JP2016027379A - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置、ならびに、固溶体および固溶体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置、ならびに、固溶体および固溶体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】常温常湿環境下だけでなく、特に厳しい条件である低温低湿環境下であっても、ゴースト現象による画像欠陥が少ない画像を出力可能な電子写真感光体、その製造方法、ならびに、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。【解決手段】支持体および支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、感光層が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、及び特定構造のポルフィリン化合物との固溶体を含有しており、固溶体が、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θにおいて7.4??0.3?および28.3??0.3?にピークを有する。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置、ならびに、固溶体および固溶体の製造方法に関する。
現在、電子写真分野における像露光手段としてよく用いられている半導体レーザーの発振波長は、650〜820nmと長波長であるため、これらの長波長の光に高い感度を有する電子写真感光体の開発が進められている。
フタロシアニン顔料は、こうした長波長領域までの光に高い感度を有する電荷発生物質として有効であり、特にオキシチタニウムフタロシアニンやガリウムフタロシアニンは、優れた感度特性を有しており、これまでに様々な結晶形が報告されている。
ところが、フタロシアニン顔料を用いた電子写真感光体は、優れた感度特性を有している反面、生成したフォトキャリアが感光層に残存しやすく、一種のメモリーとして、ゴースト現象などの電位変動を起こしやすいという課題があった。
特許文献1または特許文献2には、フタロシアニン顔料のアシッドペースティング工程時に特定の有機電子アクセプター、または、N型導電性顔料を添加することにより増感効果をもたらすことが記載されている。しかしながら、この手法では添加物(有機電子アクセプター、N型導電性顔料)が化学変化することの懸念、および、所望の結晶形への変換が困難である場合があるという課題があった。
また、特許文献3には、オキシチタニルフタロシアニンとヒドロキシガリウムフタロシアニンとからなる混合結晶が、電荷発生物質として有用であることが記載されている。
特開2001−40237号公報 特開平5−333575号公報 特開平4−351673号公報
以上、電子写真感光体に関して、様々な改善が試みられている。
しかしながら、近年のさらなる高画質化に対しては、様々な環境下においてゴースト現象による画質劣化の改善が望まれている。
本発明の目的は、常温常湿環境下だけでなく、特に厳しい条件である低温低湿環境下であっても、ゴースト現象による画像欠陥が抑制された電子写真感光体、および電子写真感光体の製造方法ならびに、プロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、固溶体および固溶体の製造方法を提供することにある。
本発明によれば、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、
該感光層が、ヒドロキシガリウムフタロシアニンと下記式(1)または式(1)´で示される化合物との固溶体を含有しており、
該固溶体が、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θにおいて7.4°±0.3°および28.3°±0.3°にピークを有することを特徴とする電子写真感光体が提供される。
Figure 2016027379
Figure 2016027379
(式(1)または式(1)´中、Mは、軸配位子を有してもよい金属原子を示す。Xは、炭素原子または窒素原子を示す。R〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を示す。但し、Xが窒素原子の場合は、環は閉じており、置換基のR〜Rは存在しない。)
また、本発明によれば、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジが提供される。
また、本発明によれば、上記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置が提供される。
また、本発明によれば、ヒドロキシガリウムフタロシアニンと下記式(1)または式(1)´で示される化合物との固溶体であり、
該固溶体が、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θにおいて7.4°±0.3°および28.3°±0.3°にピークを有することを特徴とする固溶体が提供される。
Figure 2016027379
Figure 2016027379
(式(1)または式(1)´中、Mは、軸配位子を有してもよい金属原子を示す。Xは、炭素原子または窒素原子を示す。R〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を示す。但し、Xが窒素原子の場合は、環は閉じており、置換基のR〜Rは存在しない。)
また、本発明によれば、上記ヒドロキシガリウムフタロシアニンと式(1)または式(1)´で示される化合物との固溶体の製造方法であって、
溶剤にヒドロキシガリウムフタロシアニンと前記式(1)または式(1)´で示される化合物を加えてミリング処理する工程を有することを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン及び式(1)で示される化合物との固溶体の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、上記の固溶体の製造方法により、前記固溶体を製造する工程、および前記固溶体を含有する感光層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて該感光層を形成する工程、を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される。
本発明によれば、常温常湿環境下だけでなく、特に厳しい条件である低温低湿環境下であっても、ゴースト現象による画像欠陥が抑制された電子写真感光体、その製造方法、ならびに、プロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
