JP2001241494A - 車両用制振装置 - Google Patents

車両用制振装置

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JP2001241494A
JP2001241494A JP2000055464A JP2000055464A JP2001241494A JP 2001241494 A JP2001241494 A JP 2001241494A JP 2000055464 A JP2000055464 A JP 2000055464A JP 2000055464 A JP2000055464 A JP 2000055464A JP 2001241494 A JP2001241494 A JP 2001241494A
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vibration damping
mass
damping device
housing
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JP2000055464A
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Koichi Hasegawa
浩一 長谷川
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Priority to US09/796,087 priority patent/US6536566B2/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マス部材のハウジング部材への当接作用に基
づいて制振効果を得るようにした制振装置において、低
周波数域の制振効果の向上を図ること。 【解決手段】 独立マス部材16における、ハウジング
14に対する当接面40上に、弾性材からなる当接突起
42を形成して、独立マス部材16の外周面の動的ばね
特性を柔らかくした。これにより、独立マス部材16の
飛び跳ね共振周波数を低周波側にチューニングし得たの
であり、以て、独立マス部材16の飛び跳ね共振を上手
く利用して、低周波数域においても、独立マス部材16
がハウジング14に対して当接せしめられるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、車両の振動部材に装着されて該
振動部材の振動を低減する車両用制振装置に係り、例え
ば、自動車のサスペンションアーム,サブフレーム,ボ
デーパネル,エンジンユニット,マウントブラケット,
排気系部材などの振動部材に適用されることにより有効
な制振効果を発揮し得る、新規な構造の車両用制振装置
に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、自動車等の車両において問題と
なる振動を低減する手法としては、振動部材にマス材
を固設するマスダンパや、振動部材にバネ材を介して
マス材を連結支持せしめるダイナミックダンパ、更に、
振動部材の表面にシート状弾性材を貼着した制振材
が、知られている。ところが、上記マスダンパとダ
イナミックダンパは、何れも、大きなマス材の質量が必
要になることに加えて、有効な制振効果の発揮される周
波数域が狭いという問題があった。また、上記制振材
は、広い貼着面積が必要になると共に、重量が嵩むとい
う問題があった。更に、上記ダイナミックダンパと
制振材は、制振効果の温度依存性が高いために、目的と
する制振効果を安定して得ることが難しいという問題も
あったのである。
【0003】そこで、本出願人は、先の国際出願(PC
T/JP98/05530)において、振動部材に固定
されるハウジングに対して、隙間を隔てて非接着で相対
変位可能に独立マス部材を配設せしめて、振動入力時
に、かかる独立マス部材を、ゴム等の弾性体を介して、
ハウジングに当接させることにより、当接時における滑
り摩擦と衝突によるエネルギ損失を利用して制振効果を
得るようにした、新規な構造の車両用制振装置を提案し
た。このような構造の車両用制振装置においては、小さ
なマス質量により、広い周波数域に亘る振動に対して有
効な制振効果を得ることが出来るのである。
【0004】ところで、かかる先の国際出願に記載され
た車両用制振装置においては、本発明者等による実験お
よび検討の結果、従来のダイナミックダンパと異なり高
精度な周波数チューニングを必要とすることなく、周波
数帯レベルのチューニングによって有効な制振効果を得
ることが出来、その周波数帯は、独立マス部材の質量と
独立マス部材のハウジングに対する当接部位の動的ばね
定数に依存することが明らかとなった。具体的には、独
立マス部材の当接面を構成する弾性材として、同一硬度
のものであっても、低動ばね系の弾性体を使用すること
によって100〜700Hzの低周波数帯で有効な制振効
果を得ることが出来ると共に、高動ばね系の弾性体を使
用することによって200〜1000Hzの高周波数帯で
有効な制振効果を得ることが出来、更に硬度を大きくす
れば1000Hz以上の高周波数帯でも有効な制振効果を
得ることが可能となる。
【0005】しかしながら、一方では、当接面を構成す
る弾性材の材料特性の調節では、低周波数域へのチュー
ニングに限界があり、当接面を構成する弾性材として低
動ばね系の弾性体を採用し、且つ硬度を小さくしても、
100Hz以下の低周波数域で有効な制振効果を得ること
が難しいという事実も、明らかとなったのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、低周波数域においても有効な制振効果を発
揮し得る車両用制振装置を提供することにある。
【0007】
【解決手段】すなわち、前述の如き先の国際出願に係る
車両用制振装置について本発明者等が更なる実験と検討
を行ったところ、かかる車両用制振装置が、100Hz以
下の低周波数域の振動の全てに制振効果を発揮し得ない
のではなく、振動部材における振動が、そのような低周
波数域で独立マス部材をハウジングから飛び跳ねさせる
だけの振動エネルギーを持っていないことが原因に過ぎ
ず、100Hz以下の低周波振動であっても、独立マスを
ハウジングから飛び跳ねさせるだけの振動エネルギを持
った振動に対しては、有効な制振効果を発揮し得ること
が確認されたのであり、本発明は、そのような新たな知
見に基づいて完成されたものである。
【0008】以下、上述の如き課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様で採用される各構成要素は、何れも、可能な限り任
意の組み合わせで採用することが出来る。また、本発明
の態様および技術的特徴は、以下に記載のものに限定さ
