JP4109796B2 - クロロガリウムフタロシアニンの製造方法、クロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
クロロガリウムフタロシアニンの製造方法、クロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロロガリウムフタロシアニンの製造方法、クロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法、クロロガリウムフタロシアニン結晶又はヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を用いた電子写真感光体、該電子写真感光体を用いた電子写真装置及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、フタロシアニン系顔料は着色用途の他、電子写真感光体、太陽電池、センサー等に用いられる電子材料として注目され、検討されている。
【0003】
また、近年、端末用プリンターとして電子写真技術を応用したプリンターが広く普及してきている。これらは、主としてレーザー光を光源とするレーザービームプリンターであり、その光源としてはコスト、装置の大きさ等の点から半導体レーザーが用いられる。現在、主として用いられている半導体レーザーは、その発振波長が650〜820nmと長波長のため、これら長波長の光に十分な感度を有する電子写真感光体の開発が進められてきた。
【0004】
電子写真感光体の感度は電荷発生材料の種類によって異なり、長波長光に対して感度を有する電荷発生材料として、近年、アルミニウムフタロシアニン、インジウムフタロシアニン、オキシバナジルフタロシアニン、ガリウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン、オキシチタニルフタロシアニン等の金属フタロシアニンあるいは無金属フタロシアニン等についての研究が多くなされている。
【0005】
これらのうち、多くのフタロシアニン化合物では様々な結晶形の存在が知られており、例えばガリウムフタロシアニンでは、特開平5−98181号公報にクロロガリウムフタロシアニン結晶が、特開平5−263007号公報及び特開平6−93203号公報等に数種類のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が開示されている。
【0006】
また、ガリウムフタロシアニンにおいては、結晶形が同じでも使用原料や溶剤といった製造方法、及び反応温度や仕込み比等の製造条件の差により電子写真感光体として使用する場合、電子写真特性が著しく変化し、特に、感度、帯電性に著しく違いが出ることがわかっている。
【0007】
ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法に関しては、特開平8−100134号公報、特開平9−111148号公報、特開平9−124967号公報、特開平10−7927号公報及び特開平10−17784号公報等に開示されているが、これらのガリウムフタロシアニン結晶を用いた電子写真感光体は、電子写真プロセスの高速化、あるいは高画質化の観点からみて、感度や繰り返し使用時の電位安定性、帯電性等の点で必ずしも満足できるものでなく、及び製造方法の収率、製造安定性の面からみても必ずしも満足できるものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高収率で安定生産できるクロロガリウムフタロシアニンの製造方法を提供すること、及び、該クロロガリウムフタロシアニンを処理して得られるクロロガリウムフタロシアニン結晶又はヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を用いて長波長の光源に対して極めて高い光感度を有し、繰り返し使用時の電位変動が少なく、帯電性が良好で画像欠陥の無い電子写真感光体を提供すること、及び、該電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、三塩化ガリウムと、o−フタロニトリルとを、α−クロロナフタレン中で反応させて、クロロガリウムフタロシアニンを製造する方法において、
該三塩化ガリウムと該o−フタロニトリルとの仕込み比が、該o−フタロニトリル4モルに対して該三塩化ガリウム1.5モル〜3モルであることを特徴とするクロロガリウムフタロシアニン化合物の製造方法が提供される。
【0010】
また、本発明に従って、上記製造方法によって得られたクロロガリウムフタロシアニンをミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶を得ることを特徴とするクロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法が提供される。
【0011】
更に、本発明に従って、上記製造方法によって得られたクロロガリウムフタロシアニンをアシッドペースティング処理した後、ミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得ることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法が提供される。
【0012】
また、本発明に従って、導電性支持体及び該導電性支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、
該感光層が、上記製造方法によって得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶、又は、上記製造方法によって得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を含有することを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0013】
また、本発明に従って、上記電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像する現像手段、及び、転写工程後の電子写真感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも一つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジが提供される。
【0014】
