JP2931070B2 - 新規な結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンおよびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

新規な結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンおよびそれを用いた電子写真感光体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な結晶形のオキシチナニウムフタロシア
ニンおよびそれを用いた電子写真感光体に関する。
〔従来の技術〕
従来、フタロシアニン系顔料は着色用途の他、電子写
真感光体、太陽電池、センサーなどに用いられる電子材
料として注目され検討されている。
また、近年、端末用プリンターとして従来のインパク
ト型のプリンターにかわり、電子写真技術を応用したノ
ンインパクト型のプリンターが広く普及してきている。
これらは主としてレーザー光を光源とするレーザービー
ムプリンターであり、その光源としては、コスト、装置
の大きさ等の点から半導体レーザーが用いられる。
現在、主として用いられている半導体レーザーはその
発振波長が790±20nmと長波長のため、これらの長波長
の光に十分な感度を有する電子写真感光体の開発が進め
られてきた。
長波長側での感度は電荷発生材料の種類によって変わ
るものであり、多くの電荷発生材料が検討されている。
代表的な電荷発生材料としてはフタロシアニン顔料、
アゾ顔料、シアニン染料、アズレン染料、スクアリリウ
ム染料などがある。
一方、長波長光に対して感度を有する電荷発生材料と
して、近年アルミクロルフタロシアニン、クロロインジ
ウムフタロシアニン、オキシバナジルフタロシアニン、
クロロガリウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシ
アニン、オキシチタニウムフタロシアニンなどの金属フ
タロシアニンあるいは無金属フタロシアニンについての
研究が多くなされている。
このうち多くのフタロシアニン化合物では多形の存在
が知られており、例えば無金属フタロシアニンではα
型,β型,γ型,δ型,ε型,x型,γ型などがあり、銅
フタロシアニンではα型,β型,γ型,δ型,ε型,x型
などが一般に知られている。
また、結晶形が電子写真特性(感度、耐久時の電位安
定性等)及び塗料変した場合の塗料特性にも大きな影響
を与えることも一般に知られている。
特に長波長の光に対して高感度を有するオキシチタニ
ウムフタロシアニンに関しても上述のごとく無金属フタ
ロシアニンや銅フタロシアニンなど、他のフタロシアニ
ンと同様に多形が存在する。例えば、特開昭59−49544
号公報(USP4,444,861)、特開昭59−166959号公報、特
開昭61−239248号公報(USP4,728,592)、特開昭62−67
094号公報(USP4,664,997)、特開昭63−366号公報、特
開昭63−116158号公報、特開昭63−198067号公報および
特開昭64−17066号公報に各々結晶形の異なるオキシチ
タニウムフタロシアニンが報告されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、これら従来報告されている結晶形とは異な
る新規な結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンを提
供することを主たる目的とする。
また、本発明は、溶剤安定性に優れた結晶形のオキシ
チタニウムフタロシアニンを提供することにある。
また、本発明の目的は、長波長の光線に対して極めて
高い光感度を有する電子写真感光体を提供することにあ
る。
また、本発明の目的は、繰り返し耐久を行なった場合
に、電位の安定性が極めて良く、良好な画像を保持する
電子写真感光体を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、可視光線を長時間照射した
場合でも光に対するメモリーのない電子写真感光体を提
供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、オキシチタニウムフタロシアニンにつ
いて研究の結果、X線回折スペクトルが従来公知のいず
れとも異なる新規な結晶を見い出し、さらにこの結晶形
のオキシチタニウムフタロシアニンを用いた電子写真感
光体が優れた電子写真特性を示すことを見い出した。
すなわち、本発明は、CuKαのX線回折におけるブラ
ッグ角2θ±0.2゜が8.9゜,11.4゜および27.2゜に強い
ピークを有する新規な結晶形のオキシチタニウムフタロ
シアニンである。
また、本発明は、非晶質オキシチタニウムフタロシア
