JPH0635215A - フタロシアニンを含有する電子写真記録材料 - Google Patents

フタロシアニンを含有する電子写真記録材料

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JPH0635215A
JPH0635215A JP5157838A JP15783893A JPH0635215A JP H0635215 A JPH0635215 A JP H0635215A JP 5157838 A JP5157838 A JP 5157838A JP 15783893 A JP15783893 A JP 15783893A JP H0635215 A JPH0635215 A JP H0635215A
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JP
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layer
pigment
metal
recording material
free phthalocyanine
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JP5157838A
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David Terrell
デヴィッド・テレル
Meutter Stefaan De
ステファーン・ド・ムテル
Bernd Kaletta
ベルン・カレッタ
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Agfa Gevaert NV
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 550〜830nmの波長で改良された光感
度を有し、電荷発生層と隣接関係にある電荷輸送層及び
導電性支持体を含む電子写真記録材料にある。 【構成】 電子写真記録材料は、光導電性結晶質置換金
属不含フタロシアニン化合物及び/又は非置換金属不含
フタロシアニンと前記置換金属不含フタロシアニン化合
物の混合結晶を含有する感光性層及び導電性支持体を含
む、そして前記置換金属不含フタロシアニン化合物は明
細書に定義した一般式(I)によって表わされ、ハロゲ
ン、ニトロ又はシアノ置換基を含有し、前記置換金属不
含フタロシアニン化合物及び非置換金属不含フタロシア
ニンと前記置換金属不含フタロシアニン化合物の混合結
晶の重量での大部分がX−形態型で存在する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は電子写真に使用するのに好適な感
光性記録材料に関する。
【0002】電子写真においては、トナーと称される微
粒子化着色材料で現像できる潜在静電荷像を形成するた
め、光導電性材料が使用される。
【0003】次に現像された像は、光導電性記録材料、
例えば光導電性酸化亜鉛−結合剤層に永久的に定着でき
る、或いは光導電体層例えばセレン又はセレン合金層か
ら受容体材料例えば紙上に転写され、その上に定着でき
る。受容体材料へのトナー転写を用いる電子写真複写及
び印刷法においては、光導電性記録材料は再使用可能で
ある。迅速多数印刷又は複写を可能にするため、光導電
体層は、露光した時その電荷を急速に失い、そして又次
の像形成のため充分に高い静電荷を再び受容するため、
露光後その絶縁状態を急速に回復する光導電体層を使用
しなければならない。続いての帯電/像形成工程の前
に、材料がその相対的絶縁状態に完全に戻ることの不良
は「疲労」として当業者に普通に知られている。
【0004】疲労現象は産業上有用な光導電性材料の選
択に当っての指針として使用されている、何故なら光導
電性層の疲労は達成できる複写速度を制限するからであ
る。
【0005】電子写真複写のための特定の光導電性材料
の適合性を決定する更に別の重大な性質は、その光感度
である、これは原画から反射されるかなり低い強度の光
で操作する複写装置に使用するため充分に高くなければ
ならない。産業上の有用性は、又光導電性層が、光源例
えばレーザー又はランプのスペクトル強度分布にマッチ
するスペクトル感度を有することも要求している。これ
は、白色光源の場合に、バランス状態で全ての色を再現
させることを可能にする。
【0006】既知の光導電性記録材料は、導電性基体上
に被覆された一つ以上の「活性」層を有する異なる配置
にあり、場合によっては最外保護層を含む。活性層によ
り、静電荷像の形成における役割を果す層を意味する。
かかる層は電荷キャリヤー発生、電荷キャリヤー輸送又
はこの両方に責任を果す層であることができる。かかる
層は均質構造又は不均質構造を有することができる。
【0007】均質構造を有する前記光導電性記録材料に
おける活性層の例には、真空蒸着光導電性セレン、ドー
プしたケイ素、セレン合金及び均質光導電性重合体被
覆、例えば電子(負電荷キャリヤー)輸送化合物又は正
孔(正電荷キャリヤー)輸送化合物例えば溶解された染
料で増感された特定のヒドラジン、アミン及び複素芳香
族化合物で分子的にドープされた重合体結合剤及びポリ
(ビニルカルバゾール)結合剤から作られた層がある、
かくすると前記層中に電荷キャリヤー発生及び電荷キャ
リヤー輸送の両方が生起する。
【0008】不均質構造を有する前記光導電性記録材料
中の活性層の例には、所望によって分子的に分散した電
荷輸送化合物の存在下に、重合体結合剤又は重合体結合
剤混合物中に分散した1種以上の感光性有機もしくは無
機電荷発生顔料粒子の層がある、かくすると記録層は電
荷キャリヤー発生特性のみを示すことができ、或いは電
荷キャリヤー発生及び電荷輸送特性の両方を示すことが
できる。
【0009】特に低疲労を有する光導電性記録材料を提
供できる例によれば、電荷発生層及び電荷輸送層は隣接
関係で組合せられる。隣接電荷発生層中で発生した電荷
の電荷輸送のためにのみ作用する層には、例えばプラズ
マ蒸着無機層、光導電性重合体層、例えばポリ(N−ビ
ニルカルバゾール)を基材とした重合体層、又は重合体
結合剤又は結合剤混合物中に分子的に分布した低分子量
有機化合物から作られた層がある。
【0010】入射光に対する高光感度を有する光導電性
二層系を形成するため、効率的な電荷輸送物質と一緒に
作動する効率的な電荷発生層が要求される。
【0011】好ましい重合体正孔電荷キャリヤー輸送物
質の例には、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、N−ビ
ニルカルバゾール共重合体、ポリビニルアントラセン及
び二つ以上の1,2−ジヒドロキノリン分子とアルデヒ
ドの縮合生成物があり、例えばUS−P5043238
に記載されている。
【0012】陽電荷輸送のための好ましい非重合体材料
には下記のものがある:
【0013】(a) ヒドラゾン、例えばUS−P415
0987に記載されている如きp−ジエチルアミノベン
ズアルデヒドジフエニルヒドラゾン;及びUS−P44
23129、US−P4278747、US−P436
5014、EP448843A及びEP452569A
に記載されている他のヒドラゾン、例えば下記構造式を
有する Takasago から入手できるT191;
【0014】
【化2】
【0015】(b) 芳香族アミン、例えばUS−P42
65990に記載されている如きN,N′−ジフエニル
−N,N−ビス−m−トリルベンチジン、下記式を有す
るUS−P3180730に記載された如きトリス(p
−トリル)アミン;
【0016】
【化3】
【0017】US−P4923774に記載された如き
1,3,5−トリス(アミノフエニル)ベンゼン、EP
534514Aに記載された如き3,5−ジアリールア
ニリン誘導体、及びEP534005Aに記載された如
きトリフエニルオキサゾール誘導体;
【0018】(c) 複素芳香族化合物、例えばUS−P
3912509に記載された如きN−(p−アミノフエ
ニル)カルバゾール、及びUS−P3832171、U
S−P3830647、US−P4943502、US
−P5043238、EP452569A及びEP46
2327Aに記載された如きジハイドロキノリン、例え
ば下記のもの;
【0019】
【化4】
【0020】(d) 例えばUS−P4265990に記
載された如きトリフエニルメタン誘導体;
【0021】(e) 例えばUS−P3837851に記
載された如きピラゾリン誘導体;
【0022】(f) 特開昭(JL−OP)48−198
043に記載された如きスチルベン誘導体。
【0023】陰電荷輸送のため好ましい重合体材料には
下記のものがある:
【0024】(a) 9−ジシアノメチレン−2,4,7
−トリニトロ−フルオレノン(DTF)の如き芳香族ケ
トンとジシアノメチレン及びシアルコキシカルボニルメ
チレン縮合物、下記式を有するEP537808Aに記
載された如き1−ジシアノメチレン−インダン−1−オ
【0025】
【化5】
【0026】式中R1 ,R2 ,X,Y及びnは前記EP
出願に記載されたのと同意義を有する。
【0027】下記式を有する化合物
【0028】
【化6】
【0029】式中Aはアルキレン基、置換アルキレン
基、アリーレン基及び置換アリーレン基からなる群から
選択したスペーサー結合であり、Sは硫黄であり、Bは
アルキル基、置換アルキル基、アリール基及び置換アリ
ール基からなる群から選択した1員であり、下記の如き
US−P4546059に記載されたものがある、
【0030】
【化7】
【0031】又US−P4514481及びUS−P4
968813に記載された如き4−ジシアノメチレン−
1,1−ジオキソ−チオピラン−4−オン誘導体例えば
下記のものがある;
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】(b) EP534004Aに記載された如
きマロノニトリルダイマーの誘導体;
【0035】(c) 2,4,7−トリニトロフルオレノ
ン及び2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンの如
きニトロ化フルオレノン;
【0036】(d) US−P4562132に記載され
た如きジシアノフルオレノンカルボキシレート誘導体;
【0037】(e) 1,1,2−トリシアノエチレン誘
導体。
【0038】有用な電荷キャリヤー発生顔料(CGM)
は下記の群の一つに属する:
【0039】(a) ペリルイミド、例えばDBP223
7539に記載されたC.I.71130(C.I.は
カラーインデックスである);
【0040】(b) 多核キノン、例えばDBP2237
678に記載されたC.I.59300の如きアンタン
トロン;
【0041】(c) キナクリドン、例えばDBP223
7679に記載されたC.I.46500;
【0042】(d) ペリノンを含むナフタレン−1,
4,5,8−テトラカルボン酸誘導顔料、例えばDBP
2239923に記載されたC.I.71105、オレ
ンジGR;
【0043】(e) テトラベンゾポルフイリン及びテト
ラナフタロポルフイリン、例えばUS−P335798
9に記載されているX−結晶形でのH2 −フタロシアニ
ン(X−H2 Pc)、金属フタロシアニン例えばDBP
2239924に記載されたCuPc C.I.741
60、及びEP428214Aに記載されたテトラベン
ゾポルフイリン;及び公開されたEP−A243205
に記載された中心金属ケイ素に結合したシロキシ基を有
するナフタロシアニン;
【0044】(f) インジゴ及びチオインジゴ染料、例
えばDBP2237680に記載されたC.I.733
12、ピグメントレッド88;
【0045】(g) 例えばドイツ公告特許(DAS)2
355075に記載された如きベンゾチオキサンテン誘
導体;
【0046】(h) 例えばDAS2314051に記載
