JP4203902B2 - 当接型制振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、簡単な構造をもって容易に製造され得て、有効な制振効果を発揮し得る、新規な構造の制振装置に係り、特に防振すべき振動が及ぼされる支持ロッドに対して、それに外挿状態で組み付けられた独立マス部材が打ち当たることに基づいて制振効果を得るようにした当接型制振装置の新規な構造に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、自動車の車体等のように振動が問題となる振動部材においては、その振動を低減するための制振装置として、防振すべき振動部材にゴム弾性体を介して金属マスを弾性支持せしめることにより、振動部材に対する副振動系を構成するようにしたダイナミックダンパが、広く採用されている。このようなダイナミックダンパにおいては、副振動系の固有振動数を、主振動系たる振動部材で問題となる振動周波数にチューニングすることにより、振動部材におけるチューニング周波数域の振動に対して有効な制振効果を得ることが出来る。
【0003】
ところが、このような副振動系からなる制振装置では、ゴム弾性体におけるばね特性の温度依存性に起因して、例えば自動車用エンジンマウント等のように数十度の温度変化に晒される場合にチューニング周波数や制振特性の変化が大きくなり、目的とする制振効果を安定して得ることが難しいという問題があった。しかも、有効な制振効果の発揮される周波数域が狭いことから、例えば走行状態等に応じて防振すべき振動の周波数域が変化する自動車の振動部材等においては、充分に有効な制振効果を得ることが難しいことに加えて、副振動系のチューニング精度が要求されて製造や管理が難しい等という問題もあった。
【0004】
そこで、このような問題に鑑み、本出願人は、先に、特許文献1や特許文献2において、防振すべき振動が及ぼされる支持ロッドに対して環状乃至は筒状とされた別体の独立マス部材を外周側に離隔して非接着で独立して相対変位可能に外挿配置せしめて、該独立マス部材の該支持ロッドに対する弾性的な打ち当たりによって相殺的な制振効果を得るようにした、新規な構造の当接型制振装置を提案した。このような構造の制振装置においては、簡単な構造をもって製造することが可能で、広い周波数域に亘る振動に対して有効な制振効果を得ることが出来るのである。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−155988号公報
【特許文献2】
特開2002−242984号公報
【0006】
ところで、上述の如き先の出願に係る当接型制振装置においては、何れも、独立マス部材を支持ロッドと同一中心軸上に位置せしめた状態下で独立マス部材と支持ロッドの軸直角方向対向面官の全周囲に亘って隙間が形成されるように、独立マス部材が所定のガタつきをもって支持ロッドに外挿配置されており、独立マス部材が支持ロッドに対して軸直角方向で完全に分離独立して飛び跳ね変位せしめられるようになっている。
【0007】
ところが、本発明者が更なる検討を加えた結果、例えば自動車用の制振装置等のように、防振すべき振動以外にも外力や他の振動等が及ぼされる場合に、上述の如き先願構造の当接型制振装置においては、防振すべき振動入力時以外にも独立マス部材が変位して支持ロッドに当接することで異音や振動が新たに発生するおそれがあるという問題が明らかとなった。また、先願構造の当接型制振装置では、独立マス部材の支持ロッドに対する外挿配置位置が安定し難いために、その使用状況等によっては、独立マス部材の変位が不安定となって目的とする制振効果を安定して得ることが難しくなるおそれのあることも明らかとなった。
【0008】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、独立マス部材の不必要な変位に伴う支持ロッドへの打ち当たりが軽減乃至は回避されると共に、防振すべき振動入力時における独立マス部材の支持ロッドに対する打ち当たりが安定して生ぜしめられて目的とする制振効果が効果的に安定して発揮され得る、改良された構造の当接型制振装置を提供することにある。
【0009】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0010】
(本発明の態様1)
本発明の態様1は、防振すべき振動が及ぼされる支持ロッドに対して環状乃至は筒状とされた別体の独立マス部材を軸直角方向外方に離隔して非接着で外挿配置すると共に、該支持ロッドと該独立マス部材の少なくとも一方における軸直角方向での当接部位を当接弾性体で構成して、該独立マス部材の該支持ロッドに対する弾性的な当接によって該支持ロッドの軸直角方向の振動に対する制振効果を得るようにした当接型制振装置において、振動入力方向において前記当接弾性体が弾性変形せしめられた状態で、前記独立マス部材を前記支持ロッドに外挿配置すると共に、防振すべき振動の入力に際して、該当接弾性体が更に弾性変形して該独立マス部材または該支持ロッドから離隔せしめられることにより、振動入力方向で該独立マス部材が該支持ロッドに対して弾性的に打ち当たって当接せしめられるようにしたことを、特徴とする。