さらに、電荷発生物質として優れた特性を有する固溶体およびその製造方法を提供することができる。また、上記固溶体を用いた電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 実施例1−1で得られた固溶体の粉末X線回折図である。 実施例1−2で得られた固溶体の粉末X線回折図である。 実施例1−3で得られた固溶体の粉末X線回折図である。 実施例1−5で得られた固溶体の粉末X線回折図である。 実施例1−6で得られた固溶体の粉末X線回折図である。 合成例1で得られた結晶の粉末X線回折図である。 実施例1−7で得られた固溶体の粉末X線回折図である。 比較例1−2で得られた結晶の粉末X線回折図である。 比較例1−3で得られた結晶の粉末X線回折図である。
本発明の電子写真感光体は、上記のとおり、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する。
本発明は、該感光層が、ヒドロキシガリウムフタロシアニンと下記式(1)または式(1)´で示される化合物との固溶体を含有しており、
該固溶体が、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θにおいて7.4°±0.3°および28.3°±0.3°にピークを有することを特徴とする電子写真感光体である。
Figure 2016027379
上記式(1)中、Mは、軸配位子を有してもよい金属原子を示す。
Figure 2016027379
前記式(1)中のMとしては、Mg、Zn、Ni、Cu、V、Ti、Ga、Sn、In、Al、Mn、Fe、Co、Pd、GeおよびMoなどの金属原子が挙げられ、軸配位子としてはハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基およびアルキルアミノ基などが挙げられる。
また、Xは、炭素原子または窒素原子を示す。なお、Xが窒素原子の場合、前記式(1)で示されるポルフィリン化合物は、下記式(1)″で示されるテトラアザポルフィリン化合物となる。
Figure 2016027379
また、上記式(1)、(1)′、(1)″において、R〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を示す。但し、Xが窒素原子の場合は、上記式(1)″のように環は閉じており、置換基のR〜Rは存在しない。
また、前記式(1)における、置換もしくは無置換のアリール基の置換基、置換もしくは無置換の複素環基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基などのアルキル基や、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基や、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのジアルキルアミノ基や、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子や、ニトロ基や、シアノ基や、フェニル基や、ホルミル基などが挙げられる。
前記式(1)で示されるポルフィリン化合物の中でも、Xが炭素原子であり、R〜R12が、それぞれ独立に、水素原子、アリール基または複素環基であることが好ましい。中でもR〜R12が、水素原子であることがより好ましい。さらに、R〜Rが、ピリジル基であることが好ましく、中でも4−ピリジル基であることが特に好ましい。
前記式(1)で示されるポルフィリン化合物の中でも、Xが窒素原子であり、R〜R12が、それぞれ独立に、水素原子、アリール基または複素環基であることが好ましく、中でもR〜R12が、フェニル基、またはピリジル基であることがより好ましい。
前記式(1)または式(1)´で示されるポルフィリン化合物の中でも、前記式(1)′で示される無金属ポルフィリン化合物であることが好ましい。
以下に、本発明の固溶体に含有される前記式(1)または前記式(1)´で示されるポルフィリン化合物の中で、好ましい具体例(例示化合物)を示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 2016027379
Figure 2016027379
Figure 2016027379
本発明の固溶体に含有されるヒドロキシガリウムフタロシアニンは、下記式(2)で示される化合物である。
Figure 2016027379
(式中、Y、Y、YおよびYはClを示し、n、m、p及びkは0から4の整数である。ただし、n、m、p及びkが0のときは、水素原子となる。)
また、本発明の固溶体の中でも、アミド系溶剤またはスルホキシド系溶剤を含有する固溶体が好ましい。具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、及びジメチルスルホキシドからなる群より選択される少なくとも1つを含有する固溶体が好ましい。その中でもN,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルホルムアミドからなる群から選択される少なくとも1つを含有している固溶体であることが、本発明が有効に作用し特に好ましい。
また、本発明の固溶体の中でも、前記式(1)または式(1)´で示されるポルフィリン化合物の含有量が、0.1質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、その中でも5質量%以上30質量%以下であることが、本発明が有効に作用し特に好ましい。
次に、本発明の固溶体の製造方法について説明する。
本発明の固溶体は、溶剤に、ヒドロキシガリウムフタロシアニンと、前記式(1)または式(1)´で示されるポルフィリン化合物を加えて湿式ミリング処理をすることにより、フタロシアニンの結晶変換を行う結晶変換工程で得られる。ミリング処理に用いるヒドロキシガリウムフタロシアニンは、ハロゲン化ガリウムフタロシアニンをアシッドペースティング法により得られたヒドロキシガリウムフタロシアニンであることが好ましい。
ここで行うミリング処理とは、例えば、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナボールなどの分散剤とともにサンドミル、ボールミルなどのミリング装置を用いて行う処理である。ミリング時間は、5〜100時間程度が好ましい。特に好ましい方法は、5〜10時間おきにサンプルをとり、結晶のブラッグ角を確認することである。ミリング処理で用いる分散剤の量は、質量基準でガリウムフタロシアニンの10〜50倍が好ましい。また、用いられる溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤などが挙げられる。溶剤の使用量は、質量基準でフタロシアニンの5〜30倍が好ましい。前記式(1)または式(1)´で示されるポルフィリン化合物の使用量は、質量基準でヒドロキシガリウムフタロシアニンの0.01〜1.0倍が好ましい。