された如きo−ジアミンとの縮合生成物を含むペリレン
−3,4,9,10−テトラカルボン酸誘導顔料;
【0047】(i) ビスアゾ、トリスアゾ及びテトラキ
スアゾ顔料を含むポリアゾ顔料、例えばDAS2635
887に記載されたC.I.21180、クロルジアン
ブルー例えばUS−P4990421に記載された如き
トリスアゾ顔料、及びドイツ公開特許(DOS)291
9791、DOS3026653及びDOS30321
17に記載されたビスアゾ顔料;
【0048】(j) 例えばDAS2401220に記載
された如きスクアリリウム染料;
【0049】(k) ポリメチン染料;
【0050】(l) 下記一般式によるGB−P1416
602に記載された如きキナゾリン基を含有する染料;
【0051】
【化10】
【0052】式中R及びR1 は同じか又は異なり、水
素、C1 〜C4 アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、
ニトロ基、又はヒドロキシル基又は一緒になって縮合芳
香族環系を表わす;
【0053】(m) トリアリールメタン染料;
【0054】(n) 1,5−ジアミノ−アンスラキノン
基を含む染料;
【0055】(o) 無機光導電性顔料、例えばSe,S
e合金,As2 Se3 ,TiO2 ,ZnO,CdS等。
【0056】電荷発生材料(CGM)についての殆ど特
許文献は、陽電荷輸送電荷輸送層(p−CTL)を使用
するためのCGMにある。しかしながら、例えば未公開
EP出願91202469.2に記載されている如く、
CTL結合剤及び流延溶媒の両方に充分な可溶性を有す
る効率的な電子輸送化合物の最近の開発が、効率的な陰
電荷輸送電荷輸送層(n−CTL)を作ることを可能に
した。
【0057】これらは、これらのn−CTL中に陰電荷
(電子)を注入できる効率的なCGMを必要としてい
る。テトラベンゾポルフイリンCGMは、n−CTL及
びp−CTLにそれぞれ陰電荷又は陽電荷を注入できる
ことが知られている。しかしながらテトラベンゾポルフ
イリン顔料を用いる大きな問題は、それらの製造中に混
入される不純物にある。これらは、EP428214A
に記載された金属不含トリアザテトラベンゾポルフイリ
ン顔料の場合における如く、比較的非効率に生ずる閉環
に原因する閉環法の副生成物にあるか、又はβ−型顔料
をα−型顔料に変換する間に酸ペースト化によって導入
される分解生成物にある。一度存在すると、これらの不
純物は除去が困難であるか又は不可能である。これらの
不純物の存在は、CGMを導入した二重層受光素子の暗
電導を増大し、或は場合にはそれらの帯電性に悪い影響
を与える。
【0058】US−P31816118に、結合剤材料
中に分散したフタロシアニン顔料及び前記フタロシアニ
ン顔料のためのスペクトル増感剤を含む電子写真材料が
記載されており、前記フタロシアニン粒子は前記結合剤
中に、約50重量%までの量で存在し、前記結合剤は約
1010 Ohm /cmより大なる固有抵抗を有する。そして
第二クレームで前記フタロシアニンを、“β−型フタロ
シアニン及びX−型フタロシアニン及びそれらの混合物
からなる群”に限定している。前記US特許明細書によ
れば、これらのフタロシアニン顔料は置換されているこ
とができ、又は置換されないでいることもできる。前記
US−Pにおいて、α,β,γ及びX−型フタロシアニ
ンのX−線回折スペクトル[ブラツグ角(2θ)対強
度]が与えられている。X−型に対するスペクトルは、
約17.3及び22.3のブラツグ角で極大を有し、こ
れはα,β及びγスペクトルには存在しない、非置換X
−型金属不含フタロシアニンの製造も、前記US−P3
816118に与えられている。形態的にX−型でのフ
タロシアニン顔料は、α又はβ−型と比較して拡がった
スペクトル感度範囲を有し(図1参照)、改良された光
感度を与える、図1におけるX−型金属含有フタロシア
ニン(大日本インキ化学社から入手したFASTOGE
N BLUE 8120B)を用いた光導電体のスペク
トル感度特性を参照。
【0059】US−P4443528には、フタロシア
ニン及びフタロシアニン分子がニトロ基及びシアノ基が
選択した少なくとも1員で置換されたベンゼン核を有す
るフタロシアニン誘導体を含む光導電性記録材料が記載
されている。そして第二クレームにおいて、前記フタロ
シアニンはα及びβ−型からなる群から選択した結晶形
を有するとしている、前記US−Pの実施例において、
下記のフタロシアニン誘導体を挙げている:テトラニト
ロ銅フタロシアニン、モノニトロ銅フタロシアニン、ジ
ニトロ銅フタロシアニン、トリニトロ銅フタロシアニ
ン、テトラシアノ銅フタロシアニン、及びテトラシアノ
銅フタロシアニン。そして出発成分が4−ニトロフタル
イミドである実施例10の化合物を除いて、全てがフタ
ロシアニン置換基の位置を特記していない。
【0060】本発明の目的は、高い電荷発生効率を有す
る光導電性置換金属不含フタロシアニン化合物及び/又
は非置換金属不含フタロシアニン化合物と前記置換金属
不含フタロシアニン化合物の混合結晶を含有するか感光
性層及び導電性支持体を含む電子写真記録材料を提供す
ることにある。
【0061】本発明の別の目的は、反復使用において良
好なサイクル挙動と組合された、高正孔発生容量、即ち
高p−型電荷発生容量及び/又は高電子発生容量、即ち
高n−型電荷発生容量を有する光導電性置換金属不含フ
タロシアニン化合物及び/又は非置換金属不含フタロシ
アニン化合物と前記置換金属不含フタロシアニン化合物
の混合結晶を含有する電荷発生層と隣接関係にある電荷
輸送層及び導電性支持体を含む電子写真記録材料を提供
することにある。
【0062】本発明の更に別の目的は、550〜830
nmの波長範囲で改良された光感度を有する感光性層及
び導電性支持体を含む電子写真記録材料を提供すること
にある。
【0063】本発明の更に別の目的は、550〜830
nmの波長範囲で改良された光感度を有する電荷発生層
及び導電性支持体を含む電子写真記録材料を提供するこ
とにある。
【0064】本発明の別の目的及び利点は以下の説明及
び実施例から明らかになるであろう。
【0065】本発明によれば、光導電性顔料として、光
導電性結晶質置換金属不含フタロシアニン化合物及び/
又は非置換金属不含フタロシアニンと前記置換金属不含
フタロシアニン化合物の混合結晶顔料を含有し、露光に
よる電荷発生容量を有する感光性記録層及び導電性支持
体を含む電子写真記録材料を提供し、前記置換金属不含
フタロシアニン化合物が下記一般式(I) で表わされる:
【0066】
【化11】
【0067】式中Rはハロゲン例えば塩素及び臭素、ニ
トロ基及びシアノ基からなる群から選択した置換基であ
り、前記置換基はフタロシアニン構造中の6員環の少な
くとも一つ上でオルソ位における置換基であり、各置換
6員環はモノ置換のみである、そして可能なオルソ位は
*印でマークしてある、xは1,2,3又は4である。
【0068】そして前記置換金属不含フタロシアニン化
合物及び非置換金属不含フタロシアニンと前記置換金属
不含フタロシアニン化合物混合結晶の重量での主部分が
X−型で存在する。
【0069】図1はX−金属不含フタロシアニン(大日
本インキ化学社から入手したFASTOGEN BLU
E 8120B)を含有する光導電性記録材料のスペク
トル感度特性を示し、図1において、相対感度(RS)
を、モノクロメーターからの入射光のnmでの波長
(λ)に対してプロットした。RSは、最高感度が観察
された波長で要求される値に対するその初期の値の半分
に帯電レベルが低下するのに要するmJ/m2 で示した
入射露光としてここに定義される。
【0070】図2は、非置換金属不含フタロシアニン
(H2 Pc)に対する結晶又は混合結晶中の金属不含1
−シアノフタロシアニン(Cpd1)のモル百分率(モ
ル%)に基づいた、24時間還流α−メチルナフタレン
で微粒子化α−金属不含フタロシアニン顔料を処理する
ことにより作った、そして吸収及びX−線回折スペクト
ルにより同定したときの顔料変性(α,X,β又はその
混合物)の依存性を示す。垂直線は顔料の特定変性が混
合変性になる大体のモル百分率及びその逆を表わす。
【0071】図3は、非置換金属不含フタロシアニン
(H2 Pc)に対する結晶又は混合結晶中の金属不含1
−クロロフタロシアニン(Cpd2)のモル%に基づい
た、24時間還流α−メチルナフタレンで微粒子化α−
金属不含フタロシアニン顔料を処理して作り、吸収及び
X−線回折スペクトルで同定したときの顔料変性(α,
X,β又はそれらの混合物)の依存性を示す。
【0072】図4は、非置換金属不含フタロシアニン
(H2 Pc)に対する結晶又は混合結晶中の金属不含1
−ブロモフタロシアニン(Cpd3)のモル%に基づい
た、24時間還流α−メチルナフタレンで微粒子化α−
金属不含フタロシアニン顔料を処理して作り、吸収及び
X−線回折スペクトルにより同定したときの顔料変性
(α,X,β又はそれらの混合物)の依存性を示す。
【0073】図5〜図8は、ボールミル中で40時間混
合して作ったメチレンクロライド中の電荷発生顔料対ポ
リカーボネート樹脂結合剤MAKROLON CD 2
000(商標)の1:1重量比を有する分散液から流延
した電荷発生層に対する波長(λ)に基づく吸光度
(A)の依存性としての吸収スペクトルを示す。
【0074】図5及び図6は特に、16時間250℃で
加熱する前(図5)及び加熱後(図6)のH2 Pc対金
属不含1−シアノフタロシアニンの1.75:1モル比
を含むX−型混合結晶顔料の吸収ペクトルを示す。
【0075】図7及び図8は特に、16時間250℃で
加熱する前(図7)及び加熱後(図8)のX−金属不含
フタロシアニン(大日本インキ化学社から入手したFA
STOGEN BLUE 8120B)の吸収スペクト
ルを示す。
【0076】図9及び図10は、16時間250℃で加
熱する前(図9)及び加熱後(図10)のH2 Pc対金
属不含1−シアノフタロシアニンの1.75:1モル比
を含むX−型混合結晶顔料に対する強度(I)対ブラツ
グ角(2θ)としてのX−線回折スペクトルを示す。
【0077】図11及び図12は、16時間250℃で
加熱する前(図11)及び加熱後(図12)のX−金属
不含フタロシアニン(大日本インキ化学社より入手した
FASTOGEN BLUE 8120B)に対する強
度(I)対ブラツグ角(2θ)としてのX−線回折スペ
クトルを示す。
【0078】図13は、本発明により使用した金属不含
フタロシアニン対金属不含1−シアノフタロシアニンの
1:1モル比を含むX−型混合結晶顔料を含有する光導
電体のスペクトル感度特性を示す、この場合相対感度
(RS)をモノクロメーターからの入射光のnmでの波
長(λ)に対してプロットしてある。
【0079】電荷発生効率は、一般式(I) のフタロシア
ニン構造で、混合結晶中の非置換金属不含フタロシアニ
ン(H2 Pc)対一般式(I) フタロシアニンのモル比、
及び(混合)結晶変態で変化することが見出された。
【0080】前記一般式(I) によるオルソ置換フタロシ
アニン顔料、及び非置換金属不含フタロシアニンと前記
オルソ置換金属不含フタロシアニンの混合結晶顔料は、
0.1〜4.0の範囲での統計的置換度でR置換基を混
合結晶中に導入するのに充分なモル比で、製造中に存在
させる非置換オルソフタロジニトリルを所望によって用
い、3位でのR置換オルソフタロジニトリルのフタロシ
アニン環形成付加反応によって製造される。前記付加反
応は、好適な有機溶媒中で80〜300℃の温度で、塩
基の存在下に進行する、この場合前記一般式(I) による
オルソ置換フタロシアニンのα−変性及び非置換金属不
含フタロシアニンと前記オルソ置換金属不含フタロシア
ニンの混合結晶顔料が形成される。
【0081】RがCNである3位でのR置換オルソフタ
ロジニトリルは Chemical Abstracts 参照No.
