JP2683152B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、改善された特性を有する電子写真感光体に
関し、詳しくは、特定の電荷発生物質と特定の電荷輸送
物質を含有する感光層を有する電子写真感光体に関す
る。
〔従来の技術〕
従来、電子写真感光体としては、セレン、硫化カドミ
ウム、酸化亜鉛等を主成分とする感光層を有する無機感
光体が広く用いられてきた。これらは、熱安定性、耐湿
性、耐久性等において必ずしも満足し得るものではな
く、特にセレンおよび硫化カドミウムは毒性のために製
造上ならびに取扱い上に制約があった。一方有機光導電
性化合物を主成分とする感光層を有する有機感光体は、
無機感光体の上記欠点をおぎなう等多くの利点を有し近
年注目を集めている。
このような有機感光体としては、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾールに代表される光導電性ポリマー及びこれと2,
4,7−トリニトロ−9−フルオレノン等のルイス酸とか
ら形成される電荷移動錯体を主成分とする感光層を有す
る電子写真感光体はすでに実用化されている。しかし、
この感光体は、感度および耐久性において必ずしも満足
できるものではない。
一方、電荷発生機能と電荷輸送機能とをそれぞれ別個
の物質に分担させた、所謂機能分離型電子写真感光体
は、従来の有機感光体の欠点とされていた感度や耐久性
に著しい改善をもたらした。この機能分離型感光体は、
電荷発生物質、電荷輸送物質の各々の材料選択範囲が広
く、任意の特性を有する電子写真感光体を比較的容易に
作成し得るという利点を有している。
近年電子写真感光体が複写機のみならず、近年では電
子写真技術を応用したノンインパクト型のプリンターへ
の使用が急速に増加してきている。これらは主としてレ
ーザー光を光源とするレーザービームプリンターであ
り、その光源としてはコスト、装置の大きさなどの点か
ら半導体レーザーが用いられる。
現在、主として用いられている半導体レーザーはその
発振波長が790±20nmと長波長のため、これらの長波長
の光に十分な感度を有する電子写真感光体の開発が進め
られてきた。
長波長側での感度は電荷発生材料の種類によって変わ
るものであり、多くの電荷発生材料が検討されている。
代表的な電荷発生材料としてはフタロシアニン顔料、
アゾ顔料、シアニン染料、アズレン染料、スクアリリウ
ム染料などがある。
一方、長波長光に対して感度を有する電荷発生材料と
して、近年アルミクロルフタロシアニン、クロロインジ
ウムフタロシアニン、オキシバナジルフタロシアニン、
クロロガリウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシ
アニン、オキシチタニウムフタロシアニンなどの金属フ
タロシアニンあるいは無金属フタロシアニンについての
研究が多くなされている。
このうち多くのフタロシアニン化合物では多形の存在
が知られており、例えば無金属フタロシアニンではα
型、β型、γ型、δ型、ε型、x型、τ型などがあり、
銅フタロシアニンではα型、β型、γ型、δ型、ε型、
x型などが一般に知られている。
また、結晶形の違いが電子写真特性(感度、耐久時の
電位安定性等)及び塗料化した場合の塗料特性にも大き
な影響を与えることも一般に知られている。
特に長波長の光に対して高感度を有するオキシチタニ
ウムフタロシアニンに関しても上述のごとく無金属フタ
ロシアニンや銅フタロシアニンなど、他のフタロシアニ
ンと同様に多形が存在する。例えば、特開昭59−49544
号公報(USP4,444,861)、特開昭59−166959号公報、特
開昭61−239248号公報(USP4,728,592)、特開昭62−67
094号公報(USP4,664,997)、特開昭63−366号公報、特
開昭63−116158号公報、特開昭63−198067号公報および
特開昭64−17066号公報に各々結晶形の異なるオキシチ
タニウムフタロシアニンが報告されている。
しかし、これらのオキシチタニルフタロシアニンは、
感度が十分でなかったり、繰り返し使用時の電位安定性
が悪かったり、帯電能が悪かったり、使用環境の変化に
よる画像劣化が見られる等実際の使用上問題となる点が
いくつかありいまだ十分満足のいくものが得られていな
い。
ところで、一般に感光体においてある特定の電荷発生
物質に対して有効な電荷輸送物質が他の電荷発生物質に
対して有効であるとは限らず、また逆に、ある特定の電
荷輸送物質に有効な電荷発生物質が他の電荷輸送物質に
対して有効であるとは限らない。すなわち電荷の受け渡
しをするこれらの電荷発生物質と電荷輸送物質には必ず
好ましい組み合せがある。
不適当な組み合せでは感度低下や残留電位の上昇を生