本発明における「固溶体」とは、ホスト体となるヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶格子の中に、ゲスト体となる特定のポルフィリンが溶け込んだ構造をしており、粉末のX線回折パターンは、ホスト体単体のX線回折パターンと類似している。
2種以上の顔料が固溶体を形成しているかの検証は、粉末X線回折分析などによって行うことができる。2種以上の顔料を単純に混合したものである場合、各顔料のX線回折パターンの重ね合わせに相当するパターンが得られ、そのピーク強度は各顔料の配合比率に比例する。しかし、固溶体を形成している場合は、ホスト体単体のX線回折パターンと類似(ほぼ一致)するパターンが得られる。または、全く新しいX線回折パターンが得られる。
本発明の固溶体内のヒドロキシガリウムフタロシアニン、前記式(1)または式(1)´で示されるポルフィリン化合物、およびN,N−ジメチルホルムアミド等の溶剤の含有量は、固溶体のNMRの測定データを解析することにより決定した。なお、上記の含有量は、固溶体の質量に対する割合である。
本発明の固溶体の粉末X線回折、質量分析、およびNMRの測定は、次の条件で行ったものである。
[粉末X線回折測定]
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT−TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50kV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/minute
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロ:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター
[質量分析測定]
使用測定器:サーモエレクトロン(株)製、TraceDSQ−MASS SPECTROMETER
測定モード:Direct Probe
[NMR測定]
使用測定器:BRUKER製、AVANCEIII 500
溶媒:重硫酸(DSO
本発明の固溶体は、光導電体としての機能に優れ、電子写真感光体以外にも、太陽電池、センサー、スイッチング素子などに適用することができる。
次に、本発明の固溶体を電子写真感光体における電荷発生物質として適用する場合について説明する。
本発明の電子写真感光体は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する。感光層には、電荷発生物質および電荷輸送物質をともに含有する単一層からなる感光層(単層型感光層)や、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層してなる感光層(積層型感光層)がある。中でも、電荷発生層、電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有する積層型感光層が好ましい。
本発明の電子写真感光体に用いられる支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましい。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、インジウム、金および白金などの金属製、合金製の支持体を用いることができる。他にはアルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム、酸化スズおよび酸化インジウム−酸化スズ合金を真空蒸着法によって被膜形成された層を有するプラスチックがある。導電性粒子を結着樹脂とともにプラスチックまたは前記支持体の上に被覆した支持体、導電性粒子をプラスチックや紙に含浸させた支持体や、導電性ポリマーを有するプラスチックなどを用いることができる。
本発明の電子写真感光体においては、支持体および感光層の間にはバリア機能と接着機能とを持つ下引き層(バリア層、中間層とも呼ばれる。)を設けることもできる。下引き層は、結着樹脂、および溶剤を混合することによって得られる下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって下引き層を形成することができる。
下引き層の材料としてはポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロンおよびN−アルコキシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン、にかわ、酸化アルミニウムおよびゼラチンなどが用いられる。その膜厚は0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmである。
単層型感光層を形成する場合、本発明に係る固溶体を電荷発生物質として用い、電荷輸送物質と共に結着樹脂溶液中に混合して、感光層用塗布液を調製する。この感光層用塗布液を支持体上に塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって感光層を形成することができる。
積層型感光層を形成する場合には、電荷発生層は、本発明に係る固溶体を結着樹脂溶液中に分散させて得られた電荷発生層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、蒸着によって電荷発生層を形成することもできる。
積層型感光層を形成する場合、電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させて得られた電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させて形成することができる。
電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物などが挙げられる。
単層型感光層、電荷発生層、電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリビニルカルバゾール、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、ポリアリレート、塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体、ポリビニルベンザールなどの樹脂が用いられる。
感光層の塗布方法としては、ディッピング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
感光層が単層型である場合、膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
感光層が積層型である場合、電荷発生層の膜厚は、0.01〜10μmであることが好ましく、0.1〜3μmであることがより好ましい。また、電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