ニンをメタノール処理し、次いでセロソルブ系溶剤で処
理を行うことを特徴とするCuKαのX線回折におけるブ
ラッグ角2θ±0.2゜が8.9゜,11.4゜および27.2゜に強
いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシア
ニンの製造方法である。
また、本発明は、導電性支持体上に感光層を有する電
子写真感光体において、前記感光層がCuKαのX線回折
におけるブラッグ角2θ±0.2゜が8.9゜,11.4゜および2
7.2゜に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウム
フタロシアニンを含有することを特徴とする電子写真感
光体である。
また、本発明は、上記感光体を備えた電子写真装置お
よびファクシミリである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるオキシチタニウムフタロシアニンのX
線回折パターンは、第1図に示すようにブラッグ角(2
θ±0.2゜)の8.9゜,11.4゜および27.2゜の位置に強い
ピークを示す。上記ピークはピーク強度の強い上位3点
をとったものであり、主要なピークとなっている。
第1図のX線回折図において特徴的なことは、上記3
点のピークのうち、27.2゜のピークが1番強く、8.9゜
のピークが2番目に強い。
なお、本発明においてX線回折のピーク形状は、製造
時における条件の相違によってまた測定条件等によっ
て、僅かではあるが異なり、例えば各ピークの先端部は
スプリットする場合もありうる。
ここでオキシチタニウムフタロシアニンの構造は で表わされる。
ただし、X1,X2,X3,X4はClまたはBrを表わしn,m,l,kは
0〜4の整数である。
本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンの
製造方法を例示的に説明する。
まず、例えば四塩化チタンとオルトフタロジニトリル
をα−クロルナフタレン中で反応させ、ジクロルチタニ
ウムフタロシアニンを得る。これをα−クロロナフタレ
ン、トリクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチ
ルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶剤で
洗浄し、次いでメタノール、エタノール等の溶剤で洗浄
したのち、熱水により加水分解してオキシチタニウムフ
タロシアニン結晶を得る。こうして得られた結晶は種種
の多形の混合物であることが多く、この混合物を処理し
ても本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン
を得るのは通常は難しい。そこで本発明では、アシッド
ペーシティング法により処理して非晶質のオキシチタニ
ウムフタロシアニンに一旦交換しておく。
得られた非晶質オキシチタニウムフタロシアニンに室
温、加熱あるいは煮沸下で30分以上、好ましくは1時間
以上のメタノール処理を施したのち、減圧乾燥し、さら
にメチルセルソルブ、エチルセルソルブ、イソプロピル
セルソルブ、n−プロピルセルソルブ、n−ブチルセル
ソルブ、イソアミルセルソルブ、フェニルセルソルブ、
ベンジルセルソルブ等のセロソルブ系溶剤を分散媒とし
て用いて1時間以上、好ましくは3時間以上70℃以上
で、好ましくは100℃以上で加熱処理を行うことによっ
て本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンが
得られる。
なお、ここでメタノール処理とは、例えばメタノール
中におけるオキシチタニウムフタロシアニンの懸濁攪拌
処理をいう。
このようにして得られる前記オキシチタニウムフタロ
シアニン結晶は、例えば光導電体としての機能に優れ、
電子写真感光体,太陽電池,センサ,スイッチング素子
等の電子材料などに適用することができる。
以下、本発明のオキシチタニウムフタロシアニン結晶
を電子写真感光体における電荷発生材料として適用する
場合の例を説明する。
まず、電子写真感光体の代表的な層構成を第2図およ
び第3図に示す。
第2図は感光層1が単一層からなり、感光層1が電荷
発生材料2と電荷輸送材料(不図示)を同時に含有して
いる。
なお、3は導電性支持体である。
第3図は感光層1が電荷発生層4と、電荷輸送層5の
積層構造をとっており、電荷発生層4が電荷発生材料2
を含有している。
なお、第3図の電荷発生層4と電荷輸送層5の積層関
係は逆であっても良い。
電子写真感光体を製造する場合、導電性支持体3とし
ては導電性を有するものであれば良く、アルミニウム、
ステンレスなどの金属、あるいは導電層を設けた金属、
プラスチック、紙などがあげられ、形状としては円筒状
