JP3772715B2 - 制振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、制振すべき振動部材に対する副振動系を構成して、主振動系たる振動部材の振動を抑える制振装置に係り、特に比較的に広い周波数域に亘って優れた制振効果が発揮され得る、新規な構造の制振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
自動車の車体等のように振動が問題となる振動部材において、振動を低減するための制振装置の一種として、従来から、マス−バネ系によって形成されて、主振動系たる振動部材に装着されることにより副振動系を構成するダイナミックダンパ(動的吸振器)が知られている。
【0003】
ところが、従来構造のダイナミックダンパでは、有効な制振効果の発揮され得る周波数域が、副振動系のチューニングされた比較的に狭い周波数域となってしまい、広い周波数域の振動に対して有効な制振効果が発揮され難いという特性を有していた。
【0004】
また、従来構造のダイナミックダンパでは、副振動系のチューニング周波数域を挟んだ低周波側と高周波側の両周波数領域において、振動伝達率の大きな領域が発生してしまい、振動状態が反対に悪化してしまうことが避けられ難いという問題もあった。
【0005】
なお、副振動系のチューニング周波数域の前後の周波数領域での振動伝達率の悪化は、バネ系に十分な減衰能を与えることで軽減されるが、高減衰特性を有するゴム弾性体によってバネ系を構成すると、ばね特性の温度依存性が大きくなってしまい、ダイナミックダンパの装着部位によっては大きな温度変化に起因して有効な制振効果を安定して得ることが難しくなるという不具合があったのである。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、広い周波数域に亘って有効な制振効果を得ることが出来ると共に、制振性能の温度依存性が抑えられて目的とする制振効果が安定して発揮され得る、新規な制振装置を提供することにある。
【0007】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0008】
本発明の第一の態様は、中空ハウジングの内部に少なくとも一つの収容空所を形成すると共に該収容空所の一つ毎一つの独立マス部材を収容配置せしめて、該独立マス部材と該収容空所の内面の間に微小隙間を設けることにより、該独立マス部材が該収容空所で該中空ハウジングから独立して自由変位が許容されるようにすると共に、該独立マス部材の自由変位によって該独立マス部材が該中空ハウジングに対して弾性材を介して当接せしめられるようにしたダンパマスを用い、複数の取付部位で防振すべき振動部材に固定されて弾性中心軸が鉛直方向に延びるようにしてそれら複数の取付部位の間に跨がって配設される金属ばね部材に対して、その略弾性中心軸上に前記ダンパマスの前記中空ハウジングを固定して、該ダンパマスの重心を該金属ばね部材の略弾性中心軸上に位置せしめることにより、該ダンパマスを該金属ばね部材を介して前記振動部材に弾性支持せしめて、振動入力による該金属ばね部材の弾性変形に伴って該ダンパマスの該中空ハウジングにおける該収容空所内で該独立マス部材が鉛直方向に飛び跳ねて該中空ハウジングに打ち当たるようにした制振装置を、特徴とする。
【0009】
このような本態様に係る制振装置においては、振動部材の振動が入力されて金属ばね部材の弾性変形に伴ってダンパマスが加振変位せしめられることにより、中空ハウジングに対して独立マス部材が相対変位せしめられることとなる。特に、ダンパマスと金属ばね部材によるマス−バネ系で構成された副振動系の固有振動数(チューニング周波数)域の振動入力時には、ダンパマスの変位が大きくなることから、独立マス部材の中空ハウジングに対する相対変位も大きくなって、独立マス部材が中空ハウジングに対して有利に飛び跳ね変位せしめられて、独立マス部材が中空ハウジングに対して直接的且つ弾性的に打ち当り当接せしめられることとなる。その結果、独立マス部材の中空ハウジングへの当接に基づいて、振動部材に対する振幅抑制効果が発揮されるのであり、結果的にダンパマスと金属ばね部材からなる副振動系において、見かけ上の損失係数が大きくなったのと略同じ状態が発現されることとなる。
【0010】
従って、本態様に係る制振装置においては、損失係数の小さい材質からなる金属ばね部材を採用しつつ、副振動系の付加によって主振動系たる振動部材において該副振動系のチューニング周波数域を挟んだ低周波側と高周波側の両周波数領域にそれぞれ生ぜしめられる振動伝達率のピークを抑えて、全体として広い周波数域に亘って良好なる制振効果を得ることが可能となるのである。
【0011】
しかも、本態様に係る制振装置においては、複数の取付部位で支持されて配設される特定構造の金属ばね部材を採用し、且つ該金属ばね部材の弾性中心軸上にダンパマスの重心を略一致させて配したことにより、振動入力に際してのダンパマスの加振方向、ひいてはダンパマスの変位方向が、振動入力方向に略一致した直線方向とされ得るのであり、その結果、独立マス部材の中空ハウジングに対する相対的な変位方向が極めて安定して、独立マス部材の中空ハウジングに対する当接位置を含む当接状態が安定化することにより、上述の如き、独立マス部材の中空ハウジングへの当接に基づいて発揮される優れた制振効果が、より一層安定して且つ有効に発揮され得るのである。
【0012】
なお、本態様においては、独立マス部材と中空ハウジングを相互に直接連結する部材は存在せず、独立マス部材の全外表面が中空ハウジングに対して完全に独立せしめられており、独立マス部材を中空ハウジングに対する相対的な移動中心に位置せしめた状態下では、独立マス部材の全外表面が中空ハウジングに対して離隔位置せしめられるようになっているのであり、それによって、独立マス部材が中空ハウジングに対して非接着で独立変位可能とされている。
【0013】
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る制振装置において、前記ダンパマスにおける前記独立マス部材の全体的な重心を、前記金属ばね部材の弾性中心軸上に位置せしめたことを、特徴とする。このような本態様においては、中空ハウジングに対して独立マス部材の当接によって及ぼされる作用力の合力が、金属ばね部材に対して略弾性中心軸上で作用せしめられることとなり、金属ばね部材の弾性変形やダンパマスの変位の安定化が図られると共に、独立マス部材の中空ハウジングへの当接に基づく上述の如き制振作用が一層安定して且つ効率的に発揮され得ることとなる。
【0014】
また、本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る制振装置において、前記ダンパマスにおける前記独立マス部材として、前記金属ばね部材の弾性中心軸と略平行に延びる中心軸を有する柱状マスを採用して、該柱状マスの少なくとも軸方向一方の端面が前記中空ハウジングに対して当接せしめられるようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、独立マス部材の中空ハウジングに対する主たる当接方向となる金属ばね部材の弾性中心軸方向において、独立マス部材のマス質量を有利に確保しつつ、独立マス部材の変位の安定性を向上させることが可能となる。なお、本態様において、より好適には、柱状マスの変位の安定性を一層有利に向上させるために、柱状マスが収容配置される中空ハウジングの内部空所において、柱状マスの外周面よりも一回り大きな内周面形状をもって金属ばね部材の弾性中心軸方向に延びて筒状マスの外周面を軸方向に案内する筒状内周面が採用される。
