JP3846208B2 - 車両用制振装置 - Google Patents

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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2202/00Indexing codes relating to the type of spring, damper or actuator
    • B60G2202/20Type of damper
    • B60G2202/25Dynamic damper

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、車両の振動部材に装着されて振動部材の振動を低減する車両用制振装置に係り、例えば、自動車のサスペンション部材やサブフレーム,ボデーパネル,エンジンユニット,マウントブラケット,排気系部材等の振動部材に適用されることにより有効な制振効果を発揮し得る、新規な構造の車両用制振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、自動車等の車両において問題となる振動を低減する手法としては、
▲1▼振動部材にマス材を固設するマスダンパや、▲2▼振動部材にバネ材を介してマス材を連結支持せしめるダイナミックダンパ、更に、▲3▼振動部材の表面にシート状弾性材を貼着した制振材が、知られている。ところが、上記▲1▼マスダンパと▲2▼ダイナミックダンパは、何れも、大きなマス材の質量が必要になることに加えて、有効な制振効果の発揮される周波数域が狭いという問題があった。また、上記▲3▼制振材は、広い貼着面積が必要になると共に、重量が嵩むという問題があった。更に、上記▲2▼ダイナミックダンパと▲3▼制振材は、制振効果の温度依存性が高いために、目的とする制振効果を安定して得ることが難しいという問題もあったのである。
【0003】
そこで、本出願人は、先に、国際公開WO00/14429号公報において、振動部材に固定されるハウジングに対して、隙間を隔てて非接着で相対変位可能に独立マス部材を配設せしめて、振動入力時に、かかる独立マス部材を、ハウジングに対して弾性的な当接面で当接させることにより、当接時における滑り摩擦と衝突によるエネルギ損失を利用して制振効果を得るようにした、新規な構造の車両用制振装置を提案した。このような構造の車両用制振装置においては、小さなマス質量により、広い周波数域に亘る振動に対して有効な制振効果を得ることが出来るのである。
【0004】
ところで、本発明者等が更なる検討を加えた結果、かかる国際公開WO00/14429号公報に記載された車両用制振装置においては、独立マス部材の質量や、独立マス部材と振動部材の当接部を構成する弾性材のばね剛性を調節することによって、振動部材における特定周波数域の振動に対する制振効果が顕著に向上され得ることが確認された。なお、このような現象は、制振効果の周波数特性等を検討したところ、独立マス部材の振動部材に対する打ち当りを伴う相対変位が、共振的作用を発揮することに基づくものであろうと推考される。
【0005】
ところが、独立マス部材の共振的作用に基づく防振効果が発揮される周波数域を、防振すべき振動周波数域にチューニングするに際しては、独立マス部材の大きさが配設スペース等の条件で制限されることが多く、また、独立マス部材と振動部材の当接部を構成する弾性材のばね剛性の低下が耐久性等の条件で制限されることが多いことから、チューニングの幅が制限されてしまうという問題があった。特に、独立マス部材における大きな質量や、当接部を構成する弾性材における低ばね定数が要求される低周波数域に防振すべき振動周波数が存在する場合には、防振すべき振動周波数域へのチューニングが困難であり、十分な制振効果を得ることが難しかったのである。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、独立マス部材と振動部材の当接部における耐久性を十分に確保しつつ、該当接部のばね剛性を小さく設定することを可能とし、それによって、独立マス部材の振動部材への当接に基づいて発揮される制振効果を、特に低周波数域まで容易にチューニングすることの出来る、新規な構造の車両用制振装置を提供することにある。
【0007】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0008】
すなわち、本発明の第一の態様は、振動部材に対して、マス部材を非接着で独立変位可能に配設して、該マス部材が該振動部材に対して飛び上がって飛び跳ね変位せしめられて該マス部材が該振動部材に対して打ち当たって直接的且つ弾性的に当接せしめられることにより制振効果が発揮されるようにした車両用制振装置において、前記振動部材に中空構造を有する剛性のハウジングを固定的に設けて、該ハウジングに前記マス部材を収容配置すると共に、該ハウジングの壁部を部分的に弾性材で構成することにより、該マス部材が当接せしめられる当接部を該弾性材で形成して、該当接部が該マス部材の打ち当たりに伴う当接方向の荷重によって剪断変形せしめられるようにしたことにある。
【0009】
このような本態様に従う構造とされた車両用制振装置においては、振動部材の振動によってマス部材が変位せしめられて振動部材に打ち当たった際、それらマス部材と振動部材の当接部を構成する弾性材に対して剪断変形が生ぜしめられることとなる。それ故、弾性材が圧縮変形せしめられる場合に比して、かかる弾性材の材質を特別に変更しなくても、マス部材と振動部材の当接部におけるばね定数を小さく設定することが出来る。
