JP2009271044A - 電流センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁気抵抗効果素子の一軸異方性を強め、かつ磁界検出動作の安定化に寄与するバイアス磁界を磁気抵抗効果素子に印加する手段を、磁気抵抗効果素子の近傍に配置した従来の電流センサでは、一次導体からの被測定磁界の影響により、安定したバイアス磁界を磁気抵抗効果素子に印加できないという問題点があった。
【解決手段】 被測定磁界を磁気抵抗効果素子に印加する一次導体のU字形成部は、U字形成部構成面の向一面外方向に伸長する各非U字形成部を介して各接続導体部に連結する構造としたため、バイアス磁界印加手段から磁気抵抗効果素子に印加されるバイアス磁界を、小型な一次導体においても安定的に確保でき、電流センサとして小型化、高精度化ならびに安定化が可能となる。
【選択図】図1

Description

この発明は、被測定電流が印加されるU字型一次導体の、U字形成部の近傍において、被測定電流を測定する電流センサに関するものである。
従来の電流センサとして、磁気抵抗効果素子の一軸異方性を強め、かつ磁界検出動作の安定化に寄与するバイアス磁界を磁気抵抗効果素子に印加するバイアス印加手段を、磁気抵抗効果素子の近傍に配置したものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の電流センサのU字形成部を有する一次導体として、平板を折り曲げて作製した、U字形成部構成面の面外方向に厚みを有する一次導体がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−218700公報 特開2007−183221公報 特表平7−508351公報
前記特許文献1に開示されている電流センサは、V字形状を有する一次導体、V字形状を成す各直線部分上に設置された磁気抵抗効果素子、およびバイアス磁界印加手段としての磁性基板から構成され、バイアス磁界を印加することで磁気抵抗素子の一軸異方性をいっそう強め、高精度化ならびに安定化を図っている。しかしながら、一方の一次導体の直線部分において被測定電流により発生する被測定磁界の方向は、他方の直線部分上に設置されたバイアス磁界印加手段としての磁性基板の発生磁界の方向と略一致するため、特に大電流の測定において、安定したバイアス磁界を磁気抵抗効果素子に印加できないという問題点があった。上記特許文献1の請求項10において、バイアス磁界の磁束密度を20×10−4テスラ〜60×10−4テスラと規定しているが、一次導体の断面形状や断面寸法によるものの、数10アンペア程度の被測定電流値において前記磁束密度値は容易に得られる値であり、バイアス磁界が不安定となる可能性は非常に高いといえる。また、磁気抵抗効果素子および回路部と一次導体間に、シールド層が設置されておらず、主に一次導体から生じる電界ノイズを除去あるいは低減できないという問題点があった。さらにまた、スピンバルブ型GMR素子を用いるため、高精度化のためには別個の基板に作製された2つの素子を設置しなければならず、製造工程が増加するという問題点があった。
前記特許文献2および3に開示されている電流センサや磁界センサは、平板を折り曲げて作製した、U字形成部構成面の面外方向に厚みを有するU字形成部ならびに接続導体部にて構成された一次導体を提案し、磁電変換素子へ印加する被測定磁界の増加を図っている。しかしながら、前記特許文献2および3の一次導体形状をそのまま本発明への応用を想定した場合、接続導体部がバイアス磁界印加手段の設置位置に接近し、かつ接続導体部にて発生する磁界方向がバイアス磁界印加手段の発生磁界の方向と略一致することになり、安定したバイアス磁界を磁気抵抗効果素子に印加できないという問題点が生じることになる。なおU字形成部を伸長し、接続導体部から遠ざけて素子ならびに磁界印加手段を設置する方法も考えられるが、小型化に向かないという問題点があった。
