JP6950054B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置、並びに、クロロガリウムフタロシアニン結晶 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置、並びに、クロロガリウムフタロシアニン結晶 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、係る電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置、並びに、クロロガリウムフタロシアニン結晶に関する。
光導電体としての機能に優れるフタロシアニン顔料は、電子写真感光体、太陽電池、センサー、スイッチング素子などの材料に用いられている。特に、フタロシアニン顔料の中でも、クロロガリウムフタロシアニン結晶は、例えば、電子写真感光体の電荷発生物質として用いられており、その目的に応じてクロロガリウムフタロシアニン結晶に様々な処理を加える検討がなされている(特許文献1及び2)。
特許文献1には、クロロガリウムフタロシアニン結晶を芳香族アルコール類で処理する製造方法に関する技術が記載されている。また、特許文献2には、特定の分光吸収スペクトルを有するクロロガリウムフタロシアニン顔料の技術が記載されている。
特開平5−194523号公報 特開2005−226013号公報
本発明者らの検討の結果、特許文献1及び2に記載されている従来のクロロガリウムフタロシアニン結晶を電荷発生物質として用いた電子写真感光体は、高い感度は示すが、発生した電荷が感光層に残存し、出力画像においてゴーストが発生する場合があった。尚、このゴーストとは、出力画像において、電子写真感光体の前回転時に光が照射された部分の画像濃度が濃くなったり薄くなったりする現象である。
したがって、本発明の目的は、ゴーストの発生の抑制に寄与するようなクロロガリウムフタロシアニン結晶を提供することにある。更に、係るクロロガリウムフタロシアニン結晶を用いることで、ゴーストの発生が十分に抑制された電子写真感光体、並びに、係る電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明に係る電子写真感光体は、支持体と、感光層とをこの順に有し、前記感光層が、有機化合物を結晶内に含む、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶を含有し、
前記有機化合物を結晶内に含む、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶における、前記有機化合物の含有量が、前記式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶の含有量に対して、0.10質量%以上0.80質量%以下であり、
前記有機化合物は、N,N−ジメチルホルムアミドであることを特徴とする。
Figure 0006950054
(式(1)において、X〜Xは、それぞれ独立に、水素原子又は塩素原子を示す。)
本発明によれば、ゴーストの発生が十分に抑制された電子写真感光体、並びに、係る電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置、更に、ゴーストの発生の抑制に寄与するようなクロロガリウムフタロシアニン結晶及びその製造方法を提供することができる。
電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。 実施例1のアシッドペースティング工程で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶のX線回折図である。 実施例1の塩酸処理工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶のX線回折図である。 実施例1の湿式ミリング処理する工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶のX線回折図である。 実施例3の湿式ミリング処理する工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の質量分析結果である。 実施例で用いた評価用の画像を示す図である。 ハーフトーン画像を形成するための1ドット桂馬パターンの画像を示す図である。
本発明に係るクロロガリウムフタロシアニン結晶は、式(1)で示される化合物であり、有機化合物をその結晶内に含む。前記有機化合物を結晶内に含む、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶における、前記有機化合物の含有量が、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶の含有量に対して、0.10質量%以上0.80質量%以下である。そして、前記有機化合物が、N,N−ジメチルホルムアミドである。本発明者らは、かかるクロロガリウムフタロシアニン顔料は、ゴーストの発生の抑制に寄与することができることを見出した。
(式(1)において、X〜Xは、それぞれ独立に、水素原子又は塩素原子を示す。)
更に、電子写真感光体の感光層(電荷発生層)に、上記特定のクロロガリウムフタロシアニン結晶を含有させることでゴーストの発生が十分に抑制されることが分かった。これは、クロロガリウムフタロシアニン結晶が式(1)の構造を有し、その結晶内に特定の種類の有機化合物が特定量含まれることによって、ゴーストの発生原因となる光照射後に感光層に滞留している滞留キャリアの移動が相乗的に促進されるためと推測される。
[有機化合物を結晶内に含む、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶]