【0010】
従って、マス部材の大型化や弾性材の耐久性の低下を軽減乃至は回避しつつ、マス部材の振動部材に対する打ち当りを伴う相対変位が、低周波数域で共振的作用を持つようにチューニングすることが可能となるのであり、それによって、自動車で一般に問題となる10Hz程度〜100Hz前後の低周波数域の振動に対して、有効な制振効果を得ることが出来るのである。
【0011】
具体的には、本発明に従う構造とされた車両用制振装置においては、マス部材と振動部材の各当接部の少なくとも一方が、剪断方向に弾性変形せしめられるようにされていることから、低周波数域の小さなエネルギの振動入力時においても、マス部材の振動部材に対する打ち当たり(当接)に際して生ぜしめられる共振的作用に基づいて、振動部材に対するマス部材の振幅倍率を1以上とすることが可能となる。それ故、振動入力時にマス部材が振動部材に対して効率的に飛び跳ね変位せしめられることとなり、例えば、振動部材において防振すべき振動の加速度が1G(重力加速度)以下の場合でも、マス部材を振動部材に対して飛び上がらせて飛び跳ね変位させることが可能となることから、マス部材の振動部材への打ち当り(当接)に基づいて発揮される制振効果を、自動車における振動のように小さなエネルギの振動に対しても、有利に得ることが可能となるのである。
【0012】
なお、本態様において、マス部材の材質は、特に限定されるものでないが、コンパクトなサイズでマス部材の質量を有利に確保するために、鉄鋼等の金属材が好適に採用される。また、マス部材と振動部材の当接部を構成する弾性材としては、ゴム弾性体やエラストマ、或いはそれらの発泡体などが好適に採用される。
【0013】
また、本態様に従えば、中空構造のハウジングを採用したことにより、振動部材の形状に拘わらず、即ち振動部材をロッド形状等とすることなく、振動部材に対してマス部材を非接着で独立変位可能に配設して、マス部材の振動部材に対する当接に基づく制振効果を得るようにした車両用制振装置が、実現可能となる。
【0014】
なお、本態様において、ハウジングは、振動部材を利用して壁部の一部や全体を構成することにより振動部材と一体形成することも可能であるが、振動部材と別部材で形成された別体ハウジングを、振動部材に対して後固着しても良い。更に、一つのハウジング内に配設するマス部材の数は、ハウジングの大きさや形状、振動部材の質量や振動レベル等に応じて適宜に設定されるものであり、単一のマス部材を配設する他、複数のマス部材を収容配置しても良い。また、ハウジングの内面形状は、特に限定されるものではなく、振動部材の形状や許容される配設スペース等に応じて、例えば、円筒形状,矩形形状,多角形形状等の各種の断面形状を有する空所等が採用可能である。更に、マス部材の形状も、ハウジングの形状等に応じて適宜に設定されるものであり、中空乃至は中実の球状、ロッド状、板状など、各種の形状が採用可能である。
【0015】
また、本発明の第の態様は、前記第の態様に従う構造とされた車両用制振装置において、前記マス部材を、その主たる形成材として金属材を用いて形成する一方、前記ハウジングの内周面を、前記当接部を構成する前記弾性材で一体的に被覆せしめたことを、特徴とする。このような本態様においては、マス部材を金属材で形成したことによって、コンパクトで質量の大きいマス部材が実現され得るのであり、また、当接部を構成する弾性材によってハウジングの内周面を一体的に被覆せしめたことにより、マス部材に対して弾性材等を被着形成する必要がなく、マス部材のハウジングへの当接に起因する異音を軽減することも出来る。
【0016】
また、本発明の第の態様は、前記第又は第の態様に従う構造とされた車両用制振装置において、前記マス部材を、互いに独立して複数設けると共に、それら複数のマス部材の質量を互いに異ならせたことを、特徴とする。このような本態様に従えば、各マス部材のハウジングに対する相対変位が、互いに異なる周波数域で共振的作用を持つように、容易にチューニングすることが出来るのであり、それによって、例えば自動車で問題となり易いシェイクとアイドリング振動、或いは走行こもり音など、複数の乃至は広い周波数域の振動に対して、それぞれ、有効な制振効果を得ることが可能となるのである。
【0017】
また、本発明の第の態様は、前記第乃至第の何れかの態様に従う構造とされた車両用制振装置において、前記マス部材を、互いに独立して複数設けると共に、前記ハウジングにおけるそれら各マス部材の当接部の少なくとも一つを、該マス部材の当接方向の荷重によって剪断変形せしめられる弾性材で構成し、且つそれら各マス部材のハウジングに対する当接部におけるばね定数を互いに異ならせたことを、特徴とする。このような本態様においても、上記第四の態様に係る車両用制振装置と同様に、各マス部材のハウジングに対する相対変位が、互いに異なる周波数域で共振的作用を持つように、容易にチューニングすることが出来るのであり、それによって、複数の乃至は広い周波数域の振動に対して、それぞれ、有効な制振効果を得ることが可能となるのである。
【0018】
また、本発明においては、マス部材における単体の質量を10〜1000gに設定することが望ましく、より好適には50〜500gに設定される。即ち、マス部材単体の質量を1000g以下、より好ましくは500g以下とすることにより、振動入力時におけるマス部材の飛び跳ね変位が一層容易に且つ効率的に生ぜしめられることとなり、10g以上、より好ましくは50g以上とすることにより、マス部材の振動部材に対する当接に基づいてより有効な制振効果を得ることが出来るのである。