【0011】
本態様に従う構造とされた当接型制振装置においては、外部から振動が及ぼされていない状態下では、独立マス部材が支持ロッドに対して当接弾性体によって弾性的に位置決め保持されていることから、例えば防振すべき振動以外の加速度の小さい外力が及ぼされた場合等にも、独立マス部材の支持ロッドに対する不必要な変位が抑えられるのであり、それ故、独立マス部材の支持ロッドに対する当接に起因する打音や振動の発生が防止され得る。
【0012】
そして、防振すべき振動の入力時には、独立マス部材と支持ロッドの間に介在せしめられた当接弾性体が離隔するまで弾性変形して、独立マス部材が支持ロッドから離隔せしめられて支持ロッドに打ち当たるようにされることから、独立マス部材の支持ロッドに対する弾性的に打ち当たりが充分に大きな当接力で発現され得ることとなり、打ち当たりに基づく相殺的な制振効果が有効に発揮され得るのである。
【0013】
そこにおいても、本態様の当接型制振装置では、独立マス部材の支持ロッドに対する軸方向等の不必要な変位が当接弾性体によって抑えられて、独立マス部材が支持ロッドの所定位置に弾性的に位置決め保持されることから、防振すべき振動入力時における独立マス部材の変位や支持ロッドへの打ち当たりを安定して生ぜしめて、目的とする制振効果を一層有利に且つ安定して得ることが出来るのである。
【0014】
(本発明の態様2)
本発明の態様2は、前記態様1に係る当接型制振装置であって、前記独立マス部材および前記支持ロッドが、何れも金属材で形成されており、該独立マス部材と該支持ロッドの少なくとも一方に前記当接弾性体が固着されて設けられていることを、特徴とする。本態様においては、独立マス部材と支持ロッドを剛性の大きい金属材で形成したことにより、独立マス部材の支持ロッドに対する打ち当たりに基づく相殺的な制振効果が一層有利に発揮され得る。また、当接弾性体を、独立マス部材または支持ロッドに固着せしめたことにより、当接弾性体がそれら独立マス部材と支持ロッドの当接部位に安定して介在せしめられ得る。なお、当接弾性体として例えばゴム弾性体を採用すれば、独立マス部材や支持ロッドに対して加硫接着等によって、当接弾性体を強固に且つ容易に固着することが可能となる。
【0015】
(本発明の態様3)
本発明の態様3は、前記態様2に係る当接型制振装置であって、前記独立マス部材と前記支持ロッドの対向面間において前記当接弾性体が直接に挟まれて介在せしめられることにより、該独立マス部材の該支持ロッドへの当接に際して該当接弾性体が圧縮変形せしめられるようになっていることを、特徴とする。本態様においては、当接弾性体の耐久性を有利に確保することが出来ると共に、当接弾性体のばね定数を大きくチューニングすることが容易となり、例えば大きな加速度の振動が及ぼされる場合等にも有利に対応することが可能となる。
【0016】
(本発明の態様4)
本発明の態様4は、前記態様3に記載の当接型制振装置であって、軸直角方向で互いに対向位置せしめられた前記独立マス部材の内周面と前記支持ロッドの外周面がそれぞれ筒状面とされていると共に、それら独立マス部材の内周面と支持ロッドの外周面の少なくとも一方が、略全面に亘って、前記当接弾性体によって被覆されていることを、特徴とする。本態様においては、独立マス部材と支持ロッドの当接面間に当接弾性体が常に介在せしめられ得て、それら独立マス部材と支持ロッドの当接弾性体を介しての打ち当たりが一層安定して生ぜしめられることとなる。
【0017】
(本発明に関連した参考技術
本発明の前記態様2に係る当接型制振装置においては、前記独立マス部材から軸方向両側にそれぞれ突出するようにして前記当接弾性体が該独立マス部材に固着されており、該独立マス部材の前記支持ロッドへの当接に際して該当接弾性体が剪断変形せしめられるようになっている態様が、好適に採用され得る。本態様においては、当接弾性体のばね定数を小さくチューニングすることが容易となり、例えば小さな加速度の振動が及ぼされる場合等にも有利に対応して有効な制振効果を得ることが可能となる。
【0018】
(本発明の態様