れることなく、明細書全体および図面に記載され、或い
はそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明
思想に基づいて認識されるものであることが理解される
べきである。
【0009】すなわち、車両用制振装置に関する本発明
の第一の態様は、振動部材に固定的に設けられた剛性の
ハウジングに対して、独立マス部材を、振動入力方向に
隙間を隔てて相対変位可能に非接着で対向配置せしめる
と共に、該独立マス部材における該ハウジングに対する
対向面上に、振動入力方向に向かって突出する当接突起
を弾性材によって設けて、該当接突起の先端面によって
該独立マス部材が該ハウジングに対して振動入力方向で
当接せしめられるようにしたことを、特徴とする。
【0010】このような本態様に従う構造とされた車両
用制振装置においては、独立マス部材のハウジングに対
する当接部位が弾性材からなる自由表面の大きな当接突
起によって形成されることから、当接部位の動ばね特性
が柔らかくされて、独立マス部材の飛び跳ね共振周波数
を、低周波数域にチューニングすることが可能となる。
その結果、低周波数域の振動入力時において、入力振動
のエネルギが小さくても、独立マス部材の飛び跳ね共振
作用を利用して、独立マス部材をハウジングから飛び跳
ねさせて離隔させ、衝突させることが出来るのであり、
それによって、低周波数域の振動に対しても、有効な制
振効果を得ることが可能となるのである。
【0011】また、本態様に係る車両用制振装置におい
て、ハウジングは、例えば鉄,アルミニウム合金等の金
属材や合成樹脂材で形成することが可能であり、独立マ
ス部材を支持するための剛性と制振効果を有利に確保す
るために、弾性率が5×10 4 MPa以上の剛性材が好
適に採用される。なお、本態様においては、ハウジング
を、弾性率が5×103 〜5×104 MPaである合成
樹脂材等の剛性材によって形成することも可能であり、
例えば、打音の低減や制振特性のチューニングなどに有
効である。また、そのような比較的剛性が低いハウジン
グを採用する場合には、独立マス部材とハウジングの弾
性的な当接面における弾性率をハウジングの弾性率より
も低くすることが望ましく、より好適には、かかる当接
面の弾性率が1〜102 MPaとされることとなり、そ
れによって、ハウジングの強度や耐久性が有利に確保さ
れると共に、例えば低周波数域の制振効果の向上等も可
能となる。更に、独立マス部材のハウジングに対する飛
び跳ね共振周波数は、要求される制振効果等を考慮して
決定されるものであって、特に限定されるものでない
が、100Hz以下の低周波振動に対して有効な制振効果
を得るためには、かかる飛び跳ね共振周波数を100Hz
以下にチューニングすることが望ましい。なお、独立マ
ス部材の飛び跳ね共振周波数を、例えば100Hzにチュ
ーニングした場合には、ブロード的な共振特性によっ
て、一般に50Hz付近から上の周波数域の振動に対して
有効な制振効果を得ることが可能となる。
【0012】更にまた、独立マス部材は、その全体をゴ
ム弾性体や合成樹脂材、或いはそれらの発泡材の如き弾
性材で形成したり、そのような弾性材に対して補強的に
金属等の剛性材を固着して形成することも可能である。
そして、そのように弾性材を用いて独立マス部材を形成
する場合には、かかる弾性材によって当接突起を一体形
成することが望ましく、それによって、構造の簡略化と
製作性の向上が図られ得る。
【0013】或いはまた、独立マス部材を、金属や石等
の高比重の剛性材からなるマス本体を含んで構成せしめ
て、該マス本体の外周面上に、弾性材で形成された前記
当接突起を設けることも可能であり、そのような構造を
採用すれば、コンパクトなサイズで独立マス部材の質量
を確保することが出来ると共に、独立マス部材全体の変
形を防止して、独立マス部材の変位特性、ひいては制振
効果を安定化させることが可能となる。更に、剛性のマ
ス本体を採用する場合には、マス本体の外周面上に略一
定厚さで広がる弾性材層を被着すると共に、該弾性材層
の表面に当接突起を一体形成することも可能であり、そ
れによって、独立マス部材の飛び跳ね共振周波数を、よ
り低周波数域にチューニングすることが可能となって、
チューニング自由度の更なる拡大が図られ得る。
【0014】また、独立マス部材の当接面に形成される
当接突起の具体的形状や数,材質等は、特に限定される
ものでなく、独立マス部材の質量や要求される制振特性
等に応じて適宜に設定されるものであるが、低周波振動
に対する制振効果と部材耐久性を確保するためには、か
かる当接突起の突出高さを0.5〜1.0mmとし、且つ
幅寸法を1.0〜3.0mmとすることが望ましい。更
に、当接突起の材質としても、ハウジングへの当接時の
打音低減や制振効果の向上等のためには、ASTM規格
D2240のショアD硬さが80以下とされた弾性材に
よって形成することが好ましく、より好適にはショアD
硬さ20〜40のものが採用される。また、当接突起の
形態としては、例えば、独立マス部材の任意の方向に直
線的乃至は曲線的に連続乃至は不連続に形成される突条
形態のものや、多数独立して形成される独立突起形状の
ものなどが、独立マス部材の形状や要求される弾性特性
等に応じて、何れも採用可能である。具体的には、例え
ば、独立マス部材が、略一定断面で延びる長手形状とさ
れている場合には、その外周面上を周方向に連続して延
びる突条形態をもって形成された当接突起が好適に採用
されることとなり、それによって、独立マス部材の変位
特性、ひいては制振効果の安定化が図られ得る。また、
当接突起は、独立マス部材から制振すべき振動入力方向
に向かって突設して、振動入力時におけるハウジングへ
の当接時に主に圧縮変形が生ぜしめられるようにするこ
とが望ましく、それによって優れた耐久性が実現され
る。
【0015】更にまた、かかる当接突起は、例えば、独
立マス部材の表面に対して加硫接着等で固着形成される
他、独立マス部材に対して取り外し可能なカバー部材に
一体形成されていても良い。或いは、独立マス部材を、
略一定断面で延びる長手形状を有する剛性のマス本体を
含んで構成して、該マス本体の外周面上に環状の弾性リ
ングを外挿装着することによって、当接突起を形成する
ことも可能である。このような弾性リングによって当接
突起を形成することにより、当接突起を容易に形成する
ことが可能となると共に、劣化した場合に交換も容易に
行うことが出来る。なお、独立マス部材の表面に対し
て、弾性リングの位置決め用の凹所等を形成しても良
い。
【0016】さらに、独立マス部材における当接突起の
先端面とハウジング内面との当接部位における対向面間
距離、即ち、防振すべき振動入力方向での当接面間の隙
間寸法は、有効な制振効果を得るために、0.1〜0.