(CA−RN)38700−18−4に記載されてお
り、RがClであるものはCA−RN76241−79
−7に、RがBrであるものはCA−RN76241−
80−0に、RがIであるものはCA−RN76241
−81−1、RがFであるものはCA−RN65610
−13−1に、そしてRがNO2 であるものはCA−R
N51762−67−5に記載されている。
【0082】同じR置換オルソフタロジニトリル又は異
なるR置換オルソフタロジニトリルの混合物の製造は、
ニューヨークの Academic Press Inc. 1952年発
行、K. Venkataraman 著、The Chemistry of Synthe
tic Dyes の1118〜1142頁に、又はニューヨ
ークの Reinhold Publishing Corp. 1955年発
行、 N. M. Bigelow 及び M. A. Perkins 著、The C
hemistry of Synthetic Dyes and Pigments の5
77〜606頁及びそれらの中で引用された文献に記載
された方法で同様に行うことができる。
【0083】非置換金属不含フタロシアニンと前記置換
金属不含フタロシアニンの混合結晶顔料は、例えば K.
Venkataraman 編(1971年)、The Synthesis of
Synthetic Dyes 、V巻、241〜282頁に G. B
ooth によって記載されている如く、特定の塩基又は水
素の存在下に、非置換フタロシアニンプリカーサーと選
択した置換金属不含フタロシアニンプリカーサー(例え
ばオルソ置換フタロシアニン顔料に対して3:1のモル
比で又は混合結晶顔料に対しては高モル比で)との反応
により直接的に、又は非置換フタロシアニンプリカーサ
ーを適切に置換されたフタロシアニンプリカーサーと反
応させ、NH基が置換されているか又は水素、アルカリ
もしくはアルカリ土類金属で容易に置換しうる部分で部
分的に置換されているフタロシアニンにし、次いでNH
基置換フタロシアニンを水又は酸で処理して金属不含フ
タロシアニンに変換することにより間接的に製造できる
(これも G. Booth の論文に記載されている)。
【0084】一般式(I) によるオルソ置換フタロシアニ
ン顔料および非置換金属不含フタロシアニンと前記オル
ソ置換金属不含フタロシアニンの混合結晶顔料の直接合
成は、それらの熱的に安定な形態で顔料を生成する、そ
の形態は組成で変化する。前記顔料の間接合成は通常α
−形態を有する微粒子化顔料を生成する。
【0085】フタロシアニンのα−変態は、100〜1
30℃の温度範囲で不活性(化学的に反応しない)有機
溶媒中で調質( tempering )することによりX−変態に
少なくとも部分的に変えることができる。例えば微粒子
化α−フタロシアニン顔料の還流α−メチルナフタレン
での処理は、それらを更に熱的に安定な形態に変える。
α,β又はX−形態又はそれらの混合物は光吸収及びX
−線回折スペクトルで同定される(US−P33579
89参照)、そして図2〜図4に示す如く、非置換金属
不含フタロシアニン対モノ置換金属不含フタロシアニン
のモル比及びモノ置換金属不含フタロシアニン中のオル
ソ置換基によって決る。
【0086】X−線回折及び吸収スペクトルで特性が表
わされるように、本発明による一般式(I) によるオルソ
置換フタロシアニン顔料及び金属不含フタロシアニンと
前記オルソ置換金属不含フタロシアニンの混合結晶顔料
の異なる結晶変性は又特別の粉砕条件、特別の温度での
特別の溶媒との接触、酸ペースト化等によって生ぜしめ
うる。
【0087】本発明による一般式(I) によるオルソ置換
フタロシアニン顔料及び金属フタロシアニンと前記オル
ソ置換金属不含フタロシアニンの混合結晶顔料とは反対
に、メタ置換金属不含フタロシアニン顔料及び金属フタ
ロシアニン顔料とメタ置換金属不含フタロシアニンの混
合結晶顔料は、直接合成により又は間接合成によって作
った微粒子化α−顔料のα−メチルナフタレン調質によ
りα及びβ−形態のみを生ずるにすぎない。
【0088】α及びβ−形態金属不含フタロシアニン顔
料は、すぐれた電気−光学特性を有せず、又X−形態置
換もしくは非置換金属不含フタロシアニン顔料の近赤外
スペクトルへの広いスペクトル感度も有しない。非置換
金属不含フタロシアニン顔料の前記性質は、例えば W.
F. Berg 及び K. Kauffe 編(1972年)、Curren
t Problems in Electrophotogray の287〜300
頁に J. W. Weigl 等により発表されており、又 Jour
nal of Physical Chemistry、72巻(1968
年)、3230〜3235頁に J. H. Sharp 及び M.
Lardon によって発表されている。
【0089】混合X−形態金属不含フタロシアニン顔料
は、多くの重要な点でオルソ置換金属不含フタロシアニ
ンのないX−形態金属不含フタロシアニン顔料よりすぐ
れている:
【0090】(i) それらは、β−型金属不含フタロシ
アニンをα−型金属不含フタロシアニンに変えるため酸
ペースト化によることなく作ることができ、US−P3
594163に記載している如くα−顔料をX−顔料に
変えるため長時間粉砕することなく作ることができ、こ
れによって不純物の混入を避けることができる(前述し
た方法により作った一般式I でないフタロシアニン含有
金属不含フタロシアニン顔料は、β−形態で生成され、
後記比較例3及び8に示す如く非常に悪い電気−光学特
性を示す);
【0091】(ii) それらは熱安定性である[非一般式
I のフタロシアニン含有X−顔料は16時間250℃で
加熱したときβ−形態に戻り、一方一般式I のフタロシ
アニン含有X−顔料はこれらの条件下で形態に変化を受
けない(図5〜図12参照)]、そしてオルソ置換金属
不含フタロシアニンのないX−顔料のエネルギー的粉砕
中に経験するX−→β−顔料変換を受け易くない;
【0092】(iii) それらは有機溶媒中でのすぐれた分
散特性を示す;
【0093】(iv) それらは有機光導電体においてすぐ
れた電気−光学特性を示す。
【0094】本発明によるそして還流α−メチルナフタ
レンでの微粒子化α−顔料の処理によって作った顔料の
熱安定性は、16時間250℃で加熱して非置換X−金
属不含フタロシアニン(大日本インキ化学社から入手し
たFASTOGEN BLUE 8120B)のそれに
匹敵する。
【0095】図5,図6,図9及び図10は、後述する
如く、金属不含1−シアノフタロシアニン(Cpd1)
に対する非置換金属不含フタロシアニンの1.75:1
のモル比を有するX−形態混合結晶顔料の16時間、2
50℃で加熱する前(図5及び図9)及び加熱後(図6
及び図10)の顔料に対するそれぞれの吸収スペクトル
及びX−線回折図を示す。図7,図8,図11及び図1
2は、同じ熱処理前(図7及び図11)及び処理後(図
8及び図12)のX−型非置換金属不含フタロシアニン
に対する対応するスペクトルを示す。本発明により使用
する混合結晶顔料は、非変化吸収及びX−線回折スペク
トルによって見られる如くそのX−形態を保持してい
た、一方非置換X−金属不含フタロシアニンは、X−形
態の特性極大615及び775nmの代りに655及び
730nmでβ−形態の二つの新しい極大特性で吸収ス
ペクトル中に実質的な変化を示し、そしてX−型からβ
−型への形態変化を示すX−線回折スペクトルにおける
変化も示している。吸収スペクトルにおけるこれらの変
化は電気−光学特性における劣化を伴い、これはそれぞ
れ比較例7及び5及び実施例14及び8の光導電性記録
材料の電気−光学特性を比較することによって示される
如く、X−形態混合結晶顔料の場合には観察されない。
【0096】本発明は、一般式(I) による結晶質オルソ
置換フタロシアニン顔料及び非置換金属不含フタロシア
ニンと前記モノ置換金属不含フタロシアニンの混合結晶
顔料の電子写真記録材料における用途に関する。
【0097】混合結晶顔料の定義を明らかにし、これら
の顔料を、同じ全体的な組成及び形態を有する顔料の物
理的混合物とを区別するため(前記物理的混合物の各成
分顔料は、混合結晶顔料を作る化合物の一つの組成を有
し、混合結晶顔料と同じ形態を有する)、本発明者等
は、下記各組成を有する電荷発生顔料の外は、何れの点
においても同じである三つの光導電性記録材料を作っ
た:
【0098】(i) 100%非置換X−金属不含フタロ
シアニン系の大日本インキ化学社のFASTOGEN
BLUE 8120B;
【0099】(ii) 50%のFASTOGEN BLU
E 8120Bと50%のX−金属不含1−シアノフタ
ロシアニン;
【0100】(iii) 非置換金属不含フタロシアニンと金
属不含1−シアノフタロシアニンの1:1モル混合物を
含むX−形態での100%混合結晶。
【0101】これらは、それぞれ比較例4,6及び実施
例3の光導電性記録材料である。表3に集めた電気−光
学結果は、電荷発生顔料としてH2 Pc対Cpd1のモ
ル比1:1を有するX−混合結晶顔料を有する有機光導
電体が、下記の点で、FASTOGEN BLUE 8
120B(商標)対X−金属不含1−シアノフタロシア
ニンの重量比1:1を有する有機光導電体の電気−光学
特性よりもすぐれた電気−光学特性を示すことを示して
いる。
【0102】非常に大なる帯電可能性、大なる光感度、
最初の30秒での非常に低い暗放電。