本発明の態様は、前記態様1乃至の何れかに係る当接型制振装置であって、前記独立マス部材と前記支持ロッドの軸直角方向の対向面間において、前記当接弾性体が弾性変形状態で介在されていない隙間領域を形成したことを、特徴とする。本態様においては、防振すべき振動の入力方向に対する隙間領域の位置や大きさを適当に設定することにより、例えば、当接弾性体のばね定数を大きな自由度で設計することが可能となり、或いはまた、独立マス部材の変位に際しての支持ロッドとの摩擦抵抗を軽減せしめて独立マス部材の支持ロッドに対する変位を一層有利に生ぜしめることにより、独立マス部材の支持ロッドに対する弾性的な打ち当たりに基づく制振効果の更なる向上を図ることも可能となる。
【0019】
(本発明の態様
本発明の態様は、前記態様1乃至の何れかに係る当接型制振装置であって、前記独立マス部材と前記支持ロッドの軸直角方向対向面間において、複数の方向で前記当接弾性体が介在せしめられていることにより、該独立マス部材が該支持ロッドの外周側に離隔して略同一中心軸上で弾性的に位置決め保持されるようになっていることを、特徴とする。本態様においては、例えば、防振すべき振動入力方向以外に振動が及ぼされた場合においても、独立マス部材の支持ロッド上における所定位置への保持が一層有利に実現され得ることとなり、独立マス部材の支持ロッドに対する不必要な当接に起因する打音や振動の悪化が一層効果的に防止され得ると共に、防振すべき振動の入力時には、独立マス部材の支持ロッドに対する打ち当たりがより安定化することにより、目的とする制振効果が一層効果的に発揮されることとなる。
【0020】
(本発明の態様
本発明の態様は、前記態様1乃至の何れかに係る当接型制振装置であって、前記支持ロッドに対して少なくとも5Gの加速度で加振力が及ぼされた際に、前記当接弾性体が前記独立マス部材または該支持ロッドから離隔せしめられるようにしたことを、特徴とする。本態様においては、特に自動車用の防振装置として有効に採用され得て、自動車に乗車する人間において体感的に特に問題となり易い、5G以上の加速度の振動に対して、独立マス部材の支持ロッドへの打ち当たりに基づく相殺的な制振効果を有効に得ることが出来る。なお、本態様においては、5Gより小さい加速度、例えば1Gや3G程度の加速度の振動入力時においても、当接弾性体が独立マス部材または支持ロッドから離隔せしめられて打ち当たることにより防振効果が発揮されるようにすることを排除するものではない。
【0021】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0022】
先ず、図1〜2には、本発明の第一の実施形態としての制振装置10が示されている。この制振装置10は、支持ロッド14に対して独立マス部材としてマス金具16が外挿配置された構造を有しており、振動入力時には、マス金具16が支持ロッド14に対して弾性的に当接されることによって制振効果を発揮するようになっている。
【0023】
より詳細には、支持ロッド14は、図示されているように少なくとも軸方向の所定長さに亘る部分が一定の外径寸法を有する円形断面でストレートに延びており、かかるストレート部分がマス装着部12とされている。なお、この支持ロッド14は、それ自体が防振すべき構造材とされて防振すべき振動が生ぜしめられるものであっても良いが、防振すべき構造材が別にあって当該構造材に対してボルトや溶接等で固着されることにより、防振すべき振動が及ぼされるものであっても良い。また、支持ロッド14におけるマス装着部12以外の部分の構造や形状は、図示されていないが、何等限定されるものでなく、例えば図示しない部分を異形として、図示しない振動部材に対してボルト等で固定されるようにしても良い。
【0024】
一方、マス金具16は、矩形の一定断面形状をもって中心軸回りの全周に亘って延びる厚肉の円筒形状を有しており、その内径寸法が、支持ロッド14のマス装着部12の外径寸法よりも所定量だけ大きくされている。要するに、マス金具16を支持ロッド14に外挿せしめて同一中心軸上に配した状態下では、それぞれ円筒形状を有するマス金具16の内周面18と支持ロッド14の外周面20の軸直角方向対向面間の距離が、その全体に亘って略一定の大きさとなるようにされている。
【0025】
また、マス金具16の内周面18には、その全面を覆うようにして、当接弾性体としての当接ゴム22が形成されており、マス金具16に対して加硫接着されている。
【0026】
なお、支持ロッド14やマス金具16は、有効な防振効果を得るために大きな剛性を有する材料で形成することが望ましく、例えば鉄鋼やアルミニウム合金等によって有利に形成され得る。特にマス金具16は、コンパクトな制振装置10を実現するために高比重材であることが望ましく、例えば鉄鋼等で有利に形成される。なお、硬質の合成樹脂材料等で支持ロッド14を形成することも可能であるが、その場合に好適には、5×104 MPa以上の弾性率を有するものを採用することが望ましい。
【0027】
