JPH075851B2 - オキシチタニウムフタロシアニン、その製造方法およびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

オキシチタニウムフタロシアニン、その製造方法およびそれを用いた電子写真感光体

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JPH075851B2 JP18920189A JP18920189A JPH075851B2 JP H075851 B2 JPH075851 B2 JP H075851B2 JP 18920189 A JP18920189 A JP 18920189A JP 18920189 A JP18920189 A JP 18920189A JP H075851 B2 JPH075851 B2 JP H075851B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な結晶形のオキシチタニウムフタロシアニ
ン、その製造方法およびそれを用いた電子写真感光体に
関する。
〔従来の技術〕
従来、フタロシアニン系顔料は着色用途の他、電子写真
感光体、太陽電池、センサーなどに用いられる電子材料
として注目され、検討されている。
また、近年、端末用プリンターとして従来のインパクト
型のプリンターにかわり、電子写真技術を応用したノン
インパクト型のプリンターが広く普及してきている。こ
れらは主としてレーザー光を光源とするレーザービーム
プリンターであり、その光源としては、コスト、装置の
大きさ等の点から半導体レーザーが用いられる。
現在、主として用いられている半導体レーザーはその発
振波長が790±20nmと長波長のため、これらの長波長の
光に十分な感度を有する電子写真感光体の開発が進めら
れてきた。
長波長側での感度は電荷発生材料の種類によつて変わる
ものであり、多くの電荷発生材料が検討されている。
代表的な電荷発生材料としてはフタロシアニン顔料、ア
ゾ顔料、シアニン染料、アズレン染料、スクアリリウム
染料などがある。
一方、長波長光に対して感度を有する電荷発生材料とし
て、近年アルミクロルフタロシアニン、クロロインジウ
ムフタロシアニン、オキシバナジルフタロシアニン、ク
ロロガリウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシア
ニン、オキシチタニウムフタロシアニンなどの金属フタ
ロシアニンあるいは無金属フタロシアニンについての研
究が多くなされている。
このうち多くのフタロシアニン化合物では多形の存在が
知られており、例えば無金属フタロシアニンではα型,
β型,γ型,δ型,ε型,x型,τ型などがあり、銅フタ
ロシアニンではα型,β型,γ型,δ型,ε型,x型など
が一般に知られている。
また、結晶形の違いが電子写真特性(感度、耐久時の電
位安定性等)及び塗料化した場合の塗料特性にも大きな
影響を与えることも一般に知られている。
特に長波長の光に対して高感度を有するオキシチタニウ
ムフタロシアニンに関しても上述のごとく無金属フタロ
シアニンや銅フタロシアニンなど、他のフタロシアニン
と同様に多形が存在する。例えば、特開昭59−49544号
公報(USP4,444,861)、特開昭59−166959号公報、特開
昭61−239248号公報(USP4,728,592)、特開昭62−6709
4号公報(USP4,664,997)、特開昭63−366号公報、特開
昭63−116158号公報、特開昭63−198067号公報および特
開昭64−17066号公報に各々結晶形の異なるオキシチタ
ニウムフタロシアニンが報告されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、これら従来報告とされている結晶形とは異な
る新規な結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンおよ
びその製造方法を提供することを主たる目的とする。
また、本発明の目的は、長波長の光線に対して極めて高
い光感度を有する電子写真感光体を提供することにあ
る。
また、本発明の目的は、繰り返し耐久を行った場合に、
電位の安定性が極めて良く、良好な画像を保持する電子
写真感光体を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、可視光線を長時間照射した場
合でも光に対するメモリーのない電子写真感光体を提供
することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らはオキシチタニウムフタロシアニンについて