【0015】
また、本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れかの態様に係る制振装置において、前記独立マス部材の前記中空ハウジングに対する当接部位に配設される前記弾性材として、該独立マス部材の該中空ハウジングに対する当接に際して剪断変形せしめられる剪断ゴム弾性体を採用したことを、特徴とする。このような本態様においては、専ら圧縮変形せしめられるゴム弾性体等を採用する場合に比して、かかるゴム弾性体の厚さ寸法を著しく大きくしたり材料を特別に変更したりすることなく、独立マス部材の中空ハウジングに対する当接部位のばね定数を十分に小さく設定することが出来るのであり、それによって、弾性材の厚肉化による大型化や耐久性の低下等の問題を伴うことなく、振動入力時における独立マス部材の中空ハウジングに対する飛び跳ね変位が、例えば小さな振動エネルギの振動入力時においても有利に生ぜしめられて有効な制振効果が発揮されることとなるのである。
【0016】
また、本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れかの態様に係る制振装置において、前記金属ばね部材として、平板形状の天板部の長手方向両端部を屈曲させて一対の脚部を一体形成して門形状とした門形板ばねを採用すると共に、該門形板ばねにおける該一対の脚部の各先端部を前記振動部材に固定するようにする一方、該天板部の略中央に対して前記ダンパマスの前記中空ハウジングを固定したことを、特徴とする。このような本態様においては、例えば、振動部材における略平坦な取付面に対しても容易に取り付けることの出来る制振装置が実現され得るのであり、また、門形の内部に画成されたスペースを巧く利用してダンパマスの配設用スペースを効率的に確保することも出来る。
【0017】
また、本発明の第六の態様は、前記第五の態様に係る制振装置において、前記門形板ばねにおける前記両脚部の先端部分を相互に連結する連結プレートを設けたことを、特徴とする。このような本態様においては、制振装置単体での取扱いや輸送等に際しての門形板ばねの強度が向上されると共に、両脚部の先端部に設けられた固定位置が連結プレートによって相対的に固定されることから振動部材への取付作業も容易となる。
【0018】
また、本発明の第七の態様は、前記第五又は第六の態様に係る制振装置において、前記門形板ばねの前記一対の脚部におけるそれぞれの中央よりも先端側の部位と、前記ダンパマスの前記中空ハウジングとの間において、それら脚部と中空ハウジングの何れか一方にストッパ突部を突設せしめて、他方に設けたストッパ孔に対して所定の間隙をもって差し入れることにより、該中空ハウジングの前記振動部材に対する相対変位量を制限するストッパ機構を設けたことを、特徴とする。このような本態様においては、門形板ばねにおける両脚部の先端近くを巧く利用してストッパ機構を少ない部品点数と簡単な構造で且つコンパクトに構成することが出来るのであり、特に、ストッパ機構を構成する門形板ばねの両脚部の先端近くは、門形板ばねのばね特性への影響が少なく、制振効果への悪影響が回避され得ると共に、振動入力時に生ぜしめられる弾性変位も小さく、ダンパマスの変位量が安定して制限され得るのである。なお、本態様においては、門形板ばねの天板部と一対の脚部で囲まれた領域内にダンパマスを配設した構成が好適に採用される。
【0019】
また、本発明の第八の態様は、前記第七の態様に係る制振装置において、前記中空ハウジングにボルトを螺着することによって前記ストッパ突部を構成する一方、前記門形板ばねの両脚部に透孔を貫設すると共に、該透孔の周縁部において一方の面に突出する当接筒部を一体形成することにより前記ストッパ孔を構成したことを、特徴とする。このような本態様においては、ボルトを利用してストッパ突部を容易に形成することが出来ると共に、透孔の周縁部に当接筒部を形成したことにより、ストッパ孔におけるボルトの当接部位の安定性や耐荷重性能の向上が図られ得る。
【0020】
さらに、前記第一乃至第八の態様を含む、上述の如き本発明に係る制振装置においては、損失係数が0.07以下である金属材からなる金属ばね部材が好適に採用される。このような金属ばね材は、温度依存性が小さくて安定した制振効果が発揮され得るのであり、また、ダンパマスに対して大きな振動振幅が生ぜしめられる結果、独立マス部材が中空ハウジングに対してより効率的に飛び跳ね変位して当接せしめられることとなって、目的とする制振効果がより効果的に発揮されるのである。
【0021】
また、本発明に係る制振装置においては、中空ハウジングにおける収容空所を、外部空間から遮断された密閉空間とすることが望ましく、それによって、外部空間から収容空所への塵や埃等の異物の侵入が防止されることから、そのような異物が独立マス部材と中空ハウジングの当接面間に入り込むことに起因する制振効果の低下や不安定化が有利に回避されて、品質の信頼性や性能の安定性が向上され得るのである。
【0022】
また、本発明に係る制振装置においては、独立マス部材における単体の質量を10〜1000gに設定することが望ましく、より好適には50〜500gに設定される。蓋し、独立マス部材の単体の質量を1000g以下、より好ましくは500g以下とすることによって、振動入力時における独立マス部材の中空ハウジングに対する飛び跳ね変位を一層効率的に生ぜしめることが可能となり、一方、独立マス部材の単体の質量を10g以上、より好ましくは50g以上とすることによって、独立マス部材の中空ハウジングに対する当接に基づく制振効果がより有効に発揮されることとなる。
【0023】
また、本発明においては、ダンパマスの全体質量を、振動部材の質量の5〜15%とすることが望ましい。蓋し、ダンパマスの質量が、振動部材の質量の5%に満たないと有効な制振効果を得ることが難しい場合があり、一方、15%を超えると装置全体の重量化が問題となり易いからである。更にまた、独立マス部材は、独立マス部材の中空ハウジングに対する当接に基づく制振効果を有効に得るために、振動部材の質量の5〜10%とすることが望ましい。
【0024】
また、本発明においては、独立マス部材の中空ハウジングに対する当接音の低減等のために、中空ハウンジングに対するマス部材の当接部位に配設される弾性材は、ASTM規格D2240のショアD硬さが、好ましくは80以下、より好ましくは20〜40に設定されると共に、圧縮弾性率が、好ましくは1〜104 MPa、より好ましくは1〜103 MPaに設定されることとなり、更に望ましくは、損失正接(tanδ)が1×10-3以上、より好ましくは0.01〜10とされる。
【0025】