じたり、繰り返し使用時の電位安定性の悪化や帯電能の
低下等の多くの問題を生じる。
従って電荷発生物質と電荷輸送物質との組み合せは極
めて重要であるが、一般的な法則は存在せず、特定の電
荷発生物質に適合したキヤリア輸送物質を見い出すのは
非常に困難である。そこで我々は鋭意研究の結果本発明
に至った。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は長波長域においても十分な高感度を有
する電子写真感光体を提供することにある。
本発明の目的は繰り返し使用時の電位が安定に維持さ
れかつ使用環境(温度、湿度)によらず安定した電位特
性と画像特性を示す電子写真感光体を提供することにあ
る。
〔問題を解決する手段〕
即ち、本発明は導電性支持体上に感光層を有する電子
写真感光体において、該感光層がCuKαのX線回折にお
けるブラツグ角2θ±0.2°が9.0°、14.2°、23.9°お
よび27.1°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニ
ウムフタロシアニン、および下記一般式〔I〕 (式中、R1およびR2は、置換基を有してもよい水素原
子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有して
もよいアラルキル基または置換基を有してもよいアリー
ル基を示し、R3、R4、R5およびR6は置換基を有してもよ
いアリール基を示す。) で示されるフルオレン化合物を含有することを特徴とす
る電子写真感光体である。
本発明におけるオキシチタニウムフタロシアニンのX
線回折パターンは、第1図、第2図および第3図に示す
ようにブラツグ角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、2
3.9°および27.1°の位置に強いピークを示す。上記ピ
ークはピーク強度の強い上位4点をとったものであり、
主要なピークとなっている。
第1図、第2図および第3図のX線回折図において特
徴的なことは、上記4点のピークのうち、27.1°のピー
クが1番強く、9.0°のピークが2番目に強い。また、1
7.9°の位置に上記4点より弱いピークさらに弱いピー
クが13.3°の位置にある。また10.5°〜13.0°、14.8°
〜17.4°および18.2°〜23.2°の範囲には実質的にピー
クがない。
なお、本発明においてX線回折のピーク形状は、製造
時における条件の相違によってまた測定条件等によっ
て、僅かではあるが異なり、例えば各ピークの先端部は
スプリツトする場合もありうる。第1図の場合には、8.
9°のピークの山は9.4°付近に、また14.2°のピークの
山は14.1°付近に別のスプリツトしたピークが見られ
る。
ここでオキシチタニウムフタロシアニンの構造は、 で表わされる。
ただし、X1,X2,X3,X4はClまたはBrを表わしn,m,l,
kは0〜4の整数である。
本発明に用いられる一般式〔I〕で示されるフルオレ
ン化合物におけるアリール基としてはフエニル、ナフチ
ルおよびピリジンなどが挙げられ、アルキル基としては
メチル、エチルおよびプロピルなどが挙げられ、アラル
キル基としてはベンジルおよびフェニチルなどが挙げら
れる。尚、有してもよい置換基としてはアルキル基、メ
トキシおよびエトキシなどのアルコキシ基、アリール
基、フツ素、塩素および臭素などのハロゲン原子および
水酸基などが挙げられる。
以下に本発明で用いられる、一般式〔I〕で示される
フルオレン化合物の代表例を以下に示す。
本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンと
本発明のフルオレン化合物の組み合せが好ましい理由は
定かではないが、おそらくイオン化ポテンシヤルの適合
または電荷発生物質であるオキシチタニウムフタロシア
ニンと電荷輸送物質であるフルオレン化合物の界面での
立体的重なりが良い等の理由で、電荷発生物質から電荷
輸送物への電荷の注入が良好に行われる為感度が良好で
残留電位も小さく繰り返し使用時の電位安定性にも優れ
ていると思われる。
本発明に用いられるオキシチタニウムフタロシアニン
の製造法の一例を以下に説明する。
まず、例えば四塩化チタンとオルトフタロジニトリル
をα−クロルナフタレン中で反応させ、ジクロルチタニ
ウムフタロシアニンを得る。これをα−クロロナフタレ
ン、トリクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチ
ルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶剤で
洗浄し、次いでメタノール、エタノール等の溶剤で洗浄
したのち、熱水により加水分解してオキシチタニウムフ