また、本発明に従って、上記電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した電子写真感光体に対し露光を行い静電潜像を形成する露光手段、静電潜像の形成された電子写真感光体にトナーで現像する現像手段、及び、電子写真感光体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段を有することを特徴とする電子写真装置が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
三塩化ガリウムと、o−フタロニトリルとを、α−クロロナフタレン中で反応させて、クロロガリウムフタロシアニンを製造する方法において、該三塩化ガリウムと該o−フタロニトリルとの仕込み比が、該o−フタロニトリル4モルに対して該三塩化ガリウム1.5モル〜3モルであることで、高い反応収率が得られ、及び、該クロロガリウムフタロシアニンを処理して得られるクロロガリウムフタロシアニン結晶又はヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を電子写真感光体に用いた場合、極めて高い光感度を有し、繰り返し使用時の電位変動が少なく、帯電性が良好で画像欠陥の無い電子写真感光体が得られる。o−フタロニトリル4モルに対して三塩化ガリウムが1.5モル未満の場合、反応収率が低く、また電子写真感光体にした場合、帯電能が劣っており画像欠陥が生じてしまう。逆に三塩化ガリウムが過剰の場合も反応収率が低下し、また電子写真感光体にした場合、光感度の低下、及び帯電能の低下により画像欠陥が生じてしまう。
【0017】
反応温度としては、通常170℃〜230℃に設定されるが、190℃未満では反応収率が上がり難く、また210℃を超える温度では電子写真感光体に用いた場合、光感度低下が起こり易いので、190℃〜210℃の範囲に設定するのが反応収率、電子写真特性の両立上好ましい。反応時間は、好ましくは1〜8時間、より好ましくは2〜5時間の範囲である。
【0018】
次に、上記製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンをミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶を得る方法を説明する。
【0019】
上記製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンを乾式ミリングするか、又は、乾式ミリングに続いて湿式ミリングして得られる。ここで行う湿式ミリングに用いられる溶剤としては、例えば、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等の芳香族アルコール系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオアミド等のアミド系溶剤、クロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤等が挙げられる。
【0020】
次に、上記製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンをアシッドペースティング処理した後、ミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得る方法を説明する。
【0021】
上記製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニンをアシッドペースティング法により処理してぺースト状の含水ヒドロキシガリウムフタロシアニンを得る。次に、この含水ヒドロキシガリウムフタロシアニンを乾燥して低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンとする。得られた低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンを、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオアミド等のアミド系溶剤、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤を用いてミリング処理を行うことにより得られる。
【0022】
ここで行うミリング処理とは、例えば、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナボール等の分散剤と共に、サンドミル、ボールミル等のミリング装置を用いて行う処理である。ミリング時間は、使用するミリング装置により異なるため一概には言えないが4〜48時間程度が好ましい。一番良い方法は、4〜8時間おきにサンプルをとりブラッグ角を確認することである。ミリング処理で用いる分散剤の量は、重量基準でクロロガリウムフタロシアニンの10〜50倍が好ましい。また、湿式ミリングの場合用いられる溶剤の量は、重量基準でクロロガリウムフタロシアニンの10〜30倍が好ましい。
【0023】
ここで行うアシッドペースティング法により処理するとは、クロロガリウムフタロシアニンを酸の中に溶解又は分散させた後、大量の水に注加し、再沈したクロロガリウムフタロシアニン固体をアルカリ水溶液、次いで洗液の伝導度が20μS以下になるまでイオン交換水で洗浄を繰り返す処理のことである。
【0024】
ここで用いられる酸としては、例えば、硫酸、塩酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられるが中でも濃硫酸が好ましい。使用量は、重量基準でクロロガリウムフタロシアニンの10〜40倍が好ましく、酸での溶解又は分散温度は50度以下がクロロガリウムフタロシアニンの分解あるいは酸との反応の点で好ましい。
【0025】
本発明において、クロロガリウムフタロシアニン結晶及びヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の結晶形のX線回折の測定は、CuKα線を用い、次の条件で行ったものである。
【0026】
使用測定機:マック・サイエンス社製、全自動X線回折装置MXP18
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.020deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):40deg.