また、本発明においては、金属ばね部材の弾性中心軸に直角な方向で、独立マス部材の前記収容空所の内面に対する軸直角方向での当接部間における往復可動距離が、0.1〜1.6mmとなるように、より好ましくは0.1〜1.0mmとなるように設定されることが望ましい。このような微小可動範囲を設定することにより、独立マス部材の中空ハウジングに対する飛び跳ね変位に際しての中心軸の傾斜や振れが小さく押さえられて、マス部材の中空ハウジングへの当接状態の安定性の更なる向上が図られ得る。
【0026】
【実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、説明する。
【0027】
先ず、図1〜3には、本発明の第一の実施形態としての制振装置10が示されている。この制振装置10は、門形板ばね2によってダンパマス4が弾性支持されており、門形板ばね2を自動車のボデー等の振動部材6に取り付けて、ダンパマス4を門形板ばね2により振動部材6に対して弾性支持せしめることによって、主振動系たる振動部材6に対する副振動系が構成されるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として図1中の上下方向を言うものとし、本実施形態では、かかる上下方向が鉛直方向とされている。
【0028】
より詳細には、ダンパマス4は、内部に収容空所18が形成された中空ハウジング16を備えており、この収容空所18内に複数の独立マス部材としてのマス部材20が収容配置されている。また、中空ハウジング16は、ハウジング本体22とハウジング下蓋24によって構成されている。ハウジング本体22は、下方に開口する有底円筒体の3つを、各中心軸が互いに平行に延びるように並列させて隣接する壁部を一体化することにより、全体として3連の逆カップ形状とされている。これにより、ハウジング本体22には、それぞれ一定の円形断面で上下方向に直線的に延びて下面に開口する3つの中空凹所26が一直線上で所定距離を隔てて並列形成されている。
【0029】
また、ハウジング本体22の底部中央には、上方に向かって突出する連結支持用の支持突部28が一体形成されており、この支持突部28において取付用のネジ穴30が設けられている。更にまた、ハウジング本体22における下端の開口周縁部には、軸直角方向外方に向かって延び出した取付片32の複数が一体形成されており、かかる取付片32の適当な箇所に、後述するハウジング下蓋24の取付用ねじ穴が設けられている。更に、ハウジング本体22の下端部分には、3つの中空凹所26の配列方向となる長手方向(図1中の左右方向)の両端部分において、それぞれ、外周面上に突出するボルト取付部35が一体形成されていると共に、各ボルト取付部35には、外周面に開口するねじ穴37が設けられている。そして、それぞれのねじ穴37に対して、ストッパ突部としてのストッパボルト39の脚部先端が螺着固定されており、かかるストッパボルト39における脚部および頭部がハウジング本体22から僅かに上方に向かって傾斜して外方に大きく突出する状態で固着されている。
【0030】
なお、ハウジング本体22は、後述するマス部材20の当接によって変形等が発生しないように十分な剛性と強度を有する金属等の素材で形成されており、成形作業性や製造コスト等を考慮して、例えば鋳鉄等によって形成されている。また、各中空凹所26は、寸法精度を高度に確保するために、鋳造後に周壁面や上底面を切削加工して仕上げることが望ましい。
【0031】
また一方、ハウジング下蓋24は、後述するマス部材20の当接によって変形等が発生しないように十分な剛性と強度を有する金属等の素材で形成されており、成形作業性や製造コスト等を考慮して、例えば鉄系金属のプレス加工品によって形成されている。かかるハウジング下蓋24は、全体として浅底の皿形状を有しており、その凹状の皿底部36は、ハウジング本体22の下端面の形状に略対応して、該ハウジング本体22に形成された3つの中空凹所26の開口部を連続的に覆蓋し得る形状とされていると共に、皿底部36の開口周壁部には、外周側に向かって拡がるフランジ状部38が一体形成されている。
【0032】
そして、ハウジング下蓋24は、ハウジング本体22の下面に取り付けられており、フランジ状部38がハウジング本体22の下面の外周端縁部に重ね合わされていると共に、該フランジ状部38がハウジング本体22の取付片32に対して固定ボルト40で固定されている。それによって、ハウジング本体22における3つの中空凹所26の開口部の全体が、ハウジング下蓋24の皿底部36で覆蓋されている。なお、3つの中空凹所26の開口部に対向位置せしめられた皿底部36の底面42は、略全面に亘って水平方向に拡がる平坦面とされている。
【0033】
このようにハウジング本体22にハウジング下蓋24が固着されて、3つの中空凹所26がハウジング下蓋24で覆蓋されることにより中空ハウジング16が構成されていると共に、該中空ハウジング16の内部には、鉛直方向に延びる3つの中空凹所26が下側開口部において、ハウジング下蓋24の皿底部36で相互に接続された形態の一つの収容空所18が形成されている。なお、ハウジング本体22の下端外周縁部と、そこに重ね合わされたハウジング下蓋24のフランジ状部38は、略密着状態とされており、収容空所18が外部空間に対して遮断されている。
【0034】
さらに、収容空所18には、3つのマス部材20が収容されており、3つの中空凹所26内にそれぞれ配設されている。かかるマス部材20は、中空凹所26の内径寸法よりも一回り小さな外径寸法を備えた円形断面で、中空凹所26の深さ寸法よりも僅かに小さな軸方向寸法をもって形成された中実の円柱ブロック形状を有しており、比重の大きい鉄等の金属材によって形成されている。
【0035】
また、マス部材20の軸方向上端部と下端部には、上部緩衝カバー44と端部ゴムとしての下部緩衝カバー46が取り付けられている。上部緩衝カバー44は、円環板形状を有する上底部48に対して、その外周縁部から下方に延び出す円筒形状の筒部50が一体形成されており、薄肉の断面逆L字形で周方向に延びる回転体形状とされている。また、上底部48の上面には、径方向中間部分を周方向に延びて軸方向上方に向かって突出する環状のリブ突起52が一体形成されていると共に、筒部50の外周面には、軸方向中間部分を周方向に延びて径方向外方に向かって突出する環状のリブ突起54,54が一体形成されている。
【0036】
このような上部緩衝カバー44は、マス部材20と別体形成されており、ゴム弾性体によって一体成形されており、筒部50の内径寸法が、マス部材20の外径寸法よりも僅かに小さくされている。そして、別体形成された上部緩衝カバー44は、マス部材20の上端部に対して、必要に応じて接着処理を施されて、外嵌固定されている。そして、マス部材20の上端面の外周縁部に上底部48が密接状態で重ね合わされていると共に、マス部材20の上端部の外周面に筒部50が密接状態で重ね合わされることにより、マス部材20の上端角部分が全体に亘って上部緩衝カバー44で覆われている。
【0037】
また一方、下部緩衝カバー46は、円筒形状を有する緩衝ゴムとしての筒部56の軸方向下部に底壁部58が一体形成されており、全体として略有底円筒形状をもってゴム弾性体で一体成形されている。なお、筒部50の外周面には、軸方向中間部分を周方向に延びて径方向外方に向かって突出する環状のリブ突起60,60が一体形成されている。