研究の結果、X線回折スペクトルが従来公知のいずれと
も異なる新規な結晶形を見い出し、さらにこの結晶形の
オキシチタニウムフタロシアニンを用いた電子写真感光
体が優れた電子写真特性を示すことを見い出した。
すなわち、本発明は、CuKαのX線回折におけるブラッ
グ角2θの27.3±0.2゜に1番強いピーク、7.1±0.2゜
に2番目に強いピークを有し、更に10.3±0.2に強いピ
ークを有するオキシチタニウムフタロシアニンである。
また、本発明は、非晶質オキシチタニウムフタロシアニ
ンをメタノールを用いて60℃以上で加熱処理することを
特徴とするCuKαのX線回折におけるブラッグ角2θの2
7.3±0.2゜に1番強いピーク、7.1±0.2゜に2番目に強
いピークを有し、更に10.3±0.2゜に強いピークを有す
るオキシチタニウムフタロシアニンの製造方法である。
また、本発明は、導電性支持体上に感光層を有する電子
写真感光体において、感光層はCuKαのX線回折におけ
るブラッグ角2θの27.3±0.2゜に1番強いピーク、7.1
±0.2゜に2番目に強いピークを有し、更に10.3±0.2゜
に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン
を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるオキシチタニウムフタロシアニンのX線
回折パターンは、第1図または第2図に示すようにブラ
ッグ角2θの7.1±0.2゜および27.3±0.2゜の位置に強
くて明確な鋭いピークを示し、このうち27.3±0.2゜の
ピークが1番強く、7.1±0.2゜のピークが2番目に強
い。また、この結晶のX線回折のうち上記2点を含めて
ピーク強度の強い上位5点をとった場合には、7.1±0.2
゜,10.3±0.2゜,11.5±0.2゜,24.8±0.2゜および27.3±
0.2゜に強いピークを有する。
なお、本発明においてX線回折のピーク形状は、製造時
における条件の相違によってまた測定条件等によって僅
かではあるが異なり、例えば各ピークの先端部はスプリ
ツトする場合もありうる。
ここでオキシチタニウムフタロシアニンの構造は で表わされる。
ただし、X1,X2,X3,X4はClまたはBrを表わしn,m,l,kは0
〜4の整数である。
本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンの製
造方法を例示的に説明する。
まず、例えば四塩化チタンとオルトフタロジニトリルを
α−クロルナフタレン中で反応させ、ジクロルチタニウ
ムフタロシアニンを得る。これをα−クロロナフタレ
ン、トリクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチ
ルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶剤で
洗浄し、次いでメタノール、エタノール等の溶剤で洗浄
したのち、熱水により加水分解してオキシチタニウムフ
タロシアニン結晶を得る。こうして得られた結晶は種々
の多形の混合物であることが多く、この混合物を処理し
ても本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン
を得るのは通常は難しい。そこで本発明では、アシツド
ペーシテイング法により処理して非晶質のオキシチタニ
ウムフタロシアニンに一端変換する。
次に、この非晶質オキシチタニウムフタロシアニンをメ
タノールを分散媒として用いて10時間以上、好ましくは
20時間以上で、60℃以上の加熱処理、好ましくは煮沸処
理(メタノールの沸点64.5℃)することによって本発明
の結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンが得られ
る。
このようにして得られる前記オキシチタニウムフタロシ
アニンは、例えば光導電体としての機能に優れ、電子写
真感光体,太陽電池,センサ,スイツチング素子等の電
子材料などに適用することができる。
以下、本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシアニ
ンを電子写真感光体における電荷発生材料として適用す
る場合の例を説明する。
まず、電子写真感光体の代表的な層構成を第3図および
第4図に示す。
第3図は感光層1が単一層からなり、感光層1が電荷発
生材料2と電荷輸送材料(不図示)を同時に含有してい
る。
なお、3は導電性支持体である。
第4図は感光層1が電荷発生層4と、電荷輸送層5の積
層構造をとっており、電荷発生層4が電荷発生材料2を
含有している。
