JP6484940B2 - 磁気抵抗素子、磁気センサ及び電流センサ - Google Patents

磁気抵抗素子、磁気センサ及び電流センサ Download PDF

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Description

本発明は、磁気抵抗素子、磁気センサ及び電流センサに関する。
従来から、磁界によって電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗素子が知られている。
磁気抵抗素子としては、磁化方向が固着された固着層(磁化固定層)と、磁化方向が磁界によって回転する自由層(フリー層)と、磁化固定層とフリー層との間に設けられたトンネル絶縁層とを含むTMR(Tunneling Magneto Resistive)素子が開示されている(例えば、特許文献1参照)。TMR素子においては、外部磁界によるフリー層の磁化方向の変化をTMR素子の抵抗として検知することが可能である。
しかしながら、上述した従来の技術では、磁界検知の感度が十分ではないことがあった。
そこで、本発明の一つの案では、高感度に磁界検知することが可能な磁気抵抗素子を提供することを目的とする。
一つの案では、磁化固定層と磁化が変化するフリー層とを有する磁気抵抗素子において、前記磁化固定層と前記フリー層とは中間層を含んで接合部を形成し、前記接合部は第1接合部と第2接合部とを含み、前記磁化固定層と前記フリー層のうち、一方の層は前記第1接合部と前記第2接合部との間で離間しており、他方の層は前記第1接合部と前記第2接合部との間で共通であり、前記第1接合部の前記一方の層は、前記他方の層の長手方向における一端に配置され、前記第2接合部の前記一方の層は、前記他方の層の長手方向における他端に配置されており、前記第1接合部は複数の接合部を含前記中間層が前記第1接合部及び前記第2接合部を除いた部分において、その一部が掘り込まれた凹部を形成している、磁気抵抗素子が提供される。
一態様によれば、高感度に磁界検知することが可能な磁気抵抗素子を提供することができる。
第1実施形態に係る磁気抵抗素子の概略構成を例示する断面図。 第1実施形態に係る磁気抵抗素子の概略構成を例示する平面図。 第1実施形態に係る磁気抵抗素子の概略構成を例示する断面図。 第1実施形態に係る磁気抵抗素子の概略構成を例示する平面図。 第1実施形態に係る磁気抵抗素子の概略構成を例示する断面図。 第1実施形態に係る磁気抵抗素子の概略構成を例示する断面図。 第1実施形態に係る磁気抵抗素子の概略構成を例示する断面図。 第1実施形態に係る磁気抵抗素子の概略構成を例示する断面図。 第1実施形態に係る磁気抵抗素子の概略構成を例示する断面図。 第2実施形態に係る磁気センサを説明するための図。 第2実施形態に係る磁気センサを説明するための図。 第2実施形態に係る磁気センサを説明するための図。 第3実施形態に係る電流センサの概略構成を例示する図。 第4実施形態に係る電流センサの概略構成を例示する断面図。 実施例に係る磁気抵抗素子を説明するための図。 比較例に係る磁気抵抗素子を説明するための図。 実施例に係る磁気抵抗素子における磁界と抵抗との関係を示す図。 比較例に係る磁気抵抗素子における磁界と抵抗との関係を示す図。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
[第1実施形態]
(磁気抵抗素子の構成)
第1実施形態では、本発明の磁気抵抗素子の一例として、TMR素子について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態に係る磁気抵抗素子の概略構成を例示する断面図である。図2は、第1実施形態に係る磁気抵抗素子の概略構成を例示する平面図である。なお、図2における−Y方向から+Y方向へと向かう実線矢印は磁化固定層の磁化方向を表し、X方向の破線矢印はフリー層の磁化容易方向を表す。
第1実施形態に係る磁気抵抗素子は、図1に示すように、基板101、シード層102、フリー層103、トンネル障壁層104、磁化固定層105及びキャップ層106を含むTMR素子である。そして、磁化固定層105とフリー層103とはトンネル障壁層104を含んで接合部を形成し、接合部は第1接合部J1と第2接合部J2とを含む。
また、第1実施形態に係る磁気抵抗素子においては、磁化固定層105は第1接合部J1と第2接合部J2との間で離間しており、フリー層103は第1接合部J1と第2接合部J2との間で共通である。より具体的には、第1接合部J1の磁化固定層105は、フリー層103の長手方向(図1のX方向)における一端に配置され、第2接合部J2の磁化固定層105は、フリー層103の長手方向における他端に配置されている。すなわち、磁化固定層105はフリー層103の長手方向の両端に離間して形成されている。