【0019】
さらに、本発明においては、より有効な制振効果を得るために、マス部材が振動部材に対して振動入力方向の両側でそれぞれ当接せしめられるようにすると共に、かかる振動入力方向両側での当接部間における該マス部材の往復可動距離を、振動入力方向で0.1〜1.6mmとすることが望ましく、より好適には0.1〜1.0mmとされる。このような微小可動範囲を設定することにより、振幅が小さい自動車の振動に対しても、マス部材が振動入力方向の両側で振動部材に当接せしめられ易くなり、より優れた制振効果を得ることが可能となる。
【0020】
また、本発明においては、マス部材と振動部材の当接部の全体を、当接方向の荷重によって剪断変形せしめられる弾性材で構成する必要はなく、少なくとも制振すべき振動が低周波数数域である振動入力方向での主たる当接部が、当接方向の荷重によって剪断変形せしめられる弾性材で構成されていれば良いが、それ以外の当接部位においても、マス部材と振動部材の少なくとも一方の当接部は、当接音の軽減と制振効果を有利に得るために、弾性材で形成されていることが望ましい。
【0021】
そこにおいて、特にマス部材と振動部材の当接部を構成し、当接方向の荷重によって剪断変形せしめられる弾性材としては、ASTM規格D2240のショアD硬さが、好ましくは80以下、より好ましくは20〜40を有するものが好適に採用される。また、マス部材と振動部材の当接部は、当接音の軽減と制振効果の向上のために、圧縮弾性率が好ましくは、1〜104 MPa、より好ましくは、1〜103 MPaで、損失正接(tanδ)が好ましくは、10-3以上、より好ましくは0.01〜10とされる。
【0022】
更にまた、本発明においては、マス部材の質量は、振動部材の質量の5〜10%となるように設定されることが望ましい。蓋し、かかるマス部材の質量が振動部材の質量の5%に満たないと有効な制振効果を得ることが難しい場合があり、一方、10%を超えると装置全体の重量化が問題となるからである。なお、複数個の制振装置を振動部材に装着する場合には、全てのマス部材の合計質量が、振動部材の質量の5〜10%となるように設定することが望ましい。
【0023】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0024】
先ず、図1には、本発明の第一の実施形態としての制振装置10が示されている。この制振装置10は、ハウジング12によって形成された収容空間14内にマス部材16が収容配置された構造とされている。そして、かかる制振装置10は、図示しない自動車のボデー等の振動部材に対して、ハウジング12がボルト固定されるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、図中の上下方向をいうものとし、本実施形態では、鉛直方向とされている。
【0025】
より詳細には、ハウジング12は、ハウジング本体18とハウジング蓋体20によって構成されている。このハウジング本体18は、上側に開口する円形カップ形状乃至は有底円筒形状とされており、その上側開口部は、薄肉円板形状のハウジング蓋体20が重ね合わされて溶着固定されることによって覆蓋されている。また、ハウジング本体18における薄肉円板形状の底壁部には、中央部分に位置して円形の窓22が形成されており、ハウジング本体18の内部空間が、窓22を通じて、軸方向下方に開口せしめられている。換言すれば、ハウジング本体18の下端部には、円筒形状の周壁部から径方向内方に向かって突出する円環板形状の支持部24が一体形成されているのである。
【0026】
さらに、ハウジング本体18の円筒形状の周壁部には、下端周壁部からスカート状に下方に延び出して径方向外方に向かって広がるフランジ部26が一体形成されている。なお、本実施形態においては、支持部24がフランジ部26よりも上方に位置せしめられるように、フランジ部26の内周縁部は、軸方向上方に湾曲されて、ハウジング本体18の周壁部に連接されている。また、フランジ部26には、周上の複数箇所に取付用孔27が形成されている。そして、フランジ部26が、図示しない振動部材に重ね合わせられて、取付用孔27に挿通されるボルトによって、振動部材に対して固定的に取り付けられるようになっている。
【0027】
また、ハウジング本体18の底壁部に設けられた窓22には、当接部としての弾性壁28が配設されている。
【0028】
この弾性壁28は、ゴム弾性体によって形成されており、略一定の厚さ寸法で広がる円板形状を有している。そして、かかる弾性壁28は、ハウジング本体18の窓22内で軸直角方向に広がった状態で配設されており、その外周縁部が支持部24に加硫接着されている。なお、弾性壁28の外周縁部は、支持部24を表裏両面に亘って被覆するようにして、支持部24の略全面に加硫接着されている。これにより、弾性壁28は、外周縁部を全周に亘って連続して支持部24で固定的に支持されて、展張状態で窓22に配設されており、窓22が該弾性壁28によって流体密に閉塞されている。
【0029】
なお、本実施形態においては、弾性壁28を形成しているゴム弾性体として、ASTM規格D2240のショアD硬さが、好ましくは80以下、より好ましくは20〜40を有するものが、好適に採用される。具体的な材質としては、天然ゴムやスチレンブタジエンゴム,イソプレンゴム,アクリロニトリルブタジエンゴム,クロロプレンゴム,ブチルゴムやそれらのブレンドゴム等の公知の各種のゴム弾性体が、使用条件等に応じて選択的に採用され得る。