この発明は上記のような課題を鑑み、解決するためになされたもので、一様な外部磁界を除去するとともに、バイアス磁界印加手段から磁気抵抗効果素子に印加されるバイアス磁界が安定的に確保され、かつ主に一次導体から生じる電界ノイズが除去あるいは低減された、小型化、高精度化、低コスト化した電流センサを得ることを目的とする。
この発明に係る電流センサは、設置基板上に4つの磁気抵抗効果素子で、設置基板の中心線に対して分けられた一方の領域に第1のハーフブリッジ回路が配置されると共に、他方の領域に第2のハーフブリッジ回路が配置された電流検知デバイスと、少なくとも1つのU字形成部を有する一次導体と、前記磁気抵抗効果素子に対してバイアス磁界を印加する少なくとも1つのバイアス磁界印加手段と、シールド層を有し、一次導体の前記U字形成部は、前記U字形成部構成面の同一面外方向に伸長する各非U字形成部を介して各接続導体部に連結した構造をとるものである。
一つの設置基板上に四つの磁気抵抗効果素子にて、設置基板上の中心線に対して分けられた一方の領域に第一のハーフブリッジ回路が配置されるとともに、他方の領域に第二のブリッジ回路が配置され、それぞれのハーフブリッジ回路に逆方向の磁界が印加される構造のため、一様な外部磁界を除去する効果、および一つの基板に磁気抵抗効果素子が構成されるため、工程が簡略化できる効果がある。
また、バイアス磁界印加手段から磁気抵抗効果素子に印加されるバイアス磁界を、小型な一次導体においても安定的に確保できるため、磁気抵抗素子の一軸異方性を強め、電流センサとして小型化、高精度化ならびに安定化できる効果がある。
また、電流検知デバイスを含むセンサ基板内層にシールド層を設置することで、主に一次導体から生じる電界ノイズを除去あるいは低減する効果がある。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による電流センサの斜視図を示すもので、図2は図1の平面図、図3は図1および図2におけるAA’断面(XZ面)の一部を示す断面図である。図において、電流センサ1は、電流検知デバイス部7、永久磁石8、センサ回路部9を有するセンサ基板2と、一次導体3により構成される。
本実施の形態1における一次導体3は、長手方向に向かって略垂直に曲げ加工が施されて形成された1つのU字形成部4と、同一面外方向に伸長する各非U字形成部5を介して、略垂直に曲げ加工が施されそれぞれが逆方向に伸長する接続導体部6によって構成され、U字形成部4における一次導体3の断面形状は面外方向(Z方向)に長軸を有する長方形である。センサ基板2は、非U字形成部5の伸長方向とは反対のU字形成部4上に設置される。
まず、電流検知デバイス部7の構成について説明する。
図5は電流検知デバイス部7の平面図を示すもので、設置基板17上において、設置基板17の中心線11によって2つの領域に分けられ、それぞれの領域に磁気抵抗効果素子14a、14b、磁気抵抗効果素子14c、14dが線対称に等しく配置される。ここで、磁気抵抗効果素子14の感磁方向はX方向とし、長手方向はY方向とする。4つの磁気抵抗効果素子14a〜14dは、設置基板17の中心線11に対して相互に平行方向に配置され、磁気抵抗効果素子14a、14dは、互いに逆方向の磁界の増加に応じて抵抗値が共に増加する磁気抵抗効果特性を有するように、また、磁気抵抗効果素子14b、14cは、互いに逆方向の磁界の増加に応じて抵抗値が共に減少する磁気抵抗効果特性を有するように、図には省略したが、磁気抵抗効果素子上にはバーバーポール電極構造が形成されている。なお、4つの磁気抵抗効果素子14はそれぞれ1本で構成したが、クランク形状に複数の磁気抵抗効果素子を接続し、線路長を長く構成してもよい。また、中心線11上の中心点に対して点対称に構成してもよい。接続電流線15は、4つの磁気抵抗効果素子14間を接続することにより、ブリッジ回路18を構成するものであり、接続エリア16は、外部とブリッジ回路18の入出力用の端子部として用いる。