【0103】主として又は完全にX−型での前記フタロ
シアニンを含有する多層又は単一層光受容体材料は、5
50〜830nmの波長範囲で高い光感度を示す。
【0104】本発明により使用するのに好ましい電荷発
生材料は、RがCN又はClであり、最も好ましくはR
がCNである前記一般式(I) に相当するオルソ置換金属
不含フタロシアニン化合物である。
【0105】本発明による好ましい光導電性記録材料に
おいては、0.14〜3.3のモル比範囲で、金属不含
フタロシアニンと前記一般式(I) によるオルソ置換金属
不含フタロシアニン化合物を含むX−形態混合結晶を使
用する。
【0106】本発明により使用するのに好適な一般式
(I) を有するフタロシアニンの特別の例を下表1に示
す。
【0107】
【表1】
【表2】
【0108】本発明による電子写真記録材料の製造のた
め、一般式(I) による少なくとも1種の金属不含フタロ
シアニン顔料は、所望によりも非置換金属不含フタロシ
アニンの混合結晶の形で、(1) 導電性基体に単一絶縁
樹脂結合剤層の形で活性成分として、又は(2) 導電性
基体に同じ樹脂結合剤中の電荷輸送材料と共に、又は
(3) 二つの層が導電性基体によって支持され、電荷輸
送層(CTL)に直接接着した電荷発生層を形成するた
め、樹脂結合剤と組合せて適用する。
【0109】電荷発生フタロシアニン顔料と樹脂結合剤
を混合する割合は変えることができる。しかしながら、
例えば凝集を避けるため、相対的に特別の限界がある。
本発明による感光性層中での前記顔料の有用な含有率
は、前記層の全重量に対して0.05〜90重量%の範
囲であり、5〜70重量%の範囲であるのが好ましい。
【0110】電荷発生層中での好ましい顔料含有率は、
前記層の全重量に対し30〜70重量%の範囲である。
単一活性層系における感光性層は30μm未満の厚さで
あるのが好ましく、電荷発生層は5μm未満の厚さであ
るのが好ましく、2μ未満の厚さであるのが更に好まし
い。
【0111】本発明の光導電性記録材料中の電荷輸送層
は、5〜50μの範囲の厚さを有するのが好ましく、5
〜30μmの範囲が更に好ましい。これらの層が低分子
量電荷輸送分子を含有するときには、かかる化合物は3
0〜70重量%の濃度で存在するのが好ましい。
【0112】本発明の特別の例によれば、電子写真記録
材料は、電気絶縁性の有機重合体結合剤中に、少なくと
も1種のp−型顔料物質及び少なくとも1種のn−型光
導電性電荷輸送物質を含有する陽に帯電しうる光導電性
記録層を上に有する導電性支持体を含有し、(i) p−型
顔料物質の少なくとも1種が、主として形態的にX−型
での前記一般式(I) に相当する化合物であるか、又は非
置換金属不含フタロシアニンと、0.14〜3.3のモ
ル比範囲で一般式(I) に相当する化合物を含むX−形態
を主として有する混合結晶顔料であり、(ii)前記層が、
4〜40μmの範囲の厚さを有し、少なくとも1014 O
hm - m の体積抵抗率を有する前記電気絶縁有機重合体
結合剤材料中に分子的に分散している前記n−型電荷輸
送物質の少なくとも1種の0.0001〜15重量%及
び前記p−型顔料物質の5〜40重量%を含有し、(iv)
静電的に帯電した状態で前記記録層が、それぞれ10%
及び90%放電のために、4.5倍未満異なる導電率増
大電磁放射線に対する露光を必要とする。所望により、
前記光導電性層の支持体は、導電支持体から光導電性記
録層中への電荷注入を減じ又は防止する接着剤及び/又
はブロツキング層(整流層)で前被覆する、そして所望
によっては光導電性記録層は最外保護層で上塗被覆す
る。
【0113】前記最後に述べた例の好ましい形によれ
ば、前記光導電性記録層は、5〜35μmの範囲の厚さ
を有し、前記p−型顔料材料6〜30重量%及び前記p
−型輸送物質0.001〜12重量%を含有する。
【0114】本発明の特別の例によれば、電子写真記録
材料は、電気絶縁性の有機重合体結合剤中に、少なくと
も1種のn−型顔料物質及び少なくとも1種のp−型電
荷輸送層物質を含有する陰に帯電しうる光導電性記録層
を上に有する導電性支持体を含み、(i) n−型顔料物質
の少なくとも1種が主として形態的にX−型である一般
式(I) に相当する化合物であるか、又は非置換金属不含
フタロシアニンと、0.14〜3.3のモル比範囲で一
般式(I) に相当する化合物を含むX−形態を主として有
する混合結晶顔料であり、(ii)標準飽和カロメル電極に
対し混合物の形で用いたp−型電荷輸送物質の半波酸化
電位が0.400Vより大きく異ならず、(iii) 前記層
が4〜40μmの範囲の厚さを有し、少なくとも1014
Ohm - mの体積抵抗率を有する前記電気絶縁性の有機重
合体結合剤材料中に分子的に分散した前記p−型電荷輸
送物質の少なくとも1種の0.01〜40重量及び前記
n−型顔料物質8〜80重量%を含有し、(iv)静電的に
帯電した状態で前記記録層が、それぞれ10%及び90
%放電のために、4.5倍未満異なる導電率増大電磁放
射線への露光を必要とする。
【0115】所望により、前記光導電性層の支持体は、
導電性支持体から光導電性記録層への電荷注入を減ずる
か又は防止する接着剤及び/又はブロツキング層(整流
層)で前被覆する。所望によリ光導電性記録層は最外保
護層で上塗被覆する。
【0116】前記最後に述べた例の好ましい形によれ
ば、前記光導電性記録層は、5〜35μmの厚さを有
し、前記n−型顔料物質10〜70重量%及び前記p−
型輸送物質の1〜30重量%を含有する。
【0117】“n−型”材料なる語によって、n−型コ
ンダクタンスを有する材料と理解する、これは陰電極を
有する照射された透明電極と接触しているとき、前記材
料中で発生した光電流(In)が、陽照射電極と接触し
ているとき発生した光電流(Ip)より大(In/Ip
>1)であることを意味する。
【0118】“p−型”材料なる語によって、p−型コ
ンダクタンスを有する材料と理解する、これは陽電極を
有する照射された透明電極と接触しているとき前記材料
中に発生した光電流(Ip)が、陰照射電極と接触して
いるとき発生する光導電流(In)より大(Ip/In
>1)であることを意味する。
【0119】樹脂結合剤は、最適の機械的強度、接着及
び有利な電気的性質を基準にして選択する。特定の樹脂
は、陰電荷輸送CTLと組合せた、又は陽電荷輸送CT
Lと組合せた、電荷発生層に使用するのに好適であるだ
けでありうる。
【0120】電荷発生層に使用するのに好適な結合剤樹
脂は、硬化樹脂又は非硬化樹脂であることができる。好
適な非硬化樹脂には例えばセルロースエステル、アクリ
レート及びメタクリレート樹脂、シアノアクリレート樹
脂、ポリビニルクロライド、ビニルクロライドの共重合
体、ポリビニルアセタール樹脂例えばポリビニルブチラ
ール、ポリエステル樹脂例えばイソフタル酸及びテレフ
タル酸とグリコールのコポリエステル、芳香族ポリエス
テル−カーボネート樹脂又は芳香族ポリカーボネート樹
脂がある。好適な硬化樹脂には、ポリイソシアネートで
硬化されるフエノキシ及びエポキシ樹脂、ポリアミノア
ミド樹脂で硬化されるエポキシ樹脂、アミンで硬化され
るエポキシ樹脂及びポリイソシアネートで硬化されるヒ
ドロキシ基含有重合体がある。
【0121】好適な芳香族ポリカーボネートは、Wiley
and Sons Inc. 1988年発行、Encyclopedia of
Polymer Science and Engineering 2版、II巻、
648〜718頁に D. Freitag 等によって発表され
ている方法の如き方法で作ることができ、下記一般式(I
I)による反復単位の1種以上を有する:
【0122】
【化12】
【0123】 ,R7 及びR8 の各々は同じか又は異なり、水素,ハロ
ゲン、アルキル基又はアリール基を表わし、R5 及びR
6 はそれぞれ同じか又は異なり、水素,アルキル基,又
はアリール基を表わし、又は一緒になって環式樹脂族
環、例えばシクロヘキサン環を閉環するのに必要な原子
を表わす。
【0124】10000〜200000の範囲の分子量
を有する芳香族ポリカーボネートが好ましい。かかる高
分子量を有する好適なポリカーボネートは、ドイツ国の
Bayer AGより登録商標MAKROLONで市販され
ている。
【0125】 ある。
【0126】
【0127】 る。
【0128】更に有用な結合剤樹脂には、シリコーン樹
脂、ポリスチレン及びスチレンと無水マレイン酸の共重
合体及びブタジエンとスチレンの共重合体がある。
【0129】電子的に活性な樹脂結合剤の例にはポリビ
ニルカルバゾール又はその共重合体がある。
【0130】本発明の陰電荷輸送層のため好ましい結合
剤は下記一般式を有するホモ又はコ−ポリカーボネート
である:
【0131】
【化13】
【0132】式中X−,R1 ,R2 ,R3 及びR4 は前
記一般式(II)に記載したのと同意義を有する。本発明に
おけるn−CTL結合剤として有用な特別のポリカーボ
ネートには下記のB1〜B7がある。
【0133】
【化14】
【0134】
【化15】
【0135】
【化16】
【0136】
【化17】
【0137】
【化18】
【0138】
【化19】
【0139】
【化20】
【0140】1種以上のスペクトル増感剤の存在は、電
荷輸送時に有利な効果を有することができる。その関連
において、US−P3832171及びUS−P402
8102に記載された増感染料を参照できる。好ましく