【0030】
すなわち、このような構造とされたハウジング12には、ハウジング本体18とハウジング蓋体20と弾性壁28によって、外部空間から仕切られた収容空間14が形成されている。
【0031】
そして、かかる収容空間14には、マス部材16が収容配置されている。このマス部材16は、主たる形成材が金属によって形成された中実の球形状とされており、その表面全体には、ゴム弾性体やエラストマによって形成された当接層34が、全体に亘って略一定の肉厚寸法で被着形成されている。なお、当接層34としては、ASTM規格D2240のショアD硬さが、好ましくは80以下、より好ましくは20〜40を有するものが、好適に採用される。
【0032】
また、マス部材16の大きさは、マス部材16を収容空間14内の中央に位置せしめた状態下で、マス部材16の全周囲に亘って、ハウジング12の壁部内面との間に隙間が形成されるようになっている。かかる隙間は、特に最も小さくなる部分、即ち、ハウジング12の上側および下側の各壁部内面とマス部材16の表面との間、およびハウンジング12の筒壁内面とマス部材16の表面との間において、それぞれ、略同一寸法の隙間:δとされている。即ち、本実施形態では、図1に示されているように、マス部材16が重力によって収容空間14内の下部で、弾性壁28に載置された静置状態下において、収容空間14の周壁内面とかかる壁面に当接するマス部材16の表面との隙間寸法:δが、好ましくは0.05〜0.8mm、より好ましくは0.05〜0.5mmとされていると共に、収容空間14の上壁内面とかかる壁面に当接するマス部材16の表面との隙間寸法:2δが、好ましくは0.1〜1.6mm、より好ましくは0.1〜1.0mmとされている。
【0033】
このような構造とされた制振装置10は、前述の如く、ハウジング12が振動部材に対して固設されて装着されることとなり、かかる装着状態下、振動部材の振動によって、防振すべき主たる振動が上下方向に入力されることとなる。そして、振動が入力されると、振動部材に固定されたハウジング12内に収容配置されたマス部材16が、ハウジング12から独立して収容空間14内で飛び跳ね変位せしめられて、ハウジング12と弾性壁28に対して打ち当たり当接することとなるのであり、以て、かかるマス部材16のハウジング12と弾性壁28への当接に基づいて、振動部材に対して制振効果が発揮されるのである。
【0034】
ここにおいて、かかる制振装置10においては、振動部材側の当接部が、外周縁部をハウジング12によって固定的に支持された弾性壁28によって形成されており、この弾性壁28の中央部分に対して、弾性壁28に直交する方向、即ち、上下方向にマス部材16の当接荷重が入力されると、弾性壁28が、主として剪断方向に弾性変形せしめられることとなる。
【0035】
従って、マス部材16のハウジング12への当接時には、弾性壁28の剪断変形に基づいて、低動ばね特性が発揮されるのであり、それによって、マス部材16のハウジング12への打ち当り当接によって発揮される制振効果における共振作用的なピーク領域が、低周波数域に有利に設定可能となるのであり、以て、低周波数域の振動に対しても有効な制振効果を得ることが出来るのである。
【0036】
また、このような制振装置10においては、マス部材16が打ち当たり(当接)せしめられる弾性壁28が、剪断方向に弾性変形せしめられるようにされていることから、低周波数域の小さなエネルギの振動入力時においても、マス部材16のハウジング12に対する打ち当たり(当接)に際して生ぜしめられる共振的作用に基づいて、ハウジング12に対するマス部材16の振幅倍率を1以上とすることが可能となる。それ故、振動入力時にマス部材16が収容空間14内で効率的に飛び跳ね変位せしめられることとなり、例えば、振動部材において防振すべき振動の加速度が1G(重力加速度)以下の場合でも、マス部材16をハウジング12に対して飛び上がらせて飛び跳ね変位させることが可能となることから、マス部材16のハウジング12への打ち当り(当接)に基づいて発揮される制振効果を、自動車における振動のように小さなエネルギの振動に対しても、有利に得ることが可能となるのである。
【0037】
また、このような制振装置10においては、マス部材16とハウジング12の当接部の低動ばね特性化によって、共振作用的な制振効果が発揮される周波数域を低周波数側にチューニングすることが出来ることから、マス部材の質量の増大が回避されて、制振装置のコンパクト化も図られ得るのである。
【0038】
また、図2には、本発明の第二の実施形態としての制振装置36が示されている。なお、本実施形態において、第一の実施形態と同様な構造とされた部材及び部位については、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0039】
すなわち、本実施形態の制振装置36は、第一の実施形態の制振装置(10)と比して、ハウジング12には、収容空間14の周壁を構成する上下壁部と周壁部の全体に亘って、当接部を構成する弾性材としてのゴム弾性体が被着形成されている。また、マス部材16が金属材のみによって形成されており、外周面に当接層(34)が被着形成されていない。
【0040】