ダイバージェンススリット:0.5deg.
スキャッタリングスリット:0.5deg.
レジーピングスリット:0.3deg.
湾曲モノクロメーター使用
【0027】
本発明の製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶やヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、光導電体としての機能に優れ、電子写真感光体以外にも、太陽電池、センサー、スイッチング素子等に適用することができる。
【0028】
次に、本発明の製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶又はヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を電子写真感光体における電荷発生材料として適用する場合を説明する。
【0029】
本発明における電子写真感光体の層構成は、導電性支持体上に電荷発生材料と電荷輸送材料を同時に含有する単一層からなる感光層を有する層構成と、導電性支持体上に電荷発生材料を含有する電荷発生層と電荷輸送材料を含有する電荷輸送層を積層する感光層を有する層構成がある。なお、電荷発生層と電荷輸送層の積層関係は逆であってもよい。
【0030】
本発明に用いられる支持体としては、導電性を有していれば、いずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケル、インジウム、金及び白金を用いることができる。その他には、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム、酸化スズ及び酸化インジウム−酸化スズ合金を真空蒸着法によって被膜形成された層を有するプラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂及びポリフッ化エチレン)、導電性粒子(例えば、アルミニウム粉末、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンブラック及び銀粒子等)を適当なバインダー樹脂と共にプラスチック又は前記支持体の上に被覆した支持体、導電性粒子をプラスチックや紙に含浸させた支持体や導電性ポリマーを有するプラスチック等を用いることができる。
【0031】
本発明においては、支持体と感光層の間にはバリヤー機能と接着機能を持つ下引き層を設けることもできる。下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン及びN−アルコキシメチル化ナイロン等)、ポリウレタン、にかわ、酸化アルミニウム及びゼラチン等が用いられる。その膜厚は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.5〜5μmである。
【0032】
単一層からなる感光層を形成する場合、本発明の製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶又はヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の電荷発生材料と電荷輸送材料を過当なバインダー樹脂溶液中に混合して、この混合液を導電性支持体上に塗布乾燥して形成される。
【0033】
積層構造からなる感光層を形成する場合、電荷発生層は、本発明の製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶又はヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を過当なバインダー樹脂溶液と共に分散し、この分散液を塗布乾燥して形成する方法が挙げられるが、蒸着することによって層形成することもできる。
【0034】
電荷輸送層は、主として電荷輸送材料とバインダー樹脂とを溶剤中に溶解させた塗料を塗布乾燥して形成する。電荷輸送材料としては、各種のトリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物等が挙げられる。
【0035】
各層に用いるバインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリビニルカルバゾール、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、ポリアリレート、塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体、ポリビニルベンザール等の樹脂が用いられる。
【0036】
感光層の塗布方法としては、ディッピング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法等の塗布方法を用いることができる。
【0037】
感光層が単一層の場合、膜厚は5〜40μmが好ましく、より好ましくは10〜30μmである。積層構造の場合、電荷発生層の膜厚は0.01〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmであり、電荷輸送層の膜厚は5〜40μmが好ましく、より好ましくは10〜30μmの範囲である。
【0038】
電荷発生材料の含有量は、電荷発生層に対して20〜90重量%が好ましく、より好ましくは50〜80重量%である。電荷輸送材料の含有量は、電荷輸送層に対して20〜80重量%が好ましく、より好ましくは30〜70重量%である。
【0039】
感光層が単一層の場合、電荷発生材料の含有量は、感光層に対して3〜30重量%が好ましい。電荷輸送材料の含有量は感光層に対して30〜70重量%が好ましい。
【0040】
本発明の製造方法で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶又はヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を電荷発生材料として用いる場合、その目的に応じて他の電荷発生材料と混合して用いることもできる。この場合、ガリウムフタロシアニンの割合は、全電荷発生材料に対して50重量%以上が好ましい。
【0041】