8mmとすることが好ましく、より好ましくは0.1〜
0.5mmとされる。
【0017】また、独立マス部材の質量は、重量増加を
抑えつつ有効な制振効果を得るために、前記振動部材の
質量の5〜10%に設定することが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の実施形態について、図面を参
照しつつ、詳細に説明する。
【0019】先ず、図1〜2には、本発明の第一の実施
形態としての車両用制振装置10が示されている。この
制振装置10は、収容空所12を備えた有底円筒形状を
有する中空のハウジング部材14に対して、その収容空
所12にマス部材16を収容せしめた構造とされてい
る。また、本実施形態では、ハウジング部材14が振動
部材によって構成されている。なお、以下の説明におい
て上下方向とは、原則として、図1中の上下方向をいう
ものとする。
【0020】より詳細には、ハウジング部材14は、ハ
ウジング本体18と蓋体20,20によって構成されて
いる。ハウジング本体18は、略一定の断面形状で長手
状に延びる中空の円筒形状とされており、その内部に
は、軸方向に貫通した中空孔22が形成されている。な
お、このハウジング本体18は、アルミニウム合金等の
金属材を中空パイプ状に押出成形した押出品を、その押
出方向の適当な長さで切断することによって、形成する
ことが出来る。
【0021】一方、各蓋体20は、厚肉円板形状を有し
ており、ハウジング本体18と同様な材質を用いて、プ
レス加工等によって形成可能である。また、各蓋体20
の外径寸法が、ハウジング本体18の内径寸法よりも僅
かに小さく設定されており、各蓋体20を中空孔22に
圧入固定することによって、ハウジング本体18に組付
けることが出来るようになっている。即ち、一対の蓋体
20,20をハウジング本体18の軸方向両側に組み付
けることにより、ハウジング本体18における中空孔2
2の両側開口が蓋体20,20によって、覆蓋されるこ
ととなり、これにより、ハウジング部材14の内部に、
ハウジング本体18の内周面24および蓋体20,20
の各内側面26,26によって周壁面が構成された円柱
形状の収容空所12が形成されている。
【0022】なお、これらのハウジング本体18および
各蓋体20の材質としては、特に、弾性率が5×104
MPa以上の剛性材が何れも好適に採用される。
【0023】また、収容空所12には、該収容空所12
の内壁面よりも一回り小さな表面形状を有する略円柱形
状のマス部材16が収容配置されている。このマス部材
16は、マス本体としての金属マス28およびゴム弾性
体層30を備えている。金属マス28は、鉄等の金属材
から形成されており、中実の円形ロッド形状を有してお
り、ハウジング部材14の収容空所12に、その中心軸
が略平行となる状態で収容配置されている。そして、こ
の金属マス28の外周面に対して、ゴム弾性体層30が
被着されている。また、かかるゴム弾性体層30は、金
属マス28の外周面32を全面に亘って覆う厚肉略円筒
状の厚肉筒部34と、金属マス28の軸方向両端面を外
周縁部において覆う円環形状の薄肉環状部38,38に
よって構成されている。
【0024】また、ゴム弾性体層30における厚肉筒部
34には、径方向外方に向かって突出する複数条の環状
突条42が、一体形成されている。これらの各環状突条
42は、ゴム弾性体層30の軸方向両端部近くにおい
て、それぞれ2条ずつ、軸方向で相互に所定距離を隔て
て形成されている。より具体的には、厚肉筒部34は、
その中央部分35が一定外径寸法で軸方向方向に延びて
いると共に、軸方向両端部分には、それぞれ、周方向に
連続して延びる第一及び第二の環状凹溝46a,46b
と、周方向に連続して延びる第一及び第二の環状突条4
2a,42bが、軸方向で交互に並んで形成されてい
る。これら第一及び第二の環状凹溝46a,,46b
は、厚肉筒部34の外周面に開口する円弧凹状の断面形
状を有していると共に、第一及び第二の環状突条42
a,42bは、厚肉筒部34の外周面上に突出する円弧
凸状の断面形状を有している。これにより、各環状突条
42a,42bは、何れも、径方向外方に向かうにつれ
て次第に軸方向で小幅化されており、断面が先細形状と
された突出先端部44a,44bが形成されている。
【0025】すなわち、厚肉筒部34の軸方向両端部に
は、第一環状突条42aの軸方向内方に隣接して第一環
状凹溝46aが形成されていると共に、第二環状突条4
2bの軸方向内方に隣接して第二環状凹溝46bがそれ
ぞれ形成されている。換言すれば、各両側環状凹溝46
aと46bとの間に各第一環状突条42aが設けられて
いると共に、各第二環状凹溝46bと厚肉部34の軸方
向各端面48との間に各第二環状突条42bが設けられ
ている。これにより、各環状突条42a,42bの自由
表面が大きく確保されて、動的ばね特性が柔らかくされ
ている。なお、各環状突条42a,42bや各環状凹溝
46a,46bの具体的形状は、何等限定されるもので
はないが、本実施形態では、例えば、第一環状突条42
aは、第二環状突条42bよりもその軸方向寸法が大き
くされていると共に、第二環状凹溝46bは、第一環状
凹溝46aよりもその溝深さが深くされている。
【0026】更に、ゴム弾性体層30を含むマス部材1
6の外径寸法が収容空所12の径方向寸法より僅かに小
