、第2磁界発生導体70は、第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)と同じ積層体5内の単一の層に形成される。図9の例では、第2磁界発生導体70は、1ターンに満たないU字状の平面コイルとしているが、スパイラル状に複数ターン周回する平面コイルであってもよい。なお、積層体5内における、第2磁界発生導体70が形成される層は、図8の例では第1磁界発生導体75が形成される層より上層としているが、第1磁界発生導体75が形成される層より下層としてもよい。第2磁界発生導体70は、後述のように、各磁気抵抗効果素子が検出する検出対象磁界(第1磁界)を相殺する(検出対象磁界の感磁方向成分を相殺する磁界成分を有する)第2磁界を発生する。ここで、相殺は、好ましくは略0にすることであるが、一部のみを打ち消すことであってもよい。
図10に示すように、第2演算増幅器50は、反転入力端子が第1磁気抵抗効果素子10と第4磁気抵抗効果素子40の相互接続点に接続され、非反転入力端子が第2磁気抵抗効果素子20と第3磁気抵抗効果素子30の相互接続点に接続され、出力端子が第2磁界発生導体70の一端に接続される。第2演算増幅器50は、磁気検出部の出力電圧(電圧Va、Vb)が入力され、第2磁界発生導体70に負帰還電流を供給する。第2磁界発生導体70は、第2演算増幅器50が出力する負帰還電流が流れることにより、各磁気抵抗効果素子が検出する第1磁界(検出対象磁界)を相殺する第2磁界を発生する。換言すれば、第2演算増幅器50は、各磁気抵抗効果素子の位置において前記第1磁界の感磁方向成分を相殺する磁界成分を有する第2磁界を第2磁界発生導体70が発生するように、すなわち各磁気抵抗効果素子の位置において第1及び第2磁界の磁気平衡状態が成立するように、第2磁界発生導体70に負帰還電流を供給する。
第2磁界発生導体70が図9に示す電流経路を成すため、第1磁気抵抗効果素子10及び第3磁気抵抗効果素子30の位置における第2磁界と、第2磁気抵抗効果素子20及び第4磁気抵抗効果素子40の位置における第2磁界とは、共にX方向と平行かつ互いに反対向きとなる。検出抵抗Rsは、第2磁界発生導体70の他端とグランド端子との間に接続される。検出抵抗Rsの両端の電圧が、センサ出力電圧Voutとなる。図10に示すように負帰還電流をIとすると、出力電圧Voutは、Vout=Rs×Iとなる。負帰還電流は、検出対象磁界(第1磁界)の大きさに比例する。このため、出力電圧Voutも、検出対象磁界に比例することになり、出力電圧Voutにより、検出対象磁界を検出することができる。本実施の形態のその他の点は、実施の形態1と同様である。本実施の形態も、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
(実施の形態5)
図11は、本発明の実施の形態5に係る磁気センサ1Eの概略断面図である。本実施の形態の磁気センサ1Eは、実施の形態4の磁気センサ1Dと比較して、磁気センサ1Dにおいて積層体5内に設けられていた第1磁界発生導体75が、積層体5の外部に設けられた第1磁界発生導体75a、75bに替わった点で相違し、その他の点で一致する。第1磁界発生導体75a、75bの構成は、実施の形態2(図6)と同じである。本実施の形態も、実施の形態4と同様の効果を奏することができる。
(実施の形態6)
図12は、本発明の実施の形態6に係る磁気センサ1Fの概略回路図である。本実施の形態の磁気センサ1Fは、実施の形態4の磁気センサ1Dと比較して、第1差動増幅器としての第1演算増幅器76が追加されている。第1演算増幅器76の接続形態、及び補正磁界の発生原理は、実施の形態3(図7)と同じである。本実施の形態のその他の点は、実施の形態4と同様である。本実施の形態によれば、第1演算増幅器76の増幅作用により、バイアス磁界及び補正磁界の磁気平衡状態における各磁気抵抗効果素子の位置でのバイアス磁界及び補正磁界のX成分の合計をより0に近づけることができる。本実施の形態において、第1磁界発生導体75は、図11に示す実施の形態5と同様に積層体5の外部に設けられた第1磁界発生導体75a、75bに替えてもよい。
(実施の形態7)
図13は、本発明の実施の形態7に係る磁気センサ1Gの概略回路図である。前述の各実施の形態は、抵抗Rの抵抗値と磁気検出部7の抵抗値との比率により磁気検出部7に印加されるバイアス磁界のX成分を検出するものであった。これに対し本実施の形態では、磁気検出部7に流れる電流により磁気検出部7に印加されるバイアス磁界のX成分を検出する。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
本実施の形態のバイアス磁界検出手段は、抵抗R、第1差動増幅器としての第1演算増幅器76、第1磁界発生導体75、第3差動増幅器としての第3演算増幅器77、及び基準電圧源78、を含む。抵抗Rは、磁気検出部7に流れる電流を電圧に変換する。磁気検出部7に流れる電流は、磁気検出部7の抵抗値に反比例する。磁気検出部7の抵抗値は、磁気検出部7に印加されるバイアス磁界のX方向成分によって変化する。抵抗Rの両端の電圧が特定されると、磁気検出部7に印加されるバイアス磁界のX方向成分が特定される関係にある。