なお、第4図の電荷発生層4と電荷輸送層5の積層関係
は逆であっても良い。
電子写真感光体を製造する場合、導電性支持体3として
は導電性を有するものであれば良く、アルミニウム、ス
テンレスなどの金属、あるいは導電性を設けた金属、プ
ラスチツク、紙などがあげられ、形状としては円筒状又
はフイルム状等があげられる。
また、導電性支持体3と感光層1の間にはバリヤー機能
と接着機能を持つ下引層を設けることもできる。
下引層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリエ
チレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロー
ス、カゼイン、ポリアミド、ニカワ、ゼラチンなどが用
いられる。
これらは適当な溶剤に溶解して導電性支持体上に塗布さ
れる。その膜厚は0.2〜3.0μmである。
第3図に示すような単一層からなる感光層を形成する場
合、本発明のオキシチタニウムフタロシアニン電荷発生
材料と電荷輸送材料を適当なバインダー樹脂溶液中に混
合し塗布乾燥することにより得られる。
第4図に示すような積層構造から成る感光層の電荷発生
層の形成方法としては本発明のオキシチタニウムフタロ
シアニン電荷発生材料を適当なバインダー樹脂溶液とと
もに分散し塗布・乾燥することによって得られる。なお
この場合、バインダー樹脂はなくとも良い。
ここで用いられるバインダー樹脂としては、例えば、ポ
リエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルカルバゾー
ル樹脂、フエノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
ビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニル
アセテート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹
脂、塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体樹脂な
どが主として用いられる。
電荷輸送層は主として電荷輸送材料とバインダー樹脂と
を溶剤中に溶解させた塗料を塗工乾燥して形成する。
用いられる電荷輸送材料としては各種のトリアリールア
ミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合
物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、チア
ゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物などが挙げ
られる。
また、バインダー樹脂としては上述したものを用いるこ
とができる。
これらの感光層の塗布方法としては、デイツピング法、
スプレーコーテイング法、スピンナーコーテイング法、
ビードコーテイング法、ブレードコーテイング法、ビー
ムコーテイング法などを用いることができる。
感光層が単一層の場合、膜厚は5〜40μm、好ましくは
10〜30μmが適当である。
また感光層が積層構造の場合、電荷発生層の膜厚は0.01
〜10μm、好ましくは0.05〜5μmの範囲であり、電荷
輸送層の膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μmの範
囲である。
更にこれらの感光層を外部の衝撃から保護するために感
光層の表面に薄い保護層を設けても良い。
なお本発明のオキシチタニウムフタロシアニン結晶を電
荷発生材料として用いる場合、その目的に応じて他の電
荷発生材料と混合して用いることも可能である。
このような電子写真感光体は、レーザービームプリンタ
ー、LEDプリンター、CRTプリンターなどのプリンターの
みならず、通常の電子写真複写機やその他電子写真応用
分野に広く適用することができる。
次に本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン
結晶の製造例を示す。
[製造例1] α−クロルナフタレン100g中、o−フタロジニトリル5.
0g、四塩化チタン2.0gを200℃にて3時間加熱攪拌した
のち、50℃まで冷却して析出した結晶を濾別、ジクロロ
チタニウムフタロシアニンのペーストを得た。次にこれ
を100℃に加熱したN,N′−ジメチルホルムアミド100ml
で攪拌下洗浄、次いで60℃のメタノール100mlで2回洗
浄を繰り返し、濾別した。更に、この得られたペースト
を脱イオン水100ml中80℃で1時間攪拌、濾別して青色
のオキシチタニウムフタロシアニン結晶を得た。収量4.