感光層が積層型である場合、電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して20〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。また、電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して20〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましい。
感光層が単層型である場合、電荷発生物質の含有量は、感光層の全質量に対して3〜30質量%であることが好ましい。また、電荷輸送物質の含有量は、感光層の全質量に対して30〜70質量%であることが好ましい。
本発明に係る固溶体を電荷発生物質として用いる場合、他の電荷発生物質と混合して用いることもできる。この場合、本発明に係る固溶体の含有率は、全電荷発生物質に対して50質量%以上が好ましい。
感光層上には、必要に応じて保護層を設けてもよい。保護層は、結着樹脂を溶剤に溶解させて得られた保護層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって形成することができる。結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート(ポリカーボネートZ、変性ポリカーボネートなど)、ポリアリレート、ポリウレタン、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマーなどが挙げられる。
保護層の膜厚は、0.05〜20μmであることが好ましい。
保護層には、導電性粒子や紫外線吸収剤などを含有させてもよい。導電性粒子としては、例えば、酸化スズ粒子などの金属酸化物粒子が挙げられる。
図1は、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
1は円筒状(ドラム状)の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3により、正または負の所定電位に帯電される。次いで、帯電された電子写真感光体1の表面には、像露光手段(不図示)から像露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。像露光光4は、例えば、スリット露光やレーザービーム走査露光などの像露光手段から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された光である。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像(正規現像または反転現像)され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写されていく。このとき、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。また、転写材7が紙である場合、転写材7は給紙部(不図示)から取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して給送される。
電子写真感光体1からトナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離されて、像定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置の外へプリントアウトされる。
転写材7にトナー像を転写した後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9により、トナー(転写残りトナー)などの付着物の除去を受けて清浄される。近年、クリーナレスシステムも開発され、転写残りトナーを直接、現像器などで除去することもできる。さらに、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数の構成要素を容器に納めて一体に支持してプロセスカートリッジを形成してもよい。このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成することができる。例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9から選択される少なくとも1つを電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化する。そして、電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光であってもよい。または、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動もしくは液晶シャッターアレイの駆動などにより放射される光であってもよい。
本発明の電子写真感光体1は、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プリンターおよびレーザー製版などの電子写真応用分野にも幅広く適用することができる。
以下に、具体的な合成例および実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例の電子写真感光体の各層の膜厚は、渦電流式膜厚計(Fischerscope、フィッシャーインスツルメント社製)で求め、または、単位面積当たりの質量から比重換算で求めた。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
〔実施例1−1〕
特開2011−94101号公報に記載の(実施例1−1)と同様に処理して得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン0.5部、特開2002−371202号公報に記載の<合成例3>と同様にして得られた例示化合物(1)0.1部、および、N,N−ジメチルホルムアミド9.5部を、直径0.8mmのガラスビーズ15部とともにボールミルでミリング処理を室温(23℃)下で48時間行った。この分散液からガリウムフタロシアニン結晶をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて取り出し、濾過し、濾過器上をN,N−ジメチルホルムアミドで十分に洗浄し、続いてテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°および28.4°にピークを有する固溶体を0.54部得た。得られた固溶体の粉末X線回折図を図2に示す。
NMR測定によりヒドロキシガリウムフタロシアニンとのプロトン比率から換算して、固溶体中に例示化合物(1)が17.65質量%、N,N−ジメチルホルムアミドが2.62質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−2〕