第1演算増幅器76の非反転入力端子は、抵抗Rの一端に接続される。第1演算増幅器76の反転入力端子は、抵抗Rの他端に接続される。第1演算増幅器76の出力端子は、第3演算増幅器77の反転入力端子に接続される。第3演算増幅器77の非反転入力端子とグランド端子との間に、基準電圧源78が接続される。第3演算増幅器77の出力端子は、第1磁界発生導体75の一端に接続される。第1磁界発生導体75の他端は、グランド端子に接続される。抵抗Rの抵抗値を、磁気検出部7の抵抗値と比較して十分に低くすることで、磁気検出部7の出力電圧の振幅を大きく取ることができる。
第1演算増幅器76は、抵抗Rの両端の電圧を増幅する。第1演算増幅器76の出力電圧は、磁気検出部7に流れる電流に比例する。第3演算増幅器77は、第1演算増幅器76の出力電圧と基準電圧源78の出力電圧との差が略0となるように第1磁界発生導体75に電流を供給する。基準電圧源78の出力電圧は、好ましくはバイアス磁界が無い場合の第1演算増幅器76の出力電圧(バイアス磁界が無い場合に磁気検出部7に流れる電流に対応)と等しい。これにより、各磁気抵抗効果素子の位置におけるバイアス磁界のX方向成分と補正磁界のX方向成分との合計が略0で一定となる(磁気検出部7に流れる電流はバイアス磁界が無い場合の電流と略等しくなる)。
第1磁界発生導体75は、第3演算増幅器77が出力する電流(負帰還電流)が流れることにより、各磁気抵抗効果素子の位置におけるバイアス磁界を相殺する補正磁界を発生する。換言すれば、第3演算増幅器77は、各磁気抵抗効果素子の位置においてバイアス磁界の感磁方向成分を相殺する磁界成分を有する補正磁界を第1磁界発生導体75が発生するように、すなわち各磁気抵抗効果素子の位置においてバイアス磁界及び補正磁界の磁気平衡状態が成立するように、第1磁界発生導体75に電流を供給する。
本実施の形態によれば、実施の形態1と比較して第1演算増幅器76、第3演算増幅器77、及び基準電圧源78の追加を要するものの、第1演算増幅器76及び第3演算増幅器77の増幅作用により、バイアス磁界及び補正磁界の磁気平衡状態における各磁気抵抗効果素子の位置でのバイアス磁界及び補正磁界のX成分の合計をより0に近づけることができる。
(実施の形態8、9)
図14は、本発明の実施の形態8に係る磁気センサ1Hの概略断面図である。図15は、本発明の実施の形態9に係る磁気センサ1Jの概略断面図である。図16は、図14及び図15の磁気センサの概略回路図である。本実施の形態では、バイアス磁界検出用の磁気検出素子79によりバイアス磁界のX方向成分を検出する。図14の構成例では、磁気検出素子79を積層体5内かつ磁性体80の直下に配置する。図15の構成例では、磁気検出素子79を積層体5の外部に配置する。
図16では、磁気検出素子79を、2つの磁気抵抗効果素子79a、79bとしている。磁気抵抗効果素子79a、79bの固定層磁化方向は、例えば、共にX方向と平行かつ互いに反対向きである。磁気抵抗効果素子79a、79bは、電源電圧Vccが供給される高電圧端子と、電源電圧−Vccが供給される低電圧端子と、の間に直列接続される。磁気抵抗効果素子79a、79bの相互接続点が第3演算増幅器77の反転入力端子に接続される。第3演算増幅器77は、磁気抵抗効果素子79a、79bの相互接続点の電圧(磁気検出素子79の出力電圧)と基準電圧源78の出力電圧との差が略0になるように第1磁界発生導体75に負帰還電流を供給する。なお、第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)の動作点をバイアス磁界が0の場合の動作点にする場合、基準電圧源78の出力電圧は0(基準電圧源78は短絡)である。本実施の形態も、実施の形態7と同様の効果を奏することができる。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
実施の形態ではバイアス磁界のX方向成分に対応して補正磁界を発生させる場合を説明したが、バイアス磁界のX方向成分に替えて又はそれに加えて、バイアス磁界の非X方向成分(例えばY方向成分)に対応して補正磁界を発生させてもよい。磁気検出部7を構成する磁気抵抗効果素子の個数は、実施の形態で例示した4つに限定されず、2つ以上の任意の個数でよい。実施の形態では、磁気検出部7として、4つの磁気抵抗効果素子がフルブリッジ接続された例に説明したが、磁気検出部7は、2つの磁気抵抗効果素子がハーフブリッジ接続されたものであってもよい。両電源駆動とした各素子は、片電源駆動であってもよい。
第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)の検出精度をさらに向上させるために、磁性体80と第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)の間にヨークを形成してもよい。前記ヨークを形成することにより、第1から第4磁気抵抗効果素子(10、20、30、40)に、より多くの磁界を効率よく導くことが出来るため、微小な磁界を精度よく検出することが可能となる。また、前記ヨークは薄膜プロセスで形成することで、寸法、位置ともに精度よく配置できるだけでなく、同一の積層行程で形成できるため外部に付属させた部品より低コストとなり、製品の小型化や製造コストの削減が可能になる。
1A〜1H、1J 磁気センサ、5 積層体、7 磁気検出部、10 第1磁気抵抗効果素子、20 第2磁気抵抗効果素子、30 第3磁気抵抗効果素子、40 第4磁気抵抗効果素子、50 第2演算増幅器(第2差動増幅器)、70 第2磁界発生導体、75 第1磁界発生導体、76 第1演算増幅器(第1差動増幅器)、77 第3演算増幅器(第3差動増幅器)、78 基準電圧源、79 磁気検出素子、80 磁性体