はこれらの染料は電荷輸送層の可視光帯域(420〜7
50nm)における透明性を実質的に低下させない量で
使用する。かくして電荷発生層が電荷輸送層を通して露
光したときの露出光の実質的な量を受用できるようにす
る。
【0141】陽電荷輸送層は、電子供与体電荷輸送化合
物が存在するとき、分子内電荷移動複合体、即ち供与体
−受容体複合体を形成する電子受容体基で置換された化
合物を含有できる。電子受容性基を有する有用な化合物
には、ニトロセルロース及び芳香族ニトロ化合物例えば
ニトロ化フルオレノン−9誘導体、ニトロ化9−ジシア
ノメチレンフルオレノン誘導体、ニトロ化ナフタレン及
びニトロ化ナフタル酸無水物又はイミド誘導体がある。
電子受容体基を有する前記化合物の好ましい濃度範囲
は、供与体/受容体重量比が2.5:1〜1000:1
であるような範囲である。
【0142】陰電荷輸送層は、ヒドラゾン化合物が電子
供与化合物を表わすように分子内電荷移動複合体、即ち
供与体−受容体複合体を形成する電子供与体基で置換さ
れた化合物を含有できる。電子供与基を有する有用な化
合物にはヒドラゾン例えば4−N,N−ジエチルアミノ
−ベンズアルデヒド−1,1−ジフエニルヒドラゾン
(DEH)、アミン例えばトリス(p−トリルアミン)
(TTA)及びN,N′−ジフエニル−N,N′−ビス
(3−メチル−フエニル)−〔1,1−ビフエニル〕−
4,4′−ジアミン(TPD)等がある。前記誘導体の
最適濃度範囲は、受容体/供与体重量比が2.5:1〜
1000:1であるような範囲である。
【0143】紫外放射線による劣化に対する安定剤とし
て作用する化合物、いわゆるUV安定剤も前記電荷輸送
層に混入できる。UV安定剤の例にはベンズトリアゾー
ルがある。
【0144】本発明による記録材料において使用するた
めの電荷輸送化合物としては、前述した任意の既知の電
荷輸送化合物を使用できる。特に良好な結果は、US−
P4923554、US−P4943502、US−P
5043238、EP452569A、EP46232
7A、EP534514A、EP534005A、EP
537808A及びEP534004Aに記載された光
導電性記録材料において使用される電荷輸送化合物を用
いて得られる。
【0145】被覆組成物の粘度を制御し、脱泡を助け、
それらの光学的透明度を制御するため、電荷輸送層にシ
リコーンオイルを加えることができる。
【0146】本発明による記録材料において使用する電
荷輸送層は、低い暗放電と組合された高電荷輸送容量を
与える性質を有する。普通の単一層光導電性系を用いる
と、光感度の増大が暗電流及び疲労の増大を伴うが、電
荷発生と電荷輸送の機能が分離され、感光性電荷発生層
が電荷輸送層に対し隣接関係で配置されている二重層配
置の場合にはかかることはない。
【0147】或る場合には、電荷発生層及び/又は電荷
輸送層中で可塑剤、例えばハロゲン化パラフイン、ポリ
ビフエニルクロライド、ジメチルナフタレン又はジブチ
ルナフタレートを使用することが有利なことがある。
【0148】本発明の記録材料において、接着剤層又は
バリヤー層を、電荷発生層と支持体の間又は電荷輸送層
と支持体の間に存在させることができる。そのために有
用なものには、例えばポリアミド層、ニトロセルロース
層、加水分解したシラン層、又は酸化アルミニウム層が
あり、支持体側からの陽又は陰電荷注入を防止するブロ
ツキング層として作用する。前記バリヤー層の厚さは1
μm以下であるのが好ましい。
【0149】導電性支持体は好適な導電性材料から作る
ことができる。代表的な導電体には、アルミニウム、
鋼、黄銅、及び導電性増強物質、例えば真空蒸着金属、
分散したカーボンブラック、グラフアイト及び導電性単
量体塩又は導電性重合体、例えばUS−P383217
1に記載された Calgon Conductive Polymer 261
(米国、ペンシルヴアニア州、ピツツバーグの Calgon
Corporation Inc. の商標)の如き四級化窒素原子を
含有する重合体を混入したか又はそれらで被覆した紙及
び樹脂材料を含む。
【0150】支持体は箔、ウエブの形であることがで
き、又はドラムの一部であることができる。
【0151】本発明による電子写真記録法は下記の工程
を含む:
【0152】(1) 感光性層を全面的に静電的に帯電す
る、前記層は、前記導電性支持体上に、単一活性層とし
て、又は前記支持体上に二つの活性層を含有する層系に
おいては、電荷輸送層と接触した形での感光性電荷発生
層として存在させる、
【0153】(2) 前記記録材料の感光性層を像に従っ
て露光し、これによって潜在静電像を得る。
【0154】感光性電荷発生層の露光は、支持体と電荷
輸送層の間に電荷発生層を有する二層記録材料の場合に
おいては電荷輸送層を好ましくは通して行う、しかし電
荷発生層が最外層であるときには直接であることができ
る、又は導電性支持体が露出光に対し充分な透明性であ
るときには導電性支持体を通して同様に行うことができ
る。
【0155】静電潜像の現像は、静電荷パターンにクー
ロン力によって引きつけられるトナー粒子と称される微
粒子化された静電的に吸引される材料を用いて普通に生
ぜしめるのが好ましい。トナー現像は、当業者に知られ
ている乾式又は液体トナー現像である。
【0156】ポジ−ポジ現像においては、トナー粒子
は、原像に対してポジ−ポジ関係にある電荷担持面のこ
れらの部域に付着する。反転現像においては、トナー粒
子は、原像に対してネガ−ポジ像関係にある記録表面部
域上に移行し、付着する。後者の場合において、露光に
よって放電される部域が、適切にバイアスされた現像電
極を介した誘導により、トナー粒子の電荷信号に対して
反対の電荷信号の電荷を得る、かくしてトナーが、像に
従った露光で放電された露光部域で付着するようになる
(ロンドン及びニューヨークの The Focal Press 1
975年発行、R.M. Schaffert 著、Electrophotograph
y 、拡大改訂版、50〜51頁、及びロンドンの Aca
demic Press 1979年発行、T. P. Maclean 著、Ele
ctronicImaging 、231頁参照)。
【0157】特別の例によれば、例えばコロナによる静
電帯電及び像に従った露光は同時に行う。
【0158】トナー現像後の残存電荷は、全面露光及び
/又は交流コロナ処理により次の複写サイクルを開始す
る前に消失させることができる。
【0159】電荷発生層のスペクトル感度に依存する本
発明による記録材料は、全ての種類の光子放射線、例え
ば可視スペクトルの光、赤外光、近紫外光及び電子−正
孔対が電荷発生層中でX−線で形成できるときにはX−
線と組合せて使用できる。従ってそれらは、電荷発生物
質又はそれらの混合物のスペクトル感度の適切な選択に
より、白熱ランプ、蛍光ランプ、レーザー光源又は発光
ダイオードと組合せて使用できる。
【0160】得られたトナー像は記録材料上に定着でき
る、又は受容体材料に転写し、その上に定着後完全可視
像を形成することができる。
【0161】特に低い疲労効果を示す本発明による記録
材料は、全面的な帯電、像に従った露光、トナー現像及
び受容体材料へのトナー転写の逐次工程を含む急速連続
複写サイクルで操作する記録装置で使用できる。
【0162】下記実施例は更に本発明を示すものである
が、これらに限定するものではない。全ての部、比及び
百分率は他に特記せぬ限り重量による。
【0163】実施例中で使用した陽電荷輸送性電荷輸送
材料(CTM)(P1〜P11)の構造をそれらの参照
番号を付して以下に示す:
【0164】
【化21】
【0165】
【化22】
【0166】
【化23】
【0167】
【化24】
【0168】
【化25】
【0169】
【化26】
【0170】
【化27】
【0171】
【化28】
【0172】
【化29】
【0173】
【化30】
【0174】
【化31】
【0175】実施例で使用する陰電荷輸送CTM(N1
〜N8)の構造を参照番号を付して以下に示す:
【0176】
【化32】
【0177】
【化33】
【0178】
【化34】
【0179】
【化35】
【0180】
【化36】
【0181】
【化37】
【0182】
【化38】
【0183】
【化39】
【0184】下記実施例の記録材料について測定した電
子写真特性の評価は、再使用可能な光導電体を用いる電
子写真法での記録材料の性能に関する。性能特性の測定
は、ゼロ露光を含む16回の異なる露光に対して放電が
得られたセンシトメトリー測定を用いて行った。光導電
性記録シート材料は、その導電性裏基材を、10cm/
秒の周速度で回転し、アースされたアルミニウムドラム
上に設置した。記録材料は、−600Vのグリッド電圧
で操作する−5.7Vの電圧で陰コロナで、又は+60
0Vのグリッド電圧で操作する+5.7Vの電圧で陽コ
ロナで逐次帯電させた。続いて記録材料を、コロナ源に
対して45°の角度でドラムの周辺に位置したモノクロ
メーターから得られた単色光の光線量で露光した(刺戟
性像に従った露光)。露光は200ミリ秒続けた。次に
露光した記録材料を、コロナ源に対し180°の角度で
置いた電位計プローブを通した。コロナ源に対して27
0°の角度で置いた355mJ/m2 を生ずるハロゲン
ランプで全面後露光を行った後、新しい複写サイクルを
開始した。各測定は、光導電体を、最初の5サイクルに
ついては完全光源強度に対して露光し、続いて、0.