【0038】
また、底壁部58には、その中央部分において、円形断面で軸方向下方に向かって突出するブロック状の当接部62が一体形成されていると共に、当接部62の径方向外方に位置する部分は、当接部62の上端部分の外周面から軸方向上方に向かって所定角度で傾斜して外周側に向かって延び出すテーパ形状乃至は漏斗形状の支持脚部66とされており、この支持脚部66の外周縁部が、筒部56の下端周縁部に対して一体的に連結されている。
【0039】
そして、このような下部緩衝カバー46は、筒部50の内径寸法がマス部材20の外径寸法よりも僅かに小さくされて、マス部材20や上部緩衝カバー44と別体形成されており、マス部材20の下端部に対して、必要に応じて接着処理を施して、外嵌固定されている。即ち、マス部材20の下端部の外周面には、筒部56が密接状態で重ね合わされていると共に、底壁部58の支持脚部66がマス部材20の下端面上に延び出して配設されており、それによって、マス部材20の下端面を含む下端部分が全体に亘って下部緩衝カバー46で覆われている。
【0040】
また、支持脚部66の外周縁部には、筒部56との接続隅部において内面側に突出する支持突起68が周方向の全周に亘って一体形成されており、この支持突起68によって、支持脚部66の外周縁部がマス部材20の下端面の外周縁部に対して当接せしめられて支持されている。これにより、下部緩衝カバー46のマス部材20への装着状態下、支持脚部66と当接部62の実質的に全体がマス部材20の下端面から下方に離隔位置せしめられており、以て、支持脚部66および当接部62と、マス部材20の下端面との軸方向対向面間に、支持脚部66の弾性変形に基づく当接部62の軸方向変位を許容し得る肉抜空所70が形成されている。
【0041】
更にまた、当接部62は、その突出先端面(軸方向下端面)が、マス部材20の中心軸上に位置せしめられて、該中心軸に対して直交して広がる円形の当接面72とされている。なお、図面上では、マス部材20の自重が作用して略潰れるまで弾性変形せしめられているために明示されていないが、かかる当接面72には、中心軸回りで周方向に延びるリブ突起が一体形成されており、当接面72のハウジング下蓋24への打ち当りに際しての初期ばね特性が調節されていると共に、打音の軽減等が図られている。また、かかるリブ突起が形成された当接部62は、当接面72において、ASTM規格D2240のショアD硬さが80以下とされると共に、軸方向の圧縮弾性率が1〜104 MPaとされ、更に損失正接が10-3以上とされることが望ましい。更に、当接部62の軸方向上端面には、中心軸回りで周方向に延びるリブ突起74が一体形成されて、肉抜空所70内でマス部材20の軸方向下端面に向かって突設されており、支持脚部66が過大に変形せしめられた際における当接部62のマス部材20への当接に際しての衝撃や打音が、かかるリブ突起74によって緩和されるようになっている。
【0042】
また、本実施形態では、支持脚部66のばね特性を調節するために、支持脚部66の内周縁部分には、当接部62を挟んだ両側において、それぞれ所定幅で周方向に略1/4周の長さで延びる円弧状の薄肉部76,76が形成されていると共に、それら薄肉部76,76の各中央部分には通孔78,78が貫設されており、これらの通孔78,78を通じて、肉抜空所70が外部(収容空所18)に連通せしめられている。
【0043】
そして、それぞれ上述の如き上下の緩衝カバー44,46が組み付けられた3つのマス部材20は、ハウジング本体22における3つの中空凹所26に収容配置された状態で、中空ハウジング16の収容空所18に収容されて組み込まれている。また、そのような組込状態下において、各マス部材20は、収容空所18内で軸方向に飛び跳ねて、中空ハウジング16に対して独立した往復移動が許容されるようになっている。
【0044】
なお、本実施形態において、マス部材20は、最も外径寸法の大きい上下緩衝カバー44,46の筒部50,56におけるリブ突起54,60の外径寸法が、何れも、ハウジング本体22の中空凹所26の内径寸法よりも0.1〜1.6mmだけ小さく設定されていると共に、軸方向長さの最大寸法となる上部緩衝カバー44の上底部48におけるリブ突起52の突出先端部と下部緩衝カバー46の当接部62における当接面72との間の軸方向寸法が、ハウジング本体22の中空凹所26の上底面とハウジング下蓋24の底面42との間の対向面間距離よりも1.0mm以上小さく、好ましくは1.0〜3.0mmだけ小さく設定されている。なお、上述のマス部材20における軸方向長さの最大寸法は、マス部材20を静置せしめて、マス部材20の重力により下部緩衝カバー46が所定量だけ弾性変形せしめられた状態のものを基準とする。
【0045】
けだし、マス部材20と中空凹所26の間の径方向隙間が小さくなり過ぎると、振動入力時にマス部材20が中空凹所26の内面に摺接し易くなって、マス部材20の中空ハウジング16に対する相対的な軸方向変位とそれに基づく制振効果が有効に発揮され難くなるからであり、一方、マス部材20と中空凹所26の間の径方向隙間が大きくなり過ぎると、振動入力時にマス部材20の傾斜等の不規則な変位が発生し易くなって、発揮される制振効果が安定し難くなるおそれがあるからである。また、マス部材20の軸方向では、マス部材20が中空ハウジング16に対して実質的に独立変位可能な程度に、収容空所18の大きさが設定されていれば問題はないが、スペース的に大きいと無駄になる。
【0046】
また、マス部材20の飛び跳ね変位に際して、下部緩衝カバー46の当接面72がハウジング下蓋24の底面42から完全に離隔するためには、収容空所18の軸方向の内法寸法において、静置状態下におけるマス部材20の軸方向長さに加えて下部緩衝カバー46がマス部材20の自重で弾性変形せしめられている長さ分を確保する必要があるが、マス部材20は、中空ハウジング16に対する相対変位によって中空ハウジング16に有効な繰返し荷重(動的荷重)を及ぼし得るものであれば良く、マス部材20の飛び跳ね変位に際して、必ずしも下部緩衝カバー46の当接面72がハウジング下蓋24の底面42から物理的に離隔する必要はない。特に、本実施形態では、マス部材20の変位方向が重力方向と略一致せしめられており、マス部材20が重力作用で定位置に復帰されるようになっていることから、防振すべき振動の入力に際しても、上部緩衝カバー44がハウジング本体22における中空凹所26の上底面に当接せしめられる必要はなく、下部緩衝カバー46のハウジング下蓋24への当接のみによって有効な繰返し荷重が及ぼされて目的とする制振効果を得ることが可能となる。
【0047】