Claims (9)

  1. 検出対象の第1磁界が印加される第1及び第2磁気抵抗効果素子を含む磁気検出部と、
    高電圧端子と低電圧端子との間に前記磁気検出部と直列に接続された、前記磁気検出部に印加される磁界による抵抗値変化が抑制された又は前記磁気検出部に印加される磁界による抵抗値変化が無い抵抗素子と、
    前記磁気検出部の抵抗値と前記抵抗素子の抵抗値との比率に応じた電流が流れる第1磁界発生導体と、を備え、
    前記第1磁界発生導体に流れる電流により発生する磁界が前記第1及び第2磁気抵抗効果素子に印加され、前記バイアス磁界による前記第1及び第2磁気抵抗効果素子の抵抗値変化が抑制される、磁気センサ。
  2. 前記第1磁界発生導体は、前記磁気検出部と前記抵抗素子との相互接続点と中電圧端子との間に設けられる、請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記磁気検出部と前記抵抗素子との相互接続点の電圧と、前記中電圧端子の電圧と、の差を増幅する第1差動増幅器を備え、
    前記第1磁界発生導体は、前記第1差動増幅器の出力端子と前記中電圧端子との間に設けられる、請求項1に記載の磁気センサ。
  4. 前記抵抗素子は、磁気シールドされた磁気抵抗効果素子である、請求項1から3のいずれか一項に記載の磁気センサ。
  5. 前記抵抗素子は、固定抵抗である、請求項1から3のいずれか一項に記載の磁気センサ。
  6. 前記磁気検出部の出力電圧が入力される第2差動増幅器と、
    前記第2差動増幅器が出力する第1負帰還電流が流れることにより、前記第1及び第2磁気検出素子が検出する前記第1磁界を相殺する第2磁界を前記第1及び第2磁気検出素子に印加する第2磁界発生導体と、を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の磁気センサ。
  7. 検出対象の第1磁界が印加される第1及び第2磁気抵抗効果素子を含む磁気検出部と、
    前記第1及び第2磁気抵抗効果素子に印加されるバイアス磁界の所定方向成分を検出し、前記所定方向成分の大きさに応じた電流を出力するバイアス磁界検出手段と、
    前記バイアス磁界検出手段の出力電流が流れる第1磁界発生導体と、を備え、
    前記磁気検出部の出力端子に、前記第1磁界の大きさに応じたセンサ出力電圧が現れる磁気センサであって、
    前記第1磁界発生導体に流れる電流により発生する磁界が前記第1及び第2磁気抵抗効果素子に印加され、前記バイアス磁界による前記第1及び第2磁気抵抗効果素子の抵抗値変化が抑制される、磁気センサ。
  8. 検出対象の第1磁界が前記第1及び第2磁気抵抗効果素子の位置において互いに反対向きの磁界成分を持つように前記第1磁界の向きを変化させる磁性体を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の磁気センサ。
  9. 前記第1及び第2磁気抵抗効果素子は、固定層磁化方向が互いに等しい、請求項1から8のいずれか一項に記載の磁気センサ。
JP2018168384A 2018-09-08 2018-09-08 磁気センサ Active JP7286932B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018168384A JP7286932B2 (ja) 2018-09-08 2018-09-08 磁気センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018168384A JP7286932B2 (ja) 2018-09-08 2018-09-08 磁気センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020041869A true JP2020041869A (ja) 2020-03-19
JP7286932B2 JP7286932B2 (ja) 2023-06-06