そして、第1実施形態に係る磁気抵抗素子は、外部磁界によるフリー層103の磁化方向の変化を、2つの接合部(第1接合部J1及び第2接合部J2)における抵抗値の変化として検出する。
なお、フリー層103の長手方向の両端とは、第1接合部J1と第2接合部J2とが十分に離間していることを表す。具体的には、図2に示すように、第1接合部J1及び第2接合部J2の位置は、磁気抵抗素子の各層の積層方向の上方側(図2の+Z方向側)からみて、磁化固定層105の少なくとも1辺がフリー層103の最端部又は略最端部に配置されていることが好ましく、磁化固定層105の3辺がフリー層103の最端部又は略最端部に配置されていることがより好ましい。なお、略最端部とは、フリー層103の長手方向の長さに対して十分短い長さを表し、フリー層103の長手方向の長さに応じて決定することができる。略最端部としては、例えばフリー層103の端部より数サブμmから数μm内側の位置、さらに数十μm内側の位置であってもよく、場合によっては、数mm内側の位置であってもよい。
以下、各々の層について説明する。
基板101としては、シリコン(Si)基板、二酸化珪素(SiO)基板等を用いることができる。
シード層102は、基板101上に形成されており、シード層102上に形成される各層の結晶性、配向性等を向上させる層である。シード層102の材料としては、フリー層103の材料に応じて選択することができ、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、銀(Ag)等を用いることができる。
フリー層103は、シード層102上に形成されており、外部磁界に応じて磁化方向が変化する強磁性層である。また、フリー層103は、図2中のX方向を長手方向、Y方向を短手方向とする細長い形状を有している。このため、フリー層103の磁化容易方向は、形状磁気異方性により、フリー層103の長手方向(図2の破線矢印参照)となっている。また、フリー層103の磁化容易方向は、磁界中熱処理によって誘導磁気異方性を与えることで制御することができる。フリー層103の材料としては、パーマロイ(Ni−Fe)等の軟磁性材料を用いることができる。
トンネル障壁層104は、中間層の一例であり、フリー層103と磁化固定層105との間に配置される絶縁膜である。トンネル障壁層104は、第1接合部J1及び第2接合部J2を除いた部分において、その一部が掘り込まれた凹部を形成している。トンネル障壁層104としては、MgO層、AlO層等を用いることができる。トンネル障壁層104の膜厚は、0.5nm〜6nm程度であることが好ましく、1nm〜4nm程度であることがより好ましい。トンネル障壁層104として、例えばMgO層を用いた場合、膜厚が比較的厚くても、優れた磁気抵抗変化率特性を得ることができる。さらに、MgO層にアニール処理を施すことで、MgO層の結晶性を高め、磁気抵抗変化率特性を向上させることもできる。
磁化固定層105は、磁化方向が固定された強磁性層である。磁化固定層105の磁化方向は、フリー層103の長手方向に対して垂直(図2の実線矢印参照)とすることができる。磁化固定層105としては、CoFeBをIrMn等の反強磁性材料でスピンバルブ構造としてピン層としたもの、CoPt等の保磁力大きなもの等を用いることができる。
キャップ層106は、キャップ層106の下部に形成された層、例えば磁化固定層105を保護するための層である。キャップ層106の材料としては、Ta、金(Au)等を用いることができる。
係るTMR素子では、トンネル障壁層104を挟む2つの強磁性層(フリー層103及び磁化固定層105)の磁化方向が、TMR素子の抵抗値を決定する。具体的には、磁化固定層105の磁化方向は固定されており、フリー層103の磁化方向は変化するため、磁化固定層105の磁化方向に対するフリー層103の磁化方向の変化の度合いが、TMR素子の抵抗値を決定する。
例えば、磁化固定層105の磁化方向とフリー層103の磁化方向が平行であれば、TMR素子の抵抗値は小さくなる。一方、磁化固定層105の磁化方向とフリー層103の磁化方向が反平行であれば、TMR素子の抵抗値は大きくなる。
(磁気抵抗素子の製造方法)
次に、第1実施形態に係る磁気抵抗素子の製造方法について説明する。
まず、例えば超高真空スパッタ装置を用いた連続製膜により、基板101上にシード層102、フリー層103、トンネル障壁層104、磁化固定層105、キャップ層106を順に形成する。