タロシアニン結晶を得る。こうして得られた結晶は種々
の多形の混合物であることが多く、この混合物を処理し
ても本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン
を得るのは通常は難しい。そこで本発明では、アシツド
ペーシテイング法により処理して非晶質のオキシチタニ
ウムフタロシアニンに一端変換しておく。
得られた非晶質オキシチタニウムフタロシアニンに室
温、加熱あるいは煮沸下で30分以上、好ましくは1時間
以上のメタノール処理を施したのち、減圧乾燥し、さら
にn−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、iso−
ブチルエーテル、sec−ブチルエーテル、n−アミルエ
ーテル、n−ブチルメチルエーテル、n−ブチルエチル
エーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル等の
エーテル系溶剤またはテルピノレン、ピネン等のモノテ
ルペン系炭化水素溶剤や流動パラフインなどの溶剤を分
散媒として用いて5時間以上、好ましくは10時間以上の
ミリング処理を行うことによって本発明の結晶系のオキ
シチタニウムフタロシアニンが得られる。
なお、ここでメタノール処理とは、例えばメタノール
中におけるオキシチタニウムフタロシアニンの懸濁撹拌
処理をいう。また、ミリング処理とは、例えばガラスピ
ーズ、スチールビーズ、アルミナボール等の分散メデイ
アとともにサンドミル、ボールミル等のミリング装置を
用いて行う処理をいう。
以下に本発明のオキシチタニウムフタロシアニン結晶
とフルオレン化合物を用いた電子写真感光体について説
明する。
まず、電子写真感光体の代表的な層構成を第10図およ
び第11図に示す。
第10図は感光層1が単一層からなり、感光層1が電荷
発生物質2と電荷輸送物質(不図示)を同時に含有して
いる。
なお、3は導電性支持体である。
第11図は感光層1が電荷発生層4と、電荷輸送層5の
積層構造をとっており、電荷発生層4が電荷発生物質2
を含有し電荷輸送層5が電荷輸送物質(不図示)を含有
している。
なお、第11図の電荷発生層4と電荷輸送層5の積層関
係は逆であっても良い。
電子写真感光体を製造する場合、導電性支持体3とし
ては導電性を有するものであれば良く、アルミニウム、
ステンレスなどの金属、あるいは導電層を設けた金属、
プラスチック、紙などがあげられ、形状としては円筒状
又はフイルム状等があげられる。
また、導電性支持体3と感光層1の間にはバリヤー機
能と接着機能を持つ下引層を設けることもできる。
下引層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ
エチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロー
ス、カゼイン、ポリアミド、ニカワ、ゼラチンなどが用
いられる。
これらは適当な溶剤に溶解して導電性支持体上に塗布
される。その膜厚は0.2〜3.0μmである。
第10図に示すような単一層からなる感光層を形成する
場合、本発明のオキシチタニウムフタロシアニン結晶の
電荷発生物質と電荷輸送物質を適当なバインダー樹脂溶
液中に混合し塗布乾燥することにより得られる。
第10図に示すような積層構造から成る感光層の電荷発
生層の形成方法としては本発明のオキシチタニウムフタ
ロシアニン電荷発生物質を適用なバインダー樹脂溶液と
ともに分散し塗布・乾燥することによって得られる。な
おこの場合、バインダー樹脂はなくとも良い。
ここで用いられるバインダー樹脂としては、例えば、
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルカルバゾ
ール樹脂、フエノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニ
ルアセテート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート
樹脂、塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体樹脂
などが主として用いられる。
電荷輸送層は主として電荷輸送材料とバインダー樹脂
とを溶剤中に溶解させた塗料を塗工乾燥して形成する。
また、バインダー樹脂としては上述したものを用いる
ことができる。
これらの感光層の塗布方法としては、デイツピング
法、スプレーコーテイング法、スピンナーコーテイング
法、ビードコーテイング法、ブレードコーテイング法、
ビームコーテイング法などを用いることができる。
感光層が単一層の場合、膜厚は5〜40μm、好ましく
は10〜30μmが適当である。
また感光層が積層構造の場合、電荷発生層の膜厚は0.