また、当接ゴム22は、例えば、その成形型の成形キャビティ内に予めマス金具16をセットして、マス金具の内周面上で加硫成形することによって有利に形成されるが、その際、かかる当接ゴム22としては、マス金具16の支持ロッド14への当接時の打音を軽減すると共に、マス金具16の支持ロッド14への打ち当りに基づく制振効果を一層効果的に得るために、ASTM規格D2240のショアD硬さが80以下であることが望ましく、より望ましくは、同 ショアD硬さが20〜40とされる。
【0028】
ここにおいて、マス金具16の内周面に被着形成された当接ゴム22の最小内径寸法は、支持ロッド14に対する外挿組付前の自由な状態下で、支持ロッド14のマス装着部12における外径寸法よりも小さくされている。これにより、マス金具16がマス装着部12に外挿されて支持ロッド14に組み付けられた状態下では、当接ゴム22が、マス金具16の内周面18と支持ロッド14の外周面20の対向面間で、軸直角方向で挟み込まれて所定量だけ圧縮されて弾性変形せしめられている。
【0029】
なお、本実施形態では、当接ゴム22の内周面に凹凸が付されており、凸部の先端部分で支持ロッド14に当接されている一方、凹部の底部と支持ロッド14の間に隙間領域としての隙間24が形成されており、かかる隙間24の形成部位では当接ゴム22に弾性変形が及ぼされていない。即ち、当接ゴム22の内周面には、山形断面をもって内周側に突出して周方向に延びる2つの環状突条26,26が、互いに平行に形成されており、これらの環状突条26,26の頂部がそれぞれ周方向の全周に亘って支持ロッド14の外周面20に対して当接せしめられて、環状凸部26,26が圧縮変形されていると共に、各環状突条26の軸方向両側裾部が、それぞれ、支持ロッド14の外周面20から軸直角方向外方に所定距離だけ離隔位置せしめられて、周方向に延びる隙間24が形成されている。
【0030】
また、支持ロッド14におけるマス装着部12には、マス金具16の外挿部分を挟んだ軸方向両側に位置して、一対のストッパ金具28,28が固着されている。このストッパ金具28は、円板形状を有しており、支持ロッド14に対して外嵌されて位置固定に組み付けられている。そして、一対のストッパ金具28,28は、マス金具16の軸方向長さよりも所定量だけ大きな対向面間距離を隔てて、支持ロッド14の軸方向で対向位置せしめられており、一対のストッパ金具28,28の対向面間では、かかるストッパ金具28,28で拘束されることなく、マス金具16の支持ロッド14に対する相対変位が許容されるようになっていると共に、支持ロッド14上におけるマス金具16の軸方向への大きな変位が、ストッパ金具28,28への当接によって規制されるようになっている。
【0031】
なお、ストッパ金具28の外径寸法を、例えばマス金具16の内径寸法よりも所定量だけ小さくし、ストッパ金具28が当接ゴム22に当接されるようにして、ストッパ金具28の軸方向変位を、当接ゴム22を介して緩衝的に制限することも可能であり、或いは、ストッパ金具28の外径寸法をマス金具16の内径寸法以上に大きくして、ストッパ金具28をマス金具16に当接させることで、ストッパ金具28の軸方向変位量を確実に制限するようにしても良い。ストッパ金具28をマス金具16に当接させる場合には、それら両金具28,16の当接面間に緩衝ゴムを介在させることが望ましい。
【0032】
このような構造とされた本実施形態の制振装置10においては、支持ロッド14自体が振動部材であったり、或いは別の振動部材に固着されることによって、支持ロッド14に対して防振すべき振動が及ぼされるようにして装着されることとなる。そして、かかる装着状態下で、制振装置10は、支持ロッド14において図1,2中で主として上下方向となる軸直角方向の振動に対して、有効な制振効果を発揮し得ることとなる。
【0033】
すなわち、図1,2中の上下方向の振動が制振装置10に及ぼされて、支持ロッド14が加振されると、その加振力が、当接ゴム22を介して、マス金具16にまで及ぼされることとなる。そして、マス金具16が、入力振動に応じた振動加速度と周波数,位相で加振変位せしめられるが、振動加速度が小さい振動入力状態下では、マス金具16は、当初から所定量だけ圧縮変形せしめられた当接ゴム22の弾性変形に基づいて、支持ロッド14に対する変位が許容される。要するに、マス金具16は、振動入力方向両側への振幅範囲内において、常時、当接ゴム22を介して支持ロッド14に弾性的に連結されたままの状態で、支持ロッド14に対して加振変位せしめられることとなる。
【0034】
従って、このような振動加速度が小さい振動入力時には、支持ロッド14を含む振動部材の主振動系に対して、マス金具16の質量:Mと当接ゴム22のばね特性(ばね定数):kを有する一つの副振動系が構成されることとなり、以て、かかる副振動系により、主振動系に対するダイナミックダンパの作用が発現されて制振効果が発揮されるのである。なお、このような状態下では、マス金具16の質量:Mと当接ゴム22のばね特性(ばね定数):kを適当に調節して副振動系の固有振動数を主振動系において防振すべき振動周波数にチューニングすることによって、有効な制振効果を得ることが可能である。