2、0.38、0.55、0.73、0.92、1.0
2、1.20、1.45、1.56、1.70、1.9
5、2.16、2.25、2.51及び3.21の光学
濃度のグレイフイルターによって変調した光出力の光源
に対し、それぞれ5サイクルずつ露光し、最後に、最後
の5サイクルに対してはゼロ光強度に露光して、80回
の複写サイクルに関する。
【0185】スペクトル感度特性(nmでの入射光の波
長に対してプロットした表面電荷の初期の値の半分に表
面電荷を減少させるのに要するmJ/m2 で表示した入
射光露出の逆数)を、20nmの間隔で個々の波長でセ
ンシトメトリー測定を行い、形成されたセンシトメトリ
ー曲線(200ミリ秒の一定露光時間での露光に対して
プロットした表面電圧)から、表面電圧におけるその初
期値の半分までの低下又は個々の波長に対する−100
Vまでの低下に相当する露光を内挿することによって測
定した。前記センシトメトリー測定は、コロナ源に対し
て45°の角度でドラムの周囲に置いたモノクロメータ
ーから得た“単色光”の個々の線量で露光して行った。
露光は20ミリ秒続けた。次に露光した記録材料を、コ
ロナ源に対して180°の角度で置いた電位計プローブ
を通した。
【0186】後掲の実施例3〜45及び比較例3〜10
に示した電気−光学結果は、ゼロ光強度での帯電レベル
(CL)及び残存電位(RP)について示した露光にグ
レーフイルターで変調した光源強度に相当する光強度で
の放電に関する。
【0187】放電%は である。
【0188】一定のコロナ電圧、コロナグリッド電圧、
記録面へのコロナワイヤーの分離距離、及びドラム周速
に対し、帯電レベルCLは、電荷輸送層の厚さ及びその
比抵抗率によってのみ決る。実際にボルトで示したCL
は、好ましくは≧30dであるべきであり、ここにdは
電荷輸送層のμmでの厚さである。
【0189】実施例 1 金属不含フタロシアニン及び表1の化合物1の1:1モ
ル混合物からなるX−結晶変態における電荷発生結晶顔
料の製造
【0190】(A) 1,2,3−トリシアノベンゼンの
製造
【0191】1500mlの乾燥ジメチルホルムアミド
中の150g(1.08モル)の2,6−ジフルオロベ
ンゾニトリルの溶液を、79.4g(1.62モル)の
シアン化ナトリウムと、室温で湿分を除去し、攪拌して
混合した。反応混合物を次いで更に24時間室温で烈し
く攪拌した。
【0192】次に反応混合物を7.5lの氷水中に攪拌
しつつ注入し、形成された沈澱を濾別し、沈澱を水洗
し、生成物を一定重量になるまで乾燥した。粗製生成物
(108.5g)を、200℃の浴温及び0.1 mbar
の真空下に昇華させた。トルエンで再結晶後177〜1
78℃の融点を有する理論収量の81.1%に相当する
100.5gの1,2,3−トリシアノベンゼンの収量
を得た。
【0193】(B) 金属不含フタロシアニン及びα−結
晶変態での表1の化合物1(Cpd1)の1:1モル混
合物からなる混合結晶顔料の製造
【0194】1.9gの1,2,3−トリシアノベンゼ
ン及び11.2gのフタロニトリルを150mlのアミ
ルアルコールに溶解した。次にメタノール中の30%ナ
トリウムメチレート15mlを加え、反応混合物を6時
間還流加熱した。形成されたジナトリウム塩を、100
mlの水中に懸濁させた冷却した反応混合物から濾別
し、次いで室温で30分攪拌しつつ10%塩酸100m
lで処理した。金属不含フタロシアニン及びα−結晶変
態での表1の化合物1の1:1モル混合物からなる形成
された混合結晶顔料を濾別し、中性になるまで水洗し、
次いで50℃で乾燥した。約9gの顔料が得られた。
【0195】(C) 金属不含フタロシアニン及びX−結
晶変態での表1の化合物1の1:1モル混合物からなる
混合結晶顔料の製造
【0196】α−結晶変態で前述した如く作った顔料9
gを250mlのα−メチルナフタレンで24時間還流
下に処理した。かくしてX−線回折分析で確認し、X−
結晶変態が8.2gの収量、63%の収率で作られた。
【0197】比較例 1 実施例1(A) 及び(C) に記載した方法を用い金属不含フ
タロシアニン顔料の製造
【0198】12.8gのフタロニトリルを150ml
のアミルアルコールに溶解した、次にメタノール中30
%のナトリウムメチレート溶液15mlを加え、反応混
合物を6時間還流加熱した。冷却後形成されたジナトリ
ウムフタロシアニン塩を濾別し、100mlの水中に懸
濁し、次いで室温で攪拌しつつ30分間10%塩酸10
0mlで処理した。形成されたα−金属不含フタロシア
ニン(α−H2 Pc)を濾別し、中性になるまで水洗
し、次いで50℃で乾燥した。8.8gのガソリン色顔
料を得た。
【0199】次に8.8gの前記α−H2 Pcを250
mlのα−メチルナフタレンで24時間還流下に処理し
た。8.0gの収量で、X−線回折分析で確認した通り
β−結晶変態が作られた。
【0200】比較例 2 実施例1(A) 及び1(C) に記載した方法を用い、金属不
含フタロシアニン及び2−シアノ金属不含フタロシアニ
ンの1:1モル混合物からなる混合結晶混合物の製造
【0201】1.9gの1,2,4−トリシアノベンゼ
ン及び11.2gのフタロニトリルを150mlのアミ
ルアルコールに溶解した、次にメタノール中の30%ナ
トリウムメチレート溶液15mlを加え、反応混合物を
6時間還流加熱した。冷却後、形成されたジナトリウム
塩を濾別し、100mlの水中に懸濁し、次いで10%
塩酸100mlで室温で30分処理した。次に金属不含
フタロシアニン及びα−結晶変態での2−シアノ金属不
含フタロシアニンの1:1モル混合物からなる形成され
た混合結晶混合物を濾別し、中性になるまで水洗し、次
いで50℃で乾燥した。8.7gのガソリン色の顔料を
得た。
【0202】α−結晶変態での顔料8.7gを250m
lのα−メチルナフタレンで24時間還流下に処理し、
8.0gの収量でα−結晶変態を得た、これはX−線回
折分析で確認した。
【0203】実施例 2 金属不含フタロシアニン及びX−結晶変態での表1の化
合物2の0.5:1モル混合物からなる電荷発生混合結
晶顔料の製造
【0204】(A) 実施例1(A) に記載した方法と同様
の合成法を用いて、例えば2−クロロ−6−フルオロベ
ンゾニトリルから3−クロロ−1,2−ジシアノベンゼ
ンを作ることができる。
【0205】(B) 金属不含フタロシアニン及びα−結
晶変態での表1の化合物2の0.5:1モル混合物から
なる混合結晶顔料の製造
【0206】2.7gの3−クロロ−1,2−ジシアノ
ベンゼン及び10.7gのフタロニトリルを150ml
のアミルアルコールに溶解した。次にメタノール中の3
0%ナトリウムメチレート溶液15mlを加え、反応混
合物を6時間還流加熱した。形成されたジナトリウム塩
を、冷却した反応混合物から濾別し、100mlの水中
に懸濁し、次に10%塩酸100mlで30分間室温で
攪拌処理した。次に金属不含フタロシアニン及びα−結
晶変態での化合物3の0.5:1モル比からなる形成さ
れた混合結晶混合物を濾別し、中性になるまで水洗し、
50℃で乾燥した。約8.9gのガソリン色の顔料が得
られた。
【0207】(C) 金属不含フタロシアニン及びX−結
晶変態での表1の化合物2の0.5:1モル混合物から
なる混合結晶顔料の製造
【0208】α−結晶変態での顔料8.9gを250m
lのα−メチルナフタレンで24時間還流下に処理し、
次いでX−結晶変態を作った、収量8.2g、X−線回
折分析で確認した。
【0209】実施例 3 アルミニウム導電性層で蒸着被覆した厚さ175μmの
ポリエステルフイルムを、続いて加水分解したシラン接
着剤層で被覆し、これを電荷発生顔料の分散で厚さ0.
6μmに被覆し、そして電荷輸送物質及び結合剤の濾過
した溶液で厚さ11.4μmに被覆して光導電体シート
を作った。被覆はそれぞれの場合においてドクターブレ
ンドコーターで行った。
【0210】加水分解したシラン接着剤層は、アルミニ
ウム化したポリエステル基体上にγ−アミノプロピルト
リエトキシシランの3重量%溶液を被覆し、30分間1
00℃で加水分解/重合をして作った。
【0211】電荷発生顔料分散液は、実施例1に記載し
た如く作った金属不含フタロシアニン及び表1の化合物
1の1:1モル混合物からなる混合結晶顔料のX−変態
1g、MAKROLON CD 2000(商標)0.