感光層上には、必要に応じて保護層を設けてもよい。保護層は、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネート(ポリカーボネートZ、変性ポリカーボネート等)、ナイロン、ポリイミド、ポリアリレート、ポリウレタン、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー等の樹脂を適当な有機溶剤によって溶解し、感光層の上に塗布、乾燥して形成できる。保護層の膜厚は、0.05〜20μmが好ましい。また、保護層中に導電性粒子や紫外線吸収剤等を含ませてもよい。導電性粒子としては、例えば酸化錫粒子等の金属酸化物が好ましい。
【0042】
次に、本発明の電子写真感光体を用いた電子写真装置について説明する。
【0043】
図1において、1は本発明のドラム型感光体であり軸1aを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動する。該感光体1は、その回転過程で帯電手段2によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで露光部3にて不図示の像露光手段により光像露光L(スリット露光あるいはレーザービーム走査露光等)を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応した静電潜像が順次形成されていく。その静電潜像は、次いで現像手段4でトナー現像され、そのトナー現像像がコロナ転写手段5により不図示の給紙部から感光体1と転写手段5との間に感光体1の回転と同期取りされて給送された記録材9の面に順次転写されていく。像転写を受けた記録材9は、感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写物(コピー)として機外ヘプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表面は、クリーニング手段6にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、前露光手段7により除電処理がされて繰り返して像形成に使用される。
【0044】
また、図2に示す装置では、少なくとも感光体1、帯電手段2及び現像手段4を容器20に納めてプロセスカートリッジとし、このプロセスカートリッジを装置本件のレール等の案内手段12を用いて着脱自在に構成している。クリーニング手段6は、容器20内に配置しても配置しなくてもよい。
【0045】
また、図3及び図4に示すように、帯電手段として直接帯電部材10を用い、電圧印加された直接帯電部材10を感光体1に接触させることにより感光体1の帯電を行ってもよい(この帯電方法を、以下直接帯電という)。図3及び図4に示す装置では、感光体1上のトナー像も直接帯電部材23で記録材9に転写される。即ち、電圧印加された直接帯電部材23を記録材9に接触させることにより感光体1上のトナー像を記録材9に転写させる。
【0046】
更に、図4に示す装置では、少なくとも感光体1及び直接帯電部材10を第1の容器21に納めて第1のプロセスカートリッジとし、少なくとも現像手段4を第2の容器22に納めて第2のプロセスカートリッジとし、これら第1のプロセスカートリッジと、第2のプロセスカートリッジとを着脱自在に構成している。クリーニング手段6は、容器21内に配置しても配置しなくてもよい。
【0047】
光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光を用いる、あるいは、原稿を読み取り信号化に従って、この信号によりレーザービームの走査、発光ダイオードアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの駆動等を行うことにより行われる。
【0048】
【実施例】
以下に示す「%」及び「部」は、それぞれ「重量%」及び「重量部」を意味する。
【0049】
(実施例1)
o−フタロニトリル36.4部、三塩化ガリウム25部(o−フタロニトリル4モルに対して2モル)、α−クロロナフタレン300部を窒素雰囲気下200℃で4時間反応させた後、130℃で生成物をろ過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、ろ過し、メタノールで洗浄後乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを26.3部(収率60.0%)得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図5に示す。また、このクロロガリウムフタロシアニンの元素分析の結果を以下に示す。
【0050】
元素分析 計算値 実測値
C 62.2 61.8
H 2.6 2.7
N 18.1 18.0
【0051】
(実施例2)
o−フタロニトリル48.5部、三塩化ガリウム50部(o−フタロニトリル4モルに対して3モル)、α−クロロナフタレン400部を窒素雰囲気下200℃で4時間反応させた後、130℃で生成物をろ過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、ろ過し、メタノールで洗浄後乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを43.0部(収率73.5%)得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図6に示す。また、このクロロガリウムフタロシアニンの元素分析の結果を以下に示す。
【0052】
元素分析 計算値 実測値
C 62.2 62.4
H 2.6 2.7
N 18.1 17.8
【0053】
(実施例3)
o−フタロニトリル48.5部、三塩化ガリウム25部(o−フタロニトリル4モルに対して1.5モル)、α−クロロナフタレン400部を窒素雰囲気下200℃で4時間反応させた後、130℃で生成物をろ過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、ろ過し、メタノールで洗浄後乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを31.3部(収率53.4%)得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図7に示す。また、このクロロガリウムフタロシアニンの元素分析の結果を以下に示す。