【0035】
一方、振動加速度が大きい振動の入力状態下では、マス金具16の変位量が大きくなって、図3に示されているように、支持ロッド14を挟んで軸直角方向一方の側に位置せしめられたマス金具16の当接変位側(接近側)で当接ゴム22の圧縮変形量が大きくなることにより、マス金具16の離隔変位側(離隔側)で、当接ゴム22が、環状突条26の突出先端部分を含む全体が支持ロッド14から離れて離隔間隙30を生ずるようになる。これにより、マス金具16の振動変位に伴って、離隔間隙30を生じた後に該離隔間隙30を消失させる反対方向にマス金具16が変位せしめられ、マス金具16が当接ゴム22を介して支持ロッド14に打ち当たることにより、支持ロッド14に対して大きな衝撃的荷重が及ぼされるのであり、以て、本願出願人が先に出願した前述の特許文献1,2に記載されている如き、マスの打ち当たり当接に基づく相殺的な制振効果が、支持ロッド14に対して有効に作用せしめられるのである。
【0036】
そして、このように当接ゴム22が支持ロッド14から離れてマス金具16の当接が支持ロッド14に対して衝撃的荷重を及ぼす打ち当たり状態下では、前述の如きダイナミックダンパの作用とは異なり、小さなマス金具16の質量でも一層大きな制振効果を得ることが可能となると共に、より広い周波数域の振動に対して有効な制振効果を得ることが可能となるのであり、また、温度変化に晒された場合でも、ダイナミックダンパの作用が当接ゴム22のばね定数の変化等に起因して制振効果が大きく変化してしまうのに比して、所期の制振効果を安定して得ることが可能となるのである。
【0037】
なお、マス金具16の変位が大きくなって当接ゴム22が支持ロッド14から離隔することによって、発揮される制振作用がダイナミックダンパの制振作用と異なることの理論的根拠は、未だ、充分に明らかにされておらず、それを明らかにすることが本発明の目的ではないから、ここでは詳述しないが、本発明者が高速カメラで撮影した実験によると、当接ゴム22が常時当接状態にある振動加速度が小さい状態と、振動加速度が大きくなって当接ゴム22が支持ロッド14から離れて打ち当たる状態とでは、明らかに制振効果の異なることが確認されている。
【0038】
因みに、図4に示されているように、本実施形態に従う構造とされた制振装置10を用いて、その制振効果を実測する実験を行い、その実験結果を、図5及び図6に示す。なお、本実験では、鉛直方向に加振力を及ぼす出力軸40を備えた加振機42を用いて、その出力軸40上にロードセル44を介して、制振装置10の支持ロッド14を固着することにより、支持ロッド14が略水平方向に延びるようにした。また、加振機42によって制振装置10に及ぼされる加振力を検出するために、出力軸40に加速度センサ46を取り付けた。そして、加振機42の出力軸40の出力加速度を複数段階に設定し、各加速度での発生加振力の周波数を次第に変化させつつ、支持ロッド14の振動状態をロードセル44で検出することによって実験を行った。
【0039】
得られた実験データのうち、マス金具16の変位に際しても当接ゴム22が常時支持ロッド14に当接状態下に保持される程度の小さい加速度の振動を及ぼした場合のデータとして、出力軸40の振動加速度を0.5Gとした場合の実験データを図5に示す。また、マス金具16の変位に際して当接ゴム22が支持ロッド14から離隔して離隔間隙30が生ぜしめられる程に大きい加速度の振動を及ぼした場合のデータとして、出力軸40の振動加速度を3.0Gとした場合の実験データを図5に示す。
【0040】
なお、図5,6中、ゲインは、加速度センサ46で検出される振動レベルと、ロードセル44で検出される振動レベルの比に相当するものであり、位相は、加速度センサ46で検出される振動と、ロードセル44で検出される振動の位相の差を表す。
【0041】
図5に示されたデータからは、略90Hz程度にチューニングされた従来構造のダイナミックダンパと同じ特性が認められる。これに対して、図6に示されたデータからは、従来構造とダイナミックダンパの特性とは明らかに異なる特性が認められ、しかも、その特性は、図5に示されたものよりも格段に大きなゲインが、充分に広い周波数域に亘って発揮されていることが認められるのである。
【0042】