又はフィルム状等があげられる。
また、導電性支持体3と感光層1の間にはバリヤー機
能と接着機能を持つ下引層を設けることもできる。
下引層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ
エチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロー
ス、カゼイン、ポリアミド、ニカワ、ゼラチンなどが用
いられる。
これらは適当な溶剤に溶解して導電性支持体上に塗布
される。その膜厚は0.2〜3.0μmである。
第2図に示すような単一層からなる感光層を形成する
場合、本発明のオキシチタニウムフタロシアニン結晶の
電荷発生材料と電荷輸送材料を適当なバインダー樹脂溶
液中に混合し塗布乾燥することにより得られる。
第3図に示すような積層構造から成る感光層の電荷発
生層の形成方法としては本発明のオキシチタニウムフタ
ロシアニン電荷発生材料を適当なバインダー樹脂溶剤と
ともに分散し塗布・乾燥することによって得られる。な
おこの場合、バインダー樹脂はなくとも良い。
ここで用いられるバインダー樹脂としては、例えば、
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルカルバゾ
ール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニ
ルアセテート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート
樹脂、塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体樹脂
などが主として用いられる。
電荷輸送層は主として電荷輸送材料とバインダー樹脂
とを溶剤中に溶解させた塗料を塗工乾燥して形成する。
用いられる電荷輸送材料としては各種のトリアリール
アミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化
合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、チ
アゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物などが挙
げられる。
また、バインダー樹脂としては上述したものを用いる
ことができる。
これらの感光層の塗布方法としては、ディッピング
法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング
法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、
ビームコーティング法などを用いることができる。
感光層が単一層の場合、膜厚は5〜40μm、好ましく
は10〜30μmが適当である。
また感光層が積層構造の場合、電荷発生層の膜厚は0.
01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmの範囲であり、電
荷輸送層の膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μmの
範囲である。
更にこれらの感光層を外部の衝撃から保護するために
感光層の表面に薄い保護層を設けても良い。
なお本発明のオキシチタニウムフタロシアニン結晶を
電荷発生材料として用いる場合、その目的に応じて他の
電荷発生材料と混合して用いることも可能である。
第13図に本発明の電子写真感光体を用いた一般的な転
写式電子写真装置の概略構成例を示した。
図において、11は像担持体としての本発明のドラム型
感光体であり軸11aを中心に矢印方向に所定の周速度で
回転駆動される。該感光体11はその回転過程で帯電手段
12によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を
受け、次いで露光部13にて不図示の像露光手段により光
像露光L(スリット露光・レーザービーム走査露光な
ど)を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応し
た静電潜像が順次形成されていく。
その静電潜像はついで現像手段14でトナー現像されそ
のトナー現像が転写手段15により不図示の給紙部から感
光体11と転写手段15との間に感光体11の回転と同期取り
されて給送された転写材Pの面に順次転写されていく。
像転写を受けた転写材Pは感光体面から分離されて像
定着手段18へ導入されて像定着を受けて複写物(コピ
ー)として機外へプリントアウトされる。
像転写後の感光体11の表面はクリーニング手段16にて
転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露