本発明において、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶は、式(1)における、X〜Xのうち1つが塩素原子であり、3つが水素原子であるクロロガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。又は、式(1)におけるX〜Xのすべてが水素原子であるクロロガリウムフタロシアニン結晶であることが好ましい。更に、式(1)における、X〜Xのすべてが水素原子であるクロロガリウムフタロシアニン結晶と、前記X〜Xのうち1つが塩素原子であり、3つが水素原子であるクロロガリウムフタロシアニン結晶との混合物であることがより好ましい。結晶構造の分析には、質量分析を用いればよい。後述する実施例においては、結晶構造の分析は、質量分析計(MALDI−TOF MS:ブルカー・ダルトニクス(株)製 ultraflex)を用いて行った。このときの、加速電圧:20kV、モード:Reflector、分子量標準品:フラーレンC60の条件で分子量を測定することで、結晶構造の分析を行った。
上述の通り、本発明において、有機化合物を結晶内に含む、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶における(即ち、有機化合物の含有量と式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶の合計の含有量に対する)、有機化合物の含有量は、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶の含有量に対して、0.10質量%以上0.80質量%以下である必要がある。更には、有機化合物の含有量は、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶の含有量に対して、0.40質量%以上0.65質量%以下であることがゴーストの発生を抑制する観点から好ましい。上記有機化合物の含有量が0.10質量%より小さいと、滞留キャリアの移動が十分に促進されず、ゴースト抑制効果が十分に得られない。また、上記有機化合物の含有量が0.80質量%より大きいと、滞留キャリアが有機化合物にトラップされる現象が発生することで、滞留キャリアの移動が十分に促進されず、ゴースト抑制効果が十分に得られない。尚、本発明において、上記有機化合物の含有量は、核磁気共鳴分光法(H−NMR)によって求めることが可能である。尚、後述する実施例において、H−NMR測定は、溶媒:重硫酸(DSO)を用い、使用測定器:BRUKER製、AVANCEIII 500にて行った。
本発明においてクロロガリウムフタロシアニン結晶は、CuKα線を用いたX線回折パターン(ブラッグ角2θ±0.2°)において、7.4°、16.6°、25.5°及び28.4°にピークを示す結晶であることが好ましい。特に、上記4つの角度において、上位4点のピークを示すクロロガリウムフタロシアニン結晶であることが好ましい。尚、「上位4点のピーク」とは、X線回折パターンにおいて、最も高い強度を示すピークから4番目に高い強度を示すピークを意味する。係る結晶を用いることでゴースト抑制効果がより高いレベルで得られる。尚、本発明において、フタロシアニン結晶のX線回折の測定は、以下の条件で粉末X線回折測定を行ったものである。
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT−TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50kV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロ:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
カウンター:シンチレーションカウンター。
<製造方法>
本発明において、N,N−ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドから選択される少なくとも1種の有機化合物を結晶内に含む、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶は、(1)合成工程(2)アシッドペースティング処理工程、(3)塩酸処理工程、(4)湿式ミリング処理工程によって得られることが好ましい。特に、(2)アシッドペースティング処理工程を経て得られることがより好ましい。
(1)合成工程
合成工程とは、ガリウム化合物とフタロシアニン環を形成する化合物とをクロロ化芳香族化合物中で反応させてクロロガリウムフタロシアニン結晶を合成する工程である。ガリウム化合物が三塩化ガリウムであることが好ましい。また、フタロシアニン環を形成する化合物がオルトフタロニトリルであり、クロロ化芳香族化合物がα−クロロナフタレンであることが好ましい。
(2)アシッドペースティング処理工程
アシッドペースティング処理工程とは、合成工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶を酸と混合するアシッドペースティング処理を行い、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得る工程である。アシッドペースティング処理に用いる酸は、硫酸であることが好ましく、濃硫酸であることがより好ましい。
(3)塩酸処理工程
塩酸処理工程とは、アシッドペースティング工程で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶と、塩酸水溶液とを混合し、クロロガリウムフタロシアニン結晶を得る工程である。
塩酸処理工程において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶と混合する塩酸水溶液の濃度は、反応性の観点から10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。
塩酸処理工程において、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶と混合する塩酸(塩酸水溶液中の塩酸)の使用量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の使用量1molに対して、10mol以上であることが好ましく、100mol以上であることがより好ましい。
(4)湿式ミリング処理工程
