JP6406863B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置、ならびに、フタロシアニン結晶、フタロシアニン結晶の製造方法 - Google Patents
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Description
該感光層が、アミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶を含有し、
該アミド化合物が、下記式(1)で示される化合物、下記式(2)で示される化合物、および下記式(3)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である
ことを特徴とする電子写真感光体である。
該アミド化合物が、上記式(1)で示される化合物、上記式(2)で示される化合物、および上記式(3)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物であることを特徴とするフタロシアニン結晶である。
該製造方法が、該アミド化合物をフタロシアニンに加えてミリング処理をすることにより、フタロシアニンの結晶変換を行う結晶変換工程を有し、
該アミド化合物が、上記式(1)で示される化合物、上記式(2)で示される化合物、および上記式(3)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である
ことを特徴とするフタロシアニン結晶の製造方法である。
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT−TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロ:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター
使用測定器:BRUKER製、AVANCEIII 500
溶媒:重硫酸(D2SO4)
積算回数:2000
特定のアミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶は、光導電体としての機能に優れ、電子写真感光体以外にも、太陽電池、センサー、スイッチング素子などに適用することができる。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましい。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、インジウム、金および白金などの金属製、合金製の支持体が挙げられる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム、酸化スズおよび酸化インジウム−酸化スズ合金を真空蒸着法によって被膜形成された層を有する樹脂支持体も用いることができる。また、導電性粒子を結着樹脂とともにプラスチックまたは金属、合金の上に被覆した支持体も用いることができる。導電性粒子をプラスチックや紙に含浸させた支持体や、導電性ポリマーを有するプラスチックなどを支持体として用いることができる。支持体の表面には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理、電解複合研磨処理、湿式ホーニング処理、乾式ホーニング処理などを施してもよい。
単層型感光層を形成する場合、電荷発生物質としてアミド化合物を結晶内に含有するフタロシアニン結晶、電荷輸送物質、および結着樹脂を溶剤に混合して、感光層用塗布液を調製する。この感光層用塗布液の塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって単層型感光層を形成することができる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させて得られた電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
特開2011−94101号公報に記載の(合成例1)および(実施例1−1)と同様にて、以下のようにヒドロキシガリウムフタロシアニンを製造した。窒素フローの雰囲気下、フタロニトリル5.46部およびα−クロロナフタレン45部を反応釜に投入した後、加熱し、温度30℃まで昇温させた後、この温度を維持した。次に、この温度(30℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入した。投入時の混合液の水分値は150ppmであった。その後、温度200℃まで昇温させた。次に、窒素フローの雰囲気下、温度200℃で4.5時間反応させた後、冷却し、温度150℃に達したときに生成物を濾過した。得られた濾過物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて温度140℃で2時間分散洗浄した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を4.65部(収率71%)得た。次に、得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料4.65部を、温度10℃で濃硫酸139.5部に溶解させ、攪拌下、氷水620部中に滴下して再析出させて、フィルタープレスを用いて濾過した。得られたウエットケーキ(濾過物)を2%アンモニア水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いて濾過した。次いで、得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いた濾過を3回繰り返し、その後、固形分23%のヒドロキシガリウムフタロシアニン(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン)を得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン)6.6kgをハイパー・ドライ乾燥機(商品名:HD−06R、周波数(発振周波数):2455MHz±15MHz、日本バイオコン(株)製)を用いてマイクロ波照射を行い、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを乾燥させた。
実施例1−1において、ミリング処理時間を60時間とした以外は実施例1と同様にして、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折スペクトルを図3に示す。NMR測定により、式(1)で示される化合物が結晶内に1.78質量%含有されていることが確認された。
実施例1−1において、ミリング処理時間を30時間とした以外は実施例1と同様にして、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折スペクトルを図4に示す。NMR測定により、式(1)で示される化合物が結晶内に2.01質量%含有されていることが確認された。
実施例1−1において、ミリング処理時間を250時間とした以外は実施例1と同様にして、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折スペクトルを図5に示す。NMR測定により、式(1)で示される化合物が結晶内に1.10質量%含有されていることが確認された。
実施例1−1において、ミリング処理時間を500時間とした以外は実施例1と同様にして、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折スペクトルを図6に示す。NMR測定により、式(1)で示される化合物が結晶内に0.88質量%含有されていることが確認された。
実施例1−1において、ミリング処理時間を1000時間とした以外は実施例1と同様にして、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折スペクトルを図7に示す。NMR測定により、式(1)で示される化合物が結晶内に0.73質量%含有されていることが確認された。