光手段17により除電所されて繰り返して像形成に使用さ
れる。
感光体11の均一帯電手段12としてはコロナ帯電装置が
一般に広く使用されている。また転写装置15もコロナ転
写手段が一般に広く使用されている。電子写真装置とし
て、上述の感光体や現像手段、クリーニング手段などの
構成要素のうち、複数のものを装置ユニットとして一体
に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着
脱自在に構成しても良い。例えば、感光体11とクリーニ
ング手段16とを一体化してひとつの装置ユニットとし、
装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構
成にしても良い。このとき、上記の装置ユニットの方に
帯電手段および/または現像手段を伴って構成しても良
い。
光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプリンターと
して使用する場合には、原稿からの反射光や透過光、あ
るいは、原稿を読取り信号化し、この信号によりレーザ
ビームの走査、LEDアレイの駆動、または液晶シャッタ
ーアレイの駆動などにより行われる。
ファクシミリのプリンターとして使用する場合には、
光像露光Lは受信データをプリントするための露光にな
る。第14図はこの場合の1例をブロック図で示したもの
である。
コントローラ21は画像読取部20とプリンター29を制御
する。コントローラ21の全体はCPU27により制御されて
いる。画像読取部20からの読取データは、送信回路23を
通して相手局に送信される。相手局から受けたデータは
受信回路22を通してプリンター29に送られる。画像メモ
リ26には所定の画像データが記憶される。プリンタコン
トローラ28はプリンター29を制御している。24は電話で
ある。
回線25から受信された画像情報(回線を介して接続さ
れたリモート端末からの画像情報)は、受信回路22で復
調された後、COU27で復号処理が行なわれ、順次画像メ
モリ26に格納される。そして、少なくとも1ページの画
像情報がメモリ26に格納されると、そのページの画像記
録を行なう。CPU27は、メモリ26より1ページの画像情
報を読み出し、プリンタコントローラ28に復号化された
1ページの画像情報を送出する。プリンタコントローラ
28は、CPU27からの1ページの画像情報を受け取るとそ
のページの画像情報記録を行なうべく、プリンター29を
制御する。
尚、CPU27は、プリンター29による記録中に、次のペ
ージの受信を行なっている。
以上の様にして、画像の受信と記録が行なわれる。
このような電子写真感光体は、レーザービームプリン
ター、LEDプリンター、CRTプリンターなどのプリンター
のみならず、通常の電子写真複写機やファクシミリその
他電子写真応用分野に広く適用することができる。
〔製造例〕
次に本発明のオキシチタニウムフタロシアニン結晶の
製造例を示す。
製造例1 α−クロルナフタレン100g中、o−フタロジニトリル
5.0g、四塩化チタン2.0gを190℃にて4時間加熱撹拌し
たのち、50℃まで冷却して析出した結晶を濾別、ジクロ
ロチタニウムフタロシアニンのペーストを得た。次にこ
れを110℃に加熱したN,N′−ジメチルホルムアミド100m
lで撹拌下洗浄、次いで60℃のメタノール100mlで2回洗
浄を繰り返し濾別した。更に、この得られたペーストを
脱イオン水100ml中80℃で1時間撹拌、濾別して青色の
オキシチタニウムフタロシアニン結晶を得た。収量4.2
g。
この化合物の元素分析値は以下の通りであった。
元素分析値(C32H16N8OTi) C H N Cl 計算値(%) 66.68 2.80 19.44 0.00 実測値(%) 66.47 2.90 19.49 0.45 次にこの結晶を濃硫酸100mlに溶解させ、20℃の脱イ
オン水1000ml中に撹拌下で滴下して再析出させて濾過し
十分に水洗した後、非晶質のオキシチタニウムフタロシ
アニンを得た。この非晶質オキシチタニウムフタロシア
ニンのX線回折図を第4図に示す。このようにして得ら
れた非晶質のオキシチタニウムフタロシアニン4.0gをメ
タノール100mlを加え懸濁撹拌下40時間沸騰処理した
後、濾別、減圧乾燥して結晶性のオキシチタニウムフタ
ロシアニンを得た。このX線回折図を第5図に示す。次
に、このオキシチタニウムフタロシアニン2.0gにn−ブ
チルセロソルブ40mlを加え、100℃で4時間懸濁撹拌処
理を行った。次にこれを別し、メタノールで十分に洗
浄、乾燥して本発明の新規な結晶のオキシチタニウムフ
タロシアニンを得た。収量1.7g。このオキシチタニウム
フタロシアニンのX線回折図を第1図に示す。また、こ