湿式ミリング処理工程とは、塩酸処理工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶と、N,N−ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドから選択される少なくとも1種の有機化合物とを混合し、湿式ミリング処理する工程である。有機化合物は、この湿式ミリング処理工程において、クロロガリウムフタロシアニン結晶の結晶内に取り込まれ、有機化合物を結晶内に含有するクロロガリウムフタロシアニン結晶を得ることができる。上述した有機化合物を結晶内に含む、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶における有機化合物の含有量は、湿式ミリング処理工程前のクロロガリウムフタロシアニン結晶の処理条件と、湿式ミリング処理条件を変化させることで制御することができる。湿式ミリング処理工程において、有機化合物の使用量は、クロロガリウムフタロシアニン結晶の使用量に対して、質量比率で5〜30倍が好ましい。本発明において、「湿式ミリング処理」とは、例えば、サンドミル、ボールミル、ペイントシェーカーなどのミリング装置、ホモジナイザー、撹拌翼、マグネチックスターラーを使った撹拌装置を用いて行う処理を意味する。ミリング処理時間は、1〜100時間が好ましい。
次に、これまで説明してきた本発明のクロロガリウムフタロシアニン結晶を、電子写真感光体における電荷発生物質として用いた場合について説明をする。
[電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体は、支持体と、感光層とを有する。感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層中に含有する単層型感光層であってもいいし、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とが分かれている積層型(機能分離型)感光層であってもいい。電子写真特性の観点から、支持体と、電荷発生層と、電荷輸送層とをこの順に有する電子写真感光体が好ましい。
図2の(a)及び(b)は、電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図2の(a)は単層型感光層を示し、支持体101上に、下引き層102が形成され、下引き層102上に感光層103が形成されている。図2の(b)は積層型感光層を示し、支持体101上、下引き層102が形成され、下引き層102上に電荷発生層104が形成され、電荷輸送層105が形成される。
<支持体>
支持体は、導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。例えば、アルミニウムやステンレス鋼といった金属製又は合金製の支持体が挙げられる。また、表面に導電性皮膜を設けてなる、金属製、プラスチック製又は紙製の支持体が挙げられる。支持体の形状としては、円筒状、フィルム状などが挙げられる。
支持体と感光層との間には、下引き層や導電層を設けてもよい。
(導電層)
支持体と後述する下引き層との間に、支持体の表面のムラの隠蔽、干渉縞の抑制を目的として、導電層を設けてもよい。導電層は、導電性粒子、結着樹脂及び溶剤を分散させて得られる導電層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることで形成することができる。導電層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
導電層に用いられる導電性粒子としては、例えば、アルミニウム粒子、酸化チタン粒子、酸化スズ粒子、酸化亜鉛粒子、カーボンブラック、銀粒子が挙げられる。結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂が挙げられる。導電層用塗布液の溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
(下引き層)
バリア機能や接着機能を持つ下引き層(中間層ともいう)を、感光層の支持体側の面に隣接して設けてもよい。下引き層は、結着樹脂及び溶剤を混合させることによって調製された下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることで形成することができる。下引き層の膜厚は、0.1〜10μmであることが好ましく、0.3〜5.0μmであることがより好ましい。
下引き層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド、にかわ、ゼラチンが挙げられる。
(感光層)
(1)単層型感光層
感光層が、単層型感光層である場合、感光層は、電荷発生物質として本発明のクロロガリウムフタロシアニン結晶を含有する。感光層は、本発明のクロロガリウムフタロシアニン結晶、電荷輸送物質及び結着樹脂を溶剤に混合して調製された感光層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることで形成することができる。電荷輸送物質及び結着樹脂としては、後述する「(2)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
(2)積層型感光層
感光層が、積層型感光層である場合、感光層は、電荷発生層と電荷輸送層とを有する。
(2−1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質として本発明のクロロガリウムフタロシアニン結晶を含有する。電荷発生層は、まず、クロロガリウムフタロシアニン結晶及び結着樹脂を溶剤に混合させることによって調製された電荷発生層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることで形成することができる。電荷発生層の膜厚は、0.05〜1μmであることが好ましく、0.1〜0.3μmであることがより好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
