JP6562810B2 - ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法、及び該ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を用いた電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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Description
一方で、電荷発生物質の感度を高めると、電荷の発生量が多くなるため、電荷が感光層中に滞留しやすく、その結果として、最終的に得られる画像にゴースト現象が発生しやすい。このゴースト現象は、常温常湿環境下だけでなく、より厳しい条件である低温低湿環境下での電子写真感光体の使用においても、発生が抑制されることが好ましい。
また、本発明の他の目的は、感度が高く、かつ、低温低湿環境下での使用においても、ゴースト現象の発生が抑制された画像を出力可能な電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物を、1℃以上30℃以下の温度において湿式ミリング処理を行い、分散液を得る第1の湿式ミリング処理工程と、
該分散液を、40℃以上60℃以下の温度において湿式ミリング処理を行い、CuKα線を用いたX線回折パターン(ブラッグ角2θ)において、7.4°±0.3および28.3°±0.3°にピークを示すヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得る第2の湿式ミリング処理工程と、
を有することを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法、に関する。
さらに、本発明によれば、感度が高く、かつ、低温低湿環境下での使用においても、ゴースト現象の発生が抑制された画像を出力可能な電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物を、1℃以上30℃以下の温度において湿式ミリング処理を行い、分散液を得る第1の湿式ミリング処理工程と、
該分散液を、40℃以上60℃以下の温度において湿式ミリング処理を行い、CuKα線を用いたX線回折パターン(ブラッグ角2θ)において、7.4°±0.3°および28.3°±0.3°にピークを示すヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得る第2の湿式ミリング処理工程と、
を有することを特徴とする。
ここで行う湿式ミリング処理とは、例えば、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ、スチールビーズなどを分散メディアとして用い、サンドミル、ボールミルなどのミリング装置を用いて行う処理である。
また、使用される分散メディアの量は、質量基準でヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物の10倍以上50倍以下が好ましい。
また、溶剤の使用量は、質量基準でヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物の5〜30倍が好ましい。
[粉末X線回折測定]
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT−TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロメーター:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター
[NMR測定]
使用測定器:BRUKER製、AVANCEIII 500
溶媒:重硫酸(D2SO4)
積算回数:2000
下引き層の材料としてはポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロンおよびN−アルコキシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン、にかわ、酸化アルミニウムおよびゼラチンなどが用いられる。その膜厚は0.1μm以上10μm以下、好ましくは0.5μm以上5μm以下である。
電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物などが挙げられる。
感光層が積層型である場合、電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。また、電荷輸送層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。
感光層が単層型である場合、電荷発生物質の含有量は、感光層の全質量に対して3質量%以上30質量%以下であることが好ましい。また、電荷輸送物質の含有量は、感光層の全質量に対して30質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
保護層の膜厚は、0.05μm以上20μm以下であることが好ましい。
保護層には、導電性粒子や紫外線吸収剤などを含有させてもよい。導電性粒子としては、例えば、酸化スズ粒子などの金属酸化物粒子が挙げられる。
電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3により、正または負の所定電位に帯電される。次いで、帯電された電子写真感光体1の表面には、像露光手段(不図示)から像露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。像露光光4は、例えば、スリット露光やレーザービーム走査露光などの像露光手段から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された光である。
窒素フローの雰囲気下、フタロニトリル5.46部およびα−クロロナフタレン45部を反応釜に投入した後、加熱し、温度60℃まで昇温させた後、この温度を維持した。次に、この温度(60℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入した。投入時の混合液の水分値は60ppmであった。その後、温度200℃まで昇温させた。次に、窒素フローの雰囲気下、温度200℃で5時間反応させた後、冷却し、温度150℃に達したときに生成物を濾過した。得られた濾過物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて温度130℃で2時間分散洗浄した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を4.47部(収率68%)得た。