の結晶のKBrペレットを作製し、赤外吸収スペクトルを
測定した結果を第6図に示す。また、この結晶をn−ブ
チルセロソルブ中に分散した分散液で測定したUV吸収ス
ペクトルの結果を第7図に示す。
比較製造例1 特開昭61−239248号公報(USP4,728,592)に開示され
ている製造例に従って、いわゆるα型とよばれている結
晶形のオキシチタニウムフタロシアニンを得た。
このX線回折図を第8図に示す。
比較製造例2 特開昭62−67094号公報(USP4,664,997)に開示され
ている製造例に従って、いわゆるA型とよばれている結
晶形のオキシチタニウムフタロシアニンを得た。
このX線回折図を第9図に示す。
比較製造例3 特開昭64−17066号公報に開示されている製造例に従
って、特開昭64−17066号公報と同じ結晶形を持つオキ
シチタニウムフタロシアニンを得た。
このX線回折図を第10図に示す。
なお、本発明におけるX線回折図の測定はCuKα線を
用いて次の条件により行った。
使用測定機:理学電器製X線回折装置 RAD−Aシステム X線管球:Cu 管電圧 :50kV 管電流 :40mA スキャン方法:2θ/θスキャン スキャン速度:2deg/min サンプリング間隔:0.020deg スタート角度(2θ):3deg ストップ角度(2θ):40deg ダイバージェンススリット:0.5deg スキャッタリングスリット:0.5deg レシービングスリット:0.3mm 湾曲モノクロメーター使用 〔実施例〕 以下、本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシア
ニンを電子写真感光体に適用した場合の実施例を示す。
なお、部は重量部を示す。
実施例1 本発明の製造例1で得られた結晶形のオキシチタニウ
ムフタロシアニン4部とポリビニルブチラール樹脂3部
をシクロヘキサノン120部に添加し1mmφのガラスビーズ
を用いたサンドミルで1時間分散し、これに100部のメ
チルエチルケトンを加えて、希釈し、これを厚さ50μm
のアルミニウムシートを支持体上に塗布した後、80℃で
10分間乾燥して、膜厚0.17μmの電荷発生層を形成し
た。
このCGL薄膜のX線回折を測定したところ、 ブラック角(2θ±0.2゜)の8.9゜,11.4゜,および2
7.2゜の位置に強いピークを示す第1図と同様のX線回
折図が得られた。
実施例2 10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した
酸化チタン粉体50部、レゾール型フェノール樹脂25部、
メチルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコー
ンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレ
ン共重合体、平均分子量3000)0.002部をφ1mmガラスビ
ーズを用いたサンドミル装置で3時間分散して導電層塗
料を調製した。
アルミニウムシリンダー(φ30mm×260mm)上に、上
記塗料を浸漬塗布し、140℃で30分間乾燥させ、膜厚18
μmの導電層を形成した。
この上に6−66−610−12四元系ポリアミド共重合体
樹脂5部をメタノール70部とブタノール25部の混合溶媒
に溶解した溶液をディッピング法で塗布乾燥して1μm
厚の下引き層を設けた。
次に、本発明の製造例1で得られた結晶形のオキシシ
タニウムフタロシアニン4部とポリビニルブチラール樹
脂2部をシクロヘキサノン100部に添加し1mmφのガラス
ビーズを用いたサンドミルで2時間分散し、これに100
部のメチルエチルケトンを加えて、希釈し、これを下引
き層上に塗布した後、80℃で10分間乾燥して、膜厚0.16
μmの電荷発生層を形成した。
次に下記構造式 で示される電荷輸送剤10部とビスフェノールZ型ポリカ
ーボネート樹脂10部をモノクロルベンゼン60部に溶解し
た溶液を作成し、電荷発生層上にディッピング法により
塗布した。これを110℃の温度で1時間乾燥して19μm
圧の電荷輸送層を形成し電子写真感光体を製造した。
比較例1 比較製造例1で得られたα型のオキシチタニウムフタ
ロシアニンを用いた他は実施例2と同様にして電子写真
感光体を製造した。
比較例2 比較製造例2で得られたA型のオキシチタニウムフタ
ロシアニンを用いた他は実施例2と同様にして電子写真
感光体を製造した。
比較例3 比較製造例3で得られた特開昭64−17066号公報と同
じ結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンを用いた他
は実施例2と同様にして電子写真感光体を製造した。
これらの実施例2及び比較例1,2,3の電子写真感光体
をレーザービームプリンター(商品名:LBP−SX:キャノ