電荷発生物質として、本発明のクロロガリウムフタロシアニン結晶以外のものを併用してもよい。その場合、本発明のクロロガリウムフタロシアニン結晶は、電荷発生物質の全質量に対して、50質量%以上であることが好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、ポリアリレート、塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体、ポリビニルベンザールが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール、ポリビニルベンザールが好ましい。
(2−2)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質及び結着樹脂を溶剤に溶解させて調製された電荷輸送層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることで形成することができる。電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、10〜25μmであることがより好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物が好ましい。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、ポリアリレート、塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート、ポリアリレートが好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、20質量%以上80質量%以下であることが好ましく、30質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。
(保護層)
感光層の支持体と反対側の面に、感光層を保護することを目的として、保護層を設けてもよい。保護層は、結着樹脂を溶剤に溶解させて調製された保護層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることで形成することができる。保護層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネート、ナイロン、ポリイミド、ポリアリレート、ポリウレタン、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマーが挙げられる。保護層の膜厚は、0.05〜20μmであることが好ましい。
また、保護層に電荷輸送能を持たせるために、電荷輸送能(正孔輸送能)を有するモノマーを種々の重合反応、架橋反応を用いて硬化させることによって保護層を形成してもよい。具体的には、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物(正孔輸送性化合物)を重合又は架橋させ、硬化させることによって保護層を形成することが好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法(ディッピング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法が挙げられる。
(表面層)
電子写真感光体の表面層には、導電性粒子、紫外線吸収剤、フッ素原子含有樹脂粒子などの潤滑性粒子を含有させてもよい。導電性粒子としては、例えば、酸化スズ粒子などの金属酸化物粒子が挙げられる。
[プロセスカートリッジ、電子写真装置]
本発明のプロセスカートリッジは、これまで述べてきた電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真装置は、これまで述べてきた電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする。
図1は、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
円筒状(ドラム状)の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
電子写真感光体1の表面(周面)は、回転過程において、帯電手段(一次帯電手段)3により、正又は負の所定電位に帯電される。次いで、電子写真感光体1の表面には、露光手段(像露光手段)(不図示)から露光光(像露光光)4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が電子写真感光体1の表面に形成される。露光光4は、例えば、スリット露光やレーザービーム走査露光といった露光手段から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された光である。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容された現像剤(トナー)で現像(正規現像又は反転現像)され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材Pに転写されていく。このとき、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性の電圧(転写バイアス)が印加される。また、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に給送される。
トナー像が転写された転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて、定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受け、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置の外へプリントアウトされる。
トナー像が転写材Pに転写された後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段7により、転写残りの現像剤(転写残りトナー)などの付着物の除去を受けて清浄される。また、転写残トナーを現像手段などで回収することもできる(クリーナーレスシステム)。