より詳細には、ハウジング本体18の内周面には、その全体に亘って、略一定の肉厚で広がる被覆ゴム30が被着形成されている。なお、本実施形態では、かかる被覆ゴム30が、弾性壁部28と一体成形されて、ハウジング本体18に対して加硫接着されている。また、ハウジング蓋体20の下面には、当接ゴム層38が、被覆ゴム30と略同一肉厚をもって、収容空間14の全体に亘って広がる大きさで被着形成されている。なお、ハウジング蓋体20は、その外周縁部が下方に屈曲されて、ハウジング本体18の開口周縁部にかしめ固定されている。
【0041】
このような構造とされた本実施形態の制振装置36も、第一の実施形態の制振装置(10)と同様に振動部材に装着されることとなり、防振すべき上下方向の振動が入力されると、振動部材に固定されたハウジング12内に収容配置されたマス部材16が、ハウジング12から独立して収容空間14内で飛び跳ね変位せしめられて、ハウジング12と弾性壁28に対して打ち当たり当接することとなる。それ故、本実施形態の制振装置36においても、第一の実施形態と同様な制振効果が、何れも有効に発揮され得るのである。
【0042】
また、本実施形態の制振装置36では、弾性壁部28による構成部位を除く、ハウジング本体18におけるマス部材16の当接面が、被覆ゴム30および当接ゴム38によって構成されていることから、マス部材16に当接層(34)を被着形成する必要がなく、製作性が向上され得る。
【0043】
また、図3には、本発明の第三の実施形態としての制振装置40が示されている。この制振装置40は、ハウジング42によって形成された収容空間44,44内にマス部材46a,46bが収容配置された構造とされている。なお、以下の説明において、上下方向とは、図中の上下方向をいうものとし、本実施形態では、鉛直方向とされている。
【0044】
より詳細には、ハウジング42は、ハウジング本体48とハウジング蓋体50によって構成されている。このハウジング本体48は、合成樹脂やアルミニウム合金材等の硬質材によって形成されており、全体として矩形ブロック形状を有している。また、ハウジング本体48には、上面に開口する収容穴52,52が、相互に独立して形成されている。これらの収容穴52,52は、それぞれ、一定の円形断面で高さ方向(図3中の上下方向)に直線的に延びるように形成されていると共に、その深さ寸法は、収容穴52の内径寸法と略同じとされている。即ち、本実施形態では、2つの収容穴52,52の内面形状が、互いに同一寸法で同一形状とされており、内径寸法と深さ寸法が略同じとされた円筒形状とされて、それぞれの中心軸が互いに平行とされている。
【0045】
また、ハウジング本体48の長手方向両側縁部には、下端から外方に向って広がる一対の取付片54,54が、略平板形状で一体形成されている。なお、本実施形態において、各取付片54の下端面が、ハウジング本体48の底面よりも下方に位置せしめられるように、各取付片54は、ハウジング本体48から下方に向って突出せしめられている。また、各取付片54には、ボルト孔56が設けられており、かかるボルト孔56に挿通されるボルトによって、ハウジング本体48が振動部材に対してボルト固定されて装着されるようになっている。
【0046】
また、ハウジング蓋体50は、ハウジング本体48と同様な硬質材によって形成されており、ハウジング本体48の平面形状に対応した平板形状を有している。そして、ハウジング蓋体50は、ハウジング本体48の開口部に重ね合せられて、溶接やボルト等によって固定されている。
【0047】
また、ハウジング本体48の各収容穴52の底壁部には、円形の窓58が形成されている。この窓58は、収容穴52と同一中心軸上に位置せしめられていると共に、窓58の内径寸法は収容穴52の内径寸法よりも小さくされている。即ち、ハウジング本体48の収容穴52の底壁部には、円筒形状の内周壁部から径方向内方に向って突出する円環板形状の支持部60が一体形成されており、かかる支持部60の中央に円形の窓58が形成されているのである。また、ハウジング本体48の各収容穴52の底壁部に設けられた各窓58には、それぞれ、当接部としての弾性壁62が配設されている。
【0048】
この弾性壁62は、ゴム弾性体によって形成されており、略一定の厚さ寸法で広がる円板形状を有している。そして、各弾性壁62は、ハウジング本体48の各窓58内で軸直角方向に広がった状態で配設されており、その外周縁部が各支持部60に加硫接着されている。また、各弾性壁62の外周縁部は、各支持部60を表裏両面に亘って被覆するようにして、各支持部60の略全面に加硫接着されている。これにより、弾性壁62は、外周縁部を全周に亘って連続して支持部60で固定的に支持されて、展張状態で窓58に配設されており、窓58がかかる弾性壁62によって流体密に閉塞されている。その結果、ハウジング42には、互いに独立した複数個(本実施形態では2個)の収容空間44,44が形成されている。なお、本実施形態において、弾性壁62,62は、ハウジング本体48の底面において相互に連続とされて一体形成されている。
【0049】
また、本実施形態において、弾性壁62を形成しているゴム弾性体は、前記第一の実施形態の弾性壁(28)と同様に、ASTM規格D2240のショアD硬さが、好ましくは80以下、より好ましくは20〜40を有するものが好適に採用される。
【0050】
更にまた、マス部材46a,46bは、それぞれ、主たる形成材が金属によって形成された中実の球形状とされており、それらの表面には、ゴム弾性体やエラストマによって形成された当接層66a,66bが、略一定の肉厚寸法で全体に亘って被着形成されている。なお、当接層66a,66bの材質としては、ハウジング42への当接面において、上述の弾性壁62と同様に、ASTM規格D2240のショアD硬さが、好ましくは80以下、より好ましくは20〜40を有するものが好適に採用される。