ン製)に設置し、暗部電位が−700(V)になるように
帯電設定し、これに波長802nmのレーザ光を照射して−7
00(V)の電位を−150(V)まで下げるのに必要な光
量を測定し感度とした。
その結果を第1表に示す。
次にこれら4種類の感光体を、暗部電位−700
(V)、明部電位−150(V)に設定した状態で連続400
0枚の通紙耐久試験を行って耐久後の暗部、明部の電位
の測定及び画像の評価を行った。
通紙耐久による暗部電位変動の状態を第11図に、暗部
電位と明部電位とのコントラスト電位の変動の状態を第
12図に示す。
第11図および第12図の結果から明らかなように、実施
例2においては耐久後においても初期と同等の良好な画
像が得られたが、比較例1,2,3においては白地部分にお
いて地カブリを起こしており、とくに比較例3において
は著しかった。
また比較例1,2,3については地カブリを除くために濃
度調節レバーにより調節したところ黒字部分の濃度が不
十分となった。
次に実施例2及び比較例1,2,3と同じ感光体を各1本
用意し、それぞれの感光体の一部分に1500ルックスの白
色光を30分間照射した後、前記レーザービームプリンタ
ーに設置し、白色光を照射しない部分の暗部電位を−70
0(V)に設定した場合の照射部分との下測定した。結
果を第2表に示す。
また、実施例2における本発明の結晶形のオキシチタ
ニウムフタロシアニンを分散含有した電荷発生層塗工液
から1カ月後にオキシチタニウムフタロシアニンの結晶
を回収してX線回折測定を行ったところ、回折パターン
に変化は認められず結晶形がそのまま維持されているこ
とを確認した。したがって、本発明の結晶形のオキシチ
タニウムフタロシアニンは液安定性に優れていることが
判明した。
実施例3 実施例2において、電荷発生層のバインダー樹脂とし
てビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂を用いたほ
かは実施例2と同様にして電子写真感光体を製造した。
実施例4 電荷輸送材料として下記構造式 で示される化合物を用いた他は実施例2と同様にして電
子写真感光体を製造した。
実施例5 電荷輸送材料として下記構造式 で示される化合物を用いた他は実施例2と同様にして電
子写真感光体を製造した。
実施例2,3,4について実施例2と同様にレーザービー
ムプリンターで表面電位を−700(V)から−150(V)
に変化させるのに要する光量を測定し感度とした。その
結果を第3表に示す。
実施例6 厚さ50μmのアルミニウムシート支持体上に実施例2
と同様の下引層をバーコートにより形成し、さらにこの
上に実施例2と同様の電荷輸送層を21μm厚に形成し
た。
次にビスフェノールZ型ポリカーボネート5部をシク
ロヘキサノン68部に溶解し、この溶液に製造例1で得ら
れたX線回折パターンを示すオキシチタニウムフタロシ
アニン4部を混合し、サンドミルにて2時間分散を行っ
た後、ビスフェノールZ型ポリカーボネート5部と実施
例2で使用した電荷輸送材料9部を溶解し、さらにテト
ラヒドロフラン40部、ジクロルメタン40部を加えて希釈
して分散塗料を得た。この塗料をスプレー塗布法にて電
荷輸送層上に塗布して乾燥して5μm厚の電荷発生層を
形成し、電子写真感光体を製造した。
比較例4 電荷発生材料として比較製造例1で得られたα型オキ
シチタニウムフタロシアニンを用いた他は実施例6と同
様にして電子写真感光体を製造した。
比較例5 電荷発生材料として比較製造例2で得られたA型オキ
シチタニウムフタロシアニンを用いた他は実施例6と同
様にして電子写真感光体を製造した。
比較例6 電荷発生材料として比較製造例3で得られた特開昭64
−17066号と同じ結晶形のオキシチタニウムフタロシア
ニンを用いた他は実施例6と同様にして電子写真感光体
を製造した。
こうして得られた実施例6及び比較例4,5,6の電子写
真感光体を静電試験装置(EPA−8100:川口電機製)を用
いて評価した。
評価は初めに正のコロナ帯電により表面電位が700
(V)となるように設定し、次にモノクロメーターによ
り分離した802nmの単色光により露光して表面電位が200
(V)まで下がるときの光量を測定し感度とした。その
結果を第4表に示す。
〔発明の効果〕 以上のように、本発明の結晶形のオキシチタニウムフ
タロシアニンは新規であり、その有用性は明らかであ
る。また、この新規な結晶形のオキシチタニウムフタロ
シアニンを電荷発生材料として用いた電子写真感光体
は、長波長の光線に対して極めて高い感度を示し、かつ
連続使用においても帯電能の低下などの電位変動がな
く、電位安定性に優れ、さらに白色光に対する光メモリ
ー特性も良好である。
【図面の簡単な説明】
第1図は製造例で得られた本発明の結晶形のオキシチタ