3g。
この化合物の元素分析値は以下の通りであった。
元素分析値(C32H16N8TiO) C H N Cl 計算値(%) 66.68 2.80 19.44 0.00 実測値(%) 66.50 2.99 19.42 0.47 次にこの結晶を濃硫酸30mlに溶解させ、20℃の脱イオン
水300ml中に攪拌下で滴下して再析出させて濾過し十分
に水洗した後、非晶質のオキシチタニウムフタシロアニ
ンを得た。この非晶質オキシチタニウムフタロシアニン
のX線回折図を第5図に示す。このようにして得られた
非晶質のオキシチタニウムフタロシアニン4.0gにメタノ
ール100mlを加え、マグネチツクスターラーを用いて攪
拌下、60時間,60℃の加熱処理をした後、濾過、減圧乾
燥し、本発明の新規な結晶形のオキシチタニウムフタロ
シアニンを得た。収量3.7g。このオキシチタニウムフタ
ロシアニンのX線回折図を第1図に示す。また、KBrペ
レツトを作製し、この結晶の赤外吸収スペクトルを測定
した結果を第6図に示す。また、この結晶をメタノール
中に分散して分散液で測定したUV吸収スペクトルの結果
を第7図に示す。
〔製造例2〕 製造例1と同様の方法で得られた非晶質のオキシチタニ
ウムフタロシアニン4.0gにメタノール100mlを加え、攪
拌下、30時間煮沸処理した後、濾過、減圧乾燥し、本発
明の新規な結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンを
得た。収量3.6g。このオキシチタニウムフタロシアニン
のX線回折図を第2図に示す。
[比較製造例1] 特開昭61−239248号公報(USP4,728,592)に開示されて
いる製造例に従って、いわゆるα型とよばれている結晶
形のオキシチタニウムフタロシアニンを得た。
このX線回折図を第8図に示す。
[比較製造例2] 特開昭62−67094号公報(USP4,664,997)に開示されて
いる製造例に従って、いわゆるA型とよばれている結晶
形のオキシチタニウムフタロシアニンを得た。
このX線回折図を第9図に示す。
[比較製造例3] 特開昭64−17066号公報に開示されている製造例に従っ
て、特開昭64−17066号公報と同じ結晶形を持つオキシ
チタニウムフタロシアニンを得た。
このX線回折図を第10図に示す。
なお、本発明におけるX線回折図の測定はCuKα線を用
いて次の条件により行った。
使用測定機:理学電器製X線回折装置RAD−Aシステム X線管球:Cu 管電圧:50kV 管電流:40mA スキヤン方法:2θ/θスキヤン スキヤン速度:2deg./min サンプリング間隔:0.020deg. スタート角度(2θ):3deg. ストツプ角度(2θ):40deg. ダイバージエンススリツト:0.5deg. スキヤツタリングスリツト:0.5deg. レシービングスリツト:0.3mm 湾曲モノクロメーター使用 以下、本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシアニ
ンを電子写真感光体に適用した場合の実施例を示す。な
お、部は重量部を示す。
[実施例1] 10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸
化チタン粉体50部、レゾール型フエノール樹脂25部、メ
チルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコーン
オイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン
共重合体、平均分子量3000)0.002部をφ1mmガラスビー
ズを用いたサンドミル装置で2時間分散して導電層用塗
料を調製した。
アルミニウムシリンダー(φ30mm×260mm)上に、上記
塗料を浸漬塗布し、140℃で30分間乾燥させ、膜厚20μ
mの導電層を形成した。
この上に6−66−610−12四元系ポリアミド共重合体樹
脂5部をメタノール70部とブタノール25部の混合溶媒に
溶解した溶液をデイツピング法で塗布乾燥して1μm厚
の下引き層を設けた。
次に、本発明の製造例1で得られた結晶形のオキシチタ
ニウムフタロシアニン4部とポリビニルブチラール樹脂
2部をシクロヘキサノン100部に添加し1mmφのガラスビ
ーズを用いたサンドミルで1時間分散し、これに100部
のメチルエチルケトンを加えて希釈し、これを下引き層
上に塗布した後、80℃で10分間乾燥して、膜厚0.15μm
の電荷発生層を形成した。
次に下記構造式 で示される電荷輸送材料10部とビスフエノールZ型ポリ
カーボネート樹脂10部をモノクロルベンゼン60部に溶解
した溶液を作成し、電荷発生層上にデイツピング法によ
り塗布した。これを110℃の温度で1時間乾燥して20μ