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料4.65部を、温度10℃で濃硫酸139.5部に溶解させ、攪拌下、氷水620部中に滴下して再析出させて、フィルタープレスを用いて濾過した。得られたウエットケーキ(濾過物)を2%アンモニア水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いて濾過した。次いで、得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いた濾過を3回繰り返し、固形分23%のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)を得た(アシッドペースティング法。)。
合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン0.5部、および、N−メチルホルムアミド10部を、平均粒径0.8mmのガラスビーズ20部とともにボールミルで湿式ミリング処理を23℃下で24時間行った。次に、ミリング装置ごと50℃の環境試験室に投入し、同様に湿式ミリング処理を114時間行った。この際、容器は規格びん(製品コード:PS−6、柏洋硝子株式会社製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で湿式ミリング処理を行った。この分散液からヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶をN−メチルホルムアミドを用いて取り出し、濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図2に示す。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、CuKα線を用いたX線回折パターン(ブラッグ角2θ±0.2°)において、7.5°、および28.4°にピークを示す結晶であった。
実施例1−1において、23℃での湿式ミリング処理を24時間から114時間に変更し、50℃での湿式ミリング処理を114時間から3時間に代えた以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図3に示す。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、CuKα線を用いたX線回折パターン(ブラッグ角2θ±0.2°)において、7.5°、および28.3°にピークを示す結晶であった。
実施例1−2において、50℃での湿式ミリング処理を3時間から22時間に代えた以外は、実施例1−2と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図4に示す。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、CuKα線を用いたX線回折パターン(ブラッグ角2θ±0.2°)において、7.5°、および28.3°にピークを示す結晶であった。
実施例1−1において、23℃での湿式ミリング処理を24時間から48時間に変更し、50℃での湿式ミリング処理を114時間から24時間に変更し、続いて、ミリング装置ごと23℃の環境試験室に投入し、同様に湿式ミリング処理を24時間追加した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図3と同様であった。
実施例1−1において、23℃での湿式ミリング処理を24時間から72時間に変更し、50℃での湿式ミリング処理を114時間から48時間に代えた以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図4と同様であった。
実施例1−5において、湿式ミリング処理時の分散液の入った容器を窒素で置換した以外は、実施例1−5と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図4と同様であった。
実施例1−1において、23℃での湿式ミリング処理を24時間から114時間に変更し、50℃での湿式ミリング処理を114時間から34時間に変更し、続いて、ミリング装置ごと23℃の環境試験室に投入し、同様に湿式ミリング処理を16時間追加した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図2と同様であった。
実施例1−1において、23℃での湿式ミリング処理を24時間から95時間に変更し、50℃での湿式ミリング処理を114時間から5時間に変更し、続いて、ミリング装置ごと23℃の環境試験室に投入し、同様に湿式ミリング処理を24時間追加した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図4と同様であった。
実施例1−1において、23℃での湿式ミリング処理を24時間から95時間に変更し、50℃での湿式ミリング処理を114時間から24時間に変更し、続いて、ミリング装置ごと23℃の環境試験室に投入し、同様に湿式ミリング処理を24時間追加した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図4と同様であった。
実施例1−1において、23℃での湿式ミリング処理を24時間から95時間に変更し、50℃での湿式ミリング処理を114時間から48時間に変更し、続いて、ミリング装置ごと23℃の環境試験室に投入し、同様に湿式ミリング処理を24時間追加した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図4と同様であった。
実施例1−1において、23℃での湿式ミリング処理24時間を、10℃での湿式ミリング処理7時間に変更し、50℃での湿式ミリング処理時間を114時間から22時間に代えた以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図3と同様であった。
実施例1−1において、23℃での湿式ミリング処理を24時間から3時間に変更し、50℃での湿式ミリング処理114時間を40℃での湿式ミリング処理100時間に代えた以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図3と同様であった。
実施例1−1において、23℃での湿式ミリング処理を24時間から3時間に変更し、50℃での湿式ミリング処理114時間を60℃での湿式ミリング処理5.5時間に代えた以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図3と同様であった。
実施例1−1において、23℃での湿式ミリング処理を24時間から96時間に変更し、50℃での湿式ミリング処理114時間を、60℃での湿式ミリング処理5時間に変更し、続いて、ミリング装置ごと23℃の環境試験室に投入し、同様に湿式ミリング処理を24時間追加した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図4と同様であった。
実施例1−1において、23℃での湿式ミリング処理を24時間から96時間に変更し、50℃での湿式ミリング処理114時間を、60℃での湿式ミリング処理27時間に変更し、続いて、ミリング装置ごと23℃の環境試験室に投入し、同様に湿式ミリング処理を24時間追加した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図3と同様であった。