【0051】
そして、このような構造とされたマス部材46a,46bは、ハウジング42の収容空間44,44に対して、それぞれ、一個ずつ収容配置されている。ここにおいて、本実施形態では、一方の収容空間44に収容配置されるマス部材46aの当接層66aと他方の収容空間44に収容配置されるマス部材46bの当接層66bは、互いに異なる材質によって形成されており、それによって、2つのマス部材46a,46bのハウジング42に対する当接部におけるばね定数が互いに異なるように設定されている。また、マス部材46が収容空間44に収容配置された状態下において、マス部材46と収容空間44の周壁面の間には、マス部材46の全周囲に亘って、所定の隙間が形成されており、マス部材46が収容空間44の周壁面に対して、独立的に相対変位可能となっている。
【0052】
ここにおいて、図3に示されているように、マス部材46が重力によって収容空間44内の下方で弾性壁62に載置された静置状態下においては、収容空間44の周壁内面とかかる壁面に当接せしめられるマス部材46の表面との隙間寸法:δが、前記第一の実施形態と同様に設定されていると共に、収容空間44の鉛直上下方向で対向位置する上部壁面とかかる壁面に当接せしめられるマス部材46の表面との隙間寸法:2δも、前記第一の実施形態と同様に設定されている。即ち、マス部材46を収容空間44内の中央に位置せしめた状態下では、マス部材46の外周面と収容空間44の軸方向(深さ方向)両側内面との対向面間、およびマス部材46の外周面と収容空間44の筒状周壁内面との間において、何れも、上記δの隙間が形成されるようになっている。これにより、マス部材46におけるハウジング42への当接面間での往復可動距離(2δ)が、鉛直方向(軸方向)および軸直角方向において、何れも、0.1〜1.6mm、より好ましくは0.1〜1.0mmとされているのである。
【0053】
このような構造とされた制振装置40は、前述の如く、ハウジング42が振動部材に対して固設されて装着されることとなり、かかる装着状態下において、前記第一の実施形態の制振装置(10)と同様に、防振すべき主たる振動が上下方向入力されて、振動部材に固定されたハウジング42内に収容配置された2つのマス部材46a,46bが、ハウジング42から独立して収容空間44,44内で飛び跳ね変位せしめられて、ハウジング42と弾性壁62,62に対して打ち当たり(当接)することとなる。それ故、本実施形態の制振装置40においても、第一の実施形態と同様な制振効果が、何れも有効に発揮されるのである。
【0054】
そこにおいて、本実施形態の制振装置40においては、2つのマス部材46a,46bの外周面を被覆する当接層66a,66bが、互いに異なる材質で形成されて、2つのマス部材46a,46bのハウジング42に対する当接部のばね定数が互いに異なるように設定されていることから、2つのマス部材46a,46bのハウジング42に対する相対変位が、互いに異なる周波数域で共振的作用を持つように、容易にチューニングすることが可能となり、それによって、例えば自動車で問題となり易いシェイクとアイドリング振動、或いは走行こもり音等、複数の乃至は広い周波数域の振動に対して、それぞれ有効な制振効果を得ることが出来るのである。
【0055】
また、図4には、本発明の第四の実施形態としての制振装置68が示されている。なお、本実施形態において、第三の実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、図中に、第三の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0056】
すなわち、本実施形態の制振装置68は、第三の実施形態の制振装置(40)に比して、ハウジング42の窓58,58に設けられた弾性壁62a,62bが、互いに異なる材質によって形成されている。また、収容空間44の周壁を構成する上下壁部と周壁部の全体に亘って、当接部を構成する弾性材としてのゴム弾性体が被着形成されている。更に、マス部材46が金属材のみによって形成されており、外周面に当接層(66a,66b)が被着形成されていない。
【0057】
より詳細には、ハウジング42の窓58,58に設けられた弾性壁62a,62bは、互いに異なる材質によって形成されており、それによって、ハウジング42のマス部材46に対する当接部におけるばね定数が互いに異なるように設定されている。また、ハウジング本体48に形成された収容穴52,52の内周面には、それぞれ、その全体に亘って、略一定の肉厚で広がる被覆ゴム70a,70bが被着形成されている。なお、本実施形態では、かかる被覆ゴム70a,70bは、弾性壁62a,62bと一体形成されて、ハウジング本体48に加硫接着されている。また、ハウジング蓋体50の下面には、収容穴52,52が形成された位置において、それぞれ、当接ゴム72a,72bが被覆ゴム70a,70bと略同じ肉厚をもって、収容空間44,44の全体に亘って広がる大きさで被着形成されている。なお、当接ゴム72a,72bは、収容穴52,52の内周面を被覆している被覆ゴム70a,70b(弾性壁62a,62b)と同一の材質で形成されていても良いし、異なる材質で形成されていても良い。
【0058】