続いて、フォトリソグラフィ法等を用いたパターニング及びミリング法等を用いたエッチングにより、所望の形状に加工する。
以上の工程により、第1実施形態に係る磁気抵抗素子を製造することができる。
(作用・効果)
次に、第1実施形態に係る磁気抵抗素子の作用・効果について説明する。
第1実施形態に係る磁気抵抗素子によれば、磁化固定層105は、トンネル障壁層104を介してフリー層103上に形成され、フリー層103の長手方向の両端に離間している。このため、フリー層103の磁化状態は均一ではなく、フリー層103の長手方向の両端で磁化が弱くなり、フリー層103の長手方向の両端において、磁化固定層105から漏れ出す磁束の影響が小さくなる。結果として、磁気抵抗素子の磁界に対する抵抗変化率が高まり、高感度に磁界検知することができる。
また、第1実施形態に係る磁気抵抗素子によれば、フリー層103が細長い形状を有する。このため、形状磁気異方性及び磁界中熱処理による誘導磁気異方性により、フリー層103の磁化容易方向が制御しやすくなり、磁気抵抗素子としての性能が発揮しやすくなる。
さらに、第1接合部J1及び第2接合部J2は、フリー層103の長手方向の中心に対して対称的に形成されていることが好ましい。すなわち、磁化固定層105は、フリー層103の長手方向の中心に対して対称的に形成されていることが好ましい。これにより、磁気抵抗特性の変化が滑らかになる。
以上に説明したように、第1実施形態に係る磁気抵抗素子によれば、高感度に磁界検知することができる。
なお、第1実施形態では、基板101上に、シード層102、フリー層103、トンネル障壁層104、磁化固定層105、キャップ層106がこの順に積層された磁気抵抗素子について説明したが、本発明はこの点において限定されるものではない。
磁気抵抗素子としては、例えば図3及び図4に示すように、フリー層103と磁化固定層105の積層位置が入れ替わっていてもよい。すなわち、基板101上に、シード層102、磁化固定層105、トンネル障壁層104、フリー層103、キャップ層106がこの順に積層された磁気抵抗素子であってもよい。
この場合には、磁化固定層105から外部へ漏れ出す磁束は、磁化固定層105の長手方向の両端ほど小さい。そして、フリー層103は、磁化固定層105の長手方向の両端に形成されている。このため、磁化固定層105によって発生する磁束によるフリー層103への影響が低減される。結果として、磁気抵抗素子の磁界に対する抵抗変化率が高まり、高感度に磁界検知することができる。
また、第1実施形態では、磁化固定層105及びキャップ層106がフリー層103の長手方向の両端に離間して形成された磁気抵抗素子について説明したが、本発明はこの点において限定されるものではない。
磁気抵抗素子としては、例えば図5に示すように、トンネル障壁層104、磁化固定層105及びキャップ層106がフリー層103の長手方向の両端に離間して形成された磁気抵抗素子であってもよい。
また、第1実施形態では、トンネル障壁層104が第1接合部J1及び第2接合部J2を除いた部分において、その一部が掘り込まれた凹部を形成している磁気抵抗素子について説明したが、本発明はこの点において限定されるものではない。
磁気抵抗素子としては、例えば図6に示すように、トンネル障壁層104に凹部が形成されていない磁気抵抗素子であってもよい。
また、第1実施形態では、フリー層103の長手方向の一端にトンネル障壁層104を介して磁化固定層105とフリー層103とが接合した接合部を1つ含む第1接合部J1と、フリー層103の長手方向の他端にトンネル障壁層104を介して磁化固定層105とフリー層103とが接合した接合部を1つ含む第2接合部J2とを有する磁気抵抗素子について説明したが、本発明はこの点において限定されるものではない。
磁気抵抗素子としては、第1接合部J1と第2接合部J2とが十分に離間していればよく、例えば図7に示すように、第1接合部J1が複数(例えば2つ)の接合部を含み、第2接合部J2が複数(例えば2つ)の接合部を含む構成であってもよい。この場合には、第1接合部J1の2つの接合部に同じセンス電流を電流源(図示せず)から供給する。そして、第1接合部J1に供給されたセンス電流は、第2接合部J2から電流源に戻る。このため、センス電流の均一化を図ることができ、かつ、同一素子上で複数の動作を行う検知部を実現できる。結果として、より高感度に磁界検知することができる。
また、第1実施形態では、磁気抵抗素子の一例としてTMR素子について説明したが、本発明はこの点において限定されるものではなく、例えば図8及び図9に示すGMR(Giant Magneto Resistive)素子であってもよい。
