JP6368134B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Description
該感光層が、
電荷発生層および該電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有し、
該電荷発生層が、ガリウムフタロシアニン結晶、および
(i)ハロゲン原子またはハロゲン置換アルキル基と、(ii)スルホン酸基またはスルホン酸塩基と、を有するアレーン化合物を含有し、
該電荷発生層における、該ガリウムフタロシアニン結晶の含有量に対する、該アレーン化合物の含有量が、0.2質量%以上20質量%以下であり、
但し、該電荷発生層が、下記式(2−4)で示されるガリウムフタロシアニン化合物からなるガリウムフタロシアニン結晶を含有する場合は除く、
また、前記アレーン化合物は、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層であってもよいし、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層であってもよい。電子写真特性の観点から、積層型感光層が好ましい。また、積層型感光層の中でも、電子写真特性の観点から、電荷発生層および該電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有するものが好ましい。
支持体は、導電性を有するもの(導電性支持体)であることが好ましく、例えば、アルミニウムやステンレス鋼などの金属(合金)製の支持体や、表面に導電性皮膜を設けてなる金属、プラスチック、紙製などの支持体が挙げられる。
また、支持体の形状としては、例えば、円筒状、フィルム状などが挙げられる。
下引き層は、樹脂を溶剤に溶解させることによって調製された下引き層用塗布液を支持体または後述の導電層上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
下引き層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド、にかわ、ゼラチンなどが挙げられる。
下引き層の膜厚は、0.3〜5.0μmであることが好ましい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子を結着樹脂とともに溶剤に分散させることによって調製された導電層用塗布液を支持体上に塗布し、得られた塗膜を乾燥/硬化させることによって形成することができる。
導電層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
電荷発生層の膜厚は、0.05〜1μmであることが好ましく、0.1〜0.3μmであることがより好ましい。
電荷発生層に本発明のアレーン化合物を含有させる場合、電荷発生層中の本発明のアレーン化合物の含有量は、電荷発生物質であるガリウムフタロシアニン結晶に対して0.2質量%以上20質量%以下であることが好ましい。さらには、3質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、10〜25μmであることがより好ましい。
本発明のアレーン化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶は、本発明のアレーン化合物をガリウムフタロシアニンに加えてミリング処理することにより、ガリウムフタロシアニンの結晶変換を行う結晶変換工程で得られる。ミリング処理に用いられるガリウムフタロシアニンは、アシッドペースティング法により得られたガリウムフタロシアニン結晶であることが好ましい。
使用測定器:BRUKER製、AVANCEIII 500
溶媒:重硫酸(D2SO4)
保護層は、樹脂を溶剤に溶解させることによって調製された保護層用塗布液を感光層上に塗布し、得られた塗膜を乾燥/硬化させることによって形成することができる。塗膜を硬化させる場合には、加熱、電子線、紫外線などによって硬化させることができる。樹脂としては、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネート、ナイロン、ポリイミド、ポリアリレート、ポリウレタン、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマーなどが好ましい。
保護層の膜厚は、0.05〜20μmであることが好ましい。
・合成工程
オルトフタロニトリル36.7部、三塩化ガリウム25部、α−クロロナフタレン300部を窒素雰囲気下200℃で5.5時間反応させた後、130℃で生成物を濾過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、濾過し、濾取物をメタノールで洗浄乾燥し、クロロガリウムフタロシアニン結晶を46部得た。
・再沈工程
合成工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶24部を5℃の濃硫酸750部に溶解させ、氷水2500部中に攪拌下に滴下して再析出させた。これをフィルタープレス(日本濾過装置(株)210m/mフィルタープレス)を用いて濾過した。このときにフィルターとして、透水量が250dm3/m2/minのポリテトラフルオロエチレン製フィルター(ジャパンゴアテックス製ゴアテックスフィルタークロス)を用いた。送液圧力は4.5kgf/cm2とした。その後、2%アンモニア水で30分分散洗浄し、次いでイオン交換水で分散洗浄を4回行った。最後にフリーズドライを行い、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を97%の収率で得た。
・結晶変換工程
再沈工程で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶0.5部、および、N,N−ジメチルホルムアミド9.5部を、直径1mmのガラスビーズ15部とともにボールミルでミリング処理を室温(23℃)下で70時間行った。この分散液からガリウムフタロシアニン結晶をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて取り出し、濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。
結晶製造例1において、結晶変換工程を下記に変更した以外は、結晶製造例1と同様にヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を製造した。
・結晶変換工程
ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶0.5部、および、N,N−ジメチルホルムアミド9.5部、例示化合物(1−11)で示される化合物0.5部を直径1mmのガラスビーズ15部とともにボールミルでミリング処理を室温(23℃)下で70時間行った。この分散液からガリウムフタロシアニン結晶をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて取り出し、濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶0.45部を得た。
H−NMR測定により、プロトン比率から換算して、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中に例示化合物(1−11)で示される化合物が4.8質量%含有されていることが確認された。
結晶製造例1において、合成工程および再沈工程を下記に変更した以外は、結晶製造例1と同様にヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を製造した。
・合成工程