さくされている。これにより、マス部材16がハウジン
グ部材14の収容空所12内で独立して自由変位可能に
配置されている。また、マス部材16は、収容空所12
内に非接着で配設されており、ハウジング部材14に対
して、独立して相対変位可能とされているのであり、以
て、本実施形態では、マス部材16によって独立マス部
材が構成されている。
【0027】また、マス部材16のゴム弾性体層30を
含む外径寸法は、ハウジング本体18の内周面24の内
径寸法よりも所定量だけ小さくされていることにより、
ハウジング部材14とマス部材16を同心的に収容空所
12内に配設せしめた状態下においては、マス部材16
におけるゴム弾性体層30の外周面(各環状突条42
a,42bの外周面)とハウジング本体18の内周面2
4との間に、径方向の隙間寸法(2δ)の半分の寸法:
δで全周に亘って広がる円筒状の隙間50が形成されて
いる。また一方、マス部材16のゴム弾性体層30を含
む軸方向寸法が、収容空所12の軸方向寸法(両蓋体2
0,20の軸方向対向面間距離)よりも小さくされてい
ることにより、マス部材16の軸方向両側の外方におい
ても、ゴム弾性体層30の軸方向端面48,48と蓋体
20,20の内側面26,26との軸方向対向面間に、
軸直角方向に広がる薄肉の円板状隙間52,52が、径
方向の隙間50と略同じ軸方向の隙間寸法(2δ′)の
半分の寸法:δ′で形成されるようになっている。な
お、制振装置10の静置状態下では、マス部材16が、
重力によって、ハウジング部材14の底壁部54上に重
ね合わされて支持されることとなり、従って、マス部材
16の上方だけに、隙間50が、隙間寸法:2δで形成
されることとなる。
【0028】このことにより、マス部材16がハウジン
グ部材14に対して軸直角方向に相対変位せしめられた
際には、何れの軸直角方向においても、マス部材16の
外周面がハウジング本体18の内周面24に対して、隙
間50の寸法:δに相当する変位量(隙間寸法:2δの
相対振幅)で、ゴム弾性体層30を介して当接せしめら
れるようになっている。また、マス部材16がハウジン
グ部材14に対して軸方向に相対変位せしめられた際に
は、マス部材16の軸方向端面48,48が、蓋体2
0,20の内側面26,26に対して、円板状隙間52
の寸法:δ′に相当する変位量(隙間寸法:2δ′の相
対振幅)で、ゴム弾性体層30を介して当接せしめられ
るようになっている。
【0029】なお、ゴム弾性体層30の材質は、特に限
定されるものでなく、天然ゴムやイソプレンゴム,ブタ
ジエンゴム,スチレンゴム等、公知の各種のゴム材が採
用可能であるが、打音軽減効果を有効に得るために、シ
ョアD硬さを80以下に設定することが望ましく、より
望ましくはショアD硬さが20〜40に設定される。
【0030】また、ゴム弾性体層30の表面とハウジン
グ部材14における収容空所12の内面との間の隙間5
0および円板状隙間52,52の隙間寸法:2δ,2
δ′は、打音の軽減のためと、ハウジング部材14の板
厚方向の振動に対して有効な制振効果を得るために、
0.1〜0.8mm、好ましくは、0.1〜0.5mm
に設定されており、マス部材16を収容空所12の高さ
方向中央に位置せしめた状態下で、マス部材16の板厚
方向両側において、半分の隙間:δ(δ=0.05〜
0.4mm)が生ぜしめられるようになっている。
【0031】そして、このような構造とされた制振装置
10は、例えば、ハウジング部材14を自動車のサスペ
ンションアームやシリンダヘッドカバー等の振動部材に
対して固定的に取り付けられることにより、或いはその
ような振動部材によってハウジングを構成することによ
って、振動部材に対して装着される。
【0032】このような構造とされた制振装置10にお
いては、ゴム弾性体層30を含むマス部材16が、ゴム
弾性体層30の表面とハウジング部材14の内周面との
間に所定距離を隔てた状態で、収容空所12内において
ハウジング部材14に対して相対変位可能に収容配設さ
れていることから、振動入力時には、収容空所12内に
おいて、マス部材16が飛び跳ね変位せしめられて、マ
ス部材16がハウジング部材14に対して、振動入力方
向で打ち当たり当接せしめられることとなる。即ち、軸
直角方向の振動入力時には、両部材14,16が、隙間
50の軸直角方向隙間寸法:δに相当する変位量、即ち
2δの相対振幅で相対変位せしめられて、金属マス28
の外周面32が、ゴム弾性体層30を介して、ハウジン
グ部材14の径方向内面(ハウジング本体18の内周面
24)に対して当接せしめられることとなる。一方、軸
方向の振動入力時には、両部材14,16が、円板状隙
間52の軸方向隙間寸法:δ′に相当する変位量、即ち
2δ′の相対振幅で相対変位せしめられて、マス部材1
6の軸方向両端面48,48が、ゴム弾性体層30を介
して、ハウジング部材14の軸方向内面(蓋体20,2
0)の各内側面26,26)に対して当接せしめられる
こととなる。
【0033】これにより、マス部材16がハウジング部
材14に対して当接せしめられる際の両部材14,16
間での衝突作用やゴム弾性体層30の弾性変形に伴う滑
り摩擦作用によって、振動部材における振動エネルギが
吸収乃至は減衰されて、振動部材に対して制振効果が発
揮されるのである。