01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmの範囲であり、電
荷輸送層の膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μmの
範囲である。
更にこれらの感光層を外部の衝撃から保護するために
感光層の表面に薄い樹脂層や導電性粒子を分散した樹脂
層を保護層として設けても良い。
なお本発明のオキシチタニウムフタロシアニン結晶を
電荷発生物質として用いる場合、その目的に応じて他の
電荷発生物質と混合して用いることも可能である。
このような電子写真感光体はレーザービームプリンタ
ー、LEDプリンター、CRTプリンターなどのプリンターの
みならず、通常の電子写真複写機やその他写真応用分野
に広く適用することができる。
次に本発明のオキシチタニウムフタロシアニン結晶の
製造例を示す。
〔製造例1〕 α−クロルナフタレン100g中、o−フタロジニトリル
5.0g、四塩化チタン2.0gを200℃にて3時間加熱撹拌し
たのち、50℃まで冷却して析出した結晶を濾別、ジクロ
ロチタニウムフタロシアニンのペースとを得た。次にこ
れを100℃に加熱したN,N′−ジメチルホルムアミド100m
lで撹拌下洗浄、次いで60℃のメタノール100mlで2回洗
浄を繰り返し、濾別した。更に、この得られたペースト
を脱イオン水100ml中80℃で1時間撹拌、濾別して青色
のオキシチタニウムフタロシアニン結晶を得た。収量4.
3g。
この化合物の元素分析値は以下の通りであった。
元素分析値(C32H16N8TiO) C H N Cl 計算値(%) 66.68 2.80 19.44 0.00 実測値(%) 66.50 2.99 19.42 0.47 次にこの結晶を濃硫酸30mlに溶解させ、20℃の脱イオ
ン水300ml中に撹拌下で滴下して再析出させて濾過し十
分に水洗した後、非晶質のオキシチタニウムフタロシア
ニンを得た。このようにして得られた非晶質のオキシチ
タニウムフタロシアニン4.0gをメタノール100ml中室温
(22℃)下、8時間懸濁撹拌処理し、濾別、減圧乾燥し
て低結晶性のオキシチタニウムフタロシアニンを得た。
次に、このオキシチタニウムフタロシアニン2.0gにn−
ブチルエーテル40mlを加え、1mmφのガラスビーズと共
にミリング処理を室温(22℃)下20時間行った。
この分散液より固形分を取り出し、メタノール、次い
で水で十分に洗浄、乾燥して本発明の新規な結晶のオキ
シチタニウムフタロシアニンを得た。収量1.8g。このオ
キシチタニウムフタロシアニンのX線回折図を第1図に
示す。また、KBrペレツトを作製し、この結晶の赤外吸
収スペクトルを測定した結果を第7図に示す。また、こ
の結晶をn−ブチルエーテル中に分散した分散液で測定
したUV吸収スペクトルの結果を第8図に示す。
〔製造例2〕 製造例1と同様の方法で得られたメタノール処理した
オキシチタニウムフタロシアニン2.0gにピネン50mlを加
え、1mmφのガラスビーズと共にミリング処理を室温(2
2℃)下、20時間行った。この分散液より固形分を取り
出し、メタノール、次いで水で十分に洗浄、乾燥して本
発明の新規なオキシチタニウムフタロシアニンを得た。
収量1.8g。このオキシチタニウムフタロシアニンのX線
回折図を第2図に示す。
〔製造例3〕 製造例1と同様の方法で得られた非晶質のオキシチタ
ニウムフタロシアニン4.0gにメタノール100mlを加え、
懸濁撹拌下、30時間煮沸処理した後、濾過、減圧乾燥
し、オキシチタニウムフタロシアニン結晶を得た。収量
3.6g。次に、このオキシチタニウムフタロシアニン2.0g
にエチレングリコールn−ブチルエーテル60mlを加え、
1mmφのガラスビーズと共にミリング処理を室温(22
℃)下15時間行った。この分散液より固形分を取り出
し、メタノール、次いで水で十分に洗浄、乾燥して本発
明の新規なオキシチタニウムフタロシアニンを得た。収
量1.8g。このオキシチタニウムフタロシアニンのX線回
折図を第3図に示す。
〔比較製造例1〕 特開昭61−239248号公報(USP4,728,592)に開示され
ている製造例に従って、いわゆるα型とよばれている結
晶形のオキシチタニウムフタロシアニンを得た。
このX線回折図を第4図に示す。