【0054】
元素分析 計算値 実測値
C 62.2 61.9
H 2.6 2.7
N 18.1 18.0
【0055】
(実施例4)
o−フタロニトリル29.1部、三塩化ガリウム25部(o−フタロニトリル4モルに対して2.5モル)、α−クロロナフタレン240部を窒素雰囲気下200℃で4時間反応させた後、130℃で生成物をろ過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、ろ過し、メタノールで洗浄後乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを23.1部(収率66.0%)得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図8に示す。また、このクロロガリウムフタロシアニンの元素分析の結果を以下に示す。
【0056】
元素分析 計算値 実測値
C 62.2 62.0
H 2.6 2.7
N 18.1 18.1
【0057】
(実施例5)
o−フタロニトリル36.4部、三塩化ガリウム25部(o−フタロニトリル4モルに対して2モル)、α−クロロナフタレン300部を窒素雰囲気下190℃で4時間反応させた後、130℃で生成物をろ過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、ろ過し、メタノールで洗浄後乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを18.2部(収率41.5%)得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図9に示す。また、このクロロガリウムフタロシアニンの元素分析の結果を以下に示す。
【0058】
元素分析 計算値 実測値
C 62.2 61.8
H 2.6 2.7
N 18.1 18.2
【0059】
(実施例6)
o−フタロニトリル36.4部、三塩化ガリウム25部(o−フタロニトリル4モルに対して2モル)、α−クロロナフタレン300部を窒素雰囲気下210℃で4時間反応させた後、130℃で生成物をろ過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、ろ過し、メタノールで洗浄後乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを30.5部(収率69.5%)得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図10に示す。また、このクロロガリウムフタロシアニンの元素分析の結果を以下に示す。
【0060】
元素分析 計算値 実測値
C 62.2 61.9
H 2.6 2.7
N 18.1 18.1
【0061】
(参考例7)
o−フタロニトリル36.4部、三塩化ガリウム25部(o−フタロニトリル4モルに対して2モル)、キノリン200部を窒素雰囲気下200℃で4時間反応させた後、130℃で生成物をろ過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、ろ過し、メタノールで洗浄後乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを20.5部(収率46.7%)得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図11に示す。また、このクロロガリウムフタロシアニンの元素分析の結果を以下に示す。
【0062】
元素分析 計算値 実測値
C 62.2 62.4
H 2.6 2.6
N 18.1 18.2
【0063】
(参考例8)
1,3−ジイミノイソインドリン50部、三塩化ガリウム30.4部(1,3−ジイミノイソインドリン4モルに対して2モル)、α−クロロナフタレン1000部を窒素雰囲気下200℃で4時間反応させた後、130℃で生成物をろ過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、ろ過し、メタノールで洗浄後乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを42.6部(収率80.2%)得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図12に示す。また、このクロロガリウムフタロシアニンの元素分析の結果を以下に示す。
【0064】
元素分析 計算値 実測値
C 62.2 62.3
H 2.6 2.6
N 18.1 18.1
【0065】
(比較例1)
o−フタロニトリル73部、三塩化ガリウム25部(o−フタロニトリル4モルに対して1モル)、α−クロロナフタレン380部を窒素雰囲気下200℃で4時間反応させた後、130℃で生成物をろ過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、ろ過し、メタノールで洗浄後乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを34部(収率38.8%)得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図13に示す。また、このクロロガリウムフタロシアニンの元素分析の結果を以下に示す。
【0066】
元素分析 計算値 実測値
C 62.2 61.8
H 2.6 2.7
N 18.1 18.1
【0067】
(比較例2)
o−フタロニトリル36.4部、三塩化ガリウム50部(o−フタロニトリル4モルに対して4モル)、α−クロロナフタレン300部を窒素雰囲気下200℃で4時間反応させた後、130℃で生成物をろ過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、ろ過し、メタノールで洗浄後乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを27.5部(収率62.7%)得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図14に示す。また、このクロロガリウムフタロシアニンの元素分析の結果を以下に示す。