【0034】しかも、このような制振装置10において
は、ハウジング部材14に対して独立的に飛び跳ね変位
せしめられるマス部材16のハウジング部材14に対す
る打ち当たりに基づくエネルギ損失を利用して制振効果
が発揮されることから、制振効果の周波数依存性が低
く、温度変化等に伴うゴム弾性体層30のばね特性の変
化による制振特性への影響も小さいのであり、それ故、
広い周波数域の振動に対して有効な制振効果を安定して
発揮し得るのである。
【0035】さらに、マス部材16の表面は、全面にわ
たってゴム弾性体層30で被覆されており、マス部材1
6とハウジング部材14がゴム弾性体30を介して弾性
的に当接せしめらることから、当接による衝突音の発生
が軽減乃至は回避され得る。
【0036】ここにおいて、制振装置10により発揮さ
れる制振特性は、マス部材16とハウジング部材14の
当接面間における隙間寸法の影響を受けるが、特に、本
実施形態の制振装置10では、マス部材16におけるゴ
ム弾性体層30およびハウジング部材14の軸直角方向
内周面(ハウジング本体18の内周面24)が、何れも
相互に同心的な略円筒面形状とされていることから、軸
直角方向では、何れの方向においても、マス部材16の
ハウジング部材14に対する相対的な変位許容量が略一
定とされている。従って、本実施形態の制振装置10で
は、何れの軸直角方向においても、入力される振動に対
して、略同様な制振効果を発揮し得るのであり、それ
故、振動部材に対する装着時に取付方向を特に注意する
必要がなく、任意の方向に取り付けても、目的とする制
振効果を有効に得ることが出来るのである。
【0037】また特に、本実施形態の制振装置10にお
いては、マス部材16を被覆するゴム弾性体層30の突
出先端面40の表面上に環状突条42a,42bが設け
られており、それら環状突条42a,42bによってマ
ス部材16がハウジング部材14に対して弾性的に当接
せしめられるようになっていることから、環状突条42
a,42bを含むゴム弾性体層30の突出先端面40の
支持ばね特性が柔らかく設定されることとなる。これに
より、軸直角方向の入力振動に対しては、マス部材16
のハウジング部材14に対する飛び跳ね共振周波数を低
周波側にチューニングすることが出来る。その結果、よ
り小さな振動エネルギーでマス部材16をハウジング部
材14に対して飛び跳ね変位させやすくすることが出来
るのであり、低周波数帯の振動によっても、振動入力方
向におけるマス部材16とハウジング部材14の衝突に
よる制振効果が有効に発揮せしめられるのである。
【0038】しかも、このように支持ばね特性が柔らか
くされた環状突条42a,42bによってマス部材16
がハウジング部材14に対して弾性的に当接せしめられ
ることから、軸直角方向の入力振動に際して、マス部材
16のハウジング部材14への当接による打音の発生
が、一層有利に軽減され得るのである。
【0039】次に、図3には、本発明の第二の実施形態
としての制振装置56が示されている。なお、以下の実
施形態において、前記第一の実施形態と同様な構造とさ
れた部材および部位については、図中に、第一の実施形
態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説
明を省略する。
【0040】即ち、本実施形態の制振装置56における
第一の実施形態との最も大きな相違点は、独立マス部材
として、前記第一の実施形態におけるマス部材16と異
なる構造とされたマス部材58が用いられていることで
ある。
【0041】このマス部材58は、マス本体としてのロ
ッド形状を有する金属マス60の両端部に対して、ゴム
弾性体からなるゴムキャップ62,62が被着された構
造とされている。より具体的には、ゴムキャップ62
は、筒状部64と底板部66を有しており、金属マス6
0の軸方向両端部に外挿状態で装着されている。これに
より、金属マス60の両端部の外周面上が、円筒形状の
筒状部64,64によって周方向に連続して被覆されて
いると共に、金属マス60の軸方向両端面が、全面に亘
って軸直角方向に円板形状をもって広がる底板部66,
66によって被覆されている。
【0042】更にまた、ゴムキャップ62における各筒
状部64の外周面68には、径方向外方に向かって突出
する複数条の環状突条70が、一体形成されている。こ
れらの各環状突条70は、各筒状部64に対してそれぞ
れ3条づつ、突出先端面68上を周方向に連続して形成
されており、相互に軸方向に離隔配置されている。具体
的には、各筒状部64の各突出先端面68上において、
軸方向内側から外側へ向かって、それぞれ環状突条70
a,70b,70cが相互に所定距離を隔てて設けられ
ている。また、これらの各環状突条70a,70b,7
0cは、何れも、径方向外方に向かうにつれて次第に小
幅化されており、それにより、各環状突条70a,70
b,70cの各突出先端部72a,72b,72cは先
細形状に形成されている。そして、これらの環状突条7
0a〜cによって、マス部材58がハウジング部材14
に対して弾性的に当接せしめられるようになっているの
であり、このことから明らかなように、本実施形態で
は、各環状突条70a〜cによって当接突起が構成され
ているのである。
【0043】このような構造とされた制振装置56によ