図6はこの発明の実施の形態1による電流センサ1の電流検知デバイス7を示す構成概略図であり、図6において、4つの磁気抵抗効果素子14間を接続電流線15で接続することにより、磁気抵抗効果素子14a、14bの直列接続からなるハーフブリッジ回路(第1のハーフブリッジ回路)19a、磁気抵抗効果素子14c、14dの直列接続からなるハーフブリッジ回路(第2のハーフブリッジ回路)19bの並列接続からなるブリッジ回路18を構成するものである。
接続エリア(第1の接続エリア)16aは、ブリッジ回路18の磁気抵抗効果素子14a、14c間の接続電流線15に接続され、もう一方の接続エリア(第2の接続エリア)16bは、ブリッジ回路18の磁気抵抗効果素子14b、14d間の接続電流線15に接続されており、接続エリア16a、16bからブリッジ回路18に電圧が供給されるものである。接続エリア(第3の接続エリア)16cは、ブリッジ回路18の磁気抵抗効果素子14a、14b間の接続電流線15に接続され、もう一方の接続エリア(第4の接続エリア)16dは、ブリッジ回路18の磁気抵抗効果素子14c、14d間の接続電流線15に接続されており、接続エリア16c、16dからブリッジ回路17の出力電圧が検出されるものである。
なお、図5および図6には示していないが、設置基板17上の4つの磁気抵抗効果素子14a〜14dの上方、または下方、またはその両方に絶縁層を介して補償導電線20を配置し、ブリッジ回路18の出力電圧に基づいて、それらの補償導電線20に4つの磁気抵抗効果素子14の近傍に発生する磁界を打ち消すような電流を供給する磁気平衡型の構成としてもよい。
次に、電流センサ1の全体構成について説明する。
図1に示すように、被測定電流を印加する一次導体3の一部には、長手方向に向かって略垂直に曲げ加工が施され、Z方向から見てU字の形状となるように1つのU字形成部5が形成される。なお本実施の形態1に示した図では、U字形状の底部の両脇部分が直角形状に構成されているが、電流検知デバイス部7にU字部の両側から安定して逆方向の磁界が印加される構造であれば丸みを帯びた形状などでもよく、これに限るものではないが、安定して逆方向の磁界を印加するためにはU字形状が少なくとも電流検知デバイス部7の近傍において左右対称であることが望ましい。
図2に示すように、一点鎖線で示したU字形状の一次導体3の対称軸、および電流検知デバイス部7の中心線11が略一致するように、センサ基板2はU字形成部5の上方に設置する。バイアス磁界の安定度を考慮すると、センサ基板2は本実施の形態に示すようにU字形成部5の上方に設置されるのが望ましい。本実施の形態においては、電流検知デバイス7をセンサ基板2の上面側に設置した例を示したが、設置位置は上面に限るものではない。電流検知デバイス部7を含むセンサ基板2の設置位置(特にZ方向)は、磁気抵抗効果素子14に付与したい磁界、つまりは被測定電流の大きさに応じて決定するが、Z方向における1次導体3の中央となる位置(図3破線O)では感磁方向の付与磁界が0となるため、中央からずらして設置するのがよい。その決定された位置に応じてセンサ基板2を設置する。また、一次導体3の断面積は、印加する被測定電流値に応じて決定される。このような一次導体3は、例えば銅などの金属板材からの打ち抜き加工と曲げ加工等の組合せ、もしくは鋳造等により作製される。
図2にのみ示したが、センサ基板2上には、電流検知デバイス部7とともにバイアス磁界印加手段である永久磁石8、およびセンサ回路部9を配置する。センサ回路部9は、電流検知デバイス部7の接続エリア16a、16bにブリッジ回路18の電圧を供給すると共に、ブリッジ回路18の出力電圧を適度な増幅を施して出力するが、電流センサ1と外部の入出力端を電気的に接続するには、端子10を利用する。
センサ基板2と1次導体3は、特に図示しないが接着剤や取付部材等を用いて固定する。取付部材は特に材料を限定しないが、非磁性で経時劣化の少ないものが望ましく、絶縁性や耐圧の効果を上げるために全体、あるいは一部を樹脂モールドしてもよい。