【0068】
元素分析 計算値 実測値
C 62.2 62.5
H 2.6 2.7
N 18.1 17.7
【0069】
(実施例10)
実施例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン15部を10℃の濃硫酸450部に溶解させ、氷水2250部中に攪拌下に滴下して再析出させてろ過した。2%アンモニア水で分散洗浄、次いでイオン交換水で分散洗浄を4回行った後、凍結乾燥機でフリーズドライ化して低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンを13g得た。得られた低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンの粉末X線回折図を図15に示す。
【0070】
(実施例11〜15)
実施例2、3、4、5及び6で、それぞれ得られたクロロガリウムフタロシアニンを実施例10と同様に処理した。それぞれ得られた低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンの粉末X線回折は図15と同様であった。
【0071】
(比較例3及び4)
比較例1及び2で、それぞれ得られたクロロガリウムフタロシアニンを実施例10と同様に処理した。それぞれ得られた低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンの粉末X線回折は図15と同様であった。
【0072】
(実施例19)
実施例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン5部を1mmφのガラスビーズ200部と共にサンドミルでミリング処理を24時間行った。次いでベンジルアルコール95部を加え更にサンドミルでミリング処理を24時間行った。この分散液より固形分を取り出し、メタノールで十分に洗浄、乾燥して、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶を4.5部得た。得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図16に示す。
【0073】
(実施例20)
実施例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン5部を1mmφのガラスビーズ200部と共にサンドミルでミリング処理を24時間行った。次いでN,N−ジメチルホルムアミド95部を加え更にサンドミルでミリング処理を24時間行った。この分散液より固形分を取り出し、メタノールで十分に洗浄、乾燥して、クロロガリウムフタロシアニン結晶を4.5部得た。得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図16と同様であった。
【0074】
(実施例21〜25)
実施例2、3、4、5及び6で、それぞれ得られたクロロガリウムフタロシアニンを実施例19と同様に処理した。それぞれ得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図16と同様であった。
【0075】
(比較例5及び6)
比較例1及び2で、それぞれ得られたクロロガリウムフタロシアニンを実施例19と同様に処理した。それぞれ得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図16と同様であった。
【0076】
(実施例28)
実施例10で得られた低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニン5g、N,N−ジメチルホルムアミド95gを1mmφのガラスビーズ200gと共にボールミルでミリング処理を室温(22℃)下で24時間行った。この分散液より固形分を取り出し、テトラヒドロフランで十分に洗浄、乾燥して、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.3°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を4.5部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図17に示す。
【0077】
(実施例29)
実施例10で得られた低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニン5g、N,N−ジメチルホルムアミド95gを1mmφのガラスビーズ200gと共にサンドミルでミリング処理を20℃で20時間行った。この分散液より固形分を取り出し、テトラヒドロフランで十分に洗浄、乾燥して、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.3°及び28.1°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を4.5部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図18に示す。
【0078】
(実施例30〜34)
実施例11、12、13、14及び15で、それぞれ得られた低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンを実施例28と同様に処理した。それぞれ得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図17と同様であった。
【0079】
(比較例7及び8)
比較例3及び4で、それぞれ得られた低結晶性のヒドロキシガリウムフタロシアニンを実施例28と同様に処理した。それぞれ得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図17と同様であった。
【0080】
(実施例38)