なお、100Hzを僅かに超えた周波数域でゲインが極端に低下しているが、これは、支持ロッド14と当接ゴム22との間に離隔間隙30を生ずる程に金属マス16が飛び跳ね状態にあることから、金属マス16と加振力の位相の関係上、金属マス16の動きが加振力の方向と同期して有効な当接状態が発生しなくなること、或いは、金属マス16と支持ロッド14の間で圧縮変形せしめられた当接ゴム22の弾性的な復元が金属マス16の変位に追従しなくなって実質的に支持ロッド14に対して軸直角方向両側(上下両側)で離隔間隙30が存在して支持ロッド14に対して当接ゴム22が略浮いた状態となること、等によるものであろうと推考されるが、未だ充分に明らかにされていない。何れにしても、このようなゲインの急落が認められるということは、図5に示された従来のダイナミックダンパの特性と明らかに異なる点であり、このことからも、前述の如き構造の制振装置10においては、マス金具16が支持ロッド14に対して当接ゴム22による弾性的な連結状態になく、飛び跳ねて離隔間隙30が生ぜしめられることによりマス金具16が支持ロッド14に対して実質的に離隔して独立的に変位せしめられており、かかるゲインの急落周波数よりも低い周波数域では、マス金具16の支持ロッド14に対する打ち当たりが有効に生ぜしめられて、その打ち当たりに基づく衝撃的な荷重によって相殺的な制振効果が発揮され得るものと考えられるのである。
【0043】
以上、本発明の一実施形態としての制振装置10について説明してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0044】
例えば、図7〜8に示されているように、マス金具16に加硫接着されて支持ロッド14に対して弾性変形状態で圧接される当接ゴムとして、マス金具16から軸方向両側にそれぞれ突出するようにして延び出す略厚肉円筒形状の一対の当接ゴム50,50を採用することも可能である。かかる当接ゴム50,50は、マス金具16から軸方向外方に延び出した部分において、マス金具16の内径寸法より小さく、更に支持ロッド14の外径寸法よりも小さい内径寸法を有する円筒条の内周面48を備えており、かかる内周面48において支持ロッド14に対して当接されている。即ち、これらの当接ゴム50,50は、マス金具16と支持ロッド14の軸直角方向対向面間を軸方向に外れた部分において、支持ロッド14の外周面に圧接されることにより、主として剪断方向に弾性変形せしめられている。
【0045】
このようにマス金具16の支持ロッド14への軸直角方向での打ち当たりに際して主として剪断変形せしめられる当接ゴム50,50を採用することにより、当接ゴム弾性体50,50の耐久性を確保しつつ、ばね定数を小さく設定することが可能となることから、マス金具16の支持ロッド14への打ち当たりに伴う打音や衝撃を一層低減することが出来ると共に、マス金具16の支持ロッド14への打ち当たりに基づく制振効果が、低周波数域において発揮されるようにチューニングすることも容易となる。
【0046】
なお、上述の図7〜8を含む、前記第一の実施形態とは異なる本発明の別の態様を示す、以下の図においては、その理解を容易とするために、第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位に対して、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付しておく。
【0047】
また、前記第一の実施形態に従う制振装置10においては、マス金具16に対して当接ゴム22が被着形成されていたが、それに代えて、図9〜10に示されているように、支持ロッド14の外周面に当接ゴム52を被着形成しても良く、かかる構造においても、マス金具16に当接ゴム22を被着形成した図1に示された制振装置と同様な作用効果が発揮され得る。なお、図9〜10に示された制振装置においては、当接ゴム52の軸方向端面への当接によってマス金具16の支持ロッド14に対する軸方向の変位量を制限するストッパ金具54,54が、マス金具16の軸方向両端面に固設されて、当接ゴム52を軸方向両側から所定距離を隔てて挟むように設けられている。
【0048】
更にまた、支持ロッド14やマス金具16の形状は、制振装置の装着スペースや、防振が要求される振動入力方向等に応じて適宜に変更設計されるものであって、何等、限定されるものでない。具体的には、例えば、図11〜12に示されているように、矩形断面で延びる支持ロッド14とそれに略対応した矩形環体形状のマス金具16を採用することも可能である。なお、図11〜12に示された制振装置においては、互いに対向位置する上下の板状壁部56,56が、その内周面18に被着された当接ゴム22を、支持ロッド14の外周面20との対向面間で弾性的に圧縮せしめた状態で組み付けられている一方、互いに対向位置する左右の板状壁部58,58と支持ロッド14の対向面間では、板状壁部58,58に被着された当接ゴム22の内周面と支持ロッド14の外周面の対向面間において略全体に亘って広がる隙間60,60が形成されている。
【0049】