このような構造とされた本実施形態の制振装置68も、第三の実施形態の制振装置(40)と同様に振動部材に装着されることとなり、防振すべき上下方向の振動が入力されると、振動部材に固定されたハウジング42内に収容配置された2つのマス部材46,46が、ハウジング42から独立して収容空間44,44内で飛び跳ね変位せしめられて、ハウジング42と弾性壁62a,62bに対して打ち当たり(当接)することとなる。それ故、本実施形態の制振装置68においても、第一の実施形態と同様な制振効果が、何れも有効に発揮され得るのである。
【0059】
そこにおいて、本実施形態の制振装置68においては、2つの弾性壁62a,62bが、互いに異なる材質によって形成されて、ハウジング42の2つのマス部材46,46に対する当接部におけるばね定数が互いに異なるように設定されていることから、2つのマス部材46,46のハウジング42に対する相対変位が、互いに異なる周波数域で共振的作用を持つように、容易にチューニングすることが可能となり、それによって、複数の乃至は広い周波数域の振動に対して、それぞれ有効な制振効果を得ることが可能となるのである。
【0060】
また、図5には、本発明の第五の実施形態としての制振装置74が示されている。なお、本実施形態において、第四の実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、図中に、第四の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0061】
すなわち、本実施形態の制振装置74は、第四の実施形態の制振装置(68)と比して、ハウジング42の収容空間44a,44bの大きさが異なっており、それに伴って、収容空間44a,44bに収容配置されるマス部材46a,46bの体積が異なっている。また、ハウジング42の窓58a,58bに設けられた弾性壁62a,62bは、第三の実施形態と同様に同じ材質によって形成されている。
【0062】
より詳細には、ハウジング本体48は、一方の面において長手方向中央部分に段差が形成されており、それによって、収容穴52aの軸方向(深さ)寸法が、収容穴52bの軸方向(深さ)寸法よりも小さくされている。また、収容穴52aの内径寸法は、収容穴52aの深さ寸法と略同じとされている。更にまた、マス部材46aの体積は、マス部材46bの体積よりも小さくされている。ここにおいて、本実施形態では、2つのマス部材46a,46bは、同一の金属材によって形成されており、それによって、2つのマス部材46a,46bの質量が互いに異なるように設定されている。また、収容穴52a,52bの開口部は、ハウジング蓋体50を長手方向に二つに分割した蓋体76a,76bが重ね合わせられて固着されることにより、それぞれ、覆蓋されている。なお、当接ゴム72a,72bの材質は、何れも、弾性壁62a,62bの材質と同じとされている。
【0063】
このような構造とされた本実施形態の制振装置74も、第三の実施形態の制振装置(40)と同様に振動部材に装着されることとなり、防振すべき上下方向の振動が入力されると、振動部材に固定されたハウジング42内に収容配置された2つのマス部材46a,46bが、ハウジング42から独立して収容空間44a,44b内で飛び跳ね変位せしめられて、ハウジング42と弾性壁62a,62bに対して打ち当たり(当接)することとなる。それ故、本実施形態の制振装置74においても、第一の実施形態と同様な制振効果が、何れも、有効に発揮され得るのである。
【0064】
ここにおいて、本実施形態の制振装置74では、2つのマス部材46a,46bの質量が互いに異なるように設定されていることから、2つのマス部材46a,46bのハウジング42に対する相対変位が、互いに異なる周波数域で共振的作用を持つように、容易にチューニングすることが可能となり、それによって、複数の乃至は広い周波数域の振動に対して、それぞれ有効な制振効果を得ることが可能となるのである。
【0065】
特に、本実施形態では、マス部材46bよりもマス部材46aの質量が小さくされていると共に、弾性壁62bよりも弾性壁62aの動ばね定数が大きく設定されており、それによって、マス部材46bのハウジング42への当接作用に基づく制振効果が発揮される周波数域が、マス部材46aのハウジング42への当接作用に基づく制振効果が発揮される周波数域よりも低周波側に設定されている。
【0066】
以上、本発明の幾つかの実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
【0067】
例えば、前記実施形態において、マス部材を中実乃至は中空の円筒形状や球形状等とすることも可能であり、また、ハウジングも、矩形箱体形状や球殻形状などの各種の形状が採用される。具体的には、ハウジングを一定断面で延びる長手中空構造とすると共に、マス部材をロッド形状とすることも可能であり、それによって、マス部材及び/又はハウジングの構造材として押出成形材や引抜成形材を採用することも可能となる。
【0068】
また、前記実施形態では、ハウジング12,42の下方のみに振動部材側の当接部(弾性壁28,62)が設けられていたが、ハウジング12、42の上方に設けることも可能である。更に、ハウジング12,42の上方と下方、両方に振動部材側の当接部(弾性壁28,62)を設けることも可能であり、そのような場合において、各当接部のばね定数は、同じであっても良いし、互いに異なっていても良い。
【0069】