図3の断面図に示したように、センサ基板2の内層には導電性を有する電界シールド層12を設置する。電界シールド層12は、電流センサとしての性能を低下させるノイズとして、外部から磁気抵抗効果素子14やセンサ回路部9へ印加される電界ノイズを、除去あるいは低減するためのもので、少なくとも磁気抵抗効果素子14やセンサ回路部9と一次導体3の間に設置する必要があり、可能であれば磁気抵抗効果素子14やセンサ回路部9を覆うように設置するのが望ましい。電界シールド層12の材料は、導電性を有すればよく、例えば銅、アルミニウム等が考えられ、センサ基板2に設けた電気的なグランドと接続される。設置の形態としては、例えば多層基板の内層の少なくとも1層にグランド層を設けたものでもよい。
ここで、バイアス磁界印加手段である永久磁石8について詳細に説明する。永久磁石8は、例えばフェライトを材料とし、Y方向を長手方向として伸長した直方体形状を有し、長手方向であるY方向に磁化されている。永久磁石8は、磁気抵抗効果素子14の長手方向であるY方向にバイアス磁界を印加するものであり、外部磁界の状況にもよるが、印加するバイアス磁界の磁束密度は20×10−4テスラ程度以上であることが望ましい。ここでは磁気抵抗効果素子14に一様に安定してバイアス磁界を印加するために、電流検知デバイス部7の両側に各1個、電流検知デバイス部7よりも大きめのサイズの永久磁石8を設置したがこれに限るものではなく、例えばセンサ基板2の裏面側の電流検知デバイス部7の背面に1個設置する、あるいはセンサ基板2上の中心線11に沿って電流検知デバイス部7の上方または下方または両方に設置する等他の設置方法でもよい。また永久磁石8の材料についても、バルク状のフェライトに限るものではなく、電流検知デバイス部7の裏面に磁性膜として配置してもよい。
永久磁石8から、磁気抵抗効果素子14に一様に安定してバイアス磁界を印加するためには、外部磁界として磁気抵抗効果素子14のY方向に付与される磁界の低減が有効となる。本実施の形態においては、接続導体部6を電流検知デバイス部7から遠ざける構成としたため、小型な一次導体3にて磁気抵抗効果素子14に付与されるY方向の外部磁界は低減され、磁気抵抗効果素子14に一様に安定したバイアス磁界を印加できる。
次に、電流センサ1の動作について、図3、図4、図5により説明する。
一次導体3に被測定電流を印加すると、例えば第1のU字形成部4aには電流の方向に対して図3の破線に示すように左回転の磁界が、また第2のU字形成部4bには電流の方向に対して図3の破線に示すように右回転の磁界が、印加される被測定電流の大きさに応じて発生する。図には簡単のために各1次導体あたり2本の磁束線によって発生磁界を示した。その結果、電流検知デバイス部7を図3に示す位置に設置した場合、電流検知デバイス部7の左側に位置する磁気抵抗効果素子14a、14bには、図4に示す磁界ベクトル13aが印加され、右側に位置する磁気抵抗効果素子14c、14dには、磁界ベクトル13bが印加される。よって磁気抵抗効果素子14a、14bの感磁方向(X軸方向)には分解ベクトル13axが、磁気抵抗効果素子14c、14dの感磁方向(X軸方向)には分解ベクトル13bxが加わることになる。つまり、電流検知デバイス部7のXY面における、図5に示した磁気抵抗効果素子14a、14bには、中心線11より紙面左側の向きに磁界が加わり、磁気抵抗効果素子14c、14dには、中心線11より紙面右側の向きに磁界が加わる。
なお、磁気抵抗効果素子14a、14dでは、共に磁界の増加に応じて抵抗値が増加すると共に、磁界の減少に応じて抵抗値が減少する磁気抵抗効果特性を有するように、また、磁気抵抗効果素子14b、14cでは、逆に磁界の増加に応じて抵抗値が減少すると共に、磁界の減少に応じて抵抗値が増加する磁気抵抗効果特性を有するように構成されている。