〔比較製造例2〕 特開昭62−67094号公報(USP4,664,997)に開示され
ている製造例に従って、いわゆるA型とよばれている結
晶形のオキシチタニウムフタロシアニンを得た。
このX線回折図を第5図に示す。
〔比較製造例3〕 特開昭64−17066号公報に開示されている製造例に従
って、特開昭64−17066号公報と同じ結晶形を持つオキ
シチタニウムフタロシアニンを得た。
このX線回折図を第6図に示す。
なお、本発明におけるX線回折図の測定はCuKα線を
用いて次の条件により行った。
使用測定機:理学電器製X線回折装置 RAD−Aシステム X線管球:Cu 管電圧:50kV 管電流:40mA スキヤン方法:2θ/θスキヤン スキヤン速度:2deg./min. サンプリング間隔:0.020deg. スタート角度(2θ):3deg. ストツプ角度(2θ):40deg. ダイバージエンススリツト:0.5deg. スキヤツタリングスリツト:0.5deg. レシービングスリツト:0.3mm 湾曲モノクロメーター使用 以下に本発明を実施例によって説明する。なお、部は重
量部を示す。
〔実施例1〕 アルミ板上に0.8μの塩化ビニル−無水マレイン酸−
酢酸ビニル共重合体樹脂よりなる下引き層を設けた。
次に本発明製造例1で得られた結晶形のオキシチタニ
ウムフタロシアニン4部とポリビニルブチラール樹脂2
部をシクロヘキサノン90部に添加しサンドミルで20時間
分散しこれに100部のメチルエチルケトンを加え希釈
し、これを下引層上に乾燥後の膜厚が0.2μmの電荷発
生層を形成した。
次いで前記例示のフルオレン化合物(18)5gとビスフ
エノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量5
0,000)5gをクロロベンゼン35gに溶解しこれを電荷発生
層の上に乾燥後の膜厚が18μmとなるようにマイヤーバ
ーで塗布して電荷輸送層を形成し感光体No.1を作成し
た。
〔比較例1〕 比較製造例1で得られたα型のオキシチタニウムフタ
ロシアニンを用いた他は実施例1と同様にして電子写真
感光体(比較感光体No.1)を製造した。
〔比較例2〕 比較製造例2で得られたA型のオキシチタニウムフタ
ロシアニンを用いた他は実施例1と同様にして電子写真
感光体(比較感光体No.2)を製造した。
〔比較例3〕 比較製造例3で得られた特開昭64−17066号公報と同
じ結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンを用いた他
は実施例1と同様にして電子写真感光体(比較感光体N
o.3)を製造した。
これらの実施例1及び比較例1,2,3の電子写真感光体
をレーザービームプリンター(商品名:LBP−SX:キヤノ
ン製)の改造機のシリンダーに貼り付けて暗部電位が−
700(V)となるように帯電設定し、これに波長802nmの
レーザー光を照射して−700(V)の電位を−100(V)
まで下げるのに必要な光量を測定し感度とした。さらに
20μJ/cm2の光量を照射した場合の電位を残留電位Vrと
して測定した。その結果を表1に示す。
また、製造例2および製造例3で得られた結晶形のオ
キシチタニウムフタロシアニンをそれぞれ用いて実施例
1と同様にして電子写真感光体を製造し、感度測定を行
ったところ、実施例1と同様に高感度特性が得られた。
次にこれら4種類の感光体を湿度10%,気温5℃、湿
度50%,気温18℃、湿度80%,気温35℃の三環境におい
てそれぞれ暗部電位−700(V)、明部電位−100(V)
に設定した状態で連続3000枚の通紙耐久試験を行って耐
久後の暗部、明部の電位の測定及び画像の評価を行っ
た。
実施例1においてはいずれの環境でも耐久後において
は初期と同等の良好な画像が得られたが、比較例1,2,3
においてはいずれの三環境において白地部分に地カブリ
を起こしており、とくに湿度80%、気温35℃においては
著しく比較例3は特にひどかった。
また比較例1,2,3については地カブリを除くために濃
度調節レバーにより調節したところ黒地部分の濃度が不
十分となった。
なお、第9図に実施例1の電子写真感光体において分
光感度の最大値を100とした場合の分光感度の分布を示
す。
このように、本発明の電子写真感光体は770〜810nm付
近の長波長領域において安定した高感度特性を発現する