更に、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)が照射され、除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6及びクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数の構成要素を容器に納めて一体に支持してプロセスカートリッジを形成してもよい。このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成することができる。例えば、帯電手段3、現像手段5、転写手段6及びクリーニング手段7から選択される少なくとも1つの手段を電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化する。そして、電子写真装置本体のレールといった案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9とすることができる。
露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光であってもよい。又は、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、液晶シャッターアレイの駆動などにより放射される光であってもよい。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。以下に示す「部」は、「質量部」を意味する。なお、実施例及び比較例の電子写真感光体の各層の膜厚は、渦電流式膜厚計(FISCHERSCOPE、フィッシャーインスツルメント社製)、又は単位面積当たりの質量から比重換算で求めた。
〔合成例1〕
オルトフタロニトリル36.7部、三塩化ガリウム25部、α−クロロナフタレン300部を窒素雰囲気下200℃で5.5時間反応させた後、130℃で生成物を濾過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、濾過し、濾取物をメタノールで洗浄乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを46部得た。このクロロガリウムフタロシアニンは、CuKα線を用いたX線回折パターン(ブラッグ角2θ)において、7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°にピークを示す結晶であった。
〔合成例2〕
1,3−ジイミノイソインドリン30部、三塩化ガリウム8部、ジメチルスルホキシド230部を窒素雰囲気下160℃で6時間反応させた後、130℃で生成物を濾過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、濾過し、濾取物をメタノールで洗浄乾燥し、クロロガリウムフタロシアニン28部を得た。このクロロガリウムフタロシアニンは、CuKα線を用いたX線回折パターン(ブラッグ角2θ)において、27.1°にピークを示す結晶であった。
〔合成例3〕
特開平9−258466号公報の合成例1に記載されている方法で、2,3,6,7,10,11,14,15−オクタクロロ−クロロガリウムフタロシアニンを合成した。
〔実施例1〕
<アシッドペースティング処理工程>
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン24部を5℃の濃硫酸750部に溶解させ、氷水2500部中に攪拌下に滴下して再析出させた。これを減圧濾過した。このときにフィルターとして、No.5C(アドバンテック社製)を用いた。その後、2%アンモニア水で30分分散洗浄し、次いでイオン交換水で分散洗浄を4回行った。最後にフリーズドライ(凍結乾燥)を行い、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を97%の収率で得た。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、CuKα線を用いたX線回折パターン(ブラッグ角2θ)において、6.9°及び26.4°にピークを示す結晶であった。結晶形の測定結果(X線回折パターン)を図3に示す。
<塩酸処理工程>
アシッドペースティング処理工程で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶10部と、濃度35質量%で23℃の塩酸水溶液200部を混合して、マグネチックスターラーで90分撹拌した。混合した量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン1molに対して、塩酸は118molであった。撹拌後、氷水で冷却された1000部のイオン交換水に滴下して、マグネチックスターラーで30分撹拌した。これを減圧濾過した。このときにフィルターとして、No.5C(アドバンテック社製)を用いた。その後、温度23℃のイオン交換水で分散洗浄を4回行った。このようにしてクロロガリウムフタロシアニン結晶9部を得た。このクロロガリウムフタロシアニン結晶は、CuKα線を用いたX線回折パターン(ブラッグ角2θ)において、7.1°、16.6°、25.7°、27.4°及び28.3°にピークを示す結晶であった。結晶形の測定結果(X線回折パターン)を図4に示す。
<湿式ミリング処理工程>
塩酸処理工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶0.5部、N,N−ジメチルホルムアミド10部、及び直径1mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下、ボールミルでミリング処理を4時間行った。この分散液からテトラヒドロフランを用いてクロロガリウムフタロシアニン結晶を取り出し、濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。このクロロガリウムフタロシアニン結晶は、CuKα線を用いたX線回折パターン(ブラッグ角2θ)において、7.4°、16.6°、25.5°及び28.4°にピークを示す結晶であった。結晶形の測定結果(X線回折パターン)を図5に示す。