15g及びジクロロメタン10.34gを、ボールミル
中で40時間混合することにより作った。次に0.85
gのMAKROLON CD 2000(商標)及び
7.65gのジクロロメタンを加え、分散液を更に15
分間混合した。前記層は80℃で15分間乾燥し、続い
て2gの1,2−ビス(1,2−ジヒドロ−2,2,4
−トリメチル−キノリン−1−イル)エタン、2gのM
AKROLON 5700(商標)及び26.6gのジ
クロロメタンの濾過した溶液である透明層組成物で上塗
被覆した。この層は次いで50℃で16時間乾燥た。
【0212】かくして得られた光導電性記録材料の特性
を、前述した如く660nm光の10mJ/m2 の光線
量で測定し、下記結果を得た。
【0213】CL=−604V RP=−50V 放電%=91.7 最初の30秒での暗放電=59V
【0214】実施例3の記録材料は、使用した光導電体
顔料の図13に示し如きスペクトル感度特性を示す作用
をした。RSは、最高感度が観察された波長で要求され
た帯電レベルに対する−100Vへ帯電レベルを低下さ
れるのに要したmJ/m2 での入射光露出としてここに
定義する。
【0215】実施例 4 実施例3におけるMAKROLON 5700(商標)
中の50重量%の1,2−ビス(1,2−ジヒドロ−
2,2,4−トリメチル−キノリン−1−イル)エタン
の代りに、MAKROLON 5700(商標)中の4
0重量%のトリス(p−トリル)アミンから電荷輸送層
を構成して、実施例3に記載した如くして光導電性記録
材料を作った。
【0216】かくして得られた光導電性記録材料の特性
を、前述した如く780nm光の10mJ/m2 の光線
量で測定し、下記の結果を得た。
【0217】CL=−544V RP=−37V 放電%=93.3 最初の30秒での暗放電=167V
【0218】実施例 5 実施例3における1,2−ビス(1,2−ジヒドロ−
2,2,4−トリメチル−キノリン−1−イル)エタン
の代りにCTMとして1,3−ビス−ジシアノメチレン
−2−メチル−2−n−ペンチル−インダン−1,3−
ジオンを使用し、CTM濃度を50重量%の代りに45
重量%とし、CTL層の厚さを12.4μmとして、実
施例3に記載した如くして光導電性記録材料を作った。
【0219】かくして得られた光導電性記録材料の特性
を、660nm光の20mJ/m2の光線量で測定し
た、使用したCTMがp−CTMでなくてn−CTMで
あったことから、光導電性記録材料は陽に帯電した。結
果は次の通りであった。
【0220】CL=589V RP=91V 放電%=84.6 最初の30秒での暗放電=381V
【0221】実施例 6〜13及び比較例 3〜5
【0222】実施例6〜13の光導電性記録材料に対し
ては、実施例1に記載した如く作った表1の化合物1及
び金属不含フタロシアニンの種々のモル比からなる混合
結晶顔料を使用し、比較例1及び2において作ったもの
を比較例3及び4の光導電性記録材料において使用し、
比較例5の光導電性記録材料においてはX−金属不含フ
タロシアニン(大日本インキ化学社製FASTOGEN
BLUE 8120B)を使用して、実施例3に記載
した如くして、実施例6〜13及び比較例3〜5の光導
電性記録材料を作った。モル比、顔料の結晶変態及びC
TL層の厚さ(dCTL )を表2に示す。
【0223】かくして得られた光導電性記録材料の電気
−光学特性を前述した如く測定し、結果を、実施例3の
光導電性記録材料の結果と共に表2に示す。
【0224】
【表3】
【0225】比較例 6 金属不含フタロシアニン及び化合物1の1:1モル混合
物からなる混合結晶顔料のX−変態の代りに、25重量
%のX−金属不含フタロシアニン(大日本インキ化学社
製FASTOGEN BLUE 8120B)及び25
重量%のX−金属不含1−シアノフタロシアニンからな
る電荷発生顔料を使用し、CTL層の厚さを13.4μ
mとして、実施例3に記載した如くして光導電性記録材
料を作った。
【0226】かくして得られた光導電性記録材料の特性
を前述した如く測定し、結果を、実施例3及び6、及び
比較例5の光導電性記録材料の結果と共に表3に示す。
【0227】
【表4】
【0228】これらの結果は、電荷発生顔料としてH2
Pc:Cpd1の1:1モル比を有するX−混合結晶顔
料を有する有機光導電体が、下記の点で、FASTOG
ENBLUE 8120B対X−金属不含1−シアノフ
タロシアニンの1:1重量比を用いた有機光導電体の結
果よりもすぐれた電気−光学特性を示すことを証明して
いる。
【0229】非常に高い帯電可能性:−604V対−5
04V 高い高感度:91.7%放電対87.5%放電 非常に低い暗放電:最初の30秒での59V対212V
【0230】実施例 14及び比較例 7 電荷発生顔料を、16時間250℃で熱処理した。金属
不含フタロシアニン対化合物1の1:75:1.00モ
ル比を含有するX−形態混合結晶顔料、及び16時間2
50℃で熱処理したX−金属不含フタロシアニン(大日
本インキ化学社のFASTOGEN BLUE 812
0B)として、実施例3に記載した如くて実施例14及
び比較例7の光導電性記録材料を作った。CTL層の厚
さは表4に示す。
【0231】かくして得られた光導電性記録材料の電気
−光学特性を前述した如く測定し、結果を実施例8及び
比較例5の光導電性記録材料の結果を共に表4に示す。
【0232】
【表5】
【0233】これらの結果は、16時間250℃で熱処
理処理した電荷発生顔料を用いて作った有機光導電体
が、H2 Pc対化合物1の1.75:1.0モル比を有
するX−混合結晶顔料の場合における熱処理前の電荷発
生顔料を用いて作ったものと比較して電気−光学特性に
大きな変化がないことを示すことを証明している、しか
しFASTOGEN BLUE 8120B(X−金属
不含フタロシアニン)の場合には電気−光学特性におけ
る著しい劣化が観察された。
【0234】実施例 15〜24 P1の代りに別のp−CTMを使用して実施例8に記載
した如くして実施例15〜24の光導電性記録材料を作
った。CTL層の厚さを、使用したCTM及びCTM濃
度と共に表5に示す。
【0235】かくして得られた光導電性記録材料の電気
−光学特性を前述した如く測定し、結果を実施例8の光
導電性記録材料の結果と共に表5に示す。
【0236】
【表6】
【0237】実施例 25〜31及び比較例 8〜10 実施例25〜31の光導電性記録材料のため、実施例1
の顔料と同様にして作った金属不含フタロシアニン及び
化合物1の種々のモル比からなる混合結晶顔料を使用
し、N2をP1の代りのCTMとして使用して、実施例
5に記載した如くして実施例25〜31及び比較例8〜
10の光導電性記録材料を作った。比較例1及び2で作
った顔料を、比較例8及び9の光導電性記録材料で使用
し、比較例10の光導電性記録材料においてはX−金属
不含フタロシアニン(大日本インキ化学社のFASTO
GEN BLUE 8120B)を使用した。モル比、
顔料の結晶変態及びCTL層の厚さを表6に示す。
【0238】かくして得られた光導電性記録材料の電気
−光学特性を前述した如く測定した、結果を実施例5の
記録材料の結果と共に表6に示す。
【0239】
【表7】
【0240】実施例 32〜37 実施例32〜37の光導電性記録材料は、N2の代りに
別のn−CTMを使用して、実施例26に記載した如く
して作った。CTL層の厚さを、使用したCTM及びC
TM濃度(n−CTM及びTPD)と共に表7に示す。
【0241】かくして得られた光導電性記録材料の電気
−光学特性を前述した如く測定した、結果を、実施例2
6の光導電性記録材料に対する結果と共に表7に示す。
【0242】
【表8】
【0243】実施例 38〜41 実施例38〜41の光導電性記録材料は、実施例2の顔
料と同様にして作った金属不含フタロシアニン及び化合
物2の種々のモル比からなる顔料を使用し、実施例5に
記載した如くして作った。モル比、顔料の結晶変態及び
CTL層の厚さを表8に示す。
【0244】かくして得られた光導電性記録材料の電気
−光学特性を前述した如く測定した、結果を表8に示
す。
【0245】
【表9】
【0246】実施例 42〜45 実施例42〜45の光導電性記録材料は、N2の代りC
TMとして異なるp−CTMを使用して、実施例39に
記載した如く作った。CTL層の厚さを、使用したCT
M及びCTM濃度と共に表9に示す。
【0247】得られた光導電性記録材料の電気−化学特
性を前述した如く測定した、結果を表9に示す。
【0248】
【表10】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、X−金属不含フタロシアニン(FAS
TOGEN BLUE 8120B、商標)を含有する
光導電性記録材料のスペクトル感度特性を示し、相対感
度(RS)を、モノクロメーターからの入射光のnmで
の波長(λ)に対してプロットしてある。RSは、最高
感度が観察された波長で要求された値に対し、その初期
値を半分に帯電レベルを低下させるのに要したmJ/m
2 での入射露光として定義する。
【図2】図2は、吸収及びX−線回折スペクトルで同定
した、そして非置換金属不含フタロシアニン(H2
c)に対する結晶又は混合結晶中の金属不含1−シアノ
フタロシアニン(Cpd1)のモル%に基づいた、24
時間還流α−メチルナフタレンで微粒子化α−金属不含
フタロシアニンを処理して作った顔料変態(α,X,β
又はそれらの混合物)の依存性を示す。垂直線は、顔料
の特定変態が混合変態になる大体のモル百分率及びその
逆を示す。
【図3】図3は、吸収及びX−線回折スペクトルによっ
て同定し、そして非置換金属不含フタロシアニン(H2
Pc)に対する結晶又は混合結晶中の金属不含1−クロ
ロフタロシアニン(Cpd2)のモル%に基づいた、2
4時間還流α−メチルナフタレンで微粒子化α−金属不
含フタロシアニン顔料を処理して作った顔料変態(α,
X,β又はそれらの混合物)の依存性を示す。
【図4】図4は、吸収及びX−線回折スペクトルによっ
て同定し、そして非置換金属不含フタロシアニン(H2
Pc)に対する結晶又は混合結晶中の金属不含1−ブロ
モフタロシアニン(Cpd3)のモル%に基づいた、2
4時間還流α−メチルナフタレンで微粒子化α−金属不
含フタロシアニン顔料を処理して作った顔料変態(α,
X,β又はそれらの混合物)の依存性を示す。
【図5】図5は、ボールミル中で40時間混合すること
によって作ったメチレンクロライド中の電荷発生顔料対
ポリカーボネーチ樹脂結合剤MAKROLON CD2
000(商標)の1:1重量比での分散液から流延して
作った電荷発生層に対する波長(λ)に基づいた吸光度
(A)の依存性としての吸収スペクトルを示す。特に1
6時間250℃で加熱する前のH2 Pc対金属不含1−
シアノフタロシアニンノ1.75:1モル比を含むX−
形態混合顔料の吸収スペクトルを示す。
【図6】図6は図5と同じ吸収スペクトルを示すが、図
6は16時間250℃で加熱した後の図5と同じX−形
態混合顔料の吸収スペクトルを示す。
【図7】図7は図5と同じ吸収スペクトルを示すが、1
6時間250℃で加熱する前のX−金属不含フタロシア
ニン(大日本インキ化学社のFASTOGEN BLU
E 8120B)の吸収スペクトルを示し、特に16時