磁気抵抗素子としてGMR素子を用いる場合には、前述したTMR素子におけるトンネル障壁層104に代えて、非磁性金属層114を用いることで、TMR素子と同様の作用・効果を奏することができる。非磁性金属層114の材料としては、銅(Cu)、Ag等の非磁性材料を用いることができる。
具体的には、例えば図8に示すように、基板101上に、シード層102、フリー層103、非磁性金属層114、磁化固定層105、キャップ層106がこの順に積層されている。また、例えば図9に示すように、基板101上に、シード層102、磁化固定層105、非磁性金属層114、フリー層103、キャップ層106がこの順に積層されている。
また、磁気抵抗素子としてGMR素子を用いる場合には、センス電流がGMR素子を構成する各層の面に対して平行な方向に流されるCIP(Current In Plane)構造のものであってもよく、センス電流がGMR素子を構成する各層の面と交差する方向、例えばGMR素子を構成する各層の面に対して垂直な方向に流されるCPP(Current Perpendicular to Plane)構造のものであってもよい。
[第2実施形態]
第2実施形態では、第1実施形態で説明した磁気抵抗素子を用いた磁気センサについて、図10から図12を参照しながら説明する。図10から図12は、第2実施形態に係る磁気センサを説明するための図である。
第2実施形態に係る磁気センサは、複数の磁気抵抗素子100が配線部200を介して電気的に接続されたセンサである。
磁気抵抗素子100としては、第1実施形態で説明した磁気抵抗素子を用いることができる。
配線部200は、隣接する磁気抵抗素子100の接合部同士を電気的に接続する。より具体的には、配線部200は、隣接する磁気抵抗素子100のキャップ層106間を電気的に接続する。配線部200の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば磁気抵抗素子100の作製工程において形成してもよく、パッケージ上でワイヤボンディング等の実装工程において形成してもよい。
複数の磁気抵抗素子100の接続方法は、特に限定されるものではなく、例えば図10に示すように、配線部200により複数の磁気抵抗素子100を電気的に直列接続することができる。
また、例えば図11に示すように、配線部200により複数の磁気抵抗素子100を電気的に並列接続することができる。
さらに、例えば図12に示すように、配線部200により複数の磁気抵抗素子100を電気的に直並列接続することができる。すなわち、配線部200により複数の磁気抵抗素子100を電気的に直列接続することで磁気抵抗素子群10を形成し、更に配線部200により複数の磁気抵抗素子群10を電気的に並列接続することができる。
第2実施形態に係る磁気センサによれば、第1実施形態で説明した磁気抵抗素子を用いているため、高感度に磁界検知することができる。
また、第2実施形態に係る磁気センサによれば、磁気抵抗素子100は、基板101の一方の面に2つの接合部(第1接合部J1及び第2接合部J2)を有する。このため、複数の磁気抵抗素子100を電気的に接続して磁気センサとする場合、基板101の一方の面に形成された接合部同士を配線部200により接続すればよい。結果として、隣接する磁気抵抗素子100を容易に電気的に接続することができる。
さらに、第2実施形態に係る磁気センサによれば、複数の磁気抵抗素子100が電気的に接続されているため、磁気抵抗素子の冗長によるノイズ成分に対する信号成分の向上を図ることができる。また、磁気センサの信号出力を向上させることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態では、第1実施形態で説明した磁気抵抗素子を用いた電流センサについて、図13を参照しながら説明する。図13は、第3実施形態に係る電流センサの概略構成を例示する図である。
第3実施形態に係る電流センサは、図13に示すように、例えば電流発生源(図示せず)から供給された測定したい電流(以下「被測定電流」という。)が、複数に分岐されたコイル状の電流経路(図13の太実線参照)を流れることにより発生する磁界の変化を、磁気抵抗素子100のフリー層103の磁化方向の変化として検知する電流センサである。
磁気抵抗素子100としては、第1実施形態で説明した磁気抵抗素子を用いることができる。磁気抵抗素子100は、複数に分岐されたコイル状の電流経路の各々に配置されている。コイル状の電流経路に設けられた複数の磁気抵抗素子100は電気的に直列接続されている。また、電気的に直列接続された磁気抵抗素子100は、センス電流を供給する電流源300及び磁気抵抗素子100からの出力信号を検知する出力信号検知部(図示せず)と電気的に接続されている。