れば、軸直角方向の入力振動に対しては、ゴムキャップ
62の突出先端面68よりも動的ばね特性が柔らかくさ
れた各環状突条70によって、マス部材58が、ハウジ
ング部材14に対して弾性的に当接せしめられるように
なっていると共に、軸方向の入力振動に対しては、マス
部材58の軸方向両端面75,75が蓋体20,20の
内側面26,26に対して弾性的に当接せしめられるこ
とから、第一の実施形態と同様な制振効果が有利に発揮
せしめられるのである。
【0044】また、本実施形態の制振装置56において
は、金属マス60の軸方向両端部にゴムキャップ62が
被着されたマス部材58が採用されていることから、マ
ス部材58とハウジング部材14の当接により発生する
衝撃や打音に対して有効な緩衝効果が発揮される。
【0045】なお、ゴムキャップ62は、金属マス60
を所定位置にセットした成形金型を用いて金属マス60
に対して一体成形する他、ゴムキャップ62として別途
形成したものを金属マス60に対して外挿して装着する
ことも可能である。その場合には、ゴムキャップ62を
金属マス60に対して接着等により固着することも可能
であるが、それらを取外可能に装着しても良い。
【0046】次に、図4には、本発明の第三の実施形態
としての制振装置78が示されている。かかる制振装置
78においては、独立マス部材として、前記第二実施形
態におけるマス部材58と更に異なる構造とされたマス
部材80が用いられている。なお、本実施形態において
は、第二の実施形態と同様な構造とされた部材および部
位について、それぞれ、図中に、第二の実施形態と同一
の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略
する。
【0047】すなわち、このマス部材80は、ロッド形
状の金属マス60に対して、複数本の環状のゴムリング
84を外挿して装着することにより形成されている。具
体的には、金属マス60の軸方向両端部に対して、それ
ぞれ3本のゴムリング84a〜cが、相互に軸方向に所
定距離を隔てて外挿されて装着されている。これによ
り、マス部材80が軸直角方向に変位する際には、金属
マス60が各ゴムリング84a〜cを介して、収容空所
12の壁部内面(ハウジング本体18の内周面24)に
対して当接せしめられるようになっているのであり、以
て、本実施形態では、ゴムリング80a〜cによって、
当接突起が構成されている。
【0048】一方、両蓋体20,20には、その各内側
面26,26に対して被覆ゴム層86,86が被着され
ている。各被覆ゴム層86,86は、軸直角方向に広が
る円板形状を有しており、各内側面26,26の表面上
を全面に亘って略一定の厚さ寸法で被覆している。これ
により、マス部材80が軸方向に変位する際には、被覆
ゴム層86を介して、ハウジング部材14(両蓋体2
0,20)に対して当接せしめられることとなる。
【0049】従って、このような構造とされた制振装置
78においては、軸直角方向および軸方向の何れの方向
の入力振動に対してもマス部材80がハウジング部材1
4に対して弾性的に当接せしめられるようになってい
る。特に、軸直角方向の入力振動に対しては、大きな自
由表面を備えたゴムリング84a〜cによって、マス部
材80における、ハウジング部材14に対する当接箇所
の動的ばね特性が柔らかくされていることから、前述の
第二の実施形態における制振装置10,56と同様な制
振効果が有利に発揮されるのである。
【0050】さらに、本実施形態においては、適数本の
ゴムリング84を、金属マス60の適宜の位置に外挿,
装着することにより、弾性材からなる当接突起を備えた
マス部材80を形成することが出来ることから、マス部
材80、ひいては、制振装置78の製作が容易に行われ
得るのであり、結果的に、制振装置78の製作性の飛躍
的な向上が図られ得るのである。
【0051】なお、各ゴムリング84は、前記第二の実
施形態におけるゴムキャップ62と同様、金属マス60
に対して、着脱不能に固着される他、取外し可能に装着
することも可能である。また、非接着でゴムリング84
を装着するに際しては、例えば、金属マス60の外周面
にゴムリング84が係止される凹溝を形成しても良い。
【0052】ところで、前記第一〜第三の実施形態で
は、中空の収容空所12を備えた有底円筒形状を有する
ハウジング部材14に対して、その収容空所12にマス
部材16を収容せしめた構造とされた制振装置10,5
6,78が示されていたが、必ずしもそのような形状の
ものを採用する必要はない。例えば、図5には、本発明
の第四の実施形態としての制振装置94が示されてい
る。
【0053】すなわち、本実施形態における制振装置9
4は、内部に収容空所88を備えた矩形箱形状のハウジ
ング部材90に対して、その収容空所88にマス部材9
2(図6参照)を収容せしめた構造とされている。ハウ
ジング部材90は、ハウジング本体96と蓋体98,9
8によって構成されている。また、ハウジング本体96
は、略一定の断面形状で長手状に延びる中空の矩形筒体
形状とされており、その内側には、長手方向に貫通する
貫通孔100が形成されている。
【0054】一方、蓋体98,98は、厚肉矩形板形状
を有しており、ハウジング本体96の軸方向両側に対し
て組み付けることにより、ハウジング本体96の貫通孔
100の両側開口が閉塞されて、ハウジング部材90の