実施例1−7において、N−メチルホルムアミド10部をN−n−プロピルホルムアミド10部に代えた以外は、実施例1−7と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図2と同様であった。
実施例1−7において、N−メチルホルムアミド10部をN−ビニルホルムアミド10部に代えた以外は、実施例1−7と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図2と同様であった。
実施例1−1において、N−メチルホルムアミド10部をN,N−ジメチルホルムアミド10部に変更し、50℃での湿式ミリング処理を114時間から6.5時間に代えた以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図5に示す。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、CuKα線を用いたX線回折パターン(ブラッグ角2θ±0.2°)において、7.5°、および28.4°にピークを示す結晶であった。
実施例1−1において、N−メチルホルムアミド10部をN,N−ジメチルホルムアミド10部に変更し、23℃での湿式ミリング処理を24時間から48時間に変更し、50℃での湿式ミリング処理を行わなかった以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図6に示す。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、CuKα線を用いたX線回折パターン(ブラッグ角2θ±0.2°)において、7.4°、および28.3°にピークを示す結晶であった。
実施例1−18において、23℃での湿式ミリング処理を行わなかった以外は、実施例1−18と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図5と同様であった。
比較例1−2において、50℃での湿式ミリング処理6.5時間を90℃での湿式ミリング処理1時間に変更した以外は、比較例1−2と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図5と同様であった。
比較例1−2において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−メチルホルムアミド10部に変更し、50℃での湿式ミリング処理を6.5時間から24時間に変更した以外は、比較例1−2と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図3と同様であった。
比較例1−4において、50℃での湿式ミリング処理を24時間から7時間に変更し、続いて、ミリング装置ごと23℃の環境試験室に投入し、同様に湿式ミリング処理を89時間追加した以外は、比較例1−4と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図2と同様であった。
比較例1−5において、50℃での湿式ミリング処理を7時間から36時間に変更し、続いて、23℃での湿式ミリング処理を89時間から16時間に代えた以外は、比較例1−5と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図は、図3と同様であった。
酸化スズで被覆した硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、DIC(株)製、固形分70質量%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)0.015部、シリコーン樹脂(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)3.6部、2−メトキシ−1−プロパノール 50部、メタノール 50部からなる溶液を20時間、ボールミルで分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を、支持体としてのアルミニウムシリンダー(直径24mm、長さ262mm)上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間140℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
この下引き層用塗布液を前記導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって、膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
この電荷発生層用塗布液を前記下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−2〜1−18で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。それ以外は、実施例2−1と同様にして実施例2−2〜2−18の電子写真感光体を作製した。
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較例1−1〜1−6で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。それ以外は、実施例2−1と同様にして比較例2−1〜2−6の電子写真感光体を作製した。
実施例2−1〜2−18および比較例2−1〜2−6で作製した電子写真感光体について、得られる画像におけるゴースト現象の抑制効果の評価を行った。
評価用の電子写真装置として、日本ヒューレットパッカード(株)製のレーザービームプリンター(商品名:Color Laser Jet CP3525dn)を、前露光は点灯せず、帯電条件と像露光量は可変で作動するように改造を施して用いた。また、シアン色用のプロセスカートリッジに作製した電子写真感光体を装着してシアンのプロセスカートリッジのステーションに取り付け、他の色用のプロセスカートリッジをプリンター本体に装着せずとも作動するようにした。
画像の出力に際しては、シアン色用のプロセスカートリッジのみを本体に取り付け、シアントナーのみによる単色画像を出力した。
その後、同条件下でゴースト画像評価を行った。その後、1000枚の通紙耐久試験を行い、耐久試験直後および耐久試験15時間後でのゴースト画像評価を行った。常温常湿環境下における評価結果を表1に示す。
なお、通紙耐久試験は、印字率1%でE文字画像をA4サイズの普通紙にシアン単色で印字する条件で行った。
ゴースト画像評価は、1枚目にベタ白画像を出力し、その後ゴーストチャートを4種各1枚の計4枚出力し、次に、ベタ黒画像を1枚出力した後に再度ゴーストチャートを4種各1枚の計4枚出力する、という順番で行い、計8枚のゴースト画像で評価した。ゴーストチャートは、プリント画像書き出し(紙上端10mm)位置から30mmの範囲をべた白背景に25mm四方のべた黒の正方形を等間隔、かつ、平行に4つ並べ、プリント画像書き出し位置から30mm以降はハーフトーンの印字パターンを4種類出力し、ランク分けを行った。