第3実施形態に係る電流センサによれば、第1実施形態で説明した磁気抵抗素子を用いているため、高感度に磁界検知することができる。
また、第3実施形態に係る電流センサによれば、高感度に磁界検知することができる磁気抵抗素子100を備えているため、電流センサの高感度化及び高出力化を図ることができる。また、電流経路がコイル状に形成されているため、磁気抵抗素子100が設けられた領域に発生する磁界が特に高まるため、より電流センサの高感度化を図ることができる。
なお、第3実施形態では、約1ターンのコイル状の電流経路の場合について説明したが、本発明はこの点において限定されるものではなく、複数ターンのコイル状の電流経路とすることができる。これにより、さらに磁束強度を高めることができる。
[第4実施形態]
第4実施形態では、第1実施形態で説明した磁気抵抗素子を用いた電流センサの他の例について、図14を参照しながら説明する。図14は、第4実施形態に係る電流センサの概略構成を例示する断面図である。
第4実施形態に係る電流センサは、図14に示すように、MOSLSI(Metal-Oxide Semiconductor Large-Scale Integration)領域の+Z方向側に、磁気抵抗素子100、多層配線等を有する。
磁気抵抗素子100としては、第1実施形態で説明した磁気抵抗素子を用いることができる。磁気抵抗素子100の第1接合部J1に形成されたキャップ層106は、第2配線メタル層B及び第3配線メタル層Cに形成された配線を介して、センス電流を供給する電流源(図示せず)の一方の端子と電気的に接続されている。また、磁気抵抗素子100の第2接合部J2に形成されたキャップ層106は、第2配線メタル層B及び第3配線メタル層Cに形成された配線を介して、センス電流を供給する電流源(図示せず)の他方の端子と電気的に接続されている。
多層配線は、第1配線メタル層A、第2配線メタル層B、第3配線メタル層Cに形成された複数の配線を含む。第1配線メタル層A及び第2配線メタル層Bに形成された配線は、磁気抵抗素子100の各層の積層方向(図14中のZ方向)に沿って、ループ状に形成されている。第3配線層Cに形成された配線は、検知用接続部401a、401b及び電流検知用接続部402a、402bとして機能する。
センス電流は、検知用接続部401a、401bを介して、磁気抵抗素子100を流れる。また、被測定電流は、電流検知用接続部402a、402bを介してループ状の配線を流れる。
第4実施形態に係る電流センサによれば、第1実施形態で説明した磁気抵抗素子を用いているため、高感度に磁界検知することができる。
また、第4実施形態に係る電流センサによれば、磁気抵抗素子100の各層の積層方向に沿って配線がループ状に形成されているため、配線を流れる電流により発生する磁界の方向が基板面(膜面)に対して平行となる。このため、磁気抵抗素子100の、反磁界の影響を考慮した設計や、配線により発生する磁界強度に対する精度が向上し、配線を流れる電流をより正確に測定することができる。
また、第4実施形態に係る電流センサによれば、MOSLSI領域等の集積回路の製造工程において磁気抵抗素子100及び多層配線を製造することができる。このため、低コスト化を図ることができる。
さらに、磁気抵抗素子100に対して、立体的に(垂直な方向に)ループ状の配線等の多層配線を形成しているため、比較的小さい面積でのMOSLSIの作製が可能であり、電流センサの小型化と高感度化を両立することができる。
以下、具体的な実施例を挙げて磁気抵抗素子について説明するが、本発明は以下で説明する実施例に限定されるものではない。
まず、実施例に係る磁気抵抗素子について、図15を参照しながら説明する。図15は、実施例に係る磁気抵抗素子を説明するための図である。
図15に示すように、実施例に係る磁気抵抗素子100は、第1接合部J1と第2接合部J2とが、磁気抵抗素子100の長手方向の両端に離間している。より具体的には、実施例に係る磁気抵抗素子100においては、第1接合部J1の中心と第2接合部J2の中心との距離が130μmとなっている。また、第1接合部J1の中心と磁気抵抗素子100の端との距離及び第2接合部J2の中心と磁気抵抗素子100の端との距離が、いずれも10μmとなっている。
実施例の比較のために、第1接合部J1と第2接合部J2とが、磁気抵抗素子100の長手方向の両端に離間していない場合(以下「比較例」という。)について、図16を参照しながら説明する。図16は、比較例に係る磁気抵抗素子を説明するための図である。