H−NMR測定により、プロトン比率から換算して、このクロロガリウムフタロシアニン結晶中のクロロガリウムフタロシアニンに対して、N,N−ジメチルホルムアミドが0.59質量%含有されていることが確認された。
<電子写真感光体を製造する工程>
直径24mm、長さ257.5mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
まず、酸化スズで被覆された硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、酸化チタン粒子(商品名:TITANIXJR、テイカ(株)製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライトJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70質量%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)0.015部、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)3.6部、2−メトキシ−1−プロパノール50部、及び、メタノール50部をボールミルに入れ、20時間分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を1時間140℃で加熱して硬化させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、共重合ナイロン(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部、及び、メトキシメチル化6ナイロン(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)30部を、メタノール400部/n−ブタノール200部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を6分間80℃で乾燥させることによって、膜厚が0.42μmの下引き層を形成した。
次に、湿式ミリング処理工程で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)2部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)1部、及びシクロヘキサノン52部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、6時間分散処理した。その後、酢酸エチル75部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(C−1)で示される化合物(電荷輸送物質(正孔輸送性化合物))28部、
Figure 0006950054
下記式(C−2)で示される化合物(電荷輸送物質(正孔輸送性化合物))4部、
Figure 0006950054
及び、ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ200、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)40部を、モノクロロベンゼン200部/ジメトキシメタン50部の混合溶剤に溶解させることによって電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして、円筒状(ドラム状)の実施例1の電子写真感光体を製造した。
〔実施例2〕
実施例1において、湿式ミリング処理工程で用いたN,N−ジメチルホルムアミド10部をジメチルスルホキシド10部に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〔実施例3〕
実施例1において、湿式ミリング処理工程の処理時間を24時間に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。湿式ミリング処理工程後のクロロガリウムフタロシアニン結晶の分子量を質量分析計で測定し、結果を図6に示す。この結果から、クロロガリウムフタロシアニン結晶は、式(1)中のX〜Xのすべてが水素原子であるクロロガリウムフタロシアニン(分子量616)と、式(1)中のX〜Xの1つが塩素原子であるクロロガリウムフタロシアニン(分子量650)の混合物であることが分かる。
〔実施例4〕
実施例3において、湿式ミリング処理工程で用いたN,N−ジメチルホルムアミド10部をジメチルスルホキシド10部に変更した以外は、実施例3と同様にして電子写真感光体を製造した。
〔実施例5〕
実施例3において、アシッドペースティング処理工程時に用いるクロロガリウムフタロシアニンを合成例1から合成例2のクロロガリウムフタロシアニンに変更した以外は、実施例3と同様にして電子写真感光体を製造した。
〔実施例6〕
実施例5において、湿式ミリング処理工程の処理時間を500時間に変更した以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体を製造した。
〔実施例7〕
実施例6において、湿式ミリング処理工程で用いたN,N−ジメチルホルムアミド10部をジメチルスルホキシド10部に変更した以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を製造した。
〔実施例8〕
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン0.5部、及び直径1mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下、ペイントシェーカーでミリング処理を24時間行い微細化されたクロロガリウムフタロシアニンを得た。このクロロガリウムフタロシアニン結晶を、湿式ミリング処理工程の時間を1000時間に変更した以外は、実施例1に記載の湿式ミリング処理工程及び電子写真感光体の製造工程と同様にして、実施例8の電子写真感光体を製造した。この実施例では、アシッドペースティング処理工程及び塩酸処理工程は、行わなかった。