よって、一次導体3に流れる電流の増加に応じて磁気抵抗効果素子14a、14dの抵抗値が増加すると共に、磁気抵抗効果素子14b、14cの抵抗値が減少し、一次導体3に流れる電流の減少に応じて磁気抵抗効果素子14a、14dの抵抗値が減少すると共に、磁気抵抗効果素子14b、14cの抵抗値が増加する。このように、一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じてブリッジ回路18の平衡が崩れ、これが電流検知デバイス部7のブリッジ回路18の出力となる。
また、本実施の形態においては、U字形成部4における一次導体3の断面形状は面外方向(Z方向)に長軸を有する長方形としたことで、x軸方向(感磁方向)へ分解した磁界ベクトル13xとz方向へ分解した磁界ベクトル13zの大きさは、13x<13zの関係が成立し、それぞれの磁気抵抗効果素子14の感磁方向には低められた磁界が印加されることになる。そのため、被測定電流が大電流であっても磁気抵抗効果素子14に印加される磁界が抑制され、出力の飽和などを気にすることなく、かつ電流センサとしての外形寸法を大型化することなく、大電流の計測が容易に行える。
さらに、電流センサ1の動作について、補償導電線20を有する場合について説明する。補償導電線20を配置した電流検知デバイス部7とセンサ回路部9の概略構成を図7に示す。
一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じてブリッジ回路18の平衡が崩れる。このとき、センサ回路部9に設置された増幅回路部(例えばオペアンプ21)では、電流検知デバイス部7の接続エリア16c、16dから検出される出力電圧に基づいて、磁気抵抗効果素子14a〜14d近傍に発生する磁界を打ち消すような電流(制御電流)を補償導電線20に供給する。具体的には接続エリア16c、16dの出力電圧が0になるように、制御電流の大きさを調整する。補償導電線20は、その制御電流の大きさに応じて4つの磁気抵抗効果素子14a〜14d近傍に発生する磁界、すなわち一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じた磁界を相殺するような磁界を発生する。
したがって、一次導体3に印加される被測定電流の大きさに応じたブリッジ回路18の平衡の崩れを、センサ回路部9から供給される制御電流により修復することができる。ゆえに、センサ回路部9から供給した制御電流の大きさが、一次導体3に印加される被測定電流の大きさに相関のある値として検出することができる。
なお、一次導体3以外において発生した外部磁界(外乱磁界)は、磁気抵抗効果素子14a、14bと磁気抵抗効果素子14c、14d(ブリッジ回路18の左右の各ハーフブリッジ回路19)に同相の影響となるため相殺され、測定精度に影響を与えない。
以上のように、この実施の形態1によれば、設置基板上に4つの磁気抵抗効果素子で、設置基板の中心線に対して分けられた一方の領域に第1のハーフブリッジ回路が配置されると共に、他方の領域に第2のハーフブリッジ回路が配置され、それぞれのハーフブリッジ回路に逆方向の磁界が印加される構造のため、一様な外部磁界を除去することができ、1つの設置基板上に全ての磁気抵抗効果素子を構成したため、製造工程の簡略化ならびに低コスト化の効果がある。
また、バイアス磁界印加手段から磁気抵抗効果素子に印加されるバイアス磁界を、小型な一次導体においても安定的に確保できるため、磁気抵抗素子の一軸異方性を強め、電流センサとして小型化、高精度化ならびに安定化できる効果がある。
また、磁気抵抗効果素子の感磁方向への印加磁界を抑制する構成としたため、大電流の測定が容易に可能となり、一次導体を含めた電流センサの構造が小型となる効果がある。
また、センサ基板の内層面に導電性を有するシールド層を設置したため、一次導体や外部からの電界ノイズを除去あるいは低減でき、測定精度を向上する効果がある。
実施の形態2.