m厚の電荷輸送層を形成し電子写真感光体を製造した。
〔比較例1〕 比較製造例1で得られたα型のオキシチタニウムフタロ
シアニンを用いた他は実施例1と同様にして電子写真感
光体を製造した。
〔比較例2〕 比較製造例2で得られたA型のオキシチタニウムフタロ
シアニンを用いた他は実施例1と同様にして電子写真感
光体を製造した。
〔比較例3〕 比較製造例3で得られた特開昭64−17066号公報と同じ
結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンを用いた他は
実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
これらの実施例1及び比較例1,2,3の電子写真感光体を
レーザービームプリンター(商品名:LBP−SX:キヤノン
製)に設置し、暗部電位が−700(V)になるように帯
電設定し、これに波長802nmのレーザー光を照射して、
−700(V)の電位を−150(V)まで下げるのに必要な
光量を測定し感度とした。
その結果を第1表に示す。
また、製造例2で得られた結晶形のオキシチタニウムフ
タロシアニンを用いて実施例1と同様にして電子写真感
光体を製造し、感度測定を行ったところ、実施例1と同
様に高感度特性が得られた。
次にこれら4種類の感光体を、暗部電位−700(V)、
明部電位−150(V)に設定した状態で連続4000枚の通
紙耐久試験を行って耐久後の暗部、明部の電位の測定及
び画像の評価を行った。
通紙耐久による暗部電位変動の状態を第11図に、明部電
位と明部電位とのコントラスト電位の変動の状態を第12
図に示す。
第11図および第12図の結果から明らかなように、実施例
1においては耐久後においても初期と同等の良好な画像
が得られたが、比較例1,2,3においては白地部分におい
て地カブリを起こしており、とくに比較例3においては
著しかった。
また比較例1,2,3については地カブリを除くために濃度
調節レバーにより調節したところ黒地部分の濃度が不十
分となった。
次に実施例1及び比較例1,2,3と同じ感光体を各1本用
意し、それぞれの感光体の一部分に1500ルツクスの白色
光を30分間照射した後、前記レーザービームプリンター
に設置し、白色光を照射しない部分の暗部電位を−700
(V)に設定した場合の照射部分との差を測定した。結
果を第2表に示す。
また、製造例2で得られた結晶形のオキシチタニウムフ
タロシアニンを用いて実施例1と同様にして製造した電
子写真感光体についてもこの測定を行ったところ、実施
例1と同様に良好な光メモリー特性が得られた。
なお、第13図に実施例1の電子写真感光体において分光
感度の最大値を100とした場合の分光感度の分布を示
す。
このように、本発明の結晶形をオキシチタニウムフタロ
シアニンを用いた電子写真感光体は770〜810nm付近の長
波長領域において安定した高感度特性を発現するもので
ある。
〔実施例2〕 実施例1において、オキシチタニウムフタロシアニンの
分散溶剤としてメタノールを用い、稀釈溶剤にブタノー
ルを用いる他は実施例1と同様にして電子写真感光体を
製造した。
〔実施例3〕 実施例1において、電荷発生層のバインダー樹脂として
ビスフエノールZ型ポリカーボネート樹脂を用いたほか
は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
〔実施例4〕 電荷輸送材料として下記構造式 で示される化合物を用いた他は実施例1と同様にして電
子写真感光体を製造した。
〔実施例5〕 電荷輸送材料として下記構造式 で示される化合物を用いた他は実施例1と同様にして電
子写真感光体を製造した。
実施例2,3,4,5について実施例1と同様にレーザービー
ムプリンターで表面電位を−700(V)から−150(V)
に変化させるのに要する光量を測定し感度とした。その
結果を第3表に示す。
〔実施例6〕 厚さ50μmのアルミニウムシート基体上に実施例1と同
様の下引層をバーコートにより形成し、さらにこの上に
実施例1と同様の電荷輸送層を20μm厚に形成した。
次にビスフエノールZ型ポリカーボネート5部をシクロ
ヘキサノン68部に溶解し、この溶液に製造例1で得られ
たX線回折パターンを示すオキシチタニウムフタロシア
ニン3部を混合し、サンドミルにて1時間分散を行った
後、ビスフエノールZ型ポリカーボネート5部と実施例
1で使用した電荷輸送材料10部を溶解し、さらにテトラ
ヒドロフラン40部、ジクロルメタン40部を加えて希釈し
て分散塗料を得た。この塗料をスプレー塗布法にて電荷
輸送層上に塗布して乾燥して6μm厚の電荷発生層を形
成し、電子写真感光体を製造した。
〔比較例4〕 電荷発生材料として比較製造例1で得られたα型オキシ