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粉体50部、レゾール型フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部を1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで2時間分散して導電層用塗料を調製した。アルミニウムシリンダー(φ30mm)上に、導電層用塗料を浸漬塗布し、140℃で30分間乾燥させ、膜厚20μmの導電層を形成した。
【0081】
導電層上に6−66−610−12四元系ポリアミド共重合体5部をメタノール70部/ブタノール25部の混合溶媒に溶解した溶液を浸漬塗布、乾燥して、膜厚1μmの下引き層を形成した。
【0082】
次に、実施例19で製造したクロロガリウムフタロシアニン結晶3.5部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBH−S、積水化学工業社製)1部をシクロヘキサノン120部に添加し、1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散し、これにメチルエチルケトン120部を加えて希釈して電荷発生層用塗工液を調製した。下引き層上に、この電荷発生層用塗工液を浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0083】
次に、下記構造式の電荷輸送材料10部
【0084】
【化1】
【0085】
とポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−200、三菱ガス化学)10部をクロロベンゼン60部に溶解し、電荷輸送層用塗工液を調製した。電荷発生層上に電荷輸送層用塗工液を浸漬塗布し、140℃で30分間乾燥して、膜厚28μmの電荷輸送層を形成した。こうして電子写真感光体を作成した。
【0086】
(実施例39〜44、47〜53)
実施例38において用いた電荷発生材料に代えて、実施例20、21、22、23、24、25、28、29、30、31、32、33及び34で製造したクロロガリウムフタロシアニン結晶又はヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を電荷発生材料として用いた以外は、実施例38と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0087】
(比較例9〜12)
比較例5、6、7及び8で製造したクロロガリウムフタロシアニン結晶又はヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を電荷発生材料として用いた他は、実施例38と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0088】
実施例38〜44、47〜53及び比較例9〜12で作成した電子写真感光体をレーザービームプリンター(商品名:LBP−1760、キヤノン(株)製)を光量可変にした改造機に設置して、暗部電位が−600(V)になるように帯電設定し、これに波長780nmのレーザー光を照射して、−600(V)の電位を−140(V)まで下げるのに必要な光量を測定し、感度とした。次に、温度35℃/湿度80%の高温高湿化での初期画像評価を行った。以上の結果を表1にまとめた。
【0089】
尚、画像評価の○、△、×は帯電不良により生じる黒ポチ、カブリ等の画像欠陥の発生量を目視で評価した値であり、○は黒ポチ、カブリの無い状態、△はやや有り、×は有りを意味する。
【0090】
【表1】
【0091】
(実施例57)
実施例48における電荷発生層のバインダー樹脂として用いたポリビニルブチラール樹脂に代えて、ポリアリレート樹脂を用い膜厚0.11μmの電荷発生層を形成した以外は、実施例48と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0092】
(実施例58)
実施例49における電荷発生層の膜厚を0.13μmに代えた以外は、実施例49と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0093】
(実施例59)
実施例58における電荷発生層のバインダー樹脂として用いたポリビニルブチラール樹脂に代えて、ベンザール樹脂を用いた以外は、実施例58と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0094】
(実施例60)
実施例50で用いた電荷輸送材料に代えて下記構造式の化合物
【0095】
【化2】
【0096】
を用い、及び電荷発生層の膜厚を0.14μmに代えた以外は、実施例50と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0097】
(実施例62)
実施例38と同様にして下引き層を形成した後、実施例28で製造したヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶3.5部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−S、積水化学工業社製)1部をクロロベンゼン120部に添加し、1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散し、これに酢酸エチル120部を加えて希釈して電荷発生層用塗工液を調製した。下引き層上に、この電荷発生層用塗工液を浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚0.25μmの電荷発生層を形成した。
【0098】
次に、下記構造式の電荷輸送材料10部
【0099】
【化3】
【0100】
とポリアリレート樹脂10部をクロロベンゼン60部に溶解し、電荷輸送層用塗料を調製した。電荷発生層上に電荷輸送層用塗工液を浸漬塗布し、110℃で1時間乾燥して、膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。こうして電子写真感光体を作成した。
【0101】
(比較例13)
比較例11における電荷発生層の膜厚を0.13μmに代えた以外は、比較例11と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0102】