〔実施例9〕
実施例8において、湿式ミリング処理工程で用いたN,N−ジメチルホルムアミド10部をジメチルスルホキシド10部に変更した以外は、実施例8と同様にして電子写真感光体を製造した。
〔実施例10〕
実施例1において、湿式ミリング処理工程の処理時間を12分に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〔実施例11〕
実施例6において、湿式ミリング処理工程の処理時間を1000時間に変更した以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を製造した。
〔実施例12〕
実施例8において、ペイントシェーカーによるミリング処理で用いるクロロガリウムフタロシアニンを合成例1から合成例2のクロロガリウムフタロシアニンに変更し、湿式ミリング処理工程の処理時間を500時間に変更した。それ以外は、実施例8と同様にして電子写真感光体を製造した。
上記実施例1〜2、実施例4〜12において、湿式ミリング処理工程後のクロロガリウムフタロシアニン結晶は、実施例3と同様に、式(1)中のX〜Xのすべてが水素原子であるクロロガリウムフタロシアニンと、式(1)中のX〜Xの1つが塩素原子であるクロロガリウムフタロシアニンの混合物を有するものである。
〔比較例1〕
実施例12において、湿式ミリング処理工程の処理時間を120時間に変更した以外は、実施例12と同様にして電子写真感光体を製造した。
〔比較例2〕
比較例1において、湿式ミリング処理工程の処理時間を24時間に変更した以外は、比較例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〔比較例3〕
比較例1において、湿式ミリング処理工程で用いたN,N−ジメチルホルムアミド10部をジメチルスルホキシド10部に変更した以外は、比較例1と同様にして電子写真感光体を製造した。分光吸収スペクトルを測定すると、762nmに極大吸収を有していた。
〔比較例4〕
比較例3において、湿式ミリング処理工程の処理時間を24時間に変更した以外は、比較例3と同様にして電子写真感光体を製造した。
〔比較例5〕
比較例1において、ペイントシェーカーによるミリング処理で用いるクロロガリウムフタロシアニンを合成例2から合成例3のクロロガリウムフタロシアニンに変更し、湿式ミリング処理工程の処理時間を168時間に変更した。それ以外は、比較例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〔比較例6〕
実施例3において、湿式ミリング処理工程で用いたN,N−ジメチルホルムアミド10部をN,N−ジメチルアセトアミド10部に変更した以外は、実施例3と同様にして電子写真感光体を製造した。
〔比較例7〕
実施例3において、湿式ミリング処理工程で用いたN,N−ジメチルホルムアミド10部をベンジルアルコール10部に変更した以外は、実施例3と同様にして電子写真感光体を製造した。
[ゴースト抑制効果の評価]
上記で製造した各電子写真感光体について、温度23℃/湿度50%の常温常湿環境下でゴースト抑制効果の評価を行った。評価には、ヒューレットパッカード社製のレーザービームプリンター(商品名:LaserJet Pro400Color M451dn)を露光光(画像露光光)の光量が可変となるように改造したものを用いた。
シアン色用プロセスカートリッジに、製造した電子写真感光体を装着し、装置から現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位測定装置を挿入した。これを、プリンターのシアン色用プロセスカートリッジのステーションに装着し、明部電位(Vl)が−150Vになるように露光光の光量の設定を行った。電位測定装置は、現像用カートリッジの現像位置に電位測定プローブ(商品名:model6000B−8、トレック・ジャパン製)を配置することで構成されており、電子写真感光体に対する電位測定プローブの位置は、ドラム軸方向の中央とした。そして、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(商品名:model344、トレック・ジャパン製)を使用して測定している。
その後、電位測定装置をはずし、現像用カートリッジをもとの状態にもどし、初期のゴースト画像評価をおこなった。
ゴースト評価用の画像としては、図7に示すように、画像の先頭部の白画像中に黒い四角の画像(黒画像)を出した後、ハーフトーン画像を用いた。ハーフトーン画像は、図8に示す1ドット桂馬パターンで印字した。
ゴースト画像の評価は、X−Rite(株)製の分光濃度計(商品名:X−Rite504/508)を用いた。出力画像のうち、ゴースト部(ゴーストが生じうる部分)のマクベス濃度から1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像のマクベス濃度を差し引き、これをゴースト画像濃度差とした。これを1枚の出力画像で10点行い、10点の平均値を求めた。
本実験では、ゴースト画像濃度差が0.05未満の場合を、本発明の効果が得られているレベルとした。
結果を表1に示す。
Figure 0006950054
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段(一次帯電手段)
4 露光光(像露光光)
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材

Claims (9)

  1. 支持体と、感光層とをこの順に有する電子写真感光体であって、
    前記感光層が、有機化合物を結晶内に含む、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶を含有し、
    前記有機化合物を結晶内に含む、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶における、前記有機化合物の含有量が、前記式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶の含有量に対して、0.10質量%以上0.80質量%以下であり、