すなわち、このような構造とされた制振装置では、図11,12中の上下方向の振動に対して、前記第一の実施形態と同様な防振効果を有効に発揮し得ると共に、支持ロッド14の左右両側では、マス金具16に被着された当接ゴム22の摺接が軽減乃至は回避されることにより、マス金具16の上下方向への変位に際しての摩擦抵抗が軽減されて、マス金具16の変位に基づく上述の如き制振効果の更なる向上が図られている。
【0050】
また、当接弾性体としての当接ゴム22も、前記実施形態の形状に限定されるものでなく、要求される特性に応じて、例えばマス金具16と支持ロッド14の軸直角方向対向面間を全体に亘って、隙間24を生ぜしめることなく、マス金具16と支持ロッド14の対向面間の全体で弾性変形状態で介在せしめるようにしても良い。或いは、マス金具16と支持ロッド14の軸直角方向対向面間において、当接ゴム22が弾性変形状態で介在せしめられる部分を、周方向の複数箇所に分断状態で設けるようにしても良い。特に周方向の一部、或いは複数部分において、マス金具16と支持ロッド14の径方向対向面間で当接ゴム22が当接されていない隙間を設けることにより、当接ゴム22とマス金具16又は支持ロッド14との当接面間に侵入した水の滞留が有利に防止され得る。また、金属マス16の内周面または支持ロッド14の外周面に対して、山形や台地形等を有する複数のゴム弾性突起を実質的に独立して突出形成するようにしても良く、このような突起状の当接弾性体を採用することにより、当接弾性体の形状や大きさ,数を適当に変更設定することによって、当接弾性体の自由表面を大きな自由度で設定することが容易に出来ることから、当接弾性体のばね特性のチューニング自由度が大きく確保され得る。
【0051】
また、図13〜14には、前述の第一の実施形態と同様な構造とされた制振装置10を、支持ロッド14に対して、複数(図示されたものでは、3つ)、並列的に装着せしめた構造が、例示されている。このような多装構造を採用することにより、各一つのマス金具16の質量を比較的に小さく抑えて支持ロッド14の振動に対して容易に追従加振されるようにしつつ、全体としての制振効果の向上を図ることが可能である。或いは、マス金具16と当接ゴム22のチューニング、具体的にはマス金具16の質量や当接ゴム22のばね特性を相互に異ならせることにより、多装した複数の制振装置によって全体として複数の乃至は広い周波数域で、前述の如きダイナミックダンパ作用に基づく制振効果や、打ち当たりに基づく相殺的な制振効果を、得ることも可能となって、チューニング自由度の更なる向上が図られ得る。
【0052】
なお、図13に示されているように、軸方向で複数の制振装置を多装するに際しては、軸方向で隣接するマス金具16,16間での打ち当たりによる打音や振動の発生を抑えるために、隣接する一方のマス金具16の軸方向端面から軸方向外方に向かって突出して他方のマス金具16の軸方向端面に当接せしめられる緩衝ゴム62を設けることが望ましい。
【0053】
さらに、図15〜17に示されているように、複数の制振装置を多装するに際しては、その少なくとも一つが、本発明に従う制振装置10とされていれば良く、それと併せて、前記特許文献1,2に示されている如き、従来構造の制振装置64を採用することも可能である。なお、かかる従来構造の制振装置64は、マス金具16を支持ロッド14と同一中心軸上に位置せしめた状態下において主たる振動入力方向で当接ゴム22と支持ロッ14又はマス金具16の間に、対向面の全体に亘って広がる隙間66が形成されることにより、マス金具16が、支持ロッド14に対して、所定距離だけ完全にフリーな状態で相対変位せしめられて打ち当たるようにされている。
【0054】
また、本発明にいては、例えば金属粉末を混入せしめたゴム材料からなる高比重ゴム等を採用してマス部材を形成することにより、マス部材自体によって当接弾性体を構成せしめることも可能である。
【0055】
加えて、本発明に従う構造とされた制振装置が適用れるのは、自動車等の車両用制振装置だけに限定されるものでなく、自動車或いはそれ以外の各種装置等における振動部材に対して、何れも適用可能である。
【0056】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた制振装置においては、マス部材が支持ロッドに対して弾性的に位置決めされてマス部材の不必要な変位が防止されることから、例えば防振すべき振動以外の振動入力に際してのマス部材の支持ロッドへの当接に起因する異音や振動の発生が防止されると共に、マス部材の支持ロッド上での位置が安定化されて、防振すべき振動の入力時には、マス部材の支持ロッドに対する打ち当たりが安定して生ぜしめられ、かかる打ち当たりに基づいて発揮される本来の制振効果がより安定して有効に発揮され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としての制振装置を示す縦断面説明図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1に示された制振装置の作動状態を説明するための説明図である。