Family

ID=69798038

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018168384A Active JP7286932B2 (ja) 2018-09-08 2018-09-08 磁気センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7286932B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007273528A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Alps Electric Co Ltd 磁気センサ
JP2007303891A (ja) * 2006-05-09 2007-11-22 Denso Corp 磁気センサ
WO2011111648A1 (ja) * 2010-03-12 2011-09-15 アルプス電気株式会社 磁気センサ及びそれを用いた磁気平衡式電流センサ
JP2015087228A (ja) * 2013-10-30 2015-05-07 Tdk株式会社 磁界検出装置
JP2015219061A (ja) * 2014-05-15 2015-12-07 Tdk株式会社 磁界検出センサ及びそれを用いた磁界検出装置
WO2017077870A1 (ja) * 2015-11-04 2017-05-11 Tdk株式会社 磁界検出装置及び磁界検出方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007273528A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Alps Electric Co Ltd 磁気センサ
JP2007303891A (ja) * 2006-05-09 2007-11-22 Denso Corp 磁気センサ
WO2011111648A1 (ja) * 2010-03-12 2011-09-15 アルプス電気株式会社 磁気センサ及びそれを用いた磁気平衡式電流センサ
JP2015087228A (ja) * 2013-10-30 2015-05-07 Tdk株式会社 磁界検出装置
JP2015219061A (ja) * 2014-05-15 2015-12-07 Tdk株式会社 磁界検出センサ及びそれを用いた磁界検出装置
WO2017077870A1 (ja) * 2015-11-04 2017-05-11 Tdk株式会社 磁界検出装置及び磁界検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7286932B2 (ja) 2023-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110494760B (zh) 磁传感器
JP4722934B2 (ja) 所定の温度係数を有する抵抗器
JP6255902B2 (ja) 磁界検出装置
CN113203885B (zh) 电流传感器、磁传感器和电路
JP2015219061A (ja) 磁界検出センサ及びそれを用いた磁界検出装置
JP2015219227A (ja) 磁気センサ
JP6394740B2 (ja) 磁界検出装置
US11009569B2 (en) Magnetic field sensing device
JP7119633B2 (ja) 磁気センサ
JP2007033222A (ja) 電流センサ
WO2018159776A1 (ja) 磁気センサ
JP7286932B2 (ja) 磁気センサ
JP2016115240A (ja) 乗算回路及びそれを備えた電力センサー
JP2016142652A (ja) 電力センサー
JP7119695B2 (ja) 磁気センサ
JP7225694B2 (ja) 磁気センサ
WO2015146640A1 (ja) 電流センサ
JP6346045B2 (ja) 磁場センサ
WO2017141763A1 (ja) 電流センサ
JP2001141756A (ja) 電流センサ
JP2021028596A (ja) ゼロフラックス型磁気センサ
JP2011196698A (ja) 電流検出装置
JP2016142651A (ja) 電力センサー
JP2016121944A (ja) 磁気抵抗素子回路及びブリッジ回路
JP2016031299A (ja) 磁気センサ、磁気検出装置及び磁気センサの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210521

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220927

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20221117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230425

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230508

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7286932

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150