実施例1−1において、ミリング処理時のN,N−ジメチルホルムアミド9.5部をN−メチルホルムアミド9.5部に代えた。それ以外は、実施例1−1と同様に処理し、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°および28.2°にピークを有する固溶体を0.44部得た。得られた固溶体の粉末X線回折図を図3に示す。NMR測定により例示化合物(1)が固溶体中に16.50質量%、N−メチルホルムアミドが2.64質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−3〕
実施例1−1において、例示化合物(1)0.1部を0.05部に代えた。それ以外は、実施例1−1と同様に処理し、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°および28.3°にピークを有する固溶体を0.47部得た。得られた固溶体の粉末X線回折図を図4に示す。
NMR測定により例示化合物(1)が固溶体中に7.08質量%、N,N−ジメチルホルムアミドが2.21質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−4〕
実施例1−1において、例示化合物(1)0.1部を0.015部に代えた。それ以外は、実施例1−1と同様に処理し、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°および28.3°にピークを有する固溶体を0.44部得た。得られた固溶体の粉末X線回折図は図4と同様であった。
NMR測定により例示化合物(1)が固溶体中に0.81質量%、N,N−ジメチルホルムアミドが2.14質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−5〕
実施例1−1において、例示化合物(1)0.1部を0.2部に、ミリング処理時間を48時間から90時間に代えた。それ以外は、実施例1−1と同様に処理し、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°および28.3°にピークを有する固溶体を0.65部得た。得られた固溶体の粉末X線回折図を図5に示す。
NMR測定により例示化合物(1)が固溶体中に34.58質量%、N,N−ジメチルホルムアミドが3.40質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−6〕
実施例1−1において、例示化合物(1)0.1部を特開2002−12791号公報に記載の<実施例2>と同様にして得られた例示化合物(13)0.1部に代えた。それ以外は、実施例1−1と同様に処理し、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°および28.4°にピークを有する固溶体を0.44部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図6に示す。
NMR測定により例示化合物(13)が固溶体中に9.75質量%、N,N−ジメチルホルムアミドが3.96質量%含有されていることが確認された。
〔合成例1〕
マグネシウム0.35部と1−ブタノール150部とを加熱還流下2時間処理し、冷却後、2,3−ビス(4−ピリジル)−2,3−ジシアノマレオニトリル10部を加え、さらに100℃で7時間加熱撹拌を行った。溶媒を留去後、残渣をアルミナカラム(溶媒:クロロホルム:メタノール=5:1)にて精製し、例示化合物(20)を4.1部得た。ついで、得られた例示化合物(20)3部、水300部、および濃塩酸30部を室温下で1時間攪拌処理を行った。アンモニア水で中和し、析出物をろ過し、ろ過機上水洗浄を行った。ろ過物を乾燥後、アルミナカラム(溶媒:クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製し、例示化合物(19)を1.4部得た。得られた結晶のX線回折図を図7に示す。下記に質量分析値のデータを示す。
MS(Direct Probe):930.0
Calculated Exact Mass:930.3
〔実施例1−7〕
実施例1−1において、例示化合物(1)0.2部を〔合成例1〕で得られた例示化合物(19)0.1部に代えた。それ以外は、実施例1−1と同様に処理し、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°および28.3°にピークを有する固溶体を0.49部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図8に示す。
NMR測定により例示化合物(19)が固溶体中に11.02質量%、N,N−ジメチルホルムアミドが2.95質量%含有されていることが確認された。
〔比較例1−1〕
実施例1−1において、例示化合物(1)0.1部を加えなかった以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図8と同様であった。
〔比較例1−2〕
実施例1−1において、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを加えず、例示化合物(1)0.1部を0.5部に変えた以外は、実施例1−1と同様に処理し、例示化合物(1)のテトラピリジルポルフィリン結晶を0.40部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図9に示す。
〔比較例1−3〕
実施例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミド9.5部をクロロホルム9.5部に代えた。それ以外は、実施例1−1と同様に処理し、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.0°、および26.8°にピークを有する結晶を0.48部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図10に示す。
〔実施例2−1〕
酸化スズで被覆した硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、DIC(株)製、固形分70質量%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)0.015部、シリコーン樹脂(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)3.6部、2−メトキシ−1−プロパノール 50部、メタノール 50部からなる溶液を20時間、ボールミルで分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を、支持体としてのアルミニウムシリンダー(直径24mm)上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間140℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部およびメトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)30部を、メタノール400部/n−ブタノール200部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって、膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