内部に、矩形形状の収容空所88が形成されている。
【0055】そして、ハウジング部材90の収容空所8
8内に、該収容空所88よりも一回り小さな外表面形状
を有するマス部材92が収容配置されている。このマス
部材92は、マス本体としての矩形平板形状の金属マス
102を備えており、かかる金属マス102の軸方向両
端部近くに、周方向の全周に亘って延びるゴムリング1
04,104が外挿,装着されることにより、マス部材
92が形成されている。これにより、本実施形態では、
マス部材92が軸直角方向に変位した際には、各ゴムリ
ング104を介して、マス部材92が収容空所88の壁
部内面(ハウジング本体96の内周面106)に対して
当接せしめられるようになっているのであり、以て、本
実施形態では、ゴムリング104,104によって当接
突起が構成されている。
【0056】一方、両蓋体98,98には、その各内側
面108,108に対して被覆ゴム層110,110が
被着されている。各被覆ゴム層110,110は、軸直
角方向に広がる矩形板形状を有しており、各内側面10
8,108の表面上を全面に亘って略一定の厚さ寸法で
被覆している。これにより、マス部材92が軸方向に変
位する際にも、被覆ゴム層110を介して、ハウジング
部材90の蓋体98,98に対して当接せしめられるよ
うになっている。
【0057】従って、このような構造とされた制振装置
94においては、マス部材92の板厚方向における振動
入力時および軸方向における振動入力時に前記第三の実
施形態における制振装置と同様な効果が、何れも有効に
発揮されるのである。因みに、本実施形態に従う構造と
された制振装置について、そのハウジング部材90に加
振力を及ぼすことにより、マス部材92の振動状態の周
波数特性を実測した結果を、図7に示す。かかる図7に
示されているように、本実施形態の制振装置94におい
ては、50〜130Hz程度の周波数帯の入力振動に対し
て、特に有効な飛び跳ね共振が生ぜしめられることが確
認される。それ故、本実施形態の制振装置94において
は、100Hz以下の低周波振動に対しても、飛び跳ね
共振作用によって、マス部材92をハウジング部材90
に対して、飛び跳ねさせて衝突させることが出来るので
あり、そのような低周波振動に対しても有効な制振効果
を得ることが出来るのである。
【0058】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これらは、あくまでも例示であって、本発明
は、これらの実施形態における具体的記載によって、何
等、限定的に解釈されるものではない。
【0059】例えば、本発明において、独立マス部材と
ハウジングの間の隙間寸法(2δ,2δ′)は、打音低
減のためには独立マス部材の全周囲で0.1〜0.8m
mに設定されることが望ましいが、防振すべき振動入力
方向以外における独立マス部材とハウジングの間の隙間
寸法は、0.8mm以上であっても、特に問題ない。
【0060】さらに、ハウジング部材14,90の具体
的な構造は、何等限定されるものではない。ハウジング
本体18,96を前述の実施形態に記載のもの以外に
も、多角形筒形状やその他、各種の形状で形成可能であ
る。
【0061】また、マス部材16,58,80,92の
構造は、各実施形態に記載のものに限定されるものでは
ない。例えば、環状突条42,70が一体的に形成され
た中実の金属マス28,60に代えて、中空のマス部材
や、全体が弾性材によって形成されたマス部材等、各種
の構造のマス部材が適宜に採用可能である。
【0062】また、マス部材16,58,80,92に
一体的に形成される環状突条42,70およびゴムリン
グ84,104の具体的な配設状態も、特に限定される
ものではない。例えば、マス部材16,58の軸方向端
面に対して、弾性材からなる当接突起を設けても良く、
或いは、そのような当接突起を環状突条42,70と併
せて採用することにより、軸方向および軸直角方向の何
れの低周波数域の振動に対しても制振効果を発揮せしめ
るようにしても良い。また例えば、金属マス28,5
8,80,92の表面に対して、適数個のシボ状の弾性
突起を、振動入力方向や装着方向等を考慮して適宜の位
置に形成することも可能である。また、金属マス部材8
0,92に対して、必ずしもゴムリング84,104を
周方向に連続するように装着する必要はなく、例えば、
そのようなゴムリング84,104をマス部材80,9
2に対して軸方向に略平行となるように複数本装着して
も良い。
【0063】また、前記実施形態では、何れも、ハウジ
ング部材14,90の内部に形成された収容空所12,
88内にマス部材16,58,80,92が収容配置さ
れることにより、マス部材16,58,80,92にお
いて、その外周面の全面にハウジング部材14,90に
対する当接面が形成されていたが、ハウジング部材1
4,90に対して、必ずしもそのような閉鎖された収容
空所を設ける必要はない。例えば、ハウジング部材の軸
方向両側を閉塞することなく、振動入力方向となるマス
部材16,58,80,92とハウジング部材14,9
0の対向面間によってのみ、マス部材16,58,8
0,92において、ハウジング部材14,90に対する
当接面を形成することも可能である。
【0064】加えて、本発明は、自動車以外の各種車両