ものである。
〔実施例2〜10〕 製造例1で製造したオキシチタニウムフタロシアニン
と前記例示のフルオレン化合物数種の組み合わせ実施例
1と同様にして感光体を作成した。これらの感光体を実
施例1と同様にレーザビームプリンター(商品名:LBP−
SX:キヤノン製)の改造機のシリンダーに貼り付けて暗
部電位が−700(V)になるように帯電設定し、これに8
02nmのレーザー光を照射して−700(V)の電位を−100
(V)まで下げるのに必要な光量EΔ600を測定した。
更に20μJ/cm2の光量を照射した場合の電位を残留電位V
rとして測定した。
またこれらの感光体を暗部電位−700(V)明部電位
−200(V)になる様に設定し直した後連続3000枚の通
紙耐久を行って、初期と3000枚後の暗部電位と明部電位
の変動量ΔVD及びΔVLを測定した。これらの結果を表2
に示す。
〔比較例4〜21〕 比較製造例1〜3で製造したオキシチタニウムフタロ
シアニンと前記実施例2〜10のフルオレン化合物を組み
合せた他は実施例2〜10と同様に感光体を作成し同様に
評価した。
〔比較例22〜27〕 実施例2〜10のフルオレン化合物の代りに下記構造の
化合物H−1,H−2,H−3,H−4,H−5,H−6を電荷輸送物
質として用いた以外は実施例2〜10と全く同様にして比
較感光体を作成し同様に評価した。その結果を表4に示
す。
以上表2〜4の結果より明らかな様に本発明の感光体
は感度、残留電位及び繰り返し特性において極めて優れ
ている事がわかる。
〔実施例11〕 厚さ50μmのアルミニウムシート基体上に実施例1と
同様の下引層をバーコートにより形成し、さらにこの上
に実施例1と同様の電荷輸送層を20μm厚に形成した。
次にビスフエノールZ型ポリカーボネート5部をシク
ロヘキサノン68部に溶解し、この溶液に製造例1で得ら
れたX線回折パターンを示すオキシチタニウムフタロシ
アニン3部を混合し、サンドミルにて1時間分散を行っ
た後、ビスフエノールZ型ポリカーボネート5部と実施
例1で使用した電荷輸送材料10部を溶解し、さらにテト
ラヒドロフラン40部、ジクロルメタン40部を加えて希釈
して分散塗料を得た。この塗料をスプレー塗布法にて電
荷輸送層上に塗布して乾燥して6μm厚の電荷発生層を
形成し、電子写真感光体を製造した。
〔比較例28〕 電荷発生材料として比較製造例1で得られたα型オキ
シチタニウムフタロシアニンを用いた他は実施例11と同
様にして電子写真感光体を製造した。
〔比較例29〕 電荷発生材料として比較製造例2で得られたA型オキ
シチタニウムフタロシアニンを用いた他は実施例11と同
様にして電子写真感光体を製造した。
〔比較例30〕 電荷発生材料として比較製造例3で得られた特開昭64
−17066号公報と同じ結晶形のオキシチタニウムフタロ
シアニンを用いた他は実施例11と同様にして電子写真感
光体を製造した。
こうして得られた実施例11及び比較例28,29,30の電子
写真感光体を静電試験装置(EPA−8100:川口電機製)を
用いて評価した。
評価は初めに正のコロナ帯電により表面電位が700
(V)となるように設定し、次にモノクロメーターによ
り分離した802nmの単色光により露光して表面電位が200
(V)まで下がるときの光量を測定し感度とした。この
結果を表5に示す。
〔実施例12〕 アルミ基盤上に、N−メトキシメチル化6ナイロン樹
脂(重量平均分子量45,000)5gとアルコール可溶液共重
合ナイロン樹脂(重量平均分子量50,000)10gをメタノ
ール95gに溶解した液をマイヤーバーで塗布し乾燥後の
膜厚が1μmの下引き層を設けた。
次に製造例1で得られたX線回折パターンを示すオキ
シチタニウムフタロシアニン10g、ポリビニルブチラー
ル樹脂(ブチラール化率65%、重量平均分子量45,000)
6gとシクロヘキサン200gをボールミル分散機で24時間分
散を行った。この分散液を先に製造した下引き層の上に
ブレードコーテイング法により塗布し、乾燥後の膜厚が
0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、前記フルオレン化合物No.29を10gとビスフエノ
ールZ型ポリカーボネート樹脂(重量平均分子量45,00
0)10gをモノクロルベンゼン70gに溶解し、先に形成し