次に、
実施例1−1で得られた固溶体(電荷発生物質)10部、
ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、および、
シクロヘキサノン250部を、
直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、4時間分散処理し、これに酢酸エチル250部を加えて希釈することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(3)で示される化合物(電荷輸送物質)7部、
下記式(4)で示される化合物(電荷輸送物質)1部、および、
ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ−200、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン70部に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
Figure 2016027379
Figure 2016027379
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を1時間110℃で乾燥させることによって、膜厚が23μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして、円筒状(ドラム状)の実施例2−1の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−2〜2−7〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の固溶体を、実施例1−2〜1−7で得られた固溶体に変更した以外は、実施例2−1と同様にして実施例2−2〜2−7の電子写真感光体を作製した。
〔比較例2−1〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の固溶体を、比較例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した以外は、実施例2−1と同様にして比較例2−1の電子写真感光体を作製した。
〔比較例2−2〕
比較例2−1において、比較例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶10部に加えて、比較例1−2で得られたテトラピリジルポルフィリン結晶1部を加えた。それ以外は、比較例2−1と同様にして比較例2−2の電子写真感光体を作製した。
〔比較例2−3〕
比較例2−1において、比較例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶10部を、比較例1−3で得られた結晶10部に代えた以外は、比較例2−1と同様にして比較例2−3の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−1〜2−7および比較例2−1〜2−3の評価〕
実施例2−1〜2−7および比較例2−1〜2−3の電子写真感光体について、ゴースト画像評価を行った。
評価用の電子写真装置としては、日本ヒューレットパッカード(株)製のレーザービームプリンター(商品名:Color Laser Jet CP3525dn)を、以下に示す改造を施して用いた。すなわち、前露光は点灯せず、帯電条件と像露光量は可変で作動するようにした。また、シアン色用のプロセスカートリッジに作製した電子写真感光体を装着してシアンのプロセスカートリッジのステーションに取り付け、他の色用のプロセスカートリッジをプリンター本体に装着せずとも作動するようにした。
画像の出力に際しては、シアン色用のプロセスカートリッジのみを本体に取り付け、シアントナーのみによる単色画像を出力した。
まず、23℃/55%RHの常温常湿環境下で、初期の暗部電位が−500V、明部電位が−100Vになるように帯電条件と像露光量を調整した。電位設定の際のドラム状電子写真感光体の表面電位の測定は、カートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(商品名:model6000B−8、トレック・ジャパン(株)製)を装着する。その後、円筒状の電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(商品名:model344、トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。
その後、同条件下でゴースト画像評価を行った。その後、1000枚の繰り返し通紙試験を行い、繰り返し試験直後および繰り返し試験15時間後でのゴースト画像評価を行った。常温常湿環境下における評価結果を表1に示す。
次に、電子写真感光体を評価用の電子写真装置とともに15℃/10%RHの低温低湿環境下で3日間放置した後、ゴースト画像評価を行った。そして、同条件下で1000枚の繰り返し通紙試験を行い、繰り返し通紙試験直後および繰り返し通紙試験15時間後でのゴースト画像評価を行った。低温低湿環境下における評価結果を表1に合わせて示す。
なお、通紙耐久試験は、印字率1%でE文字画像をA4サイズの普通紙にシアン単色で印字する条件で行った。
また、ゴースト画像評価の方法は、以下のようにした。
ゴースト画像評価は、1枚目にベタ白画像を出力し、その後ゴーストチャートを4種類各1枚の計4枚出力し、次に、ベタ黒画像を1枚出力した後に再度ゴーストチャートを4種類各1枚の計4枚出力する。この順番で画像出力を行い、計8枚のゴースト画像で評価した。ゴーストチャートは、プリント画像書き出し(紙上端10mm)位置から30mmの範囲をべた白背景に25mm四方のべた黒の正方形を等間隔、かつ、平行に4つ並べ、プリント画像書き出し位置から30mm以降はハーフトーンの印字パターンを4種類出力する。この出力画像をもとに、以下のようにランク分けを行った。
4種類のゴーストチャートとは、プリント書き出し位置から30mm以降のハーフトーンパターンのみ異なるチャートで、ハーフトーンのパターンは以下の4種類である。
(1)横1ドット、1スペースの印字(レーザー露光)パターン。
(2)横2ドット、2スペースの印字(レーザー露光)パターン。
(3)横2ドット、3スペースの印字(レーザー露光)パターン。
(4)桂馬パターンの印字(レーザー露光)パターン。(将棋の桂馬の動きのように6マスに2ドット印字するパターン)
*:横とは、電子写真感光体の表面に照射されるレーザースキャナーの走査方向(上記レーザービームプリンターにおいて出力された用紙では、用紙の出力方向に直交する方向)を指す。