一方、門形板ばね2は、略一定幅で延びるばね鋼板を屈曲させることにより、水平方向に延びる天板部80の長手方向両端部に一対の略鉛直方向に延びる脚部82,82を一体成形したものであり、両脚部82,82の下端部は、水平方向外方に向かって屈曲されて固定板部84,84とされており、これら固定板部84,84において、自動車ボデーパネル等の振動部材6に載置されて複数本の固定ボルト86で固着されるようになっている。なお、両脚部82,82は、水平方向の安定性を向上させるために、下方に向かって相互に離隔して拡開する方向に僅かに傾斜せしめられている。また、両脚部84,84の下端部の間に跨がって、平坦な帯板状の連結プレート88が配設されていると共に、この連結プレート88の長手方向両端部が両固定板部84,84に重ね合わされて溶着されており、それによって、両脚部84,84の下端部の位置が相対固定されて、門形板ばね2の全体形状が安定的に保持されるようになっている。また、このような構造とされた門形板ばね2は、左右が略対象形状とされていることにより、その弾性中心軸97が、天板部80の中央を通って鉛直方向に延びるように設定されているのである。
【0048】
また、かかる門形板ばね2は、天板部98と両脚部82,82および連結プレート88で全体として矩形の枠体構造とされており、これら天板部98と両脚部82,82および連結プレート88によって四方を囲まれた状態で略矩形の中空領域90が形成されている。そして、この中空領域90において上述の如き構造とされたダンパマス4が配設されている。そして、かかるダンパマス4は、中空ハウジング16の上底部中央に突設された支持突部28が、門形板ばね2における天板部80の長手方向中央部分に設けられた幅広の支持部92の下面に重ね合わされて、該支持部92に対して2本のボルト94,94で固定されることによって吊り下げ状態で取り付けられている。なお、天板部80の支持部92には、補強プレート96が重ね合わされて溶着されている。
【0049】
要するに、ダンパマス4は、その重心を通る鉛直線が、門形板ばね2の弾性中心軸97と略一致せしめられて配設されており、弾性中心軸97上で、ダンパマス4が門形板ばね2に対してボルト94,94で固定されているのであり、それによって、ダンパマス4の重心変位に基づく加振力が、門形板ばね2に対して略弾性中心軸97上で及ぼされるようになっている。また、ダンパマス4の重心が、門形板ばね2の略弾性中心軸上に位置せしめられていることから、ダンパマス4の加振変位に際して、ダンパマス4におけるこじれ方向等の不規則な変位が抑えられて、鉛直方向の変位が安定して生ぜしめられるようになっている。
【0050】
更にまた、門形板ばね2の両脚部82,82には、それぞれ、高さ方向の中間部分よりも下端部に近い基端側部分において、幅方向の中央部分を内外に延びる貫通孔98が形成されていると共に、かかる貫通孔98に対して、ストッパ孔としての透孔を形成するフランジ付カラー100が固着されている。このフランジ付カラー100は、当接筒部としての短い円筒形状のカラー102の軸方向一方の開口部に対して、外向きで矩形板状に広がるフランジ部104が一体形成されており、カラー102が脚部82の貫通孔98に挿通されていると共に、フランジ部104が脚部82の外面に重ね合わされて溶着されることによって、フランジ付カラー100,100が門形板ばね2の脚部82,82に固着されている。そして、ダンパマス4の中空ハウジング16に突設されたストッパボルト39,39が、それぞれ、フランジ付カラー100に挿通されて、外方に突出せしめられている。
【0051】
なお、フランジ付カラー100の内径寸法は、ストッパボルト39の脚部の外径寸法よりも十分に大きくされており、ストッパボルト39がフランジ付カラー100に当接しない範囲で、一般的なレベルの振動入力時におけるダンパマス4の変位が許容されるようになっている。また、ストッパボルト39には、フランジ付カラー100から外方に突出位置せしめられた頭部側端部に対して、カラー102よりも大径のワッシャ106が固着されており、該ワッシャ106がフランジ付カラー100のフランジ部104に対して、ストッパボルト39の中心軸方向で所定距離を隔てて対向位置せしめられている。更にまた、ストッパボルト39には、フランジ付カラー100のカラー102への挿通部分と、フランジ部104に対するワッシャ106の対向面を全体に亘って覆うように緩衝ゴムスリーブ108が外挿固着されている。
【0052】
そして、衝撃荷重等の入力によってダンパマス4に課題な変位が惹起された際には、ストッパボルト39が、緩衝ゴムスリーブ108を介して、門形板ばね2のフランジ付カラー100に当接せしめられることにより、ダンパマス4の変位量および門形板ばね2の弾性変形量が、何れも、緩衝的に制限されるようになっている。
【0053】
上述の如き構造とされた制振装置10は、主振動系としての振動部材6に対して、ダンパマス4が門形板ばね2を介して弾性的に取り付けられることにより、ダンパマス4をマスとすると共に門形板ばね2をバネとする副振動系を構成しており、全体としてダイナミックダンパとして機能し得るようになっている。それ故、ダンパマス4の質量と門形板ばね2の動ばね定数を適当に調節して、かかる副振動系の固有振動数を振動部材6において制振すべき振動周波数域にチューニングすることにより、制振装置10による制振効果が振動部材6に対して及ぼされ得るのである。
【0054】
しかも、かかる制振装置10は、副振動系のマスを構成するダンパマス4の内部に、マス部材20が振動入力方向となる上下方向で独立変位可能に収容配置されていることから、振動入力時にマス部材20が中空ハウジング16に対して相対変位せしめられて中空ハウジングに打ち当り作用することにより、制振装置10による制振効果が一層向上されて、振動部材6に対してより優れた制振効果が発揮されるのである。
【0055】
そこにおいて、特に、副振動系のバネが門形板ばね2によって構成されていることから、該門形板ばね2の弾性中心軸上にダンパマス4の弾性中心を容易に位置せしめることが出来るのであり、それによって、振動入力時におけるダンパマスの変位が、防振すべき振動方向となる鉛直方向に安定して生ぜしめられることとなり、以て、マス部材20が、防振すべき振動方向となる鉛直方向に安定して且つ効率的に加振せしめられる結果、マス部材20の中空ハウジング16に対する飛び跳ね変位とそれに伴う当接が、一層安定して且つ効率的に生ぜしめられて、目的とする制振効果が一層有利に発揮され得るのである。
【0056】
加えて、特に、本実施形態では、各マス部材20において中空ハウジング16への当接面72を構成する当接部62が、振動入力方向に対して傾斜して広がるテーパ状の支持脚部66を介して、マス部材20に連結されていることから、マス部材20が中空ハウジング16に対して当接せしめられる際に、かかる支持脚部66は主として剪断変形せしめられることとなり、低い動ばね定数が発揮されることとなるのであり、その結果、例えば自動車等で問題となる小エネルギの低周波小振幅振動の入力時にも、支持脚部66の弾性変形に基づいてマス部材20に対して加振力が効率的に及ぼされて、マス部材20が効率的に加振変位せしめられることとなり、以て、マス部材20の中空ハウジング16に対する飛び跳ね的な変位が積極的に生ぜしめられることとなって、目的とする制振効果が一層有利に発揮され得るのである。
【0057】
しかも、本実施形態においては、マス部材20の中空ハウジング16への当接部位を構成する支持脚部66や当接部62が、マス部材20に対して固定的に取り付けられていることから、マス部材20が多少水平方向に変位した場合でも、マス部材20の重心に対する当接部62の当接中心が位置ずれするようなことがないのであり、それ故、マス部材20の中空ハウジング16への当接部位における当接条件、ひいてはマス部材20の中空ハウジング16への当接に基づく制振効果の安定化が図られ得るのである。