【図4】図1に示された実施形態に従う構造とされた制振装置について、その制振特性を実測する際に用いた実験装置を示す説明図である。
【図5】図4に示された実験装置を用いて図1に示された実施形態に従う構造とされた制振装置の0.5G加振下での制振特性を実測した結果を示すグラフである。
【図6】図4に示された実験装置を用いて図1に示された実施形態に従う構造とされた制振装置の3.0G加振下での制振特性を実測した結果を示すグラフである。
【図7】本発明の別の態様とされた制振装置の一具体的構造例を示す、図1に対応する縦断面図である。
【図8】図7に示された制振装置の横断面図である。
【図9】本発明の更に別の態様とされた制振装置の一具体的構造例を示す、図1に対応する縦断面図である。
【図10】図9におけるX−X断面図である。
【図11】本発明の更に別の態様とされた制振装置の一具体的構造例を示す、図1に対応する縦断面図である。
【図12】図10に示された制振装置の横断面図である。
【図13】本発明の更に別の態様とされた制振装置の一具体的構造例を示す、図1に対応する縦断面図である。
【図14】図13におけるXIV −XIV 断面図である。
【図15】本発明の更に別の態様とされた制振装置の一具体的構造例を示す、図1に対応する縦断面図である。
【図16】図15におけるXVI −XVI 断面図である。
【図17】図15におけるXVII−XVII断面図である。
【符号の説明】
10 制振装置
14 支持ロッド
16 マス金具
22 当接ゴム

Claims (9)

  1. 防振すべき振動が及ぼされる支持ロッドに対して環状乃至は筒状とされた別体の独立マス部材を軸直角方向外方に離隔して非接着で外挿配置すると共に、該支持ロッドと該独立マス部材の少なくとも一方における軸直角方向での当接部位を当接弾性体で構成して、該独立マス部材の該支持ロッドに対する弾性的な当接によって該支持ロッドの軸直角方向の振動に対する制振効果を得るようにした当接型制振装置において、
    振動入力方向において前記当接弾性体が弾性変形せしめられた状態で、前記独立マス部材を前記支持ロッドに外挿配置すると共に、防振すべき振動の入力に際して、該当接弾性体が更に弾性変形して該独立マス部材または該支持ロッドから離隔せしめられることにより、振動入力方向で該独立マス部材が該支持ロッドに対して弾性的に打ち当たって当接せしめられるようにしたことを特徴とする当接型制振装置。
  2. 前記独立マス部材および前記支持ロッドが、何れも金属材で形成されており、該独立マス部材と該支持ロッドの少なくとも一方に前記当接弾性体が固着されて設けられている請求項1に記載の当接型制振装置。
  3. 前記独立マス部材と前記支持ロッドの対向面間において前記当接弾性体が直接に挟まれて介在せしめられることにより、該独立マス部材の該支持ロッドへの当接に際して該当接弾性体が圧縮変形せしめられるようになっている請求項2に記載の当接型制振装置。
  4. 軸直角方向で互いに対向位置せしめられた前記独立マス部材の内周面と前記支持ロッドの外周面がそれぞれ筒状面とされていると共に、それら独立マス部材の内周面と支持ロッドの外周面の少なくとも一方が、略全面に亘って、前記当接弾性体によって被覆されている請求項3に記載の当接型制振装置。
  5. 前記独立マス部材の内周面と前記支持ロッドの外周面との対向面間における周方向の全周に亘って前記当接弾性体が介在せしめられている請求項4に記載の当接型制振装置。
  6. 前記独立マス部材と前記支持ロッドの軸直角方向の対向面間において、前記当接弾性体が弾性変形状態で介在されていない隙間領域を形成した請求項1乃至5の何れかに記載の当接型制振装置。
  7. 前記独立マス部材と前記支持ロッドの軸直角方向対向面間において、複数の方向で前記当接弾性体が介在せしめられていることにより、該独立マス部材が該支持ロッドの外周側に離隔して略同一中心軸上で弾性的に位置決め保持されるようになっている請求項1乃至6の何れかに記載の当接型制振装置。
  8. 前記支持ロッドに対して少なくとも5Gの加速度で加振力が及ぼされた際に、前記当接弾性体が前記独立マス部材または該支持ロッドから離隔せしめられるようにした請求項1乃至7の何れかに記載の当接型制振装置。
  9. 前記支持ロッドに対して3つ以上の前記独立マス部材を外挿せしめて、隣り合う該独立マス部材の軸方向対向面間に緩衝ゴムを設けると共に、軸方向で最外部に位置する該独立マス部材の軸方向変位を制限するストッパ金具を設けた請求項1乃至8の何れかに記載の当接型制振装置。
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