4種類のゴーストチャートとは、プリント書き出し位置から30mm以降のハーフトーンパターンのみ異なるチャートで、ハーフトーンは以下の4種類である。
(1)横*1ドット、1スペースの印字(レーザー露光)パターン。
(2)横*2ドット、2スペースの印字(レーザー露光)パターン。
(3)横*2ドット、3スペースの印字(レーザー露光)パターン。
(4)桂馬パターンの印字(レーザー露光)パターン。(将棋の桂馬の動きのように6マスに2ドット印字するパターン)
*:横とは、レーザースキャナーの走査方向(出力された用紙では水平方向)を指す。
ランク1:いずれのゴーストチャートでもゴーストは見えない。
ランク2:特定のゴーストチャートでゴーストがうっすら見える。
ランク3:いずれのゴーストチャートでもゴーストがうっすら見える。
ランク4:特定のゴーストチャートでゴーストが見える。
ランク5:いずれのゴーストチャートでもゴーストが見える。
ランク6:特定のゴーストチャートでゴーストがはっきり見える。
2 軸
3 帯電手段
4 像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
Claims (15)
- ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法において、
ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物を、1℃以上30℃以下の温度において湿式ミリング処理を行い、分散液を得る第1の湿式ミリング処理工程と、
該分散液を、40℃以上60℃以下の温度において湿式ミリング処理を行い、CuKα線を用いたX線回折パターン(ブラッグ角2θ)において、7.4°±0.3および28.3°±0.3°にピークを示すヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得る第2の湿式ミリング処理工程と、
を有することを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。 - 前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物が、アシッドペースティング法により得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物である請求項1に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
- 前記第1の湿式ミリング処理工程において、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、アルミナビーズまたはスチールビーズを分散メディアとして用いる請求項1または2に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
- 前記分散メディアが、ガラスビーズまたはジルコニアビーズであり、且つ、平均粒径が0.3mm以上1.2mm以下の球状である請求項3に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
- 前記第1の湿式ミリング処理工程において用いる溶剤が、プロトン性極性溶剤である請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
- 前記プロトン性極性溶剤が、前記CuKα線を用いたX線回折パターン(ブラッグ角2θ)において、7.4°±0.3および28.3°±0.3°にピークを示すヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に含有される請求項5に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
- 前記結晶内に含有されるプロトン性極性溶剤の含有量が、前記CuKα線を用いたX線回折パターン(ブラッグ角2θ)において、7.4°±0.3および28.3°±0.3°にピークを示すヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の含有量に対して、0.5質量%以上1.7質量%以下である請求項6に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
- 前記プロトン性極性溶剤が、N−メチルホルムアミド、N−ビニルホルムアミドまたはN−プロピルホルムアミドである請求項5〜7のいずれか1項に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
- 前記第2の湿式ミリング処理工程において、湿式ミリング処理を、3時間以上100時間以下行う請求項1〜8のいずれか1項に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
- 前記第1の湿式ミリング処理工程において、湿式ミリング処理を、15時間以上250時間以下行う請求項1〜9のいずれか1項に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
- 前記第1の湿式ミリング処理工程及び前記第2の湿式ミリング処理工程において、湿式ミリング処理を合計で、20時間以上200時間以下行う請求項1〜10のいずれか1項に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
- 前記第2の湿式ミリング処理工程において、湿式ミリング処理を行う時間が、前記第1の湿式ミリング処理工程及び前記第2の湿式ミリング処理工程における湿式ミリング処理を行う時間の合計に対して10%以上50%以下である請求項11に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
- 製造方法を通して、60℃以下の環境に保たれている請求項1〜12のいずれか1項に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
- 前記第1の湿式ミリング処理工程および前記第2の湿式ミリング処理工程の少なくとも何れかにおいて、湿式ミリング処理を、窒素またはアルゴンで置換された環境下で行う請求項1〜13のいずれか1項に記載のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
- 支持体および感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、
前記感光層が、請求項1〜14のいずれか1項に記載の製造方法で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を含有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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