チタニウムフタロシアニンを用いた他は実施例5と同様
にして電子写真感光体を製造した。
〔比較例5〕 電荷発生材料として比較製造例2で得られたA型オキシ
チタニウムフタロシアニンを用いた他は実施例5と同様
にして電子写真感光体を製造した。
〔比較例6〕 電荷発生材料として比較製造例3で得られた特開昭64−
17066号と同じ結晶形のオキシチタニウムフタロシアニ
ンを用いた他は実施例5と同様にして電子写真感光体を
製造した。
こうして得られた実施例5及び比較例4,5,6の電子写真
感光体を静電試験装置(EPA−8100:川口電機製)を用い
て評価した。
評価は初めに正のコロナ帯電により表面電位が700
(V)となるように設定し、次にモノクロメーターによ
り分離した802nmの単色光により露光して表面電位が200
(V)まで下がるときの光量を測定し感度とした。その
結果を第4表に示す。
〔本発明の効果〕 以上のように、本発明の結晶形のオキシチタニウムフタ
ロシアニンは新規であり、その有用性は明らかである。
また、この新規な結晶形のオキシチタニウムフタロシア
ニンを電荷発生材料として用いた電子写真感光体は、長
波長の光線に対して極めて高い感度を示し、かつ連続使
用においても帯電能の低下などの電位変動がなく、電位
安定性に優れ、さらに白色光に対する光メモリー特性も
良好である。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は製造例で得られた本発明の結晶形
のオキシチタニウムフタロシアニンのX線回折図、 第3図および第4図は電子写真感光体の層構成の模式的
断面図、 第5図は非晶質オキシチタニウムフタロシアニンのX線
回折図、 第6図は本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシア
ニンの赤外吸収スペクトル図(KBr法)、 第7図は本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシア
ニンのUV吸収スペクトル図、 第8図、第9図および第10図は比較製造例で得られたオ
キシチタニウムフタロシアニンのX線回折図、 第11図は実施例で得られた通紙耐久による暗部電位変動
の状態を表わした図、 第12図は実施例で得られた通紙耐久によるコントラスト
電位変動の状態を表わした図、 第13図は実施例1の電子写真感光体の分光感度を表わし
た図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山▲崎▼ 至 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−299874(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ
    の27.3±0.2゜に1番強いピーク、7.1±0.2゜に2番目
    に強いピークを有し、更に10.3±0.2゜に強いピークを
    有するオキシチタニウムフタロシアニン。
  2. 【請求項2】前記ブラッグ角2θの11.5±0.2゜および2
    4.8±0.2゜に強いピークを更に有する請求項第1項記載
    のオキシチタニウムフタロシアニン。
  3. 【請求項3】非晶質オキシチタニウムフタロシアニンを
    メタノールを用いて60℃以上で加熱処理することを特徴
    とするCuKαのX線回折におけるブラッグ角2θの27.3
    ±0.2゜に1番強いピーク、7.1±0.2゜に2番目に強い
    ピークを有し、更に10.3±0.2゜に強いピークを有する
    オキシチタニウムフタロシアニンの製造方法。
  4. 【請求項4】得られるオキシチタニウムフタロシアニン
    が前記ブラッグ角2θの11.5±0.2゜および24.8±0.2゜
    に強いピークを更に有する請求項第3項記載のオキシチ
    タニウムフタロシアニンの製造方法。
  5. 【請求項5】導電性支持体上に感光層を有する電子写真
    感光体において、感光層はCuKαのX線回折におけるブ
    ラッグ角2θの27.3±0.2゜に1番強いピーク、7.1±0.
    2゜に2番目に強いピークを有し、更に10.3±0.2゜に強
    いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを含
    有することを特徴とする電子写真感光体。
  6. 【請求項6】オキシチタニウムフタロシアニンが前記ブ
    ラッグ角2θの11.5±0.2゜および24.8±0.2゜に強いピ
    ークを更に有する請求項第5項記載の電子写真感光体。
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