ゴースト画像のランク分けは以下のように行った。なお、ランク4、5、6は、本発明の効果が十分に得られていないレベルと判断した。
ランク1:いずれのゴーストチャートでもゴーストは見えない。
ランク2:特定のゴーストチャートでゴーストがうっすら見える。
ランク3:いずれのゴーストチャートでもゴーストがうっすら見える。
ランク4:特定のゴーストチャートでゴーストが見える。
ランク5:いずれのゴーストチャートでもゴーストが見える。
ランク6:特定のゴーストチャートでゴーストがはっきり見える。
Figure 2016027379

Claims (19)

  1. 支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、
    該感光層が、ヒドロキシガリウムフタロシアニンと下記式(1)または式(1)´で示される化合物との固溶体を含有しており、
    該固溶体が、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θにおいて7.4°±0.3°および28.3°±0.3°にピークを有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2016027379
    Figure 2016027379
    (式(1)または式(1)´中、Mは、軸配位子を有してもよい金属原子を示す。Xは、炭素原子または窒素原子を示す。R〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を示す。但し、Xが窒素原子の場合は、環は閉じており、置換基のR〜Rは存在しない。)
  2. 前記式(1)または式(1)´中のXが炭素原子であり、R〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、または複素環基である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記式(1)または式(1)´中のR〜R12が、水素原子である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記式(1)または式(1)´中のR〜Rが、ピリジル基である請求項2または3に記載の電子写真感光体。
  5. 前記式(1)または式(1)´中のR〜Rが、4−ピリジル基である請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記式(1)または式(1)´中のXが窒素原子であり、R〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、または複素環基である請求項1に記載の電子写真感光体。
  7. 前記式(1)または式(1)´中のR〜R12が、フェニル基、またはピリジル基である請求項6に記載の電子写真感光体。
  8. 前記感光層が、前記ヒドロキシガリウムフタロシアニンと前記式(1)´で示される化合物との固溶体を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 前記固溶体が、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルホルムアミドからなる群から選択される少なくとも1つを含有している請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  10. 前記固溶体内における前記式(1)または式(1)´で示される化合物の含有量が、5質量%以上30質量%以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
  13. ヒドロキシガリウムフタロシアニンと下記式(1)または式(1)´で示される化合物との固溶体であって、
    該固溶体が、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θにおいて7.4°±0.3°および28.3°±0.3°にピークを有することを特徴とする固溶体。
    Figure 2016027379
    Figure 2016027379
    (式(1)または式(1)´中、Mは、軸配位子を有してもよい金属原子を示す。Xは、炭素原子または窒素原子を示す。R〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を示す。但し、Xが窒素原子の場合は、環は閉じており、置換基のR〜Rは存在しない。)
  14. 前記式(1)または式(1)´で示される化合物の含有量が、5質量%以上30質量%以下である請求項13に記載の固溶体。
  15. 請求項13または14に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニンと式(1)または式(1)´で示される化合物との固溶体の製造方法であって、
    溶剤にヒドロキシガリウムフタロシアニンと前記式(1)または式(1)´で示される化合物を加えてミリング処理する工程を有することを特徴とする固溶体の製造方法。
  16. 前記製造方法が、ハロゲン化ガリウムフタロシアニンをアシッドペースティング法によって前記ヒドロキシガリウムフタロシアニンを得る工程を有する請求項15に記載の固溶体の製造方法。
  17. 前記溶剤が、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルホルムアミドからなる群より選択される少なくとも1つである請求項15または16に記載の固溶体の製造方法。
  18. 支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
    請求項15〜17のいずれか1項に記載の固溶体の製造方法により、前記固溶体を製造する工程、および
    前記固溶体を含有する感光層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて該感光層を形成する工程、
    を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  19. 支持体、該支持体上に形成された電荷発生層および該電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
    請求項15〜17のいずれか1項に記載の固溶体の製造方法により、前記固溶体を製造する工程、および
    前記固溶体を含有する電荷発生層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて該電荷発生層を形成する工程、
    を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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