間250℃で加熱する前の吸収スペクトルを示す。
【図8】図8は図7と同じ吸収スペクトルを示すが、1
6時間250℃で加熱した後の吸収スペクトルを示す。
【図9】図9は、16時間250℃で加熱する前H2
c対金属不含1−シアノフタロシアニンに対する強度
(I)対ブラツグ角(2θ)としてのX−線回折スクペ
クトルを示す。
【図10】図10は、16時間250℃で加熱した後の
図9と同じX−線回折スクペクトルを示す。
【図11】図11は、16時間250℃で加熱する前の
X−金属不含フタロシアニン(大日本インキ化学社のF
ASTOGEN BLUE 8120B)に対する強度
(I)対ブラツグ角(2θ)としてのX−線回折スクペ
クトルを示す。
【図12】図12は、16時間250℃で加熱した後の
図11と同じX−線回折スクペクトルを示す。
【図13】図13は、本発明により使用した金属不含フ
タロシアニン対金属不含1−シアノフタロシアニンの
1:1モル比を含むX−形態混合結晶顔料を含有する光
導電体のスペクトル感度特性を示し、相対感度(RS)
を、モノクロメータからの入射光のnmでの波長(λ)
に対したてプロットした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ステファーン・ド・ムテル ベルギー国モートゼール、セプテストラー ト 27 アグファ・ゲヴェルト・ナームロ ゼ・ベンノートチャップ内 (72)発明者 ベルン・カレッタ ベルギー国モートゼール、セプテストラー ト 27 アグファ・ゲヴェルト・ナームロ ゼ・ベンノートチャップ内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光による電荷発生容量を有し、光導電
    性顔料として、光導電性結晶質置換金属不含フタロシア
    ニン化合物及び/又は前記置換金属不含フタロシアニン
    化合物と非置換金属不含フタロシアニンの混合結晶顔料
    を含有する感光性記録層及び導電性支持体を含む電子写
    真記録材料において、前記置換金属不含フタロシアニン
    化合物が下記一般式(I) 【化1】 (式中Rは、フタロシアニン構造中の6員環の少なくと
    も一つで、オルソ位における置換基であるハロゲン、ニ
    トロ基及びシアノ基からなる群から選択した置換基を表
    わし、各置換6員環は唯一つ置換されており、可能なオ
    ルソ位は*印で示してある、xは1,2,3又は4であ
    る)によって表わされ、前記置換金属不含フタロシアニ
    ン化合物及び前記置換金属不含フタロシアニン化合物と
    非置換金属不含フタロシアニンの混合結晶の主重量部が
    X−形態型で存在することを特徴とする電子写真記録材
    料。
  2. 【請求項2】前記一般式(I) において、RがClである
    ことを特徴とする請求項1の電子写真記録材料。
  3. 【請求項3】 前記一般式(I) において、RがBrであ
    ることを特徴とする請求項1の電子写真記録材料。
  4. 【請求項4】 一般式(I) による前記置換金属不含フタ
    ロシアニンが、0.14〜3.3のモル比範囲で非置換
    金属不含フタロシアニンと共に主としてX−型混合結晶
    で存在することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項
    の電子写真記録材料。
  5. 【請求項5】 一般式(I) による前記置換金属不含フタ
    ロシアニン顔料(所望により非置換金属不含フタロシア
    ニンとの前記混合結晶顔料の形での)を、(1) 導電性
    基体に単一絶縁樹脂結合剤層中の活性成分として適用す
    るか、又は(2) 導電性基体に同じ樹脂結合剤層中の電
    荷輸送材料と共に適用するか、又は(3) 樹脂結合剤と
    組合せて、電荷輸送層(CTL)に直接接着する電荷発
    生層を形成するため付与する(この二層は導電性基体に
    より支持されている)ことを特徴とする請求項1〜4の
    何れか1項の電子写真記録材料。
  6. 【請求項6】 感光性層中の前記光導電性顔料の含有率
    が、前記層の全重量に対して0.05〜90重量%の範
    囲であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項の
    電子写真記録材料。
  7. 【請求項7】 前記光導電性顔料が、電荷発生層中に、
    前記層の全重量に対して30〜70全重量%の範囲で存
    在してることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項の
    電子写真記録材料。
  8. 【請求項8】 感光性層が30μm未満の厚さであるこ
    とを特徴とする請求項1〜4の何れか1項の電子写真記
    録材料。
  9. 【請求項9】 前記(3)で記載した電荷発生層が5μ
    m未満の厚さを有することを特徴とする請求項5の電子
    写真記録材料。
  10. 【請求項10】 前記材料が、少なくとも1種のp−型
    顔料物質及び少なくとも1種n−型光導電性電荷輸送物
    質を電気絶縁性の有機重合体結合剤中に含有する陽に帯
    電しうる光導電性記録層を上に有する導電性支持体を含
    み、(i) 少なくとも1種のp−型顔料物質が、主として
    形態的にX−型である前記一般式(I)に相当する化合物
    であるか、又はp−型非置換金属不含フタロシアニン
    と、0.14〜3.3のモル比範囲で前記一般式(I) に
    相当するp−型化合物を含有する主としてX−型を有す
    る混合結晶顔料であり、(ii)前記層が4〜40μmの範
    囲の厚さを有し、少なくとも1014 Ohm - m の体積抵
    抗率を有する前記電気絶縁有機重合体結合剤材料中に分
    子的に分散している少なくとも1種の前記n−型電荷輸
    送物質0.0001〜15重量%及び前記p−型顔料物
    質5〜40重量%を含有し、そして(iv)静電的に帯電し
    た状態で前記記録層が、10%及び90%放電のため
    に、それぞれ4.5倍以下異なる導電率増大電磁放射線
    に対し露光することを必要とすることを特徴とする請求
    項1〜9の何れか1項の電子写真記録材料。
  11. 【請求項11】 前記光導電性記録層が、5〜35μm
    の範囲の厚さを有し、前記p−型顔料材料6〜30重量
    %及び前記p−型輸送物質0.001〜12重量%を含
    有することを特徴とする請求項10の電子写真記録材
    料。
  12. 【請求項12】 前記材料が、少なくとも1種のn−型
    顔料物質及び少なくとも1種のp−型電荷輸送物質を電
    気絶縁有機重合体結合剤中に含有する負に帯電しうる光
    導電性記録層を上に有する導電性支持体を含み、(i) 少
    なくとも1種のn−型顔料物質が、主として形態的にX
    −型である前記一般式(I) に相当する化合物であるか、
    又は非置換金属不含フタロシアニンと、0.14〜3.
    3のモル比範囲で前記一般式(I) に相当するp−型化合
    物を含む主としてX−型を有する混合結晶顔料であり、
    (ii)標準飽和カロメル電極に対し、混合物の形で適用し
    たp−型電荷輸送物質の半波酸化電位が、0.400V
    より大きく異ならず、(iii) 前記層が4〜40μmの範
    囲の厚さを有し、少なくとも1014 Ohm - m の体積抵
    抗率を有する前記電気絶縁有機重合体結合剤材料中に分
    子的に分散している少なくとも1種の前記p−型電荷輸
    送物質0.01〜40重量%及び前記n−型顔料物質8
    〜80重量%を含有し、(iv)静電的に帯電した状態で前
    記記録層が、10%及び90%放電のために、それぞれ
    4.5倍以下異なる導電率増大電磁放射線に対する露光
    を必要とすることを特徴とする請求項1〜9の何れか1
    項の電子写真記録材料。
  13. 【請求項13】 前記光導電性記録層が、5〜35μm
    の範囲の厚さを有し、前記n−型顔料物質10〜70重
    量%及び前記p−型輸送物質1〜30重量%を含有する
    ことを特徴とする請求項12の電子写真記録材料。
  14. 【請求項14】 感光性記録層が、硬化樹脂及び非硬化
    樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜13の何れ
    か1項の電子写真記録材料。
  15. 【請求項15】 非硬化樹脂を、セルロースエステル、
    アクリレート及びメタクリレート樹脂、シアノアクリレ
    ート樹脂、ポリビニルクロライド、ビニルクロライドの
    共重合体、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹
    脂、芳香族ポリエステル−カーボネート樹脂又は芳香族
    ポリカーボネート樹脂からなる群から選択することを特
    徴とする請求項14の電子写真記録材料。
  16. 【請求項16】 硬化樹脂を、ポリイソシアネートで硬
    化されたフエノキシ及びエポキシ樹脂、ポリアミノアミ
    ド樹脂で硬化されたエポキシ樹脂、アミンで硬化された
    エポキシ樹脂及びポリイソシアネートで硬化されたヒド
    ロキシ基含有重合体からなる群から選択することを特徴
    とする請求項14の電子写真記録材料。
  17. 【請求項17】 記録材において、接着剤層即ちバリヤ
    ー層が、電荷発生層又は電荷輸送層と支持体の間に存在
    し、前記バリヤー層の厚さが1μ以下であることを特徴
    とする請求項5〜16の何れか1項の電子写真記録材
    料。
  18. 【請求項18】 導電性支持体が、アルミニウム、黄銅
    又は導電性増強物を混入するか、それで被覆された紙も
    しくは樹脂から作られ、支持体が箔、ウエブの形である
    か又はドラムの一部であることを特徴とする請求項1〜
    17の何れか1項の電子写真記録材料。
  19. 【請求項19】 一般式(I) による前記金属不含フタロ
    シアニン顔料及び非置換金属不含フタロシアニンと混合
    した前記結晶顔料が、それらの主部分で、還流α−メチ
    ルナフタレンでのそれらの相当するα−形態変性の処理
    によりX−形態変性の形で得られたことを特徴とする請
    求項1〜18の何れか1項の電子写真記録材料。
  20. 【請求項20】 (1) 請求項1〜19の何れか1項の電
    子写真記録材料の感光性層を全面的に静電的に帯電する
    工程を含み、前記層が、単一活性層として前記導電性支
    持体上に存在するか、又は前記支持体上に二つの活性層
    を含有する層系の形で電荷輸送層と接触した形での感光
    性電荷発生層として存在し、そして(2) 前記記録材料の
    感光性層を像に従って露光し、これによって潜在静電荷
    像を得る工程を含むことを特徴とする電子写真記録法。
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