図8は、この発明の実施の形態2による電流センサの斜視図を示すもので、図9は図8におけるAA’断面(XZ面)を示す断面図、図10は電流検知デバイス部7近傍の磁界ベクトルと分解ベクトルである。図において、電流センサ1は、電流検知デバイス部7、永久磁石8、センサ回路部9を有するセンサ基板2と、一次導体3により構成されるが、各図には主たる構成のみを示す。
本実施の形態2における一次導体3は、板状に形成された1つのU字形成部4と、同一面外方向に伸長する各非U字形成部5を介して、略垂直に曲げ加工が施されそれぞれが逆方向に伸長する接続導体部6によって構成され、U字形成部4における一次導体3の断面形状は面内方向(X方向)に長軸を有する長方形である。センサ基板2は、非U字形成部5の伸長方向とは反対のU字形成部4上に設置される。
実施の形態2は、一次導体3におけるU字形成部4の長方形断面形状の長軸方向を変更した構成であり、その他の構成や動作で重複する部分は省略する。
一次導体3に被測定電流を印加すると、例えば第1のU字形成部4aには電流の方向に対して図9の破線に示すように左回転の磁界が、また第2のU字形成部4bには電流の方向に対して図9の破線に示すように右回転の磁界が、印加される被測定電流の大きさに応じて発生する。図には簡単のために各1次導体あたり2本の磁束線によって発生磁界を示した。
本実施の形態においては、U字形成部4における一次導体3の断面形状は面内方向(X方向)に長軸を有する長方形としたことで、x軸方向(感磁方向)へ分解した磁界ベクトル13xとz方向へ分解した磁界ベクトル13zの大きさは、13x>13zの関係が成立し、それぞれの磁気抵抗効果素子14の感磁方向には実施の形態1と比較して強められた磁界が印加されることになる。そのため、被測定電流が小さい電流であっても磁気抵抗効果素子14には効率よく磁界が印加され、小さい電流であっても精度を落とすことなく、計測が容易に行える。
以上のように、この実施の形態2によれば、U字形成部4における一次導体3の断面形状は面内方向(X方向)に長軸を有する長方形としたため、被測定電流が小さい場合も磁気抵抗効果素子14には効率よく磁界が印加され、小さい電流であっても精度を落とすことなく、計測が容易に行える効果がある。また一次導体3の高さ(Z方向)を低減できるため、小型化の効果がある。
実施の形態3.
図11は、この発明の実施の形態3による電流センサの斜視図を示すもので、図12は図11のYZ面を示す側面図である。図において、電流センサ1は、電流検知デバイス部7、永久磁石8、センサ回路部9を有するセンサ基板2と、一次導体3により構成されるが、各図には主たる構成のみを示す。
本実施の形態3における一次導体3は、板状に形成された1つのU字形成部4と、同一面外方向に伸長する各非U字形成部5を介して、略垂直に曲げ加工が施されてそれぞれが逆方向に伸長する接続導体部6によって構成され、U字形成部4における一次導体3の断面形状は面内方向(X方向)に長軸を有する長方形であり、また、U字形成部4のうちU字底部22を同一平面外に設置した構成である。センサ基板2は、非U字形成部5の伸長方向とは反対のU字形成部4上に設置される。
実施の形態3は、実施の形態2の一次導体3におけるU字形成部4のうちU字底部22を同一平面外に設置した構成であり、その他の構成で重複する部分は省略する。
既に実施の形態1にて述べたように、永久磁石8から磁気抵抗効果素子14に一様に安定してバイアス磁界を印加するためには、外部磁界として磁気抵抗効果素子14のY方向に付与される磁界の低減が有効となる。本実施の形態においては、Y方向に付与する磁界の発生源として、接続導体部6に加えてU字底部22を電流検知デバイス部7から遠ざける構成とする。図12に示すように、電流検知デバイス部7を含むセンサ基板2は、本実施の形態ではU字形成部4の上方に設置する構成としたため、U字底部22は電流検知デバイス部7から遠ざけるために−Z方向、すなわちU字形成部4の下方にずらして設置した。U字底部22は、U字形成部4を板材にて形成した場合、プレス加工等にて作製される。本構成において、小型な一次導体3から磁気抵抗効果素子14に付与きれるY方向の外部磁界は低減され、磁気抵抗効果素子14に一様に安定したバイアス磁界を印加できる。
以上のように、この実施の形態3によれば、バイアス磁界印加手段から磁気抵抗効果素子に印加されるバイアス磁界を、小型な一次導体においてもさらに安定的に確保できるため、磁気抵抗素子の一軸異方性を強め、電流センサとして小型化、高精度化ならびに安定化できる効果がある。