1,3−ジイミノイソインドリン30部、三塩化ガリウム8部、ジメチルスルホキシド230部を150℃で12時間反応させてクロロガリウムフタロシアニン結晶28部を得た。
・再沈工程
得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶10部を60℃に加熱した硫酸(濃度97%)300部に十分に溶解させた。この溶液を25%アンモニア水600部とイオン交換水200部との混合溶液中に滴下してヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を析出させた。この結晶を濾過により採取してイオン交換水で洗浄した後、乾燥してヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶8部を得た。
結晶製造例3の合成工程において得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶1.24部をジメチルスルホキシド100mL、及びp−クロロベンゼンスルフォン酸水和物23部を加え、110℃に加温し9時間反応させた。室温まで冷却した後微量の不溶部を濾過して除いた。得られた溶液にイオン交換水約150mLを加え、室温で6時間攪拌した。生成した結晶を濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した。その後乾燥することで、下記式(2−4)で示されるガリウムフタロシアニン化合物からなるガリウムフタロシアニン結晶1.45部を得た。
直径24mm、長さ257.5mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
このようにして、円筒状(ドラム状)の実施例1の電子写真感光体を製造した。
実施例1において、添加した例示化合物(1−1)の種類とその添加量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
実施例13において、結晶製造例1を結晶製造例2に変更した以外は、実施例13と同様にして電子写真感光体を製造した。
実施例1において、例示化合物(1−1)を添加せずに、例示化合物(1−11)0.5部を添加してからサンドミルで分散処理した後に、酢酸エチル250部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
実施例1において、結晶製造例1を結晶製造例3に変更し、例示化合物(1−1)を例示化合物(1−11)に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
実施例1において、結晶製造例1を結晶製造例3に変更し、例示化合物(1−1)を添加せずに電荷発生層用塗布液を調製した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
実施例1において、添加した例示化合物(1−1)とその添加量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
各実施例および各比較例で製造した電子写真感光体を用いて、感度とゴーストメモリの評価を行った。
シアン色用プロセスカートリッジに製造した電子写真感光体を装着し、装置から現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位測定装置を挿入した。これを、プリンターのシアン色用プロセスカートリッジのステーションに装着し、明部電位(Vl)が−150Vになるように露光光の光量の設定を行った。電位測定装置は、現像用カートリッジの現像位置に電位測定プローブを配置することで構成されており、電子写真感光体に対する電位測定プローブの位置は、ドラム軸方向の中央とした。
その後、電位測定装置をはずし、現像用カートリッジをもとの状態にもどし、初期のゴースト画像評価をおこなった。
ゴースト評価用の画像としては、図3に示すように、画像の先頭部に黒い四角の画像を出した後、ハーフトーン画像を用いた。ハーフトーン画像は、図4に示す1ドット桂馬パターンで印字した。
本実験では、ゴースト画像濃度が0.05以上であれば本発明の効果が得られていないレベルであり、0.05未満であれば本発明の効果が得られているレベルとした。
画像の出力は、ヒューレットパッカード社製のレーザービームプリンター(商品名:LaserJet Pro400Color M451dn)の改造機を用いて行った。改造として、露光光(画像露光光)の光量が可変となるようにした。画像評価は4万枚の画像印刷前後において、日本画像学会発行テストチャートNo.5−2を出力して、画像濃度、解像度、及びカラー色の再現性について、以下のようにして、評価を行った。結果を表3に示す。
また、印刷試験前に未露光部の帯電電位が−500Vとなる帯電手段の印加電圧を用いて、上記と同様にして画像評価を行った。結果を表4に示す。
4万枚の画像印刷前後において、日本画像学会発行テストチャートNo.5−2を出力して、マクベス社製の反射濃度計(小数点以下3桁まで測定できるように改造)により画像濃度を測定し、前後の画像濃度差について、評価した。
4万枚の画像印刷前後において、日本画像学会発行テストチャートNo.5−2を出力して、ハーフトーン部についてドット形成状態(ドットの散り具合やドット再現性)を観察することにより、下記基準で解像度を評価した。
〔評価基準〕
A:ドット散りがなく非常に良好である。
B:僅かにドット散りが見られるが良好である。
C:ドット散りやドットの広がりが見られる。
D:ドット散りやドットの広がりが大きくみられる。
4万枚の画像印刷前後において、日本画像学会発行テストチャートNo.5−2を出力して、色度計(X−Rite社製、X−Rite938)を用いてL*a*b*表色系(CIE:1976)におけるクロマチックネス指数a*及びb*を測定した。そして、下記式で示される彩度C*の値を求め、カラー再現性を評価した。
彩度C*=[(a*)2+(b*)2]1/2
2 軸
3 帯電手段(一次帯電手段)
4 露光光(像露光光)
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
Claims (8)
- 支持体、および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、
該感光層が、
電荷発生層および該電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有し、
該電荷発生層が、
ガリウムフタロシアニン結晶、および
(i)ハロゲン原子またはハロゲン置換アルキル基と、(ii)スルホン酸基またはスルホン酸塩基と、を有するアレーン化合物を含有し、
該電荷発生層における、該ガリウムフタロシアニン結晶の含有量に対する、該アレーン化合物の含有量が、0.2質量%以上20質量%以下であり、
但し、該電荷発生層が、下記式(2−4)で示されるガリウムフタロシアニン化合物からなるガリウムフタロシアニン結晶を含有する場合は除く、
- 前記アレーン化合物が、前記式(1)におけるYがスルホン酸基であるアレーン化合物である請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記アレーン化合物が、前記式(1)におけるnが2〜3の整数であるアレーン化合物である請求項2または3に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷発生層における、前記ガリウムフタロシアニン結晶に対する、前記アレーン化合物の含有量が、3質量%以上10質量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
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