【0058】
因みに、上述の如き構造とされた制振装置10を、特定周波数域で振幅倍率がピークとなる共振系の構造を有する振動部材に装着せしめて、該振動部材を加振することにより、制振装置10による制振効果を測定した結果を、実施例として図5に示す。なお、図5における縦軸は、振動部材に取り付けた加速度センサの出力値である。また、比較例1として、振動部材に制振装置10を装着しない状態で同様な測定を行った結果を、図5に併せ示すと共に、比較例2として、制振装置10のダンパマス4における3つのマス部材20を、何れも中空ハウジング16に対して相対変位不能に固定した状態で、実施例と同様に制振効果を測定した結果を、図5に併せ示す。かかる図5に示された実施例と比較例1,2から、上述の如き構造とされた制振装置10においては、ダンパマス4をマスとすると共に門形板ばね2をばねとする副振動系によるダイナミックダンパとしての制振効果に加えて、ダンパマス4における中空ハウジング16内でのマス部材20の自由変位による中空ハウジング16への打ち当り作用に基づくより一層の制振効果が、低周波数域の振動に対しても極めて有効に発揮されることが明らかである。しかも、マス部材20の中空ハウジング16への当接作用によって、振動部材における制振すべき共振振動を挟んだ低周波側と高周波側における振動伝達率の増大を抑えることにより、極めて広い周波数領域で、優れた制振効果が発揮されることも、明らかである。
【0059】
次に、図6には、本発明の第二の実施形態としての制振装置110が、示されている。なお、本実施形態は、第一の実施形態における制振装置10と異なるストッパ機構の具体例を示すものであり、第一の実施形態に係る制振装置10と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0060】
すなわち、本実施形態の制振装置110は、門形板ばね2よりも一回り大きな門形状を有するストッパ金具112を備えており、このストッパ金具112が、門形板ばね2の外側を所定距離を隔てて覆うようにして配設されている。具体的には、かかるストッパ金具112は、門形板ばね2よりも剛性の大きな金属プレートを屈曲成形して形成されており、門形板ばね2と同様に、略水平に延びる天板部114と一対の脚部116,116を有していると共に、脚部116,116の下端部には固定板部118,118が一体形成されている。そして、固定板部118,118が門形板ばね2の固定板部84,84に重ね合わされて、該固定板部84,84に対して溶着されていると共に、脚部116,116と天板部114は、門形板ばね2の脚部82,82と天板部80に対して、それぞれ外方に離隔位置して覆うように配設位置せしめられている。
【0061】
また、ストッパ金具112の天板部114は、中央部分が外方に逃げるように屈曲せしめられた凸状部120とされており、門形板ばね2の弾性変形時におけるボルト94の当接が回避されている。更に、凸状部120を挟んだ両側には、門形板ばね2の天板部80との対向方向(上下方向)での離隔距離が凸状部120に近づくに従って大きくなるように傾斜せしめられたストッパ支持部122,122が形成されており、これらのストッパ支持部122,122の下面に対して、所定厚さのシート形状の緩衝ゴム124,124が固着されている。
【0062】
また一方、門形板ばね2の両脚部82,82を連結する連結プレート88には、ダンパマス4のハウジング下蓋24への対向面に対して、所定厚さのシート形状の緩衝ゴム126,126が固着されて配設されている。
【0063】
そして、このような本実施形態においては、鉛直上下方向に大きな振動荷重が及ぼされた際に、ダンパマス4が緩衝ゴム126,126を介して連結プレート88に当接することによってバウンド方向におけるダンパマス4の変位量が緩衝的に制限されると共に、門形板ばね2の天板部80が緩衝ゴム124,124を介してストッパ金具112の天板部114に当接することによってリバウンド方向におけるダンパマス4の変位量が緩衝的に制限されることとなるのである。
【0064】
なお、本実施形態においても、第一の実施形態と同様な構造とされた門形板ばね2およびダンパマス4が採用されており、従って第一の実施形態の制振装置10と同様な制振効果が有効に発揮されることは言うまでもない。
【0065】
さらに、図7〜8には、本発明の第三の実施形態としての制振装置130が、示されている。なお、本実施形態は、第一の実施形態における制振装置10と異なるダンパマスの構造の具体例を示すものであり、より詳細には、マス部材20の中空ハウジング16に対する当接部位に介在せしめられる弾性材の別の具体例を示すものであって、第一の実施形態に係る制振装置10と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0066】
すなわち、本実施形態の制振装置130におけるダンパマス132は、第一の実施形態と同様に3つの中空凹所26を備えたハウジング本体22を備えており、該ハウジング本体22の下端面にハウジング下蓋134が重ね合わされて複数本の固定ボルト136でハウジング本体22に固定されることによって、ハウジング本体22の各中空凹所26が覆蓋されて、3つの独立した収容空所138が形成されている。
【0067】
そして、これら3つの収容空所138に対して、それぞれ、第一の実施形態と同様に円形ロッド形状を有する金属製のマス部材20が収容されて所定量の独立変位が可能な状態で組み付けられている。また、各マス部材20には、軸方向の上端部と下端部の各外周角部を覆うように、それぞれゴム弾性体で形成されてL字形乃至は逆L字形の断面形状で周方向の全周に亘って延びる上部緩衝カバー140と下部緩衝カバー142が、密着状態で固着されている。要するに、第一の実施形態における上部緩衝カバー44と略同じものが、マス部材20の上下両端部に装着されているのであり、本実施形態では、マス部材20自体は、マス部材20と中空ハウジング16に対する当接部位に介在せしめられる弾性材を備えていないのである。なお、これら上下緩衝カバー140,142は、マス部材20の外周面に一体加硫接着されていても良いし、別体形成したものを必要に応じて接着処理して外嵌装着されていても良い。
【0068】
一方、ハウジング下蓋134は、十分な剛性を有する平板形状の金属板からなり、ハウジング本体22の各中空凹所26の開口部に位置せしめられる部分には、それぞれ、ハウジング本体22の中心軸上で開口する円形の透孔144が形成されていると共に、各透孔144には、当接ゴム弾性体146が取り付けられている。かかる当接ゴム弾性体146は、全体として円板形状を有しており、外周縁部において、ハウジング下蓋134の透孔144の内周縁部に対して加硫接着されている。また、当接ゴム弾性体146は、図9に示されているように、外力が及ぼされていない状態で、透孔144の内周縁部から僅かなテーパ角度で上方に向かって傾斜して突出する逆向きの皿形状を有する剪断支持部148を備えていると共に、当接ゴム弾性体146の中央部分には、上方に向かって突出する厚肉の円形ブロック形状を有する中央当接部150が形成されており、この中央当接部150の上端面が、軸直角方向に広がってマス部材20の下面に当接せしめられる当接面152とされている。なお、剪断支持部148には、中央当接部150を軸直角方向一方向に挟んだ両側に位置して、それぞれ略1/4周の長さで周方向に延びる一対の円弧形状のスリット154,154が形成されており、剪断支持部148のばね特性が調節されている。