図16に示すように、比較例に係る磁気抵抗素子100は、第1接合部J1と第2接合部J2とが、磁気抵抗素子100の長手方向の中央部分に形成されている。より具体的には、比較例に係る磁気抵抗素子100においては、第1接合部J1の中心と第2接合部J2の中心との距離が50μmとなっている。また、第1接合部J1の中心と磁気抵抗素子100の端との距離及び第2接合部J2の中心と磁気抵抗素子100の端との距離は、いずれも50μmとなっている。
次に、実施例及び比較例に係る磁気抵抗素子について、MR測定を行った。具体的には、実施例及び比較例に係る磁気抵抗素子の長手方向と垂直な方向に磁界H(Oe)を印加したときの磁気抵抗素子の抵抗R(Ω)を測定した。
MR測定の測定結果を図17及び図18に示す。図17は、実施例に係る磁気抵抗素子における磁界と抵抗との関係を示す図である。図18は、比較例に係る磁気抵抗素子における磁界と抵抗との関係を示す図である。なお、図17及び図18における縦軸は抵抗R(Ω)を表し、横軸は磁界H(Oe)を表す。
図17に示すように、実施例における磁気抵抗素子においては、抵抗の変化率が大きく、保持力が小さいことが確認できた。すなわち、実施例に係る磁気抵抗素子によれば、高感度に磁界検知することができると考えられる。
一方、図18に示すように、比較例における磁気抵抗素子においては、抵抗率の変化が小さく、保持力が大きいことが確認できた。すなわち、比較例に係る磁気抵抗素子では、高感度に磁界検知することが困難であると考えられる。
以上、磁気抵抗素子、磁気センサ及び電流センサを実施形態及び実施例により説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。
100 磁気抵抗素子
103 フリー層
104 トンネル障壁層
105 磁化固定層
114 非磁性金属層
300 電流源
J1 第1接合部
J2 第2接合部
特開2008−170368号公報

Claims (8)

  1. 磁化固定層と磁化が変化するフリー層とを有する磁気抵抗素子において、
    前記磁化固定層と前記フリー層とは中間層を含んで接合部を形成し、
    前記接合部は第1接合部と第2接合部とを含み、
    前記磁化固定層と前記フリー層のうち、一方の層は前記第1接合部と前記第2接合部との間で離間しており、他方の層は前記第1接合部と前記第2接合部との間で共通であり、
    前記第1接合部の前記一方の層は、前記他方の層の長手方向における一端に配置され、
    前記第2接合部の前記一方の層は、前記他方の層の長手方向における他端に配置されており、
    前記第1接合部は複数の接合部を含み、前記第2接合部は複数の接合部を含
    前記中間層が前記第1接合部及び前記第2接合部を除いた部分において、その一部が掘り込まれた凹部を形成している、
    磁気抵抗素子。
  2. 前記一方の層は磁化固定層であり、
    前記他方の層はフリー層である、
    請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  3. 前記中間層は、トンネル障壁層又は非磁性金属層である、
    請求項1又は2に記載の磁気抵抗素子。
  4. 前記第1接合部及び前記第2接合部は、前記他方の層の長手方向の中心に対して対称的に形成されている、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁気抵抗素子。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気抵抗素子が電気的に直列、並列又は直並列に接続された磁気センサ。
  6. 電流経路を流れる電流により発生する磁界によって抵抗値が変化する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気抵抗素子と、
    前記磁気抵抗素子に電流を供給する電流源と
    を有し、
    前記電流経路を流れることにより発生する磁界の変化を、前記磁気抵抗素子の抵抗値の変化として検知することにより、前記電流経路を流れる電流を検知する電流センサ。
  7. 前記電流経路がコイル状に形成されている、
    請求項6に記載の電流センサ。
  8. 前記電流経路が前記磁気抵抗素子の長手方向と垂直に形成されている、
    請求項6に記載の電流センサ。
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