に用いられる制振装置に対しても、適用可能である。
【0065】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもない。
【0066】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う車両用制振装置においては、独立マス部材のハウ
ジングに対する当接面上に弾性材からなる当接突起を設
けたことにより、独立マス部材の飛び跳ね共振を利用し
て、低周波数域の振動に対しても、独立マス部材の飛び
跳ねに伴うハウジングへの当接作用に基づく制振効果を
得ることが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としての制振装置を示
す縦断面図である。
【図2】図1に示された制振装置の横断面図であって、
図1におけるII−II断面に相当する図である。
【図3】本発明の第二の実施形態としての制振装置を示
す縦断面図である。
【図4】本発明の第三の実施形態としての制振装置を示
す縦断面図である。
【図5】本発明の第四の実施形態としての制振装置を示
す縦断面図である。
【図6】図5に示された制振装置を構成するマス部材を
示す斜視図である。
【図7】図5に示された制振装置におけるマス部材の加
振変位による周波数特性の実測データを示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10,56,78,94 制振装置 14,90 ハウジング部材 16,58,80,92 マス部材 40,68 突出先端面 42,70 環状突条 44,72 突出先端部 50 隙間 52 円筒状隙間 62 ゴムキャップ 84,104 ゴムリング

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動部材に固定的に設けられた剛性のハ
    ウジングに対して、独立マス部材を、振動入力方向に隙
    間を隔てて相対変位可能に非接着で対向配置せしめると
    共に、該独立マス部材における該ハウジングに対する対
    向面上に、振動入力方向に向かって突出する当接突起を
    弾性材によって設けて、該当接突起の先端面によって該
    独立マス部材が該ハウジングに対して振動入力方向で当
    接せしめられるようにしたことを特徴とする車両用制振
    装置。
  2. 【請求項2】 前記当接突起の突出高さが0.5〜1.
    0mmで、且つ幅寸法が1.0〜3.0mmとされている請
    求項1に記載の車両用制振装置。
  3. 【請求項3】 前記当接突起における突出先端部が、先
    細形状とされている請求項1又は2に記載の車両用制振
    装置。
  4. 【請求項4】 前記独立マス部材が、略一定断面で延び
    る長手形状とされていると共に、前記当接突起が、その
    外周面上を周方向に連続して延びる突条形態をもって形
    成されている請求項1乃至3の何れかに記載の車両用制
    振装置。
  5. 【請求項5】 前記独立マス部材が、剛性のマス本体を
    含んで構成されており、該マス本体の外周面上に、弾性
    材で形成された前記当接突起が設けられている請求項1
    乃至4の何れかに記載の車両用制振装置。
  6. 【請求項6】 前記マス本体の外周面に略一定厚さで広
    がる弾性材層が被着されていると共に、該弾性材層の表
    面に前記当接突起が一体形成されている請求項5に記載
    の車両用制振装置。
  7. 【請求項7】 前記独立マス部材が、略一定断面で延び
    る長手形状を有する剛性のマス本体を含んで構成されて
    おり、該マス本体の外周面上に環状の弾性リングが外挿
    装着されることによって、前記当接突起が形成されてい
    る請求項1乃至5の何れかに記載の車両用制振装置。
  8. 【請求項8】 前記当接突起を形成する弾性材が、ショ
    アD硬さ80以下とされている請求項1乃至7の何れか
    に記載の車両用制振装置。
  9. 【請求項9】 前記独立マス部材における前記当接突起
    の先端と前記ハウジングの前記当接面間における隙間寸
    法が、0.1〜0.8mmとされている請求項1乃至8の
    何れかに記載の車両用制振装置。
  10. 【請求項10】 前記ハウジングを形成する剛性材が、
    5×104 MPa以上の弾性率を有している請求項1乃
    至9の何れかに記載の車両用制振装置。
  11. 【請求項11】 前記独立マス部材の質量が、前記振動
    部材の質量の5〜10%である請求項1乃至10の何れ
    かに記載の車両用制振装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014173567A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Fuji Heavy Ind Ltd エンジンのカムロブ
CN114110789A (zh) * 2021-11-05 2022-03-01 Tcl空调器(中山)有限公司 减振装置、管道结构以及空调器

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