【0069】
このような本実施形態の制振装置130においては、上下方向の振動入力時にダンパマス132内でマス部材20が軸方向に相対変位せしめられて、中空ハウジング16のハウジング下蓋134に対して、剪断変形せしめられる当接ゴム弾性体146を介して当接せしめられるのであり、そして、かかる当接作用に基づいて、第一の実施形態と同様に優れた制振効果が発揮され得るのである。
【0070】
なお、ダンパマス132には、必要に応じて、ハウジング下蓋134の下方を覆うカバー部材が装着されることとなり、それによって、当接ゴム弾性体146のスリット154を通じての塵や埃の各収容空所138への侵入を防止するようにされる。
【0071】
次に、図10〜12には、本発明の第四の実施形態としての制振装置160が、示されている。
【0072】
本実施形態の制振装置160は、門形板ばね162の弾性中心軸164上にダンパマス166が取り付けられて、主振動系に対する副振動系が構成されていると共に、ダンパマス166が中空ハウジング168とされて、その内部に形成された収容空所170に独立マス部材としてのマス部材172が独立変位可能に収容配置されている基本的構造は、第一の実施形態と同様である。
【0073】
そこにおいて、本実施形態では、門形板ばね162が、その両脚部174,174が、第一の実施形態よりも短くされていると共に、天板部176の中央部分には、マス固定部178が上方に向かって突設されている。そして、門形板ばね162の天板部176の上方にダンパマス166が配設されており、該ダンパマス166の中央部分がマス固定部178に載置されて、門形板ばね162の弾性中心軸上で固定ボルト180により固着されているのである。
【0074】
かかるマス部材172のハウジング168は、厚肉円筒形状を有するハウジング本体182の軸方向両側開口部に対してそれぞれ略円板形の蓋金具183,183が圧入固定されることによって、全体として中空の剛性体とされており、門形板ばね162の天板部176の長手方向と平行に延びるようにして、門形板ばね162の弾性中心軸164に直交して水平に延びる中心軸をもって配設されている。
【0075】
一方、マス部材172は、ハウジング本体168の収容空所170よりも小さな外周面形状を有する中実の円形ロッド形状とされており、比重の大きい鉄鋼等の金属材で形成されている。また、マス部材172の軸方向両端部には、緩衝カバー184,184が取り付けられている。この緩衝カバー184は、マス部材172の軸方向両端部に外嵌固定された筒壁部190とマス部材172の軸方向端面から軸方向外方に突出せしめられた底壁部192を有してゴム弾性体で一体成形されており、マス部材172の外周面および軸方向端面に密着した状態で、必要に応じて接着されて装着されている。
【0076】
また、緩衝カバー184の底壁部192には、中央部分で中心軸上を軸方向外方に向かって突出する円錐台形状の中央突部186が一体形成されており、この中央突部186の突出先端部がハウジング168の蓋金具183の内面に対向位置せしめられている。なお、マス部材172の軸方向両端部に取り付けられた両緩衝カバー184,184における中央突部186,186の両先端部間の寸法は、ハウジング168における両蓋金具183,183の対向面間距離よりも0.1〜1.6mmだけ小さくされており、それによって、収容空所170においてマス部材172が軸方向で位置決めされて、マス部材172の重心が門形板ばね162の弾性中心軸上に略位置せしめられるようになっている。
【0077】
更にまた、緩衝カバー184の底壁部192の外周縁部には、中央突部186の周りを囲むようにして延びる環状の外周突部188が、中央突部186よりも小さな軸方向の突出高さで一体形成されている。この外周突部188は、筒壁部190から延び出した円筒形状の外周面と、軸方向外方に向かって次第に拡径したテーパ状の内周面を有する先細状の円筒形状を有しており、外周突部188の突出先端部には、図13に拡大図が示されているように、径方向外方に向かって突出する当接突部194が、周方向の全周に亘って一体形成されている。なお、図10及び図13は、ダンパマス166の中心軸をハウジング168の収容空所170の中心軸上に位置せしめた、重力が作用していない状態を示す。
【0078】
また、当接突部194の外径寸法は、ハウジング本体182の内径寸法よりも0.1〜1.6mm、好ましくは0.1〜1.0mmだけ小さくされており、それによって、収容空所170においてマス部材172が独立変位可能とされている。なお、外周突部188の外周面に対する当接突部194の径方向外方への突出高さは、制振すべき振動の通常の入力時において当接突部194以外の部分がハウジング本体182に対して当接しないように、外周突部188のばね定数等を考慮して設定されている。
【0079】
このような構造とされた制振装置160においては、制振すべき上下方向の振動入力時に、マス部材172がハウジング168に対して相対変位せしめられて、マス部材172の軸方向両端部に形成された当接突部194,194においてハウジング168に対して弾性的に当接せしめられることとなる。そして、かかるマス部材172のハウジング168への当接作用に基づいて、第一の実施形態と同様な制振効果が有効に発揮され得るのである。
【0080】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
【0081】
例えば、本発明において採用される中空ハウジングやマス部材の具体的形状は、前記実施形態のものに限定されるものでなく、例えば、要求される防振特性や制振装置の配設スペース等を考慮して、2個、或いは4個以上のマス部材が収容配置される収容空所を備えた中空ハウジングを採用したり、軸方向長さよりも外径寸法の方が大きいマス部材を採用すること等も可能である。
【0082】
また、独立マス部材の中空ハウジングへの当接部位に介在せしめられる弾性材としても、主に剪断変形せしめられるものである必要はなく、要求される制振特性等を考慮して圧縮変形せしめられる弾性材を採用することも可能であり、例えば、マス部材の外周面や中空ハウジングの内周面に密着形成されたゴム弾性体層からなる弾性材を採用することも可能である。
【0083】
更にまた、本発明において採用される金属ばね部材は、前記実施形態の如き門形構造に限定されるものでなく、例えば、取付面に弾性変形を許容する凹所が形成されるような場合には平板形状の金属ばねを採用することも可能であり、また、ダンパマスが取り付けられる固定部位から3以上の方向に延び出す脚部を備え、それら3つ以上の脚部において、ダンパマスを振動部材に対して弾性的に支持せしめるような金属ばね部材を採用することも可能である。特に、3以上の脚部を備えた金属ばね部材においては、マス部材の変位方向を、金属ばね部材の弾性中心軸方向により安定して保つことが可能となり、マス部材の変位の安定化が図られ得る。