実施例1−1において、ボールミルでのミリング処理を、ペイントシェーカー(東洋精機社製)で8時間のミリング処理に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図8に示す。NMR測定により、式(1)で示される化合物が結晶内に1.04質量%含有されていることが確認された。
実施例1−1において、式(1)で示される化合物に変更して上記式(2)で示される化合物(製品コード:D1651、東京化成工業(株)製)を用いた以外は実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図9に示す。NMR測定により、式(2)で示される化合物が結晶内には1.31質量%含有されていることが確認された。
実施例1−1において、式(1)で示される化合物に変更して上記式(3)で示される化合物(製品コード:D3724、東京化成工業(株)製)を用いた以外は実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図10に示す。NMR測定により、式(2)で示される化合物が結晶内に1.73質量%含有されていることが確認された。
実施例1−1におけるミリング処理を、特許文献1の実施例1と同様に行い、N,N−ジメチルホルムアミドを含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。すなわち、実施例1−1におけるマイクロ波乾燥工程後のヒドロキシガリウム結晶2.5部、N,N−ジメチルホルムアミド(製品コード:D0722、東京化成工業(株)製)19部を、直径5mmのガラスビーズ50部とともにボールミルでミリング処理を室温(23℃)下で48時間行った。この分散液からガリウムフタロシアニン結晶をテトラヒドロフランを用いて取り出し、濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を2.3部得た。NMR測定により、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中には、特定のアミド化合物は検出されず、N,N−ジメチルホルムアミドを含有していることが確認された。
比較例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミドをN,N−ジメチルアセトアミド(製品コード:D0641、東京化成工業(株)製)に変更した以外は、比較例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。NMR測定により、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中には、特定のアミド化合物は検出されず、N,N−ジメチルアセトアミドを含有していることが確認された。
比較例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミドを1−メチル−2−ピロリドン(製品コード:M0418、東京化成工業(株)製)に変更した以外は、比較例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。NMR測定により、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中には、特定のアミド化合物が検出されず、1−メチル−2−ピロリドンを含有していることが確認された。
酸化スズで被覆した硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70質量%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)0.015部、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)3.6部、2−メトキシ−1−プロパノール50部、メタノール50部からなる溶液を20時間、ボールミルで分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を、実施例1−2〜1−9で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。それ以外は、実施例2−1と同様にして実施例2−2〜2−9の電子写真感光体を作成した。
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を、比較例1−1〜1−3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。それ以外は、実施例2−1と同様にして比較例2−1〜2−3の電子写真感光体を作成した。
実施例2−1〜2−9の電子写真感光体について、感度評価を行った。
実施例2−1と同様にして、比較例2−1の電子写真感光体について感度評価を行った。評価結果を表1に示す。比較例2−1の電子写真感光体は、実施例に対して感度ムラが大きいことが示されている。
100mmの位置における所定の暗部電位(−450V)を得ることができず、実施例2−1と同様の感度評価が出来なかった。
実施例2−1と同様にして、比較例2−3の電子写真感光体について感度評価を行った。評価結果を表1に示す。比較例2−3の電子写真感光体は、実施例に対して感度ムラが示されている。
2 軸
3 帯電手段
4 像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
Claims (11)
- 前記感光層において、前記アミド化合物の含有量が、前記フタロシアニン結晶に対して0.5質量%以上20質量%以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が、電荷発生層および該電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有し、該電荷発生層が、前記フタロシアニン結晶を含有する請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記フタロシアニン結晶が、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.7°、16.5°、24.2°、および27.7°にピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
- 前記製造方法が、前記結晶変換工程の前に、アシッドペースティング法によって前記フタロシアニンを得る工程を有する請求項8に記載のフタロシアニン結晶の製造方法。
- 支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
請求項8または9に記載のフタロシアニン結晶の製造方法により、前記フタロシアニン結晶を製造する工程、および
前記フタロシアニン結晶を含有する感光層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて該感光層を形成する工程、
を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 支持体、該支持体上に形成された電荷発生層および該電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
請求項8または9に記載のフタロシアニン結晶の製造方法により、前記フタロシアニン結晶を製造する工程、および
前記フタロシアニン結晶を含有する電荷発生層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて該電荷発生層を形成する工程、
を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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