実施例57〜60及び62並びに比較例13でレーザービームプリンター(商品名:LBP−1760、キヤノン(株)製)にて明部電位を−140Vになるように電荷発生層の膜厚を調整して作成した電子写真感光体を設置して、初期の明部電位を測定した後、連続5000枚の通紙耐久試験を行って耐久後の明部電位の変動量ΔVlの測定を行った。以上の結果を表2に示した。また、ΔVlにおける正記号は電位の上昇を表す。
【0103】
【表2】
【0104】
【発明の効果】
本発明によれば、高収率で安定生産できるクロロガリウムフタロシアニンの製造方法を提供することが可能となった。及び、該クロロガリウムフタロシアニンを処理して得られるクロロガリウムフタロシアニン結晶又はヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を用いて、長波長の光源に対して極めて高い光感度を有し、繰り返し使用時の電位変動が少なく、帯電性が良好で画像欠陥の無い電子写真感光体を提供することが可能となった。及び、該電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体を用いた電子写真装置の概略構成図である。
【図2】 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成図である。
【図3】 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成図である。
【図4】 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成図である。
【図5】 本発明のクロロガリウムフタロシアニンのCuKα特性X線回折図である。
【図6】 本発明のクロロガリウムフタロシアニンのCuKα特性X線回折図である。
【図7】 本発明のクロロガリウムフタロシアニンのCuKα特性X線回折図である。
【図8】 本発明のクロロガリウムフタロシアニンのCuKα特性X線回折図である。
【図9】 本発明のクロロガリウムフタロシアニンのCuKα特性X線回折図である。
【図10】 本発明のクロロガリウムフタロシアニンのCuKα特性X線回折図である。
【図11】 クロロガリウムフタロシアニンのCuKα特性X線回折図である。
【図12】 本発明のクロロガリウムフタロシアニンのCuKα特性X線回折図である。
【図13】 本発明のクロロガリウムフタロシアニンのCuKα特性X線回折図である。
【図14】 本発明のクロロガリウムフタロシアニンのCuKα特性X線回折図である。
【図15】 本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニンのCuKα特性X線回折図である。
【図16】 本発明のクロロガリウムフタロシアニンのCuKα特性X線回折図である。
【図17】 本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニンのCuKα特性X線回折図である。
【図18】 本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニンのCuKα特性X線回折図である。
【符号の説明】
1 感光体
1a 軸
2 帯電手段
3 露光部
4 現像手段
5 転写手段
6 クリーニング手段
7 前露光手段
8 定着手段
9 記録材
10,23 直接帯電部材
12 案内手段
20,21,22 容器
L 光像露光
Claims (7)
- 三塩化ガリウムと、o−フタロニトリルとを、α−クロロナフタレン中で反応させて、クロロガリウムフタロシアニンを製造する方法において、
該三塩化ガリウムと該o−フタロニトリルとの仕込み比が、該o−フタロニトリル4モルに対して該三塩化ガリウム1.5モル〜3モルであることを特徴とするクロロガリウムフタロシアニンの製造方法。 - 前記三塩化ガリウムと前記o−フタロニトリルとをα−クロロナフタレン中で反応させる際の反応温度が190℃〜210℃である請求項1に記載のクロロガリウムフタロシアニンの製造方法。
- 請求項1又は2に記載の製造方法によって得られたクロロガリウムフタロシアニンをミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶を得ることを特徴とするクロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の製造方法によって得られたクロロガリウムフタロシアニンをアシッドペースティング処理した後、ミリング処理により結晶変換させ、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得ることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
- 導電性支持体及び該導電性支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、
該感光層が、請求項3に記載の製造方法によって得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶、又は、請求項4に記載の製造方法によって得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を含有することを特徴とする電子写真感光体。 - 請求項5に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像する現像手段、及び、転写工程後の電子写真感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも一つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項5に記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した電子写真感光体に対し露光を行い静電潜像を形成する露光手段、静電潜像の形成された電子写真感光体にトナーで現像する現像手段、及び、電子写真感光体上のトナー像を転写材上に転写する転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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