【0084】
また、本発明は、鉛直方向の振動だけでなく、金属ばね部材における弾性中心軸を制振すべき振動入力方向に合わせて設定することにより、水平方向や各種傾斜方向の振動に対して、何れも有効な制振効果を得ることが可能である。
【0085】
加えて、本発明に係る制振装置は、自動車におけるボデーやサブフレーム,エンジンブロック,シート,ステアリング部材,インストルメントパネル,ドア,ミラーなど、或いは自動車以外の各種装置において振動が問題となる部材に際して、極めて広い範囲に適用可能であることが理解されるべきである。
【0086】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0087】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた制振装置においては、独立マス部材が自由変位可能に収容配置された特定構造のダンパマスを、振動部材に対して複数箇所で固定されることにより略直線的に延びる弾性中心軸が設定された特定構造の金属ばね部材と組み合わせて採用し、且つ該金属ばね部材の弾性中心軸上にダンパマスの重心を略位置せしめたことにより、ダンパマスと金属ばね部材からなる副振動系に対して独立マス部材の中空ハウジングに対する当接作用が有効に及ぼされることとなり、その結果、広い周波数域に亘って優れた制振効果が発揮され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としての制振装置を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1における左側面図である。
【図4】図1における底面図である。
【図5】図1に示された制振装置における制振効果の周波数特性を測定した結果を、比較例の測定結果と併せて示すグラフである。
【図6】 本発明の第二の実施形態としての制振装置を示す縦正面図である。
【図7】本発明の第三の実施形態としての制振装置を示す縦断面図である。
【図8】図7に示された制振装置の底面図である。
【図9】図7に示された制振装置を構成する当接ゴム弾性体の単体図を示す縦断面図である。
【図10】本発明の第四の実施形態としての制振装置を示す縦断面図である。
【図11】図10に示された制振装置の底面図である。
【図12】図10における XII−XII 断面図である。
【図13】 図10におけるa部を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
2 門形板ばね
4 ダンパマス
6 振動部材
10 制振装置
16 中空ハウジング
18 収容空所
20 マス部材
44 上部緩衝カバー
46 下部緩衝カバー
62 当接部
72 当接面
80 天板部
82 脚部
97 弾性中心軸
100 フランジ付カラー
108 緩衝ゴムスリーブ
110 制振装置(第二実施形態)
130 制振装置(第三実施形態)
132 ダンパマス
146 当接ゴム弾性体
148 剪断支持部
150 中央当接部
160 制振装置(第四実施形態)
162 門形板ばね
164 弾性中心軸
166 ダンパマス
168 ハウジング
172 マス部材
184 緩衝カバー

Claims (12)

  1. 中空ハウジングの内部に少なくとも一つの収容空所を形成すると共に該収容空所の一つ毎一つの独立マス部材を収容配置せしめて、該独立マス部材と該収容空所の内面の間に微小隙間を設けることにより、該独立マス部材が該収容空所で該中空ハウジングから独立して自由変位が許容されるようにすると共に、該独立マス部材の自由変位によって該独立マス部材が該中空ハウジングに対して弾性材を介して当接せしめられるようにしたダンパマスを用い、複数の取付部位で防振すべき振動部材に固定されて弾性中心軸が鉛直方向に延びるようにしてそれら複数の取付部位の間に跨がって配設される金属ばね部材に対して、その略弾性中心軸上に前記ダンパマスの前記中空ハウジングを固定して、該ダンパマスの重心を該金属ばね部材の略弾性中心軸上に位置せしめることにより、該ダンパマスを該金属ばね部材を介して前記振動部材に弾性支持せしめて、振動入力による該金属ばね部材の弾性変形に伴って該ダンパマスの該中空ハウジングにおける該収容空所内で該独立マス部材が鉛直方向に飛び跳ねて該中空ハウジングに打ち当たるようにしたことを特徴とする制振装置。
  2. 前記ダンパマスにおける前記独立マス部材の全体的な重心を、前記金属ばね部材の弾性中心軸上に位置せしめた請求項1に記載の制振装置。
  3. 前記ダンパマスにおける前記独立マス部材として、前記金属ばね部材の弾性中心軸と略平行に延びる中心軸を有する柱状マスを採用して、該柱状マスの少なくとも軸方向一方の端面が前記中空ハウジングに対して当接せしめられるようにした請求項1又は2に記載の制振装置。
  4. 前記独立マス部材の前記中空ハウジングに対する当接部位に配設される前記弾性材として、該独立マス部材の該中空ハウジングに対する当接に際して剪断変形せしめられる剪断ゴム弾性体を採用した請求項1乃至3の何れかに記載の制振装置。
  5. 前記金属ばね部材として、平板形状の天板部の長手方向両端部を屈曲させて一対の脚部を一体形成して門形状とした門形板ばねを採用すると共に、該門形板ばねにおける該一対の脚部の各先端部を前記振動部材に固定するようにする一方、該天板部の略中央に対して前記ダンパマスの前記中空ハウジングを固定した請求項1乃至4の何れかに記載の制振装置。
  6. 前記門形板ばねにおける前記両脚部の先端部分を相互に連結する連結プレートを設けた請求項5に記載の制振装置。
  7. 前記門形板ばねの前記一対の脚部におけるそれぞれの中央よりも先端側の部位と、前記ダンパマスの前記中空ハウジングとの間において、それら脚部と中空ハウジングの何れか一方にストッパ突部を突設せしめて、他方に設けたストッパ孔に対して所定の間隙をもって差し入れることにより、該中空ハウジングの前記振動部材に対する相対変位量を制限するストッパ機構を設けた請求孔5又は6に記載の制振装置。
  8. 前記中空ハウジングにボルトを螺着することによって前記ストッパ突部を構成する一方、前記門形板ばねの両脚部に透孔を貫設すると共に、該透孔の周縁部において一方の面に突出する当接筒部を一体形成することにより前記ストッパ孔を構成した請求項7に記載の制振装置。
  9. 前記金属ばね部材における損失係数が0.07以下である請求項1乃至8の何れかに記載の制振装置。
  10. 前記ダンパマスの全体質量が、前記振動部材の5〜15%である請求項1乃至9の何れかに記載の制振装置。
  11. 前記独立マス部材の前記中空ハウジングに対する当接部位に配設される前記弾性材を、ショアD硬さ80以下とした請求項1乃至10の何れかに記載の制振装置。
  12. 前記金属ばね部材の略弾性中心軸に直角な方向で、前記独立マス部材の前記収容空所の内面に対する軸直角方向での当接部間における往復可動距離を0.1〜1.6mmとした請求項1乃至11の何れかに記載の制振装置。
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