ニウムフタロシアニンのX線回折図、 第2図および第3図は電子写真感光体の層構成の模式的
断面図、 第4図は非晶質オキシチタニウムフタロシアニンのX線
回折図、 第5図はメタノール煮沸処理して得られた結晶性のオキ
シチタニウムフタロシアニンのX線回折図、 第6図は本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシア
ニンの赤外吸収スペクトル図(KBr法)、 第7図は本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシア
ニンのUV吸収スペクトル図、 第8図,第9図および第10図は比較製造例で得られたオ
キシチタニウムフタロシアニンのX線回折図、 第11図は実施例で得られた通紙耐久による暗部電位変動
の状態を表わした図、 第12図は実施例で得られた通紙耐久によるコントラスト
電位変動の状態を表わした図、 第13図は一般的な転写式電子写真装置の概略構成図であ
る。 第14図は電子写真装置をプリンターとして使用したファ
クシミリのブロック図である。 1……感光層、2……電荷発生材料、3……導電性支持
体、4……電荷発生層、5……電荷輸送層、11……感光
体、12……帯電手段、13……露光部、14……現像手段、
15……転写手段、16……クリーニング手段、17……前露
光手段、18……像定着手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高井 秀幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 呉 信哲 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 山崎 至 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−7926(JP,A) 特開 平5−17702(JP,A) 特開 平4−153273(JP,A) 特開 平3−217462(JP,A) 特開 平3−54264(JP,A) 特開 平3−35566(JP,A) 特開 平3−181951(JP,A) 特開 平2−183265(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 67/50,47/04 G03G 5/06 H04N 1/29 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ
    ±0.2゜が8.9゜,11.4゜および27.2゜に強いピークを有
    する新規な結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン。
  2. 【請求項2】非晶質オキシチタニウムフタロシアニンを
    メタノール処理し、次いでセロソルブ系溶剤で処理する
    ことによる、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ
    ±0.2゜が8.9゜,11.4゜および27.2゜に強いピークを有
    する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンの製造方
    法。
  3. 【請求項3】導電性支持体上に感光層を有する電子写真
    感光体において、前記感光層がCuKαのX線回折におけ
    るブラッグ角2θ±0.2゜が8.9゜,11.4゜および27.2゜
    に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロ
    シアニンを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  4. 【請求項4】前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層の二
    層からなり、少なくとも該電荷発生層は前記結晶形のオ
    キシチタニウムフタロシアニンを含有することを特徴と
    する請求項(3)記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】電荷発生層上に電荷輸送層が積層されてい
    ることを特徴とする請求項(4)記載の電子写真感光
    体。
  6. 【請求項6】請求項(3)ないし(5)記載の電子写真
    感光体を備えた電子写真装置。
  7. 【請求項7】請求項(3)ないし(5)記載の電子写真
    感光体を備え、かつリモート端末からの画像情報を受信
    する受信手段を有するファクシミリ。
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