    前記有機化合物は、N,N−ジメチルホルムアミドであることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0006950054

    (式(1)において、X〜Xは、それぞれ独立に、水素原子又は塩素原子を示す。)
  2. 支持体と、電荷発生層と、電荷輸送層とをこの順に有する電子写真感光体であって、
    前記電荷発生層が、有機化合物を結晶内に含む、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶を含有し、前記有機化合物を結晶内に含む、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶における、前記有機化合物の含有量が、前記式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶の含有量に対して、0.10質量%以上0.80質量%以下であり、
    前記有機化合物は、N,N−ジメチルホルムアミドであることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0006950054

    (式(1)において、X〜Xは、それぞれ独立に、水素原子又は塩素原子を示す。)
  3. 前記有機化合物を結晶内に含む、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶が、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°において、7.4°、16.6°、25.5°及び28.4°にピークを有する請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記有機化合物を結晶内に含む、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶における、前記有機化合物の含有量が、前記式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶の含有量に対して、0.40質量%以上0.65質量%以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶が、前記式(1)における、X〜Xのうち1つが塩素原子であり、3つが水素原子であるクロロガリウムフタロシアニン結晶、又は、X〜Xのすべてが水素原子であるクロロガリウムフタロシアニン結晶である請求項1乃至4の何れか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶が、前記式(1)における、X〜Xのすべてが水素原子であるクロロガリウムフタロシアニン結晶と、前記X〜Xのうち1つが塩素原子であり、3つが水素原子であるクロロガリウムフタロシアニン結晶との混合物である請求項1乃至4の何れか1項に記載の電子写真感光体。
  7. 電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、
    前記電子写真感光体が、支持体と、感光層とをこの順に有し、
    前記感光層が、有機化合物を結晶内に含む、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶を含有し、
    前記有機化合物を結晶内に含む、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶における、前記有機化合物の含有量が、前記式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶の含有量に対して、0.10質量%以上0.80質量%以下であり、
    前記有機化合物が、N,N−ジメチルホルムアミドであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
    Figure 0006950054

    (式(1)において、X〜Xは、それぞれ独立に、水素原子又は塩素原子を示す。)
  8. 電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有する電子写真装置であって、
    前記電子写真感光体が、支持体と、感光層とをこの順に有し、
    前記感光層が、有機化合物を結晶内に含む、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶を含有し、
    前記有機化合物を結晶内に含む、式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶における、前記有機化合物の含有量が、前記式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶の含有量に対して、0.10質量%以上0.80質量%以下であり、
    前記有機化合物が、N,N−ジメチルホルムアミドであることを特徴とする電子写真装置。
    Figure 0006950054

    (式(1)において、X〜Xは、それぞれ独立に、水素原子又は塩素原子を示す。)
  9. 有機化合物を結晶内に含むクロロガリウムフタロシアニン結晶であって、
    前記有機化合物が、N,N−ジメチルホルムアミドであり、
    前記クロロガリウムフタロシアニン結晶が下記式(1)で示される化合物であり、
    前記有機化合物を結晶内に含むクロロガリウムフタロシアニン結晶における、前記有機化合物の含有量が、前記式(1)で示されるクロロガリウムフタロシアニン結晶の含有量に対して、0.10質量%以上0.80質量%以下であることを特徴とするクロロガリウムフタロシアニン結晶。
    Figure 0006950054

    (式(1)において、X〜Xはそれぞれ独立に、水素原子又は塩素原子を示す。)
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