この発明の実施形態1による電流センサの斜視図である。 この発明の実施形態1による電流センサの平面図である。 この発明の実施形態1による電流センサの断面図である。 この発明の実施形態1による電流センサの図3に示す電流検知デバイス部近傍の磁界ベクトルと分解ベクトルである。 この発明の実施形態1による電流センサの電流検知デバイス部を示す平面図である。 この発明の実施形態1による電流センサの電流検知デバイス部を示す構成概略図である。 この発明の実施形態1による電流センサの補償導電線を配置した構成図である。 この発明の実施形態2による電流センサの斜視図である。 この発明の実施形態2による電流センサの断面図である。 この発明の実施形態2による電流センサの図9に示す電流検知デバイス部近傍の磁界ベクトルと分解ベクトルである。 この発明の実施形態3による電流センサの斜視図である。 この発明の実施形態3による電流センサの側面図である。
符号の説明
1 電流センサ、2 センサ基板、3 一次導体、4 U字形成部、5 非U字形成部、6 接続導体部、7 電流検知デバイス部、8 永久磁石、9 センサ回路部、10 外部端子、11 中心線、12 シールド層、13 磁界ベクトル、14 磁気抵抗効果素子、15 接続電流線、16 接続エリア、17 設置基板、18 ブリッジ回路、19 ハーフブリッジ回路、20 補償導電線、21 オペアンプ、22 U字底部

Claims (8)

  1. 設置基板上に配置され、互いに逆方向の磁界の増加に応じて抵抗値が共に増加する磁気抵抗効果特性を有する第1および第4の磁気抵抗効果素子と、
    前記設置基板上に配置され、互いに逆方向の上記磁界の増加に応じて抵抗値が共に減少する磁気抵抗効果特性を有する第2および第3の磁気抵抗効果素子と、
    前記設置基板上に配置され、前記第1から第4の磁気抵抗効果素子を接続することにより、前記第1および第2の磁気抵抗効果素子による第1のハーフブリッジ回路、および前記第3および第4の磁気抵抗効果素子による第2のハーフブリッジ回路からなるブリッジ回路を構成する接続電流線とを備え、前記設置基板の中心線に対して分けられた一方の領域に前記第1のハーフブリッジ回路が配置されると共に、他方の領域に前記第2のハーフブリッジ回路が配置された電流検知デバイスと、少なくとも1つのU字形成部を有する一次導体と、前記磁気抵抗効果素子に対してバイアス磁界を印加する少なくとも1つのバイアス磁界印加手段とを備え、
    前記設置基板の中心線と前記U字形成部の対称軸が略一致するように少なくとも一つの前記電流検知デバイスが前記U字形成部近傍に配置されるとともに、
    一次導体の前記U字形成部は、前記U字形成部構成面の同一面外方向に伸長する各非U字形成部を介して各接続導体部に連結されることを特徴とする電流センサ。
  2. 前記一次導体を構成する各接続導体部は、同一平面上で逆方向に伸長することを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記一次導体を構成する前記U字形成部の一部が同一平面外に構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の電流センサ。
  4. 前記一次導体を構成する前記U字形成部の断面形状が、U字形成部構成面の面外方向に長軸を有する長方形であることを特徴とする請求項1〜3に記載の電流センサ。
  5. 前記一次導体を構成する前記U字形成部の断面形状が、U字形成部構成面の面内方向に長軸を有する長方形であることを特徴とする請求項1〜3に記載の電流センサ。
  6. 少なくとも一つの前記電流検知デバイスは、センサ回路部とともにセンサ基板に設置され、前記センサ基板は前記一次導体の前記U字形成部近傍の少なくとも一箇所に、前記センサ基板に設置された前記電流検知デバイスの中心線と前記U字形成部の対称軸が略一致するように設置されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電流センサ。
  7. 前記センサ基板の内部に、導電性を有するシールド層を設置したことを特徴とする請求項6に記載の電流センサ。
  8. 前記バイアス磁界印加手段は、少なくとも1つの永久磁石からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電流センサ。
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