更にまた、前記第四の実施形態において、2つのマス部材46,46が当接せしめられるハウジング42の当接部(弾性壁62a,62b)におけるばね定数を互いに異ならせるために、2つの弾性壁62a,62bを互いに異なる材質のゴム弾性体によって形成していたが、例えば、それら2つの弾性壁を同じ材質で形成する場合には、2つの弾性壁の外周縁部が加硫接着される各支持部の内径寸法、即ち、それぞれの窓の内径寸法を互いに異ならせることにより、それら2つの弾性壁の自由長を互いに異ならせて、ハウジングの各当接部のばね定数を互いに異ならせるようにしても良く、或いは、2つの弾性壁の厚さ寸法を互いに異ならせるようにしても良い。
【0070】
また、前記実施形態では、一つ又は二つのマス部材が配設されていたが、一つのハウジング内に、三つ以上のマス部材を相互に独立して、配設しても良い。その場合に、各マス部材の質量や大きさ,当接部におけるばね定数、或いはそれらマス部材が当接せしめられるハウジングにおける当接部のばね定数等を、相互に異ならせることも、勿論、可能である。
【0071】
また、前記第五の実施形態において、2つのマス部材46a,46bを同一の金属材によって形成すると共に、それら2つのマス部材46a,46bの体積を異ならせることによって、2つのマス部材46a,46bの質量を異ならせていたが、2つのマス部材の体積を同じとすると共に、2つのマス部材を異なった材質で形成することによって、或いは、2つのマス部材の外形形状を同一とすると共に、一方のマス部材を中空構造し、他方のマス部材を中実構造とすることによって、2つのマス部材の質量を異ならせることも可能である。
【0072】
また、前記実施形態では、一つの収容空間に対して一つのマス部材が収容配置されていたが、一つの収容空間に対して複数のマス部材を収容配置することも可能であり、そのような場合においては、複数のマス部材を振動入力方向に対して並列に配置することが望ましい。
【0073】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0074】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた制振装置においては、マス部材と振動部材の当接部における耐久性を確保しつつ、マス部材と振動部材の当接部におけるばね定数を容易に下げることが出来るのであり、それによって、車両において問題となる低周波振動に対しても、マス部材の振動部材に対する飛び跳ね的な相対変位が有利に生ぜしめられて、マス部材の振動部材に対する打ち当りによる制振効果が一層効果的に発揮され得ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としての制振装置を示す断面図である。
【図2】本発明の第二の実施形態としての制振装置を示す断面図である。
【図3】本発明の第三の実施形態としての制振装置を示す断面図である。
【図4】本発明の第四の実施形態としての制振装置を示す断面図である。
【図5】本発明の第五の実施形態としての制振装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10,36,40,68,74 制振装置
16,46 マス部材
28,62 弾性壁

Claims (8)

  1. 振動部材に対して、マス部材を非接着で独立変位可能に配設して、該マス部材が該振動部材に対して飛び上がって飛び跳ね変位せしめられて該マス部材が該振動部材に対して打ち当たって直接的且つ弾性的に当接せしめられることにより制振効果が発揮されるようにした車両用制振装置において、
    前記振動部材に中空構造を有する剛性のハウジングを固定的に設けて、該ハウジングに前記マス部材を収容配置すると共に、該ハウジングの壁部を部分的に弾性材で構成することにより、該マス部材が当接せしめられる当接部を該弾性材で形成して、該当接部が該マス部材の打ち当たりに伴う当接方向の荷重によって剪断変形せしめられるようにしたことを特徴とする車両用制振装置。
  2. 前記マス部材を、その主たる形成材として金属材を用いて形成する一方、前記ハウジングの内周面を、前記当接部を構成する前記弾性材で一体的に被覆せしめた請求項に記載の車両用制振装置。
  3. 前記マス部材を、互いに独立して複数設けると共に、それら複数のマス部材の質量を互いに異ならせた請求項又はに記載の車両用制振装置。
  4. 前記マス部材を、互いに独立して複数設けると共に、前記ハウジングにおけるそれら各マス部材の当接部の少なくとも一つを、該マス部材の当接方向の荷重によって剪断変形せしめられる弾性材で構成し、且つそれら各マス部材のハウジングに対する当接部におけるばね定数を互いに異ならせた請求項乃至の何れかに記載の車両用制振装置。
  5. 前記マス部材における単体の質量が10〜1000gである請求項1乃至の何れかに記載の車両用制振装置。
  6. 前記マス部材が前記振動部材に対して振動入力方向の両側でそれぞれ当接せしめられるようにすると共に、かかる振動入力方向両側での当接部間における該マス部材の往復可動距離を、振動入力方向で0.1〜1.6mmとした請求項1乃至の何れかに記載の車両用制振装置。
  7. 前記振動部材と前記マス部材の少なくとも一方の当接面が、ショアD硬さ80以下とされている請求項1乃至の何れかに記載の車両用制振装置。
  8. 前記マス部材の総質量が、前記振動部材の質量の5〜10%である請求項1乃至の何れかに記載の車両用制振装置。
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