た電荷発生層の上にブレードコーテイング法により塗布
し乾燥後の膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして作成した感光体に−5KVのコロナ放電
を行った。このときの表面電位(初期電位V0)を測定し
た。更にこの感光体を1秒間暗所で処置した後の表面電
位を測定した。感度は暗減衰した後の電位V1を1/6に減
衰するのに必要な露光量(E1/6:μJ/cm2)を測定する
ことによって評価した。この際、光源としてインジウム
/ガリウム/アルミニウム/リンの四元系半導体レーザ
ー(出力:5mW;発振波長680nm)を用いた。これらの結果
は以下のとおりであった。
V0:−690(V) V1:−685(V) E1/6:0.41(μJ/cm2) 次に同上の半導体レーザーを備えた反転現像方式の電
子写真方式プリンターであるレーザービームプリンター
(キヤノン製LBP−SX)に上記感光体を取り付けて、実
際の画像形成テストを行った。条件は以下の通りであ
る。一次耐電後の表面電位:−700V、像露光後の表面電
位:−150V(露光量2.0μJ/cm2)転写電位+700V、現像
極性;負極性、プロセススピード;50mm/sec、現像条件
(現像バイアス);−450V、像露光後スキヤン方式;イ
メージスキヤン、一次帯電前露光;501ux・secの赤色全
面露光、画像形成はレーザービームを文字信号及び画像
信号に従ってラインスキヤンして行ったが、文字、画像
ともに良好なプリントが得られた。
更に連続5,000枚の画出しを行ったところ初期から5,0
00枚まで安定したプリントが得られた。
〔発明の効果〕
本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンと
フルオレン化合物を組み合せることにより(1)レーザ
ーダイオードの発振波長のような長波長域で高感度を有
し、(2)電子写真プロセスにおいて安定した画像特性
を示し、(3)電位安定性にすぐれた電子写真感光体を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、及び第3図は製造例で得られた本発明
の結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンのX線回折
図、 第4図、第5図及び第6図は比較製造例で得られたオキ
シチタニウムフタロシアニンのX線回折図、 第7図は本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシア
ニンの赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)、 第8図は本発明の結晶形のオキシチタニウムフタロシア
ニンのUV吸収スペクトル図、 第9図は実施例1の電子写真感光体の分光感度を表わし
た図、 第10図および第11図は電子写真感光体の層構成の模式的
断面図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に感光層を有する電子写真
    感光体において、該感光層がCuKαのX線回折における
    ブラツグ角2θ±0.2°が9.0°、14.2°、23.9°および
    27.1°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウム
    フタロシアニン、および下記一般式〔I〕 (式中、R1およびR2は、水素原子、置換基を有してもよ
    いアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基また
    は置換基を有してもよいアリール基を示し、R3、R4、R5
    およびR6は置換基を有してもよいアリール基を示す。) で示されるフルオレン化合物を含有することを特徴とす
    る電子写真感光体。
  2. 【請求項2】前記一般式〔I〕におけるR1およびR2が置
    換基を有してもよいアルキル基であり、R3、R4、R5およ
    びR6が置換基を有してもよいフエニル基である特許請求
    の範囲第(1)項記載の電子写真感光体。
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